JP5378207B2 - (メタ)アクリル酸の製造方法 - Google Patents

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Description

本発明は、(メタ)アクリル酸を製造するための方法に関するものである。
(メタ)アクリル酸は、一般的に、気相接触酸化反応により得られる(メタ)アクリル酸含有反応ガスを凝縮塔または捕集塔に導いて(メタ)アクリル酸水溶液とし、さらに精製することにより製造される。かかる精製方法の一つとしては、(メタ)アクリル酸水溶液を共沸分離塔へ導入し、共沸溶剤の存在下で共沸蒸留する方法が広く知られている。
しかし、(メタ)アクリル酸は非常に重合しやすい。そこで凝縮塔や捕集塔などでは、(メタ)アクリル酸の重合を防止するために重合防止剤が添加される。
特開2001−181252号公報には、(メタ)アクリル酸の重合防止剤として、N−オキシル化合物と共に酢酸マンガンを併用してもよいとの記載がある。特開平5−51403号公報には、酢酸マンガンを供給原料に溶解した上で蒸留塔へ供給した例が記載されている。ここで用いられた供給原料は、水30質量%と酢酸2.5質量%を含むアクリル酸である。特開2001−348359号公報には、酢酸マンガンを他の重合防止剤と共に水に溶解した上で、共沸分離塔へ供給した例が記載されている。さらに特開2004−51489号公報には、重合防止剤をアクリル酸と共に供給することが好ましいとの記載があり、重合防止剤の一例として酢酸マンガンが挙げられている。
本発明者らは、共沸分離塔における(メタ)アクリル酸の重合防止手段を検討したところ、次の知見を得た。
(1) 先ず、(メタ)アクリル酸の重合防止剤として酢酸マンガンを用い、その水溶液を共沸分離塔へ供給した。その結果、酢酸マンガン水溶液を共沸分離塔へ移送するための配管、例えば送液ポンプラインにおいて析出物が生じた。かかる析出がさらに進行すると配管が詰まって共沸分離塔への酢酸マンガン水溶液の供給が不足し、共沸分離塔内で(メタ)アクリル酸のポリマーが発生するというトラブルが発生した。なお、配管中の析出物は、当初は酢酸マンガン自体からなるものと考えられていたが、その後の検討で、酢酸マンガンの変性物が主体であることが明らかにされた。
(2) 次に、酢酸マンガンを、(メタ)アクリル酸含有ガスを水と接触させて得られる(メタ)アクリル酸水溶液や、製品アクリル酸などに溶解して共沸分離塔に供給した。その結果、酢酸マンガンに起因する析出物の発生は抑えられたものの、送液ポンプラインなどで(メタ)アクリル酸が重合し、ポリマーによる詰まりが発生した。さらには、共沸分離塔内でのポリマーの発生や、ポリマーの装置内面への付着といった問題が生じた。
上記の問題は、酢酸マンガンを凝縮塔や捕集塔などに供給する際にも同様に生じた。
上述した状況下、本発明の目的は、上記のような配管や精製塔などにおける酢酸マンガンに起因する析出物や(メタ)アクリル酸の重合を効果的に防止する方法を提供することにある。より詳しくは、(メタ)アクリル酸の製造に際し、(メタ)アクリル酸含有ガスの凝縮や捕集、或いは(メタ)アクリル酸の共沸分離などの精製工程において、重合防止剤である酢酸マンガンに由来する配管での析出や(メタ)アクリル酸の重合を抑制する。
本発明者らは、上記課題を解決するために鋭意研究を行った。その結果、重合防止剤である酢酸マンガンを、濃度が比較的低い(メタ)アクリル酸水溶液などに溶解した上で共沸分離塔などへ供給すれば、酢酸マンガンに起因する析出物の発生や(メタ)アクリル酸の重合が起こり難いことを見出して本発明を完成した。
本発明に係る第一の(メタ)アクリル酸の製造方法は、接触気相酸化反応によりアクリル酸含有ガスを得る工程;および、得られたアクリル酸含有ガスを凝縮塔または捕集塔へ導入し、(メタ)アクリル酸含有液を得る工程;を含み、重合防止剤として酢酸マンガンを用い、酢酸マンガンを、(a)(メタ)アクリル酸濃度が10質量%を超えない(メタ)アクリル酸水溶液、(b)(メタ)アクリル酸以外の有機酸の水溶液、(c)(メタ)アクリル酸濃度が10質量%を超えない、(メタ)アクリル酸とその他の有機酸との混合水溶液のいずれかに溶解して酢酸マンガン水溶液とし、当該酢酸マンガン水溶液を凝縮塔または捕集塔に供給することを特徴とする。
本発明に係る第二の(メタ)アクリル酸の製造方法は、接触気相酸化反応によりアクリル酸含有ガスを得る工程;得られたアクリル酸含有ガスを凝縮塔または捕集塔へ導入し、(メタ)アクリル酸含有液を得る工程;および、得られた(メタ)アクリル酸含有液を蒸留塔および/または晶析器へ導入して(メタ)アクリル酸を精製する工程;を含み、重合防止剤として酢酸マンガンを用い、酢酸マンガンを、(a)(メタ)アクリル酸濃度が10質量%を超えない(メタ)アクリル酸水溶液、(b)(メタ)アクリル酸以外の有機酸の水溶液、(c)(メタ)アクリル酸濃度が10質量%を超えない、(メタ)アクリル酸とその他の有機酸との混合水溶液のいずれかに溶解して酢酸マンガン水溶液とし、当該酢酸マンガン水溶液を、凝縮塔、捕集塔、蒸留塔のうちいずれか1以上へ供給することを特徴とする。
本発明に係る第三の(メタ)アクリル酸の製造方法は、接触気相酸化反応によりアクリル酸含有ガスを得る工程;得られたアクリル酸含有ガスを捕集塔へ導入し、(メタ)アクリル酸含有液を得る工程;および、得られた(メタ)アクリル酸含有液を共沸分離塔へ導入し、共沸溶剤の存在下で共沸蒸留することにより粗(メタ)アクリル酸を得る工程;を含み、重合防止剤として酢酸マンガンを用い、酢酸マンガンを、(a)(メタ)アクリル酸濃度が10質量%を超えない(メタ)アクリル酸水溶液、(b)(メタ)アクリル酸以外の有機酸の水溶液、(c)(メタ)アクリル酸濃度が10質量%を超えない、(メタ)アクリル酸とその他の有機酸との混合水溶液のいずれかに溶解して酢酸マンガン水溶液とし、当該酢酸マンガン水溶液を、捕集塔および/または共沸分離塔へ供給することを特徴とする。
本発明方法では、先ず、接触気相酸化反応により(メタ)アクリル酸含有ガスを得る。当該反応は当業者にとり周知であり、当業者であれば、常法に従って当該反応により(メタ)アクリル酸含有ガスを得ることができる。例えば、プロピレン、プロパン、アクロレインなどを原料化合物とし、酸化触媒の存在下、空気など分子状酸素含有ガスを反応させる。当該反応の結果、目的化合物である(メタ)アクリル酸のほか、水や酢酸などを副生物として含むガスが得られる。
次に、得られた(メタ)アクリル酸含有ガスを凝縮塔または捕集塔へ導入することにより、(メタ)アクリル酸含有液を得る。凝縮塔や捕集塔の運転条件は、従来公知のものを適用すればよい。
凝縮塔は、(メタ)アクリル酸含有ガスを凝縮することによって、非凝縮性ガスを分離して(メタ)アクリル酸を含むプロセス液を得るものである。
捕集塔内では、(メタ)アクリル酸含有ガスを捕集液に接触させることにより、(メタ)アクリル酸含有液が得られる。かかる捕集液としては、水や有機溶媒、(メタ)アクリル酸製造プロセスの廃液、精製途中の粗(メタ)アクリル酸などを用いることができる。
より具体的には、捕集塔を用い且つ捕集液として水を用いた場合の捕集条件は、以下のとおりにすることができる。
塔頂温度: 40℃以上、80℃以下
塔底温度: 50℃以上、100℃以下
捕集塔の塔頂圧力: 0kPa以上、30kPa以下(ゲージ圧)
捕集塔の塔頂温度が40℃より低いと、冷却のための設備費や用役費が高くなるおそれがある。また、(メタ)アクリル酸より低い沸点を有する物質の混入量が多くなり、(メタ)アクリル酸含有液における(メタ)アクリル酸濃度の低下を招き、廃水量も増加する場合がある。一方、塔頂温度が80℃より高いと(メタ)アクリル酸の捕集効率が低下するおそれがある。また、捕集塔の塔底温度が100℃より高いと、塔底部におけるポリマー生成量が多くなる場合があり得る。捕集塔の塔頂圧力が0kPa(ゲージ圧)より低いと、減圧装置が必要となる。一方、当該圧力が30kPa(ゲージ圧)より高いと、接触気相酸化反応器へ原料ガスを供給するためのブロワーを大型化しなければならない場合がある。
得られた(メタ)アクリル酸から、共沸分離塔、蒸留塔、晶析器などを用いて(メタ)アクリル酸を精製する。もちろん、これらの2以上を組合わせて(メタ)アクリル酸を精製してもよい。これら精製手段の具体的な運転条件は、従来公知のものを適用すればよい。
特に捕集塔を用いて廃水などにより(メタ)アクリル酸を捕集した場合には、得られた(メタ)アクリル酸含有液には比較的多くの水が含まれるので、共沸蒸留により(メタ)アクリル酸を精製することが好ましい。
共沸分離塔の運転条件は特に限定されるものではなく、前述のとおり、一般に用いられている条件を適用することができる。具体的には、例えば、塔頂温度35℃以上、50℃以下、塔底温度80℃以上、110℃以下、塔頂圧力10kPa以上、40kPa以下(絶対圧)、還流比0.3以上、2.0以下とすることができる。共沸分離塔の塔頂温度が35℃より低いと、冷却のための設備費や用役費が必要となる。一方、当該温度が50℃より高いと、ポリマーの生成量が多くなる場合があり得る。また、共沸分離塔の塔底温度が110℃より高いと、塔底部におけるポリマーの生成量が多くなるおそれがある。また、共沸溶剤としては、トルエンなどを用いることができる。
蒸留塔の運転条件も特に制限されず、一般に用いられている条件を適用することができる。例えば、常圧におけるアクリル酸の沸点は139℃、メタクリル酸の沸点は163℃であるので、塔頂温度は40℃以上、90℃以下程度、塔頂圧は絶対圧で1kPa以上、40kPa以下程度にすることができる。
晶析器も、従来公知のものを使用できる。例えば、連続晶析器、回分晶析器のいずれを用いてもよく、また、1段または2段以上で晶析を実施することができる。
本発明では、重合防止剤として酢酸マンガンを用いる。酢酸マンガンは、従来、水や精製途中の粗(メタ)アクリル酸に溶解した上で、各精製塔などへ供給されていた。しかしそれでは、供給のための配管などで酢酸マンガンの変性物など酢酸マンガン由来の析出物が生じたり、或いは(メタ)アクリル酸のポリマーが生成するという問題があった。そこで本発明では、酢酸マンガンを、(a)(メタ)アクリル酸濃度が10質量%を超えない(メタ)アクリル酸水溶液、(b)(メタ)アクリル酸以外の有機酸の水溶液、(c)(メタ)アクリル酸濃度が10質量%を超えない、(メタ)アクリル酸とその他の有機酸との混合水溶液のいずれかに溶解して酢酸マンガン水溶液とし、当該酢酸マンガン水溶液を、上記凝縮塔、捕集塔、共沸分離塔、蒸留塔のうちいずれか1以上に供給する。酢酸マンガンに適度の量の(メタ)アクリル酸、或いはその他の有機酸を共存させることによって、上記析出物や重合物の発生を抑制することができ、長期にわたる(メタ)アクリル酸の製造を安定して実施することが可能になる。
上記母液(a)としては、例えば、以下のものを挙げることができる。
(1) 粗(メタ)アクリル酸や精製工程を経て得られた精製(メタ)アクリル酸に水を加え、10質量%を超えないように濃度を調整した(メタ)アクリル酸水溶液
(2) 凝縮塔または捕集塔から得られた(メタ)アクリル酸溶液へ水を加え、10質量%を超えないように濃度を調整した(メタ)アクリル酸水溶液
上記母液(a)における(メタ)アクリル酸の濃度は、好ましくは0.1質量%以上とする。当該濃度が0.1質量%以上であれば、酢酸マンガン由来の析出をより一層確実に抑制できる。なお、当該濃度が10質量%を超えると、(メタ)アクリル酸の重合物が生成するおそれがある。当該濃度は、5質量%以下とすることがより好ましい。
上記母液(a)には、その重合防止効果を損なわない範囲で、その他の不純物が含まれていてもよい。当該不純物としては、接触気相酸化反応由来の副生物や、各精製工程で生じた副生物などが考えられる。
上記母液(b)としては、例えば、以下のものを挙げることができる。
(1) 工業用酢酸を水に溶解した酢酸水溶液
(2) (メタ)アクリル酸の製造工程で得られる、ギ酸、酢酸、プロピオン酸、マレイン酸、(メタ)アクリル酸ダイマーなどを含む廃水(プロセス廃水)
(3) 上記プロセス廃水に水を加えて濃度を適宜調整した廃水
母液(b)中の(メタ)アクリル酸以外の有機酸の濃度は、0.1質量%以上、20質量%以下とすることが好ましい。0.1質量%以上であれば、酢酸マンガン水溶液のpHを十分酸性にすることができる。その一方で、当該濃度が20質量%を超えると、これら有機酸の除去の負担が必要以上に増えるおそれがある。
ギ酸、酢酸、プロピオン酸、マレイン酸および(メタ)アクリル酸ダイマーなどは、(メタ)アクリル酸の製造工程で副生する。よって、母液(b)としては、(メタ)アクリル酸の製造工程で得られるギ酸、酢酸、プロピオン酸、マレイン酸、および(メタ)アクリル酸ダイマーの少なくとも1種を含むプロセス廃水を利用するのがコストの面から好ましい。
上記母液(c)としては、例えば、(メタ)アクリル酸製造工程で得られる、(メタ)アクリル酸、ギ酸、酢酸、プロピオン酸、マレイン酸や、(メタ)アクリル酸ダイマーを含むプロセス廃水に水を加えて濃度が10質量%を超えないようにした水溶液が挙げられる。当該(メタ)アクリル酸濃度は、より好ましくは0.1質量%以上、5質量%以下に調整する。母液(c)中の(メタ)アクリル酸以外の有機酸の濃度には特に限定はなく、プロセス廃水をそのまま或いは適宜水を加えて使用することができるが、より好適には0.1質量%以上、20質量%以下とする。
酢酸マンガン水溶液における酢酸マンガンの濃度は適宜調整すればよいが、0.1質量%以上、30質量%以下とすることが好ましい。当該濃度が0.1質量%未満であると、例えば当該水溶液を共沸蒸留塔へ導入した場合には導入される水の量が多くなり、その分離に要するコストが高まる場合がある。また、多量の水が(メタ)アクリル酸の重合を促進するおそれもある。一方、当該濃度が30質量%を超えると、酢酸マンガン水溶液中に含まれる不純物が副反応や重合を促進するおそれがあり得る。当該濃度は、0.5質量%以上、20質量%以下がより好ましい。
上記酢酸マンガン水溶液のpHは1以上、4以下の範囲に調整することが好ましい。当該pHが4を超えると、酢酸マンガンに起因する析出物が発生するおそれがあり得る。一方、当該pHを1未満にするには、酸が過剰に必要な場合があり得る。当該pHは、上記母液における(メタ)アクリル酸やその他の有機酸の濃度により調整することができる。
酢酸マンガンに加え、必要に応じて、(メタ)アクリル酸の重合防止に有効であることが知られている重合防止剤を併用してもよい。これら重合防止剤としては、例えばハイドロキノンやp−メトキシフェノールなどのフェノール化合物類;フェノチアジンなどのアミン化合物類;ジブチルジチオカルバミン酸銅などの銅塩化合物類;2,2,6,6−テトラメチルピペリジノオキシルなどのN−オキシル化合物類などを挙げることができる。さらに、分子状酸素を併用することにより重合防止効果を高めることができる。酢酸マンガン以外の重合防止剤の使用量は、十分な重合防止効果が得られる範囲内で適宜決定することができる。
なお、酢酸マンガンとしては、主に酢酸マンガン(II)と酢酸マンガン(II)4水和物が市販されているが、本発明ではいずれも使用することができる。
本発明では、上記酢酸マンガン水溶液を、凝縮塔、捕集塔、蒸留塔、共沸分離塔のうちいずれか1以上へ供給する。特に凝縮塔または捕集塔へ上記酢酸マンガン水溶液を供給することによって、より良好な製造が可能になる。即ち、製造プロセスの初期におけるポリマーの生成を抑制すれば、以降の精製塔の周辺やストレーナなどにポリマーが堆積する問題や、製品にポリマーが混入するといった問題を最小限にとどめることができる。
上記酢酸マンガン水溶液の供給方法は特に制限されないが、プロセス液と混合しないように、専用の配管、例えば送液ポンプラインを経て供給することが好ましい。
上記酢酸マンガン水溶液やその他の重合防止剤の溶液を供給するための配管は、酢酸マンガン水溶液の供給量などに応じて選択すればよいが、通常は断面積が1cm2以上、20cm2以下という比較的細い管が用いられる。よって、従来、酢酸マンガン由来の析出物や、(メタ)アクリル酸のポリマーにより管が詰まることがあった。しかし本発明では、酢酸マンガン水溶液に適量の(メタ)アクリル酸等が配合されていることから、かかる問題は解消されている。
上記酢酸マンガン水溶液の供給量は、供給すべき設備の種類や規模などに応じて適宜調整すればよい。例えば上記酢酸マンガン水溶液を共沸分離塔へ供給する場合には、共沸分離塔における(メタ)アクリル酸の蒸発蒸気量に対する酢酸マンガンの量が1ppm以上、100ppm以下となるように供給することができる。また、酢酸マンガン水溶液の供給速度は、例えば1cm/s以上、50cm/s以下の範囲で適宜決定することができる。
上記酢酸マンガン水溶液は、精製塔などの内壁に万遍なく供給されることにより(メタ)アクリル酸の重合を良好に抑制できるので、好適には複数箇所から供給される。
以下、実施例および比較例を挙げて本発明を説明するが、本発明はこれらに制限されるものではない。
実施例1
プロピレンを分子状酸素含有ガスで接触気相酸化することにより、アクリル酸含有ガスを得た。当該ガスをアクリル酸捕集塔に導入し、水と接触させることによりアクリル酸含有液を得た。当該アクリル酸含有液をアクロレイン放散塔に導いてアクロレインを放散させ、アクリル酸65質量%、水30質量%、酢酸3.0質量%を含むアクリル酸水溶液を得た。段数60段、段間隔147mmのシーブトレーを備え、塔頂部に留出管、中央部に原料供給管、塔底部に塔底液抜き出し管を備えた共沸分離塔を用い、共沸溶剤としてトルエンを用いて、このアクリル酸水溶液を共沸蒸留した。
定常運転時における運転状態は、共沸分離塔の塔頂温度47℃、塔底温度99℃、塔頂圧力100mmHg、還流比(単位時間当たりの還流液の全モル数/単位時間当たりの留出液の全モル数)1.35、原料液である前記アクリル酸水溶液の供給量7.62L/時であった。
共沸分離塔の塔頂から得られる留出物は貯槽に導き、トルエンを主成分とする有機相と水相に分離し、有機相は還流液として共沸分離塔にリサイクルした。
重合防止剤として、酢酸マンガン、ジブチルジチオカルバミン酸銅塩、ハイドロノン、フェノチアジンおよび分子状酸素を用い、酢酸マンガン、ジブチルジチオカルバミン酸銅塩、ハイドロノンおよびフェノチアジンは、共沸分離塔の塔頂から、また分子状酸素は塔底部から共沸分離塔に導入した。酢酸マンガン、ジブチルジチオカルバミン酸銅塩、ハイドロノンおよびフェノチアジンの使用量は、アクリル酸蒸発蒸気量に対して、それぞれ50ppm、50ppm、100ppmおよび100ppmであった。分子状酸素量は、アクリル酸蒸発蒸気量に対して0.3容量%であった。なお、ジブチルジチオカルバミン酸銅塩、ハイドロノンおよびフェノチアジンは、それぞれ専用の送液ポンプを用いて共沸分離塔に導入した。
酢酸マンガンについては、水98質量部と製品アクリル酸2質量部とを混合して作成した2質量%アクリル酸水溶液を母液とし、この母液に酢酸マンガンを、酢酸マンガン濃度が10質量%の溶液となるように溶解した後、共沸分離塔に導入した。なお、2質量%アクリル酸水溶液自体のpHは2.4であった。
定常状態における塔底抜き出し液の組成は、アクリル酸97.0質量%、酢酸0.03質量%、その他2.96質量%であった。この条件で2ヶ月間連続運転したところ、常に安定した状態が得られた。また、運転停止後、共沸分離塔内の点検を行った結果、ポリマーの発生は殆ど認められなかった。
使用した酢酸マンガン水溶液のpHなどをまとめて表1に示す。
比較例1
酢酸マンガンを水に溶解し、濃度が10質量%の酢酸マンガン水溶液として共沸分離塔に導入した以外は実施例1と同様にして、アクリル酸の共沸蒸留を行った。
上記条件で連続運転したところ、酢酸マンガン水溶液専用の送液ポンプライン内で析出物による詰まりが発生し、所定量の酢酸マンガン水溶液が送液できない状態になった。稼働48日目に運転を停止し、共沸分離塔内の点検を行ったところ、塔内には多量のポリマーが発生していた。
このように、水を母液とし、これに酢酸マンガンを溶解して、酢酸マンガン水溶液として送液するときは析出物が発生することがわかった。酢酸マンガン水溶液のpHなどをまとめて表1に示す。
比較例2
共沸分離塔に供給する原料である、アクリル酸65質量%、水30質量%、酢酸3.0質量%を含むアクリル酸水溶液を母液とし、これに酢酸マンガンを、その濃度が10質量%となるように溶解して、10質量%酢酸マンガン水溶液を調製した。当該酢酸マンガン水溶液を共沸分離塔に供給した以外は実施例1と同様にして、アクリル酸を共沸蒸留した。
上記条件で連続運転したところ、酢酸マンガン水溶液専用の送液ポンプライン内でポリマーによる詰まりが発生し、所定量の酢酸マンガン水溶液が送液できない状態になった。稼働32日目に運転を停止し、共沸分離塔内を点検したところ、塔内には多量のポリマーが発生していた。
このように、アクリル酸を65質量%の濃度で含む母液を用いて酢酸マンガン水溶液とし、当該水溶液を送液するときはポリマーが生成すること、即ち、この酢酸マンガン水溶液自体が重合しやすいことがわかった。酢酸マンガン水溶液のpHなどをまとめて表1に示す。
実施例2
水93質量部と製品アクリル酸7質量部とを混合して作成した7質量%アクリル酸水溶液を母液とし、この母液に酢酸マンガン濃度が25質量%となるように溶解した以外は実施例1と同様にして、アクリル酸を共沸蒸留した。
この条件で2ヶ月間連続運転したところ、常に安定した状態が得られた。運転停止後に蒸留塔内の点検を行った結果においても、ポリマーの発生はほとんど認められなかったが、酢酸マンガン溶液専用の送液ポンプライン内でポリマーと見られる析出物が少量発生していた。酢酸マンガン水溶液のpHなどをまとめて表1に示す。
実施例3
酢酸マンガンを酢酸マンガン濃度が25質量%となるように溶解した以外は実施例1と同様にして、アクリル酸を共沸蒸留した。
この条件で2ヶ月間連続運転したところ、常に安定した状態が得られた。運転停止後に蒸留塔内の点検を行った結果においても、ポリマーの発生はほとんど認められなかったが、酢酸マンガン溶液専用の送液ポンプライン内でポリマーと見られる析出物が微量発生していた。酢酸マンガン水溶液のpHなどをまとめて表1に示す。
実施例4
共沸蒸留の原料液であるアクリル酸水溶液を水で希釈して作成した酢酸0.09質量%、ギ酸0.02質量%、プロピオン酸0.001質量%、マレイン酸0.02質量%およびアクリル酸ダイマー0.05質量%を含む2質量%アクリル酸水溶液を母液とし、この母液に酢酸マンガンを酢酸マンガン濃度が10質量%となるように溶解した。当該酢酸マンガン水溶液を用いた以外は実施例1と同様にして、アクリル酸を共沸蒸留した。
この条件で2ヶ月間連続運転したところ、常に安定した状態が得られた。運転停止後に蒸留塔内の点検を行った結果においても、ポリマーの発生はほとんど認められなかった。酢酸マンガン水溶液のpHなどをまとめて表1に示す。
実施例5
水90質量部と酢酸10質量部とを混合して作成した10質量%酢酸水溶液を母液とし、この母液に酢酸マンガンを酢酸マンガン濃度が10質量%となるように溶解した。当該酢酸マンガン水溶液を用いた以外は実施例1と同様にして、アクリル酸を共沸蒸留した。
この条件で2ヶ月間連続運転したところ、常に安定した状態が得られた。運転停止後に蒸留塔内の点検を行った結果においても、ポリマーの発生はほとんど認められなかった。酢酸マンガン水溶液のpHなどをまとめて表1に示す。
実施例6
アクリル酸2質量%、酢酸10質量%およびギ酸0.6質量%を含むプロセス廃水を母液とし、この母液に酢酸マンガンを酢酸マンガン濃度が10質量%となるように溶解した。当該酢酸マンガン水溶液を用いた以外は実施例1と同様にして、アクリル酸を共沸蒸留した。
この条件で2ヶ月間連続運転したところ、常に安定した状態が得られた。運転停止後に蒸留塔内の点検を行った結果においても、ポリマーの発生はほとんど認められなかった。酢酸マンガン水溶液のpHなどをまとめて表1に示す。
比較例3
水80質量部と製品アクリル酸20質量部とを混合して作成した20質量%アクリル酸水溶液を母液とし、この母液に酢酸マンガンを酢酸マンガン濃度が10質量%となるように溶解した。当該酢酸マンガン水溶液を用いた以外は実施例1と同様にして、アクリル酸を共沸蒸留した。
この条件で2ヶ月間連続運転したところ、稼働途中に酢酸マンガン溶液専用の送液ポンプライン内でポリマーによる詰まりが発生し、所定量の酢酸マンガン溶液が送液されない状態になった。稼働56日目に運転を停止し、蒸留塔内の点検を行った結果、塔内に多量のポリマーが発生していた。酢酸マンガン水溶液のpHなどをまとめて表1に示す。
実施例7
特開2005−15478号公報の実施例1の方法に従って、アクリル酸含有ガスの捕集を行った。
具体的には、プロピレンの接触気相酸化反応により得たアクリル酸含有ガスを予冷器で200℃に冷却した後、アクリル酸捕集塔に導入してアクリル酸含有液を得た。当該捕集塔は、規則充填物を充填した充填塔で計算上の理論段数が21段であり、塔底部にアクリル酸含有ガスの供給口および捕集液の抜き出し口、塔頂部に捕集用水溶液導入口およびガスの排出口、塔側部(理論段第19段)に蒸留塔からの塔頂液の供給管などを備え、さらに塔頂部より排出されるガスの一部を冷却するための冷却器とを備えるものである。
捕集塔の重合防止剤としてはハイドロキノンと酢酸マンガン水溶液を用いた。ハイドロキノンについては、捕集塔に導入するアクリル酸含有ガス中のアクリル酸量に対して50質量ppmに相当するハイドロキノンを含む水を塔頂上より導入した。酢酸マンガンについては、水98質量部と製品アクリル酸2質量部とを混合して作成した2質量%アクリル酸水溶液を母液とし、この母液に酢酸マンガンを、酢酸マンガン濃度が10質量%の溶液となるように溶解し、捕集塔の塔頂より導入した。なお、2質量%アクリル酸水溶液自体のpHは2.4であった。
アクリル酸捕集塔の塔頂温度は66.9℃、塔頂圧力は0.11MPa(絶対圧)、リサイクルガスの冷却温度は40.6℃ 、リサイクル率は29.0%に調節した。なお、リサイクルガスの冷却によって得られた凝縮液は全量、捕集塔に循環した。
塔側部からは、アクリル酸74.8質量%、水8.6質量%、酢酸5.1質量%、マレイン酸2.1質量%、フルフラール0.2質量%、ベンズアルデヒド0.8質量%、ホルムアルデヒド0.2質量%、アクリル酸ダイマー4.2質量%、その他の不純物4.0質量%の組成を持つ蒸留塔の留出液および残留母液とからなる循環液を1.90kg/時で供給した。この時の捕集塔におけるアクリル酸の吸収効率は、98.22%であった。
さらに、このアクリル酸含有液を内径が100mm、充填高さが5mの充填塔であるアクロレイン分離塔の上部に供給し、塔頂圧力を265hPa(絶対圧)とし塔底温度が70℃となるように加熱しながらアクロレインなどを蒸留分離した。これにより、塔底部より、アクリル酸89.0質量%、水3.2質量%、酢酸1.9質量%、マレイン酸1.1質量%、フルフラール0.07質量%、ベンズアルデヒド0. 3質量%、ホルムアルデヒド0.06質量%、アクリル酸ダイマー2.3質量%、その他の不純物2.07質量%、を含むアクリル酸含有液を5.10kg/時で得た。このアクリル酸含有液を、晶析装置に供給して結晶化させ、製品アクリル酸を得た。
この条件で3ヶ月間連続運転したところ、常に安定した状態が得られた。運転停止後に捕集塔内の点検を行った結果においても、ポリマーの発生は殆ど認められなかった。また、アクロレイン分離塔と晶析装置の連続運転も常に安定した状態が得られていた。
また、送液ポンプラインにおいて酢酸マンガン由来の析出物が生じることもなく、また詰まりのトラブルなども問題も発生しなかった。
比較例4
酢酸マンガンを水に溶解し、濃度が10質量%の酢酸マンガン水溶液を捕集塔に導入した以外は実施例7と同様にして、アクリル酸を製造した。
上記条件で連続運転したところ、酢酸マンガン水溶液専用の送液ポンプライン内で析出物による詰まりが発生し、所定量の酢酸マンガン水溶液が送液できない状態になった。稼働62日目に運転を停止し、捕集塔内の点検を行ったところ、塔内には多量のポリマーが発生していた。
実施例8
塔側部から、蒸留塔の留出液および残留母液とからなる循環液として、アクリル酸83.5質量%、水6.7質量%、酢酸3.1質量%、マレイン酸1.3質量%、フルフラール1.4質量%、ベンズアルデヒド0.5質量%、ホルムアルデヒド0.2質量%、アクリル酸ダイマー2.6質量%、その他の不純物0.7質量%の組成を有する循環液を供給した以外は、実施例7と同様にして、アクリル酸を捕集した。捕集塔の塔底部から、アクリル酸90.2質量%、水3.4質量%、酢酸1.6質量%、マレイン酸1.0質量%、フルフラール0.7質量%、ベンズアルデヒド0.3質量%、ホルムアルデヒド0.09質量%、アクリル酸ダイマー2.4質量%、その他の不純物0.31質量%を含むアクリル酸水溶液が6.36kg/時で得られた。なお、塔頂部より得られるガスはアクリル酸捕集塔の下部に供給した。この際、捕集塔におけるアクリル酸の捕集効率は98.20%であった。
このアクリル酸水溶液を、晶析装置に供給し結晶化させることにより、製品アクリル酸を得た。
この条件で3ヶ月間連続運転したところ、常に安定した状態が得られた。運転停止後に捕集塔内の点検を行った結果においても、ポリマーの発生は殆ど認められなかった。また、晶析装置の連続運転も常に安定した状態が得られていた。
また、送液ポンプラインにおいて酢酸マンガンに起因する析出が起きることもなく、また詰まりのトラブルなども問題点も発生しなかった。
上記の結果を、表1にまとめた。なお、実施例7、実施例8、比較例4は表には入っていない。
Figure 0005378207
表に示した結果のとおり、酸を含まない酢酸マンガン水溶液を重合防止剤として共沸分離塔へ供給した場合(比較例1)、配管内で酢酸マンガン由来の析出物が生じて配管が詰まった。その結果、酢酸マンガンの供給量が減少して共沸分離塔内で多量のポリマーが生成した。また、比較的多くのアクリル酸を含む酢酸マンガン水溶液を用いた場合(比較例2〜3)、配管内でアクリル酸のポリマーが生成し、同様に共沸分離塔内で多量のポリマーが生成した。
それに対して、適量のアクリル酸を含む母液、アクリル酸以外の有機酸を含む母液、およびこれら両方の酸を含む母液に酢酸マンガンを溶解し、当該酢酸マンガン水溶液を重合防止剤として用いた本発明例では、配管内での酢酸マンガン由来の析出物やアクリル酸ポリマーの生成は観察されないか少量が確認されるのみであって、2ヶ月間にわたりポリマーの生成無く共沸分離塔を運転することができた。
さらに、実施例2〜3とその他の実施例との比較により、酢酸マンガン水溶液におけるアクリル酸濃度は5質量%を超えないようにすることがより好ましく、また、酢酸マンガン濃度は20質量%以下にすることがより好ましいことが分かった。また、実施例6によれば、アクリル酸以外の有機酸であれば、酢酸マンガン水溶液における濃度が10質量%を超えていても、良好な結果が得られることが明らかにされた。

Claims (6)

  1. (メタ)アクリル酸を製造するための方法であって、
    接触気相酸化反応によりアクリル酸含有ガスを得る工程;および
    得られたアクリル酸含有ガスを凝縮塔または捕集塔へ導入し、(メタ)アクリル酸含有液を得る工程;を含み、
    重合防止剤として酢酸マンガンを用い、酢酸マンガンを、
    (a) (メタ)アクリル酸濃度が0.1質量%以上、5質量%以下の(メタ)アクリル酸水溶
    c) (メタ)アクリル酸濃度が0.1質量%以上、5質量%以下の、(メタ)アクリル酸とその他の有機酸との混合水溶液
    のいずれかに溶解して、酢酸マンガン濃度が0.1質量%以上、20質量%以下の酢酸マンガン水溶液とし、当該酢酸マンガン水溶液を凝縮塔または捕集塔に供給することを特徴とする製造方法。
  2. (メタ)アクリル酸を製造するための方法であって、
    接触気相酸化反応によりアクリル酸含有ガスを得る工程;
    得られたアクリル酸含有ガスを凝縮塔または捕集塔へ導入し、(メタ)アクリル酸含有液を得る工程;および
    得られた(メタ)アクリル酸含有液を蒸留塔および/または晶析器へ導入して(メタ)アクリル酸を精製する工程;を含み、
    重合防止剤として酢酸マンガンを用い、酢酸マンガンを、
    (a) (メタ)アクリル酸濃度が0.1質量%以上、5質量%以下の(メタ)アクリル酸水溶
    c) (メタ)アクリル酸濃度が0.1質量%以上、5質量%以下の、(メタ)アクリル酸とその他の有機酸との混合水溶液
    のいずれかに溶解して、酢酸マンガン濃度が0.1質量%以上、20質量%以下の酢酸マンガン水溶液とし、当該酢酸マンガン水溶液を、凝縮塔、捕集塔、蒸留塔のうちいずれか1以上へ供給することを特徴とする製造方法。
  3. (メタ)アクリル酸を製造するための方法であって、
    接触気相酸化反応によりアクリル酸含有ガスを得る工程;
    得られたアクリル酸含有ガスを捕集塔へ導入し、(メタ)アクリル酸含有液を得る工程;および
    得られた(メタ)アクリル酸含有液を共沸分離塔へ導入し、共沸溶剤の存在下で共沸蒸留することにより粗(メタ)アクリル酸を得る工程;を含み、
    重合防止剤として酢酸マンガンを用い、酢酸マンガンを、
    (a) (メタ)アクリル酸濃度が0.1質量%以上、5質量%以下の(メタ)アクリル酸水溶
    c) (メタ)アクリル酸濃度が0.1質量%以上、5質量%以下の、(メタ)アクリル酸とその他の有機酸との混合水溶液
    のいずれかに溶解して、酢酸マンガン濃度が0.1質量%以上、20質量%以下の酢酸マンガン水溶液とし、当該酢酸マンガン水溶液を、捕集塔および/または共沸分離塔へ供給することを特徴とする製造方法。
  4. その他の有機酸として、ギ酸、酢酸、プロピオン酸、マレイン酸および(メタ)アクリル酸ダイマーからなる群より選択される1以上を用いる請求項1〜3のいずれかに記載の製造方法。
  5. 酢酸マンガンを、(a)(メタ)アクリル酸濃度が0.1質量%以上、5質量%以下の(メタ)アクリル酸水溶液に溶解する請求項1〜3のいずれかに記載の製造方法。
  6. 酢酸マンガン水溶液のpHを1以上、4以下とする請求項1〜5のいずれかに記載の製造方法。
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