JP3905810B2 - アクリル酸製造プロセスにおける重合防止方法 - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明はアクリル酸の蒸留時におけるアクリル酸の重合を防止する技術に関し、より詳細には、アクリル酸製造プロセスにおけるアクリル酸水溶液の脱水蒸留において、アクリル酸水溶液(フィード液)に含まれる副生物に起因するアクリル酸の重合及び、該副生物の析出を抑止する技術に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来からアクリル酸は大規模なプラントで大量に生産されているが、その代表的な製造方法としては、以下の様な製造プロセスが知られている。まず、プロピレンおよび/またはアクロレイン(以下、「プロピレン等」と略記することがある。)を分子状酸素含有ガスと接触気相酸化させて反応ガスを生成させる。この反応ガスには目的物であるアクリル酸以外にも各種副生物が存在しており、副生物としては例えば未反応状態で残存するアクロレインや、副反応物であるホルムアルデヒド、グリオキサール、フルフラール、ベンズアルデヒド、蟻酸、酢酸、マレイン酸などの副生物が含まれている。そして反応ガスを水などの捕集液と接触させてアクリル酸水溶液とした後、該アクリル酸水溶液中に含まれる副生物や水を除去するために蒸留等を行なって不純物を除去して高純度アクリル酸を精製している。尚、アクリル酸水溶液を蒸留するに際しては、アクリル酸と水、或いはアクリル酸と酢酸は比揮発度が小さいため、単純な蒸留方法では分離が難しいことから、該アクリル酸水溶液に共沸溶剤を加えて蒸留する共沸蒸留方法が採用されている。また蒸留によるアクリル酸の精製では不純物を除去するために蒸留温度を高くしなければならないが、蒸留温度を高くすると、アクリル酸自体が重合し易くなるという問題が生じる。したがってアクリル酸の重合を防止しつつ、蒸留を長期安定操業するために、種々の重合防止剤を蒸留塔に導入してアクリル酸の重合防止を図っている。
【0003】
この様な方法としては、N−ニトロソフェニルヒドロキシアミンまたはその塩と共に、銅塩化合物を蒸留塔に導入することで、アクリル酸の重合を防止する方法(例えば、特許文献1参照。)、またN−オキシル化合物とフェノール化合物とフェノチアジン化合物の3成分の重合防止剤と分子状酸素を併用することによって蒸留塔内でのアクリル酸の重合を防止する方法(例えば、特許文献2参照。)などが知られている。
【0004】
この発明に関連する先行技術文献情報としては次のものがある。
【0005】
【特許文献1】
特開平9−95465号(第1頁)
【特許文献2】
特開平6−345681号公報(第1頁)
【0006】
【発明が解決しようとする課題】
上記以外にもアクリル酸の重合を防止する技術として様々な重合防止剤が提案されているが、いずれの重合防止剤もアクリル酸の貯蔵時においては高い重合防止効果を発揮するものの、蒸留時、特に脱水蒸留時におけるアクリル酸の重合防止効果は貯蔵時に比べると十分得られていない。またアクリル酸水溶液に含まれる副生物の析出を防止する効果も得られていない。特に工業的生産段階においては操業時間も長いため、蒸留塔内でのアクリル酸の重合防止効果が長時間継続することが望まれているが、この様な要請を満たす重合防止剤は未だ提供されていない。
【0007】
本発明の目的は、アクリル酸製造プロセスにおける、脱水蒸留時に生じるアクリル酸の重合、および副生物の析出を効果的に抑制して、共沸脱水塔の長期間安定操業を可能とする方法を提供することである。
【0008】
【課題を解決するための手段】
上記課題を達成し得た本発明の方法とは、アクリル酸製造プロセスにおいてアクリル酸水溶液を共沸脱水塔に供給してアクリル酸を分離するにあたり、該共沸脱水塔の塔底から抜出される缶出液が、供給したアクリル酸水溶液に含まれるグリオキサール(その水和物も含む)の50%以上を含むことに要旨を有するアクリル酸製造プロセスにおける重合防止方法である。
【0009】
本発明を実施するにあたっては前記共沸脱水塔の塔底からの理論段3〜6段目における液相中の水濃度を0.1質量%以上とすることが推奨される。
【0010】
また前記共沸脱水塔の塔頂より留出する留出液水相中のアクリル酸濃度が0.5〜5.0質量%であると共に、塔底より抜出される缶出液が、該共沸脱水塔に供給したアクリル酸水溶液に含まれる酢酸の30%以上を含むものであることも望ましい実施態様である。
【0011】
本発明で用いる共沸溶剤としては、常温下での水への溶解度が0.5質量%以下である溶剤が推奨される。特に、前記共沸溶剤が炭素数7〜8の脂肪族炭化水素または炭素数7〜8の芳香族炭化水素であることが望ましい。
【0012】
更に本発明では前記共沸脱水塔の塔頂温度を40〜50℃とし、塔底温度を90〜110℃とすることが望ましい。
【0013】
【発明の実施の形態】
本発明者らは従来の重合防止剤の改良によるアクリル酸重合防止ではなく、他の方法によって蒸留塔内でのアクリル酸重合防止効果を改善できる技術を提供すべく、脱水蒸留時の重合状態,発生原因など塔内で生じる種々の問題について鋭意研究を重ねた結果、塔内における重合発生原因を大別すると、アクリル酸が高温状態に曝されて重合物を生じる場合と、フィード液に含まれる不純物に起因してアクリル酸が重合する場合があることを知見した。そして従来の重合防止剤による重合防止効果は前者によるアクリル酸の重合防止に対しては有効であるものの、後者によるアクリル酸の重合に対しては十分な防止効果が得られないことを突止めた。特にフィード液に含まれる不純物のうちグリオキサールは従来の共沸脱水塔の操業条件ではそのほとんどが塔内に蓄積しやすく、時間の経過にしたがって該グリオキサールが濃縮されて多量体を形成して析出物となる結果、該析出物によって、塔内を流通する気相や液相の流れが偏在し、重合防止剤の存在も塔内で不均一になる。そのためアクリル酸の重合が生じたり、また該析出物に誘引されてアクリル酸の重合が促進されるなど、グリオキサールに起因して塔内で重合物が生じ、通常の操業条件下では長期間安定した連続運転が阻害されることを見出し本発明に至った。
【0014】
そして本発明ではアクリル酸水溶液中のグリオキサールの50%以上、好ましくは70%以上、より好ましくは90%以上、更に好ましくは95%以上を共沸脱水塔の塔底より抜き出すことによって、蒸留時にグリオキサール(尚、多量体など種々の形態も含む)が共沸脱水塔内に蓄積することを効果的に抑制できるため、該グリオキサールに起因する上記の様な悪影響の発生を防ぎ、従来よりも連続運転期間を長期化できる。
【0015】
以下、本発明の方法を図1に例示するアクリル酸の製造プロセスを用いて説明するが、本発明の方法は共沸脱水塔内に供給したアクリル酸水溶液に含まれるグリオキサールを100%として、その50%以上のグリオキサールを共沸脱水塔の塔底より抜き出すことに要旨を有している。したがって本発明の方法は下記の製造プロセスに限定される趣旨ではなく、本発明の効果を阻害しない範囲で製造プロセスに適宜変更を加えることができる。
【0016】
尚、本発明を実施するにあたっては共沸脱水塔の塔底からの理論段3〜6段目の液相中の水濃度を0.1質量%以上にすることが推奨され、また共沸脱水塔の留出水相中のアクリル酸濃度を0.5〜5.0質量%にすること、共沸脱水塔の塔底より塔供給液中の酢酸の30%以上を抜き出すこと、特定の共沸溶剤を用いることも望ましい実施態様である。
【0017】
プロピレンおよび/またはアクロレインを分子状酸素含有ガスなどと任意の条件で接触気相酸化して得られた混合ガスをライン1から捕集塔2に導入する。捕集塔2は捕集液をライン3から導入し、該捕集塔内で混合ガスと接触させて該混合ガスに含まれるアクリル酸を捕集する。捕集されたアクリル酸はアクリル酸水溶液としてライン4を通して次工程に送られる。またアクリル酸を捕集した残りのガスはライン5を通して排出され、例えば上記接触気相酸化に循環させたり、あるいは燃焼処理に供するなど、任意の工程に送られる。
【0018】
尚、アクリル酸水溶液には上記した如く、アクリル酸の他、未反応状態で残存するアクロレインや、接触気相酸化時の副反応として生成した副生物、例えばホルムアルデヒド、グリオキサール、フルフラール、ベンズアルデヒド、蟻酸、酢酸、マレイン酸などが不純物として含まれている。
【0019】
得られたアクリル酸水溶液はライン4を通して直接共沸脱水塔に送液してもよいが、目的に応じて任意の工程を介在させてもよい。例えばアクリル酸水溶液中に残存するアクロレイン量を低減するために図1に示す様に放散塔6を介在させてもよい。放散塔6にてアクロレインが除去されたアクリル酸水溶液はライン7を通して共沸脱水塔9に導入される。尚、除去されたアクロレインはライン8を通して任意の工程に導入して処理、或いは再利用すればよい。
【0020】
本発明における共沸脱水塔9では、アクリル酸水溶液から水(塔頂)とアクリル酸(塔底)とを分離する脱水蒸留が行なわれるが、通常は水とアクリル酸は比揮発度が小さいため、単純な蒸留方法では分離が難しいことから、共沸溶剤と合わせてアクリル酸水溶液を蒸留し、塔頂から水−共沸溶剤の混合物を留出させることにより、アクリル酸の分離を図る共沸蒸留が行なわれている。この分離されたアクリル酸(粗製アクリル酸)は塔底から抜き出される。
【0021】
共沸溶剤は、共沸溶剤分離手段13における分離・回収容易性を高める観点から難溶性であることが望ましく、常温下における水への溶解度が好ましくは0.5質量%以下、より好ましくは0.3質量%以下であることが望ましい。特に溶解度が0.1質量%以下の共沸溶剤を用いると、水相への溶媒の混入(即ち、溶媒のロス)を防止できるので推奨される。一方、水への溶解度が0.5質量%を超えると、塔頂から留出した留出液を分離した水相中に含まれる共沸溶剤を分離・回収する蒸留工程が必要になる。
【0022】
この様な共沸溶剤としては特にヘプタンなどの炭素数7〜8の脂肪族炭化水素、トルエンなどの炭素数7〜8の芳香族炭化水素よりなる群から選ばれる少なくとも1種を含む共沸溶剤であることが推奨される。ここで炭素数7以上としたのは、7を下回ると水の共沸量が減少してしまい、共沸脱水蒸留に必要な熱量が多くなるからである。また炭素数8以下としたのは、8を超えると共沸溶剤の沸点が上昇してしまい、共沸溶剤を水と共に除去することが困難になり、塔底液中の残存量が多くなることがあるからである。好ましい共沸溶剤としてはトルエン,キシレン,ヘキサン,ヘプタン,シクロヘキサンなどが例示され1種、或いは2種以上を混合して用いてもよく、目的に応じて適宜組合せてもよい。
【0023】
共沸脱水塔9としては、脱水蒸留できる装置であれば棚段塔や充填塔など公知の装置を使用できる。また共沸脱水塔9の構成については特に限定されないが、理論段数10以上のものが好ましい。尚、本発明における理論段、実段はいずれも塔底から数えた段数である。理論段数上限については特に限定されないが、30以下であることが好ましい。通常は15〜25の理論段数の間で設計に応じて適宜選択すればよい。
【0024】
グリオキサールは水濃度が低くなると析出する傾向があるので共沸脱水塔の塔底からの理論段3〜6段目の液相中の水濃度を好ましくは0.1質量%以上、より好ましくは0.2質量%以上、更に好ましくは0.3質量%以上とすることが望ましく、また好ましくは5質量%以下、より好ましくは2質量%以下、更に好ましくは1質量%以下とすることが望ましい。該理論段における水濃度を0.1質量%以上とするとグリオキサールの析出を抑止しつつ、グリオキサールを水和物として塔底から抜出すことができるので望ましい。一方、塔底から抜出す粗製アクリル酸中の水分濃度を低減させ、特に1000ppm以下とする観点からは該理論段における水濃度を5質量%以下にすることが推奨される。この様な観点から理論段3〜6段目の上記水濃度が得られる様に理論段8〜9段目(例えば実段50段中の25段目)における温度を適宜調節することが望ましい。
【0025】
また上記の如く50%以上、より好ましくは70%以上のグリオキサールを塔底から抜出すためには、共沸脱水塔の塔頂より留出させた留出液水相中のアクリル酸濃度が好ましくは0.5質量%以上、より好ましくは0.8質量%以上、更に好ましくは1質量%以上となる様に塔内(理論段8〜9段目)の温度を適宜調節することが望ましい。尚、該温度調節によって留出液水相中のアクリル酸濃度を高めることができるが、アクリル酸濃度が高くなりすぎると、それに伴って塔内での重合が生じ易くなるため、アクリル酸濃度は好ましくは5質量%以下、より好ましくは3質量%以下、更に好ましくは2質量%以下となる様に温度を制御することが望ましい。
【0026】
上記留出液水相中のアクリル酸濃度の制御に際しては、共沸蒸留塔に供給したアクリル酸水溶液に含まれる酢酸の好ましくは30%以上、より好ましくは50%以上が塔底から抜出せる様に塔内(理論段8〜9段目)の温度を適宜調節することが望ましい。水相中のアクリル酸濃度が上記範囲内であっても、缶出液中の酢酸の抜出率が30%未満の場合、グリオキサールが塔底から十分に抜出せない場合がある。
【0027】
つまり、上記水濃度,アクリル酸濃度,酢酸濃度は下記の如く操業条件を適宜制御することによって調節できるが、これら濃度を適切に調整するための温度条件は一義的に決定することはできず、共沸蒸留塔に供給するアクリル酸水溶液、及び共沸溶剤の性質、共沸蒸留塔のサイズなどの要因を考慮する必要がある。したがってこれらの要因を考慮して操業条件を適宜変更して上記好ましい濃度等が得られる様にすることが望ましい。
【0028】
尚、塔頂温度を好ましくは40℃以上とすると、塔底から抜出す粗製アクリル酸中の水濃度を1000ppm以下にできるが、塔頂温度が50℃を超えると留出液に含まれるアクリル酸量が増加してアクリル酸歩留まり率が低下すると共に、塔頂部での重合が生じることがあるので50℃以下とすることが望ましい。
【0029】
また塔底温度は好ましくは90℃〜110℃となる様に制御することが望ましい。特に塔底温度をこの様な範囲内に制御しておくと、塔底液中のアクリル酸2量体の増加が抑止される結果、アクリル酸収率低下を防ぐことができるので推奨される。
【0030】
共沸脱水塔9の塔底からライン10を通して得られる缶出液には、アクリル酸以外にも重合防止剤や酢酸,マレイン酸などの高沸点物が含まれている。したがって、アクリル酸を更に精製して高純度のアクリル酸を得るために、必要に応じて酢酸分離塔,高沸点物分離塔,精製塔などの公知のアクリル酸精製工程を採用してアクリル酸の精製を行なえばよく、粗製アクリル酸の精製方法は特に限定されない。
【0031】
また図示しない任意の供給手段を介して必要に応じて重合防止剤を供給することが推奨される。重合防止剤としてはアクリル酸の重合防止効果を有するものであればよく、ハイドロキノン、メトキノン、フェノチアジン、ジブチルジチオカルバミン酸銅、酢酸マンガン、4−ヒドロキシ−2,2,6,6−テトラメチルピペリジノオキシル、1,4−ジヒドロキシ−2,2,6,6−テトラメチルピペリジン、4−ヒドロキシ−2,2,6,6−テトラメチルピペリジン、ニトロソフェノールなどの重合防止剤が例示される。これら重合防止剤の使用量,重合防止剤の組合せなどは操作条件に応じて適宜調整され、特に限定はされないが、例えば共沸脱水塔の場合、用いられる重合防止剤の総量を例えばアクリル酸の蒸発蒸気量に対して好ましくは5ppm以上、より好ましくは50ppm以上、更に好ましくは100ppm以上とすることが望ましく、また好ましくは2000ppm以下、より好ましくは1500ppm以下、更に好ましくは1000ppm以下とすることが望ましい。5ppm未満の場合は共沸蒸留塔内における重合が十分に防止できなくなることがある。また2000ppmを超えて重合防止剤を使用すると、製品アクリル酸が着色されるなどの問題が生じることがある。
【0032】
尚、アクリル酸の蒸発蒸気量とは、共沸脱水塔9に設置したリボイラーなど缶出し液の一部を加熱して塔内に循環させ、塔内温度を維持,上昇するための加熱手段11から共沸脱水塔に加えられる熱量に相当して塔底から蒸発するモノマーの蒸気の総量を意味する。
【0033】
重合防止剤の投入方法は限定されず、例えば塔内に導入するアクリル酸水溶液や還流液など塔内に導入される液体に予め添加した状態で、或いは添加することなく重合防止剤(尚、重合防止剤は粉体、液体または気体などいずれの状態であってもよい)単独で塔頂あるいは塔中央部など任意の位置から供給すればよい。また例えば重合防止剤として分子状酸素を塔内に供給してもよく、エアーバブリングなどによってアクリル酸に直接供給してもよいし、また重合防止剤を他の溶媒に溶解させて間接的に供給してもよい。特に分子状酸素を蒸留塔の塔底および/またはリボイラーにガス状で送り込む方法は、エアーバブリングなどの供給手段が容易に設置できるので推奨される。また分子状酸素はアクリル酸の蒸発蒸気量に対して0.1〜1.0容量%程度導入することが優れた重合防止効果を得る上で望ましい。
【0034】
本発明では塔頂から水,共沸溶剤等が気相状態(留出ガス)で留出するが、該留出ガスはライン12で冷却器などの冷却手段(図示せず)によって、(或いは冷却手段によらずに)液相状態(留出液)にして共沸溶剤分離手段13に供給することが望ましい。そして該留出液を油相(共沸溶剤)と水相(捕集液)とに分離し、共沸溶剤分離手段13にて分離された共沸溶剤を、ライン14を通して共沸脱水塔9に再循環すると共に、水相をライン15を通して任意の工程に供給することが推奨される。アクリル酸を含む水相は任意の処理を施してもよく特に限定されない。
【0035】
還流比(単位時間あたりの還流液の全モル数/単位時間当りの留出液の全モル数)は特に限定されないが、還流比は好ましくは1.0〜1.4、より好ましくは1.0〜1.2となる様に還流液量を調節すると理論段3〜6段目の液相中の水濃度を上記好ましい範囲に保つことができるので望ましい。還流比が1.0未満では、留出液の水相中のアクリル酸が増し、塔内で重合する可能性があり、還流比が1.4を超えると、理論段3〜6段目の液相中の水濃度が著しく低くなり、グリオキサールの塔底からの抜出しが十分出来なくなることがある。
【0036】
以下、本発明の方法を実施例を用いて詳細に説明するが、本発明の方法は以下の実施例に限定される趣旨ではない。
【0037】
【実施例】
実施例1
図1に示す様なアクリル酸製造プロセスに従って以下の実験を行なった。プロピレンと分子状酸素含有ガスとを図示しない接触気相反応器(反応器を上下のチャンバーに区切る中間管板を備えている)に供給して接触気相酸化して得られたアクリル酸含有ガスを、ライン1を通して捕集塔2に導入し、ライン3を通して捕集塔2に導入される捕集液(水)と接触させてアクリル酸を捕集(アクリル酸水溶液)した。得られたアクリル酸水溶液には副生物としてアクロレイン、ホルムアルデヒド、フルフラール、グリオキサール,酢酸、蟻酸などが含まれていた。該アクリル酸水溶液をライン4を通して放散塔6に導入し、液中のアクロレインを放散させ、水30質量%、酢酸3.0質量%、グリオキサール0.02質量%を含むアクリル酸水溶液を得た。このアクリル酸水溶液をライン7を通して共沸脱水塔9に送液した。共沸脱水塔9には、段数50段(理論段17段相当)、段間隔147mmのステンレス製シーブトレーを備え、塔頂部に留出管および還流液供給管、中央部(下から28段)に原料液供給管および重合防止剤投入管、塔底部に塔底液抜き出し管および酸素投入管を備えた内径105mmの共沸脱水塔を採用した。また共沸溶剤としてトルエン(水に対する溶解度:0.05質量%(25℃))を用いてアクリル酸水溶液の蒸留を行なった。使用した重合防止剤の量は、アクリル酸蒸発蒸気量に対して、ジブチルジチオカルバミン酸銅10ppm、ハイドロキノン100ppm、メトキノン100ppmであり、ジブチルジチオカルバミン酸銅およびメトキノンは塔頂より還流液に溶解した形で、その他の重合防止剤は中央部よりアクリル酸水溶液に溶解して塔内に供給した。またアクリル酸蒸発蒸気量に対して0.3容量%の分子状酸素を塔底部に供給した。尚、アクリル酸の蒸発蒸気量は、共沸脱水塔9に設置したリボイラー11などの加熱手段(缶出し液の少なくとも1部を加熱して塔内に循環させ、塔内温度を維持、上昇させるための加熱手段)から共沸脱水塔に加えられる熱量に相当して塔底から蒸発するモノマーの蒸気の総量を計算した。
【0038】
定常運転時における運転状態は、共沸脱水塔9の塔頂温度45℃、塔底温度99℃、塔底より数えて25段目の温度を72℃、塔頂圧力150hPa、アクリル酸水溶液供給量8.5リットル/時、還流比(単位時間あたりの還流液の全モル数/単位時間当りの留出液の全モル数)1.1となる様に還流液量を調節した。また共沸脱水塔9の理論段3〜6段目の液相中の水濃度を0.3質量%以上となる様に保った。
【0039】
共沸脱水塔の塔頂より留出した留出液を貯槽13に導入して共沸溶剤(有機相)と捕集液(水相)とに分離した。尚、該水相は酢酸2.6質量%、アクリル酸1.7質量%、グリオキサール0.0005質量%、ホルムアルデヒド1.7質量%、蟻酸0.6質量%、アクロレイン0.02質量%を含んでいた。一方、塔底から抜き出される缶出液は、アクリル酸95.2質量%、酢酸2.9質量%(供給量の68%)、水0.02質量%、グリオキサール0.029質量%、その他1.88質量%を含み、トルエンは検出限度(1ppm)以下であり、ライン7から供給したアクリル酸水溶液に含まれていたグリオキサールのほぼ全量(99%)が缶出液に含まれていた。この缶出液を酢酸分離塔,精留塔に導入して高純度アクリル酸を製造した。
【0040】
上記条件でアクリル酸製造を30日間連続行なったところ、共沸脱水塔は常に安定した状態が得られた。また運転停止後、共沸分離塔9内の点検を行なった結果、グリオキサール(多量体を含む)の蓄積,析出やアクリル酸の重合物も認められなかった。
【0041】
比較例1
実施例1において該共沸脱水塔の還流比を1.5とし、塔底より得られるアクリル酸含有液中の酢酸を1.8質量%、トルエンを13.4質量%、その他を1.90質量%にし、共沸脱水塔の理論段3〜6段目の液相中の水濃度を0.05質量%以下となる様にした以外は実施例1と同様にしてアクリル酸水溶液の共沸蒸留運転を行なった。
【0042】
塔頂から留出した留出液水相中の組成は酢酸5.7質量%、アクリル酸0.2質量%、グリオキサール0.03質量%であった。また塔底より得られた缶出液の組成は酢酸1.8質量%(供給量の42%)、トルエン13.4質量%、その他1.90質量%であり、グリオキサールは含まれていなかった。
【0043】
この条件で共沸脱水塔の連続運転を行なったところ、稼動当初は安定した状態が得られていたが、稼動開始後10日目より塔内の圧損失が認められ12日目には運転を継続することが困難になった。12日目に運転を停止し、蒸留塔の解体点検を行なったところ、塔内に多量のグリオキサール(多量体を含む)の蓄積が認められた。
【0044】
比較例2
実施例1において該共沸脱水塔の塔底より数えて25段目の温度を67℃とし、共沸脱水塔の理論段3〜6段目の液相中の水濃度を0.08質量%にした以外は実施例1と同様にしてアクリル酸水溶液の共沸蒸留運転を行なった。
【0045】
塔頂から留出した留出液水相中の組成は、酢酸6.9質量%、アクリル酸0.6質量%、グリオキサール0.02質量%であった。また塔底より得られた缶出液の組成は酢酸0.8質量%(供給量の19%)、グリオキサール0.011質量%、トルエン0.0001質量%であった。この缶出液には、ライン7から供給したアクリル酸水溶液に含まれていたグリオキサールの39%が含まれていた。この条件でアクリル酸の製造を行なったところ、稼動当初は安定した状態が得られていたが、稼動開始後25日目より塔内の圧損失が認められ、26日目には運転を継続することが困難となった。26日目に運転を停止し、蒸留塔の解体点検を行なったところ、塔内に多量のグリオキサール(多量体を含む)の蓄積が認められた。
【0046】
実施例2
実施例1において、該共沸脱水塔の塔底より数えて25段目の温度を70℃とし、共沸脱水塔の理論段3〜6段目の液相中の水濃度を0.2質量%にした以外は実施例1と同様にしてアクリル酸水溶液の共沸蒸留運転を行なった。
【0047】
塔頂から留出した留出液水相中の組成は、酢酸7.2質量%、アクリル酸0.7質量%、グリオキサール0.024質量%であった。また塔底から得られた缶出液の組成は酢酸0.7質量%(供給量の16%)、グリオキサール0.016質量%、トルエン0.0001質量%であった。この缶出液にはライン7から供給したアクリル酸水溶液に含まれていたグリオキサールの57%が含まれていた。この条件でアクリル酸の製造を行なったところ、わずかに塔内圧力の損失が認められたが30日間連続運転できた。停止後、蒸留塔の解体点検を行なったところ、塔内に少量のグリオキサール(多量体を含む)の蓄積が認められた。
【0048】
実施例3
実施例1において該共沸脱水塔の還流比を1.06にし、塔底より数えて24段目の温度を65℃とし、共沸脱水塔の理論段3〜6段目の液相中の水濃度を0.25質量%にした以外は実施例1と同様にしてアクリル酸水溶液の共沸蒸留運転を行なった。
【0049】
塔頂から留出した留出液水相中の組成は、酢酸5.7質量%、アクリル酸0.9質量%、グリオキサール0.028質量%であった。また塔底より得られた缶出液の組成は酢酸1.6質量%(供給量の37%)、グリオキサール0.025質量%、トルエン0.0001質量%であった。この缶出液にはライン7から供給したアクリル酸水溶液に含まれていたグリオキサールの86%が含まれていた。この条件でアクリル酸の製造を行なったところ、30日間連続運転できた。停止後、蒸留塔の解体点検を行なったところ、塔内に微量のグリオキサール(多量体を含む)の蓄積が認められた。
【0050】
比較例3
実施例1において共沸脱水塔の還流比を0.96とし、塔底より数えて25段目の温度を65℃とし、共沸脱水塔の理論段3〜6段目の液相中の水濃度を0.35質量%にした以外は実施例1と同様にしてアクリル酸水溶液の共沸蒸留運転を行なった。
【0051】
塔頂から留出した留出液水相中の組成は、酢酸7.3質量%、アクリル酸5.9質量%、グリオキサール0.0004質量%であった。また塔底から得られた缶出液の組成は酢酸0.7質量%(供給量の16%)、トルエン0.0002質量%、その他2.0質量%であった。この条件でアクリル酸製造を行なったところ、稼動当初は安定した状態が得られたが、稼動開始後7日目から塔内圧損失が認められ、8日目には運転が困難となった。8日目に運転を停止し、蒸留塔の解体点検を行なったところ、塔内に多量のアクリル酸の重合物の発生が認められた。このように留出水相中のアクリル酸濃度が5質量%を越えると、共沸蒸留塔内での重合性が高くなる。
【0052】
【発明の効果】
本発明によれば共沸脱水塔に供給したフィード液に含まれるグリオキサールの50%以上を塔底から缶出しすることによって、塔内でのグリオキサール(多量体を含む)の蓄積を抑止でき、したがって該グリオキサールに起因する重合物発生を防止し、長期安定操業が可能となる。
【0053】
また上記の様に共沸脱水塔を操業すれば、フィード液に含まれているグリオキサールの50%以上を容易に塔底より抜出すことができるので、塔内にグリオキサールが蓄積することを抑止できる。更に上記したより好ましい操業条件を選択することによって、グリオキサールの抜出率を高めることが出来るので望ましい。長期間安定した操業を達成するうえで必要なグリオキサールの抜出率はフィード液中に含まれるグリオキサールの50%以上であるが、抜出率は高いほど望ましく、好ましくは70%以上、より好ましくは90%以上、更に好ましくは95%以上を塔底から抜き出すことである。本発明によればグリオキサールの50%以上を抜き出すことによって、グリオキサールが水和物になって濃縮することを抑止でき、またグリオキサール水和物の生成を抑制した結果、塔内でグリオキサールが濃縮・加熱されて多量体になって塔内に析出することが防止され、したがって塔内での閉塞発生や、グリオキサールに起因するアクリル酸の重合も効果的に防止できるので、共沸脱水塔を長期間安定した状態で操業できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 アクリル酸製造プロセスの一例を示す概略工程図である。

Claims (6)

  1. アクリル酸製造プロセスにおいてアクリル酸水溶液を共沸脱水塔に供給してアクリル酸を分離するにあたり、該共沸脱水塔の塔底から抜出される缶出液が、供給したアクリル酸水溶液に含まれるグリオキサール(その水和物も含む)の50%以上を含むことを特徴とするアクリル酸製造プロセスにおける重合防止方法。
  2. 前記共沸脱水塔の理論段3〜6段目における液相中の水濃度を0.1質量%以上とする請求項1に記載の方法。
  3. 前記共沸脱水塔の塔頂より留出する留出液水相中のアクリル酸濃度が0.5〜5.0質量%であると共に、塔底より抜出される缶出液が、該共沸脱水塔に供給したアクリル酸水溶液に含まれる酢酸の30%以上を含むものである請求項1または2に記載の方法。
  4. 常温下での水への溶解度が0.5質量%以下である共沸溶剤を用いる請求項1〜3のいずれかに記載の方法。
  5. 前記共沸溶剤が炭素数7〜8の脂肪族炭化水素または炭素数7〜8の芳香族炭化水素である請求項4に記載の方法。
  6. 前記共沸脱水塔の塔頂温度を40〜50℃とし、塔底温度を90〜110℃とする請求項1〜5のいずれかに記載の方法。
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