JP2005336141A - アクリル酸の製造方法 - Google Patents

アクリル酸の製造方法 Download PDF

Info

Publication number
JP2005336141A
JP2005336141A JP2004161256A JP2004161256A JP2005336141A JP 2005336141 A JP2005336141 A JP 2005336141A JP 2004161256 A JP2004161256 A JP 2004161256A JP 2004161256 A JP2004161256 A JP 2004161256A JP 2005336141 A JP2005336141 A JP 2005336141A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
acrylic acid
supplied
distillation column
reflux
line
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Pending
Application number
JP2004161256A
Other languages
English (en)
Inventor
Yasuyuki Ogawa
寧之 小川
Shuhei Yada
修平 矢田
Kenji Takasaki
研二 高崎
Yuichi Fujita
裕一 藤田
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Mitsubishi Chemical Corp
Original Assignee
Mitsubishi Chemical Corp
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Mitsubishi Chemical Corp filed Critical Mitsubishi Chemical Corp
Priority to JP2004161256A priority Critical patent/JP2005336141A/ja
Priority to BRPI0418871-3A priority patent/BRPI0418871A/pt
Priority to US11/569,410 priority patent/US20070193873A1/en
Priority to CNA2004800005796A priority patent/CN1816515A/zh
Priority to RU2006147316/04A priority patent/RU2006147316A/ru
Priority to PCT/JP2004/015013 priority patent/WO2005115960A1/ja
Publication of JP2005336141A publication Critical patent/JP2005336141A/ja
Priority to US12/024,175 priority patent/US20080128263A1/en
Pending legal-status Critical Current

Links

Images

Classifications

    • CCHEMISTRY; METALLURGY
    • C07ORGANIC CHEMISTRY
    • C07CACYCLIC OR CARBOCYCLIC COMPOUNDS
    • C07C51/00Preparation of carboxylic acids or their salts, halides or anhydrides
    • C07C51/42Separation; Purification; Stabilisation; Use of additives
    • C07C51/43Separation; Purification; Stabilisation; Use of additives by change of the physical state, e.g. crystallisation
    • C07C51/44Separation; Purification; Stabilisation; Use of additives by change of the physical state, e.g. crystallisation by distillation
    • CCHEMISTRY; METALLURGY
    • C07ORGANIC CHEMISTRY
    • C07CACYCLIC OR CARBOCYCLIC COMPOUNDS
    • C07C51/00Preparation of carboxylic acids or their salts, halides or anhydrides
    • C07C51/42Separation; Purification; Stabilisation; Use of additives
    • C07C51/50Use of additives, e.g. for stabilisation

Landscapes

  • Chemical & Material Sciences (AREA)
  • Organic Chemistry (AREA)
  • Engineering & Computer Science (AREA)
  • Oil, Petroleum & Natural Gas (AREA)
  • Crystallography & Structural Chemistry (AREA)
  • Organic Low-Molecular-Weight Compounds And Preparation Thereof (AREA)

Abstract

【課題】 高純度のアクリル酸の蒸留精製時に要する、重合防止剤の費用を削減する。
【解決手段】 蒸留塔でアクリル酸を蒸留して得られた凝縮液をフラッシャーに供給し、フラッシャーから留出した留出液として製品であるアクリル酸を得る。
【選択図】 なし

Description

本発明は、アクリル酸の製造方法に関するものである。詳しくは、蒸留により精製したアクリル酸を更にフラッシャーに供給し、留出液として製品である高純度のアクリル酸を得る方法に関するものである。
プロパン、プロピレンやアクロレインの接触気相酸化により得られたアクリル酸含有ガスは、水や高沸点溶剤により捕集されて、アクリル酸溶液となる。次いで抽出、放散、蒸留等の精製工程を経て、精製アクリル酸は得られる。
近年、紙おむつ等に用いられる高吸水性樹脂が市場を拡大しており、その原料である高純度のアクリル酸の需要も増加する傾向にある。高純度のアクリル酸とは、一般的には、アクリル酸の純度が高いことに加え、アクリル酸の重合物の製造時に阻害因子となるフルフラールやベンズアルデヒド等のアルデヒド類の濃度が低減されたものを表す。
これらアルデヒド類を蒸留精製により充分な濃度、つまりは重合物の製造に問題とならない濃度までアクリル酸の精製時に低減するのは困難である。この為、アクリル酸を凍結することで純度を高める晶析出法(例えば、特許文献1参照。)か、薬剤を添加してアルデヒド類と反応させた後、アクリル酸を蒸留精製する方法(例えば、特許文献2及び3参照。)の何れかが、高純度のアクリル酸の製造方法として通常用いられる。
晶析法においては、操作温度が蒸留精製に比べて低いので、易重合性化合物であるアクリル酸の重合に起因する製造工程への障害は生じ難い。故に高純度のアクリル酸の安定した製造を行うことが可能である。しかしながら、晶析工程に要する設備は蒸留設備に比べて高価である。またアクリル酸の凍結に多大な電力を要する。したがって、経済性の点から問題を有している。
蒸留精製においては、アクリル酸の重合を阻害する為の薬剤(以下、「重合防止剤」ともいう)が添加される。アクリル酸の蒸留で一般的に用いられる重合防止剤としては、ハイドロキノン、メトキノン等のフェノール類、ニトロソ化合物、銅塩、マンガン塩、フェノチアジン等が挙げられる。またこれらを組み合わせることで、より高い重合阻害効果が得られる(例えば、特許文献4参照。)。
しかし、高純度のアクリル酸を製造する蒸留工程においては、重合防止剤の使用は著しく制限を受ける。なぜなら、高純度のアクリル酸の製品規格としては、含有する重合防止剤の種類及び濃度がメトキノン(以下、「MQ」とも記載する)で200質量ppmであることが市場における標準とされている。したがって、他の重合防止剤の混入は避けねばならない。よって、蒸留塔の少なくとも塔頂部より供給される重合防止剤はMQに限定される。
MQは、アクリル酸を着色せず、またアクリル酸中の溶存酸素を除去することで、重合防止効果を示さなくなる。この為、アクリル酸の誘導体を製造する際に原料となるアクリル酸中に含まれる重合防止剤としては有用である。だが、アクリル酸の重合を防止するためにMQを単独で使用することは、経済性が低い。結果として、蒸留精製による高純度のアクリル酸の製造は、蒸留精製によるそれ以外のアクリル酸の製造に比べて、重合防止剤に要する費用が割高となっている。
特開2000−290220号公報 特開昭49−030312号公報 特開昭60−006635号公報 特開平7−53449号公報
本発明は、上記問題を解決する為に為されたものであり、高純度のアクリル酸の蒸留精製時に要する、重合防止剤の費用の削減を目的とする。
本発明者らは、高純度のアクリル酸の蒸留塔において、一部の凝縮液を蒸留塔に還流するための還流ラインに供給される重合防止剤としてMQ以外の高沸点化合物を用いた/あるいは併用した場合、塔頂からの凝縮液中にも該重合防止剤が混入するが、更に該液をフラッシャーで処理することで、得られる留出液中の、MQ以外の重合防止剤の濃度を充分に低くできる事を見出した。これは、還流ラインに供給するMQの低減を可能とするものである。
また、蒸留塔への重合防止剤の供給位置を、蒸留塔における還流ラインと、原料となるアクリル酸を蒸留塔に供給するためのフィードラインとの中間地点にも設け、該箇所からMQ以外の重合防止剤を供給することでも、還流ラインへのMQの供給量を低減することができることを見出し、本発明を完成するに到った。
すなわち、本発明は、蒸留塔でアクリル酸を蒸留して得られた凝縮液をフラッシャーに供給し、フラッシャーから留出した留出液として製品であるアクリル酸を得るアクリル酸の製造方法である。
また、本発明は、還流液に供給する重合防止剤の種類と、蒸留塔における還流液の還流位置とによって、高純度のアクリル酸の製造に用いられるMQの量を低減することができることを見出した。
すなわち、本発明は、蒸留塔でアクリル酸を蒸留し、得られた凝縮液にメトキノンを供給し、メトキノンが供給された凝縮液の一部を還流液として蒸留塔に還流し、メトキノンが供給された凝縮液の他の一部から製品であるアクリル酸を得るアクリル酸の製造方法において、還流液にメトキノンをさらに供給し、メトキノンがさらに供給された還流液を蒸留塔の塔頂部に還流し、アクリル酸の重合を防止する薬剤を、蒸留塔において還流液が還流される位置よりも低い位置から蒸留塔内に供給する、アクリル酸の製造方法である。
本発明によれば、MQ以外の重合防止剤を全く、又はほとんど含有しない高純度のアクリル酸の蒸留精製工程に要するMQの使用量を、従来よりも削減することができる。したがって、高純度のアクリル酸の製造において、重合防止剤の費用が削減され、高純度のアクリル酸の製造における経済性の向上を達成することができる。
本発明において製造されるアクリル酸とは、高吸水性樹脂の原料等として用いられるアクリル酸である。その純度や色相、不純物の濃度等の他に、重合防止剤の濃度としてMQが200質量ppm程度であることが、市場の製品規格として通常、定められている(アクリル酸及びアクリル酸エステル類取扱い安全指針,第六版,日本アクリル酸エステル工業会)。
200質量ppmのMQは、適した条件下でアクリル酸を保存するには充分な濃度であるが、商業設備にて、長期安定して蒸留精製を行うには不十分である。よって蒸留設備内の重合防止をMQにて達成するには、より多くのMQ供給が不可欠である。
MQの含有量が200質量ppm程度のアクリル酸を製造する標準的な例を図3に示す。図3に示す製造装置は、蒸留塔1と、蒸留塔1に原料のアクリル酸を供給するフィードライン2と、蒸留塔1の塔底液の一部を蒸留塔から抜き出して蒸留塔に戻す循環ライン3と、循環ライン3の塔底液を加熱するリボイラ4と、アクリル酸の蒸気を蒸留塔1から排出するオーバーヘッドライン5と、オーバーヘッドライン5のアクリル酸の蒸気を凝縮させるコンデンサ6と、コンデンサ6で凝縮したアクリル酸を収容する還流ドラム7と、還流ドラム7に収容した凝縮液の一部を蒸留塔1に還流する還流ライン8と、蒸留塔1内を減圧させる真空装置に接続される真空ライン9とを有する。
還流ライン8には、前記凝縮液の一部をコンデンサ6に供給してコンデンサ6の入り口に噴霧する還流液供給ライン10が接続されている。還流液供給ライン10には重合防止剤を供給するための第一の重合防止剤供給ライン11が接続されている。
還流ライン8には、還流液供給ライン10よりも下流側に、前記凝縮液の一部を製品(留出液)として抜き出す留出液抜き出しライン12とが接続されている。また還流ライン8には、留出液抜き出しライン12よりも下流側に、蒸留塔1に還流させる前記凝縮液(以下、このような凝縮液を「還流液」ともいう)に重合防止剤を供給するための第二の重合防止剤供給ライン13が接続されている。
フィードライン2には、重合防止剤を供給するための第三の重合防止剤供給ライン14が接続されている。蒸留塔の底部には、重合防止剤としての空気を供給する第四の重合防止剤供給ライン15が接続されている。循環ライン3には、塔底液の一部を缶出液として製造装置から抜き出すための缶出液抜き出しライン16が接続されている。
オーバーヘッドライン5に設置されたコンデンサ6により、アクリル酸の蒸気は凝縮する。アクリル酸の蒸気に同伴する重合防止剤の量は少ない為、コンデンサ6への重合防止剤の供給が安定運転には不可欠である(特開平12−344688号公報参照。)。第一の重合防止剤供給ライン11によりオーバーヘッドライン5に供給される重合防止剤にはMQが用いられる。その添加量は、留出液中のMQ濃度が製品規格値を上回らない範囲に留められる。
第二の重合防止剤供給ライン13により還流ライン8に加えられる重合防止剤にもMQが用いられる。これは、還流ライン8から蒸留塔1の塔頂部に供給された液の一部が、飛沫して蒸留塔1を上昇する蒸気に同伴すること(以下、「飛沫同伴」ともいう)によりオーバーヘッドライン5まで運ばれる為であり、MQ以外の重合防止剤を還流ライン8に用いると、該重合防止剤は製品となる留出液中にも混入し、高純度のアクリル酸としての品質を満たせなくなる為である。MQの供給量は、蒸留塔1の仕様や運転条件によって異なるが、還流液中の濃度として500〜2,000質量ppmが通常である。
フィードライン2から蒸留塔1にフィードされるアクリル酸中には、それ以前の精製工程に由来する重合防止剤が含まれるのが普通であるが、必要に応じて更に重合防止剤が第三の重合防止剤供給ライン14から追加される。ここで用いられる重合防止剤は、MQに限定されない。その重合防止効果と経済性を総合的に評価して、使用する薬剤の種類と量は決定される。
本発明では、蒸留塔でアクリル酸を蒸留して得られた凝縮液をフラッシャーに供給し、
フラッシャーから留出した留出液として製品であるアクリル酸を得る。本発明によれば、蒸留塔からの凝縮液にMQ以外の重合防止剤が混入していても、この重合防止剤はその後のフラッシャーにおいてアクリル酸の蒸気から分離される。したがってアクリル酸の蒸留塔での蒸留において、MQ以外の重合防止剤を用いることが可能となる。したがって高純度のアクリル酸を製造するにあたり、MQの使用量を減らすことが可能となる。
本発明では、前記凝縮液の一部を蒸留塔に還流し、蒸留塔に還流する還流液に、MQ以外の重合防止剤を薬剤として添加することが、高純度のアクリル酸の製造における経済性を高める観点から好ましい。還流液に供給されるMQ以外の重合防止剤としては、アクリル酸の重合を防止する薬剤であれば特に限定されないが、その沸点が280℃以上のものから単数ないし複数を選択することができる。例えば、ハイドロキノン、フェノチアジン、銅錯体、マンガン錯体等が挙げられる。また、これら重合防止剤の還流液中における各々の濃度は、1,000ppm未満であることが好ましい。沸点の低い、及び/又は高濃度の重合防止剤の使用は、製品である高純度のアクリル酸中への混入が増加する為、好ましくない。更に、これらはMQと併用することも可能である。
蒸留精製に用いられる原料のアクリル酸については、通常、その中に含まれるアルデヒド類の分離を容易にする為、メルカプタンやヒドラジン化合物の添加によるアルデヒド類の重質化が蒸留塔の供給前に行われる。
本発明においては、この添加/反応を蒸留塔の留出液が得られた後、フラッシャーへのフィード前に行うこともできる。すなわち、アクリル酸の蒸留により得られた凝縮液にメルカプタン又はヒドラジン化合物を添加し、添加した液をフラッシャーに供給することも可能である。このような方法によれば、蒸留操作によりアクリル酸中のアルデヒド類の濃度は低減する為、アルデヒド類の重質化に用いるメルカプタンやヒドラジン化合物の使用量を低減させることができる。なお、この添加/反応は、蒸留精製工程の前後に分割して行ってもよい。
フラッシャーでは、製品の品質の維持の為に、飛沫同伴を抑える必要がある。飛沫同伴の防止法としては、フラッシュカラム内での液面から塔頂までを高くしたり、ガス流速を遅くしたりすることで、飛沫の上昇を防ぐ方法と、邪魔板やワイヤーメッシュ等で飛沫を捕捉する方法とが挙げられる。アクリル酸は易重合性化合物であり、飛沫を捕捉する為の複雑な形状の機器の使用は、アクリル酸の重合による閉塞を起こし易い。したがって、ガス流速の低下による飛沫同伴の低減が本発明では重要となる。
具体的には、フラッシュカラム内における鉛直上方へのガスの線速度が10m/秒未満であり、質量速度が1kg/平方m秒未満であることが好ましい。フラッシャー内の蒸気がこのような線速度及び質量速度にあると、フラッシャー内における飛沫同伴による、MQ以外の重合防止剤の混入をより一層防止することが可能である。
フラッシャーからの缶出液は、廃棄することも、またアクリル酸の精製のどの工程にも循環することができるが、例えば蒸留塔の塔底部への循環等が挙げられる。
本発明では、アクリル酸の蒸留で得られた凝縮液及び還流液にメトキノンを供給し、メトキノンを供給した還流液を蒸留塔の塔頂部に還流し、アクリル酸と薬剤とを含有する薬剤のアクリル酸溶液を、蒸留塔における原料のアクリル酸の供給位置と塔頂部との間の位置から塔内に供給することが好ましい。
蒸留塔内では、温度の高い塔下部ほど重合が起こり易く、より多くの重合防止剤が必要となる。図3に示す標準的な方法では、塔頂部より供給される重合防止剤(MQ)は、塔
頂部からフィードラインまでの領域で、充分に重合を阻害するだけの量が必要であった。
前述した本発明の方法によれば、塔頂部より供給される重合防止剤は、塔頂部からその下の重合防止剤の供給ラインまでの領域、つまり前述した標準的なアクリル酸の製造方法に比べて、温度が低い領域において、重合を阻害するだけの量があればよい。前述した本発明の方法により、塔頂部より供給する重合防止剤の削減が可能となる為、該重合防止剤がMQの場合には、直接その消費量を低減する事ができる。また他の重合防止剤を含む場合には、留出液中への他の重合防止剤の混入が低減され、これに次ぐフラッシング操作による精製が容易となる。
前記薬剤のアクリル酸溶液は、アクリル酸と薬剤とを含有する液であれば特に限定されない。このようなアクリル酸溶液としては、例えば原料としてのアクリル酸と薬剤との混合溶液、前記還流液と薬剤との混合溶液、フラッシャーの塔底液と薬剤との混合溶液等が挙げられる。
前記薬剤のアクリル酸溶液の蒸留塔におけるフィード位置としては、塔頂部に近い事が、MQの使用量を低減させる観点から好ましい。具体的には、棚段塔において、塔頂部から数えて2〜4段目の棚、或いは充填物塔において、該箇所から塔頂までの充填物層高が0.5〜2.5mの範囲にある事が好ましい。
また、MQを含有する還流液を蒸留塔の塔頂部に還流させる場合では、塔頂からの他の重合防止剤の飛沫同伴を防止する観点から、分離精製のために用いられる通常のトレイに比べて開口率の低いトレイを一段又はそれ以上、より好ましくは2〜3段設けることが好ましい。これらのトレイは、通常のトレイを設ける間隔よりも狭い間隔で設けることが、他の重合防止剤等の飛沫同伴を防止する観点から好ましい。
また本発明では、MQを含有する還流液を蒸留塔の塔頂部に還流させることにより、他の重合防止剤の飛沫同伴が十分に防止されれば、その後の凝縮液を蒸発させるフラッシャーを省くことも可能である。
本発明の第一の実施の形態を以下に説明する。
本実施の形態では、図1に示すようなアクリル酸の製造装置が用いられる。この製造装置は、前述した標準的な製造装置の構成に加えて、留出液抜き出しライン12にアルデヒド類を重質化させる重質化剤としてのヒドラジン化合物を供給する重質化剤供給ライン17と、留出液抜き出しライン12中のアクリル酸に含まれるアルデヒド類とヒドラジン化合物とを反応させる反応槽18と、この重質化反応後のアクリル酸の液を蒸発させるフラッシャー19と、フラッシャー19の頂部からの蒸気を凝縮させる凝縮器(不図示)と、得られた凝縮液にMQを供給するMQ供給ライン20と、フラッシャー19の塔底液をリボイラ4に戻す塔底液供給ライン21とを有する。また、第二の重合防止剤供給ライン13は、MQ以外の重合防止剤を供給する手段とされている。
この製造装置では、MQ以外の重合防止剤が供給された原料のアクリル酸がフィードライン2から蒸留塔1に供給される。蒸留塔1に供給されたアクリル酸は、リボイラ4で加熱され、生じた蒸気はオーバーヘッドライン5からコンデンサ6に送られる。蒸留塔1の塔底液には第四の重合防止剤供給ライン15から空気が供給される。
コンデンサ6ではアクリル酸の蒸気が凝縮し、アクリル酸の凝縮液が生成する。コンデンサ6には、第一の重合防止剤供給ライン11から供給されるMQのアクリル酸溶液と、還流液供給ライン10から供給されるアクリル酸との混合液が噴霧される。
噴霧されたMQを含有するアクリル酸の凝縮液は、還流ドラム7に収容される。還流ドラム7に収容された凝縮液の一部は、還流液供給ライン10によってコンデンサ6に送られ、他の一部は還流ライン8に送られ、さらに他の一部は留出液抜き出しライン12に送られる。
還流ライン8に送られた凝縮液(還流液)には、第二の重合防止剤供給ライン13から、沸点が280℃以上の、MQ以外の重合防止剤が供給される。この重合防止剤が供給された還流液は、蒸留塔1の塔頂部に還流される。
留出液抜き出しライン12に送られた凝縮液には、重質化剤供給ライン17からヒドラジン化合物が供給される。ヒドラジン化合物が供給された凝縮液は、反応槽18に送られ、重質化反応を行うのに十分な時間、反応槽18で滞留する。
重質化反応が行われた凝縮液は、フラッシャー19に送られる。前記凝縮液に含まれ得るMQ以外の重合防止剤は、その沸点がアクリル酸の沸点に比べて十分に高い。また前記凝縮液に含まれ得るアルデヒド類の重質化物も、その沸点がアクリル酸の沸点に比べて十分に高い。したがって、フラッシャー19に送られた凝縮液は蒸発し、アクリル酸の蒸気はフラッシャー19の頂部から排出され、アルデヒド類の重質化物や重合防止剤は塔底液に残る。
フラッシャー19の頂部から排出されたアクリル酸の蒸気は、前記凝縮器で凝縮される。得られたアクリル酸の凝縮液には、MQ供給ライン20から適当量のMQが供給され、MQの濃度が200質量ppmの製品アクリル酸が得られる。
フラッシャー19の塔底液は、塔底液供給ライン21及びリボイラ4を介して蒸留塔1の塔底部に送られ、アクリル酸の蒸留精製に再利用される。
本実施の形態では、蒸留精製の留出液をフラッシャー19に供給し、フラッシャー19の留出液として高純度のアクリル酸を得ることから、蒸留装置の留出液中にMQ以外の重合防止剤の一部が混入しても、これに次ぐフラッシング操作で得られる留出液中の該重合防止剤の濃度は充分に低減することができる。
また本実施の形態では、フラッシャー19の留出液にMQ供給ライン20からMQを供給することから、MQの濃度が調整された高純度のアクリル酸を得ることができる。
また本実施の形態では、主に、フィードラインから塔底液までにおけるアクリル酸の重合は第三の重合防止剤供給ライン14からの重合防止剤の供給によって防止され、塔底液でのアクリル酸の重合は第四の重合防止剤供給ライン15からの空気の供給によって防止され、蒸留塔1の塔頂部からフィードライン2までのアクリル酸の重合は第二の重合防止剤供給ライン13からの重合防止剤の供給によって防止されている。これらの重合防止剤にはMQ以外の重合防止剤が用いられている。このように、蒸留装置の還流液等にMQ以外の重合防止剤を用いることで、高純度のアクリル酸の製造に用いられるMQの量を大幅に削減することができる。
なお、フラッシング操作により、フラッシャー19の留出液であるアクリル酸中に含まれるMQ濃度も低下する為、フラッシャーの留出液には改めてMQを供給する必要があるが、前述した標準的な例における還流ライン8への供給量に比べれば少なく、大幅にMQ使用量の削減が可能となる。
また本実施の形態では、蒸留精製後にアクリル酸中のアルデヒド類の重質化を行う。ア
クリル酸中のアルデヒド類は、蒸留塔1での蒸留でアクリル酸から分離されるので、本実施の形態では、アルデヒド類の重質化に要するヒドラジン化合物の量を低減することができる。なお、アルデヒド類の重質化にメルカプタン類を用いる場合でも、重質化剤供給ライン17からメルカプタン類を供給し、反応槽18に代えて酸性触媒としてのイオン交換樹脂を充填した充填塔を用いることにより、同様の効果を得ることができる。
また本実施の形態では、フラッシャー19の塔底液を蒸留塔1の塔底部に供給し、アクリル酸の蒸留精製に用いることから、フラッシャー19の塔底液からアクリル酸を回収し、廃液の量を減らすことができる。
本発明の第二の実施の形態を説明する。
本実施の形態では、図2に示すようなアクリル酸の製造装置が用いられる。この製造装置は、蒸留塔1に代えて蒸留塔31を有し、フィードライン2に代えて第一のフィードライン32と第二のフィードライン33とを有し、還流ライン8(本実施形態では「第一の還流ライン」という)からさらに分岐する第二の還流ライン34と、第二の還流ラインに重合防止剤を供給するための第五の重合防止剤供給ライン35とをさらに有する以外は、前述した標準的な製造装置と同様に構成されている。
蒸留塔31は、上部に、三段のデュアルフロートレイ(「DFトレイ」ともいう)を有する。これらのDFトレイは、これらのトレイの下方からの飛沫同伴を防止することを目的としており、蒸留分離能は基本的に有さない。これらのDFトレイは、蒸留塔31において蒸留の目的で用いられる他のトレイに比べて、開口率が低く、また狭い間隔で設けられている。
第一のフィードライン32及び第二のフィードライン33は、それぞれ原料となるアクリル酸を蒸留塔31に供給するラインである。これらのラインからは、重合防止剤が供給されたアクリル酸を供給しても良いし、他の工程で排出された塔底液等の、アクリル酸を含有する再利用可能な液を供給しても良いし、第一の実施の形態と同様に留出液抜き取りライン12の後段にフラッシャーを設け、このフラッシャーの缶出液を供給しても良い。
第一の還流ライン8は、蒸留塔31の塔頂部、具体的には最上段の前記DFトレイに還流液を還流するラインである。第二の還流ライン34は、第二の還流ライン8の還流位置よりも低い位置、具体的には最下段の前記DFトレイの直下のトレイ又は充填層に還流液を還流するラインである。第二の還流ライン34の還流液の流量は、第一の還流ライン8の還流液の流量よりもかなり大きく、具体的には7〜15倍程度大きくなるように設定されている。第二の重合防止剤供給ライン13は、MQを供給するラインであり、第五の重合防止剤供給ライン35は、フェノチアジン及びハイドロキノン等の薬剤を供給するラインである。
蒸留塔31で蒸留されたアクリル酸は、コンデンサ6で凝縮し、生成した凝縮液は還流ドラム7に収容される。還流ドラム7に収容された凝縮液の一部は、前述したように還流液供給ライン10及び留出液抜き出しライン12に送られる他、第一の還流ライン8及び第二の還流ライン34のそれぞれに送られる。
第二の還流ライン34に比べて少量の還流液が供給された第一の還流ライン8には、第二の重合防止剤供給ライン13から、蒸留塔31の塔頂部から第二の還流ライン34による還流位置までの重合を防止する量のMQが供給される。
第一の還流ライン8に比べて多量の還流液が供給された第二の還流ライン34には、第五の重合防止剤供給ライン35から、第二の還流ライン34による還流位置よりも下方の
蒸留塔31内における重合を防止する量の薬剤が供給される。
蒸留塔31では、蒸留塔31の上部に設けられた三段の前記DFトレイによって、それより下方で飛沫同伴が防止される。また、最上段のDFトレイには、MQが供給された凝縮液が供給されることから、蒸留塔31の上部における重合が防止される。また第一の還流ライン8からの還流によって、MQを含有する液滴が飛沫して蒸留塔31の塔頂から排出される。この飛沫同伴は、製品としてのアクリル酸の品質に悪影響を及ぼさない。
第一の還流ライン8の還流液の量は、第二の還流ライン34の還流液の量に比べて少ないため、第一の還流ライン8の還流液中のMQの濃度を、標準的な製造装置の場合と同程度かそれ以上としても、要するMQの量は、標準的な製造装置に比べて大幅に削減される。
なお、第一のフィードライン33や第二のフィードライン34から供給される原料のアクリル酸に前記薬剤が供給されている場合では、第五の重合防止剤供給ライン35から第二の還流ライン34に供給される薬剤の量は、第二の還流ライン34による還流位置から第一フィードライン32又は第二のフィードライン33までの蒸留塔31内の重合を防止する量に削減される。
留出液抜き出しライン12に送られた凝縮液は、MQ以外の薬剤の含有量や製品の規格によっては、そのまま製品アクリル酸とすることができるし、前述した第一の実施形態と同様に重質化を行うか、あるいはそのままフラッシャーに供給することもできる。
本実施の形態では、蒸留塔31の最も上部に還流液を還流させる第一の還流ライン8にはMQを供給し、第一の還流ライン8による還流位置よりも低い位置に還流液を還流させる第二の還流ライン34には、薬剤を供給することから、蒸留塔31内の大部分における重合の防止を薬剤によって行うことができ、かつこれらの薬剤の飛沫同伴による製品への混入を防止することができる。
また本実施の形態では、第一の還流ライン8に供給するMQの量は、蒸留塔31の塔頂部から第二の還流ライン34による還流位置までの蒸留塔31内の重合を防止するだけの量で良く、またこの領域は塔底部に比べて温度が低く、重合がより起こりにくいことから、高純度のアクリル酸の製造においてMQの使用量を大幅に低減することができる。したがって、高純度アクリル酸の製造費のうち、重合防止剤にかかる費用を大幅に抑えることができる。
また本実施の形態では、蒸留における分離精製の目的で用いられる通常のDFトレイに比べて開口率の小さいDFトレイを蒸留塔31の上部に設置し、さらにこれらのDFトレイを、通常のDFトレイの設置間隔よりも狭い間隔で設置したことから、MQ以外の重合防止剤の飛沫同伴を防止する観点からより一層効果的であり、安価で高品質のアクリル酸を安価に、そして安定して製造する観点からより一層効果的である。
斯様にして、高純度のアクリル酸の蒸留精製工程におけるMQの消費量が削減され、高純度のアクリル酸のより経済的な製造が達成できる。
以下、本発明を実施例により更に詳しく説明するが、本発明はこれらに限定されるものではない。
<実施例1>
図1に示す製造装置を用いてアクリル酸を製造した。蒸留塔1には20段のDFトレイを有する、塔径が1.5mの棚段塔を用いた。原料のアクリル酸には、フェノチアジンとハイドロキノンをそれぞれ1質量%ずつ含有するアクリル酸溶液を第三の重合防止剤供給ライン14から105kg/hで供給し、このような薬剤が供給された原料のアクリル酸を、蒸留塔1の8段目のDFトレイに2,150kg/hで供給した。また蒸留塔1の底部に8,200L/hで空気を供給した。蒸留塔1の塔底の温度を72℃とし、塔頂の温度を57℃とした。また圧力を、還流ドラム7において3.2kPaとした。また缶出液を120kg/hで循環ライン3から抜き出した。前記薬剤が供給される前の前記原料のアクリル酸の組成を以下に示す。
アクリル酸 99.54質量%
酢酸 0.06質量%
水 0.06質量%
フルフラール 0.02質量%
ベンズアルデヒド 0.02質量%
無水マレイン酸 0.1質量%
その他 残り
還流ドラム7に収容した凝縮液を、500kg/hで還流液供給ライン10に供給し、2,000kg/hで還流ライン8に供給し、2,190kg/hで留出液抜き出しライン12に供給した。還流液供給ライン10には、4質量%のメトキノンを含有するアクリル酸溶液を第一の重合防止剤供給ライン11から19kg/hで供給した。このようなMQが供給された凝縮液をコンデンサ6の入り口に噴霧した。還流ライン8には、1質量%のフェノチアジンを含有するアクリル酸溶液を第二の重合防止剤供給ライン13から39kg/hで供給した。フェノチアジンが供給された凝縮液を蒸留塔1の20段目のDFトレイに還流した。
留出液抜き出しライン12には、ヒドラジン化合物としてヒドラジン水和物を1.6kg/hで供給した。ヒドラジン化合物が供給された凝縮液を反応槽18で1時間滞留させ、過剰量のヒドラジン化合物によってアルデヒド類及び90質量%以上のマレイン酸を重質化した。重質化された凝縮液をフラッシャー19に2,191.6kg/hで供給した。フラッシャー19には、供給された液体を加熱する装置を底部に有する筒状の塔を用い、内部の温度を70℃とし、内部の圧力を6.7kPaとした。フラッシャー19の塔底液は100kg/hでリボイラ4に供給した。
フラッシャー19の塔頂部からの蒸気を凝縮器で凝縮し、得られた凝縮液にMQを供給して、200質量ppmのMQを含有するアクリル酸を得た。
<実施例2>
図2に示す製造装置を用いてアクリル酸を製造した。実施例1と異なる点を以下に説明する。
蒸留塔31には、8段のDFトレイと、その上部に充填物としてノートン(株)製のインタロックサドル(IMTP40)を3mの充填高さで充填してなる層と、その上部に3段のDFトレイとを有する蒸留塔を用いた。下方の8段のDFトレイには、開口率が19%のDFトレイを用い、これらを0.6mの間隔で設置した。上方の3段のDFトレイには、開口率が22%のDFトレイを用い、これらを0.6mの間隔で設置した。最上段のDFトレイに還流液を還流するように第一の還流ライン8を設け、充填層の最上部に還流液を還流するように第二の還流ライン34を設けた。
第一のフィードライン32からは、実施例1と同じ前記原料のアクリル酸を2,050
kg/hで供給し、第二のフィードライン33からは、フェノチアジンとハイドロキノンとを各々1質量%含有するアクリル酸を45kg/hで供給した。
還流ドラム7に収容した凝縮液を、1,000kg/hで第一の還流ライン8に供給し、1,000kg/hで第二の還流ライン34に供給し、2,190kg/hで留出液抜き出しライン12に供給した。
第一の還流ライン8には、第二の重合防止剤供給ライン13から、4質量%のMQを含有するアクリル酸溶液を20kg/hで供給した。第二の還流ライン2には、第五の重合防止剤供給ライン35から、フェノチアジンとハイドロキノンとをそれぞれ1質量%ずつ含有するアクリル酸溶液を105kg/hで供給した。
留出液抜き出しライン12に供給された凝縮液は、実施例1と同様にフラッシャー19に供給し、得られた留出液にMQを供給して、200質量ppmのMQを含有するアクリル酸を得た。
<比較例>
図3に示す製造装置を用いてアクリル酸を製造した。還流ライン8に、第二の重合防止剤供給ライン13から39kg/hでMQを供給し、フラッシャー19を用いなかった以外は、実施例1と同様にして、200質量ppmのMQを含有するアクリル酸を製造した。
200質量ppmのMQを含有するアクリル酸を1kg製造するのに要したMQの量を求めたところ、実施例1では0.56gであり、実施例2では0.98gであり、比較例では1.31gであった。
本発明の第一の実施の形態で用いられるアクリル酸の製造装置を示す図である。 本発明の第二の実施の形態で用いられるアクリル酸の製造装置を示す図である。 高純度のアクリル酸の標準的な製造装置の一例を示す図である。
符号の説明
1、31 蒸留塔
2 フィードライン
3 循環ライン
4 リボイラ
5 オーバーヘッドライン
6 コンデンサ
7 還流ドラム
8 (第一の)還流ライン
9 真空ライン
10 還流液供給ライン
11 第一の重合防止剤供給ライン
12 留出液抜き出しライン
13 第二の重合防止剤供給ライン
14 第三の重合防止剤供給ライン
15 第四の重合防止剤供給ライン
16 缶出液抜き出しライン
17 重質化剤供給ライン
18 反応槽
19 フラッシャー
20 MQ供給ライン
21 塔底液供給ライン
32 第一のフィードライン
33 第二のフィードライン
34 第二の還流ライン
35 第五の重合防止剤供給ライン

Claims (9)

  1. 蒸留塔でアクリル酸を蒸留して得られた凝縮液をフラッシャーに供給し、フラッシャーから留出した留出液として製品であるアクリル酸を得ることを特徴とするアクリル酸の製造方法。
  2. 前記凝縮液の一部を蒸留塔に還流し、蒸留塔へ還流する還流液に、沸点が280℃以上の、アクリル酸の重合を防止する薬剤を添加することを特徴とする請求項1記載のアクリル酸の製造方法。
  3. フラッシャー内の蒸気は、線速度が10m/秒未満であり、質量速度が1kg/平方m秒未満であることを特徴とする、請求項1又は2に記載のアクリル酸の製造方法。
  4. 前記薬剤として、ハイドロキノン、フェノチアジン、銅錯体、及びマンガン錯体のうち、少なくとも一つが用いられることを特徴とする請求項2記載のアクリル酸の製造方法。
  5. 前記フラッシャーに送られる凝縮液にメルカプタン又はヒドラジン化合物を添加することを特徴とする請求項1記載のアクリル酸の製造方法。
  6. アクリル酸の蒸留で得られた凝縮液及び前記還流液にメトキノンを供給し、メトキノンが供給された還流液を蒸留塔の塔頂部に還流し、アクリル酸と前記薬剤とを含有する薬剤のアクリル酸溶液を、前記蒸留塔における原料のアクリル酸の供給位置と塔頂部との間の位置から塔内に供給することを特徴とする請求項4記載のアクリル酸の製造方法。
  7. 前記薬剤のアクリル酸溶液の蒸留塔における供給位置が、蒸留塔に棚段塔を用いた場合では、塔頂部から数えて2〜4段目の棚であり、蒸留塔に充填物塔を用いた場合では、塔頂部までの充填物の層高が0.5〜2.5mになる位置であることを特徴とする請求項6記載のアクリル酸の製造方法。
  8. 蒸留塔でアクリル酸を蒸留し、得られた凝縮液にメトキノンを供給し、メトキノンが供給された凝縮液の一部を還流液として蒸留塔に還流し、メトキノンが供給された凝縮液の他の一部から製品であるアクリル酸を得るアクリル酸の製造方法において、
    前記還流液にメトキノンをさらに供給し、
    メトキノンがさらに供給された還流液を蒸留塔の塔頂部に還流し、
    アクリル酸の重合を防止する薬剤を、蒸留塔において還流液が還流される位置よりも低い位置から蒸留塔内に供給することを特徴とするアクリル酸の製造方法。
  9. 前記薬剤には、ハイドロキノン、フェノチアジン、銅錯体、及びマンガン錯体のうち、少なくとも一つが用いられることを特徴とする請求項8記載のアクリル酸の製造方法。
JP2004161256A 2004-05-31 2004-05-31 アクリル酸の製造方法 Pending JP2005336141A (ja)

Priority Applications (7)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2004161256A JP2005336141A (ja) 2004-05-31 2004-05-31 アクリル酸の製造方法
BRPI0418871-3A BRPI0418871A (pt) 2004-05-31 2004-10-12 método para produzir ácido acrìlico
US11/569,410 US20070193873A1 (en) 2004-05-31 2004-10-12 Process for producing acrylic acid
CNA2004800005796A CN1816515A (zh) 2004-05-31 2004-10-12 生产丙烯酸的方法
RU2006147316/04A RU2006147316A (ru) 2004-05-31 2004-10-12 Способ производства акриловой кислоты
PCT/JP2004/015013 WO2005115960A1 (ja) 2004-05-31 2004-10-12 アクリル酸の製造方法
US12/024,175 US20080128263A1 (en) 2004-05-31 2008-02-01 Process for producing acrylic acid

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2004161256A JP2005336141A (ja) 2004-05-31 2004-05-31 アクリル酸の製造方法

Publications (1)

Publication Number Publication Date
JP2005336141A true JP2005336141A (ja) 2005-12-08

Family

ID=35450801

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2004161256A Pending JP2005336141A (ja) 2004-05-31 2004-05-31 アクリル酸の製造方法

Country Status (6)

Country Link
US (2) US20070193873A1 (ja)
JP (1) JP2005336141A (ja)
CN (1) CN1816515A (ja)
BR (1) BRPI0418871A (ja)
RU (1) RU2006147316A (ja)
WO (1) WO2005115960A1 (ja)

Cited By (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2013513638A (ja) * 2009-12-14 2013-04-22 ビーエーエスエフ ソシエタス・ヨーロピア (メタ)アクリル酸および/または(メタ)アクリル酸エステルの重合を防止する方法

Families Citing this family (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
WO2003045890A1 (en) * 2001-10-30 2003-06-05 Mitsubishi Chemical Corporation Method for purifying (meth)acrylic acid

Citations (10)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPS4930312A (ja) * 1972-07-17 1974-03-18
JPS606635A (ja) * 1983-06-24 1985-01-14 Mitsubishi Petrochem Co Ltd 1,2−不飽和カルボン酸および/またはそのエステルの精製法
JPS6013739A (ja) * 1983-07-04 1985-01-24 Sumitomo Chem Co Ltd アクリル酸の精製方法
JPH0753449A (ja) * 1993-08-09 1995-02-28 Mitsubishi Chem Corp (メタ)アクリル酸又は(メタ)アクリル酸エステルの重合防止方法
JPH10245360A (ja) * 1997-03-05 1998-09-14 Chiyoda Corp カルボニル化合物の製造方法
JP2000290220A (ja) * 1999-04-09 2000-10-17 Mitsubishi Chemicals Corp アクリル酸の精製方法
JP2003113138A (ja) * 2001-10-09 2003-04-18 Mitsubishi Chemicals Corp (メタ)アクリル酸類の蒸留方法
JP2003311101A (ja) * 2002-04-23 2003-11-05 Mitsubishi Rayon Co Ltd 易重合性化合物含有液の蒸留方法およびその蒸留装置、易重合性化合物含有液の取り扱い方法およびその取り扱い装置
JP2003321419A (ja) * 2002-05-07 2003-11-11 Mitsubishi Chemicals Corp 高純度(メタ)アクリル酸の製造方法
JP2004035433A (ja) * 2002-07-01 2004-02-05 Chiyoda Corp カルボニル化合物の製造方法

Family Cites Families (9)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
US3372096A (en) * 1966-07-05 1968-03-05 Baldwin Lima Hamilton Corp High purity water flash evaportator with series stages for redistillation of distillate
DE19501326A1 (de) * 1995-01-18 1996-07-25 Basf Ag Verfahren der rektifikativen Abtrennung von (Meth)acrylsäure aus einem (Meth)acrylsäure als Hauptbestandteil und niedere Aldehyde als Nebenbestandteile enthaltenden Gemisch in einer aus Abtriebsteil und Verstärkerteil bestehenden Rektifiaktionskolonne
DE19501325A1 (de) * 1995-01-18 1996-07-25 Basf Ag Verfahren der rektifikativen Abtrennung von (Meth)acrylsäure aus einem (Meth)acrylsäure enthaltenden Gemisch
DE19539295A1 (de) * 1995-10-23 1997-04-24 Basf Ag Verfahren zur kontinuierlichen destillativen Auftrennung von flüssigen Gemischen, die als Hauptbestandteil (Meth)acrylsäure enthalten
JP3804138B2 (ja) * 1996-02-09 2006-08-02 Jsr株式会社 ArFエキシマレーザー照射用感放射線性樹脂組成物
DE19838795A1 (de) * 1998-08-26 2000-03-02 Basf Ag Verfahren zur kontinuierlichen Gewinnung von (Meth)acrylsäure
JP4151255B2 (ja) * 2001-10-05 2008-09-17 Dic株式会社 有機錫触媒の製造方法
JP3992643B2 (ja) * 2003-05-09 2007-10-17 株式会社日本触媒 (メタ)アクリル酸および/またはそのエステルの蒸留方法
RU2350598C2 (ru) * 2003-11-28 2009-03-27 Мицубиси Кемикал Корпорейшн Способ очистки (мет)акриловой кислоты

Patent Citations (10)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPS4930312A (ja) * 1972-07-17 1974-03-18
JPS606635A (ja) * 1983-06-24 1985-01-14 Mitsubishi Petrochem Co Ltd 1,2−不飽和カルボン酸および/またはそのエステルの精製法
JPS6013739A (ja) * 1983-07-04 1985-01-24 Sumitomo Chem Co Ltd アクリル酸の精製方法
JPH0753449A (ja) * 1993-08-09 1995-02-28 Mitsubishi Chem Corp (メタ)アクリル酸又は(メタ)アクリル酸エステルの重合防止方法
JPH10245360A (ja) * 1997-03-05 1998-09-14 Chiyoda Corp カルボニル化合物の製造方法
JP2000290220A (ja) * 1999-04-09 2000-10-17 Mitsubishi Chemicals Corp アクリル酸の精製方法
JP2003113138A (ja) * 2001-10-09 2003-04-18 Mitsubishi Chemicals Corp (メタ)アクリル酸類の蒸留方法
JP2003311101A (ja) * 2002-04-23 2003-11-05 Mitsubishi Rayon Co Ltd 易重合性化合物含有液の蒸留方法およびその蒸留装置、易重合性化合物含有液の取り扱い方法およびその取り扱い装置
JP2003321419A (ja) * 2002-05-07 2003-11-11 Mitsubishi Chemicals Corp 高純度(メタ)アクリル酸の製造方法
JP2004035433A (ja) * 2002-07-01 2004-02-05 Chiyoda Corp カルボニル化合物の製造方法

Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2013513638A (ja) * 2009-12-14 2013-04-22 ビーエーエスエフ ソシエタス・ヨーロピア (メタ)アクリル酸および/または(メタ)アクリル酸エステルの重合を防止する方法
JP2016028108A (ja) * 2009-12-14 2016-02-25 ビーエーエスエフ ソシエタス・ヨーロピアBasf Se (メタ)アクリル酸および/または(メタ)アクリル酸エステルの重合を防止する方法

Also Published As

Publication number Publication date
RU2006147316A (ru) 2008-07-20
WO2005115960A1 (ja) 2005-12-08
CN1816515A (zh) 2006-08-09
US20080128263A1 (en) 2008-06-05
BRPI0418871A (pt) 2007-11-27
US20070193873A1 (en) 2007-08-23

Similar Documents

Publication Publication Date Title
CN100522916C (zh) 从甲醇羰基化工艺流中去除还原高锰酸盐的化合物
US7368602B2 (en) Process for producing (meth) acrylic acid
TWI323252B (en) Method for production of acrylic acid
JP4050184B2 (ja) 脂肪族カルボン酸の製造方法
JP2000290221A (ja) (メタ)アクリル酸の精製方法
JP5368673B2 (ja) (メタ)アクリル酸の製造方法
JP3992643B2 (ja) (メタ)アクリル酸および/またはそのエステルの蒸留方法
EA005869B1 (ru) Способ получения (мет)акриловых кислот и способ их дистилляции
JP7105799B2 (ja) 分離壁を備えた蒸留カラムを含む(メタ)アクリル酸の精製方法
JP5378207B2 (ja) (メタ)アクリル酸の製造方法
JP4621174B2 (ja) (メタ)アクリル酸および/またはそのエステルの蒸留方法
JP3905810B2 (ja) アクリル酸製造プロセスにおける重合防止方法
JP4601772B2 (ja) (メタ)アクリル酸およびそのエステルの重合防止方法ならびにこれらの製造方法
JP4456730B2 (ja) (メタ)アクリル酸またはそのエステルの重合防止方法ならびにこれらの製造方法
JP2005179352A (ja) (メタ)アクリル酸の精製方法
JP2005336141A (ja) アクリル酸の製造方法
JP4300224B2 (ja) アクリル酸の製造方法
WO2005051883A1 (ja) (メタ)アクリル酸の精製方法
JP2003160530A (ja) (メタ)アクリル酸の精製方法
JP4651175B2 (ja) メタクリル酸の精製方法およびメタクリル酸メチルの製造方法
JP2023520711A (ja) (メタ)アクリル酸を精製するための方法
JP2003292470A (ja) (メタ)アクリル酸の製造方法
JP2022528886A (ja) ポリマーグレードのアクリル酸の生成
JP2003267917A (ja) 蒸留塔の運転停止方法
JP2008266159A (ja) アクリル酸ブチルの精製方法

Legal Events

Date Code Title Description
A621 Written request for application examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621

Effective date: 20070226

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20100309

A521 Written amendment

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20100507

A02 Decision of refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A02

Effective date: 20100525