JP2001348359A - (メタ)アクリル酸およびそのエステルの重合防止方法ならびにこれらの製造方法 - Google Patents

(メタ)アクリル酸およびそのエステルの重合防止方法ならびにこれらの製造方法

Info

Publication number
JP2001348359A
JP2001348359A JP2000168728A JP2000168728A JP2001348359A JP 2001348359 A JP2001348359 A JP 2001348359A JP 2000168728 A JP2000168728 A JP 2000168728A JP 2000168728 A JP2000168728 A JP 2000168728A JP 2001348359 A JP2001348359 A JP 2001348359A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
acrylic acid
compound
polymerization
salt
column
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Pending
Application number
JP2000168728A
Other languages
English (en)
Inventor
Kazuhiko Sakamoto
一彦 坂元
Kazuo Okochi
和夫 大河内
Masahiro Kamimura
政宏 上村
Hitoshi Nakahara
整 中原
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Nippon Shokubai Co Ltd
Original Assignee
Nippon Shokubai Co Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Nippon Shokubai Co Ltd filed Critical Nippon Shokubai Co Ltd
Priority to JP2000168728A priority Critical patent/JP2001348359A/ja
Publication of JP2001348359A publication Critical patent/JP2001348359A/ja
Pending legal-status Critical Current

Links

Abstract

(57)【要約】 (修正有) 【課題】 精製塔において気相、液相の双方における重
合物の発生を、特に過酷な精製条件でも効果的に防止
し、必要とされる連続運転を達成できる(メタ)アクリ
ル酸やそのエステルの重合防止方法とこれらの製造方法
を提供する。 【解決手段】 精製塔内で重合防止剤としてN−ニトロ
ソフェニルヒドロキシルアミンまたはその塩と、マンガ
ン塩化合物と、銅塩化合物および/またはフェノチアジ
ン化合物とを併用する(メタ)アクリル酸およびそのエ
ステルの重合防止方法。N−ニトロソフェニルヒドロキ
シルアミンまたはその塩が精製塔内でその一部が分解し
て塔内を上昇し(メタ)アクリル酸などの重合を効果的
に抑制する。N−ニトロソフェニルヒドロキシルアミン
またはその塩に加えてフェノール化合物、フェノチアジ
ン化合物、銅塩化合物、マンガン塩化合物を併用して気
液両相の重合を相乗的に防止する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、(メタ)アクリル
酸およびそのエステルの重合防止方法ならびにこれらの
製造方法に関し、より詳細には、N−ニトロソフェニル
ヒドロキシルアミンまたはその塩に加え、特定の特定の
重合防止剤を併用して精製塔に供給することを特徴とす
る(メタ)アクリル酸およびそのエステルの重合防止方
法、ならびに該重合防止方法を製造工程に含む(メタ)
アクリル酸およびそのエステルの製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】アクリル酸やメタクリル酸等の易重合性
化合物は、工業的な製造原料であり大規模なプラントで
大量に生産される化学物質である。例えば、(メタ)ア
クリル酸を例に取れば、該易重合性化合物は、プロピレ
ン、イソブチレン、t−ブタノール、メチル−t−ブチ
ルエーテル、アクロレインなどの接触気相酸化反応によ
って製造されるが、該接触気相酸化反応によって得られ
た反応ガス中には、目的物たる(メタ)アクリル酸の他
の副生物等が混在する。例えば、該反応によって主とし
て非凝縮性の気体すなわち未変換プロピレン、イソブチ
レンや沸点がアクリル酸の沸点よりも低い水蒸気、未変
換アクロレインなどの低沸点有機化合物、副反応で生じ
るホルムアルデヒド、酢酸等の不純物、沸点がアクリル
酸の沸点よりも高い無水マレイン酸、フルフラール、ベ
ンズアルデヒド、安息香酸、アクリル酸二量体等の高沸
点化合物が発生する。このため、この反応ガスを精製し
て目的物を製造するには、上記反応ガスを水または重質
溶媒で向流洗浄して吸収し、次いでこれを蒸留塔に供給
して精製することが一般的である。
【0003】一方、(メタ)アクリル酸およびそのエス
テルはその構造から、極めて重合し易い性質を持つ化合
物である。しかも、(メタ)アクリル酸の蒸留工程など
は、気相部と液相部とが混在する系を構成するため、蒸
留塔内の液相部と気相部との双方に対してその重合を効
果的に抑制し、長時間の安定な連続運転を可能とする必
要がある。一般にはこのような重合の発生を防止するた
めに、種々の重合防止剤が単独あるいは数種組み合わさ
れてモノマー中に添加され、該製造工程での重合物の発
生を防止している。
【0004】例えば、特開平9−95465号公報に
は、ニトロソ化合物の1種であるN−ニトロソフェニル
ヒドロキシルアミンまたはその塩を用いてビニル化合物
の重合を防止するに当たり、N−ニトロソフェニルヒド
ロキシルアミンまたはその塩と共に、銅塩化合物を存在
させることを特徴とするビニル化合物の重合防止方法が
開示されている。該方法によれば、両化合物を同時にま
たは別個に蒸留工程に導入することで、アクリル酸やメ
タクリル酸の重合を効果的に防止し、その製造プロセス
を長時間にわたり安定して運転することができるとして
いる。実施例では、アクリル酸にジブチルジチオカルバ
ミン酸銅とN−ニトロソフェニルヒドロキシルアミンと
を溶解させた後に還流操作を行い、重合物の発生を観察
している。
【0005】また、特開平8−48650号公報には、
N−オキシル化合物と共に、マンガン塩化合物、銅塩化
合物、2,2,6,6−テトラメチルピペリジン化合物
およびニトロソ化合物よりなる群から選ばれる1種以上
の重合防止剤を使用する(メタ)アクリル酸およびその
エステルの重合防止方法が開示されている。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、特開平
9−95465号公報に記載される方法は、(メタ)ア
クリル酸などの精製工程において重合防止効果が十分で
ない場合がある。また、(メタ)アクリル酸などの重合
を効果的に防止しようとすれば、重合防止剤の使用量を
増加すればよいが、これではこれら(メタ)アクリル酸
等の重合操作の段階で重合防止剤を除去する工程が必要
となり、不利である。
【0007】一方、特開平8−48650号公報では、
複数の重合防止剤を併用する実施例を記載しているが、
N−ニトロソフェニルヒドロキシルアミンまたはその塩
と併用した化合物は4−ヒドロキシ−2,2,6,6−
テトラメチルピペリジノオキシルとの組み合わせに限ら
れている。
【0008】一般に、プロピレン等の接触気相酸化によ
って合成された(メタ)アクリル酸に含まれる酢酸、低
級アルデヒドなどの低沸点物質と、フルフラール、無水
マレイン酸等の高沸点物質が副生成物を精製分離するた
めに、(メタ)アクリル酸含有溶液を、蒸留、放散、抽
出、晶析等の方法を行っている。
【0009】しかしながら、このような製造工程は製造
単価の低減を達成し、または製造設備の簡素化、製造工
程の簡略化を目的として、改良が求められるのが現状で
ある。この簡略化として、例えば、酢酸分離塔数を減少
したり蒸留工程を減少する場合には、十分な分離効率を
確保するために、蒸留条件を厳しくする必要が生ずる。
上記の様に、製造工程の簡略化は社会的な要請である
が、このためには各精製工程で現在よりも過酷な蒸留条
件を必要とすることになり、このことは、(メタ)アク
リル酸などの易重合性物質の製造工程において、該化合
物の重合物がより発生しやすくなることを意味する。
が、重合物が発生すれば連続運転が不可能となり、精製
塔における重合物の除去作業をより困難なものとし、目
的である製造工程の簡素化などの達成に反する結果とな
る。
【0010】このような現状から、(メタ)アクリル酸
などの易重合性物質の製造方法において、精製塔におい
て気相、液相の双方における重合物の発生を効果的に防
止し、本来必要とされる連続運転を達成できる(メタ)
アクリル酸やそのエステルの重合防止方法やこれらの製
造方法が望まれる。
【0011】
【課題を解決するための手段】本発明者は、ニトロソ化
合物の重合防止機能について詳細に検討した結果、N−
ニトロソフェニルヒドロキシルアミンまたはその塩が蒸
留工程に添加された後に少なくとも一部が分解するこ
と、該分解産物には重合抑制作用を有するものと重合促
進作用を有するものとが混在すること、および特定の重
合防止剤の組み合わせにより、(メタ)アクリル酸等の
重合防止効果を促進できること見出し本発明を完成させ
た。
【0012】すなわち、上記目的は、下記(1)〜
(5)によって達成される。
【0013】(1) 精製塔内で、重合防止剤として、
N−ニトロソフェニルヒドロキシルアミンまたはその塩
と、マンガン塩化合物と、銅塩化合物および/またはフ
ェノチアジン化合物とを併用することを特徴とする、
(メタ)アクリル酸およびそのエステルの重合防止方
法。
【0014】(2) 精製塔内で、重合防止剤として、
N−ニトロソフェニルヒドロキシルアミンまたはその塩
と、フェノール化合物と、フェノチアジン化合物とを併
用することを特徴とする、(メタ)アクリル酸およびそ
のエステルの重合防止方法。
【0015】(3) 重合防止剤として更に、銅塩化合
物および/またはマンガン塩化合物を併用する、上記
(2)記載の(メタ)アクリル酸およびそのエステルの
重合防止方法。
【0016】(4) 重合防止剤として更に、N−オキ
シル化合物とN−ヒドロキシ−2,2,6,6−テトラ
メチルピペリジン化合物と2,2,6,6−テトラメチ
ルピペリジン化合物を併用する上記(1)〜(3)のい
ずれかに記載の方法。
【0017】(5) 上記(1)〜(4)のいずれかに
記載の(メタ)アクリル酸およびそのエステルの重合防
止方法を製造工程に含むことを特徴とする、(メタ)ア
クリル酸またはそのエステルの製造方法。
【0018】
【発明の実施の形態】本発明の第一は、精製塔内で、重
合防止剤として、N−ニトロソフェニルヒドロキシルア
ミンまたはその塩と、マンガン塩化合物と、銅塩化合物
および/またはフェノチアジン化合物とを併用すること
を特徴とする、(メタ)アクリル酸およびそのエステル
の重合防止方法である。
【0019】上記のごとく、本発明者らは、N−ニトロ
ソフェニルヒドロキシルアミンまたはその塩が(メタ)
アクリル酸などの蒸留工程で分解することを見出し、か
つ、精製塔内の環境中で分解産物の内のガス成分が気相
の(メタ)アクリル酸およびそのエステルの重合を防止
する作用を発揮することがわかった。特に、精製塔の塔
底側から該N−ニトロソフェニルヒドロキシルアミンま
たはその塩を供給すると、精製塔の環境中で分解して得
られた該ガス成分が、精製塔内を上昇しつつガス状で存
在する(メタ)アクリル酸と容易に混合することがで
き、これによってより効果的にこれら化合物の重合を防
止することができる。
【0020】なお、本発明においては、「精製」には、
蒸留、放散が含まれる。ここに、「蒸留」とは、溶液を
その沸点まで加熱し含まれる揮発性成分を分離する方法
であり、「放散」とは、放散ガスを供給して溶液中に溶
解する気体または蒸気を気相に移す方法をいうものとす
る。以下、本発明を詳細に説明する。
【0021】本発明の(メタ)アクリル酸およびそのエ
ステルの重合防止方法は、(メタ)アクリル酸およびそ
のエステルを精製する際に、精製塔内で発生する重合を
防止するものである。従って、精製塔としてはその名称
にかかわらず、(メタ)アクリル酸およびそのエステル
の製造工程で使用され、(メタ)アクリル酸およびその
エステルを精製し、または製造する目的で使用される装
置を広く含み、蒸留塔、放散塔、共沸分離塔、脱水塔、
酢酸分離塔、軽沸物分離塔、高沸物分離塔などが含まれ
る。
【0022】これらの精製塔における(メタ)アクリル
酸およびそのエステル精製条件は、(メタ)アクリル酸
およびエステル体を精製し、または製造する従来公知の
条件に適用できる。ただし、本発明はこれに限られるも
のではない。
【0023】本発明で使用するN−ニトロソフェニルヒ
ドロキシルアミンの塩としては、アンモニウム塩が好ま
しい。精製塔内の条件で該化合物が分解した後に、ガス
成分の易重合性物質に対する重合抑制効果に特に優れる
からである。
【0024】本発明では、N−ニトロソフェニルヒドロ
キシルアミンまたはその塩の供給場所としては特に制限
はない。したがって、精製塔の塔底部、塔中段、塔頂の
いずれから供給してもよい。しかしながら、これを精製
塔の塔底側から供給することが好ましく、特に「精製塔
の塔底側を基点として総理論段数の70%の位置以下」
から供給することが好ましい。該位置は、精製塔におけ
る総理論段数の70%以下の位置の精製塔内およびこれ
に付属する配管、付属機器の全てを意味する。従って、
総理論段数の70%以下の位置であれば、精製塔内の気
相部、塔底液を含み、更に精製塔に付属するリボイラや
該リボイラに導入しまたはリボイラから導出するための
配管も含むものとする。従って、精製塔の塔底部に薄膜
蒸発器が付属する場合は、該薄膜蒸発器や該薄膜蒸発器
に導入しまたは薄膜蒸発器から導出するための配管も本
願におけるニトロソ化合物の供給位置に含まれる。より
好ましくは総理論段数の30%以下、より好ましくは1
0%以下の位置である。
【0025】本発明において精製塔の塔底側を基点とし
て総理論段数の70%の位置以下からN−ニトロソフェ
ニルヒドロキシルアミンまたはその塩を供給することと
したのは、上記のごとくガス状の分解産物が気相中で易
重合性物質の重合防止作用を奏する一方、不揮発性の分
解産物の中には重合を促進する作用を有するものも存在
することを見出したからである。精製塔内には、トレ
ー、充填物、液分散板、フラッシュ・フィ−ド液分散
板、1次液分散板、コレクタ−、蒸気分散板、パッキン
グ・サポ−ト、充填層抑板などの蒸留塔内装物が存在す
るため、N−ニトロソフェニルヒドロキシルアミンまた
はその塩の分解産物であって不揮発性の成分がこれら内
装物に付着すると、該内装物表面における(メタ)アク
リル酸などの重合を促進するおそれがある。この点、精
製塔の塔底側を基点として総理論段数の70%の位置以
下であれば、気相中で有効に易重合性ガスの重合を防止
できると共に、内装物表面で発生する重合促進の副作用
も許容できる範囲となる。
【0026】このような該N−ニトロソフェニルヒドロ
キシルアミンまたはその塩は、これを溶媒に溶解したも
のを精製塔に投与することが簡便で好ましい。具体的に
は、適当な溶剤、好ましくは反応系に仕込む溶剤や、水
などの原料供給液中に含まれる成分と同種の溶剤に該N
−ニトロソフェニルヒドロキシルアミンまたはその塩を
溶かして液状にしたものを精製塔の塔底側を基点として
総理論段数の70%の位置以下から供給する。該N−ニ
トロソフェニルヒドロキシルアミンまたはその塩を溶解
するために使用する溶媒は、精製塔内条件やN−ニトロ
ソフェニルヒドロキシルアミンまたはその塩の溶媒に対
する溶解性や分解性などの化学的、物理的性質によって
適宜選択すればよい。溶媒の例としては、水、アルコー
ル、炭化水素、ケトン、エステル、酸などが挙げられ
る。ニトロソ化合物がN−ニトロソフェニルヒドロキシ
ルアミンのアンモニウム塩の場合は,溶媒中での安定性
を考慮すると水が最も好ましく、酸は好ましくない。な
お、この位置内に原料供給段が含まれる場合には、原料
供給溶液中に該N−ニトロソフェニルヒドロキシルアミ
ンまたはその塩含有溶液を混合し、または原料供給溶液
にN−ニトロソフェニルヒドロキシルアミンまたはその
塩を溶解させて精製塔に導入してもよい。また、精製塔
に貫通させたN−ニトロソフェニルヒドロキシルアミン
またはその塩供給口から該N−ニトロソフェニルヒドロ
キシルアミンまたはその塩含有溶液を流入、滴下または
噴霧して導入してもよい。
【0027】本発明で精製塔に添加されるN−ニトロソ
フェニルヒドロキシルアミンまたはその塩の供給量とし
ては特に制限されるものではないが、該化合物は精製塔
内で分解するため、分解前の物質で換算すれば、塔底液
中の該N−ニトロソフェニルヒドロキシルアミンまたは
その塩濃度が0.0005〜0.05質量%、好ましく
は0.001〜0.01質量%の範囲である。0.00
05質量%を下回ると重合防止効果が十分でないからで
ある。なお、該N−ニトロソフェニルヒドロキシルアミ
ンまたはその塩は精製塔の条件で少なくともその一部が
分解し、分解産物の種類によっては(メタ)アクリル酸
などの重合を促進する場合がある。従って、該塔底液中
のN−ニトロソフェニルヒドロキシルアミンまたはその
塩濃度を0.05質量%以下とすることで、該重合を抑
制することができる。
【0028】なお、本発明では、N−オキシル化合物、
N−ヒドロキシ−2,2,6,6−テトラメチルピペリ
ジン化合物、2,2,6,6−テトラメチルピペリジン
化合物等の公知の重合防止剤を併用することができる。
上記のごとく、N−ニトロソフェニルヒドロキシルアミ
ンまたはその塩の分解産物によっては重合を促進する場
合があるため、他の重合防止剤を併用することで特に液
相における(メタ)アクリル酸などの重合を防止するこ
とができる。
【0029】本発明で使用できるマンガン塩化合物とし
ては、ジアルキルジチオカルバミン酸マンガン(アルキ
ル基はメチル、エチル、プロピル、ブチルのいずれか
で、同一であっても異なっていても良い)、ジフェニル
ジチオカルバミン酸マンガン、蟻酸マンガン、酢酸マン
ガン、オクタン酸マンガン、ナフテン酸マンガン、過マ
ンガン酸マンガン、エチレンジアミン四酢酸のマンガン
塩化合物等が挙げられ、これらの1種以上を用いること
ができる。なお、マンガン塩化合物は単独では重合防止
効果が比較的低いが、本発明においてN−ニトロソフェ
ニルヒドロキシルアミンまたはその塩やさらに他の重合
防止剤と併用することによって、著しい重合防止効果を
発現することが明らかとなった。また、銅塩化合物は腐
食作用があるが、マンガン塩化合物を添加すると該腐食
作用を抑制することができる点でも好ましい。
【0030】本発明で使用する銅塩化合物としては、無
機塩、有機塩のいずれであってもよく、様々なものを用
いることができる。例えばジアルキルジチオカルバミン
酸銅、酢酸銅、ナフテン酸銅、アクリル酸銅、硫酸銅、
硝酸銅、塩化銅などが挙げられる。これらの銅塩化合物
は一価、二価のいずれのものも用いることができる。上
記銅塩化合物の中では、効果などの点からジアルキルジ
チオカルバミン酸銅が好ましい。
【0031】ジアルキルジチオカルバミン酸銅として
は、例えば、ジメチルジチオカルバミン酸銅、ジエチル
ジチオカルバミン酸銅、ジプロピルジチオカルバミン酸
銅、ジブチルジチオカルバミン酸銅、ジペンチルジチオ
カルバミン酸銅、ジヘキシルジチオカルバミン酸銅、ジ
フェニルジチオカルバミン酸銅、メチルエチルジチオカ
ルバミン酸銅、メチルプロピルジチオカルバミン酸銅、
メチルブチルジチオカルバミン酸銅、メチルペンチルジ
チオカルバミン酸銅、メチルヘキシルジチオカルバミン
酸銅、メチルフェニルジチオカルバミン酸銅、エチルプ
ロピルジチオカルバミン酸銅、エチルブチルジチオカル
バミン酸銅、エチルペンチルジチオカルバミン酸銅、エ
チルヘキシルジチオカルバミン酸銅、エチルフェニルジ
チオカルバミン酸銅、プロピルブチルジチオカルバミン
酸銅、プロピルペンチルジチオカルバミン酸銅、プロピ
ルヘキシルジチオカルバミン酸銅、プロピルフェニルジ
チオカルバミン酸銅、ブチルペンチルジチオカルバミン
酸銅、ブチルヘキシルジチオカルバミン酸銅、ブチルフ
ェニルジチオカルバミン酸銅、ペンチルヘキシルジチオ
カルバミン酸銅、ペンチルフェニルジチオカルバミン酸
銅、ヘキシルフェニルジチオカルバミン酸銅などが挙げ
られる。これらのジアルキルジチオカルバミン酸銅は、
一価の銅塩化合物であってもよく、二価の銅塩化合物で
あってもよい。これらの中で、効果及び入手しやすいな
どの点からジメチルジチオカルバミン酸銅、ジエチルジ
チオカルバミン酸銅及びジブチルジチオカルバミン酸銅
が好ましく、特にジブチルジチオカルバミン酸銅が好適
である。
【0032】また、フェノチアジン化合物としては、フ
ェノチアジン、ビス−(α−メチルベンジル)フェノチ
アジン、3,7−ジオクチルフェノチアジン、ビス−
(α−ジメチルベンジル)フェノチアジン等を挙げるこ
とができ、これらの中でも特にフェノチアジンが好適に
使用される。これらのフェノチアジン化合物は2種以上
を併用してもよい。
【0033】本発明で併用可能なフェノール化合物とし
ては、ハイドロキノン、メトキノン(p−メトキシフェ
ノール)を挙げることができる。メトキノンは、特にN
−ニトロソフェニルヒドロキシルアミンまたはその塩お
よびフェノチアジン化合物と組合せて使用した際の重合
防止効果がハイドロキノンより優れているため好まし
い。また、これらのフェノール化合物は2種を併用して
もよい。
【0034】本発明では、重合防止剤として、N−ニト
ロソフェニルヒドロキシルアミンまたはその塩と、マン
ガン塩化合物と、銅塩化合物および/またはフェノチア
ジン化合物との併用として、(i)N−ニトロソフェニ
ルヒドロキシルアミンまたはその塩、マンガン塩化合物
および銅塩化合物との併用、(ii)N−ニトロソフェ
ニルヒドロキシルアミンまたはその塩、マンガン塩化合
物、およびフェノチアジン化合物との併用、(iii)
N−ニトロソフェニルヒドロキシルアミンまたはその
塩、マンガン塩化合物、銅塩化合物およびフェノチアジ
ン化合物との併用が好ましい。これらの中でも、N−ニ
トロソフェニルヒドロキシルアミンまたはその塩、フェ
ノチアジン化合物に加え、銅塩化合物、マンガン塩化合
物を併用することが好ましい。銅塩化合物と共にマンガ
ン塩化合物を併用すると、銅塩化合物によって発生しや
すい機器の腐食を効果的に抑制することができるからで
ある。更に、これらの併用によれば、特に過酷な蒸留条
件においても(メタ)アクリル酸などの重合を防止でき
ることが判明したからである。
【0035】また本発明では、重合防止剤として、N−
ニトロソフェニルヒドロキシルアミンまたはその塩と、
フェノール化合物と、フェノチアジン化合物との併用に
加え、更に、銅塩化合物および/またはマンガン塩化合
物を併用することが好ましい。このような組み合わせと
して(i)N−ニトロソフェニルヒドロキシルアミンま
たはその塩と、フェノール化合物と、フェノチアジン化
合物と、銅塩化合物との併用(ii)N−ニトロソフェ
ニルヒドロキシルアミンまたはその塩と、フェノール化
合物と、フェノチアジン化合物と、マンガン塩化合物と
の併用、(iii)N−ニトロソフェニルヒドロキシル
アミンまたはその塩と、フェノール化合物と、フェノチ
アジン化合物と、銅塩化合物とマンガン塩化合物との併
用がある。
【0036】特に、N−ニトロソフェニルヒドロキシル
アミンまたはその塩が精製塔内で分解し、特に精製塔気
相部における(メタ)アクリル酸やそのエステルの重合
を効果的に防止すると共に、フェノール化合物、フェノ
チアジン化合物、銅塩化合物、マンガン塩化合物が液相
における重合を防止し、特に(メタ)アクリル酸を水系
の溶媒で捕集した後の共沸脱水塔を含む低沸点物質分離
塔における(メタ)アクリル酸水溶液の重合防止に優れ
た効果を有するからである。
【0037】本発明では、更にN−オキシル化合物、N
−ヒドロキシ−2,2,6,6−テトラメチルピペリジ
ン化合物、2,2,6,6−テトラメチルピペリジン化
合物を併用してもよい。
【0038】本発明で更に併用できるN−オキシル化合
物については特に制限はなく、一般にビニル化合物に重
合防止剤として知られているN−オキシル化合物であれ
ばいずれも用いることができる。これらのなかでも、下
記式(1)で表される2,2,6,6−テトラメチルピ
ペリジノオキシル類:
【0039】
【化1】
【0040】(ただし、式中、R1はCHOH、CHC
2OH、CHCH2CH2OH、CHOCH2OH、CH
OCH2CH2OH、CHCOOH、またはC=Oを示
し、R2はHまたはCH2OHを示す)が好適に用いられ
る。N−オキシル化合物であれば特に限定されずに用い
ることができるが、良好な重合防止効果を与え得る2,
2,6,6−テトラメチルピペリジノオキシル、4−ヒ
ドロキシ−2,2,6,6−テトラメチルピペリジノオ
キシル、4,4’,4”−トリス−(2,2,6,6−
テトラメチルピペリジノオキシル)フォスファイトのう
ち1種または2種以上を用いることが好ましい。特に、
N−オキシル化合物として2,2,6,6−テトラメチ
ルピペリジノオキシル、または4−ヒドロキシ−2,
2,6,6−テトラメチルピペリジノオキシルを用いた
場合には、成分中に金属を含まなくても安定剤系となる
ため、安定剤による設備の金属腐食の恐れがなくなり、
廃液の処理も容易になる。
【0041】本発明で使用されるN−ヒドロキシ−2,
2,6,6−テトラメチルピペリジン化合物の代表例と
しては、1,4−ジヒドロキシ−2,2,6,6−テト
ラメチルピペリジン、1−ヒドロキシ−2,2,6,6
−テトラメチルピペリジンなどを挙げることができる。
これらN−ヒドロキシ−2,2,6,6−テトラメチル
ピペリジン化合物は単独でも、あるいは2種以上混合し
ても用いることができる。
【0042】本発明で使用される2,2,6,6−テト
ラメチルピペリジン化合物の具体例としては、2,2,
6,6−テトラメチルピペリジン、4−ヒドロキシ−
2,2,6,6−テトラメチルピペリジン等が挙げら
れ、これらの1種以上を用いることができる。なお、N
−ヒドロキシ−2,2,6,6−テトラメチルピペリジ
ン化合物や2,2,6,6−テトラメチルピペリジン化
合物は、市販されるN−オキシル化合物製品中に不純物
として含有される場合があるが、このような場合には市
販のN−オキシル化合物の使用によって、併せてN−ヒ
ドロキシ−2,2,6,6−テトラメチルピペリジン化
合物や2,2,6,6−テトラメチルピペリジン化合物
を併用したことになる。
【0043】このようなN−ニトロソフェニルヒドロキ
シルアミンまたはその塩に、銅塩化合物、マンガン塩化
合物、フェノール化合物、フェノチアジン化合物、N−
オキシル化合物を上記組み合わせで併用する場合、更に
これらにN−ヒドロキシ−2,2,6,6−テトラメチ
ルピペリジン化合物、2,2,6,6−テトラメチルピ
ペリジン化合物等を併用する場合において、これらを精
製塔の原料供給段より上部から導入することが好まし
い。本発明において「供給段より上部」には、精製塔に
付属させたコンデンサーや留出液が油水相に分離する際
に使用される貯槽等から供給する場合も含まれ、特に好
ましくは塔頂部、コンデンサー内、貯槽またはコンデン
サーや貯槽の還流液中から供給することである。これら
の重合防止剤を精製塔に供給した際に、最も効果的に重
合防止作用を発揮させるには、(1)重合防止剤が液相
中で十分な溶解性を示す必要があり、(2)しかも塔内
位置によって組成が異なる精製塔の中で、該組成を維持
しつつ重合防止剤を供給するには塔内組成に最も類似し
た液組成で添加すること、(3)および重合防止を目的
とする液相に最も効果的に混合できる重合防止剤位置で
あることなどが求められる。
【0044】重合防止剤が粉末である場合には、これを
精製塔内に供給するには溶剤に溶解した後に投入するこ
とが好ましく、例えば、精製塔内に供給する溶媒の一部
を用いて該化合物を含有する溶液を調製することが好ま
しい。このような重合防止剤含有溶液の投入位置として
は、該溶液中の溶媒濃度と精製塔内の該溶媒濃度とが類
似する範囲を選択すれば、塔内組成を変化させずに済む
点で好ましい。
【0045】なお、上記重合禁止剤を溶解することので
きる溶剤としては、上記のように生成等内に供給される
溶媒や付属したコンデンサからの還流液であることが好
ましく、例えば、精製塔に供給する溶媒として、ベンゼ
ン、トルエン、キシレン、シクロヘキサン、アセトン、
メチルエチルケトン、メチルイソブチルケトン、n−ヘ
キサン、ヘプタン等、これらの混合物が挙げられる。ま
た、供給原料液に含まれる水などの成分に溶解してもよ
い。これらの溶媒等は精製塔内の条件で異なるため、実
際に使用する溶媒等に基づいて最も好ましい重合防止剤
溶解溶媒を選択する。なお、精製塔で使用する溶媒を用
いれば、易重合性物質と重合防止剤との混合に優れ、か
つ塔内組成を維持できる点でも好ましい。なお、異なる
溶媒を使用するとこれらを別途回収する必要があり、ま
た、反応系への還流によって分離する場合には反応系の
制御管理が複雑化するため、不利となる。
【0046】なお、重合防止剤は、併用する重合防止剤
を全て同一の供給場所から投入してもよいし、それぞれ
異なる供給場所から投入してもよい。更に、供給時期に
ついても特に制限されるものではない。従って、例え
ば、フェノール化合物を塔頂から供給する一方、マンガ
ン塩化合物を精製塔の中段から供給することもできる。
有機溶媒に難溶なマンガン塩化合物を使用する場合に、
精製塔の塔頂側の有機溶媒濃度が高い場合には、塔中段
付近から供給することで塔内組成を変化させることが少
ないからである。従って、マンガン塩化合物が有機溶媒
に易溶であり水に難溶である場合には、精製塔の塔頂部
から供給すれば、効率的な重合防止効果を得ることがで
きる。いずれにしても、添加する重合防止剤の溶媒への
溶解性、精製塔内環境特に塔内組成等を勘案して最も最
適な供給場所を選択する。
【0047】なお、本発明で使用する重合防止剤がそれ
自体で液体である場合には、塔内組成と相互溶解性が十
分でない場合においても、塔内構造物を経由して移動す
るのに粘度や反応性などの点で障害がなければ、塔頂か
らの供給が可能である。
【0048】本発明の重合防止方法は、ビニル化合物の
中でも特に重合しやすい(メタ)アクリル酸およびその
エステルに好適に用いることができる。アクリル酸エス
テルとしては、アクリル酸メチル、アクリル酸エチル、
アクリル酸ブチル、アクリル酸2−エチルヘキシル、ア
クリル酸2−ヒドロキシエチル、アクリル酸2−ヒドロ
キシプロピル等が適用対象として挙げられ、メタクリル
酸エステルとしては、メタクリル酸メチル、メタクリル
酸ブチル、メタクリル酸2−ヒドロキシエチル、メタク
リル酸2−ヒドロキシプロピル等が適用対象として挙げ
られる。
【0049】重合防止方法としては、例えば、接触気相
酸化反応で(メタ)アクリル酸を製造する場合に関して
説明すれば、(メタ)アクリル酸の精留塔、(メタ)ア
クリル酸と溶剤の分離塔、(メタ)アクリル酸と酢酸等
の軽沸分との分離塔等の諸蒸留工程、アクロレインやメ
タクロレイン等の軽沸分のストリッパー等の蒸留操作を
含む諸工程において、上記重合防止剤を(メタ)アクリ
ル酸と共存させれば良い。
【0050】特に、本発明は、酢酸などの不純物を含有
するアクリル酸水溶液を共沸分離塔に導入して塔頂から
共沸溶媒と水と共に酢酸を留去する、いわゆる1回の蒸
留操作によって、実質的に酢酸、水、共沸溶剤を含まな
いアクリル酸を共沸分離塔の塔底から得るような蒸留工
程において、共沸脱水塔の重合を効果的に防止して長期
にわたり重合を防止して安定にアクリル酸を製造するに
特に適する。本発明により、(メタ)アクリル酸または
そのエステルの製造工程を簡略化するために生ずるより
分離条件が厳しく重合を生じやすい各精製工程における
重合物の発生を効果的に防止することができるからであ
る。
【0051】具体的には、プロピレンおよび/またはア
クロレインを接触気相酸化して得られるアクリル酸含有
ガスを、水と接触させて酢酸などの不純物を含有するア
クリル酸水溶液とし、このアクリル酸含有水溶液を共沸
脱水塔に導入して1回の蒸留操作により実質的に、酢
酸、水、共沸脱水塔を含まないアクリル酸を共沸脱水塔
の塔底から得る場合、共沸脱水塔における還流比を1.
1〜1.6、より好ましくは1.2〜1.5、特に好ま
しくは1.3〜1.5とする蒸留条件が例示できる。
1.1を下回ると、塔頂からのアクリル酸の留出が多く
なり、1.6を下回ると塔底での共沸溶剤の濃度が多く
なる。この際、好ましくは塔頂温度を45〜55℃に制
御する。45℃を下回ると塔頂からの留出ガスを冷却す
るために新たな冷却設備が必要となり好ましくない。そ
の一方、55℃を超えると、塔頂からのアクリル酸の留
出量が多くなる。また、塔底温度は、100〜110℃
に制御することが好ましい。110℃を上回ると、塔底
液中のアクリル酸の2量体が増加してアクリル酸の収率
が低下するので好ましくない。
【0052】また、塔底液中の酢酸濃度としては、0.
1質量%以下、より好ましくは0.05質量%以下、特
に好ましくは0.03質量%以下となる蒸留条件が例示
できる。
【0053】なお、本発明は、上記共沸脱水塔以外にも
操作温度の高い蒸留工程や、複数の重合性物質を含む蒸
留工程などあらゆる過酷な蒸留条件に適用することが出
来る。操作温度の高い蒸留工程としては、プロピレンな
どを接触気相酸化反応して得られるアクリル酸含有ガス
を高沸点有機溶媒を分離する蒸留工程などがある。複数
の重合性物質を含む精製工程は、アクリル酸、アクリル
酸エステル、水の3成分系の蒸留などがある。
【0054】N−ニトロソフェニルヒドロキシルアミン
またはその塩以外の重合防止剤の量は操作条件に応じて
適宜調整され、特に限定はされないが、用いられる重合
防止剤の総量を(メタ)アクリル酸およびそのエステル
の蒸発蒸気量に対して3〜2500ppm(重量基準)
とするのが好ましい。個々の重合防止剤の好ましい使用
量は、フェノール化合物は1〜500ppm、フェノチ
アジン化合物は1〜500ppm、マンガン塩化合物あ
るいは銅塩化合物はモノマーの蒸発蒸気量に対し1〜2
00ppm、N−オキシル化合物はモノマーの蒸発蒸気
量に対し1〜500ppm、2,2,6,6−テトラメ
チルピペリジン化合物、あるいはN−ニトロソフェニル
ヒドロキシルアミンまたはその塩の場合は1〜500p
pmである。
【0055】ここでいう蒸発蒸気量とは、蒸留塔のリボ
イラーに加えられた熱量に応じて、リボイラーで発生す
るモノマーの蒸気の総量を意味する。モノマー蒸気の総
量は計算で容易に算出することができる。重合防止剤の
投入基準を決定する上で重要な因子となる数字である。
【0056】なお、本発明では、重合防止剤として分子
状酸素を精製塔内に供給してもよく、この分子状酸素の
供給方法としてはエアーバブリング等により、(メタ)
アクリル酸およびそのエステルに直接混入させてもよい
し、あるいは、他の溶媒に溶け込んだ状態で(メタ)ア
クリル酸およびそのエステルに間接的に混入させてもよ
い。なお、精製塔やストリッパーの塔底および/または
リボイラーからガス状で送り込めばエアーバブリングが
簡単に製造工程に組み込める。分子状酸素は、(メタ)
アクリル酸またはそのエステルの蒸発蒸気量に対して
0.1〜1.0容量%程度投入することが望ましい。
【0057】本発明の第二は、上記記載の(メタ)アク
リル酸およびそのエステルの重合防止方法を製造工程に
含むことを特徴とする、(メタ)アクリル酸またはその
エステルの製造方法である。
【0058】(メタ)アクリル酸およびそのエステルは
連続して製造され、一般には接触気相酸化反応器に続
く、捕集塔、脱水塔、軽沸物分離塔、高沸物分離塔、酢
酸分離塔、エステル反応器、脱水塔などと称される各種
の精製工程を経て製造される。
【0059】これらの工程で使用される精製塔の条件
は、その前後に連続する精製塔の条件によってもことな
り、一義的に定義することはできない。しかしながら、
本発明では、上記したように、特に(メタ)アクリル酸
を水系溶媒で捕集した(メタ)アクリル酸含有溶液から
水を除去する共沸脱水塔、またはこれに加えてアルデヒ
ドや酢酸などの低沸点物質を分離する低沸分離塔におい
て本発明の重合防止方法を行うことが好ましい。これら
は、一般に最も(メタ)アクリル酸等の重合が発生しや
すいため、該化合物製造工程で律速となる工程であり、
特に本発明が有効である。
【0060】本発明の重合防止方法を少なくとも一部に
含む(メタ)アクリル酸の製造方法では、精製塔におけ
る重合物の発生を防止して長期連続運転を可能とできる
ばかりでなく、製品収率を向上させることができる。こ
の点で、本発明の(メタ)アクリル酸およびそのエステ
ルの製造方法においては、製造工程で使用される各精製
塔においてそれぞれ上記本発明の重合防止方法が適用さ
れることが好ましい。
【0061】
【実施例】以下、本発明の実施例により具体的に説明す
る。
【0062】(実施例1)プロピレンと分子状酸素含有
ガスとを反応器を上下のチャンバーに区切る中間管板を
備えた接触気相反応器10に供給して接触気相酸化して
得たアクリル酸含有ガスを、アクリル酸捕集塔20に導
入し、水と接触させてアクリル酸を水溶液中に捕集し
た。このアクリル酸含有溶液には不純物としてアクロレ
インが含まれていた。該アクリル酸含有溶液をアクロレ
イン放散塔30に導入し、アクロレインを放散させ、水
30質量%、酢酸3.0質量%を含むアクリル酸水溶液
を得た。
【0063】このアクリル酸水溶液を段数50段、段間
隔147mmのステンレス製シーブトレーを備え、塔頂
部に留出管および還流液供給管、中央部段(20段)に
原料供給管および重合防止剤投入管、塔底部に塔底液抜
き出し管および重合防止剤投入管を備えた内径105m
mの共沸分離塔40に導入し、共沸溶剤としてトルエン
を用いてアクリル酸溶液の蒸留を行った。
【0064】使用した重合防止剤の量は、アクリル酸蒸
発蒸気量に対して、N−ニトロソフェニルヒドロキシル
アミンのアンモニウム塩30ppmであり、ジブチルジ
チオカルバミン酸銅が30ppm、酢酸マンガンが30
ppm、ハイドロキノンが100ppm、フェノチアジ
ンが100ppmであり、N−ニトロソフェニルヒドロ
キシルアミンのアンモニウム塩は、塔底から水に溶解し
た形で、酢酸マンガンおよびハイドロキノンは20段よ
り水に溶解した形で、その他の重合防止剤は、塔頂から
還流液に溶解した形で塔内に供給した。また、アクリル
酸蒸発蒸気量に対して0.3容量%の分子状酸素を塔底
部に供給した。なお、ここにいうアクリル酸蒸発蒸気量
とは、共沸脱水塔40のリボイラー42から加えられた
熱量に相当して塔底から蒸発するモノマーの蒸気の総量
を意味する。
【0065】定常運転時における運転状態は、共沸分離
塔40の塔頂温度50℃、塔底温度105℃、塔頂圧力
170hPa、還流比(単位時間当たりの還流液の全モ
ル数/単位時間当たりの留出液の全モル数)1.43、
アクリル酸水溶液供給量8.5リットル/時であった。
共沸脱水塔40の塔頂より留出した水相は、酢酸7.5
質量%、アクリル酸1.8質量%を含み、一方、塔底よ
り抜き出される液はアクリル酸97.5質量%、酢酸
0.03質量%、水0.02質量%、その他2.45質
量%を含み、トルエンは検出限度(1ppm)以下であ
った。
【0066】上記条件で共沸脱水塔40を60日間連続
運転したところ、常に安定した状態が得られ、運転停止
後、蒸留塔内の点検を行った結果においても、重合物の
発生は全く認められなかった。
【0067】(実施例2)実施例1において、ジブチル
ジチオカルバミン酸銅の使用量を130ppm、酢酸マ
ンガンの使用量を130ppmにし、ハイドロキノンお
よびフェノチアジンを使用しない以外は、実施例1と同
様にしてアクリル酸水溶液の共沸蒸留運転を行った。
【0068】この条件では、共沸脱水塔を60日間連続
運転したところ、実施例1と同様の分離状態が得られ、
運転停止後、蒸留塔内の点検を行った結果においても重
合物の発生はほとんど認められなかった。
【0069】(実施例3)実施例1において、酢酸マン
ガンの使用量を60ppm、フェノチアジンの使用量を
200ppmにし、ジブチルジチオカルバミン酸銅およ
びハイドロキノンを使用しない以外は、実施例1と同様
にしてアクリル酸水溶液の共沸蒸留運転を行った。
【0070】この条件では、共沸脱水塔を60日間連続
運転したところ、実施例1と同様の分離状態が得られ、
運転停止後、蒸留塔内の点検を行った結果においても重
合物の発生はほとんど認められなかった。
【0071】(実施例4)実施例1において、フェノチ
アジンの使用量を130ppm、ハイドロキノンの使用
量を130ppmにし、ジブチルジチオカルバミン酸銅
および酢酸マンガンを使用しない以外は、実施例1と同
様にしてアクリル酸水溶液の共沸蒸留運転を行った。
【0072】この条件で共沸分離塔40の連続運転を行
ったところ、稼動後45日までは実施例1と同様の分離
状態が得られていたが、稼動開始後、46日目より徐々
に塔内の圧損失が認められた。60日後に運転を停止
し、蒸留塔内の点検を行ったところ、塔内の回収部に重
合物の発生を認めた。
【0073】(実施例5)実施例1においてフェノチア
ジンの使用量を200ppmにし、ハイドロキノンを使
用しない以外は、実施例1と同様にしてアクリル酸水溶
液の共沸蒸留運転を行った。
【0074】この条件で共沸分離塔40を60日間連続
運転したたところ、実施例1と同様の分離状態が得ら
れ、運転停止後、蒸留塔内の点検を行った結果において
も重合物の発生はほとんど認められなかった。
【0075】(実施例6)実施例1においてジブチルジ
チオカルバミン酸銅の使用量を60ppmにし、酢酸マ
ンガンを使用しない以外は、実施例1と同様にしてアク
リル酸水溶液の共沸蒸留運転を行った。
【0076】この条件で共沸分離塔40を60日間連続
運転したたところ、実施例1と同様の分離状態が得ら
れ、運転停止後、蒸留塔内の点検を行った結果において
も重合物の発生はほとんど認められなかった。
【0077】(実施例7)実施例1において酢酸マンガ
ンの使用量を60ppmにし、ジブチルジチオカルバミ
ン酸銅を使用しない以外は、実施例1と同様にしてアク
リル酸水溶液の共沸蒸留運転を行った。
【0078】この条件で共沸分離塔40を60日間連続
運転したところ、実施例1と同様の分離状態が得られ、
運転停止後、蒸留塔内の点検を行った結果においても重
合物の発生はほとんど認められなかった。
【0079】(実施例8)実施例1において、重合防止
剤として更に、4−ヒドロキシ−2,2,6,6−テト
ラメチルピペリジノオキシルと1,4−ジヒドロキシ−
2,2,6,6−テトラメチルピペリジンと4−ヒドロ
キシ−2,2,6,6−テトラメチルピペリジンを用
い、いずれも還流液に溶解した後、塔頂より供給した以
外は実施例1と同様にしてアクリル酸水溶液の共沸蒸留
運転を行った。
【0080】この条件で共沸分離塔40を60日間連続
運転したところ、実施例1と同様の分離状態が得られ、
運転停止後、蒸留塔内の点検を行った結果においても重
合物の発生は全く認められなかった。
【0081】(比較例1)実施例1において、N−ニト
ロソフェニルヒドロキシルアミンのアンモニウム塩の使
用量を140ppmにし、ジブチルジチオカルバミン酸
銅の使用量を150ppmにし、酢酸マンガンとハイド
ロキノンとフェノチアジンを使用しない以外は実施例1
と同様にしてアクリル酸水溶液の共沸蒸留運転を行っ
た。
【0082】この条件で共沸分離塔40の連続運転を行
ったところ、稼動当初は実施例1と同様の分離状態が得
られていたが、稼動開始後7日目より塔内の圧損失が認
められ9日目には運転を継続することが困難になった。
運転を停止し、蒸留塔の解体点検を行ったところ、塔内
の回収部に多量の重合物の発生を認めた。
【0083】(比較例2)実施例3において、フェノチ
アジンの使用量を260ppmにし、酢酸マンガンを使
用しない以外は実施例3と同様にしてアクリル酸水溶液
の共沸蒸留運転を行った。
【0084】この条件で共沸分離塔40の連続運転を行
ったところ、稼動当初は実施例3と同様の分離状態が得
られていたが、稼動開始後9日目より塔内の圧損失が認
められ11日目には運転を継続することが困難になっ
た。運転を停止し、蒸留塔の解体点検を行ったところ、
塔内の回収部に多量の重合物の発生を認めた。
【0085】(比較例3)実施例1において、酢酸マン
ガンの使用量を60ppm,ハイドロキノンの使用量を
200ppmにし、ジブチルジチオカルバミン酸銅とフ
ェノチアジンを使用しない以外は、実施例1と同様にし
てアクリル酸水溶液の共沸蒸留運転を行った。
【0086】この条件で共沸分離塔40の連続運転を行
ったところ、稼動当初は実施例1と同様の分離状態が得
られていたが、稼動開始後23日目より塔内の圧損失が
認められ27日目には運転を継続することが困難になっ
た。運転を停止し、蒸留塔の解体点検を行ったところ、
塔内の回収部に多量の重合物の発生を認めた。
【0087】(比較例4)実施例1において、酢酸マン
ガンの使用量を60ppmにし、ジブチルジチオカルバ
ミン酸銅とハイドロキノンとフェノチアジンを使用せ
ず、新たにメトキノン260ppmを塔頂から還流液に
溶解させて塔内に供給した以外は、実施例1と同様にし
てアクリル酸水溶液の共沸蒸留運転を行った。
【0088】この条件で共沸分離塔40の連続運転を行
ったところ、稼動当初は実施例1と同様の分離状態が得
られていたが、稼動開始後5日目より塔内の圧損失が認
められ6日目には運転を継続することが困難になった。
運転を停止し、蒸留塔の解体点検を行ったところ、塔内
の回収部に多量の重合物の発生を認めた。
【0089】(比較例5)実施例1において、N−ニト
ロソフェニルヒドロキシアミンのアンモニウム塩の使用
量を140ppm、酢酸マンガンの使用量を150pp
mにし、ジブチルジチオカルバミン酸銅とフェノチアジ
ンとハイドロキノンを使用しない以外は、実施例1と同
様にしてアクリル酸水溶液の共沸蒸留運転を行った。
【0090】この条件で共沸分離塔40の連続運転を行
ったところ、稼動当初は実施例1と同様の分離状態が得
られていたが、稼動開始後10日目より塔内の圧損失が
認められ12日目には運転を継続することが困難になっ
た。運転を停止し、蒸留塔の解体点検を行ったところ、
塔内の回収部に多量の重合物の発生を認めた。
【0091】(比較例6)実施例1においてジブチルジ
チオカルバミン酸銅の使用量を60ppm,フェノチア
ジンの使用量を200ppmとし、酢酸マンガンとハイ
ドロキノンを使用しない以外は、実施例1と同様にして
アクリル酸水溶液の共沸蒸留運転を行った。
【0092】この条件で共沸分離塔40の連続運転を行
ったところ、稼動当初は実施例1と同様の分離状態が得
られていたが、稼動開始後20日目より塔内の圧損失が
認められ23日目には運転を継続することが困難になっ
た。運転を停止し、蒸留塔の解体点検を行ったところ、
塔内の回収部に多量の重合物の発生を認めた。
【0093】(比較例7)実施例1においてジブチルジ
チオカルバミン酸銅の使用量を60ppm,ハイドロキ
ノンの使用量を200ppmとし、酢酸マンガンとフェ
ノチアジンを使用しない以外は、実施例1と同様にして
アクリル酸水溶液の共沸蒸留運転を行った。
【0094】この条件で共沸分離塔40の連続運転を行
ったところ、稼動当初は実施例1と同様の分離状態が得
られていたが、稼動開始後25日目より塔内の圧損失が
認められ28日目には運転を継続することが困難になっ
た。運転を停止し、蒸留塔の解体点検を行ったところ、
塔内の回収部に多量の重合物の発生を認めた。
【0095】(比較例8)実施例1において、ハイドロ
キノンの使用量を260ppmにし、ジブチルジチオカ
ルバミン酸銅と酢酸マンガンとフェノチアジンとフェノ
チアジンを使用しない以外は、実施例1と同様にしてア
クリル酸水溶液の共沸蒸留運転を行った。
【0096】この条件で共沸分離塔40の連続運転を行
ったところ、稼動当初は実施例1と同様の分離状態が得
られていたが、稼動開始後4日目より塔内の圧損失が認
められ5日目には運転を継続することが困難になった。
運転を停止し、蒸留塔の解体点検を行ったところ、塔内
の回収部に多量の重合物の発生を認めた。
【0097】
【発明の効果】本発明によれば、N−ニトロソフェニル
ヒドロキシルアミンまたはその塩と共に、フェノール化
合物およびフェノチアジン化合物を併用すると、または
N−ニトロソフェニルヒドロキシルアミンまたはその塩
と共に、マンガン塩化合物と銅塩化合物および/または
フェノチアジン化合物とを併用すると、N−ニトロソフ
ェニルヒドロキシルアミンまたはその塩が蒸留塔内で分
解し、その結果得られたガス成分が精製塔内の気相に存
在する易重合性物質の重合を有効に防止すると共に、フ
ェノール化合物、フェノチアジン化合物、銅塩化合物、
マンガン塩化合物などが液相中に存在する易重合性物質
の重合を抑制できる。このため、液相および気相におけ
る易重合性物質の重合を相乗的に相乗的に抑制できる。
易重合性化合物としては、精製塔内で気液量相を構成す
る(メタ)アクリル酸およびそのエステルである。
【0098】本発明の重合防止方法を実施して(メタ)
アクリル酸およびそのエステルを製造すれば、その製造
工程において重合物の発生を抑制して連続運転を可能と
すると共に、製品の収率が向上する。特に、精製条件の
過酷な精製塔においても重合防止効果に優れる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 図1は、アクリル酸の製造工程を示す概略フ
ロー図である。
【符号の説明】
1…プロピレン、 10…反応器、 20…アクリル酸捕集塔、 21…アクリル酸捕集液、 30…アクロレイン分離塔、 40…共沸脱水塔、 41…貯槽、 42…リボイラー、 50…高沸分離塔、 51…アクリル酸。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 上村 政宏 兵庫県姫路市網干区興浜字西沖992番地の 1 株式会社日本触媒内 (72)発明者 中原 整 兵庫県姫路市網干区興浜字西沖992番地の 1 株式会社日本触媒内 Fターム(参考) 4H006 AA02 AD41 BA05 BA16 BA47 BA50 BA51 BA94

Claims (5)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 精製塔内で、重合防止剤として、N−ニ
    トロソフェニルヒドロキシルアミンまたはその塩と、マ
    ンガン塩化合物と、銅塩化合物および/またはフェノチ
    アジン化合物とを併用することを特徴とする、(メタ)
    アクリル酸およびそのエステルの重合防止方法。
  2. 【請求項2】 精製塔内で、重合防止剤として、N−ニ
    トロソフェニルヒドロキシルアミンまたはその塩と、フ
    ェノール化合物と、フェノチアジン化合物とを併用する
    ことを特徴とする、(メタ)アクリル酸およびそのエス
    テルの重合防止方法。
  3. 【請求項3】 重合防止剤として更に、銅塩化合物およ
    び/またはマンガン塩化合物を併用する、請求項2記載
    の(メタ)アクリル酸およびそのエステルの重合防止方
    法。
  4. 【請求項4】 重合防止剤として更に、N−オキシル化
    合物とN−ヒドロキシ−2,2,6,6−テトラメチル
    ピペリジン化合物と2,2,6,6−テトラメチルピペ
    リジン化合物を併用する請求項1〜3のいずれかに記載
    の方法。
  5. 【請求項5】 請求項1〜4のいずれかに記載の(メ
    タ)アクリル酸およびそのエステルの重合防止方法を製
    造工程に含むことを特徴とする、(メタ)アクリル酸ま
    たはそのエステルの製造方法。
JP2000168728A 2000-06-06 2000-06-06 (メタ)アクリル酸およびそのエステルの重合防止方法ならびにこれらの製造方法 Pending JP2001348359A (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2000168728A JP2001348359A (ja) 2000-06-06 2000-06-06 (メタ)アクリル酸およびそのエステルの重合防止方法ならびにこれらの製造方法

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2000168728A JP2001348359A (ja) 2000-06-06 2000-06-06 (メタ)アクリル酸およびそのエステルの重合防止方法ならびにこれらの製造方法

Publications (1)

Publication Number Publication Date
JP2001348359A true JP2001348359A (ja) 2001-12-18

Family

ID=18671695

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2000168728A Pending JP2001348359A (ja) 2000-06-06 2000-06-06 (メタ)アクリル酸およびそのエステルの重合防止方法ならびにこれらの製造方法

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP2001348359A (ja)

Cited By (18)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2003342268A (ja) * 2002-05-28 2003-12-03 Nippon Kasei Chem Co Ltd エポキシ基末端(メタ)アクリレートの製造方法
JP2005514417A (ja) * 2002-01-09 2005-05-19 ビーエーエスエフ アクチェンゲゼルシャフト アクリル酸の製造方法
US7183428B2 (en) 2003-06-05 2007-02-27 Nippon Shokubai Co., Inc. Method for production of acrylic acid
US7321060B2 (en) 2003-06-05 2008-01-22 Nippon Shokubai Co., Ltd. Method for production of acrylic acid
US7342130B2 (en) 2005-12-06 2008-03-11 Nippon Shokubai Co., Ltd. Method for producing acrylic acid
US7368602B2 (en) 2006-01-20 2008-05-06 Nippon Shokubai Co., Ltd. Process for producing (meth) acrylic acid
WO2009133813A1 (ja) 2008-04-27 2009-11-05 株式会社日本触媒 アクリル酸の製造方法ならびにその製造方法を用いた親水性樹脂の製造方法および吸水性樹脂の製造方法
US7714164B2 (en) 2006-09-20 2010-05-11 Nippon Shokubai Co., Ltd. Method for producing (meth) acrylic acid
DE102010042216A1 (de) 2010-10-08 2011-06-09 Basf Se Verfahren zur Hemmung der unerwünschten radikalischen Polymerisation von in einer flüssigen Phase P befindlicher Acrylsäure
US8278481B2 (en) 2007-05-29 2012-10-02 Nippon Shokubai Co., Ltd. Method for producing (meth)acrylic acid
EP2505577A1 (en) 2003-06-05 2012-10-03 Nippon Shokubai Co., Ltd. Method for production of (meth)acrylic acid
JP2014076989A (ja) * 2012-09-20 2014-05-01 Nippon Shokubai Co Ltd グリシジルアクリレートの製造方法
DE102012223695A1 (de) 2012-12-19 2014-06-26 Basf Se Verfahren zur Stabilisierung von polymerisationsfähigen Verbindungen
US9206109B2 (en) 2012-12-19 2015-12-08 Basf Se Method of stabilizing polymerizable compounds
WO2017137348A1 (de) 2016-02-08 2017-08-17 Basf Se Polymerisationsinhibierte wässrige acrylsäurelösungen
JP2020500942A (ja) * 2016-12-13 2020-01-16 ビーエーエスエフ ソシエタス・ヨーロピアBasf Se 純粋なシクロヘキシル(メタ)アクリラートの蒸留による取得方法
WO2020020697A1 (de) 2018-07-26 2020-01-30 Basf Se Verfahren zur hemmung der unerwünschten radikalischen polymerisation von in einer flüssigen phase p befindlicher acrylsäure
JP2021535943A (ja) * 2018-08-24 2021-12-23 ビーエル テクノロジーズ、インコーポレイテッド 重合を阻害するための相乗的組み合わせ

Citations (4)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPH0551403A (ja) * 1990-11-09 1993-03-02 Nippon Shokubai Co Ltd ビニル化合物の重合防止剤および重合防止方法
JPH05140027A (ja) * 1991-07-16 1993-06-08 Sumitomo Chem Co Ltd α,β−不飽和カルボン酸及びそのエステルの重合防止方法
JPH0848650A (ja) * 1994-06-02 1996-02-20 Nippon Shokubai Co Ltd (メタ)アクリル酸およびそのエステルの重合防止方法
JPH0995465A (ja) * 1995-10-02 1997-04-08 Idemitsu Petrochem Co Ltd ビニル化合物の重合防止方法

Patent Citations (4)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPH0551403A (ja) * 1990-11-09 1993-03-02 Nippon Shokubai Co Ltd ビニル化合物の重合防止剤および重合防止方法
JPH05140027A (ja) * 1991-07-16 1993-06-08 Sumitomo Chem Co Ltd α,β−不飽和カルボン酸及びそのエステルの重合防止方法
JPH0848650A (ja) * 1994-06-02 1996-02-20 Nippon Shokubai Co Ltd (メタ)アクリル酸およびそのエステルの重合防止方法
JPH0995465A (ja) * 1995-10-02 1997-04-08 Idemitsu Petrochem Co Ltd ビニル化合物の重合防止方法

Cited By (30)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2005514417A (ja) * 2002-01-09 2005-05-19 ビーエーエスエフ アクチェンゲゼルシャフト アクリル酸の製造方法
JP2003342268A (ja) * 2002-05-28 2003-12-03 Nippon Kasei Chem Co Ltd エポキシ基末端(メタ)アクリレートの製造方法
US7183428B2 (en) 2003-06-05 2007-02-27 Nippon Shokubai Co., Inc. Method for production of acrylic acid
US7321060B2 (en) 2003-06-05 2008-01-22 Nippon Shokubai Co., Ltd. Method for production of acrylic acid
EP2505577A1 (en) 2003-06-05 2012-10-03 Nippon Shokubai Co., Ltd. Method for production of (meth)acrylic acid
US7342130B2 (en) 2005-12-06 2008-03-11 Nippon Shokubai Co., Ltd. Method for producing acrylic acid
US7368602B2 (en) 2006-01-20 2008-05-06 Nippon Shokubai Co., Ltd. Process for producing (meth) acrylic acid
US7714164B2 (en) 2006-09-20 2010-05-11 Nippon Shokubai Co., Ltd. Method for producing (meth) acrylic acid
US8278481B2 (en) 2007-05-29 2012-10-02 Nippon Shokubai Co., Ltd. Method for producing (meth)acrylic acid
WO2009133813A1 (ja) 2008-04-27 2009-11-05 株式会社日本触媒 アクリル酸の製造方法ならびにその製造方法を用いた親水性樹脂の製造方法および吸水性樹脂の製造方法
WO2012045738A1 (de) 2010-10-08 2012-04-12 Basf Se Verfahren zur hemmung der unerwünschten radikalischen polymerisation von in einer flüssigen phase p befindlicher acrylsäure
DE102010042216A1 (de) 2010-10-08 2011-06-09 Basf Se Verfahren zur Hemmung der unerwünschten radikalischen Polymerisation von in einer flüssigen Phase P befindlicher Acrylsäure
US9212122B2 (en) 2010-10-08 2015-12-15 Basf Se Process for inhibiting unwanted free-radical polymerization of acrylic acid present in a liquid phase P
JP2014076989A (ja) * 2012-09-20 2014-05-01 Nippon Shokubai Co Ltd グリシジルアクリレートの製造方法
WO2014095437A2 (de) 2012-12-19 2014-06-26 Basf Se Verfahren zur stabilisierung von polymerisationsfähigen verbindungen
KR102115507B1 (ko) * 2012-12-19 2020-05-26 바스프 에스이 중합성 화합물의 안정화 방법
KR20150096768A (ko) * 2012-12-19 2015-08-25 바스프 에스이 중합성 화합물의 안정화 방법
CN104870419A (zh) * 2012-12-19 2015-08-26 巴斯夫欧洲公司 稳定可聚合化合物的方法
US9206109B2 (en) 2012-12-19 2015-12-08 Basf Se Method of stabilizing polymerizable compounds
DE102012223695A1 (de) 2012-12-19 2014-06-26 Basf Se Verfahren zur Stabilisierung von polymerisationsfähigen Verbindungen
JP2016500377A (ja) * 2012-12-19 2016-01-12 ビーエーエスエフ ソシエタス・ヨーロピアBasf Se 重合性化合物を安定させるための方法
WO2014095437A3 (de) * 2012-12-19 2014-10-09 Basf Se Verfahren zur stabilisierung von polymerisationsfähigen verbindungen
WO2017137348A1 (de) 2016-02-08 2017-08-17 Basf Se Polymerisationsinhibierte wässrige acrylsäurelösungen
JP2020500942A (ja) * 2016-12-13 2020-01-16 ビーエーエスエフ ソシエタス・ヨーロピアBasf Se 純粋なシクロヘキシル(メタ)アクリラートの蒸留による取得方法
JP7009496B2 (ja) 2016-12-13 2022-01-25 ビーエーエスエフ ソシエタス・ヨーロピア 純粋なシクロヘキシル(メタ)アクリラートの蒸留による取得方法
WO2020020697A1 (de) 2018-07-26 2020-01-30 Basf Se Verfahren zur hemmung der unerwünschten radikalischen polymerisation von in einer flüssigen phase p befindlicher acrylsäure
US11447439B2 (en) 2018-07-26 2022-09-20 Basf Se Method for inhibiting unwanted radical polymerisation of acrylic acid present in a liquid phase P
JP2021535943A (ja) * 2018-08-24 2021-12-23 ビーエル テクノロジーズ、インコーポレイテッド 重合を阻害するための相乗的組み合わせ
EP3841130A4 (en) * 2018-08-24 2022-05-18 BL Technologies, Inc. SYNERGIC COMBINATION TO INHIBIT POLYMERIZATION
JP7159453B2 (ja) 2018-08-24 2022-10-24 ビーエル テクノロジーズ、インコーポレイテッド 重合を阻害するための相乗的組み合わせ

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JP2001348359A (ja) (メタ)アクリル酸およびそのエステルの重合防止方法ならびにこれらの製造方法
US7304176B2 (en) Process for producing easily polymerizable substance
US7368602B2 (en) Process for producing (meth) acrylic acid
JP2725593B2 (ja) (メタ)アクリル酸およびそのエステルの重合防止方法
US7319168B2 (en) Process for producing aliphatic carboxylic acid
EP0620206B2 (en) Method for inhibiting polymerization of (meth)acrylic acid and esters thereof
EP1382592B1 (en) Method for production of acrylic acid
JP2000290221A (ja) (メタ)アクリル酸の精製方法
JP4601772B2 (ja) (メタ)アクリル酸およびそのエステルの重合防止方法ならびにこれらの製造方法
JP5368673B2 (ja) (メタ)アクリル酸の製造方法
JP4456730B2 (ja) (メタ)アクリル酸またはそのエステルの重合防止方法ならびにこれらの製造方法
JP2725638B2 (ja) (メタ)アクリル酸およびそのエステルの重合防止方法
JP3905810B2 (ja) アクリル酸製造プロセスにおける重合防止方法
US6599397B2 (en) Method for preventing polymerization of (meth)acrylic acid and esters thereof and method for the production thereof
US6664418B1 (en) Method for inhibiting polymerization of a vinyl compound
JP4300224B2 (ja) アクリル酸の製造方法
JP2574109B2 (ja) (メタ)アクリル酸の重合防止方法
JP2002234858A (ja) α,β−不飽和カルボン酸及びそのエステルの重合防止方法
JPH0551403A (ja) ビニル化合物の重合防止剤および重合防止方法
KR101513942B1 (ko) 용이 중합성 화합물 함유액의 증류 방법
JP2003176253A (ja) (メタ)アクリル酸類の蒸留方法
JP2003292470A (ja) (メタ)アクリル酸の製造方法
JP2023520711A (ja) (メタ)アクリル酸を精製するための方法
JP2005336141A (ja) アクリル酸の製造方法
JP2002155021A (ja) ビニル単量体用重合防止剤組成物及び高純度(メタ)アクリル酸の製造方法

Legal Events

Date Code Title Description
RD04 Notification of resignation of power of attorney

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A7424

Effective date: 20040701

RD04 Notification of resignation of power of attorney

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A7424

Effective date: 20050419

A621 Written request for application examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621

Effective date: 20070109

A977 Report on retrieval

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007

Effective date: 20091119

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20091201

A02 Decision of refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A02

Effective date: 20100330