JP2004067615A - アクリル酸の製造方法 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】シングルリアクターを使用して、プロピレンからアクロレインを得る工程に導入する該混合ガスのプロピレン濃度を7〜15体積%、混合ガス中の水濃度を0〜10体積%とし、得られたアクリル酸含有ガスをアクリル酸捕集塔で捕集し、該捕集塔塔底液の水濃度を1〜45質量%として、次工程の処理工程の煩雑さを低減し、アクリル酸の重合物の発生を防止しつつ高収率でアクリル酸を製造する。
【選択図】 なし
Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、高濃度のプロピレンを原料とし、第一反応ゾーンと第二反応ゾーンとを単一の反応管を少なくとも1つの孔あき管板で分割して形成した反応器を用いて、アクリル酸含有溶液の水濃度を1〜45質量%に向上させ、かつ次工程以降での重合を防止した、高収率にアクリル酸を製造する方法に関する。
【0002】
【従来の技術】
アクリル酸は、アクリル繊維共重合体用、あるいはエマルションとして粘接着剤に用いられる他、塗料、繊維加工、皮革、建築用材等として用いられ、その需要は拡大している。このため、安価な原料を使用して大量生産を可能とするプロピレン等の接触気相酸化反応によって製造されることが一般的である。接触気相酸化反応では酸化反応に使用する分子状酸素の配合によって爆発範囲に属する恐れがあるため、約4〜7体積%の範囲で原料ガスを供給することが一般的であるが、製造効率を向上させるには高濃度の原料ガスを使用することが好ましく、各種の改良がなされている。
【0003】
例えば、特開2000−103761号公報には、7体積%超のプロピレン、分子状酸素、水蒸気、および残部に不活性ガスを含む反応組成物を、触媒を充填した2つの反応ゾーンを有する多数の反応管を配設する反応器に供給し、プロピレンからアクリル酸を製造する方法を記載している。接触気相酸化反応で得られた混合生成物ガスを吸収器に導入しアクリル酸水溶液を得ると、吸収器排ガスには未反応プロピレン、未反応アクロレインおよびアクリル酸が残存する。該排ガスを循環使用すると、吸収器を通って流れる不活性ガスの体積が増加するため吸収器の頂部での負荷が生じ、捕集効率が低下してアクリル酸の収率が低下する。一方、該排ガスを循環使用しない場合には、水蒸気を希釈ガスとして使用するため該水分によって酸化反応における選択率、添加率、触媒活性が変化し、吸収器を通って流れるガス中の水分含有量が変化する。上記公報では、単一反応器系によって従来よりも高濃度のプロピレンを使用し、希釈のために必要とされる吸収器排ガスを少なくし、吸収器にかかる負荷を軽減している。
【0004】
なお、アクリル酸含有ガスの捕集後には、捕集溶剤の脱水、含まれる低沸物や高沸物の分離工程等の精製工程が行なわれる。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、アクリル酸は易重合性化合物であり、生産性を高めるために高濃度の原料ガスを使用した場合には、アクリル酸の捕集工程、その後の精製工程においてアクリル酸重合物が発生しやすくなる。このため、各種精製塔では蒸留圧力、温度、供給液量などを調整して重合の発生を防止しつつアクリル酸を製造するが、各々の条件の変化がその他の条件に影響を与えるため、その制御は容易でない。例えば、捕集塔塔底液組成が変化してアクリル酸濃度が低下した場合に、アクリル酸濃度が高い蒸留条件を維持すれば、蒸留塔内でアクリル酸重合物が発生し、閉塞による操業停止に至らぬまでも、重合物の混在によって品質が低下したり収率が低下する場合がある。
【0006】
また、アクリル酸の精製工程は、脱水塔、低沸物分離塔、高沸物分離塔などと称される蒸留塔を使用し、機能の異なる複数の蒸留塔をそれぞれ連結させて一連の精製処理を行うことが多い。従って、ある蒸留塔の塔底液の組成の変化によって、次工程以降の精製条件も変化させる必要が生じ、精製工程の制御を一層困難なものとしている。
【0007】
一方、アクリル酸製造工程から排出される溶液、排ガスなどには、原料化合物、製品化合物その他の有用化合物が含まれることがあり、製造工程に循環使用すれば製造収率を向上させることができる。しかしながら、これら排ガスなどの組成も蒸留条件などの変化に従って変化し、かつ重合物の発生は連鎖的に進行するため、特に排ガスなどのリサイクルを含むアクリル酸の製造方法では、蒸留条件を一定にすることは極めて困難な状況である。
【0008】
【課題を解決するための手段】
本発明者は、プロピレンを原料としたアクリル酸製造工程において、接触気相酸化反応からアクリル酸捕集工程における条件を特定範囲に制限すると、高濃度のプロピレンガスを使用して生産性高くアクリル酸を製造でき、かつ精製工程における運転を簡便にできることを見出し、本発明を完成させた。
【0009】
特に、アクリル酸捕集塔塔底液の水濃度を1〜45質量%に制限すると、次工程以降における重合物の発生を効果的に防止できる。また、このような制御は、捕集液量を調整することで達成できる。また、1〜45質量%の範囲で更に一定範囲に制御すると、次工程以降の蒸留条件の制御幅を狭くすることができ、捕集塔および廃水からのアクリル酸のロス変動を最小限に抑えつつ、廃水処理設備を含めた次工程以降の稼働安定性が確保できるのである。
【0010】
特に、捕集塔内の捕集溶液量を変化させて捕集濃度を調整すると、捕集塔塔頂部からの水分量を変化させずにアクリル酸を高濃度に捕集でき、とくに捕集塔排ガスをリサイクルして使用する場合に、製造条件を安定できる点で優れることを見出した。
【0011】
【発明の実施の形態】
本発明の第一は、プロピレンおよび分子状酸素を含有する混合ガスをモリブテンおよびビスマスを必須成分とする複合酸化物触媒を充填してなる第一反応ゾーンに導入し、プロピレンを酸化してアクロレイン含有ガスを得て、モリブテンおよびバナジウムを必須成分とする複合酸化物触媒を充填してなる第二反応ゾーンに該アクロレイン含有ガスを導入してアクリル酸含有ガスを得て、該アクリル酸含有ガスをアクリル酸捕集塔に導入し捕集溶剤と接触させてアクリル酸含有溶液を得る工程を含むアクリル酸の製造方法において、
(a)該第一反応ゾーンと該第二反応ゾーンとが単一の反応管を少なくとも1つの孔あき管板で分割して形成され、
(b)該第一反応ゾーンに導入する該混合ガスのプロピレン濃度が7〜15体積%、混合ガス中の水濃度が0〜10体積%であり、
(c)該アクリル酸捕集塔で捕集されるアクリル酸含有溶液の水濃度が1〜45質量%であることを特徴とするアクリル酸の製造方法である。
【0012】
製造収率を高めるにはプロピレンガス濃度を高めることが有効であるが、同時に酸素濃度を高める必要があり、発生する反応熱の吸収が十分でなく反応の制御が困難であり、爆発範囲との関係で安定した接触気相酸化反応が達成できない場合もある。このような場合、例えば想定する運転条件による爆発範囲を測定し、爆発範囲内であれば該範囲を狭くするプロパンなどの希釈ガスを導入することで該範囲を回避できる。同時にアクリル酸を捕集したアクリル酸含有溶液の水濃度を1〜45質量%に制限すると、捕集塔および次工程以降の重合物の発生を防止し、かつ次工程以降の精製の操作を軽減できることを見出した。なお、本発明においては、「精製」には、蒸留、放散、晶析、抽出、吸収、分縮等が含まれる。ここに、「蒸留」とは、溶液をその沸点まで加熱し含まれる揮発性成分を分離する方法、「放散」とは、放散ガスを供給して液相中の目的物を気相に移す方法、「晶析」とは目的物を結晶として分離する方法、「抽出」とは目的物を溶媒に溶解させることにより分離する方法、「吸収」とは、気相または液相中の目的物を液体または固体に接触させ分離する方法、「分縮」とは、ガスあるいは蒸気の一部を凝縮させ目的物を分離する方法をそれぞれ意味するものとする。また、本発明において低沸点物質とは、標準状態においてアクリル酸よりも沸点が低い物質をいい、高沸点物質とは、標準状態においてアクリル酸よりも沸点が高い物質をいう。以下、本発明を詳細に説明する。
【0013】
本発明では、プロピレンをモリブテンおよびビスマスを必須成分とする複合酸化物触媒を充填してなる第一反応ゾーンに導入し、プロピレンを酸化してアクロレイン含有ガスを得て、モリブテンおよびバナジウムを必須成分とする複合酸化物触媒を充填してなる第二反応ゾーンに該アクロレイン含有ガスを導入してアクリル酸含有ガスを得る。
【0014】
反応器としては、接触気相酸化反応が行えれば特に制限されないが、反応効率に優れる点で多管式反応器を好ましく使用することができる。反応管の材料、寸法及び数、管の分布ならびに可能である公知の何れの反応管を使用してもよい。なお、本発明においては、該第一反応ゾーンと該第二反応ゾーンとが単一の反応管を少なくとも1つの孔あき管板で分割して形成される反応器(以下、「シングルリアクター」とも称する。)を使用する点に特徴がある。なお、第一反応とは、プロピレンを酸化して主にアクロレインとする工程であり、第二反応とはアクロレインを酸化してアクリル酸とする工程である。充填する酸化触媒としては、プロピレンを酸化してアクロレインを得るためのモリブデンおよびビスマスを必須成分とする複合酸化触媒(i)を第一反応ゾーンに、アクロレインを酸化してアクリル酸を得るためのモリブデンおよびバナジウムを必須成分とする複合酸化物触媒(ii)を第二反応ゾーンにそれぞれ充填する。
【0015】
第一反応ゾーンと第二反応ゾーンとが孔あき管板で仕切られている一基の反応器を用いた本発明の態様の一例を図1を用いて説明する。図1において、1はプロピレン、2は水蒸気、3は空気、10は反応器、11は反応管、12は複合酸化物触媒(i)、13は複合酸化物触媒(ii)、15は孔あき管板、20はアクリル酸含有ガス、23は熱交換器、30は捕集塔、31は充填層、32は分散器、33は捕集溶剤、34は冷却器、35はアクリル酸含有溶液、36は排ガス、40は脱水塔、41は留出ガス、42は溶媒相、43は水相、50は次工程、60は廃棄ガス、71は熱交換器、72は流量調整機器を示す。
【0016】
まず、原料ガスであるプロピレン1を、水蒸気2、分子状酸素を含む空気3と共に反応器10に供給する。該反応器10には、反応管11に酸化触媒として複合酸化物触媒(i)12と複合酸化物触媒(ii)13とが充填され、該触媒(i)によってプロピレンを酸化してアクロレインを得て、次いで、該触媒(ii)によってアクロレインを酸化してアクリル酸含有ガス20を得る。次いで、アクリル酸含有ガス20を、アクリル酸捕集塔30に導入し捕集溶剤33で捕集する。塔底液をアクリル酸含有溶液35として、一部は冷却器34で冷却しつつアクリル酸捕集塔30に循環させ、一部は脱水塔40に導入して脱水処理を行なう。脱水塔40の塔頂部に配設された凝縮器によって留出ガス41を凝縮させた後、該凝縮液を溶媒相42と水相43とに分離する。溶媒相42は脱水塔40に循環させ、水相43は捕集溶剤33として使用してもよい。脱水塔の塔底液は次工程50に供給し、更に、低沸点物質や高沸点物質の分離などの精製を行なう。また、捕集塔30からの排出ガス36は、その全てを廃棄ガス60として処理してもよいが、一部はリサイクルガスとしてブロワー4によって反応器10に循環使用し、残部のみを廃棄ガス60として処理することもできる。
【0017】
本発明において、第一反応ゾーンで使用する複合酸化物触媒(i)は、モリブデンおよびビスマスを含むものであればよいが、好ましくは一般式Moa−Bib−Fec−Ad−Be−Cf−Dg−Ox(Mo、Bi、Feはそれぞれモリブデン,ビスマスおよび鉄を表し、Aはニッケルおよびコバルトから選ばれる少なくも一種の元素を表し、Bはアルカリ金属およびタリウムから選ばれる少なくとも1種の元素を表し、Cはリン、ニオブ、マンガン、セリウム、テルル、タングステン、アンチモンおよび鉛からなる群より選ばれた少なくとも1種の元素を表し、Dはケイ素、アルミニウム、ジルコニウムおよびチタニウムからなる群より選ばれた少なくとも1種の元素、Oは酸素を表し、a、b、c、d、e、f、gおよびxは、それぞれMo、Bi、Fe、A、B、C、DおよびOの原子比を表し、a=12としたとき、b=0.1〜10、c=0.1〜10、d=2〜20、e=0.001〜5、f=0〜5、g=0〜30であり、xは各元素の酸化状態により定まる値である)で示されるものが例示できる。
【0018】
また、複合酸化物触媒(ii)としては、モリブデンおよびバナジウムを含むものであればよいが、好ましくは一般式Moa−Vb−Wc−Cud−Ae−Bf−Cg−Ox(Moはモリブデン、Vはバナジウム、Wはタングステン、Cuは銅、Aはアンチモン、ビスマス、スズ、ニオブ、コバルト、鉄、ニッケルおよびクロムから選ばれる少なくも一種の元素を表し、Bはアルカリ金属およびアルカリ土類金属から選ばれる少なくとも1種の元素を表し、Cはケイ素、アルミニウム、ジルコニウムおよびチタニウムから選ばれた少なくとも1種の元素を表し、Oは酸素を表し、a、b、c、d、e、f、gおよびxは、それぞれMo、V、W、Cu、A、B、CおよびOの原子比を表し、a=12としたとき、b=2〜14、c=0〜12、d=0.1〜5、e=0〜5、f=0〜5、g=0〜20であり、xは各元素の酸化状態により定まる値である)で示されるものが例示できる。
【0019】
本発明で使用する触媒の調製方法、および混合成形方法は特に限定されるものではなく、一般に用いられている方法および原料を採用することができる。また、触媒の形状についても特に限定されず、球状、円柱状、円筒状などとすることができ、成形方法も担持成形、押し出し成形、打錠成形などを用いることができ、更に耐火用担体にこれらの触媒物質を担持させた形態のものも有用である。
【0020】
本発明においては、第一反応ゾーンに導入する混合ガスのプロピレン濃度は7〜15体積%であり、より好ましくは8〜12体積%、特に好ましくは8〜10体積%である。7体積%を下回ると製造効率が低下し捕集アクリル酸濃度が低下する場合がある。その一方、15体積%を超えると、反応器の燃焼範囲に入る恐れがあり危険性が増大する。
【0021】
第一反応ゾーンに供給する混合ガスの水濃度は0〜10体積%であり、より好ましくは0〜7体積%、特に好ましくは0〜6体積%である。使用する水分量は全て捕集塔に移行するため、水濃度が10体積%を超えると捕集塔塔底液の水濃度が上昇し不利である。その一方、捕集塔塔底液の水濃度を低く保とうとすると、捕集塔における捕集効率が低下する上に捕集塔および捕集塔塔頂配管等での重合性も高くなることが判明したのである。なお、捕集効率(%)とは、捕集塔内に導入されたアクリル酸量をAAinとし、捕集塔塔頂部から排出されるアクリル酸量をAAoutとした場合に、100×((AAin−AAout)/AAin)で示される。本発明によれば、水濃度を10体積%以下に制御することで捕集塔におけるアクリル酸の捕集効率を95%以上、好ましくは96%以上とすることができる。
【0022】
該混合ガスには分子状酸素を混合する必要があり、プロピレン:分子状酸素(体積比)は1:1.0〜2.0の範囲とする。分子状酸素の供給源としては空気が有利に用いられるが、必要により酸素富化空気、純酸素を用いることもできる。
【0023】
混合ガスの他の成分としては、窒素、二酸化炭素、その他の不活性ガスがあり、捕集塔30から排出される排ガス36をリサイクルして使用してもよい。その場合、混合ガスに必要な水蒸気量や分子状酸素量、その他の不活性ガス量をリサイクルガス量により調整することができる。
【0024】
第一反応ゾーンでは、触媒(i)1m3に対して上記組成の混合ガスを、反応圧力が常圧から0.5MPaの範囲において、空間速度500〜3000h−1(STP)の範囲で供給する。反応温度は250〜450℃、より好ましくは300〜380℃に制御して行なう。
【0025】
第一反応ゾーンから排出されるアクロレイン含有ガスは、そのまま第二反応ゾーンに導入する。第二反応ゾーンに供給する該アクロレイン含有ガスは、触媒(ii)1m3に対して混合ガスを、反応圧力が常圧から0.5MPaの範囲、空間速度300〜5,000hr−1(STP)の範囲で供給し、反応温度は200〜400℃、好ましくは220〜380℃に制御して行なう。なお、第一反応ゾーンに供給する混合ガスの水濃度はガスクロマトグラフィー、カールフィッシャー法、湿度計等によって測定することができ、該混合ガスの水濃度を直接測定してもよいし、第一反応ゾーンに導入する各ガスの水濃度を測定し、それらから計算により求めてもよい。
【0026】
接触気相酸化反応によって得られるアクリル酸含有ガス20は、温度200〜350℃であり、好ましくは、捕集塔30に供給する前に100〜300℃、特には130〜270℃に冷却する。このような熱交換器23としては、公知の熱交換器を使用できる。この冷却は反応ガス混合物の温度がその露点より下に低下しないことを確保することが必要である。なお、該反応ガスが既に適当な温度範囲である場合には、冷却はもちろん不必要である。
【0027】
本発明では、該アクリル酸含有ガス20を捕集塔30に供給し、捕集溶剤33で捕集する。該捕集塔30に導かれるアクリル酸含有ガス20は、一般にアクリル酸10〜30質量%、酢酸0.2〜5質量%、水5〜15質量%の範囲で含む。反応ガスのガス成分組成、捕集溶剤の組成、捕集温度等を含む捕集条件としては、該アクリル酸捕集塔の塔底液のアクリル酸含有溶液35の水濃度を1〜45質量%とするいずれの条件でもよい。塔底液の水濃度としては、より好ましくは1〜25質量%、特に好ましくは1〜20質量%である。1質量%を下回る水濃度とすることは困難でありアクリル酸のロス量も増加し不利である。一方、45質量%を超えると次工程以降での蒸留塔などの機器を大型にする必要があり、脱水液量、廃水量も増大して不利である。更に、アクリル酸は水との混合質量比が1:1程度が最も重合性が高いため、捕集塔および次工程以降において重合物が発生しやすくなる。その上、図に示す如く共沸蒸留による脱水を行う場合には、脱水塔40内で水の部分濃縮量の増大による重合を引き起こし、重合物が発生しやすくなる。すなわち、アクリル酸含有溶液35に含まれる水分を脱水処理するには、共沸溶媒を添加した共沸脱水処理が一般的に行なわれるが、水濃度が45質量%を超えると疎水性の共沸脱水溶剤と水との間で油水相分離が顕著となり、重合禁止剤の分散が偏ることにより、アクリル酸が重合しやすくなるのである。
【0028】
アクリル酸捕集塔30としては、従来公知の棚段塔、充填塔、濡れ壁塔、スプレー塔などの公知の塔を用いることができるが、処理するアクリル酸含有ガスに含まれるアクリル酸濃度が高く、塔内における重合を効果的に防止するためには棚段塔または充填塔が好ましい。
【0029】
例えば充填塔の場合には、捕集溶液の塔内の流れの上流側にアクリル酸の捕集効率の相対的に高い充填物を、下流側にアクリル酸の重合生成能の相対的に低い充填物および/または棚段を設置することが好ましい。なお、相対的に高い(低い)とは、複数の充填物を用いた場合に、その他のものよりもその性能が高い(低い)ことを意味する。また、重合生成能の相対的に低い充填物とは、アクリル酸捕集塔に複数の充填物を充填する場合、残りの充填剤と比較して重合生成能の低い充填物を意味する。通常、捕集溶剤とアクリル酸含有ガスを向流接触させるためアクリル酸捕集塔の上部が上流側であり、下流側はアクリル酸捕集塔の塔底側が該当する。アクリル酸捕集塔内装物である充填物・棚段において、一般的な塔における捕集効率として、ガーゼ型規則充填物が最も高く、シート型規則充填物、不規則充填物、グリッド型規則充填物、棚段の順になるが、棚段でも高性能なものは、シート型規則充填物、不規則充填物に同等なものもある。一方、アクリル酸などの重合し易さに関しては、ガーゼ型規則充填物が最も高く、シート型規則充填物、不規則充填物、グリッド型規則充填物、棚段の順になる。そのため、例えば、捕集効率を高くしてガーゼ型規則充填物を用いると、ガーゼ型規則充填物は処理物を重合させ易いので重合の問題が発生し、長期運転が不可能となり、反対に重合を防止しようと、例えば、グリッド型規則充填物を用いると、捕集効率が低いため所定の効率を得るために、過大な塔高さが必要となる。そこで、溶剤を含む液体の塔内の流れの上流側にガーゼ型規則充填物、その下流側にシート型規則充填物、不規則充填物、グリッド型規則充填物及び棚段よりなる群から選ばれた少なくとも一種、特に好ましくはシート型規則充填物および/または不規則充填物を使うことにより、重合防止能、捕集効率の両方を満足し、長期安定運転をすることが可能である。なお、ガーゼ型規則充填物には、スルーザーパッキング(住友重機械工業社)、テクノパック(三井物産社)、エムシーパック(三菱化学エンジニアリング社)等、シート型規則充填物には、メラパック(住友重機械工業社)、テクノパック(三井物産社)、エムシーパック(三菱化学エンジニアリング社)等、グリッド型規則充填物には、フレキシグリッド(コーク社)など、不規則充填物には、ラシヒリング、ポーリング、カスケードミニリング(ドッドウェル社)、IMTP(ノートン社)など、棚段には、シーブトレイ、バルブトレイ、バブルキャップトレイ、バッフルトレイ、デュアルフロートレイ、スーパーフラックトレイ、リップルトレイ、ジェットトレイ等がある。また、不規則充填物のなかでは、扁平な充填物であるカスケードミニリング、IMTPがほぼ規則に近い充填が可能なため、さらに重合防止能に優れ、捕集効率が高いために好ましい。
【0030】
アクリル酸捕集塔塔頂は常圧以上で操作するのが一般的である。塔頂圧力(ゲージ圧)としては、0〜0.4MPa、好ましくは0〜0.1MPa、特には0〜0.03MPaであるのがよい。0MPa(ゲージ圧)より低いと減圧装置が必要となり設備費、用役費がかかる一方、0.4MPa(ゲージ圧)より高いと塔頂から低沸点物質を排出させるために捕集塔の温度をかなり上げる必要が生じ捕集塔での重合性が高くなるからである。また、塔頂温度としては、一般には30〜80℃、特には40〜70℃であることが好ましい。
【0031】
本発明では、アクリル酸含有溶液の水濃度を1〜45質量%の範囲に調整するが、このような調整方法に制限はないが、捕集溶剤の導入量を変化させることで調整することができる。本発明では、第一反応ゾーンに導入するプロピレンの質量流量の0.1〜1.5倍、より好ましくは0.2〜1.3倍、特に好ましくは0.3〜1.1倍の質量流量の捕集溶剤を向流接触させてアクリル酸を捕集することが好ましい。0.1倍を下回るとアクリル酸の捕集が困難となる上、捕集塔の濡れ液量が低下し、捕集塔の極端な効率低下を引き起こす。なお該捕集塔の濡れ液量は
【0032】
【数1】
【0033】
で定義され、該濡れ液量は0.2m3/m2.hr以上がよく、より好ましくは0.8m3/m2.hr以上、特に好ましくは1.0m3/m2.hr以上である。その一方、1.5倍を超えると、捕集するアクリル酸含有溶液中の水濃度が上昇する。また、アクリル酸含有溶液中の水濃度を一定にするために捕集塔温度を上昇させると重合物が発生しやすくなり不利である。
【0034】
供給する捕集溶剤には、水、有機酸含有水、高沸点不活性疎水性有機液体など公知の溶剤を挙げることができるが、これらを単独でもしくは混合して用いることができる。本発明では、捕集溶剤の主成分が水であることが好ましい。例えば、アクリル酸捕集塔における捕集溶剤の組成として、アクリル酸0〜10質量%、酢酸0〜20質量%、水70〜100質量%のものがある。
【0035】
なお、かかる捕集溶剤には、アクリル酸などの重合性物質の重合を防止するために、N−オキシル化合物、フェノール化合物、酢酸マンガン等のマンガン塩、ジブチルチオカルバミン酸銅などのジアルキルジチオカルバミン酸銅塩、ニトロソ化合物、アミン化合物およびフェノチアジンからなる群から選ばれる1種以上の化合物を含有することが好ましい。
【0036】
N−オキシル化合物については特に制限はなく、一般にビニル化合物に重合防止剤として知られているN−オキシル化合物であればいずれも用いることができる。これらのなかでも、下記式(1)で表される2,2,6,6−テトラメチルピペリジノオキシル類:
【0037】
【化1】
【0038】
(ただし、式(1)中、R1はCH2、CHOH、CHCH2OH、CHCH2CH2OH、CHOCH2OH、CHOCH2CH2OH、CHCOOH、またはC=Oを示し、R2は水素原子またはCH2OHを示す)が好適に用いられる。N−オキシル化合物であれば特に限定されずに用いることができるが、良好な重合防止効果を与え得る2,2,6,6−テトラメチルピペリジノオキシル、4−ヒドロキシ−2,2,6,6−テトラメチルピペリジノオキシル、4,4’,4”−トリス−(2,2,6,6−テトラメチルピペリジノオキシル)フォスファイトのうち1種または2種以上を用いることが好ましい。特に、N−オキシル化合物として2,2,6,6−テトラメチルピペリジノオキシル、または4−ヒドロキシ−2,2,6,6−テトラメチルピペリジノオキシルを用いた場合には、成分中に金属を含まなくても安定剤系となるため、安定剤による設備の金属腐食の恐れがなくなり、廃液の処理も容易になる。
【0039】
N−ヒドロキシ−2,2,6,6−テトラメチルピペリジン化合物の代表例としては、1,4−ジヒドロキシ−2,2,6,6−テトラメチルピペリジン、1−ヒドロキシ−2,2,6,6−テトラメチルピペリジンなどを挙げることができる。これらN−ヒドロキシ−2,2,6,6−テトラメチルピペリジン化合物は単独でも、あるいは2種以上混合しても用いることができる。
【0040】
2,2,6,6−テトラメチルピペリジン化合物の具体例としては、2,2,6,6−テトラメチルピペリジン、4−ヒドロキシ−2,2,6,6−テトラメチルピペリジン等が挙げられ、これらの1種以上を用いることができる。なお、N−ヒドロキシ−2,2,6,6−テトラメチルピペリジン化合物や2,2,6,6−テトラメチルピペリジン化合物は、市販されるN−オキシル化合物製品中に不純物として含有される場合があるが、このような場合には市販のN−オキシル化合物の使用によって、併せてN−ヒドロキシ−2,2,6,6−テトラメチルピペリジン化合物や2,2,6,6−テトラメチルピペリジン化合物を併用したことになる。
【0041】
フェノール化合物としては、ハイドロキノン、メトキノン(p−メトキシフェノール)を挙げることができる。メトキノンは、特にN−オキシル化合物およびフェノチアジン化合物と組合せて使用した際の重合防止効果がハイドロキノンより優れているため好ましい。また、これらのフェノール化合物は2種を併用してもよい。
【0042】
フェノチアジン化合物としては、フェノチアジン、ビス−(α−メチルベンジル)フェノチアジン、3,7−ジオクチルフェノチアジン、ビス−(α−ジメチルベンジル)フェノチアジン等を挙げることができる。
【0043】
銅塩化合物としては特に制限されず、無機塩、有機塩のいずれであってもよく、様々なものを用いることができる。例えばジアルキルジチオカルバミン酸銅、酢酸銅、ナフテン酸銅、アクリル酸銅、硫酸銅、硝酸銅、塩化銅などが挙げられる。これらの銅塩化合物は一価、二価のいずれのものも用いることができる。上記銅塩化合物の中では、効果などの点からジアルキルジチオカルバミン酸銅が好ましい。
【0044】
ジアルキルジチオカルバミン酸銅としては、例えば、ジメチルジチオカルバミン酸銅、ジエチルジチオカルバミン酸銅、ジプロピルジチオカルバミン酸銅、ジブチルジチオカルバミン酸銅、ジペンチルジチオカルバミン酸銅、ジヘキシルジチオカルバミン酸銅、ジフェニルジチオカルバミン酸銅、メチルエチルジチオカルバミン酸銅、メチルプロピルジチオカルバミン酸銅、メチルブチルジチオカルバミン酸銅、メチルペンチルジチオカルバミン酸銅、メチルヘキシルジチオカルバミン酸銅、メチルフェニルジチオカルバミン酸銅、エチルプロピルジチオカルバミン酸銅、エチルブチルジチオカルバミン酸銅、エチルペンチルジチオカルバミン酸銅、エチルヘキシルジチオカルバミン酸銅、エチルフェニルジチオカルバミン酸銅、プロピルブチルジチオカルバミン酸銅、プロピルペンチルジチオカルバミン酸銅、プロピルヘキシルジチオカルバミン酸銅、プロピルフェニルジチオカルバミン酸銅、ブチルペンチルジチオカルバミン酸銅、ブチルヘキシルジチオカルバミン酸銅、ブチルフェニルジチオカルバミン酸銅、ペンチルヘキシルジチオカルバミン酸銅、ペンチルフェニルジチオカルバミン酸銅、ヘキシルフェニルジチオカルバミン酸銅などが挙げられる。これらのジアルキルジチオカルバミン酸銅は、一価の銅塩であってもよく、二価の銅塩であってもよい。これらの中で、効果及び入手しやすいなどの点からジメチルジチオカルバミン酸銅、ジエチルジチオカルバミン酸銅及びジブチルジチオカルバミン酸銅が好ましく、特にジブチルジチオカルバミン酸銅が好適である。
【0045】
マンガン塩化合物としては、ジアルキルジチオカルバミン酸マンガン(アルキル基はメチル、エチル、プロピル、ブチルのいずれかで、同一であっても異なっていても良い)、ジフェニルジチオカルバミン酸マンガン、蟻酸マンガン、酢酸マンガン、オクタン酸マンガン、ナフテン酸マンガン、過マンガン酸マンガン、エチレンジアミン四酢酸のマンガン塩化合物等が挙げられ、これらの1種以上を用いることができる。
【0046】
本発明では、N−オキシル化合物、フェノール化合物、マンガン塩、ジアルキルジチオカルバミン酸銅塩、ニトロソ化合物、アミン化合物およびフェノチアジンからなる群から選ばれる1種以上の化合物を含有することが好ましいが、これら7種類の化合物の2種以上を併用しても、同等もしくはそれ以上の重合防止効果が得られる。
【0047】
使用される重合防止剤の量は操作条件に応じて適宜調整され、特に限定はされない。しかし、用いられる重合防止剤の総量を捕集される反応ガス中のアクリル酸の質量に対して3〜3500ppm(質量基準)とするのが好ましい。個々の重合防止剤の好ましい使用量は、N−オキシル化合物は反応ガス中のアクリル酸の質量に対し1〜500ppm、マンガン塩化合物、あるいは銅塩化合物は反応ガス中のアクリル酸の質量に対し1〜200ppm、ニトロソ化合物の場合は1〜500ppm、フェノール化合物の場合は、1〜500ppm、フェノチアジン化合物の場合は1〜500ppmである。
【0048】
更に、重合防止の供給場所や投与方法は特に限定されないが、アクリル酸捕集塔の塔頂から供給することが好ましい。また、重合防止剤はあらかじめ溶剤と混合した後に供給すると、重合防止剤がアクリル酸捕集塔内で均一に分散されるので効果的である。溶剤には捕集溶剤やアクリル酸を用いることが好ましく、精製塔で分離した捕集溶剤を再利用するのが経済的である。
【0049】
本発明では、アクリル酸捕集工程以降の精製方法に関する制限はない。本発明は、アクリル酸捕集塔塔底液の水濃度を特定範囲に制限して捕集効率を向上させ、かつ以降の諸工程の安定化を図るものであり、特定の精製方法に限定されるものではないからである。
【0050】
一般には、脱水処理の後に低沸点物質分離工程、高沸点物質分離工程、その他の精製工程が行なわれるが、本発明では、従来公知の精製法のいずれを組みあせてもよい。従って、共沸脱水後に低沸点物質を除去し、次に高沸点物質を除去し、その後にアクリル酸と沸点の近似する酢酸を分離してもよく、このような蒸留方法に限らず、放散、晶析、抽出、吸収、分縮を適宜組み合わせてアクリル酸を精製してもよい。
【0051】
本発明の第二は、プロピレンおよび分子状酸素を含有する混合ガスをモリブテンおよびビスマスを必須成分とする複合酸化物触媒を充填してなる第一反応ゾーンに導入し、プロピレンを酸化してアクロレイン含有ガスを得て、モリブテンおよびバナジウムを必須成分とする複合酸化物触媒を充填してなる第二反応ゾーンに該アクロレイン含有ガスを導入してアクリル酸含有ガスを得て、該アクリル酸含有ガスをアクリル酸捕集塔に導入し捕集溶剤と接触させてアクリル酸含有溶液を得る工程を含むアクリル酸の製造方法において、
(a)該第一反応ゾーンと該第二反応ゾーンとを単一の反応管を少なくとも1つの孔あき管板で分割して形成し、
(b)第一反応ゾーンに導入する該混合ガスのプロピレン濃度を7〜15体積%、混合ガス中の水濃度が0〜10体積%とし、
(c)アクリル酸捕集塔で得られるアクリル酸含有溶液の水濃度を、捕集溶剤の導入量によって1〜45質量%とすることを特徴とするアクリル酸の製造方法である。
【0052】
第一の発明との相違は、上記(c)の要件、すなわちアクリル酸含有溶液の水濃度を1〜45質量%とするのに、捕集溶剤の導入量の制御によって行なう点にある。なお、他の要件は上記第一の発明と同じである。
【0053】
捕集塔30からの排ガス36には接触気相酸化反応で発生した熱量、水蒸気、未反応プロピレン、アクロレイン、不活性ガス等が含まれるため、図1に示すように、熱交換器71で加熱した後に流量調整機器72で至適範囲に流量を調整した後、空気3と混合して第一反応器10に供給し、再使用することができる。しかしながら、該排ガス組成は捕集塔塔頂温度によって変動しやすく、特に水分量の変化が大きい。本願では混合ガスに含まれる水蒸気量を0〜10質量%の範囲に制限する必要があり、塔頂温度を変化させて塔頂からの排ガスに含まれる水分量を変動させることは、混合ガスに含まれる水蒸気量を制限するには不利であるばかりでなく、塔頂温度を高くした場合には、捕集塔内でアクリル酸重合物が発生しやすい。これに対して、捕集溶剤量を変化させた場合には、アクリル酸含有ガスの水分量の変化を捕集溶剤量を変化させて調整でき、かつ塔頂部から排出されるガス36の水分量の変動も抑制できる。具体的には、第一の発明と同様に、第一反応ゾーンに導入するプロピレンの質量流量の0.1〜1.5倍、より好ましくは0.2〜1.3倍、特に好ましくは0.3〜1.1倍の質量流量の捕集溶剤を向流接触させてアクリル酸を捕集することが好ましい。
【0054】
なお、「捕集溶剤の導入量によって」とは、水濃度を1〜45質量%の範囲に制御する意味と、1〜45質量%の範囲内にある場合であっても更に一定範囲に変動を抑制する、との2つがある。前者の意義は第一の発明で説明したとおりである。一方、後者の意義は、アクリル酸捕集塔という製造工程の上流で塔底液の組成の変動を少なくしたため、下流における変動も効率的に抑制できることにある。アクリル酸の製造では、上記したアクリル酸捕集工程や脱水工程に加えて、低沸点物質分離工程、高沸点物質分離工程、その他の精製工程など多数の工程が連続して行なわれるため、例えばアクリル酸捕集塔塔底液の水分量が変動すれば、次工程の脱水処理において使用する脱水溶剤量や脱水塔塔内温度、圧力、使用する重合防止剤の使用量、回収した溶媒相42や水相43のリサイクル量などが随時変化する。その結果、脱水塔塔底液のアクリル酸濃度や使用する重合防止剤添加量が変化し、その後の高沸点物質分離条件なども変化させる結果となる。このような条件の変動は、精製工程におけるアクリル酸重合物の発生を招き、製品品質を低下させる原因となる。そこで、本発明では、このような一連の工程の上流で、アクリル酸含有溶液の水濃度を所定範囲に制限し、下流に連なる工程の処理を簡便なものとし、同時に変動を抑制して精製度高くアクリル酸を製造することにした。
【0055】
なお、アクリル酸含有溶液の水濃度を1〜45質量%の範囲内で更に一定範囲、例えば20±1質量%の範囲に制御するには、捕集塔塔底液の水濃度を測定し、その値に基づき捕集溶剤の導入量を変化させればよい。捕集塔塔底液の水濃度測定方法としては、ガスクロマトグラフィー、カールフィッシャー法などの他に塔底液の電気伝導度の変化から求める方法、中和滴定から求める方法等がある。
【0056】
第一または第二の発明によって得られたアクリル酸をポリアクリル酸(塩)製造工程に供給してポリアクリル酸(塩)を製造し、得られるポリアクリル酸(塩)を使用して更に吸水性樹脂等を製造することができる。すなわち本発明の第三は、上記方法で得たアクリル酸を用いることを特徴とする、ポリアクリル酸の製造方法である。
【0057】
ポリアクリル酸(塩)製造工程としては、該アクリル酸を中和工程、重合工程、乾燥工程、冷却工程に順次導入して所望の処理を施すことによってポリアクリル酸(塩)を製造することができる。なお、アクリル酸を中和しない場合には、ポリアクリル酸が得られ、該中和工程は任意である。また、各種物性の改善を目的として所望の処理を施してもよく、例えば重合中、或いは重合後に架橋工程を介在させてもよい。
【0058】
中和工程は任意の付加工程であるが、例えば所定量の塩基性物質の粉末や水溶液とアクリル酸や、得られたポリアクリル酸(塩)とを混合する方法が例示され、公知の方法を採用すればよく特に限定されない。尚、中和工程は重合前(モノマーで中和)、または重合中、或いは重合後(ゲルで中和)のいずれで行なってもよく、また重合前後の両方で行なってもよい。尚、図示例では中和後、重合を行なう工程を示すが、重合後、中和を行なう場合、装置の構成も工程に併せて適宜変更すればよい。また重合装置と中和装置は同一装置であってもよく、異なる装置であってもよい。
【0059】
アクリル酸の中和に用いられる塩基性物質としては、例えば炭酸(水素)塩、アルカリ金属の水酸化物、アンモニア、有機アミンなどの公知の塩基性物質を適宜用いればよい。またアクリル酸の中和率についても特に限定されず、任意の中和率、例えば30〜100モル%、好ましくは50〜80モル%の任意の値となる様に調整すればよい。尚、中和時の反応熱を除去する必要がある場合は、任意の冷却手段、例えば任意の冷水塔などの冷却装置に導入すればよいが、この際にライン4aを介して供給される液状冷熱媒を冷媒として用いると、冷却コストを低減することができるので望ましい。
【0060】
必要により、中和後、該アクリル酸塩溶液を重合工程に導入するが、該工程での重合方法は特に限定されず、ラジカル重合開始剤による場合、放射線重合、電子線重合、光増感剤による紫外線重合など公知の重合方法を用いればよい。尚、重合工程ではアクリル酸を必要に応じて中和し、好ましくは10質量%以上、より好ましくは20質量%以上であって、好ましくは80質量%以下、より好ましくは70質量%以下の温度のアクリル酸(塩)水溶液として重合することが望ましい。
【0061】
本発明においては重合開始剤、重合条件など各種条件については任意に選択できる。必要に応じて架橋剤や他の単量体、更には水溶性連鎖移動剤や親水性高分子など公知の添加剤を添加してもよい。また重合工程には任意の容器や装置を用いればよく、通常用いられている重合装置であれば特に限定されない。
【0062】
重合後のポリアクリル酸(塩)は、通常、含水ゲル状重合体であり、水分を除去するために更に乾燥工程に付される。乾燥方法としては特に限定されず、熱風乾燥機、流動層乾燥機、ドラムドライヤー、ナウター式乾燥機など公知の乾燥装置を用いて、適宜所望の乾燥温度、好ましくは70〜230℃で乾燥させればよい。また乾燥工程に供給する熱媒としてはアクリル酸製造工程で排出された蒸気、特に接触気相酸化器から得られる反応熱を利用することができる。
【0063】
乾燥に際しては、ポリアクリル酸(塩)のヒドロゲル、すなわち含水状重合体を各種乾燥機を用いて加熱乾燥させる。例えば乾燥はドラムドライヤーやバドルドライヤーなどの伝導伝熱型乾燥機を用いて水蒸気で乾燥機の該伝熱面を加熱させた伝熱面とヒドロゲルを接触させて乾燥させてもよいが、残存モノマー低減や乾燥効率の面から、ヒドロゲルが水蒸気と直接接触させる熱風伝熱乾燥させることが望ましい。即ち、水蒸気を含有する気体、好ましくは露点50℃以上、より好ましくは60℃以上であって、好ましくは90℃以下、より好ましくは80℃以下であって、且つ温度が好ましくは100℃以上、より好ましくは150℃以上であって、好ましくは200℃以下、より好ましくは180℃以下の熱風によって該ヒドロゲルを乾燥することによって、残存モノマーの低減、ポリアクリル酸(塩)の吸水倍率の向上が図れるので望ましい。尚、乾燥時間は通常、1分〜3時間、好ましくは5分〜1時間で適宜選定すればよい。
【0064】
乾燥工程を経て得られたポリアクリル酸(塩)は高温のまま排出されるため、冷却工程にて所望の温度、例えば室温〜90℃、好ましくは40℃〜80℃に冷却することが望ましい。ポリアクリル酸(塩)を冷却する方法としては限定されないが、例えば冷風を吹付けたり、或いは任意の冷凍器などの冷却装置に導入すればよい。
【0065】
所望の温度まで冷却して得られたポリアクリル酸(塩)はそのままで使用してもよく、更に所望の形状に造粒・粉砕したり、還元剤、香料、バインダーなど各種添加剤を更に添加するなど、用途に応じた利用に供することができる。
【0066】
また本発明では乾燥させたポリアクリル酸(塩)を冷却することが好ましい。例えばヒドロゲルを約1〜数mm程度に細分化して乾燥する場合、乾燥後のポリアクリル酸(塩)は約1〜数mm程度の乾燥粒子であって、乾燥方法にもよるが、通常は乾燥後の該乾燥粒子は凝集物である。したがって該乾燥ポリアクリル酸(塩)を必要に応じて粉砕、或いは更に分級してポリアクリル酸(塩)粉末、例えば重量平均粒子径10〜1000μm、好ましくは100〜800μmとし、更に必要に応じて該粉末に各種改質剤、例えば表面架橋剤の水溶液、造粒バインダー、消臭剤などを添加する場合、冷却工程を適用することで、粉砕効率が向上し、粒度分布がシャープになるのみならず、各種改質剤等も該粉末に均一に添加できるので、吸水性樹脂の諸物性、例えば加圧下における吸収倍率なども粉末間のバラツキを抑制しつつ向上できる。
【0067】
【実施例】
以下、本発明の実施例により具体的に説明する。
【0068】
(参考例1)
触媒の調製
第一反応ゾーン用触媒として、特開2000−325795号公報の実施例1の記載に従ってモリブデン−ビスマス系触媒を調製した。これを触媒(I)とする。また、第二反応ゾーン用触媒として、特開平8−206504号公報の実施例1の記載に従ってモリブデン−バナジウム系触媒を調製した。これを触媒(II)とする。
【0069】
【数2】
【0070】
【数3】
【0071】
【数4】
【0072】
(実施例1)
熱媒循環用ジャケットを備えた内径25mm、長さ7,000mmの反応管でジャケット下部から3,500mmの位置に熱媒ジャケットを上下に分割する厚さ75mmの穴あき管板を設け、上部および下部の熱媒をそれぞれ循環し、各々の熱媒温度を制御することができる反応ゾーン(下部が第一反応ゾーン、上部が第二反応ゾーンに相当)にて、反応管下部から上部に向かって(1)平均径5mmのセラミックボールのみ、(2)触媒(I)と平均径が5mmのセラミックボールとを容量比70:30の割合で混合した混合物、(3)触媒(I)のみ、(4)外径5mm、内径4.5mm、長さ6mmのステンレス製ラシヒリング、(5)触媒(II)と平均径が5mmのセラミックボールとを容量比75:25の割合で混合した混合物、(6)触媒(II)のみの順に、各層長が250mm、700mm、2,300mm、500mm、600mm、1,900mmになるように充填した。
【0073】
第一反応ゾーンにプロピレン:8.0体積%、O2:14.4体積%、H2O:5.0体積%、(残りはN2、プロパンなど)の混合ガスを第一反応ゾーンの空間速度が1,250hr−1(STP)になるように供給した。
【0074】
この時、第二反応ゾーン出口圧力0.15MPa(絶対圧)にてプロピレン転化率が97±0.5モル%、アクロレイン収率が1±0.5モル%になるように第一反応ゾーン、第二反応ゾーンそれぞれの熱媒温度を調節しながら反応を継続した。反応開始から100時間後のアクリル酸収率は87.0モル%であり、その時点で得られたアクリル酸含有ガスを温度170℃で計算上の理論段数が14段であるアクリル酸捕集塔に導入し、アクリル酸1.8質量%、酢酸5.6質量%および捕集塔に導入するアクリル酸含有ガス中のアクリル酸量に対して200質量ppm相当であるハイドロキノンを含む捕集水にてアクリル酸を捕集した。アクリル酸捕集塔の塔頂温度は62.9℃、塔頂圧力は0.11MPa(絶対圧)である条件下で捕集塔塔底液の水濃度が25質量%になるように捕集水量を調整したところ、捕集溶剤量/プロピレン質量流量=0.9で、目標とする水濃度のアクリル酸水溶液が得られた。
【0075】
その時の捕集効率は98.3%であり、一週間、捕集塔近辺の圧力損失の上昇もなく運転した後に開放点検しても塔内および塔頂配管等に重合物は見られなかった。
【0076】
また、得られたアクリル酸水溶液5mlを試験管に入れ、95℃に保ったオイルバスに浸漬させ、粘度が上昇するまでの時間を測定したところ、11.5hrであった。この粘度上昇は重合開始時間と関連し、これが短いと重合し易い溶液であることを意味し、長いと重合しづらい溶液であることを意味する。
【0077】
(実施例2)
第一反応ゾーンに供給する混合ガスの組成をプロピレン:9.0体積%、O2:16.2体積%、H2O:2.9体積%、(残りはN2、プロパンなど)にした以外は、実施例1と同じにして反応を行った。反応開始から100時間後のアクリル酸収率は86.5モル%であり、その時点で得られたアクリル酸含有ガスを温度168℃で計算上の理論段数が14段であるアクリル酸捕集塔に導入し、アクリル酸1.8質量%、酢酸6.0質量%および捕集塔に導入するアクリル酸含有ガス中のアクリル酸量に対して200質量ppm相当であるハイドロキノンを含む捕集水にてアクリル酸を捕集した。アクリル酸捕集塔の塔頂温度は62.9℃、塔頂圧力は0.11MPa(絶対圧)である条件下で捕集塔塔底液の水濃度が21質量%になるように捕集水量を調整したところ、捕集溶剤量/プロピレン質量流量=0.8で、目標とする水濃度のアクリル酸水溶液が得られた。
【0078】
その時の捕集効率は98.5%であり、一週間、捕集塔近辺の圧力損失の上昇もなく運転した後に開放点検しても塔内および塔頂配管等に重合物は見られなかった。
【0079】
また、得られたアクリル酸水溶液5mlを試験管に入れ、95℃に保ったオイルバスに浸漬させ、粘度が上昇するまでの時間を測定したところ、13.2hrであった。
【0080】
(実施例3)
実施例1と同じ反応器を使用し、反応管下部から上部に向かって(1)平均径5mmのセラミックボールのみ、(2)触媒(I)と平均径5mmのセラミックボールとを容量比55:45の割合で混合した混合物、(3)触媒(I)と平均径が5mmのセラミックボールとを容量比70:30の割合で混合した混合物、(4)触媒(I)のみ、(5)外径5mm、内径4.5mm、長さ6mmのステンレス製ラシヒリング、(6)触媒(II)と平均径が5mmのセラミックボールとを容量比65:35の割合で混合した混合物、(7)触媒(II)と平均径が5mmのセラミックボールとを容量比80:20の割合で混合した混合物、(8)触媒(II)のみの順に各層長が250mm、500mm、500mm、2,200mm、500mm、500mm、500mm、2,000mmになるように充填した。
【0081】
第一反応ゾーンにプロピレン:10.0体積%、O2:18.0体積%、H2O:0.9体積%、(残りはN2、プロパンなど)の混合ガスを第一反応ゾーンの空間速度が1,250hr−1(STP)になるように供給した。
【0082】
この時、第二反応ゾーン出口圧力0.15MPa(絶対圧)にてプロピレン転化率が97±0.5モル%、アクロレイン収率が1±0.5モル%になるように第一反応ゾーン、第二反応ゾーンそれぞれの熱媒温度を調節しながら反応を継続した。反応開始から100時間後のアクリル酸収率は85.6モル%であり、その時点で得られたアクリル酸含有ガスを温度167℃で計算上の理論段数が14段であるアクリル酸捕集塔に導入し、アクリル酸1.8質量%、酢酸6.5質量%および捕集塔に導入するアクリル酸含有ガス中のアクリル酸量に対して200質量ppm相当であるハイドロキノンを含む捕集水にてアクリル酸を捕集した。アクリル酸捕集塔の塔頂温度は62.9℃、塔頂圧力は0.11MPa(絶対圧)である条件下で捕集塔塔底液の水濃度が17質量%になるように捕集水量を調整したところ、捕集溶剤量/プロピレン質量流量=0.7で、目標とする水濃度のアクリル酸水溶液が得られた。
【0083】
その時の捕集効率は98.6%であり、一週間、捕集塔近辺の圧力損失の上昇もなく運転した後に開放点検しても塔内および塔頂配管等に重合物は見られなかった。
【0084】
また、得られたアクリル酸水溶液5mlを試験管に入れ、95℃に保ったオイルバスに浸漬させ、粘度が上昇するまでの時間を測定したところ、15.5hrであった。
【0085】
(実施例4)
実施例3で得られたアクリル酸含有ガスを温度167℃で計算上の理論段数が14段であるアクリル酸捕集塔に導入し、アクリル酸1.8質量%、酢酸7.1質量%および捕集塔に導入するアクリル酸含有ガス中のアクリル酸量に対して200質量ppm相当であるハイドロキノンを含む捕集水にてアクリル酸を捕集した。アクリル酸捕集塔の塔頂温度は62.9℃、塔頂圧力は0.11MPa(絶対圧)である条件下で捕集塔塔底液の水濃度が8質量%になるように捕集水量を調整したところ、捕集溶剤量/プロプレン質量流量=0.5で、目標とする水濃度のアクリル酸水溶液が得られた。
【0086】
その時の捕集効率は97.5%であり、一週間、捕集塔の圧力損失の上昇もなく運転した後に開放点検しても塔内および塔頂配管等にほとんど重合物が見られなかった。
【0087】
また、得られたアクリル酸水溶液5mlを試験管に入れ、95℃に保ったオイルバスに浸透させ、粘度が上昇するまでの時間を測定したところ、18.8hrであった。
【0088】
(実施例5)
実施例1と同じ反応器、同じ触媒を各層長が250mm、800mm、2,200mm、500mm、700mm、1,800mmになるように充填した。
【0089】
第一反応ゾーンにプロピレン:8.0体積%、O2:14.4体積%、H2O:9.6体積%、(残りはN2、プロパンなど)の混合ガスを第一反応ゾーンの空間速度が1,500hr−1(STP)になるように供給した。
【0090】
この時、第二反応ゾーン出口圧力0.15MPa(絶対圧)にてプロピレン転化率が97±0.5モル%、アクロレイン収率が1±0.5モル%になるように第一反応ゾーン、第二反応ゾーンそれぞれの熱媒温度を調節しながら反応を継続した。反応開始から100時間後のアクリル酸収率は86.3モル%であり、その時点で得られたアクリル酸含有ガスを温度172℃で計算上の理論段数が14段であるアクリル酸捕集塔に導入し、アクリル酸1.8質量%、酢酸3.8質量%および捕集塔に導入するアクリル酸含有ガス中のアクリル酸量に対して200質量ppm相当であるハイドロキノンを含む捕集水にてアクリル酸を捕集した。アクリル酸捕集塔の塔頂温度は62.9℃、塔頂圧力は0.11MPa(絶対圧)である条件下で捕集塔塔底液の水濃度が40質量%になるように捕集水量を調整したところ、捕集溶剤量/プロピレン質量流量=1.1で、目標とする水濃度のアクリル酸水溶液が得られた。
【0091】
その時の捕集効率は98.9%であり、一週間、捕集塔近辺の圧力損失の上昇もなく運転した後に開放点検しても塔内および塔頂配管等に重合物は見られなかった。
【0092】
また、得られたアクリル酸水溶液5mlを試験管に入れ、95℃に保ったオイルバスに浸漬させ、粘度が上昇するまでの時間を測定したところ、8.2hrであった。
【0093】
(実施例6)
第一反応ゾーンに供給する混合ガス中のH2O濃度を7.9体積%にした以外は、実施例4と同じにして反応を行った。反応開始から100時間後のアクリル酸収率は86.0モル%であり、その時点で得られたアクリル酸含有ガスを温度171℃で計算上の理論段数が14段であるアクリル酸捕集塔に導入し、アクリル酸1.3質量%、酢酸4.4質量%および捕集塔に導入するアクリル酸含有ガス中のアクリル酸量に対して200質量ppm相当であるハイドロキノンを含む捕集水を捕集溶剤量/プロピレン質量流量=1.6としてアクリル酸を捕集した。その時のアクリル酸捕集塔の塔頂温度は73.7℃、塔頂圧力は0.11MPa(絶対圧)、捕集塔塔底液の水濃度は25質量%、捕集効率は97.1%であり、一週間、捕集塔近辺の圧力損失の上昇もなく運転した後に開放点検すると、塔内および塔頂配管等に若干の重合物が見られた。
【0094】
また、得られたアクリル酸水溶液5mlを試験管に入れ、95℃に保ったオイルバスに浸漬させ、粘度が上昇するまでの時間を測定したところ、11.6hrであった。
【0095】
(比較例1)
第一反応ゾーンに供給する混合ガスの組成をプロピレン:6.0体積%、O2:10.8体積%、H2O:9.9体積%、(残りはN2、プロパンなど)にした以外は、実施例1と同じにして反応を行った。反応開始から100時間後のアクリル酸収率は87.8モル%であり、その時点で得られたアクリル酸含有ガスを温度172℃で計算上の理論段数が14段であるアクリル酸捕集塔に導入し、アクリル酸1.8質量%、酢酸4.8質量%および捕集塔に導入するアクリル酸含有ガス中のアクリル酸量に対して200質量ppm相当であるハイドロキノンを含む捕集水にてアクリル酸を捕集した。アクリル酸捕集塔の塔頂温度は62.9℃、塔頂圧力は0.11MPa(絶対圧)である条件下で捕集塔塔底液の水濃度が25質量%になるように捕集水量を調整したところ、捕集溶剤量/プロピレン質量流量=0.8で、目標とする水濃度のアクリル酸水溶液が得られた。
【0096】
その時の捕集効率は95.2%であり、5日後に捕集塔近辺の圧力損失が上昇したため停止し開放点検すると塔内および塔頂配管等にかなりの重合物が見られた。
【0097】
また、得られたアクリル酸水溶液5mlを試験管に入れ、95℃に保ったオイルバスに浸漬させ、粘度が上昇するまでの時間を測定したところ、11.8hrであった。
【0098】
(比較例2)
第一反応ゾーンに供給する混合ガス中のH2O濃度を11.6体積%にした以外は、実施例1と同じにして反応を行った。反応開始から100時間後のアクリル酸収率は87.4モル%であり、その時点で得られたアクリル酸含有ガスを温度173℃で計算上の理論段数が14段であるアクリル酸捕集塔に導入し、アクリル酸1.8質量%、酢酸4.1質量%および捕集塔に導入するアクリル酸含有ガス中のアクリル酸量に対して200質量ppm相当であるハイドロキノンを含む捕集水にてアクリル酸を捕集した。アクリル酸捕集塔の塔頂温度は62.9℃、塔頂圧力は0.11MPa(絶対圧)である条件下で捕集塔塔底液の水濃度が25質量%になるように捕集水量を調整したところ、捕集溶剤量/プロピレン質量流量=0.8で、目標とする水濃度のアクリル酸水溶液が得られた。
【0099】
その時の捕集効率は94.9%であり、4日後に捕集塔近辺の圧力損失が上昇したため停止し開放点検すると塔内および塔頂配管等にかなりの重合物が見られた。
【0100】
また、得られたアクリル酸水溶液5mlを試験管に入れ、95℃に保ったオイルバスに浸漬させ、粘度が上昇するまでの時間を測定したところ、11.8hrであった。
【0101】
(比較例3)
第一反応ゾーンに供給する混合ガス中のH2O濃度を9.6体積%にした以外は、実施例1と同じにして反応を行った。反応開始から100時間後のアクリル酸収率は87.1モル%であり、その時点で得られたアクリル酸含有ガスを温度171℃で計算上の理論段数が14段であるアクリル酸捕集塔に導入し、アクリル酸1.8質量%、酢酸3.5質量%および捕集塔に導入するアクリル酸含有ガス中のアクリル酸量に対して200質量ppm相当であるハイドロキノンを含む捕集水にてアクリル酸を捕集した。アクリル酸捕集塔の塔頂温度は62.9℃、塔頂圧力は0.11MPa(絶対圧)である条件下で捕集塔塔底液の水濃度が47質量%になるように捕集水量を調整したところ、捕集溶剤量/プロピレン質量流量=1.5で、目標とする水濃度のアクリル酸水溶液が得られた。
【0102】
その時の捕集効率は99.0%であり、一週間、捕集塔近辺の圧力損失の上昇もなく運転した後に開放点検しても塔内および塔頂配管等に重合物は見られなかった。
【0103】
また、得られたアクリル酸水溶液5mlを試験管に入れ、95℃に保ったオイルバスに浸漬させ、粘度が上昇するまでの時間を測定したところ、6.5hrであった。
【0104】
【発明の効果】
本発明によれば、プロピレンを原料としたアクリル酸製造工程において、第一反応ゾーンと第二反応ゾーンとが単一の反応管を少なくとも1つの孔あき管板で分割した反応器を使用した接触気相酸化反応からアクリル酸捕集工程における条件を特定範囲に制限することで高濃度のプロピレンガスを使用して生産性高くアクリル酸を製造でき、かつ精製工程における運転を簡便にできる。
【0105】
特に、アクリル酸捕集塔塔底液の水濃度を1〜45質量%に制限すると、次工程の処理を簡便なものとすることができる。
【0106】
また、捕集塔内の捕集溶液量を変化させると、捕集塔塔頂部からの水分量を変化させずにアクリル酸を高濃度に捕集でき、とくに捕集塔排ガスをリサイクルして使用する場合に、製造条件を安定できる点で優れる。
【図面の簡単な説明】
【図1】第一反応ゾーンと第二反応ゾーンとが孔あき管板で仕切られた一基の反応器(シングルリアクター)を用いたアクリル酸製造工程の一部を示すフローシートである。
【符号の説明】
1・・・プロピレン、2・・・水蒸気、3・・・空気、4・・・ブロワー、10・・・反応器、11・・・反応管、12・・・複合酸化物触媒(i)、13・・・複合酸化物触媒(ii)、15・・・孔あき管板、20・・・アクリル酸含有ガス、23・・・熱交換器、30・・・捕集塔、31・・・充填層、32・・・分散器、33・・・捕集溶剤、34・・・冷却器、35・・・アクリル酸含有溶液、36・・・排ガス、40・・・脱水塔、41・・・留出ガス、42・・・溶媒相、43・・・水相、50・・・次工程、60・・・廃棄ガス、71・・・熱交換器、72・・・流量調整機器。
Claims (5)
- プロピレンおよび分子状酸素を含有する混合ガスをモリブテンおよびビスマスを必須成分とする複合酸化物触媒を充填してなる第一反応ゾーンに導入し、プロピレンを酸化してアクロレイン含有ガスを得て、モリブテンおよびバナジウムを必須成分とする複合酸化物触媒を充填してなる第二反応ゾーンに該アクロレイン含有ガスを導入してアクリル酸含有ガスを得て、該アクリル酸含有ガスをアクリル酸捕集塔に導入し捕集溶剤と接触させてアクリル酸含有溶液を得る工程を含むアクリル酸の製造方法において、
(a)該第一反応ゾーンと該第二反応ゾーンとが単一の反応管を少なくとも1つの孔あき管板で分割して形成され、
(b)該第一反応ゾーンに導入する該混合ガスのプロピレン濃度が7〜15体積%、混合ガス中の水濃度が0〜10体積%であり、
(c)該アクリル酸捕集塔で捕集されるアクリル酸含有溶液の水濃度が1〜45質量%であることを特徴とするアクリル酸の製造方法。 - 該第一反応ゾーンに導入するプロピレンの質量流量の0.1〜1.5倍の質量流量の捕集溶剤をアクリル酸捕集塔に導入することを特徴とする、請求項1記載の方法。
- 捕集溶剤の主成分が水である、請求項1または2に記載の方法。
- プロピレンおよび分子状酸素を含有する混合ガスをモリブテンおよびビスマスを必須成分とする複合酸化物触媒を充填してなる第一反応ゾーンに導入し、プロピレンを酸化してアクロレイン含有ガスを得て、モリブテンおよびバナジウムを必須成分とする複合酸化物触媒を充填してなる第二反応ゾーンに該アクロレイン含有ガスを導入してアクリル酸含有ガスを得て、該アクリル酸含有ガスをアクリル酸捕集塔に導入し捕集溶剤と接触させてアクリル酸含有溶液を得る工程を含むアクリル酸の製造方法において、
(a)該第一反応ゾーンと該第二反応ゾーンとを単一の反応管を少なくとも1つの孔あき管板で分割して形成し、
(b)第一反応ゾーンに導入する該混合ガスのプロピレン濃度を7〜15体積%、混合ガス中の水濃度が0〜10体積%とし、
(c)アクリル酸捕集塔で得られるアクリル酸含有溶液の水濃度を、捕集溶剤の導入量によって1〜45質量%とすることを特徴とするアクリル酸の製造方法。 - 請求項1〜4の何れかに記載された方法で得たアクリル酸を用いることを特徴とする、ポリアクリル酸の製造方法。
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