JP5216578B2 - 顎歯模型用の歯牙およびその製造方法 - Google Patents

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Description

本発明は、歯科医師を目指す学生が、口腔内作業を体験し、治療の練習をする顎歯模型用に用いる歯牙に関する。顎歯模型用歯牙とは、大学などで顎歯模型を用いて口腔内の治療行為をシミュレーションや治療の練習をするために用いられる歯牙である。本発明は、特に歯牙を切削して支台歯形成、窩洞形成等の形態付与を体験する為に用いる歯牙およびその製造方法に関する。
従来、歯科治療の練習において、天然歯の切削感を体験するために、人体や動物からの抜去歯を用いていた。しかしながら、抜去歯には衛生上の問題があり、衛生管理を十分に行なわないと感染の可能性があり、自由に練習を行うことができなかった。また、天然生体であるため腐敗の問題があり、保存にも十分な注意が必要であった。
そのため、天然歯牙を用いずに歯牙の切削感を体験する方法が求められていた。
現在では、口腔内治療練習用の顎歯模型用の歯牙は、エポキシ樹脂、メラミン樹脂で製造されることが多く、一般に普及している。
しかし、エポキシ樹脂、メラミン樹脂で作製された顎歯模型用歯牙は、天然歯形態をしているものの、天然歯とは切削感が異なることから支台歯形成や窩洞形成の練習をしても、実際の口腔内での作業をした場合では異なる切削感、作業性から当惑する事が多かった。
具体的には、エポキシ樹脂やメラミン樹脂は軟らかいため、多く切削する傾向にあり、このような模型歯牙で治療練習をしても、硬い天然歯は思った様に切削できない傾向にあった。
さらに、天然歯はエナメル質および象牙質(デンチン質)からなり、エナメル質やデンチン質は樹脂よりも硬く、デンチン質の歯冠部を覆うエナメル質とデンチン質とは硬さが異なっている。その結果、エナメル質からデンチンへと切削を移行させたとき、デンチン質を強く削ってしまい、上手く形体を作れないことも発生する可能性がある。
すなわち、顎歯模型用の歯牙のエナメル部分からデンチン部分への移行部において、天然歯と同様に切削感が変ることが求められており、当然にして、エナメル部分はエナメル質の切削感、デンチン部分はデンチン質の切削感を再現することが重要である。
もう少し、硬い材料を求められた結果、コンポジットタイプのものが市販されている。コンポジットタイプの歯牙であっても、デンチン部分とエナメル部分が同一の切削感であるから、天然歯とは切削感が異なり、支台歯形成や窩洞形成の練習をしても実際の口腔内での作業をした場合では異なる切削感、作業性から当惑する事が多かった。分かりやすい表現では滑る感覚があり、天然歯とは大きく違う切削感である。
実開平1−90068には、エナメル質層に金雲母結晶[NaMg(SiAlO10)F]およびリチア・アルミナ・シリカ系結晶(LiO・Al・2SiO、LiO・Al・4SiO)が同時に析出したビッカース硬さ350〜450に制御されたガラス・セラミックスから構成され、歯根層には、ポリオール(主剤)に白色・赤色および黄色の着色剤を加え、さらにイソシアネートプレポリマー(硬化剤)を混入してシリコーンゴム母型に真空下で注入して、常温で硬化させ事前に準備をし、エナメル質層と歯根層との間に介在し、両者を合着している象牙質認識層はオペーク色を呈した接着性レジンで形成されていることが示されている。
しかしながら、エナメル質層が金雲母結晶やリチア・アルミナ・シリカ系結晶にて構成されたものでは天然歯に比べ、切削感が硬すぎるため使用に耐える物ではなく、更に象牙質認識層は接着性レジンで形成され、切削感が柔らかすぎる為、使用に耐える物ではなかった。
また更に、接着層にて象牙質層を形成するとの記載がある。エナメル層部分と歯根層部分を形成して、接着することが示されている。厚みのある接着材層にて象牙質層として認識するものである。
特開平5−224591には、天然歯と極めて類似した切削性を有し、歯科教育切削実習用として好適な歯牙模型を提供することが示されている。
構成として歯牙模型は、歯冠部の少なくとも表面がヌープ硬度70以上を有し、歯根部の少なくとも表面がヌープ硬度10〜40を有するものである。主要構成成分として、無機物粉体と架橋型樹脂とを、重量比で20%対80%乃至70%対30%の割合で含有している。
本文中に「歯牙模型の作製法及び経済的な観点から如何なる硬度の素材、例えば金属、セラミクス、樹脂で形成されていてもよく、更には空洞であってもよい。」との記載があるが、エナメル部分とデンチン部分の切削性の違いを示せる歯牙模型ではなかった。
特開平5−216395には、天然歯と極めて類似した切削性を有し、歯科教育切削実習用として好適な歯牙模型及びその製造方法を提供することが紹介されている。歯牙模型の主要構成成分として、気孔率が40〜80%のヒドロキシアパタイト粉末と、(メタ)アクリル酸エステル系樹脂とを、重量比で20%対80%乃至50%対50%の割合で含有しているものである。しかしながら、特にエナメル部分とデンチン部分の切削性の違いを示せる歯牙模型ではなかった。
特開平5−241498、特開平5−241499、特開平5−241500には、無機充填材の記載やハイドロキシアパタイト充填材の記載があるがいずれも樹脂を母材とするものであり、切削感の解決には至っていない。しかしながら、特にエナメル部分とデンチン部分の切削性の違いを示せる歯牙模型ではなかった。
特開2004−94049には、レーザー光線を利用した正確な形状計測を可能とする歯科実習用模型歯を提供する発明が記載されている。
明細書中には、「本発明の模型歯の歯冠部表面を構成する材料としては、一般的に公知のものを用いることが可能であり、例えば、セラミックス等の磁器あるいはアクリル、ポリスチレン、ポリカーボネート、アクリロニトリルスチレンブタジエン共重合体(ABS)、ポリプロピレン、ポリエチレン、ポリエステル等の熱可塑性樹脂材料や、メラミン、ユリア、不飽和ポリエステル、フェノール、エポキシ等の熱硬化性樹脂材料、さらには、これらの主原料にガラス繊維、カーボン繊維、パルプ、合成樹脂繊維等の有機、無機の各種強化繊維、タルク、シリカ、マイカ、炭酸カルシウム、硫酸バリウム、アルミナ等の各種充填材、顔料や染料等の着色剤、あるいは耐候剤や帯電防止剤等の各種添加剤を添加したものを用いることが出来る。」との記載があるが、好ましい材質の記載がなく、切削感を解決するものでは無かった。
研究の結果、天然歯牙の切削感を出す為には無機系の焼成体を用いることが必要であるが無機系の材料の硬さを制御することは難しいためにこれらを制御しながら、エナメル部分およびデンチン部分を製造することは難しかった。
焼成体の切削感を調整する為には、焼成体の密度、粒形、焼成温度を合わす事が必要であるが、焼成時のエナメル部分とデンチン部分の収縮率や熱膨張係数などが異なり、割れ、剥がれ、ヒビ割れなどが生じ、更に、デンチン部分とエナメル部分の間に隙間ができることから、切削時にチッピングを起こすことがあり、隙間が天然歯牙の切削感と異なる感覚を伝え、使用に耐えるものではなかった。
また、通常天然歯牙を切削すると生体を切削する時の独特の切削感が得られる。特に、デンチン質では歯牙の象牙細管中に含まれる有機成分がバーに纏わり付く感覚や切削を阻害する感覚が顕著に現れる。
このような天然歯独特の粘り気のある切削感を表現する為には、数々の方法が試されてきたが、樹脂やコンポジット等々では十分な切削感を得ることができず、従来の顎歯模型用歯牙では注水しながらで有ってもこのような感覚を得られることは無かった。エナメル質であっても同様な現象から無機材料の切削感よりも粘性を感じる切削感覚が求められている。
すなわち、現在、天然歯のエナメル質およびデンチン質の切削感を実現する歯牙模型の具体的な組成も、それらの製造方法についても研究報告されていない。
今までの開発では天然歯独特の歯髄を再現する方法は開発されておらず、露髄体験等を歯科学生は体験することができなかった。露髄(髄の部分まで削ること)は、歯科治療において最も重要な技術であり、また、誤って露髄してしまった場合には、その後の処置方法などを同時に学ぶ必要がある。
天然歯牙の齲蝕が進むにつれて、治療方法もエナメル層、デンチン層、髄へと進み、抜髄等の根管治療の実習も重要な治療である。抜髄などを実施する場合においても、歯髄をリーマで取り除き、デンチン質壁面とリーマが擦れ合う感覚が全く異なる為に、根管充填などの練習ができなかった。
歯髄の治療として、根管治療練習用のものもあるが、ボックス状のアクリルに小さな穴があいており、それを用いて根管治療の練習(根管清掃、根管拡張など)を行なっている。しかし、顎への装着ができないことや、デンチンの硬さの違い等があり、十分な練習ができていない現状にある。
これらの体験を容易に行える顎歯模型用歯牙が望まれている。特に根管清掃時に、根尖孔まで完全に髄が取り除かれているか、手の感覚で覚えるものであり、初級者には難しい。したがって、天然歯における歯髄が再現された顎歯模型用歯牙を用いて練習することが必要である。
また、歯科治療で齲蝕除去は重要な処置であるが、齲蝕部分は通常のデンチン部分よりも更に軟かくなっていることから、齲蝕部分の切削は難しい。したがって、天然歯における齲蝕が再現された顎歯模型用歯牙を用いて練習することが必要である。また、齲蝕部分を正確に除去したことを確認する方法が求められていた。
実開平1−90068 特開平5−224591 特開平5−216395 特開平5−241498 特開平5−241499 特開平5−241500 特開2004−94049
本発明の目的は、天然歯の治療時と同様の感覚を体験することができる顎歯模型用の歯牙を提供することにある。特に、本発明は、エナメル部分およびデンチン部分を含む顎歯模型用の歯牙において、天然歯におけるエナメル質とデンチン質との切削感の違いが再現された顎歯模型用の歯牙を提供することにある。
本発明は、エナメル部分およびデンチン部分を含む顎歯模型用の歯牙であって、前記エナメル部分が無機粉末の焼成体により形成された顎歯模型用の歯牙を提供する。
前記デンチン部分は、使用目的に応じて、無機粉末の焼成体、樹脂、コンポジット、セメント材またはセッコウにより形成される。
エナメル部分を無機粉末の焼成体により形成することによって、切削感が天然歯に近似し、デンチン部分の組成等を変化させて、エナメル部分と異なる切削感を付与することができる。
本発明の第1の態様は、エナメル部分およびデンチン部分を含む顎歯模型用の歯牙であって、前記エナメル部分と前記デンチン部分とが無機粉末の焼成体により形成された顎歯模型用の歯牙である。
本発明の第1の態様の顎歯模型用歯牙において、前記エナメル部分と前記デンチン部分とを一体的に成形することができる。前記エナメル部分と前記デンチン部分とを一体的に成形する場合、2つの部分を同一組成で成形することができる。
前記エナメル部分と前記デンチン部分とを異なる組成で成形する場合、2つの部分は直接接合されていてもよいし、前記エナメル部分と前記デンチン部分とが接着層を介して接合されていてもよい。
本発明の第2の態様は、エナメル部分およびデンチン部分を含む顎歯模型用の歯牙であって、前記エナメル部分が無機粉末の焼成体により形成され、前記デンチン部分が樹脂、コンポジットまたはセメント材により形成された顎歯模型用の歯牙である。
本発明の顎歯模型用歯牙には、例えば、アルミナ、ジルコニア、酸化チタン、シリカ等の無機粉末を用いることができるが、これらに限定されるものではなく、各種の無機物粉体およびそれらの混合物を用いることができる。
本発明の顎歯模型用歯牙には、例えば、アクリル系や尿素樹脂などの熱可塑性または熱硬化性樹脂を用いることができる。
本発明の顎歯模型用歯牙には、上記の樹脂に無機または有機粉末を混合したコンポジットを用いることができる。
本発明の顎歯模型用歯牙には、ポリアクリル酸とアルミノシリケートを主成分とし、粉液混合により硬化が開始するセメント材を用いることができる。
本発明の顎歯模型用歯牙には、セッコウを用いることができる。
本発明の顎歯模型用歯牙において、エナメル部分とデンチン部分の双方を無機粉末の焼成体で形成する場合、接着層を構成する接着材として、有機性樹脂組成物、セラミック接着材またはガラスを用いることができる。
本発明において、セラミック インジェクション モールド(CIM)技術を用いて無機粉末を射出成形して、エナメル部分またはデンチン部分を形成する。
本顎歯模型用歯牙は人体の中で最も硬い天然歯牙の代用物質で、通常の材料では切削時に軟らかく感じてしまうのに対し、天然歯牙と同様な切削感を得ることができる。口腔内での400000回転/分という高速回転するダイヤモンド研削材(エアータービン使用)を用いた切削と同じような切削体験ができる。
高速回転する切削体と接触する為、歯牙と顎との適合性が重要であり、更に、エナメルとデンチンの適合性も求められることから、成形において精密に成形できるCIM技術を用いることが好ましい。
更に、歯牙模型の歯冠の形状も重要であり、支台歯形成や窩洞形成の目標となり隆起部分や窩、咬頭などが正確に表現されていることが重要であり、CIM技術での成形が適している。
本発明は、エナメル部分とデンチン部分の双方を無機粉末の焼成体で形成する場合、CIM技術を用いてエナメル部分とデンチン部分をそれぞれ射出成形し、脱脂、焼成の工程を経てデンチン部分およびエナメル部分の焼成体を得、これらの焼成体を接着材により接着することを特徴とする顎歯模型用歯牙の製造方法を提供する。
また、接着材としてガラスを用いる場合、CIM技術を用いてエナメル部分とデンチン部分をそれぞれ射出成形し、これらの射出体をガラスの粉末を介在させて積層した後、脱脂、焼成の工程を経てデンチン部分およびエナメル部分が接着された焼成体を得ることを特徴とする顎歯模型用歯牙の製造方法も提供する。
また、本発明において、エナメル部分またはデンチン部分に天然歯独特の粘り気のある切削感を付与するため、および、歯牙を切削した折に飛散する切削粉を軽減するために、無機粉末の焼成体で形成したエナメル部分またはデンチン部分に、多糖類やタンパク質の水溶液、ワックスなどの熱溶解性物質またはアクリル系樹脂、尿素樹脂、シリコーン樹脂等の樹脂を含浸させる。
熱硬化性樹脂または架橋剤を含んだ樹脂を含浸させることで、含浸させない場合と比べ、天然歯牙に近い軟かい切削感となる。熱可塑性樹脂を含浸させることで含浸させない場合と比べ、天然歯牙に近い纏わり付く様な切削感となる。これらの樹脂は水を同時に用いる場合であっても溶け出すことなく、纏わり付く感じが再現できる。
本発明はデンチン部分、エナメル部分両方に用いることができるが、特にデンチン部分に用いることが好ましい。
本発明の顎歯模型用歯牙において、デンチン部分の内部に歯髄部分を形成することができる。歯髄部分は、樹脂、シリコーンゴム、ワックスまたは水溶性材料で満たされている。
本発明顎歯模型用歯牙において、エナメル部分とデンチン部分の間またはその辺縁に疑似齲蝕部分を形成することができる。疑似齲蝕部分は、樹脂または無機粉末の焼成体で形成される。
本発明によれば、デンチン部分、エナメル部分双方とも天然歯と同じ様な切削感を得られ、エナメル部分からデンチン部分へ移行する切削感が天然歯に近いことから、模型であっても天然歯牙を削る練習が容易に行なえる。
本発明によれば、デンチン部分、エナメル部分双方とも無機粉末の焼成体で形成されている場合であっても、接着材の軟質な感覚を味わうことなく天然歯牙模型の切削を体験できる。スムーズなエナメル部分からデンチン部分への切削を体感できる。
本発明の顎歯模型用歯牙を用いて支台歯形成、窩洞形成をすることによって、一早く天然歯牙と同様な切削感を体験でき、形成体験が容易に行える。また、これらの形成技術を早く取得することができる。
本発明の顎歯模型用歯牙は、無機粉末の焼成体に樹脂などの粘性物質が含浸されているため、歯牙切削時に飛散する粉塵を軽減する効果があり、模型などの粉塵による汚れを抑えることができた。勿論、練習している学生の粉塵の吸い込みも軽減することができた。天然歯牙の様に粘り気のある切削感があり、生体歯牙を切削時に発生するダイヤモンドバーへの纏わり付きの感覚を再現できた。
さらに、本発明の歯牙には、歯髄部分または疑似齲蝕部分を形成することによって、根管治療または齲蝕治療の技術を体験することもできる。
本発明の第1の態様の顎歯模型用歯牙の断面図。 本発明の第2の態様の顎歯模型用歯牙の断面図。 無機粉末焼成体の拡大図。 歯髄部分を含む本発明の第1の態様の顎歯模型用歯牙の断面図。 疑似齲蝕部分を含む本発明の第2の態様の顎歯模型用歯牙の断面図。 歯髄部分および疑似齲蝕部分を含む本発明の第1の態様の顎歯模型用歯牙の断面図。
符号の説明
1・・・エナメル部分
2・・・デンチン部分
3・・・接着層
4・・・歯髄部分
5・・・疑似齲蝕部分
10・・・無機粉末の焼成体
11・・・無機粉末
12・・・空隙
本発明の顎歯模型用の歯牙は、少なくともエナメル部分1およびデンチン部分2を含み、エナメル部分1が無機粉末の焼成体により形成される。デンチン部分2は、使用目的に応じて、無機粉末の焼成体、樹脂、コンポジット、セメントまたはセッコウにより形成される。
図1に、エナメル部分1およびデンチン部分2の双方が無機粉末の焼成体により形成され、エナメル部分1とデンチン部分2とが接着層3を介して接合された顎歯模型用歯牙を示す。接着層3は、有機性樹脂組成物、セラミック接着材またはガラスなどの接着材で構成される。
エナメル部分1を無機粉末の焼成体により形成し、デンチン部分2を樹脂、コンポジット、セメントまたはセッコウにより形成する場合には、接着層は不要である(図2)。
本発明において、エナメル部分1およびデンチン部分2を形成する無機粉末の焼成体10には、図3に示すように、無機粉末の粒子11間に空隙12が存在するため、この空隙12に多糖類やタンパク質の水溶性材料、ワックスなどの熱溶解性物質またはアクリル系樹脂、尿素樹脂、シリコーン樹脂等の樹脂を含浸させて、天然歯と同様の粘り気のある切削感を再現することができる。
本発明の顎歯模型用歯牙において、デンチン部分2の内部に歯髄部分4を形成することができる(図4)。
デンチン部分2の内部に歯髄部分4を形成するためには、エポキシ樹脂等の燃焼性材料を用いて所望する歯髄形状の型を成形する。この歯髄形状の型を金型に設置して、無機粉末でデンチン部分2を形成し、これを焼成することによって、歯髄形状の型を焼失させて、歯髄形状の空間を内部に有するデンチン部分2の焼成体を得る。得られたデンチン部分2内部の歯髄形状の空間に、樹脂、シリコーンゴム、ワックスまたは水溶性材料を満たすことによって、歯髄部分4を形成する。
本発明の顎歯模型用の歯牙において、エナメル部分1とデンチン部分2の間またはその辺縁に疑似齲蝕部分5を形成することができる。図5に、第2の態様の顎歯模型用歯牙のエナメル部分1とデンチン部分2との移行部分に疑似齲蝕5を形成した概略図を示す。また、図6のように、疑似齲蝕部分5をエナメル部分の咬合面からデンチン部分に貫通するように形成することができ、第1の態様の顎歯模型用歯牙の場合であれば、歯髄部分4とともに疑似齲蝕部分5を形成することもできる。
疑似齲蝕部分5は、無機粉末の焼成体、樹脂またはコンポジットで形成される。疑似齲蝕部分5を樹脂またはコンポジットで形成した場合、無機粉末の焼成体、樹脂またはコンポジットに着色剤、蛍光材またはX線造影材を添加して、齲蝕部分除去の程度を視覚により確認できるようにすることができる。
本発明の顎歯模型用の歯牙は、天然歯と同じように無機系顔料を用いることによって、白色、アイボリー色、乳白色、半透明色とすることができるため、よりリアルな切削体験をすることができる。好ましくは白色、アイボリー色、乳白色である。
本発明の顎歯模型用の歯牙において、顎分野やマネキン部分は適宜選択することができる。但し、選択にあたって適合性を確認する為の処置を施すことは重要である。例えば、顎歯模型の歯牙挿入口の大きさに適宜合わせることは重要である。
本発明のエナメル部分1およびデンチン部分2を形成するために用いることができる無機粉末として、アルミナ系、ジルコニア系、シリカ系、窒化アルミ、窒化ケイ素などのセラミックスまたはガラスが挙げられる。アルミナ系、ジルコニア系が好ましい。
アルミナ系、ジルコニア系とはアルミナまたはジルコニアが焼成体組成の60%〜100%、好ましくは80%〜100%、更に好ましくは95%〜100%であることである。特にアルミナの組成が50%〜100%、好ましくは70%〜100%、更に好ましくは90%〜100%であることである。
無機粉末として、アルミナ系のセラミックスを用いることが好ましい。
エナメル部分およびデンチン部分共に、無機粉末の焼成体で形成する場合、エナメル部分とデンチン部分の硬さの調整には、粒度を粗くする、空隙を多くする、組成を変えるなどの方法、焼成温度を変える、係留時間を変える等々の方法があるが、最も適した方法は、同一組成で粒度を変えることである。エナメル部分に比べ、デンチン部分の粒度を粗くすることで実現できる。
エナメル部分の平均粒子径に対して、デンチン部分の平均粒子径を10倍以上にすることが好ましい。エナメル部分の平均粒子径が0.1〜0.5μmである場合は、デンチン部分の平均粒子径は1.0〜10.0μmに設定することが好ましい。
焼成温度に関しては組成によって異なるが、シリカ等のガラス成分が多い場合は焼成温度が800〜1200℃、アルミナの場合は1200〜1600℃の焼成温度、好ましくは1400〜1550℃の焼成温度となる。
エナメル部分およびデンチン部分共に、アルミナ粉末の焼成体で形成することが好ましい。この場合、アルミナ粉末の一次粒子径は0.2〜5μmであることが好ましく、1300〜1600℃の焼成温度で焼成することが好ましい。
エナメル部分を一次粒子径0.1〜1.0μmのAl粉末から焼成することが好ましく、一次粒子径0.2〜0.5μmのAl粉末から焼成することがより好ましい。
デンチン部分の組成が一次粒子径1.0〜8.0μmのAl粉末からすることが好ましく、一次粒子径2.0〜5.0μmのAl粉末から焼成することがより好ましく、一次粒子径2.0〜3.0μmのAl粉末から焼成することがさらに好ましい。
エナメル部分の好ましい焼成温度は1400〜1600度であり、デンチン部分の好ましい焼成温度は1300〜1500℃である。焼成温度は切削感と密接な関係があり、粒度や原材料ロットによって、調整しなければならない。同様に焼成温度での係留時間も切削感と密接な関係があり、粒度や原材料ロットによって、調整しなければならない。
エナメル部分およびデンチン部分のビッカース硬度が300〜1000であることが好ましく、300〜600であることがより好ましい。
なお、歯牙組成にアルミナ焼成体の切削感を損なわない程度にシリカを代表とする金属酸化物を添加することは妨げない。
エナメル部分1とデンチン部分2の成形は、セラミックスの成形方法としてよく用いられるCIM技術を用いることが好ましい。
CIM技術とは、無機粉末を成型する技術であり、次の工程を含む。
(1)アルミナをバインダ(1000℃ぐらいまでに熱で分解するもの)で練和し、ペレットを作製する。
(2)一定の形状の射出成形用の金型を作製し、(1)で作製したペレットを射出成型する。
(3)成型後、バインダを脱脂(温度を上げて、バインダ成分を分解すること)する。
(4)次に、その脱脂体を所定温度で焼成し、所望の焼成体を得る。
本発明に用いることができるバインダとして、ステアリン酸、ポリビニルアルコール、熱可塑性樹脂、ワックスなどが挙げられ、ステアリン酸またはポリビニルアルコールを用いることが好ましい。
エナメル部分およびデンチン部分の切削感の違いを再現するために、無機粉末の粒度を変えた場合、無機粉末をバインダで練和して作製されたペレットを脱脂し、焼成する過程の収縮率に差異が生じる。エナメル部分とデンチン部分を積層構造とする射出体を成形し、焼成すると、収縮率の違いからエナメル部分とデンチン部分の境に亀裂が入り、十分に接着されないことがある。
したがって、エナメル部分とデンチン部分を積層構造とする焼成体を形成する場合、十分な接着を達成するためには、収縮率を考慮して金型を作製することが必要となるが、簡便ではない。
一方、ペレット作製時のバインダ量を変える、焼成温度を変える、係留時間を変える等々の方法により、収縮率を調節することができ、エナメル部分とデンチン部分とを異なる粒度の無機粉末で形成した場合でも、2つの部分の収縮率を適合させて、十分な接着を達成することができる。最も適した方法は、バインダ量を変えることである。
CIM技術を用いて、エナメル部分1とデンチン部分2とをそれぞれ射出成形し、脱脂、焼成の工程を経て、焼成されたエナメル部分とデンチン部分との界面に樹脂またはセラミック接着材を用いて接着することができる。
本発明の接着に用いられる樹脂は、熱可塑性樹脂、熱硬化性樹脂または化学重合性樹脂を用いることができ、その中で、熱硬化性樹脂および化学重合性樹脂が好ましい。
熱可塑性樹脂とは、熱を加えることにより成形できる程度の熱可塑性を得ることの出来る樹脂のことを指す。
本発明の接着に用いられる熱可塑性樹脂は、具体的にはアクリル系、スチレン系、オレフィン系、塩ビ系、ウレタン系、ポリアミド系、ポリブタジエン系、ポリアセタール系、不飽和ポリエステル系、ポリカーボネート、ポリフェニレンエーテルなどを含む。
また、ポリスルホン系、ポリイミド、ポリエーテルイミド、ポリエーテルエーテルケトンなども適宜使用できる。特に、アクリル系、が好ましい。
熱硬化性樹脂とは、熱を加えることにより架橋が進み硬化する樹脂を指す。
本発明の接着に用いられる熱硬化性樹脂は、加工後は溶媒に溶けず再加熱しても軟化しないため、熱可塑性樹脂よりも熱硬化性樹脂の方が好ましい。
尿素樹脂・メラミン樹脂・フェノール樹脂、エポキシ樹脂などが代表的に使用でき、メラミン樹脂及びエポキシ樹脂が好ましい。
化学重合性樹脂とは、本来熱硬化性樹脂や熱可塑性樹脂に含まれる樹脂であっても、化学触媒を用いて、重合する樹脂のことである。特に架橋材を含み熱可塑性がないものが好ましい。
本発明の接着に用いられるセラミック接着材は、ケイ酸およびホウ酸を主成分とし、セラミックスの焼成温度以上の耐熱性を有する接着材である。
本発明に求められる接着は、エナメル部分とデンチン部分との全体が接着していることである。したがって、接着層の一部でも接着していない部分があったり、大きな気泡があったりすることは、切削感に影響を与えるため、好ましくない。
CIM技術を用いて、エナメル部分1とデンチン部分2とをそれぞれ射出成形し、これらの射出体をガラスの粉末を介在させて積層した後、脱脂、焼成の工程を経て、デンチン部分およびエナメル部分が接着された焼成体を得ることができる。
エナメル部分とデンチン部分を接着する接着層が厚いと、エナメル部分からデンチン部分に移行する際、異なる切削感を感じる。その結果、天然歯牙と大きく掛け離れた歯牙模型となる。
本発明の顎歯模型用歯牙において、接着材の厚みが1〜500μmであることが好ましい。より好ましくは1〜300μmであり、更に好ましくは、1〜200μmである。また更に、1〜100μmであることが好ましい。
接着厚みを薄くすることで、エナメル部分からデンチン部分に容易に切削が移り、天然歯牙との切削感が近似する。
本発明のデンチン部分を形成するために用いることができる樹脂は、熱硬化性樹脂や熱可塑性樹脂を含む。熱可塑性樹脂または、架橋剤を含んだ樹脂が好ましい。更に、エポキシ樹脂が好ましい。
熱可塑性樹脂とは、熱を加えることにより成形できる程度の熱可塑性を得ることのできる樹脂のことを指す。
本発明のデンチン部分を形成するために用いることができる熱可塑性樹脂は、具体的にはアクリル系、スチレン系、オレフィン系、塩ビ系、ウレタン系、ポリアミド系、ポリブタジエン系、ポリアセタール系、飽和ポリエステル系、ポリカーボネート、ポリフェニレンエーテルなどを含む。特に、アクリル系、スチレン系、ウレタン系、ポリアミド系樹脂が好ましい。
これらの熱可塑性樹脂に架橋剤を混合することにより、熱硬化性樹脂の様に好ましい態様となる。即ち、切削時に発生する熱により溶解しないで、歯牙切削の練習をすることができる。
熱硬化性樹脂とは、熱を加えることにより重合が進み硬化する樹脂を指す。
硬化後は溶媒に溶けず再加熱しても軟化しないため、熱可塑性樹脂よりも熱硬化性樹脂の方が好ましい。
本発明のデンチン部分を形成するために用いることができる熱硬化性樹脂は、尿素樹脂・メラミン樹脂・フェノール樹脂、エポキシ樹脂などを含み、メラミン樹脂及びエポキシ樹脂が好ましい。最も好ましいのはエポキシ樹脂である。
また、これらの樹脂に切削感向上のために、無機または有機粉末を混合したコンポジットを利用することができる。
無機粉末とは、セラミック、ガラスを中心とした平均粒子径1.0〜100μmのものであり、特に組成は限定されない。好ましい平均粒径は1.0〜30μmである。また、微粒子フィラーを混合することができる。
具体的な無機粉末は石英、無定形シリカ、クレー、酸化アルミニウム、タルク、雲母、カオリン、ガラス、硫酸バリウム、酸化ジルコニウム、酸化チタン、窒化ケイ素、窒化アルミニウム、窒化チタン、炭化ケイ素、炭化ホウ素、炭化カルシウム、ヒドロキシアパタイト、リン酸カルシウム等の無機物、具体的な有機粉末はポリメチルメタクリレート、ポリエチルメタクリレート、ポリ塩化ビニル、ポリスチレン、ポリエステル、ナイロン等の高分子またはオリゴマー等の有機物;および有機−無機の複合物等が好適に使用できる。
これらの粉末は単独または2種以上を使用しても何等問題はない。またこれらの粉末は、公知として用いられているチタネートカップリング剤、アルミネートカップリング剤やシランカップリング剤で表面処理したものを使用するのがより好ましい。混合割合は、必要に応じて適宜選択でき、例えば1〜95%の割合となる範囲から選べばよい。好ましくは60〜90%である。
これら無機粉末、有機粉末の平均粒子径は、0.1〜30μm、好ましくは1.0〜10μm、更に好ましくは1.0〜5.0μmである。
デンチン部分を形成するセメント材は、粉液混合により硬化が進行するもので、ポリアクリル酸とアルミノシリケートとを主成分とするものがある。
天然歯はX線造影性を有するが、無機焼成体などで形成された歯牙模型にはX線造影性を有しないため、エナメル部分やデンチン部分にX線造影性を付与することは好ましい。X線造影性はSrO、BaO、ZnO、ZrO、Laおよび他の重金属元素酸化物を含有させることにより達成することができる。
デンチン部分にX線造影性を持たせることにより、X線撮影で窩洞形状の状態を後で確認することができる。切削後の評価に良いものである。エナメル部分とデンチン部分のX線造影力を配合金属により変えることにより、エナメル及びデンチンを切削した折に切削状況を掴むことができる。
無機粉末の焼成体を構成する焼結粒子間に空隙部分が存在し、本発明の顎歯模型用歯牙は、この空隙部分に水溶性材料、熱溶解性材料または有機系材料を含浸させることに特徴がある。
本発明の空隙部分に含浸させる水溶性材料として、空隙部分に含浸させることができる水溶性の高分子であれば特にこだわり無く使用することができる。多糖類、タンパク質の内少なくとも一つ以上であることが好ましい。好ましくはタンパク質である。
水溶性材料を含浸させた場合、注水や水を予め含浸させることにより効果を発揮する。
多糖類としてはデキストリン、グリコーゲン、セルロース、ペクチン、コンニャクマンナンとグルコマンナン、アルギン酸が好ましい。好ましくはセルロース、ペクチン、コンニャクマンナンとグルコマンナンである。ある程度の粘性が必要であるからである。
タンパク質としては約20種類の L-α-アミノ酸からなるポリペプチドを主体とする高分子化合物であればよい。組成の上から、アミノ酸だけからなる単純タンパク質と、核酸・リン酸・脂質・糖・金属などを含む複合タンパク質を用いることが好ましい。更に好ましいのはゼラチン、寒天系、コラーゲンとエラスチンである。また更に好ましくはゼラチン、寒天系である。水にどんどん溶けるのでなく、焼成体の空隙部分で形状を保つ必要があるからである。
本発明の空間部分に含浸させる熱溶解性材料して、ワックス系を用いる事ができる。
熱溶解性材料を含浸透させた場合、切削時に発生する摩擦熱で溶解することにより効果を発揮する。ワックス系としては水を利用しなくとも、多糖類やたんぱく質と同じ様な効果を示すものであり、注水設備が無いところでも簡単に歯牙研削練習を行なうことができる。
ワックス系の組成としては、天然ワックス、合成ワックス両方用いることができる。天然ワックスとは、動植物ワックス、鉱物ワックス、石油ワックス等が代表される。合成ワックスとは、配合ワックスやポリエチレンワックス等を用いることができる。好ましくはパラフィンワックスである。ワックス系には油脂も含まれる。油脂とは脂肪酸のグリセリンエステルである。水に溶けず、アルコールなどに溶ける。常温(37℃、大気圧)で固体の脂肪であることが好ましい。植物性の木蝋(もくろう)、動物性の牛脂・豚脂などがある。具体的にはラウリン酸、ミリスチル酸、パルミチン酸、ベヘニン酸、ステアリン酸、生体から抽出した油脂などを利用することができ、生体から抽出した油脂が好ましい。特に、豚由来、牛由来の脂肪が好ましい(代表として、ラード、ヘットなどがある)。
含浸時に界面活性剤を混合することで、含浸を手助けすることができる。即ち、焼成体の空隙部分にこれらの水溶性材料または熱溶解性材料を含浸させるためには界面活性剤の助剤は重要な役目をする。
界面活性剤は水溶性材料として用いることもできる。
界面活性剤は陰イオン系、非イオン系、陽イオン系、両性イオン系など適宜用いることができる。好ましくは陰イオン系、非イオン系である。
陰イオン系としては、脂肪酸塩(セッケン) C11H23COONa、アルファスルホ脂肪酸エステル塩(α-SFE) C10H21-CH(SO33Na)COOCH3、アルキルベンゼンスルホン酸塩(ABS) C12H25-(C6H4)SO3Na、アルキル硫酸塩(AS)[高級アルコール系] C12H25-OSO3Na、アルキルエーテル硫酸エステル塩(AES) C12H25-O(CH2CH2O)3SO3Na、アルキル硫酸トリエタノールアミン C12H25-OSO3 -+NH(CH2CH2OH)3等が用いられる。
非イオン系としては、脂肪酸ジエタノールアミド C11H23-CON(CH2CH2OH)2、ポリオキシエチレンアルキルエーテル(AE) C12H25-O(CH2CH2O)8H、ポリオキシエチレンアルキルフェニルエーテル(APE) C9H19-(C6H4)O(CH2CH2O)8H等が用いられる。
陽イオン系としてはアルキルトリメチルアンモニウム塩 C12H25-N+(CH3)3・Cl-、ジアルキルジメチルアンモニウムクロリド C12H25-N+(C8H17)(CH3)2・Cl-、アルキルピリジニウムクロリド C12H25-(N+C5H5)・Cl-等が用いられる。
両性イオン系としては、アルキルカルボキシベタイン[ベタイン系] C12H25-N+(CH3)2・CH2COO-等が用いられる。
水溶性材料または熱溶解性材料を含浸する方法を以下に示す。
含浸させる水溶性材料または熱溶解性材料をビーカーに入れ、適当な温度になるように加温して、粘度を下げる。適度の界面活性剤を入れる。粘度が下がった所で、セラミック焼成体を投入し、真空デシケータ中に設置する。真空デシケータ中の空気を抜いていき、セラミック焼成体中の空気を外へ出していく、減圧が進むにつれて、焼成体表面に空気に泡が出てきて内部の空気が抜けた事が分かる。様子を見て、空気が出たところでデシケータに空気を静かに戻すことで含浸する。
本発明の空間部分に含浸させる有機系材料は、熱硬化性樹脂や熱可塑性樹脂、架橋剤を含んだ樹脂の内少なくとも一つ以上である事が好ましい。
本発明に用いられる含浸させる樹脂は熱硬化性樹脂や熱可塑性樹脂を用いることができる。熱硬化性樹脂または架橋剤を含んだ樹脂が好ましい。更に、エポキシ樹脂が好ましい。
本発明の顎歯模型用の歯牙において、デンチン部分2の内部に歯髄部分4を形成する方法は、次の工程を含む。
(1)燃焼性材料を用いて歯髄形状の型を成形する燃焼性歯髄型作製工程、
(2)歯牙金型中の所定の位置に燃焼性歯髄型を設置する金型設置工程、
(3)無機粉末とバインダを歯牙金型中に射出し無焼成射出体を得る射出工程、
(4)無焼成射出体を焼成して、内部に歯髄形状の空間を有する焼成体を得る焼成工程、および
(5)焼成体内部の歯髄形状の空間に、樹脂、シリコーンゴム、ワックスまたは水溶性材料を充填する歯髄作製工程。
「燃焼性材料を用いて歯髄形状に成形した燃焼性歯髄型を成形する焼成性歯髄作製工程」とは、歯牙の歯髄形状を形成する為に歯牙の焼成時に、燃焼する材料にて事前に歯髄形状を形成する工程である。
無機材料で作製される歯牙は焼成工程を経る為、焼成時に燃焼材料で空間を設け、後に歯髄に適した材料で埋めることで歯牙を完成させる。その為の歯髄形状作製工程である。
「歯牙金型中の所定の位置に燃焼性歯髄型を設置する金型設置工程」とは、燃焼性歯髄型を金型に設置する工程である。事前に成形しておいた燃焼性歯髄型を金型中に設置しても良いし、連続的にその場で成形した燃焼性歯髄型を歯牙形状の金型に入れなおしてもどちらでも良い。
「無機粉末とバインダを歯牙金型中に射出し無焼成射出体を得る射出工程」とは、燃焼性歯髄型を設置した歯牙金型に加熱混合した歯牙組成の無機粉末とバインダを射出する工程である。本工程では燃焼性歯髄型が細い為に、注意して射出しなければならない。
本発明において、歯牙は、エナメル部分とデンチン部分とに別れているので、デンチン部分のみを形成するが、本発明を応用して、歯牙を一体成型する場合にもこの工程を適用できる。
「無焼成射出体を焼成して、内部に歯髄形状の空間を有する焼成体を得る焼成工程」とは、射出工程で得られた無焼成歯牙を焼成する工程である。ガラス分が多い場合、800〜1200℃の焼成温度が好ましく、アルミナの場合、1200〜1600℃の焼成温度が好ましく、1400〜1550℃の焼成温度がより好ましい。この時に、燃焼性歯髄型は焼失して、歯髄形状の空間が形成される。
「焼成体内部の歯髄形状の空間に、樹脂、シリコーンゴム、ワックスまたは水溶性材料を充填する歯髄作製工程」とは、この焼成された歯髄の空間部分に樹脂、シリコーンゴム、ワックス、水溶性材料にて擬似歯髄を設ける工程である。作製方法は、注射器のようなもので充填する方法や、擬似歯髄材料中に包埋し、真空容器に入れ、真空にすることで焼成体の歯髄部分に満たす方法もある。
燃焼性材料とは、歯髄形状に作れ、歯牙を形成するときの射出圧や温度にて変形せずに、歯牙の焼成時に燃焼して歯髄形状の空間を作り出せるものであれば良い。具体的には樹脂であり、特に好ましくは熱硬化性樹脂である。具体的には尿素樹脂・メラミン樹脂・フェノール樹脂、エポキシ樹脂などや、アクリル系、スチレン系樹脂を架橋して用いても良い。
本発明の顎歯模型用歯牙のセラミックス焼成体中の歯髄部分の樹脂は、弾性樹脂、発泡樹脂、熱硬化性樹脂や熱可塑性樹脂、架橋剤を含んだ樹脂の内少なくとも一つ以上が含まれる。好ましくは弾性樹脂、発泡樹脂である。
本発明に用いられる歯髄部分の樹脂は熱硬化性樹脂や熱可塑性樹脂を用いることができる。熱硬化性樹脂または架橋剤を含んだ樹脂が好ましい。更に、エポキシ樹脂が好ましい。
本発明に用いられる歯髄部分の熱可塑性樹脂は、具体的にはアクリル系、スチレン系、オレフィン系、塩ビ系、ウレタン系、ポリアミド系、ポリブタジエン系、ポリアセタール系、飽和ポリエステル系、ポリカーボネート、ポリフェニレンエーテル、ゴム、ビニル系、ポリ酢酸ビニルなどを含む。特に、ウレタンやゴムなどの弾性樹脂、発泡樹脂が好ましい。
本発明に用いられる歯髄部分の熱硬化性樹脂は、尿素樹脂・メラミン樹脂・フェノール樹脂、エポキシ樹脂などを含み、メラミン樹脂及びエポキシ樹脂が好ましい。最も好ましいのはエポキシ樹脂である。
化学重合性樹脂であることが好ましい。焼成体の粒子の空間部分に樹脂が含浸し容易に硬化できるためである。
化学重合性樹脂とは、本来熱硬化性樹脂や熱可塑性樹脂に含まれる樹脂であっても、化学触媒を用いて、重合する樹脂のことである。特に架橋材を含み熱可塑性がないものが好ましい。
本発明の顎歯模型用歯牙のセラミックス焼成体中の歯髄部分のシリコーンゴムは、何ら制限無く使用できる。その他の使用できるゴム材料として、クロロスルホン化ポリエチレンゴム:ハイパロンゴム、フッ素ゴム、イソブテンイソプレンゴム:ブチルゴム、天然ゴム、アクリロニトリルブタジエンゴム:ハイカー、ウレタンゴム、エチレンプロピレンゴム、スチレンブタジエンゴム、クロロプレンゴム:ネオプレン等が例示される。ゴム高度(デュロメータ(JIS K 6253))10〜70、好ましくは20〜50である。
本発明の顎歯模型用歯牙のセラミックス焼成体中の歯髄部分のワックスは、動物由来のワックス(蜜蝋、鯨蝋、セラック蝋、その他 )、植物由来のワックス(カルナバ蝋、木蝋、米糠蝋(ライスワックス)、キャンデリラワックス)、 石油由来のワックス(パラフィンワックス、マイクロクリスタリンワックス)、鉱物由来のワックス(モンタンワックス、オゾケライト)、合成ワックス(フィッシャートロプシュワックス、ポリエチレンワックス、油脂系合成ワックス(エステル、ケトン類、アミド)、水素化ワックス)などを用いることができる。好ましくは、石油由来のワックスであり、特にパラフィンワックスが好ましい。
本発明の顎歯模型用歯牙のセラミックス焼成体中の歯髄部分の水溶性材料は、多糖類、タンパク系の内少なくとも一つ以上を含むものである。水溶性材料は注水や水を予め含浸させることにより効果を発揮する事ができる。好ましくはたんぱく質である。
水溶性材料として親水性ポリマーも好ましい。例えば、天然由来の半合成のカルボキシメチルセルロース(CMC)、メチルセルロース(MC)等のセルロース誘導体から、ポリビニルアルコール(PVA)、ポリアクリル酸系ポリマー、ポリアクリルアミド(PAM)、ポリエチレンオキシド(PEO)等の合成系の水溶性高分子を利用することができる。
多糖類としてはデキストリン、グリコーゲン、セルロース、ペクチン、コンニャクマンナンとグルコマンナン、アルギン酸が好ましい。好ましくはセルロース、ペクチン、コンニャクマンナンとグルコマンナンである。ある程度の粘性が必要であるからである。
タンパク系としては約20種類の L-α-アミノ酸からなるポリペプチドを主体とする高分子化合物であればよい。組成の上から、アミノ酸だけからなる単純タンパク質と、核酸・リン酸・脂質・糖・金属などを含む複合タンパク質を用いることが好ましい。更に好ましいのはデンプン、ゼラチン、寒天系、コラーゲンとエラスチンである。また更に好ましくはゼラチン、寒天系である。水にどんどん溶けるのでなく、歯髄形状を保つ必要があるからである。
本発明では、歯牙部分がエナメル部分とデンチン部分とに別れているが、本発明を応用して、歯牙部分を一体成形し、歯髄のみを樹脂、シリコーンゴム、ワックス、水溶性材料で作製することができる。
天然歯において、齲蝕は食物残渣が多く残る箇所に発生し易く、主に、咬合面、歯間部および歯頸部(歯冠と歯根の境界部分)に発生する。また、齲蝕は、エナメル質よりもデンチン質で進行し易い。
歯冠は、エナメル質で形成されているが、咬合面の小窩裂溝は完全に清掃することが困難であり、また、エナメル質が薄い箇所があるので、デンチン質へ齲蝕が進行し易い。
歯頸部において、デンチン質はエナメル質から露出しているため、齲蝕が進行し易い。
本発明の顎歯模型用の歯牙において、エナメル部分とデンチン部分の間もしくはその辺縁または歯牙表面のエナメル部分とデンチン部分の移行部分周辺のデンチン側に擬似齲蝕部分を形成することができる。
擬似齲蝕部分は、咬合面または歯頸部におけるエナメル部分とデンチン部分の境界周辺に設けることが好ましい。特に、エナメル部分よりもデンチン部分に設けることが好ましい。
例えば、疑似齲蝕部分を咬合面に設ける場合、エナメル部分よりもデンチン部分に大きく形成することが好ましい。この場合、小窩裂溝齲蝕の再現となる。
また、擬似齲蝕部分を歯頸部に設ける場合、歯牙表面のエナメル部分とデンチン部分の移行部分周辺のデンチン部分側に設けることが好ましい。この場合は歯根部の根面齲蝕の再現となる。
擬似齲蝕部分は無機粉末、樹脂またはコンポジットから作製される。エナメル部分、デンチン部分、擬似齲蝕部分の順番に切削しやすくなることが好ましい。
具体的な組合せとしては、エナメル部分及びデンチン部分が無機焼成体で擬似齲蝕部分が樹脂またはコンポジット、エナメル部分が無機焼成体でデンチン部分がコンポジットで擬似齲蝕部分が樹脂またはデンチン部分より切削しやすいコンポジット、エナメル部分がコンポジットでデンチン部分がエナメル部分より切削しやすいコンポジットで擬似齲蝕部分が樹脂またはデンチンより切削しやすいコンポジットである。
擬似齲蝕部分に用いられる無機粉末、樹脂またはコンポジットはエナメル部分、デンチン部分と同一の組成を利用することができる。
擬似齲蝕部分に着色材料、蛍光材料、X線造影材料の何れか一つ以上を含むことを特徴とする顎歯模型用歯牙である。
擬似齲蝕部分に着色材料を添加することが好ましい。染料でも、顔料でもよい。着色により齲蝕部位を目で確認でき、容易に切削することができる。好ましくは、濃い色がよく特に黒色の着色材が好ましい。
着色材は、蛍光剤またはX線造影材を組み合わせることも好ましい。
擬似齲蝕部分に蛍光材を添加することが好ましい。更に好ましくは蛍光材がUV励起型蛍光材であり、また更にUV励起型蛍光顔料であることは好ましい。通常の切削時において、蛍光を発せず、ブラックライトで蛍光を発して確認することができる。
蛍光材としては大手メーカのARBROWN CO., LTD.社などが販売している蛍光材が使用できる。
また、シンロイヒ株式会社が販売している蛍光顔料など、母材の樹脂などに分散し蛍光を発するものであれば特に限定することなく利用できる。
UV励起型蛍光材の種類としては、UV励起タイプの有機系蛍光顔料または無機系蛍光顔料を利用することができる。
擬似齲蝕部分にX線造影性を付与することは好ましい、X線造影性はSrO、BaO、ZnO、ZrO、Laおよび他の重金属元素酸化物等のX線造影材を含有させることにより達成することができる。
擬似齲蝕部分にX線造影性を持たせることにより、齲蝕除去状態を治療練習後にX線撮影にて確認することができる。切削後の評価に良いものである。
擬似齲蝕部分にX線造影材を付与することは好ましい、X線造影材はSrO、BaO、ZnO、ZrO、Laおよび他の重金属元素酸化物等のX線造影材を含有させることにより達成することができる。好ましくはSrO、BaO、ZnO、ZrO、La、更に好ましくはZnO、ZrOである。
着色剤や蛍光材、X線造影材の平均粒子径は、0.1〜30μm、好ましくは1.0〜10μm、更に好ましくは1.0〜5.0μmである。また、着色剤や蛍光材、X線造影材は染料でもよい。
擬似齲蝕部分をエナメル部分およびデンチン部分と同一の組成を用いる場合であっても、着色剤や蛍光材などを用いて判別できる状況であれば問題は無い。色調にて齲蝕部分を判断する練習となる。
擬似齲蝕部分をエナメル部分およびデンチン部分と異なる組成を用いる場合であっても、切削感で見分ける練習の為に、デンチン色やエナメル色とほぼ同じ色として、蛍光剤またはX線造影材を用いることも好ましい。
擬似齲蝕部分がデンチン部分やエナメル部分と異なる材質で作製されている場合であって、擬似齲蝕部分に蛍光剤またはX線造影材を組み合わせることにより材質の異なる感覚を中心に歯牙を切削し、齲蝕部分を取り除く練習が可能である。後にブラックライトやX線撮影を利用して、齲蝕が完全に除去できているかどうかを確認することができる。
エナメル部分1またはデンチン部分2に、無機粉末、樹脂またはコンポジットに着色材料、蛍光材料、X線造影材料の何れか一つ以上を混合して作製した齲蝕部再現材を付着または、エナメル部分1またはデンチン部分2に設けた空洞に注入することにより、擬似齲蝕部分5を再現することができる。
エナメル部分1またはデンチン部分2に、着色材料、蛍光材料、X線造影材料の何れか一つ以上を含む齲蝕部再現材を塗布もしくは含浸させる事により、齲蝕部分を再現することができる。例えば、着色剤や蛍光材、X線造影材などを溶媒に分散させ、デンチンに含浸させ、擬似齲蝕部分とすることができる。この方法は容易に擬似齲蝕部分を作製することができて好ましい。
次に本発明の顎歯模型用歯牙作製方法について以下で説明する。
(エナメル部分が無機粉末焼成体、デンチン部分がコンポジットの場合)
エナメル部分形状に成型したAl(平均粒子径0.5μm)粉末焼成体のデンチン側の一部に、コンポジット(カーボンブラック5%、酸化亜鉛10%、UV励起タイプの無機系蛍光顔料30%、エポキシ55%、触媒少量)の齲蝕部再現材を塗りつけ硬化させ、歯牙形態金型に設置し、コンポジット(酸化チタン5%、シリカ粉末(5μm)70%、エポキシ25%、触媒少量)のデンチン部分を押し込み顎歯模型用歯牙を作製した。
(エナメル部分とデンチン部分が共にコンポジットの場合)
コンポジット(酸化チタン5%、シリカ粉末(5μm)70%、エポキシ25%、触媒少量)をエナメル形状に成型し、デンチン側の一部に、コンポジット(カーボンブラック5%、酸化亜鉛10%、UV励起タイプの無機系蛍光顔料30%、エポキシ55%、触媒少量)の齲蝕部再現材を塗りつけ硬化させ、歯牙形態金型に設置し、コンポジット(酸化チタン5%、シリカ粉末(5μm)70%、エポキシ25%、触媒少量)のデンチン部分を押し込み、顎歯模型用歯牙を作製した。
エナメル部分の成型やデンチン部分の成型は射出成形で行うことが好ましい。
(エナメル部分とデンチン部分が共に無機粉末焼成体の場合)
デンチン部分形状及びエナメル部分形状に成型したAl(平均粒子径5μm)粉末焼成体を作製し、デンチン部分のエナメル歯冠の中に入る一部に、コンポジット(カーボンブラック5%、酸化亜鉛10%、UV励起タイプの無機系蛍光顔料30%、エポキシ55%、触媒少量)の齲蝕部再現材を塗りつけ硬化させ、デンチン部分及びエナメル部分をエポキシ樹脂で接着させて、形状顎歯模型用歯牙を作製した。
エナメル部分とデンチン部分を一体成型もしくは一体となした後に、擬似齲蝕部分を設けるときは、擬似齲蝕部分に空洞を設け齲蝕部分まで孔を開けた歯牙を作製し齲蝕部再現材を注入して作製することができる。エナメル部分からデンチン部分までの厚みが薄い部分に小さな穴を開け、齲蝕部再現材を注入する孔としても良い。この薄い部分は天然歯では窩と呼ばれ、齲蝕の発現部分となりやすく、より再現性の取れた歯牙となり好ましい。この孔は歯間部分で有っても好ましい。前歯などでは隣接歯との間で齲蝕が発生しやすく、再現性の取れた歯牙となり好ましいからである。
これらの方法以外に多くの組合せを実施することができる。簡単な組合せを以下に示す。
エナメル部分、デンチン部分、擬似齲蝕部分の組合せ表として、表1に示す。
Figure 0005216578
この組合せ表の説明をする。上の表に示されている各数字は、下の表で示されている数字である。下の表に示している通り、エナメル部分を「1」と表示し、デンチン部分を「2」と表示し、擬似齲蝕部分を「3」と表示している。
組合せ1ではエナメル部分、デンチン部分、擬似齲蝕部分のすべてが無機粉末焼成体で作製されている。また、上で示した様にエナメル部分、デンチン部分、擬似齲蝕部分という順に軟かくなる(切削しやすい)ことが好ましい。例えばアルミナ粉末で作製する場合はエナメル部分の組成が一次粒子0.1μm、歯牙デンチン部分の組成が一次粒子径2μm、擬似齲蝕部分の組成が一次粒子径5μmと粗くすることで焼成体は切削しやすく構成でき、切削過程で齲蝕を検知することができる。
組合せ2ではエナメル部分、デンチン部分が無機粉末焼成体で作製されている。擬似齲蝕部分がコンポジットで作製されている。また、上で示した様にエナメル部分、デンチン部分の順に軟かくなることが好ましい。
組合せ3は、組合せ2の擬似齲蝕部分が熱硬化性樹脂または架橋剤入り熱可塑性樹脂で作製されている。組合せ2、組合せ3共に好ましい組合せである。
他の組合せも同様に、無機粉末焼成体、コンポジット、"熱硬化性樹脂、架橋剤入り熱可塑性樹脂"、熱可塑性樹脂、デンチン部分に含浸(*)から、エナメル部分、デンチン部分、擬似齲蝕部分の好ましい材質を選んだ。
”デンチン部分に含浸(*)”は擬似齲蝕部分のみの対応で、作製したデンチン部分に着色材料、蛍光材料、X線造影材料を含浸して作製する。この方法はデンチン部分と削りやすさなどで差を付けることができないが、歯牙組成が無機粉末焼成体である場合などは従来の歯牙模型に比べて、天然歯に近い切削の練習ができる。
擬似齲蝕部分がエナメル部分、デンチン部分より軟かくなる(切削しやすい)ことが好ましい。エナメル部分、デンチン部分、擬似齲蝕部分という順に軟かくなる(切削しやすい)ことが好ましい。齲蝕切削を研削材の感覚で判断する練習になるからである。
また、エナメル部分は無機粉末焼成体、コンポジット、"熱硬化性樹脂、架橋剤入り熱可塑性樹脂"が好ましく、更に無機粉末焼成体、コンポジットが好ましく、また更に無機粉末焼成体が好ましい。エナメル質と切削感覚が近似している硬質であることが好ましい。
デンチン部分は無機粉末焼成体、コンポジット、"熱硬化性樹脂、架橋剤入り熱可塑性樹脂"、熱可塑性樹脂が好ましく、更に無機粉末焼成体、コンポジット、"熱硬化性樹脂、架橋剤入り熱可塑性樹脂"が好ましく、更に無機粉末焼成体、コンポジットが好ましく、また更に無機粉末焼成体が好ましい。デンチン質と感覚が似ているからである。熱可塑性樹脂は一応使用に耐える程度である。切削時に軟化することも少なくない。
擬似齲蝕部分は"熱硬化性樹脂、架橋剤入り熱可塑性樹脂"、熱可塑性樹脂、”デンチン部分に含浸”等が実施でき、"熱硬化性樹脂、架橋剤入り熱可塑性樹脂"、熱可塑性樹脂、が好ましい。含浸させただけでは、切削感覚が変わらないので、切削感覚を異にする練習に用いる事ができない。
歯牙形体のエナメル部分とデンチン部分のメス型の金型を掘り出し、目的形状を射出成形できる金型を作製した。エナメル部分もデンチン部分も成形後、脱脂、焼成により収縮が発生する為、その部分を事前に大きく計算して金型を作製した。材料ごとに金型を調整して実施した。
[第1の態様の顎歯模型用歯牙の作製]
(実施例1)
エナメル部分の原料としてのCIM用アルミナ ペレット(Alが26%、SiOが44%、平均粒径0.25μm、ステアリン酸30%)1kgを用いて、歯牙形体の金型に、射出成形し射出体を得た。
作製されたエナメル部分の形をした射出体を、脱脂、焼成(1300度、係留時間10分)として焼成体1−1を得た。
デンチン部分の原料としてのCIM用アルミナ ペレット(Alが26%、SiOが44%、平均粒径3.0μm、ステアリン酸30%)1kgを用いて、歯牙形体の金型に、射出成形し射出体を得た。
作製されたデンチン部分の形をした射出体を、脱脂、焼成(1000度、係留時間10分)として焼成体1−2を得た。
エナメル部分の原料としてのCIM用アルミナ ペレット(Alが68%、SiOが2%、平均粒径0.3μm、ステアリン酸30%)1kgを用いて、歯牙形体の金型に、射出成形し射出体を得た。
作製されたエナメル部分の形をした射出体を、脱脂、焼成(1550度、係留時間10分)として焼成体2−1を得た。
デンチン部分の原料としてのCIM用アルミナ ペレット(Alが68%、SiOが2%、平均粒径5.0μm、ステアリン酸30%)1kgを用いて、歯牙形体の金型に、射出成形し射出体を得た。
作製されたデンチン部分の形をした射出体を、脱脂、焼成(1400度、係留時間15分)として焼成体2−2を得た。
得られた焼成体1−1、1−2、2−1、2−2のエナメル部分とデンチン部分を各種の接着材で接合した焼成体1、2の切削感を確認した。焼成体はそれぞれ30個作製し試験を行なった。
(エポキシ樹脂)
触媒を添加したエポキシ樹脂を作製したエナメル部分とデンチン部分の界面に塗り接着した。72時間放置後、ダイヤモンドバーで切削感を確認した。
(セラミック接着材)
セラミック接着材を作製したエナメル部分とデンチン部分の界面に塗り接着した。72時間放置後、ダイヤモンドバーで切削感を確認した。
(セメント材料)
粉液混練タイプのセメントで、イオン性ポリマーとガラスを反応させて硬化するタイプのセメント材料を用いた。エナメル部分とデンチン部分の界面に塗り接着した。72時間放置後、ダイヤモンドバーで切削感を確認した。
(α-シアノアクリレートモノマー系接着材)(略称:α接着材)
登録商標アロンアルファーとして売られている接着材で、エナメル部分とデンチン部分の界面に塗り接着した。72時間放置後、ダイヤモンドバーで切削感を確認した。
Figure 0005216578
A:天然歯同様に良好な結果であった。
B:十分に接着していることは確認できたが、一部チッピングが発生した。
焼成体1に比べて焼成体2の方がデンチン部分及びエナメル部分双方とも天然歯牙の切削感と近かった。
切削に関しては両者良好な状況であった。セメント材料やα接着剤はチッピングが見られたものの、天然歯牙と同様な切削感を得られた。
(比較例1)
歯牙形体のエナメル部分とデンチン部分のメス型の金型を掘出し、目的形状を作製した。
比較例1では二層構造にできる射出成形金型を作製し、デンチン部分とエナメル部分を成形した成形体を得られる様にした。
エナメル部分の原料としてのCIM用アルミナ ペレット(Alが26%、SiOが44%、平均粒径0.25μm、ステアリン酸30%)1kgを用いて、歯牙形体の金型に、射出成形した。
デンチン部分の原料としてのCIM用アルミナ ペレット(Alが26%、SiOが44%、平均粒径3.0μm、ステアリン酸30%)1kgを用いて、エナメル部分に続いて歯牙形体の金型に、射出成形し射出体を得た。
作製された歯牙の形をした射出体を、脱脂、焼成(1100度、係留時間10分)として焼成体3を得た。焼成体は30個作製し試験を行なった。
エナメル部分の原料としてのCIM用アルミナ ペレット(Alが68%、SiOが2%、平均粒径0.3μm、ステアリン酸30%)1kgを用いて、歯牙形体の金型に、射出成型した。
デンチン部分の原料としてのCIM用アルミナ ペレット(Alが68%、SiOが2%、平均粒径5.0μm、ステアリン酸30%)1kgを用いて、エナメル部分に続いて歯牙形体の金型に、射出成形し射出体を得た。
作製された歯牙の形をした射出体を、脱脂、焼成(1500度、係留時間15分)として焼成体4を得た。焼成体は30個作製し試験を行なった。
焼成体3および4は、収縮率の違いから、エナメル部分とデンチン部分との境に亀裂が見られ、多くの物は接着されていなかった。切削途中に破折やチッピングが見られた。
(実施例2)
ペレット作製時のバインダ量が焼成体の収縮率に与える影響を見るために、ステアリン酸の量を18%とする以外は、比較例1と同様にして、焼成体5および6を作製した。
焼成体5および6は、エナメル部分とデンチン部分とが十分に接着されていて、デンチン部分及びエナメル部分双方とも天然歯牙の切削感と近かった。
デンチン部分とエナメル部分の熱膨張や焼成時の収縮が異なることから発生する切削途中の破折やチッピングは、ペレット作製時のバインダ量を制御することによって、解消することができることが分かった。
(実施例3)
実施例1と同じ様に作製して得られた焼成体1−1、1−2、2−1、2−2のエナメル部分とデンチン部分とを低融点ガラス粉末を用いて焼成して接合して切削感を確認した。
ガラス粉末にヘラウス社製のIP9021(低融点ガラス、575℃焼成)を用いた場合を焼成体7、IP9049(低融点ガラス、610℃焼成)を用いた場合を焼成体8とした。
Figure 0005216578
A:天然歯同様に良好な結果であった。
B:十分に接着していることは確認できたが、一部チッピングが発生した。
C:従来の歯牙より優れている。
接着性について、デンチンとエナメルは接着して一体となった。天然歯に近い切削感は得られたが、接着界面での割れが発生した。十分に接着していることは確認できたが、一部チッピングが発生した。接着材のガラスが界面全体に行届かなかったことから、接着していない面ができ、その部分がチッピング等を起こしたと思われる。
焼成体7、8は焼成により、ガラス質が溶け、デンチン部分とエナメル部分が接着されたが、切削時に界面のガラス部分に亀裂が入り、ガラス質の接着層から剥離やチッピングが発生した。
実施例1の様に接着性やチッピングなどに課題を残すものの、切削感については多大な効果があった。
(実施例4)
実施例1と同じ様に作製して得られた焼成体1−1、1−2、2−1、2−2のエナメル部分とデンチン部分をエポキシ樹脂、セラミック接着材、セメント材料、α接着材を用いて接合して切削感を確認した。但し、膜厚を制御する為に700μm、400μm、350μm、250μm、150μm、50μm、20μmのアルミナ粉末を各接着材3%混合してエナメル部分とデンチン部分膜厚を制限した。
接着層の厚みを規定した歯牙を作製した後、切断して接着層を顕微鏡で測定した。各接着層の厚みの規定の為の用いたアルミナ粉末よりも数十ミクロン厚く作製されていることを確認した。
Figure 0005216578
EX:極めて、天然歯同様に良好な結果であった。
A:天然歯同様に良好な結果であった。
B:十分に接着していることは確認できたが、一部チッピングが発生した。
C:従来の歯牙より優れている。
接着材の種類にもよるが、混合するアルミナ粉末の粒径が700μmを超えると、切削時に接着層の切削感を感じる傾向が強かった。500μ以下程度であれば、切削練習に使用できると思われる。更に接着層が薄くなるにつれて、接着材の切削感を感じなくなった。また、接着材の種類にも関連するが、500μm以下から大きく接着材の切削感を感じなくなった。更に、300μm以下からチッピングも少なくなり、接着も強固になっていると感じられた。更に、200μm以下では接着も十分に行なわれ、マージン部分も違和感無く切削できた。また、100μm以下から接着をしているという感覚が薄れ、違和感無くエナメル層からデンチン層へ移行した。
(実施例5)
一次粒子径3.0μmのAl粉末700gとステアリン酸300g(30%)を加温混練し、デンチン形状の金型に射出した。射出した成形体を600℃3時間にて脱脂し、1400℃で焼成した。焼成温度での係留時間は15分とした。自然放冷した結果、デンチン部分が完成した。
一次粒子径0.3μmのAl粉末700gとステアリン酸300g(30%)を加温混練し、エナメル形状の金型に射出した。射出した成形体を600℃3時間にて脱脂し、1500℃で焼成した。焼成温度での係留時間は15分とした。自然放冷した結果、エナメル部分が完成した。
完成したエナメル部分とデンチン部分とをエポキシ樹脂で接着して完成とした。試験結果を表6に示す。試験には歯科用ダイヤモンドバーを用いた。
(実施例6〜10、比較例2〜6)
実施例5に倣い、実施例6〜10、比較例2〜6を行なった。実施例5と異なる点を表5に示し、試験結果を表6に示す。
Figure 0005216578
Figure 0005216578
(切削性、支台歯成形性、窩洞成形性の評価は、天然歯との近似性で行っている。A:良好、B:普通、C:不良)
デンチンエナメル移行性とは、デンチン部分とエナメル部分の界面を研削材が移行する折の切削感を意味し、デンチンエナメル移行性が天然歯に近似しているかどうかを確認した。
実施例5〜10は、成形性、切削性、支台歯形成性、窩洞形成性、デンチンエナメル移行性、共に良好に作製できた。
比較例2は、焼成温度が低い為に十分な焼成が行なわれず、全体として柔らかな切削感となった。
比較例3は、焼成温度が高い為に過剰な焼成が行なわれ、全体として硬い切削感となった。切削時に小さなチッピング(割れ)が見られた。
比較例4は、エナメル部分が軟かく、デンチン部分が硬くなった。天然歯の切削感と大きくかけ離れた。
比較例5は、エナメル部分デンチン部分共に柔らかくなった。天然歯の切削感と大きくかけ離れた。
比較例6は、エナメル部分デンチン部分共に比較例5よりは硬くなった。天然歯の切削感と大きくかけ離れた。
(実施例11〜15、比較例7〜11)
デンチン部分およびエナメル部分を同一組成で実施した実施例および比較例を以下で示す。成形方法は実施例5に従い表7の条件で実施した。金型は歯牙の金型を用いた。試験結果を表8に示す。
Figure 0005216578
Figure 0005216578
(切削性、支台歯成形性、窩洞成形性の評価は、天然歯との近似性で行っている。A:良好、B:普通、C:不良)
実施例11〜15は、成形性、切削性、支台歯形成性、窩洞形成性、共に良好に作製できた。
デンチンエナメル移行性については一体成形であるため見られないが、口腔内の治療の練習として十分に耐え得るものであった。
比較例7は、焼成温度が低い為に十分な焼成が行なわれず、全体として柔らかな切削感となった。
比較例8は、焼成温度が高い為に過剰な焼成が行なわれ、全体として硬い切削感となった。切削時に小さなチッピング(割れ)が見られた。
比較例9は、軟かくなった。天然歯の切削感とかけ離れた。
比較例10は、比較例9よりも柔らかくなった。天然歯の切削感と大きくかけ離れた。
比較例11は、比較例10よりは硬くなった。天然歯の切削感と大きくかけ離れた。
(実施例16)
歯牙形体のエナメル部分とデンチン部分のメス型の金型を掘出し、目的形状を射出成形できる金型を作製した。エナメル部分もデンチン部分も成形後、脱脂、焼成により収縮が発生する為、その部分を事前に大きく計算して金型を作製した。材料ごとに金型を調整して実施した。エナメルの収縮は約10%であり、デンチンの収縮は約5%程度であった。
(焼成体9)
エナメル部分の原料としてのCIM用アルミナ ペレット(Alが26%、SiOが44%、平均粒径0.25μm、ステアリン酸30%)1kgを用いて、歯牙形体の金型に、射出成形し射出体7−1を得た。
デンチン部分の原料としてのCIM用アルミナ ペレット(Alが26%、SiOが44%、平均粒径3.0μm、ステアリン酸30%)1kgを用いて、歯牙形体の金型に、射出成形し射出体7−2を得た。
作製されたデンチン部分の上にエナメル部分を下記のガラス粉末を介在させて、脱脂、焼成(1200度、係留時間10分)として焼成体9を得た。
(焼成体10)
エナメル部分の原料としてのCIM用アルミナ ペレット(Alが100%、平均粒径0.3μm、ステアリン酸30%)1kgを用いて、歯牙形体の金型に、射出成形し射出体8−1を得た。
デンチン部分の原料としてのCIM用アルミナ ペレット(Alが68%、SiOが2%、平均粒径5.0μm、ステアリン酸30%)1kgを用いて、歯牙形体の金型に、射出成形し射出体8−2を得た。
作製されたデンチン部分の上にエナメル部分を下記のガラス粉末を介在させて、脱脂、焼成(1400度、係留時間15分)として焼成体10を得た。
ガラス粉末には、平均粒子系0.5μm最大粒系2.0μmの溶融シリカを用いた。
(焼成体11、12)
上記と同じ様に作製して得られた焼成体9−1、9−2、10−1、10−2のエナメル部分とデンチン部分を石英ガラス粉末を介在させて焼成して焼成体11、12を得た。
焼成体9〜12の評価として、切削試験、及び接着状態試験を行った。
切削試験では、焼成体9〜12全てにおいて、良好な切削感であることが確認できた。
接着状態試験は焼成体9〜12を約5ミリ間隔でダイヤモンドディスクを用いてスライスして、接着状態を確認した。焼成体9〜12全てにおいて、良好な接着状態であることが確認できた。
[第2の態様の顎歯模型用歯牙の作製]
(実施例17)
一次粒子径0.3μmのAl粉末700gとステアリン酸300g(30%)を加温混練し、エナメル形状の金型に射出した。射出した成形体を600℃3時間にて脱脂し、1500℃で焼成した。焼成温度での係留時間は15分とした。自然放冷した結果、エナメル部分が完成した。
完成したエナメル部分を歯牙形状の金型に納め、残りのデンチン部分にエポキシ樹脂を射出して完成とした。試験結果を表10に示す。試験には歯科用ダイヤモンドバーを用いた。
(実施例18〜22、比較例12〜16)
実施例17に倣い、実施例18〜22、比較例12〜16を行なった。実施例17と異なる点を表9に示し、試験結果を表10に示す。
Figure 0005216578
Figure 0005216578
(切削性、支台歯成形性、窩洞成形性の評価は、天然歯との近似性で行っている。A:良好、B:普通、C:不良)
各評価は歯牙模型の切削において、支台歯成形や窩洞成形が天然歯のような切削感があるかどうかで確認した。天然歯牙の様にエナメル質と象牙質との間で、の切削感覚が変わることや造形時の切削感が天然歯牙と近似しているかどうかで評価した。
Aは天然歯牙と近似している場合の評価であり、Cは、天然歯牙と掛け離れており、硬すぎるかまたは軟らかすぎる場合に評価し、市販の樹脂歯牙程度の使用感である場合の評価とした。Bはその中間あたりの評価とした。
デンチンエナメル移行性とは、デンチン層とエナメル層の界面を研削材は移行する折に切削感が天然歯に近似しているかどうかを確認した。
実施例17〜22は、成形性、切削性、支台歯形成性、窩洞形成性、デンチンエナメル移行性、共に良好に作製できた。
比較例12は、エナメルの焼成温度が低い為に十分な焼成が行なわれず、全体として柔らかな切削感となった。
比較例13は、エナメルの焼成温度が高い為に過剰な焼成が行なわれ、全体として硬い切削感となった。切削時に小さなチッピング(割れ)が見られた。
比較例14は、エナメル層が軟かくなった。天然歯の切削感と大きくかけ離れた。
比較例15は、エナメル層が柔らかくなった。天然歯の切削感と大きくかけ離れた。
比較例16は、エナメル層が比較例15よりは硬くなった。天然歯の切削感と大きくかけ離れた。
(実施例23〜27、比較例17〜21)
エナメル部分を実施例18〜22、比較例12〜16と同一組成で実施し、デンチン部分にアルミナ粉末75%、エポキシ樹脂25%を混合したコンポジットを用いた実施例および比較例を以下で示す。成形方法は実施例17に従い実施した。金型は歯牙の金型を用いた。試験結果を表11に示す。
Figure 0005216578
(切削性、支台歯成形性、窩洞成形性の評価は、天然歯との近似性で行っている。A:良好、B:普通、C:不良)
実施例23〜27は、成形性、切削性、支台歯形成性、窩洞形成性、共に良好に作製できた。
デンチンエナメル移行性については一体成形であるため見られないが、口腔内の治療の練習として十分に耐え得るものであった。デンチンの切削性が実施例17〜22に比べて良くなった。
比較例17は、焼成温度が低い為に十分な焼成が行なわれず、全体として柔らかな切削感となった。
比較例18は、焼成温度が高い為にエナメル部分の過剰焼成が行なわれ、全体として硬い切削感となった。切削時に小さなチッピング(割れ)が見られた。
比較例19は、エナメル部分が軟かくなった。天然歯の切削感と大きくかけ離れた。
比較例20は、エナメル部分が柔らかくなった。天然歯の切削感と大きくかけ離れた。
比較例21は、比較例20よりもエナメル部分が硬くなった。天然歯の切削感と大きくかけ離れた。
デンチン部分がアルミナのコンポジットとなったことから、デンチンの切削性は向上したと共に、エナメル部分からデンチン部分への移行性も向上した。
(実施例28)
エナメル部分を実施例17と同一組成で実施し、デンチン部分にコンポジットを用いた実施例を作製した。
コンポジットは、アルミナ粉末55%、酸化亜鉛20%、エポキシ樹脂25%を混合して作製した。エナメル部分の成形方法は実施例1に従い実施した。金型は歯牙の金型を用いた。試験として、窩洞形成し、歯牙模型を歯科用レントゲンで撮影したところ、デンチン形状が容易に撮影することができた。
(実施例29)
エナメル部分を実施例17と同一組成で実施し、デンチン部分にセメントを用いた実施例を作製した。
セメントは、アルミノシリケートガラス93.5%および酒石酸6.5%からなる粉剤2.6gと、ポリアクリル酸45%およびトリカルボン酸55%からなる液剤1.0gを混練して作製した。エナメル部分の成形方法は実施例1に従い実施した。金型は歯牙の金型を用いた。試験として、窩洞形成し、歯牙模型を歯科用レントゲンで撮影したところ、デンチン形状が容易に撮影することができた。
(実施例30)
一次粒子径3.0μmのジルコニア(ZrO)粉末500g、シリカ(SiO)粉末200gとステアリン酸300g(30%)を加温混練し、エナメル形状の金型に射出した。射出した成形体を600℃3時間にて脱脂し、1300℃で焼成した。焼成温度での係留時間は2時間とした。自然放冷した結果、エナメル部分が完成した。他は実施例17と同様に歯牙を作製した。
アルミナを主成分とする歯牙に比べると、切削感が劣る部分もある。しかし、樹脂やコンポジットのエナメル歯牙に比べると、容易に削れ過ぎることも無く、軟かくなく、天然歯牙に近い切削感であった。また、ガラス質に比べると、チッピングを起こすことも無く、天然歯牙に近い切削感であった。デンチンへの移行部分も今までの歯牙模型には無い、エナメル質と象牙質の移行感覚であり、天然歯牙を利用しなくても治療の練習をすることができた。
[無機粉末焼成体への粘り気の付与]
(実施例31〜49、比較例22〜25)
(歯牙の焼成体作製)
歯牙形体の形状を射出成形できる金型を作製した。歯牙の原料としてのCIM用アルミナ ペレット(Alが26%、SiOが44%、平均粒径3.0μm、ステアリン酸30%)1kgを用いて、歯牙形体の金型に、射出成形し射出体を得た。
作製された歯牙部分の形をした射出体を、脱脂、焼成(1300℃、係留時間10分)として焼成体13を得た。
(エナメル部分とデンチン部分の焼成体作製)
歯牙形体のエナメル部分とデンチン部分の形状を射出成形できる金型を作製した。エナメル部分もデンチン部分も成型後、脱脂、焼成により収縮が発生する為、その部分を事前に大きく計算して金型を作製した。材料ごとに金型を調整して実施した。
エナメル部分の原料としてのCIM用アルミナ ペレット(Alが68%、SiOが2%、平均粒径0.3μm、ステアリン酸30%)1kgを用いて、歯牙形体の金型に、射出成形し射出体を得た。
作製されたエナメル部分の形をした射出体を、脱脂、焼成(1550℃、係留時間10分)として焼成体14−1を得た。
デンチン部分の原料としてのCIM用アルミナ ペレット(Alが68%、SiOが2%、平均粒径5.0μm、ステアリン酸30%)1kgを用いて、歯牙形体の金型に、射出成形し射出体を得た。
作製されたデンチン部分の形をした射出体を、脱脂、焼成(1400℃、係留時間15分)として焼成体14−2を得た。
(含浸)
得られた焼成体13、14−1、14−2を以下の各含浸材料中に包埋し、真空容器に入れ、真空にすることで焼成体の空隙部分に十分に含浸したことを確認し、焼成体14−1、14−2は接合し、エポキシ樹脂の接着材で接着させた。
作製された歯牙の切削感を確認した。焼成体はそれぞれ30個作製し試験を行なった。
(試験を行なった含浸材料)
パラフィンワックス(日本精株式会社、パラフィンワックス 標準品):焼成体の包埋前に十分に加熱し、液化していることを確認した。
蜜蝋(みざらし密ロウワックス):焼成体の包埋前に十分に加熱し、液化していることを確認した。
セルロース(信越化学工業株式会社、SM-8000):触媒を添加したシリコーン樹脂を用いた。72時間放置後、ダイヤモンドバーで切削感を確認した。
コンニャクマンナン(伊那食品工業):適当な硬さになるようにお湯で溶かし、加熱した。デシケータに入れる前に凝固剤を投入した。
寒天(伊那食品工業):適当な硬さになるようにお湯で溶かし、加熱した。
ゼラチン(新田ゼラチン):適当な硬さになるようにお湯で溶かし、加熱した。
エポキシ樹脂(低粘度エポキシレジン Z-2/H-07):触媒を添加したエポキシ樹脂を用いた。72時間放置後、ダイヤモンドバーで切削感を確認した。
アクリル樹脂(クラレ製、MMAモノマー):化学重合触媒を添加したアクリル樹脂を用いた。72時間放置後、ダイヤモンドバーで切削感を確認した。
シリコーン樹脂(RTVシリコーン樹脂 M8017:旭化成):触媒を添加したシリコーン樹脂を用いた。72時間放置後、ダイヤモンドバーで切削感を確認した。
比較例22〜25は含浸させていない焼成体を用いた。
試験方法は、400000回転/分という高速回転するダイヤモンド研削材(エアータービン使用)を用いて切削を行なった。実施例31、32、37、38は、注水を行なわずに試験を行なった。その他の実施例および比較例は注水しながら試験を行なった。
Figure 0005216578
A:天然歯同様に良好な結果であった。
B(切削感):デンチンとエナメルとが十分に表現できていなかった。エナメル部分が柔らかかったが、天然歯と同様な粘り気を感じた。
B(切削ネバさ):粘り気というより、若干の弾性感があった。
C(切削ネバさ):天然歯に比べ、粘り気が軟かく感じた。
A(生体的ウエット感):天然歯同様に生体のウエット感があり、肉質を感じるウエット感がある。良好な結果であった。
B(生体的ウエット感):天然歯同様に生体のウエット感があったが、肉質感はあるもののAに比べてやや劣る。
C(生体的ウエット感):天然歯に比べ、生体のウエット感が異なる様に感じた。
D:切削時の粘りが感じられず、粉塵が大きく飛散した。
実施例31、32、37、38は比較例22、23と比べて粘りが感じられ天然歯牙と同様な切削感が得られた。象牙細管からの体液の感じも近似していた。切削された粉塵も比較例22と比べて少なく、飛散も少なかった。注水の必要も無く、容易に切削が行なえた。注水せずに容易に歯牙切削練習をできることを確認した。また、天然歯同様に生体のウエット感があったが、ワックスのとける感じが生体と少し異なっていた。
実施例33、39は比較例22、23と比べて粘りが感じられ天然歯牙に近い切削感が得られた。
注水によりセルロースの溶出が見られたが、問題なく試験を終えた。切削された粉塵も比較例22と比べて少なく、飛散も少なかった。しかし、生体のウエット感が異なる様に感じた。
実施例34、35、36、40、41、42は実施例33、39と比べて粘りが感じられ天然歯牙と同様な切削感が得られた。象牙細管からの体液の感じも近似していた。切削された粉塵も比較例22と比べて少なく、飛散も少なかった。注水下でも、容易に切削体験が行なえた。
注水下という実際の臨床使用環境にて容易に歯牙切削練習をできることを確認した。また、天然歯同様に生体のウエット感があり、良好な結果であった。
(実施例43)
含浸材料として、ヘット(牛脂)を用いて焼成体13、14を包埋して歯牙を作製した。焼成体の包埋前に十分に加熱し、液化していることを確認した。24時間冷却後、切削した結果、切削感や切削ネバさ、生体っぽいウエット感も良かった。特に生体っぽいウエット感については他の材料に比べて優れていた。切削時の滑る感じや強く切削し過ぎた場合の臭いまでも近かった。
Figure 0005216578
A:天然歯同様に良好な結果であった。
B(切削感):デンチンとエナメルとが十分に表現できていなかった。
B(切削ネバさ):粘り気というより、若干の弾性感があった。
D:切削時の粘りが感じられず、粉塵が大きく飛散した。
A(切削粉砕感):切削時における粉砕感がほとんど無く、生体歯牙を削る感覚であった。
B(切削粉砕感):切削時における粉砕感が感じられ、若干異なるものの生体歯牙を削る感覚であった。
D:切削時の粘りが感じられず、粉塵が大きく飛散した。
実施例44、45は比較例24と比べて粘り気が感じられ天然歯牙と同様な切削感が得られた。切削された粉塵も比較例24と比べて少なく、飛散も少なかった。切削時におけるセラミックス独特の粉砕感がほとんど無く、生体歯牙を削る感覚に近かった。
実施例46は比較例24と比べて粘り気が感じられ天然歯牙と同様な切削感が得られた。切削された粉塵も比較例24と比べて少なく、飛散も少なかった。実施例44、45に比べると飛散量が多かった。切削感も天然歯に近似している。実施例44、45に比べると天然歯が持つ切削時の抵抗の感じが若干劣るように思われる。実施例44、45よりは劣るものの、天然歯牙の状態が再現できていた。
実施例47、48は比較例25と比べて粘り気が感じられ天然歯牙と同様な切削感が得られた。切削された粉塵も比較例25と比べて少なく、飛散も少なかった。エナメル部分からデンチン部分へ移層時においても、粘り気を感じる天然歯同様の切削感であった。切削時におけるセラミックス独特の粉砕感がほとんど無く、生体歯牙を削る感覚に近かった。
実施例49は比較例25と比べて粘り気が感じられ天然歯牙と同様な切削感が得られた。切削された粉塵も比較例25と比べて少なく、飛散も少なかった。実施例47、48に比べると飛散量が多かった。切削感も天然歯に近似している。
エナメル部分からデンチン部分へ移層時においても、粘り気を感じる天然歯同様の切削感であったが、実施例47、48に比べると天然歯と異なる抵抗の感じが若干劣るように思われる。実施例47、48よりは劣るものの、天然歯牙の状態が再現できていた。
[歯髄部分の形成]
(実施例50〜55)
(燃焼性歯髄型の作製)
目的の歯の歯髄形状にしたワックスをシリコーンゴムにて型を取り、シリコーンゴムの中にエポキシ樹脂を流し込み燃焼性歯髄型を得た。
(歯牙の焼成体作製)
歯牙形体の目的形状を射出成形できる金型を作製した。この金型に燃焼性歯髄型を設置できるように止め部を設けた。歯牙の原料としてのCIM用アルミナペレット(Alが26%、SiOが44%、平均粒径0.3μm、ステアリン酸30%)1kgを用いて、燃焼性歯髄型を設置した歯牙形体の金型に、射出成形し射出体を得た。
作製された歯牙部分の形をした射出体を、脱脂、焼成(1300℃、係留時間10分)として焼成体15を得た。
(エナメル部分とデンチン部分の焼成体作製)
歯牙形体のエナメル部分とデンチン部分の目的形状を射出成形できる金型を作製した。この金型に燃焼性歯髄型を設置できるように止め部を設けた。エナメル部分もデンチン部分も成型後、脱脂、焼成により収縮が発生する為、その部分を事前に大きく計算して金型を作製した。材料ごとに金型を調整して実施した。
エナメル部分の原料としてのCIM用アルミナ ペレット(Alが68%、SiOが2%、平均粒径0.3μm、ステアリン酸30%)1kgを用いて、歯牙形体の金型に、射出成形し射出体を得た。
作製されたエナメル部分の形をした射出体を、脱脂、焼成(1550℃、係留時間10分)として焼成体16−1を得た。
デンチン部分の原料としてのCIM用アルミナ ペレット(Alが68%、SiOが2%、平均粒径5.0μm、ステアリン酸30%)1kgを用いて、燃焼性歯髄型を設置した歯牙形体の金型に、射出成形し射出体を得た。
作製されたデンチン部分の形をした射出体を、脱脂、焼成(1400℃、係留時間15分)として焼成体16−2を得た。焼成体16−1、16−2は接合し、樹脂性接着材で接着し、焼成体16とした。
(歯髄材料の注入)
得られた焼成体15、16の歯髄の空間中に以下の各材料を注射器で注入した。
作製された歯牙の切削感を確認した。焼成体はそれぞれ30個作製し試験を行なった。
(試験を行なった樹脂)
ポリビニルアルコール:ポリビニルアルコールを充填し乾燥した。72時間放置後、ダイヤモンドバーで切削感を確認した。
ウレタンゴム硬度30:化学重合触媒を添加したウレタンゴムを用いた。72時間放置後、ダイヤモンドバーで切削感を確認した。
シリコーンゴム(RTVシリコーンゴム樹脂 M8017:旭化成):触媒を添加したシリコーンゴム樹脂を用いた。72時間放置後、ダイヤモンドバーで切削感を確認した。
(比較例26〜31)
比較例としてエナメルデンチン部分をエポキシで作製したもの(比較例26〜28)と、メラミン樹脂で作製したもの(比較例29〜31)を用い、歯髄部分に実施例と同じ樹脂を注入した。
(試験方法)
実施例50〜55及び比較例26〜31のサンプルを10人の歯科医に以下の試験項目の評価を依頼した。各サンプルは3本ずつ、切削してもらった。以下の表14には最も多かった評価結果を示している。
露髄感覚とは、歯髄治療の為に咬合面からエナメル層、デンチン層と削っていき、髄の部分に達した時の切削感覚を評価して貰った。
根管清掃とは、根管にリーマという細い切削工具を入れ、根管内の髄をかき出し清掃することをいう。清掃性の評価結果を示している。
根管拡大とは、根管充填材を充填し易いように、清掃された根管内を拡張することをいう。拡張性の評価結果を示している。
Figure 0005216578
A:天然歯同様に良好な結果であった。
B:デンチンと髄の切削感が異なり十分に表現できていなかったが、練習には十分に耐えられるものであった。
C:デンチンと髄との界面の切削感覚が異なり、天然歯と異なるものであった。
D:歯牙の切削感が全く異なり、露髄時の粘り気が感じられず、根管清掃、根管拡大時も感覚が異なった。
実施例50、53は、良好な露髄体験ができ、根管清掃は若干の硬さを感じるものの、根管治療の体験を十分に感じることができた。髄の粘り気が感じられ、実施例51、52、54、55よりも評価できる部分もある。
実施例51、52、54、55は実施例50、53に比べても、良好な露髄体験ができ、根管清掃や根管拡大などの根管治療の体験を十分に感じることができた。髄とデンチンとの界面の感覚が似ていた。根管清掃時の髄の取り出す感覚も近似していた。
比較例26、28はエポキシやメラミン樹脂のデンチンとポリビニルアルコール、ウレタンゴム、シリコーンゴム等の界面状態が異なり、天然歯と近似の切削感を再現することができなかった。露髄感覚は、露髄する時の感覚が大きく異なっていた。根管清掃ではエポキシやメラミン樹脂と摺れる為、天然歯牙とは異なるものであった。根管拡大は、デンチンを削り拡大する感覚が、大きく異なった。
[疑似齲蝕部分の形成]
(実施例56)
一次粒子径0.3μmのAl粉末700gとステアリン酸300g(30%)を加温し混練し、エナメル形状の金型に射出した。射出した成形体を600℃3時間にて脱脂し、1500℃で焼成した。焼成温度での係留時間は15分とした。自然放冷した結果、エナメル部分が完成した。エナメル形状のデンチンが接する部分にUV励起タイプの無機系蛍光顔料を10%とカーボンブラック0.2%を混合したエポキシ樹脂を少量付け、擬似齲蝕部分とした。
次に、エナメル部分を歯牙形状の金型に納め、残りのデンチン部分にアイボリー色にしたエポキシ樹脂を射出して完成とした。試験には歯科用ダイヤモンドバーを用いた。
(実施例57〜61)
実施例56に倣い、実施例57〜61を行なった。実施例56と異なる点を表15に示す。
Figure 0005216578
切削性、支台歯成形性、窩洞成形性の評価は、天然歯との近似性で行ったが、どれも良好な結果であった。特にデンチンエナメル移行性とは、デンチン層とエナメル層の界面を研削材は移行する折に切削感が天然歯に近似しているかどうかを確認し、良好であった。
齲蝕部分では黒い部分を削除し、ブラックライトで齲蝕部分を正確に取り除けていることを確認できた。
(実施例62〜67)
エナメル部分を実施例56〜61のアルミナ粉末焼成体とし、デンチン部分にアルミナ粉末75%とエポキシ樹脂25%を混合したコンポジットを用い、擬似齲蝕部分にエナメル形状部分のデンチンが接する部分にUV励起タイプの無機系蛍光顔料を10%を混合したエポキシ樹脂を少量付け擬似齲蝕部分とした。擬似齲蝕部分、デンチン部分共にアイボリー色を着色した。
成形方法は実施例56に従い実施した。金型は歯牙の金型を用いた。
切削性、支台歯成形性、窩洞成形性の評価は、天然歯との近似性で行ったが、どれも良好な結果であった。特にデンチンエナメル移行性とは、デンチン層とエナメル層の界面を研削材は移行する折に切削感が天然歯に近似しているかどうかを確認し、良好であった。
齲蝕部分の切削感が異なり、ブラックライトで齲蝕部分を正確に取り除けていることを確認できた。熟練者は容易に齲蝕部分の感覚を探ることができたが、初級者では練習を重ねるにつれて、齲蝕部分を切削することができる様になった。
このことから齲蝕部分の切削を体験することが容易なことが確認された。
(実施例68)
エナメル部分及びデンチン部分を実施例62と同一組成で実施し、擬似齲蝕部分に酸化亜鉛20%、エポキシ樹脂80%を混合したコンポジットを用いた歯牙を作製した。成形方法は実施例56に従い実施した。金型は歯牙の金型を用いた。試験として、齲蝕除去し、歯牙模型を歯科用レントゲンで撮影したところ、齲蝕除去状況が容易に撮影することができた。

Claims (7)

  1. エナメル部分およびデンチン部分を含む、エナメル部分からデンチン部分へ切削する治療練習用の顎歯模型用の歯牙の製造方法であって、
    無機粉末をバインダで練和し、ペレットを作製する工程、
    一定の形状の射出成形用の金型を用いて、前記ペレットを射出成型して、所望の形状のエナメル部分およびデンチン部分の射出体をそれぞれ成形する工程、
    エナメル部分およびデンチン部分の射出体の間に、700℃〜900℃に融点を有するガラスの粉末を介在させて積層した状態で、熱処理して、バインダを脱脂する工程、および
    脱脂された射出体を所定温度で焼成し、エナメル部分およびデンチン部分からなる焼成体を形成する工程
    を含み、
    ここに、前記エナメル部分が、一次粒子径0.1〜1.0μmのAl 粉末の焼成体で形成され、前記デンチン部分が一次粒子径1.0〜8μmのAl 粉末の焼成体で形成されていることを特徴とする顎歯模型用の歯牙の製造方法。
  2. 前記デンチン部分を射出成形する工程において、前記デンチン部分の射出体の内部に、燃焼性材料を用いて歯髄形状に成形した燃焼性歯髄型を設置し、前記デンチン部分の射出体を焼成する工程において、前記燃焼性歯髄型を焼失させることによって、前記デンチン部分の焼成体の内部に歯髄形状の空間を形成し、さらに、
    前記デンチン部分の焼成体内部に形成された歯髄形状の空間に、樹脂、シリコーンゴム、ワックスまたは水溶性材料を注入する工程を含むことを特徴とする請求項1に記載の顎歯模型用の歯牙の製造方法。
  3. 焼成後の前記ガラスの厚みが1〜500μmであることを特徴とする請求項1または2に記載の製造方法。
  4. 前記エナメル部分または前記デンチン部分のいずれか一方または双方に、SrO、BaO、ZnO、ZrO およびLa よりなる群から選択される重金属元素酸化物を含有させ、X線造影性を付与することを特徴とする請求項1〜3いずれかに記載の製造方法。
  5. 前記エナメル部分と前記デンチン部分の間もしくはその辺縁または前記エナメル部分と前記デンチン部分の移行部分周辺のデンチン側に疑似齲蝕部分を形成することを特徴とする請求項1または2に記載の製造方法。
  6. 前記疑似齲蝕部分に、SrO、BaO、ZnO、ZrO およびLa よりなる群から選択される重金属元素酸化物を含有させ、X線造影性を付与することを特徴とする請求項5に記載の製造方法。
  7. 請求項1〜6いずれかに記載の製造方法により得られた、エナメル部分からデンチン部分へ切削する治療練習用の顎歯模型用歯牙。
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