JP5230262B2 - 樹脂または低融点ガラス含浸エナメル部分を有する歯牙模型用の歯牙の製造方法 - Google Patents
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Description
そのため、天然歯牙を用いずに歯牙の切削感を体験する方法が求められていた。
しかし、エポキシ樹脂、メラミン樹脂で作製された顎歯模型用歯牙は、天然歯形態をしているものの、天然歯とは切削感が異なることから、支台歯形成や窩洞形成の練習をしても、実際の口腔内での作業をした場合と比較して切削感および作業性が異なり、練習効果が得られなかった。
さらに、デンチン質の歯冠部を覆うエナメル質とデンチン質とは硬さが異なっている。その結果、エナメル質からデンチン質へと切削を移行させたとき、デンチン質を強く削ってしまい、上手く形体を作れないことも発生する可能性がある。
また更に、接着層にて象牙質層を形成するとの記載がある。エナメル層部分と歯根層部分を形成して、接着することが示されている。厚みのある接着材層にて象牙質層として認識するものである。
構成として歯牙模型は、歯冠部の少なくとも表面がヌープ硬度70以上を有し、歯根部の少なくとも表面がヌープ硬度10〜40を有するものである。主要構成成分として、無機物粉体と架橋型樹脂とを、重量比で20%対80%乃至70%対30%の割合で含有している。
本文中に「歯牙模型の作製法及び経済的な観点から如何なる硬度の素材、例えば金属、セラミクス、樹脂で形成されていてもよく、更には空洞であってもよい。」との記載があるが、エナメル部分とデンチン部分の切削性の違いを示せる歯牙模型ではなかった。
明細書中には、「本発明の模型歯の歯冠部表面を構成する材料としては、一般的に公知のものを用いることが可能であり、例えば、セラミックス等の磁器あるいはアクリル、ポリスチレン、ポリカーボネート、アクリロニトリルスチレンブタジエン共重合体(ABS)、ポリプロピレン、ポリエチレン、ポリエステル等の熱可塑性樹脂材料や、メラミン、ユリア、不飽和ポリエステル、フェノール、エポキシ等の熱硬化性樹脂材料、さらには、これらの主原料にガラス繊維、カーボン繊維、パルプ、合成樹脂繊維等の有機、無機の各種強化繊維、タルク、シリカ、マイカ、炭酸カルシウム、硫酸バリウム、アルミナ等の各種充填材、顔料や染料等の着色剤、あるいは耐候剤や帯電防止剤等の各種添加剤を添加したものを用いることが出来る。」との記載があるが、好ましい材質の記載がなく、切削感を解決するものでは無かった。
特に、エナメル部分およびデンチン部分を同一の無機系材料の焼成体で歯牙模型を作製した場合、エナメル部分とデンチン部分との切削感の違いを再現することが困難であった。
焼成体の切削感を調整する為には、焼成体の密度、粒形、焼成温度を合わす事が必要であるが、焼成時のエナメル部分とデンチン部分の収縮率や熱膨張係数などが異なり、割れ、剥がれ、ヒビ割れなどが生じ、更に、デンチン部分とエナメル部分の間に隙間ができることから、切削時にチッピングを起こすことがあり、隙間が天然歯牙の切削感と異なる感覚を伝え、使用に耐えるものではなかった。
特に、エナメル部分とデンチン部分とを、別々の焼成体として作製した場合、エナメル部分とデンチン部分との接着が必要となり、接着部分を含む界面領域において切削感が大きく変動する。すなわち、エナメル部分からデンチン部分に移行するときに違和感が生じ、天然歯牙と大きく掛け離れた歯牙模型となる。
このような天然歯独特の粘り気のある切削感を表現する為には、数々の方法が試されてきたが、樹脂やコンポジット等々では十分な切削感を得ることができず、従来の顎歯模型用歯牙では注水しながらで有ってもこのような感覚を得られることは無かった。エナメル質であっても同様な現象から無機材料の切削感よりも粘性を感じる切削感覚が求められている。
しかしながら、現在、天然歯のエナメル質およびデンチン質の切削感を実現する歯牙模型の具体的な組成も、それらの製造方法についても研究報告されていない。
歯髄の治療として、根管治療練習用のものもあるが、ボックス状のアクリルに小さな穴があいており、それを用いて根管治療の練習(根管清掃、根管拡張など)を行なっている。しかし、顎への装着ができないことや、デンチンの硬さの違い等があり、十分な練習ができていない現状にある。
これらの体験を容易に行える顎歯模型用歯牙が望まれている。特に根管清掃時に、根尖孔まで完全に歯髄が取り除かれているか、手の感覚で覚えるものであり、初心者には難しい。したがって、天然歯における歯髄が再現された顎歯模型用歯牙を用いて練習することが必要である。
高速回転する切削体と接触する為、歯牙と顎との適合性が重要であることから、成形において精密に成形できるCIM技術を用いることが好ましい。
更に、歯牙模型の歯冠の形状も重要であり、支台歯形成や窩洞形成の目標となり隆起部分や窩、咬頭などが正確に表現されていることが重要であり、CIM技術での成形が適している。
熱硬化性樹脂、架橋剤を含んだ熱可塑性樹脂または低融点ガラスを含浸させて、エナメル部分を形成するので、含浸させない場合と比べ、エナメル層に近い硬い切削感を得ることができる。
デンチン部分、エナメル部分双方とも天然歯と同じ様な切削感を得られ、エナメル部分からデンチン部分へ移行する切削感が天然歯に近いことから、模型であっても天然歯牙を削る練習が容易に行なえる。
図2に示すように、エナメル部分11およびデンチン部分12は無機粉末の焼成体により一体的に形成され、この焼成体の所望の領域に、樹脂または低融点ガラスを含浸させることによって、エナメル部分11を形成する。
この空隙22に樹脂または低融点ガラス3を含浸させて、デンチン部分12よりも硬く、かつ、天然歯と同様の粘り気のある切削感が再現されたエナメル部分11を形成する。
真空容器内で、樹脂または低融点ガラス3を焼成体に含浸させることが好ましい。減圧下、焼成体2の空隙22内部の空気を排除することで、含浸を容易にすることができる。
デンチン部分12の内部に歯髄部分13を形成するためには、エポキシ樹脂等の燃焼性材料を用いて所望する歯髄形状の型を成形する。この歯髄形状の型を金型に設置して、無機粉末で射出体を形成し、これを焼成することによって、歯髄形状の型を焼失させて、歯髄形状の空間を内部に有する歯牙1を得る。得られた歯髄形状の空間に、樹脂、シリコーンゴム、ワックスまたは水溶性材料を満たすことによって、歯髄部分13を形成する。
また、図7のように、疑似齲蝕部分14をエナメル部分の咬合面からデンチン部分に貫通するように形成することができ、歯髄部分13とともに疑似齲蝕部分14を形成することもできる。
疑似齲蝕部分14は、無機粉末の焼成体、樹脂またはコンポジットで形成される。疑似齲蝕部分14を樹脂またはコンポジットで形成した場合、無機粉末の焼成体、樹脂またはコンポジットに着色剤、蛍光材またはX線造影材を添加して、齲蝕部分除去の程度を視覚により確認できるようにすることができる。
アルミナ系、ジルコニア系とはアルミナまたはジルコニアが焼成体組成の60%〜100%、好ましくは80%〜100%、更に好ましくは95%〜100%であることである。特にアルミナの組成が50%〜100%、好ましくは70%〜100%、更に好ましくは90%〜100%であることである。
無機粉末として、アルミナ系のセラミックスを用いることが好ましい。
焼成温度に関しては組成によって異なるが、シリカ等のガラス成分が多い場合は焼成温度が800〜1200℃、アルミナの場合は1200〜1600℃の焼成温度、好ましくは1400〜1550℃の焼成温度となる。
焼成温度は切削感と密接な関係があり、粒度や原材料によって、調整しなければならない。同様に焼成温度での係留時間も切削感と密接な関係があり、粒度や原材料によって、調整しなければならない。
本発明の顎歯模型用の歯牙を構成する焼成体のビッカース硬度が300〜1000であることが好ましく、300〜600であることがより好ましい。
なお、歯牙組成にアルミナ焼成体の切削感を損なわない程度にシリカを代表とする金属酸化物を添加することは妨げない。
CIM技術とは、無機粉末を成型する技術であり、次の工程を含む。
(1)アルミナをバインダー(1000℃ぐらいまでに熱で分解するもの)で練和し、ペレットを作製する。
(2)一定の形状の射出成形用の金型を作製し、(1)で作製したペレットを射出成型する。
(3)成型後、バインダーを脱脂(温度を上げて、バインダー成分を分解すること)する。
(4)次に、その脱脂体を所定温度で焼成し、所望の焼成体を得る。
本発明に用いられる熱可塑性樹脂は、具体的にはアクリル系、スチレン系、オレフィン系、塩ビ系、ウレタン系、ポリアミド系、ポリブタジエン系、ポリアセタール系、不飽和ポリエステル系、ポリカーボネート、ポリフェニレンエーテルなどを含む。
また、ポリスルホン系、ポリイミド、ポリエーテルイミド、ポリエーテルエーテルケトンなども適宜使用できる。特に、アクリル系、が好ましい。
化学重合性樹脂であることが好ましい。焼成体の空隙部分に樹脂が含浸し容易に硬化できるためである。
本発明のエナメル部分を形成するために用いることができる熱可塑性樹脂は、具体的にはアクリル系、スチレン系、オレフィン系、塩ビ系、ウレタン系、ポリアミド系、ポリブタジエン系、ポリアセタール系、飽和ポリエステル系、ポリカーボネート、ポリフェニレンエーテルなどを含む。特に、アクリル系、スチレン系、ウレタン系、ポリアミド系樹脂が好ましい。
これらの熱可塑性樹脂に架橋剤を混合することにより、熱硬化性樹脂の様に好ましい態様となる。即ち、切削時に発生する熱により溶解しないで、歯牙切削の練習をすることができる。
水溶性材料を含浸させた場合、注水や水を予め含浸させることにより効果を発揮する。
熱溶解性材料を含浸させた場合、切削時に発生する摩擦熱で溶解することにより効果を発揮する。ワックス系としては水を利用しなくとも、多糖類やタンパク質と同じ様な効果を示すものであり、注水設備が無いところでも簡単に歯牙研削練習を行なうことができる。
界面活性剤は水溶性材料として用いることもできる。
陰イオン系としては、脂肪酸塩(セッケン) C11H23COONa、アルファスルホ脂肪酸エステル塩(α-SFE) C10H21-CH(SO33Na)COOCH3、アルキルベンゼンスルホン酸塩(ABS) C12H25-(C6H4)SO3Na、アルキル硫酸塩(AS)[高級アルコール系] C12H25-OSO3Na、アルキルエーテル硫酸エステル塩(AES) C12H25-O(CH2CH2O)3SO3Na、アルキル硫酸トリエタノールアミン C12H25-OSO3 -・+NH(CH2CH2OH)3等が用いられる。
非イオン系としては、脂肪酸ジエタノールアミド C11H23-CON(CH2CH2OH)2、ポリオキシエチレンアルキルエーテル(AE) C12H25-O(CH2CH2O)8H、ポリオキシエチレンアルキルフェニルエーテル(APE) C9H19-(C6H4)O(CH2CH2O)8H等が用いられる。
陽イオン系としてはアルキルトリメチルアンモニウム塩 C12H25-N+(CH3)3・Cl-、ジアルキルジメチルアンモニウムクロリド C12H25-N+(C8H17)(CH3)2・Cl-、アルキルピリジニウムクロリド C12H25-(N+C5H5)・Cl-等が用いられる。
両性イオン系としては、アルキルカルボキシベタイン[ベタイン系] C12H25-N+(CH3)2・CH2COO-等が用いられる。
含浸させる水溶性材料または熱溶解性材料をビーカーに入れ、適当な温度になるように加温して、粘度を下げる。適度の界面活性剤を入れる。粘度が下がった所で、セラミック焼成体を投入し、真空デシケータ中に設置する。真空デシケータ中の空気を抜いていき、セラミック焼成体中の空気を外へ出していく、減圧が進むにつれて、焼成体表面に空気に泡が出てきて内部の空気が抜けた事が分かる。様子を見て、空気が出たところでデシケータに空気を静かに戻すことで含浸する。
燃焼性の熱硬化性樹脂材料で齲蝕部位や歯髄部分を作製し、金型で歯牙を作製する際にこの燃焼性の熱硬化性樹脂材料で作製された齲蝕部位や歯髄部分を覆う様にCIM材料を射出成型し、その後焼成にて齲蝕部位や歯髄部分を中空とする。
中空となった齲蝕部位や歯髄部分に樹脂やシリコーンゴムなどを流し込むことで、擬似齲蝕や擬似歯髄とする。
齲蝕形状は咬合面の窩の部分やエナメルデンチン移行部分に作製する。窩の部分などで作製する場合、エナメルは大きく侵されていないが、デンチン部分は大きく侵されていることが多くある。こういった袋状の齲蝕部位を再現する方法は確立していなかった。
また、歯髄形状においても、同様に根尖孔の様に小さい孔のみが外部に空いていて、内部で大きく歯髄部分を有する袋状の歯髄部位を再現する方法は確立していなかった。
齲蝕部分や歯髄部分に用いる材料は、弾性樹脂、発泡樹脂、熱硬化性樹脂や熱可塑性樹脂、架橋剤を含んだ樹脂、水溶性材料、熱溶解性材料などから自由に選ぶことができる。
齲蝕部分に用いる好ましい樹脂は、発泡樹脂、熱硬化性樹脂である。更に好ましくは熱硬化性樹脂または架橋剤を含んだ樹脂が好ましい。更に、エポキシ樹脂が好ましい。
歯髄に用いる好ましい樹脂は、弾性樹脂、発泡樹脂、熱硬化性樹脂である。
本発明の顎歯模型用歯牙のセラミックス焼成体中の齲蝕部分や歯髄部分の水溶性材料は、多糖類、タンパク系の内少なくとも一つ以上を含むものである。水溶性材料は注水や水を予め含浸させることにより効果を発揮する事ができる。好ましくはタンパク質である。
水溶性材料として親水性ポリマーも好ましい。例えば、天然由来の半合成のカルボキシメチルセルロース(CMC),メチルセルロース(MC)等のセルロース誘導体から,ポリビニルアルコール(PVA),ポリアクリル酸系ポリマー,ポリアクリルアミド(PAM),ポリエチレンオキシド(PEO)等の合成系の水溶性高分子を利用することができる。
無機材料で作製される歯牙は焼成工程を経る為、焼成時に燃焼材料で空間を儲け、後に歯髄に適した材料で埋めることで歯牙を完成させる。その為の歯髄形状作製工程である。
歯牙金型中の所定の位置に燃焼性材料で作製された齲蝕部分や歯髄部分を設置する金型設置工程とは、燃焼性材料で作製された齲蝕部分や歯髄部分を金型に設置する工程である。事前に成形しておいた燃焼性材料で作製された齲蝕部分や歯髄部分を金型中に設置しても良いし、連続的にその場で成形した燃焼性材料で作製された齲蝕部分や歯髄部分を歯牙形状の金型に入れなおしてもどちらでも良い。
射出歯牙を脱脂後焼成して焼成歯牙を得る焼成工程とは、射出工程で得られた射出歯牙を焼成する工程である。焼成工程での焼成温度は、ガラス分が多い場合、800〜1200℃であり、アルミナの場合、1200〜1600℃、好ましくは1400〜1550℃である。このときに、燃焼性材料で作成された齲蝕部分や歯髄部分は燃焼して、空間部分を形成する。
焼成体1:
歯牙形体の形状を射出成形できる金型を作製した。歯牙の原料としてのCIM用アルミナペレット(Al2O3が100%、平均粒径5.0μm、ステアリン酸30%)1kgを用いて、歯牙形体の金型に射出成形し、射出体1を得た。
作製された歯牙の形をした射出体を、脱脂、焼成(1500℃、係留時間10分)として焼成体1を得た。
歯牙形体の形状を射出成形できる金型を作製した。歯牙の原料としてのCIM用アルミナペレット(Al2O3が100%、平均粒径1.0μm、ステアリン酸30%)1kgを用いて、歯牙形体の金型に射出成形し、射出体2を得た。
作製された歯牙の形をした射出体を、脱脂、焼成(1500℃、係留時間10分)として焼成体2を得た。
得られた焼成体1および2の歯冠部を以下の各材料中に浸漬し、真空容器に入れ、減圧した。10分間放置後、常圧に戻すことによって、各材料を含浸させて、エナメル部分を形成した(実施例1〜6)。含浸深さは、アルミナペレットに含まれるアルミナ粉末の粒度や含浸樹脂材料により異なるが、0.5〜5.0mmであった。
歯牙はそれぞれ30個作製し、歯牙の切削感を確認した。
エポキシ樹脂(低粘度エポキシレジン Z-2/H-07):触媒を添加したエポキシ樹脂を用いた。常圧に戻した後、72時間放置後、ダイヤモンドバーで切削感を確認した。
アクリル樹脂(クラレ製、MMAモノマー):化学重合触媒を添加したアクリル樹脂を用いた。常圧に戻した後、72時間放置後、ダイヤモンドバーで切削感を確認した。
メラミン樹脂(RTVシリコーン樹脂 M8017:旭化成):触媒を添加したシリコーン樹脂を用いた。常圧に戻した後、72時間放置後、ダイヤモンドバーで切削感を確認した。
(切削感)
A:デンチン部分およびエナメル部分の切削感が十分に表現できていた。
B:デンチン部分およびエナメル部分の切削感が十分に表現できていなかった。
(デンチン−エナメル移行感)
A:デンチン部分とエナメル部分との間の移行の際に、切削感の違いが十分に表現出来ていた。
B:デンチン部分とエナメル部分との間の移行の際に、切削感の違いが十分に表現出来ていなかった。
C:デンチン部分とエナメル部分との間の移行の際に、切削感の違いが全く表現出来ていなかった。
減圧量や減圧時間、浸漬時間を制御して樹脂の含浸深さを調整することにより、天然歯と同様に、切削感の異なるエナメル部分とデンチン部分とを有する歯牙を作成することができた。
デンチンとエナメルを別で作製した場合は、デンチンとエナメル間でチッピングするため、容易に歯牙切削の練習をすることが容易に出来なかった。
得られた焼成体1および2の歯冠部に以下の各材料で作成した泥沼を築盛し、下記温度で焼成することによって、各材料を含浸させて、エナメル部分を形成した(実施例7〜10)。含浸深さは、アルミナペレットに含まれるアルミナ粉末の粒度や含浸ガラス材料により異なるが、0.5〜5.0mmであった。
歯牙はそれぞれ30個作製し、歯牙の切削感を確認した。
PbO-SiO2-B2O3:焼成温度550℃
アルミナシリケートガラス:焼成温度950℃
(切削感)
A:デンチン部分およびエナメル部分の切削感が十分に表現できていた。
B:デンチン部分およびエナメル部分の切削感が十分に表現できていなかった。
(デンチン−エナメル移行感)
A:デンチン部分とエナメル部分との間の移行の際に、切削感の違いが十分に表現出来ていた。
B:デンチン部分とエナメル部分との間の移行の際に、切削感の違いが十分に表現出来ていなかった。
C:デンチン部分とエナメル部分との間の移行の際に、切削感の違いが全く表現出来ていなかった。
ガラスの種類やガラス築盛後の焼成時間を制御して低融点ガラスの含浸深さを調整することにより、天然歯と同様に、切削感の異なるエナメル部分とデンチン部分とを有する歯牙を作成することができた。
11・・・樹脂が含浸したエナメル部分、
12・・・樹脂が含浸していないデンチン部分、
13・・・歯髄部分、
14・・・擬似齲蝕部分、
2・・・無機粉末の焼成体、
21・・・無機粉末の粒子、
22・・・空隙、
3・・・樹脂または溶融したガラス。
Claims (1)
- エナメル部分およびデンチン部分を含む治療練習用の顎歯模型用の歯牙の製造方法であって、
無機焼成体の粉末をバインダーで練和し、ペレットを作製する工程、
一定の形状の射出成形用の金型を用いて、前記ペレットを射出成型して、エナメル部分およびデンチン部分を含む所望の形状の射出体を一体的に形成する工程、
射出体を熱処理して、バインダーを脱脂する工程、
脱脂された射出体を所定温度で焼成し、所望の形状の焼成体を形成する工程、および
前記焼成体の一部分に樹脂または低融点ガラスを含浸させて、エナメル部分を形成する工程
を含み、前記射出体を一体的に成形する工程において、前記射出体の内部に、燃焼性材料を用いて歯髄形状に成形した燃焼性歯髄型を設置し、前記焼成体を形成する工程において、前記燃焼性歯髄型を焼失させることによって、前記焼成体のデンチン部分に歯髄形状の空間を形成し、さらに、前記歯髄形状の空間に、樹脂、シリコーンゴム、ワックスまたは水溶性材料を注入する工程を含むことを特徴とする顎歯模型用の歯牙の製造方法。
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