JP5236202B2 - 顎歯模型用の歯牙 - Google Patents

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Description

本発明は、歯科医師を目指す学生が、口腔内作業を体験し、治療の練習をする顎歯模型用に用いる歯牙である。具体的には支台歯形成、窩洞形成等の形体付与を体験する為に用いる歯牙の製造方法に関する。
口腔内治療練習用の顎歯模型用の歯牙は、エポキシ樹脂、メラミン樹脂で製造されることが多く、一般に普及している。
しかし、エポキシ樹脂、メラミン樹脂では切削感が異なることから支台歯形成や窩洞形成の練習をしても実際の口腔内での作業をした場合では異なる切削感、作業性から当惑する事が多かった。具体的には、エポキシ樹脂、メラミン樹脂は軟らかく切削を多くしてしまう傾向にあり、天然歯は硬いために思った様に切削できない傾向にあった。硬い天然歯でも、デンチン部分は硬いが、エナメル部分は更に硬い構造となっている。その結果、強く削ってしまい、上手く形体を作れないことも発生する可能性がある。
もう少し、硬い材料を求められた結果、コンポジットタイプのものが市販されている。コンポジットタイプの歯牙であっても、デンチン部分とエナメル部分が同一の切削感であるから、天然歯と切削感が異なり、支台歯形成や窩洞形成の練習をしても実際の口腔内での作業をした場合では異なる切削感、作業性から当惑する事が多かった。分かりやすい表現では滑る感覚があり、天然歯とは大きく違う切削感である。
実開平1‐90068には、エナメル質層に金雲母結晶[NaMg3(Si3AlO10)F2]およびリチア・アルミナ・シリカ系結晶(Li2O・Al2O3・2SiO2,Li2O・Al2O3・4SiO2)が同時に析出したビッカース硬さ350〜450に制御されたガラス・セラミックスから構成され、歯根層には、ポリオール(主剤)に白色・赤色および黄色の着色剤を加え、さらにイソシアネートプレポリマー(硬化剤)を混入してシリコーンゴム母型に真空下で注入して、常温で硬化させ事前に準備をし、エナメル質層と歯根層との間に介在し、両者を合着している象牙質層はオペーク色を呈した接着性レジンで形成されていることが示している。
しかしながら、エナメル質層が金雲母結晶やリチア・アルミナ・シリカ系結晶にて構成されたものでは天然歯に比べ、切削感が硬すぎるため使用に耐える物ではなく、更に象牙質層は接着性レジンで形成されている為、接着材の切削感が柔らかすぎる為、使用に耐える物ではなかった。また更に、接着層にてデンチンを形成するとの記載がある。エナメル層部分と歯根層部分を形成して、接着することが示されている。厚みのある接着材層にてデンチンとして認識するものである。
特開平5−224591には、天然歯と極めて類似した切削性を有し、歯科教育切削実習用として好適な歯牙模型を提供することが示されている。主要構成成分として、無機物粉体と架橋型樹脂とを、重量比で20%対80%乃至70%対30%の割合で含有している。
本発明の歯牙模型を構成する無機物粉体としては、例えば、アルミナ、ジルコニア、チタニア、シリカ、等々が紹介され、上記化合物に限定されるものではなく、各種の無機物粉体を用いることができる。
しかし、天然歯と切削感が異なることから支台歯形成や窩洞形成の練習をしても実際の口腔内での作業をした場合では異なる切削感、作業性から当惑する事が多かった。また、無機物粉末体の開示のみである。特にエナメル部分とデンチン部分の切削性の違いを示せる歯牙模型ではなかった。
特開平5−216395には、天然歯と極めて類似した切削性を有し、歯科教育切削実習用として好適な歯牙模型及びその製造方法を提供することが紹介されている。歯牙模型の主要構成成分として、気孔率が40〜80%のヒドロキシアパタイト粉末と、(メタ)アクリル酸エステル系樹脂とを、重量比で20%対80%乃至50%対50%の割合で含有しているものである。
従来の歯牙模型は、切削性において満足できる状況にない。従って、天然歯と切削性において類似する歯牙模型の開発が望まれていることが示されているものの、十分な切削感を示すものではなかった。特にエナメル部分とデンチン部分の切削性の違いを示せる歯牙模型ではなかった。
特開平5−224591には、歯科医学生の歯周疾患治療実習に最適に用いることができる歯牙模型を提供する。構成として歯牙模型は、歯冠部の少なくとも表面がヌープ硬度70以上を有し、歯根部の少なくとも表面がヌープ硬度10〜40を有するものである。
本文中に「歯牙模型の作製法及び経済的な観点から如何なる硬度の素材、例えば金属、セラミクス、樹脂で形成されていてもよく、更には空洞であってもよい。」との記載があるが、切削感の観点から解決されていない。特にエナメル部分とデンチン部分の切削性の違いを示せる歯牙模型ではなかった。
特開平5−241498、特開平5−241499、特開平5−241500には、無機充填材の記載やハイドロキシアパタイト充填材の記載があるがいずれも樹脂を母材とするものであり、切削感の解決には至っていない。特にエナメル部分とデンチン部分の切削性の違いを示せる歯牙模型ではなかった。
特開2004−94049には、レーザー光線を利用した正確な形状計測を可能とする歯科実習用模型歯を提供する発明が記載している。
明細書中には、「本発明の模型歯の歯冠部表面を構成する材料としては、一般的に公知のものを用いることが可能であり、例えば、セラミックス等の磁器あるいはアクリル、ポリスチレン、ポリカーボネート、アクリロニトリルスチレンブタジエン共重合体(ABS)、ポリプロピレン、ポリエチレン、ポリエステル等の熱可塑性樹脂材料や、メラミン、ユリア、不飽和ポリエステル、フェノール、エポキシ等の熱硬化性樹脂材料、さらには、これらの主原料にガラス繊維、カーボン繊維、パルプ、合成樹脂繊維等の有機、無機の各種強化繊維、タルク、シリカ、マイカ、炭酸カルシウム、硫酸バリウム、アルミナ等の各種充填材、顔料や染料等の着色剤、あるいは耐候剤や帯電防止剤等の各種添加剤を添加したものを用いることが出来る。」との記載があるが、好ましい材質の記載がなく、切削感を解決するものでは無かった。
今までの開発ではエナメル部分とデンチン部分の切削性の違いを示せる歯牙模型ではなかった。更にこの切削感を実現する為の具体的な組成としての開示がなく、それらの製造方法についても記載されていない。
顎歯模型はこれらの課題を抱えているにも関わらず、研究報告されているものは見当たらない。
特開平5−241498 特開平5−241499、 特開平5−241500 特開2004−94049 実開平1‐90068
従来の顎歯模型用歯牙は、天然歯形体をしているものの切削感が異なる。天然歯の切削感を体験するために、抜去歯を切削するなどの工夫は見られた。抜去歯は人体や動物からの材料であり衛生上の問題があり、衛生管理も十分に行なわないと感染の可能性があり、自由に練習を妨げられ感染予防を十分に行なわなければならなかった。また、天然生体であるため腐敗の問題があり、保存にも十分な注意が必要であった。
天然歯牙を用いずに歯牙の切削感を体験する方法が求められれていた。特に歯牙のエナメル部分からデンチン部分の切削感が変るところが求められており、当然にして、エナメル部分はエナメル質の切削感、デンチン部分はデンチン質の切削感が求められていたが、それを解決する方法は見つかっていなかった。
研究の結果、天然歯牙の切削感を出す為には無機系の焼成体を用いることが必要であるが無機系の材料の硬さを制御することは難しいためにこれらを制御しながら、エナメル部分およびデンチン部分を製造することは難しかった。
焼結体の切削感を調整する為には、焼成体の密度、粒形、焼成温度を合わす事が必要であるが、エナメル部分とデンチン部分の焼成時に収縮や熱膨張などが異なり割れ、剥がれ、ヒビ割れなどが生じ、更に、デンチン部分とエナメル部分の間に隙間ができることから、切削時にチッピングを起こすことがあり、隙間が天然歯牙の切削感と異なる感覚を伝え、使用に耐えるものではなかった。
エナメル部分とデンチン部分を接着する接着層が厚いと異なる切削感を感じる。その結果、天然歯牙と大きく掛け離れた歯牙模型となる。
本発明は治療練習用の顎歯模型用の歯牙であって、デンチン部分とエナメル部分からなり、デンチン部分とエナメル部分を作製した後に、デンチン部分とエナメル部分を接着することを特徴とする顎歯模型用歯牙である。
本発明の接着材が有機性樹脂組成物であることを特徴とする顎歯模型用歯牙である。
本発明は治療練習用の顎歯模型用の歯牙であって、デンチン部分およびエナメル部分が無機粉末焼成体からなることを特徴とするの顎歯模型用歯牙である。
更に接着材の厚みを1〜500μにすることが好ましい。更に好ましくは1〜300μmであり、更に、1〜200μmにすることが好ましい。また更に、1〜100μmにすることが好ましい。
接着厚みを薄くすることで、無機粉末焼成体のデンチン部分に容易に切削が移り、天然歯牙との切削感が近似する。
本発明は、CIM技術を用いて射出成形し、脱脂、焼成の工程を経てデンチン部分およびエナメル部分を成形し、接着材を用いてデンチン部分およびエナメル部分を接着させることを特徴とする顎歯模型用歯牙の製造方法である。
本発明の方法によれば、デンチン部分、エナメル部分両方とも天然歯と同じ様な切削感を得られ、エナメル部分からデンチン部分へ移行する切削感が天然歯に近いことから、模型であっても天然歯牙を削る練習が容易に行なえる。
抜去歯は生体からの材料であり衛生上の問題があるため、感染予防等の処置を取らなくても安全に用いることができ、抜去歯の様な体感ができる歯牙が求められていた。また、衛生管理も特に必要なく、腐敗の恐れもない材料が求められていた。
本発明の歯牙を用いて支台歯形成、窩洞形成をすることによって、一早く天然歯牙と同様な切削感を体験でき、形成体験が容易に行える。また、これらの形成技術を早く取得することができる。
本顎歯模型用歯牙は人体の中で最も硬い天然歯牙の代用物質で、通常の材料では切削時に軟らかく感じてしまうのに対し、天然歯牙と同様な切削感を得ることができる。口腔内での400000回転/分という高速回転するダイヤモンド研削材(エアータービン使用)を用いた切削と同じような切削体験ができる。
成形において高速回転する切削体と接触する為、顎との適合性が重要であり、更に、エナメルとデンチンの適合性も求められることから精密に成形できるCIM(セラミック インジェクション モールド)技術を用いることが好ましい。
更に、歯牙模型の歯冠の形状も重要であり、支台歯形成や窩洞形成の目標となり隆起部分や窩、咬頭などが正確に表現されていることが重要であり、CIMでの成形が適している。
本発明の歯牙は歯質と同じように白色、アイボリー色、乳白色、半透明色とすることができるため、よりリアルな切削体験をすることができる。好ましくは白色、アイボリー色、乳白色である。
接着材の軟質な感覚を味わうことなく天然歯牙模型の切削を体験できる。スムーズなエナメル部分からデンチン部分への切削を体感できる。
顎歯模型用歯牙とは、大学などで顎歯模型を用いて口腔内の治療行為をシミュレーションや治療の練習をするために用いられる歯牙であって、本発明は歯牙を切削し、形成する為に用いられる場合に関する。特に天然歯牙と切削性が近似した歯牙であって、窩洞形成、支台歯形成の練習に用いられる歯牙に関する。
本発明は、成形されたエナメル部分とデンチン部分を接着することにある。
本発明の接着に用いられる樹脂は熱硬化性樹脂や熱可塑性樹脂、化学重合性樹脂を用いることができ、その中で、熱硬化性樹脂、化学重合性樹脂が好ましい。更に、セラミック接着材、エポキシ樹脂が好ましい。
本発明に求められる接着は、エナメル部分とデンチン部分が全体が接着していることで、一部でも接着していない部分があったり、切削感に影響を与えるような大きな気泡があることは好ましくない。
本発明の歯牙の組成はセラミックスから作製されることが好ましい。本発明の歯牙の組成はアルミナ系、ジルコニア系、シリカ系、窒化アルミ、窒化ケイ素などのセラミックスまたはガラスから作製される。また、アルミナ系、ジルコニア系で作製されることは好ましい。アルミナ系、ジルコニア系とはアルミナまたはジルコニアが焼成体組成の60%〜100%、好ましくは80%〜100%、更に好ましくは95%〜100%であることである。特にアルミナの組成が50%〜100%、好ましくは70%〜100%、更に好ましくは90%〜100%であることである。歯牙の組成がアルミナ粉末から成形されることが好ましい。
エナメル部分とデンチン部分共に、無機粉末焼成体であることが好ましい。
エナメル部分とデンチン部分の硬さの調整には、粒度を荒くする、空隙を多くする、材質を変えるなどの方法、焼成温度を変える、係留時間を変える等々の方法があるが、最も適した方法は、同一組成で粒度を変えることである。
デンチン部分の平均粒子径に対して、エナメル部分の平均粒子径を10倍以上にすることが好ましい。エナメル部分の平均粒子径が1.0〜10.0μmである場合は、デンチン部分の平均粒子径は0.1〜0.5μmに設定することが好ましい。
焼成温度に関しては組成によって異なるが、シリカ等のガラス成分が多い場合は焼成温度が800〜1200℃、アルミナの場合は1200〜1600℃の焼成温度、好ましくは1400〜1550℃の焼成温度となる。
エナメル部分とデンチン部分の成形はセラミックスの成形方法でCIM技術を用いることは好ましい。
CIM技術を用いて、エナメル部分とデンチン部分とを射出成形し、脱脂、焼成の工程を経て、焼成されたエナメル部分とデンチン部分に界面に熱硬化性樹脂や化学重合性樹脂を用いて接着することも好ましい。
接着に用いる熱可塑性樹脂とは、熱を加えることにより成形できる程度の熱可塑性を得ることの出来る樹脂のことを指し、熱硬化性樹脂とは熱を加えることにより架橋が進み硬化する樹脂を指します。具体的にはアクリル系、スチレン系、オレフィン系、塩ビ系、ウレタン系、ポリアミド系、ポリブタジエン系、ポリアセタール系、飽和ポリエステル系、ポリカーボネート、ポリフェニレンエーテルなど使用できる。
また、ポリスルホン系、ポリイミド、ポリエーテルイミド、ポリエーテルエーテルケトンなども適宜使用できる。特に、アクリル系、が好ましい。
熱可塑性樹脂よりも熱硬化性樹脂の方が好ましい。熱硬化性樹脂とは、加工後は溶媒に溶けず再加熱しても軟化しない。尿素樹脂・メラミン樹脂・フェノール樹脂、エポキシ樹脂などが代表的に使用でき、メラミン樹脂及びエポキシ樹脂が好ましい。
化学重合性樹脂とは、本来熱硬化性樹脂や熱可塑性樹脂に含まれる樹脂であっても、化学触媒を用いて、重合する樹脂のことである。特に架橋材を含み熱可塑性がないものが好ましい。
接着材に用いる樹脂は熱硬化性樹脂や熱可塑性樹脂、化学重合性樹脂の中で、熱硬化性樹脂、化学重合性樹脂が好ましい。
歯牙形体のエナメル部分とデンチン部分のメス型の金型を掘出し、目的形状を射出成形できる金型を作製した。エナメル部分もデンチン部分も整形後、脱脂、焼成により収縮が発生する為、その部分を事前に大きく計算して金型を作製した。材料ごとに金型を調整して実施した。
エナメル部分の原料としてのCIM用アルミナ
ペレット(Alが26%、SiOが44%、平均粒径0.25μm、ステアリン酸30%)1kgを用いて、歯牙形体の金型に、射出成形し射出体を得た。
作製されたエナメル部分の形をした射出体を、脱脂、焼成(1300度、係留時間10分)として焼結体1−1を得た。
デンチン部分の原料としてのCIM用アルミナ
ペレット(Alが26%、SiOが44%、平均粒径3.0μm、ステアリン酸30%)1kgを用いて、歯牙形体の金型に、射出成形し射出体を得た。
作製されたデンチン部分の形をした射出体を、脱脂、焼成(1000度、係留時間10分)として焼結体1−2を得た。
エナメル部分の原料としてのCIM用アルミナ
ペレット(Alが68%、SiOが2%、平均粒径0.3μm、ステアリン酸30%)1kgを用いて、歯牙形体の金型に、射出成形し射出体を得た。
作製されたエナメル部分の形をした射出体を、脱脂、焼成(1550度、係留時間10分)として焼結体2−1を得た。
デンチン部分の原料としてのCIM用アルミナ
ペレット(Alが68%、SiOが2%、平均粒径5.0μm、ステアリン酸30%)1kgを用いて、歯牙形体の金型に、射出成形し射出体を得た。
作製されたデンチン部分の形をした射出体を、脱脂、焼成(1400度、係留時間15分)として焼結体2−2を得た。
得られた焼結体1−1,1−2,2−1,2−2のエナメル部分とデンチン部分を各種の接着材で接合した焼成体1,2の切削感を確認した。焼成体はそれぞれ30個作製し試験を行なった。
(エポキシ樹脂)
触媒を添加したエポキシ樹脂を作製したエナメル部分とデンチン部分の界面に塗り接着した。72時間放置後、ダイヤモンドバーで切削感を確認した。
(セラミック接着材)
セラミック接着材を作製したエナメル部分とデンチン部分の界面に塗り接着した。72時間放置後、ダイヤモンドバーで切削感を確認した。
(セメント材料)
粉液混練タイプのセメントで、イオン性ポリマーとガラスを反応させて硬化するタイプのセメント材料を用いた。エナメル部分とデンチン部分の界面に塗り接着した。72時間放置後、ダイヤモンドバーで切削感を確認した。
(α-シアノアクリレートモノマー系接着材)(略称:α接着材)
通称アロンアルファーとして売られている接着材で、エナメル部分とデンチン部分の界面に塗り接着した。72時間放置後、ダイヤモンドバーで切削感を確認した。
◎:天然歯同様に良好な結果であった。
○:十分に接着していることは確認できたが、一部チッピングが発生した。
焼成体1に比べて焼成体2の方がデンチン部分及びエナメル部分両方とも天然歯牙の切削感と近かった。
切削に関しては両者良好な状況であった。セメント材料やα接着剤はチッピングが見られたものの、天然歯牙と同様な切削感を得られた。
(比較例1)
歯牙形体のエナメル部分とデンチン部分のメス型の金型を掘出し、目的形状を作製した。比較例では2層構造にできる射出成形金型を作製し、デンチン部分とエナメル部分を成形した成形体を得られる様にした。
エナメル部分の原料としてのCIM用アルミナ
ペレット(Alが26%、SiOが44%、平均粒径0.25μm、ステアリン酸30%)1kgを用いて、歯牙形体の金型に、射出成形した。
デンチン部分の原料としてのCIM用アルミナ
ペレット(Alが26%、SiOが44%、平均粒径3.0μm、ステアリン酸30%)1kgを用いて、エナメル部分に続いて歯牙形体の金型に、射出成形し射出体を得た。
作製された歯牙の形をした射出体を、脱脂、焼成(1100度、係留時間10分)として焼結体3を得た。焼成体は30個作製し試験を行なった。
エナメル部分の原料としてのCIM用アルミナ
ペレット(Alが68%、SiOが2%、平均粒径0.3μm、ステアリン酸30%)1kgを用いて、歯牙形体の金型に、射出成型した。
デンチン部分の原料としてのCIM用アルミナ
ペレット(Alが68%、SiOが2%、平均粒径5.0μm、ステアリン酸30%)1kgを用いて、エナメル部分に続いて歯牙形体の金型に、射出成形し射出体を得た。
作製された歯牙の形をした射出体を、脱脂、焼成(1500度、係留時間15分)として焼結体4を得た。焼成体は30個作製し試験を行なった。
焼結体3、4は収縮率の違いから、エナメル部分とデンチン部分との境に亀裂が見られ、多くの物は接着されていなかった。切削途中に破折やチッピングが見られた。デンチン部分とエナメル部分の熱膨張や焼成時の収縮が異なることからこの方法で作製することは困難であった。
(実施例3)
実施例1、2と同じ様に作製して得られた焼結体1−1,1−2,2−1,2−2のエナメル部分とデンチン部分を低融点ガラス粉末を用いて焼成して接合して切削感を確認した。
ガラス粉末にヘラウス社製のIP9021(低融点ガラス、575℃焼成)を用いた場合を焼成体5、IP9049(低融点ガラス、610℃焼成)を用いた場合を焼成体6とした。
接着性について、デンチンとエナメルは接着して一体となった。切削感は接着はしたものの、界面での割れが発生し、天然歯に近い切削感は得られなかった。十分に接着していることは確認できたが、一部チッピングが発生した。接着のしたガラスが界面全体に行届かなかったことから、接着していない面ができ、その部分がチッピング等を起こしたと思われる。
焼結体5、6は焼成により、ガラス質が溶け、デンチン部分とエナメル部分が接着されたが、切削時に界面のガラス部分に亀裂が入り、ガラス質の接着層から剥離やチッピングが発生した。
実施例1、2の様に接着性やチッピングなどに課題を残すものの、切削感については多大な効果があった。
(実施例4)
実施例1、2と同じ様に作製して得られた焼結体1−1,1−2,2−1,2−2のエナメル部分とデンチン部分をエポキシ樹脂、セラミック接着材、セメント材料、α接着材用いて接合して切削感を確認した。但し、膜厚を制御する為に700μm、400μm、350μm、250μm、150μm、50μm、20μmのアルミナ粉末を各接着剤3%混合してエナメル部分とデンチン部分膜厚を制限した。
接着材層の厚みを規定した歯牙を作製した後、切断して接着剤層を顕微鏡で測定した。各接着材層の厚みの規定の為の用いたアルミナ粉末よりも数十ミクロン厚く作製されていることを確認した。
△:従来の歯牙より優れている。
○:十分に接着していることは確認できたが、一部チッピングが発生した。
◎:天然歯同様に良好な結果であった。
◎+:極めて、天然歯同様に良好な結果であった。
接着剤の種類にもよるが、混合するアルミナ粉末の粒径が700μmを超えると、切削時に接着層の切削感を感じる傾向が強かった。500μ以下程度であれば、切削練習に使用できると思われる。更に接着層が薄くなるにつれて、接着剤の切削感を感じなくなった。また、接着材の種類にも関連するが、500μm以下から大きく接着材の切削感を感じなくなった。更に、300μm以下からチッピングも少なくなり、接着も強固になっていると感じられた。更に、200μm以下では接着も十分に行なわれ、マージン部分も違和感無く切削できた。また、100μm以下から接着をしているという感覚が薄れ、違和感無くエナメル層からデンチン層へ移行した。

Claims (2)

  1. 治療練習用の顎歯模型用の歯牙であって、デンチン部分とエナメル部分からなり、デンチン部分とエナメル部分を作製した後に、デンチン部分とエナメル部分が有機性樹脂組成物からなる接着層により接着されており、
    前記接着層には、前記接着層の厚みを均一に規制する20〜50μmの均一な粒径のアルミナ粉末が混合されており、
    前記接着層は、前記アルミナ粉末の粒径より厚み寸法が大きく且つ100μm以下の均一な厚みを有していることを特徴とする顎歯模型用の歯牙。
  2. 前記デンチン部分および前記エナメル部分が無機粉末焼成体からなることを特徴とする請求項1記載の顎歯模型用歯牙。
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