JP5216179B2 - ネガ型感光性ポリイミド組成物及びそれを用いた画像の形成方法 - Google Patents
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Description
【背景技術】
【発明の開示】
【発明を実施するための最良の形態】
{ラクトン}+{塩基}+{水} = {酸基}+{塩基}−
(1)−NH−、CH3−,−CH2−、=CH−,―COOH、−OH等の水素結合を有する化合物が容易にラジカル、好ましくはビスラジカルによって架橋し、高感度、高解像度のネガ型画像を形成する。
(2)アミノ基の隣接した位置に、メチル基、ニトロ基トリフルオロメチル基を持つポリイミド、電子吸引基(ニトロ基、カルボニル基、トリフルオロメチル基、スルホン基)を持つポリイミド、水酸基やオキシアルボニル基を持つポリイミドはアルカリ性溶液に溶解し易いため、高感度、高解像度のネガ型画像を形成する。
(3)ポリイミド分子量及び分子量分布の影響がある。分子量が大きいポリイミドは、アルカリ現像の時間が長いため低分子量のポリイミドが高感度である。ポリスチレン換算の重量平均分子量が5万以下特に3万以下では、ポリイミド膜の絶縁性、引っ張り強さ、耐熱性に乏しい。絶縁膜として利用する場合、ポリイミド組成物の重量平均分子量は、5万以上が好ましい。
【実施例】
ステンレススチール製の碇型攪拌器を取り付けた500mlのセパラブル3つ口フラスコに、水分分離トラップを備えた玉付冷却管を取り付けた。
3,4,3’,4’−ベンゾフェノンテトラカルボン酸ジ無水物(以後BTDAという)19.33g(60ミリモル)、2,4−ジアミノトルエン3.66g(30ミリモル)、γ−バレロラクトン1.2g(12ミリモル)、ピリジン1.9g(24ミリモル)、N−メチルピロリドン(以後NMPという)150g、トルエン50gを仕込んだ。
(1)感光性組成物の調製
感光性組成物は、実施例1(上記参考例1、以下同様に、「実施例1」は「参考例1」を意味する)のポリイミド溶液(ポリイミド15重量%)20gをとり、これにラジカル発生剤2,6−ビス(9−アジドベンジリデン)−4−メチルシクロヘキサン(以後BAC−Mという)(東洋合成工業株式会社製品)0.6g(ポリイミド樹脂に対し20重量%)を加え混合した。この混合溶液を0.3ミクロン細孔径の濾過膜で濾過して製造した
上記の感光性組成物を、表面処理した直径5cmの銅箔(三井金属鉱業株式会社製品、18ミクロン厚さ)の表面上に、スピンコート法で塗布した。ついで、赤外線熱風乾燥機中で90℃10分間乾燥した。この感光性膜の厚さは、約8ミクロンであった。
実施例1のポリイミド溶液20gをとり、これにラジカル発生剤BAC−M0.6gとエチレングリコールメタアクリレート(以後EGMという)0.9g(ポリイミド樹脂に対し30重量%)を加え混合する。この混合溶液を0.3ミクロン細孔径の濾過膜で濾過して製造した。実施例2と同様にしてポリイミド塗布膜のスルーホールパターンは、鋭く輪郭切り口で15ミクロン口径の孔が確認された。ラインアンドスペースパターンでは、15ミクロンの線像が確認された。
実施例1のポリイミド溶液20gをとり、これにラジカル発生剤BAC−M0.6gとスチレンモノマー0.9g(ポリイミド樹脂に対し30重量%)を加え混合する。この混合溶液を0.3ミクロン細孔径の濾過膜で濾過して製造した。実施例2と同様にしてポリイミド塗布膜のスルーホールパターンは、鋭く輪郭切り口で15ミクロン口径の孔が確認された。ラインアンドスペースパターンでは、15ミクロンの線像が確認された。
実施例1のポリイミド溶液20gをとり、これにポジ型感光剤としてラジカル発生剤NT−200(2,3,4−トリヒドロキシベンゾフェノンと1−ジアゾー5,6−ジヒドロー5−オキソーナフタレンー1−スルホン酸の(モノートリ)エステル(東洋合成工業株式会社製品)0.45g(ポリイミド樹脂に対し15重量%)と安息香酸イソプロピル0.45g(ポリイミド樹脂に対し15重量%)を加え混合する。この混合溶液を0.3ミクロン細孔径の濾過膜で濾過して製造した。実施例2と同様にして、このポリイミド塗布膜のスルーホールパターンは、鋭く輪郭切り口で15ミクロン口径のポジ型感光性による孔が確認された。
参考例1と同様に操作した。
BTDA16.11g(50ミリモル)、2,4−ジアミノトルエン3.00g(25ミリモル)、γ―バレロラクトン1.0g(10ミリモル)、ピリジン1.6g(20ミリモル)、NMP200g、トルエン30gを仕込んだ。
参考例1と同様に操作した。
ビシクロ(2,2,2)−オクトー7−エン−2,3,5,6−テトラカルボン酸ジ無水物(以後BCDという)9.93g(40ミリモル)、4,4−ジアミノジフェニルエーテル12.01g(60ミリモル)、γ―バレロラクトン1.0g(10ミリモル)、N−メチルモルホリン2.0g(20ミリモル)、NMP150g、トルエン20gを仕込む。反応中、トルエンー水の共沸分を除いた。
実施例1と同様に操作した。
BCD19.86g(80ミリモル)、3,4'−ジアミノジフェニルエーテル24.02g(120ミリモル)、γ―バレロラクトン2.0g(20ミリモル)、ピリジン3.2g(40ミリモル)、NMP200g、トルエン40gを仕込む。180℃に昇温し、180rpmで1時間攪拌した後、トルエンー水の共沸分を除いた。
感光性組成物の調製及び選択露光によるパターン形成:実施例2に準じて、感光性組成物の調製及び画像形成を行った。
参考例1と同様に操作した。
BCD44.67g(180ミリモル)、3,3'−ジヒドロキシー4,4−ジアミノビフェニル19.46g(90ミリモル)、γ―バレロラクトン2.7g(27ミリモル)、ピリジン4.3g(53ミリモル)、NMP250g、トルエン30gを仕込んだ。
参考例1と同様に操作した。
3,4,3',4'−ビフェニルテトラカルボン酸ジ無水物(以後BPDAという)11.77g(40ミリモル)、ビス(4−アミノフェニル)フルオレン20.41g(60ミリモル)、γ―バレロラクトン1.0g(10ミリモル)、ピリジン1.6g(20ミリモル)、NMP134g、トルエン20gを仕込んだ。180℃、180rpm、1時間撹拌した。反応中、トルエンー水の共沸分を除いた。
参考例1と同様に操作した。
BTDA32.23g(100ミリモル)、2,4−ジアミノトルエン6.11g(50ミリモル)、γ―バレロラクトン2.0g(20ミリモル)、ピリジン3.2g(20ミリモル)、NMP192g、トルエン30gを仕込んだ。180℃、180rpm、1時間撹拌した。反応中、トルエンー水の共沸分を除いた。
トルエンー水の共沸分を除いた。
参考例1と同様に操作した。
BTDA25.78g(80ミリモル)、2,4−ジアミノトルエン4.87g(40ミリモル)、γ―バレロラクトン1.6g(16ミリモル)、ピリジン2.6g(32ミリモル)、NMP267g、トルエン60gを仕込んだ。180℃、180rpm、1時間撹拌した。反応中、トルエンー水の共沸分を除いた。
室温に冷却した後、BPDA23.54g(80ミリモル)、3,3'−ジヒドロキシー4,4'−ジアミノビフェニル8.65g(40ミリモル)、3,4'−ジアミノジフェニルエーテル8.01g(40ミリモル)、ビス{4−(4−アミノフェノキシ)フェニル}スルホン17.3g(40ミリモル)、NMP200g、トルエン50gを加えた。
参考例1と同様に操作した。
ビシクロ(2,2,2)−オクトー2,3,5,6−テトラカルボン酸ジ無水物(以後BCDという)29.78g(120ミリモル)、3,3'−ジヒドロキシー4,4'−ジアミノビフェニル12.97g(60ミリモル)、γ―バレロラクトン1.8g(18ミリモル)、ピリジン2.9g(36ミリモル)、NMP250g、トルエン30gを仕込んだ。180℃、180rpm、1時間撹拌した。反応中、トルエンー水の共沸分を除いた。
感光性組成物の調製及び選択露光によるパターン形成:実施例2に準じて、感光性組成物の調製及び画像形成を行った。
参考例1と同様に操作した。
BTDA32.23g(100ミリモル)、2,4−ジアミノトルエン6.11g(50ミリモル)、γ―バレロラクトン1.5g(15ミリモル)、ピリジン2.4g(30ミリモル)、NMP218g、トルエン30gを仕込んだ。180℃、180rpm、1時間撹拌した。反応中、トルエンー水の共沸分を除いた。
参考例1と同様に操作した。
BCD29.79g(120ミリモル)、2,4−ジアミノ安息香酸9.13g(60ミリモル)、γ―バレロラクトン2.4g(24ミリモル)、ピリジン3.84g(48ミリモル)、NMP215g、トルエン30gを仕込んだ。180℃、180rpm、1時間撹拌した。反応中、トルエンー水の共沸分を除いた。
参考例1と同様に操作した。
BTDA12.89g(40ミリモル)、ビス{4−(3−アミノフェノキシ)フェニル}スルホン8.65g(20ミリモル)2,4−ジアミノトルエン6.11g(50ミリモル)、γ―バレロラクトン0.8g(8ミリモル)、ピリジン1.3g(16ミリモル)、NMP195g、トルエン30gを仕込んだ。180℃、180rpm、1時間撹拌した。反応中、トルエンー水の共沸分を除いた。
室温に冷却した後、BPDA11.77g(40ミリモル)、2,4−ジアミノ安息香酸3.04g(20ミリモル)、ビスー1,4−(3−アミノフェノキシ)−エンゼン5.85g(20ミリモル)、3,4'−ジアミノジフェニルエーテル4.00g(20ミリミル)、NMP195、トルエン20gを加えた。
ことができる。
実施例1と同様に操作した。
4,4’−{2,2,2−トリフルオロー1−(トリフルオロメチル)エチリデン}ビス(1,2−ベンゼンジカルボン酸)ジ無水物44.43g(100ミリモル)、(3−アミノ−4−ヒドロキシフェニル)ヘキサフルオロプロパン36.63g(100ミリモル)、γ−バレロラクトン1.0g(10ミリモル)、ピリジン1.6g(20ミリモル)、NMP312g、トルエン50gを仕込む。窒素雰囲気下で0.5時間室温で攪拌後、180℃に昇温し、180rpmで6時間10分間攪拌した。反応中、トルエン−水の共沸分を除いた。
実施例1と同様に操作した。
4,4’−{2,2,2−トリフルオロー1−(トリフルオロメチル)エチリデン}ビス(1,2−ベンゼンジカルボン酸)ジ無水物44.43g(100ミリモル)、(3−アミノ−4−ヒドロキシフェニル)ヘキサフルオロプロパン18.31g(50ミリモル)4,4−ジアミノジフェニルエーテル10.01g(50ミリモル)、γ−バレロラクトン1.0g(10ミリモル)、ピリジン1.6g(20ミリモル)、NMP277g、トルエン50gを仕込む。窒素雰囲気下で0.5時間室温で攪拌後、180℃に昇温し、180rpmで3時間25分間攪拌した。反応中、トルエン−水の共沸分を除いた。
感光性組成物の調製及び選択露光によるパターン形成:実施例2に準じて、感光性組成物の調製及び画像形成を行った。
Claims (13)
- 光ラジカル発生剤であるビス−アジド化合物と、該光ラジカル発生剤の存在下においてネガ型感光性を示す溶剤可溶ポリイミドとを含み、該ポリイミドを構成するジアミン成分が、モノマーの形態で記載して、4,4’−ジアミノジフェニルエーテル、3,4’−ジアミノジフェニルエーテル、ビス(3−アミノフェノキシ)1,4−ベンゼン、ビス(3−アミノフェノキシ)1,3−ベンゼン、2,2−ビス(4−アミノフェニル)プロパン、ビス(4−アミノフェニル)フルオレン、1,1,1,3,3,3−ヘキサフルオロ−2,2−ビス(4−アミノフェニル)プロパン、4,4’−ジアミノジフェニルメタン、ビス(4−アミノフェノキシ)4,4’−ジフェニル、ビス{4−(4−アミノフェノキシ)フェニル}スルホン、ビス{4−(3−アミノフェノキシ)フェニル}スルホン、1,3−ジアミノベンゼン、1,4−ジアミノベンゼン、2,4−ジアミノ安息香酸、3,3’−ジヒドロキシ−4,4’−ジアミノビフェニル、2,2’−ビス(トリフルオロメチル)ベンジジン、ビス(3−アミノ−4−ヒドロキシフェニル)ヘキサフルオロプロパン、2,2−ビス{4−(4−アミノフェノキシ)フェニル}プロパン及びジアミノシロキサンから成る群より選ばれる少なくとも1種のジアミン成分であり、前記ポリイミドを構成する酸成分が、モノマーの形態で記載して、3,4,3’,4’−ベンゾフェノンテトラカルボン酸ジ無水物、ピロメリット酸ジ無水物、2,3,3’,4’−ビフェニルエーテルテトラカルボン酸ジ無水物、1,2,5,6−ナフタレンテトラカルボン酸ジ無水物、2,3,5,6−ピリジンテトラカルボン酸ジ無水物、3,4,3’,4’−ビフェニルスルホンテトラカルボン酸ジ無水物、4,4’−{2,2,2−トリフルオロ−1−(トリフルオロメチル)エチリデン}ビス(1,2−ベンゼンジカルボン酸)ジ無水物から成る群より選ばれる少なくとも1種の酸成分である、ネガ型感光性ポリイミド組成物。
- 前記ポリイミドは、ラクトン及び塩基よりなる触媒の存在下、有機極性溶媒中酸ジ無水物と芳香族ジアミンの重縮合により生成したものであり、該有機極性溶媒を前記組成物の溶媒として含む請求項1記載の組成物。
- 前記ポリイミドは、反応中に生成する水をトルエン又はキシレンの共沸によって反応系外に除いて得られたものである請求項2記載の組成物。
- 前記有機極性溶媒は、N−メチルピロリドン、N,N−ジメチルホルムアミド、N,N−ジメチルアセトアミド、スルホラン及びテトラメチル尿素から成る群より選ばれる少なくとも1種であり、前記ポリイミドが5重量%以上溶解した請求項2記載の組成物。
- 前記ポリイミドは、テトラカルボン酸ジ無水物と芳香族ジアミンのいずれかの成分を多量にして、ポリイミドオリゴマーとし、ついで芳香族ジアミン又は/及びテトラカルボン酸ジ無水物を加えて加熱、脱水することによって生成した、全芳香族ジアミンと全テトラカルボン酸ジ無水物のモル比が1.05−0.95であるブロック共重合ポリイミドである請求項1ないし4のいずれか1項に記載の組成物。
- 前記ブロック共重合ポリイミドのポリスチレン換算の重量平均分子量が3万〜40万である請求項5記載の組成物。
- 前記ビス−アジド化合物が、4,4’−ジアジドスチルベン、2,6−ジ(4−アジドベンジリデン)シクロヘキサン、2,6−ジ(4−アジドベンジリデン)−4−メトキシシクロヘキサン及び4,4’−ジアジド−3,3’−ジメトキシジフェニルから成る群より選ばれる少なくとも1種である請求項1ないし5のいずれか1項に記載の組成物。
- オレフィン化合物をさらに含む請求項1〜7のいずれか1項に記載の組成物。
- 前記オレフィン化合物が、(メタ)アクリル酸、(メタ)アクリル酸エステル、(メタ)アクリル酸アミド及びスチレンから成る群より選ばれる少なくとも1種である請求項8記載の組成物。
- 請求項1ないし9のいずれか1項に記載の組成物を基板上に塗布し、70〜110℃に加熱して膜状にした後、パターンマスクを介して光照射し、アルカリ溶液中に漬けて現像してポリイミドから成るネガ型画像を形成することを含む、ネガ型画像の形成方法。
- 得られたネガ型画像を水洗し、250℃以下で熱処理してネガ型画像を形成したポリイミド絶縁膜とすることをさらに含む請求項10記載の方法。
- 前記アルカリ現像液が、エタノールアミンを含むアルカリ溶液である請求項10又は11記載の方法。
- 前記アルカリ現像液が、テトラメチルアンモニウムヒドロオキシド及び/又は水酸化ナトリウムの水溶液である請求項10又は11記載の方法。
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