JP4034403B2 - ポジ型感光性ポリイミド組成物及び絶縁膜 - Google Patents

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  • Macromolecular Compounds Obtained By Forming Nitrogen-Containing Linkages In General (AREA)

Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、有機溶剤に可溶で、しかも接着性、耐熱性、機械的特性及びフレキシブル性に優れ、光照射によってアルカリ可溶の高感度ポジ型フォトレジストの特性を示す感光性ポリイミド組成物に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
感光性樹脂組成物は、A)露光した部分の極性が変化し、溶解性に差の出る極性変化型、B)露光により化学結合が切れ、露光部が可溶化する切断型、C)架橋反応が進み露光部分が不溶化する架橋型に分類される。極性変化型は、現像液組成によって、ポジ型としてもネガ型としても利用できる。切断型はポジ型として、架橋型は原理上ネガ型として利用可能である。また、架橋型感光材料は、有機溶媒現像により、露光部の膨潤が起こるため高解度の微細加工を行う上で不利となる。
【0003】
近年、フレキシブル配線板のオーバーコート材や多層基板の層間絶縁膜、半導体工業における固体素子への絶縁膜やパッシベーション膜の成型材料、及び半導体集積回路や多層プリント配線板等の層間絶縁材料は、耐熱性に富むことが要請され、また高密度化、高集積化の要求から感光性を有する耐熱材料が求められている。
【0004】
ミクロ電子工業の半導体集積部品となる半導体基材は、フォトレジストで被覆する。フォトレジスト層の画像形成及び現像によって、フォトレジストレリーフ構造を作り出す。このレリーフ構造は、回路パターンを半導体基材上に作るためのマスクとして使用する。この加工サイクルによって、マイクロチップのレリーフ構造を基材に移すことができる。
【0005】
フォトレジストには、異なる2種のフォトレジスト、ポジ型フォトレジストとネガ型フォトレジストがある。この違いは、ポジ型フォトレジストの露光域が現像プロセスによって除去され、未現像領域が基材上に残る。一方、ネガ型フォトレジストの照射域はレリーフ構造として残る。ポジ型フォトレジストは、本質的に高い画像分解能を有し、VLSI(超大規模集積回路)の製造に適する。
【0006】
従来より用いられているポジ型フォトレジストは、水性アルカリに可溶な一種のノボラック型樹脂と、アルカリ中においてこの樹脂の溶解度を低減させる感光性キノンジアジドを含有する。このフォトレジスト層を照射するとキノンジアジドは光励起してカルボン酸に構造変換し、露光域ではアルカリへの溶解度を増大する。従って、水性アルカリ現像をして、ポジ型フォトレジストレリーフ構造が得られる(USP36664735他)。
【0007】
工業的実施に要するフォトレジスト組成物の特性は、塗布溶剤中でのフォトレジストの溶解度、フォトレジストの感光速度、現像コントラスト、環境面で許される現像液の溶解度、フォトレジストの密着性、高温での寸法安定性及び耐摩耗性である。
【0008】
露光、現像によって得られたフォトレジストレリーフの構造は、通常、120度C乃至180度Cの範囲内で熱処理(ポストベーク)を受ける。この目的は、基材に対するフォトレジストの接着性の向上、フォトレジスト構造の硬化及びその後に続くエッチングによる浸蝕の低減をもたらすために、なお残る全ての揮発成分を除去することにある。
しかし、プラズマエッチングでは200度Cを超える温度が基材に生じる。安定化改質剤をベースにするフォトレジストを180度C以上に熱安定化することはできない。
【0009】
ポリイミド樹脂は、約400度Cの高温に耐え、かつ、薬品に対しても安定である。従って、耐熱性フォトレジスト層の形成に有効である。
【0010】
従来使用されているポリイミドのフォトレジストは、ネガ型の作用をする。このネガ型フォトレジストの基本系は光反応性側鎖を持つポリアミド酸ポリマーから成り立つ。しかし、この基材は、貯蔵安定性が悪く、感光速度が非常に遅く、且つ現像、硬化後に過大な構造収縮(ポストベーク後の収縮率が60%程度)を生じるという難点がある。この組成の材料は、高い分解度の構造体を得るためには10分間程度の露光処理が必要であり、厚膜フィルムを塗布する高濃度溶液では、特に貯蔵安定性が悪い。
【0011】
ポジ型フォトレジストは、解像度が高く、短時間の露光、アルカリ現像性に優れている。フェノール基をもつポジ型高温型フォトレジストが開発された。3、3‘−ジヒドキシー4、4’−ジアミノビフェニルとイソフタル酸ジクロリドの反応によるポリオキサゾール前躯体を合成した。この組成物は、O−キノンジアジド又はナフトキノンジアジドと混合して、高感度のポジ型感光性ポリオキサゾール前躯体を作り、加工後にポリオキサゾールとしてポリイミド膜とほぼ同じレベルの耐熱性、機械的特性を示す材料であることが示されている(USP4339521、USP4395482)。
【0012】
ヘキサフルオロー2、2−ビス(ヒドロキシアミノフェノール)プロパンとヘキサフルオロー2、2−ビス(ジカルボキシフェニル)プロパン二無水物(6FDA)、又は3、4、3‘,4‘−ベンゾフェノンテトラカルボン酸ジ無水物(BTDA)、又は5、5’ーオキシービスー1、3−イソベンゾフランジオン(4、4‘−オキシジフタル酸二無水物)との間に溶剤可溶のポリイミドを合成し、これにO−ナフトキノンジアジドを混合してポジ型感光性ポリイミドとした。この方法(特開昭64−60630公報、USP4927736)においては、フッ素原子含有のポリイミドは、極性溶媒に可溶である。P−トルエンスルホン酸を触媒として、140−160度Cに加熱して、直接ポリイミド溶液を合成する新規な方法を採用した。しかし、触媒とポリイミドとを分離するためにポリイミド溶液をメタノール中に注いでポリイミド樹脂を沈殿として回収し、ついで再溶解するという工業的に不適当な方法を採用している。
【0013】
フェノール基、又はカルボン酸基をテトラヒドロー2H−ピラニル基で保護してアルカリ可溶性を消失させる。これに光酸発生剤を加え、光照射すると光で酸が発生し、この酸によってヒドロキシル基、又はカルボン酸基のブロックが分解してアルカリ可溶となる。露光後に加熱処理を行うと酸が触媒的に複数のブロックを外して増幅効果が生じて高感度化される。(T.Omote他;Macromol.、23、4788(1990),K.Naitoh他;Polym.Adv.Technol.4、294(1993)、K.Naitoh他;J.Photopolym.Sci.Technol.4、294(1993)、T.Yamaoka他;Photosensitive Polyimides Fundamental & Application、177−211、Technomic Publish Company Inc.USA(1995))
【0014】
ポリアミド酸のカルボキシ基を2−ニトロベンジルアルコールのエステルにして、アルカリ可溶性を防ぎ、これに光照射することによって、2−ニトロベンジル基のエステルは分解してカルボン酸を生成することによりアルカリ可溶となるポジ型感光性ポリアミド酸を発表した。(S.Kubota他;、J.Macromol.Sci.Chem.A24(10)1407(1987)、山岡亜夫他;Polyfile 2、14(1990))
【0015】
【発明が解決しようとする課題】
本発明は、有機溶剤に可溶で、しかも、接着性、耐熱性、機械的特性及びフレキシブル性に優れ、光照射によってアルカリ可溶の高感度ポジ型フォトレジストの特性を示す感光性ポリイミド組成物を提供することである
【0016】
【課題を解決するための手段】
本発明で提案するところの感光性ポリイミド組成物は、芳香族ジアミンの一成分がジアミノ安息香酸のテトラヒドロピラニルエステル、又はニトロベンジルエステルを含有する溶剤可溶のポジ型感光性ポリイミド組成物であり、好ましくは、ジアミノ安息香酸のエステルが、3、5−ジアミノ安息香酸のテトラヒドロ−2H−ピラニルエステル、又は、5−メトキシ−テトラヒドロ−2H−ピラニルエステル、又は、2−ニトロベンジルエステルであるポジ型感光性ポリイミド組成物である。
【0017】
3、3‘−ジヒドロキシー4、4’−ジアミノビフェニルとヘキサフルオロー2、2−ビス(ヒドロキシアミノフェノール)プロパンとからなるポリイミドは、溶剤に可溶である このヒドロキシ基をテトラヒドロー2H−ピラニル基で保護して、光分解酸発生剤を加えて光照射するポジ型の感光性ポリイミドの画像が既に示されている。
【0018】
本発明は、溶剤可溶のポリイミドでカルボキシル基を有するポリイミドを合成し、これにテトラヒドロー211−ピラニル基のエステルを導入した。この結果、ポリイミドはアルカリ難溶となる。これに光分解酸発生剤を添加し、紫外線照射するとアルカリ可溶のポリイミドになる。酸がエステルを分解し、カルボン酸を生成し、アルカリ可溶となるためである。
【0019】
ポリアミド酸のカルボキシル基を、2−ニトロベンジルアルコールで保護し、エステルにした後、光照射してポジ型の感光性ポリアミド酸とする報告がある。本発明は、ポリアミド酸ではなくカルボキシル基を持つ溶剤可溶のポリイミドを合成し、このカルボキシル基を、2−ニトロベンジルと反応させてエステルとしてアルカリ難溶とした。このポリイミドに光分解酸発生剤を添加し、光照射すると、ニトロ基を含有するベンジル基は、光の増感剤間効果と共に酸による加水分解を受けて、カルボキシル基となり、アルカリと塩を作ってアルカリ可溶性を示す。
ポリアミド酸は保存安定性が悪く、現像後も250−350度Cに加熱処理してイミド化を行う必要があるが、本発明のポリイミドは、保存安定性も良く絶縁膜が直接得られる利点がある。
【0020】
また、上記感光性ポリイミドは、ラクトンと塩基により生成した酸触媒の存在下に、極性溶媒中で加熱して、酸ジ無水物と芳香族ジアミンをモル比が105−095となるように加えて、加熱、脱水して得られたポリイミド感光性樹脂組成物である。また、上記のラクトンと塩基により生成した酸触媒を用いて、芳香族ジアミンとテトラカルボン酸ジ無水物のいずれかの成分を多量にして、ポリイミドオリゴマーとし、ついで芳香族ジアミン又は/及びテトラカルボン酸ジ無水物を加えて(全芳香族ジアミンと全テトラカルボン酸ジ無水物のモル比は105−095である)二段階重縮合した溶剤可溶の感光性ポリイミドブロック共重合体樹脂組成物である。
【0021】
また、上記感光性ポリイミドのポリスチレン換算の重量平均分子量が2万5000乃至40万、好ましくは3万乃至20万であり、その熱分解開始温度が450度C以上であるポジ型感光性樹脂組成物であり、このポジ型感光性ポリイミド組成物に光分解酸発生剤を、0。5−0。1重量比で加えたポジ型感光性ポリイミド樹脂組成物である。
さらに、上記ポジ型感光性樹脂組成物を製膜したポジ型感光性樹脂フィルムが有効である、
ポジ型感光性樹脂組成物で被覆した基材を、250−450nmの紫外線照射によって画像を露光し、その照射域をアルカリ性現像液で除去するパターン形成方法が、本法では有効である。
【0022】
本発明においては、ラクトンと塩基と水の次の平衡反応を利用した触媒系を用いることを特長とする
{ラクトン}+{塩基}+{水}={酸基}{塩基}
この{酸基}{塩基}系を触媒として、140−180度Cに加熱してポリイミド溶液を得る。生成する水は、トルエンと共沸させて反応系外へ除く 反応系のイミド化が終了した時点で、{酸基}{塩基}はラクトンと塩基になり、触媒作用を失うと同時にトルエンと共に反応系外へ除かれる。この方法によるポリイミド溶液は、上記触媒物質が、反応後のポリイミド溶液に含まれないため高純度のポリイミド溶液として、そのまま工業的に使用可能となる。
【0023】
さらに、3、5−ジアミノ安息香酸エステルを含むポリイミドを溶剤可溶型にするための多成分系ポリイミドの合成法を提案し、更にブロック共重合ポリイミドにして、溶解性を増大すると共に、ポリイミドの特性、例えば寸法安定性、接着性、耐摩耗性等の改良がなされる。また、その誘導体を含むポリイミドは、機械的強度が強く、弾性率が高い線状高分子となり、フィルム特性の優れたポリイミドとなり、フィルムとして使用が可能であり、感光性フィルムとして使用ができる。
本発明の感光性ポリイミド組成物は、ポリアミック酸ではなく、線状芳香族ポリイミドであり、水及び熱に安定な耐熱性ポリイミドである。
【0024】
本発明の感光性ポリイミド組成物に、光分解酸発生剤を添加し、この溶液を基材に被覆し、乾燥後250−450nmの波長の紫外線照射することにより画像型に露光、露光層を現像してその現像域をアルカリ性現像液で除去し、溶剤を加熱除去すると鋭角で高感度のフォトレジストパターンが得られる。
【0025】
光分解酸発生剤としては、次の様なものが用いられる。感光性キノンジアジド化合物としては、1、2−ナフトキノンー2−ジアジドー5−スルホン酸、1、2−ナフトキノンー2−ジアジドー4−スルホンの低分子芳香族ヒドロキシ化合物、例えば2、3、4−トリヒドロキシベンゾフェノン、1、3、5−トリヒドロキシベンゼン、2−及び4−メチルーフェノール、4、4‘−ヒドロキシープロバンのエステルであり、ポリイミド感光性樹脂成分に対し重量比で0。1−0。5の割合で添加される
オニウム塩としては、アリールジアゾニウム塩、例えば4(N−フェニル)アミノフェニルジアゾニウム塩、ジアリールハロニウム塩、例えばジフェニルヨードニウム塩、トリフェニルスルホニウム塩、例えばビス{4−(ジフェニルスルホニオ)フェニル}スルフィド、ビスヘキサフルオロアンチモナートであり、ポリイミド感光性樹脂成分に対し重量比0。1−0。5の割合で添加される
【0026】
本発明の感光性ポリイミドに使用される酸ジ無水物としては、3、4、3‘、4’−ベンゾフェノンテトラカルボン酸ジ無水物、3、4、3‘、4’−ビフェニルテトラカルボン酸ジ無水物、ヒロメリット酸ジ無水物、2、3、3‘、4’−ビフェニルエーテルテトラカルボン酸ジ無水物、1、2、5、6−ナフタレンテトラカルボン酸ジ無水物、2、3、5、6−ヒリジンテトラカルボン酸ジ無水物、3、4、3‘、4’−ビフェニルスルホンテトラカルボン酸ジ無水物、ビシクロ(2、2、2)−オクトー7−エンー2、3、5、6−テトラカルボン酸ジ無水物、4、4‘−{2、2、2−トリフルオロー1−(トリフルオロメチル)エチリデン}ビス(1、2−ベンゼンジカルボン酸ジ無水物)等があげられ、これらが単独、又は2種類以上の組み合わせで使用されるが、酸ジ無水物、芳香族ジアミンを選びポリイミドにする場合、これらの組み合わせが溶剤可溶となる組成を選ぶ必要がある。
【0027】
本発明の感光性ポリイミドに使用される芳香族ジアミンとしては、感光性基としての、3、5−ジアミノカルボン酸のテトラヒドロー2H−ピラニルエステル、又は、5−メトキシーテトラヒドロー2H−ピラニルエステル、又は、2−ニトロベンジルエステルと共に使用されるジアミンであって、例えば、4、4‘−(又は、3、4’−、3、3‘−、2、4’−)ジアミノービフェニルエーテル、4、4‘−(又は、3、4’−、3、3‘−、)ジアミノージフェニルメタン、4、4‘−(又は、3、4’−、3、3‘−、)ジアミノージフェニルスルホン、4、4‘−(又は、3、4’−、3、3‘−、)ジアミノージフェニルサルファイド、1、4−(又は1、3−)ジアミノベンゼン、2、4−(又は2、5−)ジアミノトルエン、3、3’−ジメチルー4、4‘−ジアミノビフェニル、3、3’−ジメトキシー4、4‘−ジアミノビフェニル、3、3’−ジクロロー4、4‘−ジアミノビフエニル、3、3’−ジニトロー4、4‘−ジアミノビフェニル、3、3’−ジアミノベンゾフェノン、1、5−ジアミノナフタレン、ビスー4−アミノフェノキシ(又は、ビスー3−アミノフェノキシ)1、4−ベンゼン、ビスー3−アミノフェノキシ(又は、ビスー3−アミノフェノキシ)1、3−ベンゼン、ビスー4−アミノフェノキシ(又は、ビスー3−アミノフェノキシ)ジフェニルスルホン、1、1、1、3、3、3−ヘキサフルオロー2−ビスー4(4−アミノフェニル)プロパン、2、2−ビスー4(4‘−アミノフェノキシ)フェニルプロパン、ジアミノシラン化合物等があげられる。 これらは、単独でも2種以上でも組み合わせて使用される。
【0028】
本発明の感光性ポリイミドは、極性の有機溶媒が使用される。これらの有機溶媒としては、N−メチルー2−ピロリドン、ジメチルホルムアミド、ジメチルアセトアミド、ジメチルスルホキシド、スルホラン、テトラメチル尿素等があげられる。
また、上記感光性ポリイミド溶液の希釈剤としては、溶解性を著しく減じないような溶剤、例えば、ジオキサン、ジオキソラン、ガンマープチロラクトン、シクロヘキサノン、プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート、乳酸メチル、アニソール、酢酸エチル等があげられるが、特にこれらに限定されない。
【0029】
感光性ポリイミド樹脂溶液は、極性溶媒中ほぼ等量のテトラカルボン酸ジ無水物と芳香族ジアミンを加えて酸触媒の存在下、140−180度Cに加熱し、生成する水をトルエン、キシレン等と共沸して系外へ除いて生成される。酸成分、ジアミン成分の種類を組み合わせることによって溶剤可溶のポリイミドが合成される。
【0030】
本発明のポリイミドの合成に使用される酸触媒は、ラクトンと塩基の2成分系触媒であり、これを反応系に使用すると脱水反応によって水が生成することによって、酸触媒作用を示し、イミド化が完了して水が反応系からなくなると、ラクトンとなり反応系外に除かれるため、反応系の触媒は存在しなくなり、保存安定性のあるポリイミド樹脂溶液としてそのまま使用できる。
【0031】
溶剤可溶型の感光性ポリイミドは、特にブロック共重合ポリイミドにすることによって溶解性を増し、接着性、機械的特性、低誘電率化等の特性をポリイミド自身に付与して、使用目的を拡大することができる。
また、ブロック共重合ポリイミドは、テトラカルボン酸ジ無水物、芳香族ジアミンの組み合わせによって、多様の性質を有するポリイミドを得ることができる。
【0032】
それぞれの最終用途に適合するために、本発明の感光性ポリイミドに光増感剤を付与してパターン解像の感度を高めることができる。この光増感剤としては、特に限定されないが、例えば、ミヒラーケトン、ベンゾインエーテル、2−メチルアントラキノン、ベンゾフェノン等が用いられる。さらに、通常の感光性ポリイミドの中に添加される改質剤、例えば、カップリング剤、可塑剤、膜形成樹脂、界面活性剤、安定剤、スペクトル感度調節剤等が用いられる。
【0033】
本発明の感光性ポリイミドが使用される基材としては、半導体ディスク、シリコンウエハー、ゲルマニウム、ガリウム砒素、ガラス、セラミック,銅箔、プリント基板等であり、上記感光性ポリイミド樹脂をワニス、または接着性のフィルムの形態として、直接基材の上に、被覆または接着して用いられる。
【0034】
被覆は、通常、浸漬、噴霧、ロール塗り、又はスピンコーティング等の方法によって行われる。また、接着フィルムは、通常熱圧着することによって、均一な被膜製品とすることができる。これらの方法によって、本発明の感光性ポリイミドは、0・1乃至200ミクロンの厚さを有する塗膜層、及びレリーフ構造を作るのに有効に使用できる。
【0035】
多層回路における薄膜は、例えば一時の間に合わせ用のフォトレジストとして、または絶縁膜層もしくは誘電層として使用される場合、0。1乃至5ミクロンの厚さを必要とする。厚い層、例えば、不動層としての使用のためには、半導体記憶要素をアルファー放射線から保護するために10−200ミクロンの厚さを必要とする。
感光性ポリイミドを基材に塗布した後、これを80乃至120度Cの温度範囲で予備乾燥する。オーブン又は加熱プレートが使用されるが、赤外線ヒーターによる加熱が望ましい。この場合の乾燥時間は、5−20分間程度である。
【0036】
この後、感光性ポリイミド層は、輻射を受ける。普通の場合、紫外線が用いられるが、高エネルギー放射線、例えば、X線または電子ビーム或いは超高圧水銀灯の高出力発振線等を使用することもできる。照射又は露光はマスクを介して行うが、輻射線ビームを感光性ポリイミド層の表面に当てることもできる。普通、輻射は、250−450nm、好ましくは300−400nmの範囲における波長を発する紫外線ランプを用いて行われる。露光は単色、又は多色的な方法を用いても良い。市販で入手できる輻射装置、例えば接触および層間露光器、走査投光型装置、またはウェハーステッパーを使用することが望ましい。
【0037】
露光後、パターンはフォトレジスト層の照射域を、アルカリ水溶液性の現像液で感光性層を処理することにより、照射域の部分を取り除く事ができる。これら処理は、例えば、浸漬するか又は加圧噴霧することにより基材の露光部分を溶出させることによって可能となる。
これらの現像時間は、露光エネルギー、現像液の強さ、現像の形式、予備乾燥温度、及び現像剤の処理温度等に依存する。一般には、浸漬現像においては、1−10分間程度であり、噴霧現像処理では10−40秒間程度である、現像は、不活性溶剤、例えばイソプロパノール、又は脱イオン水中への浸漬又はそれらの噴霧によって停止される。
【0038】
本発明のポジ型感光性ポリイミドは、0。5−200ミクロンの層の厚さを有するポリイミド被膜、及び鋭い輪郭のつけられたレリーフ構造を作ることができる。
本発明の感光性ポリイミドは、完全な線状ポリイミドから出来ているため水や熱に対して変化せず、保存安定性が良い。従って、感光性フィルムとして使用可能である。また、パターンの現像後は、従来のポリアミック酸分子のようなポストベーク温度250−450度Cの加熱処理は必要でなく、120−200度Cの加熱乾燥によって、溶剤を飛散させるだけでよい。また、パターン形成後のポリイミド膜は、強靭で高温度耐熱性、機械的特性に優れている。
【0039】
ここに、ノボラック感光性材料とジアゾナフトキノンからなるフォトレジストは、ノボラックの分子量が1万以下であり、5000−10000の分子量の平均化した材料が、解像度、感光性共に優れているといわれている。
ポジ型感光性ポリイミドも、分子量及び分子量分布によって解像度、及び感光性感度が異なり、またポリイミドの耐熱性、耐薬品性、機械的強度が異なる、分子量が大きく、カルボン酸含量の小さい程、現像時間、アルカリ液の浸漬時間が長くなる傾向にある。
感光性ポリイミドが、強いフィルム特性を示し、絶縁膜として有効であるためには、或程度の高い分子量が必要である。本感光性ポリイミドは、ポリスチレン換算の重量平均分子量(Mw)として、2万5千−40万、好ましくは、3万−20万が適当である。耐熱特性として、熱分解開始温度が少なくとも450度C以上が適当である。
【0040】
【実施例】
以下いくつかの実施例をあげて本発明を詳しく説明する。
なお、種々の酸ジ無水物、芳香族ジアミンの組み合わせによって、特性のある感光性ポリイミドが得られるから、本発明はこれらの実施例のみに限定されるのもではない。
実施例1
ステンレススチール製の碇型撹拌器を取り付けた1リットルのセパラブル3つ口フラスコに、水分分離トラップを備えた玉付冷却管を取り付ける。
4、4‘−{2、2、2−トリフルオロー1−(トリフルオロメチル)エチリデン}ビス(1、2−ベンゼンジカルボン酸ジ無水物)(ヘキストセラニーズ社製品、分子量444。25、以降6FDAという)17。77g(40ミリモル)、ビス{4−(3−アミノフェノキシ)フェニル}スルホン8。65g(20ミリモル、以降m−BAPSという)、3、5−ジアミノ安息香酸(大日本インキ株式会社製品、以降DABzという)3。04g(20ミリモル)、γ−バレロラクトン0。8g(8ミリモル)及びピリジン1。2g(16ミリモル)、N−メチルピロリドン112g、トルエン40gを仕込む。
室温で窒素雰囲気下で200rpmで0。5時間攪拌した後、180℃に昇温し、180rpmで2。25時間攪拌した。反応中、トルエンー水の共沸分を除いた
室温に冷却して、3、4−ジヒドロー211−ピラン8。41g(100ミリモル)、トルエン20gを加えて室温で25分間撹拌後、160度C、180rpmで3時間撹拌した。
このようにして得られたポリイミド溶液のポリマー濃度は、20重量%であった。このポリイミドの分子量を、高速液体クロマトグラフィー(東ソ製品)で測定したところ、ポリスチレン換算分子量は、数平均分子量(Mn)58、800、重量平均分子量(Mw)104、000、Z平均分子量(Mz)168、300、Mw/Mn=1。 77、Mz/Mn=2。86であった。
【0041】
実施例2
実施例1と同様に操作した
6FDA17。77g(40ミリモル)、m−BAPS8。65g(20ミリモル)、DABz3。04g(20ミリモル)、γ−バレロラクトン0。8g(8ミリモル)及びピリジン1。2g(16ミリモル)、N−メチルピロリドン112g、トルエン40gを仕込む。
室温で窒素雰囲気下で200rpmで0。5時間撹拌した後、180℃に昇温し、180rpmで3時間撹拌した。反応中、トルエンー水の共沸分を除いた
室温に冷却して、3、4−ジヒドロー2−メトキシピラン8。41g(100ミリモル)、トルエン20gを加えて室温で25分間撹拌後、160度C、180rpmで2時間攪拌した。
このようにして得られたポリイミド溶液のポリマー濃度は、20重量%であった。このポリイミドの分子量を、高速液体クロマトグラフィー(東ソ製品)で測定したところ、ポリスチレン換算分子量は、数平均分子量(Mn)20、600、重量平均分子量(Mw)39、700、Z平均分子量(Mz)68、900、Mw/Mn=1。93、Mz/Mn=3。35であった。
【0042】
実施例3
実施例1と同様に操作した、
3、4、3‘、4’−ベンゾフェノンテトラカルボン酸ジ無水物(HimieLinz Ges.m.b.H社製品、分子量322。23、以下BTDAという)12。89g(40モル)、m−BAPS8。65g(20ミリモル)、DABz3。04g(20ミリモル)、γ−バレロラクトン0。8g(8ミリモル)及びピリジン1。2g(16ミリモル)、N−メチルピロリドン83g、トルエン40gを仕込む。
室温で窒素雰囲気下で200rpmで0。5時間攪拌した後、180℃に昇温し、180rpmで3時間撹拌した。反応中、トルエンー水の共沸分を除いた。室温に冷却して、3、4−ジヒドロー211−ピラン16。82g(100ミリモル)、トルエン20gを加えて室温で25分間撹拌後、160度C、180rpmで2。25時間撹拌した。
このようにして得られたポリイミド溶液のポリマー濃度は、20重量%であった、このポリイミドの分子量を、高速液体クロマトグラフィー(東ソ製品)で測定したところ、ポリスチレン換算分子量は、数平均分子量(Mn)28、200、重量平均分子量(Mw)68、700、Z平均分子量(Mz)150、300、Mw/Mn=2。44、Mz/Mn=5。33であった。
【0043】
実施例4
実施例3と同様に操作した,
BTDA16。11g(50モル)、m−BAPS10。81g(25ミリモル)、DABz3。80g(25ミリモル)、γ−バレロラクトン1。0g(10ミリモル)及びピリジン1。6g(20ミリモル)、N−メチルヒロリドン116g、トルエン40gを仕込む。
室温で窒素雰囲気下で200rpmで0。5時間撹拌した後、180℃に昇温し、180rpmで3時間攪拌した。反応中、トルエンー水の共沸分を除いた、室温に冷却して、N−メチルピロリドン53g、3、4−ジヒドロー2−メトキシーピラン8。41g(100ミリモル)、トルエン20gを加えて室温で25分間撹拌後、160度C、180rpmで2時間撹拌した。
このようにして得られたポリイミド溶液のポリマー濃度は、15重量%であった。このポリイミドの分子量を、高速液体クロマトグラフィー(東ソ製品)で測定したところ、ポリスチレン換算分子量は、数平均分子量(Mn)21、600、重量平均分子量(Mw)49、700、Z平均分子量(Mz)103、100、Mw/Mn=2。30、Mz/Mn=4。77であった。
【0044】
実施例5
(フォトレジスト配合物の作成)
フォトレジストは、以下に示す成分を混合し、3ミクロン細孔径の濾過膜で濾過して製造した。
Figure 0004034403
【0045】
(画像形成方法)
上記のフォトレジスト配合物を、表面処理した直径5cmの銅箔(日本電解株式会社製品、18ミクロン厚さ)の表面上に、スビンコート法で塗布した。ついで、赤外線熱風乾燥機中で90度C10分間乾燥した。このフォトレジスト膜の厚さは、約10ミクロンである。
このフォトレジスト配合塗布膜上に、ポジ型フォトマスク用のテストパターン(10、15、20、25、−−、200ミクロンのスルーホール及びラインアンドベースパターン)を置き、2kw超高圧水銀灯照射装置(オーク製作所製品:JP−2000G)を用いて、画像が得られる露光量で照射した。
Figure 0004034403
現像液組成1は、アミノエタノール30g、エタノール50g、水15gの混合液である。
現像液組成2は、N−メチルヒロリドン40g、アミノエタノール10g、メタノール25g、水25gの混合液である。
現像液組成3は、15%テトラメチルアンモニウムヒドロオキシド溶液20g、メタノール10g、水45gの混合液である。
この液中に、上記照射後の塗布膜を上記時間浸漬した後、脱イオン水で水洗し、赤外線ランプで乾燥後、解像度を観察した。このポリイミド塗布膜の90度C、30分間の乾燥処理におけるポリイミド膜厚は、約10ミクロンであった。
配合物Aのポリイミド塗布膜のスルーホールパターンは、鋭く輪郭の丸みの切り口で15ミクロン口径の孔が確認された。ラインアンドベースパターンでは、10ミクロンの線像が確認された。
配合物Bのポリイミド塗布膜のラインアンドベースパターンでは、10ミクロンの線像が確認された。
配合物Cのポリイミド塗布膜のラインアンドベースパターンでは、10ミクロンの線像が確認された。
配合物Dのポリイミド塗布膜のラインアンドベースパターンでは、20ミクロンの線像が確認された。
【0046】
比較例1
BTDA12。89g(40モル)、m−BAPS8。65g(20ミリモル)、DABz3。04g(20ミリモル)、γ−バレロラクトン0。8g(8ミリモル)及びピリジン1。2g(16ミリモル)、N−メチルヒロリドン93g、トルエン40gを仕込む。
室温で窒素雰囲気下で200rpmで0。5時間撹拌した後、180℃に昇温し、180rpmで1。75時間撹拌した,反応中、トルエンー水の共沸分を除いた。
このようにして得られたポリイミド溶液のポリマー濃度は、20重量%であった。このポリイミドの分子量を、高速液体クロマトグラフィー(東ソ製品)で測定したところ、ポリスチレン換算分子量は、数平均分子量(Mn)10、500、重量平均分子量(Mw)47、200、Z平均分子量(Mz)90、200、Mw/Mn=2。42、Mz/Mn=5。01であった。
【0047】
(フォトレジスト配合物の作成)
フォトレジストは、以下に示す成分を混合し、3ミクロン細孔径の濾過膜で濾過して製造した、
Figure 0004034403
【0048】
(画像形成方法)
上記のフォトレジスト配合物を、表面処理した直径5cmの銅箔(日本電解株式会社製品、18ミクロン厚さ)の表面上に、スピンコート法で塗布した。ついで、赤外線熱風乾燥機中で90度C10分間乾燥した。このフォトレジスト膜の厚さは、約10ミクロンである。
このフォトレジスト配合塗布膜上に、ポジ型フォトマスク用のテストパターン(10、15、20、25、−−、200ミクロンのスルーホール及びラインアンドベースパターン)を置き、2kw超高圧水銀灯照射装置(オーク製作所製品:JP−2000G)を用いて、画像が得られる露光量で照射した。
Figure 0004034403
現像液組成2は、N−メチルピロリドン40g、アミノエタノール10g、メタノール25g、水25gの混合液である。
この液中に、上記照射後の塗布膜を上記時間浸漬した後、脱イオン水で水洗し、赤外線ランプで乾燥後、解像度を観察した。このポリイミド塗布膜の90度C、30分間の乾燥処理におけるポリイミド膜厚は、9ミクロンであった。
配合物Eのポリイミド塗布膜のスルーホールパターン及びラインアンドベースパターンは、コントラストが悪く実用性に乏しい。
【0049】
実施例6
実施例1と同様に操作した。
ステンレススチール製の碇型撹拌器を取り付けた1リットルのセパラブル3つ口フラスコに、水分分離トラップを備えた玉付冷却管を取り付ける。
6FDA17。77g(40ミリモル)、m−BAPS8。65g(20ミリモル)、DABz3。04g(20ミリモル)、γ−バレロラクトン0。8g(8ミリモル)及びピリジン1。2g(16ミリモル)、N−メチルピロリドン112g、トルエン40gを仕込む。
室温で窒素雰囲気下で200rpmで0。5時間攪拌した後、180℃に昇温し、180rpmで2時間攪拌した。反応中、トルエンー水の共沸分を除いた。室温に冷却して、2−ニトロベンジルアルコール30。63g(200ミリモル)、トルエン40gを加えて室温で25分間撹拌後、160度C、180rpmで2時間撹拌した。
このようにして得られたポリイミド溶液のポリマー濃度は、20重量%であった。このポリイミドの分子量を、高速液体クロマトグラフィー(東ソ製品)で測定したところ、ポリスチレン換算分子量は、数平均分子量(Mn)14、700、重量平均分子量(Mw)25、000、Z平均分子量(Mz)37、000、Mw/Mn=1。90、Mz/Mn=2。52であった。
【0050】
実施例7
実施例6と同様に操作した、
BTDA12。81g(40ミリモル)、m−BAPS8。65g(20ミリモル)、DABz3。04g(20ミリモル)、γ−バレロラクトン0。8g(8ミリモル)及びピリジン1。2g(16ミリモル)、N−メチルピロリドン93g、トルエン40gを仕込む。
室温で窒素雰囲気下で200rpmで0。5時間撹拌した後、180℃に昇温し、180rpmで2時間撹拌した。反応中、トルエンー水の共沸分を除いた。
室温に冷却して、7−ニトロベンジルアルコール30。63g(200ミリモル)、トルエン20gを加えて室温で25分間撹拌後、160度C、180rpmで2。5時間撹拌した。
このようにして得られたポリイミド溶液のポリマー濃度は、20重量%であった。このポリイミドの分子量を、高速液体クロマトグラフィー(東ソ製品)で測定したところ、ポリスチレン換算分子量は、数平均分子量(Mn)19、300、重量平均分子量(Mw)53、500、Z平均分子量(Mz)127、900、Mw/Mn=2。77、Mz/Mn=6。64であった。
【0051】
実施例8
(フォトレジスト配合物の作成)
フォトレジストは、以下に示す成分を混合し、3ミクロン細孔径の濾過膜で濾過して製造した。
Figure 0004034403
【0052】
(画像形成方法)
上記のフォトレジスト配合物を、表面処理した直径5cmの銅箔(日本電解株式会社製品、18ミクロン厚さ)の表面上に、スピンコート法で塗布した。ついで、赤外線熱風乾燥機中で90度C10分間乾燥した。このフォトレジスト膜の厚さは、約10ミクロンである。
このフォトレジスト配合塗布膜上に、ポジ型フォトマスク用のテストパターン(10、15、20、25、−−、200ミクロンのスルーホール及びラインアンドベースパターン)を置き、2kw超高圧水銀灯照射装置(オーク製作所製品:JP−2000G)を用いて、画像が得られる露光量で照射した。
Figure 0004034403
現像液組成1は、アミノエタノール30g、エタノール50g、水15gの混合液である。
現像液組成2は、N−メチルピロリドン40g、アミノエタノール10g、メタノール25g、水25gの混合液である。
この液中に、上記照射後の塗布膜を上記時間浸漬した後、脱イオン水で水洗し、赤外線ランプで乾燥後、解像度を観察した。このポリイミド塗布膜の90度C、30分間の乾燥処理におけるポリイミド膜厚は、9ミクロンであった。
配合物F、Gのポリイミド塗布膜のスルーホールパターンは、鋭く輪郭の丸みの切り口で15ミクロン口径の孔が確認された、ラインアンドベースパターンでは、10ミクロンの線像が確認された。
【0053】
【発明の効果】
以上の通り、本発明によれば、ポリイミド主鎖中に、芳香族ジアミンの一成分がジアミノ安息香酸のテトラヒドロピラニルエステル、又はニトロベンジルエステルを含有する溶剤可溶のポジ型感光性ポリイミド組成物、好ましくは、このジアミノ安息香酸のエステルが、3、5−ジアミノ安息香酸のテトラヒドロ−2H−ピラニルエステル、又は、5−メトキシ−テトラヒドロ−2H−エステル、又は、2−ニトロベンジルエステルであるポジ型感光性ポリイミド組成物は、キノンジアジド化合物の添加によって、紫外線照射により極めて良好な画像解像度を示した。また、高温度耐熱性、電気絶縁性、接着性を有した絶縁膜となり、半導体や電子部品等の製造分野に幅広く利用することができる。

Claims (8)

  1. リイミド主鎖中に、芳香族ジアミンの一成分がジアミノ安息香酸のテトラヒドロピラニルエステル、又はニトロベンジルエステルを含有する溶剤可溶のポジ型感光性ポリイミド組成物。
  2. 前記ジアミノ安息香酸のエステルが、3、5−ジアミノ安息香酸のテトラヒドロー2H−ピラニルエステル、又は、5−メトキシーテトラヒドロー2H−ピラニルエステル、又は、2−ニトロベンジルエステルである請求項1記載の組成物。
  3. ラクトンと塩基により生成した酸触媒の存在下に、極性溶媒中で加熱して、酸ジ無水物と前記芳香族ジアミンをモル比が105−095となるように加えて、加熱、脱水して得られた請求項1又は2記載の組成物
  4. 請求項3の触媒を用いて、芳香族ジアミンとテトラカルボン酸ジ無水物のいずれかの成分を多量にして、ポリイミドオリゴマーとし、ついで芳香族ジアミン又は/及びテトラカルボン酸ジ無水物を加えて(全芳香族ジアミンと全テトラカルボン酸ジ無水物のモル比は105−095である)二段階重縮合して得られ請求項3記載の組成物。
  5. 請求項1のポリイミドのポリスチレン換算の重量平均分子量が2万5000乃至40万であり、その熱分解開始温度が450度C以上であるポジ型感光性樹脂絶縁膜。
  6. 請求項1のジ型感光性ポリイミド組成物に光分解酸発生剤を、05−01重量比で加えたポジ型感光性ポリイミド樹脂組成物。
  7. 請求項4のポジ型感光性樹脂組成物を製膜したポジ型感光性樹脂フィルム。
  8. 請求項1ないし4、又は6記載のポジ型感光性樹脂組成物で被覆した基材を、250−450nmの紫外線照射によって画像を露光し、その照射域をアルカリ性水溶液現像液で除去するパターン形成方法。
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