JP3026459B2 - 感光性樹脂組成物 - Google Patents

感光性樹脂組成物

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JP3026459B2 JP4855491A JP4855491A JP3026459B2 JP 3026459 B2 JP3026459 B2 JP 3026459B2 JP 4855491 A JP4855491 A JP 4855491A JP 4855491 A JP4855491 A JP 4855491A JP 3026459 B2 JP3026459 B2 JP 3026459B2
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Description

【発明の詳細な説明】
[発明の目的]
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、ポリイミド膜パタ―ン
の形成に使用することのできる感光性樹脂組成物に関す
る。
【0002】
【従来の技術】半導体装置において、デバイスを外部環
境の影響から保護しその信頼性を高める目的で、デバイ
ス表面に保護膜(パッシベ―ション膜)を設ける処理が
なされている。一般的に、前記保護膜の材料としては絶
縁性等の電気特性、及び耐熱性に優れたポリイミド樹脂
が広く用いられている。また、半導体装置の多層配線構
造における層間絶縁膜としても、ポリイミド樹脂が広く
使用されている。
【0003】上記のようなポリイミド樹脂によるパッシ
ベ―ション膜又は層間絶縁膜の形成は、例えば以下に示
す手順によって行なわれる。すなわち該ポリイミド樹脂
の前駆体であるポリアミド酸のワニスを、所定の半導体
デバイス表面上に塗布する。これを加熱処理することに
より、前記ポリアミド酸の環化反応に伴なう熱硬化が生
じ、ポリイミド膜が成膜される。次いでポリイミド膜表
面上にフォトレジスト膜を設け、該フォトレジスト膜を
耐エッチングマスクとして、下地のポリイミド膜の選択
エッチングを行なうことにより、所望のパタ―ンを有す
るポリイミド樹脂のパッシベ―ション膜または層間絶縁
膜を形成する。而るに、このようなプロセスでは、ポリ
イミド膜の形成、及びパタ―ン形成のためのエッチング
を独立した2つの工程で行なうことが必要となり、工程
の複雑化が問題となる。
【0004】さらに近年、フォトレジストとしての感光
性を備えたポリイミドを用いて前述したような工程を簡
略化しようとする試みが数多く行なわれ、1部実用化さ
れている。しかしながら、これらは現像液として有機溶
剤が用いられるため、現像時にパタ―ンが膨潤して解像
度を高めることが困難であるという問題があった。また
このような問題に鑑み、特開昭64− 60630号にはフェノ
―ル性水酸基を有するポリイミド及び感光剤からなるア
ルカリ現像の可能な感光性ポリイミドが開示されている
が、係る感光性ポリイミドにおいては、パタ―ン形成後
のポリイミド膜と基体との充分な密着性が得られていな
い。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】上述したように、アル
カリ現像によるポリイミド膜パタ―ンの形成が可能な感
光性ポリイミドが現在要望されているが、このような感
光性ポリイミドではこれまで、得られるポリイミド膜と
基体との密着性が不充分である等の不具合があった。
【0006】本発明はこのような問題を解決して、基体
との密着性に優れたポリイミド膜パタ―ンをアルカリ現
像により形成できる感光性樹脂組成物を提供することを
目的としている。 [発明の構成]
【0007】
【課題を解決するための手段及び作用】本発明の感光性
樹脂組成物は、下記一般式[1]で示される反復単位を
有するポリイミドと、下記一般式[2]で示される反復
単位を有するポリアミド酸及びその誘導体の少なくとも
1種と、感光剤とを含有するものであり、樹脂成分とし
て前記ポリイミドと前記ポリアミド酸又はその誘導体と
が併わせて配合されていることを特徴としている。
【0008】
【化2】
【0009】(但し式中、R1 は4価の有機基、R2
少なくとも1個のフェノ―ル性水酸基を有する2価の有
機基、R3 は4価の有機基、R4 は2価の有機基を表
す。)
【0010】本発明で用いられるポリイミドには、前記
一般式[1]で示される反復単位が含まれており、この
反復単位中における有機基R2 がフェノ―ル性水酸基を
有するという点で特徴的である。このポリイミドは、ま
ず、テトラカルボン酸二無水物とフェノ―ル性水酸基を
有するジアミンとを反応させ、ポリイミドの前駆体であ
るポリアミド酸を生成させた後、係るポリアミド酸を環
化させることにより合成することができる。
【0011】本発明に係るポリイミドの合成において用
いることのできるテトラカルボン酸二無水物としては、
特に限定されないが、例えばピロメリット酸二無水物、
3,3′,4,4′−ベンゾフェノンテトラカルボン酸
二無水物、1,4,5,8−ナフタレンテトラカルボン
酸二無水物、2,3,6,7−ナフタレンテトラカルボ
ン酸二無水物、1,2,5,6−ナフタレンテトラカル
ボン酸二無水物、3,3′,4,4′−ビフェニルテト
ラカルボン酸二無水物、2,2′,3,3′−ビフェニ
ルテトラカルボン酸二無水物、2,3,3′,4−ビフ
ェニルテトラカルボン酸二無水物、2,3,3′,4′
−ベンゾフェノンテトラカルボン酸二無水物、2,2−
ビス(3,4−ジカルボキシフェニル)プロパン二無水
物、2,2−ビス〔5−(3,4−ジカルボキシフェノ
キシ)フェニル〕プロパン二無水物、2,2−ビス〔4
−(3,4−ジカルボキシフェノキシ)フェニル〕プロ
パン二無水物、ビス(3,4−ジカルボキシフェニル)
スルホン二無水物、ビス(3,4−ジカルボキシフェニ
ル)エ―テル二無水物、ビス(3,4−ジカルボキシフ
ェニル)メタン二無水物、ペリレン−3,4,9,10−
テトラカルボン酸二無水物、ブタンテトラカルボン酸二
無水物、2,2−ビス(3,4−ジカルボキシフェニ
ル)ヘキサフロロプロパン二無水物、ビス(3,4−ジ
カルボキシフェニル)ジメチルシラン二無水物、1,4
−ビス(3,4−ジカルボキシフェニルジメチルシリ
ル)ベンゼン二無水物、1,3−ビス(3,4−ジカル
ボキシフェニル)−1,1,3,3−テトラメチルジシ
ロキサン二無水物等が挙げられる。これらのうち、1種
又は2種以上が用いられる。
【0012】また、本発明に係るポリイミドの合成にお
いて用いることのできるフェノ―ル性水酸基を有するジ
アミンとしては、例えば、3,5−ジアミノ−1−ヒド
ロキシベンゼン、3,3′−ジヒドロキシ−4,4′−
ジアミノビフェニル、4,4′−ジヒドロキシ−3,
3′−ジアミノビフェニル、2,2−ビス(4−アミノ
−3−ヒドロキシフェニル)プロパン、2,2−ビス
(3−アミノ−4−ヒドロキシフェニル)プロパン、ビ
ス(3−アミノ−4−ヒドロキシフェニル)スルフィ
ド、ビス(3−アミノ−4−ヒドロキシフェニル)スル
ホン、ビス(3−アミノ−4−ヒドロキシフェニル)メ
タン、ビス(4−アミノ−3−ヒドロキシフェニル)メ
タン、2,2−ビス(4−アミノ−3−ヒドロキシフェ
ニル)ヘキサフロロプロパン、2,2−ビス(3−アミ
ノ−4−ヒドロキシフェニル)ヘキサフロロプロパン等
が挙げられる。これらのうち、1種又は2種以上が用い
られる。なお本発明では、前記ポリイミドの合成におい
て、上記したようなフェノ―ル性水酸基を有するジアミ
ンの他に、フェノ―ル性水酸基を有していないジアミン
を併用することもできる。この場合、最終的には前記一
般式[1]で示される主鎖中にフェノ―ル性水酸基を有
するポリイミド反復単位及び主鎖中にフェノ―ル性水酸
基を有していないポリイミド反復単位を含む共重合体構
造のポリイミドが得られる。ただし本発明で、前記ポリ
イミドの合成において用いられるフェノ―ル性水酸基を
有していないジアミンの許容量は、全ジアミン中 50mol
%以下、好ましくは 40mol%以下である。この理由は、
フェノ―ル性水酸基を有していないジアミンの使用量が
多すぎると、得られるポリイミドにおいて前記一般式
[1]で示される反復単位の占める量が少なくなり、感
光性樹脂組成物の感光特性が低下するからである。
【0013】本発明において用いられるポリアミド酸と
しては、前記一般式[2]で示される反復単位を有する
ものであれば特に限定されず、ポリイミドの合成に用い
得るどのようなポリアミド酸も許容される。このような
ポリアミド酸は、テトラカルボン酸二無水物とジアミン
とを反応させることにより合成され、このときのテトラ
カルボン酸二無水物としては上述したものの1種又は2
種以上を用いることができる。また、ジアミンとしては
特に限定されないが、芳香族ジアミンを用いることが好
ましく、例えば、m−フェニレンジアミン、p−フェニ
レンジアミン、2,4−トリレンジアミン、4,4′−
ジアミノジフェニルエ―テル、4,4′−ジアミノジフ
ェニルメタン、4,4′−ジアミノジフェニルスルホ
ン、4,4′−ジアミノジフェニルスルフィド、2,2
−ビス(4−アミノフェニル)プロパン、2,2−ビス
(4−アミノフェニル)ヘキサフロロプロパン、3,
4′−ジアミノジフェニルエ―テル、3,3′−ジアミ
ノジフェニルエ―テル、3,3′−ジアミノジフェニル
ケトン、4,4′−ジアミノジフェニルケトン、4,
4′−ジアミノベンズアニリド、ビス(4−アミノフェ
ニル)ジメチルシラン、1,3−ビス(4−アミノフェ
ニル)ジメチルシラン、1,3−ビス(4−アミノフェ
ニル)−1,1,3,3−テトラメチルジシロキサン、
1,3−ビス(3−アミノフェノキシ)ベンゼン、1,
3−ビス(4−アミノフェノキシ)ベンゼン、1,4−
ビス(4−アミノフェノキシ)ベンゼン、4−メチル−
2,4−ビス(4−アミノフェニル)−1−ペンテン、
4−メチル−2,4−ビス(4−アミノフェニル)−2
−ペンテン、1,4−ビス(α,α−ジメチル−4−ア
ミノベンジル)ベンゼン、イミノ−ジ−p−フェニレン
ジアミン、1,5−ジアミノナフタレン、2,6−ジア
ミノナフタレン、4−メチル−2,4−ビス(4−アミ
ノフェニル)ペンタン、5(または6)−アミノ−1−
(4−アミノフェニル)−1,3,3−トリメチルイン
ダン、ビス(4−アミノフェニル)ホスフィンオキシ
ド、4,4′−ジアミノアゾベンゼン、4,4′−ジア
ミノジフェニル尿素、4,4′−ビス(4−アミノフェ
ノキシ)ビフェニル、2,2−ビス〔4−(4−アミノ
フェノキシ)フェニル〕プロパン、2,2−ビス〔4−
(3−アミノフェノキシ)フェニル〕プロパン、4,
4′−ビス(4−アミノフェノキシ)ベンゾフェノン、
4,4′−ビス(4−アミノフェノキシ)ジフェニルス
ルホン、4,4′−ビス(4−アミノフェノキシ)ジフ
ェニルスルホン、4,4′−ビス〔4−(α,α−ジメ
チル−4−アミノベンジル)フェノキシ〕ベンゾフェノ
ン、4,4′−ビス〔4−(α,α−ジメチル−4−ア
ミノベンジル)フェノキシ〕ジフェニルスルホン、2,
2−ビス〔4−(4−アミノフェノキシ)フェニル〕ヘ
キサフロロプロパン等の芳香族ジアミンが挙げられる。
なお、これらの芳香族ジアミンの芳香核の水素原子が、
塩素原子、フッ素原子、臭素原子、メチル基、メトキシ
基、シアノ基、フェニル基等の群より選択される少なく
とも1種の置換基により置換された化合物であってもよ
い。さらに前記ポリアミド酸の合成には、上述した芳香
族ジアミンの他にも、例えば、ジメチレンジアミン、ト
リメチレンジアミン、テトラメチレンジアミン、ヘキサ
メチレンジアミン、ヘプタメチレンジアミン、オクタメ
チレンジアミン、ノナメチレンジアミン、デカメチレン
ジアミン、1,2−ビス(3′−アミノプロポキシ)エ
タン、
【0014】
【化3】 1,4−ジアミノシクロヘキサン、4,4′−ジアミノ
ジシクロヘキシルメタン、1,3−ビスアミノメチルシ
クロヘキサン、1,4−ビスアミノメチルシクロヘキサ
ン、1,3−ジアミノシクロヘキサン、4,4′−ジア
ミノジシクロヘキシルイソプロパン、1,4−キシリレ
ンジアミン、2,6−ジアミノピリジン、2,4−ジア
ミノ−S−トリアジン、1,3−ビス(γ−アミノプロ
ピル)−1,1,3,3−テトラメチルジシロキサン、
1,4−ビス(γ−アミノプロピルジメチルシリル)ベ
ンゼン、1,3−ビス(4−アミノブチル)−1,1,
3,3−テトラメチルジシロキサン、1,3−ビス(γ
−アミノプロピル)−1,1,3,3−テトラフェニル
ジシロキサン等のジアミンや前述したようなフェノ―ル
性水酸基を有するジアミン等が挙げられる。これらのう
ち、1種又は2種以上を用いることができる。
【0015】また、本発明において用いられるポリアミ
ド酸誘導体としては、例えば、上記したようなポリアミ
ド酸のエステル等が挙げられる。このようなポリアミド
酸のエステルの合成法としては、上記したようなテトラ
カルボン酸二無水物とアルコ―ル、フェノ―ル、アルコ
キシド等を反応せしめテトラカルボン酸のエステルを生
成させた後、上記したようなジアミンと反応せしめる方
法等が採用され得る。
【0016】本発明において、前記一般式[1]で示さ
れる反復単位を有するポリイミドの前駆体であるポリア
ミド酸及び前記一般式[2]で示される反復単位を有す
るポリアミド酸又はその誘導体の合成は、通常有機溶剤
中で前記テトラカルボン酸二無水物(又はテトラカルボ
ン酸のエステル)とジアミンとを重縮合させることによ
り行なわれる。このとき用いられる有機溶剤としては、
例えば、N,N−ジメチルホルムアミド、N,N−ジメ
チルアセトアミド、N−メチル−2−ピロリドン、N−
メチル−ε−カプロラクタム、γ−ブチロラクトン、ス
ルホラン、N,N−ジメチルスルホキシド、N,N,
N′,N′−テトラメチル尿素、テトラヒドロフラン、
メチルセロソルブアセテ―ト、ジグライム、シクロヘキ
サノン等が挙げられる。またこのようなポリアミド酸の
合成において、テトラカルボン酸二無水物とジアミンと
の好ましい配合割合は、モル比で 0.9〜 1.1:1であ
り、両成分が等モル配合されることがより好ましい。さ
らに反応条件としては、反応温度−10〜 100℃、反応時
間 0.5〜24時間の範囲である。
【0017】こうして合成されるポリアミド酸の分子量
については、本発明では特に限定されないが、基体に塗
布した際に充分な物理的強度を有する膜が得られる程度
に高分子量化されていることが好ましい。従ってこの観
点から、ポリアミド酸の対数粘度(N−メチル−2−ピ
ロリドン溶媒中において、ポリマー濃度0.5g/d
l、30℃で測定)が0.10dl/g以上であること
が好ましい。
【0018】以上のような条件で合成されたポリアミド
酸は、溶液のまま用いてもよいし、またポリアミド酸溶
液を水、メタノ―ル、エタノ―ル、イソプロピルアルコ
―ル、アセトン等の貧溶剤に注入してポリマ―を析出さ
せ、洗浄、乾燥して固体として回収した後使用してもよ
い。
【0019】本発明に係る前記一般式[1]で示される
反復単位を有するポリイミドは、前駆体のポリアミド酸
を環化させることにより得られるが、この環化は加熱処
理又は化学処理によって行なわれる。加熱処理による方
法では、ポリアミド酸溶液をトルエン、キシレン、クロ
ロベンゼン等水と共沸混合物を形成する有機溶剤の存在
下、イミド化により副生する水を共沸留去することによ
り環化反応が起こりポリイミドが生成される。また化学
処理による方法では、ポリアミド酸溶液を無水酢酸、ポ
リリン酸、トリフエニルホスフィン、亜リン酸トリフェ
ニル、ジシクロヘキシルカルボジイミド、トリエチルア
ミン、ピリジン、塩化コリン、酢酸ナトリウム、酢酸マ
ンガン、酢酸コバルト等の存在下、−20〜 150℃の温度
範囲で1分〜24時間反応させることにより環化反応が起
こりポリイミドが生成される。以上のような条件で合成
されたポリイミドは、溶液のまま用いてもよいし、また
ポリイミド溶液を水、メタノ―ル、エタノ―ル、イソプ
ロピルアルコ―ル、アセトン等の貧溶剤に注入してポリ
マ―を析出させ、洗浄、乾燥して固体として回収した
後、使用してもよい。
【0020】本発明の感光性樹脂組成物において、樹脂
成分である前記ポリイミドとポリアミド酸又はその誘導
体との配合割合は、両樹脂成分の総量中、ポリイミドを
20〜99.9重量%とすることが好ましい。この理由は、ポ
リイミドの配合割合が20重量%未満であるとパタ―ン形
成時に露光部、未露光部共に現像液に対する溶解速度が
速くなって、解像度の優れたパタ―ンを形成することが
困難となる。逆にポリイミドの配合割合が99.9重量%を
越えると、ポリアミド酸の配合によるポリイミド膜の機
械的強度の向上の効果が得られなくなるからである。さ
らに、ポリイミドの配合割合が30〜90重量%であること
がより好ましい。
【0021】本発明において用いられる感光剤として
は、分子中にo−キノンジアジド基を少なくとも1個有
するo−キノンジアジド化合物又は分子中にナフトキノ
ンジアジド基を少なくとも1個有するナフトキノンジア
ジド化合物のようなジアジド化合物が挙げられる。具体
的には、以下の構造式で示される化合物(QD−1)〜
(QD−16)からなる群より選ばれた少なくとも1種の
化合物等が使用され得る。
【0022】
【化4】
【0023】
【化5】
【0024】
【化6】
【0025】これらの化合物のなかでも、前記(QD−
1)及び(QD−2)のような2,3,4−トリヒドロ
キシベンゾフェノンの1,2−ナフトキノンジアジドス
ルホン酸エステル類や、前記(QD−4)及び(QD−
5)のような2,3,4,4′−テトラヒドロキシベン
ゾフェノンの1,2−ナフトキノンジアジドスルホン酸
エステル類、前記(QD−7)及び前記(QD−10)の
ような2−(4−アミノフェニル)−2−(4−ヒドロ
キシフェニル)プロパンの1,2−ナフトキノンジアジ
ドスルホン酸エステル類等は、本発明において特に好ま
しい感光剤である。
【0026】例えば、(QD−4)で示される2,3,
4,4′−テトラヒドロキシベンゾフェノン−1,2−
ナフトキノンジアジド−5−スルホン酸エステルは、g
線露光用感光剤として好適であり、また(QD−5)で
示される2,3,4,4′−テトラヒドロキシベンゾフ
ェノン−1,2−ナフトキノンジアジド−4−スルホン
酸エステルは前者よりも短波長の紫外線露光用感光剤と
して好適である。尚、この2,3,4,4′−テトラヒ
ドロキシベンゾフェノン−1,2−ナフトキノンジアジ
ド−4−スルホン酸エステルにおいて、1,2−ナフト
キノンジアジドスルホン酸による2,3,4,4′−テ
トラヒドロキシベンゾフェノンのエステル化率は、通常
前記ベンゾフェノン化合物における水酸基総数の40〜 1
00%となっている。換言すれば、2,3,4,4′−テ
トラヒドロキシベンゾフェノン−分子(水酸基数4)当
たりの平均的ナフトキノンジアジドの導入数は 1.6〜4
個であり、この感光剤は、前記ナフトキノンジアジドの
導入数が1、2、3、又は4のスルホン酸エステルの混
合物ということになる。
【0027】本発明において、前記感光剤の配合量は感
光性樹脂組成物中1〜50重量%であることが好ましい。
この理由は、感光剤の配合量が少なすぎると感光性樹脂
組成物の感度が不充分となり、感光剤の配合量が多すぎ
るとパタ―ン形成後の感光剤の残渣のため、得られるポ
リイミド膜の特性が低下するおそれがあるからである。
さらに、より好ましい感光剤の配合量は10〜30重量%で
ある。
【0028】また本発明の感光性樹脂組成物では、必要
に応じて増感剤、染料、界面活性剤、アルカリ可溶性樹
脂等を添加配合することもできる。尚、ここでアルカリ
可溶性樹脂としては特に限定されないが、例えば、ポリ
−p−ビニルフェノ―ル、ポリ−o−ビニルフェノ―
ル、ポリ−m−イソプロペニルフェノ―ル、m,p−ク
レゾ―ルノボラック樹脂、キシレゾ―ルノボラック樹
脂、p−ビニルフェノ―ルおよびメタクリル酸メチルの
共重合体、p−イソプロペニルフェノ―ルおよび無水マ
レイン酸の共重合体、ポリメタクリル酸、以下の各反復
単位を含む各ポリマ―;
【0029】
【化7】 等のアルカリ可溶性樹脂が使用され得る。次に、本発明
の感光性樹脂組成物を用いたパタ―ン形成方法について
詳細に説明する。
【0030】まず、前記ポリイミド、ポリアミド酸及び
ジアジド化合物を所定の濃度となるように適当な有機溶
剤に溶解し、所望により濾過等の方法で微細な不純物を
除去してワニスを調製する。次いで、前記ワニスを例え
ば回転塗布法により半導体基板等の基板上に塗布した
後、これを乾燥して本発明に係る樹脂層を形成する。
尚、このときの有機溶剤としては、前述したようなポリ
アミド酸の合成の際に用いられるものと同様の有機溶剤
が用いられる。ここで本発明の感光性樹脂組成物では、
溶剤溶解性が優れているため塗膜性が改善されており、
厚膜の形成に良好に作用する。
【0031】次に、前記樹脂層を60〜 100℃でプレキュ
アした後、所望のパタ―ンを有するフォトマスクを介し
て樹脂層に可視光、赤外光、紫外光、EB、X線等のエ
ネルギ―線を照射し、前記樹脂層の所望領域を露光す
る。なおこのとき、密着、投影のいずれの露光方式も可
能である。
【0032】このとき露光部分では、感光剤のジアジド
化合物におけるo−キノンジアジド基又はナフトキノン
ジアジド基が、光化学反応及び系中の水分によって、ケ
トンを経てカルボン酸に変化する。以下に、感光剤とし
て1,2−ナフトキノンジアジド−5−スルホン酸エス
テルを用いた場合について、上記反応の進行を示す。
【0033】
【化8】
【0034】続いて、前述したような露光を行なった後
の樹脂層に対して、アルカリ水溶液を使用した浸漬法、
スプレ―法等により現像処理を行なう。このアルカリ水
溶液には、水酸化カリウム、水酸化ナトリウム等の無機
アルカリ水溶液、又はプロピルアミン、ブチルアミン、
モノエタノ―ルアミン、エチレンジアミン、トリメチレ
ンジアミン、トリメチルアンモニウムヒドロキシド、ヒ
ドラジン、テトラメチルアンモニウムヒドロキシド、ト
リメチル−2−ヒドロキシエチルアンモニウムヒドロキ
シド等からなる群より選ばれる少なくとも1種の有機ア
ルカリ水溶液等が使用され得る。また前記したようなア
ミン化合物に、メタノ―ル、エタノ―ル、2−プロパノ
―ル、エチレングリコ―ル、セロソルブ、メチルセロソ
ルブ、ブチルセロソルブ、ジエチレングリコ―ル、エチ
ルカルビト―ル、水等の本発明の感光性樹脂組成物の貧
溶媒、又はN−メチルピロリドン、N,N−ジメチルホ
ルムアミド、N,N−ジメチルアセトアミド、ジメチル
スルホキシド等の本発明の感光性樹脂組成物の溶媒を混
合したものも使用され得る。
【0035】このとき、樹脂層の未露光部分では、ジア
ジド化合物がアルカリ水溶液に対する溶解性抑止剤とし
て働き、樹脂成分単独のときよりも現像液に溶けにくく
なっている。一方露光部分では、上述した光反応によ
り、ジアジド化合物が前記カルボン酸に変化している。
このカルボン酸のカルボキシル基がアルカリ水溶液中の
アルカリ金属イオン又はアンモニウムイオン等と反応し
て塩を形成し、露光部分が現像液に溶解する。従って前
記樹脂層では、このような現像処理によって未露光部分
のみが残存する。すなわち本発明の感光性樹脂組成物
は、その露光部分が現像液に対して可溶化するポジ型フ
ォトレジストとしての機能を奏する。
【0036】尚、前記の反復単位を有するポリイミドと
ジアジド化合物からなる従来の感光性ポリイミドにおい
ては、露光部分での光反応により生じる前記カルボン酸
のみの作用では、アルカリ現像液に対する溶解性が不充
分な場合があり得る。これに対し本発明の感光性樹脂組
成物では、樹脂成分中に配合されるポリアミド酸におけ
るカルボキシル基が、前記カルボン酸のカルボキシル基
と同様の作用を有している。従ってポリアミド酸のカル
ボキシル基も現像時同様にアルカリ塩を形成し、露光部
分における樹脂層のアルカリ現像液に対する溶解性を助
長することができる。
【0037】また本発明では、前述したような現像工程
の後、現像液残渣等を除去する目的で、水、アルコ―
ル、アセトン、酢酸エステル類等によるリンス処理を行
なってもよい。
【0038】次いで、前記の現像処理により所定のパタ
―ンが得られた樹脂層を所定温度で加熱する。これによ
り、樹脂層中の感光剤が除かれ、ポリアミド酸の環化反
応が起こり、ポリイミド膜が生成される。尚このときの
加熱工程では、90℃から 400℃まで徐々に昇温すること
が好ましい。これは、急激な昇温を行なうとポリイミド
膜生成時にポリアミド酸の環化反応以外の好ましくない
反応が生じるおそれがあるからである。
【0039】上述したような工程により得られるポリイ
ミド膜パタ―ンは、優れた電気絶縁性及び耐熱性を示
し、半導体装置におけるパッシベ―ション膜又は層間絶
縁膜として好適に機能する。またPEP(Photo Eng
raving Process)におけるエッチングマスクとして用
いることもできる。
【0040】
【実施例】以下に、本発明を実施例により詳細に説明す
る。 実施例1 撹拌棒、温度計、滴下ロ―トを取り付けた反応フラスコ
中に、五酸化リンによって乾燥した窒素ガスを通し、
3,3′,4,4′−ベンゾフェノンテトラカルボン酸
二無水物16.11g( 0.05 モル)及びN,N−ジメチルア
セトアミド50gを注入した。そして、これらを充分に撹
拌、混合して0℃まで冷却した。次に、2,2−ビス
(3−アミノ−4−ヒドロキシフェニル)ヘキサフロロ
プロパン18.31g( 0.05 モル)をN,N−ジメチルアセ
トアミド50gに溶解させ、この溶液を0℃で保持した前
記反応フラスコ中に徐々に滴下した。こうして得られた
混合液を、0〜10℃にて6時間撹拌して、ポリアミド酸
を合成した。
【0041】次いで、このポリアミド酸溶液の1部を貧
溶媒(50容量%メタノ―ル水溶液)中に滴下してポリア
ミド酸を析出させ、これを洗浄、乾燥してポリアミド酸
を固体として取得した後、固体のポリアミド酸をN−メ
チル−2−ピロリドンに溶解して濃度 0.5g/dlのポリ
アミド酸/N−メチル−2−ピロリドン溶液を調製し
た。このポリアミド酸/N−メチル−2−ピロリドン溶
液について、30℃において固有粘度を測定したところ、
0.51 dl/gであった。
【0042】次に、無水酢酸11.2g( 0.11 モル)及び
ピリジン 0.2g( 0.0025 モル)をN,N−ジメチルア
セトアミド10gに溶解させ、この溶液を前記ポリアミド
酸/N−メチル−2−ピロリドン溶液に加えて、室温で
18時間撹拌しポリアミド酸を環化させた。さらに、こう
して得られた溶液を50容量%メタノ―ル水溶液中に注入
してポリイミドを析出させ、これを洗浄、乾燥して生成
したポリイミドを固体として取得した。
【0043】続いて、同様の反応フラスコ中に3,
3′,4,4′−ベンゾフェノンテトラカルボン酸二無
水物12.09g( 0.0375 モル)、ピロメリット酸二無水物
2.73g(0.0125 モル)及びN−メチル−2−ピロリド
ン60gを注入した。そしてこれらを充分に撹拌、混合し
て10℃まで冷却した。次に、4,4′−ジアミノジフェ
ニルエ―テル 9.41g( 0.047モル)及び1,3−ビス
(γ−アミノプロピル)−1,1,3,3−テトラメチ
ルジシロキサン 0.75g( 0.003モル)をN−メチル−2
−ピロリドン40gに溶解させ、この溶液を10℃で保持し
た前記反応フラスコ中に徐々に滴下した。こうして得ら
れた混合液を10〜15℃にて6時間撹拌して、ポリアミド
酸を合成した。このポリアミド酸/N−メチル−2−ピ
ロリドン混合液について、30℃において固有粘度を測定
したところ、 1.2dl/gであった。
【0044】次に、前記ポリイミド2g及び前記(QD
−4)の感光剤(平均エステル置換数3) 0.45gをN−
メチル−2−ピロリドン8gに溶解し、さらにこの溶液
に前記ポリアミド酸/N−メチル−2−ピロリドン混合
液3gを添加し、充分撹拌して均一な溶液とした後、細
孔寸法 0.5μmのメンブランフィルタ―で濾過すること
によって本発明の感光性樹脂組成物のワニスを調製し
た。
【0045】このワニスを、径5インチのシリコンウェ
ハ―上にスピンナ―を用いて塗布し、これを90℃のホッ
トプレ―ト上で20分間乾燥して、厚さ50μmの樹脂層を
形成した。この後露光機(キャノン社製:PLA 501
F)により前記樹脂層の表面を所定のマスクを介して紫
外線(11.0 mW/cm2 ,405nm )で20秒間照射した(照
射量220mJ/cm2 )。露光後、シリコンウェハ―を濃度
2重量%のテトラメチルアンモニウムヒドロキシド水溶
液で60秒間現像したところ、未露光部をほとんど侵蝕す
ることなく、線幅5μmの微細かつ鮮明なレリ―フパタ
―ンが得られた。さらに、得られたレリ―フパタ―ン
に、90℃で30分間, 150℃で30分間, 250℃で30分間,
320℃で20分間の熱処理を施し、樹脂層中のポリアミド
酸を全てポリイミドに環化させた後も前記レリ―フパタ
―ンが損なわれることがなく、5μmの幅の解像度が達
成されていることが確認された。
【0046】また、同じ感光性樹脂組成物のワニスを、
径3インチのシリコンウェハ―上にスピンナ―を用いて
塗布し、これを90℃のホットプレ―ト上で20分間乾燥し
て、厚さ5μmの樹脂層を形成した。この後、この樹脂
層に 150℃で30分間, 250℃で30分間, 320℃で30分間
の熱処理を施し、樹脂層中のポリアミド酸を環化させて
ポリイミド膜を形成した。
【0047】次いで、得られたポリイミド膜にナイフに
より2mm角の大きさのゴバン目状の切り込みを入れ、粘
着性セロハンテ―プを用いた剥離試験を行なったとこ
ろ、ポリイミド膜はシリコンウェハ―から全く剥れなか
った。また、このポリイミド膜を 120℃、2気圧の飽和
水蒸気雰囲気に 100時間さらした後、同様の試験を行な
ってもポリイミド膜の剥れは全く認められず、本発明の
感光性樹脂組成物によればシリコンウェハ―との優れた
密着性を有するポリイミド膜を形成できることが確認さ
れた。
【0048】実施例2〜5 表1に示す原料組成で前記実施例1と同様の方法によ
り、実施例2〜5に使用するポリイミド及びポリアミド
酸を合成した(表1中には、係る樹脂成分の合成時に得
られたポリアミド酸/N−メチル−2−ピロリドン溶液
の対数粘度を併記した)。以下実施例1と同様に、前記
ポリイミド2g及びポリアミド酸溶液(20重量%N−メ
チル−2−ピロリドン溶液)3gに前記(QD−4)又
は(QD−9)の感光剤がそれぞれ表1に示した所定量
配合されてなる実施例2〜5の感光性樹脂組成物のワニ
スを調製した。尚、表1中で用いる略号は、それぞれ以
下に示すテトラカルボン酸二無水物及びジアミンを表
す。 テトラカルボン酸二無水物 PMDA:ピロメリット酸二無水物 BTDA:3,3′,4,4′−ベンゾフェノンテトラ
カルボン酸二無水物 6FDA:2,2−(3,4−ジカルボキシフェニル)
ヘキサフロロプロパン二無水物 ジアミン 6FAP:2,2−ビス(3−アミノ−4−ヒドロキシ
フェニル)ヘキサフ ロロプロパン HAP :3,3′−ジヒドロキシ−4,4′−ジアミ
ノビフェニル ODA :4,4′−ジアミノジフェニルエ―テル BAPP:2,2−ビス[4−(4−アミノフェノキ
シ)フェニル]プロパン HFBAPP:2,2−ビス[4−(4−アミノフェノ
キシ)フェニル]ヘキサフロロプロパン TSL :1,3−ビス(γ−アミノプロピル)−1,
1,3,3−テトラメチルジシロキサン
【0049】
【表1】
【0050】これらのワニスについて、実施例1と同様
の方法でシリコンウェハ―上において成膜、露光、現
像、熱処理を行ない、ポリイミド膜パタ―ンを形成し
た。このときの成膜時の初期膜厚、露光時の光照射量、
得られたパタ―ンの解像度を表2に示す。表2から明ら
かなように、実施例2〜5においても高い解像度でポリ
イミド膜パタ―ンが形成された。
【0051】さらに実施例2〜5の感光性樹脂組成物に
ついて、実施例1と同様にシリコンウェハ―上にポリイ
ミド膜を成膜し剥離試験を行なったところ、いずれもシ
リコンウェハ―からのポリイミド膜の剥れは全く認めら
れなかった。次いで、ポリイミド膜を実施例1と同様飽
和水蒸気中にさらした後同様の試験を行なったところ、
やはりポリイミド膜の剥れは全くなく、これらの感光性
樹脂組成物においても、シリコンウェハ―との密着性の
高いポリイミド膜を形成できることが確認された。
【0052】
【表2】
【0053】比較例1 実施例1で用いたものと同様のポリイミド2g及び感光
剤 0.4gをN−メチル−2−ピロリドン8gに溶解し、
この溶液に細孔寸法 0.5μmのメンブランフィルタ―で
濾過して比較例に係る感光性樹脂組成物を調製した。こ
の感光性樹脂組成物について、実施例1と同様にシリコ
ンウェハ―上にポリイミド膜を成膜し剥離試験を行なっ
たところ、ポリイミド膜の 100個のゴバン目全てが剥離
してしまい、前記ポリイミド膜ではシリコンウェハ―と
の密着性が不充分であることが確認された。
【0054】比較例2 撹拌棒、温度計、滴下ロ―トを取り付けた反応フラスコ
中に、3,3′,4,4′−ベンゾフェノンテトラカル
ボン酸二無水物12.09g( 0.0375 モル)、ピロメリット
酸二無水物 2.73g( 0.0125モル)及びN,N−ジメチ
ルアセトアミド35gを注入した。そしてこれらを充分に
撹拌、混合して0℃まで冷却した。次に、2,2−ビス
(3−アミノ−4−ヒドロキシフェニル)プロパン17.4
0g( 0.0475 モル)及び1,3−ビス(γ−アミノプロ
ピル)−1,1,3,3−テトラメチルジシロキサン
0.62g( 0.0025 モル)をN,N−ジメチルアセトアミ
ド50gに溶解させ、この溶液を0℃で保持した前記反応
フラスコ中に徐々に滴下した。こうして得られた混合液
を0〜10℃にて6時間撹拌して、ポリアミド酸を合成し
た。得られたポリアミド酸溶液の固有粘度は、30℃にお
いて 0.47 dl/gであった。次いで、実施例1と同様の
化学処理によって前記ポリアミド酸を環化せしめた後ポ
リイミドを析出させ、これを洗浄、乾燥して固体のポリ
イミド粉末を取得した。
【0055】得られたポリイミド2gを実施例1と同様
の感光剤 0.4gと共にN−メチル−2−ピロリドン8g
に溶解し、この溶液を細孔寸法 0.5μmのメンブランフ
ィルタ―で濾過して感光性樹脂組成物のワニスを調製し
た。このワニスについて、実施例1と同様にシリコンウ
ェハ―上にポリイミド膜を成膜し剥離試験を行なったと
ころ、ポリイミド膜の剥れは全く認められなかった。し
かしながら、このポリイミド膜を実施例1と同様の飽和
水蒸気中にさらした後、同様の試験を行なったところ、
ポリイミド膜 100個のゴバン目中69個が剥離してしま
い、係るポリイミド膜では、シリコンウェハ―との密着
性が不充分であることが確認された。
【0056】
【発明の効果】以上詳述したように、本発明の感光性樹
脂組成物によれば、アルカリ現像により基体との密着性
に優れたポリイミド膜パタ―ンを高い解像度で形成で
き、その工業的価値は大なるものがある。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 親里 直彦 神奈川県川崎市幸区小向東芝町1番地 株式会社東芝 総合研究所内 (56)参考文献 特開 平2−639(JP,A) 特開 昭64−60630(JP,A) 特開 昭63−13032(JP,A) (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) G03F 7/039 G03F 7/022 G03F 7/037 G03F 7/075 H01L 21/027

Claims (1)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 下記一般式[1]で示される反復単位を
    有するポリイミドと、下記一般式[2]で示される反復
    単位を有するポリアミド酸及びその誘導体の少なくとも
    1種と、感光剤とを含有することを特徴とする感光性樹
    脂組成物。 【化1】 (但し式中、R1 は4価の有機基、R2 は少なくとも1
    個のフェノ―ル性水酸基を有する2価の有機基、R3
    4価の有機基、R4 は2価の有機基を表す。)
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