JP5193453B2 - ポジ型感光性樹脂組成物及び感光性ドライフィルム - Google Patents

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本発明は、ポジ型感光性樹脂組成物、それを用いた感光性ドライフィルム、及び感光性ドライフィルムから得られるカバーレイが積層されて成るフレキシブルプリント配線板に関する。
可撓性を有するフレキシブルプリント配線板(以下、FPCと略す)は、銅張積層板(以下、FCCLと略す)を用いて製造されるものが主流である。FCCLの表面(導体面)には、所定パターンの銅製の回路パターンが形成されており、その回路パターンが露出した状態となっている。この銅製の回路パターンはそのままでは変質する場合があるので、その表面にカバーレイフィルム(絶縁保護フィルム)を積層して変質を防止している。また、このカバーレイフィルムには屈曲特性を向上させる機能もある。このカバーレイフィルムとしては、それに要求される柔軟性や難燃性などの点から、ポリイミドで構成されたフィルムが好適に利用される。
回路パターンを有する基材(以下、回路基板)の表面にカバーレイフィルムを積層する方法としては、一般的に、次の各方法が用いられている。
(1)カバーレイフィルムを所定の形状に加工し、その片面に接着剤層を形成する。このカバーレイフィルムを、接着剤層を回路パターン側にして回路基板に重ねて位置合わせをした後に、プレスなどにより熱圧着する。
(2)片面に接着剤層の形成されたカバーレイフィルムを、接着剤層を回路パターン側にして回路基板に熱圧着した後に、レーザーエッチングやプラズマエッチングなどの方法により、カバーレイフィルムの所定の位置に穴や窓などを形成する。
しかしながら、上記(1)の方法では、積層前のカバーレイフィルムを所定形状に加工する場合、銅製の回路パターンの端子部や各種部品との接合部に一致するような穴や窓を形成する必要があり、薄いカバーレイフィルムに穴などを開けることは困難なだけでなく、カバーレイフィルムの穴などを回路基板の端子部や部品との接合部に合わせる位置合わせも、ほとんど手作業に近いため、カバーレイフィルムを回路基板に積層する作業性が低下するとともに、位置精度も低下し、さらに歩留まりが悪いという問題がある。また、上記(2)の方法では、(1)の方法よりも、位置精度を向上させることができるものの、穴や窓の形成に時間がかかり、加工装置や製造コストが上昇するという問題がある。
そこで、上記問題を解決するための技術として、カバーレイに感光性樹脂組成物を用いる技術が知られている。具体的には、(1)感光性樹脂組成物を回路基板の表面に塗布して樹脂層を形成し、これをカバーレイとする技術、又は、(2)予め感光性樹脂組成物をフィルム状に作製し、これを回路基板の表面に積層した後に、フォトリソグラフィーにより感光性樹脂組成物フィルムをパターニングしてカバーレイとする技術が挙げられる。
感光性樹脂組成物を用いるこれらの技術では、フォトリソグラフィーによるパターニングを用いるので、所定の位置に精度良く穴や窓などを形成することができる。また、これらの技術では、上記感光性樹脂組成物を必要に応じて熱硬化させることでカバーレイフィルムとすることができる。
特に、ドライフィルムタイプの感光性カバーレイフィルムを用いると、感光性樹脂組成物を塗布する方法に比べて、塗布・乾燥の手間と時間が省けるとともに、銅配線パターンの凹凸の影響を受けにくく、平滑なカバーレイ表面が得られるという利点がある。そのため、FPCの製造をより迅速に進めることができる。
上記感光性樹脂組成物の樹脂としては、有機溶媒に可溶であること、形成されたカバーレイが柔軟性や難燃性に優れること、からポリイミドを用いることが好ましい。この場合ポリイミドの有機溶媒に対する溶解性が低いので、ポリアミック酸などのポリイミド前駆体を用いて組成物とし、カバーレイとして成膜した後に熱硬化させてポリイミドフィルムにする方法が知られている。しかしながら、この方法では、ポリアミド酸をイミドに変換する際の硬化温度を高くする必要がありキュア設備への負荷が大きい、またキュア雰囲気を空気中で行う場合、配線の銅が著しく酸化を受けるという問題がある。そこで、高温の熱硬化プロセスを必要としない、有機溶媒に可溶なポリイミドを用いて感光性樹脂組成物を用いる方法が開発されている。
このような感光性ポリイミド樹脂組成物として、特許文献1には、フェノール性水酸基やカルボキシル基などからなる群より選ばれた少なくとも1種類以上の基を1個又は複数個有するジアミンを構成成分として含む有機溶媒可溶性ポリイミドと、オルトキノンジアジド化合物とを含有するポジ型感光性樹脂組成物が開示されている。しかしながら、この組成物を用いてPETなどの支持フィルム上にドライフィルムなどの塗布膜を作製する場合、カールを起こしてしまうという問題がある。また、このようにして得られた感光性ドライフィルムを回路基板に積層すると、密着性や埋込み性が不足するという問題がある。
特許文献2には、芳香族系ジアミンを原料の一部に用いた可溶性ポリイミド、(メタ)アクリル系化合物、光反応開始剤及び/又は増感剤を含む感光性樹脂組成物を用いて、アルカリ水溶液での現像が可能であり、かつ硬化後のフィルムが耐熱性や耐薬品性に優れる感光性カバーレイフィルムを提供することが開示されている。しかしながら、特許文献2に開示されている組成物はネガ型感光性樹脂組成物であって、露光した部分が光重合反応によって硬化し、アルカリ現像によって露光部が残るものである。一般に、ネガ型感光性樹脂組成物の場合、その現像液により露光部の膨潤が起こり、高解像度の微細加工を行うことが難しいという欠点がある。
このように、感光性ドライフィルムに適した、ポリイミド樹脂を用いたポジ型感光性樹脂組成物としては、従来、十分なものは得られていない。
特許2906637号公報 特開2003−167336号公報
本発明は、感光性ドライフィルムとしてカールが十分に抑制され、回路基板との密着性や埋込み性が良好であり、さらに現像性とキュア後の機械物性に優れた性能を与えるポジ型感光性樹脂組成物を提供することを目的とする。
本発明のポジ型感光性樹脂組成物は、水酸基及び/又はカルボキシル基を有する有機溶媒可溶性ポリイミドと、光酸発生剤と、炭素−炭素二重結合を有する化合物とを少なくとも含んで成る感光性樹脂組成物であって、前記水酸基及び/又はカルボキシル基を有する有機溶媒可溶性ポリイミドが、テトラカルボン酸成分と有機ジアミン成分との重縮合物で構成されており、前記有機ジアミン成分が、前記有機ジアミン成分の全モル数に対して1〜50モル%の範囲で水酸基及び/又はカルボキシル基を有し、前記有機溶媒可溶性ポリイミド100質量部に対して、前記光酸発生剤が1〜100質量部の範囲内で含まれ、前記有機溶媒可溶性ポリイミド100質量部に対して、前記炭素−炭素二重結合を有する化合物が1〜100質量部の範囲内で含まれ、前記炭素−炭素二重結合を有する化合物が(メタ)アクリル系化合物であることを特徴とする。
本発明のポジ型感光性樹脂組成物においては、前記水酸基及び/又はカルボキシル基を有する有機ジアミンが、3,3’−ジカルボキシ−4,4’−ジアミノジフェニルメタン及び/又は1,3−ジアミノ−5−カルボキシベンゼンであることが好ましい。
本発明のポジ型感光性樹脂組成物においては、前記有機溶媒可溶性ポリイミドがテトラカルボン酸成分と有機ジアミン成分との重縮合物で構成されており、該有機ジアミンが、該有機ジアミン成分の全モル数に対して1〜80モル%の範囲でシロキサン結合を有することが好ましい。
本発明のポジ型感光性樹脂組成物においては、前記有機溶媒可溶性ポリイミドがテトラカルボン酸成分と有機ジアミン成分との重縮合物で構成されており、前記テトラカルボン酸成分が、3,3’,4,4’−ジフェニルエーテルテトラカルボン酸二無水物、p−フェニレンビス(トリメリット酸モノエステル酸無水物)及びエチレングリコールビス(トリメリット酸モノエステル酸無水物)からなる群より選ばれた少なくとも1つを含んで成ることが好ましい。
本発明のポジ型感光性樹脂組成物においては、前記光酸発生剤がキノンジアジド化合物であることが好ましい。
本発明の感光性ドライフィルムは、上記ポジ型感光性樹脂組成物で構成されたことを特徴とする。
本発明の積層フィルムは、支持体フィルムと、前記支持体フィルム上に設けられた上記感光性ドライフィルムと、を具備することを特徴とする。
本発明のフレキシブルプリント配線板は、配線を有する基材と、前記配線を覆うように前記基材上に形成され、上記ポジ型感光性樹脂組成物を露光・現像することにより得られた物質で構成されたカバーレイと、を具備することを特徴とする。
本発明のポジ型感光性樹脂組成物は、水酸基及び/又はカルボキシル基を有する有機溶媒可溶性ポリイミドと、光酸発生剤と、炭素−炭素二重結合を有する化合物とを少なくとも、含んで成る感光性樹脂組成物であって、前記有機溶媒可溶性ポリイミド100質量部に対して、前記光酸発生剤が1〜100質量部の範囲内で含まれ、前記有機溶媒可溶性ポリイミド100質量部に対して、前記炭素−炭素二重結合を有する化合物が1〜100質量部の範囲内で含まれるので、感光性ドライフィルムとしてカールが十分に抑制され、回路基板との密着性や埋込み性が良好であり、さらに現像性と機械物性に優れた性能を与えることができる。
以下、本発明の実施の形態について、添付図面を参照して詳細に説明する。
本発明のポジ型感光性樹脂組成物は、有機溶媒可溶性ポリイミド、光酸発生剤、及び炭素−炭素二重結合を有する化合物を少なくとも含んで成る。
本発明に係る樹脂組成物における有機溶媒可溶性ポリイミドは、テトラカルボン酸成分と有機ジアミン成分との重縮合物で構成されており、アルカリ現像性を発現させるために、水酸基及び/又はカルボキシル基を有する有機ジアミンを含む。
水酸基及び/又はカルボキシル基を有する有機ジアミンは、水酸基及び/又はカルボキシル基を有していれば特に限定されない。好ましいものとしては、例えば、2,4−ジアミノフェノールなどのジアミノフェノール類;3,3’−ジアミノ−4,4’−ジヒドロキシビフェニル、4,4’−ジアミノ−3,3’−ジヒドロキシビフェニル、4,4’−ジアミノ−2,2’−ジヒドロキシビフェニル、4,4’−ジアミノ−2,2’,5,5’−テトラヒドロキシビフェニルなどのヒドロキシビフェニル化合物類;3,3’−ジアミノ−4,4’−ジヒドロキシジフェニルメタン、4,4’−ジアミノ−3,3’−ジヒドロキシジフェニルメタン、4,4’−ジアミノ−2,2’−ジヒドロキシジフェニルメタン、2,2−ビス(3−アミノ−4−ヒドロキシフェニル)プロパン、2,2−ビス(4−アミノ−3−ヒドロキシフェニル)プロパン、2,2−ビス(3−アミノ−4−ヒドロキシフェニル)ヘキサフルオロプロパン、4,4’−ジアミノ−2,2’,5,5’−テトラヒドロキシジフェニルメタンなどのヒドロキシジフェニルメタンなどのヒドロキシジフェニルアルカン類;3,3’−ジアミノ−4,4’−ジヒドロキシジフェニルエーテル、4,4’−ジアミノ−3,3’−ジヒドロキシジフェニルエーテル、4,4’−ジアミノ−2,2’−ジヒドロキシジフェニルエーテル、4,4’−ジアミノ−2,2’,5,5’−テトラヒドロキシジフェニルエーテルなどのヒドロキシジフェニルエーテル化合物;3,3’−ジアミノ−4,4’−ジヒドロキシジフェニルスルホン、4,4’−ジアミノ−3,3’−ジヒドロキシジフェニルスルホン、4,4’−ジアミノ−2,2’−ジヒドロキシジフェニルスルホン、4,4’−ジアミノ−2,2’,5,5’−テトラヒドロキシジフェニルスルホンなどのジフェニルスルホン化合物;2,2−ビス[4−(4−アミノ−3−ヒドロキシフェノキシ)フェニル]プロパンなどのビス[(ヒドロキシフェニル)フェニル]アルカン化合物類;4,4’−ビス(4−アミノ−3−ヒドキシフェノキシ)ビフェニルなどのビス(ヒドキシフェノキシ)ビフェニル化合物類;2,2−ビス[4−(4−アミノ−3−ヒドロキシフェノキシ)フェニル]スルホンなどのビス[(ヒドロキシフェノキシ)フェニル]スルホン化合物;3,5−ジアミノ安息香酸などのジアミノ安息香酸類;3,3’−ジアミノ−4,4’−ジカルボキシビフェニル、4,4’−ジアミノ−3,3’−ジカルボキシビフェニル、4,4’−ジアミノ−2,2’−ジカルボキシビフェニル、4,4’−ジアミノ−2,2’,5,5’−テトラカルボキシビフェニルなどのカルボキシビフェニル化合物類;3,3’−ジアミノ−4,4’−ジカルボキシジフェニルメタン、4,4’−ジアミノ−3,3’−ジカルボキシジフェニルメタン、4,4’−ジアミノ−2,2’−ジカルボキシジフェニルメタン、2,2−ビス[3−アミノ−4−カルボキシフェニル]プロパン、2,2−ビス[4−アミノ−3−カルボキシフェニル]プロパン、2,2−ビス[3−アミノ−4−カルボキシフェニル]ヘキサフルオロプロパン、4,4’−ジアミノ−2,2’,5,5’−テトラカルボキシジフェニルメタンなどのカルボキシジフェニルメタンなどのカルボキシジフェニルアルカン類;3,3’−ジアミノ−4,4’−ジカルボキシジフェニルエーテル、4,4’−ジアミノ−3,3’−ジカルボキシジフェニルエーテル、4,4’−ジアミノ−2,2’−ジカルボキシジフェニルエーテル、4,4’−ジアミノ−2,2’,5,5’−テトラカルボキシジフェニルエーテルなどのカルボキシジフェニルエーテル化合物;3,3’−ジアミノ−4,4’−ジカルボキシジフェニルスルホン、4,4’−ジアミノ−3,3’−ジカルボキシジフェニルスルホン、4,4’−ジアミノ−2,2’−ジカルボキシジフェニルスルホン、4,4’−ジアミノ−2,2’,5,5’−テトラカルボキシジフェニルスルホンなどのジフェニルスルホン化合物;2,2−ビス[4−(4−アミノ−3−カルボキシフェノキシ)フェニル]プロパンなどのビス[(カルボキシフェノキシ)フェニル]アルカン化合物類;4,4’−ビス(4−アミノ−3−カルボキシフェノキシ)ビフェニルなどのビス(カルボキシフェノキシ)ビフェニル化合物類;2,2−ビス[4−(4−アミノ−3−カルボキシフェノキシ)フェニル]スルホンなどのビス[(カルボキシフェノキシ)フェニル]スルホン化合物を挙げることができる。これらは単独で使用しても良く、また、2種以上を混合して使用しても良い。
より好ましい水酸基及び/又はカルボキシル基を有する有機ジアミンは、3,3’−ジカルボキシ−4,4’−ジアミノジフェニルメタン、2,2−ビス(3−アミノ−4−ヒドロキシフェニル)プロパン、1−ヒドロキシ−2,4−ジアミノベンゼン、3,3’−ジヒドロキシベンジジン、3,3’−ジヒドロキシ−4,4’−ジアミノジフェニルエーテル、1,4−ビス−(3−ヒドロキシ−4−アミノフェノキシ)ベンゼン、2,2−ビス(4−アミノ−3−ヒドロキシフェニル)プロパン、ビス(3−アミノ−4−ヒドロキシフェニル)プロパン、2,2−ビス(3−アミノ−4−ヒドロキシフェニル)ヘキサフルオロプロパン、ビス(3−アミノ−4−ヒドロキシフェニル)スルホン、ビス(3−アミノ−4−ヒドロキシフェニル)スルフィド及び2,2−ビス(3−アミノ−4−ヒドロキシフェニル)ヘキサフルオロプロパン、1,3−ジアミノ−4−カルボキシベンゼン、1,3−ジアミノ−5−カルボキシベンゼン、1,4−ジアミノ−2−カルボキシベンゼンから成る群より選ばれた少なくとも1つである。さらに好ましい有機ジアミンは、3,3’−ジカルボキシ−4,4’−ジアミノジフェニルメタン、1,3−ジアミノ−5−カルボキシベンゼンである。これらのジアミンを用いると、回路基板との密着性や埋め込み性がさらに優れ、また、現像性とキュア後の機械物性がさらに優れる。
水酸基及び/又はカルボキシル基を有する有機ジアミンの全有機ジアミンに対する含有量は、有機ジアミン成分の全モル数に対して、好ましくは1〜50モル%の範囲、より好ましくは5〜50モル%の範囲、さらに好ましくは10〜50モル%の範囲である。水酸基及び/又はカルボキシル基を有する有機ジアミンの全有機ジアミンに対する含有量は、未露光部の溶解性の観点から1モル%以上が好ましく、また、未露光部のアルカリに対する耐性の観点から50モル%以下が好ましい。
本発明に係る樹脂組成物における有機溶媒可溶性ポリイミドは、テトラカルボン酸成分と有機ジアミン成分との重縮合物で構成されており、有機ジアミン成分として、さらに、シロキサン結合を有する有機ジアミンを含有することが好ましい。
シロキサン結合を有する有機ジアミンとして、下記一般式(I)から(IV)で示される構造を有するものが好ましい。
Figure 0005193453
(但し、式(I)中、R、R、R、Rは、それぞれ独立して、アルキル基、シクロアルキル基、フェニル基又は1個から3個のアルキル基若しくはアルコキシル基で置換されたフェニル基を表し、l及びmはそれぞれ独立して1〜3の整数を表し、nは3〜30の整数を表す)
Figure 0005193453
(ただし、式(II)〜(IV)中、n’は1〜30の整数を表し、式(II)中のpは1〜4の整数を表す)
これらのジアミノシロキサンは、1種類のみでも使用できるが、2種類以上を組み合わせた混合物としても使用できる。
上記シロキサン結合含有ジアミンは、市販品を使用してもよく、例えば信越化学工業社、東レ・ダウコーニング社、チッソ社から販売されているものをそのまま使用できる。具体的には、信越化学工業社製のKF−8010(アミノ基当量約450、式(I)中、R、R、R、Rはメチル基、l及びmは3)、X−22−161A(アミノ基当量約840、式(I)中、R、R、R、Rはメチル基、l及びmは3)などが挙げられる。
有機溶媒可溶性ポリイミドの有機溶媒に対する溶解性の観点及びフレキシブル配線基板上に保護膜を形成する際のカールの観点から、シロキサン結合を有する有機ジアミンの含有量は1モル%以上が好ましく、一方、有機溶媒可溶性ポリイミドにより構成されるフィルムの耐熱性や機械的物性などの観点から、シロキサン結合を有する有機ジアミンの含有量は80モル%以下が好ましい。すなわち、シロキサン結合を有する有機ジアミンは、有機ジアミン成分の全モル数に対して、好ましくは1〜80モル%の範囲、より好ましくは5〜70モル%の範囲、さらに好ましくは10〜60モル%の範囲で含有される。
本発明に係る樹脂組成物における有機溶媒可溶性ポリイミドは、テトラカルボン酸成分と有機ジアミン成分との重縮合物で構成されており、上記以外に有機ジアミン成分として含まれることが好ましいジアミンとして、特に限定されないが、例えば、p−フェニレンジアミン、m−フェニレンジアミン、4,4’−ジアミノジフェニルメタン、4,4’−ジアミノジフェニルエタン、4,4’−ジアミノジフェニルエーテル、4,4’−ジアミノジフェニルスルフィド、4,4’−ジアミノジフェニルスルホン、1,5−ジアミノナフタレン、3,3−ジメチル−4,4’−ジアミノビフェニル、5−アミノ−1−(4’−アミノフェニル)−1,3,3−トリメチルインダン、6−アミノ−1−(4’−アミノフェニル)−1,3,3−トリメチルインダン、4,4’−ジアミノベンズアニリド、3,5−ジアミノ−3’−トリフルオロメチルベンズアニリド、3,5−ジアミノ−4’−トリフルオロメチルベンズアニリド、3,4’−ジアミノジフェニルエーテル、2,7−ジアミノフルオレン、2,2−ビス(4−アミノフェニル)ヘキサフルオロプロパン、4,4’−メチレン−ビス(2−クロロアニリン)、2,2’,5,5’−テトラクロロ−4,4’−ジアミノビフェニル、2,2’−ジクロロ−4,4’−ジアミノ−5,5’−ジメトキシビフェニル、3,3’−ジメトキシ−4,4’−ジアミノビフェニル、4,4’−ジアミノ−2,2’−ビス(トリフルオロメチル)ビフェニル、2,2−ビス[4−(4−アミノフェノキシ)フェニル]プロパン、2,2−ビス[4−(4−アミノフェノキシ)フェニル]ヘキサフルオロプロパン、1,4−ビス(4−アミノフェノキシ)ベンゼン、4,4’−ビス(4−アミノフェノキシ)−ビフェニル、1,3−ビス(4−アミノフェノキシ)ベンゼン、1,3−ビス(3−アミノフェノキシ)ベンゼン、9,9−ビス(4−アミノフェニル)フルオレン、4,4’−(p−フェニレンイソプロピリデン)ビスアニリン、4,4’−(m−フェニレンイソプロピリデン)ビスアニリン、2,2’−ビス[4−(4−アミノ−2−トリフルオロメチルフェノキシ)フェニル]ヘキサフルオロプロパン、4,4’−ビス[4−(4−アミノ−2−トリフルオロメチル)フェノキシ]−オクタフルオロビフェニルなどの芳香族ジアミン;ジアミノテトラフェニルチオフェンなどの芳香環に結合された2個のアミノ基と当該アミノ基の窒素原子以外のヘテロ原子を有する芳香族ジアミン;1,1−メタキシリレンジアミン、1,3−プロパンジアミン、テトラメチレンジアミン、ペンタメチレンジアミン、オクタメチレンジアミン、ノナメチレンジアミン、4,4−ジアミノヘプタメチレンジアミン、1,4−ジアミノシクロヘキサン、イソフォロンジアミン、テトラヒドロジシクロペンタジエニレンジアミン、ヘキサヒドロ−4,7−メタノインダニレンジメチレンジアミン、4,4’−メチレンビス(シクロヘキシルアミン)などの脂肪族ジアミン及び脂環式ジアミンが挙げられる。これらを単独、又は組み合わせて用いることができる。特に好ましいものとしては、1,4−ビス(4−アミノフェノキシ)ベンゼン、1,3−ビス(4−アミノフェノキシ)ベンゼン、1,3−ビス(3−アミノフェノキシ)ベンゼンが挙げられる。
本発明に係る樹脂組成物における有機溶媒可溶性ポリイミドは、テトラカルボン酸成分と有機ジアミン成分との重縮合物で構成されており、本発明に用いられるテトラカルボン酸成分は、テトラカルボン酸成分であれば特に限定されない。好ましくは、例えば、ブタンテトラカルボン酸二無水物、1,2,3,4−シクロブタンテトラカルボン酸二無水物、1,3−ジメチル−1,2,3,4−シクロブタンテトラカルボン酸二無水物、1,2,3,4−シクロペンタンテトラカルボン酸二無水物、2,3,5−トリカルボキシシクロペンチル酢酸二無水物、3,5,6−トリカルボキシノルボナン−2−酢酸二無水物、2,3,4,5−テトラヒドロフランテトラカルボン酸二無水物、5−(2,5−ジオキソテトラヒドロフラル)−3−メチル−3−シクロヘキセン−1,2−ジカルボン酸二無水物、ビシクロ[2,2,2]−オクト−7−エン−2,3,5,6−テトラカルボン酸二無水物などの脂肪族又は脂環式テトラカルボン酸二無水物;ピロメリット酸二無水物、3,3’,4,4’−ベンゾフェノンテトラカルボン酸二無水物、3,3’,4,4’−ビフェニルスルホンテトラカルボン酸二無水物、1,4,5,8−ナフタレンテトラカルボン酸二無水物、2,3,6,7−ナフタレンテトラカルボン酸二無水物、3,3’,4,4’−ジフェニルエーテルテトラカルボン酸二無水物、3,3’,4,4’−ジメチルジフェニルシランテトラカルボン酸二無水物、3,3’,4,4’−テトラフェニルシランテトラカルボン酸二無水物、1,2,3,4−フランテトラカルボン酸二無水物、4,4’−ビス(3,4−ジカルボキシフェノキシ)ジフェニルスルフィド二無水物、4,4’−ビス(3,4−ジカルボキシフェノキシ)ジフェニルスルホン二無水物、4,4’−ビス(3,4−ジカルボキシフェノキシ)ジフェニルプロパン二無水物、3,3’,4,4’−パーフルオロイソプロピリデンジフタル酸二無水物、3,3’,4,4’−ビフェニルテトラカルボン酸二無水物、ビス(フタル酸)フェニルホスフィンオキサイド二無水物、p−フェニレンビス(トリメリット酸モノエステル酸無水物)、エチレングリコールビス(トリメリット酸モノエステル酸無水物)、m−フェニレンビス(トリメリット酸モノエステル酸無水物)、ビス(トリフェニルフタル酸)−4,4’−ジフェニルエーテル酸二無水物、ビス(トリフェニルフタル酸)−4,4’−ジフェニルメタン酸二無水物などの芳香族テトラカルボン酸二無水物;1,3,3a,4,5,9b−ヘキサヒドロ−2,5−ジオキソ−3−フラニル)−ナフト[1,2−c]フラン−1,3−ジオン、1,3,3a,4,5,9b−ヘキサヒドロ−5−メチル−5−(テトラヒドロ−2,5−ジオキソ−3−フラニル)−ナフト[1,2−c]フラン−1,3−ジオン、1,3,3a,4,5,9b−ヘキサヒドロ−8−メチル−5−(テトラヒドロ−2,5−ジオキソ−3−フラニル)−ナフト[1,2−c]フラン−1,3−ジオン、などが挙げられる。これらのテトラカルボン酸二無水物は、単独で又は2種以上組み合わせて用いることができる。
より好ましくは、3,3’,4,4’−ジフェニルエーテルテトラカルボン酸二無水物、3,3’,4,4’−ビフェニルテトラカルボン酸二無水物、p−フェニレンビス(トリメリット酸モノエステル酸無水物)、エチレングリコールビス(トリメリット酸モノエステル酸無水物)及びビシクロ[2,2,2]−オクト−7−エンテトラカルボン酸二無水物が挙げられる。特に、p−フェニレンビス(トリメリット酸モノエステル酸無水物)又はエチレングリコールビス(トリメリット酸モノエステル酸無水物)は、現像工程での露光部の現像性が膨潤剥離支配から溶解現像支配へ改善するために好ましい。
次に、本発明に係る樹脂組成物における有機溶媒可溶性ポリイミドの製造方法について説明する。
本発明に係る樹脂組成物における有機溶媒可溶性ポリイミドは、好ましくは、酸触媒の存在下に、上記テトラカルボン酸二無水物と上記ジアミンとをモル比1:(0.95〜1.05)で混合し、有機溶媒中、140〜200℃、好ましくは150〜180℃に加熱して合成することができる。生成する水は、溶媒中に混合したトルエン、キシレン、デカリンなどと共沸することによって反応系外に除かれる。
本発明に係る樹脂組成物における有機溶媒可溶性ポリイミドは、酸触媒として、ラクトンと塩基と水の次の平衡反応を利用した触媒系を用いる方法により製造することができる。例えば、[ラクトン]+[塩基]+[水]=[酸基]+[塩基]の平衡反応で形成される[酸基]+[塩基]を触媒として、140〜180℃に加熱してポリイミド溶液を得る。生成する水は、トルエンなどと共沸させて反応系外へ除く。反応系のイミド化が終了した時点で、[酸基]+[塩基]はラクトンと塩基と水に戻り、触媒作用を失うと同時にトルエンなどと共に反応系外へ除かれる。この方法により製造されるポリイミド溶液は、上記触媒物質が、反応後のポリイミド溶液に含まれないため、高純度のポリイミド溶液として、そのまま工業的に使用可能となる。
上記イミド化反応に使われる反応溶媒は、上記したトルエンに加え、極性の有機溶媒が使用可能である。これらの有機溶媒としては、N−メチル−2−ピロリドン、ジメチルホルムアミド、ジメチルアセトアミド、ジメチルスルホキシド、スルホラン、テトラメチル尿素、γ−ブチロラクトンなどが挙げられる。これらの溶媒は、単独で、又は混合物の形で使用することができる。また、これらの溶媒に、イソプロピルアルコールなどの脂肪族アルコールを適量混合してもよい。
また、希釈剤として、上記反応溶媒以外では、アセトン、シクロヘキサン、メチルエチルケトン、及びメチルイソブチルケトンなどのケトン系溶媒;メチルセロソルブ、メチルセロソルブアセテート、エチルセロソルブアセテート、プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート及びブチルセロソルブアセテートなどのセロソルブ系溶媒;酢酸エチル、酢酸ブチル、酢酸イソアミル、乳酸エチル及び3−メトキシプロピオン酸メチルなどのエステル系溶媒;ジオキサン、ジオキソランなどの環状エーテル化合物などを挙げることができる。
また、ラクトンとしては、γ−バレロラクトンが好ましく、塩基としてはピリジン及び/又はメチルモルフォリンが好ましい。なお、ラクトン及び塩基を含む2成分系触媒を用いたポリイミドの製造方法自体は公知であり、例えば米国特許第5,502,143号明細書に記載されている。
上記イミド化反応に供するテトラカルボン酸二無水物とジアミンとの間の混合比率(酸/ジアミン)は、モル比で1.05〜0.95程度が好ましい。また、反応開始時における反応混合物全体中の酸二無水物の濃度は4〜16質量%程度が好ましく、触媒系としてラクトンを添加する場合のラクトンの濃度は0.2〜0.6質量%程度が好ましく、塩基の濃度は0.3〜0.9質量%程度が好ましく、トルエンなどの共沸溶剤の濃度は6〜15質量%程度が好ましい。また、反応時間は特に限定されず、製造しようとするポリイミドの分子量などにより異なるが、通常2〜10時間程度である。また、反応は撹拌下に行うことが好ましい。
本発明に係る樹脂組成物における有機溶媒可溶性ポリイミドは、1種類のテトラカルボン酸二無水物と1種類の有機ジアミンとで構成されていてもよいが、テトラカルボン酸二無水物及び有機ジアミンの少なくとも一方を2種以上とし、全体で3成分系以上の共重合体とすることにより、所望の性質、例えば光透過性、高解像性、基板との密着性、アルカリ現像性、ドライエッチング耐性などを付与し、それによって改質することが可能である。この場合、ランダム共重合体では、製造されるポリイミドの性質を任意に制御することが困難なため、ポリイミドの改質が通常困難であり、一般にはブロック共重合によってポリイミドの改質が行われる。
上記のイミド化反応を、異なるテトラカルボン酸二無水物及び/又は異なるジアミンを用いて逐次的に2段階で行うことにより、ブロック共重合ポリイミドを製造することができる。従来のポリアミック酸を経由するポリイミドの製造方法によれば、共重合体はランダム共重合体しか製造できなかった。上記方法によれば、任意の酸無水物及び/又はジアミン成分を選択してブロック共重合ポリイミドを製造することができるので、上記のような所望の性質及び機能をポリイミドに付与することができる。
ブロック共重合ポリイミドを製造する場合の好ましい方法として、上記のラクトンと塩基により生成した酸触媒を用いて、ジアミンとテトラカルボン酸二無水物のいずれかの成分を多量にして、ポリイミドオリゴマーとし、次いでジアミン及び/又はテトラカルボン酸二無水物を加えて(全ジアミンと全テトラカルボン酸二無水物のモル比は、1.05〜0.95である)2段階重縮合する方法を挙げることができる。
脂環式テトラカルボン酸二無水物、ジアミノシロキサン、脂肪族ジスルフィドを含有するブロック共重合ポリイミドは、特にサブミクロンの光解像度を示すフォトリソグラフィー材料として使用される。
上記の組成の外に、歪みのある基、例えばスピロ環基、を持つ非結晶性脂肪族又は脂環式ブロック共重合ポリイミドとすることにより、ブロック共重合ポリイミドに高解像性、緻密な解像性を持たせることができる。すなわち、光分解性を促進し、さらなる高解像性を達成することができる。また、ポリイミド分子中に窒素、酸素などの極性元素を有する化合物を含有させることにより、アルカリ現像性を促進し、さらなる高解像性を達成することができる。
本発明に係る樹脂組成物における有機溶媒可溶性ポリイミドの重量平均分子量は、現像性能と機械物性の観点から、ゲルクロマトグラフィー(GPC)でのポリスチレン換算分子量にて、好ましくは10,000〜1,000,000、より好ましくは20,000〜500,000、更に好ましくは30,000〜300,000である。
また、本発明に係る樹脂組成物における有機溶媒可溶性ポリイミドには、フタル酸無水物のような酸無水物やアニリンなどの芳香族アミンを末端停止剤として加えることも可能である。
次に本発明の光酸発生剤について説明する。
本発明に係る樹脂組成物における光酸発生剤とは、光線又は電子線の照射を受けると酸を発生する化合物である。酸の発生により、ポリイミド樹脂組成物より得られた感光性の塗布層はアルカリ可溶性が向上するため、未露光部と露光部とのアルカリ溶解性の差が得られ、解像度や未露光部の残膜率が向上する。
本発明において使用される光酸発生剤は特に限定されず、光線又は電子線の照射を受けると酸を発生するいずれの化合物をも用いることができる。好ましい光酸発生剤としてキノンジアジド化合物及びオニウム塩を挙げることができる。
キノンジアジド化合物としては、オルトキノンジアジド化合物が挙げられ、例えば、オルトベンゾキノンジアジド化合物、オルトナフトキノンジアジド化合物、オルトキノリンキノンジアジド化合物などが挙げられ、中でもオルトナフトキノンジアジド化合物が好ましい。
上記オルトキノンジアジド化合物は、通常、オルトキノンジアジドスルホニル化合物として用いられ、オルトキノンジアジドスルホニルクロライドと、フェノール性水酸基もしくはアミノ基を有する化合物との縮合反応によって得られる。
オルトキノンジアジドスルホニルクロライドを構成するオルトキノンジアジドスルホニル成分としては、例えば、1,2−ナフトキノン−2−ジアジド−4−スルホニル、1,2−ナフトキノン−2−ジアジド−5−スルホニル、1,2−ナフトキノン−2−ジアジド−6−スルホニルなどを挙げることができる。
また、オルトキノンジアジドスルホニルクロライドと反応させる化合物としては、例えば以下のフェノール化合物、芳香族アミン、アミノフェノールなどが挙げられるが、これらに限定されるものではない。
フェノール化合物としては、例えば、フェノール、ハイドロキノン、レゾルシノール、カテコール、フロログルシノール、2,4−ジヒドロキシベンゾフェノン、2,3,4−トリヒドロキシベンゾフェノン、2,2’,4,4’−テトラヒドロキシベンゾフェノン、2,3,4,4’−テトラヒドロキシベンゾフェノン、2,2’,3,4,4’−ペンタヒドロキシベンゾフェノン、2,4−ジヒドロキシアセトフェノン、2,5−ジヒドロキシアセトフェノン、2,6−ジヒドロキシアセトフェノン、3,5−ジヒドロキシアセトフェノン、2,3,4−トリヒドロキシアセトフェノン、2,4,6−トリヒドロキシアセトフェノン、2,2−ビス(4−ヒドロキシフェニル)プロパン、α,α,α’−トリメチル−α,α’,α’−トリ(p−ヒドロキシフェニル)−p−キシレン、2,2−ビス(4−ヒドロキシフェニル)ヘキサフルオロプロパン、ビス(4−ヒドロキシフェニル)メタン、ビス(4−ヒドロキシフェニル)スルホン、4,4’−ビフェニルジオール、2,2−ビス(2,3,4−トリヒドロキシフェニル)プロパン、4,4’−ジヒドロキシフェニルスルホンなどを挙げることができる。
芳香族アミンとしては、アニリン、m−フェニレンジアミン、p−フェニレンジアミン、4,4’−ジアミノジフェニルエーテル、4,4’−ジアミノジフェニルメタンなどを挙げることができる。
アミノフェノールとしては、アミノフェノール、3−アミノフェノール、1,3−ジアミノ−4−ヒドロキシベンゼン、1,3−ジアミノ−5−ヒドロキシベンゼン、1,3−ジアミノ−4,6−ジヒドロキシベンゼン、2,2−ビス(3−アミノ−4−ヒドロキシフェニル)ヘキサフルオロプロパン、2,2−ビス(3−アミノ−4−ヒドロキシフェニル)プロパン、ビス(3−アミノ−4−ヒドロキシフェニル)スルホンなどを挙げることができる。
光酸発生剤として用いられるオニウム塩としては、アリールジアゾニウム塩、例えば4−(N−フェニル)アミノフェニルジアゾニウム塩、ジアリールハロニウム塩、例えばジフェニルヨードニウム塩、トリフェニルスルホニウム塩、例えばビス{4−(ジフェニルスルホニオ)フェニル}スルフィド、ビスヘキサフルオロアンチモナートなどを挙げることができるが、これらに限定されるものではない。
これらの光酸発生剤のうち、特に好ましいのはキノンジアジド化合物であり、例えば下記式で示される化合物を挙げることができる。
Figure 0005193453
式中Qは、水素原子、下記式(1)、式(2)のいずれかから選ばれるものである。但し、各化合物中のQのうち少なくとも1つは式(1)又は式(2)に示すものである。
Figure 0005193453
これらの化合物は1種もしくは2種以上混合して用いても良い。
本発明において、光酸発生剤として上記キノンジアジド化合物を用いると、露光感度、リソグラフィー精度、未露光部の残膜率などが優れるので好ましい。
上記光酸発生剤、例えばキノンジアジド化合物の配合量は、得られる組成物の露光時の感度の観点から、上記有機溶媒可溶性ポリイミドの100質量部に対して1質量部以上が好ましく、得られる組成物より形成される膜の機械的性質、電気的特性などの観点から、上記有機溶媒可溶性ポリイミドの100質量部に対して100質量部以下が好ましい。すなわち、光酸発生剤の配合量は、上記有機溶媒可溶性ポリイミドの100質量部に対して1〜100質量部であり、好ましくは3〜80質量部、より好ましくは5〜50質量部、さらに好ましくは10〜35質量部である。
次に、本発明の炭素−炭素二重結合を有する化合物について説明する。
炭素−炭素二重結合を有する化合物は、単にポリイミドとの相溶性が良好で、ドライフィルムの可塑性を向上させるだけでなく、硬化後にカバーレイとして十分な機械特性を実現することができる。すなわち、本発明に係る組成物は、炭素−炭素二重結合を有する化合物を含むことで、ドライフィルムとしたときには低いガラス転移温度、低い弾性率を有し、カールが十分に抑制され、回路基板との密着性が良好である。さらに現像時の解像度に優れ、キュアしてカバーレイとしたときには、十分なガラス転移温度、弾性率、熱線膨張係数、耐折性、柔軟性などの機械物性を回復するという優れた効果を発現する。
なお、ネガ型感光性樹脂組成物において炭素−炭素二重結合を有する化合物を含む場合、炭素−炭素二重結合を有する化合物の機能は、露光により光重合・架橋することによる現像時の溶解性を低下させ、未露光部との溶解性の差を発現させ、リソグラフィーを可能にすることにあるが、本発明のポジ型感光性組成物(露光部分が溶解する方式)における炭素−炭素二重結合を有する化合物の機能は、上記の如くネガ型での機能とは、全く異なるものである。
炭素−炭素二重結合を有する化合物として、少なくとも炭素−炭素二重結合を1個以上有する(メタ)アクリル系化合物が好ましい。(メタ)アクリル系化合物を用いると、回路基板との密着性や埋め込み性にさらに優れ、また、現像性とキュア後の機械物性がさらに優れる。(メタ)アクリル系化合物としては、例えば、1,6−ヘキサンジオールジアクリレート、ネオペンチルグリコールジアクリレート、エチレングリコールジアクリレート、ペンタエリスリトールジアクリレート、トリメチロールプロパントリアクリレート、ペンタエリスリトールトリアクリレート、ジペンタエリスリトールヘキサアクリレート、テトラメチロールプロパンテトラアクリレート、テトラエチレングリコールジアクリレート、1,6−ヘキサンジオールジメタクリレート、ネオペンチルグリコールジメタクリレート、ポリエチレングリコールジアクリレート、ペンタエリスリトールジメタクリレート、トリメチロールプロパントリメタクリレート、ペンタエリスリトールトリメタクリレート、ジペンタエリスリトールヘキサメタクリレート、テトラメチロールプロパンテトラメタクリレート、テトラエチレングリコールジメタクリレート、メトキシジエチレングリコールメタクリレート、メトキシポリエチレングリコールメタクリレート、β−メタクロイルオキシエチルハイドロジェンフタレート、β−メタクロイルオキシエチルハイドロジェンサクシネート、3−クロロ−2−ヒドロキシプロピルメタクリレート、ステアリルメタクリレート、フェノキシエチルアクリレート、フェノキシジエチレングリコールアクリレート、フェノキシポリエチレングリコールアクリレート、β−アクリロイルオキシエチルハイドロジェンサクシネート、ラウリルアクリレート、エチレングリコールジメタクリレート、ジエチレングリコールジメタクリレート、トリエチレングリコールジメタクリレート、テトラエチレングリコールジメタクリレート、ポリエチレングリコールジメタクリレート、1,3−ブチレングリコールジメタクリレート、1,6−ヘキサンジオールジメタクリレート、ネオペンチルグリコールジメタクリレート、ポリプロピレングリコールジメタクリレート、2−ヒドロキシ−1,3−ジメタクリロキシプロパン、2,2−ビス[4−(メタクリロイルオキシエトキシ)フェニル]プロパン、2,2−ビス[4−(メタクリロイルオキシジエトキシ)フェニル]プロパン、2,2−ビス[4−(メタクリロイルオキシポリエトキシ)フェニル]プロパン、グリシジルメタクリレート、グリシジルアリルエーテル、などが挙げられる。これらは1種又は2種以上で使用することができる。
より好ましくは、ポリエチレングリコールジアクリレート、ポリエチレングリコールジメタクリレート、ポリプロピレングリコールジアクリレート、ポリプロピレングリコールジメタクリレートが挙げられ、さらに好ましくは、テトラエチレングリコールジアクリレート、テトラエチレングリコールジメタクリレート、ポリエチレングリコールジメタクリレートにおいて特にエチレングリコールユニットが13〜14のもの、が挙げられる。エチレングリコールユニットが13〜14のものは、キュア温度条件にてほとんど揮発せず、キュア装置のオフガス処理設備負荷が軽減できるので好ましい。
本発明に係る樹脂組成物における炭素−炭素二重結合を有する化合物の配合量は、前記有機溶媒可溶性ポリイミド100質量部に対して1〜100質量部の範囲内であり、好ましくは2〜50質量部、より好ましくは3〜30質量部である。この範囲内で、カールが十分に抑制された感光性ドライフィルムを与え、得られた感光性ドライフィルムは回路基板との密着性が良好であり、さらに露光時の光反応には関与しないことから、解像度などのポジ型由来の優れた感光特性を損なうことなく、また熱硬化後にガラス転移温度が向上するなどの優れた機械物性を発現する。
次に、本発明のポジ型感光性樹脂組成物について説明する。
本発明のポジ型感光性樹脂組成物は、有機溶媒可溶性ポリイミド、光酸発生剤、炭素−炭素二重結合を有する化合物を含んで成る感光性樹脂組成物であって、前記有機溶媒可溶性ポリイミド100質量部に対して、前記光酸発生剤が1〜100質量部、前記炭素−炭素二重結合を有する化合物が1〜100質量部の範囲内で含むことを特徴とする。
本発明のポジ型感光性樹脂組成物は、上記成分以外に、適当な有機溶媒を含む。有機溶媒としては、具体的には、N−メチル−2−ピロリドン、N−アセチル−2−ピロリドン、N−ベンジル−2−ピロリドン、N,N−ジメチルホルムアミド、N,N−ジメチルアセトアミド、ジメチルスルホキシド、ヘキサメチルホスホルトリアミド、N−アセチル−ε−カプロラクタム、ジメチルイミダゾリジノン、ジエチレングリコールジメチルエーテル、トリエチレングリコールジメチルエーテル、γ−ブチロラクトン、ジオキサン、ジオキソラン、テトラヒドロフランなどが好適な例として挙げられる。これらは単独で用いても良いし、混合系として用いることも可能である。また、この有機溶媒は、ポリイミドの合成反応で用いた溶媒をそのまま残留させたものでもよく、単離後のポリイミドポリマーに新たに添加したものでもよい。また、塗布性を改善するために、トルエン、キシレン、ジエチルケトン、メトキシベンゼン、シクロペンタノンなどの溶媒をポリマーの溶解性に悪影響を及ぼさない範囲で混合してもよい。
上記の樹脂組成物溶液の濃度は、各成分が均一に溶解している限りは、特に限定されない。通常は加工面の容易さから、好ましくは1〜50質量%、特に好ましくは5〜40質量%の範囲で使用するのが一般的である。
次に、本発明に係る感光性ドライフィルムについて説明する。
得られたポジ型感光性樹脂組成物を回路基板の表面に塗布して樹脂層を形成し、フォトマスクパターンを用いて露光・現像することによって表面保護樹脂層を形成し、これをカバーレイとすることも好ましい実施形態の一つであるが、予め感光性樹脂組成物をフィルム状にして、感光性ドライフィルムを作製し、これを回路基板の表面に積層してから、フォトマスクパターンを用いて露光・現像することによって表面保護樹脂層を形成し、これをカバーレイとすることも好ましい実施形態の一つである。
本発明のポジ型感光性樹脂組成物を用いてフィルム状の感光性ドライフィルムを形成する際、金属やPETなどのフィルムなどの支持体の上に塗布し、乾燥後、支持体より剥がして単独のフィルムとして取り扱っても良く、PETなどの支持体フィルムの上に積層されたままの状態で用いることもできる。このポジ型感光性樹脂組成物の乾燥温度は、光酸発生剤や炭素−炭素二重結合を有する化合物が熱分解又は架橋しない温度で行うことが望ましく、具体的には150℃以下、好ましくは130℃以下、より好ましくは110℃以下である。
このようにしてカールが無く、回路基板への密着性に優れる感光性ドライフィルムが得られる。
本発明に係る感光性ドライフィルムは、感光性ドライフィルムと、感光性ドライフィルムを支持する支持体フィルムとで構成されることが好ましい。この場合、感光性ドライフィルムにおいて支持体フィルムが積層している反対側の面に保護フィルムを積層して3層構造としても良い。
次に、本発明に係る感光性ドライフィルムを用いて回路基板にカバーレイを積層する方法について説明する。
上記のようにして得られた感光性ドライフィルムと回路基板を貼り合わせる工程は、予め銅箔などの導電体をパターニングして回路形成した回路基板の導電体面を感光性ドライフィルムにより保護する工程である。具体的に、回路基板と感光性ドライフィルムを重ねて、熱ラミネート、熱プレスあるいは熱真空ラミネートにより貼り合わせる。このときの温度は、光酸発生剤、あるいは、炭素―炭素二重結合が熱分解又は架橋しない温度で行うことが望ましく、具体的には150℃以下、好ましくは130℃以下、さらに好ましくは110℃以下である。
次いで、このフィルムに所定パターンのフォトマスクを介して光を照射した後、塩基性溶液により露光部を溶解除去して所望パターンを形成する。この現像工程は、通常のポジ型フォトレジスト現像装置を用いて行ってもよい。支持体フィルムは積層が完了した時点で剥離してもよく、露光が完了してから剥離してもよい。
現像液としては、塩基性溶液あるいは有機溶媒を用いることができる。例えば、現像液は、塩基性を呈する水溶液あるいは有機溶媒であれば、1種類の化合物の溶液でもよく、2種類以上の化合物の溶液でもよい。塩基性溶液は、通常、塩基性化合物を水にあるいはメタノールなどのアルコールに溶解した溶液である。塩基性化合物の濃度は、通常0.1〜50質量%とするが、支持基板などへの影響などから、0.1〜30質量%とすることが好ましい。なお、現像液は、ポリイミドの溶解性を改善するため、メタノール、エタノール、プロパノール、イソプロピルアルコール、N−メチル−2−ピロリドン、N,N−ジメチルホルムアミド、N,N一ジメチルアセトアミドなどの水溶性有機済媒をさらに含有していても良い。
上記塩基性化合物としては、例えば、アルカリ金属、アルカリ土類金属又はアンモニウムイオンのホウ酸塩又は炭酸塩やアミン化合物などが挙げられ、具体的には、2−ジメチルアミノエタノール、3−ジメチルアミノ−1−プロパノ−ル、4−ジメチルアミノ−1−ブタノール、5−ジメチルアミノ−1−ペンタノール、6−ジメチルアミノ−1−ヘキサノール、2−ジメチルアミノ−2−メチル−1−プロパノール、3−ジメチルアミノ−2,2一ジメチル−1−プロパノール、2−ジエチルアミノエタノール、3−ジエチルアミノ−1−プロパノール、2−ジイソプロピルアミノエタノール、2−ジ−n−ブチルアミノエタノール、N,N−ジベンジル−2−アミノエタノール、2−(2−ジメチルアミノエトキシ)エタノール、2−(2−ジエチルアミノエトキシ)エタノール、1−ジメチルアミノ−2−プロパノール、1−ジエチルアミノ−2−プロパノール、N−メチルジエタノールアミン、N−エチルジエタノールアミン、N−n−ブチルジエタノールアミン、N−t−ブチルジエタノールアミン、N−ラウリルジエタノールアミン、3−ジエチルアミノ−1,2−プロパンジオール、トリエタノールアミン、トリイソプロパノ−ルアミン、N−メチルエタノールアミン、N−エチルエタノールアミン、N−n−ブチルエタノールアミン、N−t−ブチルエタノールアミン、ジエタノールアミン、ジイソプロパノールアミン、2−アミノエタノール、3−アミノ−1−プロパノール、4−アミノ−1−ブタノール、6−アミノ−1−ヘキサノール、1−アミノ−2−プロパノール、2−アミノ−2,2−ジメチル−1−プロパノール、1−アミノブタノール、2−アミノ−1−ブタノール、N−(2−アミノエチル)エタノールアミン、2−アミノ−2−メチル−1,3−プロパンジオール、2−アミノ−2−エチル−1,3−プロパンジオール、3−アミノ−1,2−プロパンジオール、2−アミノ−2−ヒドロキシメチル−1,3−プロパンジオール、水酸化ナトリウム、水酸化カリウム、水酸化アンモニウム、炭酸ナトリウム、炭酸カリウム、炭酸アンモニウム、炭酸水素ナトリウム、炭酸水素カリウム、炭酸水素アンモニウム、テトラメチルアンモニウムヒドロキシド、テトラエチルアンモニウムヒドロキシド、テトラプロピルアンモニウムヒドロキシド、テトライソプロピルアンモニウムヒドロキシド、アミノメタノール、2−アミノエタノール、3−アミノプロパノール、2−アミノプロパノール、メチルアミン、エチルアミン、プロピルアミン、イソプロピルアミン、ジメチルアミン、ジエチルアミン、ジプロピルアミン、ジイソプロピルアミン、トリメチルアミン、トリエチルアミン、トリプロピルアミン、トリイソプロピルアミンなどが用いられるが、水にあるいはアルコールに可溶であり、溶液が塩基性を呈するものであれば、これら以外の化合物を用いても良い。
また、現像溶液には、塩基性溶液以外に、有機溶媒を用いることができる。この場合、有機溶媒単独で用いても、感光性ポリイミドをよく溶かす良溶媒とあまり溶かさない貧溶媒との混合系を用いてもよい。
現像方法としては、スプレー、パドル、浸漬、超音波浸漬などの各種方式を採用することができる。現像速度は、現像液の液温によっても影響される。したがって、現像液のpHや液温、あるいは現像法などの諸条件を予め点検して、最適の条件を設定することが望ましい。
現像によって形成したパターンは、次いでリンス液により洗浄して、現像溶剤を除去する。リンス液としては、現像液との混和性の良いメタノール、エタノール、イソプロピルアルコール、水などが好適な例として挙げられる。
前記処理によって得られたパターンを50℃から300℃までの選ばれた温度でキュア処理することにより、本発明のカバーレイが積層されているフレキシブルプリント配線板が得られる。キュア温度は好ましくは、80〜250℃、より好ましくは100℃〜200℃である。このようにして得られたカバーレイはキュア前に比べガラス転移温度が上昇し、また、機械特性に優れる。
本発明に係る感光性カバーレイフィルムは、有機溶媒可溶性ポリイミド、光酸発生剤、炭素−炭素二重結合を有する化合物を少なくとも含んで成る感光性樹脂組成物から形成され、感光性ドライフィルムとしてカールが十分に抑制され、回路基板との密着性が良好であり、さらに現像性と機械物性に優れた性能を与える。
(実施例)
以下、本発明の効果を明確にするための実施例について説明する。なお、本発明は何らこれらに限定されるものではない。
以下、各種の測定方法を示す。
[ポリイミドの重量平均分子量測定]
重量平均分子量は、JASCO社製のGPCを用いて以下条件で測定した。カラム:Shodex KD−806Mx1本、カラム温度40℃、検出器:UV、流量:1ml/分、展開液:DMF(臭化リチウム30mM、リン酸0.59重量%)、試料濃度:0.2重量%、注入量:20μl、基準物質:ポリスチレン。
[ガラス転移温度測定]
感光性ドライフィルムのガラス転移温度は、易剥離PET上にポジ型感光性樹脂組成物を塗布し、95℃、30分乾燥した後、ドライフィルム層を剥離し、サンプルの幅4mm、長さ10mm、厚み約25μmを用いて、熱・応力・歪測定装置(TMA)(SII社製、TMA/SS6100)にて線膨張係数の温度依存性ラインの変極点より求めた。
キュア後のガラス転移温度は、銅張積層板(FCCL)上に、感光性ドライフィルムを用いて、100℃で真空プレス(1MPa、5分)を行った後、支持フィルムを剥離し、200℃、1時間キュア処理を行い、さらに塩化第二鉄溶液を用いて銅層をエッチング除去して得られたカバーレイについて上記と同様にTMA装置にて測定した。
[弾性率及び破断伸度]
弾性率及び破断伸度は、上記と同様にFCCL上に感光性ドライフィルムを重ねて、100℃で真空プレス(1MPa、5分)を行った後、支持フィルムを剥離し、200℃、1時間キュア処理を行い、塩化第二鉄溶液を用いて銅をエッチング除去して得られたカバーレイについて、サンプルの幅15mm、長さ100mm、厚み約25μmにて、引張圧縮試験機(島津製作所製、オートグラフ AG−500NIS)を用いて測定した。
[密着性試験]
密着性試験は、JIS K 5600のクロスカット試験にて評価した。すなわち、FCCL上に感光性ドライフィルムを用いて、100℃で真空プレス(1MPa、5分)を行った後、クロスカット試験を行った。剥離が生じているクロスカット部分が明確に5%を上回ることが無かった場合を○とし、5%を上回った場合を×とした。
[真空埋込み性試験]
銅製回路パターン(50μmの銅ライン幅、ライン間隔は50μm、銅配線の厚み18μm)上に感光性ドライフィルムを用いて、100℃で真空プレス(条件:1MPa、5分)にて積層した。得られた積層体をカットして断面を電子顕微鏡にて観察し、埋込みが不十分なところがなく、カバーレイの表面の平坦性が良いものを○とし、埋込みが不十分で空隙が観測された場合は×とした。
[カール性評価]
A4サイズの感光性ドライフィルムを製造した際に、エッジ部分において5mmを上回って持ち上がる部分が無い場合を○とし、上回る部分が発生した場合を×とした。
[現像性]
FCCL上に、感光性ドライフィルム(カバーレイの膜厚約25μm)を用いて、100℃で真空プレス(1MPa、5分)を行った後、ポジ型マスクを用いて照射量1J/cmにて露光を行い、続いて3%−NaOH水によるアルカリ現像処理と水によるリンスを行い、乾燥後、パターンを光学顕微鏡で評価した。マスクには50μm径の円形パターン(間隔50μm)を用いた。現像により、露光部で銅面が現れており、かつ、未露光部のカバーレイ層の膜厚が20μm以上の場合を○とし、それ以外の解像度が劣る場合や膜厚が20μm以下の場合を×とした。
(実施例1)
[溶媒可溶性ポリイミドの製造]
ステンレススチール製の碇型攪拌器を取り付けた3リットルのセパラブル3つ口フラスコに、水分分離トラップを備えた玉付冷却管を取り付ける。3,3’,4,4’−ジフェニルエーテルテトラカルボン酸二無水物(以後ODPAと略す)93.1g(300mmol)、3,3’−ジカルボキシ−4,4’−ジアミノジフェニルメタン42.9g(150mmol)、γ−バレロラクトン4.0g(40mmol)、ピリジン6.3g(80mmol)、γ−ブチロラクトン235g、安息香酸メチル157g、トルエン40gを仕込む。室温、窒素雰囲気下、180rpmで30分攪拌した後、180℃に昇温して1時間攪拌した。反応中、トルエン−水の共沸分を除いた。
次いで、室温に冷却し、p−フェニレンビス(トリメリット酸モノエステル酸無水物、以後TAHQと略す)68.8g(150mmol)、東レダウコーニング社製ジアミノシロキサン化合物BY16−853U(アミノ基当量469)211.1g(225ミリモル)、1,3−ビス(3−アミノフェノキシ)ベンゼン(以後APBと略す)21.9g(75mmol)、γ−ブチロラクトン234g、安息香酸メチル156g、トルエン60gを加え、80℃、180rpmで攪拌しながら5時間反応させた。還流物を系外に除くことにより35%濃度のポリイミド溶液を得た。このようにして得られたポリイミドの重量平均分子量は52,000であった。
[ポジ型感光性樹脂組成物の製造]
前記有機溶媒可溶性ポリイミド重合溶液を用いて、ポリイミド100質量部に対して、1,2−ナフトキノン−2−ジアジド−5−スルホン酸−2,3,4−トリヒドロキシベンゾフェノンエステル15部、テトラエチレングリコールジメタクリレート10質量部を混合してポジ型感光性樹脂組成物を調製した。
[感光性ドライフィルムの製造]
前記ポジ型感光性樹脂組成物を用いて、易剥離性PET上にドクターブレードにて塗布し、95℃、30分にて乾燥して感光性ドライフィルムを得た。カール性は○であった。
[カバーレイ積層フレキシブルプリント配線板の製造]
銅製回路(50μmの銅ライン幅、間隔は50μm、銅配線の厚み18μm)上に前記感光性ドライフィルムを用いて、真空プレス(条件:1MPa、5分)で積層した。得られた積層体をカットして断面を電子顕微鏡観察したところ、きちんと埋め込みができており、また、カバーレイの表面は平坦であり、良好な結果であった。また、前記感光性ドライフィルムを用いて、銅張積層板(CCL)上に100℃で真空プレス(条件:1MPa、5分)で積層し、支持フィルムを剥がし、クロスカット試験を行ったところ○であった。
[現像性試験]
銅張積層板(FCCL)上に、感光性ドライフィルム(カバーレイの膜厚約25μm)を用いて、100℃で真空プレス(1MPa、5分)を行った後、ポジ型マスクを用いて照射量1J/cmにて露光を行い、続いて3%−NaOH水によるアルカリ現像処理と水によるリンスを行い、乾燥後、パターンを光学顕微鏡で観察した。50μm径の円形パターン(間隔50μm)を用いて、現像により、露光部で銅面が現れており、かつ、未露光部のカバーレイの膜厚が20μm以上であり、○であった。
以上の結果とガラス転移温度、弾性率、破断伸度を下記表1に示す。ガラス転移温度については、ドライフィルムを形成した時のガラス転移温度は十分低く、キュア後には向上し、また、弾性率も高く良好であった。
(実施例2)
[溶媒可溶性ポリイミドの製造]
ステンレススチール製の碇型攪拌器を取り付けた3リットルのセパラブル3つ口フラスコに、水分分離トラップを備えた玉付冷却管を取り付ける。ODPA93.1g(300mmol)、ジアミノシロキサン化合物BY16−853U(アミノ基当量469)211.1g(225ミリモル)、1,3−ジアミノ−5−カルボキシベンゼン22.8g(150mmol)、γ−バレロラクトン4.00g(40mmol)、ピリジン6.33g(80mmol)、γ−ブチロラクトン220g、安息香酸メチル147g、トルエン40gを仕込む。室温、窒素雰囲気下、180rpmで30分攪拌した後、180℃に昇温して1時間攪拌した。反応中、トルエン−水の共沸分を除いた。
次いで、室温に冷却し、エチレンビス(トリメリット酸モノエステル酸無水物)(以後TMEGと略す)61.6g(150mmol)、APB21.9g(75mmol)、γ−ブチロラクトン217g、安息香酸メチル146g、トルエン60gを加え、80℃、180rpmで攪拌しながら5時間反応させた。還流物を系外に除くことにより35%濃度のポリイミド溶液を得た。このようにして得られたポリイミドの重量平均分子量は138,000であった。
ポジ型感光性樹脂組成物の製造、感光性ドライフィルムの製造、カバーレイ積層フレキシブルプリント配線板の製造、並びに評価は、実施例1と同様に行った。その結果を下記表1に併記する。表1から分かるように、ガラス転移温度については、ドライフィルムを形成したときのガラス転移温度は十分低く、キュア後には向上し、また、破断伸度も高く良好であった。
(比較例1)
[感光性ドライフィルムの製造]
ポリエチレングリコールジメタクリレートを添加しないこと以外は実施例1と同様にして感光性ドライフィルムを作製し、評価した。その結果を下記表1に併記する。表1から分かるように、得られた感光性ドライフィルムはカールを発生した。
[カバーレイ積層フレキシブルプリント配線板の製造]
また、上記感光性ドライフィルムを用いてカバーレイの形成を試験した。銅張積層板(FCCL)への密着性は×、銅製回路への埋め込み性についても×であった。
Figure 0005193453
本発明は上記実施の形態に限定されず、種々変更して実施することが可能である。例えば、上記実施の形態における寸法、材質などは例示的なものであり、適宜変更して実施することが可能である。その他、本発明の範囲を逸脱しない限りにおいて適宜変更して実施することが可能である。
本発明のポジ型感光性樹脂組成物、それを用いた感光性ドライフィルム、及び感光性ドライフィルムを用いて得られるカバーレイが積層されて成るフレキシブルプリント配線板は、エレクトロニクス分野で各種電子機器の操作パネル等に使用されるフレキシブル配線板や回路基板の保護層形成、積層基板の絶縁層形成、半導体装置に使用されるシリコンウエハ、半導体チップ、半導体装置周辺の部材、半導体チップ捨載用基板、放熱板、リードピン、半導体自身などの保護や絶縁及び接着に使用するための電子部品への膜形成用途に利用される。

Claims (8)

  1. 水酸基及び/又はカルボキシル基を有する有機溶媒可溶性ポリイミドと、光酸発生剤と、炭素−炭素二重結合を有する化合物とを少なくとも含んで成る感光性樹脂組成物であって、前記水酸基及び/又はカルボキシル基を有する有機溶媒可溶性ポリイミドが、テトラカルボン酸成分と有機ジアミン成分との重縮合物で構成されており、前記有機ジアミン成分が、前記有機ジアミン成分の全モル数に対して1〜50モル%の範囲で水酸基及び/又はカルボキシル基を有し、前記有機溶媒可溶性ポリイミド100質量部に対して、前記光酸発生剤が1〜100質量部の範囲内で含まれ、前記有機溶媒可溶性ポリイミド100質量部に対して、前記炭素−炭素二重結合を有する化合物が1〜100質量部の範囲内で含まれ、前記炭素−炭素二重結合を有する化合物が(メタ)アクリル系化合物であることを特徴とするポジ型感光性樹脂組成物。
  2. 前記水酸基及び/又はカルボキシル基を有する有機ジアミンが、3,3’−ジカルボキシ−4,4’−ジアミノジフェニルメタン及び/又は1,3−ジアミノ−5−カルボキシベンゼンであることを特徴とする請求項1記載のポジ型感光性樹脂組成物。
  3. 前記有機溶媒可溶性ポリイミドがテトラカルボン酸成分と有機ジアミン成分との重縮合物で構成されており、該有機ジアミン成分が、該有機ジアミン成分の全モル数に対して1〜80モル%の範囲でシロキサン結合を有することを特徴とする請求項1又は請求項2記載のポジ型感光性樹脂組成物。
  4. 前記有機溶媒可溶性ポリイミドがテトラカルボン酸成分と有機ジアミン成分との重縮合物で構成されており、前記テトラカルボン酸成分が、3,3’,4,4’−ジフェニルエーテルテトラカルボン酸二無水物、p−フェニレンビス(トリメリット酸モノエステル酸無水物)及びエチレングリコールビス(トリメリット酸モノエステル酸無水物)からなる群より選ばれた少なくとも1つを含んで成ることを特徴とする請求項1から請求項3のいずれかに記載のポジ型感光性樹脂組成物。
  5. 前記光酸発生剤がキノンジアジド化合物であることを特徴とする請求項1から請求項4のいずれかに記載のポジ型感光性樹脂組成物。
  6. 請求項1から請求項5のいずれかに記載のポジ型感光性樹脂組成物で構成されたことを特徴とする感光性ドライフィルム。
  7. 支持体フィルムと、前記支持体フィルム上に設けられた請求項6記載の感光性ドライフィルムと、を具備することを特徴とする積層フィルム。
  8. 配線を有する基材と、前記配線を覆うように前記基材上に形成され、請求項1から請求項6のいずれかに記載のポジ型感光性樹脂組成物を露光・現像することにより得られた物質で構成されたカバーレイと、を具備することを特徴とするフレキシブルプリント配線板。
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