JP3872223B2 - ポジ型の感光性樹脂組成物、レリーフパターンの製造法及び電子部品 - Google Patents
ポジ型の感光性樹脂組成物、レリーフパターンの製造法及び電子部品 Download PDFInfo
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、ポジ型の感光性樹脂組成物及びこの組成物を用いたレリーフパターンの製造法並びに電子部品に関し、さらに詳しくは加熱処理により半導体素子等の電子部品の表面保護膜、層間絶縁膜等として適用可能なポリイミド系又はポリオキサゾール系耐熱性高分子となるポジ型感光性樹脂組成物及びこの組成物を用いたレリーフパターンの製造法並びに電子部品に関する。
【0002】
【従来の技術】
ポリイミドは耐熱性、機械特性に優れ、また、膜形成が容易、表面を平坦化できる等の利点から、半導体素子の表面保護膜や層間絶縁膜として広く使用されている。
【0003】
ポリイミドを表面保護膜や層間絶縁膜として使用する場合、スルーホール等の形成工程は、主にポジ型のフォトレジストを用いるエッチングプロセスによって行われていた。しかし、工程にはフォトレジストの塗布や剥離が含まれ、煩雑であるという問題がある。そこで作業工程の合理化を目的に感光性を兼ね備えた耐熱性材料の検討がなされてきた。
【0004】
この検討による感光性ポリイミド組成物に関しては、(1)エステル結合により感光基を導入したポリイミド前駆体組成物(特公昭52−30207号公報等)、(2)ポリアミド酸に化学線により2量化または重合可能な炭素−炭素二重結合及びアミノ基と芳香族ビスアジドを含む化合物を添加した組成物(特公平3−36861号公報等)が知られている。感光性ポリイミド前駆体組成物の使用に際しては、通常、溶液状態で基板上に塗布後乾燥し、マスクを介して活性光線を照射し、現像を行い、パターンを形成する。
【0005】
しかし、前記(1)及び(2)の組成物は現像液に有機溶剤を用いる必要がある。現像液の使用量は感光性ポリイミド前駆体組成物の使用量の数倍になるために、廃現像液の処理の際に環境へ大きい負荷を与えるという問題がある。このため、特に近年環境への配慮から、廃現像液の処理の容易な水性現像液で現像可能な感光性ポリイミド組成物が望まれている。また、前記(1)及び(2)の組成物はネガ型であるため、ポジ型のフォトレジストを用いるエッチングプロセスからネガ型の感光性ポリイミド前駆体に切り替える場合には、露光工程で用いるマスクの変更が必要になるという問題がある。
【0006】
そこでこれらを解決するためになされたポジ型感光性ポリイミド前駆体組成物としては、(3)o−ニトロベンジル基をエステル結合により導入したポリイミド前駆体(特開昭60−37550号公報等)、(4)カルボキシル基を含むポリアミド酸エステルとo−キノンジアジド化合物を含む組成物(特開平4−168441号公報等)、(5)水酸基を含むポリアミド酸エステルとo−キノンジアジド化合物を含む組成物(特開平3−11546号公報等)、(6)ポリアミド酸エステルとo−キノンジアジド化合物を含む組成物(特開平2−181149号公報等)が知られている。また、近年ポリイミドと同様な耐熱性高分子としてポリオキサゾールも報告され、(7)このポリオキサゾール前駆体とo−キノンジアジド化合物を含むポジ型感光性組成物も知られている(特開平6−60140号公報等)。
【0007】
ところで、半導体素子の集積度は年々向上しており、それにともない微細加工技術の向上が望まれている。微細加工を可能にする技術の一つとして、リソグラフィー工程での露光波長の短波長化があり、ポジ型のフォトレジストを用いたパターン形成時の露光光源は、従来のg線(436nm)からi線(365nm)が主流になりつつある。このため、感光性ポリイミド前駆体にも、露光装置の共通化の点からi線を露光光源としてパターン形成可能なことが求められている。
【0008】
また、前述したように、ポリイミド又はポリオキサゾールは半導体の表面保護膜や層間絶縁膜として用いられるが、通常、これら前駆体組成物は各種基板(Al、SiO2、SiN、Si、PSGなど)上に塗布され、活性放射線で露光し、続く有機溶剤、またはアルカリ水溶液による現像でパターニングを行う。しかし、この現像工程において膜と基板の密着性が悪く、微細パターンが基板から剥がれることがしばしば起こり、要求される解像度のパターンが得られない。また、高温加熱処理により最終的にポリイミド膜又はポリベンゾオキサゾール膜としたとき、この膜と基板との接着性が問題となり、良好な信頼性が得られない。これらの接着性に関しては、使用する基板に前処理する方法、ベース重合体自身に接着性を持たせる方法、接着助剤を添加する方法などの試みが行われてきているが、工程の煩雑さ、接着性との引き替えに感光特性や膜物性が低下する問題、別化合物の添加による組成物中での析出や組成物の安定性の低下などの問題があるため、満足する性能の組成物が得られていないのが現状である。
【0009】
【発明が解決しようとする課題】
請求項1記載の発明は、半導体素子等の電子部品の製造工程におけるフォトレジストの現像後の基板からのパターンの剥がれを低減するポジ型の感光性樹脂組成物を提供するものである。
請求項2記載の発明は、半導体素子等の電子部品の製造工程におけるフォトレジストの現像後の基板からのパターンの剥がれを低減し、さらに組成物の溶液状態での保存安定性にも優れるポジ型の感光性樹脂組成物を提供するものである。
【0010】
請求項3記載の発明は、請求項1〜2記載の発明の課題に加えて良好な感光性を示すポジ型の感光性樹脂組成物を提供するものである。
請求項4記載の発明は、請求項3記載の発明の課題に加えて一般的なアルカリ現像液による現像が可能なポジ型の感光性樹脂組成物を提供するものである。
【0011】
請求項5及び6記載の発明は、半導体素子等の電子部品の製造工程におけるフォトレジストの現像後の基板からのパターンの剥がれを低減しうるレリーフパターンの製造法を提供するものである。
【0012】
請求項7及び8記載の発明は、基板からのパターンの剥がれがなく高温加熱処理後において良好な接着性を持つ層間絶縁膜または表面保護膜を有する、信頼性に優れる半導体装置や多層配線板等の電子部品を提供するものである。
【0013】
【課題を解決するための手段】
本発明は、(A)被膜形成能を有するポリイミド、その前駆体、ポリオキサゾール又はその前駆体、
(B−1)一般式(I−1)
【化6】
(X 1 はメルカプト基であり、Zは2価の有機基であり、R1及びR2は各々独立に炭化水素基、mは0〜3の整数を示す)で示される有機シラン化合物、
(B−2)一般式(I−2)
【化7】
(X 2 は尿素基であり、Zは2価の有機基であり、R 1 及びR 2 は各々独立に炭化水素基、mは0〜3の整数を示す)で示される有機シラン化合物、
及び
(C)o−キノンジアジド化合物を含有してなるポジ型の感光性樹脂組成物に関する。
【0014】
また本発明は、有機シラン化合物(B−1)が、一般式(II)
【化8】
(式中、nは1〜10の整数、R1及びR2は各々独立に炭素数1〜5のアルキル基、pは0〜3の整数を示す)で示されるシラン化合物であり、有機シラン化合物(B−2)が、一般式(III)
【化9】
(式中qは1〜10の整数、R3及びR4は各々独立に炭素数1〜5のアルキル基、rは0〜3の整数を示す)で示されるシラン化合物である請求項1記載のポジ型の感光性樹脂組成物に関する。
【0015】
また本発明は、前記(A)成分が、一般式(IV)
【化10】
(式中、R5は4価の有機基を示し、R6は2価の有機基を示し、R7及びR8は各々独立に水素原子又は1価の有機基を示す)で示される反復単位を有するポリイミド前駆体であるポジ型の感光性樹脂組成物に関する。
【0016】
また本発明は、前記一般式(IV)におけるR6がカルボキシル基又はフェノール性水酸基を有する2価の有機基であるポジ型の感光性樹脂組成物に関する。
【0017】
また本発明は、前記のいずれかに記載のポジ型の感光性樹脂組成物を支持基板上に塗布し乾燥する工程、露光する工程、現像する工程及び加熱処理する工程を含むレリーフパターンの製造法に関する。
【0018】
また本発明は、前記の現像する工程が、アルカリ現像液を用いて行われるものであるレリーフパターンの製造法に関する。
また本発明は、前記の製造法により得られるパターンの層を有してなる電子部品に関する。
また本発明は、前記のパターンの層が、表面保護膜又は層間絶縁膜である電子部品に関する。
【0019】
【発明の実施の形態】
本発明に用いられる(A)成分としては、優れた耐熱性を有する樹脂膜となるポリイミド、その前駆体、ポリオキサゾール又はその前駆体が用いられ、その中でも、良好なレリーフパターンを形成でき、レリーフパターン形成後に硬化反応させることにより優れた耐熱性を有する樹脂膜となるポリイミド前駆体又はポリオキサゾール前駆体が好ましく、さらにその中でも、前記一般式(IV)で示される繰り返し単位を有するポリアミド酸又はポリアミド酸エステルは、レリーフパターン形成時のi線に対する露光感度が高く、かつドライエッチング処理による硬化樹脂膜の膜減りが小さいのでより好ましい。
【0020】
前記一般式(IV)において、R5で示される4価の有機基とは、一般に、ジアミンと反応してポリイミド前駆体を形成し得る、テトラカルボン酸のカルボキシル基を除いた残基である。R5で示される4価の有機基としては、芳香環を含む基が好ましく、炭素数6〜40のものが好ましい。前記芳香環としてはベンゼン環、ナフタレン環が挙げられる。R5の有する4個の結合部位は、芳香環上に直接存在することが好ましく、この場合、2個ずつ2つの組に分けられ、各組の結合部位が同一の芳香環上のオルト位又はペリ位に存在することが好ましい。これらの2つの組は、同一の芳香環上に存在しても異なった芳香環上に存在してもよい。
【0021】
R5で示される4価の有機基のうち、芳香環を含む基の具体例としては、1個の芳香環自体又は2〜3個の芳香環が単結合、エーテル結合、メチレン結合、エチレン結合、2,2−プロピレン結合、2,2−ヘキサフルオロプロピレン結合、スルホン結合、スルホキシド結合、チオエーテル結合、カルボニル結合等を介して結合した化学構造を有する4価の有機基が挙げられる。これらのうち、1個の芳香環又は2〜3個の芳香環が単結合、エーテル結合、カルボニル結合、2,2−ヘキサフルオロプロピレン結合、2,2−プロピレン結合、メチレン結合及びスルホン結合の中から選ばれた少なくとも一種類の結合を介して結合した化学構造を持つ4価の有機基が、加熱処理後のポリイミドの耐熱性及び機械特性の点から好ましい。
【0022】
R6で示される2価の有機基とは、一般に、テトラカルボン酸又はその誘導体と反応してポリイミド前駆体を形成し得る、ジアミン化合物のアミノ基を除いた残基である。R6としては、芳香環を含む基が好ましく、炭素原子数が6〜40のものがより好ましい。R6の有する2個の結合部位は、芳香環上に直接存在することが好ましく、この場合、同一の芳香環上に存在しても異なった芳香環上に存在しても良い。
【0023】
R6で示される2価の有機基のうち、芳香環を含む基の具体例としては、1個の芳香環自体又は2〜3個の芳香環が単結合、エーテル結合、メチレン結合、エチレン結合、2,2−プロピレン結合、2,2−ヘキサフルオロプロピレン結合、スルホン結合、スルホキシド結合、チオエーテル結合、カルボニル結合等を介して結合した化学構造を持ち、2価の有機基が挙げられる。これらのうち、1個の芳香環又は2〜3個の芳香環が単結合、エーテル結合、2,2−ヘキサフルオロプロピレン結合、メチレン結合及びスルホン結合の中から選ばれた少なくとも一種類の結合を介して結合した化学構造を持つ2価の有機基が、加熱処理後のポリイミドの耐熱性及び機械特性の点から好ましい。
【0024】
R6で示される2価の有機基が、カルボキシル基又はフェノール性水酸基を有する基であると、アルカリ水溶液で現像可能であるので好ましい。この場合、カルボキシル基又はフェノール性水酸基はR6に1〜8有することが好ましく、1〜4有することがより好ましい。
【0025】
一般式(IV)のR7及びR8で示される基において、1価の有機基としては、本発明の感光性樹脂組成物がポジ型である場合と、ネガ型である場合により、好ましいものが異なる。
ポジ型の感光性樹脂組成物を製造する場合は、1価の有機基としては、炭素原子数1〜20の炭化水素基が好ましく、炭素原子数1〜20のアルキル基が好ましく、炭素原子数1〜8のアルキル基がより好ましい。
【0026】
アルカリ水溶液による現像に用いる場合、前記一般式(IV)で示される反復単位を有するポリアミド酸又はポリアミド酸エステルにおいて、R6で示される基がカルボキシル基又はフェノール性水酸基を有する反復単位と、R6で示される基がカルボキシル基又はフェノール性水酸基を持たない反復単位の比は、前者の数をm、後者の数をnとしたときのm/(m+n)で、1.0〜0.2であることが好ましく、1.0〜0.4であることがより好ましい。この数値が0.2未満であると塗布乾燥して形成される膜の露光部のアルカリ水溶液への溶解性が劣る傾向にある。
【0027】
また、ポリアミド酸エステルの場合、前記一般式(IV)で示される反復単位のうち、R7及びR8で示される基が一価の有機基であるものは、その反復単位の総数に対して、50%〜100%が好ましく、80%〜100%がより好ましく、90〜100%が特に好ましい。なお、ここでいう反復単位とは、酸残基1つとアミン残基1つより構成される単位を1つとする。
【0028】
本発明において、(A)成分の分子量は、その樹脂に応じて異なり特に制限はないが、前記耐熱性高分子重合体の場合、重量平均分子量で3,000〜200,000が好ましく、5,000〜100,000がより好ましい。分子量は、ゲルパーミエーションクロマトグラフィー法により測定し、標準ポリスチレン検量線を用いて値を得ることができる。
【0029】
前記一般式(IV)で示される反復単位を有するポリイミド前駆体のうち、ポリアミド酸は、テトラカルボン酸二無水物とジアミンを混合することにより製造することができる。
また、ポリアミド酸エステルは、テトラカルボン酸ジエステルジクロリドと、ジアミンとを反応させて得ることができる。この場合、反応は脱塩酸触媒の存在下に、有機溶剤中で行うことが好ましい。前記テトラカルボン酸ジエステルジクロリドはテトラカルボン酸二無水物をアルコール化合物と反応させて得られるテトラカルボン酸ジエステルと塩化チオニルを反応させて得ることができる。
【0030】
前記テトラカルボン酸二無水物としては、加熱処理後のポリイミド系高分子の耐熱性及び機械特性の点から1個の芳香族基又は2〜3個の芳香族基が単結合、エーテル結合、2,2−ヘキサフルオロプロピレン結合、スルホン結合、メチレン結合及びカルボニル結合の中から選ばれた少なくとも1種類の結合を介して結合した化学構造を持つカルボン酸二無水物が好ましい。
【0031】
これらの化合物の具体例としてはピロメリット酸二無水物、3,3’,4,4’−ビフェニルテトラカルボン酸二無水物、2,3,3’,4’−ビフェニルテトラカルボン酸二無水物、2,2’,3,3’−ビフェニルテトラカルボン酸二無水物、3,3’,4,4’−ベンゾフェノンテトラカルボン酸二無水物、3,3’,4,4’−ジフェニルエーテルテトラカルボン酸二無水物、3,3’,4,4’−ジフェニルスルホンテトラカルボン酸二無水物、1,2,5,6−ナフタレンテトラカルボン酸二無水物、2,3,6,7−ナフタレンテトラカルボン酸二無水物、1,4,5,8−ナフタレンテトラカルボン酸二無水物、2,3,5,6−ピリジンテトラカルボン酸二無水物、3,4,9,10−ペリレンテトラカルボン酸二無水物、2,2−ビス(3,4−ジカルボキシフェニル)ヘキサフルオロプロパン二無水物などの芳香族系テトラカルボン酸二無水物が好ましいものとして挙げられる。これらの酸二無水物を単独で又は2種以上組み合わせて用いることができる。
【0032】
前記アルコール化合物のうち、一般式(IV)のR7及びR8としてアルキル基を与えるものとしては、メタノール、エタノール、n−プロピルアルコール、イソプロピルアルコール、n−ブチルアルコール、sec−ブチルアルコール、tert−ブチルアルコール、イソブチルアルコール、1−ペンタノール、2−ペンタノール、3−ペンタノール、イソアミルアルコール、1−ヘキサノール、2−ヘキサノール、3−ヘキサノールなどのアルキルアルコールが好ましいものとして挙げることができ、単独で又は2種以上を組み合わせて使用することができる。また、一般式(IV)のR7及びR8で示される基として、アクリロイルオキシアルキル基やメタクリロイルオキシアルキル基を与えるものとしては、ヒドロキシメチルアクリレート、ヒドロキシメチルメタクリレート、ヒドロキシエチルアクリレート、ヒドロキシエチルメタクリレート、ヒドロキシプロピルアクリレート、ヒドロキシプロピルメタクリレート、ヒドロキシブチルアクリレート、ヒドロキシブチルメタクリレートなどのアルキル鎖の炭素数が1〜10のヒドロキシアルキルアクリレート又はメタクリレートが好ましいものとして挙げることができ、単独で又は2種以上を組み合わせて使用することができる。
【0033】
前記ジアミンのうち、カルボキシル基、フェノール性水酸基等の酸性基を有するジアミンとしては、例えば、2,5−ジアミノ安息香酸、3,4−ジアミノ安息香酸、3,5−ジアミノ安息香酸、2,5−ジアミノテレフタル酸、ビス(4−アミノ−3−カルボキシフェニル)メチレン、ビス(4−アミノ−3−カルボキシフェニル)エーテル、4,4’−ジアミノ−3,3’−ジカルボキシビフェニル、4,4’−ジアミノ−5,5’−ジカルボキシ−2,2’−ジメチルビフェニル、1,3−ジアミノ−4−ヒドロキシベンゼン、1,3−ジアミノ−5−ヒドロキシベンゼン、3,3’−ジアミノ−4,4’−ジヒドロキシビフェニル、4,4’−ジアミノ−3,3’−ジヒドロキシビフェニル、ビス(3−アミノ−4−ヒドロキシフェニル)プロパン、ビス(4−アミノ−3−ヒドロキシフェニル)プロパン、ビス(3−アミノ−4−ヒドロキシフェニル)スルホン、ビス(4−アミノ−3−ヒドロキシフェニル)スルホン、ビス(3−アミノ−4−ヒドロキシフェニル)エーテル、ビス(4−アミノ−3−ヒドロキシフェニル)エーテル、ビス(3−アミノ−4−ヒドロキシフェニル)ヘキサフルオロプロパン、ビス(4−アミノ−3−ヒドロキシフェニル)ヘキサフルオロプロパン等の芳香族系ジアミンが好ましく、これらを単独で又は2種以上を組み合わせて使用される。
【0034】
また、カルボキシル基及びフェノール性水酸基を有しないジアミンとしては、例えば、4,4’−ジアミノジフェニルエーテル、4,4’−ジアミノジフェニルメタン、4,4’−ジアミノジフェニルスルホン、4,4’−ジアミノジフェニルスルフィド、ベンジシン、m−フェニレンジアミン、p−フェニレンジアミン、1,5−ナフタレンジアミン、2,6−ナフタレンジアミン、ビス(4−アミノフェノキシフェニル)スルホン、ビス(3−アミノフェノキシフェニル)スルホン、ビス(4−アミノフェノキシ)ビフェニル、ビス[4−(4−アミノフェノキシ)フェニル]エーテル、1,4−ビス(4−アミノフェノキシ)ベンゼン、4,4’−ジアミノ−2,2’−ジメチルビフェニル等の芳香族ジアミン化合物が好ましく、これらを単独で又は2種以上を組み合わせて用いることができる。
【0035】
その他、耐熱性向上のためのジアミンとして、4,4’−ジアミノジフェニルエーテル−3−スルホンアミド、3,4’−ジアミノジフェニルエーテル−4−スルホンアミド、3,4’−ジアミノジフェニルエーテル−3’−スルホンアミド、3,3’−ジアミノジフェニルエーテル−4−スルホンアミド、4,4’−ジアミノジフェニルエーテル−3−カルボキサミド、3,4’−ジアミノジフェニルエーテル−4−カルボキサミド、3,4’−ジアミノジフェニルエーテル−3’−カルボキサミド、3,3’−ジアミノジフェニルエーテル−4−カルボキサミド等のスルホンアミド基又はカルボキサミド基を有するジアミンを単独で又は2種以上併用することができ、併用する場合、これらはジアミン化合物の総量中、15モル%以下で使用することが好ましく、10モル%以下の範囲で使用することがより好ましい。
【0036】
ポリアミド酸エステルの合成において、テトラカルボン酸ジエステル化合物を合成する方法としては、例えば、前記テトラカルボン酸二無水物と前記アルコール化合物を有機溶剤中、塩基の存在下混合することにより得られる。
テトラカルボン酸二無水物とアルコール化合物の割合(モル比)は、前者/後者で1/2〜1/2.5の範囲とするのが好ましく、1/2とすることが最も好ましい。また、テトラカルボン酸二無水物と塩基の割合(モル比)は、前者/後者で1/0.001〜1/3の範囲とするのが好ましく、1/0.005〜1/2とすることがより好ましい。この反応温度は10〜60℃が好ましく、反応時間は3〜24時間が好ましい。
【0037】
テトラカルボン酸ジエステルジクロリドを合成する方法は公知であり、例えば、有機溶剤に溶解したテトラカルボン酸ジエステルに塩化チオニルを滴下して反応させて得られる。テトラカルボン酸ジエステルと塩化チオニルの割合(モル比)は、前者/後者で1/1.1〜1/2.5の範囲とするのが好ましく、1/1.5〜1/2.2の範囲とするのがより好ましい。反応温度は−20〜40℃が好ましく、反応時間は1〜10時間が好ましい。
【0038】
ポリアミド酸エステルは、例えば、前記ジアミンとピリジンなどの脱ハロゲン酸剤を有機溶剤に溶解し、有機溶剤に溶解したテトラカルボン酸ジエステルジハライドを滴下して反応させた後、水などの貧溶剤に投入し、析出物をろ別、乾燥することにより得られる。ジアミンの総量とテトラカルボン酸ジエステルジハライドの割合(モル比)は、前者/後者で0.6/1〜1/0.6の範囲が好ましく、0.7/1〜1/0.7の範囲がより好ましい。反応温度は−20〜40℃が好ましく、反応時間は1〜10時間が好ましい。脱ハロゲン酸剤とテトラカルボン酸ジエステルジハライドの割合は、前者/後者(モル比)が、1.8/1〜2.2/1の範囲が好ましく、1.9/1〜2.1/1の範囲がより好ましい。
【0039】
ポリアミド酸エステルの合成において、アルカリ現像のためにカルボキシル基又はフェノール性水酸基を有するジアミンを用いる場合、そのようなジアミンとそのほかのジアミンの使用割合は、前者20〜100モル%、後者80〜0モル%で全体が100モル%になるように使用されるのが好ましく、前者40〜100モル%、後者60〜0モル%で全体が100モル%になるように使用されるのがより好ましい。前者のジアミンは、ポリアミド酸エステルにアルカリ水溶液に対する溶解性を付与するために使用されるが、これが20モル%未満であると感度が低下したり、現像時間が長くなる傾向にある。
【0040】
なお、アルカリ現像用とする場合、ポリアミド酸エステルとして、ジアミン残基にカルボキシル基又はフェノール性水酸基を有しないものでエステルの一部がカルボキシル基のまま残存するもの(部分エステル)を用いることもできる。これは、前記のテトラカルボン酸二無水物とテトラカルボン酸ジエステルジハライドとジアミンとを反応させることにより得られる。
【0041】
以上ポリアミド酸エステルについて詳述したが、ポリアミド酸を用いてポジ型のアルカリ現像用とする場合は、テトラカルボン酸の残基としてのカルボキシル基が存在するので、ジアミンとして、カルボキシル基、フェノール性水酸基等の酸性基を有するジアミンを用いなくともよい。ポリアミド酸は前記のテトラカルボン酸二無水物とジアミンを有機溶剤中で直接反応させることにより得られる。
【0042】
以下に、そのほかの耐熱性高分子重合体について説明する。
ポリイミドは、一旦ポリアミド酸を合成し、これを脱水閉環させること等により得られる。
【0043】
ポリオキサゾール前駆体としては、一般に、ジカルボン酸とジヒドロキシジアミンを原料として得られるヒドロキシポリアミドが挙げられる。この時、ジヒドロキシジアミンの有する水酸基とアミノ基の位置関係は芳香環上のオルト位にあることが好ましい。
【0044】
前記ジカルボン酸としては、イソフタル酸、テレフタル酸、4,4−ヘキサフルオロイソプロピリデンジ安息香酸、4,4−ジカルボキシテトラフェニルシラン、ビス(4−カルボキシフェニル)スルホン、2,2−ビス(p−カルボキシフェニル)プロパン、5−tert−ブチルイソフタル酸、5−ブロモイソフタル酸、5−フルオロイソフタル酸、5−クロロイソフタル酸、2,6−ナフタレンジカルボン酸等の芳香族系ジカルボン酸、1,2−シクロブタンジカルボン酸、1,4−シクロヘキサンジカルボン酸、1,3−シクロペンタンジカルボン酸、シュウ酸、マロン酸、コハク酸等の脂肪族系ジカルボン酸などが挙げられ、これらを単独、又は2種以上を組み合わせて使用することができる。これらの中で、耐熱性等の点で芳香族系ジカルボン酸が好ましい。
【0045】
前記ジヒドロキシジアミンとしては、3,3−ジアミノ−4,4−ジヒドロキシビフェニル、4,4−ジアミノ−3,3−ジヒドロキシビフェニル、ビス(3−アミノ−4−ヒドロキシフェニル)プロパン、ビス(4−アミノ−3−ヒドロキシフェニル)プロパン、ビス(3−アミノ−4−ヒドロキシフェニル)スルホン、ビス(4−アミノ−3−ヒドロキシフェニル)スルホン、ビス(3−アミノ−4−ヒドロキシフェニル)ヘキサフルオロプロパン、ビス(4−アミノ−3−ヒドロキシフェニル)ヘキサフルオロプロパン等の芳香族系ジアミンが好ましいものとして挙げられる。芳香族系ジアミンを使用することにより、耐熱性の良好なポリオキサゾール前駆体とされる。
【0046】
本発明において、前記ポリオキサゾール前駆体は例えば、ジカルボン酸ジハライド(クロライド、ブロマイド)とジヒドロキシジアミンとを反応させて得ることができる。この場合、反応は脱ハロ酸触媒の存在下に、有機溶媒中で行うことが好ましい。ジカルボン酸ジハライドとしては、ジカルボン酸ジクロライドが好ましい。ジカルボン酸ジクロライドはジカルボン酸と塩化チオニルを反応させて得ることができる。ポリオキサゾールは、前記ポリオキサゾール前駆体を脱水閉環することにより得られる。
【0047】
本発明に用いられる(B−1)成分及び(B−2)成分(以下、これらを合わせて(B)成分という。)は、露光後の現像処理時の微細パターンの剥離の防止及び良好な接着性を示すものとして使用される。
(B−1)成分及び(B−2)成分は、それぞれ前記一般式(I−1)及び(I−2)で示される有機シラン化合物である。一般式(I−1)及び(I−2)において、炭化水素基としては、炭素原子数1〜10のアルキル基、フェニル基等のアリール基などが挙げられる。
【0048】
一般式(I−1)及び(I−2)において、Zで示される2価の有機基としては、鎖状又は分岐状のアルキレン基、フェニレン基等のアリーレン基などの炭素原子数が1〜20の2価の炭化水素基、前記2価の炭化水素基の複数が、種々の結合(エーテル結合、アミド結合、エステル結合等)を介して結合した基などが挙げられるが、炭素原子数が1〜20の2価の炭化水素基が好ましく、炭素原子数が1〜10の直鎖アルキレン基がより好ましい。
【0049】
本発明では、上記のメルカプト基(−SH)を有する有機シラン化合物(B−1)及び尿素基(−NHCONH2)を有する有機シラン化合物(B−2)を用いることにより、現像後の基板からのパターンの剥がれを低減し、かつ組成物の溶液状態での保存安定性にも格別に優れるので好ましい。
メルカプト基(−SH)を有する有機シラン化合物(B−1)及び尿素基(−NHCONH2)を有する有機シラン化合物(B−2)としては、それぞれ前記一般式(II)で示されるシラン化合物及び前記一般式(III)で示されるシラン化合物がその効果が高く好ましい。
【0050】
一般式(II)で示されるシラン化合物は特に露光後の現像処理時の微細パターンの剥離の防止効果に優れる。前記一般式(II)において、R1又はR2で示される基は、複数存在する場合は、互いに異なっていてもよい。一般式(II)で示されるシラン化合物の具体例としては、3−メルカプトプロピルトリメトキシシラン、3−メルカプトプロピルジエトキシメトキシシラン、3−メルカプトプロピルエトキシジメトキシシラン、3−メルカプトプロピルトリプロポキシシラン、3−メルカプトプロピルジエトキシプロポキシシラン、3−メルカプトプロピルエトキシジプロポキシシラン、3−メルカプトプロピルジメトキシプロポキシシラン、3−メルカプトプロピルメトキシジプロポキシシラン、3−メルカプトプロピルトリエトキシシラン、2−メルカプトエチルトリメトキシシラン、2−メルカプトエチルジエトキシメトキシシラン、2−メルカプトエチルエトキシジメトキシシラン、2−メルカプトエチルトリプロポキシシラン、2−メルカプトエチルトリプロポキシシラン、2−メルカプトエチルエトキシジプロポキシシラン、2−メルカプトエチルジメトキシプロポキシシラン、2−メルカプトエチルメトキシジプロポキシシラン、4−メルカプトブチルトリメトキシシラン、4−メルカプトブチルトリエトキシシラン、4−メルカプトブチルトリプロポキシシランなどが挙げられる。
【0051】
本発明に用いられる前記一般式(III)で示されるシラン化合物は、特に加熱処理後の硬化膜と基板との密着性を向上させる効果に優れる。前記一般式(III)において、R3又はR4で示される基は、複数存在する場合は、互いに異なっていてもよい。一般式(III)で示されるシラン化合物の具体例としては、N−(3−トリエトキシシリルプロピル)ウレア、N−(3−ジエトキシメトキシシリルプロピル)ウレア、N−(3−エトキシジメトキシシリルプロピル)ウレア、N−(3−トリプロポキシシリルプロピル)ウレア、N−(3−ジエトキシプロポキシシリルプロピル)ウレア、N−(3−エトキシジプロポキシシリルプロピル)ウレア、N−(3−ジメトキシプロポキシシリルプロピル)ウレア、N−(3−メトキシジプロポキシシリルプロピル)ウレア、N−(3−トリメトキシシリルプロピル)ウレア、N−(3−トリメトキシシリルエチル)ウレア、N−(3−エトキシジメトキシシリルエチル)ウレア、N−(3−トリプロポキシシリルエチル)ウレア、N−(3−トリプロポキシシリルエチル)ウレア、N−(3−エトキシジプロポキシシリルエチル)ウレア、N−(3−ジメトキシプロポキシシリルエチル)ウレア、N−(3−メトキシジプロポキシシリルエチル)ウレア、N−(3−トリメトキシシリルブチル)ウレア、N−(3−トリエトキシシリルブチル)ウレア、N−(3−トリプロポキシシリルブチル)ウレアなどが挙げられる。
【0052】
(B)成分は、(A)成分100重量部に対して、好ましくは0.1〜20重量部、より好ましくは0.5〜10重量部用いられる。0.1重量部未満では現像時の微細パターンの剥離が起こりやすく、20重量部を越えると膜物性が低下する傾向がある。
【0053】
(B)成分として、前記一般式(II)の化合物と一般式(III)の化合物を併用すると、その相乗効果により、露光後の現像処理時の微細パターンの剥離の防止及び加熱処理後の硬化膜と基板との密着性の両面で顕著に優れる。この場合、それぞれが、0.5〜10重量部用いられることが好ましい。
【0054】
本発明のポジ型感光性樹脂組成物は、現像時の微細パターンの剥がれの抑制、又は硬化膜の基板との接着性をさらに高めるために前記(B)成分以外のアルミキレート化合物、ケイ素含有ポリアミド酸などの接着性向上剤を含むことができる。
【0055】
アルミキレート化合物としては、例えば、トリス(アセチルアセトネート)アルミニウム、アセチルアセテートアルミニウムジイソプロピレートなどが挙げられる。
ケイ素含有ポリアミド酸としては、例えば、テトラカルボン酸二無水物と次式で示すようなポリシロキサン構造を有するジアミン化合物を溶液中で反応させて得られるポリマーが挙げられる。
【0056】
【化12】
【0057】
これらを用いる場合、その種類によりその量は異なるが、形成した膜と基板との接着性と残膜率あるいは膜物性の許容幅の点から(A)成分100重量部に対して、1〜50重量部が好ましく、2〜20重量部がより好ましい。
本発明においては、良好な感光性を付与するために一般に(C)成分として感光剤を用いられる。
【0058】
(C)成分のポジ型の感光剤として、o−キノンジアジド化合物は感度が高くなる点からより好ましい。
【0059】
o−キノンジアジド化合物は、例えば、o−キノンジアジドスルホニルクロリド類とヒドロキシ化合物、アミノ化合物などとを脱塩酸性触媒の存在下で縮合反応させることで得られる。
【0060】
前記o−キノンジアジドスルホニルクロリド類としては、例えば、ベンゾキノン−1,2−ジアジド−4−スルホニルクロリド、ナフトキノン−1,2−ジアジド−4−スルホニルクロリド、ベンゾキノン−1,2−ジアジド−5−スルホニルクロリド、ナフトキノン−1,2−ジアジド−5−スルホニルクロリド等が使用できる。
【0061】
前記ヒドロキシ化合物としては、例えば、ヒドロキノン、レゾルシノール、ピロガロール、ビスフェノールA、ビス(4−ヒドロキシフェニル)メタン、2,2−ビス(4−ヒドロキシフェニル)ヘキサフルオロプロパン、2,3,4−トリヒドロキシベンゾフェノン、2,3,4,4′−テトラヒドロキシベンゾフェノン、2,2′,4,4′−テトラヒドロキシベンゾフェノン、2,3,4,2′,3′−ペンタヒドロキシベンゾフェノン、2,3,4,3′,4′,5′−ヘキサヒドロキシベンゾフェノン、ビス(2,3,4−トリヒドロキシフェニル)メタン、ビス(2,3,4−トリヒドロキシフェニル)プロパン、4b,5
,9b,10−テトラヒドロ−1,3,6,8−テトラヒドロキシ−5,10−ジメチルインデノ[2,1−a]インデン、トリス(4−ヒドロキシフェニル)メタン、トリス(4−ヒドロキシフェニル)エタンなどが使用できる。
【0062】
前記アミノ化合物としては、例えば、p−フェニレンジアミン、m−フェニレンジアミン、4,4′−ジアミノジフェニルエーテル、4,4′−ジアミノジフェニルメタン、4,4′−ジアミノジフェニルスルホン、4,4′−ジアミノジフェニルスルフィド、o−アミノフェノール、m−アミノフェノール、p−アミノフェノール、3,3′−ジアミノ−4,4′−ジヒドロキシビフェニル、4,4′−ジアミノ−3,3′−ジヒドロキシビフェニル、ビス(3−アミノ−4−ヒドロキシフェニル)プロパン、ビス(4−アミノ−3−ヒドロキシフェニル)プロパン、ビス(3−アミノ−4−ヒドロキシフェニル)スルホン、ビス(4−アミノ−3−ヒドロキシフェニル)スルホン、ビス(3−アミノ−4−ヒドロキシフェニル)ヘキサフルオロプロパン、ビス(4−アミノ−3−ヒドロキシフェニル)ヘキサフルオロプロパンなどが使用できる。
【0063】
o−キノンジアジドスルホニルクロリドとヒドロキシ化合物またはアミノ化合物は、o−キノンジアジドスルホニルクロリド1モルに対して、ヒドロキシ基とアミノ基の合計が0.5〜1当量になるように配合されることが好ましい。脱塩酸触媒とo−キノンジアジドスルホニルクロリドの好ましい割合は0.95/1〜1/0.95の範囲とされる。好ましい反応温度は0〜40℃、好ましい反応時間は1〜10時間とされる。
【0064】
反応溶媒としては、例えばジオキサン、アセトン、メチルエチルケトン、テトラヒドロフラン、ジエチルエーテル、N−メチルピロリドン等の溶媒が用いられる。脱塩酸触媒としては、炭酸ナトリウム、水酸化ナトリウム、炭酸水素ナトリウム、炭酸カリウム、水酸化カリウム、トリメチルアミン、トリエチルアミン、ピリジンなどが挙げられる。
【0065】
(C)成分の量は、ポジ型用の、光により酸を発生する化合物の場合、現像後の膜厚及び感度の観点から(A)成分100重量部に対して、好ましくは5〜100重量部、より好ましくは10〜40重量部用いられる。
【0066】
本発明のポジ型の感光性樹脂組成物は、前記(A)成分、(B)成分及び(C)成分及び他の成分を溶剤に溶解してなり、溶液状態で得られる。
前記溶剤としては、例えばN−メチル−2−ピロリドン、N,N−ジメチルホルムアミド、N,N−ジメチルアセトアミド、ジメチルスルホキシド、ヘキサメチルホスホルアミド、テトラメチレンスルホン、γ−ブチロラクトン、シクロヘキサノン、シクロペンタノン等の非プロトン性極性溶剤が単独で又は2種以上併用して用いられる。溶剤の量は特に制限はなく、一般に組成物総量に対して10〜90重量%の範囲で使用される。
【0067】
本発明のポジ型の感光性樹脂組成物は、ガラス基板、半導体、金属酸化物絶縁体(例えばTiO2、SiO2等)、窒化ケイ素などの支持基板上に塗布し、乾燥することにより感光性樹脂組成物の膜を形成する。その後、マスクを介して紫外線、可視光線、放射線などの活性光線照射を行い、露光部を現像液で除去することによりレリーフパターンが得られる。
【0068】
乾燥は通常オーブン又はホットプレートを用いて行われる。乾燥条件は、感光性樹脂組成物の成分により適宜決定されるが、ホットプレートを用いた場合、60〜140℃で30秒間〜10分間が好ましい。乾燥温度が低いと溶剤が充分に揮発せず塗布装置、露光装置等を汚染する傾向がある。また、乾燥温度が高いと感光性樹脂組成物の膜中の感光剤が乾燥中に分解する傾向にある。
【0069】
次いで現像するが、現像液としては、各種有機溶媒を用いることもできるが、環境性の点からは、アルカリ水溶液が好ましい。アルカリ水溶液としては、例えば、水酸化ナトリウム、水酸化カリウム、ケイ酸ナトリウム、水酸化テトラメチルアンモニウム等の5重量%以下水溶液が好ましく、1.5〜3.0重量%の水溶液がより好ましく、水酸化テトラメチルアンモニウムの1.5〜3.0重量%の水溶液がさらに好ましい。
【0070】
更に上記現像液にアルコール類や界面活性剤を添加して使用することもできる。これらはそれぞれ、現像液100重量部に対して、好ましくは0.01〜10重量部、より好ましくは0.1〜5重量部の範囲で配合する。
ついで、得られたレリーフパターンに150〜450℃の加熱処理をすることによりイミド環やオキサゾール環等の環状基を持つ耐熱性重合体のレリーフパターンになる。
【0071】
このレリーフパターンは、半導体装置や多層配線板等の電子部品の層間絶縁膜又は表面保護膜とされる。
本発明の電子部品は、前記組成物を用いて形成される表面保護膜や層間絶縁膜を有すること以外は特に制限されず、様々な構造をとることができる。
【0072】
本発明の電子部品の一例として、半導体装置の製造工程の一例を以下に説明する。
図1は多層配線構造の半導体装置の製造工程図である。図において、回路素子を有するSi基板等の半導体基板は、回路素子の所定部分を除いてシリコン酸化膜等の保護膜2で被覆され、露出した回路素子上に第1導体層が形成されている。前記半導体基板上にスピンコート法等で層間絶縁膜としてのポリイミド樹脂等の膜4が形成される(工程(a))。
【0073】
次に塩化ゴム系またはフェノールノボラック系の感光性樹脂層5が前記層間絶縁膜4上にスピンコート法で形成され、公知の写真食刻技術によって所定部分の層間絶縁膜4が露出するように窓6Aが設けられている(工程(b))。
前記窓6Aの層間絶縁膜4は、酸素、四フッ化炭素等のガスを用いるドライエッチング手段によって選択的にエッチングされ、窓6Bがあけられている。ついで窓6Bから露出した第1導体層3を腐食することなく、感光樹脂層5のみを腐食するようなエッチング溶液を用いて感光樹脂層5が完全に除去される(工程(c))。
【0074】
さらに公知の写真食刻技術を用いて、第2導体層7を形成させ、第1導体層3との電気的接続が完全に行われる(工程(d))。
3層以上の多層配線構造を形成する場合は、上記の工程を繰り返して行い各層を形成することができる。
【0075】
次に表面保護膜8が形成される。この図の例では、この表面保護膜を前記感光性重合体組成物をスピンコート法にて塗布、乾燥し、所定部分に窓6Cを形成するパターンを描いたマスク上から光を照射した後アルカリ水溶液にて現像してパターンを形成し、加熱してポリイミド膜とする。このポリイミド膜は、導体層を外部からの応力、α線などから保護するものであり、得られる半導体装置は信頼性に優れる。
なお、上記例において、層間絶縁膜を本発明の感光性樹脂組成物を用いて形成することも可能である。
【0076】
【実施例】
以下、本発明を実施例により詳しく説明するが、本発明はこれらにより制限されるものではない。
実施例1
攪拌機、温度計、ジムロート冷却管を備えた0.5リットルのフラスコ中に、3,3′,4,4′−ジフェニルエーテルテトラカルボン酸二無水物24.82g、n−ブチルアルコール59.30gを仕込、95℃で5時間で攪拌し反応させた。余剰のn−ブチルアルコールを減圧下、留去して、3,3′,4,4′−ジフェニルエーテルテトラカルボン酸ジn−ブチルエステルを得た。
【0077】
次いで、フラスコ中に塩化チオニル95.17g、トルエン70.00gを仕込、40℃で3時間反応させた。減圧により、余剰の塩化チオニルをトルエンと共沸させ、除去した。N−メチルピロリドン186gを添加し、3,3′,4,4′−ジフェニルエーテルテトラカルボン酸ジn−ブチルエステルジクロリドの溶液(α)を得た。
【0078】
次いで、攪拌機、温度計、ジムロート冷却管を備えた0.5リットルのフラスコ中に、N−メチルピロリドン95gを仕込、3,5−ジアミノ安息香酸8.52g、4,4′−ジアミノジフェニルエーテル4.81gを添加し、攪拌溶解した後、ピリジン12.66gを添加し、温度を0〜5℃に保ちながら、3,3′,4,4′−ジフェニルエーテルテトラカルボン酸ジn−ブチルエステルジクロリドの溶液(α)を1時間で滴下した後、1時間攪拌を続けた。溶液を4リットルの水に投入し、析出物を回収、洗浄した後、減圧乾燥してポリアミド酸n−ブチルエステルを得た(以下ポリマIとする)。
【0079】
ポリマI 30.00g、2,3,4,4′−テトラヒドロキシベンゾフェノンとナフトキノン−1,2−ジアジド−5−スルホニルクロリドを1/3のモル比で反応させた化合物7.50gと3−メルカプトプロピルトリメトキシシラン2.00g、N−(3−トリエトキシシリルプロピル)ウレア1.00gをNメチルピロリドン54.00gに攪拌溶解した。この溶液を3μm孔のテフロンフィルタを用いて加圧濾過してポジ型感光性組成物を得た。
【0080】
得られたポジ型感光性組成物をスピンナーを使用してシリコンウェハ上に回転塗布し、ホットプレート上110℃で3分間加熱乾燥を行い、6.8μmのポジ型感光性樹脂組成物の膜を得た。この感光性ポリイミド前駆体塗膜にi線縮小投影露光装置((株)日立製作所製 LD−5010i)を用いマスクを介して900mJ/cm2の露光をした。次いで、2.38%水酸化テトラメチルアンモニウム水溶液を現像液として70秒間パドル現像を行い、純水で洗浄してレリーフパターンを得た。剥離したパターンは無かった。現像後の膜厚は5.5μmであった。次いで、このパターンを窒素雰囲気下350℃で1時間加熱処理し、膜厚3.6μmのポリイミド膜のパターンを得た。
【0081】
また、硬化後の膜の基板との接着性を見るために、ポリイミド膜を121℃、2atm、100%HRの条件下で500時間暴露させた後、基盤目試験法により接着性を調べたが、膜の剥がれは無かった。この基盤目試験法とは、基板上のポリイミド膜にカッターナイフで1mm角の升目を基盤目状に100個切り傷をつける。これをJISに規定されたセロテープで剥離し、そのときの膜の剥がれを100個中いくつ剥がれるかで接着性を判定するものである。
実施例2
攪拌機、温度計、ジムロート冷却管を備えた0.5リットルのフラスコ中に、3,3′,4,4′−ジフェニルスルホンテトラカルボン酸二無水物28.66g、n−ブチルアルコール59.30gを仕込、95℃で5時間で攪拌し反応させた。余剰のn−ブチルアルコールを減圧下、留去して、3,3′,4,4′−ジフェニルスルホンテトラカルボン酸ジn−ブチルエステルを得た。
【0082】
次いで、フラスコ中に塩化チオニル95.17g、トルエン70.00gを仕込、40℃で3時間反応させた。減圧により、余剰の塩化チオニルをトルエンと共沸させ、除去した。N−メチルピロリドン186gを添加し、3,3′,4,4′−ジフェニルスルホンテトラカルボン酸ジn−ブチルエステルジクロリドの溶液(β)を得た。
【0083】
次いで、攪拌機、温度計、ジムロート冷却管を備えた0.5リットルのフラスコ中に、N−メチルピロリドン95gを仕込、3,5−ジアミノ安息香酸8.52g、4,4′−ジアミノジフェニルエーテル4.81gを添加し、攪拌溶解した後、ピリジン12.66gを添加し、温度を0〜5℃に保ちながら、3,3′,4,4′−ジフェニルスルホンテトラカルボン酸ジn−ブチルエステルジクロリドの溶液(β)を1時間で滴下した後、1時間攪拌を続けた。溶液を4リットルの水に投入し、析出物を回収、洗浄した後、減圧乾燥してポリアミド酸n−ブチルエステルを得た(以下ポリマIIとする)。
【0084】
ポリマII 30.00g、4,4′−ジアミノジフェニルスルホンとナフトキノン−1,2−ジアジド−5−スルホニルクロリドを1/2のモル比で反応させた化合物9.00g、3−メルカプトプロピルトリメトキシシラン1.00g、N−(3−トリエトキシシリルプロピル)ウレア1.00gをNMP54.00gに攪拌溶解した。この溶液を3μm孔のテフロンフィルタを用いて加圧濾過してポジ型感光性組成物を得た。
【0085】
得られたポジ型感光性組成物をスピンナーを使用してシリコンウェハ上に回転塗布し、ホットプレート上100℃で3分間加熱乾燥を行い、6.4μmのポジ型感光性樹脂組成物の膜を得た。この感光性ポリイミド前駆体塗膜にi線縮小投影露光装置((株)日立製作所製 LD−5010i)を用い、マスクを介し、800mJ/cm2の露光をした。次いで、2.38重量%水酸化テトラメチルアンモニウム水溶液を現像液とし90秒間パドル現像を行い、純水で洗浄してレリーフパターンを得た。剥離したパターンは無かった。現像後の膜厚は6.0μmであった。次いで、このパターンを窒素雰囲気下350℃で1時間加熱処理し、膜厚3.8μmのポリイミド膜のパターンを得た。
硬化後の膜の基板との接着性を見るために、ポリイミド膜を121℃、2atm、100%HRの条件下で500時間暴露させた後、基盤目試験法により接着性を調べたが、膜の剥がれは無かった。
【0086】
実施例3
攪拌機、温度計、ジムロート冷却管を備えた0.5リットルのフラスコ中に、ピロメリット酸二無水物17.45g、n−ブチルアルコール59.30gを仕込、95℃で5時間で攪拌し反応させた。余剰のn−ブチルアルコールを減圧下、留去して、ピロメリット酸ジn−ブチルエステルを得た。
次いで、フラスコ中に塩化チオニル95.17g、トルエン70.00gを仕込、40℃で3時間反応させた。減圧により、余剰の塩化チオニルをトルエンと共沸させ、除去した。N−メチルピロリドン186gを添加し、ピロメリット酸ジn−ブチルエステルジクロリドの溶液(γ)を得た。
【0087】
次いで、攪拌機、温度計、ジムロート冷却管を備えた0.5リットルのフラスコ中に、N−メチルピロリドン95gを仕込、ビス(3−アミノ−4−ヒドロキシフェニル)ヘキサフルオロプロパン23.44g、4,4′−ジアミノジフェニルスルホン3.97gを添加し、攪拌溶解した後、ピリジン12.66gを添加し、温度を0〜5℃に保ちながら、ピロメリット酸ジn−ブチルエステルジクロリドの溶液(γ)を1時間で滴下した後、1時間攪拌を続けた。溶液を4リットルの水に投入し、析出物を回収、洗浄した後、減圧乾燥してポリアミド酸n−ブチルエステルを得た(以下、ポリマIIIとする)。
【0088】
ポリマIII 30.00g、トリス(4−ヒドロキシフェニル)メタンとナフトキノン−1,2−ジアジド−5−スルホニルクロリドを1/2.5のモル比で反応させた化合物6.00g、3−メルカプトプロピルトリメトキシシラン0.60g、N−(3−トリエトキシシリルプロピル)ウレア0.60gを、NMP54.00gに攪拌溶解した。この溶液を3μm孔のテフロンフィルタを用いて加圧濾過してポジ型感光性組成物を得た。
【0089】
得られたポジ型感光性組成物をスピンナーを使用してシリコンウェハ上に回転塗布し、ホットプレート上90℃で3分間加熱乾燥を行い、6.4μmのポジ型感光性樹脂組成物の膜を得た。この感光性ポリイミド前駆体塗膜にi線縮小投影露光装置((株)日立製作所製 LD−5010i)を用い、マスクを介し、700mJ/cm2の露光をした。次いで、2.38重量%水酸化テトラメチルアンモニウム水溶液を現像液とし100秒間パドル現像を行い、純水で洗浄してレリーフパターンを得た。剥離したパターンは無かった。現像後の膜厚は5.6μmであった。次いで、このパターンを窒素雰囲気下350℃で1時間加熱処理し、膜厚3.4μmのポリイミド膜のパターンを得た。
硬化後の膜の基板との接着性を見るために、ポリイミド膜を121℃、2atm、100%HRの条件下で500時間暴露させた後、基盤目試験法により接着性を調べたが、膜の剥がれは無かった。
【0090】
比較例1
ポリマ(I)30.00g、4,4’−ジアミノジフェニルスルホンとナフトキノン−1,2−ジアジド−5−スルホニルクロリドを1/2のモル比で反応させた化合物7.50gと3−アミノプロピルトリエトキシシラン1.00gをNMP54.00gに攪拌溶解した。しかし、撹拌後、このポジ型感光性組成物は黒色に変色するとともに異臭を放ち、評価に至らなかった。
【0091】
実施例4
ポリマ(I)30.00g、2,3,4,4’−テトラヒドロキシベンゾフェノンとナフトキノン−1,2−ジアジド−5−スルホニルクロリドを1/3のモル比で反応させた化合物8.00gとビス{3−(トリメトキシシリル)プロピル}エチレンジアミン1.20gをNMP54.00gに攪拌溶解した。しかし、撹拌後、このポジ型感光性組成物は黒色に変色するとともに異臭を放ち、評価に至らなかった。
【0092】
比較例2
ポリマ(I)30.00g、2,3,4,4′−テトラヒドロキシベンゾフェノンとナフトキノン−1,2−ジアジド−5−スルホニルクロリドを1/3のモル比で反応させた化合物7.50gをNMP54.00gに攪拌溶解した。この溶液を3μm孔のテフロンフィルタを用いて加圧濾過してポジ型感光性組成物を得た。
【0093】
得られたポジ型感光性組成物をスピンナーを使用してシリコンウェハ上に回転塗布し、ホットプレート上110℃で3分間加熱乾燥を行い、6.8μmのポジ型感光性樹脂組成物の膜を得た。この感光性ポリイミド前駆体塗膜にi線縮小投影露光装置((株)日立製作所製 LD−5010i)を用いマスクを介して900mJ/cm2の露光をした。次いで、2.38重量%水酸化テトラメチルアンモニウム水溶液を現像液とし70秒間パドル現像を行い、純水で洗浄してレリーフパターンを得た。10μm以下のパターンが剥離していた。現像後の膜厚は5.5μmであった。次いで、このパターンを窒素雰囲気下350℃で1時間加熱処理し、膜厚3.6μmのポリイミド膜のパターンを得た。
硬化後の膜の基板との接着性を見るために、ポリイミド膜を121℃、2atm、100%HRの条件下で10時間暴露させた後、基盤目試験法により接着性を調べたが、膜は全て剥がれた。
【0094】
比較例3
ポリマ(II)30.00g、4,4′−ジアミノジフェニルスルホンとナフトキノン−1,2−ジアジド−5−スルホニルクロリドを1/2のモル比で反応させた化合物9.00gをNMP54.00gに攪拌溶解した。この溶液を3μm孔のテフロンフィルタを用いて加圧濾過してポジ型感光性組成物を得た。
得られたポジ型感光性組成物をスピンナーを使用してシリコンウェハ上に回転塗布し、ホットプレート上115℃で3分間加熱乾燥を行い、6.4μmのポジ型感光性樹脂組成物の膜を得た。
【0095】
得られたポジ型感光性組成物をスピンナーを使用してシリコンウェハ上に回転塗布し、ホットプレート上110℃で3分間加熱乾燥を行い、6.4μmのポジ型感光性樹脂組成物の膜を得た。この感光性ポリイミド前駆体塗膜にi線縮小投影装置((株)日立製作所製 LD−5010i)を用い、マスクを介し、800mJ/cm2の露光をした。次いで、2.38重量%水酸化テトラメチルアンモニウム水溶液を現像液とし90秒間パドル現像を行い、純水で洗浄してレリーフパターンを得た。10μm以下のパターンが剥離していた。現像後の膜厚は5.3μmであった。次いで、このパターンを窒素雰囲気下350℃で1時間加熱処理し、膜厚3.3μmのポリイミド膜のパターンを得た。
【0096】
硬化後の膜の基板との接着性を見るために、ポリイミド膜を121℃、2atm、100%HRの条件下で10時間暴露させた後、基盤目試験法により接着性を調べたが、膜は全て剥がれた。
上記の実施例及び比較例から明らかなように、本発明の実施例においては、アルカリ水溶液での現像後のパターン剥離は起こらず、さらに加熱処理後のポリイミド膜の基板に対する接着性も良好であったが、比較例では現像後のパターンの剥離が起こり、また、加熱処理後のポリイミド膜の基板に対する接着性も劣っていた。
【0097】
【発明の効果】
請求項1記載及び2のポジ型の感光性樹脂組成物は、半導体素子等の電子部品の製造工程におけるフォトレジストの現像後の基板からのパターンの剥がれを低減する効果に優れ、さらに組成物の溶液状態での保存安定性にも優れるものである。
【0098】
請求項3記載の感光性樹脂組成物は、請求項1〜2記載の発明の効果を奏し、良好な感光性を示すものである。
請求項4記載の感光性樹脂組成物は、請求項3記載の発明の効果を奏し、一般的なアルカリ現像液による現像が可能なものである。
【0099】
請求項5及び6記載のレリーフパターンの製造法によれば、半導体素子等の電子部品の製造工程におけるフォトレジストの現像後の基板からのパターンの剥がれを低減しうる。
【0100】
請求項7及び8記載の電子部品は、基板からのパターンの剥がれがなく、高温加熱処理後において良好な接着性をもつ層間絶縁膜又は表面保護膜を有する信頼性に優れる半導体装置や多層配線板となる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 多層配線構造の半導体装置の製造工程図である。
【符号の説明】
1…半導体基板、2…保護膜、3…第1導体層、4…層間絶縁膜層、5…感光樹脂層、6A、6B、6C…窓、7…第2導体層、8…表面保護膜層。
Claims (8)
- 一般式(IV)におけるR6がカルボキシル基又はフェノール性水酸基を有する2価の有機基である請求項3記載のポジ型の感光性樹脂組成物。
- 請求項1〜4のいずれかに記載のポジ型の感光性樹脂組成物を支持基板上に塗布し乾燥する工程、露光する工程、現像する工程及び加熱処理する工程を含むレリーフパターンの製造法。
- 現像する工程が、アルカリ現像液を用いて行われるものである請求項5記載のレリーフパターンの製造法。
- 請求項5又は6記載の製造法により得られるパターンの層を有してなる電子部品。
- パターンの層が、表面保護膜又は層間絶縁膜である請求項7記載の電子部品。
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