JP2014145957A - ネガ型感光性樹脂組成物、及びそれを用いたパターン硬化膜の製造方法及び電子部品 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】以下の成分:
(a)ポリイミド前駆体;
(b)活性光線照射によってラジカルを発生する化合物;
(c)ウレア結合を有するシランカップリング化合物;
(d)溶剤
を含有する樹脂組成物であり、樹脂組成物中の塩素イオン濃度が50ppm以下である、樹脂組成物。
【選択図】なし
Description
1.以下の成分:
(a)ポリイミド前駆体;
(b)活性光線照射によってラジカルを発生する化合物;
(c)ウレア結合を有するシランカップリング化合物;
(d)溶剤
を含有する樹脂組成物であり、樹脂組成物中の塩素イオン濃度が50ppm以下である、樹脂組成物。
2.前記(a)成分が下記式(1)で表される構造単位を有する、1に記載の樹脂組成物。
Bは、下記式(3)で表される2価の有機基であり、
R1及びR2は、各々独立に水素原子又は1価の有機基である。)
3.前記(c)成分が下記式(4)で表される、1又は2に記載の樹脂組成物。
qは、1〜10の整数であり、rは、0〜3の整数である。)
4.前記成分(a)が下記式(5)で表される構造単位を有する、1〜3のいずれかに記載の樹脂組成物。
5.前記式(1)のR1及び/又はR2の一部が炭素−炭素不飽和二重結合を有する1価の有機基である、請求項2〜4のいずれかに記載の樹脂組成物。
6.前記式(5)のR1及び/又はR2の一部が炭素−炭素不飽和二重結合を有する1価の有機基である、請求項2〜5のいずれかに記載の樹脂組成物。
7.1〜6のいずれかに記載の樹脂組成物を基板上に塗布し乾燥して塗膜を形成する工程と、
前記塗膜に活性光線を照射してパターン状に露光する工程と、
前記塗膜の露光部以外の未露光部を現像によって除去してパターン樹脂膜を得る工程と、
前記パターン樹脂膜を加熱処理する工程と
を含むパターン硬化膜の製造方法。
8.7に記載の製造方法により得られるパターン硬化膜を、層間絶縁膜層及び/又は表面保護膜層として有する電子部品。
9.1〜6のいずれかに記載の樹脂組成物を硬化させた硬化膜。
10.9に記載の硬化膜を層間絶縁膜層及び/又は表面保護膜層として有する電子部品。
以下、本発明の樹脂組成物の各成分について説明する。
(a)成分のポリイミド前駆体は、特に制限無く用いることができるが、下記式(1)で表される構造単位を有することが好ましい。
Bは、下記式(3)で表される2価の有機基であり、
R1及びR2は、各々独立に水素原子又は1価の有機基である。)
Bの構造を与えるジアミンとしては、例えば、式(14)〜式(20)で表されるジアミンを用いることができる。これらは単独で用いてもよいし、二種以上を組み合わせて用いてもよい。
本発明の樹脂組成物を感光性樹脂組成物とする場合には、R1及び/又はR2の一部が、炭素−炭素不飽和二重結合を有する1価の有機基であり、後述する(b)成分の活性光線照射によってラジカルを発生する化合物と組み合わせて、ラジカル重合による分子鎖間の架橋が可能となるようにすることが望ましい。炭素−炭素不飽和二重結合を有する1価の有機基としては、例えば、アルキル部分の炭素数が1〜10のアクリロキシアルキル基やメタクリロキシアルキル基が挙げられる。
式(5)中のCは、原料として用いるテトラカルボン酸二無水物に由来する構造であり、式(6)で表される4価の有機基である。
Cの構造を与えるテトラカルボン酸二無水物としては、4,4’−オキシジフタル酸二無水物、4,4’−チオジフタル酸二無水物が挙げられる。これらは単独で用いてもよいし、二種を組み合わせて用いてもよい。
塩基性触媒としては、1,8−ジアザビシクロ[5.4.0]ウンデカ−7−エン、1,5−ジアザビシクロ[4.3.0]ノナ−5−エン等を用いることができる。
塩素化剤としては、塩化チオニルやジクロロシュウ酸を用いることができ、その当量としては1.5〜2.5モル当量が望ましく、1.6〜2.4モル当量がより望ましく、1.7〜2.3モル当量がさらに望ましい。1.5モル当量より少ない場合には、ポリイミド前駆体の分子量が低すぎて硬化後の応力が充分に低下しない恐れがあり、2.5モル当量より多い場合には、未反応の塩素化剤と原料であるジアミンが反応してしまう恐れがある。
塩基性化合物としては、例えばピリジン、4−ジメチルアミノピリジン、トリエチルアミン等を用いることができ、塩素化剤の量に対して、1.5〜2.5倍量用いることが望ましく、1.7〜2.4倍量であることがより望ましく、1.8〜2.3倍量であることがさらに望ましい。1.5倍量より少ないと、ポリイミド前駆体の分子量が低くなり、2.5倍量より多いと、ポリイミド前駆体が着色する恐れがある。
(b)成分の活性光線を照射するとラジカルを発生する化合物としては、例えば、ミヒラーズケトン(4,4’−ビス(ジメチルアミノ)ベンゾフェノン)、ベンゾインメチルエーテル、ベンゾインエチルエーテル、ベンゾインイソプロピルエーテル、2−t−ブチルアントラキノン、2−エチルアントラキノン、4,4−ビス(ジエチルアミノ)ベンゾフェノン、アセトフェノン、ベンゾフェノン、チオキサントン、2,2−ジメトキシ−2−フェニルアセトフェノン、1−ヒドロキシシクロヘキシルフェニルケトン、2−メチル−[4−(メチルチオ)フェニル]−2−モルフォリノ−プロパン−1−オン、ベンジル、ジフェニルジスルフィド、フェナントレンキノン、2−イソプロピルチオキサントン、リボフラビンテトラブチレート、2,6−ビス(p−ジエチルアミノベンザル)−4−メチル−4−アザシクロヘキサノン、2,6−ビス(4−アジドベンジリデン)−4−カルボキシシクロヘキサノン、N−エチル−N−(p−クロロフェニル)グリシン、N−フェニルジエタノールアミン、3,3,4,4−テトラ(t−ブチルパーオキシカルボニル)ベンゾフェノン、3,3−カルボニルビス(7−ジエチルアミノクマリン)、7−ジエチルアミノ−3−テノニルクマリン、ビス(シクロペンタジエニル)−ビス−[2,6−ジフルオロ−3−(ピリ−1−イル)フェニル]チタン、2−ヒドロキシ−2−メチル−1−フェニル−プロパン−1−オン、1−[4−(2−ヒドロキシエトキシ)−フェニル]−2−ヒドロキシ−2−メチル−1−プロパン−1−オン、2−ヒロドキシ−1−{4−[4−(2−ヒドロキシ−2−メチル−プロピオニル)−ベンジル]フェニル}−2−メチル−プロパン−1−オン、2−ベンジル−2−ジメチルアミノ−1−(4−モルフォリノフェニル)―ブタノン−1,2−(ジメチルアミノ)−2−[(4−メチルフェニル)メチル]−1−[4−(4−モルホリニル)フェニル]−1−ブタノン、2,4,6−トリメチルベンゾイル−ジフェニルフォスフィンオキサイド、1,2−オクタンジオン−1−[4−(フェニルチオ)−2−(o−ベンゾイルオキシム)]、エタノン−1−[9−エチル−6−(2−メチルベンゾイル)−9H−カルバゾール−3−イル]−1−(o−アセチルオキシム)、1−フェニル−1,2−プロパンジオン−2−(o−エトキシカルボニル)オキシム等が挙げられる。
(c)成分のウレア結合(−NH−CO−NH−)を有するシランカップリング化合物としては、例えば、下記式(4)で表される化合物が挙げられる。
qは、1〜10の整数(1、2、3、4、5、6、7、8、9、10)であり、
rは、0〜3の整数(0、1、2、3)である。)
(d)成分の溶剤としては、(a)成分のポリイミド前駆体を完全に溶解する極性溶剤が望ましく、例えばN−メチル−2−ピロリドン、N,N−ジメチルアセトアミド、N,N−ジメチルホルムアミド、ジメチルスルホキシド、テトラメチル尿素、ヘキサメチルリン酸トリアミド、γ−ブチロラクトン、δ−バレロラクトン、γ−バレロラクトン、シクロヘキサノン、シクロペンタノン、プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート、プロピレンカーボネート、乳酸エチル、1,3−ジメチル−2−イミダゾリジノン等が挙げられる。これらは単独で用いてもよいし、二種以上を組み合わせて用いてもよい。中でも室温粘度安定性の観点から、N−メチル−2−ピロリドンを用いることが好ましい。
本発明の組成物は、例えば、90%重量以上、95重量%以上、98重量%以上、100重量%が、(a)成分、(b)成分、(c)成分、(d)成分、及び任意に、付加重合性化合物、ラジカル重合禁止剤、ラジカル重合開始剤からなってもよい。
以下、各工程について説明する。
溶剤を加熱除去するために用いられる装置としては、例えば、ホットプレート、オーブンが挙げられる。また、溶剤を加熱除去するための加熱温度は80〜150℃であることが好ましく、加熱時間は60秒〜300秒であることが好ましい。
特に本発明の樹脂組成物からなるパターン硬化膜は、良好な形状及び密着性を有し、さらに耐熱性に優れることから、当該パターン硬化膜を備える本発明の電子部品は高い信頼性を有する。
図1〜図5は、多層配線構造を有する半導体装置の製造工程を説明する概略断面図であり、一連の工程を表している。
層間絶縁膜層4は、本発明の樹脂組成物を用いて形成することができる。
この表面保護膜層(パターン硬化膜)8は、導体層を外部からの応力、α線等から保護し、得られる半導体装置は信頼性に優れる。
本発明の樹脂組成物は、これを用いて得られるパターン硬化膜に、UBM(Under Bump Metal)作製のために無電解メッキする工程を行うことを特徴とする電子部品の製造方法及び該製造方法により得られる電子部品の、層間絶縁膜や表面保護膜用としても好適である。以下、説明する。
表1に示すテトラカルボン酸二無水物1、アルコール化合物1、及び触媒量のDBU(1,8−ジアザビシクロ[5.4.0]ウンデカ−7−エン)を、テトラカルボン酸二無水物1の4倍量のN−メチル−2−ピロリドン中に溶解して、室温で48時間撹拌してエステル溶液1を得た。
さらに、表1に示すテトラカルボン酸二無水物成分2、アルコール化合物2、及び触媒量のDBUを、テトラカルボン酸二無水物2の4倍量のN−メチル−2−ピロリドン中に溶解して、室温で48時間撹拌してエステル溶液2を得た。
別途、表1に示すジアミン1、ジアミン2、及び塩化チオニルの2倍当量のピリジンを、ジアミン1及び2の4倍量のN−メチル−2−ピロリドン中に溶解させた溶液を準備し、先に調製した酸塩化物溶液に、氷浴中で冷却しながら滴下した。
テトラカルボン酸二無水物1及び2のエステル化を別々に行わないで、同一の反応容器内で行った以外は合成法1と同様に操作を行って、ポリアミド酸エステルを得た。
s−BPDA:4,4’−ビフェニルテトラカルボン酸二無水物
ODPA:4,4’−オキシジフタル酸無水物
MMXDA:9,9’−ジメチル−2,3,6,7−キサンテンテトラカルボン酸二無水物
TFDB:2,2’−ビス(トリフルオロメチル)ベンジジン
DMAP:2,2’−ジメチルベンジジン
HEMA:メタクリル酸2−ヒドロキシエチル
IPA:2−プロパノール
表2に示す材料を使用して樹脂組成物を調製し、塩素イオン濃度を測定した。また、樹脂組成物を用いてパターン硬化膜を製造し、パターン開口部の残渣、接着性について評価した。
樹脂組成物の調製
(a)成分〜(d)成分として表2に示す質量部の材料((b)成分のB1は1,2−オクタンジオン−1−[4−(フェニルチオ)−2−(O−ベンゾイルオキシム)])と、テトラエチレングリコールジメタクリレート(付加重合性化合物)20質量部をN−メチル−2−ピロリドン138gに均一に溶解するまで撹拌した後、孔径3μmのフィルタを用いて加圧ろ過することによって感光性樹脂組成物を得た。
得られた感光性樹脂組成物1gをγ−ブチルラクトン149gに溶解し、この感光性樹脂溶液50gに0.79N希硝酸0.53gを滴下した。この溶液の塩素イオン濃度を電位差滴定装置を用いて3回測定した。測定した値に溶媒での希釈倍数150倍をかけた。3回測定の平均値を感光性樹脂組成物の塩素イオン濃度とした。
得られた感光性樹脂組成物を、6インチシリコンウエハ上にスピンコート法によって塗布し、100℃で2分間ホットプレート上で乾燥させて、膜厚10μmの塗膜を形成した。この塗膜にフォトマスクを介して、キヤノン株式会社製i線ステッパーFPA−3000iWを用いて、50〜500mJ/cm2のi線を50mJ/cm2刻みで所定のパターンに照射して、露光を行った。また、同じ厚みの未露光の塗膜をシクロペンタノンに浸漬して完全に溶解するまでの時間の2倍を現像時間として設定し、露光後のウエハをシクロペンタノンに浸漬してパドル現像した後、イソプロパノールでリンス洗浄を行った。この時の、未露光部の80μmのパターン開口部の残渣を顕微鏡で観察し、残渣なしの場合を0とし、残渣が少ない順から1〜5の5段階のレベルで評価した。
樹脂膜付きウエハを縦型拡散炉μ−TF(光洋サーモシステム社製)を用いて窒素雰囲気下、375℃で1時間加熱してパターン硬化膜(硬化後膜厚5〜10μm)をそれぞれ得た。得られた硬化膜について、下記の方法により接着性を評価した。
KBM1003:ビニルトリメトキシシラン(信越シリコーン社製、製品名)
KBM403:3−グリシドキシプロピルトリメトキシシラン(信越シリコーン社製、製品名)
KBM503:3−メタクリロキシプロピルトリメトキシシラン(信越シリコーン社製、製品名)
KBM803:3−メルカプトプロピルトリメトキシシラン(信越シリコーン社製、製品名)
NMP:N−メチルピロリドン
BLO:γ−ブチロラクトン
2 保護膜
3 第1導体層
4 層間絶縁膜層
5 感光樹脂層
6A、6B、6C 窓
7 第2導体層
8 表面保護膜層
101 半導体基板
102 シリコン基板
103 下地層
104 外部電極端子
105 表面保護膜層
Claims (10)
- 以下の成分:
(a)ポリイミド前駆体;
(b)活性光線照射によってラジカルを発生する化合物;
(c)ウレア結合を有するシランカップリング化合物;
(d)溶剤
を含有する樹脂組成物であり、樹脂組成物中の塩素イオン濃度が50ppm以下である、樹脂組成物。 - 前記式(1)のR1及び/又はR2の一部が炭素−炭素不飽和二重結合を有する1価の有機基である、請求項2〜4のいずれかに記載の樹脂組成物。
- 前記式(5)のR1及び/又はR2の一部が炭素−炭素不飽和二重結合を有する1価の有機基である、請求項2〜5のいずれかに記載の樹脂組成物。
- 請求項1〜6のいずれかに記載の樹脂組成物を基板上に塗布し乾燥して塗膜を形成する工程と、
前記塗膜に活性光線を照射してパターン状に露光する工程と、
前記塗膜の露光部以外の未露光部を現像によって除去してパターン樹脂膜を得る工程と、
前記パターン樹脂膜を加熱処理する工程と
を含むパターン硬化膜の製造方法。 - 請求項7に記載の製造方法により得られるパターン硬化膜を、層間絶縁膜層及び/又は表面保護膜層として有する電子部品。
- 請求項1〜6のいずれかに記載の樹脂組成物を硬化させた硬化膜。
- 請求項9に記載の硬化膜を層間絶縁膜層及び/又は表面保護膜層として有する電子部品。
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