JP2010102224A - 感光性樹脂組成物、硬化膜、保護膜、絶縁膜、半導体装置および表示体装置 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】 本発明の感光性樹脂組成物は、金属配線上に製膜され、パターニングされる感光性樹脂組成物であって、アルカリ可溶性樹脂と、感光剤と、前記パターニングされた際の残渣を抑制する残渣抑制剤と、密着助剤と、を含むことを特徴とする。また、本発明の硬化膜は、上記に記載の感光性樹脂組成物の硬化物で構成されていることを特徴とする。また、本発明の保護膜および絶縁膜は、上記に記載の硬化膜で構成されていることを特徴とする。また、本発明の半導体装置および表示体装置は、上記に記載の硬化膜を有していることを特徴とする。
【選択図】 図1
Description
に関する。
このポリベンゾオキサゾール樹脂やポリイミド樹脂を用いた場合のプロセスを簡略化するために、感光剤のジアゾキノン化合物をこれらの樹脂と組み合わせたポジ型感光性樹脂組成物も使用されている(例えば、特許文献1参照)。
(1)金属配線上に製膜され、パターニングされる感光性樹脂組成物であって、アルカリ可溶性樹脂と、感光剤と、前記パターニングされた際の残渣を抑制する残渣抑制剤と、密着助剤と、を含むことを特徴とする感光性樹脂組成物。
(2)前記残渣抑制剤は、前記密着助剤とは異なる組成で構成されている上記(1)に記載の感光性樹脂組成物。
(3)前記残渣抑制剤は、シラン系化合物を含むものである上記(1)または(2)に記載の感光性樹脂組成物。
(4)前記シラン系化合物は、アルコキシシラン化合物を含むものである上記(3)に記載の感光性樹脂組成物。
(5)前記アルコキシシラン化合物は、メタクリロキシプロピルメチルジメトキシシラン、メタクリロキシプロピルトリメトキシシラン、メタクリロキシプロピルトリエトキシシランおよびメタクリロキシプロピルメチルジエトキシシランの中から選ばれる少なくとも1種以上である上記(4)に記載の感光性樹脂組成物。
(6)前記残渣抑制剤の含有量は、前記感光性樹脂組成物全体の0.5〜10重量%である上記(1)ないし(5)のいずれかに記載の感光性樹脂組成物。
(7)前記金属配線が、銅配線である上記(1)ないし(6)のいずれかに記載の感光性樹脂組成物。
(8)上記(1)ないし(7)のいずれかに記載の感光性樹脂組成物の硬化物で構成されていることを特徴とする硬化膜。
(9)上記(8)に記載の硬化膜で構成されていることを特徴とする保護膜。
(10)上記(8)に記載の硬化膜で構成されていることを特徴とする絶縁膜。
(11)上記(8)に記載の硬化膜を有していることを特徴とする半導体装置。
(12)上記(8)に記載の硬化膜を有していることを特徴とする表示体装置。
また、本発明によれば金属配線上にパターニングされてなる硬化膜を有する半導体装置等の信頼性に優れる。
本発明の感光性樹脂組成物は、金属配線上に製膜され、パターニングされる感光性樹脂組成物であって、アルカリ可溶性樹脂と、感光剤と、前記パターニングされた際の残渣を抑制する残渣抑制剤と、密着助剤と、を含むことを特徴とする
また、本発明の硬化膜は、上記に記載の感光性樹脂組成物の硬化物で構成されていることを特徴とする。
また、本発明の保護膜および絶縁膜は、上記に記載の硬化膜で構成されていることを特徴とする。
また、本発明の半導体装置および表示体装置は、上記に記載の硬化膜を有していることを特徴とする。
図1は、半導体装置の一例を模式的に示す断面図である。
半導体装置10は、シリコンウエハ1と、シリコンウエハ1の上に設けられた金属配線5と、金属配線5を覆うように設けられた絶縁膜6と、で構成されている。
シリコンウエハ1の上側面(図1中の上側)の一部には、アルミパッド2が配置されている。
このアルミパッド2の上側面を除く部分のシリコンウエハ1の上側面を保護するように保護層3が設けられている。保護層3は、アルミパッド2の上側面では凹部31となっている。
保護層3の上側(図1中の上側)および凹部31の内周面311に沿って、金属層4が設けられている。
そして、金属配線5および金属配線5が配置されていない金属層4を覆うように、絶縁膜6が設けられている。
そして、絶縁膜6は、電気的な接続を行うためのパターニング処理が行われ、それによってビア61を有している。
前記感光性樹脂組成物は、アルカリ可溶性樹脂を含む。
前記アルカリ可溶性樹脂としては、例えばクレゾール型ノボラック樹脂、ヒドロキシスチレン樹脂、メタクリル酸樹脂、メタクリル酸エステル樹脂等のアクリル系樹脂、水酸基、カルボキシル基等を含む環状オレフィン系樹脂、ポリアミド系樹脂等が挙げられる。これらの中でも耐熱性に優れ、機械特性が良いという点からポリアミド系樹脂が好ましく、具体的にはポリベンゾオキサゾール構造およびポリイミド構造の少なくとも一方を有し、かつ主鎖または側鎖に水酸基、カルボキシル基、エーテル基またはエステル基を有する樹脂、ポリベンゾオキサゾール前駆体構造を有する樹脂、ポリイミド前駆体構造を有する樹脂、ポリアミド酸エステル構造を有する樹脂等が挙げられる。このようなポリアミド系樹脂としては、例えば下記一般式(1)で示されるポリアミド系樹脂を挙げることができる。
を用いてもよい。
下記式(6)中のテトラカルボン酸二無水物由来の構造については、C=O基に結合する位置が両方メタ位であるもの、両方パラ位であるものを挙げているが、メタ位とパラ位をそれぞれ含む構造でもよい。
このような、アミノ基と反応した後の炭素−炭素二重結合、炭素−炭素三重結合を少なくとも1個有する脂肪族基または環式化合物基を含む酸無水物に起因する基としては、例えば式(8)、式(9)で示される基等を挙げることができる。これらは単独で用いてもよいし、2種類以上組み合わせて用いても良い。
前記感光剤としては、例えば、フェノール化合物と1,2−ナフトキノン−2−ジアジド−5−スルホン酸または1,2−ナフトキノン−2−ジアジド−4−スルホン酸とのエステルが挙げられる。具体的には、式(11)〜式(14)に示すエステル化合物を挙げることができる。これらは単独で用いてもよいし、2種以上組み合わせて用いても良い。
前記残渣抑制剤としては、例えばリン酸塩、ポリアクリル酸、ケイ酸塩、ハロゲンシラン化合物、アルコキシシラン化合物等のシラン系化合物、チオール系カップリング剤が挙げられる。
これらの中でもシラン系化合物が好ましく、特にアルコキシシラン化合物が好ましい。これにより、パターニング時の残渣除去効果をより向上することができる。
残渣の発生原因は、アルカリ可溶性樹脂と金属配線5の金属との間に働く相互作用によって、アルカリ溶解性が低下することによるものと考えられる。本発明では、残渣抑制剤を用いることにより、残渣抑制剤が金属表面と親和性を向上させ、それによって表面改質を行うものである。これによりアルカリ可溶性樹脂と金属の相互作用を阻害し、残渣の発生を抑制するものである。
前記密着助剤は、例えばクロロシラン化合物、アルコキシシラン化合物、シラザン、アルコキシシリルアミンと無水カルボン酸の反応物、含窒素化合物、含硫黄化合物等が挙げられる。
加熱処理温度は、180℃〜380℃が好ましく、より好ましくは200℃〜350℃である。ここで行う加熱処理が前述した熱処理工程のことである。
また、これらの硬化膜を有しているウエハはウエハ周囲の塗布性に優れているので半導体装置の歩留まりを向上することができる。
また、これらの硬化膜を有している表示用基板は基板周囲の塗布性に優れているので表示体装置の歩留まりを向上することができる。
[アルカリ可溶性樹脂(A−1)の合成]
ジフェニルエーテル−4,4’−ジカルボン酸0.900モルと1−ヒドロキシ−1,2,3−ベンゾトリアゾール1.800モルとを反応させて得られたジカルボン酸誘導体(活性エステル)443.21g(0.900モル)とヘキサフルオロ−2,2−ビス(3−アミノ−4−ヒドロキシフェニル)プロパン366.26g(1.000モル)とを温度計、攪拌機、原料投入口、乾燥窒素ガス導入管を備えた4つ口のセパラブルフラスコに入れ、N−メチル−2−ピロリドン3,200gを加えて溶解させた。その後オイルバスを用いて75℃にて12時間反応させた。
次に、N−メチル−2−ピロリドン100gに溶解させた5−ノルボルネン−2、3−ジカルボン酸無水物32.8g(0.200モル)を加え、更に12時間攪拌して反応を終了した。反応混合物を濾過した後、反応混合物を水/イソプロパノール=3/1(体積比)の溶液に投入、沈殿物を濾集し水で充分洗浄した後、真空下で乾燥し、目的の式(A−1)で示されるアルカリ可溶性樹脂を得た。
無水マレイン酸10gとトリエトキシシリルアミン21gをフラスコに入れ、γ−ブチルラクトン278g中で15時間反応させ、(D−1)で示される密着助剤を得た。
合成した式(A−1)で示されるアルカリ可溶性樹脂100g、式(B−1)の構造を有する感光性ジアゾキノン化合物20g、下記式(C−1)の構造を有する残渣抑制剤8g、合成した式(D−1)の構造を有する密着助剤5gを、γ−ブチロラクトン150gに溶解した後、孔径0.2μmのテフロン(登録商標)製フィルターで濾過しポジ型感光性樹脂組成物を得た。
残渣抑制剤として、以下のものを用いた以外は実施例1と同様にした。
残渣抑制剤として、下記式(C−2)で示されるものを用いた以外は、実施例1と同様にした。
残渣抑制剤として、以下のものを用いた以外は実施例1と同様にした。
残渣抑制剤として、下記式(C−3)で示されるものを用いた以外は、実施例1と同様にした。
残渣抑制剤の含有量を、減らして感光性樹脂組成物の配合を以下のようにした以外は、実施例1と同様にした。
(A−1)で示されるアルカリ可溶性樹脂100g、式(B−1)の構造を有する感光性ジアゾキノン化合物20g、下記式(C−1)の構造を有する残渣抑制剤2g、下記式(D−1)の構造を有する密着助剤5gを、γ−ブチロラクトン150gに溶解した後、孔径0.2μmのテフロン(登録商標)製フィルターで濾過しポジ型感光性樹脂組成物を得た。
残渣抑制剤の含有量を、増やして感光性樹脂組成物の配合を以下のようにした以外は、実施例1と同様にした。
(A−1)で示されるアルカリ可溶性樹脂100g、式(B−1)の構造を有する感光性ジアゾキノン化合物20g、下記式(C−1)の構造を有する残渣抑制剤15g、下記式(D−1)の構造を有する密着助剤5gを、γ−ブチロラクトン150gに溶解した後、孔径0.2μmのテフロン(登録商標)製フィルターで濾過しポジ型感光性樹脂組成物を得た。
密着助剤として、以下のものを用いた以外は実施例1と同様にした。
エポキシシラン系密着助剤であるKBM−403E(信越化学工業(株))を用いた。
残渣抑制剤を用いずに、感光性樹脂組成物の配合を以下のようにした以外は実施例1と同様にした。
(A−1)で示されるアルカリ可溶性樹脂100g、式(B−1)の構造を有する感光性ジアゾキノン化合物20g、下記式(D−1)の構造を有する密着助剤15gを、γ−ブチロラクトン150gに溶解した後、孔径0.2μmのテフロン(登録商標)製フィルターで濾過しポジ型感光性樹脂組成物を得た。
密着助剤を用いずに、感光性樹脂組成物の配合を以下のようにした以外は実施例1と同様にした。
(A−1)で示されるアルカリ可溶性樹脂100g、式(B−1)の構造を有する感光性ジアゾキノン化合物20g、下記式(C−1)の構造を有する残渣抑制剤8gを、γ−ブチロラクトン150gに溶解した後、孔径0.2μmのテフロン(登録商標)製フィルターで濾過しポジ型感光性樹脂組成物を得た。
各実施例および比較例で得られたポジ型感光性樹脂組成物を、8インチの銅メッキ付シリコンウエハにスピンコーターを用いて塗布した後、ホットプレートにて120℃で4分乾燥し、膜厚約10μmの塗膜を得た。この塗膜に、凸版印刷(株)製マスク(テストチャートNo.1:幅0.88〜50μmの残しパターン及び抜きパターンが描かれている)を通して、(株)ニコン製i線ステッパーNSR−4425iを用いて、露光量を200mJ/cm2から10mJ/cm2ステップで増やして露光を行った。次に2.38%のテトラメチルアンモニウムヒドロキシド水溶液に現像時の未露光部の膜減りが1.0μmになるように現像時間を調整した。パターンを観察し、開口する露光量を感度とした。
感度評価を行ったパターンの銅メッキ上開口部の観察を行った。光学顕微鏡の倍率200倍で観察し、残渣発生の有無を確認した。
各実施例および比較例で得られたポジ型感光性樹脂組成物をシリコンウエハ上にスピンコーターを用いて塗布した後、ホットプレートにて120℃で4分プリベークし、膜厚約8.0μmの塗膜を得た。次に、クリーンオーブンを用いて酸素濃度1,000ppm以下で、150℃/30分+320℃/30分で加熱硬化を行い、硬化膜を得た。この硬化膜に、JIS K5400に準拠してカッターナイフにて1×1(mm)サイズの正方形が縦横10列づつ計100個の碁盤目を作製した。このサンプルをプレッシャークッカー(温湿度処理)試験;125℃、100%、0.2MPaの条件下500時間連続処理した後、JIS D0202に準拠して評価した。表1には碁盤目100個のうちの剥がれた個数を示す。
各実施例および比較例で得られたポジ型感光性樹脂組成物を23℃の室温下で1週間保管した。保管前後のポジ型感光性樹脂組成物の粘度をE型粘度計で測定し、(保管後粘度−保管前粘度)/保管前粘度×100で保管後の粘度の変化率を求めた。
また、実施例1〜6のポジ型感光性樹脂組成物は、耐湿処理後の密着性にも優れていた。これより、半導体装置等の信頼性に優れることが示唆された。
また、実施例1、2および4は、特に常温保管後の粘度変化が小さく保存性に優れていることが確認された。
2 アルミパッド
3 保護層
31 凹部
311 内周面
4 金属層
5 金属配線
6 絶縁膜
61 ビア
10 半導体装置
Claims (12)
- 金属配線上に製膜され、パターニングされる感光性樹脂組成物であって、
アルカリ可溶性樹脂と、
感光剤と、
前記パターニングされた際の残渣を抑制する残渣抑制剤と、
金属配線に対する密着性を向上する密着助剤と、を含むことを特徴とする感光性樹脂組成物。 - 前記残渣抑制剤は、前記密着助剤とは異なる組成で構成されている請求項1に記載の感光性樹脂組成物。
- 前記残渣抑制剤は、シラン系化合物を含むものである請求項1または2に記載の感光性樹脂組成物。
- 前記シラン系化合物は、アルコキシシラン化合物を含むものである請求項3に記載の感光性樹脂組成物。
- 前記アルコキシシラン化合物は、メタクリロキシプロピルメチルジメトキシシラン、メタクリロキシプロピルトリメトキシシラン、メタクリロキシプロピルトリエトキシシランおよびメタクリロキシプロピルメチルジエトキシシランの中から選ばれる少なくとも1種以上である請求項4に記載の感光性樹脂組成物。
- 前記残渣抑制剤の含有量は、前記感光性樹脂組成物全体の0.5〜10重量%である請求項1ないし5のいずれかに記載の感光性樹脂組成物。
- 前記金属配線が、銅配線である請求項1ないし6のいずれかに記載の感光性樹脂組成物。
- 請求項1ないし7のいずれかに記載の感光性樹脂組成物の硬化物で構成されていることを特徴とする硬化膜。
- 請求項8に記載の硬化膜で構成されていることを特徴とする保護膜。
- 請求項8に記載の硬化膜で構成されていることを特徴とする絶縁膜。
- 請求項8に記載の硬化膜を有していることを特徴とする半導体装置。
- 請求項8に記載の硬化膜を有していることを特徴とする表示体装置。
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