JPH07157560A - ポリイミドブロック共重合体の製造方法及びその溶液組成物 - Google Patents

ポリイミドブロック共重合体の製造方法及びその溶液組成物

Info

Publication number
JPH07157560A
JPH07157560A JP33954993A JP33954993A JPH07157560A JP H07157560 A JPH07157560 A JP H07157560A JP 33954993 A JP33954993 A JP 33954993A JP 33954993 A JP33954993 A JP 33954993A JP H07157560 A JPH07157560 A JP H07157560A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
polyimide
acid
mmol
block copolymer
solution
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Granted
Application number
JP33954993A
Other languages
English (en)
Other versions
JP3126577B2 (ja
Inventor
Yoshihiro Oie
義弘 尾家
Hiroshi Itaya
博 板谷
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
P I ZAIRYO KENKYUSHO KK
Original Assignee
P I ZAIRYO KENKYUSHO KK
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Family has litigation
First worldwide family litigation filed litigation Critical https://patents.darts-ip.com/?family=18328526&utm_source=google_patent&utm_medium=platform_link&utm_campaign=public_patent_search&patent=JPH07157560(A) "Global patent litigation dataset” by Darts-ip is licensed under a Creative Commons Attribution 4.0 International License.
Application filed by P I ZAIRYO KENKYUSHO KK filed Critical P I ZAIRYO KENKYUSHO KK
Priority to JP05339549A priority Critical patent/JP3126577B2/ja
Priority to AT93403147T priority patent/ATE179435T1/de
Priority to DE69324662T priority patent/DE69324662T2/de
Priority to EP93403147A priority patent/EP0604319B1/en
Priority to US08/466,729 priority patent/US5502143A/en
Publication of JPH07157560A publication Critical patent/JPH07157560A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP3126577B2 publication Critical patent/JP3126577B2/ja
Anticipated expiration legal-status Critical
Expired - Fee Related legal-status Critical Current

Links

Landscapes

  • Macromolecular Compounds Obtained By Forming Nitrogen-Containing Linkages In General (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【目的】有機極性溶媒に可能なポリイミドを有機極性溶
媒中で、加熱縮合して、直接イミド化して保存安定性の
よい高分子量のポリイミド組成物を1段で製造しうる方
法を開発すること、並びにこの際各種の性能を更に付加
して、所謂ブロックポリイミド共重合体やセグメントブ
ロックポリイミド共重合体を上記と同じ方法で製造しう
る方法を提供すること、更にはこれ等の溶液組成物並び
にこれ等の用途を開発すること。 【構成】酸触媒の存在下、有機極性溶媒中で酸ジ無水物
と芳香族ジアミンとを加熱してイミドオリゴマーとした
後、更に酸ジ無水物又は(及び)芳香族ジアミンを添加
して、加熱すること。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は二成分系のポリイミドの
もつ優れた性能の上に、新たな機能を付加したポリイミ
ドブロック共重体の溶液組成物、その製造方法並びにそ
の用途に関するものである。
【0002】
【従来の技術】ポリイミド樹脂は引張強度や強靭性を始
めとして、機械的強度、耐薬品性並びに電気絶縁性等に
優れた耐熱性樹脂として知られている。
【0003】このポリイミド樹脂は耐熱性フィルム、接
着剤、コーティング剤、成形用樹脂あるいは積層用樹脂
として使用され、近年、電気あるいは電子材料、宇宙航
空材料、自動車部品及び特殊機器部品への適用が行われ
ている。
【0004】ポリイミド樹脂の利点はその物性が優れて
いると共に、高純度原料を用いて縮合して、高純度樹脂
が得られること及び耐溶剤性に優れていることである。
今日では、ポリイミドの機械的、電気的特性の向上、そ
の他の物性の改良によって使用範囲が広くなり、更に寸
法安定性、耐衝撃性等の改良、貯蔵安定性の向上、分離
膜性能の向上、接着性の付与等の工夫がなされている。
【0005】カプトン(Kapton)やユーピレック
ス(Upilex)で代表される2成分系ポリイミドと
違って、イミド基の末端修飾や多成分系のポリイミドに
して、用途特性に対応したポリイミド樹脂の開発が推進
されている。
【0006】従来のポリイミドの製造方法は、高純度の
酸ジ無水物と芳香族ジアミンとを混合して、有機極性溶
媒中、低温で重縮合して高分子量のポリアミド酸(ポリ
イミド前駆体)を生成し、ついでこの液をキャスト又は
含浸した後に、加熱又は化学処理して閉環脱水反応をさ
せ、ポリイミドを製造する方法が採用されている(「新
しい耐熱性樹脂」Lee,Stoffs,Nevills共著、東京化学同
人発行216頁)。
【0007】このようにポリアミド酸を経由する2段階
法が採用される理由は、生成するポリイミドが有機極性
溶媒に不溶乃至難溶であるため、可溶なポリアミド酸を
高分子量にしてイミド化する方法が採用されている。有
機極性溶媒にポリイミドが可溶であったとしても、溶液
中での高分子量ポリイミドの縮合方法はいまだ知られて
いない。
【0008】他方、フェノール系樹脂、特に4−クロル
フェノールはある種のポリイミド樹脂を溶解するので、
ポリアミド酸を経由しない1段法で高分子量ポリイミド
樹脂が製造されている(特公昭62−25405号)。
【0009】一方二成分の他に他の成分を加えた多成分
系ポリイミドにすることによって、ポリイミド本来の機
能を保持したまま、劣った性質を補い、所望する用途に
適した樹脂に変性して利用する方法が最近よく行われる
ようになった。三成分以上の成分からなるポリマーは、
ランダム共重合体、交互共重合体、ブロック共重合体等
が知られている。
【0010】ランダム共重合体は各成分の優れた特性を
発揮するよりも各成分の平均の性質が現れるため、ラン
ダム共重合体よりもブロック共重合体による改質が有効
である。例えばポリウレタン樹脂ではブロック共重合体
にして改質が行われている。またポリアミドイミドのブ
ロック共重合体による改質も提案されている(特開昭5
1−34300号)。
【0011】而して、従来の2段階縮合法を用いて多成
分系ポリイミドを合成すると、ポリイミド前駆体(ポリ
アミド酸)が溶媒中で容易にアミド基間の交換が行われ
て、ランダム共重合体になることが知られている。した
がって始めから多成分を混合してポリアミド酸にして、
ポリイミドにする多成分系ポリイミドの改質が行われて
いる(特公昭63−66852号、特公昭61−296
031号)。
【0012】これに対して、スルホンアミドのオリゴマ
ーを合成し、ついで酸無水物を添加反応させて、ブロッ
ク性のポリイミドにして機械的強度、耐老化性及び加工
性の改良を行う方法が知られている(特公昭60−16
6326号)。またイソシアネートを用いるブロック性
ポリイミドも合成されている(特公平1−21165
号)。
【0013】フェノール性混合溶媒たとえばフェノール
とメトキシフェノールの混合溶媒、フェノールと2,4
−ジメチルフェノールの混合溶媒などを用いて、ブロッ
ク及びセグメントブロック共重合ポリイミドを製造し、
ポリイミドの改質が行われ、特に分離膜の性能の向上が
認められることもまた知られている(U.S.Pat.5202,41
1)。
【0014】
【発明が解決しようとする課題】本発明の目的は、有機
極性溶媒に可能なポリイミドを有機極性溶媒中で、加熱
縮合して、直接イミド化して保存安定性のよい高分子量
のポリイミド組成物を1段で製造しうる方法を開発する
こと、並びにこの際各種の性能を更に付加して、所謂ブ
ロックポリイミド共重合体やセグメントブロックポリイ
ミド共重合体を上記と同じ方法で製造しうる方法を提供
すること、更にはこれ等の溶液組成物並びにこれ等の用
途を開発することである。
【0015】
【課題を解決するための手段】本発明者は、有機極性溶
媒中酸触媒を添加すると、酸ジ無水物と芳香族ジアミン
から高分子量ポリイミドが1段階で生成することを見出
し既に出願した。引き続く研究においてこの方法によっ
て機能性の優れた多成分系のブロック共重合によるポリ
イミド溶液組成物をも製造しうることを見出し、本発明
を完成したものである。
【0016】
【発明の作用】用いる有機極性溶媒は一般的にN,N−
ジメチルホルムアミド(以下DMFという)、N,N−
ジメチルアセトアミド(以下DMAcという)、ジメチ
ルスルホキシド(以下DMSDという)、N−メチル−
2−ピロリドン(以下NMPという)、エチレングリコ
ールジメチルエーテル、スルホラン、テトラメチル尿素
等である。沸点の低いDMF(153℃)は毒性が強い
ため閉環系で使用される。NMP(沸点204℃)は毒
性が少なく好ましい溶媒である。
【0017】従来かかる極性溶媒中で酸ジ無水物と芳香
族ジアミンとから無水下にアミド酸を生成し、次いで熱
処理又は化学処理によってポリイミドにする2段反応が
一般に従来から採用されている。アミド酸を高温に加熱
して1段階反応でイミド樹脂を生成するという報告があ
るが、この方法は一般的に使用されない。高温下の直接
イミド化反応では不完全なイミド化と共に副反応が併発
するからである。
【0018】本発明者の研究で、かかる極性溶媒中での
重縮合反応が酸触媒によって促進され、高分子量のポリ
イミドが純度よく高収量で得られることが判明した。酸
触媒としてはリン酸、ピリジン塩酸塩、トルエンスルホ
ン酸、安息香酸、クロトン酸、γ−ブチロラクトン、ケ
イ皮酸等である。酸触媒の使用量は酸ジ無水物に対して
1/4〜1/200モル好ましくは1/4〜1/100
モルである。ピリジンやキノリン等の塩基性化合物もイ
ミド化反応の補助的役割をする。縮合反応に伴って水を
生成するためトルエン、キシレン、テトラリン等を加え
て共沸によって水を系外に除去することによって、イミ
ド化反応を促進し、高分子量のポリイミド樹脂が得られ
る。反応温度は120℃以上、好ましくは140〜18
0℃である。
【0019】反応温度が高い程縮合に要する時間は短く
なるが、温度が高いと溶媒やジアミンの分解を伴い副反
応が生成する。窒素、アルゴン、ヘリウム等の不活性ガ
ス雰囲気下で重縮合は行われる。
【0020】(イ)逐次添加反応によるブロック性ポリイ
ミドの製法について。
【0021】酸触媒の存在によって、極性溶媒中直接高
分子量ポリイミドが得られる上記事実に基づいて(特願
平4−358909号)、酸ジ無水物酸成分又は(及
び)芳香族ジアミン成分を逐次添加して重縮合すること
によって、ブロック共重合性のポリイミドが生成するこ
とが本発明者により見出された。
【0022】即ち先ず、極性溶媒中酸ジ無水物と芳香族
ジアミンとを酸触媒の存在下に加熱してイミドオリゴマ
ーを生成させ、次いでこれに酸ジ無水物又は(及び)芳
香族アミンを加えて第2段階反応によってポリイミドを
生成する。この方法ではアミド酸中間体を経由しないた
め、アミド酸間で起こる変換反応によるランダム共重合
性を防止する事が出来る。この際に配慮すべき事は芳香
族酸は脂肪族酸より強酸であり、芳香族アミンは脂肪族
アミンより弱塩基であることである。従って、芳香族酸
ジ無水物と芳香族ジアミンとが反応してイミドオリゴマ
ーを生成する場合、酸ジ無水物過剰の場合はジアミン過
剰の場合より縮合反応は速く、分子量分布も狭くなる。
【0023】芳香族ジアミン過剰の状態でイミドオリゴ
マーとした後芳香族酸ジ無水物を加えてポリイミドを生
成する場合には、ブロック性のポリイミドを生成し、芳
香族酸ジ無水物の過剰の状態でイミドオリゴマーとした
後、芳香族ジアミンを加えてポリイミドを生成する場合
にはセグメントブロック性のポリイミドを生成する。
【0024】添加量及び添加順序を変えることによっ
て、ブロック共重合体、セグメントブロック共重合体が
得られ、必要に応じた方法を採用することによってポリ
イミドの物性の改良が出来る。本発明によって、相異な
る成分の組み合わせをすることによって相乗的な効果が
期待出来る。
【0025】本発明に用いられる酸ジ無水物は特に限定
されないが ビフェニルテトラカルボン酸ジ無水物 ベンゾフェノンテトラカルボン酸ジ無水物 ビス(−ジカルボキシフェニル)プロパン二無水物 4、4′−[2、2、2−トリフルオロ−1−(トリフ
ルオロメチル)エチリデン]ビス(1、2−ベンゼンジ
カルボン酸無水物)(6FDA) ビス(ジカルボキシフェニル)スルホン二無水物 ビス(ジカルボキシフェニル)エーテル二無水物 チオフェンテトラカルボン酸二無水物 ピロメリット酸二無水物 ナフタレンテトラカルボン酸二無水物 等の芳香族酸ジ無水物
【0026】1、2、3、4−ブタンテトラカルボン酸
ジ無水物 シクロペンタンテトラカルボン酸二無水物 ビシクロ(2、2、2)−オクト−7−エンー2、3、
5、6−テトラカルボン酸ジ無水物 5(2、5−ジオキソテトラヒドロフリル)3−メチル
−3−シクロヘキセン−1、2−ジカルボン酸無水物 等の脂肪族酸ジ無水物 をあげることができる。これらは単独でも二種以上混合
してポリイミド組成物とすることができる。
【0027】芳香族ジアミンとしては特に限定されない
が、 1、4ベンゼンジアミン 1、3ベンゼンジアミン 6−メチル1、3−ベンゼンジアミン 4、4′−ジアミノ−3、3′−ジメチル−1、1′−
ビフェニル 4、4′−アミノ−3、3′−ジメトキシ−1、1′−
ビフェニル 4、4′−メチレンビス(ベンゼンアミン) 4、4′−オキシビス(ベンゼンアミン) 3、4′−オキシビス(ベンゼンアミン) 3、3′−カルボキニル(ベンゼンアミン) 4、4′−チオビス(ベンゼンアミン) 4、4′−スルホニル(ベンゼンアミン) 3、3′−スルホニル(ベンゼンアミン) 1−メチルエチリジン4、4′−ビス(ベンゼンアミ
ン) 1−トリフルオロメチル2、2、2−トリフルオロエチ
リジン4、4′−ビス(ベンゼンアミン)
【0028】4、4′−ジアミノベンズアニリド 3、5−ジアミノ安息香酸 2、6−ジアミノピリジン 4、4′−ジアミノ−3、3′5、5′−テトラメチル
ビフェニル 2、2ビス(4(4−アミノフェノキシ)フェニル)プ
ロパン ビス(4−(4アミノフェノキシ)フェニル)スルホン ビス(4−(4−アミノフェノキシ)フェニル)エチル 1、4−ビス(4−アミノフェノキン)ベンゼン 1、3ビス(3−アミノフェノキシ)ベンゼン 4、4′−ジアミノベンズアニリド 9、9−ビス(4−アミノフェニル)フルオレン
【0029】本発明法により軟質のエラストマーから硬
質の構造用ポリイミドに至るまで広範囲多様なポリイミ
ドの製造が可能である。
【0030】例えば弾性率の向上、寸法安定性の改良、
接着性の付与、透明性の向上、機械強度の向上等の特性
を付与したポリイミドが得られる。
【0031】本発明で得られるブロックポリイミド溶液
組成物は、アミド酸を含有しないため、熱や湿気に対し
て安定であって、長期間の保存が出来る。その利用の形
態自体は従来法に準じて行えば良く、たとえば耐熱性フ
ィルム、接着剤、コーティング剤、成形用樹脂及び積層
用樹脂として使用することが出来、電気或いは電子材
料、宇宙航空材料、自動車部品及び特殊機器部品へ適用
出来る。
【0032】(ロ)シロキサン含有セグメントブロック共
重合体の溶液組成物について。 ポリイミドは耐薬品性、電気絶縁性に優れた耐熱性樹脂
であるが、セラミック、ガラス、シリコンウエハー基板
被覆材としては、その密着性に問題があり、このためそ
の優れた耐熱性が充分発揮出来なかった。
【0033】この密着性を改良するために、基板上にカ
ップリング剤処理をして、カップリング剤層を設ける方
法(特公平2−11616号)や、ポリアミック酸中間
体に各種カップリング剤を混入したり、末端にシリコン
基を有するポリアミック酸中間体を用いる方法(特公平
2−14365号、特開平2−92930号)が開発さ
れた。
【0034】また近年、シロキサンイミド共重合体によ
る接着性の改良が試みられた。例えばアミノメチルポリ
メチルシロキサン(特開平2−88677号)、ビス−
メタアミノフェニル−テトラメチルジシロキサン(特開
平2−20523号)を用いて、シロキサン含有のポリ
アミド酸にして接着性を付与したり、ポリイミド樹脂に
して接着性を改良したり(特開平4−41529号)す
る方法が提案されている。
【0035】本発明に於いては末端ジアミンのシリコン
油を用いて、イミドオリゴマーを生成し、ついでブロッ
ク共重合をして、シロキサン含有のセグメントブロック
ポリイミドの溶液組成物を製造する。これらは非結晶物
質に対して強い密着性を示す。
【0036】従来のシロキサン含有ポリアミド酸中間体
では保存安定性が悪く、夫々ランダム共重合体であっ
て、特性の発現に制限がある。ポリアミド酸中間体を化
学処理してポリイミドとして回収し、溶媒に溶解して使
用する方法はコスト高である。
【0037】ジアミノシロキサン化合物は多数知られて
いるが、本発明に於いて好適な例としては次の化合物を
例示出来る。
【0038】
【化1】
【0039】
【化2】
【0040】但し以下[化2]をNH2−(Si)−N
2と略す。
【0041】本発明の実施方法は、酸触媒の存在下、有
機極性溶媒中で、ジアミノシロキサンに対し2倍モル以
上の芳香族酸ジ無水物を加えて140℃以上で加熱し
て、両末端が酸無水物のシロキサン含有イミド化合物を
生成せしめる。ついで芳香族ジアミンを添加し、加熱し
てポリイミド溶液組成物にする。
【0042】芳香族酸ジ無水物としては、酸の解離度の
大きい3,4,3′,4′−ビフェニルテトラカルボン
酸ジ無水物(s−BPDAと略す)、ピロメリット酸ジ
無水物(PMDAと略す)、4,4′−[2,2,2−
トリフルオロ−1−(トリフルオロメチル)エチリデ
ン]ビス(1,2−ベンゼンジカルボン酸無水物)(6
FDAと略す)が好ましい。
【0043】PMDAを用いる反応式を以下に示す。
【0044】
【化3】
【0045】イミドシロキサン前駆体(I)は正確には
単一の化合物ではなく、イミドオリゴマーであり、酸ジ
無水物の添加量がシロキサンに比べて多い程、イミドオ
リゴマーの分子量分布の幅が狭くなる。
【0046】第2段階の反応として芳香族ジアミン(N
2−R−NH2)が添加される。これを化学式で示せば
以下の通りである。
【0047】
【化4】
【0048】酸触媒の存在下に直接セグメントブロック
共重合体(II)が生成する。従来のシロキサン含有ポリ
アミド酸に比べて高い密着性のあるポリイミドが得られ
る。
【0049】本発明に於いては芳香族ジアミンにかえ
て、芳香族ジアミンと酸ジ無水物の混合物を加えて、シ
ロキサン含有ポリイミドにすることも出来る。この際の
両者の混合割合は酸ジ無水物とジアミンの割合が系全体
で等モルとする。
【0050】このセグメントブロックポリイミド溶液組
成物はそのまま各種電子機器の表面を保護するコート用
塗膜材料として利用することが出来る。例えば半導体、
トランジスター、IC、発光ダイオード、LSI等の電
子回路用配線構造体として、導電性フィラーを添加して
導電性ペーストとしても用いることが出来る。
【0051】他のコーティング用ワニスとして、電線被
覆、マグネットワイヤ、各種電気部品の浸漬コーティン
グ、金属部品の保護コーティング等に用いられると共
に、含浸ワニスとしてもガラスクロス、石英クロス、グ
ラファイト繊維、炭素繊維やボロン繊維の含浸に使用
し、レーザードーム、プリント基板、放射性廃棄物収納
器、タービン翼、高温性能と優れた電気特性とを要する
宇宙船、その他の構造用部品に使われ、又マイクロ波防
止用、放射線の防止用としてコンピューターなどの導波
管、原子機器、レントゲン機器の内装としても使用され
る。使用方法自体は通常のこの種コーティング剤として
の使用方法がそのまま適用出来る。
【0052】成形材料としてもグラファイト粉末、グラ
ファイト繊維、二硫化モリブデン、ポリ四フッ化エチレ
ン、エコノール等を添加して、自己潤滑性の摺動面の製
作に用い、ピストンリング、弁座、ベアリング、シール
用などにも用いられる。又ガラス繊維、グラファイト繊
維、炭素繊維、ケプラー等を添加して、ジェットエンジ
ン部品、高強度の構造用成形品として用いられる。
【0053】(ハ)BCD及びシロキサン含有セグメント
ブロック共重合体の溶液組成物について。 但しBCDは、ビシクロ[2,2,2]オクト−7−エ
ン−2,3,5,6−テトラカルボン酸ジ無水物の略で
ある。
【0054】シロキサン含有ポリイミドのセグメントブ
ロック共重合体はセラミック、ガラス、シリコン基板に
密着性を示すが、このポリイミド組成物にBCDを含有
させることによって更に接着性が増す。ガラス等の非結
晶物質と共にアモルファス合金、銅、アルミニウム等に
も密着性を示す。
【0055】BCD含有ポリイミドはポリイミドの特性
といわれた黄色が失われ、殆ど無色のポリイミドが得ら
れる。更には溶媒に対する溶解性が増大する。
【0056】反応式を示すと以下の通りである。
【0057】
【化5】
【0058】(ニ)スプレー塗装用ポリイミドワニスにつ
いて。 シロキサン含有ポリイミド溶液組成物は、金属の他に、
セラミック、ガラス等への接着性に優れているため、耐
熱性コーティング剤として利用される。
【0059】NMPなどの高沸点極性溶媒中に溶解した
ポリイミド組成物は、浸漬用ワニスとして用いられてい
るが、被覆物体にワニスを浸漬して、加熱して溶液を蒸
発させる場合、厚ぬり(30〜60μm)にすれば塗膜
のたれ現象を呈するためにスプレー塗装に使用出来なか
った。
【0060】塗装方法として含浸法にかえて、スプレー
法を採用すると、小形状の物品の塗装が迅速に均一に行
うことが出来る。
【0061】たれ現象を防止するためには、高濃度ワニ
スを低沸点希釈剤で希釈して低粘度のワニスにする必要
がある。一般に高分子量ポリイミド溶液は粘度が高く
て、スプレーに使用し難い。ポリイミドワニスの粘度を
低下させるためには、ポリイミドの分子量を下げるこ
と、又シロキサンやBCDの含有量を多くして、低粘度
のワニスにすることが出来る。
【0062】本発明に於いては上記要件を次の様にして
解決達成している。酸触媒によるイミド化重縮合反応
は、低濃度に比べて高濃度では非常に速くなり、重合反
応を途中で停止して分子量をコントロールする方法は高
濃度ポリイミド溶液中では非常に困難で、再現性も低
い。従って、低重合度に分子量をコントロールするため
に、ポリイミド末端を反応停止基でブロックしてポリイ
ミドの生成反応を平衡状態にもたらす方法を採用する。
【0063】酸ジ無水物又は芳香族ジアミンを化学量論
より過剰に用いて、重合停止をする方法は、生成するポ
リイミドの分子量分布が広く、又平衡濃度に達するには
長時間かかるという難点がある。そこで、重合停止剤と
して酸ジ無水物、例えばフタル酸無水物、ビシクロ
[2,2,1]ヘプト−5−エン−2,3−ジカルボン
酸無水物、マレイン酸無水物等を計算量加えて、生成す
るポリイミドの分子量を制御する方法が有効である。
【0064】一例として、35%濃度のポリイミド溶液
にして、スプレー用塗料として利用するための適当な分
子量(ポリスチレン換算の重量平均分子量)は1〜5
万、好ましくは1〜3万である。
【0065】高濃度ポリイミド溶液をスプレー用低粘度
ワニスにし、更にたれ現象を防止するためには、適当な
希釈剤を選ぶ必要がある。NMPなどの極性溶媒中のポ
リイミド溶液に溶解性の良い良溶剤として、ジオキサ
ン、γ−ブチロラクトン、ジメチルエチレングリコール
等がある。ゲル化用の貧溶媒として、トルエン、キシレ
ン、テトラリンが利用出来る。これらの良溶媒と貧溶媒
を混合添加し、スプレー用ポリイミド溶液の粘度を60
cp(カップ粘度で30秒附近)に調整する。かくして
セラミック、ガラス、金属面に、スプレー塗装が可能と
なる。
【0066】(ホ)付着ポリイミドの洗浄方法。 本発明のポリイミド溶液組成物は、回分式、連統式のい
ずれの方法によっても製造出来る。反応を停止、回収し
たり、反応組成を変える必要がある時には製造容器の洗
浄が行われる。
【0067】NMPやDMF等のポリイミドを溶解する
溶媒で洗浄すると、器壁に付着したポリイミドを完全に
溶出するためには、多量の溶媒と多くの洗浄操作を必要
とする。
【0068】本発明は器壁に付着したポリイミドを分解
して洗い流す経済性のある洗浄方法を提案するものであ
る。これらポリイミド組成物は第1級及び第2級の脂肪
族アミンで容易に分解する。特にエタノールアミンを含
む溶液中で、加温すると容易にポリイミドが分解し、各
種の溶剤に可溶となる。例えばエタノールアミンを含む
DMF溶液を加え、60〜100℃に加温してポリイミ
ドを分解し、水又はメタノールで反応器壁を清浄に洗う
ことが出来る。この際の第1級及び第2級アミンとして
は、例えばアンモニア、メチルアミン、ジメチルアミ
ン、モルホリン、エタノールアミン等を好ましいものと
して例示出来る。
【0069】
【実施例】以下実施例により本発明を詳細に説明する
が、本発明は、これに限定されるものではない。
【0070】本発明で合成されるポリイミド溶液組成物
は、酸ジ無水物及び芳香族ジアミンとを、厳密に当モル
量使用する場合は勿論、組成比を僅かにずらした場合で
あっても、定量的にポリイミドが生成する。反応したポ
リイミド溶液を貧溶媒、例えばメタノールやヘキサン中
に加えると、ポリイミドが粉末又は固形分として析出
し、定量的に回収することが出来る。ポリイミド溶液組
成物は、粘度、色調、比重、濃度、固体含有量等によっ
て特性づけられる。この溶液組成物はそのまま流延した
り、浸漬して含有溶媒を蒸発させて、膜、塗膜、接着
剤、成形品等として使用出来る。
【0071】ポリイミド溶液組成物を過剰のメタノール
中に加えて固形物として析出させ、又はキャストしてフ
ィルム状にして各種のポリイミド物性を測定することが
できる。赤外吸収スペクトルはKBr錠剤法を用いて
「Nicolet 510 Ft」赤外線スペクトルで測定した。生成
したポリイミドは1780、1720、1370、72
0m-1附近にポリイミドによる特性吸収が認められる。
ポリイミド前駆体であるポリアミック酸のアミド結合に
基づく特性吸収1650cm-1は消失して1780cm-1
新しく吸収が現れる。この吸収に基づく計算によって、
ほぼ100%イミド化していることを確認した。
【0072】熱分解開始温度、ガラス転移温度(Tg)
は島津製作所製「TGA−50」及び「ASC−50」
を用いて測定した。特にガラス転移温度(Tg)は昇温
速度10℃/分で420℃まで昇温した後、試料を空冷
し、再び10℃/分で350℃まで昇温して再測定し、
第2回目の昇温によるTgの値を示す。
【0073】対数固有粘度(Чinh)は30℃±0.
1℃の恒温槽中0.5g粉末をNMP100ccに溶解し
てオストワルド粘度計で下記式により測定した。
【0074】
【0075】但し t:ポリイミド溶液の落下速度 to:NMP溶液の落下速度
【0076】
【実施例1】 [ブロックポリイミド溶液組成物及びその製造法]1リ
ットル容量の三つ口セパラブルフラスコに、ステンレス
製のイカリ形撹拌棒、窒素導入管とストップコックのつ
いたトラップ上に玉付冷却管をつけた還流冷却器をとり
つける。窒素を流しながら温度調節機のついたシリコン
浴中にセパラブルフラスコをつけて加熱した。反応温度
は浴温で示す。
【0077】3,4,3′,4′−ベンゾフェノンテト
ラカルボン酸ジ無水物(分子量322.23 Himie Lin
z Ges.m.b.H社製品、以後BTDAと呼ぶ)64.44g
(200ミリモル)、2,4−ジアミノトルエン(分子
量122.17、東京化成品)12.22g(100ミリ
モル)、クロトン酸(分子量86.09、関東化学品)
2.2g(25ミリモル)、ピリジン(関東化学品)2.
0g(25ミリモル)、N−メチルピロリドン(BAS
Fジャパン社製、以後NMPと呼ぶ)300g、トルエ
ン(関東化学品)100gを仕込む。窒素を流しながら
室温で1時間撹拌(200r.p.m.)し、ついで昇温し
て、180℃で1時間、加熱撹拌する。トルエン−水が
還流する。
【0078】反応器を空冷して、ビス[4−(3−アミ
ノフェノキシ)フェニル]スルホン(分子量432.
5、和歌山精化品、以後m−BAPSと呼ぶ)43.2
5g(100ミリモル)、NMP300g、トルエン50
gを加える。室温で1時間、140℃で1時間撹拌し、
ついで昇温して180℃で3時間、加熱撹拌する。18
0℃の最初の1時間後にストップコックのついたトラッ
プにたまったトルエン−水(14ml)を除き、以後は還
流するトルエンを系外に除いた。
【0079】かくして、BTDA−2,4−ジアミノト
ルエン−m−BAPSの三成分系のブロックポリイミド
の溶液組成物が得られた。
【0080】ポリイミド液をステンレス板上に流延し
て、赤外線ランプの乾燥器中150℃で乾燥するとステ
ンレス板上にポリイミドの被膜ができる。碁盤目テスト
の結果、ポリイミドの接着は強く、剥離ができない。
【0081】ポリイミド液を多量のメタノール中に注
ぎ、ミキサーで撹拌すると黄色のポリイミド粉が析出し
た。瀘過、乾燥(真空中150℃)すると112gのポ
リイミドを得る。ポリイミド粉の熱分析をした。ガラス
転移温度(Tg)は266〜284℃、熱分解開始温度
は552℃。
【0082】
【実施例2】500ml容量三つ口フラスコを用いた。実
施例1と同様に実施した。BTDA16.11g(50ミ
リモル)、4,4′−ジアミノジフェニルスルフィド
(分子量216.3和歌山精化品)5.41g(25ミリ
モル)、クロトン酸0.86g(10ミリモル)、ピリジ
ン2.0g(25ミリモル)、NMP80gとトルエン3
0gを加える。室温で30分、140℃で30分、昇温
して180℃、1時間加熱撹拌する。反応器を空冷し
て、m−BAPS10.81g(25ミリモル)NMP5
0g、トルエンP30gを加えて室温で1時間、140℃
で30分、ついで昇温して、180℃で2時間加熱撹拌
(250r.p.m.)した。180℃1時間目にトルエン−
水14mlを除き、以後、還流するトルエンは系外に除い
た。
【0083】得られたポリイミド溶液をメタノール中に
注ぎ、ミキサーで撹拌して黄色のポリイミド粉を得た。
瀘過、乾燥して31.3gのポリイミドを得た。この粉末
の熱分析の結果、Tgは241〜252℃、熱分解開始
温度は566℃。
【0084】
【実施例3】実施例に2準ずる。BTDA16.11g
(50ミリモル)9,9−ビス(4−アミノフェニル)
フルオレン(分子量348.5和歌山精化品)8.71g
(25ミリモル)、クロトン酸0.86g(10ミリモ
ル)、ピリジン2.0g(25ミリモル)、NMP80g
とトルエン30gを加える。
【0085】室温で30分、140℃で30分、180
℃で1時間加熱撹拌した後空冷して、m−BAPS1
0.81g(25ミリモル)、NMP50g、トルエン3
0gを加えて、室温で1時間、140℃で30分、18
0℃で2時間加熱撹拌した。ポリイミド液をガラス板上
に流延し、85℃に赤外線乾燥器で加熱して、ポリイミ
ドフィルムを得た。ポリイミド液を実施例2と同様に処
理してポリイミド粉を得た。Tg266〜284℃、熱
分解開始温度552℃。
【0086】
【実施例4】実施例1に準ずる。1リットル三つ口フラ
スコを用いる。BTDA32.22g(100ミリモ
ル)、m−BAPS21.63g(50ミリモル)、安息
香酸(分子量122.19関東化学品)2.4g(20ミ
リモル)、ピリジン3.2g(40ミリモル)、NMP1
50g、トルエン40gを加え、窒素を流しながら室温で
30分、昇温して180℃で1時間加熱撹拌する。空冷
したのち、2,6−ジアミノピリジン(分子量110.
14アルドリッチ社品)2.75g(25ミリモル)、
3,5−ジアミノ安息香酸(分子量152.15東京化
成品)3.80g(25ミリモル)、NMP150g、ト
ルエン40gを加える。室温で1時間、160℃で30
分次いで180℃で3時間加熱撹拌する。180℃で1
時間加熱後から、還流するトルエンは系外に除く。
【0087】得られたポリイミド溶液をガラス板上にキ
ャストして赤外線乾燥器中100℃に加熱してポリイミ
ドフィルムが得られた。ポリイミド液を過剰のメタノー
ル中に注ぎ、ミキサーで撹拌して粉末を瀘過、回収す
る。熱分析の結果、Tg240℃、熱分解開始温度57
0℃。
【0088】
【実施例5】実施例4に準ずる。BTDA32.22g
(100ミリモル)、m−BAPS21.63g(50ミ
リモル)、安息香酸2.4g(20ミリモル)、ピリジン
3.2g(40ミリモル)、NMP150g、トルエン4
0gを加え、室温30分、昇温して180℃で1時間加
熱撹拌する。空冷して、3,3′−ジアミノジフェニル
スルホン(分子量248.3g和歌山精化品以後m−DD
Sと呼ぶ)6.21g(25ミリモル)、m−BAPS1
0.82g(25ミリモル)、NMP100g、トルエン
30gを加える。室温で1時間、140℃で30分、昇
温して180℃で3時間加熱、撹拌する。180℃で1
時間加熱以後は還流物を系外に除く。得られたポリイミ
ド組成物はメタノール中で沈殿、回収した。熱分析の結
果、Tg222℃、熱分解開始温度581℃。
【0089】
【実施例6】実施例4に準ずる。BTDA32.22g
(100ミリモル)、m−BAPS21.63g(50ミ
リモル)、安息香酸2.4g(20ミリモル)、ピリジン
3.2g(40ミリモル)、NMP150g、トルエン4
0gを加え、室温30分、180℃1時間、窒素を流し
ながら加熱撹拌する。次いで空冷して、3,3′−ジメ
チル−4,4′−ジアミノビフェニル−6,6′−ジス
ルホン酸(分子量372.4和歌山精化品)9.31g
(25ミリモル)、3,3′−ジメトキシ−4,4′−
ジアミノビフェニル(分子量244.3、和歌山精化
品)6.113g(25ミリモル)、ピリジン6g(75
ミリモル)、NMP150g、トルエン30gを加える。
室温で1時間、140℃で30分、180℃で3時間加
熱撹拌する。180℃1時間後より還流するトルエンは
系外に除く。
【0090】ポリイミド溶液を多量のメタノール中に注
いで沈殿するポリイミド粉末を瀘過、乾燥して、熱分析
した。Tg282℃、熱分解開始温度513℃。
【0091】
【実施例7】実施例2に準ずる。500ml三つ口フラス
コを用いる。ビシクロ[2,2,2]オクト−7−エン
−2,3,5,6−テトラカルボン酸ジ無水物(分子量
248.19、アルドリッチ社品、以後BCDと呼ぶ)
12.41g(50ミリモル)、2,4−ジアミノトルエ
ン3.05g(25ミリモル)、クロトン酸2.2g(25
ミリモル)、ピリジン2.0g(25ミリモル)、NMP
150g、トルエン30gを加え、窒素を流しながら室温
で30分、昇温して170℃で1時間、加熱撹拌する。
空冷して、BTDA8.06g(25ミリモル)、1,3
−ビス(3−アミノフェノキシ)ベンゼン分子量29
2.3、三井東圧製品)14.62g(50ミリモル)、
NMP100g、トルエン30gを加える。室温で1時
間、140℃で30分、180℃で2時間加熱撹拌す
る。
【0092】180℃で1時間後は還流するトルエンを
系外に除く。得られたポリイミド溶液をガラス板上にキ
ャストして赤外線乾燥器で150℃に加熱してポリイミ
ドフィルムを得た。実施例2と同様にポリイミド粉の熱
分析の結果、Tg221〜234℃、熱分解開始温度4
52℃。
【0093】
【実施例8】実施例2に準ずる。BTDA29.00g
(90ミリモル)、2,4−ジアミノトルエン3.66g
(30ミリモル)、γ−バレロラクトン(分子量10
0.12東京化成品)2.0g(20ミリモル)、N−メ
チルモルホリン2.0g(20ミリモル)、NMP130
g、トルエン30gを加える。室温で30分、昇温して1
80℃で1時間加熱撹拌(250r.p.m)する。空冷し
てm−BAPS12.98g(30ミリモル)、2,2−
ビス[4−(4−アミノフェノキシ)フェニル]プロパ
ン(分子量410.5和歌山精化品、以後BAPPとい
う)12.32g(30ミリモル)、N−メチルモルホリ
ン3.0g(30ミリモル)、NMP100g、トルエン
20gを加える。室温で1時間、140℃で30分、1
80℃で3時間加熱撹拌する。180℃で1時間をすぎ
ると、還流物を系外に除く。高粘度のポリイミド液を得
る。
【0094】ガラス板上にキャストして赤外線オーブン
で100℃に加熱してポリイミドフィルムとした。ポリ
イミド液をクロムメッキ板上にキャストして赤外線オー
ブンで200℃に加熱するとポリイミド被膜となる。こ
のものは碁盤目テスト(1mm、10×10)によっても
フィルムは剥離しなかった。
【0095】
【実施例9】 [シロキサン含有セグメントブロックポリイミド溶液組
成物及びその製造方法]
【0096】次式で示す両末端アミノ基をもつシリコン
オイル(信越化学品 X−22−161−AS)をジア
ミノシロキサンと呼ぶ。
【0097】
【化6】
【0098】実施例1に準ずる。BTDA22.56g
(70ミリモル)、ジアミノシロキサン(アミン当量4
50、信越化学X−22−161−AS)9.0g(10
ミリモル)、リン酸(85%、関東化学品)0.8g(7
ミリモル)、ピリジン2.4g(30ミリモル)、NMP
100g、トルエン30gを仕込む。窒素を流しながら室
温で30分、140℃で30分、昇温して160℃で1
時間加熱、撹拌(200r.p.m)する。空冷して2,2
−ビス[4−(4−アミノフェノキシ)フェニル]ヘキ
サフルオロプロパン(分子量518.5和歌山精化品)
20.74g(40ミリモル)、3,4′−ジアミノジフ
ェニルエーテル(分子量200.2、和歌山精化品)4.
00g(20ミリモル)、NMP150g、トルエン30
gを加える。
【0099】室温で1時間、110℃で30分、180
℃で2時間加熱撹拌する。180℃1時間後からは還流
物を全部系外に除く。得られたシロキサン含有ポリイミ
ド溶液は室温で1カ月放置しても粘度変化が認められな
かった。そのままキャストして塗膜として使用できる。
多量のメタノール中に加えミキサーで粉砕して、ポリイ
ミド粉末とした。熱分析の結果Tgは195〜202
℃、熱分解開始温度は510℃。
【0100】
【実施例10】500ml容量の三つ口セパラブルフラス
コに、BTDA22.56g(70ミリモル)、ジアミノ
シロキサン(X−22−161−AS)9.0g(10ミ
リモル)、リン酸(85%)0.8g(7ミリモル)、ピ
リジン2.4g(30ミリモル)、NMP100g、トル
エン30gを加える。室温で30分、140℃で30
分、160℃で1時間加熱撹拌する。空冷して4,4′
−ジアミノジフェニルスルフィド(分子量216.3、
和歌山精化品)12.98g(60ミリモル)、NMP1
50g、トルエン30gを加える。室温で1時間、160
℃で30分、180℃で2時間加熱撹拌する。180℃
1時間以後の還流するトルエンを系外に除く。実施例9
と同様にしてポリイミド粉末の熱分析の結果、Tg、2
08〜229℃、熱分解開始温度474℃。
【0101】
【実施例11】3,4,3′,4′−ビフェニルテトラ
カルボン酸ジ無水物(分子量294.224、宇部興産
製品、以後S−BPDAと呼ぶ)5.88g(20ミリモ
ル)、ジアミノシロキサン(信越化学品、アミン当量4
22)4.22g(5ミリモル)、リン酸(85%)0.
46g(4ミリモル)、ピリジン0.8g(10ミリモ
ル)、NMP70g、トルエン30gを加える。窒素を流
しながら室温15分、60℃で30分、160℃で1時
間加熱撹拌(200r.p.m)する。空冷した後、BTD
A6.44g(20ミリモル)、BAPP14.37g(3
5ミリモル)、NMP54g、トルエン20gを加え、室
温で30分、140℃で30分、180℃で3時間加熱
撹拌する。180℃で1時間以後は還流物を系外に除
く。シロキサン含有ポリイミド液を得た。実施例9と同
様にポリイミド粉末の熱分析の結果、Tg207℃、熱
分解開始温度536℃。
【0102】
【実施例12】S−BPDA23.52g(80ミリモ
ル)、ジアミノシロキサン(アミン当量422、信越化
学品)16.88g(20ミリモル)、クロトン酸3.4
4g(40ミリモル)、ピリジン6.4g(80ミリモ
ル)、NMP200g、トルエン40gを加える。窒素を
流しながら室温で20分昇温して170℃90分加熱撹
拌する。空冷した後、BCD19.84g(80ミリモ
ル)、m−TPE40.92g(140ミリモル)、NM
P137g及びトルエン40gを加え、室温で30分昇温
して180℃で3時間30分加熱撹拌する。180℃で
1時間後は還流するトルエンを系外に除く。反応後、ト
ルエン:ジオキサン=1:1重量比の混合溶媒98gを
加える。この結果得られたポリイミド液は19%の濃度
である。ガラス板上にキャストして85℃赤外線乾燥器
で溶媒をほぼ除いてポリイミドフィルムを得た。このフ
ィルムを減圧220℃2時間加熱乾燥して強いポリイミ
ドフィルムを得た。
【0103】ポリイミド液をメタノール中に注ぎポリイ
ミド粉末を減圧瀘過、回収する。Tg208℃、熱分解
開始温度449℃。T剥離の接着力650kg/cm(被着
体カプトンH(1milの厚さ)をスパッタ処理する。銅箔
は日鉱DHN−02(35μm)を用いる。
【0104】カプトンフィルム上にポリイミドワニスを
塗布した後、乾燥(85℃×30分+150℃×60
分)した後、約25μmの接着層を得た。銅箔を貼付
し、300℃×60分×20kg/cm2の条件で接着し
た。サンプルは1mm幅にエッチングして90℃ピール試
験をした。引張速度は50mm/min。
【0105】ポリイミド液をガラス板上にキャストして
赤外線乾燥器中で200℃に加熱するとポリイミド被膜
が出来た。碁盤目テストによってポリイミドフィルムを
ガラス板から剥がすことは出来ない。必要に応じて着色
して、ガラス、セラミック、金属面の被覆に使用する。
【0106】透明性のポリイミドであって、窓ガラス、
船舶、車輌、航空機の窓ガラスのコートをして、断熱遮
光、又は水滴防止の効果がある。ポリイミド溶液を多量
のメタノール中に加えてミキサーで粉砕すと、ポリイミ
ド粉が得られる。固有粘度は0.18。熱分析ではTg
は246℃、熱分解開始温度は449℃。
【0107】
【実施例13】 [BCDとジアミノシロキサンとを含むブロックポリイ
ミド溶液組成物及びその製造法]
【0108】実施例1に準ずる。S−BPDA8.83g
(30ミリモル)、ジアミノシロキサン(アミン当量4
80、信越化学品)9.60g(10ミリモル)、クロト
ン酸0.86g(10ミリモル)、ピリジン3.5g(40
ミリモル)、NMP100g、トルエン30gを加える。
窒素を流しながら室温で30分、140℃で30分、1
70℃で1時間加熱撹拌する。空冷後、BCD4.96
4g(20ミリモル)、3,4′−ジアミノジフェニル
エーテル8.01g(40ミリモル)、NMP100g、
トルエン20gを加え、室温で30分、140℃で30
分、170℃で3時間加熱撹拌する。170℃1時間後
は還流するトルエンを系外に除く。得られたポリイミド
溶液はガラス板上に流延し、赤外線乾燥器で200℃に
加熱する。透明性のポリイミドの被膜ができる。基板目
テストにしてもポリイミドの剥離はない。メタノール中
に注ぎポリイミド粉末にして熱分析した。Tg(ガラス
転移温度)は確認出来なかった。熱分解開始温度は42
9℃。
【0109】
【実施例14】1リットルのセパラブルフラスコにS−
BPDA11.77g(40ミリモル)、ジアミノシラン
(アミン当量450)18.0g(20ミリモル)、クロ
トン酸3.41g(80ミリモル)、ピリジン6.4g(8
0ミリモル)、NMP240g、トルエン40gを加え
る。室温で30分、140℃で30分、170℃で1時
間窒素を流しながら加熱撹拌(20r.p.m)する。空冷
した後3,4′−ジアミノジフェニルエーテル16.0
16g(80ミリモル)、BCD39.71g(160ミ
リモル)、NMP200g、トルエン40gを加え、14
0℃30分、170℃1時間加熱撹拌する。空冷して、
m−BAPS43.25g(100ミリモル)、NMP1
20g、トルエン40gを加え、140℃30分、180
℃3時間加熱撹拌する。180℃で1時間以後は還流物
を系外に除く。ポリイミド溶液をガラス板上にキャスト
して赤外線乾燥器で85℃に加熱して水中につけると透
明性のポリイミドフィルムが得られた。ポリイミド液を
ガラス板上にキャストして赤外線乾燥器中で200℃に
加熱するとポリイミド被膜が出来る。碁盤目テストによ
って、ポリイミドフィルムをガラス板から剥がすことは
出来なかった。必要に応じて着色して、ガラス、セラミ
ック、金属面の被覆に使用する。透明性のポリイミドで
あって、窓ガラス、船舶、車輌、航空機の窓ガラスのコ
ートをして、断熱遮光又は水滴防止の効果がある。ポリ
イミド溶液を多量のメタノール中に加えてミキサーで粉
砕するとポリイミド粉が得られる。固有粘度は0.1
8。熱分析ではTgは確認出来ない。熱分解開始温度は
429℃。
【0110】
【実施例15】実施例14と同様であるが、m−BAP
S43.25g(100ミリモル)の代わりに、2,2ビ
ス[4−(4−アミノフェノキシ)フェニル]ヘキサフ
ルオロプロパン(分子量518.4、和歌山精化品)5
1.85g(100ミリモル)又はBAPP(分子量41
0.5)41.05g(100ミリモル)又は1,3−ビ
ス(3−アミノフェノキシ)ベンゼン(分子量292.
3、三井東圧品)29.23g(100ミリモル)を加え
て、実施例14と同じように反応して透明性のポリイミ
ド溶液組成物を得る。
【0111】ポリイミド粉末にして熱測定した結果夫々
Tgは240℃、252℃、196℃である。夫々の固
有粘度は0.25、0.35及び0.17である。
【0112】
【実施例16】 [スプレー塗装用ブロックポリイミド溶液及びその製
法]実施例1に準ずる。S−BPDA35.31g(12
0ミリモル)、ジアミノシロキサン(アミン当量458
信越化学品)27.48g(30ミリモル)、クロトン酸
5.17g(60ミリモル)、ピリジン4.75g(60ミ
リモル)、NMP150g、トルエン40gを加える。室
温で30分、昇温して160℃で1時間加熱撹拌する。
空冷して、BCD29.78g(120ミリモル)、mT
PE62.85g(215ミリモル)、フタル酸無水物
1.484g(10.02ミリモル)、NMP144g、ト
ルエン40gを加え、室温で1時間、140℃で30
分、昇温して180℃で4時間30分、加熱撹拌する。
180℃1時間以後からは還流物を系外に除いた。
【0113】ポリイミド溶液は35%濃度である。この
液に(トルエン:ジオキサン=1:1重量)の希釈液
0.7倍量加え、20%濃度にすると気泡粘度で200
c.p.であった。得られたポリイミド液の分子量をゲル浸
透クロマトグラフ分析を(GPC)−東ソ−HLC80
20を用いて測定した。展開溶媒はテトラヒドロフラン
を用いた。
【0114】
【化7】
【0115】
【化8】
【0116】
【化9】
【0117】
【化10】
【0118】
【化11】
【0119】
【化12】
【0120】ポリイミド反応液を(ジオキサン:トルエ
ン=1:1重量)の希釈液で1.3倍に希釈して15%
固形分を含むワニスにした。このワニスでスプレー塗装
した。塗料は脱脂のみをしたステンレス板SUS430
(0.9mm×75mm×150mm)及びアルミニウム板
(1.0mm×50mm×60mm)を用いた。スプレー塗布
は(2kg/m2)で乾燥炉に120〜130℃で15分、
焼付炉で270℃、30分処理した。
【0121】塗膜性能試験を行った。SUS430試験
片では膜厚15μm、硬さ2H(鉛筆硬度)であった。
エリクセン試験(8mm押し出し)、デュポン衝撃器(1
kg、50cm、1/4−1/8インチ)及び碁盤目試験
(碁盤目1mm、10×10の密着試験は剥離が認められ
ない)は良好であった。
【0122】アルミニウムの試験片では膜厚10μmで
硬さH〜2Hである。密着試験も同様に剥離が認められ
ず良好であった。
【0123】ポリイミド液を多量のアルコール中に注
ぎ、ミキサーで粉砕するとポリイミド粉末が得られる。
熱分析の結果Tg205℃、熱分解開始温度444℃。
【0124】T剥離接着の強さ440g/cm(実施例1
2参照)、引張り強さ5.9kg/cm2(ASTMD882
に従って試験した。10mm/min、23℃、ダンベル1
号形、厚さ30μm)
【0125】
【実施例17】 [反応器の洗浄]実施例1と同様であるが、ガラス容器
の代わりに1リットル容量のステンレス製容器を使用し
た。実施例1と同様に反応して、反応液を空冷し、サイ
フォンを使って他の容器に移した。器壁及び撹拌棒にポ
リイミドの付着が認められる。この容器にトルエン45
0ml、DMF150ml、アミノエタノール150mlを加
え、60℃で60分撹拌する。液を再び他の容器に移
し、DMF300mlを加え30分室温で撹拌する。DM
Fを他の容器に移し、メタノール300mlを加えて撹拌
する。メタノール液を他の容器に移して洗浄は完了す
る。次回からの反応釜の実施には何等の支障が認められ
ない。
【0126】
【発明の効果】本発明によれば酸触媒を加えて加熱する
ことにより有機極性溶媒中に溶解したブロックポリイミ
ド組成物の新規な製造方法を提供するものである。
【0127】従来、有機極性溶媒中のポリイミドは、ポ
リアミド酸からポリイミドにして析出、回収し、再溶解
する方法が採用されていたため、本方法によりポリイミ
ド製造上のプロセスの短縮、コストの低減が図られる。
更に、逐次添加法による新規なポリイミドブロック共重
合体を得ることができ、従来のポリイミドの改質に有効
であって、接着性及び密着性ポリイミド、透明性ポリイ
ミド、スプレー塗装用ポリイミドワニスの新しい展開が
出来るようになった。

Claims (24)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】酸触媒の存在下、有機極性溶媒中で酸ジ無
    水物と芳香族ジアミンとを加熱してイミドオリゴマーと
    した後、更に酸ジ無水物又は(及び)芳香族ジアミンを
    添加して、加熱することを特徴とするポリイミドブロッ
    ク共重体の製造方法。
  2. 【請求項2】請求項1の方法で製造されたポリイミドブ
    ロック共重体の溶液組成物。
  3. 【請求項3】酸触媒がリン酸、トルエンスルホン酸、ピ
    リジン塩酸塩、安息香酸、γ−バレロラクトン及びクロ
    トン酸の少なくとも1種である請求項1の製造方法。
  4. 【請求項4】有機極性溶媒がN−メチル−2−ピロリド
    ン、ジメチルホルムアミド、ジメチルアセトアミド、ジ
    メチルスルホキシド、スルホラン及びテトラメチル尿素
    の少なくとも1種である請求項1の製造方法。
  5. 【請求項5】反応温度が120℃以上である請求項1の
    製造方法。
  6. 【請求項6】トルエン、キシレン及びテトラリンの少な
    くとも1種を添加して共沸によって生成する水を系外に
    除去する請求項1の製造方法。
  7. 【請求項7】ジアミノシロキサン化合物と芳香族酸ジ無
    水物を有機極性溶媒中、酸触媒の存在下に加熱して、両
    末端酸無水物のイミドオリゴマーとした後、更に芳香族
    ジアミン及び(又は)酸ジ無水物を添加して加熱するこ
    とを特徴とするシロキサン含有ポリイミドセグメントブ
    ロック共重合体の製造方法。
  8. 【請求項8】請求項7の方法によって製造されたシロキ
    サン含有ポリイミドセグメントブロック共重合体の溶液
    組成物。
  9. 【請求項9】金属、ガラス又はセラミック表面を被覆す
    るための請求項8の溶液を主成分として成る高温用被覆
    組成物。
  10. 【請求項10】請求項8の溶液を主成分として成る着色
    電球用被覆組成物。
  11. 【請求項11】グラファイト粉末、二硫化モリブデン、
    四フッ化エチレン及びエタノールの少なくとも1種を請
    求項8の溶液に含有せしめた自己潤滑性をもつ成形材
    料。
  12. 【請求項12】ジアミノシロキサンと芳香族酸ジ無水物
    とを有機溶媒中、酸触媒の存在下に加熱して、両末端酸
    無水物のシロキサンイミドオリゴマーとした後、ビシク
    ロ[2,2,2]オクト−7−エン−2,3,5,6−
    テトラカルボン酸ジ無水物と芳香族ジアミンとを加え
    て、加熱することを特徴とするポリイミドの製造方法。
  13. 【請求項13】請求項12の方法によって製造されたシ
    ロキサン−ビシクロ[2,2,2]オクト−7−エン−
    2,3,5,6−テトラカルボン酸ジ無水物−含有のポ
    リイミドブロック共重合体の溶液組成物。
  14. 【請求項14】請求項13の溶液を主成分として成る非
    結晶性物質の表面の接着被覆用組成物。
  15. 【請求項15】請求項13の透明ポリイミド溶液組成物
    を主成分として成る窓ガラス用被覆接着組成物。
  16. 【請求項16】請求項13の透明性ポリイミド溶液組成
    物を主成分として成る太陽電池用被覆接着組成物。
  17. 【請求項17】有機極性溶媒中、酸触媒の存在下に、ジ
    アミノシロキサンと芳香族酸ジ無水物とを混合加熱して
    イミド化合物とした後、芳香族ジアミン、酸ジ無水物と
    共に末端重合停止剤を添加し、加熱することを特徴とす
    るポリイミドの製造方法。
  18. 【請求項18】請求項17の方法で製造されたシロキサ
    ン含有ポリイミドのセグメントブロック共重合体の溶液
    組成物。
  19. 【請求項19】請求項17の末端停止剤がフタル酸無水
    物、ビシクロ−2,2,1−オクテンカルボン酸無水物
    及びマレイン酸無水物の少なくとも1種である請求項1
    7の製造方法。
  20. 【請求項20】ポリイミド組成物の平均重量分子量が1
    万〜5万である請求項17の製造方法。
  21. 【請求項21】請求項18の溶液組成物に、ジオキサン
    或いは(並びに)γ−ブチロラクトン、アセトン、γ−
    ブチロラクトン及びトルエン或いは(並びに)キシレン
    を混合希釈剤として加えた低粘度ワニス。
  22. 【請求項22】請求項21のワニスを主成分として成る
    スプレータイプ被覆組成物。
  23. 【請求項23】請求項1の方法で製造したポリイミドブ
    ロック共重合体の付着した容器を、第1級又は第2級脂
    肪族アミンを用いて該ポリイミドブロック共重合体を除
    去する洗浄方法。
  24. 【請求項24】請求項23で使用する脂肪族アミンがエ
    タノールアミンである洗浄方法。
JP05339549A 1992-12-25 1993-12-02 ポリイミドブロック共重合体の製造方法及びその溶液組成物 Expired - Fee Related JP3126577B2 (ja)

Priority Applications (5)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP05339549A JP3126577B2 (ja) 1993-12-02 1993-12-02 ポリイミドブロック共重合体の製造方法及びその溶液組成物
AT93403147T ATE179435T1 (de) 1992-12-25 1993-12-23 Polyamid-lösungszusammensetzungen und verfahren zur herstellung
DE69324662T DE69324662T2 (de) 1992-12-25 1993-12-23 Polyamid-Lösungszusammensetzungen und Verfahren zur Herstellung
EP93403147A EP0604319B1 (en) 1992-12-25 1993-12-23 Polyimide solution compositions and process for preparing same
US08/466,729 US5502143A (en) 1992-12-25 1995-06-06 Process for preparing polyimide resins

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP05339549A JP3126577B2 (ja) 1993-12-02 1993-12-02 ポリイミドブロック共重合体の製造方法及びその溶液組成物

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JPH07157560A true JPH07157560A (ja) 1995-06-20
JP3126577B2 JP3126577B2 (ja) 2001-01-22

Family

ID=18328526

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP05339549A Expired - Fee Related JP3126577B2 (ja) 1992-12-25 1993-12-02 ポリイミドブロック共重合体の製造方法及びその溶液組成物

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP3126577B2 (ja)

Cited By (24)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
US5773559A (en) * 1995-01-31 1998-06-30 Japan Synthetic Rubber Co., Ltd. Polyimide block copolymer and liquid crystal alignment layer forming agent
WO2000041884A1 (fr) * 1999-01-13 2000-07-20 Pi R & D Co., Ltd. Film complexe
US6218022B1 (en) 1996-09-20 2001-04-17 Toray Engineering Co., Ltd. Resin etching solution and process for etching polyimide resins
JP2001181578A (ja) * 1999-12-22 2001-07-03 Dainippon Printing Co Ltd 高耐熱性コーティング用組成物、有機溶媒可溶性ポリイミド、高耐熱性被膜及びその製造方法
JP2005228984A (ja) * 2004-02-13 2005-08-25 Pi R & D Co Ltd リング状絶縁板及び該絶縁板を用いたコイル
JPWO2004087793A1 (ja) * 2003-03-28 2006-06-29 株式会社ピーアイ技術研究所 架橋ポリイミド、それを含む組成物及びその製造方法
JP2006224097A (ja) * 2005-01-21 2006-08-31 Ube Ind Ltd 多成分ポリイミドからなるポリイミド非対称膜の製造方法
JP2006224098A (ja) * 2005-01-21 2006-08-31 Ube Ind Ltd 多成分ポリイミドからなるポリイミド非対称膜、ガス分離膜、及びガス分離方法
JP2006282882A (ja) * 2005-03-31 2006-10-19 Kaneka Corp ポリイミド樹脂の製造方法
JPWO2006011513A1 (ja) * 2004-07-27 2008-05-01 株式会社カネカ 高い接着性を有するポリイミドフィルムおよびその製造方法
WO2008139991A1 (ja) * 2007-05-07 2008-11-20 Mitsubishi Cable Industries, Ltd. 絶縁部材
WO2008155811A1 (ja) * 2007-06-18 2008-12-24 Solpit Industries, Ltd. 6,6-ポリイミド共重合体及びその製造方法
JP2009016319A (ja) * 2007-07-09 2009-01-22 Sumitomo Metal Mining Co Ltd 絶縁被覆金属細線
JP2009503131A (ja) * 2005-07-22 2009-01-29 エボニック フィブレ ゲーエムベーハー ポリイミド類からのブロック共重合体を生成するための製造方法並びに粉末及び成型品の生産のためのブロック共重合体の使用方法
JP2010018802A (ja) * 2008-07-09 2010-01-28 Lg Chem Ltd ポリイミド−ポリアミド酸共重合体、その製造方法、それを含む感光性組成物およびこれにより提供される保護膜
JP2010242096A (ja) * 2010-07-12 2010-10-28 Dainippon Printing Co Ltd 高耐熱性コーティング用組成物、高耐熱性被膜及びその製造方法
WO2011049105A1 (ja) * 2009-10-23 2011-04-28 東洋紡績株式会社 ポリイミド前駆体及びポリイミド前駆体溶液
JP5019152B2 (ja) * 2004-01-20 2012-09-05 独立行政法人産業技術総合研究所 カーボンナノチューブ分散ポリイミド組成物
JP5216179B2 (ja) * 2000-09-12 2013-06-19 株式会社ピーアイ技術研究所 ネガ型感光性ポリイミド組成物及びそれを用いた画像の形成方法
JP2018532676A (ja) * 2015-09-30 2018-11-08 コーニング インコーポレイテッド ハロゲン化ポリイミドシロキサン化学組成物およびハロゲン化ポリイミドシロキサン低摩擦コーティングを有するガラス物品
WO2020138360A1 (ja) * 2018-12-28 2020-07-02 三菱瓦斯化学株式会社 イミド-アミド酸共重合体及びその製造方法、ワニス、並びにポリイミドフィルム
WO2021210641A1 (ja) * 2020-04-16 2021-10-21 三菱瓦斯化学株式会社 イミド-アミド酸共重合体及びその製造方法、ワニス、並びにポリイミドフィルム
WO2021210640A1 (ja) * 2020-04-16 2021-10-21 三菱瓦斯化学株式会社 イミド-アミド酸共重合体及びその製造方法、ワニス、並びにポリイミドフィルム
WO2023106369A1 (ja) * 2021-12-09 2023-06-15 日鉄ケミカル&マテリアル株式会社 宇宙機用ポリイミド、宇宙機用ポリイミドフィルム及びこれを含む宇宙機用部材

Cited By (35)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
US5773559A (en) * 1995-01-31 1998-06-30 Japan Synthetic Rubber Co., Ltd. Polyimide block copolymer and liquid crystal alignment layer forming agent
US6218022B1 (en) 1996-09-20 2001-04-17 Toray Engineering Co., Ltd. Resin etching solution and process for etching polyimide resins
WO2000041884A1 (fr) * 1999-01-13 2000-07-20 Pi R & D Co., Ltd. Film complexe
US6589662B1 (en) * 1999-01-13 2003-07-08 Pi R&D Co., Ltd. Composite film
JP2001181578A (ja) * 1999-12-22 2001-07-03 Dainippon Printing Co Ltd 高耐熱性コーティング用組成物、有機溶媒可溶性ポリイミド、高耐熱性被膜及びその製造方法
JP5216179B2 (ja) * 2000-09-12 2013-06-19 株式会社ピーアイ技術研究所 ネガ型感光性ポリイミド組成物及びそれを用いた画像の形成方法
JPWO2004087793A1 (ja) * 2003-03-28 2006-06-29 株式会社ピーアイ技術研究所 架橋ポリイミド、それを含む組成物及びその製造方法
JP2010248515A (ja) * 2003-03-28 2010-11-04 Pi R & D Co Ltd 架橋ポリイミド、それを含む組成物及びその製造方法
JP4646804B2 (ja) * 2003-03-28 2011-03-09 株式会社ピーアイ技術研究所 架橋ポリイミド、それを含む組成物及びその製造方法
JP5019152B2 (ja) * 2004-01-20 2012-09-05 独立行政法人産業技術総合研究所 カーボンナノチューブ分散ポリイミド組成物
JP2005228984A (ja) * 2004-02-13 2005-08-25 Pi R & D Co Ltd リング状絶縁板及び該絶縁板を用いたコイル
JPWO2006011513A1 (ja) * 2004-07-27 2008-05-01 株式会社カネカ 高い接着性を有するポリイミドフィルムおよびその製造方法
JP4996920B2 (ja) * 2004-07-27 2012-08-08 株式会社カネカ 高い接着性を有するポリイミドフィルムおよびその製造方法
JP2012036401A (ja) * 2004-07-27 2012-02-23 Kaneka Corp 高い接着性を有するポリイミドフィルムおよびその製造方法
JP2006224097A (ja) * 2005-01-21 2006-08-31 Ube Ind Ltd 多成分ポリイミドからなるポリイミド非対称膜の製造方法
JP2006224098A (ja) * 2005-01-21 2006-08-31 Ube Ind Ltd 多成分ポリイミドからなるポリイミド非対称膜、ガス分離膜、及びガス分離方法
JP2006282882A (ja) * 2005-03-31 2006-10-19 Kaneka Corp ポリイミド樹脂の製造方法
KR101357101B1 (ko) * 2005-07-22 2014-02-06 에보닉 피브레 게엠베하 폴리이미드로부터 블록 공중합체를 제조하는 방법, 및 분말및 몰딩을 생산하기 위한 블록 공중합체의 사용 방법
JP2009503131A (ja) * 2005-07-22 2009-01-29 エボニック フィブレ ゲーエムベーハー ポリイミド類からのブロック共重合体を生成するための製造方法並びに粉末及び成型品の生産のためのブロック共重合体の使用方法
WO2008139991A1 (ja) * 2007-05-07 2008-11-20 Mitsubishi Cable Industries, Ltd. 絶縁部材
WO2008155811A1 (ja) * 2007-06-18 2008-12-24 Solpit Industries, Ltd. 6,6-ポリイミド共重合体及びその製造方法
JP5411696B2 (ja) * 2007-06-18 2014-02-12 ソルピー工業株式会社 6,6−ポリイミド共重合体及びその製造方法
JP2009016319A (ja) * 2007-07-09 2009-01-22 Sumitomo Metal Mining Co Ltd 絶縁被覆金属細線
JP2010018802A (ja) * 2008-07-09 2010-01-28 Lg Chem Ltd ポリイミド−ポリアミド酸共重合体、その製造方法、それを含む感光性組成物およびこれにより提供される保護膜
WO2011049105A1 (ja) * 2009-10-23 2011-04-28 東洋紡績株式会社 ポリイミド前駆体及びポリイミド前駆体溶液
JP2010242096A (ja) * 2010-07-12 2010-10-28 Dainippon Printing Co Ltd 高耐熱性コーティング用組成物、高耐熱性被膜及びその製造方法
JP2018532676A (ja) * 2015-09-30 2018-11-08 コーニング インコーポレイテッド ハロゲン化ポリイミドシロキサン化学組成物およびハロゲン化ポリイミドシロキサン低摩擦コーティングを有するガラス物品
WO2020138360A1 (ja) * 2018-12-28 2020-07-02 三菱瓦斯化学株式会社 イミド-アミド酸共重合体及びその製造方法、ワニス、並びにポリイミドフィルム
CN113227206A (zh) * 2018-12-28 2021-08-06 三菱瓦斯化学株式会社 酰亚胺-酰胺酸共聚物和其制造方法、清漆以及聚酰亚胺薄膜
JPWO2020138360A1 (ja) * 2018-12-28 2021-11-04 三菱瓦斯化学株式会社 イミド−アミド酸共重合体及びその製造方法、ワニス、並びにポリイミドフィルム
CN113227206B (zh) * 2018-12-28 2024-03-08 三菱瓦斯化学株式会社 酰亚胺-酰胺酸共聚物和其制造方法、清漆以及聚酰亚胺薄膜
WO2021210641A1 (ja) * 2020-04-16 2021-10-21 三菱瓦斯化学株式会社 イミド-アミド酸共重合体及びその製造方法、ワニス、並びにポリイミドフィルム
WO2021210640A1 (ja) * 2020-04-16 2021-10-21 三菱瓦斯化学株式会社 イミド-アミド酸共重合体及びその製造方法、ワニス、並びにポリイミドフィルム
CN115380058A (zh) * 2020-04-16 2022-11-22 三菱瓦斯化学株式会社 酰亚胺-酰胺酸共聚物和其制造方法、清漆以及聚酰亚胺薄膜
WO2023106369A1 (ja) * 2021-12-09 2023-06-15 日鉄ケミカル&マテリアル株式会社 宇宙機用ポリイミド、宇宙機用ポリイミドフィルム及びこれを含む宇宙機用部材

Also Published As

Publication number Publication date
JP3126577B2 (ja) 2001-01-22

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JP3126577B2 (ja) ポリイミドブロック共重合体の製造方法及びその溶液組成物
US5502143A (en) Process for preparing polyimide resins
US20040010062A1 (en) Polyimide copolymer and methods for preparing the same
KR101152574B1 (ko) 방향족 폴리아미드산 및 폴리이미드
EP0235294A1 (en) Polyimides and heat-resistant adhesives comprising the same
KR950004150B1 (ko) 화학적으로 에칭가능한 접착제를 이용한 라미네이트
US5643986A (en) Polyimidosiloxane compositions
KR0183989B1 (ko) 용매-가용성 폴리이미드실록산 올리고머 및 그의 제조방법
JP3136942B2 (ja) ポリイミドシロキサンの組成物
JPH10182820A (ja) ポリイミド前駆体組成物及びポリイミド膜
WO2011122198A1 (ja) ポリイミド前駆体、該前駆体を含む樹脂組成物および樹脂組成物を用いた膜形成方法
JP3243963B2 (ja) ポリイミドシロキサン組成物
JP5891693B2 (ja) 基板の製造方法および基板
US4996293A (en) Composition comprising polyimide resin from diphenyl sulfone -3,3',4,4'-tetracarboxylic acid dianhydride
EP0604319B1 (en) Polyimide solution compositions and process for preparing same
JPH0292535A (ja) 金属とポリイミドの複合成形体
JP2865198B2 (ja) 高分子膜を有するフレキシブル配線板
US20100273955A1 (en) 6,6-Polyimide Copolymers and Processes for Preparing Them
JP2003213130A (ja) ポリイミド樹脂組成物及び耐熱接着剤
JP2009263654A (ja) ポリイミド、ポリイミドフィルム、及びそれらの製造方法
JP3074661B2 (ja) ポリイミドシロキサン組成物
JP3940119B2 (ja) ポリイミド前駆体液組成物及びポリイミド被膜
JPWO2019131896A1 (ja) ポリイミド、ポリイミド溶液組成物、ポリイミドフィルム、及び基板
JP2022115823A (ja) ポリイミド前駆体及びポリイミド
AU599325B2 (en) Flexible copper-clad circuit substrate

Legal Events

Date Code Title Description
LAPS Cancellation because of no payment of annual fees