JP2865198B2 - 高分子膜を有するフレキシブル配線板 - Google Patents
高分子膜を有するフレキシブル配線板Info
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Description
芳香族ポリイミドフィルム基板上に共重合ポリイミドシ
ロキサンおよびエポキシ樹脂を含む塗布膜を、配線が実
質的に劣化しにくい条件で加熱乾燥して膜を形成してな
るフレキシブル配線板に関する。
の乾燥温度を低くできるため配線の劣化が生じにくく、
しかも基板に生じる反りの少ないフレキシブル配線板に
関する。
などを電気絶縁性の保護膜として利用することは、例え
ば、固体素子への絶縁膜、パッシベ−ション膜、半導体
集積回路、フレキシブル配線板などの層間絶縁膜などの
用途において、すでに種々知られている。
の併用が必要であり、その硬化剤に係わる保存安定性、
二液調製のための作業性などの種々の問題があったり、
また、前述の絶縁膜として使用した場合に、熱硬化によ
って形成された絶縁膜が剛直であり、柔軟性に欠け、耐
屈曲性が劣るという問題があった。また、一般に芳香族
ポリイミドは、有機溶媒に溶解し難いために、芳香族ポ
リイミドの前駆体(芳香族ポリアミック酸)の溶液とし
て使用して、塗布膜を形成し、次いで、乾燥とイミド化
とをかなりの高温で長時間、加熱処理することによっ
て、芳香族ポリイミドの保護膜を形成する必要があり、
保護すべき電気又は電子部材自体(例えば配線)が熱的
な劣化をするという問題があった。
ドは、例えば、特公昭57−41491号公報に記載さ
れているようなポリイミドが知られているが、そのポリ
イミドは、シリコ−ンウェハ−、ガラス板、フレキシブ
ル基板などの基板との密着性(接着性)が充分ではなか
ったので予め基板などを密着促進剤で処理しておくなど
の方法をとる必要があった。
ポリシリコンをジアミン成分として使用したポリイミド
シロキサンの前駆体が、例えば、特開昭57−1433
28号公報、特開昭58−13631号公報に開示され
ているが、それらのポリイミドシロキサンの前駆体は、
ポリマ−のイミド化のために塗布膜を高温で処理しなけ
ればならないという欠点を有していた。
び特開昭61−207438号公報、特開昭63−22
5629号公報、特開平1−121325号公報には、
可溶性のポリイミドシロキサンが開示されている。しか
し、それらの各ポリイミドシロキサンは、その製造工程
が数段階に及び、製造に長時間を要するという製造上の
問題があったり、アミン成分として芳香族ジアミンを全
く含んでおらず、耐熱性が低いという問題、種々の有機
溶媒に対する溶解性が必ずしも充分ではないという問
題、あるいは、これらのポリイミドシロキサンの有機溶
媒溶液をフレキシブル銅張り基板上に塗布して乾燥した
場合に、フレキシブル基板が大きくカ−ルするという問
題があった。
線の劣化が生じにくく基板に生じるカ−ルの少ない(反
りの少ない)フレキシブル配線板を提供することであ
る。
配線を形成した芳香族ポリイミドフィルム基板に、芳香
族テトラカルボン酸類とジアミノポリシロキサンと芳香
族ジアミンとを重合およびイミド化して得られる共重合
ポリイミドシロキサンおよびエポキシ樹脂を混合して得
られ、硬化膜が下記条件 (1)ハンダ耐熱性試験による耐熱性が240℃で30
秒間保持可能であり、(2)屈曲性試験で0°Rの折り
曲げにおける亀裂の生成が生じないを満足する有機溶媒
に可溶な耐熱性混合ポリマ−を含む塗布膜を、配線が実
質的に劣化しにくい条件で加熱乾燥することによって膜
を形成してなることを特徴とする高分子膜を有するフレ
キシブル配線板に関する。
リイミドフィルムとしては、公知のフレキシブル金属
(銅)配線基板(基板フィルムとしてポリイミドフィル
ムが使用される)が使用され、好適には芳香族ポリイミ
ドフィルム(例えば、宇部興産株式会社製UPILEX
S−75:3,3’,4,4’−ビフェニルテトラカ
ルボン酸二無水物とパラフェニレンジアミンとから得ら
れたポリイミドフィルム)を基板とするフレキシブル基
板が挙げられる。
芳香族テトラカルボン酸類とジアミノポリシロキサンと
芳香族ジアミンとを重合およびイミド化して得られる共
重合ポリイミドシロキサンおよびエポキシ樹脂を混合し
て得られ、硬化膜が下記条件 (1)ハンダ耐熱性試験による耐熱性が240℃で30
秒間保持可能であり、(2)屈曲性試験で0°Rの折り
曲げにおける亀裂の生成が生じないを満足すると共に有
機溶媒に可溶であることを満足することが必要であり、
これによって銅等の金属配線の劣化が生じにくく、しか
も耐熱性と低カ−ルとを満足する配線板を得ることがで
きる。
る共重合ポリイミドシロキサンは、例えば、芳香族テト
ラカルボン酸類(好適には2,3,3’,4’−ビフェ
ニルテトラカルボン酸類)と、好適には下記一般式で示
されるジアミノポリシロキサン(式中、R1 は2価の炭
化水素残基を示し、R2 は独立に炭素数1〜3のアルキ
ル基又はフェニル基を示し、lは3〜30、好ましくは
4〜20の整数を示す。)
族ジアミン(好適には20〜55モル%)からなるジア
ミンとを、略等モル、有機極性溶媒中で、約120℃以
上の高温に加熱して、一段で重合及びイミド化すること
によって、共重合ポリイミドシロキサンを製造する方
法、あるいは、前記の2成分を、略等モル、有機極性溶
媒中で、80℃以下の低い温度で重合してポリアミック
酸(ポリイミド前駆体)を生成させ、そのポリアミック
酸を適当な条件(化学イミド化、あるいは、高温加熱に
よるイミド化)でイミド化して共重合ポリイミドシロキ
サンを製造する方法によって製造することができる。
である2,3,3’,4’−ビフェニルテトラカルボン
酸類はその一部、特に20モル%以下を他の芳香族テト
ラカルボン酸類で置き換えたものであってもよい。この
ような芳香族テトラカルボン酸類としては、3,3’,
4,4’−ビフェニルテトラカルボン酸、3,3’,
4,4’−ベンゾフェノンテトラカルボン酸、3,
3’,4,4’−ビフェニルエ−テルテトラカルボン
酸、ピロメリット酸、または、それらの酸の二無水物、
あるいは、それらの酸のエステル化物などを挙げること
ができる。これらのなかでも、酸二無水物が一般的であ
る。
キサンとしては、一般式中のR1 が炭素数2〜6、特に
3〜5の複数のメチレン基又はフェニレン基からなる2
価の炭化水素残基であり、R2 が独立にメチル基、エチ
ル基、プロピル基などの炭素数1〜3のアルキル基、又
は、フェニル基であることが好ましく、さらにlが4〜
20、特に5〜15程度であることが好ましい。
安息香酸(好ましくは全ジアミン成分中0.5〜40モ
ル%、特に1〜35モル%、そのなかでも特に5〜35
モル%)とベンゼン環を2個以上有する芳香族ジアミン
化合物(好ましくは全ジアミン成分中5〜50モル%、
特に10〜45モル%)とを組み合わせることが好まし
い。
アミンとしては、例えば、4,4’−ジアミノジフェニ
ルエ−テル、4,4’−ジアミノジフェニルメタン、
4,4’−ジアミノジフェニルスルフォン、o−トリジ
ン、o−ジアニシジンなどのベンゼン環を2個有する芳
香族ジアミン化合物、1,4−ビス(4−アミノフェノ
キシ)ベンゼン、1,4−ビス(4−アミノフェニル)
ベンゼンなどのベンゼン環を3個有する芳香族ジアミン
化合物、又はビス〔4−(4−アミノフェノキシ)フェ
ニル〕スルホン、2,2−ビス〔4−(4−アミノフェ
ノキシ)フェニル〕プロパン(BAPP)などのベンゼ
ン環を4個有する芳香族ジアミン化合物を好適に挙げる
ことができる。
ンゼン環2個以上有する芳香族ジアミン化合物と共に、
全芳香族ジアミンに対して20モル%以下の割合で、ベ
ンゼン環を1個有する芳香族ジアミン化合物を併用する
ことも可能であり、そのようなベンゼン環1個の芳香族
ジアミン化合物としては、例えば、パラフェニレンジア
ミン、メタフェニレンジアミン、2,4−ジアミノトル
エンなどを挙げることができる。
ドシロキサンにおいては、全ジアミン成分に対するジア
ミノポリシロキサンに基づく主鎖単位の含有割合が少な
くなると、ポリイミドシロキサンの有機溶媒に対する溶
解性が低下したり、また、そのようなポリイミドシロキ
サンの有機溶媒溶液を塗布液として使用してフレキシブ
ル配線基板上に膜を形成する際に、大きくカ−ルするよ
うになるので適当ではなく、一方、前記ジアミノポリシ
ロキサンに基づく主鎖単位の含有割合が多くなり過ぎる
と、ポリマ−の耐熱性、機械的物性などが低下するので
好ましくない。
ては、ジアミノ安息香酸に基づく主鎖単位の含有割合
が、余りに少なくなり過ぎると、そのような共重合ポリ
イミドシロキサンが、エポキシ樹脂の硬化性能を失うの
で好ましくなく、また、余りに多くなり過ぎると共重合
ポリイミドシロキサンの溶解性が著しく低下するので適
当ではない。
に使用される有機極性溶媒としては、例えば、ジメチル
スルホキシド、ジエチルスルホキシドなどのスルホキシ
ド溶媒、N,N−ジメチルホルムアミド、N,N−ジエ
チルホルムアミドなどのホルムアミド系溶媒、N,N−
ジメチルアセトアミド、N,N−ジエチルアセトアミド
などのアセトアミド系溶媒、N−メチル−2−ピロリド
ン(NMP)、N−エチル−2−ピロリドン、N−ビニ
ル−2−ピロリドンなどのピロリドン系溶媒、メチルジ
グライム、メチルトリグライムなどのグライム系溶媒、
ヘキサメチルホスホリックトリアミド、γ−ブチルラク
トン、シクロヘキサノンなど、あるいはフェノ−ル、o
−、m−又はp−クレゾ−ル、キシレノ−ル、ハロゲン
化フェノ−ル(パラクロルフェノ−ル、パラブロムフェ
ノ−ルなど)、カテコ−ルなどのフェノ−ル系溶媒等を
挙げることができる。
ミドシロキサンは、高分子量のポリマ−であることが好
ましく、例えば、濃度:0.5g/100ml(N−メ
チル−2−ピロリドン)であるポリマ−溶液で、30℃
の測定温度で測定した対数粘度(ポリマ−の重合度の程
度を示す)が、0.05〜3、特に0.1〜2程度であ
ることが好ましく、また、その共重合ポリイミドシロキ
サンにイミド化率(赤外線吸収スペクトル分析法による
「イミド結合」の割合)は、約90%以上、特に95〜
100%であって、IRチャ−トにおいて「アミド−酸
結合」の吸収ピ−クが実質的に見いだされないものであ
ることが好ましい。
るエポキシ樹脂としては、エポキシ当量が100〜10
00程度であって、分子量が400〜5000程度であ
る液状又は粉体状のエポキシ樹脂が好ましく、例えば、
ビスフェノ−ルA型エポキシ樹脂、ビスフェノ−ルF型
エポキシ樹脂、ノボラック型エポキシ樹脂、グリシジル
アミン型多官能エポキシ樹脂などを挙げることができ
る。この発明においては、耐熱性の点から、ノボラック
型エポキシ樹脂が最も適している。
することによって硬化膜の耐熱性、特にハンダ耐熱性が
向上する。このエポキシ樹脂の使用量は、共重合ポリイ
ミドシロキサン100重量部に対して1〜50重量部で
あることが好ましい。
る有機溶媒としては、前述の共重合ポリイミドシロキサ
ンの製造に使用された有機極性溶媒も好適に使用するこ
とができ、さらに、前記の有機極性溶媒にキシレン、エ
チルセロソルブ、ジオキサンなどが一部配合されたもの
でもよい。特に、前記の塗布膜用の有機溶媒として、沸
点が300℃以下で140℃以上、特に180℃以上、
そのなかでも特に、200℃以上であるメチルトリグラ
イムなどを使用すると、溶媒の蒸発による散逸が極めて
少なくなるので、保存安定性がよくなかったり、塗布膜
を形成するための塗布溶液の調製(ロ−ル練りなど)が
容易になったり、又はその印刷インキを使用してスクリ
−ン印刷を支障なく好適に行うことができるので、最適
である。
トナイト、シリカ、タルクなどの無機充填剤、ポリマ−
充填剤、あるいは、無機又は有機の染料などを含有させ
てもよい。この発明における塗布膜は、前述の共重合ポ
リイミドシロキサンの濃度が、5〜50重量%であるこ
とが好ましく、また、25℃の溶液粘度(回転粘度)
が、0.01〜10000ポイズ、特に0.1〜100
0ポイズであることが好ましい。
テトラカルボン酸成分とジアミン成分とを有機極性溶媒
中で一段で重合およびイミド化して得られた共重合ポリ
イミドシロキサンの重合溶液にエポキシ樹脂を加えて均
一に混合後そのまま塗布したものであってもよい。ある
いは、耐熱混合ポリマ−の塗布膜は、前述の重合溶液か
ら一旦粉末状の共重合ポリイミドシロキサンを析出させ
て単離し、単離された共重合ポリイミドシロキサン粉末
とエポキシ樹脂を有機溶媒に均一に溶解して調製した塗
布液を塗布したものであってもよい。
布膜は、配線を形成した芳香族ポリイミドフィルム基板
に、常温又は加温下、回転塗布機、ディスペンサ−又は
印刷機などを使用する方法で、均一な厚さに塗布して得
られる。この塗布膜を配線が実質的に劣化しにくい条
件、通常は250℃以下の温度、特に60〜250℃の
温度で加熱乾燥させることにより、共重合ポリイミドシ
ロキサンの固化膜(厚さ:約0.5〜500μm)を形
成して、この発明のフレキシブル配線板を製造すること
ができる。
形成した芳香族ポリイミドフィルム基板に保護膜(固化
膜)がしっかり密着した耐熱性および電気絶縁性のフレ
キシブル配線板であって、その基板に反りの少ないもの
である。
び比較例における各試験法は、以下の通りである。
解性は、共重合ポリイミドシロキサン粉末0.2gを、
20℃で、メチルジグライム0.8gに添加し、放置し
て、その溶解の状態を観察して、1時間以内に溶解した
場合を◎、1日間以内に溶解した場合を○、単にポリマ
−中に溶媒が一部膨潤する場合を△、および、1週間で
も全く不溶の場合を×で示した。
香族ポリイミドフィルム(宇部興産株式会社製、UPI
LEX S−75:3,3’,4,4’−ビフェニルテ
トラカルボン酸二無水物とパラフェニレンジアミンとか
ら得られた芳香族ポリイミドフィルム)上に、厚さ10
0μmのPET製のスペ−サを配置して、そして、その
スペ−サで囲まれた範囲内に塗布液をラボラトリ−コ−
ティングロッドでバ−コ−トして、前記の塗布層を形成
し、最後に、前記の基板上の塗布層を80℃で30分
間、150℃で30分間、及び、200℃で30分間、
乾燥及び加熱処理(ベ−ク)して、膜(平均厚さ:約5
2−70μm)を形成し、そして、そのようにして製造
した「膜の形成されたポリイミドフィルム(長さ:10
0mm×幅:50mm)」を使用して「反り曲率半径」
を測定して求めたものである。
は、前記の芳香族ポリイミドフィルムと銅箔(30μ
m)とを熱硬化性接着剤で貼り合わせた銅張り板を使用
したほかは、前記カ−ル性試験における試料の製作と同
様にして、「保護膜を有する銅張り板」を作成し、この
銅張り板について、その膜の鉛筆硬度(JIS K−5
400)(この評価で膜の密着性が判断できる),屈曲
性(0°Rの折り曲げにおける亀裂などの生成を観
察)、半田耐熱性(240℃で30秒間)をそれぞれ測
定した。
のガラス製のセパラブルフラスコに、2,3,3’,
4’−ビフェニルテトラカルボン酸二無水物(a−BP
DA)14.71g(50ミリモル:mM)と、N−メ
チル−2−ピロリドン(NMP)100gとを入れてa
−BPDAを溶解させ、そして、その溶液を室温で攪拌
しながら、ジアミノポリシロキサン(DAPS)〔信越
シリコン株式会社製、X−22−161AS、R1:
(CH2 )3 、R2 :メチル基、l=9〕30.803
g(35ミリモル)とメチルジグライム100gとから
なる溶液を30分間で加え、重合温度190℃で窒素ガ
スを通じながら、しかも、メチルジグライムを還流させ
て水を除去しながら、4時間、重合反応させて、さらに
その反応液を一旦室温に戻して攪拌しながら、その冷却
された反応液に、2,2−ビス〔4−(4−アミノフェ
ノキシ)フェニル〕プロパン(BAPP)3.078g
(7.5ミリモル)と3,5−ジアミノ安息香酸1.4
11g(7.5ミリモル)とNMP47.9gとからな
る溶液を30分間で滴下しながら加えて、反応温度20
0〜210℃で3時間反応させて、
ノ−ル中に添加して、ディスパ−サ−を用いて30分間
で析出させ、ポリマ−濾過してポリマ−粉末を単離し、
そして、そのポリマ−粉末について10リットルメタノ
−ル中でディスパ−サ−を用いる10分間の洗浄を2回
行い、さらに、60℃で8時間真空乾燥して共重合ポリ
イミドシロキサン粉末43.97gを得た。前述のよう
にして得られた共重合ポリイミドシロキサンは、収率が
92重量%であり、対数粘度(30℃)が0.18であ
り、イミド化率が実質的に100%であった。
た共重合ポリイミドシロキサン30gおよびノボラック
型エポキシ樹脂(油化シェル社製、エポキシ157S7
0)5.4gを常温でメチルジグライム40g中に溶解
して共重合ポリイミドシロキサンとノボラック型エポキ
シ樹脂とがメチルジグライム中に均一に溶解しているポ
リマ−濃度47重量%の塗布液を調製した。前記の塗布
液は、25℃で、4400センチポイズ(CP)の溶液
粘度(回転粘度)を有していた。
75μmの芳香族ポリイミドフィルム(宇部興産株式会
社製、UPILEX S−75)を基板とするフレキシ
ブル配線板(銅線の幅:約300μm、配線密度:60
%)上に、厚さ100μmのポリエチレンテレフタレ−
ト(PET)製のスペ−サを配置して、そして、そのス
ペ−サで囲まれた範囲内に前記塗布液をラボラトリ−コ
−ティングロッド(NO.3)でバ−コ−トして塗布層
である塗布膜を形成し、最後に、前記の基板上の塗布膜
を80℃で30分間、150℃で30分間、180℃で
30分間乾燥及び加熱処理(ベ−ク)して、耐熱性混合
ポリマ−からなる膜(平均厚さ:65μm)を形成し
た。
配線板は、カ−ルが実質的にないものであり、該膜層と
前記配線板との間の密着性が、碁盤目試験(粘着テ−プ
による剥離)によるとまったく問題がなく、両層がしっ
かり接着されていた。別に行った反り試験(カ−ル性試
験)において、高分子膜の形成されたポリイミドフィル
ムは、反り曲率半径が100mm以上であり、反りが実
質的に無い状態(反り無し)であった。また、別に、銅
張り板に膜を形成して、その鉛筆硬度、屈曲性(0°R
の折り曲げにおける亀裂など生成の観察)、半田耐熱性
(240℃で30秒間)をそれぞれ測定した。結果をま
とめて表1に示す。
量の芳香族テトラカルボン酸化合物を使用し、ジアミン
成分として、表1に示す種類と量(モル比)のジアミノ
ポリシロキサン、ジアミノ安息香酸、およびBAPPを
使用した他は、実施例1と同様にして、(共重合)ポリ
イミドシロキサン(イミド化率:95%以上)をそれぞ
れ製造した。それらの(共重合)ポリイミドシロキサン
について測定した、対数粘度を表1にそれぞれ示す。な
お、比較例1で得られた共重合ポリイミドシロキサン
は、実質的にメチルジグライム、ジオキサンなどの有機
溶媒に難溶性であるので、共重合ポリイミドシロキサン
の塗布液を容易に調製することができず、従って、それ
らの溶媒ではフィルムを形成することもできなかったの
で、N−メチル−2−ピロリドン(NMP)を用いた。
合ポリイミドシロキサンを使用したほかは、実施例1と
同様にして、塗布液(耐熱性混合ポリマ−濃度:50.
5重量%)をそれぞれ調製した。各塗布液の溶液粘度
(25℃)を表1に示す。前述の各塗布液を使用した他
は、実施例1と同様にして、塗布操作を行ったが各実施
例では良好であった。さらに、別に反り試験を行い、そ
れらの結果(塗布操作の良否、反り曲率半径)を表1に
示す。また、銅張り板上の膜について、その鉛筆硬度、
屈曲性(0°Rの折り曲げにおける亀裂など生成の観
察)、半田耐熱性(240℃で30秒間)をそれぞれ測
定した。それらの結果を表1に示す。
は実施例3と同様にして、塗布液をそれぞれ調製した。
各塗布液の溶液粘度(25℃)を表1に示す。前述の各
塗布液を使用した他は、実施例1と同様にして、塗布操
作を行ったが各比較例では良好であった。さらに、別に
反り試験を行い、それらの結果(塗布操作の良否、反り
曲率半径)を表1に示す。また、銅張り板上の膜につい
て、その鉛筆硬度、屈曲性(0°Rの折り曲げにおける
亀裂など生成の観察)、半田耐熱性(240℃で30秒
間)をそれぞれ測定した。それらの結果を表1に示す。
下記の意味を有している。 a−BPDA:2,3,3’,4’−ビフェニルテトラ
カルボン酸二無水物 BAPP :2,2−ビス〔4−(4−アミノフェノ
キシ)フェニル〕プロパン DAPS :ジアミノポリシロキサン(X−22−1
61AS)
ているので、以下に記載のような効果を奏する。
を形成した芳香族ポリイミドフィルム基板に膜(固化
膜)がしっかり密着した、膜の耐屈曲性が良好で耐熱性
および電気絶縁性のフレキシブル配線板であって、その
配線基板に反り(カ−ル)が生じることが少ない。
Claims (3)
- 【請求項1】 配線を形成した形成した芳香族ポリイミ
ドフィルム基板に、芳香族テトラカルボン酸類とジアミ
ノポリシロキサンと芳香族ジアミンとを重合およびイミ
ド化して得られる共重合ポリイミドシロキサンおよびエ
ポキシ樹脂を混合して得られ、硬化膜が下記条件 (1)ハンダ耐熱性試験による耐熱性が240℃で30
秒間保持可能であり、 (2)屈曲性試験で0°Rの折り曲げにおける亀裂の生
成が生じないを満足する有機溶媒に可溶な耐熱性混合ポ
リマ−を含む塗布膜を、配線が実質的に劣化しにくい条
件で加熱乾燥することによって膜を形成してなることを
特徴とする高分子膜を有するフレキシブル配線板。 - 【請求項2】 芳香族ポリイミドフィルムが、3,
3’,4,4’−ビフェニルテトラカルボン酸二無水物
とパラフェニレンジアミンとを重合およびイミド化して
得られる芳香族ポリイミドからなるフィルムである請求
項1記載の高分子膜を有するフレキシブル配線板。 - 【請求項3】 耐熱性混合ポリマ−が、2,3,3’,
4’−ビフェニルテトラカルボン酸類と、ジアミノポリ
シロキサン45〜80モル%、ジアミノ安息香酸0.5
〜40モル%およびベンゼン環を2個以上有する芳香族
ジアミン5−50モル%からなるジアミンとを重合およ
びイミド化して得られる共重合ポリイミドシロキサン
と、該共重合ポリイミドシロキサン100重量部に対し
て1〜50重量部のエポキシ樹脂を混合してなるもので
ある請求項1記載の高分子膜を有するフレキシブル配線
板。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
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