JP2730652B2 - 保護塗膜被覆配線部材及びその製法 - Google Patents

保護塗膜被覆配線部材及びその製法

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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本願の第1の発明は、『フィルム
状基材上に導電性配線が形成されている配線部材(例え
ば、フレキシブル配線部材、TAB用配線部材など)』
の表面が、ビフェニルテトラカルボン酸類などのテトラ
カルボン酸成分とジアミノポリシロキサン及び芳香族ジ
アミンとからなるジアミン成分とから得られる特殊なポ
リイミドシロキサンを含有する被覆組成物からなる絶縁
保護塗膜(絶縁保護コーティング膜)で被覆されてい
る、カールがない保護塗膜被覆配線部材(フィルム状、
シート状部材、板状部材)に係わるものである。
【0002】さらに、本願の第2の発明は、前記ポリイ
ミドシロキサンを含有する被覆用組成物が溶媒に溶解又
は分散している被覆用組成物溶液(印刷インキ、塗布用
ワニス等)を、『前記配線部材』の表面に、スクリーン
印刷、ロール印刷などで塗布し、そして、その塗布膜を
乾燥して、揮発分を実質的に除去することによって、保
護塗膜被覆配線部材を容易に製造する方法に係わる。
【0003】
【従来技術の説明】従来、配線部材(フレキシブル配線
部材、TAB用配線部材等)の表面の保護膜としては、
配線部材の表面にエポキシ系樹脂を塗布し、その塗布膜
の乾燥及び硬化することによって形成された保護膜がよ
く採用されているが、そのエポキシ系樹脂から形成され
た保護膜は、耐熱性、接着性がよいけれども、エポキシ
系樹脂硬化物がかなり剛直であって柔軟性を有していな
いので、エポキシ樹脂からなる保護膜が被覆された配線
部材がカールするという問題があり、さらに、その保護
膜の表面に微細なクラックが生じることが多いという問
題があった。
【0004】耐熱性のポリイミド樹脂を電気絶縁材料と
して利用することは、例えば、固体素子への絶縁膜、パ
ッシベーション膜、半導体集積回路、フレキシブル配線
板などの層間絶縁膜などの用途においてすでに知られて
いる。
【0005】ポリイミドは、一般的に有機溶媒に難溶性
であるのでポリイミドの前駆体(ポリアミック酸)の溶
液として配線部材の絶縁膜の形成に使用される。例え
ば、ポリアミック酸溶液を電子部材の表面に塗布して、
その塗布膜の乾燥とポリアミック酸のイミド化とをかな
りの高温で長時間、加熱処理することによって行い、ポ
リイミドの絶縁膜を形成する必要があった。その高温処
理によって被覆すべき電子部材の銅箔配線、フィルム基
材と銅箔との接着剤が熱的に劣化するという問題があっ
た。また、前述のようにポリイミド前駆体の溶液を使用
して配線部材上に保護膜を形成するためにポリアミック
酸のイミド化を高温で行う際に、ポリマー自体がイミド
化に伴う脱水により収縮するので、保護膜で被覆された
配線部材全体がかなりカールするという問題、また、保
護膜内に微細な空隙部を生じ絶縁性、保護性が低下する
ことが多いという問題があった。
【0006】有機溶媒に可溶性の芳香族ポリイミドとし
て、特公昭57−41491号公報に記載されているポ
リイミドが知られているが、そのポリイミドは、配線部
材の表面との密着性(接着性)が充分ではなかったので
予め配線部材の表面を密着促進剤で処理する方法をとる
必要があったり、また、そのポリイミドからなる保護膜
が形成された配線部材はカールしてしまうという問題が
あったのである。
【0007】最近、特開昭61−118424号、特開
平1−121325号において、可溶性のポリイミドシ
ロキサンが提案されている。前者のポリイミドシロキサ
ンは、ジアミン成分として芳香族ジアミンをほとんど含
んでいないためにそれらの耐熱性、機械的物性がかなり
低いという問題あり、また、後者のポリイミドシロキサ
ンは芳香族ジアミンに少ない割合でジアミノシロキサン
が配合されたジアミン成分から得られたものであるので
種々の有機極性溶媒に対する溶解性が必ずしも充分では
ないという問題、又、フレキシブル配線部材などの表面
に塗布して保護塗膜を形成した場合に配線部材が大きく
カールするという問題があった。
【0008】
【解決すべき問題点】この発明の目的は、耐熱性のポリ
イミドを主成分とする保護塗膜(保護コーティング膜)
で被覆された配線部材であって、しかも、その保護塗膜
が配線部材に高い接着性(密着性)で一体に接着されて
おり、さらに、実質的にカールを示さない『保護塗膜で
被覆された配線部材』を提供すること、並びに、そのよ
うな保護塗膜被覆配線部材を工業的に製造する方法を提
供することである。
【0009】
【問題点を解決する手段】本願の第1の発明は、(A)
ビフェニルテトラカルボン酸類を主成分とする芳香族テ
トラカルボン酸成分と、(B)(a)一般式A
【式1】 (式中、Rは2価の炭化水素残基を示し、Rはそれ
ぞれ独立に炭素数1〜3のアルキル基又はフェニル基を
示し、1は3〜30の整数を示す。)で示されるジアミ
ノポリシロキサン50〜90モル%、及び、(b)芳香
族ジアミン10〜50モル%からなるジアミン成分とを
重合及びイミド化することにより得られたポリイミドシ
ロキサン又はそのエポキシ樹脂変成物が、樹脂成分の8
0重量%以上含有されている樹脂成分が主として配合さ
れている被覆組成物からなる絶縁保護塗膜(絶縁保護コ
ーティング膜)が『フィルム状基材上に配線が形成され
ている配線部材』の配線側表面に直接に被覆されてお
り、そして、前記被覆組成物からなるフィルムを形成し
た場合にそのフィルムが1〜70kg/mmの初期弾
性率を示すものであることを特徴とする保護塗膜被覆配
線部材に関する。
【0010】また、本願の第1の発明は、『第1の発明
において示された特定のポリイミドシロキサンが樹脂成
分の60重量%以上含有されている樹脂成分』が主とし
て配合されている被覆用組成物が、『沸点100℃〜2
50℃を示す有機極性溶媒』に均一に溶解又は分散され
ている被覆用組成物溶液を、『フィルム状基材上に導電
性配線が形成されている柔軟な配線部材』の配線側表面
に塗布し、そして、その塗布膜を50〜280℃の温度
で乾燥し、揮発分が実質的に除去された絶縁保護塗膜を
形成することを特徴とする保護塗膜被覆配線部材の製法
に関する。
【0011】本願の第1の発明の保護塗膜被覆配線部材
は、概略、柔軟な配線部材の配線側表面が、「『前記の
ポリイミドシロキサン又はそのエポキシ樹脂変成物が樹
脂成分の80重量%以上、好ましくは90〜100重量
%含有されている樹脂成分』が、好ましくは60〜10
0重量%、特に好ましくは80〜100重量%配合され
ている被覆組成物」からなる絶縁保護塗膜によって被覆
されており、そして、前記被覆組成物からなるフィルム
を形成した場合にそのフィルムが1〜70kg/m
、好ましくは5〜60kg/mm程度の初期弾性
率を示して柔軟性を充分に有しているような『保護塗膜
被覆配線部材』である。
【0012】この発明の保護塗膜被覆配線部材は、実質
的にカールがなく、平面的な保護塗膜被覆配線部材であ
り、また、配線部材(導電性配線およびフィルム状基材
とからなる複合材料)と絶縁保護塗膜とが優れた接着性
で一体に接合されているものであって、この発明の保護
塗膜被覆配線部材を使用して後続の加工・操作(他の部
材との接続操作など)を行う場合にそれらの加工操作に
おいてカールによる支障が少ないものである。
【0013】配線部材のフィルム状基材としては、耐熱
性ポリマー製フィルム、例えば、芳香族ポリイミドフィ
ルム、芳香族ポリアミドフィルム、芳香族ポリエステル
フィルム、無機系フィルムなどを挙げることができ、導
電性配線としては、銅箔など金属箔から形成された微細
な配線(線幅:10〜500μm、特に30〜300μ
m、及び、線間隔:10〜500μm、特に50〜40
0μm)を挙げることができる。
【0014】前記ポリイミドシロキサンは、(A)2,
3,3’,4’−又は3,3’,4,4’−ビフェニル
テトラカルボン酸又は酸二無水物、或いは、それらの酸
誘導体などのビフェニルテトラカルボン酸類を主成分と
する(好ましくは60モル%以上、特に70〜100モ
ル%含有する)芳香族テトラカルボン酸成分と、(B)
(a)一般式A
【式2】〔式中、Rは2価の炭化水素残基、好ましく
は炭素数2〜6の炭化水素残基を示し、Rはそれぞれ
独立に炭素数1〜3のアルキル基又はフェニル基を示
し、1は3〜30、好ましくは5〜20の整数を示
す。〕で示されるジア ミノポリシロキサン50〜90
モル%、好ましくは55〜85モル%、及び(b)芳香
族ジアミン10〜50モル%、好ましくは15〜45モ
ル%からなるジアミン成分とを、有機極性溶媒中で、重
合及びイミド化することにより得られた可溶性のポリイ
ミドシロキサンである。
【0015】前記の芳香族テトラカルボン酸成分におい
て、ビフェニルテトラカルボン酸類と共に使用すること
ができる『他の芳香族テトラカルボン酸類』としては、
3,3’,4,4’−ベンゾフェノンテトラカルボン
酸、3,3’,4,4’−ビフェニルエーテルテトラル
ボン酸、ピロメリット酸又はそれらの酸の二無水物、あ
るいは、それらの酸のエステル化物などを挙げることが
でき。
【0016】前記の一般式Aで示されるジアミノポリシ
ロキサンとしては、一般式AのRが炭素数2〜6の
『複数のメチレン基』又はフェニレン基からなる2価の
炭化水素残基であり、Rがそれぞれ独立にメチル基、
エチル基、プロピル基などの炭素数1〜3のアルキル
基、又は、フェニル基であることが好ましく、さらに、
1が4〜20程度であることが好ましい。
【0017】前記の芳香族ジアミンとしては、複数のベ
ンゼン環を有する芳香族ジアミン化合物が好ましく、例
えば、4,4’−ジアミノジフェニルエーテル、4,
4’−ジアミノジフェニルメタン、4,4’−ジアミノ
ジフェニルスルホン、o−トリジン、o−ジアニシジン
などのベンゼン環を2個有する芳香族ジアミン化合物、
1,4−ビス(4−アミノフェノキシ)ベンゼン、1,
4−ビス(4−アミノフェニル)ベンゼンなどのベンゼ
ン環を3個有する芳香族ジアミン化合物、及び、ビス
〔4−(4−アミノフェノキシ)フェニル〕スルホン、
2,2−ビス〔4−(4−アミノフェノキシ)フェニ
ル〕プロパンなどのベンゼン環を4個有する芳香族ジア
ミン化合物を好適に挙げることができる。
【0018】前記の芳香族ジアミンとしては、ベンゼン
環2個以上有する芳香族ジアミン化合物と共に、全芳香
族ジアミン成分に対して60モル%以下の割合でベンゼ
ン環を1個有する芳香族ジアミン化合物を併用すること
も可能であり、ベンゼン環1個の芳香族ジアミン化合物
としては、例えば、パラフェニレンジアミン、メタフェ
ニレンジアミン、2,4−ジアミノトルエン、3,5−
ジアミノ安息香酸、2,6−ジアミノ安息香酸、3,5
−ジアミノベンジルアルリレートなどを挙げることがで
きる。
【0019】前記のポリイミドシロキサンにおいては、
全ジアミン成分に対する『ジアミノポリシロキサンに基
づく主鎖単位』の含有割合が少なくなり過ぎると、その
ようなポリイミドシロキサンの溶解性が低下したり、ま
た、そのようなポリイミドシロキサンの溶液を使用して
配線部材上に保護塗膜を形成する際に、大きくカールす
るようになるので適当ではなく、一方、前記『ジアミノ
ポリシロキサンに基づく主鎖単位』の含有割合が多くな
り過ぎると、ポリマーの耐熱性、機械的物性、配線部材
への接着性などがかなり低下するので適当ではない。
【0020】前記ポリイミドシロキサンは、濃度;0.
5g/100ml(N−メチル−2−ピロリドン)のポ
リマー溶液で30℃の測定温度で測定した対数粘度(ポ
リマーの重合度の程度を示す)が、0.05〜3程度で
ある高分子量のポリマーであることが好ましく、また、
そのポリイミドシロキサンのイミド化率(赤外線吸収ス
ペクトル分析法による『イミド結合』の割合)は、約9
0%〜100%であって、IRチャートにおいて、『ア
ミド−酸結合』の吸収ピークが実質的に見出されないも
のであることが好ましい。
【0021】なお、前記のポリイミドシロキサンは、適
当な常温又は熱硬化性樹脂、例えば、フェノール系エポ
キシ樹脂、ノボラック型エポキシ樹脂、ビスフェノール
系エポキシ樹脂などのエポキシ樹脂で一部変成されてい
るものであってもよく、そのようなポリイミドシロキサ
ンのエポキシ樹脂変成物を含有する保護塗膜は、耐薬品
性、ハンダ耐熱性が優れているので好ましい。
【0022】前記ポリイミドシロキサンは、例えば、
(A)2,3,3’,4’−ビフェニルテトラカルボン
酸類を主として含有する芳香族テトラカルボン酸成分
と、(B)(a)前記一般式Aで示されるジアミノポリ
シロキサン50〜90モル%、及び、(b)芳香族ジア
ミン10〜50モル%からなるジアミン成分とを、略等
モル、有機極性溶媒中で、120℃以上の高温に加熱し
て、一段で重合及びイミド化することによって製造する
ことができる。また、ポリイミドシロキサンは、前記の
酸成分とジアミン成分との二成分を、略等モル、有機極
性溶媒中、80℃以下の低い温度で重合してポリアミッ
ク酸を生成させ、そのポリアミック酸を適当な手段(化
学イミド剤によるイミド化法、或いは、高温加熱による
イミド化法)でイミド化して製造することができる。
【0023】前記の製法に使用される有機極性溶媒とし
ては、例えば、スルホキシド系溶媒、ホルムアミド系溶
媒、アセトアミド系溶媒、ピロリドン系溶媒、メチルジ
グライム、メチルトリジクライムなどのグライム系溶
媒、ヘキサメチレンホスホルアミド、γ−ブチルラクト
ン、シクロヘキサノンなど、あるいは、フェノール系溶
媒などを挙げることができる。
【0024】前記絶縁保護塗膜を構成している被覆組成
物は、実質的に揮発分を含有していない組成物であり、
さらに、この組成物中には前記樹脂成分以外に、ワラス
トナイト、シリカ、タルクなどの無機充填剤、ポリマー
充填剤、あるいは、顔料又は染料が配合されていてもよ
い。
【0025】前記被覆組成物からなるフィルムを形成し
た場合にそのフィルムは、初期弾性率が1〜70kg/
であって柔軟であると共に、適当な機械的強度(2
5℃の破断点強度:約0.5〜20kg/mm、伸び
率:約30〜500%)、電気絶縁性を充分なレベルで
保持しており、しかも、耐熱性(熱分解開始温度が約2
50〜500℃であり、200℃で1分間以上のハンダ
耐熱性などを示すなど)も高いものであることが好まし
い。
【0026】本願の第2の発明の保護塗膜配線部材の製
法では、概略、『ポリイミドシロキサンを主成分とする
樹脂成分』が主として配合されている被覆用組成物が
『有機極性溶媒』に均一に溶解又は分散されている被覆
用組成物溶液を、『柔軟な配線部材』の配線側表面に塗
布し、そして、その塗布膜を50〜260℃の温度で乾
燥し揮発分が実質的に除去された絶縁保護塗膜を形成す
るのである。
【0027】前記被覆用組成物溶液は、前記のポリイミ
ドシロキサンを、硬化性樹脂(エポキシ樹脂)、充填剤
等のその他の被覆用成分と共に、沸点100℃〜250
℃である有機極性溶媒に溶解又は分散することによって
調製することができ、ポリイミドシロキサンの濃度が、
2〜60重量%、特に5〜50重量%程度であって、そ
の回転粘度(25℃)が約500〜60000センチポ
イズ、特に1000〜50000センチポイズの溶液粘
度であることが好ましい。
【0028】被覆用組成物溶液に使用される有機極性溶
媒は、沸点100℃〜250℃を示す有機極性溶媒であ
って、前記のポリイミドシロキサンを容易に溶解するこ
とができるものであることが好ましく、前記のポリイミ
ドシロキサンの製造に使用された有機極性溶媒も使用す
ることができ、フェノール系溶媒、アミド系溶媒(ピロ
リドン系溶媒、ホルムアミド系溶媒、アセトアミド系溶
媒等)、オキサン系溶媒(ジオキサン、トリオキサン
等)、グライム系溶媒(メチルジグライム、メチルトリ
グライム等)が特に好ましく、さらに、キシレン、エチ
ルセロソルブなどが一部配合されていてもよい。
【0029】前記の有機極性溶媒としては、沸点120
〜240℃であるグライム系溶媒が特に好ましく、トリ
グライム系溶媒が最も好適であり、その理由としては、
ポリイミドシロキサン等をトリグライム系溶媒に溶解し
て調製された被覆用組成物溶液は、その溶媒が急速に蒸
発して被覆用組成物溶液の粘度が増大することがなく、
また、保存安定性が優れており、そして、前記の保護塗
膜を形成するための被覆用組成物溶液(印刷インキ)の
調製(ロール練りなど)が容易であり、また、その印刷
インキを使用してシルクスクリーン印刷などの塗布操作
を支障なく好適に行うことができるという利点がある。
【0030】被覆用組成物溶液は、配線部材の配線側表
面に、常温又は加温下、回転塗布機、ディスペンサー又
はシルクスクリーン印刷機などを使用する公知の塗布手
段で塗布し、次いで、その塗布膜が、50*280℃、
好ましくは60〜260℃、さらに好ましく100〜2
50℃の温度で0.1〜10時間、特に0.2〜5時間
乾燥され、硬化性樹脂を含有する場合にはさらに硬化の
ために加熱処理することにより、揮発分が実質的に除去
された前述の絶縁保護塗膜(厚さが約0.5〜200μ
m、特に1〜100μm程度である乾燥固化膜である)
を形成するのである。
【0031】また、前記の被覆用組成物溶液は、ワラス
トナイト、シリカ、タルクなどの無機充填剤、ポリマー
充填剤、無機又は有機の染料、エポキシ樹脂などの硬化
性樹脂、硬化剤などが少ない割合で配合されていてもよ
い。
【0032】前記の被覆用組成物溶液としては、芳香族
テトラカルボン酸成分とジアミン成分とを有機極性溶媒
中で一段で重合およびイミド化して得られたポリイミド
シロキサンの重合溶液をそのまま使用してもよく、ま
た、その重合溶液をその重合溶媒と同様の有機溶媒で適
当な濃度に希釈して使用してもよい。また、被覆用組成
物溶液は、前述の重合溶液から一旦粉末状のポリイミド
シロキサンを析出させて単離し、その単離されたポリイ
ミドシロキサン粉末を前記の有機極性溶媒に均一に溶解
して調製することもできる。
【0033】
【実施例】以下に実施例及び比較例を挙げ、この発明を
さらに詳しく説明する。実施例および比較例における各
試験法は、以下のとおりである。ポリイミドシロキサン
の溶解性は、ポリイミドシロキサン粉末0.2gを、2
0℃で、メチルジグライム0.8gに添加し、放置し
て、その溶解の状態を観察して、1時間以内に溶解した
場合を◎、1日間以内に溶解した場合を○、単にポリマ
ー中に溶媒が一部膨潤する場合を△、および、1週間で
も全く不溶の場合を×で示した。
【0034】ポリイミドシロキサンの熱分解開始温度
は、デュポン951熱重量測定装置で測定した。被覆組
成物からなるフィルムの機械的強度は、ガラス板上に2
00μmのスペーサーを枠として配置して、被覆用組成
物溶液をそのガラス板上に流延して薄膜を形成し、その
薄膜を80℃で30分間、150℃で30分間、200
℃で30分間、乾燥および熱処理して、厚さ約40〜6
0μmのフィルムを形成して、そのフィルムについて、
万能型引張試験機(オリエンテック社製、テンシロンU
TM−11−20)で、破断強度、伸び率および初期弾
性を測定した。
【0035】被覆用組成物溶液をフィルム基材上に塗布
した場合の反り試験は、厚さ75μmの芳香族ポリイミ
ドフィルム(宇部興産株式会社製、UPILEXS−7
5)上に、厚さ100μmのPET製のスペーサを配置
して、そして、そのスペーサで囲まれた範囲内に被覆用
組成物溶液をラボラトリーコーティングロッドでバーコ
ートして被覆用組成物溶液の塗布膜を形成し、その塗布
膜を80℃で30分間、150℃で30分間、及び、2
00℃で30分間、乾燥及び加熱処理(ベーク)して、
被覆組成物からなる保護塗膜を形成し、そして、得られ
た保護塗膜の形成された芳香族ポリイミドフィルム(長
さ:100mm、幅:50mm)について『反り曲率半
径』を測定した。
【0036】また、保護塗膜被覆配線部材のカール性の
試験は、試料を3×5cmの試験片としてその試験片を
水平面の台上に静置して、その試験片の長手方向の端部
における水平面からの高さ(mm)でカール性の程度を
示した。さらに、保護塗膜被覆配線部材における保護塗
膜の接着性は、碁盤目試験(粘着テープによる剥離)に
よって行った結果を未剥離部分の割合(%)で示した。
そして、保護塗膜被覆配線部材における保護塗膜の耐熱
性は、200℃の半田浴に30秒間浸漬して、浸漬後の
保護塗膜の状態の変化を観察した結果を示す。
【0037】実施例1 〔ポリイミドシロキサンAの製造〕容量2リットルのガ
ラス製セパラブルフラスコに、2,3,3’,4’−ビ
フェニルテトラカルボン酸二無水物(a−BPDA)1
47.2(500ミリモル)と、N−メチル−2−ピロ
リドン(NMP)1274gとを入れて、a−BPDA
を溶解させ、そして、その溶液を室温で撹拌しながら、
ジアミノポリシロキサン(DAPS)〔信越シリコン株
式会社製、X−22−161AS、R:−(CH
−、R:−CH、1=9〕304.9g(346.
5ミリモル)とジグライム530gとからなる溶液を3
0分間で加え、重合温度190℃で窒素ガスを通じなが
ら、しかも、メチルジグライムを還流させて水を除去し
ながら、3時間重合・イミド化反応させ、次いで、その
反応液を一旦室温に戻して撹拌しながら、その冷却され
た反応液に、2,2−ビス〔4−(4−アミノフェノキ
シ)フェニル〕プロパン(BAPP)62.19g(1
51.25ミリモル)とNMP500gとの溶液を30
分間で滴下しながら加えて、反応温度200〜210℃
で6時間反応させて、ポリイミドシロキサンを生成させ
た。
【0038】その反応液を冷却した後、20リットルの
メタノール中に添加して、ディスパーサーを用いて30
分間で析出させ、析出ポリマーを濾過してポリマー粉末
を単離し、そして、そのポリマー粉末について「10リ
ットルのメタノール中でディスパーサーを用いる10分
間の洗浄」を2回行い、さらに、60℃で8時間真空乾
燥してポリイミドシロキサン粉末428.9gを得た。
前述のようにして得られたポリイミドシロキサンAは、
対数粘度(30℃)が0.24であり、イミド化率が実
質的に100%であった。
【0039】〔被覆用組成物溶液の調製〕前述のように
して製造したポリイミドシロキサン(A)3.5gを常
温でメチルジグライム7g中に溶解して、ポリイミドシ
ロキサンがメチルジグライム中にポリマー濃度35重量
%で均一に溶解している被覆用組成物溶液を調製した。
その被覆用組成物溶液は、3500センチポイズの溶液
粘度(回転粘度;25℃)を有していた。前記溶液につ
いてのソリ試験の結果を第1表に示す。前記の被覆用組
成物溶液について、フィルムを形成し、その物性を測定
したがその結果を第3表に示す。
【0040】なお、前記のフィルムは、150℃の炉内
に2000時間放置する耐熱耐久性試験において、引張
強度が1.6kg/mm、伸び率が80%、初期弾性
率が23kg/mmであり、極めて優れた耐熱耐久性
を有しているものであった。
【0041】〔被覆用組成物溶液の塗布操作:保護塗膜
の形成〕厚さ75μmである芳香族ポリイミドフィルム
(宇部興産株式会社製、UPILEXS−75)を基材
とするフレキシブル配線部材(銅箔配線の幅:約300
μm、配線密度:60%)上に、厚さ100μmのポリ
エチエレンフタレート(PET)製のスペーサを配置し
て、そのスペーサで囲まれた範囲内に被覆用組成物溶液
Aをラボラトリーコーティングロッド(No.3)でバ
ーコートして、前記被覆用組成物溶液の塗布膜を形成
し、次いで、該配線部材上の塗布膜を80℃で30分
間、150℃で30分間、180℃で30分間、乾燥及
び加熱処理(ベーク)して、絶縁保護塗膜(平均膜厚
さ:約40μm)を形成した。
【0042】前記の絶縁保護塗膜の形成されたフレキシ
ブル配線部材は、カールが実質的にないものであり、該
絶縁保護塗膜と前記配線部材との間の接着性が、碁盤目
試験(粘着テープによる剥離)によると100%であっ
てまったく問題がなく、両者がしっかり接着及び密着さ
れており、耐熱性も十分であった。(第3表参照)
【0043】実施例2〜4および比較例1〜4 芳香族テトラカルボン酸成分として第1表に示す種類と
量のテトラカルボン酸二無水物を使用し、ジアミン成分
として第1表に示す量(モル比)のBAPPとジアミノ
ポリシロキサンとを使用したほかは、実施例1と同様に
して、ポリイミドシロキサンB、C、D、E、F、G,
H(イミド化率:95%以上)をそれぞれ製造した。そ
れらのポリイミドシロキサンについて、対数粘度、耐熱
性、溶解性を第1表にそれぞれ示す。
【0044】前述のようにして製造した『ポリイミドシ
ロキサンB、C、D、G及びH』をそれぞれ使用したほ
かは、実施例1と同様にして、ポリイミドシロキサンを
含有する被覆用組成物溶液(ポリマー濃度:40重量
%)をそれぞれ調製した。なお、比較例1及び2で得ら
れたポリイミドシロキサンE及びFは、実質的にNM
P、ジオキサンなどの有機溶媒に不溶性であるので、ポ
リイミドシロキサンを含有する被覆用組成物溶液を調製
することができず、従って、それらの保護塗膜を形成す
ることもできなかったので、それらの機械的特性を測定
すること、および、反り試験を行うことができなかっ
た。また、比較例3及び4で得られたポリイミドシロキ
サンG及びHは、メチルジグライムに対して充分に溶解
しないので、溶媒:NMPを使用して、ポリイミドシロ
キサンの被覆用組成物溶液を調製した。
【0045】各被覆用組成物溶液の溶液粘度(25℃)
をそれぞれ第1表に示す。前述の各被覆用組成物溶液を
使用したほかは、実施例1と同様にして、反り試験を行
い、それらの結果(反り曲率半径)を第1表に示す。
【0046】なお、第1表において使用された略記号
は、下記の意味を有している。 a−BPDA;2,3,3’,4’−ジフェニルテトラ
カルボン酸二無水物 PMDA ;ピロメリット酸二無水物 BTDA ;3,4,3’,4−.ベンゾフェノンテト
ラカルボン酸二無水物 BAPP ;2,2−ビス〔4−(4−アミノフェノキ
シ)フェニル〕ベンゼンDAPS ;ジアミノポリシロ
キサン(X−22−161AS)
【0047】
【表1】
【0048】前述の各被覆用組成物溶液を使用したほか
は、実施例1と同様にして塗布操作を行い、フレキシブ
ル配線部材の配線側表面に保護塗膜(平均膜厚さ:約3
0〜40μm)が形成された保護塗膜被覆配線部材をそ
れぞれ製造した。それらはいずれもカールが実質的にな
いものであった。なお、前記の被覆用組成物溶液から形
成されたフィルムの物性を第3表にそれぞれ示す。各実
施例のフィルムは、耐熱耐久性試験の結果が、実施例1
と同様であり、優れた耐熱耐久性を有するものであっ
た。
【0049】実施例5 被覆用組成物溶液の調製において、実施例1で製造した
ポリイミドシロキサン(A)を使用し、そして、有機極
性溶媒として、沸点216℃のメチルトリグライムを使
用したほかは、実施例1と同様にして被覆用組成物溶液
を調製した。その被覆用組成物溶液は、25℃の溶液粘
度(回転粘度)が4000センチポイズであった。ま
た、前記被覆用組成物溶液を使用して別に行った反り試
験において、絶縁保護塗膜の形成されたポリイミドフィ
ルムは、『反り曲率半径』が100mm以上であり、反
りが実質的にない状態(反り無し)であった。
【0050】前記の被覆用組成物溶液を使用し、スルー
ホールが開孔されているフレキシブル配線部材を使用し
てスクリーン印刷法(200メッシュでスクリーン厚さ
81μm、膜厚16μmのステンレススクリーンを使用
する)で塗布操作を行い、さらに、その塗布膜の乾燥及
び熱処理条件を、80℃で30分間、150℃で30分
間、及び、200℃で30分間としたほかは、実施例1
と同様にしてフレキシブル配線部材上に絶縁保護塗膜
(平均膜厚さ:約40μm)を形成した。
【0051】前記のスクリーン印刷は良好に行うことが
でき、また、絶縁保護塗膜の形成されたフレキシブル配
線部材は、実施例1と同様にカールの実質的にないもの
であり、該絶縁保護塗膜と前記配線部材との間の密着性
も良好であった。さらに、前記の被覆用組成物溶液から
形成されたフィルムは、実施例1における保護塗膜と同
様の物性を有するものであった。(第3表に示す)
【0052】実施例6 〔ポリイミドシロキサンIの製造〕容量2リットルのガ
ラス製のセパラブルフラスコに、2,3,3’,4’−
ビフェニルテトラカルボン酸二無水物(a−BPDA)
14.71(50ミリモル)と、N−メチル−2−ピロ
リドン(NMP)100gとを入れてa−BPDAを溶
解させ、そして、その溶液を室温で攪拌しながら、ジア
ミノポリシロキサン(DAPS)〔信越シリコン株式会
社製、X−22−161AS、R:−(CH−、
:メチル基、1=9〕30.803g(35ミリ
モル)とジグライム100gとからなる溶液を30分間
で加え、重合温度190℃で窒素ガスを通じながら、し
かも、メチルジグライムを還流させて水を除去しなが
ら、4時間、重合反応させて、さらにその反応液を一旦
室温に戻して攪拌しながら、その冷却された反応液に、
(a)2,2−ビス〔4−(4−アミノフェノキシ)フ
ェニル〕プロパン(BAPP)3.078g(7.5ミ
リモル)と、(b)3,5−ジアミノ安息香酸1.41
1g(7.5ミリモル)と、(c)NMP47.9gと
からなる溶液を30分間で滴下しながら加えて、反応温
度200〜210℃で3時間反応させて、最後に、その
反応液を20リットルのメタノール中に添加して、ディ
スパーサーを用いて30分間で析出させ、ポリマー濾過
してポリマー粉末を単離し、そして、そのポリマー粉末
について『10リットルのメタノール中でディスパーサ
ーを用いる10分間の洗浄』を2回行い、さらに、60
℃で8時間真空乾燥してポリイミドシロキサン粉末4
3.87gを得た。前述の製法で得られたポリイミドシ
ロキサン1は収率が92重量%であり、対数粘度(30
℃)が0.18であり、イミド化率が実質的に100%
であった。
【0053】〔被覆用組成物溶液の調製〕前述のように
して製造したポリイミドシロキサン(I)30gおよび
ノボラック型エポキシ樹脂(油化シェル社製、エポキシ
157S70)5.4gを常温でメチルジグライム40
g中に溶解してポリイミドシロキサンとノボラック型エ
ポキシ樹脂とがメチルジグライム中に均一に溶解してい
る樹脂成分の濃度47重量%である被覆用溶液組成物を
調製した。
【0054】前記の被覆用組成物溶液は、25℃で44
00センチポイズの溶液粘度(回転粘度)を有してお
り、まい、この組成物溶液について反り試験(カール性
試験)を行ったが『反り曲率半径』が100mm以上で
あって、その反りが実質的に無い状態(反り無し)であ
った。前記の被覆用組成物溶液について、フィルムを生
成し、その物性を測定したがその結果を第3表に示す。
【0055】〔被覆用組成物溶液の塗布操作:保護塗膜
の形成〕厚さ75μmのポリイミドフィルム(宇部興産
株式会社製、UPILEXS−75)を基材とするフレ
キシブル配線部材(銅箔配線の幅:約300μm、配線
密度:60%)上に、厚さ100μmのポリエチエレン
フタレート(PET)製のスペーサを配置して、そし
て、そのスペーサで囲まれた範囲内に前記の被覆用組成
物溶液をラボラトリーコーティングロッド(No.3)
でバーコートして、塗布塗膜を形成し、次いで、前記の
配線部材上の塗布膜を80℃で30分間、150℃で3
0分間、180℃で30分間、乾燥及び加熱処理(ベー
ク)して、保護塗膜(平均厚さ:65μm)を形成し、
保護塗膜被覆配線部材を製造した。
【0056】前記の保護塗膜の形成されたフレキシブル
配線部材は、カールが実質的にないものであり、該保護
塗膜と前記配線部材との間の密着性が、碁盤目試験(粘
着テープによる剥離)によると100%でありまったく
問題がなく、両者がしっかり接着されていた。
【0057】実施例7〜10 芳香族テトラカルボン酸成分として、第2表に示す種類
の芳香族テトラカルボン酸化合物を使用し、ジアミン成
分として第1表に示す量(モル)のジアミノポリシロキ
サン、ジアミノ安息香酸(DABA)およびBAPPを
使用したほかは、実施例1と同様にして、ポリイミドシ
ロキサンJ、K、L、M(イミド化率:95%以上)を
それぞれ製造した。それらのポリイミドシロキサンにつ
いて、対数粘度及び熱分解温度を第2表にそれぞれ示
す。
【0058】前述のようにして製造したポリイミドシロ
キサンを使用したほかは、実施例1と同様にして被覆用
組成物溶液(ポリマー濃度:50.5重量%)をそれぞ
れ調製した。なお、実施例10で得られたポリイミドシ
ロキサンMは、実質的にメチルジグライム、ジオキサン
などの有機溶媒に難溶性であり被覆用組成物溶液を容易
に調製することができなかったので、N−メチル−2−
ピロリドン(NMP)を用いて被覆用組成物溶液を調製
した。各被覆用組成物溶液の溶液粘度(25℃)を第2
表にそれぞれ示す。さらに、別に反り試験を行い、それ
の結果(反り曲率半径)を第2表に示す。
【0059】
【表2】
【0060】前述の被覆用組成物溶液を使用したほか
は、実施例1と同様にして、塗布操作を行ったが、保護
塗膜被覆配線部材が実質的にカールのないものであっ
た。また、前記の被覆用組成物溶液について、フィルム
を成形して、各フィルムの物性を測定し、それらの結果
を第3表にそれぞれ示す。
【0061】
【表3】
【0062】
【本発明の作用効果】この発明の保護塗膜被覆配線部材
は、ジアミノポリシロキサンに基づく構成単位をかなり
高い割合で有している柔軟なポリマーを主体とする絶縁
保護塗膜を有しているので、耐熱性(耐熱耐久性も含
む)、電気的特性および機械的特性を保持している絶縁
保護塗膜であると共に、フレキシブル配線部材の基材に
使用される芳香族ポリイミドフィルム及び銅箔の配線の
上に塗布され乾燥・加熱処理されて、配線部材の表面に
しっかり密着しており、しかも、その場合に、その保護
塗膜被覆配線部材がカールを生じることが実質的にない
のである。

Claims (2)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 ビフェニルテトラカルボン酸類を主成分
    とする芳香族テトラカルボン酸成分と、一般式A 【式1】 (式中、Rは2価の炭化水素残基を示し、Rは独立
    に炭素数1〜3のアルキル基又はフェニル基を示し、1
    が3〜30の整数を示す。)で示されるジアミノポリシ
    ロキサン50〜90モル%及び芳香族ジアミン10〜5
    0モル%からなるジアミン成分とを重合及びイミド化す
    ることにより得られたポリイミドシロキサンまたはその
    エポキシ樹脂変成物が樹脂成分の80重量%以上含有さ
    れている樹脂成分が主として配合されている被覆組成物
    からなる絶縁保護塗膜が、フィルム状基材上に配線が形
    成されている柔軟な配線部材の配線側表面に被覆されて
    おり、前記被覆組成物からなるフィルムを形成した場合
    にそのフィルムが1〜70kg/mmの初期弾性率を
    示すものであることを特徴とする保護塗膜被覆配線部
    材。
  2. 【請求項2】 請求項第1項において示されたポリイミ
    ドシロキサンが樹脂成分の60重量%以上含有されてい
    る樹脂成分が主として配合されている被覆用組成物が、
    沸点100℃〜250℃を示す有機極性溶媒に均一に溶
    解又は分散されている被覆用組成物溶液を、フィルム状
    基材上に導電性配線が形成されている柔軟な配線部材の
    配線側表面に塗布し、そして、その塗布膜を50〜28
    0℃の温度で乾燥し、揮発分が実質的に除去された絶縁
    保護塗膜を形成することを特徴とする保護塗膜被覆配線
    部材の製法。
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