JP3201363B2 - 屈曲部付き柔軟性配線板および保護塗膜材 - Google Patents

屈曲部付き柔軟性配線板および保護塗膜材

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JP3201363B2
JP3201363B2 JP31895098A JP31895098A JP3201363B2 JP 3201363 B2 JP3201363 B2 JP 3201363B2 JP 31895098 A JP31895098 A JP 31895098A JP 31895098 A JP31895098 A JP 31895098A JP 3201363 B2 JP3201363 B2 JP 3201363B2
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】この発明は、「支持体フィル
ム上に導電性材料の配線が形成されている柔軟性配線板
(例えば、フレキシブル配線部材、TAB用配線部材な
ど)」の屈曲部における支持フィルムのスリット状開口
部を横切る多数の配線の少なくとも片側表面が被覆組成
物からなる柔軟な保護膜で被覆されていて、前記柔軟性
配線板のスリット状開口部を横切る多数の配線がその屈
曲によって容易に破断することがない屈曲部付き柔軟性
配線板、およびその保護塗膜材に係わるものである。
【0002】
【従来の技術】従来、支持フィルム上に導電性の配線が
形成されている柔軟性配線板(フレキシブル配線部材、
TAB用配線部材等)は、支持フィルムの一部をスリッ
ト状に開口されていて、該配線板の一部をスリット状開
口部に沿って屈曲させ易くしているものが、該柔軟性配
線板を最終的に電気器具等の内部の狭い空間内に装着す
ために、極めて必要とされている。
【0003】しかし、そのような屈曲部付き柔軟性配線
板は、前記スリット状開口部を横切っている多数の配線
(銅箔のエッチング後の裸線)が極めて細くて機械的強
度の弱いものであるので、該配線板をスリット状開口部
に沿ってそのまま屈曲すると、そのスリット状開口部を
横切っている多数の配線が極めて破断し易く断線する恐
れがあり、その配線について何らかの保護をする必要が
あった。この問題を解消するために、種々の提案がなさ
れているが、未だに、前記の多数の配線を破断から効果
的に防御することができる簡便で工業的な手段があまり
なかったのである。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】この発明の目的は、前
述の屈曲部付き柔軟性配線板の屈曲部におけるスリット
状開口部を横切る『多数の配線』が効果的に保護されて
いる屈曲部付き柔軟性配線板(例えば、フレキシブル配
線板、TAB用配線板など)を提供することであり、さ
らに、その保護塗膜材を提供することである。
【0005】
【課題を解決するための手段】この発明は、支持フィル
ム上に導電性材料の配線が形成されている柔軟性配線板
は主要な配線上に絶縁保護塗膜が施されており、そし
て、該配線板は、屈曲部において前記支持フィルムがス
リット状に開口していて、多数の配線が該スリット状開
口部を横切って設けられており、そして、該スリット開
口部上に横切っている配線の少なくとも片側表面には、
フィルムとして初期弾性率が1〜70kg/mm2 、2
5℃での破断点強度が約0.5〜20kg/mm2 、伸
び率が約30〜500%、電気絶縁性が充分なレベルで
保持されており、熱分解開始温度が約250〜500
℃、200℃で30秒間以上のハンダ耐熱性を示す保護
塗膜が被覆されていることを特徴とする屈曲部付き柔軟
性配線板に関し、また、この発明は、前記の屈曲部付き
柔軟性配線板の保護塗膜を与える保護塗膜材(樹脂およ
び有機極性溶媒からなる)に関する。
【0006】
【発明の実施の形態】以下、本願の各発明について、図
面も参考にして詳しく説明する。図1は、この発明の屈
曲部付き柔軟性配線板の一例(ソルダーレジストからな
る絶縁保護塗膜で被覆されている主要な配線の領域の一
部分、および、屈曲部を示すものである)を部分的に示
す平面図であり、図2は、図1の配線板のAA線の断面
図であり、又、図3は、図1の配線板のBB線の断面図
である。
【0007】図4は、この発明の屈曲部付き柔軟性配線
板を屈曲部で折り曲げた状態を示す断面図である。図5
は、この発明の屈曲部付き柔軟性配線板の製造に使用す
る、絶縁保護塗布膜の施された柔軟性配線板の一例を部
分的に示し、図6は、図5の配線板のCC線の断面図で
あり、また、図7は、図5の配線板のDD線の断面図で
ある。
【0008】この発明の屈曲部付き柔軟性配線板に使用
される配線板は、概略、支持フィルム(基材)1の表面
上に、導電性材料の配線が金属箔のエッチング工程等に
よって形成されている柔軟性配線板(例えば、フレキシ
ブル配線板、TAB用配線など)2であって、その主要
な配線の大部分(領域)の表面上に絶縁保護塗膜(ソル
ダーレジスト膜とも言うことがある)7が施されてお
り、そして、図5、図6及び図7に示すように、該柔軟
性配線板2は、その屈曲部3において前記支持フィルム
1がスリット状に開口していて、多数の配線5が該スリ
ット状開口部4を横切って設けられているものであり、
さらに、図1、図2及び図3に示すように、この発明の
屈曲部付き柔軟性配線板2は、支持フィルム1のスリッ
ト状開口部4を横切って設けられている多数の配線5の
少なくとも片側表面(図面では片側表面のみの例が示さ
れている。)が特定の被覆組成物からなる柔軟な保護塗
膜6で被覆されているものである。
【0009】前記支持フィルムとしては、耐熱性ポリマ
−製フィルム、例えば、芳香族ポリイミドフィルム、芳
香族ポリアミドフィルム、芳香族ポリエステルフィル
ム、無機系フィルムなどを挙げることができ、そして、
前記の導電性配線としては、銅箔、アルミニウム箔など
の金属箔(厚さ:10〜200μm)からエッチングな
どによって形成された微細な配線(線幅:10〜500
μm、特に30〜300μm、及び、線間隔:10〜5
00μm、特に50〜400μm)を挙げることができ
る。
【0010】この発明においては、前記の支持フィルム
としては、特に、TAB用配線板に使用される、両端部
に配列された一対のスプロケット(穴)を有する長尺の
耐熱性フィルムが好適である。
【0011】前記の絶縁保護塗膜(ソルダーレジスト
膜)は、配線板の製造においてすでによく使用されてい
る公知のソルダーレジストからなるものであればよく、
例えば、エポキシ樹脂系ソルダーレジスト、ポリイミド
樹脂系ソルダーレジストなどの耐熱性樹脂からなる、厚
さ5〜500μmの保護塗膜を挙げることができる。
【0012】図1に示すように、前記の柔軟性配線板2
の屈曲部3のスリット状開口部4を横切っている多数の
配線5の片側表面(または図示されていないが両側表
面)を被覆している保護塗膜6は、フィルムとして初期
弾性率が1〜70kg/mm2、25℃での破断点強度
が約0.5〜20kg/mm2 、伸び率が約30〜50
0%、電気絶縁性が充分なレベルで保持されており、熱
分解開始温度が約250〜500℃、200℃で30秒
間以上のハンダ耐熱性を示す被覆組成物から形成されて
おり、そして、その保護塗膜6の厚さが、スリット状開
口部4を横切る多数の配線5の厚さの0.2〜5倍の厚
さであることが好ましく、特に0.5〜200μm程度
であることが好ましい。
【0013】この発明の屈曲部付き柔軟性配線板におい
ては、前記の屈曲部3のスリット状開口部1を横切って
いる多数の配線5は、初期弾性率が小さくて柔軟である
前記保護塗膜6で、その少なくとも片側表面を被覆して
いるものであり、図4に示すように、この保護塗膜6を
設けた多数の配線5は、該柔軟性配線板が支持フィルム
1のスリット開口部4で180°まで折り曲げられて
も、金属箔からなる多数の配線5がその屈曲部で破断す
ることがないのであり、この発明は、この点において最
も大きな特長があるのである。
【0014】前記の被覆組成物としては、例えば(A)
2,3,3’,4’−又は3,3’,4,4’−ビフェ
ニルテトラカルボン酸又は酸二無水物、或いは、それら
の酸誘導体などのビフェニルテトラカルボン酸類を主成
分とする(60モル%以上、特に70〜100モル%含
有する)芳香族テトラカルボン酸成分と、(B)(a)
ジアミノポリシロキサン50〜90モル%、特に55〜
85モル%、及び(b)芳香族ジアミン10〜50モル
%、特に15〜45モル%からなるジアミン成分とを、
有機極性溶媒中で、重合及びイミド化することにより得
られる可溶性のポリイミドシロキサン、またはそのエポ
キシ樹脂変成物が樹脂成分の80重量%以上含有されて
いる樹脂組成物を好適に挙げることができる。
【0015】前記の芳香族テトラカルボン酸成分におい
て、ビフェニルテトラカルボン酸類と共に使用すること
ができる「他の芳香族テトラカルボン酸類」としては、
3,3’,4,4’−ベンゾフェノンテトラカルボン
酸、3,3’,4,4’−ビフェニルエーテルテトラカ
ルボン酸、ピロメリット酸又はそれらの酸の二無水物、
あるいは、それらの酸のエステル化物などを挙げること
ができ。
【0016】前記のジアミノポリシロキサンとしては、
アミノ基に結合している基が炭素数2〜6の「複数のメ
チレン基」又はフェニレン基からなる2価の炭化水素残
基であり、Si基に結合している基がそれぞれ独立にメ
チル基、エチル基、プロピル基などの炭素数1〜3のア
ルキル基、又は、フェニル基であることが好ましく、さ
らに、−Si−O−の繰り返し単位が5〜20程度であ
ることが好ましい。
【0017】前記の芳香族ジアミンとしては、複数のベ
ンゼン環を有する芳香族ジアミン化合物が好ましく、例
えば、4,4’−ジアミノジフェニルエーテル、4,
4’−ジアミノジフェニルメタン、4,4’−ジアミノ
ジフェニルスルホン、o−トリジン、o−ジアニシジン
などのベンゼン環を2個有する芳香族ジアミン化合物、
1,4−ビス(4−アミノフェノキシ)ベンゼン、1,
4−ビス(4−アミノフェニル)ベンゼンなどのベンゼ
ン環を3個有する芳香族ジアミン化合物、及び、ビス
〔4−(4−アミノフェノキシ)フェニル〕スルホン、
2,2−ビス〔4−(4−アミノフェノキシ)フェニ
ル〕プロパンなどのベンゼン環を4個有する芳香族ジア
ミン化合物を好適に挙げることができる。
【0018】前記の芳香族ジアミンとしては、ベンゼン
環を2個以上有する芳香族ジアミン化合物と共に、全芳
香族ジアミン成分に対して60モル%以下の割合でベン
ゼン環を1個有する芳香族ジアミン化合物を併用するこ
とも可能であり、ベンゼン環1個の芳香族ジアミン化合
物としては、例えば、パラフェニレンジアミン、メタフ
ェニレンジアミン、2,4−ジアミノトルエン、3,5
−ジアミノ安息香酸、2,6−ジアミノ安息香酸、3,
5−ジアミノベンジルアクリレートなどを挙げることが
できる。
【0019】前記のポリイミドシロキサンにおいては、
全ジアミン成分に対する「ジアミノポリシロキサンに基
づく主鎖単位」の含有割合が少なくなると、そのような
ポリイミドシロキサンの溶解性が低下することがあり、
一方、前記「ジアミノポリシロキサンに基づく主鎖単
位」の含有割合が多くなると、ポリマーの耐熱性、機械
的物性、配線への接着性などがかなり低下することがあ
るので好ましくない。
【0020】前記ポリイミドシロキサンは、濃度;0.
5g/100ml(N−メチル−2−ピロリドン)のポ
リマー溶液で30℃の測定温度で測定した対数粘度(ポ
リマーの重合度の程度を示す)が、0.05〜3程度で
ある高分子量のポリマーであることが好ましく、また、
そのポリイミドシロキサンのイミド化率(赤外線吸収ス
ペクトル分析法による「イミド結合」の割合)は、約9
0%〜100%であって、IRチャートにおいて、「ア
ミド−酸結合」の吸収ピークが実質的に見出されないも
のであることが好ましい。
【0021】なお、前記のポリイミドシロキサンは、適
当な常温又は熱硬化性樹脂、例えば、フェノール系エポ
キシ樹脂、ノボラック型エポキシ樹脂、ビスフェノール
系エポキシ樹脂などのエポキシ樹脂で一部変成されてい
るものであってもよく、そのようなポリイミドシロキサ
ンのエポキシ樹脂変成物を含有する保護塗膜は、耐薬品
性、耐熱性(ハンダ耐熱性など)が優れているので好ま
しい。
【0022】前記ポリイミドシロキサンは、例えば、
(A)2,3,3’,4’−ビフェニルテトラカルボン
酸類を主として含有する芳香族テトラカルボン酸成分
と、(B)(a)ジアミノポリシロキサン及び(b)芳
香族ジアミンからなるジアミン成分とを、略等モル、有
機極性溶媒中で、120℃以上の高温に加熱して、一段
で重合及びイミド化することによって製造することがで
きる。また、ポリイミドシロキサンは、前記の酸成分と
ジアミン成分との二成分を、略等モル、有機極性溶媒
中、80℃以下の低い温度で重合してポリアミック酸を
生成させ、そのポリアミック酸を適当な手段(化学イミ
ド剤によるイミド化法、或いは、高温加熱によるイミド
化法)でイミド化して製造することもできる。
【0023】前記の製法に使用される有機極性溶媒とし
ては、例えば、スルホキシド系溶媒、ホルムアミド系溶
媒、アセトアミド系溶媒、ピロリドン系溶媒、メチルジ
グライム、メチルトリジクライムなどのグライム系溶
媒、ヘキサメチレンホスホルアミド、γ−ブチロラクト
ン、シクロヘキサノンなど、あるいは、フェノール系溶
媒などを挙げることができる。
【0024】前記の保護塗膜を構成している被覆組成物
は、実質的に揮発分を含有していない組成物であり、さ
らに、この組成物中には前記樹脂成分以外に、ワラスト
ナイト、シリカ、タルクなどの無機充填剤、ポリマー充
填剤、あるいは、顔料又は染料が配合されていてもよ
い。
【0025】前記の被覆組成物からなるフィルムを形成
した場合にそのフィルムは、初期弾性率が1〜70kg
/mm2 であって柔軟であると共に、適当な機械的強度
(25℃の破断点強度:約0.5〜20kg/mm2
伸び率:約30〜500%)、電気絶縁性を充分なレベ
ルで保持しており、しかも、耐熱性(熱分解開始温度が
約250〜500℃であり、200℃で30秒間以上、
特に1分間以上のハンダ耐熱性などを示すなど)も高い
ものである。
【0026】本願発明の屈曲部付き柔軟性配線板を製造
する方法としては、例えば、概略、支持フィルム上に導
電性材料の配線が形成されている柔軟性配線板2(金属
箔のエッチング工程後の配線板であって、部品の装着及
び/又はハンダ処理を行う前のフレキシブル配線板、T
AB用配線板など)の主要な配線領域上に耐熱性樹脂溶
液を塗布して絶縁保護塗膜7(ソルダーレジスト膜な
ど)を形成し、次いで、図5、図6及び図7に示すよう
な「該配線板2の屈曲部3における支持フィルム1のス
リット状開口部4を横切って設けられている多数の配線
5の少なくとも片側表面」に、例えば前記のポリイミド
シロキサンまたはそのエポキシ樹脂変成物が含有されて
いる被覆用組成物が有機極性溶媒に均一に溶解又は分散
されている被覆用組成物溶液を、適当の塗布手段で塗布
し、そして、その塗布膜を50〜280℃の温度で十分
に乾燥し、図1、図2、図3及び図4に示すように、ス
リット開口部4を横切る配線5の少なくとも片側表面
に、揮発分が実質的に除去された柔軟な保護塗膜6を形
成する方法が挙げられる。
【0027】前記の被覆用組成物溶液は、好適には前記
のポリイミドシロキサンを、硬化性樹脂(エポキシ樹
脂)、充填剤等のその他の被覆用成分と共に、沸点10
0℃〜250℃である有機極性溶媒に溶解又は分散する
ことによって調製することができ、ポリイミドシロキサ
ンの濃度が、2〜60重量%、特に5〜50重量%程度
であって、その回転粘度(25℃)が約500〜600
00センチポイズ、特に1000〜50000センチポ
イズの溶液粘度であることが好ましい。
【0028】また、前記の被覆用組成物溶液に使用され
る有機極性溶媒は、沸点100℃〜250℃を示す有機
極性溶媒であって、前記のポリイミドシロキサンを容易
に溶解することができるものであることが好ましく、前
記のポリイミドシロキサンの製造に使用された有機極性
溶媒も使用することができ、フェノール系溶媒、アミド
系溶媒(ピロリドン系溶媒、ホルムアミド系溶媒、アセ
トアミド系溶媒等)、オキサン系溶媒(ジオキサン、ト
リオキサン等)、グライム系溶媒(メチルジグライム、
メチルトリグライム等)が特に好ましく、さらに、キシ
レン、エチルセロソルブなどが一部配合されていてもよ
い。
【0029】前記の有機極性溶媒としては、沸点120
〜240℃であるグライム系溶媒が特に好ましく、トリ
グライム系溶媒が最も好適であり、その理由としては、
ポリイミドシロキサン等をトリグライム系溶媒に溶解し
て調製された被覆用組成物溶液は、その溶媒が急速に蒸
発して被覆用組成物溶液の粘度が増大することがなく、
また、保存安定性が優れており、そして、前記の保護塗
膜を形成するための被覆用組成物溶液(印刷インキ)の
調製(ロール練りなど)が容易であり、また、その印刷
インキを使用してシルクスクリーン印刷などの塗布操作
を支障なく好適に行うことができるという利点がある。
【0030】前記の被覆用組成物溶液を、屈曲部付き柔
軟性配線板の屈曲部の配線の片側表面に、常温又は加温
下、回転塗布機、ディスペンサー又はシルクスクリーン
印刷機などを使用する公知の塗布手段で塗布し、次い
で、その塗布膜が、50〜280℃、好ましくは60〜
260℃、さらに好ましく100〜250℃の温度で
0.1〜10時間、特に0.2〜5時間乾燥され、硬化
性樹脂を含有する場合にはさらに硬化のために加熱処理
することにより、揮発分が実質的に除去された前述の絶
縁保護塗膜(厚さが約0.5〜200μm、特に1〜1
00μm程度である乾燥固化膜である)を形成すること
が好ましい。
【0031】また、前記の被覆用組成物溶液は、ワラス
トナイト、シリカ、タルクなどの無機充填剤、ポリマー
充填剤、無機又は有機の染料、エポキシ樹脂などの硬化
性樹脂、硬化剤などが少ない割合で配合されていてもよ
い。
【0032】前記の被覆用組成物溶液としては、芳香族
テトラカルボン酸成分とジアミン成分とを有機極性溶媒
中で一段で重合およびイミド化して得られたポリイミド
シロキサンの重合溶液をそのまま使用してもよく、ま
た、その重合溶液をその重合溶媒と同様の有機溶媒で適
当な濃度に希釈して使用してもよい。また、被覆用組成
物溶液は、前述の重合溶液から一旦粉末状のポリイミド
シロキサンを析出させて単離し、その単離されたポリイ
ミドシロキサン粉末を前記の有機極性溶媒に均一に溶解
して調製することもできる。
【0033】
【実施例】以下に実施例を示し、この発明をさらに詳し
く説明する。
【0034】実施例1 〔ポリイミドシロキサンの製造〕容量2リットルのガラ
ス製セパラブルフラスコに、2,3,3’,4’−ビフ
ェニルテトラカルボン酸二無水物(a−BPDA)14
7.2g(500ミリモル)と、N−メチル−2−ピロ
リドン(NMP)1274gとを入れて、a−BPDA
を溶解させ、そして、その溶液を室温で攪拌しながら、
ジアミノポリシロキサン(DAPS)〔信越シリコン株
式会社製、X−22−161AS、アミノ基に結合して
いる基:−(CH2 3 −、Siに結合している基:−
CH3 、−Si−O−の繰り返し単位=9〕304.9
g(346.5ミリモル)とジグライム530gとから
なる溶液を30分間で加え、重合温度190℃で窒素ガ
スを通じながら、しかも、メチルジグライムを還流させ
て水を除去しながら、3時間重合・イミド化反応させ、
次いで、その反応液を一旦室温に戻して攪拌しながら、
その冷却された反応液に、2,2−ビス〔4−(4−ア
ミノフェノキシ)フェニル〕プロパン(BAPP)6
2.19g(151.5ミリモル)とNMP500gと
の溶液を30分間で滴下しながら加えて、反応温度20
0〜210℃で6時間反応させて、ポリイミドシロキサ
ンを生成させた。
【0035】その反応液を冷却した後、20リットルの
メタノール中に添加して、ディスパーサーを用いて30
分間で析出させ、析出ポリマーを濾過してポリマー粉末
を単離し、そして、そのポリマー粉末について「10リ
ットルのメタノール中でディスパーサーを用いる10分
間の洗浄」を2回行い、さらに、60℃で8時間真空乾
燥してポリイミドシロキサン粉末428.9gを得た。
前述のようにして得られたポリイミドシロキサンは、対
数粘度(30℃)が、0.24であり、イミド化率が実
質的に100%であった。
【0036】前記のポリイミドシロキサンは、ポリイミ
ドシロキサン粉末0.2gを、20℃で、メチルジグラ
イム0.8gに添加し放置して、その溶解の状態を観察
した結果、1時間以内に完全に溶解した。前記のポリイ
ミドシロキサンは、デュポン951熱重量測定装置で測
定した結果、熱分解開始温度が約360℃である。
【0037】〔被覆用組成物溶液の調製〕前述のように
して製造したポリイミドシロキサン3.5gを常温でメ
チルジグライム6.5g中に溶解して、ポリイミドシロ
キサンがメチルジグライム中にポリマー濃度35重量%
で均一に溶解している被覆用組成物溶液を調製した。そ
の被覆用組成物溶液は、3500センチポイズの溶液粘
度(回転粘度;25℃)を有していた。
【0038】ガラス板上に200μmのスペーサーを枠
として配置して、前記の被覆用組成物溶液をそのガラス
板上に流延して薄膜を形成し、その薄膜を80℃から2
00℃まで加温して乾燥及び熱処理して、厚さ約40〜
60μmのフィルムを形成して、そのフィルムについ
て、万能型引張試験機(オリエンテック社製、テンシロ
ンUTM−11−20)で、破断強度、伸び率及び初期
弾性率を測定した結果、破断強度:2.0kg/m
2 、伸び率:509%、及び初期弾性率:25kg/
mm2 であった。なお、前記のフィルムは、150℃の
炉内に2000時間放置する耐熱耐久性試験において、
引張強度が1.6kg/mm2 、伸び率が80%、初期
弾性率が23kg/mm2 であり、極めて優れた耐熱耐
久性を有しているものであった。
【0039】〔被覆用組成物溶液の塗布操作:保護塗膜
の形成〕図5に示すような、厚さ75μmである芳香族
ポリイミドフィルム(宇部興産株式会社製、UPILE
X S−75)を基材とするフレキシブル配線板2(銅
箔配線の幅:約300μm、配線密度:60%、スリッ
ト開口部のサイズ:8mm×20mm)を使用して、そ
の配線板2の主な配線の領域の全体にエポキシ樹脂系ソ
ルダーレジスト(太陽インキ(株)製、S−22)を印
刷法で塗布して、その塗布膜を250℃以上の温度で乾
燥及び熱処理して、図5に示すような前記フレキシブル
配線板2の主な配線の領域に絶縁保護塗膜7(厚さ:4
0μm)を形成し、次いで、そのフレキシブル配線板2
の多数の配線5の片側表面上に、スクリーン印刷用のス
ルクスクリーンを密接に配置してシルクスクリーン印刷
機を使用して、前記被覆用組成物溶液の塗布膜を形成
し、次いで、該配線5上の塗布膜を80℃で30分間、
150℃で30分間、180℃で30分間、乾燥及び加
熱処理(ベーク)して、保護塗膜(平均膜厚さ:約30
μm)を形成して、図1、図2及び図3に示すような屈
曲部付き柔軟性配線板を製造した。
【0040】前述のようにして製造した屈曲部付き柔軟
性配線板は、図4に示すような状態(180°屈曲)に
なるように、10回以上屈曲部において屈曲させたが、
各配線5がいずれも破断することはなかった。また、前
記の屈曲部付き柔軟性配線板は、その各保護塗膜の接着
性が、碁盤目試験法(粘着テープによる剥離)に準ずる
接着性試験方法によって行った結果、粘着テープによっ
て剥離される部分がまったくなかった。そして、屈曲部
付き柔軟性配線板における各保護塗膜の耐熱性は、20
0℃の半田浴に30秒間浸漬して、浸漬後の保護塗膜の
状態の変化を観察した結果、まったく支障がないもので
あった。
【0041】
【発明の効果】この発明の屈曲部付き柔軟性配線板は、
その支持フィルム(基材)のスリット状開口部(屈曲
部)を横切る配線の少なくとも片側表面に、フィルムと
して初期弾性率が1〜70kg/mm2 、25℃での破
断点強度が約0.5〜20kg/mm2 、伸び率が約3
0〜500%、電気絶縁性が充分なレベルで保持されて
おり、熱分解開始温度が約250〜500℃、200℃
で30秒間以上のハンダ耐熱性を示す保護塗膜が設けら
れているので、その配線板の屈曲部を屈曲することによ
って、スリット状開口部を横切る配線が容易に断するこ
とがない優れた柔軟性配線板(例えば、フレキシブル配
線板、TAB用配線など)を得ることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】この発明の屈曲部付き柔軟性配線板の一例を部
分的に示す平面図である。
【図2】図1の屈曲部付き柔軟性配線板のAA線の断面
図である。
【図3】図1の屈曲部付き柔軟性配線板のBB線の断面
図である。
【図4】この発明の屈曲部付き柔軟性配線板をスリット
開口部の屈曲部で折曲げた状態を示す断面図である。
【図5】この発明の屈曲部付き柔軟性配線板の製造に使
用する、絶縁保護塗布膜の施された柔軟性配線板の一例
を部分的に示す平面図である。
【図6】図5の柔軟性配線板のCC線の断面図である。
【図7】図5の柔軟性配線板のDD線の断面図である。
【符号の説明】
1 支持フィルム 2 屈曲部付き柔軟性配線板 3 屈曲部 4 スリット状開口部 5 配線(スリット状開口部5を横切る配線) 6 保護塗膜 7 絶縁保護塗膜
フロントページの続き (56)参考文献 特開 平2−88677(JP,A) 特開 昭56−169390(JP,A) 特開 平1−121325(JP,A) 実開 昭53−64248(JP,U) 実開 昭54−103558(JP,U) (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) H05K 3/28

Claims (3)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】支持フィルム上に導電性材料の配線が形成
    されている柔軟性配線板は主要な配線上に絶縁保護塗膜
    が施されており、そして、該配線板は、屈曲部において
    前記支持フィルムがスリット状に開口していて、多数の
    配線が該スリット状開口部を横切って設けられており、
    そして、該スリット開口部上に横切っている配線の少な
    くとも片側表面には、フィルムとして初期弾性率が1〜
    70kg/mm2 、25℃での破断点強度が約0.5〜
    20kg/mm2 、伸び率が約30〜500%、電気絶
    縁性が充分なレベルで保持されており、熱分解開始温度
    が約250〜500℃、200℃で30秒間以上のハン
    ダ耐熱性を示す保護塗膜が被覆されていることを特徴と
    する屈曲部付き柔軟性配線板。
  2. 【請求項2】TAB用である請求項1に記載の屈曲部付
    き柔軟性配線板。
  3. 【請求項3】請求項1または2に記載の屈曲部付き柔軟
    性配線板のスリット状開口部の配線の少なくとも片面に
    被覆されている、フィルムとして初期弾性率が1〜70
    kg/mm2 、25℃での破断点強度が約0.5〜20
    kg/mm2 、伸び率が約30〜500%、電気絶縁性
    が充分なレベルで保持されており、熱分解開始温度が約
    250〜500℃、200℃で30秒間以上のハンダ耐
    熱性を示す保護塗膜が保護塗膜を与える保護塗膜材。
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