JP2910949B2 - 屈曲部付き柔軟性配線板の製法 - Google Patents

屈曲部付き柔軟性配線板の製法

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JP2910949B2
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本願発明は、「支持体フィルム
上に導電性材料の配線が形成されている柔軟性配線板
(例えば、フレキシブル配線部材、TAB用配線部材な
ど)」の主要な配線(この配線の領域全体)上に耐熱性
樹脂液を塗布して絶縁保護塗膜を形成し、次いで、該配
線板の屈曲部における支持フィルムのスリット状開口部
を横切って設けられている多数の配線の少なくとも片側
表面に、芳香族テトラカルボン酸成分と、50−90モ
ル%のジアミノポリシロキサン及び10−50モル%の
芳香族ジアミンからなるジアミン成分とを重合及びイミ
ド化することにより得られたポリイミドシロキサンまた
はそのエポキシ樹脂変成物が樹脂成分の80重量%以上
含有されている樹脂成分が主として配合されている被覆
用組成物が有機極性溶媒に均一に溶解又は分散されてい
る被覆用組成物溶液(印刷インキ、塗布用ワニス等)
を、スクリ−ン印刷、ロ−ル印刷などで塗布し、そし
て、その塗布膜を乾燥して揮発分を実質的に除去するこ
とによって、保護塗膜を形成する屈曲部付き柔軟性配線
板を容易に製造する方法に係わる。
【0002】
【0003】
【従来技術の説明】従来、支持フィルム上に導電性の配
線が形成されている柔軟性配線板(フレキシブル配線部
材、TAB用配線部材等)は、支持フィルムの一部をス
リット状に開口されていて、該配線板の一部をスリット
状開口部に沿って屈曲させ易くしているものが、該柔軟
性配線板を最終的に電気器具等の内部の狭い空間内に装
着するために、極めて必要とされている。
【0004】しかし、そのような屈曲部付き柔軟性配線
板は、前記スリット状開口部を横切っている多数の配線
(銅箔のエッチング後の裸線)が極めて細くて機械的強
度の弱いものであるので、該配線板をスリット状開口部
に沿ってそのまま屈曲すると、そのスリット状開口部を
横切っている多数の配線が極めて破断し易く断線する恐
れがあり、その配線について何らかの保護をする必要が
あった。この問題を解消するために、種々の提案がなさ
れているが、未だに、前記の多数の配線を破断から効果
的に防御することができる簡便で工業的な手段があまり
なかったのである。
【0005】
【解決すべき問題点】この発明の目的は、前述の屈曲部
付き柔軟性配線板の屈曲部におけるスリット状開口部を
横切る『多数の配線』が効果的に保護されている屈曲部
付き柔軟性配線板(例えば、フレキシブル配線板、TA
B用配線板など)を工業的に容易に製造する方法を提供
することである。
【0006】
【問題点を解決する手段】本願発明は、支持フィルム
上に導電性材料の配線が形成されている柔軟性配板の主
要な配線上に耐熱性樹脂液を塗布して絶縁保護塗膜を形
成し、次いで、該配線板の屈曲部における支持フィルム
のスリット状開口部を横切って設けられている多数の配
線の少なくとも片側表面に、芳香族テトラカルボン酸成
分と、50−90モル%のジアミノポリシロキサン及び
10−50モル%の芳香族ジアミンからなるジアミン成
分とを重合及びイミド化することにより得られたポリイ
ミドシロキサンまたはそのエポキシ樹脂変成物が樹脂成
分の80重量%以上含有されている樹脂成分が主として
配合されている被覆用組成物が有機極性溶媒に均一に溶
解又は分散されている被覆用組成物溶液を塗布し、そし
て、その塗布膜を50−280℃の温度で乾燥し揮発分
が実質的に除去された保護塗膜を形成するすることを特
徴とする屈曲部付き柔軟性配線板の製法に関する。
【0007】
【0008】以下、本願の各発明について、図面も参考
にして詳しく説明する。図1は、この発明の屈曲部付き
柔軟性配線板の一例(ソルダーレジストからなる絶縁保
護塗膜で被覆されている主要な配線の領域の一部分、お
よび、屈曲部を示すものである)を部分的に示す平面図
であり、図2は、図1の配線板のAA線の断面図であ
り、又、図3は、図1の配線板のBB線の断面図であ
る。
【0009】図4は、本発明の屈曲部付き柔軟性配線板
を屈曲部で折り曲げた状態を示す断面図である。図5
は、本発明の屈曲部付き柔軟性配線板の製造に使用す
る、絶縁保護塗布膜の施された柔軟性配線板の一例を部
分的に示し、図6は、図5の配線板のCC線の断面図で
あり、また、図7は、図5の配線板のDD線の断面図で
ある。
【0010】この発明における屈曲部付き柔軟性配線板
に使用される配線板は、概略、支持フィルム(基材)1
の表面上に、導電性材料の配線が金属箔のエッチング工
程等によって形成されている柔軟性配線板(例えば、フ
レキシブル配線板、TAB用配線など)2であって、そ
の主要な配線の大部分(領域)の表面上に絶縁保護塗膜
(ソルダーレジスト膜とも言うことがある)7が施され
ており、そして、図5、図6及び図7に示すように、該
柔軟性配線板2は、その屈曲部3において前記支持フィ
ルム1がスリット状に開口していて、多数の配線5が該
スリット状開口部4を横切って設けられているものであ
り、さらに、図1、図2及び図3に示すように、この発
明の屈曲部付き柔軟性配線板2は、支持フィルム1のス
リット状開口部4を横切って設けられている多数の配線
5の少なくとも片側表面が特定のポリイミドシロキサン
を含有する被覆組成物からなる柔軟な保護塗膜6で被覆
されているものである。
【0011】前記支持フィルムとしては、耐熱性ポリマ
ー製フィルム、例えば、芳香族ポリイミドフィルム、芳
香族ポリアミドフィルム、芳香族ポリエステルフィル
ム、無機系フィルムなどを挙げることができ、そして、
前記の導電性配線としては、銅箔、アルミニウム箔など
の金属箔(厚さ:10〜200μm)からエッチングな
どによって形成された微細な配線(線幅:10〜500
μm、特に30〜300μm、及び、線間隔:10〜5
00μm、特に50〜400μm)を挙げることができ
る。
【0012】この発明においては、前記の支持フィルム
としては、特に、TAB用配線板に使用される、両端部
に配列された一対のスプロケット(穴)を有する長尺の
耐熱性フィルムが好適である。
【0013】前記の絶縁保護塗膜(ソルダーレジスト
膜)は、配線板の製造においてすでによく使用されてい
る公知のソルダーレジストからなるものであればよく、
例えば、エポキシ樹脂系ソルダーレジスト、ポリイミド
樹脂系ソルダーレジストなどの耐熱性樹脂からなる、厚
さ5〜500μmの保護塗膜を挙げることができる。
【0014】図1に示すように、前記の柔軟性配線板2
の屈曲部3のスリット状開口部4を横切っている多数の
配線5の少なくとも片側表面を被覆している保護塗膜6
は、ポリイミドシロキサン又はそのエポキシ変成物を含
有する特定の被覆組成物から形成されており、初期弾性
が小さくて柔軟である保護塗膜であり、そして、その保
護塗膜6の厚さが、スリット状開口部4を横切る多数の
配線5の厚さの0.2〜5倍の厚さであることが好まし
く、特に0.5〜200μm程度であることが好まし
い。
【0015】この発明の屈曲部付き柔軟性配線板におい
ては、前記の屈曲部3のスリット状開口部1を横切って
いる多数の配線5は、初期弾性が小さくて柔軟である前
記保護塗膜6で、その片側表面を被覆しているものであ
り、図4に示すように、この保護塗膜6を設けた多数の
配線5は、該柔軟性配線板が支持フィルム1のスリット
開口部4で180°まで折り曲げられても、金属箔から
なる多数の配線5がその屈曲部で破断することがないの
であり、この発明は、この点において最も大きな特長が
あるのである。
【0016】前記の被覆組成物に使用されているポリイ
ミドシロキサンは、(A)2,3,3’,4’−又は
3,3’,4,4’−ビフェニルテトラカルボン酸又は
酸二無水物、或いは、それらの酸誘導体などのビフェニ
ルテトラカルボン酸類を主成分とする(60モル%以
上、特に70〜100モル%含有する)芳香族テトラカ
ルボン酸成分と、 (B)(a)一般式A
【式1】 〔式中、Rは2価の炭化水素残基、特に炭素数2〜6
の炭化水素残基を示し、Rはそれぞれ独立に炭素数1
〜3のアルキル基又はフェニル基を示し、nは3〜3
0、特に5〜20の整数を示す。〕で示されるジアミノ
ポリシロキサン50〜90モル%、特に55〜85モル
%、及び (b)芳香族ジアミン10〜50モル%、特に15〜4
5モル%からなるジアミン成分とを、有機極性溶媒中
で、重合及びイミド化することにより得られた可溶性の
ポリイミドシロキサンであることが好ましい。
【0017】前記の芳香族テトラカルボン酸成分におい
て、ビフェニルテトラカルボン酸類と共に使用すること
ができる『他の芳香族テトラカルボン酸類』としては、
3,3’,4,4’−ベンゾフェノンテトラカルボン
酸、3,3’,4,4’−ビフェニルエーテルテトラカ
ルボン酸、ピロメリット酸又はそれらの酸の二無水物、
あるいは、それらの酸のエステル化物などを挙げること
ができ。
【0018】前記の一般式Aで示されるジアミノポリシ
ロキサンとしては、一般式AのRが炭素数2〜6の
『複数のメチレン基』又はフェニレン基からなる2価の
炭化水素残基であり、Rがそれぞれ独立にメチル基、
エチル基、プロピル基などの炭素数1〜3のアルキル
基、又は、フェニル基であることが好ましく、さらに、
nが5〜20程度であることが好ましい。
【0019】前記の芳香族ジアミンとしては、複数のベ
ンゼン環を有する芳香族ジアミン化合物が好ましく、例
えば、4,4’−ジアミノジフェニルエーテル、4,
4’−ジアミノジフェニルメタン、4,4’−ジアミノ
ジフェニルスルホン、o−トリジン、o−ジアニシジン
などのベンゼン環を2個有する芳香族ジアミン化合物、
1,4−ビス(4−アミノフェノキシ)ベンゼン、1,
4−ビス(4−アミノフェニル)ベンゼンなどのベンゼ
ン環を3個有する芳香族ジアミン化合物、及び、ビス
〔4−(4−アミノフェノキシ)フェニル〕スルホン、
2,2−ビス〔4−(4−アミノフェノキシ)フェニ
ル〕プロパンなどのベンゼン環を4個有する芳香族ジア
ミン化合物を好適に挙げることができる。
【0020】前記の芳香族ジアミンとしては、ベンゼン
環2個以上有する芳香族ジアミン化合物と共に、全芳香
族ジアミン成分に対して60モル%以下の割合でベンゼ
ン環を1個有する芳香族ジアミン化合物を併用すること
も可能であり、ベンゼン環1個の芳香族ジアミン化合物
としては、例えば、パラフェニレンジアミン、メタフェ
ニレンジアミン、2,4−ジアミノトルエン、3,5−
ジアミノ安息香酸、2,6−ジアミノ安息香酸、3,5
−ジアミノベンジルアクリレートなどを挙げることがで
きる。
【0021】前記のポリイミドシロキサンにおいては、
全ジアミン成分に対する『ジアミノポリシロキサンに基
づく主鎖単位』の含有割合が少なくなると、そのような
ポリイミドシロキサンの溶解性が低下することがあり、
一方、前記『ジアミノポリシロキサンに基づく主鎖単
位』の含有割合が多くなると、ポリマーの耐熱性、機械
的物性、配線への接着性などがかなり低下することがあ
るので好ましくない。
【0022】前記ポリイミドシロキサンは、濃度;0.
5g/100ml(N−メチル−2−ピロリドン)のポ
リマー溶液で30℃の測定温度で測定した対数粘度(ポ
リマーの重合度の程度を示す)が、0.05〜3程度で
ある高分子量のポリマーであることが好ましく、また、
そのポリイミドシロキサンのイミド化率(赤外線吸収ス
ペクトル分析法による『イミド結合』の割合)は、約9
0%〜100%であって、IRチャートにおいて、『ア
ミド−酸結合』の吸収ピークが実質的に見出されないも
のであることが好ましい。
【0023】なお、前記のポリイミドシロキサンは、適
当な常温又は熱硬化性樹脂、例えば、フェノール系エポ
キシ樹脂、ノボラック型エポキシ樹脂、ビスフェノール
系エポキシ樹脂などのエポキシ樹脂で一部変成されてい
るものであってもよく、そのようなポリイミドシロキサ
ンのエポキシ樹脂変成物を含有する保護塗膜は、耐薬品
性、耐熱性(ハンダ耐熱性など)が優れているので好ま
しい。
【0024】前記ポリイミドシロキサンは、例えば、
(A)2,3,3’,4’−ビフェニルテトラカルボン
酸類を主として含有する芳香族テトラカルボン酸成分
と、(B)(a)前記一般式Aで示されるジアミノポリ
シロキサン及び(b)芳香族ジアミンからなるジアミン
成分とを、略等モル、有機極性溶媒中で、120℃以上
の高温に加熱して、一段で重合及びイミド化することに
よって製造することができる。また、ポリイミドシロキ
サンは、前記の酸成分とジアミン成分との二成分を、略
等モル、有機極性溶媒中、80℃以下の低い温度で重合
してポリアミック酸を生成させ、そのポリアミック酸を
適当な手段(化学イミド剤によるイミド化法、或いは、
高温加熱によるイミド化法)でイミド化して製造するこ
ともできる。
【0025】前記の製法に使用される有機極性溶媒とし
ては、例えば、スルホキシド系溶媒、ホルムアミド系溶
媒、アセトアミド系溶媒、ピロリドン系溶媒、メチルジ
グライム、メチルトリジクライムなどのグライム系溶
媒、ヘキサメチレンホスホルアミド、γ−ブチロラクト
ン、シクロヘキサノンなど、あるいは、フェノール系溶
媒などを挙げることができる。
【0026】前記保護塗膜を構成している被覆組成物
は、実質的に揮発分を含有していない組成物であり、さ
らに、この組成物中には前記樹脂成分以外に、ワラスト
ナイト、シリカ、タルクなどの無機充填剤、ポリマー充
填剤、あるいは、顔料又は染料が配合されていてもよ
い。
【0027】前記被覆組成物からなるフィルムを形成し
た場合にそのフィルムは、初期弾性率が1〜70kg/
mmであって柔軟であると共に、適当な機械的強度
(25℃の破断点強度:約0.5〜20kg/mm
伸び率:約30〜500%)、電気絶縁性を充分なレベ
ルで保持しており、しかも、耐熱性(熱分解開始温度が
約250〜500℃であり、200℃で1分間以上のハ
ンダ耐熱性などを示すなど)も高いものであることが好
ましい。
【0028】本願の第2の発明における屈曲部付き柔軟
性配線板の製法では、概略、支持フィルム上に導電性材
料の配線が形成されている柔軟性配線板2(金属箔のエ
ッチング工程後の配線板であって、部品の装着及び/又
はハンダ処理を行う前のフレキシブル配線板、TAB用
配線板など)の主要な配線領域上に耐熱性樹脂溶液を塗
布して絶縁保護塗膜7(ソルダーレジスト膜など)を形
成し、次いで、図5、図6及び図7に示すような「該配
線板2の屈曲部3における支持フィルム1のスリット状
開口部4を横切って設けられている多数の配線5の片側
表面」に、ポリイミドシロキサンまたはそのエポキシ樹
脂変成物が含有されている被覆用組成物が有機極性溶媒
に均一に溶解又は分散されている特定の被覆用組成物溶
液を、適当の塗布手段で塗布し、そして、その塗布膜を
50〜280℃の温度で十分に乾燥し、図1、図2、図
3及び図4に示すように、スリット開口部4を横切る配
線5の片側表面に、揮発分が実質的に除去された柔軟な
保護塗膜6を形成するのである。
【0029】前記被覆用組成物溶液は、前記のポリイミ
ドシロキサンを、硬化性樹脂(エポキシ樹脂)、充填剤
等のその他の被覆用成分と共に、沸点100℃〜250
℃である有機極性溶媒に溶解又は分散することによって
調製することができ、ポリイミドシロキサンの濃度が、
2〜60重量%、特に5〜50重量%程度であって、そ
の回転粘度(25℃)が約500〜60000センチポ
イズ、特に1000〜50000センチポイズの溶液粘
度であることが好ましい。
【0030】被覆用組成物溶液に使用される有機極性溶
媒は、沸点100℃〜250℃を示す有機極性溶媒であ
って、前記のポリイミドシロキサンを容易に溶解するこ
とができるものであることが好ましく、前記のポリイミ
ドシロキサンの製造に使用された有機極性溶媒も使用す
ることができ、フェノール系溶媒、アミド系溶媒(ピロ
リドン系溶媒、ホルムアミド系溶媒、アセトアミド系溶
媒等)、オキサン系溶媒(ジオキサン、トリオキサン
等)、グライム系溶媒(メチルジグライム、メチルトリ
グライム等)が特に好ましく、さらに、キシレン、エチ
ルセロソルブなどが一部配合されていてもよい。
【0031】前記の有機極性溶媒としては、沸点120
〜240℃であるグライム系溶媒が特に好ましく、トリ
グライム系溶媒が最も好適であり、その理由としては、
ポリイミドシロキサン等をトリグライム系溶媒に溶解し
て調製された被覆用組成物溶液は、その溶媒が急速に蒸
発して被覆用組成物溶液の粘度が増大することがなく、
また、保存安定性が優れており、そして、前記の保護塗
膜を形成するための被覆用組成物溶液(印刷インキ)の
調製(ロール練りなど)が容易であり、また、その印刷
インキを使用してシルクスクリーン印刷などの塗布操作
を支障なく好適に行うことができるという利点がある。
【0032】被覆用組成物溶液は、屈曲部付き柔軟性配
線板の屈曲部の配線の片側表面に、常温又は加温下、回
転塗布機、ディスペンサー又はシルクスクリーン印刷機
などを使用する公知の塗布手段で塗布し、次いで、その
塗布膜が、50〜280℃、好ましくは60〜260
℃、さらに好ましく100〜250℃の温度で0.1〜
10時間、特に0.2〜5時間乾燥され、硬化性樹脂を
含有する場合にはさらに硬化のために加熱処理すること
により、揮発分が実質的に除去された前述の絶縁保護塗
膜(厚さが約0.5〜200μm、特に1〜100μm
程度である乾燥固化膜である)を形成するのである。
【0033】また、前記の被覆用組成物溶液は、ワラス
トナイト、シリカ、タルクなどの無機充填剤、ポリマー
充填剤、無機又は有機の染料、エポキシ樹脂などの硬化
性樹脂、硬化剤などが少ない割合で配合されていてもよ
い。
【0034】前記の被覆用組成物溶液としては、芳香族
テトラカルボン酸成分とジアミン成分とを有機極性溶媒
中で一段で重合およびイミド化して得られたポリイミド
シロキサンの重合溶液をそのまま使用してもよく、ま
た、その重合溶液をその重合溶媒と同様の有機溶媒で適
当な濃度に希釈して使用してもよい。また、被覆用組成
物溶液は、前述の重合溶液から一旦粉末状のポリイミド
シロキサンを析出させて単離し、その単離されたポリイ
ミドシロキサン粉末を前記の有機極性溶媒に均一に溶解
して調製することもできる。
【0035】
【実施例】以下に実施例を示し、この発明をさらに詳し
く説明する。
【0036】実施例1 〔ポリイミドシロキサンの製造〕容量2リットルのガラ
ス製セパラブルフラスコに、2,3,3’,4’−ビフ
ェニルテトラカルボン酸二無水物(a−BPDA)14
7.2g(500ミリモル)と、N−メチル−2−ピロ
リドン(NMP)1274gとを入れて、a−BPDA
を溶解させ、そして、その溶液を室温で攪拌しながら、
ジアミノポリシロキサン(DAPS)〔信越シリコン株
式会社製、X−22−161AS、R:−(CH
−、R:−CH、n=9〕304.9g(346.
5ミリモル)とジグライム530gとからなる溶液を3
0分間で加え、重合温度190℃で窒素ガスを通じなが
ら、しかも、メチルジグライムを還流させて水を除去し
ながら、3時間重合・イミド化反応させ、次いで、その
反応液を一旦室温に戻して攪拌しながら、その冷却され
た反応液に、2,2−ビス〔4−(4−アミノフェノキ
シ)フェニル〕プロパン(BAPP)62.19g(1
51.5ミリモル)とNMP500gとの溶液を30分
間で滴下しながら加えて、反応温度200〜210℃で
6時間反応させて、ポリイミドシロキサンを生成させ
た。
【0037】その反応液を冷却した後、20リットルの
メタノール中に添加して、ディスパーサーを用いて30
分間で析出させ、析出ポリマーを濾過してポリマー粉末
を単離し、そして、そのポリマー粉末について「10リ
ットルのメタノール中でディスパーサーを用いる10分
間の洗浄」を2回行い、さらに、60℃で8時間真空乾
燥してポリイミドシロキサン粉末428.9gを得た。
前述のようにして得られたポリイミドシロキサンは、対
数粘度(30℃)が、0.24であり、イミド化率が実
質的に100%であった。
【0038】前記のポリイミドシロキサンは、ポリイミ
ドシロキサン粉末0.2gを、20℃で、メチルジグラ
イム0.8gに添加し放置して、その溶解の状態を観察
した結果、1時間以内に完全に溶解した。前記のポリイ
ミドシロキサンは、デュポン951熱重量測定装置で測
定した結果、熱分解開始温度が約360℃である。
【0039】〔被覆用組成物溶液の調製〕前述のように
して製造したポリイミドシロキサン3.5gを常温でメ
チルジグライム6.5g中に溶解して、ポリイミドシロ
キサンがメチルジグライム中にポリマー濃度35重量%
で均一に溶解している被覆用組成物溶液を調製した。そ
の被覆用組成物溶液は、3500センチポイズの溶液粘
度(回転粘度;25℃)を有していた。
【0040】ガラス板上に200μmのスペーサーを枠
として配置して、前記の被覆用組成物溶液をそのガラス
板上に流延して薄膜を形成し、その薄膜を80℃から2
00℃まで加温して乾燥及び熱処理して、厚さ約40〜
60μmのフィルムを形成して、そのフィルムについ
て、万能型引張試験機(オリエンテック社製、テンシロ
ンUTM−11−20)で、破断強度、伸び率及び初期
弾性率を測定した結果、破断強度:2.0kg/m
、伸び率:509%、及び初期弾性率:25kg/
mmであった。なお、前記のフィルムは、150℃の
炉内に2000時間放置する耐熱耐久性試験において、
引張強度が1.6kg/mm、伸び率が80%、初期
弾性率が23kg/mmであり、極めて優れた耐熱耐
久性を有しているものであった。
【0041】〔被覆用組成物溶液の塗布操作:保護塗膜
の形成〕図5に示すような、厚さ75μmである芳香族
ポリイミドフィルム(宇部興産株式会社製、UPILE
X S−75)を基材とするフレキシブル配線板2(銅
箔配線の幅:約300μm、配線密度:60%、スリッ
ト開口部のサイズ:8mm×20mm)を使用して、そ
の配線板2の主な配線の領域の全体にエポキシ樹脂系ソ
ルダーレジスト(太陽インキ(株)製、S−22)を印
刷法で塗布して、その塗布膜を250℃以上の温度で乾
燥及び熱処理して、図5に示すような前記フレキシブル
配線板2の主な配線の領域に絶縁保護塗膜7(厚さ:4
0μm)を形成し、次いで、そのフレキシブル配線板2
の多数の配線5の片側表面上に、スクリーン印刷用のス
ルクスクリーンを密接に配置してシルクスクリーン印刷
機を使用して、前記被覆用組成物溶液の塗布膜を形成
し、次いで、該配線5上の塗布膜を80℃で30分間、
150℃で30分間、180℃で30分間、乾燥及び加
熱処理(ベーク)して、保護塗膜(平均膜厚さ:約30
μm)を形成して、図1、図2及び図3に示すような屈
曲部付き柔軟性配線板を製造した。
【0042】前述のようにして製造した屈曲部付き柔軟
性配線板は、図4に示すような状態(180°屈曲)に
なるように、10回以上屈曲部において屈曲させたが、
各配線5がいずれも破断することはなかった。また、前
記の屈曲部付き柔軟性配線板は、その各保護塗膜の接着
性が、碁盤目試験法(粘着テープによる剥離)に準ずる
接着性試験方法によって行った結果、粘着テープによっ
て剥離される部分がまったくなかった。そして、屈曲部
付き柔軟性配線板における各保護塗膜の耐熱性は、20
0℃の半田浴に30秒間浸漬して、浸漬後の保護塗膜の
状態の変化を観察した結果、まったく支障がないもので
あった。
【0043】
【本発明の作用効果】この発明の屈曲部付き柔軟性配線
板は、その支持フィルム(基材)のスリット状開口部
(屈曲部)を横切る配線の片側表面に、ポリイミドシロ
キサン又はそのエポキシ変成物を主成分とする柔軟な保
護塗膜が設けられているので、『その配線板の屈曲部を
屈曲することによって、スリット状開口部を横切る配線
が容易に破断することがない優れた柔軟性配線板(例え
ば、フレキシブル配線板、TAB用配線など)』であ
り、また、この発明の製法は、前記の優れた屈曲部付き
柔軟性配線板を工業的に容易に製造することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の屈曲部付き柔軟性配線板の一例を部分
的に示す平面図である。
【図2】図1の本発明の屈曲部付き柔軟性配線板のAA
線の断面図である。
【図3】図1の本発明の屈曲部付き柔軟性配線板のBB
線の断面図である。
【図4】本発明の屈曲部付き柔軟性配線板をスリット開
口部の屈曲部で折曲げた状態を示す断面図である。
【図5】本発明の屈曲部付き柔軟性配線板の製造に使用
する、絶縁保護塗布膜の施された柔軟性配線板の一例を
部分的に示す平面図である。
【図6】図5の柔軟性配線板のCC線の断面図である。
【図7】図5の柔軟性配線板のDD線の断面図である。
【符号の説明】
1 支持フィルム 2 屈曲部付き柔軟性配線板 3 屈曲部 4 スリット状開口部 5 配線(スリット状開口部5を横切る配線) 6 保護塗膜 7 絶縁保護塗膜
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (56)参考文献 特開 昭56−169390(JP,A) 特開 平1−121325(JP,A) 特開 平2−88677(JP,A) 実開 昭53−64248(JP,U) 実開 昭54−103558(JP,U) (58)調査した分野(Int.Cl.6,DB名) H05K 3/28

Claims (1)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】支持フィルム上に導電性材料の配線が形成
    されている柔軟性配板の主要な配線上に耐熱性樹脂液を
    塗布して絶縁保護塗膜を形成し、次いで、該配線板の屈
    曲部における支持フィルムのスリット状開口部を横切っ
    て設けられている多数の配線の少なくとも片側表面に、
    芳香族テトラカルボン酸成分と、50−90モル%の
    アミノポリシロキサン及び10−50モル%の芳香族ジ
    アミンからなるジアミン成分とを重合及びイミド化する
    ことにより得られたポリイミドシロキサンまたはそのエ
    ポキシ樹脂変成物が樹脂成分の80重量%以上含有され
    ている樹脂成分が主として配合されている被覆用組成物
    が有機極性溶媒に均一に溶解又は分散されている被覆用
    組成物溶液を塗布し、そして、その塗布膜を50−28
    0℃の温度で乾燥し揮発分が実質的に除去された保護塗
    膜を形成するすることを特徴とする屈曲部付き柔軟性配
    線板の製法。
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