JP2007099842A - 新規なポリイミド樹脂 - Google Patents

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Abstract

【課題】電子材料において回路面を被覆する材料として好適に用いることができ、特に、物性バランス(耐熱性、長期環境安定性、絶縁性、有機溶剤可溶性、難燃性等)に優れたポリイミド樹脂をを提供する。
【解決手段】(A)下記一般式(1)
Figure 2007099842

(式中、Xは特定の2価の芳香族基を示す。)で表される繰り返し単位を有するポリイミド樹脂を用いる。
【選択図】なし

Description

本発明は、ポリイミド樹脂に関し、さらに好ましくは、プリント配線板の基板上を被覆するための被覆形成材など、電子材料において回路面を被覆する材料として好適に用いることができるポリイミド樹脂に関する。
近年、電子機器の高性能化、高機能化、小型化が急速に進んでおり、電子機器に用いられる電子部品の小型化、軽量化の要請が高まっている。これに伴い、電子部品の素材についても、耐熱性、機械的強度、電気特性、微細成形等の諸物性がこれまで以上に強く求められるようになってきた。
特に、プリント配線板に関しては、配線を保持する基板のみならず、配線の保護材として用いられる表面保護材にも高い特性が要求されている。更に、導体回路パターンの酸化防止や絶縁性の維持などを目的として、形成された導体回路パターン上にソルダーレジストインキ等を、スクリーン印刷法、スプレー法、写真現像法、インクジェット法などを用いて必要な箇所に絶縁パターンとして塗布し、絶縁被膜を形成することが多い。この絶縁皮膜も、低誘電、高耐熱性、機械強度を有することが求められる。
更に、ICのクロック周波数の増加に伴い、プリント配線板表面にも発熱量の増加に伴う温度上昇が起き、高い耐熱温度、及び長期環境安定性が強く求められるようになってきている。
従来、電子材料に幅広く用いられてきたエポキシ樹脂は、耐熱性や誘電特性、耐環境性に劣る傾向にあり、例えばプリント基板表面を保護するために用いる、ソルダーレジスト被膜にも、高いガラス転移温度を有するエポキシ材料を用いたものや、ポリアミド樹脂、ポリアミドイミド樹脂、ポリイミド樹脂を用いることも多くなってきている。例えば特許文献1記載の様にポリイミド樹脂を用いたソルダーレジストが開発されている。
特開2005−154505
しかし、特許文献1のソルダーレジストに使用されているポリイミド樹脂は大部分がウレタン骨格から形成されていおり、柔軟性は持つもののガラス転移温度が低く耐熱性の面で問題があった。
本発明は、電子材料、特には、導体回路パターンを被覆するための被覆形成材として好適に用いることができる、物性バランス(耐熱性、長期環境安定性、絶縁性、有機溶剤可溶性、難燃性等)に優れたポリイミド樹脂を提供することにある。
本発明は以下の新規な構成により上記課題を解決しうる。
1)(A)下記一般式(1)
Figure 2007099842
(式中、式中Xは下記一般式群(1)より選ばれる2価の芳香族基を示す)で表される繰り返し単位を有するポリイミド樹脂。
Figure 2007099842
2)(A)一般式(2)
Figure 2007099842
(式中Xは下記一般式群(1)より選ばれる2価の芳香族基を示す)
Figure 2007099842
及び(b) 一般式(3)
Figure 2007099842
で表されるジアミンを必須成分として反応させて得られるポリイミド樹脂。
3)プリント配線板に形成された導体回路パターンを被覆するための被覆形成材に用いることを特徴とする1)または2)記載のポリイミド樹脂
本発明のポリイミド樹脂は、電子材料用途に必要な物性バランスに優れたポリイミド樹脂となっており、各種熱硬化性成分と配合した場合にも、熱硬化性成分と配合特性を損なうことなく導体回路パターンを被覆するための被覆形成材に用いることが可能となる。
本発明のポリイミド樹脂は、下記一般式(1)
Figure 2007099842
(式中、式中Xは下記一般式群(1)より選ばれる2価の芳香族基を示す)で表される繰り返し単位で表されるポリイミドユニットを有するポリイミド樹脂である。
Figure 2007099842
本発明のポリイミド樹脂は、上記のポリイミドユニットからなるブロック構造を有するものであってもよいが、本発明のポリイミド樹脂の特徴は、下記の酸二無水物成分およびジアミン成分を必須成分として用いることにあり、ブロック構造を有していなくともよく
(A)一般式(2)
Figure 2007099842
(式中Xは下記一般式群(2)より選ばれる2価の芳香族基を示す)
Figure 2007099842
及び(b) 一般式(3)
Figure 2007099842
で表されるジアミンを必須成分として反応させて得られるポリイミド樹脂であればよい。
このような酸二無水物成分およびジアミンを用いたポリイミド樹脂は、これを用いて形成した被膜物性として、耐熱性、低吸水率、難燃性などの特性バランスに優れたものとなる。
中でも一般式(2)で記載されるエステル酸二無水物の中で、本願発明の溶解性及び機械特性、吸水特性を発現させる為に、p−フェニレンビス(トリメリット酸モノエステル酸二無水物)、p−ビフェニレンビス(トリメリット酸モノエステル酸二無水物)もしくは、2,2'−ビス(4−ヒドロキシフェニル)プロパンジベンゾエート−3,3',4,4'−テトラカルボン酸二無水物を用いることが好ましい。
本発明のポリイミド樹脂は、一般式(2)で表される酸二無水物と一般式(3)で表されるジアミン成分を必須として用いるが、その他の酸二無水物成分、ジアミン成分を併用してもよい。
その他の酸二無水物成分としては、ピロメリット酸二無水物、3,3’,4,4’−ベンゾフェノンテトラカルボン酸二無水物、3,3’,4,4’−ジフェニルスルホンテトラカルボン酸二無水物、1,4,5,8−ナフタレンテトラカルボン酸二無水物、2,3,6,7−ナフタレンテトラカルボン酸二無水物、4,4’−オキシジフタル酸無水物、3,3’,4,4’−ジメチルジフェニルシランテトラカルボン酸二無水物、1,2,3,4−フランテトラカルボン酸二無水物、4,4’−ビス(3,4−ジカルボキシフェノキシ)ジフェニルプロパン酸二無水物、3,3’,4,4’−ビフェニルテトラカルボン酸二無水物、2,3,3’,4’−ビフェニルテトラカルボン酸二無水物、p−フェニレンジフタル酸無水物などの芳香族テトラカルボン酸二無水物、4,4’−オキシジフタル酸無水物、3,4’−オキシジフタル酸無水物、3,3’−オキシジフタル酸無水物、4,4’−(4,4’−イソプロピリデンジフェノキシ)ビス(無水フタル酸)、4,4’−ハイドロキノンビス(無水フタル酸)、2,2−ビス(4−ヒドロキシフェニル)プロパンジベンゾエート−3,3’,4,4’−テトラカルボン酸二無水物、1,2−エチレンビス(トリメリット酸モノエステル無水物)、p−フェニレンビス(トリメリット酸モノエステル無水物)のうちで、これらは1種もしくは、2種以上を併用して用いることも可能である。これらの酸二無水物成分を併用すると、被膜にした場合の耐熱性、弾性率、線膨張係数などをコントロールすることが可能となる。
一般式(2)で表される酸二無水物成分は、全酸二無水物中50モル%以上含有することが好ましい。この範囲を逸脱すると、被膜にした場合の特性バランスが崩れる場合がある。特に、ポリイミド樹脂の有機溶剤への溶解性が低下する為、表面保護膜への形成が困難となる。
一方、一般式(3)で表されるジアミン以外のジアミン成分としては、特に限定されないが、2,2−ビス{4−(4−アミノフェノキシ)フェニル}プロパン、4,4'−ジアミノジフェニルプロパン、4,4'−ジアミノジフェニルメタン、ベンジジン、3,3’−ジクロロベンジジン、2,2’−ジクロロベンジジン、2,2'−ジメチルベンジジン、3,3'−トリフルオロメチルベンジジン、2,2'−トリフルオロメチルベンジジン、3,3'−ジメトキシベンジジン、2,2'−ジメトキシベンジジン、m−フェニレンジアミン、o−フェニレンジアミン、p−フェニレンジアミン、m−アミノベンジルアミン、p−アミノベンジルアミン、ビス(3−アミノフェニル)スルフィド、(3−アミノフェニル)(4−アミノフェニル)スルフィド、ビス(4−アミノフェニル)スルフィド、ビス(3−アミノフェニル)スルホキシド、(3−アミノフェニル)(4−アミノフェニル)スルホキシド、ビス(3−アミノフェニル)スルホン、(3−アミノフェニル)(4−アミノフェニル)スルホン、ビス(4−アミノフェニル)スルホン、3,4’−ジアミノベンゾフェノン、4,4’−ジアミノベンゾフェノン、3,3’−ジアミノジフェニルメタン、3,4’−ジアミノジフェニルメタン、4,4’−ジアミノジフェニルメタン、4,4’−ジアミノジフェニルエーテル、3,3’−ジアミノジフェニルエーテル、3,4’−ジアミノジフェニルエーテル、ビス[4−(3−アミノフェノキシ)フェニル]スルホキシド、ビス[4−(アミノフェノキシ)フェニル]スルホキシド、4,4’−ジアミノジフェニルエーテル、9,9−ビス(4−アミノフェニル)フルオレン、3,4’−ジアミノジフェニルエーテル、3,3’−ジアミノジフェニルエーテル、4,4’−ジアミノジフェニルチオエーテル、3,4’−ジアミノジフェニルチオエーテル、3,3’−ジアミノジフェニルチオエーテル、3,3’−ジアミノジフェニルメタン、3,4’−ジアミノジフェニルメタン、4,4’−ジアミノジフェニルメタン、4,4’−ジアミノジフェニルスルフォン、3,4’−ジアミノジフェニルスルフォン、3,3’−ジアミノジフェニルスルフォン、4,4’−ジアミノベンズアニリド、3,4’−ジアミノベンズアニリド、3,3’−ジアミノベンズアニリド、4,4’−ジアミノベンゾフェノン、3,4’−ジアミノベンゾフェノン、3,3’−ジアミノベンゾフェノン、ビス[4−(3−アミノフェノキシ)フェニル]メタン、ビス[4−(4−アミノフェニキシ)フェニル]メタン、1,1−ビス[4−(3−アミノフェノキシ)フェニル]エタン、1,1−ビス[4−(4−アミノフェノキシ)フェニル]エタン、1,2−ビス[4−(3−アミノフェノキシ)フェニル]エタン、1,2−ビス[4−(4−アミノフェノキシ)フェニル]エタン、2,2−ビス[4−(3−アミノフェノキシ)フェニル]プロパン、2,2−ビス[4−(4−アミノフェノキシ)フェニル]プロパン、2,2−ビス[4−(3−アミノフェノキシ)フェニル]ブタン、2,2−ビス[3−(3−アミノフェノキシ)フェニル]−1,1,1,3,3,3−ヘキサフルオロプロパン、2,2−ビス[4−(4−アミノフェノキシ)フェニル]−1,1,1,3,3,3−ヘキサフルオロプロパン、1,3−ビス(3−アミノフェノキシ)ベンゼン、1,4−ビス(3−アミノフェノキシ)ベンゼン、1,4’−ビス(4−アミノフェノキシ)ベンゼン、4,4’−ビス(4−アミノフェノキシ)ビフェニル、ビス[4−(3−アミノフェノキシ)フェニル]ケトン、ビス[4−(4−アミノフェノキシ)フェニル]ケトン、ビス[4−(3−アミノフェノキシ)フェニル]スルフィド、ビス[4−(4−アミノフェノキシ)フェニル]スルフィド、ビス[4−(3−アミノフェノキシ)フェニル]スルホン、ビス[4−(4−アミノフェノキシ)フェニル]スルホン、ビス[4−(3−アミノフェノキシ)フェニル]エーテル、ビス[4−(4−アミノフェノキシ)フェニル]エーテル、1,4−ビス[4−(3−アミノフェノキシ)ベンゾイル]ベンゼン、1,3−ビス[4−(3−アミノフェノキシ)ベンゾイル]ベンゼン、4,4’−ビス[3−(4−アミノフェノキシ)ベンゾイル]ジフェニルエーテル、4,4’−ビス[3−(3−アミノフェノキシ)ベンゾイル]ジフェニルエーテル、4,4’−ビス[4−(4−アミノ−α,α−ジメチルベンジル)フェノキシ]ベンゾフェノン、4,4’−ビス[4−(4−アミノ−α,α−ジメチルベンジル)フェノキシ]ジフェニルスルホン、ビス[4−{4−(4−アミノフェノキシ)フェノキシ}フェニル]スルホン、1,4−ビス[4−(4−アミノフェノキシ)−α,α−ジメチルベンジル]ベンゼン、1,3−ビス[4−(4−アミノフェノキシ)−α,α−ジメチルベンジル]ベンゼン、3,3’−ジヒドロキシ−4,4’−ジアミノビフェニル、DA3EGなどを挙げることができる。こらのジアミン成分を用いることで、耐熱性などをコントロールすることができる。
一般式(3)で表されるジアミンは、全ジアミン成分に対して5モル%以上用いることが好ましい。特に好ましくは30モル%以上用いることが望ましい。
中でも、特に好ましくは、熱膨張係数、弾性率、耐環境安定性を維持できる2,2−ビス{4−(4−アミノフェノキシ)フェニル}プロパン、ベンジジン、3,3’−ジクロロベンジジン、2,2’−ジクロロベンジジン、2,2'−ジメチルベンジジン、2,2'−トリフルオロメチルベンジジン、3,3'−ジメトキシベンジジン、2,2'−ジメトキシベンジジン、p−フェニレンジアミン、3,4’−ジアミノベンゾフェノン、4,4’−ジアミノベンゾフェノン、3,3’−ジアミノジフェニルメタン、3,4’−ジアミノジフェニルメタン、4,4’−ジアミノジフェニルメタン、4,4’−ジアミノジフェニルエーテル、3,3’−ジアミノジフェニルエーテル、3,4’−ジアミノジフェニルエーテル、ビス[4−(3−アミノフェノキシ)フェニル]スルホキシド、ビス[4−(アミノフェノキシ)フェニル]スルホキシド、4,4’−ジアミノジフェニルエーテル、9,9−ビス(4−アミノフェニル)フルオレン、1,3−ビス(3−アミノフェノキシ)ベンゼンおよび
DA3EG:一般式(4)
Figure 2007099842
を併用することが望ましい。
この範囲を逸脱すると、被膜にした場合の特性バランスが崩れる場合がある。
本発明のポリイミド樹脂は、対応する前駆体ポリアミド酸重合体を脱水閉環して得られる。ポリアミド酸重合体は、酸二無水物成分とジアミン成分とを実質的に等モル反応させて得られる。
反応の代表的な手順として、1種以上のジアミン成分を有機極性溶剤に溶解または分散させ、そののち1種以上の酸二無水物成分を添加し、ポリアミド酸溶液を得る方法があげられる。各モノマーの添加順序はとくに限定されず、酸二無水物成分を有機極性溶媒に先に加えておき、ジアミン成分を添加し、ポリアミド酸重合体の溶液としてもよいし、ジアミン成分を有機極性溶媒中に先に適量加えて、つぎに過剰の酸二無水物成分を加え、過剰量に相当するジアミン成分を加えて、ポリアミド酸重合体の溶液としてもよい。このほかにも、当業者に公知のさまざまな添加方法がある。具体的には下記の方法が挙げられる。
なお、ここでいう「溶解」とは、溶媒が溶質を完全に溶解する場合のほかに、溶質が溶媒中に均一に分散されて実質的に溶解しているのと同様の状態になる場合を含む。反応時間、反応温度は、とくに限定されない。
1)ジアミン成分を有機極性溶媒中に溶解し、これと実質的に等モルの酸二無水物成分を反応させて重合する方法。
2)酸二無水物成分とこれに対し過小モル量のジアミン成分とを有機極性溶媒中で反応させ、両末端に酸無水物基を有するプレポリマーを得る。続いて、全工程において酸二無水物成分とジアミン成分が実質的に等モルとなるようにジアミン成分を用いて重合させる方法。
3)酸二無水物成分とこれに対し過剰モル量のジアミン成分とを有機極性溶媒中で反応させ、両末端にアミノ基を有するプレポリマーを得る。続いてここにジアミン成分を追加添加後、全工程において酸二無水物成分とジアミン成分が実質的に等モルとなるように酸二無水物成分を用いて重合する方法。
4)酸二無水物成分を有機極性溶媒中に溶解させた後、実質的に等モルとなるようにジアミン化合物成分を用いて重合させる方法。
5)実質的に等モルの酸二無水物成分とジアミン成分の混合物を有機極性溶媒中で反応させて重合する方法。
ポリアミド酸の重合反応に用いられる有機極性溶媒としては、たとえば、ジメチルスルホキシド、ジエチルスルホキシドなどのスルホキシド系溶媒、N,N−ジメチルホルムアミド、N,N−ジエチルホルムアミドなどのホルムアミド系溶媒、N,N−ジメチルアセトアミド、N,N−ジエチルアセトアミドなどのアセトアミド系溶媒、N−メチル−2−ピロリドン、N−ビニル−2−ピロリドンなどのピロリドン系溶媒、フェノール、o−、m−またはp−クレゾール、キシレノール、ハロゲン化フェノール、カテコールなどのフェノール系溶媒、あるいはヘキサメチルホスホルアミド、γ−ブチロラクトンなどをあげることができる。さらに必要に応じて、これらの有機極性溶媒とキシレンあるいはトルエンなどの芳香族炭化水素とを組み合わせて用いることもできる。
本発明のポリアミド酸のイミド化方法について記載する。ポリアミド酸溶液をイミド化する方法には、熱的に脱水閉環する熱的イミド化方法、脱水剤及び触媒を用いる化学的イミド化方法がある。本願発明では、イミド化反応について鋭意検討を行った結果、本願発明のポリイミド樹脂の製造方法では、熱的イミド化方法と化学的イミド化方法を併用することが好ましい方法であることを見出した。化学的イミド化方法によると生成するポリイミド樹脂の分子量が維持されるので好ましく、熱的イミド化方法によると化学イミド化方法でのイミド化率が向上するので好ましい。
化学的イミド化方法に用いられる脱水剤としては、無水酢酸などの脂肪族酸無水物や芳香族酸無水物などが挙げられる。好適には、無水酢酸を用いることがポリイミド樹脂の抽出工程に適している。触媒としては、例えばトリエチルアミンなどの脂肪族第3級アミン類、ジメチルアニリンなどの芳香族第3級アミン類、ピリジン、イソキノリン、β-ピコリン、γ-ピコリン、ルチジンなどの複素環式第3級アミン類などが挙げられる。しかし、用いる触媒によっては反応時間が長くなることや、イミド化が充分に進まないことがあり、ポリイミド樹脂に好適な触媒は適宜選定することが好ましい。特に、本願発明に好適に用いることのできる触媒は、ピリジン、イソキノリン、β-ピコリンである。
ポリアミド酸に対する脱水剤及び触媒の添加量は、ポリアミド酸を構成する化学構造式に依存するが、脱水剤モル数/ポリアミド酸中アミド基モル数=10〜0.01が好ましく、触媒/ポリアミド酸中アミド基モル数=10〜0.01が好ましい。更に好ましくは、脱水剤モル数/ポリアミド酸中アミド基モル数=5〜0.5が好ましく、触媒/ポリアミド酸中アミド基モル数=5〜0.5が好ましい。
化学イミド化方法と併用する、熱的イミド化方法では、ポリアミド酸溶液に脱水剤と触媒を添加して攪拌している溶液を、200℃以下で加熱することが好ましく、更に150℃以下で加熱することが分子量低下を抑えるので好ましい。
本願発明では、化学イミド化反応を行いながら加熱する熱イミド化反応を併用することが好ましく、加熱イミド化時間は1時間以上10時間以下が好ましく、更に好ましくは、1時間以上5時間以下であることがイミド化反応を進めることができるので好ましい。
本発明のイミド樹脂の抽出方法について記載する。上記ポリイミド樹脂の製造方法により製造されたポリイミド樹脂溶液から、ポリイミド樹脂を抽出する方法として、ポリイミド樹脂、イミド化の脱水剤、イミド化の触媒を含有するポリイミド樹脂溶液をポリイミド樹脂の貧溶媒中に、投入することでポリイミド樹脂を固形状態に抽出する方法を用いる。本発明で用いられるポリイミド樹脂の貧溶媒は、たとえば、水、メチルアルコール、エチルアルコール、エチレングリコール、トリエチレングリコール、イソプロピルアルコールなど、該当するポリイミドの貧溶剤で、ポリアミド酸及びポリイミド樹脂の溶解溶媒として使用した有機溶剤と混和するものが用いられ、上記したアルコール類が好ましく用いられる。
ポリイミド樹脂の溶液を貧溶媒中に注入する際には、ポリイミド樹脂溶液の投入直前の直径は1mm以下が好ましく、更に好ましくは直径が0.5mmになるように投入することが乾燥工程で完全に溶媒を除去する上で好ましい。貧溶媒量はポリイミド樹脂溶液(触媒及び脱水剤を全て含む量)の3倍以上の量で抽出することが好ましい。
本願発明では樹脂の投入直後は樹脂が糸状になるので、できるだけ細かいフレーク状のポリイミド樹脂に成形するために、貧溶媒の溶液の回転数は1000回転/分以上の高速回転で攪拌することが好ましく、更に、攪拌翼は1段のパドル翼を用いることが好ましい。また、完全にポリイミド樹脂を投入すると貧溶媒中のポリイミド溶解用に用いている溶媒量が多量になり、イミド樹脂が溶解するので、投入後に貧溶媒を最初に加えた溶媒量と同量の溶媒を加えることが好ましく、更に好ましくは2倍量の溶媒を添加することが好ましい。大量の溶媒を添加することで貧溶媒中に溶解したイミド樹脂が再度沈殿すると共に、粉末状の樹脂となる。
固形のポリイミド樹脂を取り出して、ソックスレー洗浄装置と同等の洗浄装置内で洗浄を行う。使用する溶媒は揮発性の溶媒が好ましく、メタノール、エタノール、イソプロパノ−ル等の溶媒が好ましい。
本発明で凝固させフレーク状にした樹脂固形物の乾燥方法は、真空乾燥によってもよいし熱風乾燥によってもよい。乾燥温度はイミド樹脂によるが、ガラス転移温度よりも低い温度で乾燥させることが望ましく、各種溶剤、触媒、脱水剤の沸点よりも高い温度で乾燥させることが望ましい。
このようにして得られたポリイミド樹脂は、各種の熱硬化性成分と配合して用いても良い。また、必要に応じて、有機又は無機のフィラー、消泡材、レベリング材、安定剤、酸化防止剤などの各種添加剤を添加してもよい。
実施例中では、使用する酸二無水物及びジアミンを下記の略称で記載している。
ESDA:2,2'−ビス(4−ヒドロキシフェニル)プロパンジベンゾエート−3,3',4,4'−テトラカルボン酸二無水物
TMHQ:p−フェニレンビス(トリメリット酸モノエステル酸無水物)
BPDA:3,3’,4,4’−ビフェニルテトラカルボン酸二無水物
BPADA:2,2−ビス[4−(3,4−ジカルボキシフェノキシ)フェニル]プロパン二無水物
APB:1,3−ビス−(3−アミノフェノキシ)ベンゼン
FDA:9,9−ビス(4−アミノフェニル)フルオレン
DA3EG:一般式(4)
Figure 2007099842
(実施例1)
以下、実施例により本発明を具体的に説明するが、本発明はこれら実施例のみに限定されるものではない。
本実施例では、シリカゲル中を通過させて脱水を行った窒素ガスを0.05L/minで流して重合反応を行った。
2Lのセパラブルフラスコに、重合用溶媒としてN,N’−ジメチルフォルムアミド(DMF)を最終の固形分濃度が30重量%になるように仕込み、これに、ESDAとAPBを表1記載の比率で投入し、30℃で5時間攪拌してポリアミド酸溶液を得た。

(ポリイミド樹脂の製造方法)
上記ポリアミド酸溶液に、イミド化触媒としてβ―ピコリン(2.00モル)を添加して、完全に分散させる。分散させた溶液中に無水酢酸(3.00モル)を1分間に1gの速度で添加して30分間攪拌した。攪拌後に、内部温度を130℃に上昇させて3時間加熱攪拌を行った。
上記溶液を穴の直径が約5mmロートに入れて、イソプロパノ―ル中に垂らして抽出を行った。使用するイソプロパノ―ルは、β-ピコリン及び無水酢酸を添加したポリアミド酸溶液の全重量の3倍の重量のイソプロパノール溶液を用いる。尚、イソプロパノ―ル溶液は1500回転以上に回転した攪拌羽で高速に攪拌しながら抽出を行った。垂らしたポリイミド溶液の直径は界面付近で1mm以下になるように、ロートとイソプロパノ―ルの液面の間の高さを調節しながら繊維状になるようにイソプロパノ―ル溶液中に垂らした。溶液中で、ポリイミド樹脂は、繊維状になる場合もあるが、攪拌を続けることで溶液中に一度繊維状になったものが分解されて5mm以下の繊維に溶液中で分断される。
分断された樹脂固形分をろ過して取り出した。固形分をソックスレー抽出装置で洗浄を行った後に、真空乾燥装置で200℃に加熱乾燥して、ポリイミド樹脂として取り出した。

(フィルムへの成形方法)
上記ポリイミド樹脂を1,3−ジオキソランに固形分濃度が10%になる様に溶解し、ガラス板上に流延塗布後、80℃で5分乾燥して一部溶剤が残留しているゲルフィルムとする。このゲルフィルムを20cm×20cmの正方形の端部固定用の治具で固定して、110℃で3分、200℃で5分、250℃で5分加熱乾燥を行い、ポリイミドフィルムを作製した。

(評価方法)
(弾性率)
島津製作所製引張り試験機(オートグラフ S−100−C)を使用し、ASTM−D882に準じで測定した。
(ガラス転移温度Tg及び線膨張係数)
セイコー電子製TMA装置(品番120C)を用いて、窒素気流下、昇温速度10℃/分で400℃まで加熱を行い、α1からα2へと転移する熱膨張係数の値が大きく変化する点をガラス転移温度とし、室温〜(ガラス転移温度−10)℃の間の熱膨張係数値を線膨張係数とした。
(有機溶剤可溶性)
1,3−ジオキソランに固形分濃度30%となるように溶解し、完全に溶解するものを○とした。
(吸水率)
上記で作製したフィルムを100℃の真空オーブン中で3時間加熱乾燥を行い脱水した後、冷却後、重量を測定する。蒸留水中で24時間浸漬した後に、表面の水分を取り除き、重量を測定する。吸水率は下記式1で算出する。




(実施例2〜5)
表1に示す割合で各種モノマー比を変更して実施例1と同様にポリイミドフィルムを作製し、フィルムの物性値を測定した。測定結果を表2に纏める。


Figure 2007099842
Figure 2007099842

Claims (3)

  1. (A)下記一般式(1)
    Figure 2007099842
    (式中、式中Xは下記一般式群(1)より選ばれる2価の芳香族基を示す)で表される繰り返し単位を有するポリイミド樹脂。
    Figure 2007099842
  2. (A)一般式(2)
    Figure 2007099842
    (式中Xは下記一般式群(1)より選ばれる2価の芳香族基を示す)
    Figure 2007099842
    及び(b) 一般式(3)
    Figure 2007099842
    で表されるジアミンを必須成分として反応させて得られるポリイミド樹脂。
  3. プリント配線板に形成された導体回路パターンを被覆するための被覆形成材に用いることを特徴とする請求項1または2記載のポリイミド樹脂
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