JP2007126634A - 新規なポリイミド樹脂 - Google Patents

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Abstract

【課題】 本発明は、電子材料用途に必要な物性バランスに優れたポリイミド樹脂であり、各種熱硬化性成分と配合した場合にも、熱硬化性成分と配合特性を損なうことなく導体回路パターンを被覆するための被覆形成材として好適に用いることができる、物性バランスに優れたポリイミド樹脂を提供することにある。
【解決手段】
(A)下記一般式(I)
【化1】
Figure 2007126634

(式中、m及びnは、それぞれ独立に1〜30の整数を示す)で表される繰り返し単位を有するポリイミド樹脂を用いることで達成しうる。
【選択図】 なし

Description

本発明は、ポリイミド樹脂に関し、さらに好ましくは、プリント配線板の基板上を被覆するための被覆形成材など、電子材料において回路面を被覆する材料として好適に用いることができるポリイミド樹脂に関する。
近年、電子機器の高性能化、高機能化、小型化が急速に進んでおり、電子機器に用いられる電子部品の小型化、軽量化の要請が高まっている。これに伴い、電子部品の素材についても、耐熱性、機械的強度、電気特性等の諸物性がさらに求められ、半導体素子パッケージ方法やそれらを実装する配線板にも、より高密度、高機能、かつ高性能なものが求められるようになってきた。
フレキシブルプリント配線板(以下FPCと呼ぶ)に関しては、細線加工、多層形成等が行われるようになり、FPCに直接部品を搭載する部品実装用FPC、両面に回路を形成した両面FPC、複数のFPCを積層して層間を配線でつないだ多層FPCなどが出現してきた。
一般にFPCは柔軟で薄いベースフィルム上に回路パターンを形成し、その表面にカバーレイフィルム層を施した構成をしており、上述のようなFPCを得るためにはその材料として用いられる絶縁接着剤やベースフィルムの高性能化が必要となっている。
このようなFPCには、導体回路パターンの酸化防止や絶縁性の維持などを目的として、形成された導体回路パターン上に目的とする形状の被膜を、スクリーン印刷法、スプレー法、インクジェット法などを用いて形成することが多い。これらソルダーレジスト被膜や絶縁皮膜も、高い耐熱性、機械強度を有することが好ましい。
従来、電子材料に幅広く用いられてきた例えば特許文献1記載のエポキシ樹脂を用いたソルダーレジストインクは、耐熱性や誘電特性に劣る傾向にあり、上記ソルダーレジスト被膜や絶縁皮膜用にも、ポリイミド樹脂を用いることも多くなってきている。しかし、被覆用材料として用いた場合に、優れた特性バランスを発現し、また、各種熱硬化性成分に配合した場合にもその特性を十分に発揮しうるポリイミド樹脂は見出されていないのが現状である。
これらソルダーレジスト被膜や絶縁皮膜に用いられる理想的な被膜形成材料とは、耐熱性、耐薬品性、絶縁性、低誘電性などの特性バランスに優れた材料である。また、FPCなどの剛性のない基板に適用することを考えると、可とう性、屈曲性にも優れる材料であることが好ましい。さらには、近年の苛酷な使用環境を考慮すると、長期環境安定性にも優れることが好ましい。
特開2001-302743
本発明は、電子材料、特には、導体回路パターンを被覆するための被覆形成材として好適に用いることができる、物性バランスに優れたポリイミド樹脂を提供することにある。
本発明は以下の新規な構成により上記課題を解決しうる。
1)(A)下記一般式(I)
Figure 2007126634
(式中、m及びnは、それぞれ独立に1〜30の整数を示す)で表される繰り返し単位を有するポリイミド樹脂。
2)(A)一般式(2)
Figure 2007126634
及び( b ) 一般式( 3 )
Figure 2007126634
( 式中、nは、1 〜 30 の整数を示す) で表されるジアミンを必須成分として反応させて得られるポリイミド樹脂。
3)プリント配線板に形成された導体回路パターンを被覆するための被覆形成材に用いることを特徴とする1)または2)記載のポリイミド樹脂
本発明のポリイミド樹脂は、電子材料用途に必要な物性バランスに優れたポリイミド樹脂となっており、各種熱硬化性成分と配合した場合にも、熱硬化性成分と配合特性を損なうことなく導体回路パターンを被覆するための被覆形成材に用いることが可能となる。
本発明のポリイミド樹脂は、(A)下記一般式(I)
Figure 2007126634
(式中、m及びnは、それぞれ独立に1〜30の整数を示す)で表される繰り返し単位を有するポリイミド樹脂である。好ましくは、上記一般式(1)において、nは1〜20であり、mは 1〜30である。
また、本発明のポリイミド樹脂は、上記のブロック構造を有するものであってもよいが、本発明のポリイミド樹脂の特徴は、下記の酸二無水物成分およびジアミン成分を必須成分として用いることにあり、ブロック構造を有していなくともよく
(A)一般式(2)
Figure 2007126634
及び( b ) 一般式( 3 )
Figure 2007126634
( 式中、nは、1〜30の整数を示す) で表されるジアミンを必須成分として反応させて得られるポリイミド樹脂であればよい。nは好ましくは10〜20である。
このような酸二無水物成分およびジアミンを用いたポリイミド樹脂は、これを用いて形成した被膜物性として、耐熱性、耐溶剤性、耐薬品性、絶縁性、低誘電性、難燃性などの特性バランスに優れたものとなる。また、可とう性、屈曲性にも優れる。さらには、長期環境安定性にも優れたものとなる。
本発明のポリイミド樹脂は、一般式(2)で表される酸二無水物とジアミン成分を必須として用いるが、その他の酸二無水物成分、ジアミン成分を併用してもよい。
その他の酸二無水物成分としては、特に限定はなく、ピロメリット酸二無水物、3,3’,4,4’−ベンゾフェノンテトラカルボン酸二無水物、3,3’,4,4’−ジフェニルスルホンテトラカルボン酸二無水物、1,4,5,8−ナフタレンテトラカルボン酸二無水物、2,3,6,7−ナフタレンテトラカルボン酸二無水物、4,4’−オキシジフタル酸無水物、3,3’,4,4’−ジメチルジフェニルシランテトラカルボン酸二無水物、1,2,3,4−フランテトラカルボン酸二無水物、3,3’,4,4’−ビフェニルテトラカルボン酸二無水物、2,3,3’,4’−ビフェニルテトラカルボン酸二無水物、p−フェニレンジフタル酸無水物などの芳香族テトラカルボン酸二無水物、4,4’−ヘキサフルオロイソプロピリデンジフタル酸無水物、4,4’−オキシジフタル酸無水物、3,4’−オキシジフタル酸無水物、3,3’−オキシジフタル酸無水物、4,4’−(4,4’−イソプロピリデンジフェノキシ)ビス(無水フタル酸)、4,4’−ハイドロキノンビス(無水フタル酸)、2,2−ビス(4−ヒドロキシフェニル)プロパンジベンゾエート−3,3’,4,4’−テトラカルボン酸二無水物、1,2−エチレンビス(トリメリット酸モノエステル無水物)、p−フェニレンビス(トリメリット酸モノエステル無水物)等を挙げることができる。これらは1種のみで用いてもよく、2種以上を組み合わせて用いることも可能である。これらの酸二無水物成分を用いると、被膜にした場合の耐熱性、線膨張係数などをコントロールすることが可能となる。
一般式(2)で表される酸二無水物成分は、全酸二無水物中30モル%以上含有することが、好ましい。この範囲を逸脱すると、被膜にした場合の特性バランスが崩れる場合がある。
その他のジアミン成分としては、特に限定されないが、m−フェニレンジアミン、o−フェニレンジアミン、p−フェニレンジアミン、m−アミノベンジルアミン、p−アミノベンジルアミン、ビス(3−アミノフェニル)スルフィド、(3−アミノフェニル)(4−アミノフェニル)スルフィド、ビス(4−アミノフェニル)スルフィド、ビス(3−アミノフェニル)スルホキシド、(3−アミノフェニル)(4−アミノフェニル)スルホキシド、ビス(3−アミノフェニル)スルホン、(3−アミノフェニル)(4−アミノフェニル)スルホン、ビス(4−アミノフェニル)スルホン、3,4’−ジアミノベンゾフェノン、4,4’−ジアミノベンゾフェノン、3,3’−ジアミノジフェニルメタン、3,4’−ジアミノジフェニルメタン、4,4’−ジアミノジフェニルメタン、4,4’−ジアミノジフェニルエーテル、3,3’−ジアミノジフェニルエーテル、3,4’−ジアミノジフェニルエーテル、ビス[4−(3−アミノフェノキシ)フェニル]スルホキシド、ビス[4−(アミノフェノキシ)フェニル]スルホキシド、4,4’−ジアミノジフェニルエーテル、3,4’−ジアミノジフェニルエーテル、3,3’−ジアミノジフェニルエーテル、4,4’−ジアミノジフェニルチオエーテル、3,4’−ジアミノジフェニルチオエーテル、3,3’−ジアミノジフェニルチオエーテル、3,3’−ジアミノジフェニルメタン、3,4’−ジアミノジフェニルメタン、4,4’−ジアミノジフェニルメタン、4,4’−ジアミノジフェニルスルフォン、3,4’−ジアミノジフェニルスルフォン、3,3’−ジアミノジフェニルスルフォン、4,4’−ジアミノベンズアニリド、3,4’−ジアミノベンズアニリド、3,3’−ジアミノベンズアニリド、4,4’−ジアミノベンゾフェノン、3,4’−ジアミノベンゾフェノン、3,3’−ジアミノベンゾフェノン、ビス[4−(3−アミノフェノキシ)フェニル]メタン、ビス[4−(4−アミノフェニキシ)フェニル]メタン、1,1−ビス[4−(3−アミノフェノキシ)フェニル]エタン、1,1−ビス[4−(4−アミノフェノキシ)フェニル]エタン、1,2−ビス[4−(3−アミノフェノキシ)フェニル]エタン、1,2−ビス[4−(4−アミノフェノキシ)フェニル]エタン、2,2−ビス[4−(3−アミノフェノキシ)フェニル]プロパン、2,2−ビス[4−(4−アミノフェノキシ)フェニル]プロパン、2,2−ビス[4−(3−アミノフェノキシ)フェニル]ブタン、2,2−ビス[3−(3−アミノフェノキシ)フェニル]−1,1,1,3,3,3−ヘキサフルオロプロパン、2,2−ビス[4−(4−アミノフェノキシ)フェニル]−1,1,1,3,3,3−ヘキサフルオロプロパン、1,3−ビス(3−アミノフェノキシ)ベンゼン、1,4−ビス(3−アミノフェノキシ)ベンゼン、1,4’−ビス(4−アミノフェノキシ)ベンゼン、4,4’−ビス(4−アミノフェノキシ)ビフェニル、ビス[4−(3−アミノフェノキシ)フェニル]ケトン、ビス[4−(4−アミノフェノキシ)フェニル]ケトン、ビス[4−(3−アミノフェノキシ)フェニル]スルフィド、ビス[4−(4−アミノフェノキシ)フェニル]スルフィド、ビス[4−(3−アミノフェノキシ)フェニル]スルホン、ビス[4−(4−アミノフェノキシ)フェニル]スルホン、ビス[4−(3−アミノフェノキシ)フェニル]エーテル、ビス[4−(4−アミノフェノキシ)フェニル]エーテル、1,4−ビス[4−(3−アミノフェノキシ)ベンゾイル]ベンゼン、1,3−ビス[4−(3−アミノフェノキシ)ベンゾイル]ベンゼン、4,4’−ビス[3−(4−アミノフェノキシ)ベンゾイル]ジフェニルエーテル、4,4’−ビス[3−(3−アミノフェノキシ)ベンゾイル]ジフェニルエーテル、4,4’−ビス[4−(4−アミノ−α,α−ジメチルベンジル)フェノキシ]ベンゾフェノン、4,4’−ビス[4−(4−アミノ−α,α−ジメチルベンジル)フェノキシ]ジフェニルスルホン、ビス[4−{4−(4−アミノフェノキシ)フェノキシ}フェニル]スルホン、1,4−ビス[4−(4−アミノフェノキシ)−α,α−ジメチルベンジル]ベンゼン、1,3−ビス[4−(4−アミノフェノキシ)−α,α−ジメチルベンジル]ベンゼンなどを挙げることができる。こらのジアミン成分を用いることで、耐熱性などをコントロールすることができる。
一般式(3)で表されるジアミンは、全ジアミン成分に対して20モル%以上含有することが好ましい。この範囲に制御することで、被膜にした場合のポリイミドフィルムのそり量を小さく制御できるので望ましい。
本発明のポリイミド樹脂は、対応する前駆体ポリアミド酸重合体を脱水閉環して得られる。ポリアミド酸重合体は、酸二無水物成分とジアミン成分とを実質的に等モル反応させて得られる。酸二無水物成分とジアミン成分はモル比で0.80以上1.20以下で重合することで高分子量のポリアミド酸溶液が得られるので望ましい。
反応の代表的な手順として、1種以上のジアミン成分を有機極性溶剤に溶解または分散させ、そののち1種以上の酸二無水物成分を添加し、ポリアミド酸溶液を得る方法があげられる。
各モノマーの添加順序はとくに限定されず、1種以上の酸二無水物成分を有機極性溶媒に先に加えておき、1種以上のジアミン成分を添加し、ポリアミド酸重合体の溶液としてもよいし、ジアミン成分を有機極性溶媒中に先に適量加えて、つぎに過剰の酸二無水物成分を加え、過剰量に相当するジアミン成分を加えて、ポリアミド酸重合体の溶液としてもよい。このほかにも、当業者に公知のさまざまな添加方法がある。具体的には下記の方法が挙げられる。なお、ここでいう「溶解」とは、溶媒が溶質を完全に溶解する場合のほかに、溶質が溶媒中に均一に分散されて実質的に溶解しているのと同様の状態になる場合を含む。反応時間、反応温度は、とくに限定されない。例えば下記の方法等が挙げられる。
1)ジアミン成分を有機極性溶媒中に溶解し、これと実質的に等モルの酸二無水物成分を反応させて重合する方法。
2)酸二無水物成分とこれに対し過小モル量のジアミン成分とを有機極性溶媒中で反応させ、両末端に酸無水物基を有するプレポリマーを得る。続いて、全工程において酸二無水物成分とジアミン成分が実質的に等モルとなるようにジアミン成分を用いて重合させる方法。
3)酸二無水物成分とこれに対し過剰モル量のジアミン成分とを有機極性溶媒中で反応させ、両末端にアミノ基を有するプレポリマーを得る。続いてここにジアミン成分を追加添加後、全工程において酸二無水物成分とジアミン成分が実質的に等モルとなるように酸二無水物成分を用いて重合する方法。
4)酸二無水物成分を有機極性溶媒中に溶解させた後、実質的に等モルとなるようにジアミン化合物成分を用いて重合させる方法。
5)実質的に等モルの酸二無水物成分とジアミン成分の混合物を有機極性溶媒中で反応させて重合する方法。
ポリアミド酸の重合反応に用いられる有機極性溶媒としては、たとえば、ジメチルスルホキシド、ジエチルスルホキシドなどのスルホキシド系溶媒、N,N−ジメチルホルムアミド、N,N−ジエチルホルムアミドなどのホルムアミド系溶媒、N,N−ジメチルアセトアミド、N,N−ジエチルアセトアミドなどのアセトアミド系溶媒、N−メチル−2−ピロリドン、N−ビニル−2−ピロリドンなどのピロリドン系溶媒、フェノール、o−、m−またはp−クレゾール、キシレノール、ハロゲン化フェノール、カテコールなどのフェノール系溶媒、あるいはヘキサメチルホスホルアミド、γ−ブチロラクトンなどをあげることができる。さらに必要に応じて、これらの有機極性溶媒とキシレンあるいはトルエンなどの芳香族炭化水素とを組み合わせて用いることもできる。
本発明のポリアミド酸溶液のイミド化方法について記載する。ポリアミド酸溶液をイミド化する方法には、触媒や脱水剤を用いずに加熱して脱水閉環する熱イミド化方法や、脱水剤及び触媒を混合して加熱する化学イミド化方法がある。
化学イミド化方法に用いられる脱水剤としては、無水酢酸などの脂肪族酸無水物や芳香族酸無水物などが挙げられる。好適には、無水酢酸を用いることがポリイミド樹脂の抽出工程に適している。触媒としては、例えばトリエチルアミンなどの脂肪族第3級アミン類、ジメチルアニリンなどの芳香族第3級アミン類、ピリジン、イソキノリン、β-ピコリン、γ-ピコリン、ルチジンなどの複素環式第3級アミン類などが挙げられる。しかし、用いる触媒によっては反応時間が長くなることや、イミド化が充分に進まないことがあり、ポリイミド樹脂に好適な触媒は適宜選定することが好ましい。特に、本願発明に好適に用いることのできる触媒は、ピリジン、イソキノリン、β-ピコリンである。
ポリアミド酸に対する脱水剤及び触媒の添加量は、ポリアミド酸を構成する化学構造式に依存するが、脱水剤モル数/ポリアミド酸中アミド基モル数=10〜0.01が好ましく、触媒/ポリアミド酸中アミド基モル数=10〜0.01が好ましい。更に好ましくは、脱水剤モル数/ポリアミド酸中アミド基モル数=5〜0.5が好ましく、触媒/ポリアミド酸中アミド基モル数=5〜0.5が好ましい。
化学イミド化方法では、イミド化反応を促進するために、ポリアミド酸溶液に脱水剤と触媒を添加して攪拌している溶液を、200℃以下で加熱することが好ましく、更に好ましくは150℃以下で加熱することがイミド化反応を進める上で好ましい。加熱温度は使用する触媒、脱水剤の沸点等を加味して選定することが望ましい。加熱する時間は、ポリイミド樹脂の種類や触媒、脱水剤の種類により適宜選定することが望ましいが、好ましくは1時間以上10時間以下が好ましく、更に好ましくは、1時間以上5時間以下であることがイミド化反応を進めることができるので好ましい。上記イミド化反応はポリアミド酸溶液を溶解している溶剤中で反応させることが望ましい。
また、ポリアミド酸溶液を直接に加熱して熱イミド化する方法も知られており、ポリアミド酸溶液中に共沸溶剤として、トルエン、キシレン、ソルベントナフサ等の芳香族炭化水素や、シクロヘキサン、メチルシクロヘキサン、ジメチルシクロヘキサン等の脂環式炭化水素等を、全有機溶剤中の1〜30重量%、好ましくは5〜20重量%の範囲で混合して共沸させて水を留去しながら熱イミド化する方法が用いられる。加熱する温度は最終得られるポリイミド樹脂のガラス転移温度以上であることが望ましい。また、上記の共沸溶媒を用いずに、直接加熱してイミド化する方法もあり、この場合には、水の沸点以上、つまり100℃以上の加熱温度で加熱することが望ましく。より好ましくは140℃以上に加熱することが望ましい。
上記溶液中からイミド樹脂を抽出方法について記載する。上記ポリイミド樹脂の製造方法により製造されたポリイミド樹脂溶液から、ポリイミド樹脂を抽出する方法として、ポリイミド樹脂、イミド化の脱水剤、イミド化の触媒を含有するポリイミド樹脂溶液をポリイミド樹脂の貧溶媒中に、投入する、或いは、貧溶媒を投入することでポリイミド樹脂を固形状態に抽出する方法が挙げられる。本発明で用いられるポリイミド樹脂の貧溶媒は、たとえば、水、メチルアルコール、エチルアルコール、エチレングリコール、トリエチレングリコール、イソプロピルアルコールなど、該当するポリイミドの貧溶剤で、ポリアミド酸及びポリイミド樹脂の溶解溶媒として使用した有機溶剤と混和するものが用いられ、上記したアルコール類が好ましく用いられる。
ポリイミド樹脂の溶液を貧溶媒中に注入する際には、ポリイミド樹脂溶液の投入直前の直径は1mm以下が好ましく、更に好ましくは直径が0.5mmになるように投入することが乾燥工程で完全に溶媒を除去する上で好ましい。貧溶媒量はポリイミド樹脂溶液(触媒及び脱水剤を全て含む量)の3倍以上の量で抽出することが好ましい。
本願発明では樹脂の投入直後は樹脂が糸状になるので、できるだけ細かいフレーク状のポリイミド樹脂に成形するためには、高速で溶液を攪拌することが好ましい。
固形のポリイミド樹脂を取り出して、ソックスレー洗浄装置と同等の洗浄装置内で洗浄を行う。使用する溶媒は揮発性の溶媒が好ましく、メタノール、エタノール、イソプロパノ−ル等の溶媒が好ましい。
本発明で凝固させフレーク状にした樹脂固形物の乾燥方法は、真空乾燥によってもよいし熱風乾燥によってもよい。乾燥温度はイミド樹脂によるが、ガラス転移温度よりも低い温度で乾燥させることが望ましく、各種溶剤、触媒、脱水剤の沸点よりも高い温度で乾燥させることが望ましい。
また、上記抽出方法以外に、ポリイミド樹脂溶液を直接に系内に含まれる溶剤成分の沸点よりも高い温度で加熱・乾燥することによって樹脂を抽出する方法も用いられる。
熱イミド化方法としては、真空装置を備えた加熱乾燥可能な装置で溶剤を揮発させつつイミド化することもできる。特に、加熱温度は、ポリイミド樹脂のガラス転移点温度以上かつ、系内から揮発する物質の沸点よりも10℃以上高い温度で1時間以上減圧、加熱、乾燥することが望ましく、真空度は10Torr以下が望ましい。このように、溶剤が揮発すると共にポリイミド樹脂のガラス転移温度以上に上昇させることでポリイミド樹脂中の溶剤分が完全に揮発すると共に、ポリイミド樹脂のイミド化を進めてイミド化反応によって生じる水を同時に除去することができる。
このようにして得られたポリイミド樹脂は、各種の熱硬化性成分と配合して用いても良い。また、必要に応じて、有機又は無機のフィラー、消泡材、レベリング材、安定剤、酸化防止剤などの各種添加剤を添加してもよい。
以下、実施例により本発明を具体的に説明するが、本発明はこれら実施例のみに限定されるものではない。
(実施例1)
本実施例では、シリカゲル中を通過させて脱水を行った窒素ガスを0.05L/minで流して重合反応を行った。2Lのセパラブルフラスコに、重合用溶媒としてN,N’−ジメチルフォルムアミド(DMF)を最終の固形分濃度が30重量%になるように仕込み、これに、エラスマー1000(一般式(3)の化合物でn=13〜15:平均分子量1238) 0.05モルと、2,2−ビス[4−(4−アミノフェノキシ)フェニル]プロパン 0.05モルと、一般式(2)の化合物(2,2−ビス[4−(3,4−ジカルボキシフェノキシ)フェニル]プロパン二無水物、以下BPADAと略す)を0.1モルとを加え、30℃で5時間攪拌してポリアミド酸溶液を得た。
(ポリイミド樹脂の製造方法)
テフロン(登録商標)バットに溶液を添加して、230℃に加熱した真空オーブン(真空定温乾燥機 VOS−450SD:EYELA製)に入れ、蒸発する溶剤を液体窒素で冷却した真空トラップ装置で除去しながら、1〜10Torrの真空に減圧した。加熱したサンプルを取り出して冷却してポリイミド樹脂を得た。
(フィルムへの成形方法)
上記ポリイミド樹脂を1,3−ジオキソランに固形分濃度が30%になる様に溶解し、アルミ箔上に流延塗布後、80℃で5分、110℃で3分、200℃で5分、250℃で5分加熱乾燥を行い、アルミ箔表面にポリイミド積層ポリイミドフィルムを作製した。
アルミ箔をエッチングできる装置でエッチングすることでポリイミドフィルムを得た。ポリイミドフィルムの厚みは20μmであった。
(評価方法)
〔弾性率〕
島津製作所製引張り試験機(オートグラフ S−100−C)を使用し、ASTM−D882に準じで測定した。実験結果を表1に纏める。
〔フィルムの屈曲〕
ポリイミド樹脂を1,3−ジオキソランに固形分濃度が30%になる様に溶解し、10cm×10cmの25μm厚みのアピカルAHフィルム((株)カネカ製)に塗布膜厚が25μmとなるように塗布し、80℃5分、110℃3分、180℃3分で乾燥し、冷却後図1の平滑な台にフィルムを置いて、カール量を測定した。
〔屈曲性〕
上記作製したフィルムを平滑な金属板表面で180°完全に折り曲げて10kgの重りを乗せる試験を10回繰り返した。10回繰り返して問題の無いフィルムを○と評価した。
(実施例2)
2Lのセパラブルフラスコに、重合用溶媒としてN,N’−ジメチルフォルムアミド(DMF)を最終の固形分濃度が30重量%になるように仕込み、これに、エラスマー1000(一般式(3)の化合物でn=13〜15:平均分子量1238) 0.1モル、4,4'−ジアミノジフェニルエーテル 0.1モルと、一般式(2)の化合物(2,2−ビス[4−(3,4−ジカルボキシフェノキシ)フェニル]プロパン二無水物、以下BPADAと略す)を0.2モルとを加え、30℃で5時間攪拌することで、ポリアミド酸溶液を得た。以下イミド化方法及び、フィルムの製造方法等は実施例1と同じ方法で作製し、同様の評価を行った。
フィルムの屈曲性を測定する方法を示す図である。

Claims (3)

  1. (A)下記一般式(I)
    Figure 2007126634
    (式中、m及びnは、それぞれ独立に1〜30の整数を示す)で表される繰り返し単位を有するポリイミド樹脂。
  2. (A)一般式(2)
    Figure 2007126634
    及び( b ) 一般式( 3 )
    Figure 2007126634
    ( 式中、nは、1〜 30の整数を示す) で表されるジアミンを必須成分として反応させて得られるポリイミド樹脂。
  3. プリント配線板に形成された導体回路パターンを被覆するための被覆形成材に用いることを特徴とする請求項1または2記載のポリイミド樹脂
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JP2010016097A (ja) * 2008-07-02 2010-01-21 Fujikura Ltd プリント配線板の製造方法

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