JP4600010B2 - 耐燃性が改良されたテープキャリアパッケージ用柔軟性配線板 - Google Patents
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Description
さらに、本発明は、前記のテープキャリアパッケージ用柔軟性配線板のオーバーコート層が、ポリイミドシロキサン樹脂組成物を加熱処理して得られた硬化膜であること、又はポリウレタン樹脂組成物を加熱処理して得られた硬化膜であることに関する。
なお、本発明のテープキャリアパッケージは図1、2に示した具体例に限定されるものではない。図1、2では、折り曲げスリットが2ケ所に形成された例を示したが、折り曲げスリットは1ケ所でも複数ケ所でも構わない。また、折り曲げスリットを横切った配線パターンの片方表面(裏面)だけがフレックス樹脂層で覆われているが、片側表面だけでなく両面ともフレックス樹脂層で覆われていても構わない。
本発明において、オーバーコート層は、例えばポリイミドシロキサン樹脂組成物、ポリウレタン樹脂組成物、特にポリブタジエンジオール及び/又はポリエステルジオールとイソシアネート化合物との組合せからなるポリウレタン樹脂組成物及びポリイミド変性ポリウレタン樹脂組成物などのポリウレタン樹脂組成物、ポリアミドイミド樹脂組成物、特にポリカーボネートジオール変性ポリアミドイミド樹脂組成物などの変性ポリアミドイミド樹脂組成物、又はポリカーボネート樹脂組成物などによって好適に形成される。特に、ポリイミドシロキサン樹脂組成物及びポリウレタン樹脂組成物はオーバーコート層として要求される種々の特性を容易に得やすいので好適に採用される。また、本発明のオーバーコート層はフレックス樹脂と同じ樹脂組成物から形成されても構わない。更に本発明のオーバーコート層は0.5〜200μm特に1〜100μm更に5〜50μm程度の厚さで好適に用いられる。
本発明の特徴は、無機炭酸塩化合物とりわけ炭酸カルシウムをオーバーコート層に無機フィラーとして含有させて、耐燃性を改良し且つオーバーコート層として要求される諸特性をも達成していることにある。本発明において、オーバーコート層に用いられる硬化性樹脂組成物は、樹脂固形分100重量部に対して、無機炭酸塩化合物とりわけ炭酸カルシウムが1〜90重量部好ましくは4〜45重量部更に4〜35重量部含有されていることが好適である。また、本発明においては、炭酸塩化合物は、どのような形態のものでもよいが、平均粒子径が0.001〜15μm特に0.005〜10μm更に0.005〜2μm程度の微細なものが耐燃性を改良するうえで好ましい。更に、この範囲外のものを使用すると、スクリーン印刷による塗布がむずかしくなり、また得られる硬化膜が屈曲したときに折り曲げ部に亀裂や白化が起こりやすくなるので好ましくない。
無機炭酸塩化合物とりわけ炭酸カルシウムは、樹脂組成物の硬化工程やテープキャリアパッケージの実装工程では安定であって絶縁性能などに悪影響を与えることがない。また燃焼時の燃焼熱、特に接着剤層の燃焼による高温の燃焼熱によって吸熱分解し、その結果不燃性の二酸化炭素ガスを発生すると考えられるから、その吸熱作用あるいは二酸化炭素の作用によって耐燃性の改良効果が発現すると推定される。炭酸塩化合物は、特に限定するものではなく例えば炭酸バリウムなども挙げられるが、とりわけ炭酸カルシウムが好適である。
なお、テープキャリアパッケージ用柔軟性配線板は、前記の4層からなる積層体と比較すると、構成中に配線パターンを有すること、及び折り曲げスリット部以外ではフレックス樹脂層がない点などで相違するが、これらの相違はいずれも耐燃性を高くするものであるから、前記積層体がUL94V−0の耐燃性を有するときは、それらのフレックス樹脂層、絶縁フィルム、接着剤層、及びオーバーコート層から構成された実際のテープキャリアパッケージ用柔軟性配線板もまたUL94V−0と同等以上の耐燃性を有する。
また、テトラカルボン酸二無水物の使用量がジアミンに対して1.05倍モル以上で未反応無水環が残存するような場合には、そのままでもよいが、エステル化剤で開環ハーフエステル化してもよい。エステル化剤であるアルコール類の使用量は、過剰なテトラカルボン酸二無水物の1.1〜20倍当量特に1.5〜5倍当量であることが好ましい。アルコール類の割合が少ないと、未反応の無水環が残って、組成物での貯蔵安定性が劣るものとなり、過剰のアルコール類は不溶分が析出したり貧溶媒となって固形分濃度を低くすることになって印刷による塗膜の形成が容易でなくなるので好ましくない。
エステル化剤を用いた場合は、反応溶液をそのまま用いても構わないが、過剰のアルコール類を加熱や減圧留去して使用することもできる。
また、ヘキサメチレンジアミン、ジアミノドデカンなど脂肪族ジアミン化合物を上記ジアミンと共に使用することができる。
(1)テトラカルボン酸成分とジアミン成分とを略等モル使用し、有機極性溶媒中で連続的に15〜250℃で重合及びイミド化させてポリイミドシロキサンを得る方法。
(2)テトラカルボン酸成分とジアミン成分とをそれぞれ分けて、まず過剰量のテトラカルボン酸成分とジアミン成分(例えばジアミノポリシロキサン)とを有機極性溶媒中15〜250℃で重合及びイミド化させて平均重合度1〜10程度の末端に酸無水物基(又は、酸、そのエステル化物)を有するイミドシロキサンオリゴマーを調製し、別にテトラカルボン酸成分と過剰量のジアミン成分とを有機極性溶媒中15〜250℃で重合及びイミド化させて平均重合度1〜10程度の末端にアミノ基を有するイミドオリゴマーを調製し、次いでこの両者を、酸成分とジアミン成分とが略等モルになるように混合して15〜60℃で反応させて、さらに130〜250℃に昇温して反応させてポリイミドシロキサンを得る方法。
(3)テトラカルボン酸成分とジアミン成分とを略等モル使用し、有機極性溶媒中でまず20〜80℃で重合させてポリアミック酸を得た後に、そのポリアミック酸をイミド化してポリイミドシロキサンを得る方法。
また、ポリイミドシロキサンは高分子量のものが好ましく更にイミド化率が高いものが好ましい。分子量の目安としての対数粘度(測定濃度:0.5g/100ミリリットル、溶媒:N−メチル−2−ピロリドン、測定温度:30℃)は、0.15以上、特に0.16〜2のものが硬化物の強度、伸度などの機械的物性の点から好ましい。また、赤外吸収スペクトルから求められるイミド化率は、90%以上特に95%以上更に実質的に100%のものが好ましい。
更に、多価イソシアネ−ト化合物として、脂肪族、脂環族または芳香族の多価イソシアネ−トから誘導されるもの、例えばイソシアヌレ−ト変性多価イソシアネ−ト、ビュレット変性多価イソシアネ−ト、ウレタン変性多価イソシアネ−ト等であってもよい。
本発明においては、多価イソシアネートとしては、ジイソシアネ−ト例えばトリメチロールプロパンにウレタン結合で付加したようなアダクト型構造を有する多価イソシアネートが、耐燃性を改良するうえで特に好適である。
前記のブロック化剤としては例えば、アルコ−ル系、フェノ−ル系、活性メチレン系、メルカプタン系、酸アミド系、酸イミド系、イミダゾ−ル系、尿素系、オキシム系、アミン系、イミド系化合物、ピリジン系化合物等があり、これらを単独あるいは、混合して使用してもよい。具体的なブロック化剤としては、アルコ−ル系としてメタノ−ル、エタノ−ル、プロパノ−ル、ブタノ−ル、2−エチルヘキサノ−ル、メチルセロソルブ、ブチルセロソルブ、メチルカルピト−ル、ベンジルアルコ−ル、シクロヘキサノ−ル等、フェノ−ル系として、フェノ−ル、クレゾ−ル、エチルフェノ−ル、ブチルフェノ−ル、ノニルフェノ−ル、ジノニルフェノ−ル、スチレン化フェノ−ル、ヒドロキシ安息香酸エステル等、活性メチレン系として、マロン酸ジメチル、マロン酸ジエチル、アセト酢酸メチル、アセト酢酸エチル、アセチルアセトン等、メルカプタン系として、ブチルメルカプタン、 ドデシルメルカプタン等、酸アミド系として、アセトアニリド、酢酸アミド、ε−カプロラクタム、δ−バレロラクタム、γ−ブチロラクタム等、酸イミド系として、コハク酸イミド、マレイン酸イミド、イミダゾ−ル系として、イミダゾ−ル、2−メチルイミダゾ−ル、尿素系として、尿素、チオ尿素、エチレン尿素等、オキシム系として、ホルムアルドオキシム、アセトアルドオキシム、アセトオキシム、メチルエチルケトオキシム、シクロヘキサノンオキシム等、アミン系として、ジフェニルアミン、アニリン、カルバゾール等、イミン系として、エチレンイミン、ポリエチレンイミン等、重亜硫酸塩として、重亜硫酸ソ−ダ等、ピリジン系として、2−ヒドロキシピリジン、2−ヒドロキシキノリン等が挙げられる。
ブロック多価イソシアネートの解離触媒としては、例えばジブチル錫ジラウレ−トや3級アミン類などが例示できる。解離触媒の量はブロック多価イソシアネ−ト100重量部に対して0.01〜25重量部程度特に0.1〜15重量部程度が好ましい。
また、硬化促進触媒としては、2−エチル−4−メチルイミダゾールなどのイミダゾール類や3級アミン類が例示できる。硬化促進触媒の量は、ブロック多価イソシアネ−ト100重量部に対して0.01〜25重量部程度特に0.1〜15重量部程度が好ましい。
3級アミンを添加した組成物は、基材に塗布し次いで50〜130℃の低温で加熱処理することによって容易に硬化膜を得ることができるので有用である。
特に、1,8−ジアザビシクロ[5.4.0]−7−ウンデセン(DBU)、N,N−ジメチルベンジルアミン(DMBA)、N,N,N’,N’−テトラメチルヘキサンジアミンは、ブロックイソシアネートからブロック化剤を適当な温度において解離し、且つ、ポリイミドシロキサンなどのエポキシ基且つイソシアネート基との反応性を持つ置換基を有する化合物とイソシアネートやエポキシ樹脂との架橋反応を適当な速度に促進することができるので、本発明のポリイミドシロキサン樹脂組成物において極めて好適に使用することができる。
〔溶液組成物の粘度〕
E型粘度計(東京計器社製)を用い、温度25℃で、回転数10rpmにて測定した。
オーバーコート層の評価は、評価項目によって、以下のように加熱処理された硬化膜サンプルについておこなった。
すなわち、封止材料との密着性の評価は、80℃で30分次いで120℃で1時間加熱処理したサンプルについておこなった。
但し、封止材料との密着性の評価用サンプルは、サンプル表面に封止材料を滴下して塗布した後160℃で封止材料を硬化させたから、結局前記加熱処理に加えて更に160℃の加熱処理をされたものである。
それ以外のオーバーコート層の評価は、実装工程で最終的に封止材料を硬化するために160℃程度の加熱処理がおこなわれることを考慮して、80℃で30分次いで160℃で1時間加熱処理したサンプルについておこなった。
35μm厚電解銅箔光沢面上にオーバーコート層用の樹脂組成物を30μm厚に塗布し硬化させた硬化膜を形成し、この硬化膜上にICチップ封止材料CEL−C−5020(日立化成工業株式会社製)を約1mm厚、直径0.5cm程度の円状に滴下して塗布し160℃で1時間加熱処理して硬化させサンプルとした。手でサンプルを折り曲げ、封止樹脂のはがれ具合を観察した。硬化膜で凝集破壊を起こした場合及び硬化膜/銅箔界面剥離の場合を○、硬化膜の凝集破壊と硬化膜/封止樹脂界面剥離が共存する場合を△、硬化膜/封止樹脂界面剥離の場合を×で示した。
JIS C−2103によって測定した。
厚さがおよそ75μmになるように硬化させたシート状試料を、幅1cm、長さ15cmに切り出して試験に用いた。ASTM D882によって測定した。
厚さ35μmの電解銅箔の光沢面に絶縁膜用組成物を30μm厚に塗布し硬化させ絶縁膜を形成した。絶縁膜上にロジン系フラックス(サンワ化学工業性:SUNFLUX SF−270)を塗布した後、260℃の半田浴に10秒間絶縁膜を接触させた。その後のサンプルの状態を観察して評価した。全く変化が生じない場合を○、わずかにふくれやハンダの潜りこみが観察された場合を△、膨れや剥れが生じた場合を×で示した。
50mm×70mmにカットした宇部興産製ポリイミドフィルム(ユーピレックス75S)の中央部分に30mm×40mmの面積に絶縁膜用組成物を塗布し、硬化させた。硬化膜の厚さは15μm±10μmであった。ポリイミドフィルムの4辺の最大高さを測定した。
厚さがおよそ75μmになるように硬化させたシート状サンプル0.5gをアセトン(25℃)に30分間浸漬した後、アセトン可溶分の重量%で示した。尚、アセトン可溶分が100重量%はサンプルが完全に溶解したこと即ち未硬化であることを意味する。
厚さ75μmのポリイミドフィルム(宇部興産株式会社製ユーピレックス75S)に厚さ15μmの接着剤(東レ製♯8200)が塗布された接着剤層付絶縁フィルムの接着剤が無い面(裏面)にフレックス樹脂(宇部興産株式会社製ユピコートFS100L)を塗布し、80℃30分、160℃1時間加熱し硬化させ、厚さ15μmのフレックス樹脂層を形成し、さらに、接着剤層付絶縁フィルムの接着剤面(表面)にオーバーコート層用の樹脂組成物を塗布し、80℃30分、160℃1時間加熱し硬化させ、厚さ25μmのオーバーコート層を形成した。得られた4層からなる積層体を5インチ×0.5インチに切り出して試験片として、燃焼試験に用いた。耐燃性の評価はUL94規格垂直燃焼試験法に準じて行った。すなわち、試験片を垂直方向にクランプ付きスタンドに保持し、その下端が12インチ(304.8mm)の高さになるように上部をクランプで固定した。また、サンプル下には火玉が落下した場合の着火確認のため、脱脂綿を置いた。試験片下端中央に0.75インチ(19.05mm)炎に調節したバーナーを10秒間接炎後(サンプル下部1インチ(25.4mm)の部分)、炎を離しサンプルの燃焼時間を測定した。消火後直ちに再度10秒間接炎し、燃焼(赤熱)時間を測定した。
測定はn=5を1セットとし、2セットについて試験した(計10点)。
UL94V−0の判定基準として以下の項目を確認した。
1)1回目の接炎後に10秒以上燃焼し続けない
2)5点×2回(計10回)の接炎後の燃焼時間が50秒以内
3)火玉滴下で12インチ下の脱脂綿を燃焼させない
4)2回目の接炎後の赤熱燃焼時間が30秒以内
5)クランプ部まで燃え上がらない
〔多価イソシアネート〕
バーノックD−550:大日本インキ株式会社製、1,6−ヘキサメチレンジイソシアネ−トブロック化体、ブロック化剤:メチルエチルケトオキシム
〔エポキシ樹脂〕
エピコート157S70:ジャパンエポキシレジン社製エポキシ樹脂
〔微粉状シリカ〕
アエロジル50:日本アエロジル社製、平均粒径30nm
アエロジル130:日本アエロジル社製、平均粒径16nm
〔硫酸バリウム〕
硫酸バリウムB−30:堺化学工業社製、平均粒径0.3μm
〔タルク〕
ミクロエースP−3:日本タルク社製、平均粒径5.1μm
〔炭酸カルシウム〕
炭酸カルシウム:宇部マテリアルズ社製A−30、平均粒径0.17μm
〔硬化触媒〕
DBU:アルドリッチ社製、1,8−ジアザビシクロ[5.4.0]−7−ウンデセン
キュアゾール2E4MZ:四国化成工業社製、2−エチル−4−メチルイミダゾール
〔消泡剤〕
KS531:信越化学工業社製、シリコーン消泡剤
DB−100:ダウコーニング・アジア社製、シリコーン消泡剤
容量500mlのガラス製フラスコに、2,3,3’,4’−ビフェニルテトラカルボン酸二無水物47.1g(0.16モル)、溶媒のトリグライム(以下、TGと略記することもある。)100gを仕込み、窒素雰囲気下、80℃で加熱撹拌した。α,ω−ビス(3−アミノプロピル)ポリジメチルシロキサン(アミノ当量460)125.1g(0.136モル)、TG40gを加え、180℃で60分加熱撹拌した。さらにこの反応溶液にビス(3−カルボキシ−4−アミノフェニル)メタン(4,4’−ジアミノ−3、3’−ジカルボキシフェニルメタン)6.9g(0.024モル)及びTG39gを加え、180℃で15時間加熱撹拌した後、濾過を行った。得られたポリイミドシロキサン反応溶液は、ポリマ−固形分濃度50重量%、ηinh0.20の溶液であった。イミド化率は実質的に100%であった。
ガラス製容器に、参考例1で得たポリイミドシロキサン溶液40.8gに、エポキシ樹脂のエピコート157S70を0.35g(ポリイミドシロキサン固形分100重量部に対して1.7重量部、以下同様)、多価イソシアネートのバーノックD−550を2.04g(10.0重量部)、硬化触媒として2E4MZを0.04g(0.2重量部)とDBUを0.16g(0.8重量部)、シリコン系消泡剤のをKS531を0.9g(4.4重量部)、微粉状シリカのアエロジル50を0.83g(4重量部)、アエロジル130を3.7g(18重量部)、炭酸カルシウムを4.7g(23重量部)を加えて25℃で2時間撹拌し、均一に混合し、溶液粘度が35ポイズのポリイミドシロキサン樹脂組成物を得た。
このポリイミドシロキサン樹脂組成物は、約5℃で2週間放置しても、粘度変化は少なくスクリ−ン印刷可能であった。
このポリイミドシロキサン樹脂組成物を用いたオーバーコート層、及び前記オーバーコート層をフレックス樹脂、ポリイミドフィルム、接着剤層と4層に積層した柔軟性積層体について評価した。その結果を表1に示す。
実施例1と同様にして表1に示した組成からなるポリイミドシロキサン樹脂組成物を得た。
このポリイミドシロキサン樹脂組成物を用いたオーバーコート層、及び前記オーバーコート層をフレックス樹脂、ポリイミドフィルム、接着剤層と4層に積層した柔軟性積層体について評価した。その結果を表1に示す。
実施例1と同様にして表1に示した組成からなるポリイミドシロキサン樹脂組成物を得た。
このポリイミドシロキサン樹脂組成物を用いたオーバーコート層、及び前記オーバーコート層をフレックス樹脂、ポリイミドフィルム、接着剤層と4層に積層した柔軟性積層体について評価した。その結果を表1に示す。
従来のテープキャリアパッケージ用柔軟性配線板に好適に用いられているオーバーコート材のウレタン樹脂組成物であるAR7100(味の素ファインテクノ株式会社製)を用いて、実施例と同様にして積層体の耐燃焼性試験をおこなった。耐燃焼性試験では、接炎すると一気に燃焼し、UL94V−0の耐燃性は不合格であった。
2:接着剤層
3:配線パターン
3a:インナーリード(配線パターン)
3b:アウターリード(配線パターン)
3c:テストパッド(配線パターン)
4:デバイスホール
5:折り曲げスリット
6:バンプ
7:半導体チップ
8:フレックス樹脂層
9:オーバーコート層(ソルダーレジスト層)
10:半導体封止樹脂
11:パーフォレーションホール(スプロケットホール)
Claims (5)
- 折り曲げスリットを有する絶縁フィルム表面に接着剤層を介して配線パターンが形成されており、配線パターンは折り曲げスリットを横切って設けられており、折り曲げスリットを横切って設けられた配線パターンの少なくとも片側表面がフレックス樹脂層で保護されており、更に配線パターンが形成された領域の大部分がオーバーコート層によって保護されているテープキャリアパッケージ用柔軟性配線板であって、前記オーバーコート層が、硬化後に、フィルムとして25℃での初期弾性率が10〜1200MPaであり、十分なレベルの電気絶縁性、260℃で10秒間のハンダ耐熱性を有し、且つ無機フィラーとして炭酸カルシウムを含有したポリイミドシロキサン樹脂組成物からなる硬化性樹脂組成物で構成され、前記のフレックス樹脂層、絶縁フィルム、接着剤層、及びオーバーコート層を積層した積層体がUL94V−0の耐燃性を有することを特徴とする耐燃性が改良されたテープキャリアパッケージ用柔軟性配線板。
- 前記の硬化性樹脂組成物において、炭酸カルシウムが樹脂固形分100重量部に対して1〜90重量部含有されていることを特徴とする前記請求項1に記載のテープキャリアパッケージ用柔軟性配線板。
- 前記の硬化性樹脂組成物が、ポリイミドシロキサン、多価イソシアネート、エポキシ化合物、溶媒を含有してなるポリイミドシロキサン樹脂組成物であることを特徴とする前記請求項1または2に記載のテープキャリアパッケージ用柔軟性配線板。
- 前記請求項1〜3のいずれかに記載のテープキャリアパッケージ用柔軟性配線板を用いたことを特徴とするテープキャリアパッケージ。
- 折り曲げスリットを有する絶縁フィルム表面に接着剤層を介して配線パターンが形成されており、配線パターンは折り曲げスリットを横切って設けられており、折り曲げスリットを横切って設けられた配線パターンの少なくとも片側表面がフレックス樹脂層で保護されており、更に配線パターンが形成された領域の大部分がオーバーコート層によって保護され、前記オーバーコート層が、硬化後に、フィルムとして25℃での初期弾性率が10〜1200MPaであり、十分なレベルの電気絶縁性、260℃で10秒間のハンダ耐熱性を有するテープキャリアパッケージ用柔軟性配線板において、前記オーバーコート層を、無機フィラーとして炭酸カルシウムを含有した硬化性樹脂組成物で構成することによって、前記のフレックス樹脂層、絶縁フィルム、接着剤層、及びオーバーコート層を積層した積層体がUL94V−0の耐燃性を有するように耐燃性を改良する方法。
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