JPH09272739A - ポリイミド樹脂 - Google Patents

ポリイミド樹脂

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JPH09272739A
JPH09272739A JP8222396A JP8222396A JPH09272739A JP H09272739 A JPH09272739 A JP H09272739A JP 8222396 A JP8222396 A JP 8222396A JP 8222396 A JP8222396 A JP 8222396A JP H09272739 A JPH09272739 A JP H09272739A
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mole
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mol
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JP8222396A
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English (en)
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Keizo Takahama
啓造 高浜
Shiyuusaku Okaaki
周作 岡明
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Sumitomo Bakelite Co Ltd
Original Assignee
Sumitomo Bakelite Co Ltd
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  • Macromolecular Compounds Obtained By Forming Nitrogen-Containing Linkages In General (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【課題】 耐熱性に優れ吸湿性の低い、かつ有機溶剤に
可溶な成形加工性の優れたポリイミド樹脂を提供する。 【解決手段】 250℃以上350℃以下の温度で5分
間加熱した時に式(1)で表される環状シロキサンガス
の発生量が樹脂の0.02重量%未満であることを特徴
とし、かつ式(2)で表されるシリコーンジアミンと
3,3’,4,4’−ジフェニルスルホンテトラカルボ
ン酸二無水物を必須成分とするシリコーン変性ポリイミ
ド樹脂。 【化1】 (nは3以上の整数) 【化2】 (式中R1は2価の炭化水素基)

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、耐熱性に優れ、か
つ有機溶剤に可溶で成形加工性に優れたポリイミド樹脂
に関するものである。
【0002】
【従来の技術】ポリイミド樹脂は耐熱性が高く難燃性で
電気絶縁性に優れていることから、電気、電子材料とし
て広く利用されている。フィルムとしてフレキシブル印
刷配線板や耐熱性接着テープの基材に、樹脂ワニスとし
て半導体の絶縁皮膜、保護皮膜に広く利用されている。
しかし、従来のポリイミド樹脂は吸湿性が高く、耐熱性
に優れている反面不溶不融であったり極めて融点が高
く、加工性の点で決して使いやすい材料とはいえなかっ
た。半導体の実装材料として層間絶縁膜、表面保護膜な
どに使用されているが、これらは有機溶剤に可溶な前駆
体ポリアミド酸を半導体表面に塗布し、加熱処理によっ
て溶剤を除去すると共にイミド化を進めている。この
時、イミド化に300℃以上の高温で1時間以上の加熱
行程を必要とし、素子を高温にさらすため、アセンブリ
行程の収率を低下させる。また、皮膜の吸湿性が高いた
め吸収した水分が高温時に一気に蒸発して膨れやクラッ
クの原因となるなどの問題点があった。
【0003】一方、これらの従来型のポリイミド樹脂の
欠点を補う目的で、多くの熱可塑性ポリイミド樹脂や溶
媒可溶性ポリイミド樹脂が提案されている。その一つと
してシリコーン変性ポリイミド樹脂がある。シリコーン
変性ポリイミド樹脂は低吸湿性と溶媒可溶性に優れてお
りエレクトロニクス用として好適ではあるが、シリコー
ン含量と密接に関連する耐熱性と溶媒可溶性、低吸湿性
はトレードオフの関係にある。より優れた信頼性を得る
には従来のシリコーン変性ポリイミド樹脂では充分とは
言えなかった。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、耐熱性に優
れ吸湿性の低い、かつ有機溶剤に可溶な成形加工性の優
れたポリイミド樹脂を得るべく鋭意研究を重ねた結果、
特定構造のポリイミド樹脂が上記課題を解決することが
できることを見出し、本発明に到達したものである。
【0005】
【課題を解決するための手段】本発明のポリイミド樹脂
は250℃以上350℃以下の温度で5分間加熱した時
に式(1)で表される環状シロキサンガスの発生量が樹
脂の0.02重量%未満であることを特徴とし、かつ式
(2)で表されるシリコーンジアミンと3,3’,4,
4’−ジフェニルスルホンテトラカルボン酸二無水物を
必須成分とするシリコーン変性ポリイミド樹脂である。
【0006】
【化1】 (nは3以上の整数)
【0007】
【化2】 (式中R1は2価の炭化水素基)
【0008】本発明のポリイミド樹脂は、式(2)で表
されるシリコーンジアミンaモルと式(3)で表される
シリコーンジアミンbモルおよび他のジアミンcモルを
アミン成分、3,3’,4,4’−ジフェニルスルホン
テトラカルボン酸二無水物dモルと他の酸二無水物eモ
ルを酸成分とし、かつ0.02≦a/(a+b+c)≦
0.50かつb/(a+b+c)≦0.02かつ0.6
≦d/(d+e)かつ0.96≦(d+e)/(a+b
+c)≦1.04のモル比で両成分を反応させイミド閉
環せしめた有機溶剤に可溶なポリイミド樹脂あるいは該
ポリイミド樹脂の分子末端を一般式(4)で表される酸
無水物fモルでエンドキャップし、かつ0.02≦a/
(a+b+c)≦0.50かつb/(a+b+c)≦
0.02かつ0.6≦d/(d+e+0.5f)かつ
0.002≦0.5f/(d+e+0.5f)≦0.0
5かつ0.96≦(d+e+0.5f)/(a+b+
c)≦1.04のモル比で両成分を反応させイミド閉環
せしめた有機溶剤に可溶なポリイミド樹脂あるいは該ポ
リイミド樹脂の分子末端を一般式(5)で表される芳香
族アミンgモルでエンドキャップし、かつ0.02≦a
/(a+b+c+0.5g)≦0.50かつb/(a+
b+c+0.5g)≦0.02かつ0.002≦0.5
g/(a+b+c+0.5g)≦0.05かつ0.6≦
d/(d+e)かつ0.96≦(d+e)/(a+b+
c+0.5g)≦1.04のモル比で両成分を反応させ
イミド閉環せしめた有機溶剤に可溶なポリイミド樹脂で
ある。
【0009】
【化3】 (式中R2は2価の炭化水素基、nは2〜20の整数)
【0010】
【化4】
【0011】
【化5】 (式中Yは水素原子、あるいはメチル、エチル、プロピ
ル、ブチル、フェニル、メトキシ、エトキシ、プロポキ
シ、ブトキシもしくはフェノキシ基の中から選ばれた少
なくとも1種類の基)
【0012】
【発明の実施の形態】本発明で使用する式(2)で表さ
れるシリコーンジアミンは、1,3−ビス(3−アミノ
プロピル)テトラメチルシロキサンなどであって、低吸
水性、低温加工性、溶媒への溶解性を付与するために用
いる。またこれらの短鎖シリコーンジアミンは耐熱性に
優れ他のシリコーンジアミンを用いるよりも高温での信
頼性の高い樹脂が製造できる。該シリコーンジアミンは
全アミン成分の2〜50モル%の範囲で用いることが好
ましい2モル%より少ないと低吸湿性、低温加工性、溶
媒への溶解性が発現せず、50モル%を越えるとガラス
転移温度が著しく低下し耐熱性に問題が生じる。より好
ましい添加量は低吸湿性、低温加工性、溶媒への溶解
性、耐熱性の点から全アミン成分の10モル%〜35モ
ル%である。
【0013】本発明で使用する式(3)で表されるシリ
コーンジアミンは、α,ω−ビス(3−アミノプロピ
ル)ポリジメチルシロキサンなどであり式(2)のもの
と併用することによって低吸水性、低温加工性、溶媒へ
の溶解性を著しく向上させる。特にnが4〜13の範囲
がガラス転移温度、加工性の点から好ましい。ただしこ
のシリコーンジアミンは高温で分解し式(1)で表され
る環状シロキサンガスを発生するため樹脂の発泡や周辺
材料の汚染を引き起こすおそれがあり、樹脂の耐熱性の
点からその添加量は全アミン成分の2モル%以下でなけ
ればならない。より好ましい添加量は低吸湿性、低温加
工性、高温での耐熱性の点から全アミン成分の0.2〜
0.8モル%である。
【0014】酸成分の主要な構成成分である3,3’,
4,4’−ジフェニルスルホンテトラカルボン酸二無水
物の量比は、得られるポリイミド樹脂の溶解性に極めて
重要で、上記の範囲内にないと低沸点溶剤に溶解すると
いう本発明の特徴が失われる。
【0015】また本発明で用いる他のジアミンとしては
2,2−ビス(4−(4−アミノフェノキシ)フェニ
ル)プロパン、2,2−ビス(4−(4−アミノフェノ
キシ)フェニル)ヘキサフルオロプロパン、2,2−ビ
ス(4−アミノフェノキシ)ヘキサフルオロプロパン、
ビス−4−(4−アミノフェノキシ)フェニルスルフォ
ン、ビス−4−(3−アミノフェノキシ)フェニルスル
フォン、1,3−ビス(3−アミノフェノキシ)ベンゼ
ン、1,4−ビス(3−アミノフェノキシ)ベンゼン、
1,4−ビス(4−アミノフェノキシ)ベンゼン、1,
4−ビス(3−アミノフェノキシ)ベンゼン、4,4’
−ジアミノジフェニルエーテル、3,4’−ジアミノジ
フェニルエーテル、4,4’−ジアミノジフェニルスル
フォン、3,3’−ジアミノジフェニルスルフォン、
4,4’−ジアミノジフェニルメタン、4,4’−ビス
(4−アミノフェノキシ)ビフェニル、o−フェニレン
ジアミン、m−フェニレンジアミン、p−フェニレンジ
アミン、2,5ジアミノトルエン、2,4ジアミノトル
エン、4,6−ジメチル−m−フェニレンジアミン、
2,5−ジメチル−p−フェニレンジアミン、2,4,
6−トリメチル−m−フェニレンジアミンなどの中の1
種類もしくは2種類を組み合わせて用いることが出来
る。中でも接着性を重視する応用分野ではアミノフェノ
キシ構造を持つジアミンを用いることが好ましい。
【0016】また本発明で用いる他の酸二無水物として
は3,3’,4,4’−ビフェニルテトラカルボン酸二
無水物、3,3’,4,4’−ベンゾフェノンテトラカ
ルボン酸二無水物、4,4’−オキシジフタル酸二無水
物、無水ピロメリット酸などの中の1種類もしくは2種
類を組み合わせて用いることが出来る。
【0017】また、3,3’,4,4’−ベンゾフェノ
ンテトラカルボン酸二無水物は溶解性を維持したまま耐
熱性を向上させるのに効果がある。
【0018】接着剤や成形材料等に当該ポリイミドを使
用する場合、分子末端をエンドキャップし分子量をコン
トロールする事により、接着や成形に適した溶融粘度を
得ることができ、加工性を高めることができる。エンド
キャップ剤である酸無水物、あるいは芳香族アミンの量
比は上記の範囲にあることが好ましい。この範囲より少
ないと分子量が高くなりすぎて、本発明の特徴である低
沸点溶剤への溶解性が低下し、また接着性を重視する用
途では溶融粘度の上昇により濡れ性が低下し好ましくな
い。またこの範囲以上では分子量が著しく低下し、耐熱
性に問題を生じる。さらに低温加工性、耐熱性、機械強
度の点からエンドキャップ剤が全酸性分あるいは全アミ
ン成分の0.4〜2.4モル%の範囲にあることがより
好ましい。
【0019】エンドキャップ剤としては一般式(4)で
表される酸無水物および一般式(5)で表される芳香族
アミンが挙げられる。酸無水物としては、無水フタル
酸、無水マレイン酸、無水ナジック酸など、芳香族アミ
ンとしては、p−メチルアニリン、p−メトキシアニリ
ン、p−フェノキシアニリンなどが用いられる。
【0020】重合反応における酸性分とアミン成分の等
量比は、得られるポリアミック酸の分子量を決定する重
要な因子である。ポリマの分子量と物性、特に数平均分
子量と機械的性質の間に相関があることはよく知られて
いる。数平均分子量が大きいほど機械的性質が優れてい
る。従って、実用的に優れた強度を得るためにはある程
度高分子量で有ることが必要である。本発明では酸性分
とアミン成分の当量比rが0.96≦r≦1.04のモ
ル比であることが好ましい。また0.98≦r≦1.0
2の範囲であることは機械的強度および耐熱性の両面か
らより好ましい。
【0021】テトラカルボン酸二無水物とジアミンとの
反応は、非プロトン性極性溶媒中で公知の方法で行われ
る。非プロトン性極性溶媒は、N,N−ジメチルホルム
アミド(DMF)、N,N−ジメチルアセトアミド(D
MAC)、N−メチル−2−ピロリドン(NMP)、テ
トラヒドロフラン(THF)、ジグライム、シクロヘキ
サノン、1,4−ジオキサン(1,4−DO)などであ
る。非プロトン性極性溶媒は、一種類のみ用いてもよい
し、二種類以上を混合して用いてもよい。この時、上記
非プロトン性極性溶媒と相溶性がある非極性溶媒を混合
して使用しても良い。トルエン、キシレン、ソルベント
ナフサなどの芳香族炭化水素が良く使用される。混合溶
媒における非極性溶媒の割合は、30重量%以下である
ことが好ましい。これは非極性溶媒が30重量%以上で
は溶媒の溶解力が低下しポリアミック酸が析出する恐れ
があるためである。テトラカルボン酸二無水物とジアミ
ンとの反応は、良く乾燥したジアミン成分を脱水精製し
た前述反応溶媒に溶解し、これに閉環率98%、より好
ましくは99%以上の良く乾燥したテトラカルボン酸二
無水物を添加して反応を進める。
【0022】このようにして得たポリアミック酸溶液
を、続いて有機溶剤中で加熱脱水環化してイミド化しポ
リイミドにする。イミド化反応によって生じた水は閉環
反応を妨害するため、水と相溶しない有機溶剤を系中に
加えて共沸させてディーン・スターク(Dean-Stark)管
などの装置を使用して系外に排出する。水と相溶しない
有機溶剤としてはジクロルベンゼンが知られているが、
エレクトロニクス用としては塩素成分が混入する恐れが
あるので、好ましくは前記芳香族炭化水素を使用する。
また、イミド化反応の触媒として無水酢酸、β-ピコリ
ン、ピリジンなどの化合物を使用することは妨げない。
【0023】本発明において、イミド閉環は程度が高い
ほど良く、イミド化率が低いと使用時の熱でイミド化が
起こり水が発生して好ましくないため、95%以上、よ
り好ましくは98%以上のイミド化率が達成されている
ことが望ましい。
【0024】本発明のポリイミド樹脂の使用方法や用途
は特に限定されるものではないが、樹脂ワニスをそのま
まコーティングやディッピングに用いる他にワニスを流
延成形後乾燥しフィルムにする事も可能である。また固
体で押出成形用の樹脂として使用することも可能であ
る。固体にする方法としては貧溶媒への再沈殿等があ
る。樹脂ワニスで用いる場合でも特に不純物や異物等を
嫌うエレクトロニクス用途等に使用する場合は一度再沈
殿し固体にした樹脂を再度有機溶剤に溶解し濾過をして
用いることが好ましい。
【0025】本発明のポリイミド樹脂は、有機溶剤に可
溶な特定構造のほぼ完全にイミド化されたポリイミド樹
脂である。ポリイミドの原料であるシリコーンジアミン
の鎖長と量比を限定することによって低吸湿性、低温加
工性を維持したまま従来のシリコーン変性ポリイミドを
遥かに上回る耐熱性を達成する事ができる。以下実施例
により本発明を詳細に説明するが、これらの実施例に限
定されるものではない。
【0026】
【実施例】
(実施例1)乾燥窒素ガス導入管、冷却器、温度計、撹
拌機を備えた四口フラスコに脱水精製したNMP363
gを入れ、窒素ガスを流しながら10分間激しくかき混
ぜる。次にビス−4−(4−アミノフェノキシ)フェニ
ルスルフォン69.200g(0.16モル)と1,3
−ビス(アミノプロピル)テトラメチルシロキサン9.
444g(0.038モル)とα,ω−ビス(3−アミ
ノプロピル)ポリジメチルシロキサン1.674g(平
均分子量837、0.002モル)を投入し、系を60
℃に加熱し均一になるまでかき混ぜる。均一に溶解後、
系を氷水浴で5℃に冷却し、3,3’,4,4’−ジフ
ェニルスルホンテトラカルボン酸二無水物70.939
g(0.2モル)を粉末状のまま10分間かけて添加
し、その後5時間撹拌を続けポリアミド酸溶液を得た。
この間フラスコは5℃に保った。
【0027】その後、窒素ガス導入管と冷却器を外し、
キシレンを満たしたディーン・スターク管をフラスコに
装着し、系にキシレンを添加した。氷水浴から油浴に替
えて系を加熱し発生する水を系外に除いた。4時間加熱
したところ、系からの水の発生は認められなくなった。
冷却後この反応溶液を大量のメタノール中に投入しポリ
イミド樹脂を析出させた。固形分を濾過後、80℃で1
2時間減圧乾燥して固形樹脂を得た。KBr錠剤法で赤
外吸収スペクトルを測定したところ、環状イミド結合に
由来5.60μmの吸収を認めたが、アミド結合に由来
する6.06μmの吸収を認めることができず、この樹
脂はほぼ100%イミド化していることが確認できた。
このポリイミド樹脂の加熱時の発生ガスをパージアンド
トラップGC−MS法で測定したところ、350℃で5
分間の加熱による式(1)で表される環状シロキサンの
発生量の総和は樹脂の0.0073重量%であった。
【0028】このようにして得たポリイミド樹脂をシク
ロヘキサノンに溶解し、固形分25%のポリイミド樹脂
ワニスを調整した。このワニスをリバースロールコータ
ーで二軸延伸ポリエステルフィルム(商品名ダイアホイ
ル、厚さ50μm、三菱レーヨン(株)社製)に塗布
し、乾燥後二軸延伸ポリエステルフィルムから剥離し、
30μmの厚みの支持体なしの均一なフィルムを得た。
乾燥温度は最高180℃で乾燥時間6分であった。剥離
は容易で特に支障はなかった。このフィルムをステンレ
ス板に熱圧着して試験片を作製し(300℃2秒間熱圧
着し、圧を開放後300℃で30秒間アニールした。接
着面にかかる圧力はゲージ圧力と接着面積から計算の結
果4kgf/cm2であった。)、この試験片の180
度ピール強度は1.6kgf/cmであり、優れた接着
力を示した。また貼り付け時のテープからの分解ガスに
よる汚染の有無を調べるためにテープ貼り付け部近傍の
ステンレス面に対する純水の接触角を貼り付け前後で測
定したが前後とも60゜で変化は見られなかった。
【0029】(実施例2〜7)実施例1と同様にして第
1表に示す配合にてポリイミド樹脂およびその有機溶剤
溶液およびフィルムを作成し、実施例1と同様の評価を
行った結果を第1表に示す。
【0030】
【表1】
【0031】なお第1表でDSDAは3,3’,4,
4’−ジフェニルスルホンテトラカルボン酸二無水物
を、BTDAは4,4’−ベンゾフェノンテトラカルボ
ン酸二無水物を、PMDAは無水ピロメリット酸を、P
Aは無水フタル酸を、BAPPは2,2−ビス(4−
(4−アミノフェノキシ)フェニル)プロパンを、1,
4−BPBは1,4−ビス(4−アミノフェノキシ)ベ
ンゼンを、BAPSはビス−4−(4−アミノフェノキ
シ)フェニルスルフォンを、25DPXは2,5−ジメ
チル−p−フェニレンジアミンを、APDSは1,3−
ビス(アミノプロピル)テトラメチルシロキサンを、A
PPSはα,ω−ビス(3−アミノプロピル)ポリジメ
チルシロキサンを、PPAはp−フェノキシアニリンを
それぞれ略記したものである。
【0032】(比較例1〜5)実施例1と同様にして第
2表に示す配合にてポリイミド樹脂およびその有機溶剤
溶液およびフィルムの作成を試みた。得られた評価結果
を第2表に示す。
【0033】
【表2】
【0034】以上の実施例から本発明により有機溶剤に
可溶で低温加工性および高温での耐熱性の両立したポリ
イミド樹脂が得られることが示される。
【0035】
【発明の効果】本発明によれば、耐熱性と低温加工性を
両立させたポリイミド樹脂を提供することが可能であ
る。低沸点溶媒に可溶であるため残留溶媒をほぼ完全に
なくすことが可能で、また既にイミド化されているた
め、加工時にイミド化のための高温過程が不要で水分の
発生もない。このため高信頼性と耐熱性を要求するエレ
クトロニクス用材料として工業的に極めて利用価値が高
い。

Claims (7)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 250℃以上350℃以下の温度で5分
    間加熱した時に式(1)で表される環状シロキサンガス
    の発生量が樹脂の0.02重量%未満であることを特徴
    とし、かつ式(2)で表されるシリコーンジアミンと
    3,3’,4,4’−ジフェニルスルホンテトラカルボ
    ン酸二無水物を必須成分とするシリコーン変性ポリイミ
    ド樹脂。 【化1】 (nは3以上の整数) 【化2】 (式中R1は2価の炭化水素基)
  2. 【請求項2】 式(2)で表されるシリコーンジアミン
    aモルと式(3)で表されるシリコーンジアミンbモル
    および他のジアミンcモルをアミン成分、3,3’,
    4,4’−ジフェニルスルホンテトラカルボン酸二無水
    物dモルと他の酸二無水物eモルを酸成分とし、かつ
    0.02≦a/(a+b+c)≦0.50かつb/(a
    +b+c)≦0.02かつ0.6≦d/(d+e)かつ
    0.96≦(d+e)/(a+b+c)≦1.04のモ
    ル比で両成分を反応させイミド閉環せしめた有機溶剤に
    可溶な請求項1記載のポリイミド樹脂。 【化3】 (式中R2は2価の炭化水素基、nは2〜20の整数)
  3. 【請求項3】 式(2)で表されるシリコーンジアミン
    aモルと式(3)で表されるシリコーンジアミンbモル
    および他のジアミンcモルをアミン成分、3,3’,
    4,4’−ジフェニルスルホンテトラカルボン酸二無水
    物dモルと3,3’,4,4’−ベンゾフェノンテトラ
    カルボン酸二無水物eモルを酸成分とし、かつ0.02
    ≦a/(a+b+c)≦0.50かつb/(a+b+
    c)≦0.02かつ0.6≦d/(d+e)かつ0.9
    6≦(d+e)/(a+b+c)≦1.04のモル比で
    両成分を反応させイミド閉環せしめた有機溶剤に可溶な
    請求項1記載のポリイミド樹脂。
  4. 【請求項4】 式(2)で表されるシリコーンジアミン
    aモルと式(3)で表されるシリコーンジアミンbモル
    および他のジアミンcモルをアミン成分、3,3’,
    4,4’−ジフェニルスルホンテトラカルボン酸二無水
    物dモルと他の酸二無水物eモルを酸成分とし、該ポリ
    イミド樹脂の分子末端を一般式(4)で表される酸無水
    物fモルでエンドキャップし、かつ0.02≦a/(a
    +b+c)≦0.50かつb/(a+b+c)≦0.0
    2かつ0.6≦d/(d+e+0.5f)かつ0.00
    2≦0.5f/(d+e+0.5f)≦0.05かつ
    0.96≦(d+e+0.5f)/(a+b+c)≦
    1.04のモル比で両成分を反応させイミド閉環せしめ
    た有機溶剤に可溶な請求項1記載のポリイミド樹脂。 【化4】
  5. 【請求項5】 式(2)で表されるシリコーンジアミン
    aモルと式(3)で表されるシリコーンジアミンbモル
    および他のジアミンcモルをアミン成分、3,3’,
    4,4’−ジフェニルスルホンテトラカルボン酸二無水
    物dモルと他の酸二無水物eモルを酸成分とし、該ポリ
    イミド樹脂の分子末端を一般式(5)で表される芳香族
    アミンgモルでエンドキャップし、かつ0.02≦a/
    (a+b+c+0.5g)≦0.50かつb/(a+b
    +c+0.5g)≦0.02かつ0.002≦0.5g
    /(a+b+c+0.5g)≦0.05かつ0.6≦d
    /(d+e)かつ0.96≦(d+e)/(a+b+c
    +0.5g)≦1.04のモル比で両成分を反応させイ
    ミド閉環せしめた有機溶剤に可溶な請求項1記載のポリ
    イミド樹脂。 【化5】 (式中Yは水素原子、あるいはメチル、エチル、プロピ
    ル、ブチル、フェニル、メトキシ、エトキシ、プロポキ
    シ、ブトキシもしくはフェノキシ基の中から選ばれた少
    なくとも1種類の基)
  6. 【請求項6】 式(2)で表されるシリコーンジアミン
    aモルと式(3)で表されるシリコーンジアミンbモル
    および他のジアミンcモルをアミン成分、3,3’,
    4,4’−ジフェニルスルホンテトラカルボン酸二無水
    物dモルと3,3’,4,4’−ベンゾフェノンテトラ
    カルボン酸二無水物eモルを酸成分とし、該ポリイミド
    樹脂の分子末端を一般式(4)で表される酸無水物fモ
    ルでエンドキャップし、かつ0.02≦a/(a+b+
    c)≦0.50かつb/(a+b+c)≦0.02かつ
    0.6≦d/(d+e+0.5f)かつe/(d+e+
    0.5f)≦0.4かつ0.002≦0.5f/(d+
    e+0.5f)≦0.05かつ0.96≦(d+e+
    0.5f)/(a+b+c)≦1.04のモル比で両成
    分を反応させイミド閉環せしめた有機溶剤に可溶な請求
    項1記載のポリイミド樹脂。
  7. 【請求項7】 式(2)で表されるシリコーンジアミン
    aモルと式(3)で表されるシリコーンジアミンbモル
    および他のジアミンcモルをアミン成分、3,3’,
    4,4’−ジフェニルスルホンテトラカルボン酸二無水
    物dモルと3,3’,4,4’−ベンゾフェノンテトラ
    カルボン酸二無水物eモルを酸成分とし該ポリイミド樹
    脂の分子末端を一般式(5)で表される芳香族アミンg
    モルでエンドキャップし、かつ0.02≦a/(a+b
    +c+0.5g)≦0.50かつb/(a+b+c+
    0.5g)≦0.02かつ0.002≦0.5g/(a
    +b+c+0.5g)≦0.05かつ0.6≦d/(d
    +e)かつ0.96≦(d+e)/(a+b+c+0.
    5g)≦1.04のモル比で両成分を反応させイミド閉
    環せしめた有機溶剤に可溶な請求項1記載のポリイミド
    樹脂。
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