JPH0525453A - 耐熱性樹脂接着剤 - Google Patents
耐熱性樹脂接着剤Info
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- JPH0525453A JPH0525453A JP27445991A JP27445991A JPH0525453A JP H0525453 A JPH0525453 A JP H0525453A JP 27445991 A JP27445991 A JP 27445991A JP 27445991 A JP27445991 A JP 27445991A JP H0525453 A JPH0525453 A JP H0525453A
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Abstract
20〜80モル%及び芳香族ジアミン20〜80モル%
とビフェニルテトラカルボン酸から得られた特定のポリ
イミドシロキサン100重量部、(b)エポキシ基を有
するエポキシ化合物10〜500重量部及び(c)エポ
キシ硬化剤を含有。 (式中のRは、2価の炭化水素残基、R1、R2、R3
及びR4は低級アルキル基又はフェニル基、nは3〜6
0の整数を示す。) 【効果】各種金属箔と、耐熱性フィルム、無機質シート
などの耐熱性支持材料との張り合わせを比較的低温で行
うことができると共に、この積層体は、接着剤層が充分
な接着力、優れた柔軟性、耐熱性を示すので、例えば、
フレキシブル配線基板、TAB用銅張基板など柔軟な材
料の製造においてハンダ処理などの各種の高温処理工程
を安心して行うことができ、不良率を低下できる。
Description
のポリイミドシロキサン、(b)エポキシ基を有するエ
ポキシ化合物、及び(c)エポキシ硬化剤が、樹脂成分
として特定の組成比で含有されている耐熱性樹脂接着剤
に係わるものである。
各種金属箔と、耐熱性支持材料(例えば、耐熱性フィル
ム、無機シートなど)との張り合わせを比較的低温で行
うことができると共に、前記耐熱性樹脂接着剤で張り合
わされた積層体は、接着剤層が充分な接着力を示し、し
かも、優れた耐熱性を示すので、例えば、フレキシブル
配線基板、TAB(Tape Automated B
onding)用銅張基板などの製造に使用すれば、そ
の耐熱性接着剤を使用して得られた各基板が、その後の
ハンダ処理などの各種の高温処理工程を安心して行うこ
とができ、最終製品の品質を高めたり、不良率を低下さ
せたりできる。
ポキシ樹脂やウレタン樹脂などの接着剤を用いて、芳香
族ポリイミドフィルムと銅箔とを張り合わせることによ
って製造されていることが多かった。
たフレキシブル配線基板は、その後のハンダ工程で高温
に曝されると、接着剤層において、ふくれや剥がれを生
じるという問題があり、接着剤の耐熱性の向上が望まれ
ていた。
が提案されており、例えば、N,N’−(4,4’−ジ
フェニルメタン)ビスマレイミドと、4,4’−ジアミ
ノジフェニルメタンからなる予備縮合物が知られてい
る。しかし、この予備縮合物自体は、脆いために、フレ
キシブル回路用基板用の接着剤としては適していない。
ェノンテトラカルボン酸と芳香族ジアミンとから得られ
る芳香族ポリイミドとポリビスマレイミドとを混合した
樹脂組成物から接着性フィルム(ドライフィルム)を形
成し、その接着性フィルムをポリイミドフィルムなどの
耐熱性フィルムと銅箔との間に挟み込んで熱圧着する方
法が提案されている。(特開昭62−232475号公
報および特開昭62−235382号公報を参照)
点が180℃以上であり、ポリイミドフィルムと銅箔と
の接着を、約260〜280℃程度の高い温度下で、し
かも約30〜60kg/cm2程度の高い圧力下で行う
必要があり、このような接着条件では、有機樹脂製の圧
着ロールを使用して連続的に、ポリイミドフィルムと銅
箔とをラミネートすることが極めて困難であり、実用性
という点で問題であった。
用組成物として、芳香族ポリイミド等にエポキシ樹脂を
配合した樹脂溶液(ワニス)が、前記樹脂硬化物からな
る耐熱性コーティング層と配線板等との接着性を改良す
るために、種々提案されている。
基板の製造における『銅箔と芳香族ポリイミドフィルム
とを接着するための接着剤』としては、張り合わせ又は
硬化の温度が高くなったり、芳香族ポリイミドとエポキ
シ樹脂との相溶性又は芳香族ポリイミドと溶媒との相溶
性が低かったり、あるいは接着・硬化した後の接着剤層
が柔軟でなかったりという問題があり、実際に接着剤と
して使用できるものではなかった。
は、前述の公知の接着剤における問題点が解消されてい
て、接着剤溶液の塗布、乾燥、銅箔のラミネート、及
び、接着剤層の硬化からなる工程を経て、耐熱性フィル
ムと各種金属箔とを好適に張り合わすことができる、
『軟化温度の低い耐熱性樹脂接着剤』を提供することを
目的とするものである。
フェニルテトラカルボン酸類を主成分とする芳香族テト
ラカルボン酸成分と、一般式I
基を示し、R1、R2、R3及びR4は、低級アルキル
基又はフェニル基を示し、nは3〜60、好ましくは5
〜50の整数を示す。)で示されるジアミノポリシロキ
サン20〜80モル%、及び、芳香族ジアミン20〜8
0モル%からなるジアミン成分とから得られた可溶性の
ポリイミドシロキサン100重量部、
物10〜500重量部、好ましくは20〜450、及び
(c) エポキシ硬化剤が、樹脂成分として含有されて
いることを特徴とする耐熱性樹脂接着剤に関する。
ンは、3,3’,4,4’−又は2,3,3’,4’−
ビフェニルテトラカルボン酸類(好ましくは2,3,
3’,4’−ビフェニルテトラカルボン酸又はその酸二
無水物、或いはその酸エステル化物)を主成分とする
(60モル%以上、特に80〜100モル%含有する)
芳香族テトラカルボン酸成分と、前記一般式Iで示さ
れるジアミノポリシロキサン20〜80モル%(特に2
0〜70モル%、更に好ましくは22〜66モル%)、
及び、芳香族ジアミン20〜80モル%(特に30〜
80モル%、更に好ましくは34〜78モル%)からな
るジアミン成分とを、重合及びイミド化することにより
得られた高分子量のポリイミドシロキサンが好ましい。
(測定濃度;0.5g/100ml溶媒、溶媒;N−メ
チル−2−ピロリドン:NMP、測定温度;30℃)が
0.05〜7、特に0.07〜4、さらに0.1〜3程
度である重合体であり、さらに、有機極性溶媒のいずれ
かに(特にアミド系溶媒)少なくとも3重量%、特に5
〜40重量%程度の濃度で均一に溶解させることができ
ることが好ましい。
収スペクトル分析法で測定したイミド化率が90%以
上、特に95%以上であるか、赤外線吸収スペクトル分
析においてポリマーのアミド−酸結合に係わる吸収ピー
クが実質的に見出されず、イミド環結合に係わる吸収ピ
ークのみが見られるような高いイミド化率であることが
好ましい。
ィルムに成形した場合に、その弾性率が250kg/m
m2以下、特に好ましくは200kg/mm2以下、さ
らに好ましくは0.5〜150kg/mm2であって、
熱分解開始温度が250℃以上、特に好ましくは300
℃以上であり、そして、二次転位温度が−10℃以上、
特に30〜250℃程度、あるいは、軟化温度が−10
℃以上、特に5〜250℃程度であることが好ましい。
えば、2,3,3’,4’−ビフェニルテトラカルボン
酸類を約60モル%以上含有する芳香族テトラカルボン
酸成分と、前記一般式Iで示されるジアミノポリシロ
キサン20〜80モル%及び芳香族ジアミン20〜8
0モル%からなるジアミン成分とを使用して、フェノー
ル系溶媒、アミド系溶媒、硫黄原子を有する化合物の溶
媒、グリコール系溶媒、アルキル尿素系溶媒などの有機
極性溶媒中で、高温下(特に好ましくは140℃以上の
温度下)に、両モノマー成分を重合及びイミド化すると
いう製法を挙げることができる。
2,3,3’,4’−ビフェニルテトラカルボン二無水
物(a−BPDA)が、ジアミン成分との重合によって
得られたポリイミドシロキサンの有機極性溶媒に対する
溶解性及びエポキシ化合物との相溶性の点で最適であ
る。
としては、前記の芳香族テトラカルボン酸成分とジアミ
ン成分とを有機極性溶媒中で0〜80℃の低温下に重合
して、対数粘度が0.05以上であるポリアミック酸を
製造し、そのポリアミック酸を何らかの公知の方法でイ
ミド化して可溶性のポリイミドシロキサンを製造する方
法であってもよい。
法においては、前述の芳香族テトラカルボン酸成分の過
剰量とジアミノシロキサンのみからなるジアミン成分と
を重合して得られたイミドシロキサンオリゴマー(X成
分:平均重合度が1〜10程度であり、末端に酸又は酸
無水基を有する。)、および、前記の芳香族テトラカル
ボン酸成分と芳香族ジアミンのみからなるジアミン成分
の過剰量とを重合して得られたイミドオリゴマー(Y成
分:重合度が1〜10程度であり、末端にアミノ基を有
する。)を準備して、次いで、前記X成分及びY成分
を、両者の全酸成分と全ジアミン成分との比が略等モル
付近となるように混合し反応させて、ブロックポリイミ
ドシロキサンを製造する方法も好適に挙げることができ
る。
リイミドシロキサンが、ビフェニルテトラカルボン酸類
以外の他のテトラカルボン酸類を主成分として製造され
たものであると、そのポリイミドシロキサンが有機極性
溶媒に対して難溶性となったり、エポキシ樹脂との相溶
性が悪化したりするので適当ではない。
される芳香族テトラカルボン酸成分として、a−BPD
Aなどと共に使用することができるテトラカルボン酸化
合物としては、例えば、3,3’,4,4’−ベンゾフ
ェノンテトラカルボン酸、3,3’,4,4’−ジフェ
ニルエーテルテトラカルボン酸、ビス(3,4−ジカル
ボキシフェニル)メタン、2,2−ビス(3,4−ジカ
ルボキシフェニル)プロパン、ピロメリット酸、また
は、それらの酸二無水物、エステル化物などを好適に挙
げることができる。
される前記一般式Iで示されるポリシロキサンとして
は、一般式I中のRが炭素数2〜6個、特に3〜5個の
『複数のメチレン基』またはフェニレン基からなる2価
の炭化水素残基であり、R1〜R4がメチル基、エチル
基、プロピル基等の炭素数1〜5個の低級アルキル基ま
たはフェニル基であることが好ましく、さらに、nが特
に5〜20、さらに好ましくは5〜15程度であること
が好ましい。
される芳香族ジアミンとしては、例えば、(a) ビフ
ェニル系ジアミン化合物、ジフェニルエーテル系ジアミ
ン化合物、ベンゾフェノン系ジアミン化合物、ジフェニ
ルスルホン系ジアミン化合物、ジフェニルメタン系ジア
ミン化合物、2,2−ビス(フェニル)プロパンなどの
ジフェニルアルカン系ジアミン化合物、2,2−ビス
(フェニル)ヘキサフルオロプロパン系ジアミン系化合
物、ジフェニレンスルホン系ジアミン化合物、
ミン化合物、ジ(フェニル)ベンゼン系ジアミン化合
物、(c) ジ(フェノキシフェニル)ヘキサフルオロ
プロパン系ジアミン系化合物、ジ(フェノキシフェニ
ル)プロパン系ジアミン系化合物、ジ(フェノキシフェ
ニル)スルホン系ジアミン化合物などの『芳香族環(ベ
ンゼン環など)を2個以上、特に2〜5個有する芳香族
ジアミン化合物』を主として含有する芳香族ジアミンを
挙げることができ、それらを単独、あるいは、混合物と
して使用することができる。
4−ジアミノジフェニルエーテル、1,3−ジアミノジ
フェニルエーテルなどのジフェニルエーテル系ジアミン
化合物、1,3−ジ(4−アミノフェノキシ)ベンゼ
ン、1,4−ジ(4−アミノフェノキシ)ベンゼンなど
のジ(フェノキシ)ベンゼン系ジアミン化合物、2,2
−ジ〔4−(4−アミノフェノキシ)フェニル〕プロパ
ン、2,2−ジ〔4−(3−アミノフェノキシ)フェニ
ル〕プロパン等のジ(フェノキシフェニル)プロパン系
ジアミン系化合物、ビス〔4−(4−アミノフェノキ
シ)フェニル〕スルホン、ビス〔4−(3−アミノフェ
ノキシ)フェニル〕スルホンなどのジ(フェノキシフェ
ニル)スルホン系ジアミン化合物などの『芳香族環を2
〜4個有する芳香族ジアミン化合物』を主として(90
モル%以上)含有する芳香族ジアミンを好適に挙げるこ
とができる。
れる有機極性溶媒としては、例えば、N,N−ジメチル
アセトアミド、N,N−ジエチルアセトアミド、N,N
−ジメチルホルムアミド、N,N−ジエチルホルムアミ
ド、N−メチル−2−ピロリドンなどのアミド系溶媒、
ジメチルスルホキシド、ジエチルスルホキシド、ジメチ
ルスルホン、ジエチルスルホン、ヘキサメチルスルホル
アミドなどの硫黄原子を含有する溶媒、クレゾール、フ
ェノール、キシレノールなどのフェノール系溶媒、アセ
トン、メタノール、エタノール、エチレングリコール、
ジオキサン、テトラヒドロフランなどの酸素原子を分子
内に有する溶媒、ピリジン、テトラメチル尿素などのそ
の他の溶媒を挙げることができ、さらに、必要であれ
ば、ベンゼン、トルエン、キシレンなどの芳香族炭化水
素系の溶媒、ソルベントナフサ、ベンゾニトリルのよう
な他の種類の有機溶媒を併用することも可能である。
されるエポキシ基を有するエポキシ化合物としては、例
えば、ビスフェノールA型エポキシ樹脂、ビスフェノー
ルF型エポキシ樹脂、フェノールノボラック型エポキシ
樹脂、グリシジルエーテル型エポキシ樹脂、グリシジル
エステル型エポキシ樹脂、グリシジルアミン型エポキシ
樹脂などの『1個以上のエポキシ基を有するエポキシ化
合物』を挙げることができ、前述の各種のエポキシ樹脂
を複数併用することもできる。この発明では、エポキシ
樹脂は、融点が90℃以下、特に0〜80℃程度である
もの、あるいは、30℃以下の温度で液状であるものが
特に好ましい。
ては、前述のエポキシ化合物(樹脂組成物)の適当な硬
化剤、硬化促進剤などが少量添加されていてもよい。前
記のエポキシ化合物の硬化剤、硬化促進剤としては、イ
ミダール類、第3級アミン類、フェノール類、トリフェ
ニルフォスフィン類、ジシアンジアミド類、ヒドラジン
類、芳香族ジアミン類、有機過酸化物などを挙げること
ができる。
適宜決めることができるが、エポキシ樹脂100重量部
に対して0.01〜60重量部、特に0.03〜50重
量部程度使用することことが好ましい。
に、(a−1)前記のビフェニルテトラカルボン酸類を
主成分とする芳香族テトラカルボン酸成分と、前述の一
般式Iで示されるジアミノポリシロキサン20〜80モ
ル%及び芳香族ジアミン20〜80モル%からなる芳香
族ジアミン成分とから得られた可溶性のポリマーであっ
て、フィルムに形成した場合に弾性率が150kg/m
m2以下、特に好ましくは0.5〜100kg/mm2
であって、さらに、そのフィルムの軟化温度が5℃以
上、特に5〜250℃程度であるポリイミドシロキサ
ン、
合物10〜100重量部、好ましくは20〜80重量
部、および、(c−1)エポキシ硬化剤がエポキシ化合
物100重量部に対して0.01〜60重量部、特に
0.03〜50重量部が樹脂成分としてとして含有され
ている耐熱性樹脂接着剤が、金属箔と耐熱性フィルムと
を比較的低い接着温度で接着させることができると共
に、接着剤層として加熱硬化された後にもかなり柔軟性
を有しているので好適である。
前述の種々の優れた点を有していると共に、厚さ5〜1
50μm程度の柔軟な耐熱性樹脂フィルムと銅箔、アル
ミニウム箔などの金属箔とがこの接着剤層を介して接合
して得られた金属箔張合わせ材料(フレキシブル銅張り
板)をエッチング処理して配線基板とした場合に、接着
操作において加熱硬化された接着剤層が極めて柔軟であ
って、その配線基板が極めて激しいカールを生じること
がないのである。
リイミドシロキサンと、エポキシ化合物と、エポキシ硬
化剤とからなる特定の組成比の樹脂成分が、主成分とし
て(特に好ましくは90重量%以上、さらに好ましくは
95〜100重量%程度)含有されている耐熱性樹脂接
着剤であればよいが、前記の全樹脂成分が、適当な有機
極性溶媒中に、特に3〜50重量%、さらに好ましくは
5〜40重量%の濃度で、均一に溶解されている耐熱性
樹脂接着剤の溶液組成物であってもよい。
の溶液粘度(30℃)が、0.1〜10000ポイズ、
特に0.2〜5000ポイズ、さらに1〜1000ポイ
ズ程度であることが好ましい。
前記樹脂成分の1〜50重量%、特に5〜40重量%の
濃度で均一に分散されている耐熱性樹脂接着剤の溶液組
成物であってもよい。
硬化の樹脂成分のみの組成物の軟化点(熱板上で軟化が
開始する温度)が、150℃以下、特に120℃以下、
さらに好ましくは100℃以下であることが好ましい。
この発明の耐熱性樹脂接着剤は、130〜400℃、さ
らに好ましくは140〜350℃の硬化温度に加熱する
ことによって熱硬化することができるものであることが
好ましい。
脂成分として、フェノール樹脂などの他の熱硬化性樹脂
などが少ない割合で含有されていてもよい。前記の耐熱
性樹脂接着剤の溶液組成物を調製する際に使用される有
機極性溶媒は、前述のポリイミドシロキサンの製造に使
用される有機極性溶媒をそのまま使用することができ、
例えば、ジオキサン、テトラヒドロフランなどの酸素原
子を分子内に有する有機極性溶媒を好適に使用すること
がでる。
脂成分の全てが有機極性溶媒に均一に溶解されている耐
熱性の接着剤の溶液組成物を、適当な金属箔、芳香族ポ
リイミドフィルムなどの耐熱性フィルム面、または、ポ
リエステルやポリエチレンなどの熱可塑性樹脂性のフィ
ルム面上に塗布し、その塗布層を60〜140℃、特に
80〜130℃の温度で20秒〜100分間、特に30
〜60分間乾燥することによって、実質的に溶媒が除去
された(好ましくは溶媒残存割合が1重量%以下、特に
0.5重量%以下である)未硬化状態の耐熱性樹脂接着
剤の薄膜(厚さが約1〜200μmであるドライフィル
ムまたはシート)を形成することができる。
性接着剤の薄膜は、好適な柔軟性を有しており、紙管な
どに巻きつけたり、また、打ち抜き法などの穴開け加工
をすることもでき、さらに、例えば、前記の耐熱性又は
熱可塑性フィルム上に未硬化の耐熱性接着剤の薄層が形
成されている積層シートと、転写先用の金属箔または耐
熱性フィルムなどとを重ね合わせて、約20〜140
℃、特に30〜130℃の温度に加熱された一対のロー
ル(ラミネートロール)間を通すことによって転写先用
の金属箔又は耐熱性フィルム上に転写することも可能で
ある。
熱性フィルムと金属箔などとを接合させて銅張基板など
の積層体を形成するには、例えば、前述のように形成さ
れた薄膜状の耐熱性樹脂接着剤を介して、耐熱性フィル
ムと金属箔とを80〜190℃、特に100〜180℃
の温度でラミネート(張り合わせ)して、さらに、その
ラミネートされたものを、80〜350℃の温度で、3
0分間〜40時間、特に1〜30時間加熱して、前記耐
熱性の接着剤層を加熱硬化させることによって、前述の
積層体を何らの支障もなく容易に連続的に製造すること
ができる。
リイミドフィルム、ポリアミドフィルム、ポリエーテル
エーテルケトン、PEEKフィルム、ポリエーテルスル
ホンフィルムなどの耐熱性フィルムと、銅箔などの適当
な金属箔と接合するために好適に使用することができ
る。
く説明する。以下の実施例においては、対数粘度(η
inh)は、樹脂成分濃度が0.5g/100ml溶媒
となるように、芳香族ポリイミドまたはイミドオリゴマ
ーを,N−メチル−2−ピロリドンに均一に溶解して樹
脂溶液を調製し、その溶液の溶液粘度および溶媒のみの
溶液粘度を30℃で測定して下記の計算式で算出された
値である。
り試験機を用いて、剥離速度50mm/分でT型剥離試
験を行って測定した結果である。
板を形成し、その銅箔をエッチング処理して除去した後
の配線板のカール性を示す曲率半径は、JIS規格C5
012に示された計算式〔曲率半径(mm)=L2/8
h(L:試料長さ、h:そり高さ)〕で算出された値で
ある。
ミリリットルのガラス製フラスコに、 (a)2,3,3’,4’−ビフェニルテトラカルボン
酸二無水物(a−BPDA)88.27g(0.3モ
ル) (b)一般式Iで示されるジアミノシロキサン(R:−
CH2CH2CH2−、R1〜R4:−CH3、n:
9)176g(0.2モル)、および、 (c)N−メチル−2−ピロリドン(NMP)195
7.08g を仕込み、窒素気流中、50℃で2時間攪拌して、アミ
ック酸オリゴマーを生成させ、次いで、その反応液を約
200℃に昇温し、その温度で3時間攪拌して末端に無
水基を有するイミドシロキサンオリゴマー(X1成分、
平均重合度:2)を生成させた。
ミリリットルのガラス製フラスコに、 (a)2,3,3’,4’−ビフェニルテトラカルボン
酸二無水物(a−BPDA)205.95g(0.7モ
ル) (b)一般式Iで示されるジアミノシロキサン(R:−
CH2CH2CH2−、R1〜R4:−CH3、n:
9)528g(0.6モル)、および、 (c)N−メチル−2−ピロリドン(NMP)105
7.08g を仕込み、窒素気流中、50℃で2時間攪拌してアミッ
ク酸オリゴマーを生成させ、次いで、その反応液を約2
00℃に昇温して、その温度で3時間攪拌して末端に無
水基を有するイミドシロキサンオリゴマー(X5成分、
平均重合度:6)を生成させた。
ルのガラス製フラスコに、 (a)2,3,3’,4’−ビフェニルテトラカルボン
酸二無水物(a−BPDA)58.84g(0.2モ
ル)、 (b)2,2−ビス〔4−(4−アミノフェノキシ)フ
ェニル〕プロパン(BAPP)123.16g(0.3
モル) (c)N−メチル−2−ピロリドン(NMP)185
5.58g を仕込み、窒素気流中、50℃で2時間攪拌してアミッ
ク酸オリゴマーを生成させ、次いで、その反応液を約2
00℃に昇温して、その温度で3時間攪拌して末端にア
ミノ基を有するイミドオリゴマー(Y1成分、平均重合
度:2)を生成させた。
ルのガラス製フラスコに、 (a)2,3,3’,4’−ビフェニルテトラカルボン
酸二無水物(a−BPDA)176.53g(0.6モ
ル) (b)2,2−ビス〔4−(4−アミノフェノキシ)フ
ェニル〕プロパン(BAPP)287.36g(0.7
モル) (c)N−メチル−2−ピロリドン(NMP)185
5.58g を仕込み、窒素気流中、50℃で2時間攪拌してアミッ
ク酸オリゴマーを生成させ、次いで、その反応液を約2
00℃に昇温して、その温度で3時間攪拌して末端にア
ミノ基を有するイミドオリゴマー(Y5成分、平均重合
度:6)を生成させた。
されたイミドシロキサンオリゴマー(X1成分)25.
71g、参考例4において製造されたイミドオリゴマー
(Y5成分)44.23g、および、NMP299.7
6gを、容量500mlのガラス製フラスコに仕込み、
窒素気流中、50℃で1時間攪拌して、ポリアミック酸
ブロックポリマーを生成させ、次いで、その反応液を2
00℃に昇温してその温度で3時間攪拌して、ポリイミ
ドシロキサン(ブロックポリマー、X1−Y5)を生成
させた。前記のポリイミドシロキサンは、イミド化率が
95%以上であり、対数粘度が0.49であった。
に示すような量および反応条件で使用したほかは、参考
例5と同様にして、ポリイミドシロキサンをそれぞれ製
造した。製造された各ポリイミドシロキサンの対数粘
度、および、このポリイミドシロキサンからなるフィル
ム(第1表に示す厚さ)の弾性率及び軟化温度を第1表
に示す。
リリットルのガラス製フラスコに、前述の参考例5で製
造されたポリイミドシロキサン(ブロックポリマー、X
1−Y5)60g、エポキシ樹脂(油化シェルエポキシ
社製、商品名:エピコート 152)40g、硬化剤2
−フェニルイミダゾール0.1g、ジオキサン200g
を仕込み、室温(25℃)で、約2時間攪拌して均一な
耐熱性樹脂接着剤の溶液組成物(25℃の粘度:6ポイ
ズ)を調製した。この溶液組成物は、室温に1週間放置
しても均一な溶液の状態を保持していた。
前述の耐熱性樹脂接着剤の溶液組成物をポリイミドフィ
ルム(宇部興産(株)製、商品名:UPILEXSタイ
プ、厚さ75μm)上にドクターブレードで175μm
の厚さで塗布し、次いで、その塗布層を60℃で10分
間、100℃で10分間、さらに、120℃10分間加
熱して乾燥し、ポリイミドフィルム上に厚さ約25μm
の耐熱性樹脂接着剤層(未硬化の乾燥された層、軟化
点:95℃)を形成した。
ドフィルムと銅箔(35μm)とを重ね合わせて、16
0℃に加熱したラミネートロール間で圧力をかけながら
通過させることにより圧着し、この圧着した積層体を1
80℃で2時間、200℃で2時間、220℃で1時
間、240℃で1時間、さらに260℃で10時間、窒
素気流中、加熱処理して耐熱性樹脂接着剤層を硬化さ
せ、積層体を製造した。得られた積層体について、接着
強度を測定し、その結果を第2表に示す。
イミドシロキサンを使用し、各成分の組成を第2表に示
すようにしたほかは、実施例1と同様にして、耐熱性樹
脂接着剤の溶液組成物をそれぞれ調製した。さらに、前
記の各溶液組成物を使用したほかは、実施例1と同様に
して、積層体をそれぞれ製造した。その積層体の性能を
第2表に示す。
リリットルのガラス製フラスコに、前述の参考例5で製
造されたポリイミドシロキサン(ブロックポリマー、X
1−Y5)70g、エポキシ樹脂(油化シェルエポキシ
社製、商品名:エピコート 828および871)30
g、硬化剤2−フェニルイミダゾール0.1g、ジオキ
サン200gを仕込み、室温(25℃)で、約2時間攪
拌して均一な耐熱性樹脂接着剤の溶液組成物(25℃の
粘度:25ポイズ)を調製した。この溶液組成物は、室
温に1週間放置しても均一な溶液の状態を保持してい
た。
前記耐熱性樹脂接着剤の溶液組成物をポリイミドフィル
ム(宇部興産(株)製、商品名:UPILEX Sタイ
プ、厚さ75μm)上にドクターブレードで175μm
の厚さで塗布し、次いで、その塗布層を60℃で10分
間、100℃で10分間、さらに、120℃10分間加
熱して乾燥し、ポリイミドフィルム上に厚さ約25μm
の耐熱性樹脂接着剤層(未硬化の乾燥された層、軟化
点:95℃)を形成した。
ドフィルムと銅箔(35μm)とを重ね合わせて、13
0℃に加熱したラミネートロール間で圧力をかけながら
通過させることにより圧着し、この圧着した積層体を8
0℃で2時間、100℃で2時間、120℃で1時間、
140℃で1時間、さらに、160℃で10時間、窒素
気流中、加熱処理して耐熱性樹脂接着剤層を硬化させ、
積層体を製造した。得られた積層体について、接着強度
を測定し、その結果を第3表に示す。
イミドシロキサンを使用し、各成分の組成を第3表に示
すようにしたほかは、実施例7と同様にして、耐熱性樹
脂接着剤の溶液組成物をそれぞれ調製した。さらに、前
記の各溶液組成物を使用したほかは、実施例7と同様に
して、積層体をそれぞれ製造した。その積層体の性能を
第3表に示す。
されている『テトラッド』は三菱ガス化学(株)製のエ
ポキシ樹脂であり、また、『IPU』は岡村製油(株)
製のエポキシ樹脂である。そして、第3表において、各
硬化剤は、実施例7〜8及び12、並びに比較例3及び
4が2−PZ(2−フェニルイミダゾール)であり、実
施例9がDDM(ジアミノジフェニルメタン)であり、
実施例10がDDS(ジアミノジフェニルスルホン)で
あって、さらに実施例11がPHNOV(フェノールノ
ボラック)である。また、第3表におけるイミドシロキ
サン中のシロキサン単位の含有率は、第2表の場合と同
じである。
その溶液組成物を支持フィルム上に塗布し比較的低温で
乾燥することによって、未硬化で薄層状態の耐熱性樹脂
接着剤層を容易に形成することができ、しかも、その薄
層の耐熱性樹脂接着剤層が充分な柔軟性を有しており、
しかも、その支持フィルム上の薄層の耐熱性接着剤層
が、穴開け加工を受けても何ら支障がなく、また、他の
耐熱性フィルム上へ適当な温度で転写することも可能で
あり、そして、耐熱性フィルムと銅箔とのラミネート
(接合)などを比較的低温で実施することができる作業
性のよいものである。
加熱硬化された後であっても、耐熱性(150℃以上の
温度での接着性が優れている)、可とう性などに優れて
いるので、特にフレキシブル配線基板、TAB用銅張り
基板などの柔軟性を必要とする積層材料の接着剤として
好適に使用することができる。
Claims (1)
- 【特許請求の範囲】 【請求項1】(a)ビフェニルテトラカルボン酸類を主
成分とする芳香族テトラカルボン酸成分と、一般式I 【化1】 (ただし、式中のRは2価の炭化水素残基を示し、
R1、R2、R3及びR4は低級アルキル基又はフェニ
ル基を示し、nは3〜60の整数を示す。)で示される
ジアミノポリシロキサン20〜80モル%及び芳香族ジ
アミン20〜80モル%からなるジアミン成分とから得
られた可溶性のポリイミドシロキサン100重量部、 (b) エポキシ基を有するエポキシ化合物10〜50
0重量部、及び (c) エポキシ硬化剤が、樹脂成分として含有されて
いることを特徴とする耐熱性樹脂接着剤。
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