JP2768420B2 - 塗布層を有するポリイミドフィルム基板 - Google Patents

塗布層を有するポリイミドフィルム基板

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JP2768420B2 JP8207080A JP20708096A JP2768420B2 JP 2768420 B2 JP2768420 B2 JP 2768420B2 JP 8207080 A JP8207080 A JP 8207080A JP 20708096 A JP20708096 A JP 20708096A JP 2768420 B2 JP2768420 B2 JP 2768420B2
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】この発明は、芳香族ポリイミ
ドフィルムまたは配線を形成した芳香族ポリイミドフィ
ルムからなるポリイミドフィルム基板に、エポキシ樹脂
の硬化性能を有する共重合ポリイミドシロキサンとエポ
キシ樹脂とを有機溶媒に溶解した樹脂組成物を塗布した
塗布層を有するポリイミドフィルム基板に関する。
【0002】この発明の塗布層を有するポリイミドフィ
ルム基板は、塗布膜の乾燥温度を低くでき、基板に反り
が生じることが少なく、しかも硬化膜と基板との密着性
(接着性)が良好である。
【0003】
【従来の技術】従来、芳香族ポリイミド、エポキシ樹脂
などを電気絶縁性の耐熱性の絶縁性膜として利用するこ
とは、例えば、固体素子への絶縁膜、パッシベ−ション
膜、半導体集積回路、フレキシブル配線板などの層間絶
縁膜などの用途において、すでに種々知られている。
【0004】しかし、一般に、エポキシ樹脂は、硬化剤
の併用が必要であり、その硬化剤に係わる保存安定性、
二液調製のための作業性などの種々の問題があったり、
また、前述の絶縁膜として使用した場合に、熱硬化によ
って形成された絶縁膜が剛直であり、柔軟性に欠け、耐
屈曲性が劣るという問題があった。また、一般に芳香族
ポリイミドは、有機溶媒に溶解し難いために、芳香族ポ
リイミドの前駆体(芳香族ポリアミック酸)の溶液とし
て使用して、塗布膜を形成し、次いで、乾燥とイミド化
とをかなりの高温で長時間、加熱処理することによっ
て、芳香族ポリイミドの保護膜を形成する必要があり、
保護すべき電気又は電子部材自体(例えば配線)が熱的
な劣化をするという問題があった。
【0005】一方、有機溶媒に可溶性の芳香族ポリイミ
ドとしては、例えば、特公昭57−41491号公報に
記載されているようなポリイミドが知られているが、そ
のポリイミドは、シリコ−ンウェハ−、ガラス板、フレ
キシブル基板などの基板との密着性が充分ではなかった
ので予め基板などを密着促進剤で処理しておくなどの方
法をとる必要があった。
【0006】前述の問題点を解決するために、ジアミノ
ポリシリコンをジアミン成分として使用したポリイミド
シロキサンの前駆体が、例えば、特開昭57−1433
28号公報、特開昭58−13631号公報に開示され
ているが、それらのポリイミドシロキサンの前駆体は、
ポリマ−のイミド化のために塗布膜を高温で処理しなけ
ればならないという欠点を有していた。
【0007】また、特開昭61−118424号公報及
び特開昭61−207438号公報、特開昭63−22
5629号公報、特開平1−121325号公報には、
可溶性のポリイミドシロキサンが開示されている。しか
し、それらの各ポリイミドシロキサンは、その製造工程
が数段階に及び、製造に長時間を要するという製造上の
問題があったり、アミン成分として芳香族ジアミンを全
く含んでおらず、耐熱性が低いという問題、種々の有機
溶媒に対する溶解性が必ずしも充分ではないという問
題、あるいは、これらのポリイミドシロキサンの有機溶
媒溶液をフレキシブル銅張り基板上に塗布して乾燥した
場合に、フレキシブル基板が大きくカ−ルするという問
題があった。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】この発明の目的は、基
板に生じるカ−ルが少なく(反りの少ない)、耐熱性の
硬化膜を与える塗布層を有するポリイミドフィルム基板
を提供することである。
【0009】
【課題を解決するための手段】すなわち、この発明は、
芳香族ポリイミドフィルムまたは配線を形成した芳香族
ポリイミドフィルムからなるポリイミドフィルム基板
に、芳香族テトラカルボン酸類とジアミノポリシロキサ
ンと芳香族ジアミンとを重合およびイミド化して得られ
るものであってエポキシ樹脂の硬化性能を有する共重合
ポリイミドシロキサンと、共重合ポリイミドシロキサン
100重量部に対して1〜50重量部のエポキシ樹脂と
を有機溶媒に溶解した樹脂組成物を塗布してなり、この
塗布液の硬化膜について測定したハンダ耐熱性試験によ
る耐熱性が240℃で30秒間保持可能であり、屈曲性
試験による屈曲性が0°Rの折り曲げにおける亀裂の生
成が生じないものであることを特徴とする塗布層を有す
るポリイミドフィルム基板に関する。
【0010】この発明における芳香族ポリイミドフィル
ムまたは配線を形成した芳香族ポリイミドフィルムから
なる基板としては、公知の芳香族ポリイミドフィルム、
またはフレキシブル金属(銅)配線基板(基板フィルム
として芳香族ポリイミドフィルムを使用したもの)など
の芳香族ポリイミドフィルムをベースフィルムとする基
板が使用され、好適には3,3’,4,4’−ビフェニ
ルテトラカルボン酸二無水物とパラフェニレンジアミン
とから得られた芳香族ポリイミドフィルム(例えば、宇
部興産株式会社製UPILEX_S75)をベースフィ
ルムとするポリイミドフィルム基板が挙げられる。
【0011】この発明における塗布層を形成する樹脂組
成物は、芳香族テトラカルボン酸類とジアミノポリシロ
キサンと芳香族ジアミンとを重合およびイミド化して得
られ、エポキシ樹脂の硬化性能を有する共重合ポリイミ
ドシロキサンと、共重合ポリイミドシロキサン100重
量部に対して1〜50重量部のエポキシ樹脂とを有機溶
媒に溶解して得られ、塗布液の硬化膜が下記条件 (1)ハンダ耐熱性試験による耐熱性が240℃で30
秒間保持可能であり、(2)屈曲性試験で0°Rの折り
曲げにおける亀裂の生成が生じないを満足することが必
要であり、これによって基板との密着性、耐熱性と低カ
−ルとを満足する塗布層を有するポリイミドフィルム基
板を得ることができる。
【0012】前記の樹脂組成物の一成分であるエポキシ
樹脂の硬化性能を有し有機溶媒に可溶な共重合ポリイミ
ドシロキサンは、好適には、芳香族テトラカルボン酸類
(好適には2,3,3’,4’−ビフェニルテトラカル
ボン酸類)と、好適には下記一般式で示されるジアミノ
ポリシロキサン(式中、R1 は2価の炭化水素残基を示
し、R2 は独立に炭素数1〜3のアルキル基又はフェニ
ル基を示し、lは3〜30、好ましくは4〜20の整数
を示す。)
【0013】
【化1】
【0014】(好適には45〜80モル%)、ジアミノ
安息香酸(好適には0.5〜40モル%)およびベンゼ
ン環を2個以上有する芳香族ジアミン(好適には5〜5
0モル%)からなるジアミンとを、略等モル、有機極性
溶媒中で、約120℃以上の高温に加熱して、一段で重
合及びイミド化することによって、共重合ポリイミドシ
ロキサンを製造する方法、あるいは、前記の酸成分およ
びジアミン成分を、略等モル、有機極性溶媒中で、80
℃以下の低い温度で重合してポリアミック酸(ポリイミ
ド前駆体)を生成させ、そのポリアミック酸を適当な条
件(化学イミド化、あるいは、高温加熱によるイミド
化)でイミド化して共重合ポリイミドシロキサンを製造
する方法によって製造することができる。
【0015】前記の芳香族テトラカルボン酸類の好適例
である2,3,3’,4’−ビフェニルテトラカルボン
酸類はその一部、特に20モル%以下を他の芳香族テト
ラカルボン酸類で置き換えたものであってもよい。この
ような芳香族テトラカルボン酸類としては、3,3’,
4,4’−ビフェニルテトラカルボン酸、3,3’,
4,4’−ベンゾフェノンテトラカルボン酸、3,
3’,4,4’−ビフェニルエ−テルテトラカルボン
酸、ピロメリット酸、または、それらの酸の二無水物、
あるいは、それらの酸のエステル化物などを挙げること
ができる。これらのなかでも、酸二無水物が一般的であ
る。
【0016】前記の一般式で示されるジアミノポリシロ
キサンとしては、一般式中のR1 が炭素数2〜6、特に
3〜5の複数のメチレン基又はフェニレン基からなる2
価の炭化水素残基であり、R2 が独立にメチル基、エチ
ル基、プロピル基などの炭素数1〜3のアルキル基、又
は、フェニル基であることが好ましく、さらにlが4〜
20、特に5〜15程度であることが好ましい。
【0017】前記のベンゼン環を2個以上有する芳香族
ジアミンとしては、例えば、4,4’−ジアミノジフェ
ニルエ−テル、4,4’−ジアミノジフェニルメタン、
4,4’−ジアミノジフェニルスルフォン、o−トリジ
ン、o−ジアニシジンなどのベンゼン環を2個有する芳
香族ジアミン化合物、1,4−ビス(4−アミノフェノ
キシ)ベンゼン、1,4−ビス(4−アミノフェニル)
ベンゼンなどのベンゼン環を3個有する芳香族ジアミン
化合物、又はビス〔4−(4−アミノフェノキシ)フェ
ニル〕スルホン、2,2−ビス〔4−(4−アミノフェ
ノキシ)フェニル〕プロパン(BAPP)などのベンゼ
ン環を4個有する芳香族ジアミン化合物を好適に挙げる
ことができる。
【0018】また、前記の芳香族ジアミンとしては、ベ
ンゼン環2個以上有する芳香族ジアミン化合物と共に、
全芳香族ジアミンに対して20モル%以下の割合で、ベ
ンゼン環を1個有する芳香族ジアミン化合物を併用する
ことも可能であり、そのようなベンゼン環1個の芳香族
ジアミン化合物としては、例えば、パラフェニレンジア
ミン、メタフェニレンジアミン、2,4−ジアミノトル
エンなどを挙げることができる。
【0019】この発明において使用する共重合ポリイミ
ドシロキサンにおいては、全ジアミン成分に対するジア
ミノポリシロキサンに基づく主鎖単位の含有割合が少な
くなると、ポリイミドシロキサンの有機溶媒に対する溶
解性が低下したり、また、そのようなポリイミドシロキ
サンの有機溶媒溶液を塗布液として使用してポリイミド
フィルム基板上に形成した硬化膜が大きくカ−ルするよ
うになるので適当ではなく、一方、前記ジアミノポリシ
ロキサンに基づく主鎖単位の含有割合が多くなり過ぎる
と、ポリマ−の耐熱性、機械的物性などが低下するので
好ましくない。
【0020】また、共重合ポリイミドシロキサンにおい
ては、前記のジアミノ安息香酸に基づく主鎖単位の含有
割合が、余りに少なくなり過ぎると、そのような共重合
ポリイミドシロキサンが、エポキシ樹脂の硬化性能を失
うので好ましくなく、また、余りに多くなり過ぎると共
重合ポリイミドシロキサンの溶解性が著しく低下するの
で適当ではない。
【0021】前記の共重合ポリイミドシロキサンの製造
に使用される有機極性溶媒としては、例えば、ジメチル
スルホキシド、ジエチルスルホキシドなどのスルホキシ
ド溶媒、N,N−ジメチルホルムアミド、N,N−ジエ
チルホルムアミドなどのホルムアミド系溶媒、N,N−
ジメチルアセトアミド、N,N−ジエチルアセトアミド
などのアセトアミド系溶媒、N−メチル−2−ピロリド
ン(NMP)、N−エチル−2−ピロリドン、N−ビニ
ル−2−ピロリドンなどのピロリドン系溶媒、メチルジ
グライム、メチルトリグライムなどのグライム系溶媒、
ヘキサメチルホスホリックトリアミド、γ−ブチルラク
トン、シクロヘキサノンなど、あるいはフェノ−ル、o
−、m−又はp−クレゾ−ル、キシレノ−ル、ハロゲン
化フェノ−ル(パラクロルフェノ−ル、パラブロムフェ
ノ−ルなど)、カテコ−ルなどのフェノ−ル系溶媒等を
挙げることができる。
【0022】この発明において使用される共重合ポリイ
ミドシロキサンは、高分子量のポリマ−であることが好
ましく、例えば、濃度:0.5g/100ml(N−メ
チル−2−ピロリドン)であるポリマ−溶液で、30℃
の測定温度で測定した対数粘度(ポリマ−の重合度の程
度を示す)が、0.05〜3、特に0.1〜2程度であ
ることが好ましく、また、その共重合ポリイミドシロキ
サンにイミド化率(赤外線吸収スペクトル分析法による
「イミド結合」の割合)は、約90%以上、特に95〜
100%であって、IRチャ−トにおいて「アミド−酸
結合」の吸収ピ−クが実質的に見いだされないものであ
ることが好ましい。
【0023】前記の樹脂組成物(塗布液)の一成分であ
るエポキシ樹脂としては、エポキシ当量が100〜10
00程度であって、分子量が400〜5000程度であ
る液状又は粉体状のエポキシ樹脂が好ましく、例えば、
ビスフェノ−ルA型エポキシ樹脂、ビスフェノ−ルF型
エポキシ樹脂、ノボラック型エポキシ樹脂、グリシジル
アミン型多官能エポキシ樹脂などを挙げることができ
る。この発明においては、耐熱性の点から、ノボラック
型エポキシ樹脂が最も適している。
【0024】この発明においては、エポキシ樹脂を使用
することによって塗布液が、その塗布液について評価す
るための硬化膜の耐熱性、特にハンダ耐熱性が向上す
る。このエポキシ樹脂の使用量は、共重合ポリイミドシ
ロキサン100重量部に対して1〜50重量部である。
【0025】この発明における塗布液である樹脂組成物
に使用される有機溶媒としては、前述の共重合ポリイミ
ドシロキサンの製造に使用された有機極性溶媒も好適に
使用することができ、さらに、前記の有機極性溶媒にキ
シレン、エチルセロソルブ、ジオキサンなどが一部配合
されたものでもよい。特に、前記の塗布液用の有機溶媒
として、沸点が300℃以下で140℃以上、特に、1
80℃以上、その中でも特に200以上である有機溶
媒、例えばメチルトリグライムなど、を使用すると、溶
媒の蒸発による散逸が極めて少なくなるので、保存安定
性がよくなかったり、塗布膜を形成するための塗布溶液
の調製(ロ−ル練りなど)が容易になったり、又はその
印刷インキを使用してスクリ−ン印刷を支障なく好適に
行うことができるので、最適である。
【0026】また、この発明における塗布液である樹脂
組成物に、ワラストナイト、シリカ、タルクなどの無機
充填剤、ポリマ−充填剤、あるいは、無機又は有機の染
料などを含有させてもよい。前記の塗布液は、共重合ポ
リイミドシロキサンの濃度が、5〜50重量%であるこ
とが好ましく、また、25℃の溶液粘度(回転粘度)
が、0.01〜10000ポイズ、特に0.1〜100
0ポイズであることが好ましい。
【0027】この発明における塗布層(塗布膜)は、前
述のようにして芳香族テトラカルボン酸成分とジアミン
成分とを有機極性溶媒中で一段で重合およびイミド化し
て得られた前記の共重合ポリイミドシロキサンの重合溶
液にエポキシ樹脂を加えて均一に混合後そのまま塗布し
たものであってもよい。あるいは、前述の重合溶液から
一旦粉末状の共重合ポリイミドシロキサンを析出させて
単離し、単離された前記の共重合ポリイミドシロキサン
粉末とエポキシ樹脂とを有機溶媒に均一に溶解して調製
した塗布液を塗布したものであってもよい。
【0028】この発明における樹脂組成物の塗布層は、
場合により配線を形成した芳香族ポリイミドフィルム基
板に、常温又は加温下、回転塗布機、ディスペンサ−又
は印刷機などを使用する方法で、塗布液を均一な厚さに
塗布して得られる。この塗布層は加熱乾燥すれば、耐熱
性樹脂混合物の硬化膜(固化膜、厚さ:約0.5〜50
0μm程度)が形成される。この塗布層は、通常は25
0℃以下の温度、特に60〜250℃の温度で加熱乾燥
させることにより、共重合ポリイミドシロキサンの硬化
膜(厚さ:約0.5〜500μm)に形成することがで
きる。
【0029】前記の硬化膜は、ポリイミドフィルム基板
に硬化膜がしっかり密着し、耐熱性であって、その基板
に反りの少ないものである。
【0030】
【実施例】以下に実施例及び比較例を示す。実施例およ
び比較例における各試験法は、以下の通りである。
【0031】(a)共重合ポリイミドシロキサン等の溶
解性は、共重合ポリイミドシロキサン粉末0.2gを、
20℃で、メチルジグライム0.8gに添加し、放置し
て、その溶解の状態を観察して、1時間以内に溶解した
場合を◎、1日間以内に溶解した場合を○、単にポリマ
−中に溶媒が一部膨潤する場合を△、および、1週間で
も全く不溶の場合を×で示した。
【0032】(b)カ−ル性試験は、厚さ75μmの芳
香族ポリイミドフィルム(宇部興産株式会社製、UPI
LEX S−75:3,3’,4,4’−ビフェニルテ
トラカルボン酸二無水物とパラフェニレンジアミンとか
ら得られた芳香族ポリイミドフィルム)上に、厚さ10
0μmのPET製のスペ−サを配置して、そして、その
スペ−サで囲まれた範囲内に塗布液をラボラトリ−コ−
ティングロッドでバ−コ−トして、前記の塗布層を形成
し、最後に、前記の基板上の塗布層を80℃で30分
間、150℃で30分間、及び、200℃で30分間、
乾燥及び加熱処理(ベ−ク)して、膜(平均厚さ:約5
2〜70μm)を形成し、そして、そのようにして製造
した「膜の形成されたポリイミドフィルム(長さ:10
0mm×幅:50mm)」を使用して「反り曲率半径」
を測定して求めたものである。
【0033】(c)鉛筆硬度、屈曲性および半田耐熱性
は、前記の芳香族ポリイミドフィルムと銅箔(30μ
m)とを熱硬化性接着剤で貼り合わせた銅張り板(基
板)を使用したほかは、前記カ−ル性試験における試料
の製作と同様にして、「保護膜(硬化膜)を有する銅張
り板」を作成し、この銅張り板について、その保護膜の
鉛筆硬度(JIS K−5400)、屈曲性(0°Rの
折り曲げにおける亀裂などの生成を観察)、半田耐熱性
(240℃で30秒間)をそれぞれ測定した。
【0034】実施例1 〔共重合ポリイミドシロキサンの製造〕容量2リットル
のガラス製のセパラブルフラスコに、2,3,3’,
4’−ビフェニルテトラカルボン酸二無水物(a−BP
DA)14.71g(50ミリモル:mM)と、N−メ
チル−2−ピロリドン(NMP)100gとを入れてa
−BPDAを溶解させ、そして、その溶液を室温で攪拌
しながら、ジアミノポリシロキサン(DAPS)〔信越
シリコン株式会社製、X−22−161AS、R1
(CH2 3 、R2 :メチル基、l=9〕30.803
g(35ミリモル)とメチルジグライム100gとから
なる溶液を30分間で加え、重合温度190℃で窒素ガ
スを通じながら、しかも、メチルジグライムを還流させ
て水を除去しながら、4時間、重合反応させて、さらに
その反応液を一旦室温に戻して攪拌しながら、その冷却
された反応液に、2,2−ビス〔4−(4−アミノフェ
ノキシ)フェニル〕プロパン(BAPP)3.078g
(7.5ミリモル)と3,5−ジアミノ安息香酸1.4
11g(7.5ミリモル)とNMP47.9gとからな
る溶液を30分間で滴下しながら加えて、反応温度20
0〜210℃で3時間反応させて、
【0035】最後に、その反応液を20リットルのメタ
ノ−ル中に添加して、ディスパ−サ−を用いて30分間
で析出させ、ポリマ−濾過してポリマ−粉末を単離し、
そして、そのポリマ−粉末について10リットルメタノ
−ル中でディスパ−サ−を用いる10分間の洗浄を2回
行い、さらに、60℃で8時間真空乾燥して共重合ポリ
イミドシロキサン粉末43.97gを得た。前述のよう
にして得られた共重合ポリイミドシロキサンは、収率が
92重量%であり、対数粘度(30℃)が0.18であ
り、イミド化率が実質的に100%であった。
【0036】〔塗布液の調製〕前述のようにして製造し
た共重合ポリイミドシロキサン30gおよびノボラック
型エポキシ樹脂(油化シェル社製、エポキシ157S7
0)5.4gを常温でメチルジグライム40g中に溶解
して共重合ポリイミドシロキサンとノボラック型エポキ
シ樹脂とがメチルジグライム中に均一に溶解しているポ
リマ−濃度47重量%の塗布液を調製した。前記の塗布
液は、25℃で、4400センチポイズ(CP)の溶液
粘度(回転粘度)を有していた。
【0037】〔塗布液の塗布操作、硬化膜の形成〕厚さ
75μmの芳香族ポリイミドフィルム(宇部興産株式会
社製、UPILEX S−75)を基板とするフレキシ
ブル配線板(銅線の幅:約300μm、配線密度:60
%)上に、厚さ100μmのポリエチレンテレフタレ−
ト(PET)製のスペ−サを配置して、そして、そのス
ペ−サで囲まれた範囲内に前記塗布液をラボラトリ−コ
−ティングロッド(NO.3)でバ−コ−トして塗布層
である塗布膜を形成し、最後に、前記の基板上の塗布膜
を80℃で30分間、150℃で30分間、180℃で
30分間乾燥及び加熱処理(ベ−ク)して、硬化膜(平
均厚さ:65μm)を形成した。
【0038】前記の硬化膜の形成されたフレキシブル配
線板は、カ−ルが実質的にないものであり、該膜層と前
記配線板との間の密着性が、碁盤目試験(粘着テ−プに
よる剥離)によるとまったく問題がなく、両層がしっか
り接着されていた。別に行った反り試験(カ−ル性試
験)において、高分子膜の形成されたポリイミドフィル
ムは、反り曲率半径が100mm以上であり、反りが実
質的に無い状態(反り無し)であった。また、別に、銅
張り板に膜を形成して、その鉛筆硬度、屈曲性(0°R
の折り曲げにおける亀裂など生成の観察)、半田耐熱性
(240℃で30秒間)をそれぞれ測定した。結果をま
とめて表1に示す。
【0039】実施例2〜4および比較例1〜2 芳香族テトラカルボン酸成分として、表1に示す種類と
量の芳香族テトラカルボン酸化合物を使用し、ジアミン
成分として、表1に示す種類と量(モル比)のジアミノ
ポリシロキサン、ジアミノ安息香酸、およびBAPPを
使用した他は、実施例1と同様にして、共重合ポリイミ
ドシロキサン(イミド化率:95%以上)をそれぞれ製
造した。それらの共重合ポリイミドシロキサンについて
測定した、対数粘度を表1にそれぞれ示す。なお、比較
例1で得られた共重合ポリイミドシロキサンは、実質的
にメチルジグライム、ジオキサンなどの有機溶媒に難溶
性であるので、共重合ポリイミドシロキサンの塗布液を
容易に調製することができず、従って、それらの溶媒で
はフィルムを形成することもできなかったので、N−メ
チル−2−ピロリドン(NMP)を用いた。
【0040】前述のようにして製造した可溶性の各共重
合ポリイミドシロキサンを使用したほかは、実施例1と
同様にして、塗布液(ポリマ−濃度:50.5重量%)
をそれぞれ調製した。各塗布液の溶液粘度(25℃)を
表1に示す。前述の各塗布液を使用した他は、実施例1
と同様にして、塗布操作を行ったが各実施例では良好で
あった。さらに、別に反り試験を行い、それらの結果
(塗布操作の良否、反り曲率半径)を表1に示す。ま
た、銅張り板上の膜について、その鉛筆硬度、屈曲性
(0°Rの折り曲げにおける亀裂など生成の観察)、半
田耐熱性(240℃で30秒間)をそれぞれ測定した。
それらの結果を表1に示す。
【0041】比較例3および比較例4 エポキシ樹脂を全く使用しなかったほかは、実施例1又
は実施例3と同様にして、塗布液をそれぞれ調製した。
各塗布液の溶液粘度(25℃)を表1に示す。前述の各
塗布液を使用した他は、実施例1と同様にして、塗布操
作を行ったが各比較例では良好であった。さらに、別に
反り試験を行い、それらの結果(塗布操作の良否、反り
曲率半径)を表1に示す。また、銅張り板上の膜につい
て、その鉛筆硬度、屈曲性(0°Rの折り曲げにおける
亀裂など生成の観察)、半田耐熱性(240℃で30秒
間)をそれぞれ測定した。それらの結果を表1に示す。
【0042】なお、表1において使用された略記号は、
下記の意味を有している。 a−BPDA:2,3,3’,4’−ビフェニルテトラカルボン酸二無水物 BAPP :2,2−ビス〔4−(4−アミノフェノキシ)フェニル〕プロパ ン DAPS :ジアミノポリシロキサン(X−22−161AS)
【0043】
【表1】
【0044】
【発明の効果】この発明は、以上説明したように構成さ
れているので、以下に記載のような効果を奏する。
【0045】この発明の塗布層を有するポリイミドフィ
ルム基板は、塗布膜の乾燥温度を低くでき、基板に反り
が生じることが少なく、しかも硬化膜と基板との密着性
が良好である。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.6 識別記号 FI C09D 179/08 C09D 179/08 H05K 1/03 610 H05K 1/03 610N 630 630D (58)調査した分野(Int.Cl.6,DB名) B32B 1/00 - 35/00 C08L 63/00,79/08 C08G 73/10,77/455 C09D 179/08 H05K 1/03

Claims (2)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 芳香族ポリイミドフィルムまたは配線を
    形成した芳香族ポリイミドフィルムからなるポリイミド
    フィルム基板に、芳香族テトラカルボン酸類とジアミノ
    ポリシロキサンと芳香族ジアミンとを重合およびイミド
    化して得られるものであってエポキシ樹脂の硬化性能を
    有する共重合ポリイミドシロキサンと、共重合ポリイミ
    ドシロキサン100重量部に対して1〜50重量部のエ
    ポキシ樹脂とを有機溶媒に溶解した樹脂組成物を塗布し
    てなり、この塗布液の硬化膜について測定したハンダ耐
    熱性試験による耐熱性が240℃で30秒間保持可能で
    あり、屈曲性試験による屈曲性が0°Rの折り曲げにお
    ける亀裂の生成が生じないものであることを特徴とする
    塗布層を有するポリイミドフィルム基板。
  2. 【請求項2】 ポリイミドフィルム基板が、3,3’,
    4,4’−ビフェニルテトラカルボン酸二無水物とパラ
    フェニレンジアミンとを重合およびイミド化して得られ
    る芳香族ポリイミドからなる芳香族ポリイミドフィルム
    または配線を形成した該芳香族ポリイミドフィルムであ
    る請求項1記載の塗布層を有するポリイミドフィルム基
    板。
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