JP5206965B2 - 流体圧緩衝器 - Google Patents

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Description

本発明は、バンプキャップを備える流体圧緩衝器に関する。
例えば、自動車のサスペンション装置に使用される流体圧緩衝器には、外筒の開口部にバンプキャップが配置されるものがある(例えば、特許文献1参照)。コイルスプリングが同軸配置される流体圧緩衝器では、その外径が、外筒の外径D0以下に規制されることが多く、当然、バンプキャップにおいても、外径D1が外筒の外径DO以下に設定する必要がある(D0≧D1)。そこで、外筒の開口部に、外径D2(D0≧D1>D2)の小径部を形成し、この小径部に外径D1が外筒の外径DO以下のバンプキャップを圧入した流体圧緩衝器もあるが、外筒の開口部をかしめ加工、例えば、カール加工して閉塞させる流体圧緩衝器では、外筒の開口部に小径部を形成することが困難である。また、小径部を形成すると内部に部品を挿入することが不可能となる場合もあった。そのため、外筒の開口部をかしめ加工して閉塞させる流体圧緩衝器においては、外径が外筒の外径DOを越えることなく、バンプキャップを保持する構造が要望されていた。
特開2007-57088号公報
そこで本発明は、外筒の開口部がかしめ加工される場合であっても、バンプキャップの外径が外筒の外径を大きく越えることがない流体圧緩衝器を提供することを課題とする。
上記課題を解決するために、本発明は、外筒に対して同軸配置されるバンプキャップと、前記バンプキャップを保持するキャップホルダとを備え、前記キャップホルダは、径方向に延びるかしめ受け部と軸方向に延び前記バンプキャップの軸方向への相対移動を規制する結合部とからなる。
本発明によれば、外筒の開口部がかしめ加工される場合であっても、バンプキャップの外径が外筒の外径を大きく越えることがない流体圧緩衝器を提供することができる。
以下に記載の実施の形態では製品として望ましい色々な観点の改善が為されており、上述の外筒の開口部がかしめ加工される場合であってもバンプキャップの外径が外筒の外径を大きく越えることがないという特化された課題だけでなく、他の色々な課題の解決が為されている。例えば外筒の開口部とバンプキャップの固定構造が開示された流体圧緩衝器としては、特許文献2(特開平6−58358号公報)がある。特許文献2に示される流体圧緩衝器では、外筒の開口部内周側にアッパーキャップを溶接などにより固定し、アッパーキャップにバンプキャップが圧入などにより固定されている。しかし、外筒の開口部をかしめ加工、例えばカール加工することを検討した場合、アッパーキャップを外筒の内周側に固定することは難しく、さらに外筒にバンプ荷重を逃がすことを検討しなければならず、もし外筒にバンプ荷重を逃がすことができない場合には、流体圧緩衝器のボトムバルブ6やインナーチューブ7等の内部機能部品にすべてのバンプ加重が加わることが考えられ、構造の検討が必要であった。本実施形態においては、外筒の開口部をかしめ加工により閉塞する構成においても、外筒の外径D0を大きくすることが可能で、かつバンプ荷重を外筒に逃がすことが可能なバンプキャップを備える流体圧緩衝器を示し、説明する。
(第1実施形態)
本発明の第1実施形態を図1〜図4に基づいて説明する。なお、第1実施形態の流体圧緩衝器1は、自動車の車輪と車体との間に配置されるサスペンション装置のツインチューブ式ダンパ(複筒式流体圧緩衝器)である。
図1に示されるように、第1実施形態の流体圧緩衝器1は、油液(流体の一種)が封入されたインナチューブ7の内部にピストン9が摺動可能に嵌装される。インナチューブ7は、内部の油室8がピストン9によってシリンダ上室8Aとシリンダ下室8Bとに画成される。ピストン9は、ピストンロッド10の下端部にナット11によって固定される。ピストンロッド10は、先端側(図1における上側)が、インナチューブ7上端部に取り付けられたロッドガイド3、シールケース4及びキャップホルダ5に格納されたシール12に、摺動可能且つ気密及び液密に挿通されてインナチューブ7及び外筒2の外部へ延びる。なお、シリンダ下室8Bは、ボトムバルブ6を介してリザーバ室17に接続される。また、リザーバ室17の内部には、油液及びガスが封入される。
なお、本発明のシール手段としてのシール12は、筒状で、内周側でピストンロッド10との間をシールすると共に、外周側でキャップホルダ5との間をシールすることで、外筒2の一端側を密閉している。
ピストン9は、シリンダ上室8Aとシリンダ下室8Bとを連通させる伸び側通路13及び縮み側通路14を有する。ピストン9の下端面(図1における下側端面)には、伸び側通路13の油液の流れを制御する伸び側減衰力発生機構15Aが設けられ、ピストン9の上端面(図1における上側端面)には、縮み側通路14の油液の流れを制御する縮み側減衰力発生機構16Aが設けられる。なお、伸び側減衰力発生機構15A及び縮み側減衰力発生機構16Aは、オリフィスならびにディスクバルブ群(ディスク、開口ディスク、切欠きディスク等)からなる。
ボトムバルブ6は、シリンダ下室8Bとリザーバ室17とを連通させる伸び側通路18及び縮み側通路19を有する。また、ボトムバルブ6は、ピストン9同様に、伸び側通路18に油液の流れを制御する伸び側減衰力発生機構15Bが設けられ、縮み側通路19には縮み側減衰力発生機構16Bが設けられる。なお、伸び側減衰力発生機構15B及び縮み側減衰力発生機構16Bにおいても、オリフィスならびにディスクバルブ群(ディスク、開口ディスク、切欠きディスク等)からなる。
このような流体圧緩衝器1では、ピストンロッド10の伸び行程には、リザーバ室17の油液が伸び側通路18を介してシリンダ下室8Bへ流動すると共に、シリンダ上室8Aの油液が伸び側通路13を介してシリンダ下室8Bへ流動する。これにより、伸び側減衰力発生機構15A及び15Bは、伸び側の減衰力を発生する。また、ピストンロッド10の縮み行程には、シリンダ下室8Bの油液が縮み側通路19を介してリザーバ室17へ流動すると共に、シリンダ下室8Bの油液が縮み側通路14を介してシリンダ上室8Aへ流動する。これにより、縮み側減衰力発生機構16A及び16Bは、縮み側の減衰力を発生する。なお、油室8に対するピストンロッド10の進入あるいは退出による油室8の容積変化に伴う当該油室8の油液の過不足は、リザーバ室17と油室8(特に、シリンダ下室8B)との間の油液の授受によって補償される。
流体圧緩衝器1は、外筒2の底部(開口部と反対側の端部)に、サスペンションアームに連結するための取付アイ20(車輪側取付部)が設けられ、ピストンロッド10の先端には、車体に連結するための取付部(図示省略)が設けられる。この取付部側には、ピストンロッドが短縮した際の衝撃を後述バンプキャップ25と衝突することで吸収するウレタンやゴム等の弾性を有する樹脂からなるバンプラバー(図示省略)が設けられている。このバンプラバーは、流体圧緩衝器1に固定されて設けてもよく、流体圧緩衝器1が取り付けられる自動車側に固定されてもよい。外筒2の外側面には、サスペンションスプリングを受けるためのスプリングシート22が設けられる。また、ピストンロッド10の基端側(図1における下側)、より詳しくは、基端側におけるピストン9よりも先端側(図1における上側)には、リバウンドストッパ23とクッション24とが設けられる。そして、流体圧緩衝器1は、外筒2の開口部(後述するカール部35を含む図1における上端部分)の直上に、バンプキャップ25が配置される。
図3に示されるように、バンプキャップ25は、有底円筒形状の合成樹脂部品であり、底部26にはピストンロッド10を挿通させるためのロッド挿通穴27が形成される。バンプキャップ25の内径部28には、軸方向(図3における上下方向)へ延びる複数本(第1実施形態では6個)の第1リブ29が軸Oの回りに等配、すなわち、軸Oの回りに60°の間隔で配置される。各第1リブ29は、一端部(図3における上端部)が底部26に到達し、他端部(図3における下端部)には、端面32(ロッドガイド3側の端部)に向けて内径部28に対する高さを逓減させて形成した斜面29aが設けられる。また、図2に示されるように、バンプキャップ25は、底面31に(底部26の内側面)に、ロッド挿通穴27から半径方向へ放射状に延びる複数本(第1実施形態では6個)の第2リブ30が軸Oの回りに60°の間隔で等配される。さらに、端面32には、内径部28の開口周縁から外径部39にかけて半径方向へ放射状に延びる複数本(第1実施形態では6個)の溝33が軸Oの回りに60°の間隔で等配される。内径部28と後述の外径部39との間が本発明の筒部に該当する。
図4に示されるように、キャップホルダ5は、円筒状に形成される保持部34と、該保持部34の上端部周縁(図4における上側端部内周縁)に形成される内フランジ部36と、保持部34の下端部周縁(図4における下側端部外周縁)に形成される外フランジ部37(フランジ部)と、を有する。図1に示されるように、キャップホルダ5は、シールケース4の直上に配置されると共にピストンロッド10に対して同軸配置される。また、外筒2の開口部(図1における上端部)をカール加工(かしめ加工)して当該開口部に内フランジ形状のフラットカール部35(かしめ部)が形成されることにより、キャップホルダ5の外フランジ部37が、カール部35とシールケース4との間で挟持される。これにより、キャップホルダ5は、保持部34を外筒2の外部へ突出させた状態で、外筒2の開口部に固定される。なお、上述したシール12は、キャップホルダ5の内フランジ部36によって保持される。ここで、保持部34はバンプキャップ25が圧入されるバンプキャップ圧入部であり、外フランジ部37はかしめ受け部である。
そして、流体圧緩衝器1は、キャップホルダ5の保持部34の外径部(外円筒面)にバンプキャップ25の内径部28を圧入させてバンプキャップ25の内径部28の各第1リブ29をキャップホルダ5の保持部34の外径部(外円筒面)によって半径方向へ圧縮することにより、バンプキャップ25とキャップホルダ5との間に結合力を発生させる、すなわち、軸方向及び回転方向の相対移動を規制する力を発生させる。これにより、バンプキャップ25は、キャップホルダ5によって相対移動不能に保持される。そして、流体圧緩衝器1では、バンプキャップ25をキャップホルダ5の上端部にアプローチさせた時、バンプキャップ25の各第1リブ29の下端部の各斜面29aがキャップホルダ5の保持部34の上端部に当接され、これにより、バンプキャップ25がキャップホルダ5に対して心出しされる。
また、図1に示されるように、流体圧緩衝器1は、バンプキャップ25のキャップホルダ5への圧入が完了した時点、すなわち、バンプキャップ25の端面32が外筒2のカール部35の外側面に当接した時点で、キャップホルダ5の保持部34の上端面34a(図4参照)とバンプキャップ25の底面31との間に、軸方向(図1における上下方向)に所定間隔を有する隙間38が形成される。
第1実施形態によれば、キャップホルダ5は、外フランジ部37(フランジ部)がシールケース4と外筒2のカール部35(かしめ部)とによって挟持されることにより、保持部34を外筒2の外部へ突出させた状態で、外筒2の開口部に保持される。これにより、径方向に延びる外フランジ部37はかしめ受け部となる。そして、このキャップホルダ5の保持部34の外径部(外円筒面)にバンプキャップ25の内径部28を圧入させ、バンプキャップ25の端面32(ロッドガイド3側の端部)を外筒2の開口部に形成したカール部35に密着させた。これにより、外筒2の開口部がカール加工(かしめ加工)されて閉塞される流体圧緩衝器1であっても、外筒2の外径と同等あるいは小さい外径の外径部39を有するバンプキャップ25を外筒2の開口部に配置(保持)することができる。
特許文献2に示されるように、アッパーキャップと外筒とを溶接などにより固定する構造のものであれば、バンプ荷重をバンプキャップ→アッパーキャップ→外筒と伝えることができるが、本実施の形態の構造ではキャップホルダを軸方向に固定していないので、バンプ荷重を外筒に伝える工夫が必要であった。
第1実施形態によれば、バンプキャップ25の端面32が外筒2のカール部35に当接した状態で、キャップホルダ5の保持部34の上端面34aとバンプキャップ25の底面31との間に、軸方向に間隔を有する隙間38が形成されるので、バンプキャップ25に比較的大きいバンプ荷重が入力された場合であっても、このバンプ荷重を外筒2へ逃がすことにより、流体圧緩衝器1の内部機能部品を保護することができる。さらに、バンプキャップ25の底部26の内側面(底面31)に第2リブ30を配置したことにより、バンプキャップ25自体の剛性も確保される。
第1実施形態によれば、バンプキャップ25をキャップホルダ5に圧入させることにより、バンプキャップ25の内径部28に配置した各第1リブ29がキャップホルダ5の保持部34の外径部(外円筒面)によって半径方向へ圧縮される。これにより、バンプキャップ25とキャップホルダ5との間に結合力が発生する、すなわち、軸方向及び回転方向の相対移動を規制する力が発生するので、バンプキャップ25をキャップホルダ5によって相対移動不能に保持することができる。
第1実施形態によれば、バンプキャップ25をキャップホルダ5に圧入させる時に、バンプキャップ25をキャップホルダ5にアプローチさせると、バンプキャップ25の各第1リブ29の楔形状の下端部に形成された斜面29aがキャップホルダ5の保持部34の上端部に当接される。これにより、バンプキャップ25がキャップホルダ5に対して心出しされ、バンプキャップ25をキャップホルダ5に容易に圧入することができる。したがって、バンプキャップ25の組付け作業を効率化することができる。
第1実施形態によれば、バンプキャップ25の端面32(ロッドガイド3側の端部)に、内径部28と外径部39とを連通する複数本の溝33を形成したので、バンプキャップ25の内側に溜まる雨水、ダスト等の侵入物をこれら溝33によってバンプキャップ25の外部へ排出することができる。
なお、第1実施形態では外筒の開口部をかしめ加工する流体圧緩衝器であって、バンプキャップが受けたバンプ荷重を外筒に伝え、かつ外筒径が最も大となる構造を示したが、2つの課題を何れも解決する必要はなく、例えばバンプキャップ径が外筒よりも大径であってもよい。
(第2実施形態)
次に、本発明の第2実施形態を図5〜図7に基づいて説明する。ここでは、第1実施形態の構成と同一の構成においては、同一の名称及び符号を付与すると共に、明細書の記載を簡潔にするため、その詳細な説明を省く。なお、第2実施形態においては、バンプキャップ41の構造のみが第1実施形態(バンプキャップ25)と相違する。
図7に示されるように、バンプキャップ41は、有底円筒形状のプレス成形品の底部42にマウントラバー(図示省略)を受けるためのプレート43が接合(例えば、溶接)されて形成され、底部42及びプレート43にはピストンロッド10を挿通させるためのロッド挿通穴44が形成される。
図6に示されるように、バンプキャップ41は、筒部45に、軸方向(図7における上下方向)へ延びる複数本(本実施形態では5本)の第3リブ46が軸Oの回りに60°の間隔で等配され、これにより、筒部45の軸直角断面は花弁形状に形成される。また、バンプキャップ41は、筒部45の下端部周縁にフランジ部47が形成される。そして、各第3リブ46は、筒部45を軸方向へ延びて筒部45とフランジ部47との境界部分で屈曲し、フランジ部47を半径方向へ放射状に延びる。
図5に示されるように、第2実施形態では、キャップホルダ5の保持部34(図4参照)にバンプキャップ41を被せるように圧入することにより、バンプキャップ41の筒部45とキャップホルダ5の保持部34との間に結合力を発生させる、すなわち、軸方向及び回転方向の相対移動を規制する力を発生させる。これにより、バンプキャップ41は、キャップホルダ5によって相対移動不能に保持される。また、第2実施形態では、バンプキャップ41をキャップホルダ5の上端部にアプローチさせた時に、バンプキャップ41の筒部45とフランジ部47との間のR形状がキャップホルダ5の上端部に当接され、キャップホルダ5の保持部34がバンプキャップ41の筒部45の内側に案内される。
また、図5に示されるように、第2実施形態では、バンプキャップ41のフランジ部47が外筒2のカール部35の外側面に当接してバンプキャップ41のキャップホルダ5への圧入が完了した時点で、キャップホルダ5の保持部34の上端面34a(図4参照)とバンプキャップ41の底部42との間に、軸方向(図5における上下方向)に所定間隔を有する隙間38が形成される。
第2実施形態によれば、上述した第1実施形態と同等の効果を得ることができる。なお、バンプキャップ41の内側に溜まる雨水、ダスト等の侵入物は、フランジ部47に形成された各第3リブ46によってバンプキャップ41の外部へ排出することができる。
(第3実施形態)
次に、本発明の第3実施形態を図8〜図10に基づいて説明する。ここでも、第1実施形態の構成と同一の構成においては、同一の名称及び符号を付与すると共に、明細書の記載を簡潔にするため、その詳細な説明を省く。
図9及び図10に示されるように、バンプキャップ51は、各第1リブ29の下端部に係止面52aを有するフック形状の係合部52が形成される。各係合部52は、各第1リブ29の斜面29aを軸Oに近づける方向へ延ばすことにより形成され、斜面29aと係止面52aとは稜部が面取りされて鋭角をなすように配置される。
第3実施形態では、図8に示されるように、キャップホルダ5の保持部34の外径部(外円筒面)にバンプキャップ51の内径部28を圧入してバンプキャップ51の内径部28の各第1リブ29をキャップホルダ5の保持部34の外径部(外円筒面)によって半径方向へ圧縮することにより、バンプキャップ51とキャップホルダ5との間に結合力を発生させる、すなわち、軸方向及び回転方向の相対移動を規制する力を発生させる。これにより、バンプキャップ51は、キャップホルダ5によって相対移動不能に保持される。そして、第3実施形態では、バンプキャップ51の端面32が外筒2のカール部35の外側面に当接した状態で、バンプキャップ51の各第1リブ29の各係合部52(係合手段)が、キャップホルダ5の保持部34の外周面に形成された環状の係合溝53(係合手段)に係合される。この係合部52と係合溝53は、凹凸で係合するものであればよく、バンプキャップ51側に溝を、キャップホルダ5に突部を設けることで、上記実施の形態と反対の凹凸係合にしてもよい。
なお、第3実施形態においても上述した第1実施形態と同様に、バンプキャップ51の端面32が外筒2のカール部35の外側面に当接した状態では、キャップホルダ5の保持部34の上端面34a(図4参照)とバンプキャップ51の底面31との間に、軸方向(図5における上下方向)に所定間隔を有する隙間38が形成される。
第3実施形態によれば、上述した第1実施形態と同等の効果を得ることができる。さらに、第3実施形態によれば、例えば、バンプキャップ51の各第1リブ29の軸方向長さに制限があり、各第1リブ29を圧縮させただけでは規定の抜け荷重を確保することができない場合であっても、バンプキャップ51の各係合部52(係合手段)をキャップホルダ5の係合溝53(係合手段)に係合させることにより、規定の抜け荷重を確保することができる。
ここで、バンプキャップ51とキャップホルダ5の係合部で、バンプキャップ51へ入力されたバンプ荷重がキャップホルダ5を介して内部機能部品に加わってしまうが、樹脂製のバンプキャップ51の小さな係合部なので変形可能であり、大部分の力は外筒の端部で受けることになる。
また、第3実施形態によれば、バンプキャップ51をキャップホルダ5に圧入する保持力とことで、バンプキャップ51の各係合部52(係合手段)をキャップホルダ5の係合溝53(係合手段)に係合による保持力で規定の抜け荷重を確保するものを示したが、バンプキャップ51の各係合部52(係合手段)をキャップホルダ5の係合溝53(係合手段)に係合による保持力のみで抜け荷重を確保できれば、バンプキャップ51をキャップホルダ5に圧入にする必要はない。
(第4実施形態)
次に、本発明の第4実施形態を図11に基づいて説明する。ここでも、第1、2実施形態の構成と同一の構成においては、同一の名称及び符号を付与すると共に、明細書の記載を簡潔にするため、その詳細な説明を省く。
本第4実施形態は、第2実施形態に対し、そのフランジ部47の外周端を軸方向外筒側に曲げた筒状の延長部60の受けた点が異なっている。この延長部60により、バンプキャップ41とキャップホルダ5の間にフランジ部47からダスト等の侵入を防止している。
なお、上述した各実施形態は上記に限定されるものではなく、例えば次のように構成してもよい。
上述した各実施形態は、複筒式流体圧緩衝器を対象としたが、例えば、単筒式流体圧緩衝器、セルフポンピング式流体圧緩衝器等、任意の流体圧緩衝器を対象とすることができる。
また、上述した各実施形態では、バンプキャップを円環状としたが、例えば、多角形環でもよい。また、キャップホルダが密封構造であればバンプキャップはC字状でもよい。
なお、上記各実施の形態では、外筒2の一端側のかしめ部としての全周をカールするカール部35を例に説明したが、これに限らず、複数個所部分的に内径側にかしめる部分かしめであってもよい。この場合、バンプキャップは、部分かしめされていない部分と当接する。
第1実施形態の流体圧緩衝器の軸断面図である。 第1実施形態のバンプキャップの平面図である。 図2におけるP-O-Q矢視図である。 第1実施形態のキャップホルダの軸断面図である。 第2実施形態の流体圧緩衝器の要部の軸断面図である。 第2実施形態のバンプキャップの平面図である。 図6におけるP-O-Q矢視図である。 第3実施形態の流体圧緩衝器の要部の軸断面図である。 第3実施形態のバンプキャップの平面図である。 図9におけるP-O-Q矢視図である。 第4実施形態の流体圧緩衝器の要部の軸断面図である。
符号の説明
1 流体圧緩衝器、2 外筒、3 ロッドガイド、5 キャップホルダ、10 ピストンロッド、25 バンプキャップ、32 端面(バンプキャップのロッドガイド側の端部)、34 保持部、35 カール部(かしめ部)、37 外フランジ部(フランジ部)、38 隙間

Claims (6)

  1. 一端に開口部を有する外筒と、
    先端が前記外筒の開口部から該外筒の外部へ突出するピストンロッドと、
    前記外筒の開口部に配置されるロッドガイドと、を含み、
    前記外筒の開口部を内側に全周かしめてフラットカール部を設けることにより前記外筒の開口部が閉塞される流体圧緩衝器であって、
    前記外筒に対して同軸配置される筒部と底部とを有するバンプキャップと、
    前記ロッドガイドに対して前記ピストンロッドの先端側に配置され、前記バンプキャップを保持するキャップホルダと、
    を含み、
    前記キャップホルダは、径方向に延びるかしめ受け部と、筒状に形成されて外径部に前記バンプキャップの筒部が圧入される保持部とからなり、
    前記バンプキャップの前記筒部の開口部側端面を前記フラットカール部に当接させ、前記キャップホルダの前記ピストンロッドの先端側の端部と前記バンプキャップとの間に、軸方向に間隔を有する隙間を形成したことを特徴とする流体圧緩衝器。
  2. 前記キャップホルダは、前記保持部の前記ロッドガイド側の端部に形成されて前記外筒の前記フラットカール部と前記ロッドガイドとの間に挟持されるフランジ部と、を含むことを特徴とする請求項1に記載の流体圧緩衝器。
  3. 前記バンプキャップと前記キャップホルダとを相互に係合させて前記バンプキャップと前記キャップホルダとの軸方向への相対移動を規制する係合手段を設けたことを特徴とする請求項1又は2に記載の流体圧緩衝器。
  4. 前記バンプキャップは、前記外筒と同径以下の筒状形状であることを特徴とする請求項1乃至3のいずれかに記載の流体圧緩衝器。
  5. 前記キャップホルダの前記保持部の他端側には径方向内側に延びる内フランジ部を形成し、前記内フランジ部の内周側には、前記ピストンロッドと摺動する環状のシールが保持されることを特徴とする請求項1乃至4のいずれかに記載の流体圧緩衝器。
  6. 前記バンプキャップと前記キャップホルダとを相互に凹凸係合させて前記バンプキャップと前記キャップホルダとの軸方向への相対移動を規制する係合手段を設けたことを特徴とする請求項乃至のいずれかに記載の流体圧緩衝器。
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