JP5206965B2 - 流体圧緩衝器 - Google Patents
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Description
(第1実施形態)
本発明の第1実施形態を図1〜図4に基づいて説明する。なお、第1実施形態の流体圧緩衝器1は、自動車の車輪と車体との間に配置されるサスペンション装置のツインチューブ式ダンパ(複筒式流体圧緩衝器)である。
図1に示されるように、第1実施形態の流体圧緩衝器1は、油液(流体の一種)が封入されたインナチューブ7の内部にピストン9が摺動可能に嵌装される。インナチューブ7は、内部の油室8がピストン9によってシリンダ上室8Aとシリンダ下室8Bとに画成される。ピストン9は、ピストンロッド10の下端部にナット11によって固定される。ピストンロッド10は、先端側(図1における上側)が、インナチューブ7上端部に取り付けられたロッドガイド3、シールケース4及びキャップホルダ5に格納されたシール12に、摺動可能且つ気密及び液密に挿通されてインナチューブ7及び外筒2の外部へ延びる。なお、シリンダ下室8Bは、ボトムバルブ6を介してリザーバ室17に接続される。また、リザーバ室17の内部には、油液及びガスが封入される。
なお、本発明のシール手段としてのシール12は、筒状で、内周側でピストンロッド10との間をシールすると共に、外周側でキャップホルダ5との間をシールすることで、外筒2の一端側を密閉している。
特許文献2に示されるように、アッパーキャップと外筒とを溶接などにより固定する構造のものであれば、バンプ荷重をバンプキャップ→アッパーキャップ→外筒と伝えることができるが、本実施の形態の構造ではキャップホルダを軸方向に固定していないので、バンプ荷重を外筒に伝える工夫が必要であった。
第1実施形態によれば、バンプキャップ25の端面32が外筒2のカール部35に当接した状態で、キャップホルダ5の保持部34の上端面34aとバンプキャップ25の底面31との間に、軸方向に間隔を有する隙間38が形成されるので、バンプキャップ25に比較的大きいバンプ荷重が入力された場合であっても、このバンプ荷重を外筒2へ逃がすことにより、流体圧緩衝器1の内部機能部品を保護することができる。さらに、バンプキャップ25の底部26の内側面(底面31)に第2リブ30を配置したことにより、バンプキャップ25自体の剛性も確保される。
第1実施形態によれば、バンプキャップ25をキャップホルダ5に圧入させることにより、バンプキャップ25の内径部28に配置した各第1リブ29がキャップホルダ5の保持部34の外径部(外円筒面)によって半径方向へ圧縮される。これにより、バンプキャップ25とキャップホルダ5との間に結合力が発生する、すなわち、軸方向及び回転方向の相対移動を規制する力が発生するので、バンプキャップ25をキャップホルダ5によって相対移動不能に保持することができる。
第1実施形態によれば、バンプキャップ25をキャップホルダ5に圧入させる時に、バンプキャップ25をキャップホルダ5にアプローチさせると、バンプキャップ25の各第1リブ29の楔形状の下端部に形成された斜面29aがキャップホルダ5の保持部34の上端部に当接される。これにより、バンプキャップ25がキャップホルダ5に対して心出しされ、バンプキャップ25をキャップホルダ5に容易に圧入することができる。したがって、バンプキャップ25の組付け作業を効率化することができる。
第1実施形態によれば、バンプキャップ25の端面32(ロッドガイド3側の端部)に、内径部28と外径部39とを連通する複数本の溝33を形成したので、バンプキャップ25の内側に溜まる雨水、ダスト等の侵入物をこれら溝33によってバンプキャップ25の外部へ排出することができる。
なお、第1実施形態では外筒の開口部をかしめ加工する流体圧緩衝器であって、バンプキャップが受けたバンプ荷重を外筒に伝え、かつ外筒径が最も大となる構造を示したが、2つの課題を何れも解決する必要はなく、例えばバンプキャップ径が外筒よりも大径であってもよい。
次に、本発明の第2実施形態を図5〜図7に基づいて説明する。ここでは、第1実施形態の構成と同一の構成においては、同一の名称及び符号を付与すると共に、明細書の記載を簡潔にするため、その詳細な説明を省く。なお、第2実施形態においては、バンプキャップ41の構造のみが第1実施形態(バンプキャップ25)と相違する。
図7に示されるように、バンプキャップ41は、有底円筒形状のプレス成形品の底部42にマウントラバー(図示省略)を受けるためのプレート43が接合(例えば、溶接)されて形成され、底部42及びプレート43にはピストンロッド10を挿通させるためのロッド挿通穴44が形成される。
次に、本発明の第3実施形態を図8〜図10に基づいて説明する。ここでも、第1実施形態の構成と同一の構成においては、同一の名称及び符号を付与すると共に、明細書の記載を簡潔にするため、その詳細な説明を省く。
図9及び図10に示されるように、バンプキャップ51は、各第1リブ29の下端部に係止面52aを有するフック形状の係合部52が形成される。各係合部52は、各第1リブ29の斜面29aを軸Oに近づける方向へ延ばすことにより形成され、斜面29aと係止面52aとは稜部が面取りされて鋭角をなすように配置される。
ここで、バンプキャップ51とキャップホルダ5の係合部で、バンプキャップ51へ入力されたバンプ荷重がキャップホルダ5を介して内部機能部品に加わってしまうが、樹脂製のバンプキャップ51の小さな係合部なので変形可能であり、大部分の力は外筒の端部で受けることになる。
また、第3実施形態によれば、バンプキャップ51をキャップホルダ5に圧入する保持力とことで、バンプキャップ51の各係合部52(係合手段)をキャップホルダ5の係合溝53(係合手段)に係合による保持力で規定の抜け荷重を確保するものを示したが、バンプキャップ51の各係合部52(係合手段)をキャップホルダ5の係合溝53(係合手段)に係合による保持力のみで抜け荷重を確保できれば、バンプキャップ51をキャップホルダ5に圧入にする必要はない。
次に、本発明の第4実施形態を図11に基づいて説明する。ここでも、第1、2実施形態の構成と同一の構成においては、同一の名称及び符号を付与すると共に、明細書の記載を簡潔にするため、その詳細な説明を省く。
本第4実施形態は、第2実施形態に対し、そのフランジ部47の外周端を軸方向外筒側に曲げた筒状の延長部60の受けた点が異なっている。この延長部60により、バンプキャップ41とキャップホルダ5の間にフランジ部47からダスト等の侵入を防止している。
上述した各実施形態は、複筒式流体圧緩衝器を対象としたが、例えば、単筒式流体圧緩衝器、セルフポンピング式流体圧緩衝器等、任意の流体圧緩衝器を対象とすることができる。
また、上述した各実施形態では、バンプキャップを円環状としたが、例えば、多角形環でもよい。また、キャップホルダが密封構造であればバンプキャップはC字状でもよい。
なお、上記各実施の形態では、外筒2の一端側のかしめ部としての全周をカールするカール部35を例に説明したが、これに限らず、複数個所部分的に内径側にかしめる部分かしめであってもよい。この場合、バンプキャップは、部分かしめされていない部分と当接する。
Claims (6)
- 一端に開口部を有する外筒と、
先端が前記外筒の開口部から該外筒の外部へ突出するピストンロッドと、
前記外筒の開口部に配置されるロッドガイドと、を含み、
前記外筒の開口部を内側に全周かしめてフラットカール部を設けることにより前記外筒の開口部が閉塞される流体圧緩衝器であって、
前記外筒に対して同軸配置される筒部と底部とを有するバンプキャップと、
前記ロッドガイドに対して前記ピストンロッドの先端側に配置され、前記バンプキャップを保持するキャップホルダと、
を含み、
前記キャップホルダは、径方向に延びるかしめ受け部と、筒状に形成されて外径部に前記バンプキャップの筒部が圧入される保持部とからなり、
前記バンプキャップの前記筒部の開口部側端面を前記フラットカール部に当接させ、前記キャップホルダの前記ピストンロッドの先端側の端部と前記バンプキャップとの間に、軸方向に間隔を有する隙間を形成したことを特徴とする流体圧緩衝器。 - 前記キャップホルダは、前記保持部の前記ロッドガイド側の端部に形成されて前記外筒の前記フラットカール部と前記ロッドガイドとの間に挟持されるフランジ部と、を含むことを特徴とする請求項1に記載の流体圧緩衝器。
- 前記バンプキャップと前記キャップホルダとを相互に係合させて前記バンプキャップと前記キャップホルダとの軸方向への相対移動を規制する係合手段を設けたことを特徴とする請求項1又は2に記載の流体圧緩衝器。
- 前記バンプキャップは、前記外筒と同径以下の筒状形状であることを特徴とする請求項1乃至3のいずれかに記載の流体圧緩衝器。
- 前記キャップホルダの前記保持部の他端側には径方向内側に延びる内フランジ部を形成し、前記内フランジ部の内周側には、前記ピストンロッドと摺動する環状のシールが保持されることを特徴とする請求項1乃至4のいずれかに記載の流体圧緩衝器。
- 前記バンプキャップと前記キャップホルダとを相互に凹凸係合させて前記バンプキャップと前記キャップホルダとの軸方向への相対移動を規制する係合手段を設けたことを特徴とする請求項1乃至5のいずれかに記載の流体圧緩衝器。
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