JPH0658358A - 油圧緩衝器 - Google Patents

油圧緩衝器

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JPH0658358A
JPH0658358A JP22931392A JP22931392A JPH0658358A JP H0658358 A JPH0658358 A JP H0658358A JP 22931392 A JP22931392 A JP 22931392A JP 22931392 A JP22931392 A JP 22931392A JP H0658358 A JPH0658358 A JP H0658358A
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JP
Japan
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rod
piston
oil
chamber
damping force
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JP22931392A
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Takashi Mihara
尚 三原
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Tokico Ltd
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Tokico Ltd
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Publication date
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 ピストンの移動速度が速いときの、減衰力が
急激に上昇するのを防止し、車輌の乗り心地を向上させ
る。 【構成】 内筒4と外筒1の上側に位置したロッドガイ
ド31にリザーバ室Cとロッド側油室Aとを連通する油
通路32を形成し、この油通路32の途中には、減衰力
を発生するディスクバルブ34,34を設ける。これに
より、ピストンロッド9の伸長行程において、ピストン
の移動速度が高速域のときに減衰力が急激に高くなるの
を抑え、路面の凹凸に車輪を確実に追従させ、車輌の乗
り心地を向上させる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、例えば車輌の振動を緩
衝するのに好適に用いられる油圧緩衝器に関し、特に、
ピストン速度が速いときに減衰力が高くなるのを抑える
ようにした油圧緩衝器に関する。
【0002】
【従来の技術】図6および図7に従来技術の油圧緩衝器
を示す。
【0003】図中、1は油圧緩衝器の本体を構成する外
筒を示し、該外筒1の下端側はボトムキャップ2によっ
て閉塞され、上端側はアッパーキャップ3により閉塞さ
れている。また、前記ボトムキャップ2の下端側または
外筒1の外周側には図示しない取付ブラケットが設けら
れ、該取付ブラケットは車輌の車軸側(図示せず)に取
付けられている。
【0004】ここで、前記アッパーキャップ3は図7に
示すように、金属材料により大径部3Aおよび小径部3
Bからなる段付筒状に形成され、該小径部3Bの先端に
は径方向内側に延びる折曲部3Cが設けられている。そ
して、該アッパーキャップ3の折曲部3C内周側はロッ
ド貫通穴3Dとなり、該ロッド貫通穴3Dには後述する
ピストンロッド9が挿通されている。
【0005】4は外筒1内に位置して同軸に配設された
内筒を示し、該内筒4は外筒1内の上下方向に延在し、
後述するロッドガイド17とボトムバルブ11の弁本体
12を介して外筒1内に固着されている。そして、前記
外筒1と内筒4との間にリザーバ室Cが画成されてい
る。なお、該リザーバ室C内には圧油およびガスが封入
されている。
【0006】5は内筒4内に摺動可能に挿嵌されたピス
トンを示し、該ピストン5は内筒4内を上,下のロッド
側油室A,ボトム側油室Bに画成している。そして、該
ピストン5の軸方向には、上下に貫通する複数本の伸長
側油路5A,5Aおよび縮小側油路5B,5Bがそれぞ
れ傾斜して形成されている。
【0007】6,7はピストンの上,下両面に設けられ
た複数枚のディスクバルブからそれぞれ構成されたピス
トンバルブを示し、該各ピストンバルブ6,7は前記油
室A,Bを各油路5A,5Bを介して流通する圧油によ
りそれぞれ所定の減衰力を発生させる。そして、該ピス
トンバルブ6,7およびディスクバルブに形成されたオ
リフィス(いずれも図示せず)により減衰力発生機構を
構成する。なお、各ピストンバルブ6,7を構成するデ
ィスクバルブの枚数は伸長側となるピストンバルブ7の
方が枚数を多くして構成され、ピストン5の伸長時に縮
小時よりも大きい減衰力を発生させるようになってい
る。
【0008】8はピストン5の外周側に設けられたピス
トンシールを示し、該ピストンシール8は弾性樹脂材料
により筒状に形成され、内筒4とピストン5との間をシ
ールしている。
【0009】9は下端側がピストン5に固着され、段付
円柱状に形成されたピストンロッドを示し、該ピストン
ロッド9の上端側はロッドガイド17を介して内筒4お
よび外筒1外へと突出し、その突出端側はマウントラバ
ー等を介して車輌の車体(いずれも図示せず)に取付け
られる。また、該ピストンロッド9の下端側にはナット
10が螺着され、該ナット10はピストンロッド9の段
部9Aにピストン5等を締着している。
【0010】11は内筒4の下端内周側に位置し、該内
筒4とボトムキャップ2との間に設けられた縮小側の減
衰力バルブを構成するボトムバルブを示し、該ボトムバ
ルブ11はボトムバルブ11の本体を構成し、ボトム側
油室Bとリザーバ室Cとを画成する弁本体12と、該弁
本体12の上面側に設けられたチェック弁体13と、該
チェック弁体13の上側に配設され、チェック弁体13
を下側に付勢するスプリング14と、前記弁本体12の
下面側に設けられたディスクバルブ15と、前記チェッ
ク弁体13,スプリング14およびディスクバルブ15
等を弁本体12に固着するピン16とから大略構成され
ている。
【0011】ここで、前記弁本体12は段付円板状に形
成され、軸方向には径方向外側に位置して大径の第1の
油路12A,12A,…が穿設されると共に、径方向内
側には、小径の第2の油路12B,12B,…が穿設さ
れている。
【0012】このように構成されるボトムバルブ11に
おいては、ピストンロッド9の伸長行程ではボトム側油
室B内がリザーバ室Cに比較して低圧となるから、リザ
ーバ室C内の圧油は弁本体12の各油路12Aを介して
チェック弁体13に作用し、該チェック弁体13をスプ
リング14のバネ力に抗して開弁させ、油室B内へと流
入する。一方、ピストンロッド9の縮小行程では油室B
内が高圧となるから、油室B内の圧油は弁本体12の各
油路12B内に流入し、ディスクバルブ15を開弁させ
ることにより所定の減衰力を発生させつつ、リザーバ室
C内に流入する。また、チェック弁体13は油室B内の
圧力によって弁本体12に押し付けられ、各油路12A
を閉塞し続ける。
【0013】17は内筒4の上端側に設けられたロッド
ガイドを示し、該ロッドガイド17は焼結金属等により
段付筒状に形成され、外周面が前記アッパーキャップ3
の大径部3A内に嵌着され、該アッパーキャップ3と共
に外筒1,内筒4の上端を施蓋している。また、該ロッ
ドガイド17は図7に示す如く、上面には外周側に位置
した外側筒部17Aと、内周側に位置して、外周面がテ
ーパ状をなす内側筒部17Bとが形成され、外周面から
上面の外側筒部17Aに亘って、90度毎に切欠かれた
通路17C,17C,…が形成され、下面には内筒4の
上端側が後述のシールリング26を介して当接する環状
段部17Dが形成されている。さらに、上面の各筒部1
7A,17Bの間の環状溝は後述のばね25を支持する
ばね受部17Eとなっている。
【0014】また、前記ロッドガイド17は内周側にポ
リテトラフルオロエチレン等の樹脂材料により筒状に形
成されたガイドシール18が設けられ、該ガイドシール
18を介してピストンロッド9を軸方向に摺動可能に案
内するようになっている。さらに、前記各通路17Cは
後述する第2のオイルシール23の下側に形成された室
C′をリザーバ室Cと連通させ、上面に形成された内側
筒部17Bには、前記第2のオイルシール23の内周側
リップ部23Aが外周面を覆うように設けられている。
【0015】19はアッパーキャップ3の小径部3B内
に配設された第1のオイルシールを示し、該第1のオイ
ルシール19は、例えばゴム等の弾性材料によって短尺
な略筒状に形成され、上,下に離間してリップ部19A
1 ,19A2 が設けられた内周部19Aと、該内周部1
9Aの中間部から径方向外向きに延設された環状の肩部
19Bと、該肩部19Bの先端側から軸方向下向きに延
設された外周部19Cとから構成されている(図7参
照)。ここで、該第1のオイルシール19には内周部1
9A側から肩部19B,外周部19Cに亘って断面略L
字形状の補強環20が埋設されている。そして、前記内
周部19Aのリップ部19A1 ,19A2外周にはばね
リング21,22がそれぞれ嵌着され、該リップ部19
A1 ,19A2 をピストンロッド9の外周面に締代をも
って摺接させるようになっている。これにより、リップ
部19A1 はピストンロッド9の突出端側の外周に付着
したゴミ等が内筒4内に侵入するのを防止するダストシ
ールとして機能し、リップ部19A2 はガイドシール1
8を介してロッド側油室Aから第1のオイルシール1
9,第2のオイルシール23間に形成された室D内に侵
入した圧油が、ピストンロッド9の表面を介して外部に
漏洩するのを防止するオイルシールとして機能する。
【0016】23は第1のオイルシール19とロッドガ
イド17との間に配設された第2のオイルシールを示
し、該第2のオイルシール23は、前記第1のオイルシ
ール19と同様にゴム等の弾性材料により短尺な略筒状
に形成され、内周側に設けられた内周側リップ部23A
と、外周側に設けられた外周側リップ部23Bとからな
り、前記内周側リップ部23Aは前記ロッドガイド17
の内側筒部17Bを覆うようにシールし、外周側リップ
部23Bはアッパーキャップ3の小径部3Bの下端側内
周面に当接している。また、外周側リップ部23Bから
内周側リップ部23Aに亘って断面略L字形状の補強環
24が埋設されている。そして、内周側リップ部23A
は内側筒部17Bに対して締代をもって圧接され、該内
周側リップ部23Aは油室Aから室D内に漏洩した圧油
が内側筒部17Bの外周面を介して室C′に流入するの
を許し、室C′から室Dに漏洩するのを防止する逆止弁
として機能する。
【0017】25はロッドガイド17の上面と第2のオ
イルシール23との間に配設されたばねを示し、該ばね
25は第2のオイルシール23を常時押し上げるように
付勢することにより、該第2のオイルシール23の上側
に位置した第1のオイルシール19の肩部19Bをアッ
パーキャップ3の折曲部3Cに押し付けるようになって
いる。
【0018】26はシールリングを示し、該シールリン
グ26は前記内筒4の上端面とロッドガイド17の環状
段部17Dとの間に配設され、リザーバ室Cとロッド側
油室Aとの間を液密にシールしている。
【0019】なお、27は内筒4内に位置したピストン
ロッド9の途中に設けられたリバウンドストッパを示
し、該リバウンドストッパ27はピストンロッド9の最
大伸長時にロッドガイド17の下面側に当接することに
より、該ピストンロッド9の外筒1からの突出寸法(最
大ストローク)を規制するようになっている。
【0020】このように構成される油圧緩衝器では、車
輌の走行時に路面の凹凸等によって振動が発生すると、
ピストンロッド9が外筒1に対して上,下に伸縮し、内
筒4内をピストン5が上,下に摺動変位するから、この
ピストン5に設けたピストンバルブ6,7により所定の
減衰力を発生すると共に、ボトムバルブ11でも縮小側
の減衰力を発生し、図5の実線に示すような減衰力特性
となって、車輌の振動を緩衝することができる。
【0021】
【発明が解決しようとする課題】ところで、上述した従
来技術における油圧緩衝器においては、ピストン5の移
動速度が中速のときに適切な減衰力が発生するようにピ
ストン5の各油路5A,5Bの穴径およびピストンバル
ブ6,7の開弁圧を設定しているため、伸長側のピスト
ン5の移動速度が高速のときに減衰力が過剰に高くなり
過ぎるという問題がある。
【0022】即ち、ピストンロッド9の伸長行程におい
ては、ピストン5の下側に設けられた伸長側のピストン
バルブ7が開弁して減衰力を発生するが、ピストン5の
移動速度が高速となったときにはピストンバルブ7は全
開状態となり、このときにはロッド側油室Aからボトム
側油室Bに向けて多量の圧油が各伸長側油路5A内を流
通することにより、該各油路5Aが圧油に絞り作用を与
えるから、ピストン5の移動速度が高速となると、図5
の実線に示す特性線のように伸長側減衰力が過剰に高く
なってしまう。
【0023】このため、従来技術による油圧緩衝器で
は、路面の凹凸が激しいとき等にピストン5の移動速度
が高速になると、減衰力が過大となって、ピストンロッ
ド9の伸縮が路面の凹凸等に追従できず、車輌の乗り心
地を低下させるという問題がある。
【0024】本発明は上述した従来技術の問題に鑑みな
されたもので、本発明はピストンの伸長時の移動速度が
高速となったときに減衰力が過剰に高くなるのを防止す
ることができ、ピストンの移動速度に応じて所望の減衰
力特性を得ることのできる油圧緩衝器を提供することを
目的としている。
【0025】
【課題を解決するための手段】上述した課題を解決する
ために、本発明が採用する構成の特徴は、ロッドガイド
には、リザーバ室とロッド側油室とを連通させる油通路
を形成し、該油通路には、前記ロッド側油室の圧力が所
定圧力以上になったときに開弁し、該ロッド側油室から
リザーバ室への油液の流通のみを許して減衰力を発生さ
せるバルブ機構を設けたことにある。
【0026】
【作用】上記構成により、ピストンロッドが伸長行程で
高速となり、ロッド側油室の圧力が所定圧力以上となっ
たときに、バルブ機構が開弁してロッド側油室内の圧油
をロッドガイドの油通路を介してリザーバ室に流通さ
せ、高速域での所望の減衰力を発生でき、伸長速度が高
速となったときの減衰力の急激な上昇を抑えることがで
きる。
【0027】
【実施例】以下、本発明の実施例を図1ないし図5に基
づき説明する。なお、前述した図6および図7の従来技
術と同一の構成要素に同一の符号を付し、その説明を省
略するものとする。
【0028】図中、31は本実施例によるロッドガイド
を示し、該ロッドガイド31は従来技術のロッドガイド
17とほぼ同様に焼結金属等により段付筒状に形成さ
れ、内筒4の上端側に位置して外周面が前記アッパーキ
ャップ3の大径部3A内に嵌着され、該アッパーキャッ
プ3と共に外筒1,内筒4の上端を施蓋している。ま
た、該ロッドガイド31は図2ないし図4に示す如く、
上面には外側筒部31A,内側筒部31Bとが形成さ
れ、外周面から外側筒部31Aに亘って90度毎に通路
31C,31C,…が形成され、下面には環状段部31
Dが形成されているものの、本実施例によるロッドガイ
ド31には、該環状段部31Dの外周側に環状弁座31
Eが下向きに突出形成されている。さらに、上面の各筒
部31A,31Bの間の環状溝はばね25を支持するば
ね受部31Fとなっている。
【0029】このように形成されたロッドガイド31に
おいては、各通路31Cを介して該ロッドガイド31の
上側に位置した第2のオイルシール23との間に形成さ
れた室C′とリザーバ室Cとを連通し、上面に形成され
た内側筒部31Bには、前記第2のオイルシール23の
内周側リップ部23Aが外周面を覆うようにして設けら
れ、室Dからの室C′への圧油の流入を許す逆止弁を構
成している。
【0030】32はガイドシールを示し、該ガイドシー
ル32はポリテトラフルオロエチレン等の樹脂材料によ
り筒状に形成され、前記ロッドガイド31の内周側に設
けられている。そして、該ガイドシール32はピストン
ロッド9を摺動可能に軸方向に案内する。
【0031】33,33,…は油通路を示し、該各油通
路33は前記ロッドガイド31の下面側に位置して前記
各通路31Cに対応した位置に、図4に示す如く合計4
個設けられ、ロッドガイド31の下端外周側から軸方向
上向きに伸長すると共に、環状段部31Dから環状弁座
31Eに向け径方向外向に伸長して形成されている。そ
して、該各油通路33はリザーバ室Cとロッド側油室A
とを連通し、その通路面積は、ピストン5に穿設された
各油路5A,5Bの通路面積に基づき所定の通路面積と
なるように形成されている。
【0032】34,34はバルブ機構を構成するディス
クバルブを示し、該各ディスクバルブ34は内周側が内
筒4の上端面と前記ロッドガイド31の環状段部31D
との間で挟持され、該各ディスクバルブ34のうち上側
のディスクバルブ34は外周側がロッドガイド31の環
状弁座31Eに当接するように設けられている。そし
て、各ディスクバルブ34はロッド側油室A内がリザー
バ室Cに比較して所定圧力以上高くなるまでは環状弁座
31Eに着座して閉弁し、ロッド側油室A内の圧油が各
油通路33を介してリザーバ室Cへと流通するのを遮断
している。
【0033】本実施例による油圧緩衝器は上述の如き構
成を有するもので、次にその作動について説明する。な
お、ピストンロッド9の移動速度が中速域のときには、
油圧緩衝器の作動は従来技術の油圧緩衝器と同様に作動
する。
【0034】ここで、ピストンロッド9の高速域での伸
長行程においては、ピストン5が高速で変位し、ピスト
ンバルブ7が開弁状態となったときには、ロッド側油室
Aはリザーバ室Cの圧力に比較して高くなり、この圧力
差により、ロッドガイド31の各油通路33を介して各
ディスクバルブ34にロッド側油室Aの圧油を作用さ
せ、該各ディスクバルブ34を環状弁座31Dから離座
させ、開弁状態にして所定の減衰力を発生させつつ、ロ
ッド側油室Aからリザーバ室Cに圧油を流通させる。こ
れにより、ロッド側油室Aが高圧となるのを防止すると
共に、図5の点線で示すように、伸長行程でピストン5
の移動速度が速いときの減衰力の急激な上昇を抑えるこ
とができる。
【0035】そして、車輌に本実施例による油圧緩衝器
を用いた場合には、路面の凹凸等が激しい場合でも、そ
の凹凸に対して車輪を確実に追従させることができ、車
輌の乗り心地を格段向上させることができる。
【0036】さらに、ピストンロッド9の移動速度が速
い場合でもロッドガイド31の各油通路33を介してロ
ッド側油室A内の圧油をリザーバ室Cに流通させること
ができ、ロッド側油室A内が高圧になるのを確実に防止
できる。そして、ピストン5の上側に配設された縮小側
のピストンバルブ7の損傷を確実に防止でき、該ピスト
ンバルブ7の寿命を効果的に延ばすことができ、ひいて
は油圧緩衝器の耐久性を向上できる。
【0037】なお、前記実施例による油圧緩衝器におい
ては、内筒4の下側にボトムバルブ11を設ける構成と
したが、本発明はこれに替えて、ボトムバルブ11を廃
止し、ピストン5の上,下面に配設したピストンバルブ
6,7のみで減衰力を調整する油圧緩衝器に適用するこ
ともできる。
【0038】また、前記実施例では、ピストン5の上,
下面にピストンバルブ6,7を配設したが、本発明はこ
れに限らず、縮小側の減衰力バルブとなるピストンバル
ブ6を廃止し、伸長側の減衰力バルブとなるピストンバ
ルブ7と縮小側の減衰力を発生するボトムバルブ11で
減衰力を調整する油圧緩衝器に適用してもよい。
【0039】さらに、ピストン5に減衰力を発生するピ
ストンバルブ6,7を設けず、ピストンロッド9内にロ
ッド側油室Aとボトム側油室Bを連通するオリフィス通
路を設け、これにより減衰力発生機構を構成するように
してもよい。
【0040】
【発明の効果】以上詳述した如く、本発明によれば、ロ
ッドガイドには、リザーバ室とロッド側油室とを連通さ
せる油通路を形成し、該油通路の途中には、所定圧力以
上で前記ロッド側油室からリザーバ室に流通する圧油に
より減衰力を発生させるバルブ機構を設ける構成とした
から、ピストンロッドの伸長行程において、ピストンの
移動速度が高速域の場合に、ロッド側油室の圧力が上昇
してロッドガイド側のバルブ機構を開弁し、所定の減衰
力を発生させつつ、ロッド側油室内の圧油をリザーバ室
に流通させる。これにより、伸長行程におけるピストン
の移動速度が高速域での、減衰力の急激な上昇を確実に
防止することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施例による油圧緩衝器の要部断面図
である。
【図2】図1中のロッドガイドを上側からみた平面図で
ある。
【図3】図2中の矢視III −III 方向からみた縦断面図
である。
【図4】図2中のロッドガイドを下側からみた底面図で
ある。
【図5】本実施例および従来技術による油圧緩衝器の減
衰力特性を示す特性線図である。
【図6】従来技術による油圧緩衝器を示す縦断面図であ
る。
【図7】図6中の要部を拡大して示す断面図である。
【符号の説明】
1 外筒 2 ボトムキャップ 3 アッパーキャップ 4 内筒 5 ピストン 6 ピストンバルブ 7 ピストンバルブ 9 ピストンロッド 31 ロッドガイド 33 油通路 34 ディスクバルブ(バルブ機構) A ロッド側油室 B ボトム側油室 C リザーバ室

Claims (1)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 両端が閉塞された外筒と、該外筒内に配
    設され、該外筒との間にリザーバ室を形成した内筒と、
    該内筒の一端側に配設されたロッドガイドと、前記内筒
    内に摺動可能に挿嵌され、該内筒内をロッド側油室とボ
    トム側油室とに画成したピストンと、一端側が該ピスト
    ンに固定され、他端側が前記ロッドガイドを介して外筒
    外に突出したピストンロッドと、前記ピストンまたはピ
    ストンロッドに設けられ、少なくとも該ピストンロッド
    が伸長するときに前記ロッド側油室とボトム側油室との
    間を流通する圧油により減衰力を発生させる減衰力発生
    機構とからなる油圧緩衝器において、前記ロッドガイド
    には、前記リザーバ室とロッド側油室とを連通させる油
    通路を形成し、該油通路には、前記ロッド側油室の圧力
    が所定圧力以上になったときに開弁し、該ロッド側油室
    からリザーバ室への油液の流通のみを許して減衰力を発
    生させるバルブ機構を設けたことを特徴とする油圧緩衝
    器。
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Cited By (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
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