JPS6131559Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 本考案は、オイル室とガス室とを備える複筒式
シヨツクアブソーバに関し、更に詳しくは、ガス
室内のガスの漏出を有効に阻止し得る如くなした
シヨツクアブソーバを提供することを目的とす
る。

ピストン及びオイルシリンダによる油圧手段の
外側に、ガスチユーブを同芯に組合せてオイルシ
リンダとガスチユーブの間にガス室を形成したオ
イル及びガス併用の複筒式シヨツクアブソーバに
おいては、圧力オイルに対するシール手段の他
に、ガスの漏出防止に関する配慮が必要である。
第１図のシヨツクアブソーバは、実開昭54−
53193号公報に開示された圧力オイル及びガスに
対するシール手段を備える複筒式シヨツクアブソ
ーバの一例であつて、下記する構成を備えてい
る。小径のオイルシリンダ１と大径のガスチユー
ブ２とが互いに同芯に結合されて中間にガス室３
を形成し、ロツド４の先端部に結合されたピスト
ン（図示せず）が、オイルシリンダ１内に軸方向
に移動可能に配置され、オイルシリンダ１の端部
に固定されてロツド４の往復動を支えるベアリン
グ５が、オイルシリンダ１及びロツド４と協働し
てオイル室６を形成しており、ガスチユーブ２の
端部に支持されたパツキンカバー９の内側に、ゴ
ム状弾性材をもつて製せられ、オイルの外側への
漏出及び外部のダストのベアリング５側への侵入
を阻止するオイルシール１０が配置され、ゴム状
弾性材料をもつて製せられ、チエツクバルブリツ
プ１２を付されて略Ｌ字状の断面形状を示すチエ
ツクバルブ１１が、オイルシール１０との間にパ
ツキン押え１３を介在させて配置され、シールリ
ツプ１２をベアリング５のオイルシール側に形成
された円錐形状周面１５に弾性的に接触させて内
方空室１６及び外方空室１７を形成し、チエツク
バルブ１１をオイルシール１０側へ押圧するコイ
ルスプリング１８が、外方空室１７内に配置さ
れ、外方空室１７をガス室３へ連通せる連通孔１
９が、ベアリング５の外周近傍に適宜設けられて
いる。上記したシヨツクアブソーバにおいて、ピ
ストン及びロツド４が上昇する際には、オイル室
６内の圧力が上昇してオイルの一部がベアリング
５とロツド４との隙間から内方空室１６内へ達す
るが、外部への漏出をオイルシール１０によつて
阻止され、チエツクバルブ１１のシールリツプ１
３を拡張させて外方空室１７内へ流れ、連通孔１
９を通つてガス室３内へ流れ、ガス室３の下方に
充填されているオイルに混入し、ピストン及びロ
ツド４が下降する際には、オイル室６内の圧力が
下降し、ガス室３内の圧力が上昇するが、チエツ
クバルブ１１のリツプ１２がベアリングの円錐形
状周面１５に圧接させられるために、ガス室３及
び外方空室１７内のガスの内方空室１６側への流
入は阻止される。

上記したシヨツクアブソーバにおいては、オイ
ルシール１０及びチエツクバルブ１１がコイルス
プリング１８に支えられる態様となつているた
め、特に、ロツド４の下降ストーク中に、ロツド
４とオイルシール１０との摺動摩擦により下方へ
引張られるオイルシール１０の挙動が、チエツク
バルブリツプ１２とベアリング５の円錐形状周面
１５との接触状態に対し影響を及ぼすことにな
り、ガス室３側のガスが内方空室１６へ漏出し、
更にオイルシール１０とロツド４の摺動部から外
部へ漏出するおそれが残されている。

本考案は上記した従来技術によるシヨツクアブ
ソーバにおける問題点に鑑み、オイルシールの構
造を、径方向外方の取付部と径方向内方の主リツ
プ部とが、略蛇の目形状を呈する径方向部によつ
て連結されるとともに、取付部の一端にチエツク
バルブリツプを付された構造となす一方、ベアリ
ングの端部に軸方向に伸びる支持用円筒部を設け
るとともに、ガスチユーブの端部に取付けられた
パツキンカバーに径方向内方へ伸びる内向フラン
ジ部を設け、オイルシールの径方向部をベアリン
グの支持用円筒部と内向フランジ部に挟性させる
ことにより、オイルシールの取付保持が強固に保
たれるようになして、ロツドの往復動に伴なうオ
イルールの姿勢の変化を防止し、主リツプ部及び
チエツクバルブリツプのシール機能の保持をはか
るものである。

以下、図面により、本考案の実施例について説
明する。第２図の実施例においては、オイルシリ
ンダ１及びガスチユーブ２の端部に嵌着されて、
ガス室３及びオイル室６を形成するとともに、ロ
ツド４を支持するベアリング５が、一方の端部に
軸方向に伸びる支持用円筒部２１を付され、オイ
ルシール１０は、径方向外方の略円筒状の取付固
定部２３と、略蛇の目形状の径方向部２４と、ロ
ツド４周面に密封摺動する主リツプ部２５と、取
付円筒部２３の他方の端部から斜め内方へ伸びて
略截頭円錐形状を呈するチエツクバルブリツプ１
１とを有し、取付円筒部２３を、円筒部２７及び
内向フランジ部２８とを有して略Ｌ字状の断面形
状を呈し、ガスチユーブ２の端部に結合されたパ
ツキンカバー９の円筒部２７に嵌着されて、径方
向部２４を、ベアリング５の支持用円筒部２１及
びパツキンカバー９の内向フランジ部２８に挟持
され、チエツクバルブリツプ１２を、ベアリング
５の支持用円筒部２１の外周面に弾性的に接触さ
せている。ベアリング５の支持用円筒部２１の端
部に、内外を連通させる第１の連通溝３１が設け
られ、チエツクバルブリツプ１２の外方に形成さ
れた外方空室１７とガス室３を連通させる第２の
連通溝３２が、ベアリング５の外周近傍に設けら
れている。

上記の構成になる本考案によるシヨツクアブソ
ーバにおいて、ロツド４の上昇ストローク時に
は、ベアリング５とロツド４の隙間を通つてオイ
ルシール１０側へ漏出したオイルが主リツプ部２
５によて外部への漏出を阻止され、第１の連通溝
３１を通つてチエツクバルブリツプ１２へ達し、
このリツプ１２を拡張させて外方空室１７及び第
２の連通溝３２を経てガス室３内へ流入し、ロツ
ド４の下降ストローク時には、ガス室３及び外方
空室１７内のガス圧が上昇し、内方空室１６及び
オイル室６内の圧力が下降するが、チエツクバル
ブリツプ１２がベアリング５の支持用円筒部２１
の周面に圧接させられるので、ガスの内方空室１
６側への流出が完全に阻止される。

本考案のシヨツクアブソーバが上記した構成要
件を備えていることにより、下記する作用効果が
もたらされる。オイルシールが主リツプ部とチエ
ツクバルブリツプとの中間に径方向部を備えて、
この径方向部をベアリングに付された支持用円筒
部の端面とパツキンカバーの内向フランジ部の内
側面に挟持される構成となつていることにより、
オイルシールの保持が強固となるので、ロツド及
びピストンの往復動に伴なつて主リツプ部或いは
チエツクバルブリツプのシール機能に悪影響を及
ぼされるおそれが全くない。又ベアリングに支持
用円筒部を付されていることにより内方空室内に
オイル溜りが形成されるので、ロツドの往復動に
対するベアリング及び主リツプ部における潤滑が
確保される。

【図面の簡単な説明】

第１図は従来技術によるシヨツクアブソーバの
一例を示す断面図、第２図は本考案の実施例を示
す断面図である。 １……オイルシリンダ、２……ガスチユーブ、
３……ガス室、４……ロツド、５……ベアリン
グ、６……オイル室、９……パツキンカバー、１
０……オイルシール、１１……チエツクバルブ、
１２……チエツクバルブリツプ、１３……パツキ
ン押え、１５……円錐形状周面、１６……内方空
室、１７……外方空室、１８……コイルスプリン
グ、１９……連通孔、２１……支持用円筒部、２
３……取付固定部、２４……径方向部、２５……
主リツプ部、２７……円筒部、２８……内向フラ
ンジ部、３１……第１の連通溝、３２……第２の
連通溝。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 互いに同芯に結合されて中間にガス室３を形成
   するオイルシリンダ１及びガスチユーブ２、互い
   に結合されて前記オイルシリンダ１内を往復動す
   るピストン及びロツド４、前記オイルシリンダ１
   の端部に固定され、前記オイルシリンダ１及びロ
   ツド４と協働してオイル室６を形成し、前記ガス
   チユーブ２と協働してガス室３を形成し、前記ロ
   ツド４を摺動可能に支承するベアリング５並びに
   補強部材により補強されている取付固定部２３と
   前記取付固定部２３から内方に伸びる径方向部２
   ４、前記径方向部２４の内端に付された主リツプ
   部２５及び前記取付固定部２３の端部から斜め内
   方へ伸びて略截頭円錐形状を呈するチエツクバル
   ブリツプ１２より成るオイルシール１０を有し、
   前記オイルシール１０が、前記取付固定部２３
   を、前記ガスチユーブ２の端部に保持されるとと
   もに、前記径方向部２４を、前記ベアリング５か
   ら軸方向に伸びる支持用円筒部２１の端面と、前
   記ガスチユーブ２の端部に固定されたパツキンカ
   バー９の内向フランジ２８に挟持されて、前記主
   リツプ部２５を前記ロツド４周面に弾性接触させ
   るとともに、前記チエツクバルブリツプ１２を、
   前記ベアリング５の支持用円筒部２１の周面に弾
   性接触させ、更に前記支持用円筒部２１端部と前
   記径方向部２４との間に連通路を設けているシヨ
   ツクアブソーバ。