JP5201790B2 - 半導体装置の作製方法 - Google Patents

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Description

本発明は、基板上に形成されるTFT(薄膜トランジスタ)に関するものである。
集積回路の規模の縮小に伴い、Siと金属のコンタクト抵抗やソース領域、ドレイン領域の低抵抗化が要求されている。そしてTi、CoシリサイドがLSIプロセスに採用されている。Niシリサイド(NiSi)は低温で形成できるということから次世代向けの材料として研究されている。
例えばTFT作製プロセスにおけるNiシリサイドの形成工程は、ソース領域、ドレイン領域上にNi膜をスパッタ法にて成膜し、その後約450℃の温度でアニールし、その後未反応のNi膜を除去することにより行われている(特許文献1)。
このように従来、Niシリサイド形成は、
1)半導体膜上にNi膜を形成する
2)加熱処理を行ってシリサイド反応を起こさせる
3)未反応のNi膜を除去する、という工程によって行われている。
特開2004−221115号公報
上記のようなプロセスを導入すると、工程数の増加が避けられない。工程数の増加はコスト高、納期遅れ、トラブル発生率の増加、歩留まりの低下などにつながるため極力抑えたい。
また上記の工程では、Ni膜の膜厚、加熱処理温度、加熱処理時間の3つのパラメータによってシリサイド膜厚が決まっていたため、正確にシリサイド膜厚を制御するためには入念な条件出しと処理条件の管理が必要であった。
本発明は、このような問題点に鑑みてなされたものであり、簡単な工程でNiシリサイドを形成することを目的とする。
本発明は半導体膜上に加熱しながらNi膜の成膜を行うことにより、成膜と同時にシリサイド反応を行い、その後未反応のNiを除去する。本発明は半導体膜のソース領域、ドレイン領域にNiシリサイドを形成することに用いられる。またゲート電極、ソース電極、ドレイン電極などの電極や電極配線を半導体膜を用いて作製する場合、本発明のNiシリサイドを用いることができる。
本発明は、基板上に半導体膜を形成し、
前記基板を加熱しながら前記半導体膜上に金属膜を成膜することにより、前記半導体膜に金属シリサイドを形成し、未反応の金属膜を除去することを特徴とする。
なお本発明においてシリサイドを形成するための金属は、Ni、Ti、V、Co、Zr、Nb、Mo、Ta、Ptから選ばれた1つあるいは複数の金属を用いればよい。
本発明は、基板上に半導体膜を形成し、
前記基板を加熱しながら前記半導体膜上にニッケル膜を成膜することにより、前記半導体膜にニッケルシリサイドを形成し、
未反応のニッケルを除去することを特徴とする。
また基板上に半導体膜を形成し、
前記基板を450℃以上に加熱しながら前記半導体膜上にニッケル膜を成膜することにより、前記半導体膜にニッケルシリサイドを形成し、
未反応のニッケルを除去することを特徴とする。
また基板上に半導体膜を形成し、
前記基板を450℃以上に加熱しながら前記半導体膜上にニッケル膜を10nm以上成膜することにより、前記半導体膜にニッケルシリサイドを形成し、
未反応のニッケルを除去することを特徴とする。
また基板上に半導体膜を形成し、
前記半導体上の酸化膜を除去し、
前記基板を450℃以上に加熱しながら前記半導体膜上にニッケル膜を成膜することにより、前記半導体膜にニッケルシリサイドを形成し、
未反応のニッケルを除去することを特徴とする。
また基板上に半導体膜を形成し、
前記半導体上の酸化膜を除去し、
前記基板を450℃以上に加熱しながら前記半導体膜上にニッケル膜を10nm以上成膜することにより、前記半導体膜にニッケルシリサイドを形成し、
未反応のニッケルを除去することを特徴とする。
また基板上に半導体膜を形成し、
前記半導体膜上にゲート絶縁膜を形成し、
前記ゲート絶縁膜上にゲート電極を形成し、
前記ゲート電極をマスクとして前記半導体膜中にn型又はp型の不純物を導入し、
前記ゲート電極をマスクとして前記ゲート絶縁膜の一部をエッチング除去して前記半導体膜の一部を露出させ、
前記基板を加熱しながら前記露出した半導体膜上にニッケル膜を成膜することにより、前記半導体膜にニッケルシリサイドを形成し、
未反応のニッケルを除去することを特徴とする。
また基板上に半導体膜を形成し、
前記半導体膜上にゲート絶縁膜を形成し、
前記ゲート絶縁膜上にゲート電極を形成し、
前記ゲート電極をマスクとして前記半導体膜中にn型又はp型の不純物を導入し、
前記ゲート電極をマスクとして前記ゲート絶縁膜の一部をエッチング除去して前記半導体膜の一部を露出させ、
前記基板を450℃以上に加熱しながら前記露出した半導体膜上にニッケル膜を成膜することにより、前記半導体膜にニッケルシリサイドを形成し、
未反応のニッケルを除去することを特徴とする。
また基板上に半導体膜を形成し、
前記半導体膜上にゲート絶縁膜を形成し、
前記ゲート絶縁膜上にゲート電極を形成し、
前記ゲート電極をマスクとして前記半導体膜中にn型又はp型の不純物を導入し、
前記ゲート電極をマスクとして前記ゲート絶縁膜の一部をエッチング除去して前記半導体膜の一部を露出させ、
前記基板を450℃以上に加熱しながら前記露出した半導体膜上にニッケル膜を10nm以上成膜することにより、前記半導体膜にニッケルシリサイドを形成し、
未反応のニッケルを除去することを特徴とする。
また基板上に半導体膜を形成し、
前記半導体膜上にゲート絶縁膜を形成し、
前記ゲート絶縁膜上にゲート電極を形成し、
前記ゲート電極をマスクとして前記半導体膜中にn型又はp型の不純物を導入し、
前記ゲート電極をマスクとして前記ゲート絶縁膜の一部をエッチング除去して前記半導体膜の一部を露出させ、
前記露出した半導体膜上の酸化膜を除去し、
前記基板を450℃以上に加熱しながら前記露出した半導体膜上にニッケル膜を成膜することにより、前記半導体膜にニッケルシリサイドを形成し、
未反応のニッケルを除去することを特徴とする。
また基板上に半導体膜を形成し、
前記半導体膜上にゲート絶縁膜を形成し、
前記ゲート絶縁膜上にゲート電極を形成し、
前記ゲート電極をマスクとして前記半導体膜中にn型又はp型の不純物を導入し、
前記ゲート電極をマスクとして前記ゲート絶縁膜の一部をエッチング除去して前記半導体膜の一部を露出させ、
前記露出した半導体膜上の酸化膜を除去し、
前記基板を450℃以上に加熱しながら前記露出した半導体膜上にニッケル膜を10nm以上成膜することにより、前記半導体膜にニッケルシリサイドを形成し、
未反応のニッケルを除去することを特徴とする。
また基板上に半導体膜を形成し、
前記半導体膜上にゲート絶縁膜を形成し、
前記ゲート絶縁膜上にゲート電極を形成し、
前記ゲート電極をマスクとして前記半導体膜中にn型又はp型の不純物を導入し、
前記ゲート電極及び前記ゲート絶縁膜を覆って絶縁膜を形成し、
前記絶縁膜を異方性エッチングして前記ゲート電極の側面に前記絶縁膜からなるサイドウォールを形成するとともに、前記ゲート絶縁膜の一部を除去して前記半導体膜の一部を露出させ、
前記半導体膜中にn型又はp型の不純物を導入して前記サイドウォールの下の半導体膜にLDD領域を、前記露出した半導体膜にソース領域及びドレイン領域を形成し、
前記基板を加熱しながら前記露出した半導体膜上にニッケル膜を成膜することにより、前記半導体膜にニッケルシリサイドを形成し、
未反応のニッケルを除去することを特徴とする。
また基板上に半導体膜を形成し、
前記半導体膜上にゲート絶縁膜を形成し、
前記ゲート絶縁膜上にゲート電極を形成し、
前記ゲート電極をマスクとして前記半導体膜中にn型又はp型の不純物を導入し、
前記ゲート電極及び前記ゲート絶縁膜を覆って絶縁膜を形成し、
前記絶縁膜を異方性エッチングして前記ゲート電極の側面に前記絶縁膜からなるサイドウォールを形成するとともに、前記ゲート絶縁膜の一部を除去して前記半導体膜の一部を露出させ、
前記半導体膜中にn型又はp型の不純物を導入して前記サイドウォールの下の半導体膜にLDD領域を、前記露出した半導体膜にソース領域及びドレイン領域を形成し、
前記基板を450℃以上に加熱しながら前記露出した半導体膜上にニッケル膜を成膜することにより、前記半導体膜にニッケルシリサイドを形成し、
未反応のニッケルを除去することを特徴とする。
また基板上に半導体膜を形成し、
前記半導体膜上にゲート絶縁膜を形成し、
前記ゲート絶縁膜上にゲート電極を形成し、
前記ゲート電極をマスクとして前記半導体膜中にn型又はp型の不純物を導入し、
前記ゲート電極及び前記ゲート絶縁膜を覆って絶縁膜を形成し、
前記絶縁膜を異方性エッチングして前記ゲート電極の側面に前記絶縁膜からなるサイドウォールを形成するとともに、前記ゲート絶縁膜の一部を除去して前記半導体膜の一部を露出させ、
前記半導体膜中にn型又はp型の不純物を導入して前記サイドウォールの下の半導体膜にLDD領域を、前記露出した半導体膜にソース領域及びドレイン領域を形成し、
前記基板を450℃以上に加熱しながら前記露出した半導体膜上にニッケル膜を10nm以上成膜することにより、前記半導体膜にニッケルシリサイドを形成し、
未反応のニッケルを除去することを特徴とする。
また基板上に半導体膜を形成し、
前記半導体膜上にゲート絶縁膜を形成し、
前記ゲート絶縁膜上にゲート電極を形成し、
前記ゲート電極をマスクとして前記半導体膜中にn型又はp型の不純物を導入し、
前記ゲート電極及び前記ゲート絶縁膜を覆って絶縁膜を形成し、
前記絶縁膜を異方性エッチングして前記ゲート電極の側面に前記絶縁膜からなるサイドウォールを形成するとともに、前記ゲート絶縁膜の一部を除去して前記半導体膜の一部を露出させ、
前記半導体膜中にn型又はp型の不純物を導入して前記サイドウォールの下の半導体膜にLDD領域を、前記露出した半導体膜にソース領域及びドレイン領域を形成し、
前記露出した半導体膜上の酸化膜を除去し、
前記基板を450℃以上に加熱しながら前記露出した半導体膜上にニッケル膜を成膜することにより、前記半導体膜にニッケルシリサイドを形成し、
未反応のニッケルを除去することを特徴とする。
また基板上に半導体膜を形成し、
前記半導体膜上にゲート絶縁膜を形成し、
前記ゲート絶縁膜上にゲート電極を形成し、
前記ゲート電極をマスクとして前記半導体膜中にn型又はp型の不純物を導入し、
前記ゲート電極及び前記ゲート絶縁膜を覆って絶縁膜を形成し、
前記絶縁膜を異方性エッチングして前記ゲート電極の側面に前記絶縁膜からなるサイドウォールを形成するとともに、前記ゲート絶縁膜の一部を除去して前記半導体膜の一部を露出させ、
前記半導体膜中にn型又はp型の不純物を導入して前記サイドウォールの下の半導体膜にLDD領域を、前記露出した半導体膜にソース領域及びドレイン領域を形成し、
前記露出した半導体膜上の酸化膜を除去し、
前記基板を450℃以上に加熱しながら前記露出した半導体膜上にニッケル膜を10nm以上成膜することにより、前記半導体膜にニッケルシリサイドを形成し、
未反応のニッケルを除去することを特徴とする。
また上記において前記ニッケル膜はスパッタ法、CVD法又は蒸着法にて成膜されることを特徴とする。
また上記において、前記ニッケル膜はスパッタ法にて1.4W/cmよりも低い電力密度で成膜することを特徴とする。
Ni膜の膜厚は10nm以上、好ましくは15nm以上であればよい。またNi膜成膜前に半導体膜の表面の酸化膜を除去する工程を設けてもよい。
加熱温度は450℃以上であればよいが、耐熱性の低いガラス基板の場合にはその歪み点以下の温度で行う必要がある。
一方450℃よりも低い温度ではNi成膜をするだけでシリサイドを形成することはできず、成膜後に別途加熱処理が必要である。
Niシリサイドを形成した後、未反応のNiを除去する。エッチング溶液を用いて除去することができる。
なお、本発明において、シリサイドを形成するための金属はNiに限定されず、Ti、V、Co、Zr、Nb、Mo、Ta、Ptから選ばれた1つあるいは複数の金属を用いてもよい。
本発明によると、ソース領域及びドレイン領域を低抵抗化できた半導体素子、低抵抗化できた電極や配線を形成できる。半導体素子としては、TFT、電界効果トランジスタ(FET)、MOSトランジスタ、バイポーラトランジスタ、MIM素子、記憶素子、ダイオード、光電変換素子、容量素子、抵抗素子等が挙げられる。
半導体装置としては、半導体素子で構成された集積回路、表示装置、無線タグ、ICタグ、ICカード等が挙げられる。表示装置としては、代表的には液晶表示装置、発光表示装置、DMD(Digital Micromirror Device;デジタルマイクロミラーデバイス)、PDP(Plasma Display Panel;プラズマディスプレイパネル)、FED(Field Emission Display;フィールドエミッションディスプレイ)、電気泳動表示装置(電子ペーパー)等の表示装置があげられる。なお、TFTは、順スタガ型TFT、逆スタガ型TFT(チャネルエッチ型TFT又はチャネル保護型TFT)、トップゲートのコプレナー型TFT、ボトムゲートのコプレナー型TFT等である。
上記表示装置とは、表示素子を用いたデバイス、即ち画像表示デバイスを指す。また、表示パネルにコネクター、例えばフレキシブルプリント配線(FPC:Flexible Printed Circuit)もしくはTAB(Tape Automated Bonding)テープもしくはTCP(Tape Carrier Package)が取り付けられたモジュール、TABテープやTCPの先にプリント配線板が設けられたモジュール、または表示素子にCOG(Chip On Glass)方式によりIC(集積回路)やCPUが直接実装されたモジュールも全て表示装置に含むものとする。
本発明によると、
1)加熱しながら半導体膜上にNi膜を成膜して、成膜と同時にシリサイド層を形成する、
2)未反応のNiを除去する、という2工程によってNiシリサイド層の形成が可能である。
また本発明によるとNiの成膜時にシリサイド化反応が起きることから、シリサイド層の厚さは、成膜速度から見積もられるNi膜の膜厚に依存する。よってNi膜の膜厚、成膜温度という少ないパラメータでシリサイド膜厚を制御することが可能である。
さらに本発明を用いてTFTなどのソース領域・ドレイン領域上にNiシリサイドを形成した場合、十分に低抵抗化を図ることができるため、ソース領域・ドレイン領域に添加した不純物の活性化工程が不要になるという効果も奏する。
このように本発明を用いることによって半導体素子、及び半導体装置を、簡単な工程で精度良く形成することができ、さらには、低コストで、スループットや歩留まりの高い半導体素子、半導体装置の作製方法を提供することができる。
以下、発明を実施するための最良の形態について図面を参照しながら説明する。但し、本発明は多くの異なる態様で実施することが可能であり、本発明の趣旨及びその範囲から逸脱することなくその形態及び詳細を様々に変更し得ることは当業者であれば容易に理解される。従って、本発明は本実施の形態の記載内容に限定して解釈されるものではない。
(第1実施形態)
ここでは半導体膜の表面にNiシリサイドを形成する実施形態について説明する(図1(A))。
基板1上に形成された半導体膜2上にNi膜4を直接成膜することによってNiシリサイド層3を形成する。Ni膜を形成する方法はスパッタ法を用いることができる。またスパッタ法に限定されるものではなく、CVD法、蒸着法を用いることができる。
Ni膜を形成する際には半導体膜2を加熱手段5により加熱することが必要である。加熱温度は450℃以上であればよいが、基板1が耐熱性の低いガラス基板の場合にはその歪み点以下の温度で行う必要がある。
一方450℃よりも低い温度ではNi膜を成膜をするだけで半導体膜全体にシリサイドを形成することはできず、Ni膜の成膜後に別途加熱処理が必要である。
Ni膜をCVD法で形成する場合には、原料ガスとしてNi(CFC(O)CHC(O)CFとHを用いたり、Ni(CO)等を用いたりすることができる。
蒸着法としては、イオンビーム蒸着法、レーザー蒸着法等を用いることができる。
Ni膜形成前には半導体膜の表面に形成された自然酸化膜等の酸化膜を除去する工程を設けてもよい。これは半導体膜2の表面に形成された酸化膜がNiシリサイドの形成に影響を与える可能性があるからである。酸化膜の除去には公知のフッ酸等を用いることができる。
成膜するNi膜の膜厚は10nm以上、好ましくは15nm以上であればよい。膜厚が薄い場合には半導体とNiのシリサイド反応が少なく、半導体膜の低抵抗化を十分に行うことができない場合がある。ただし例えば半導体膜がリンやボロンなどの不純物導入によって既に低抵抗化されている場合にはNi膜が薄くても十分に低抵抗化を図ることができる。
Ni膜を成膜してNiシリサイドを形成した後は未反応のNiを除去する。半導体膜上にゲート絶縁膜等が形成されている場合など、半導体膜の全てが露出していないときには、露出されていない部分にNiシリサイドを形成することはできない。そこで、この未反応のNiを除去する。
このとき除去には公知のHCl:HNO:HOやHCl:H:HOからなるエッチング溶液などを用いてNiシリサイドを除去することなく、Ni膜を除去することができる。
以下、Niシリサイドを形成するための半導体膜の形成方法について説明する。
まず図2(A)に示すように、基板1上に半導体膜2を形成する。基板1としては、ガラス基板、石英基板、アルミナなど絶縁物質で形成される基板、後工程の処理温度に耐え得る耐熱性を有するプラスチック基板、シリコンウェハ、金属板等を用いることができる。この場合、酸化シリコン(SiOx)、窒化シリコン(SiNx)、酸化窒化シリコン(SiOxNy)(x>y)、窒化酸化シリコン(SiNxOy)(x>y)など、基板側から不純物などの拡散を防止するために、基板1の表面に絶縁膜を形成しておいてもよい。またステンレス基板、金属基板または半導体基板などの表面に酸化シリコンや窒化シリコンなどの絶縁膜を形成した基板なども用いることができる。
なお、基板1にプラスチック基板を用いる場合、PC(ポリカーボネート)、PES(ポリエーテルスルホン)、PET(ポリエチレンテレフタレート)もしくはPEN(ポリエチレンナフタレート)等のガラス転移点が比較的高いものを用いることが好ましい。
半導体膜2はシリコン、シリコン―ゲルマニウム、シリコン−ゲルマニウム−炭素等など、Niシリサイドを形成できる半導体膜を形成する。形成方法としては公知のCVD法、スパッタ法、塗布法、蒸着法等を用いることができる。
また半導体膜2は非晶質半導体膜、結晶性半導体膜、単結晶半導体膜のいずれであってもよい。
結晶性半導体膜を用いる場合、その形成方法としては、基板1に直接結晶性半導体膜を形成する方法、非晶質半導体膜を形成した後、結晶化する方法が挙げられる。
非晶質半導体膜を結晶化させる方法としては、レーザー光6を照射する方法、半導体膜の結晶化を助長させる元素を用いて550℃程度の低温で加熱して結晶化させる方法、半導体膜の結晶化を助長させる元素を用いて550℃程度の低温で加熱して結晶化させた後、レーザー光9を照射する方法を用いることができる(図2(D))。もちろん前記元素を用いずに非晶質半導体膜を熱結晶化させる方法を用いることもできる。ただし基板が石英基板、シリコンウエハーなど高温に耐えられるものに限られる。
レーザー光6、レーザー光9としては、パルス発振型または連続発振型である波長400nm以下のエキシマレーザー、YAGレーザー、YVOレーザー、YLFレーザー、YAlOレーザー、ガラスレーザー、ルビーレーザー、アレキサンドライトレーザー、サファイアレーザーなどを用いることができる。また、これらレーザー光に代えて紫外光ランプから発する光を用いてもよい。
上記したレーザーを用いる場合には、レーザー発振器から放射されたレーザー光を光学系で線状に集光し、半導体膜に照射すればよい。結晶化の条件は実施者が適宣選択するものであるが、パルス発振型のエキシマレーザーを用いる場合は、パルス繰り返し周波数10〜40Hzとし、レーザーエネルギー密度を100〜500mJ/cmとする。また、パルス発振型のYAGレーザーやYVOレーザーを用いる場合には、その第2高調波または第3高調波を用い、パルス繰り返し周波数1〜10kHzとし、レーザーエネルギー密度を300〜600mJ/cmとすると良い。そして幅100〜1000μm、例えば400μmで線状に集光したレーザー光を基板全面に渡って照射する。この時、レーザー光の重ね合わせ率(オーバーラップ率)を80〜98%にするのが好ましい。その他、1〜10MHzの繰り返し周波数のレーザー光を用いることも可能である。
また連続発振型のレーザー(例えば連続発振型のYVOレーザー)を用いる場合、出力5〜15W、例えば10Wの連続発振のYVOレーザーから射出されたレーザー光を非線形光学素子により高調波(第2高調波〜第4高調波)に変換する。その他、共振器の中にYVO結晶と非線形光学素子を入れて、高調波を射出する方法もある。そして、好ましくは光学系により照射面にて矩形状または楕円形状のレーザー光に成形して、半導体膜に照射する。このときのエネルギー密度は0.001〜100MW/cm(好ましくは0.1〜10MW/cm)が必要である。そして、0.5〜2000cm/sの速度でレーザー光に対して相対的に半導体膜を移動させて照射すればよい。
半導体膜の結晶化を助長させる元素を用いて加熱して結晶化させる方法としては特開平8−78329号公報記載の技術を用いることができる。同公報記載の技術は、非晶質半導体膜に対して結晶化を助長する金属元素を選択的に添加し、加熱処理を行うことで添加領域を起点として非晶質半導体膜を結晶化させるものである。詳細は以下の通りである。
まず、図2(B)に示すように非晶質半導体膜2の表面に金属含有層7を形成する。金属含有層7は、半導体膜の結晶化を促進する触媒作用を有する金属元素(例えばFe、Ni、Co、Ru、Rh、Pd、Os、Ir、Pt、Cu、Auから選ばれた一種又は複数種)を含有している。金属元素がNiである場合、金属含有層7は、例えばニッケルを重量換算で1〜100ppm含む酢酸ニッケル溶液をスピナーで塗布することにより形成される。なお金属含有層7の形成方法は、塗布以外に、スパッタ法、蒸着法、またはプラズマ処理により極薄い膜を形成する方法がある。また、ここでは、全面に塗布する例を示したが、マスクを形成して選択的に金属含有層を形成してもよい。また金属含有層7は非晶質半導体膜2を形成する前、すなわち非晶質半導体膜2の下に形成されてもよい。
次いで基板1、非晶質半導体膜2及び金属含有層7を加熱処理する。すると半導体中に金属元素と半導体との合金が形成され、この合金を核として結晶化が進行する。これにより非晶質半導体膜2が結晶化し、結晶構造を有する半導体膜(以下、結晶性半導体膜と記載)8が形成される。なお、結晶性半導体膜8に含まれる酸素濃度は、5×1018/cm以下とすることが望ましい。ここでは、脱水素化のための熱処理(450℃〜500℃、1〜2時間)の後、結晶化のための熱処理(550℃〜650℃で4〜24時間)を行う(図2(C))。
また、加熱処理の代わりに強光の照射を行うことにより、非晶質半導体膜2の結晶化を行うこともできる。この場合、赤外光、可視光、または紫外光のいずれか一またはそれらの組み合わせを用いることが可能であるが、代表的には、ハロゲンランプ、メタルハライドランプ、キセノンアークランプ、カーボンアークランプ、高圧ナトリウムランプ、または高圧水銀ランプから射出された光を用いる。ランプ光源を1〜60秒、好ましくは30〜60秒点灯させ、それを1回〜10回、好ましくは2〜6回繰り返す。ランプ光源の発光強度は任意なものとするが、半導体膜が瞬間的に600〜1000℃にまで加熱されるようにする。なお、必要であれば、強光を照射する前に非晶質半導体膜2に含有する水素を放出させる熱処理を行ってもよい。また、加熱処理と強光の照射の双方を行うことにより結晶化を行ってもよい。
なお上記した加熱処理または強光照射する処理において結晶性半導体膜8の表面に図示しない酸化膜が形成されるが、この酸化膜は次の工程を行う前にエッチングにより除去されるのが好ましい。
次いで結晶性半導体膜8の結晶化率(膜の全体積における結晶成分の割合)を高め、結晶粒内に残される欠陥を補修するために、結晶性半導体膜8に対してレーザー光9を大気または酸素雰囲気で照射して結晶性半導体膜10にする。レーザー光としては、上述したものを用いることが可能である(図2(D))。
次に結晶性半導体膜10に含まれる金属元素を除去する方法を説明する。
まず図3(A)に示すように、オゾン含有水溶液(代表的にはオゾン水)で結晶性半導体膜10の表面を処理することにより、結晶性半導体膜10の表面に酸化膜(ケミカルオキサイドと呼ばれる)を形成する。これにより合計1〜10nmの酸化膜からなるバリア層11が形成される。バリア層11は、後の工程でゲッタリング層のみを選択的に除去する際にエッチングストッパーとして機能する。
ここでオゾン含有水溶液に代えて、過酸化水素水を含む水溶液で処理しても同様にバリア層11を形成することができる。また、酸素雰囲気下で紫外線を照射してオゾンを発生させ、このオゾンにより結晶性半導体膜10の表面を酸化することによりバリア層11を形成してもよい。また、プラズマCVD法やスパッタ法や蒸着法などで1〜10nm程度の酸化膜をバリア層11として堆積しても良い。
次いでバリア層11上に希ガス元素を含むゲッタリング層12をゲッタリングサイトとして形成する。ここでは、CVD法又はスパッタリング法により希ガス元素を含む半導体膜をゲッタリング層12として形成する。ゲッタリング層12を形成するときには希ガス元素が添加されるようにCVD条件、スパッタリング条件を適宜調節する。希ガス元素としてはヘリウム(He)、ネオン(Ne)、アルゴン(Ar)、クリプトン(Kr)、キセノン(Xe)から選ばれた一種または複数種を用いる。ゲッタリング層12中に不活性気体である希ガス元素イオンを含有させる意味は二つある。一つはダングリングボンドを形成し、ゲッタリング層12を構成する半導体膜に歪みを与えることであり、他の一つは半導体膜の格子間に歪みを与えることである。半導体膜の格子間に歪みを与えるにはアルゴン(Ar)、クリプトン(Kr)、キセノン(Xe)など半導体膜を構成する元素(例えばシリコン)より原子半径の大きな元素を用いるのが好ましい。また、半導体膜中に希ガス元素を含有させると、格子歪が生じるのみでなく、不対結合手も形成されるため、半導体膜のゲッタリング能力はさらに向上する。
なお一導電型の不純物元素であるリンを含む原料ガスを用いた場合やリンを含むターゲットを用いてゲッタリング層12を形成した場合、希ガス元素によるゲッタリングに加え、リンのクーロン力を利用してゲッタリングを行うことができる。
また、ゲッタリングの際、金属元素(例えばニッケル)は酸素濃度の高い領域に移動しやすい傾向があるため、ゲッタリング層12に含まれる酸素濃度は、例えば5×1018/cm以上とすることが望ましい(図3(A))。
次いで結晶性半導体膜10、バリア層11およびゲッタリング層12に熱処理(例えば加熱処理または強光を照射する処理)を行って図3(A)の矢印のように金属元素(例えばニッケル)のゲッタリングを行い、結晶性半導体膜10中における金属元素の濃度を低くし、又は除去する。
次いでバリア層11をエッチングストッパーとして公知のエッチング方法を行い、ゲッタリング層12のみを選択的に除去する。その後酸化膜からなるバリア層11を、例えばフッ酸を含むエッチャントにより除去する(図3(B))。なお、本発明において、シリサイドを形成するための金属はNiに限定されず、Ti、V、Co、Zr、Nb、Mo、Ta、Ptから選ばれた1つあるいは複数の金属を用いてもよい。
(第2実施形態)
本発明を用いて結晶性半導体膜を用いたトップゲート型のTFTを作製する実施形態について図2、3等を用いて説明する。
ここでは第1実施形態において作製された結晶性半導体膜10を用いることにする。以下、結晶性半導体膜10を作製する方法の概略を説明する。
ガラス基板1には酸化シリコン(SiOx)、窒化シリコン(SiNx)、酸化窒化シリコン(SiOxNy)(x>y)、窒化酸化シリコン(SiNxOy)(x>y)など、基板側から不純物などの拡散を防止するための絶縁膜を形成しておいてもよい。
次に半導体膜2として非晶質半導体膜2を形成する(図2(B))。ここでは半導体膜の結晶化を助長させる元素を用いて加熱して結晶化させた後、レーザー光を照射する方法を用いる。もちろんこの方法に限定されないことは第1実施形態において記載したとおりである。
まず非晶質半導体膜2の表面に第1実施形態において記載した方法により金属含有層7を形成する(図2(B))。
次いで基板1、非晶質半導体膜2及び金属含有層7を加熱処理して結晶化して結晶性半導体膜8にする(図2(C))。ここでは脱水素化のための熱処理(450℃〜500℃、1時間)の後、結晶化のための熱処理(550℃〜650℃で4〜24時間)を行う。加熱処理に換えて強光照射してもよい。
なお上記した加熱処理または強光照射する処理において結晶性半導体膜8の表面に図示しない酸化膜が形成されるが、この酸化膜は次の工程を行う前にエッチングにより除去されるのが好ましい。
次いで図2(D)に示すように、結晶性半導体膜8の結晶化率(膜の全体積における結晶成分の割合)を高め、結晶粒内に残される欠陥を補修するために、結晶性半導体膜8に対してレーザー光9を大気または酸素雰囲気で照射して結晶性半導体膜10にする。レーザー光は第1実施形態に示したものを用いることができる。
図3(A)に示すように、オゾン含有水溶液(代表的にはオゾン水)で結晶性半導体膜10の表面を処理することにより、結晶性半導体膜10の表面に酸化膜(ケミカルオキサイドと呼ばれる)を形成する。これにより合計1〜10nmの酸化膜からなるバリア層11が形成される。バリア層11は、後の工程でゲッタリング層のみを選択的に除去する際にエッチングストッパーとして機能する。バリア層を作製する方法は第1実施形態に示したものを用いることができる。
次いでバリア層11上に希ガス元素を含むゲッタリング層12をゲッタリングサイトとして形成する。ここではスパッタリング法により希ガス元素を含む半導体膜をゲッタリング層12として形成する。希ガス元素としてはアルゴン(Ar)を用いる。アルゴンに限定されないことは第1実施形態で説明したとおりである。
また、ゲッタリングの際、金属元素(例えばニッケル)は酸素濃度の高い領域に移動しやすい傾向があるため、第1実施形態で説明したようにゲッタリング層12に含まれる酸素濃度は、例えば5×1018/cm以上とすることが望ましい(図3(A))。
次いで結晶性半導体膜10、バリア層11およびゲッタリング層12に熱処理(例えば加熱処理または強光を照射する処理)を行って図3(A)の矢印のように金属元素(例えばニッケル)のゲッタリングを行い、結晶性半導体膜10中における金属元素を低濃度化したり、又は除去する。
次いでバリア層11をエッチングストッパーとして公知のエッチング方法を行い、ゲッタリング層12のみを選択的に除去する。その後酸化膜からなるバリア層11を、例えばフッ酸を含むエッチャントにより除去する(図3(B))。
その後、結晶性半導体膜10を公知のフォトリソグラフィー工程により島状の結晶性半導体膜13にする。
次いで結晶性半導体膜13の表面をフッ酸含有エッチャントで洗浄した後、結晶性半導体膜13上にゲート絶縁膜14を形成する(図3(C))。ゲート絶縁膜14は珪素を主成分とする絶縁膜で形成される。これら結晶性半導体膜13の表面洗浄工程とゲート絶縁膜14の形成工程は、大気にふれさせずに連続的に行うことが望ましい。
次いで、ゲート絶縁膜14の表面を洗浄した後、ゲート絶縁膜14上を含む全面上にAl、Cu、Wなどを主成分とする金属膜を形成する。この金属膜上にフォトレジスト膜(図示せず)を塗布し、このフォトレジスト膜を露光及び現像することによりレジストパターンを形成する。このレジストパターンをマスクとして金属膜をエッチングすることにより、ゲート絶縁膜14上にゲート電極15を形成する。
ゲート電極材料にシリコンなどのNiシリサイド形成可能な材料を用いた場合には、本発明によりゲート電極上にもNiシリサイドを形成することができる。例えばゲート絶縁膜上に導電性を付与した結晶性半導体膜や非晶質半導体膜を全面に形成し、その後この半導体膜を公知のフォトリソグラフィー工程を用いてゲート電極を形成する。
上記ゲート電極を形成する際にゲート絶縁膜の一部も除去して結晶性半導体膜13の一部を露出させる。
次いで、ゲート電極15をマスクとして結晶性半導体膜13にn型不純物イオン16(P、As等のイオン、ここではPイオン)を導入して、ソース領域17及びドレイン領域18を形成する。(図3D)
ここでは結晶性半導体膜の一部を露出させてからn型不純物イオン16を導入しているが、その逆であってもよい。すなわち、ゲート電極を形成する際にゲート絶縁膜は除去せず、ゲート絶縁膜を介して結晶性半導体膜13にn型不純物イオンを導入してからゲート電極をマスクとしてゲート絶縁膜の一部をエッチング除去して結晶性半導体膜13の一部を露出させてもよい。
その後露出した結晶性半導体膜13の表面をフッ酸で洗浄する。次に結晶性半導体膜13、基板1を加熱手段20によって450℃以上に加熱してNi膜19を全面にスパッタ法にて10nm以上、例えば30nm成膜する。この成膜によって露出した結晶性半導体膜の部分、すなわちソース領域およびドレイン領域にはNiシリサイド21が形成される(図4(A))。
またゲート電極が導電性を付与された結晶性半導体膜などの場合には、ゲート電極上にもNiシリサイド22が形成される(図4(B))。
次に未反応のNiを公知のエッチング液を用いて除去する(図4(C))。当該Niシリサイド形成工程によってソース領域、ドレイン領域を十分に低抵抗化できる。したがってその後、n型不純物を活性化することは不要である。もちろんn型不純物を活性化するために加熱処理、強光の照射、またはレーザー光の照射を行ってもよいことはいうまでもない。
次いでゲート絶縁膜14及びゲート電極15を含む全面上に層間絶縁膜23を形成し、水素化を行う。次いで層間絶縁膜23の上にレジストパターンを形成し、このレジストパターンをマスクとして層間絶縁膜23をエッチングすることにより、ソース領域17、ドレイン領域18上、すなわちNiシリサイド21上それぞれに位置するコンタクトホールを形成する。次いで層間絶縁膜23上及びコンタクトホール中に導電膜(例えばAl合金配線)を形成し、この導電膜を加工してソース電極、ドレイン電極24を形成する。以上の工程によりTFT(nチャネル型TFT)が形成される。
なお本発明は図4(C)に示したTFT構造に限定されず、他の構造を有するTFTに適用することも可能である。例えばチャネル領域とドレイン領域(またはソース領域)との間にLDD(Lightly Doped Drain)領域を有する低濃度ドレイン構造としてもよい。この構造はソース領域とチャネル領域の間、及びドレイン領域とチャネル領域の間それぞれに低濃度に不純物元素を添加した領域(以下LDD領域と記載)を設けたものである。またゲート絶縁膜を介してLDD領域をゲート電極と重ねて配置させた、いわゆるGOLD(Gate−drain Overlapped LDD)構造としてもよい。
また本実施形態ではnチャネル型TFTを用いて説明したが、n型不純物元素に代えてp型不純物元素を用いることによってpチャネル型TFTを形成することができることは言うまでもない。
また本実施形態ではトップゲート型TFTを例として説明したが、例えば逆スタガ型TFTに適用することが可能である。
なお、本発明において、シリサイドを形成するための金属はNiに限定されず、Ti、V、Co、Zr、Nb、Mo、Ta、Ptから選ばれた1つあるいは複数の金属を用いてもよい。
ここでは本発明で用いる結晶性珪素膜を作成する工程について説明する。実施例2〜5においては本実施例で作成した結晶性珪素膜を用いた。
まず図2(A)に示すように、ガラス基板(コーニング製1737)1上にプラズマCVD法により非晶質珪素膜2を膜厚50〜100nm(例えば66nm)形成する。基板側からナトリウムなどの不純物が珪素膜に拡散するのを防止するため、窒化酸化シリコン(SiNxOy)(x>y)、酸化窒化シリコン(SiOxNy)(x>y)を下地膜(図示しない)として形成した。
次に非晶質珪素膜2を結晶化した。まず図2(B)に示すように非晶質珪素膜2の表面に金属含有層7を形成する。金属含有層7は、ニッケルを重量換算で10ppm含む酢酸ニッケル溶液をスピナーで塗布することにより形成した。
次いで図2(C)に示すように、基板1、非晶質珪素膜2及び金属含有層7を加熱処理して結晶化する。ここでは脱水素化のための熱処理(500℃、1時間)の後、結晶化のための熱処理(550℃で4時間)を行い、結晶性珪素膜8にした。
次いで図2(D)に示すように、結晶性珪素膜8の結晶化率(膜の全体積における結晶成分の割合)を高め、結晶粒内に残される欠陥を補修するために、結晶性珪素膜8に対してレーザー光9を大気圧下で照射した。
レーザー光9としては、連続発振型であるYVOレーザーの第2高調波を用いた。出力は10W程度とし、レーザー光を非線形光学素子により変換して第2高調波とした。またこのときのパワー密度は0.001〜100MW/cm程度とした。そして、0.5〜2000cm/sec程度、例えば35cm/secの速度でレーザー光に対して相対的に珪素膜を移動させて照射した。以上により結晶性珪素膜10を形成した。
次に図3(A)に示すようにオゾン含有水溶液(代表的にはオゾン水)で結晶性珪素膜10の表面を処理することにより、結晶性珪素膜10の表面に酸化膜(ケミカルオキサイドともいう)を形成する。これにより合計1〜10nmの酸化膜からなるバリア層11が形成される。バリア層11は、後の工程でゲッタリング層12のみを選択的に除去する際にエッチングストッパーとして機能する。
次いでバリア層11上にアルゴン元素を含むゲッタリング層12をゲッタリングサイトとして形成する。ここでは、スパッタリング法によりアルゴン元素を含む非晶質珪素膜をゲッタリング層12として形成する。
次いで結晶性珪素膜10、バリア層11およびゲッタリング層12に550℃4hrの加熱処理を行った。これにより図3(A)の矢印のように金属元素(ここでは主にニッケル)のゲッタリングを行い、結晶性半導体膜10中における金属元素を低濃度化したり、又は除去する。
次いでバリア層11をエッチングストッパーとして公知のエッチング方法を行い、ゲッタリング層12のみを選択的に除去する。その後酸化膜からなるバリア層11を、例えばフッ酸を含むエッチャントにより除去する(図3(B))。以上により結晶性珪素膜10を得た。
実施例1で作製した結晶性珪素膜10を用いて、Niシリサイド形成の際のNi成膜温度(基板加熱温度)について検討した結果を図5、図6に示す。なお図5、6の縦軸において1.E+00は1、1.E+01は10、1.E+02は100、1.E+03は1000、1.E+04は10、1.E+05は10、1.E+06は10、1.E+07は10、1.E+08は10を示している。
結晶性珪素膜10上の表面酸化膜をフッ酸を用いて除去した後、加熱手段5を用いて結晶性半導体膜10を加熱しながらNi膜31をスパッタ法にて成膜してNiシリサイド30を形成した(図1(B))。成膜時の電力密度は4.2W/cmとし、Ni膜の膜厚は50nmとした。Niシリサイド形成後、未反応のNiを除去してから表面シート抵抗を測定した。基板加熱温度を400℃とした場合、450℃とした場合におけるNiシリサイド形成後の表面シート抵抗を図5に示す。○は測定値、□は平均値を示す。
図5によると、400℃では表面シート抵抗が高いが、450℃で成膜すると表面シート抵抗が低くなってシリサイド形成がされていることがわかる。450℃以上でNi膜を成膜することによって、その後の加熱処理を経ることなく、シリサイド化を行うことができることがわかる。
もちろんNi膜成膜後に加熱処理を行ってもよい。ただしこの場合には加熱処理工程が追加されることになる。成膜後5分間その成膜温度(400℃、450℃)で保持した後の表面シート抵抗を図6に示す。○は測定値、□は平均値を示す。450℃で成膜した場合、その後5分間450℃で保持しても表面シート抵抗値に大きな変化はみられない。一方、400℃で成膜した場合、その後5分間400℃で保持すると表面シート抵抗は低下している。成膜後の加熱処理によりシリサイド化を促進させることができることがわかった。
実施例1で作製した結晶性珪素膜10を用いて、Niシリサイド形成の際のNi膜成膜電力について検討した結果を示す。
結晶性珪素膜10上の表面酸化膜を除去せずにNi膜31をスパッタ法にて成膜してNiシリサイド30を形成した(図1(B)。Ni膜成膜時の基板加熱温度は400℃、Ni膜の膜厚は15nmとし、Niシリサイド形成後に未反応のNiを除去してから表面シート抵抗を測定した。Ni成膜時の電力密度を1.4W/cm、0.7W/cmとした場合について、Niシリサイド形成後の表面シート抵抗を図7に示す。○は測定値、□は平均値を示す。
図7によると、成膜電力密度を1.4W/cmよりも0.7W/cmにすると表面シート抵抗が低くなっていることがわかる。なお図7では成膜電力密度1.4W/cm、0.7W/cmにおいて表面シート抵抗にばらつきがみられた。これは基板加熱温度が400℃であるからと考えられる。しかし成膜電力を低くすると表面シート抵抗には明らかな差がみられた。つまり少なくとも電力密度が1.4W/cmよりも低い方がより良質なNiシリサイドを形成することができることがわかった。
実施例1で作製した結晶性珪素膜10を用いて、Niシリサイド形成の際のNi膜成膜前の珪素膜表面の酸化膜の存在について検討した結果を示す。
結晶性珪素膜10上の表面酸化膜をフッ酸にて除去した後、加熱手段5を用いてNi膜31をスパッタ法にて成膜してNiシリサイド30を形成した(図1(B))。一方、比較のために結晶性珪素膜10の表面酸化膜を除去せずにNi膜をスパッタ法にて成膜した。Ni成膜時の基板加熱温度は400℃、成膜電力密度は0.7W/cm、Ni膜の膜厚は15nmとし、Niシリサイド形成後に未反応のNiを除去してから表面シート抵抗を測定した。Ni成膜前に酸化膜を除去した場合(酸化膜除去あり)と、除去しなかった場合(酸化膜除去なし)について、Niシリサイド形成後の結晶性珪素膜の表面シート抵抗を図8に示す。○は測定値、□は平均値を示す。
図8によると、酸化膜を除去しなかった場合(酸除なし)では表面シート抵抗が高いが、酸化膜を除去する(酸除あり)と表面シート抵抗が低くなっていることがわかる。なお図8では酸化膜を除去した場合、除去しなかった場合において表面シート抵抗にばらつきがみられた。これは基板加熱温度が400℃であるからと考えられる。しかし酸化膜を除去した場合と除去しなかった場合における表面シート抵抗には明らかな差が見られた。つまり酸化膜を除去することによって、より良質なシリサイド層を形成することができることがわかった。
実施例1で作製した結晶性珪素膜10を用いて、Niシリサイド形成の際のNi膜の膜厚について検討した結果を示す。
結晶性珪素膜10上の表面酸化膜をフッ酸にて除去した後、加熱手段5を用いてNi膜31をスパッタ法にて成膜してNiシリサイド30を形成した(図1(B))。このときNi膜厚を5〜100nm(5、10、15、20、25、30、40、100nm)とした。成膜時の電力密度は0.7W/cm、Ni膜成膜温度(基板加熱温度)は450℃とした。Niシリサイド形成後、未反応のNiを除去してから表面シート抵抗を測定した。各膜厚におけるNiシリサイド形成後の表面シート抵抗を図9に示す。○は測定値、□は平均値を示す。
膜厚5nmでは表面シート抵抗が低くなっていることは確認できなかった。膜厚10nmで表面シート抵抗が低くなることを確認できた。また膜厚を上げていくと表面シート抵抗が低くなっていき、膜厚15nm以上にすると安定して表面シート抵抗を低くできることがわかった。また40nm以上では表面シート抵抗に変化は見られなかった。図10では10〜100nmにおける表面シート抵抗を示している。
実施例1において記載したように珪素膜の膜厚は66nmであり、40nm以上の成膜により珪素膜のすべてがNiシリサイド化しているため、表面シート抵抗に変化がみられなかったものと考えられる。したがって表面シート抵抗が一定になるNi膜の膜厚は珪素膜の膜厚に依存するものと考えられる。
Siウエハを用いて、Niシリサイド形成の際のNi膜の膜厚について検討した結果についても示す。
Siウエハの表面酸化膜をフッ酸にて除去した後、加熱手段を用いてNi膜をスパッタ法にて成膜してNiシリサイドを形成した。このときNi膜厚を5〜100nm(5、10、20、50、100nm)とした。成膜時の電力密度は0.7W/cm、Ni膜成膜温度(基板加熱温度)は450℃とした。Niシリサイド形成後、未反応のNiを除去してから表面シート抵抗を測定した。各膜厚におけるNiシリサイド形成後の表面シート抵抗を図10に示す。○は測定値、□は平均値を示す。
ここでは膜厚10nmで表面シート抵抗が低くなることを確認できた。さらに膜厚を厚くしていくと、実施例5と同様に表面シート抵抗が低くなることを確認できた。図10では10〜100nmにおける表面シート抵抗を示している。
そこで本発明を用いたSiウエハ上にMOS型のトランジスタを形成する方法について説明する(図11)。まずSi基板7000にLOCOS酸化膜7001を形成する。次にSi基板をドライ酸化して酸化膜を形成し、その後加工してゲート絶縁膜7003を形成する。
ゲート電極7004は不純物イオン(燐、ボロンイオンなど)がドープされた多結晶Si膜を熱CVD法により成膜し、その後加工して形成する。Si膜に限定されるものでなく、金属膜でもよい。
次に熱CVD法により酸化珪素膜を全面に形成し、異方性エッチングを行い、ゲート電極の側面にサイドウォール7005を形成する。
ゲート電極7004、サイドウォール7005をマスクとして不純物イオン(燐、ボロンイオン、Asイオンなど)のドープを行い、Siウエハ中にソース領域及びドレイン領域7006、7007を形成する。
次にSiウエハ上の表面酸化膜をフッ酸にて除去した後、Ni膜をスパッタ法にて成膜してNiシリサイド7002を形成する。このときNi膜厚を40nmとする。成膜時の電力密度は0.7W/cm、Ni膜成膜温度(基板加熱温度)は450℃とする。Niシリサイド形成後、未反応のNiを除去する。なおゲート電極にSiを用いた場合にはゲート電極上にもNiシリサイドが形成される。
熱処理を行ってソース領域及びドレイン領域7006、7007の活性化を行う。熱処理はレーザー光照射、RTA、炉を用いた加熱処理などの方法を用いることができる。ただし本発明ではNiシリサイドの形成によりソース領域及びドレイン領域は十分に低抵抗化できているので活性化工程は省略しても構わない。以上の工程により低抵抗のソース領域及びドレイン領域を有するMOSトランジスタを形成できる。
ここでは本発明を用いてTFTを作製した例について説明する。なお基板1上には窒化酸化珪素膜40、酸化窒化珪素膜41が形成され、その上に図3(B)までの工程を経た結晶性珪素膜10が形成されている。
まず結晶性珪素膜10をフォトリソグラフィー工程によって島状の結晶性珪素膜42、42’にした(図12(A))。次に結晶性珪素膜42、42’を覆うようにゲート絶縁膜43を形成する。ここではプラズマCVD法により酸化窒化シリコン(SiOxNy)(x>y)を40nm形成する。
次に、ゲート絶縁膜43上に、第1の導電層と第2の導電層を積層して形成する。第1の導電層は、スパッタリング法によりTaN膜を30nmの厚さで形成する。第2の導電層は、スパッタリング法によりW膜を370nmの厚さで形成する。
次に、フォトリソグラフィー法を用いてレジストからなるマスクを形成し、ゲート電極とゲート線を形成するためのエッチング処理を行って、ゲート電極として機能する導電層(ゲート電極層とよぶことがある)44〜47を形成する。
次に、導電層44〜47形成のためのマスクを除去し、新たに、フォトリソグラフィー法により、レジストからなるマスク48を形成する。続いて、結晶性珪素膜42に、イオンドープ法により、N型を付与する不純物元素(リン)を低濃度に添加して、N型不純物領域49、50を形成する(図12(B))。
次に、マスク48を除去し、新たに、フォトリソグラフィー法によりレジストからなるマスク51を形成する(図13(A)参照)。続いて、結晶性珪素膜42’に、P型を付与する不純物元素(ボロン)を添加して、P型不純物領域52、53を形成する。
次に、マスク51を除去し、ゲート絶縁膜43と導電層44〜47を覆うように、絶縁層54を形成する(図13(B)参照)。絶縁層54は、プラズマCVD法により酸化窒化シリコン膜(SiOxNy膜)(x>y)を100nm、その後熱CVD法により酸化珪素膜(SiO膜)を200nm成膜して形成する。
次に、絶縁層54を、垂直方向を主体とした異方性エッチングにより選択的にエッチングして、導電層44〜47の側面に接する絶縁層(以下サイドウォール絶縁層とよぶ)55、56を形成する(図14(A)参照)。サイドウォール絶縁層55、56は、後に形成するLDD領域のドーピング用のマスクとして用いる。またこのエッチングによってゲート絶縁膜も一部除去して結晶性珪素膜の一部を露出させる。
次に、フォトリソグラフィー法によりレジストからなるマスク57を形成する。続いて、サイドウォール絶縁層55、56をマスクとして、結晶性珪素膜42にN型を付与する不純物元素(リン)を添加して、第1のN型不純物領域(LDD領域ともいう)60、61と、第2のN型不純物領域58、59(ソース領域及びドレイン領域ともいう)とを形成する(図14(B)参照)。第1のN型不純物領域60、61が含む不純物元素の濃度は、第2のN型不純物領域58、59の不純物元素の濃度よりも低い。この後マスク57を除去する。
次に結晶性珪素膜の表面に形成されている酸化膜をエッチング除去する。ここではHF:NHF=1:100(重量比)の割合で混合したバッファードフッ酸溶液を、基板を回転させながら90秒滴下して酸化膜を除去する。
なおサイドウォール絶縁層55、56が酸化窒化シリコン膜(SiOxNy膜)(x>y)、酸化珪素膜(SiO膜)であり、ゲート絶縁膜が酸化窒化シリコン(SiOxNy)(x>y)である。このためフッ酸溶液によってこれらがエッチングされるということが懸念された。そこで表面酸化膜除去をした場合と表面酸化膜除去をしなかった場合の断面構造を比較した。図16によると、断面形状に大きな変化はなく、フッ酸溶液によってゲート絶縁膜、サイドウォール絶縁層共にダメージを受けていないことがわかった。
酸化膜除去後、加熱手段(図示しない)を用いてNi膜66をスパッタ法にて成膜してNiシリサイド67を形成した(図15(A))。Ni成膜時の加熱温度は450℃、成膜電力密度は0.7W/cm、Ni膜の膜厚は50nmとする。
次に未反応のNiを除去する。ここではHCl:HNO:HO=3:2:1からなるエッチング溶液を用いて未反応のNiを除去する。なおこのエッチング溶液のエッチング速度はNiについては100nm/分程度、Wについては1nm/分程度であるため、ゲート電極にダメージを与えることはない(図15(B))。
本願発明では珪素膜を加熱しながらNi膜を成膜することによってNiシリサイドを直接形成して珪素膜の低抵抗化を図っているのでソース領域及びドレイン領域の活性化を行う必要はない。ただし後述するように珪素膜の水素化を行う際に加熱処理工程を行うので、水素化と活性化とを同時に行ってもよい。
上記工程を経て、N型の薄膜トランジスタ62と、P型の薄膜トランジスタ63の基本構造が完成する。N型の薄膜トランジスタ62は、第1のN型不純物領域60、61と第2のN型不純物領域58、59とチャネル領域64を含む結晶性珪素膜と、ゲート絶縁膜43と、ゲート電極として機能する導電層44、45とを有する。このような、薄膜トランジスタ62の構造はLDD構造と呼ばれる。
P型の薄膜トランジスタ63は、P型不純物領域52、53とチャネル領域65を含む結晶性珪素膜と、ゲート絶縁層43と、ゲート電極として機能する導電層46、47とを有する。このような、薄膜トランジスタ63の構造はシングルドレイン構造と呼ばれる。
また、上記工程を経て完成した、薄膜トランジスタ62と薄膜トランジスタ63のチャネル長は0.5〜5μm、好適には1〜3μmであることを特徴とする。上記特徴により、応答速度を早くすることができる。なお、チャネル長は、その回路に応じて作り分けてもよく、例えば、高速動作が要求されない電源回路を構成する薄膜トランジスタのチャネル長は3μmとし、その他の回路の薄膜トランジスタのチャネル長は1μmにするとよい。
次に、薄膜トランジスタ62、63を覆うように、絶縁層68を形成する(図17)。絶縁層68は、プラズマCVD法により酸化窒化シリコン(SiOxNy)(x>y)を50nm形成する。
絶縁層68を形成した後に、珪素膜の水素化を目的とした加熱処理を行う。ここでは窒素雰囲気下で550℃4時間の加熱処理を行った。この加熱処理によって珪素膜の結晶性の回復や珪素膜に添加された不純物元素の活性化も行われることになる。ただし本発明を用いればソース領域及びドレイン領域を十分に低抵抗化できるので活性化工程は不要であることは上記したとおりである。
次に珪素の酸化物や珪素の窒化物等の無機材料、ポリイミド、ポリアミド、ベンゾシクロブテン、アクリル、エポキシ、シロキサン等の有機材料等により、単層又は積層を形成する。なお、シロキサンは、シリコン(Si)と酸素(O)との結合で骨格構造が構成される。置換基として、少なくとも水素を含む有機基(例えばアルキル基、芳香族炭化水素)が用いられる。置換基として、フルオロ基を用いてもよい。または置換基として、少なくとも水素を含む有機基と、フルオロ基とを用いてもよい。図示する断面構造では、薄膜トランジスタ62、63を覆う絶縁層が3層構造の場合を示す。その構成として、例えば、1層目の絶縁層68として酸化珪素を含む層を形成し、2層目の絶縁層69として窒化珪素を含む層を形成し、3層目の絶縁層70として酸化珪素を含む層を形成するとよい。
次に、フォトリソグラフィー法により絶縁層68〜70をエッチングして、P型不純物領域52、53、N型不純物領域58、59、すなわちNiシリサイド67を露出させるコンタクトホールを形成する。続いて、コンタクトホールを充填するように、導電層を形成し、当該導電層をパターン加工して、ソース配線又はドレイン配線として機能する導電層71〜73を形成する。
導電層71〜73は、公知の手段(プラズマCVD法やスパッタリング法)により、チタン(Ti)、アルミニウム(Al)、ネオジウム(Nd)から選択された元素、又はこれらの元素を主成分とする合金材料若しくは化合物材料で、単層又は積層で形成する。アルミニウムを主成分とする合金材料とは、例えば、アルミニウムを主成分としニッケルを含む材料、又は、アルミニウムを主成分とし、ニッケルと、炭素と珪素の一方又は両方とを含む合金材料に相当する。導電層71〜73は、例えば、バリア層、アルミニウムシリコン(Al−Si)層、バリア層という順に積層されたもの、バリア層、アルミニウムシリコン(Al−Si)層、窒化チタン(TiN)層、バリア層という順に積層されたものを採用するとよい。なお、バリア層とは、チタン、チタンの窒化物、モリブデン、又はモリブデンの窒化物からなる薄膜に相当する。
アルミニウムやアルミニウムシリコンは抵抗値が低く、安価であるため、導電層71〜73を形成する材料として最適である。また、上層と下層のバリア層を設けると、アルミニウムやアルミニウムシリコンのヒロックの発生を防止することができる。また下層のバリア層を設けると、アルミニウムやアルミニウムシリコンと、結晶質半導体層との、良好なコンタクトをとることができる。また、チタンは、還元性の高い元素であるため、チタンからなるバリア層を形成すると、結晶性珪素膜上に薄い自然酸化膜ができていたとしても、この自然酸化膜を還元し、結晶性珪素膜と良好なコンタクトをとることができる。以上の工程によりTFTが完成する。
本実施例では、本発明を用いてCPU(中央演算装置:Central Processing Unit)を作製した例を示す。ここでは実施例6で作製したTFTを用いてCPUを作製する。なお、上記実施例と同じものは同じ符号で表す。
まず導電層71〜73を覆うように、絶縁層74を形成する(図17(B)の断面図)。絶縁層74は、公知の手段(SOG法、液滴吐出法等)により、無機材料又は有機材料により、単層又は積層で形成する。絶縁層74は、薄膜トランジスタによる凸凹を緩和し、平坦化することを目的に形成する薄膜である。そのため、有機材料により形成することが好ましい。
次に、フォトリソグラフィー法により絶縁層74をエッチングして、導電層71、73を一部露出させるコンタクトホールを形成する。続いて、コンタクトホールを充填するように、導電層を形成し、当該導電層をパターン加工して、配線等として機能する導電層75、76を形成する。導電層75、76は、アルミニウム(Al)、チタン(Ti)、銀(Ag)、銅(Cu)から選択された元素、又はこれらの元素を主成分とする合金材料若しくは化合物材料で、単層又は積層で形成する。例えば、バリア層、アルミニウム層という順に積層されたもの、バリア層、アルミニウム層、バリア層という順に積層されたもの等を採用するとよい。バリア層とは、チタン、チタンの窒化物、モリブデン又はモリブデンの窒化物などに相当する。
上記工程を経て完成した、薄膜トランジスタ62、63等の素子群と、配線等として機能する導電層75、76を合わせて薄膜集積回路77とよぶ。なお、本工程では示さないが、薄膜集積回路77を覆うように、公知の手段により、保護層を形成してもよい。保護層は、DLC(ダイヤモンドライクカーボン)などの炭素を含む層、窒化珪素を含む層、窒化酸化珪素を含む層等を用いることができる。
以上のように形成された薄膜集積回路を有する半導体装置、本実施例においてはCPUを作製することができ、駆動電圧5Vで、動作周波数30MHzと高速動作が可能となる。
更に本実施例のCPUの構成についてブロック図を用いて説明する。
図18に示すCPUは、基板3600上に、演算回路(ALU:Arithmetic logic unit)3601、演算回路用の制御部(ALU Controller)3602、命令解析部(Instruction Decoder)3603、割り込み制御部(Interrupt Controller)3604、タイミング制御部(Timing Controller)3605、レジスタ(Register)3606、レジスタ制御部(Register Controller)3607、バスインターフェース(Bus I/F)3608、書き換え可能なROM3609、ROMインターフェース(ROM I/F)3620と、を主に有している。またROM3609及びROMインターフェース3620は、別チップに設けても良い。
勿論、図18に示すCPUは、その構成を簡略化して示した一例にすぎず、実際のCPUはその用途によって多種多様な構成を有している。
バスインターフェース3608を介してCPUに入力された命令は、命令解析部3603に入力され、デコードされた後、演算回路用の制御部3602、割り込み制御部3604、レジスタ制御部3607、タイミング制御部3605に入力される。
演算回路用の制御部3602、割り込み制御部3604、レジスタ制御部3607、タイミング制御部3605は、デコードされた命令に基づき、各種制御を行う。具体的に演算回路用の制御部3602は、演算回路3601の駆動を制御するための信号を生成する。また、割り込み制御部3604は、CPUのプログラム実行中に、外部の入出力装置や、周辺回路からの割り込み要求を、その優先度などから判断し、処理する。レジスタ制御部3607は、レジスタ3606のアドレスを生成し、CPUの状態に応じてレジスタ3606の読み出しや書き込みを行う。
またタイミング制御部3605は、演算回路3601、演算回路用の制御部3602、命令解析部3603、割り込み制御部3604、レジスタ制御部3607の駆動のタイミングを制御する信号を生成する。例えばタイミング制御部3605は、基準クロック信号CLK1(3621)を元に、内部クロック信号CLK2(3622)を生成する内部クロック生成部を備えており、クロック信号CLK2を上記各種回路に供給する。
図19には、画素部と、CPU、その他の回路が同一基板に形成された表示装置、いわゆるシステムオンパネルを示す。基板3700上に画素部3701、画素部3701が有する画素を選択する走査線駆動回路3702と、選択された画素にビデオ信号を供給する信号線駆動回路3703とが設けられている。走査線駆動回路3702、及び信号線駆動回路3703から引き回される配線によりCPU3704、その他の回路、例えばコントロール回路3705とが接続されている。なおコントロール回路にはインターフェースが含まれている。そして、基板の端部にFPC端子との接続部を設け、外部信号とのやりとりを行う。
その他の回路として、映像信号処理回路、電源回路、階調電源回路、ビデオRAM、メモリ(DRAM、SRAM、PROM)等を基板上に設けることができる。またこれら回路は、ICチップにより形成し、基板上に実装してもよい。さらに必ずしも走査線駆動回路3702、及び信号線駆動回路3703を同一基板に形成する必要はなく、例えば走査線駆動回路3702のみを画素部3701と同一基板に形成し、信号線駆動回路3703をICチップにより形成し、実装してもよい。
図20(A)には、パッケージングされたCPUの形態を示す。基板3800上に形成されたCPUの機能を有する薄膜トランジスタアレイ3801を、CPU表面に設けられた電極(ソース電極やドレイン電極、又はそれらの上に絶縁膜を介して形成された電極等)3802が下側となるフェイスダウン状態とする。基板3800は、ガラス、プラスチックを用いることができる。また銅やその合金で形成される配線3803が設けられた配線基板、例えばプリント基板3807を用意する。プリント基板3807には、接続端子(ピン)3804が設けられている。そして電極3802と、配線3803とを異方性導電膜3808等を介して接続する。その後、エポキシ樹脂等の樹脂3805で基板3800上方から覆い、パッケージングされたCPUとして完成する。または中空に保った状態で外周をプラスチックなどで囲んでもよい。
図20(B)には、図20(A)と異なり、CPU表面に設けられた電極3802が上側となるフェイスアップ状態とする。そしてプリント基板3807上に基板3800を固定し、電極3802と、配線3803とをワイヤ3818により接続する。このようにワイヤにより接続することをワイヤボンディングという。そして電極3802と、配線3803に接続されるバンプ3814とが接続する。その後、中空に保った状態で外周をプラスチック3815等で囲み、パッケージングされたCPUとして完成する。
図20(C)には、フレキシブル性を有する基板、例えばFPC(Flexible printed circuit)上に、CPUの機能を有する薄膜トランジスタアレイ3801を固定する例を示す。基板3800に形成されたCPUの機能を有する薄膜トランジスタアレイ3801を、CPU表面に設けられた電極3802が下側となるフェイスダウン状態とする。基板3800には、ガラス、石英、金属、バルク半導体、プラスチックを用いることができるが、図20(C)ではフレキシブル性の高いプラスチックを用いると好ましい。また、銅やその合金で形成される配線3803が設けられたフレキシブル性を有するFPC3817を用意する。そして、電極3802と、配線3803とを異方性導電膜3808を介して接続する。その後、エポキシ樹脂等の樹脂3805で基板3800上方から覆い、パッケージングされたCPUとして完成する。
このようにパッケージングされたCPUは、外部から保護され、さらに携帯しやすくなる。そして所望箇所に、CPUを実装することができ、特に図20(C)のようにフレキシブル性を有すると、実装する位置の自由度が高まる。またパッケージングすることによりCPUの機能を補助することもできる。
以上のように、本発明のTFTを用いて、CPU等の半導体装置を作製することができる。薄膜トランジスタにより形成されるCPUは軽量であるため、携帯や実装するときの負担を軽減することができる。また、本実施例で説明したCPUと、本発明を用いて作製された様々な表示装置とを用いて、システムオンパネルを作製することが可能である。
また、本実施例は、必要であれば実施の形態、他の実施例のいかなる記載とも自由に組み合わせることが可能である。
ここでは本発明を用いて無線チップを作製する方法について説明する。なお、上記実施例と同じものは同じ符号で表す。
まず、基板1の一表面に、剥離層100を形成する(図21(A)の断面図と図22の上面図。また図21(A)は図22におけるA−Bの断面図を示している。)。基板1は、ガラス基板、石英基板、金属基板やステンレス基板の一表面に絶縁層を形成したもの、本工程の処理温度に耐えうる耐熱性があるプラスチック基板等を用いる。このような基板1であれば、大きさや形状に大きな制限はないため、基板1として、例えば、1辺が1メートル以上であって、矩形状のものを用いれば、生産性を格段に向上させることができる。このような利点は、円形のシリコン基板から無線チップを取り出す場合と比較すると、大きな優位点である。また、基板1上に形成する薄膜集積回路は、後に基板1から剥離する。つまり、本発明において提供する無線チップは、基板1を有していない。従って、薄膜集積回路が剥離された基板1は、何度でも再利用することができる。このように、基板1を再利用すれば、コストを削減することができる。再利用する基板1としては、石英基板が望ましい。
なお、本実施例では、剥離層100は、基板1の一表面に薄膜を形成した後、フォトリソグラフィー法、エッチング法により、剥離層を選択的に設けているが、本発明はこの工程を必須とはしない。必要がなければ、剥離層を選択的に設ける必要はなく、全面に設けたままでもよい。
剥離層100は、公知の手段(スパッタリング法やプラズマCVD法等)により、タングステン(W)、モリブデン(Mo)、チタン(Ti)、タンタル(Ta)、ニオブ(Nb)、ニッケル(Ni)、コバルト(Co)、ジルコニウム(Zr)、亜鉛(Zn)、ルテニウム(Ru)、ロジウム(Rh)、鉛(Pd)、オスミウム(Os)、イリジウム(Ir)、珪素(Si)から選択された元素または前記元素を主成分とする合金材料若しくは化合物材料からなる層を、単層又は積層して形成する。珪素を含む層の結晶構造は、非晶質、微結晶、多結晶のいずれの場合でもよい。
剥離層100が単層構造の場合、好ましくは、タングステン層、モリブデン層、又はタングステンとモリブデンの混合物を含む層を形成する。又は、タングステンの酸化物若しくは酸化窒化物を含む層、モリブデンの酸化物若しくは酸化窒化物を含む層、又はタングステンとモリブデンの混合物の酸化物若しくは酸化窒化物を含む層を形成する。なお、タングステンとモリブデンの混合物とは、例えば、タングステンとモリブデンの合金に相当する。
剥離層100が積層構造の場合、好ましくは、1層目としてタングステン層、モリブデン層、又はタングステンとモリブデンの混合物を含む層を形成し、2層目として、タングステン、モリブデン又はタングステンとモリブデンの混合物の酸化物、窒化物、酸化窒化物又は窒化酸化物を形成する。
なお、剥離層100として、タングステン層、タングステンの酸化物を含む層の積層構造を形成する場合、タングステン層を形成し、その上層に酸化珪素を含む層を形成することで、タングステン層と酸化珪素層との界面に、タングステンの酸化物を含む層が形成されることを活用してもよい。これは、タングステンの窒化物、酸化窒化物及び窒化酸化物を含む層を形成する場合も同様であり、タングステン層を形成後、その上層に窒化珪素層、酸化窒化珪素層、窒化酸化珪素層を形成する。なお、タングステンを含む層を形成後に、その上層に形成する酸化珪素層、酸化窒化珪素層、窒化酸化珪素層などは、後に下地となる絶縁層として機能する。
また、タングステンの酸化物は、WOxで表され、xは2〜3である。xが2の場合(WO)、xが2.5の場合(W)、xが2.75の場合(W11)、xが3の場合(WO)などがある。タングステンの酸化物を形成するにあたり、上記に挙げたxの値に特に制約はなく、そのエッチングレートなどを基に決めるとよい。但し、エッチングレートの最も良いものは、酸素雰囲気下で、スパッタリング法により形成するタングステンの酸化物を含む層(WOx、0<x<3)である。従って、作製時間の短縮のために、剥離層として、酸素雰囲気下でスパッタリング法によりタングステンの酸化物を含む層を形成するとよい。
なお上記の工程によると、基板1に接するように剥離層100を形成しているが、本発明はこの工程に制約されない。基板1に接するように下地となる絶縁層を形成し、該絶縁層に接するように剥離層100を形成してもよい。
次に、剥離層100を覆うように、下地となる絶縁層を形成する。下地となる絶縁層は、公知の手段(スパッタリング法やプラズマCVD法等)により、珪素の酸化物又は珪素の窒化物を含む層を、単層又は積層で形成する。珪素の酸化物材料とは、珪素(Si)と酸素(O)を含む物質であり、酸化珪素、酸化窒化珪素、窒化酸化珪素等が該当する。珪素の窒化物材料とは、珪素と窒素(N)を含む物質であり、窒化珪素、酸化窒化珪素、窒化酸化珪素等が該当する。
下地となる絶縁層が2層構造の場合、例えば、1層目として窒化酸化珪素層を形成し、2層目として酸化窒化珪素層を形成するとよい。下地となる絶縁層が3層構造の場合、1層目の絶縁層101として酸化珪素層を形成し、2層目の絶縁層40として窒化酸化珪素層を形成し、3層目の絶縁層41として酸化窒化珪素層を形成するとよい。又は、絶縁層101として酸化窒化珪素層を形成し、2層目の絶縁層40として窒化酸化珪素層を形成し、3層目の絶縁層41として酸化窒化珪素層を形成するとよい。ここでは下地となる絶縁層が3層構造の場合を示す。下地となる絶縁層は、基板1からの不純物の侵入を防止するブロッキング膜として機能する。
次に、下地となる絶縁層41上に、非晶質珪素膜を形成してTFTを作製する。TFTの作製は実施例5で示した方法を用いることができるので、ここでは省略する。
TFTまで作製したものを図21(B)に示す。図17(B)と比較すると、下地膜が3層であること、下地膜の下層には剥離層、基板が設けられている点で異なっている(図21(B)の断面図および図23の上面図。また図21(B)は図23におけるA−Bの断面図を示している。)。
実施例6で形成した導電層75、76はアンテナとして機能することになる。導電層75、76は、アルミニウム(Al)、チタン(Ti)、銀(Ag)、銅(Cu)から選択された元素、又はこれらの元素を主成分とする合金材料若しくは化合物材料で、単層又は積層で形成する。例えば、バリア層、アルミニウム層という順に積層されたもの、バリア層、アルミニウム層、バリア層という順に積層されたもの等を採用するとよい。バリア層とは、チタン、チタンの窒化物、モリブデン又はモリブデンの窒化物などに相当する。
次にここでは示さないが、薄膜集積回路77を覆うように、公知の手段により、保護層を形成してもよい。保護層は、DLC(ダイヤモンドライクカーボン)などの炭素を含む層、窒化珪素を含む層、窒化酸化珪素を含む層等に相当する。
次に、剥離層100が露出するように、フォトリソグラフィー法により絶縁層101、40、41、43、68〜70、74をエッチングして、開口部80、81を形成する(図24(A)の断面図と図25の上面図。また図24(A)は図25におけるA−Bの断面図を示している。)。
次に、薄膜集積回路77を覆うように、公知の手段(SOG法、液滴吐出法等)により、絶縁層82を形成する(図24(B)の断面図と図25の上面図。また図24(B)は図25におけるA−Bの断面図を示している。)。絶縁層82は、有機材料により形成し、好ましくはエポキシ樹脂により形成する。絶縁層82は、薄膜集積回路77が飛散しないように形成するものである。つまり、薄膜集積回路77は小さく薄く軽いために、剥離層を除去した後は、基板に密着していないために飛散しやすい。しかしながら、薄膜集積回路77の周囲に絶縁層82を形成することで、薄膜集積回路77に重みが付き、基板1からの飛散を防止することができる。また、薄膜集積回路77単体では薄くて軽いが、絶縁層82を形成することで、ある程度の強度を確保することができる。なお、図示する構成では、薄膜集積回路77の上面と側面に絶縁層82を形成しているが、本発明はこの構成に制約されず、薄膜集積回路77の上面のみに絶縁層82を形成してもよい。また、上記の記載によると、絶縁層101、40、41、43、68、69、70、74をエッチングして、開口部80、81を形成する工程の後、絶縁層82を形成する工程を行っているが、本発明はこの順番に制約されない。絶縁層74上に絶縁層82を形成する工程の後に、複数の絶縁層をエッチングして、開口部を形成する工程を行ってもよい。この順番の場合だと、薄膜集積回路77の上面のみに絶縁層82が形成される。
次に、開口部80、81にエッチング剤を導入して、剥離層100を除去する(図26(A)の断面図と図27の上面図。また図26(A)は図27におけるA−Bの断面図を示している。)。エッチング剤は、フッ化ハロゲン又はハロゲン間化合物を含む気体又は液体を使用する。例えば、フッ化ハロゲンを含む気体として三フッ化塩素(ClF)を使用する。そうすると、薄膜集積回路77は、基板1から剥離された状態となる。
次に、薄膜集積回路77の一方の面を、第1の基体83に接着させて、基板1から完全に剥離する(図26(B)。また図26(B)は図27におけるA−Bの断面図を示している。)。
続いて、薄膜集積回路77の他方の面を、第2の基体84に接着させ、その後積層して貼り合わせて、薄膜集積回路77を、第1の基体83と第2の基体84により封止する(図28参照)。そうすると、薄膜集積回路77が第1の基体83と第2の基体84により封止された無線チップが完成する。
第1の基体83と第2の基体84は、積層フィルム(ポリプロピレン、ポリエステル、ビニル、ポリフッ化ビニル、塩化ビニルなどからなる)、繊維質な材料からなる紙、基材フィルム(ポリエステル、ポリアミド、無機蒸着フィルム、紙類等)と接着性合成樹脂フィルム(アクリル系合成樹脂、エポキシ系合成樹脂等)との積層フィルムなどに相当する。積層フィルムは、熱圧着により、被処理体と積層して貼り合わせが行われるものであり、積層して貼り合わせを行う際には、積層フィルムの最表面に設けられた接着層か、又は最外層に設けられた層(接着層ではない)を加熱処理によって溶かし、加圧により接着する。
第1の基体83と第2の基体84の表面には接着層が設けられていてもよいし、接着層が設けられていなくてもよい。接着層は、熱硬化樹脂、紫外線硬化樹脂、エポキシ樹脂系接着剤、樹脂添加剤等の接着剤を含む層に相当する。
本発明に用いることができる別の半導体装置の作製方法を図29、図30及び図31を用いて説明する。
まず図29(A)に示すように、基板500上に下地膜501を成膜する。基板500には、例えばバリウムホウケイ酸ガラスや、アルミノホウケイ酸ガラスなどのガラス基板、石英基板、ステンレス基板等を用いることができる。また、PET、PES、PENに代表されるプラスチックや、アクリル等の可撓性を有する合成樹脂からなる基板を用いることも可能である。
下地膜501は基板500中に含まれるNaなどのアルカリ金属やアルカリ土類金属が、半導体膜中に拡散し、半導体素子の特性に悪影響を及ぼすのを防ぐために設ける。よってアルカリ金属やアルカリ土類金属の半導体膜への拡散を抑えることができる窒化珪素、窒素を含む酸化珪素などの絶縁膜を用いて形成する。本実施例では、プラズマCVD法を用いて窒素を含む酸化珪素膜を10nm〜400nm(好ましくは50nm〜300nm)の膜厚になるように成膜する。
なお下地膜501は酸化窒素、窒化珪素、窒素を含む酸化珪素、酸素を含む窒化珪素などの絶縁膜単層であっても、酸化珪素、窒化珪素、窒素を含む酸化珪素、酸素を含む窒化珪素などの絶縁膜を複数積層したものであっても良い。またガラス基板、ステンレス基板またはプラスチック基板のように、アルカリ金属やアルカリ土類金属が多少なりとも含まれている基板を用いる場合、不純物の拡散を防ぐという観点から下地膜を設けることは有効であるが、石英基板など不純物の拡散がさして問題とならない場合は、必ずしも設ける必要はない。
次に下地膜501上に半導体膜502を形成する。半導体膜502の膜厚は25nm〜100nm(好ましくは30nm〜60nm)とする。なお半導体膜502は、非晶質半導体であっても良いし、多結晶半導体であっても良い。また半導体はシリコン(Si)だけではなくシリコンゲルマニウム(SiGe)も用いることができる。シリコンゲルマニウムを用いる場合、ゲルマニウムの濃度は0.01〜4.5atomic%程度であることが好ましい。
次に図29(B)に示すように、半導体膜502に線状レーザー499を照射し、結晶化を行なう。レーザー結晶化を行なう場合、レーザー結晶化の前に、レーザーに対する半導体膜502の耐性を高めるために、500℃、1時間の加熱処理を該半導体膜502に加えてもよい。
レーザー結晶化は、連続発振のレーザー、または擬似CWレーザーとして、繰り返し周波数が10MHz以上、好ましくは80MHz以上のパルス発振レーザーを用いることができる。
具体的には、連続発振のレーザーとして、Arレーザー、Krレーザー、COレーザー、YAGレーザー、YVOレーザー、YLFレーザー、YAlOレーザー、GdVOレーザー、Yレーザー、ルビーレーザー、アレキサンドライトレーザー、Ti:サファイアレーザー、ヘリウムカドミウムレーザーなどが挙げられる。
また擬似CWレーザーとして、繰り返し周波数が10MHz以上、好ましくは80MHz以上のパルス発振させることができるのであれば、Arレーザー、Krレーザー、エキシマレーザー、COレーザー、YAGレーザー、YVOレーザー、YLFレーザー、YAlOレーザー、GdVOレーザー、Yレーザー、ルビーレーザー、アレキサンドライトレーザー、Ti:サファイアレーザー、銅蒸気レーザーまたは金蒸気レーザーのようなパルス発振レーザーを用いることができる。
このようなパルス発振レーザーは、繰り返し周波数を増加させていくと、いずれは連続発振レーザーと同等の効果を示すものである。
例えば連続発振が可能な固体レーザーを用いる場合、第2高調波〜第4高調波のレーザー光を照射することで、大粒径の結晶を得ることができる。代表的には、YAGレーザ(基本波1064nm)の第2高調波(532nm)や第3高調波(355nm)を用いるのが望ましい。例えば、連続発振のYAGレーザーから射出されたレーザー光を非線形光学素子により高調波に変換して、半導体膜502に照射する。エネルギー密度は0.01〜100MW/cm程度(好ましくは0.1〜10MW/cm)とすれば良い。
なお、希ガスや窒素などの不活性ガスを含む雰囲気中でレーザー光を照射するようにしても良い。これにより、レーザー光照射による半導体表面の荒れを抑えることができ、界面準位密度のばらつきによって生じる閾値電圧のばらつきを抑えることができる。
上述した半導体膜502へのレーザ光の照射により、結晶性がより高められた結晶性半導体膜504が形成される。
次に、図29(C)に示すように結晶性半導体膜504を加工して島状半導体膜507〜509が形成される。
次に島状半導体膜にしきい値電圧制御のための不純物を導入する。本実施例においてはジボラン(B)をドープすることによってボロン(B)を島状半導体膜中に導入する。
次に島状半導体膜507〜509を覆うように絶縁膜510を成膜する。絶縁膜510には、例えば酸化珪素(SiO)、窒化珪素(SiN)または窒素を含んだ酸化珪素(SiON)等を用いることができる。また成膜方法は、プラズマCVD法、スパッタ法などを用いることができる。
次に、絶縁膜510上に導電膜511、512を成膜した後、導電膜を加工してゲート電極570〜572を形成する。
ゲート電極570〜572は、導電膜を単層または2層以上積層させた構造を用いて形成する。導電膜を2層以上積層させている場合は、タンタル(Ta)、タングステン(W)、チタン(Ti)、モリブデン(Mo)、アルミニウム(Al)から選ばれた元素、または前記元素を主成分とする合金材料、若しくは化合物材料を積層させてゲート電極570〜572を形成してもよい。また、リン(P)等の不純物元素をドーピングした多結晶シリコン膜に代表される半導体膜を用いてゲート電極を形成してもよい。
本実施例では、ゲート電極570〜572は以下のようにして形成される。まず第1の導電膜511として、例えば窒化タンタル(TaN)膜を10〜50nm、例えば30nmの膜厚で形成する。そして第1の導電膜511上に第2の導電膜512として、例えばタングステン(W)膜を200〜400nm、例えば370nmの膜厚で形成し、第1の導電膜511及び第2の導電膜512の積層膜を形成する(図29(D))。
次に第2の導電膜512を異方性エッチングでエッチングし、上層ゲート電極560〜562を形成する(図30(A))。次いで第1の導電膜511を等方性エッチングでエッチングし、下層ゲート電極563〜565を形成する(図30(B))。以上よりゲート電極570〜572を形成する。
ゲート電極570〜572は、ゲート配線の一部として形成してもよいし、別にゲート配線を形成して、そのゲート配線にゲート電極570〜572を接続してもよい。
そして、ゲート電極570〜572や、あるいはレジストを成膜して加工したものをマスクとして用い、島状半導体膜507〜509それぞれに一導電性(n型またはp型の導電性)を付与する不純物を添加し、不純物領域を形成する。
まず、フォスフィン(PH)を用いて、リン(P)を、加速電圧を60〜120keV、ドーズ量を1×1013〜1×1015cm−2として島状半導体膜中に導入する。この不純物導入の際にnチャネル型TFT550及び552のチャネル領域522及び527が形成される。
またpチャネル型TFT551を作製するために、ジボラン(B)を印加電圧60〜100keV、例えば80keV、ドーズ量1×1013〜5×1015cm−2、例えば3×1015cm−2の条件で、島状半導体膜中にボロン(B)を導入する。これによりpチャネル型TFT551のソース領域又はドレイン領域523、またこの不純物導入の際にチャネル領域524が形成される(図30(C))。
次に絶縁膜510を加工してゲート絶縁膜580〜582を形成する。
ゲート絶縁膜580〜582形成後、nチャネル型TFT550及び552の島状半導体膜中に、フォスフィン(PH)を用いて、印加電圧40〜80keV、例えば50keV、ドーズ量1.0×1015〜2.5×1016cm−2、例えば3.0×1015cm−2で、リン(P)を導入する。これによりnチャネル型TFTの低濃度不純物領域521、526、及びソース領域又はドレイン領域520、525が形成される(図31(A))。
本実施例においては、nチャネル型TFT550及び552のソース領域又はドレイン領域520、525のそれぞれには、1×1019〜5×1021cm−3の濃度でリン(P)が含まれることとなる。またnチャネル型TFT550及び552の低濃度不純物領域521及び526のそれぞれには、1×1018〜5×1019cm−3の濃度でリン(P)が含まれる。さらに、pチャネル型TFT551のソース又はドレイン領域523には、1×1019〜5×1021cm−3の濃度でボロン(B)が含まれる。
次いで露出した半導体膜表面に形成された酸化膜をフッ酸等によって除去した後、基板を450℃に加熱した状態でスパッタ法にてNi膜を25nm〜50nm成膜して島状半導体膜507〜509上にNiシリサイド3を形成する。成膜電力密度は0.7W/cmとする。その後未反応のNiを公知のエッチング液によって除去する(図31(A))。
次に島状半導体膜507〜509、ゲート電極570〜572を覆って、第1層間絶縁膜530を形成する(図31(B))。
第1層間絶縁膜530としては、プラズマCVD法またはスパッタ法を用いて、シリコンを含む絶縁膜、例えば酸化珪素膜(SiO)、窒化珪素膜(SiN)、窒素を含む酸化珪素膜(SiON)、またはその積層膜で形成する。勿論、第1層間絶縁膜530は窒素を含む酸化珪素膜や窒化珪素膜、またはその積層膜に限定されるものでなく、他のシリコンを含む絶縁膜を単層または積層構造として用いても良い。
本実施例においても既にソース領域、ドレイン領域は十分に低抵抗化されているので活性化工程は不要である。しかしレーザー照射方法又はRTA法によって不純物を活性化してもよい。又は窒素を含む酸化珪素膜形成後、窒素雰囲気中550℃で4時間加熱して、不純物を活性化してもよい。
次に全体を410℃で1時間加熱し、窒素を含む酸化珪素膜から水素を放出させることにより水素化を行う。ただし上述の窒素雰囲気中550℃で4時間加熱処理を行った場合には不要である。
次に第1層間絶縁膜530を覆って、平坦化膜として機能する第2層間絶縁膜531を形成する。
第2層間絶縁膜531としては、感光性または非感光性の有機材料(ポリイミド、アクリル、ポリアミド、ポリイミドアミド、レジストまたはベンゾシクロブテン、シロキサン)、及びそれらの積層構造を用いることができる。シロキサンとは、珪素(Si)と酸素(O)との結合(Si−O−Si結合)で骨格構造が構成され、置換基に少なくとも水素を含む有機基(例えばアルキル基、芳香族炭化水素が用いられる。置換基として、フルオロ基を用いてもよい。または置換基として、少なくとも水素を含む有機基とフルオロ基を用いてもよい。有機材料として、ポジ型感光性有機樹脂又はネガ型感光性有機樹脂を用いることができる。
本実施例では、第2層間絶縁膜531としてシロキサンをスピンコート法で形成する。
第1層間絶縁膜530及び第2層間絶縁膜531をエッチングして、第1層間絶縁膜530及び第2層間絶縁膜531に、島状半導体膜507〜509に到達するコンタクトホールを形成する。
なお、第2層間絶縁膜531上に第3層間絶縁膜を形成し、第1層間絶縁膜〜第3層間絶縁膜にコンタクトホールを形成してもよい。第3の層間絶縁膜としては、水分や酸素などを他の絶縁膜と比較して透過させにくい膜を用いる。代表的には、スパッタ法またはCVD法により得られる窒化珪素膜、酸化珪素膜、酸素を含む窒化珪素膜(SiNO膜(組成比N>O)またはSiON膜(組成比N<O))、炭素を主成分とする薄膜(例えばDLC膜、CN膜)などを用いることができる。
第2層間絶縁膜531上にコンタクトホールを介して、第3の導電膜を形成し、第3の導電膜を加工して、電極又は配線540〜544を形成する。
本実施例として、第3の導電膜は金属膜を用いる。該金属膜は、アルミニウム(Al)、チタン(Ti)、モリブデン(Mo)、タングステン(W)もしくはシリコン(Si)の元素からなる膜又はこれらの元素を用いた合金膜を用いればよい。本実施例では、チタン膜(Ti)、窒化チタン膜(TiN)、シリコン−アルミニウム合金膜(Al−Si)、チタン膜(Ti)をそれぞれ60nm、40nm、300nm、100nmに積層したのち、所望の形状に加工して電極又は配線540〜544を形成する。
またこの電極又は配線540〜544を、ニッケル、コバルト、鉄のうち少なくとも1種の元素、及び炭素を含むアルミニウム合金膜で形成してもよい。このようなアルミニウム合金膜は、シリコンと接触してもシリコンとアルミニウムの相互拡散が防止できる。またこのようなアルミニウム合金膜は、透明導電膜、例えばインジウム錫酸化物(ITO、Indium Tin Oxide)膜と接触しても酸化還元反応が起こらないため、両者を直接接触させることができる。さらにこのようなアルミ合金膜は、比抵抗が低く耐熱性にも優れているので、配線材料としては有用である。
電極又は配線540〜544はそれぞれ、電極と配線を同じ材料を用いて同時に形成してもよいし、電極と配線を別々に形成してそれらを接続させてもよい。
上記一連の工程によってnチャネル型TFT550及びpチャネル型TFT551を含むCMOS回路553、及びnチャネル型TFT552を含む半導体装置を形成することができる(図31(C))。なお本発明の半導体装置の作製方法は、島状半導体膜の形成以降の、上述した作製工程に限定されない。
本実施例では、本発明を用いて液晶表示装置(Liquid Crystal Display(LCD))を作製する例を示す。
本実施例で説明する表示装置の作製方法は画素部に含まれる画素TFTとその周辺に設けられる駆動回路部のTFTを同時に作製する方法である。但し、説明を簡単にするために、駆動回路に関しては基本単位であるCMOS回路を図示することとする。
まず実施例10に基づいて図31(C)における電極又は配線540〜544形成までを行う。なお、上記実施例と同じものは同じ符号で表す。
次に第2層間絶縁膜531及び電極又は配線540〜544上に第3層間絶縁膜610を形成する。なお第3層間絶縁膜610は、第2層間絶縁膜531と同様の材料を用いて形成することが可能である。(図32)
次いで、フォトマスクを用いてレジストマスクを形成し、第3層間絶縁膜610の一部をドライエッチングにより除去して開孔(コンタクトホールを形成)する。このコンタクトホール形成においては、エッチングガスとして四フッ化炭素(CF)、酸素(O)、ヘリウム(He)を、CF、O、Heをそれぞれ50sccm、50sccm、30sccmの流量で用いた。なお、コンタクトホールの底部は電極又は配線544に達している。
次いで、レジストマスクを除去した後、全面に第2の導電膜を成膜する。次いでフォトマスクを用いて、第2の導電膜のエッチングを行い、電極又は配線544に電気的に接続される画素電極623を形成する(図32)。本実施例では、反射型の液晶表示パネルを作製するので、画素電極623はスパッタ法によりAg(銀)、Au(金)、Cu(銅)、W(タングステン)、Al(アルミニウム)等の光反射性を有する金属材料を用いて形成すればよい。
また、透過型の液晶表示パネルを作製する場合は、インジウム錫酸化物(ITO、Indium Tin Oxide)、酸化珪素を含むインジウム錫酸化物、酸化亜鉛(ZnO)、酸化スズ(SnO)などの透明導電膜を用い、画素電極623を形成する。
なお、図34に画素TFTを含む画素部650の一部を拡大した上面図を示す。また、図34は画素電極の形成途中を示しており、左側の画素においては画素電極が形成されているが、右側の画素においては画素電極を形成していない状態を示している。図34において、実線A−A’で切断した図が、図32の画素部の断面と対応しており、図32と対応する箇所には同じ符号を用いている。
図34に示すように、ゲート電極572はゲート配線630に接続されている。また電極543はソース配線と一体形成されている。
また、容量配線631が設けてあり、保持容量は、第1層間絶縁膜530を誘電体とし、画素電極623と、該画素電極と重なる容量配線631とで形成されている。
なお本実施例においては、画素電極623と容量配線631が重なる領域は、第2層間絶縁膜531及び第3層間絶縁膜610をエッチングし、保持容量は画素電極623,第1層間絶縁膜530及び容量配線631によって形成されている。しかし第2層間絶縁膜531及び第3層間絶縁膜610も誘電体として用いることが可能であれば、第2層間絶縁膜531及び第3層間絶縁膜610をエッチングしなくてもよい。その場合第1層間絶縁膜530及び第2層間絶縁膜531及び第3層間絶縁膜610が誘電体として機能する。もしくは第3層間絶縁膜610のみをエッチングして、第1層間絶縁膜530と第2層間絶縁膜531を誘電体として用いてもよい。
以上の工程により、基板500上にトップゲート型の画素TFT552、トップゲート型TFT550及び551からなるCMOS回路553および画素電極623が形成された液晶表示装置のTFT基板が完成する。本実施例では、トップゲート型TFTを形成したが、ボトムゲート型TFTを適宜用いることができる。
次いで、図33に示すように画素電極623を覆うように、配向膜624aを形成する。なお、配向膜624aは、液滴吐出法やスクリーン印刷法やオフセット印刷法を用いればよい。その後、配向膜624aの表面にラビング処理を行う。
そして、対向基板625には、着色層626a、遮光層(ブラックマトリクス)626b、及びオーバーコート層627からなるカラーフィルタを設け、さらに透明電極もしくは反射電極からなる対向電極628と、その上に配向膜624bを形成する。そして、閉パターンであるシール材600を液滴吐出法により画素TFTを含む画素部650と重なる領域を囲むように形成する(図35(A))。ここでは液晶を滴下するため、閉パターンのシール材600を描画する例を示すが、開口部を有するシールパターンを設け、基板500を貼りあわせた後に毛細管現象を用いて液晶を注入するディップ式(汲み上げ式)を用いてもよい。
次いで、気泡が入らないように減圧下で液晶組成物629の滴下を行い(図35(B))、両方の基板500及び625を貼り合わせる(図35(C))。閉ループのシールパターン内に液晶を1回若しくは複数回滴下する。液晶組成物629の配向モードとしては、液晶分子の配列が光の入射から射出に向かって90°ツイスト配向したTNモードを用いる。そして基板のラビング方向が直交するように貼り合わせる。
なお、一対の基板間隔は、球状のスペーサを散布したり、樹脂からなる柱状のスペーサを形成したり、シール材600にフィラーを含ませることによって維持すればよい。上記柱状のスペーサは、アクリル、ポリイミド、ポリイミドアミド、エポキシの少なくとも1つを主成分とする有機樹脂材料、もしくは酸化珪素、窒化珪素、窒素を含む酸化珪素のいずれか一種の材料、或いはこれらの積層膜からなる無機材料であることを特徴としている。
次いで、基板の分断を行う。多面取りの場合、それぞれのパネルを分断する。また、1面取りの場合、予めカットされている対向基板を貼り合わせることによって、分断工程を省略することもできる((図33、図35(D))。
そして、異方性導電体層を介し、公知の技術を用いてFPC(Flexible Printed Circuit)を貼りつける。以上の工程で液晶表示装置が完成する。また、必要があれば光学フィルムを貼り付ける。透過型の液晶表示装置とする場合、偏光板は、TFT基板と対向基板の両方に貼り付ける。
以上の工程によって得られた液晶表示装置の上面図を図40(A)に示すとともに、他の液晶表示装置の上面図の例を図40(B)に示す。
図40(A)中、500はTFT基板、625は対向基板、650は画素部、600はシール材、801はFPCである。なお、液晶組成物を液滴吐出法により吐出させ、減圧下で一対の基板500及び625をシール材600で貼り合わせている。
図40(B)中、500はTFT基板、625は対向基板、802はソース信号線駆動回路、803はゲート信号線駆動回路、650は画素部、600aは第1シール材、600bは第2シール材、801はFPCである。なお、液晶組成物を液滴吐出法により吐出させ、一対の基板500及び625を第1シール材600aおよび第2シール材600bで貼り合わせている。駆動回路部802及び803には液晶は不要であるため、画素部650のみに液晶を保持させており、第2シール材600bはパネル全体の補強のために設けられている。
以上示したように、本実施例では、本発明を用いたTFTを用いて、液晶表示装置を作製することができる。これにより作製時間、作製にかかるコストを削減することが可能になる。本実施例で作製される液晶表示装置は各種電子機器の表示部として用いることができる。
なお、本実施例では、TFTをトップゲート型TFTとしたが、この構造に限定されるものではなく、適宜ボトムゲート型(逆スタガ型)TFTや、順スタガ型TFTを用いることが可能である。また、シングルゲート構造のTFTに限定されず、複数のチャネル領域を有するマルチゲート型TFT、例えばダブルゲート型TFTとしてもよい。
また、本実施例は、必要であれば上記実施の形態及び他の実施例のいかなる記載とも自由に組み合わせることが可能である。
本実施例では、液晶滴下に液滴吐出法を用いる例を示す。本実施例では、大面積基板1110を用い、パネル4枚取りの作製例を示す。
図36(A)は、ディスペンサ(またはインクジェット)による液晶層形成の途中の断面図を示しており、基板1110上のシール材1112で囲まれた画素部1111を覆うように液晶組成物1114を液滴吐出装置1116のノズル1118から吐出、噴射、または滴下させている。液滴吐出装置1116は、図36(A)中の矢印方向に移動させる。なお、ここではノズル1118を移動させた例を示したが、ノズルを固定し、基板を移動させることによって液晶層を形成してもよい。
また、図36(B)には斜視図を示している。シール材1112で囲まれた領域のみに選択的に液晶組成物1114を吐出、噴射、または滴下させ、ノズル走査方向1113に合わせて滴下面1115が移動している様子を示している。
また、図36(A)の点線で囲まれた部分1119を拡大した断面図が図36(C)、図36(D)である。液晶組成物の粘性が高い場合は、連続的に吐出され、図36(C)のように繋がったまま付着される。一方、液晶組成物の粘性が低い場合には、間欠的に吐出され、図36(D)に示すように液滴が滴下される。
なお、図36(C)中、1120はトップゲート型TFT、1121は画素電極をそれぞれ指している。画素部1111は、マトリクス状に配置された画素電極と、該画素電極と接続されているスイッチング素子、ここではトップゲート型TFTと、保持容量とで構成されている。
なお本実施例ではトップゲート型TFTを用いたが、ボトムゲート型TFTを用いてもよい。
ここで、図37(A)〜図37(B)及び図38(A)〜図38(B)を用いて、パネル作製の流れを以下に説明する。
まず、絶縁表面に画素部1111が形成された第1基板1110を用意する。第1基板1110は、予め、配向膜の形成、ラビング処理、球状スペーサ散布、或いは柱状スペーサ形成、またはカラーフィルタの形成などを行っておく。次いで、図37(A)に示すように、不活性気体雰囲気または減圧下で第1基板1110上にディスペンサ装置またはインクジェット装置でシール材1112を所定の位置(画素部1111を囲むパターン)に形成する。半透明なシール材1112としてはフィラー(直径6μm〜24μm)を含み、且つ、粘度40〜400Pa・sのものを用いる。なお、後に接する液晶に溶解しない材料を選択することが好ましい。シール材1112としては、アクリル系光硬化樹脂やアクリル系熱硬化樹脂を用いればよい。また、簡単なシールパターンであるのでシール材1112は、印刷法で形成することもできる。
次いで、シール材1112に囲まれた領域に液晶組成物1114をインクジェット法により滴下する(図37(B))。また、液晶組成物は温度を調節することによって粘度を設定することができるため、インクジェット法に適している。インクジェット法により無駄なく必要な量だけの液晶組成物1114をシール材1112に囲まれた領域に保持することができる。
次いで、画素部1111が設けられた第1基板1110と、対向電極や配向膜が設けられた第2基板1031とを気泡が入らないように減圧下で貼りあわせる。(図38(A))ここでは、貼りあわせると同時に紫外線照射や熱処理を行って、シール材1112を硬化させる。なお、紫外線照射に加えて、熱処理を行ってもよい。
また、図39(A)及び図39(B)に貼り合わせ時または貼り合わせ後に紫外線照射や熱処理が可能な貼り合わせ装置の例を示す。
図39(A)及び図39(B)中、1041は第1基板支持台、1042は第2基板支持台、1044は透光性の窓、1048は下側定盤、1049は紫外光の光源である。なお、図39(A)〜図39(B)において、図36(A)〜図36(D)、図37(A)〜図37(B)及び図38(A)〜図38(B)と対応する部分は同一の符号を用いている。
下側定盤1048は加熱ヒータが内蔵されており、シール材1112を硬化させる。また、第2基板支持台1042には透光性の窓1044が設けられており、光源1049からの紫外光などを通過させるようになっている。ここでは図示していないが窓1044を通して基板の位置アライメントを行う。また、対向基板となる第2基板1031は予め、所望のサイズに切断しておき、第2基板支持台1042に真空チャックなどで固定しておく。図39(A)は貼り合わせ前の状態を示している。
貼り合わせ時には、第1基板支持台1041と第2基板支持台1042とを下降させた後、圧力をかけて第1基板1110と第2基板1031を貼り合わせ、そのまま紫外光を照射することによってシール材1112を硬化させる。貼り合わせ後の状態を図39(B)に示す。
次いで、スクライバー装置、ブレイカー装置、ロールカッターなどの切断装置を用いて第1基板1110を切断する(図38(B))。こうして、1枚の基板から4つのパネルを作製することができる。そして、公知の技術を用いてFPCを貼りつける。
なお、第1基板1110、第2基板1031としてはガラス基板、またはプラスチック基板を用いることができる。
また、本実施例は、必要であれば上記実施の形態及び他の実施例のいかなる記載と自由に組み合わせることが可能である。
本実施例では、本発明を用いて薄膜トランジスタが形成された基板及び対向基板から光を射出する表示装置を作製する例を図41、図42、図43及び図44を用いて示す。
まず実施例10に基づいて図29(C)の島状半導体膜507〜509形成を行う。なお、上記実施例と同じものは同じ符号で表す。
次に、島状半導体膜507〜509にしきい値制御のための不純物を導入する。本実施例においてはジボラン(B)をドープすることによってボロン(B)を島状半導体膜中に導入する。
次に島状半導体膜507〜509を覆うように絶縁膜700を成膜する。絶縁膜700には、例えば酸化珪素(SiO)、窒化珪素(SiN)または窒素を含んだ酸化珪素(SiON)等を用いることができる。また成膜方法は、プラズマCVD法、スパッタ法などを用いることができる。
次に、絶縁膜700上に導電膜を成膜した後、導電膜を加工することで、ゲート電極707〜709を形成する。
ゲート電極707〜709は、導電膜を単層または2層以上積層させた構造を用いて形成する。導電膜を2層以上積層させている場合は、タンタル(Ta)、タングステン(W)、チタン(Ti)、モリブデン(Mo)、アルミニウム(Al)から選ばれた元素、または前記元素を主成分とする合金材料、若しくは化合物材料を積層させてゲート電極707〜709を形成してもよい。また、リン(P)等の不純物元素をドーピングした多結晶シリコン膜に代表される半導体膜を用いてゲート電極を形成してもよい。
本実施例では、窒化タンタル(TaN)とタングステン(W)をそれぞれ、30nm、370nm積層した積層膜を用いて、ゲート電極707〜709を形成する。本実施例では、タングステン(W)を用いて上層ゲート電極701〜703を形成し、窒化タンタル(TaN)を用いて下層ゲート電極704〜706を形成する。
ゲート電極707〜709は、ゲート配線の一部として形成してもよいし、別にゲート配線を形成して、そのゲート配線にゲート電極707〜709を接続してもよい。
そして、ゲート電極707〜709や、あるいはレジストを成膜して加工したものをマスクとして用い、島状半導体膜507〜509にn型またはp型の導電性を付与する不純物を添加し、ソース領域、ドレイン領域、さらには低濃度不純物領域等を形成する。
まず、フォスフィン(PH)を用いてリン(P)を、加速電圧を60〜120keV、ドーズ量を1×1013〜1×1015cm−2として島状半導体膜中に導入する。この不純物導入によりnチャネル型TFT761及び762のチャネル領域713及び716が形成される。
またpチャネル型TFT763を作製するために、ジボラン(B)を印加電圧60〜100keV、例えば80keV、ドーズ量1×1013〜5×1015cm−2、例えば3×1015cm−2の条件で、島状半導体膜中にボロン(B)を導入する。これによりpチャネル型TFT763のソース領域又はドレイン領域717、またこの不純物導入によりチャネル領域718が形成される(図41(B))。
次に絶縁膜700を加工してゲート絶縁膜721〜723を形成する。これにより半導体膜の一部が露出する。
nチャネル型TFT761及び762となる島状半導体膜507及び508に、フォスフィン(PH)を用いて、印加電圧40〜80keV、例えば50keV、ドーズ量1.0×1015〜2.5×1016cm−2、例えば3.0×1015cm−2で、リン(P)を導入する。これによりnチャネル型TFT761及び762の低濃度不純物領域712及び715、ソース領域又はドレイン領域711及び714が形成される(図41(B))。
本実施例においては、nチャネル型TFT761及び762のソース領域又はドレイン領域711及び714のそれぞれには、1×1019〜5×1021cm−3の濃度でリン(P)が含まれることとなる。またnチャネル型TFT761及び762の低濃度不純物領域712及び715のそれぞれには、1×1018〜5×1019cm−3の濃度でリン(P)が含まれる。さらに、pチャネル型TFT763のソース領域又はドレイン領域717には、1×1019〜5×1021cm−3の濃度でボロン(B)が含まれる。
次に露出した半導体膜表面に形成された酸化膜をフッ酸等によって除去した後、基板を450℃に加熱した状態でスパッタ法にてNi膜を25nm〜50nm成膜して島状半導体膜507〜509上にNiシリサイド3を形成する。成膜電力密度は0.7W/cmとする。このときゲート電極707〜709をリン(P)等の不純物元素をドーピングした多結晶シリコン膜に代表される半導体膜を用いて形成している場合にはゲート電極上にもNiシリサイドが形成される。その後未反応のNiを公知のエッチング液によって除去する(図41(B))。
本実施例においては、pチャネル型TFT763は本表示装置の画素TFTとして用いられる。またnチャネル型TFT761及び762は、画素TFT763を駆動する駆動回路のTFTとして用いられる。ただし画素TFTは必ずしもpチャネル型TFTである必要はなく、nチャネル型TFTを用いてもよい。また駆動回路も複数のnチャネル型TFTを組み合わせた回路である必要はなく、nチャネル型TFTとpチャネル型TFTを相補的に組み合わせた回路、もしくは複数のpチャネル型TFTを組み合わせた回路であってもよい。
次に水素を含む絶縁膜730を成膜する。水素を含む絶縁膜は、PCVD法により得られる窒素を含む酸化珪素膜(SiON膜)を用いる。もしくは酸素を含む窒化珪素膜(SiNO膜)を用いてもよい。なお、水素を含む絶縁膜730は、第1層間絶縁膜であり、酸化珪素を含んでいる透光性を有する絶縁膜である。
本発明ではNiシリサイドを形成しているのでソース領域、ドレイン領域は十分に低抵抗化されている。したがって島状半導体膜に添加された不純物元素の活性化工程を行う必要はない。しかしその後島状半導体膜に添加された不純物元素の活性化を行ってもよいのは言うまでもない。この不純物元素の活性化はレーザー光照射、RTA又は窒素雰囲気中550℃で4時間加熱して、不純物を活性化してもよい。また、結晶化を助長する金属元素、代表的にはニッケルを用いて半導体膜を結晶化させている場合、活性化と同時にチャネル領域におけるニッケルの低減を行うゲッタリングをも行うことができる。
その後全体を410℃で1時間加熱することにより、島状半導体膜の水素化を行う。ただし上述のように窒素雰囲気中550℃で4時間などの加熱処理を行った場合には不要である。
次いで、第2層間絶縁膜731となる平坦化膜を形成する。平坦化膜としては、透光性を有する無機材料(酸化珪素、窒化珪素、酸素を含む窒化珪素など)、感光性または非感光性の有機材料(ポリイミド、アクリル、ポリアミド、ポリイミドアミド、レジストまたはベンゾシクロブテン)、またはこれらの積層などを用いる。また、平坦化膜に用いる他の透光性を有する膜としては、塗布法によって得られるアルキル基を含むSiOx膜からなる絶縁膜、例えばシリカガラス、アルキルシロキサンポリマー、アルキルシルセスキオキサンポリマー、水素化シルセスキオキサンポリマー、水素化アルキルシルセスキオキサンポリマーなどを用いて形成された絶縁膜を用いることができる。シロキサン系ポリマーの一例としては、東レ製塗布絶縁膜材料であるPSB−K1、PSB−K31や触媒化成製塗布絶縁膜材料であるZRS−5PHが挙げられる。
次いで、透光性を有する第3層間絶縁膜732を形成する。第3層間絶縁膜732は、後の工程で透明電極750を形成する際、第2層間絶縁膜731である平坦化膜を保護するためのエッチングストッパー膜として設けるものである。ただし、透明電極750を形成する際、第2層間絶縁膜731がエッチングストッパー膜となるのであれば第3層間絶縁膜732は不要である。
次いで、新たなマスクを用いて第1層間絶縁膜730、第2層間絶縁膜731及び第3層間絶縁膜732にコンタクトホールを形成する。次いで、マスクを除去し、導電膜(TiN、Al及びTiNの積層膜)を形成した後、また別のマスクを用いてエッチング(BClとClとの混合ガスでのドライエッチング)を行い、電極又は配線741〜745(TFTのソース配線及びドレイン配線や、電流供給配線など)を形成する(図41(C))。ただし、本実施例では電極と配線を一体形成するが、電極と配線を別々に形成して、電気的に接続させてもよい。なお、TiNは、高耐熱性平坦化膜との密着性が良好な材料の一つである。加えて、TFTのソース領域またはドレイン領域と良好なオーミックコンタクトを取るためにTiNのN含有量は44atomic%より少なくすることが好ましい。
次いで、新たなマスクを用いて透明電極750、即ち、有機発光素子の陽極を膜厚10nm〜800nmの範囲で形成する。透明電極750としては、インジウム錫酸化物(ITO、Indium Tin Oxide)の他、例えば、Si元素を含むインジウム錫酸化物や酸化インジウムに酸化亜鉛(ZnO)を混合したIZO(Indium Zinc Oxide)などの仕事関数の高い(仕事関数4.0eV以上)透明導電材料を用いることができる(図42(A))。
次いで、新たなマスクを用いて透明電極750の端部を覆う絶縁物733(隔壁、障壁などと呼ばれる)を形成する。絶縁物733としては、塗布法により得られる感光性または非感光性の有機材料(ポリイミド、アクリル、ポリアミド、ポリイミドアミド、レジストまたはベンゾシクロブテン)、またはSOG膜(例えば、アルキル基を含むSiOx膜)を膜厚0.8μm〜1μmの範囲で用いる。
次いで、有機化合物を含む層751、752、753、754及び755を、蒸着法または塗布法を用いて形成する。なお、発光素子の信頼性を向上させるため、有機化合物を含む層751の形成前に真空加熱を行って脱気を行うことが好ましい。例えば、有機化合物材料の蒸着を行う前に、基板に含まれるガスを除去するために減圧雰囲気や不活性雰囲気で200℃〜300℃の加熱処理を行うことが望ましい。なお、層間絶縁膜と隔壁とを高耐熱性を有するSiOx膜で形成した場合には、さらに高い加熱処理(410℃)を加えることもできる。
まず蒸着マスクを用いて選択的に透明電極750上にモリブデン酸化物(MoOx)と、4,4’−ビス[N−(1−ナフチル)−N−フェニル−アミノ]−ビフェニル(α−NPD)と、ルブレンとを共蒸着して第1の有機化合物を含む層751(第1の層)を形成する。
なお、MoOxの他、銅フタロシアニン(CuPC)やバナジウム酸化物(VOx)、ルテニウム酸化物(RuOx)、タングステン酸化物(WOx)等の正孔注入性の高い材料を用いることができる。また、ポリ(エチレンジオキシチオフェン)(PEDOT)、ポリ(スチレンスルホン酸)水溶液(PEDPSS)等の正孔注入性の高い高分子材料を塗布法によって成膜したものを第1の有機化合物を含む層751として用いてもよい。
次いで、蒸着マスクを用いて選択的にα−NPDを蒸着し、第1の有機化合物を含む層751の上に正孔輸送層(第2の層)752を形成する。なお、α−NPDの他、4,4’−ビス[N−(3−メチルフェニル)−N−フェニル−アミノ]−ビフェニル(略称:TPD)、4,4’,4’’−トリス(N,N−ジフェニル−アミノ)−トリフェニルアミン(略称:TDATA)、4,4’,4’’−トリス[N−(3−メチルフェニル)−N−フェニル−アミノ]−トリフェニルアミン(略称:MTDATA)等の芳香族アミン系化合物に代表される正孔輸送性の高い材料を用いることができる。
次いで、選択的に発光層753(第3の層)を形成する。フルカラー表示装置とするためには発光色(R、G、B)ごとに蒸着マスクのアライメントを行ってそれぞれ選択的に蒸着する。
赤色の発光を示す発光層753Rとしては、AlqとDCM、またはAlq、ルブレンとBisDCJTMなどの材料を用いる。また、緑色の発光を示す発光層753Gとしては、AlqとDMQD(N,N’−ジメチルキナクリドン)、またはAlqとクマリン6などの材料を用いる。また、青色の発光を示す発光層753Bとしては、α―NPD、またはtBu−DNAなどの材料を用いる。
次いで、蒸着マスクを用いて選択的にAlq(トリス(8−キノリノラト)アルミニウム)を蒸着し、発光層753上に電子輸送層(第4の層)754を形成する。なお、Alqの他、トリス(5−メチル−8−キノリノラト)アルミニウム(略称:Almq)、ビス(10−ヒドロキシベンゾ[h]−キノリナト)ベリリウム(略称:BeBq)、ビス(2−メチル−8−キノリノラト)−4−フェニルフェノラト−アルミニウム(略称:BAlq)等のキノリン骨格またはベンゾキノリン骨格を有する金属錯体等に代表される電子輸送性の高い材料を用いることができる。また、この他ビス[2−(2−ヒドロキシフェニル)−ベンゾオキサゾラト]亜鉛(略称:Zn(BOX))、ビス[2−(2−ヒドロキシフェニル)−ベンゾチアゾラト]亜鉛(略称:Zn(BTZ))などのオキサゾール系、チアゾール系配位子を有する金属錯体なども用いることができる。さらに、金属錯体以外にも、2−(4−ビフェニリル)−5−(4−tert−ブチルフェニル)−1,3,4−オキサジアゾール(略称:PBD)や、1,3−ビス[5−(p−tert−ブチルフェニル)−1,3,4−オキサジアゾール−2−イル]ベンゼン(略称:OXD−7)、3−(4−tert−ブチルフェニル)−4−フェニル−5−(4−ビフェニリル)−1,2,4−トリアゾール(略称:TAZ)、3−(4−tert−ブチルフェニル)−4−(4−エチルフェニル)−5−(4−ビフェニリル)−1,2,4−トリアゾール(略称:p−EtTAZ)、バソフェナントロリン(略称:BPhen)、バソキュプロイン(略称:BCP)なども電子輸送性が高いため、電子輸送層754として用いることができる。
次いで、4,4−ビス(5−メチルベンゾオキサゾル−2−イル)スチルベン(略称:BzOs)とリチウム(Li)とを共蒸着し、電子輸送層および絶縁物を覆って全面に電子注入層(第5の層)755を形成する。ベンゾオキサゾール誘導体(BzO)を用いることで、後の工程に行われる透明電極756形成時におけるスパッタ法に起因する損傷を抑制している。なお、BzOs:Li以外に、CaF、フッ化リチウム(LiF)、フッ化セシウム(CsF)等のようなアルカリ金属又はアルカリ土類金属の化合物等の電子注入性の高い材料を用いることができる。また、この他、Alqとマグネシウム(Mg)とを混合したものも用いることができる。
次に、第5の層755の上に透明電極756、即ち、有機発光素子の陰極を膜厚10nm〜800nmの範囲で形成する。透明電極756としては、インジウム錫酸化物(ITO、Indium Tin Oxide)の他、例えば、Si元素を含むインジウム錫酸化物や酸化インジウムに酸化亜鉛(ZnO)を混合したIZO(Indium Zinc Oxide)を用いることができる。
以上のようにして、発光素子が作製される。発光素子を構成する陽極、有機化合物を含む層(第1の層〜第5の層)、および陰極の各材料は適宜選択し、各膜厚も調整する。陽極と陰極とで同じ材料を用い、且つ、同程度の膜厚、好ましくは100nm程度の薄い膜厚とすることが望ましい。
また、必要であれば、発光素子を覆って、水分の侵入を防ぐ透明保護層757を形成する。透明保護層757としては、スパッタ法またはCVD法により得られる窒化珪素膜、酸化珪素膜、酸素を含む窒化珪素膜(SiNO膜(組成比N>O))または窒素を含む酸化珪素膜(SiON膜(組成比N<O))、炭素を主成分とする薄膜(例えばDLC膜、CN膜)などを用いることができる(図42(B))。
次いで、基板間隔を確保するためのギャップ材を含有するシール材を用い、第2の基板770と基板500とを貼り合わせる。第2の基板770も、光透過性を有するガラス基板や石英基板を用いればよい。なお、一対の基板の間は、空隙(不活性気体)として乾燥剤を配置してもよいし、透明なシール材(紫外線硬化または熱硬化のエポキシ樹脂など)を一対の基板間に充填してもよい。
発光素子は、透明電極750、756が透光性材料で形成されるため、一つの発光素子から2方向、即ち両面側から採光することができる。
以上に示すパネル構成とすることで上面からの発光と、下面からの発光とでほぼ同一とすることができる。
最後に光学フィルム(偏光板、または円偏光板)771、772を設けてコントラストを向上させる(図43)。
図44に発光色(R、G、B)ごとの発光素子の断面図を示す。赤色(R)の発光素子は、画素TFT763R、透明電極(陽極)750R、第1の層751R、第2の層(正孔輸送層)752R、第3の層(発光層)753R、第4の層(電子輸送層)754R、第5の層(電子注入層)755、透明電極(陰極)756、透明保護層757を有している。
また、緑色(G)の発光素子は、画素TFT763G、透明電極(陽極)750G、第1の層751G、第2の層(正孔輸送層)752G、第3の層(発光層)753G、第4の層(電子輸送層)754G、第5の層(電子注入層)755、透明電極(陰極)756、透明保護層757を有している。
さらに、青色(B)の発光素子は、画素TFT763B、透明電極(陽極)750B、第1の層751B、第2の層(正孔輸送層)752B、第3の層(発光層)753B、第4の層(電子輸送層)754B、第5の層(電子注入層)755、透明電極(陰極)756、透明保護層757を有している。
なお、本実施例では、TFTをトップゲート型TFTとしたが、この構造に限定されるものではなく、適宜ボトムゲート型(逆スタガ型)TFTや、順スタガ型TFTを用いることが可能である。また、シングルゲート構造のTFTに限定されず、複数のチャネル領域を有するマルチゲート型TFT、例えばダブルゲート型TFTとしてもよい。
また、本実施例は、必要であれば上記実施形態及び他の実施例のいかなる記載と自由に組み合わせることが可能である。
本発明が適用される電子機器として、ビデオカメラ、デジタルカメラ等のカメラ、ゴーグル型ディスプレイ、ナビゲーションシステム、音響再生装置(カーオーディオコンポ等)、コンピュータ、ゲーム機器、携帯情報端末(モバイルコンピュータ、携帯電話、携帯型ゲーム機または電子書籍等)、記録媒体を備えた画像再生装置(具体的にはDigital Versatile Disc(DVD)等の記録媒体を再生し、その画像を表示しうるディスプレイを備えた装置)などが挙げられる。それらの電子機器の具体例を図45〜図50に示す。
図45は表示パネル5001と、回路基板5011を組み合わせた液晶モジュールもしくはELモジュールを示している。回路基板5011には、コントロール回路5012や信号分割回路5013などが形成されており、接続配線5014によって表示パネル5001と電気的に接続されている。
この表示パネル5001には、複数の画素が設けられた画素部5002と、走査線駆動回路5003、選択された画素にビデオ信号を供給する信号線駆動回路5004を備えている。なお液晶モジュールやELモジュールを作製する場合は上記実施形態及び上記実施例を用いて表示パネル5001を作製すればよい。また、走査線駆動回路5003や信号線駆動回路5004等制御用駆動回路部を、本発明により形成されたTFTを用いて作製することが可能である。
図45に示す液晶モジュールもしくはELモジュールにより液晶テレビ受像器又はELテレビ受像機を完成させることができる。図46は、液晶テレビ受像機もしくはELテレビ受像機の主要な構成を示すブロック図である。チューナ5101は映像信号と音声信号を受信する。映像信号は、映像信号増幅回路5102と、そこから出力される信号を赤、緑、青の各色に対応した色信号に変換する映像信号処理回路5103と、その映像信号をドライバICの入力仕様に変換するためのコントロール回路5012により処理される。コントロール回路5012は、走査線側と信号線側にそれぞれ信号が出力する。デジタル駆動する場合には、信号線側に信号分割回路5013を設け、入力デジタル信号をm個に分割して供給する構成としても良い。
チューナ5101で受信した信号のうち、音声信号は音声信号増幅回路5105に送られ、その出力は音声信号処理回路5106を経てスピーカー5107に供給される。制御回路5108は受信局(受信周波数)や音量の制御情報を入力部5109から受け、チューナ5101や音声信号処理回路5106に信号を送出する。
図47(A)に示すように、液晶モジュールもしくはELモジュールを筐体5201に組みこんで、テレビ受像機を完成させることができる。液晶モジュールもしくはELモジュールにより、表示画面5202が形成される。また、スピーカー5203、操作スイッチ5204などが適宜備えられている。
また図47(B)に、ワイヤレスでディスプレイのみを持ち運び可能なテレビ受像器を示す。筐体5212にはバッテリー及び信号受信器が内蔵されており、そのバッテリーで表示部5213やスピーカー部5217を駆動させる。バッテリーは充電器5210で繰り返し充電が可能となっている。また、充電器5210は映像信号を送受信することが可能で、その映像信号をディスプレイの信号受信器に送信することができる。筐体5212は操作キー5216によって制御する。また、図47(B)に示す装置は、操作キー5216を操作することによって、筐体5212から充電器5210に信号を送ることも可能であるため映像音声双方向通信装置とも言える。また、操作キー5216を操作することによって、筐体5212から充電器5210に信号を送り、さらに充電器5210が送信できる信号を他の電子機器に受信させることによって、他の電子機器の通信制御も可能であり、汎用遠隔制御装置とも言える。本発明は表示部5213及び制御用回路部等に適用することができる。
本発明を図45、図46、図47(A)〜図47(B)に示すテレビ受像器使用することにより、簡単な工程で精度良く形成することができ、さらには、スループットや歩留まりの高い本テレビ受像器を作製することができ、作製時間、作製コスト等を抑えることができる。また上記実施例に記載された方法で作製されるIDチップを本テレビ受像器に貼り付けることにより、流通経路などを明確にすることができる。
勿論、本発明はテレビ受像機に限定されず、パーソナルコンピュータのモニタをはじめ、鉄道の駅や空港などにおける情報表示盤や、街頭における広告表示盤など特に大面積の表示媒体として様々な用途に適用することができる。
図48(A)は表示パネル5301とプリント配線基板5302を組み合わせたモジュールを示している。表示パネル5301は、複数の画素が設けられた画素部5303と、第1の走査線駆動回路5304、第2の走査線駆動回路5305と、選択された画素にビデオ信号を供給する信号線駆動回路5306を備えている。
プリント配線基板5302には、コントローラ5307、中央処理装置(CPU)5308、メモリ5309、電源回路5310、音声処理回路5311及び送受信回路5312などが備えられている。プリント配線基板5302と表示パネル5301は、フレキシブル配線基板(FPC)5313により接続されている。プリント配線基板5302には、容量素子、バッファ回路などを設け、電源電圧や信号にノイズがのったり、信号の立ち上がりが鈍ったりすることを防ぐ構成としても良い。また、コントローラ5307、音声処理回路5311、メモリ5309、CPU5308、電源回路5310などは、COG(Chip On Glass)方式を用いて表示パネル5301に実装することもできる。COG方式により、プリント配線基板5302の規模を縮小することができる。
プリント配線基板5302に備えられたインターフェース(I/F)部5314を介して、各種制御信号の入出力が行われる。また、アンテナとの間の信号の送受信を行なうためのアンテナ用ポート5315が、プリント配線基板5302に設けられている。
図48(B)は、図48(A)に示したモジュールのブロック図を示す。このモジュールは、メモリ5309としてVRAM5316、DRAM5317、フラッシュメモリ5318などが含まれている。VRAM5316にはパネルに表示する画像のデータが、DRAM5317には画像データまたは音声データが、フラッシュメモリには各種プログラムが記憶されている。
電源回路5310は、表示パネル5301、コントローラ5307、CPU5308、音声処理回路5311、メモリ5309、送受信回路5312を動作させる電力を供給する。またパネルの仕様によっては、電源回路5310に電流源が備えられている場合もある。
CPU5308は、制御信号生成回路5320、デコーダ5321、レジスタ5322、演算回路5323、RAM5324、CPU5308用のインターフェース5366などを有している。インターフェース5366を介してCPU5308に入力された各種信号は、一旦レジスタ5322に保持された後、演算回路5323、デコーダ5321などに入力される。演算回路5323では、入力された信号に基づき演算を行ない、各種命令を送る場所を指定する。一方デコーダ5321に入力された信号はデコードされ、制御信号生成回路5320に入力される。制御信号生成回路5320は入力された信号に基づき、各種命令を含む信号を生成し、演算回路5323において指定された場所、具体的にはメモリ5309、送受信回路5312、音声処理回路5311、コントローラ5307などに送る。
メモリ5309、送受信回路5312、音声処理回路5311、コントローラ5307は、それぞれ受けた命令に従って動作する。以下その動作について簡単に説明する。
入力手段5325から入力された信号は、I/F部5314を介してプリント配線基板5302に実装されたCPU5308に送られる。制御信号生成回路5320は、ポインティングデバイスやキーボードなどの入力手段5325から送られてきた信号に従い、VRAM5316に格納してある画像データを所定のフォーマットに変換し、コントローラ5307に送付する。
コントローラ5307は、パネルの仕様に合わせてCPU5308から送られてきた画像データを含む信号にデータ処理を施し、表示パネル5301に供給する。またコントローラ5307は、電源回路5310から入力された電源電圧やCPU5308から入力された各種信号をもとに、Hsync信号、Vsync信号、クロック信号CLK、交流電圧(AC Cont)、切り替え信号L/Rを生成し、表示パネル5301に供給する。
送受信回路5312では、アンテナ5328において電波として送受信される信号が処理されており、具体的にはアイソレータ、バンドパスフィルタ、VCO(Voltage Controlled Oscillator)、LPF(Low Pass Filter)、カプラ、バランなどの高周波回路を含んでいる。送受信回路5312において送受信される信号のうち音声情報を含む信号が、CPU5308からの命令に従って、音声処理回路5311に送られる。
CPU5308の命令に従って送られてきた音声情報を含む信号は、音声処理回路5311において音声信号に復調され、スピーカー5327に送られる。またマイク5326から送られてきた音声信号は、音声処理回路5311において変調され、CPU5308からの命令に従って、送受信回路5312に送られる。
コントローラ5307、CPU5308、電源回路5310、音声処理回路5311、メモリ5309を、本実施例のパッケージとして実装することができる。本実施例は、アイソレータ、バンドパスフィルタ、VCO(Voltage Controlled Oscillator)、LPF(Low Pass Filter)、カプラ、バランなどの高周波回路以外であれば、どのような回路にも応用することができる。
図49は、図48(A)〜図48(B)に示すモジュールを含む携帯電話機の一態様を示している。表示パネル5301はハウジング5330に脱着自在に組み込まれる。ハウジング5330は表示パネル5301のサイズに合わせて、形状や寸法を適宜変更することができる。表示パネル5301を固定したハウジング5330はプリント基板5331に嵌着されモジュールとして組み立てられる。
表示パネル5301はFPC5313を介してプリント基板5331に接続される。プリント基板5331には、スピーカー5332、マイクロフォン5333、送受信回路5334、CPU及びコントローラなどを含む信号処理回路5335が形成されている。このようなモジュールと、入力手段5336、バッテリー5337、アンテナ5340を組み合わせ、筐体5339に収納する。表示パネル5301の画素部は筐体5339に形成された開口窓から視認できように配置する。
本実施例に係る携帯電話機は、その機能や用途に応じてさまざまな態様に変容し得る。例えば、表示パネルを複数備えたり、筐体を適宜複数に分割して蝶番により開閉式とした構成としても、上記した作用効果を奏することができる。
本発明を図48(A)〜図48(B)、図49に示す携帯電話に使用することにより、簡単な工程で精度良く形成することができ、さらには、スループットや歩留まりの高い携帯電話を作製することができ、作製時間、作製コスト等を抑えることができる。また上記実施例に記載された方法で作製されるIDチップを本携帯電話に貼り付けることにより、流通経路などを明確にすることができる。
図50(A)は液晶ディスプレイもしくはOLEDディスプレイであり、筐体6001、支持台6002、表示部6003などによって構成されている。本発明は図45に示す液晶モジュールもしくはELモジュール、図48(A)に示す表示パネルの構成を用いて、表示部6003に適用が可能である。また、本発明を制御用回路部等に用いることも可能である。
本発明を使用することにより、簡単な工程で精度良く形成することができ、さらには、スループットや歩留まりの高い本ディスプレイを作製することができ、作製時間、作製コスト等を抑えることができる。また上記実施例に記載された方法で作製されるIDチップを本ディスプレイに貼り付けることにより、流通経路などを明確にすることができる。
図50(B)はコンピュータであり、本体6101、筐体6102、表示部6103、キーボード6104、外部接続ポート6105、ポインティングマウス6106等を含む。本発明は図45に示す液晶モジュールもしくはELモジュール、図48(A)に示す表示パネルの構成を用いて、表示部6103に適用することができる。また、本発明を制御用回路部等に用いることも可能である。
本発明を使用することにより、簡単な工程で精度良く形成することができ、さらには、スループットや歩留まりの高い本コンピュータを作製することができ、作製時間、作製コスト等を抑えることができる。また上記実施例に記載された方法で作製されるIDチップを本コンピュータに貼り付けることにより、流通経路などを明確にすることができる。
図50(C)は携帯可能なコンピュータであり、本体6201、表示部6202、スイッチ6203、操作キー6204、赤外線ポート6205等を含む。本発明は図45に示す液晶モジュールもしくはELモジュール、図48(A)に示す表示パネルの構成を用いて、表示部6202に適用することができる。また、本発明を制御用回路部等に用いることも可能である。
本発明を使用することにより、簡単な工程で精度良く形成することができ、さらには、スループットや歩留まりの高い本コンピュータを作製することができ、作製時間、作製コスト等を抑えることができる。また上記実施例に記載された方法で作製されるIDチップを本コンピュータに貼り付けることにより、流通経路などを明確にすることができる。
図50(D)は携帯型のゲーム機であり、筐体6301、表示部6302、スピーカー部6303、操作キー6304、記録媒体挿入部6305等を含む。本発明は図45に示す液晶モジュールもしくはELモジュール、図48(A)に示す表示パネルの構成を用いて、表示部6302に適用することができる。また、本発明を制御用回路部等に用いることも可能である。
本発明を使用することにより、簡単な工程で精度良く形成することができ、さらには、スループットや歩留まりの高い本ゲーム機を作製することができ、作製時間、作製コスト等を抑えることができる。また上記実施例に記載された方法で作製されるIDチップを本ゲーム機に貼り付けることにより、流通経路などを明確にすることができる。
図50(E)は記録媒体を備えた携帯型の画像再生装置(具体的にはDVD再生装置)であり、本体6401、筐体6402、表示部A6403、表示部B6404、記録媒体(DVD等)読込部6405、操作キー6406、スピーカー部6407等を含む。表示部A6403は主として画像情報を表示し、表示部B6404は主として文字情報を表示する。本発明は図45に示す液晶モジュールもしくはELモジュール、図48(A)に示す表示パネルの構成を用いて、表示部A6403、及び表示部B6404等に適用することができる。また、本発明を制御用回路部等に用いることも可能である。なお、記録媒体を備えた画像再生装置には家庭用ゲーム機器なども含まれる。
本発明を使用することにより、簡単な工程で精度良く形成することができ、さらには、スループットや歩留まりの高い本画像再生装置を作製することができ、作製時間、作製コスト等を抑えることができる。また上記実施例に記載された方法で作製されるIDチップを本画像再生装置に貼り付けることにより、流通経路などを明確にすることができる。
これらの電子機器に使われる表示装置は、大きさや強度、または使用目的に応じて、ガラス基板だけでなく耐熱性のプラスチック基板を用いることも可能である。それによってよりいっそうの軽量化を図ることができる。
なお、本実施例に示した例はごく一例であり、これらの用途に限定するものではないことを付記する。
また本実施例は、上記実施の形態及び実施例のいかなる記載とも自由に組み合せて実施することが可能である。
ここでは本発明のNiシリサイド形成方法を用いて作製したpチャネル型TFTと、Niシリサイドを用いずに作製したpチャネル型TFTとの特性を比較した。まず両者の作製方法を示す。
洗浄したガラス基板(コーニング製EAGLE2000)1上にプラズマCVD法により非晶質珪素膜2を膜厚66nmで形成する。基板側からナトリウムなどの不純物が珪素膜に拡散するのを防止するため、窒化酸化シリコン40(SiNxOy)(x>y)を50nmの膜厚で形成し、その上に酸化窒化シリコン41(SiOxNy)(x>y)を100nmの膜厚で下地膜として形成した(図51(A))。
次いで非晶質珪素膜2をレーザー結晶化した。ここでは脱水素化のための熱処理(500℃、1時間)の後、レーザー光9を大気圧下で照射した(図51(B))。
レーザー光9としては、連続発振型であるYVOレーザーの第2高調波を用いた。出力は10W程度とし、レーザー光を非線形光学素子により変換して第2高調波とした。またこのときのパワー密度は0.001〜100MW/cm程度とした。そして35cm/secの速度でレーザー光に対して相対的に珪素膜を移動させて照射した。以上により結晶性珪素膜10を形成した。
結晶性珪素膜10をフォトリソグラフィー工程によって島状の結晶性珪素膜42にした(図51(C))。その後TFTのしきい値制御のためにBイオンを添加した。
次に結晶性珪素膜42を覆うようにゲート絶縁膜43を形成した。ここではプラズマCVD法により酸化窒化シリコン(SiOxNy)(x>y)を40nm形成した。
次に、ゲート絶縁膜43上に、第1の導電層と第2の導電層を積層して形成した。第1の導電層は、スパッタリング法によりTaN膜を30nmの厚さで形成し、第2の導電層は、スパッタリング法によりW膜を370nmの厚さで形成した。
次に、フォトリソグラフィー法を用いてレジストからなるマスクを形成し、ゲート電極とゲート線を形成するためのエッチング処理を行って、ゲート電極として機能する導電層(ゲート電極層とよぶことがある)46、47を形成した(図51(D))。
続いて、結晶性珪素膜42に、P型を付与する不純物元素(ボロン)を添加して、P型不純物領域52、53を形成した(図52(A))。
次に、ゲート絶縁膜43と導電層46、47を覆うように、絶縁層54を形成する。絶縁層54は、プラズマCVD法により酸化窒化シリコン(SiOxNy)(x>y)を100nm形成した(図52(B))。
次に、絶縁層54を、垂直方向を主体とした異方性エッチングにより選択的にエッチングして、導電層46、47の側面に接する絶縁層(以下サイドウォール絶縁層とよぶ)56を形成した。サイドウォール絶縁層56は、後に形成するNiシリサイドによってゲート電極層とソース領域及びドレイン領域がショートしないようにする。またこのエッチングによってゲート絶縁膜も一部除去して結晶性珪素膜の一部を露出させた(図52(C))。
次に結晶性珪素膜の表面に形成されている酸化膜をエッチング除去した。ここではHF:NHF=1:100(重量比)の割合で混合したバッファードフッ酸溶液を、基板を回転させながら90秒滴下して酸化膜を除去する。
酸化膜除去後、加熱手段(図示しない)を用いてNi膜66をAr雰囲気下でスパッタ法にて成膜してNiシリサイド67を形成した。Ni成膜時の加熱温度は450℃、成膜電力密度は0.7W/cm、成膜圧力0.2Pa、Ni膜の膜厚は15nm又は25nmとした(図52(D))。
一方、比較用のTFTについてはNi成膜を行わなかった。
次に未反応のNiを除去する。ここではHCl:HNO:HO=3:2:1からなるエッチング溶液を用いて未反応のNiを除去した(図53(A))。
一方、比較用のTFTについてはこの工程を行わなかった。
上記工程を経て、pチャネル型の薄膜トランジスタ63の基本構造が完成する。
P型の薄膜トランジスタ63は、P型不純物領域52、53とチャネル領域65を含む結晶性珪素膜と、ゲート絶縁層43と、ゲート電極として機能する導電層46、47とを有する。このような、薄膜トランジスタ63の構造はシングルドレイン構造と呼ばれる。
また、上記工程を経て完成した、薄膜トランジスタ63のチャネル長は1.5μm、チャネル幅は4μmとした。
次に、薄膜トランジスタ63を覆うように、絶縁層68を形成する。絶縁層68は、プラズマCVD法により酸化窒化シリコン(SiOxNy)(x>y)を50nm形成する。
絶縁層68を形成した後に、珪素膜の水素化を目的とした加熱処理を行う。ここでは窒素雰囲気下で550℃4時間の加熱処理を行った。この加熱処理によって珪素膜の結晶性の回復や珪素膜に添加された不純物元素の活性化も行われることになる。ただし本発明を用いればソース領域及びドレイン領域を十分に低抵抗化できるので活性化工程は本来不要である。
次に層間絶縁膜としてプラズマCVD法にて窒化珪素層69を100nm形成し、その上に酸化窒化珪素層70を600nm連続して形成し、窒素雰囲気下で410℃1時間の熱処理を行った。上記の絶縁膜には水素が含まれており、熱処理により結晶珪素膜の水素化を行うことができる。
次に、フォトリソグラフィー法により絶縁層68、69、70をエッチングして、P型不純物領域52、53、すなわちNiシリサイド層67を露出させるコンタクトホールを形成する。続いて、コンタクトホールを充填するように、導電層を形成し、当該導電層をパターン加工して、ソース配線及びドレイン配線として機能する導電層71を形成する(図53(C))。
導電層71は、スパッタリング法により、チタン(Ti)層、窒化チタン(TiN)層、アルミニウム(Al)層、Ti層、TiN層の順で成膜し、積層構造とした。以上によりTFTが完成する。
以下、TFT特性を測定した結果を示す。
pチャネル型の薄膜トランジスタのON電流特性(〔μA〕、VG=5V、VD=5V)、移動度特性(〔cm/Vs〕、VD=1V)を図54、図55に○印で示す。各基板において8点の測定を行った。また基板数は2とした。
Niシリサイドを形成していない比較例のTFTではON電流の平均値は228.8μA、移動度の平均値が167.9cm/Vsであった。
一方、Ni膜の膜厚は15nmの場合、ON電流の平均値は257.3μA、移動度の平均値が198.8cm/Vsであり、Ni膜の膜厚は25nmの場合、ON電流の平均値は259.9μA、移動度の平均値が196.8cm/Vsであった。したがってNiを加熱成膜してシリサイドを形成すると、ON電流、移動度ともに向上していることがわかった。
本発明に係る半導体装置の作製工程を説明する図。 本発明に係る半導体装置の作製工程を説明する図。 本発明に係る半導体装置の作製工程を説明する図。 本発明に係る半導体装置の作製工程を説明する図。 成膜温度と抵抗値の関係を示した図。 成膜温度と抵抗値の関係を示した図。 成膜電力と抵抗値の関係を示した図。 成膜前条件と抵抗値の関係を示した図。 Ni膜厚と抵抗値の関係を示した図。 Ni膜厚と抵抗値の関係を示した図。 本発明に係る半導体装置を説明する図。 本発明に係る半導体装置の作製工程を説明する図。 本発明に係る半導体装置の作製工程を説明する図。 本発明に係る半導体装置の作製工程を説明する図。 本発明に係る半導体装置の作製工程を説明する図。 酸化膜除去の有無による形状の変化を調査した図。 本発明に係る半導体装置の作製工程を説明する図。 本発明に係る半導体装置を示した図。 本発明に係る半導体装置を示した図。 本発明に係る半導体装置の作製工程を説明する図。 本発明のIDチップの作製工程を説明する図。 本発明のIDチップの作製工程を説明する図。 本発明のIDチップの作製工程を説明する図。 本発明のIDチップの作製工程を説明する図。 本発明のIDチップの作製工程を説明する図。 本発明のIDチップの作製工程を説明する図。 本発明のIDチップの作製工程を説明する図。 本発明のIDチップの作製工程を説明する図。 本発明の半導体装置の作製工程を説明する図。 本発明の半導体装置の作製工程を説明する図。 本発明の半導体装置の作製工程を説明する図。 本発明の液晶表示装置の作製工程を説明する図。 本発明の液晶表示装置の作製工程を説明する図。 本発明の液晶表示装置の作製工程を説明する図。 本発明の液晶表示装置の作製工程を説明する図。 液晶滴下方法を用いた本発明の液晶表示装置の作製工程を説明する図。 液晶滴下方法を用いた本発明の液晶表示装置の作製工程を説明する図。 液晶滴下方法を用いた本発明の液晶表示装置の作製工程を説明する図。 液晶滴下方法を用いた本発明の液晶表示装置の作製工程を説明する図。 本発明に係る半導体装置を説明する図。 本発明に係るEL表示装置の作製工程を説明する図。 本発明に係るEL表示装置の作製工程を説明する図。 本発明に係るEL表示装置の作製工程を説明する図。 本発明に係るEL表示装置の作製工程を説明する図。 本発明が適用される電子機器の例を示す図。 本発明が適用される電子機器の例を示す図。 本発明が適用される電子機器の例を示す図。 本発明が適用される電子機器の例を示す図。 本発明が適用される電子機器の例を示す図。 本発明が適用される電子機器の例を示す図。 本発明に係る半導体装置の作製工程を説明する図。 本発明に係る半導体装置の作製工程を説明する図。 本発明に係る半導体装置の作製工程を説明する図。 pチャネル型TFTのオン電流特性を説明する図。 pチャネル型TFTの移動度特性を説明する図。
符号の説明
1 基板
2 半導体膜
3 Niシリサイド層
4 Ni膜
5 加熱手段
6 レーザー光
7 金属含有層
8 半導体膜
9 レーザー光
10 結晶性半導体膜
11 バリア層
12 ゲッタリング層
13 結晶性半導体膜
14 ゲート絶縁膜
15 ゲート電極
16 n型不純物イオン
17 ソース領域
18 ドレイン領域
19 Ni膜
20 加熱手段
21 Niシリサイド
22 Niシリサイド
23 層間絶縁膜
24 ソース電極、ドレイン電極
30 Niシリサイド層
31 Ni膜
40 窒化酸化珪素膜
41 酸化窒化珪素膜
42 結晶性珪素膜
43 ゲート絶縁膜
44 導電層
45 導電層
46 導電層
47 導電層
48 マスク
49 N型不純物領域
50 N型不純物領域
51 マスク
52 P型不純物領域
53 P型不純物領域
54 絶縁層
55 サイドウォール絶縁層
56 サイドウォール絶縁層
57 マスク
58 第2のN型不純物領域
59 第2のN型不純物領域
60 第1のN型不純物領域
61 第1のN型不純物領域
62 N型の薄膜トランジスタ
63 P型の薄膜トランジスタ
64 チャネル形成領域
65 チャネル形成領域
66 Ni膜
67 Niシリサイド
68 絶縁層
69 絶縁層
70 絶縁層
71 導電層
72 導電層
73 導電層
74 絶縁層
75 導電層
76 導電層
77 薄膜集積回路
80 開口部
81 開口部
82 絶縁層
83 基体
84 基体
100 剥離層
101 絶縁層
499 線状レーザ
500 基板
501 下地膜
502 半導体膜
504 結晶性半導体膜
507 島状半導体膜
508 島状半導体膜
509 島状半導体膜
510 絶縁膜
511 導電膜
512 導電膜
520 ドレイン領域
521 低濃度不純物領域
522 チャネル形成領域
523 ドレイン領域
524 チャネル形成領域
525 ドレイン領域
526 低濃度不純物領域
527 チャネル形成領域
530 層間絶縁膜
531 層間絶縁膜
540 配線
541 配線
542 配線
543 配線
544 配線
550 nチャネル型TFT
551 pチャネル型TFT
552 nチャネル型TFT
553 CMOS回路
560 上層ゲート電極
561 上層ゲート電極
562 上層ゲート電極
563 下層ゲート電極
564 下層ゲート電極
565 下層ゲート電極
570 ゲート電極
571 ゲート電極
572 ゲート電極
580 ゲート絶縁膜
581 ゲート絶縁膜
582 ゲート絶縁膜
600 シール材
600a シール材
600b シール材
610 層間絶縁膜
623 画素電極
624a 配向膜
624b 配向膜
625 対向基板
626a 着色層
626b 遮光層
627 オーバーコート層
628 対向電極
629 液晶
630 ゲート配線
631 容量配線
650 画素部
700 絶縁膜
701 上層ゲート電極
702 上層ゲート電極
703 上層ゲート電極
704 下層ゲート電極
705 下層ゲート電極
706 下層ゲート電極
707 ゲート電極
708 ゲート電極
709 ゲート電極
711 ソース領域又はドレイン領域
712 低濃度不純物領域
713 チャネル形成領域
714 ソース領域又はドレイン領域
715 低濃度不純物領域
716 チャネル形成領域
717 ソース領域又はドレイン領域
718 チャネル形成領域
721 ゲート絶縁膜
722 ゲート絶縁膜
723 ゲート絶縁膜
730 絶縁膜
731 層間絶縁膜
732 層間絶縁膜
733 絶縁物
741 配線
742 配線
743 配線
744 配線
745 配線
750 透明電極
750B 透明電極
750G 透明電極
750R 透明電極
751 有機化合物を含む層
751B 第1の層
751G 第1の層
751R 第1の層
752 正孔輸送層
752B 第2の層
752G 第2の層
752R 第2の層
753 発光層
753B 第3の層
753G 第3の層
753R 第3の層
754 電子輸送層
754B 第4の層
754G 第4の層
754R 第4の層
756 透明電極
757 透明保護層
761 nチャネル型TFT
762 nチャネル型TFT
763 pチャネル型TFT
763B 画素TFT
763G 画素TFT
763R 画素TFT
770 基板
771 光学フィルム
772 光学フィルム
801 FPC
802 駆動回路部
803 ゲート信号線駆動回路
1031 基板
1041 基板支持台
1042 基板支持台
1044 窓
1048 下側定盤
1049 光源
1110 基板
1111 画素部
1112 シール材
1113 ノズル走査方向
1114 液晶
1115 滴下面
1116 液滴吐出装置
1118 ノズル
1119 点線で囲まれた部分
1120 トップゲート型TFT
1121 画素電極
3600 基板
3601 演算回路
3602 演算回路用の制御部
3603 命令解析部
3604 割り込み制御部
3605 タイミング制御部
3606 レジスタ
3607 レジスタ制御部
3608 バスインターフェース
3609 書き換え可能なROM
3620 ROMインターフェース
3621 CLK1
3622 内部クロックCLK2
3700 基板
3701 画素部
3702 走査線駆動回路
3703 信号線駆動回路
3704 CPU
3705 コントロール回路
3800 基板
3801 薄膜トランジスタアレイ
3802 電極
3803 配線
3804 接続端子
3805 樹脂
3807 プリント基板
3808 異方性導電膜
3814 バンプ
3815 プラスチック
3817 FPC
3818 ワイヤ
5001 表示パネル
5002 画素部
5003 走査線駆動回路
5004 信号線駆動回路
5011 回路基板
5012 コントロール回路
5013 信号分割回路
5014 接続配線
5101 チューナ
5102 映像信号増幅回路
5103 映像信号処理回路
5105 音声信号増幅回路
5106 音声信号処理回路
5107 スピーカ
5108 制御回路
5109 入力部
5201 筐体
5202 表示画面
5203 スピーカー
5204 操作スイッチ
5210 充電器
5212 筐体
5213 表示部
5216 操作キー
5217 スピーカ部
5301 表示パネル
5302 プリント配線基板
5303 画素部
5304 走査線駆動回路
5305 走査線駆動回路
5306 信号線駆動回路
5307 コントローラ
5308 CPU
5309 メモリ
5310 電源回路
5311 音声処理回路
5312 送受信回路
5313 FPC
5314 I/F部
5315 アンテナ用ポート
5316 VRAM
5317 DRAM
5318 フラッシュメモリ
5320 制御信号生成回路
5321 デコーダ
5322 レジスタ
5323 演算回路
5324 RAM
5325 入力手段
5326 マイク
5327 スピーカー
5328 アンテナ
5330 ハウジング
5331 プリント基板
5332 スピーカー
5333 マイクロフォン
5334 送受信回路
5335 信号処理回路
5336 入力手段
5337 バッテリ
5339 筐体
5340 アンテナ
5366 インターフェース
6001 筐体
6002 支持台
6003 表示部
6101 本体
6102 筐体
6103 表示部
6104 キーボード
6105 外部接続ポート
6106 ポインティングマウス
6201 本体
6202 表示部
6203 スイッチ
6204 操作キー
6205 赤外線ポート
6301 筐体
6302 表示部
6303 スピーカー部
6304 操作キー
6305 記録媒体挿入部
6401 本体
6402 筐体
6403 表示部A
6404 表示部B
6405 記録媒体読込部
6406 操作キー
6407 スピーカー部
7000 Si基板
7001 LOCOS酸化膜
7002 Niシリサイド
7003 ゲート絶縁膜
7004 ゲート電極
7005 サイドウォール
7006 ソース領域
7007 ドレイン領域

Claims (5)

  1. 基板上に半導体膜を形成し、
    前記半導体膜上にゲート絶縁膜を形成し、
    前記ゲート絶縁膜上にゲート電極を形成し、
    前記ゲート電極をマスクとして前記半導体膜中にn型又はp型の不純物を導入してソース領域及びドレイン領域を形成し、
    前記ゲート電極をマスクとして前記ゲート絶縁膜をエッチング除去して前記ソース領域及びドレイン領域を露出させ、
    前記基板を加熱しながら前記露出しているソース領域及びドレイン領域にニッケル膜を成膜することにより、前記ソース領域の上面及び側面、並びに前記ドレイン領域の上面及び側面にニッケルシリサイドを形成した後、前記基板の温度を保持して前記ニッケルシリサイドのシリサイド化を促進させ、
    未反応のニッケルを除去することを特徴とする半導体装置の作製方法。
  2. 基板上に半導体膜を形成し、
    前記半導体膜上にゲート絶縁膜を形成し、
    前記ゲート絶縁膜上にゲート電極を形成し、
    前記ゲート電極をマスクとして前記半導体膜中にn型又はp型の不純物を導入し、
    前記ゲート電極及び前記ゲート絶縁膜を覆って絶縁膜を形成し、
    前記絶縁膜を異方性エッチングして前記ゲート電極の側面に前記絶縁膜からなるサイドウォールを形成するとともに、前記ゲート絶縁膜をエッチング除去して前記不純物が導入された半導体膜を露出させ、
    前記半導体膜中にn型又はp型の不純物を導入して前記サイドウォールの下の半導体膜にLDD領域を、前記露出した半導体膜にソース領域及びドレイン領域を形成し、
    前記基板を加熱しながら前記露出しているソース領域及びドレイン領域にニッケル膜を成膜することにより、前記ソース領域の上面及び側面、並びに前記ドレイン領域の上面及び側面にニッケルシリサイドを形成した後、前記基板の温度を保持して前記ニッケルシリサイドのシリサイド化を促進させ、
    未反応のニッケルを除去することを特徴とする半導体装置の作製方法。
  3. 請求項において、
    前記ニッケルシリサイドは、チャネル領域と接することができるように前記ソース領域の上面及び前記ドレイン領域の上面に形成されていることを特徴とする半導体装置の作製方法。
  4. 請求項において、
    前記ニッケルシリサイドは、前記LDD領域と接することができるように前記ソース領域の上面及び前記ドレイン領域の上面に形成されていることを特徴とする半導体装置の作製方法。
  5. 請求項1乃至請求項のいずれか一において、
    前記ニッケル膜はスパッタ法、CVD法又は蒸着法にて成膜されることを特徴とする半導体装置の作製方法。
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