JP5025095B2 - 半導体装置の作製方法 - Google Patents

半導体装置の作製方法 Download PDF

Info

Publication number
JP5025095B2
JP5025095B2 JP2005124371A JP2005124371A JP5025095B2 JP 5025095 B2 JP5025095 B2 JP 5025095B2 JP 2005124371 A JP2005124371 A JP 2005124371A JP 2005124371 A JP2005124371 A JP 2005124371A JP 5025095 B2 JP5025095 B2 JP 5025095B2
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
film
insulating film
substrate
tft
layer
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Expired - Fee Related
Application number
JP2005124371A
Other languages
English (en)
Other versions
JP2006054425A5 (ja
JP2006054425A (ja
Inventor
哲司 山口
悦子 浅野
尚美 矢崎
智哉 二村
智子 西川
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Semiconductor Energy Laboratory Co Ltd
Original Assignee
Semiconductor Energy Laboratory Co Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Semiconductor Energy Laboratory Co Ltd filed Critical Semiconductor Energy Laboratory Co Ltd
Priority to JP2005124371A priority Critical patent/JP5025095B2/ja
Publication of JP2006054425A publication Critical patent/JP2006054425A/ja
Publication of JP2006054425A5 publication Critical patent/JP2006054425A5/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP5025095B2 publication Critical patent/JP5025095B2/ja
Expired - Fee Related legal-status Critical Current
Anticipated expiration legal-status Critical

Links

Images

Landscapes

  • Liquid Crystal (AREA)
  • Electroluminescent Light Sources (AREA)
  • Thin Film Transistor (AREA)

Description

本発明は薄膜トランジスタ(以下、(Thin Film Transistor(TFT)という)で構成された回路を有する半導体装置およびその作製方法に関する。例えば、液晶表示パネル、EL(エレクトロルミネッセンス)表示装置、EC表示装置等に代表される電気光学装置に関する。またTFTを用いて形成された、処理速度を向上させるための電気装置、例えば中央処理装置(Central Processing Unit(CPU))、及びその作製方法に関する。さらにこれら電気光学装置、電気装置を部品として搭載した電気機器に関する。
近年、絶縁表面を有する基板上に形成された半導体膜を用いて薄膜トランジスタ(TFT)を構成し、このTFTで形成した大面積集積回路を有する半導体装置の開発が進んでいる。
このような大面積集積回路を有する半導体装置においては、それを構成する個々のデバイスの微細化、集積化が行われている。
そのためデバイスの微細化、集積化に伴い、例えばTFT形成後の多層配線工程がますます重要になってきている。多層配線工程ではTFT形成後に絶縁膜形成、コンタクトホール形成、配線形成といった一連の工程の繰り返しが行われている。
この多層配線工程では、通常は絶縁膜形成、パターニング、エッチングという工程を行うことで絶縁膜にコンタクトホールを形成する。
ところがこのコンタクトホール形成際に、絶縁膜にダメージを与えるという現象が起こっていることが判明している(例えば、特許文献1参照)。
特開平5−166945号公報
絶縁膜にコンタクトホールを形成する方法としては、ドライエッチング及びウェットエッチングが考えられるが、デバイスのサイズ縮小に伴い微細なコンタクトホールを形成するためには、プラズマを用いたドライエッチングが一般的である。
しかしながら、ドライエッチングでは、物理的損傷、チャージアップダメージ、X線や紫外線などによるダメージ等が生じてTFTのトランジスタ特性に劣化が生じる恐れがある。
特に、TFT上の絶縁膜にコンタクトホールを形成する際には、エッチングのためにプラズマを発生させると、絶縁膜を介してTFTのゲート電極又はゲート配線やソース電極又はドレイン電極に電子やイオン等の荷電粒子が注入されてしまう。これは多層配線構造で層間絶縁膜にコンタクトホールを形成する場合には、層間絶縁膜がTFTに対し、どれだけ上層にいるかに関係なく発生する。例えば、TFTに直接接する第1の層間絶縁膜へのコンタクトホールの開孔の場合、ゲート電極又はゲート配線やソース電極又はドレイン電極に荷電粒子が注入されてしまう。また第1の層間絶縁膜上にゲート電極又はゲート配線やソース電極又はドレイン電極に繋がる第2の配線を形成し、第2の配線上に第2の層間絶縁膜を形成した場合、第2の層間絶縁膜に開孔するコンタクトホールを形成する際には、第2の配線に荷電粒子が注入される。さらに第2の配線はゲート電極又はゲート配線やソース電極又はドレイン電極と繋がれているため、第2の配線を介してゲート電極又はゲート配線やソース電極又はドレイン電極まで荷電粒子が注入されてしまう。すなわちコンタクトホールを形成する際に、下層に位置する配線がアンテナとして働いて荷電粒子をゲート電極又はゲート配線、ソース電極又はドレイン電極まで注入してしまうのである。そしてゲート電極又はゲート配線、ソース電極又はドレイン電極に到達した荷電粒子は、TFTのゲート電極又はゲート配線とソース(またはドレイン)領域間に電位差を発生させてしまう。そのためゲート絶縁膜に電界が印加されることになり、この電界が強くなるとゲート絶縁膜に絶縁破壊といったダメージを与えてしまう。またゲート絶縁膜が破壊されないまでも、TFTのしきい値電圧にシフトが生じる、特性のばらつきを増加させるなどの、トランジスタ特性の劣化を引き起こしてしまうのである。
また、このトランジスタ特性の劣化は微細な構造を持つTFTほど顕著である。
なぜなら微細な構造を持つTFTにおいては、注入された荷電粒子が小さな面積に集中することになり、ゲート絶縁膜に発生する電界が大きくなってしまうためである。そのためにTFTへのダメージは微細な構造を持つTFTほど大きくなってしまう。
本発明ではTFTを作製する工程において、TFT形成後の層間絶縁膜のドライエッチングにおけるエッチングダメージを防止することを課題とする。特に微細な構造を持つTFTにおいて、トランジスタ特性の劣化を生じさせない方法を提供することを目的とする。
電極形成後のドライエッチングにおけるダメージは、TFT形成後の層間絶縁膜へのコンタクトホール開孔時には、TFTに電気的に接続された電極や配線上に層間絶縁膜やレジストといった絶縁性材料しか存在しないことに起因するものと考えられる。すなわちエッチング時に発生した荷電粒子は絶縁膜を介して導電性の膜、つまりはTFTに電気的に繋がった電極や配線に注入されてしまうことがTFT特性の劣化に繋がっているものと考えられる。
そこで本発明は、コンタクトホールを形成する絶縁膜より下方に形成されたTFTに電気的に接続される電極や配線が形成されている場合に、その電極や配線より上部にTFTと電気的にコンタクトを持たない導電性材料膜を形成する。これによりコンタクトホール形成のためのエッチング時に、エッチング時のダメージを防止することが可能である。
このような導電性材料膜を形成することで、プラズマによって発生した荷電粒子が導電性材料膜に分散して下層のTFTに到達することを防ぐことができる。そのためTFTのトランジスタ特性の劣化を生じさせることを抑制することができる。
すなわち、プラズマによって発生した荷電粒子は、フローティング電位にある導電性材料膜に捕獲され、TFTまで到達しない。そのため荷電粒子の注入によるTFTのゲート絶縁膜へのダメージの発生といった、TFTの特性劣化を防ぐことができるのである。
なお、本明細書ではこのような導電性材料膜を『キャップ膜』と呼ぶ。エッチング時において、下層に形成されたTFT等の素子をキャップすることによって保護しているからである。特に導電性材料膜が金属膜の場合は、『メタルキャップ膜』と呼ぶ。
本発明は、以下に示す構成を包含する。なお以下ではTFTに接続する電極や配線を形成した後に、電極や配線上に形成した絶縁膜のコンタクトホール開孔時のダメージ低減方法を示す。これは電極や配線でTFTに接続する上部の大面積の電極を形成した後のコンタクトホール開孔のエッチングでは、電極や配線で形成した上部の大面積の電極が荷電粒子を集めるアンテナとして働くため、エッチングダメージの抑制が顕著になり本発明の効果が際立つためである。勿論、本発明はコンタクトホール開孔のエッチングならば、どの層に存在する絶縁膜に対しても適用可能である。
本発明は、基板上に半導体層、ゲート絶縁膜、ゲート電極を形成し、前記半導体層、前記ゲート絶縁膜及び前記ゲート電極上に層間絶縁膜を形成し、前記層間絶縁膜上に導電膜を形成し、前記層間絶縁膜及び導電膜にドライエッチングによってコンタクトホールを形成することを特徴とする半導体装置の作製方法に関するものである。
本発明は、基板上に半導体層、ゲート絶縁膜、ゲート電極を形成し、前記半導体層、前記ゲート絶縁膜及び前記ゲート電極上に層間絶縁膜を形成し、前記層間絶縁膜上に導電膜を形成し、前記層間絶縁膜及び導電膜にコンタクトホールを形成し、前記コンタクトホールを介して前記半導体層又は前記ゲート電極に接続する第2の電極を形成し、前記第2の電極をマスクとして、前記導電膜の一部を自己整合的に除去することを特徴とする半導体装置の作製方法に関するものである。
本発明において、前記導電膜は、Ti,Ta,W、またはそれらの窒化物を含んでいる。
また本発明は、基板上に半導体層、ゲート絶縁膜、ゲート電極を形成し、前記半導体層、前記ゲート絶縁膜及びゲート電極上に第1層間絶縁膜を形成し、前記第1の層間絶縁膜上に第1のキャップ膜となる第1の導電膜を形成し、前記第1層間絶縁膜及び前記第1のキャップ膜に第1のコンタクトホールを形成し、前記第1のコンタクトホールを介して前記半導体層又は前記ゲート電極に接続する第2の電極を形成し、前記第2の電極をマスクとして前記第1の導電膜の一部を自己整合的に除去し、前記第1層間絶縁膜及び前記第2の電極上に第2層間絶縁膜を形成し、前記第2層間絶縁膜上に第2のキャップ膜となる第2の導電膜を形成し、前記第2層間絶縁膜及び前記第2のキャップ膜に、ドライエッチングによって第2のコンタクトホールを形成する半導体装置の作製方法に関するものである。
本発明において、前記ゲート電極はゲート配線の一部である。
本発明において、前記ゲート電極はゲート配線に電気的に接続されている。
本発明において、前記第2の電極は配線の一部である。
本発明において、前記第2の電極は配線に電気的に接続されている。
本発明において、前記第2の導電膜上に前記第2のコンタクトホールを介して第3の電極が形成される。
本発明において、前記第3の電極は配線の一部である。
本発明において、前記第3の電極は配線に電気的に接続されている。
本発明において、前記第2層間絶縁膜は、平坦化膜である。
本発明において、前記第1の導電膜は、Ti,Ta,W、またはそれらの窒化物を含んでいる。
本発明において、前記第2の導電膜は、Ti,Ta,W、またはそれらの窒化物を含んでいる。
本発明において、前記第2層間絶縁膜は、有機材料を含んでいる。
本発明において、前記第2層間絶縁膜は、シロキサンを用いて形成された酸化珪素膜を含んでいる。
本発明において、前記第1の導電膜の除去しない部分を、前記第2の電極の一部として用いる。
なお、本明細書中において半導体装置とは、半導体特性を利用することで機能しうる装置全般を指し、電気光学装置、電気装置、半導体回路および電気機器は全て半導体装置である。
本発明により、電極を形成した後に層間絶縁膜にドライエッチングを行っても、ドライエッチングのプラズマにより発生した荷電粒子が、絶縁膜を介してTFTに注入されることはない。そのためTFTのトランジスタ特性に劣化が生じることはなく、信頼性のよい半導体装置を得ることができる。
以下、本発明の実施の形態について、図面を参照しながら説明する。ただし、本発明は多くの異なる態様で実施することが可能であり、本発明の主旨及びその範囲から逸脱することなくその形態及び詳細を様々に変更し得ることは当業者であれば容易に理解される。従って、本発明は本実施の形態の記載内容に限定して解釈されるのもではない。
本実施の形態の半導体装置の作製工程を以下に図1(A)〜図1(D)、図2(A)〜図2(C)及び図3を用いて説明する。
まず薄膜トランジスタ(TFT)を作製する。基板101上に下地膜102、活性層となる半導体層103、ゲート絶縁膜104、ゲート電極105を形成する(図1(A))。
基板101としては、ガラス基板や石英基板やシリコン基板、金属基板またはステンレス基板の表面に絶縁膜を形成したものを用いても良い。また、処理温度に耐えうる耐熱性を有するプラスチック基板を用いてもよい。
また、下地膜102としては、酸化珪素膜(SiO)、窒化珪素膜(SiN)、酸素を含む窒化珪素膜(SiNO)、または窒素を含む酸化珪素膜(SiON)などの絶縁膜から成る下地膜102を形成する。ここでは下地膜102として単層膜を用いた例を示したが、前記絶縁膜を2層以上積層させた構造を用いても良い。なお、下地膜を形成しなくてもよい。
また、半導体層103は、非晶質構造を有する半導体膜を公知の手段(スパッタ法、LPCVD法、またはプラズマCVD法等)により成膜した後、公知の結晶化処理(レーザー結晶化法、熱結晶化法、またはニッケルなどの触媒を用いた熱結晶化法等)を行って得られた結晶質半導体膜をフォトマスクを用いて所望の形状にパターニングして形成する。結晶質半導体膜の材料に限定はないが、好ましくはシリコン(Si)またはシリコンゲルマニウム(SiGe)合金などで形成すると良い。
また、プラズマCVD等で形成した微結晶半導体膜をさらにレーザーにより結晶化して結晶質半導体膜として用いても良い。
半導体層103には、不純物を導入することによって、チャネル形成領域120、高濃度不純物領域122、低濃度不純物領域121が形成される。
ゲート絶縁膜104はプラズマCVD法またはスパッタ法を用い、シリコンを含む絶縁膜の単層または積層構造で形成する。
またゲート電極105は、導電膜を単層または2層以上積層させた構造を用いて形成する。導電膜を2層以上積層させている場合は、タンタル(Ta)、タングステン(W)、チタン(Ti)、モリブデン(Mo)、アルミニウム(Al)から選ばれた元素、または前記元素を主成分とする合金材料、若しくは化合物材料を積層させてゲート電極を形成してもよい。また、リン(P)等の不純物元素をドーピングした多結晶珪素膜に代表される半導体膜を用いてゲート電極を形成してもよい。
本実施の形態では、窒化タンタル(TaN)105aとタングステン(W)105bをそれぞれ、30nm、370nm積層した積層膜を用いてゲート電極105を形成する。
ゲート電極105は、ゲート配線の一部として形成してもよいし、別にゲート配線を形成して、そのゲート配線にゲート電極105を接続してもよい。
次に半導体層103、ゲート絶縁膜104、ゲート電極105を覆って、第1層間絶縁膜106を形成する。
第1層間絶縁膜106は、プラズマCVD法またはスパッタ法を用いて、珪素を含む絶縁膜、例えば酸化珪素膜(SiO)、窒化珪素膜(SiN)、窒素を含む酸化珪素膜(SiON)、またはその積層膜で形成する。勿論、第1層間絶縁膜106は酸素を含む窒化珪素膜や窒化珪素膜、またはその積層膜に限定されるものでなく、他の珪素を含む絶縁膜を単層または積層構造として用いても良い。
本実施の形態では、窒素を含む酸化珪素膜(SiON)、窒化珪素膜(SiN)、窒素を含む酸化珪素膜(SiON)をそれぞれ50nm、50nm、600nm積層した積層膜を第1層間絶縁膜106として用いる。
次に第1の層間絶縁膜106上に導電性材料膜130を形成する。この導電性材料膜130は下層の電極や配線とは接触していないために、TFTとも電気的には接続していない。
導電性材料膜130としてはチタン(Ti)、タンタル(Ta)、タングステン(W)といった高融点金属、またはそれらの窒化物などを用いればよい。このような高融点金属またはその窒化物は、コンタクトホール形成時のメタルキャップ膜と同時に配線のバリアメタルとしても利用でき都合がよい。
導電性材料膜130は、ドライエッチングの際に発生する荷電粒子を捕獲して下方の電極や配線、絶縁膜及び半導体層へのダメージを抑制する機能を持っている。つまり、導電性材料膜130は、下層の層構造に対してキャップして保護しているので『キャップ膜』と言える。また導電性材料膜130を金属膜で形成する場合には、『メタルキャップ膜』と呼んでもよい。
第1層間絶縁膜106及び導電性材料膜130をエッチングして、第1層間絶縁膜106及び導電性材料膜130に半導体層103に到達するコンタクトホールを形成する(図1(B))。
第1層間絶縁膜106上にコンタクトホールを介して、金属膜を形成し、金属膜をパターニングして、電極又は配線107及び108を形成する。またその際に導電性材料膜130もパターニングする。
金属膜は、アルミニウム(Al)、チタン(Ti)、モリブデン(Mo)、タングステン(W)もしくはシリコン(Si)の元素からなる膜又はこれらの元素を用いた合金膜を用いればよい。本実施の形態では、チタン膜(Ti)、窒化チタン膜(TiN)、シリコン−アルミニウム合金膜(Al−Si)、チタン膜(Ti)をそれぞれ60nm、40nm、300nm、100nmに積層したのち、所望の形状にパターニング及びエッチングして電極又は配線107及び108を形成する。
電極又は配線107及び108はそれぞれ、電極と配線を一体化して形成してもよいし、電極と配線を別々に形成してそれらを接続させてもよい。
また導電性材料膜130をパターニングして残った部分を電極又は配線107及び108の一部としてもよい(図1(C))。
次に第1層間絶縁膜106、電極又は配線107及び108を覆って、平坦化膜として機能する第2層間絶縁膜109を形成する(図1(D))。
第2層間絶縁膜109としては、感光性または非感光性の有機材料(ポリイミド、アクリル、ポリアミド、ポリイミドアミド、レジストまたはベンゾシクロブテン)を用いることができる。有機材料として、ポジ型感光性有機樹脂又はネガ型感光性有機樹脂を用いることができる。
もしくは第2層間絶縁膜109として、シロキサンを用いて形成した絶縁膜、及びそれらの積層構造を用いることができる。
シロキサンは、シリコン(Si)と酸素(O)との結合で骨格構造で構成される。置換基として、少なくとも水素を含む有機基(例えばアルキル基、芳香族炭化水素)が用いられる。置換基として、フルオロ基を用いてもよい。または置換基として、少なくとも水素を含む有機基と、フルオロ基とを用いてもよい。
本実施の形態では、第2層間絶縁膜109としてシロキサンを用いて形成した絶縁膜をスピンコート法で形成する。
第2層間絶縁膜109を形成後、第2層間絶縁膜上部に導電性材料膜110を形成する(図2(A))。この導電性材料膜110は下層の電極又は配線とは接触していないために、TFTとも電気的には接続していない。
さらに導電性材料膜110上にレジスト111を形成し、パターニングする。
パターニングされたレジスト111をマスクとして、導電性材料膜110及び第2層間絶縁膜109をドライエッチングでエッチングし、コンタクトホールを形成する。
導電性材料膜110は、導電性材料膜130と同様に、ドライエッチングの際に発生する荷電粒子を捕獲して下方の電極や配線、絶縁膜及び半導体層へのダメージを抑制する機能を持っている。
なお導電性材料膜110としては導電性材料膜130と同様に、チタン(Ti)、タンタル(Ta)、タングステン(W)といった高融点金属、またはそれらの窒化物などを用いれば、コンタクトホール形成時のメタルキャップ膜と同時に配線のバリアメタルとしても利用でき都合がよい。
その後コンタクトホールを覆って導電膜を形成し、パターニングし配線112を形成する。配線形成をする際には、コンタクトホール形成時に用いた導電性材料膜110を配線の一部として用いることができる。
また感光性をもつ導電性材料をレジストとして使用した場合、導電性材料膜110を形成する必要はなく、導電性のレジスト自体がエッチング時のTFTへの電荷注入を抑制するため有効である。
本実施の形態によって、絶縁膜にドライエッチすることによりコンタクトホールを形成しても、プラズマチャージアップダメージを抑制することができた。従ってトランジスタ特性の高いTFTを得ることができ、その信頼性も飛躍的に上がった。
本実施例では、図4(A)〜図4(B)、図5〜図8及び図29(A)〜図29(B)を用いて、メタルキャップ膜を形成してコンタクトホールを形成したTFTと、メタルキャップ膜を形成しないでコンタクトホールを形成したTFTとのトランジスタ特性の比較を行う。
図29(A)は、メタルキャップ膜を形成しないで作製されたnチャネル型TFTのゲート電圧−ドレイン電流特性、図4(A)は、メタルキャップ膜を形成して作製されたnチャネル型TFTのゲート電圧−ドレイン電流特性を示す。
図4(A)及び図29(A)の横軸はゲート電圧(VG[V])、縦軸はドレイン電流(ID[A])である。
また図4(A)及び図29(A)のnチャネル型TFTにおいて、チャネル長(L)及びチャネル幅(W)は、それぞれ3μm、2μmであり、ゲート絶縁膜の厚さ(本明細書では「Tox」と呼ぶ)は55nmである。
図4(A)及び図29(A)それぞれにおいて、実線がコンタクトホール形成前のTFT特性、破線がコンタクホール形成後のTFT特性である。図29(A)に示すように、従来の通りの開孔では、トランジスタ特性がシフトしていることや、ゲート絶縁膜を介して半導体膜(活性層)に流れてしまうゲートリークの増加などが見られる。しかし、図4(A)に示すとおり、メタルキャップ膜を形成した場合には、トランジスタ特性のシフトやゲートリークがほとんど見られない。
すなわち、図29(A)においては、ゲート電圧VGに対するドレイン電流IDの立ち上がり、つまりしきい値電圧がコンタクトホール形成前と比較し、0.5V程度プラスにシフトしていることが分かる。しかしながら図4(A)では、コンタクトホール形成の前後でしきい値電圧の変動が見られない。また図29(A)ではコンタクト開孔後にはゲートリーク電流の増加が確認されているが、図4(A)ではゲートリーク電流の増加は防止できている。
図29(B)と図4(B)は、それぞれ従来の方法で形成されたpチャネル型TFTと、本発明のpチャネル型TFTのゲート電圧−ドレイン電流特性を示す図である。
また図4(B)及び図29(B)のpチャネル型TFTにおいて、チャネル長(L)及びチャネル幅(W)は、それぞれ3μm、2μmであり、ゲート絶縁膜の厚さ(Tox)は55nmである。
図4(B)と図29(B)を比較すると、図29(B)では見られていたゲート電流のリークが、本発明のpチャネル型TFTの方では見られないことが分かる(図4(B))。
図5と図6は、それぞれメタルキャップ膜を形成しないで作製されたnチャネル型TFT、及びメタルキャップ膜を形成して作製したnチャネル型TFTの、オン状態でのゲートリーク電流(Ig)の変化の正規確率分布を示す図である。すなわちコンタクト開孔後のTFTのゲートリーク電流値の開孔前からの増加量を横軸に取り、それに対して累積度数を縦軸に取りグラフにしたものである。
図5と図6を比較すると、従来の方法でコンタクト開孔したTFTは、小さな寸法のTFTでゲートリーク電流の増加が見られてバラツキも大きい。しかし本発明のTFTではゲートリーク電流の増加も、バラツキの増加も殆んど無いことが分かる。
図7及び図8に、メタルキャップ膜を形成しないでコンタクトホールを形成したものとメタルキャップ膜を形成してコンタクトホールを形成したnチャネル型TFTについて、TFTのID−VG曲線における立ち上がり電圧のコンタクト開孔前からの変化量の正規確率分布を示す。すなわち、図7及び図8において、横軸はメタルキャップ膜を形成しないものと形成したもののShiftの変動(TFTのID−VG曲線における立ち上がり電圧のコンタクト開孔前からの変化量)を、縦軸に累積度数を示しており、図7及び図8は、コンタクト開孔前後の特性変動を正規確率紙にプロットしたものを表している。この正規確率紙にプロットしたデータが直線に回帰できれば横軸に示した特性変動は正規分布であると言える。逆に、正規確率紙にプロットしたデータが直線から外れる場合には、そのデータは正規分布を持たないことになる。なお立ち上がり電圧はID−VG曲線の最大の傾きを持つ接線が1×10-12Aの電流値を持つときの電圧として定義し、図中のL、WはそれぞれTFTのゲート長、ゲート幅を表している。すなわち図7および図8は、横軸で0V付近にマーカーがあれば、つまり、プロットする点があれば、コンタクト開孔前後で特性のシフトがなくTFT特性にバラツキが少ないことになる。
図7の結果から、メタルキャップ膜無しのコンタクト開孔では、プロットしたデータが一部直線から外れ、またL/Wの小さい微細なTFTほどカーブが寝ている、すなわちコンタクト開孔により特性変動が大きく、さらに特性バラツキが大きくなっていることが分かる。これらの素子は、工程中のダメージによって特性変動が大きくなり、正規分布から外れていると考えられる。一方で図8の本発明の方法では、変動量の大きい素子がほとんど見られず、L/Wの小さいTFTまで特性変動、特性バラツキの増加を抑制できていることが分かる。
図6から図8で示したように、本発明のキャップ膜を用いたコンタクト開孔では、開孔前後でID−VG曲線における立ち上がり電圧の変動の抑制、ゲートリーク電流の増加の抑制、またTFT特性バラツキの増加の抑制が達成できている。ID−VG曲線における立ち上がり電圧の変化、バラツキの増加は回路の動作不良、ゲートリーク電流の増加は消費電流の増加にも繋がる。従来のコンタクト開孔方法では、ID−VG曲線における立ち上がり電圧などTFT特性を所望の値に調整しておいても、コンタクト開孔といった後工程のコンタクト開孔によって所望のTFT特性を損なってしまうことになる。特にその効果は微細なTFTほど顕著である。しかしながら、本発明を用いればTFT形成後のコンタクト開孔の工程でTFT特性のシフト、バラツキの増加を抑制でき、非常に有効であることが分かる。
以下に本実施例の半導体装置の作製方法を図1(A)〜図1(D)、図2(A)〜図2(C)、図3を用いて説明する。なお実施の形態と同じものは同じ符号で示す。
ガラス基板101上に下地膜102として酸素を含む窒化珪素膜(SiNO膜)及び窒素を含む酸化珪素膜(SiON膜)をそれぞれ、プラズマCVD法で50nm及び100nmの厚さに成膜する。
下地膜102上にプラズマCVD法により、アモルファスシリコン膜を66nm成膜し、500℃で1時間加熱し、脱水素化する。その後結晶成長を促進する触媒元素を含む溶液をアモルファスシリコン膜に塗布する。本実施例ではニッケル(Ni)を10ppm含む溶液を塗布した。次に550℃で4時間加熱して結晶化させ、更に連続発振のレーザー光を照射して結晶性を改善する。
以上のようにして結晶性シリコン膜を得たら、結晶性シリコン膜上に新たにアモルファスシリコン膜を成膜し、窒素雰囲気中550℃で4時間加熱した。この加熱処理により、結晶性シリコン膜中の触媒元素が新たに成膜されたアモルファスシリコン膜に移動する。すなわち触媒元素がアモルファスシリコン膜にゲッタリングされる。そのため結晶性シリコン膜中の触媒元素の濃度を減少させることができる。
次に結晶性シリコン膜をパターニングして活性層103となる島状シリコン領域を形成する。島状シリコン領域にしきい値制御のための不純物を導入する。本実施例においてはジボラン(B26)をドープすることによってボロン(B)を島状シリコン領域中に導入する。
次にSiH4とN2Oを用いてプラズマCVD法により、窒素を含む酸化珪素膜(SiON膜)を60nmの厚さで成膜する。このSiON膜はゲート絶縁膜104として機能する。
ゲート絶縁膜104上に窒化タンタル膜(TaN膜)及びタングステン膜(W膜)をそれぞれスパッタ法で300nm及び370nmの厚さに形成し、パターニングしてゲート電極105を形成する。
ゲート電極105をマスクとして、島状シリコン領域中に不純物を導入する。本実施例ではnチャネル型TFTを形成する場合は、フォスフィン(PH3)を用いて、印加電圧50keV、ドーズ量3×1015cm-2で、島状シリコン領域中にリン(P)をドープする。またpチャネル型TFTを作成する場合は、ジボラン(B26)を用いて印加電圧40keV、ドーズ量2×1016cm-2の条件で、島状シリコン領域中にボロン(B)を導入する。
不純物を導入した後、窒素を含む酸化珪素膜(SiON膜)をプラズマCVD法により50nm形成し、その後窒素雰囲気中550℃で4時間加熱し、不純物を活性化する。
次にプラズマCVD法により窒化珪素膜(SiN膜)を50nm形成し、更に窒素を含む酸化珪素膜(SiON膜)を600nm形成する。このSiN膜及びSiON膜は第1層間絶縁膜106としてはたらくものである。
次に全体を410℃で1時間加熱し、SiN膜から水素を放出させることにより水素化を行う。
次にコンタクトホールを形成するために、層間絶縁膜のうちSiON膜をCHF3を用いてドライエッチング法でエッチングする。その際SiN膜がエッチングストッパーとして機能する。その後SiN膜をドライエッチングにてエッチングする。さらにゲート絶縁膜をトリフルオロメタン(CHF3)を用いてエッチングする。
コンタクトホール形成後、チタン膜(Ti膜)、窒化チタン膜(TiN膜)、シリコンをを含むアルミニウム膜(Al−Si膜)及びチタン膜(Ti膜)を、それぞれ60nm,40nm、300nm、100nmの厚さにスパッタ法で積層して積層膜を形成する。次に積層膜をパターニングして、電極又は配線107及び108を形成する。
電極又は配線107及び108及び第1層間絶縁膜106を覆って、シロキサンを用いて形成した絶縁膜をスピンコート法により塗布し、300℃で1時間焼成して、第2層間絶縁膜109を形成する。
第2層間絶縁膜109上にメタルキャップ膜110を形成する。本実施例においては、メタルキャップ膜110としてチタン膜(Ti膜)をスパッタ法により100nm形成する。なお図29(A)、図29(B)、図5及び図7のTFTにはこのTi膜を形成せず、図4(A)、図4(B)、図6及び図8のTFTのみTi膜を形成する。
次にドライエッチング法によりコンタクトホールを形成する。本実施例ではエッチングガスとして四フッ化炭素(CF4)、酸素(O2)、ヘリウム(He)をそれぞれ、50sccm、50sccm、30sccmの流量で用いてエッチングを行った。
本明細書で記載した特性比較は、コンタクトホール形成後にアンモニア水過酸化水素水混合溶液でTi膜を除去し、下層配線で形成した電極にプローブを落とし測定した。ウェットエッチングで除去した理由は、Ti膜の除去にさらにドライエッチングを用いると、コンタクト開孔以外のドライエッチングダメージの効果まで発生してしまう可能性が存在するためである。実プロセスではメタルキャップ膜を除去せず、電極や配線の一部として用いてもよい。
その後、水素雰囲気中350℃で1時間加熱して水素化を行う。これにより結晶性シリコン膜中のダングリングボンドが終端化(ターミネイト)される。
本実施例により、コンタクトホール形成時にキャップ膜を形成すると、トランジスタ特性がコンタクトホール形成の前後で変化しないことが明らかになった。これにより信頼性のよいTFTを作製することができる。
また、本実施例は、必要であれば実施の形態のいかなる記載とも自由に組み合わせることが可能である。
本実施例では、逆スタガ型TFTをスイッチング素子とするアクティブマトリクス型液晶表示装置の作製方法を示す。なお、図9(A)〜図9(E)は作製工程の断面を示しており、図10は上面図である。
まず、基板610上に下地絶縁膜611を形成する。下地絶縁膜611として酸化珪素膜、窒化珪素膜または窒素を含む酸化珪素膜(SiOxy)等の絶縁膜を用いることが好ましい。なお、基板610は、無アルカリガラス基板の他、本作製工程の処理温度に耐えうる耐熱性を有するプラスチック基板等を用いることができる。また、反射型の液晶表示装置とする場合、単結晶シリコンなどの半導体基板、ステンレスなどの金属基板、またはセラミック基板の表面に絶縁層を設けた基板を適用しても良い。
次いで、下地絶縁膜611上に膜厚100〜600nmの導電膜を形成する。導電膜としては、タンタル(Ta)、チタン(Ti)、モリブデン(Mo)、タングステン(W)、クロム(Cr)、シリコン(Si)、スカンジウム(Sc)、Nd、Al、Cuから選ばれた元素、または前記元素を組み合わせた合金膜(代表的には、Mo−W合金、Mo−Ta合金)を用いることができる。
次いで、フォトマスクを用いてレジストマスクを形成し、ドライエッチング法またはウェットエッチング法を用いてエッチングを行う。このエッチング工程によって、導電膜をエッチングして、導電層612、640を得る。なお、導電層612はTFTのゲート電極となり、導電層640は端子電極となる。後の工程で薄い半導体膜を形成するため、カバレッジ不良が生じないように導電層の端面形状はテーパー形状となるようにエッチングすることが好ましい。なお、さらに保持容量を形成するための容量電極または容量配線も形成する。
次いで、レジストマスクを除去した後、導電層を覆う絶縁膜613を形成する。絶縁膜613はプラズマCVD法またはスパッタ法を用いて得られる酸化珪素膜、窒化珪素膜または窒素を含む酸化珪素膜(SiOxy)等の絶縁膜単層または積層膜を用い、厚さを50〜200nmとする。例えば、下層を窒化珪素膜とし、上層を酸化珪素膜とする積層構造としても良い。なお、絶縁膜613はTFTのゲート絶縁膜となる。勿論、ゲート絶縁膜は上記材料に限定されず、酸化タンタル膜などの他の絶縁膜を用いても良い。ただし、絶縁膜613の成膜温度で導電層612、640がダメージを受けないようにする。
次いで、絶縁膜613上に50〜200nm(好ましくは100〜150nm)の厚さで結晶構造を含む半導体膜614aを、プラズマCVD法を用いて全面に形成する。本実施例では、SiH4ガスとF2ガスを原料ガスに用いてセミアモルファスシリコン膜を成膜する。なお、得られたセミアモルファスシリコン膜中に含まれるC、N、Oのそれぞれの濃度は、3×1021cm-3以下、好ましくは3×1020cm-3以下とする。また、得られたセミアモルファスシリコン膜中に含まれる水素濃度は、1×1021cm-3であり、アモルファスシリコン膜と同程度である。
次いで、結晶構造を含む半導体膜614a上に絶縁膜を全面に形成した後、パターニングを行ってチャネル保護膜616を形成する。通常のフォトリソグラフィ技術を用いてパターニングを行ってもよいし、導電層をマスクとする裏面露光法を用いて自己整合的にレジストマスクを形成してパターニングを行ってもよい。また、チャネル保護膜616としては、界面の清浄性を確保して、有機物や金属物、水蒸気などの不純物で半導体層が汚染されることを防ぐ効果を得るために、緻密な膜で形成することが好ましい。
次いで、半導体層をパターニングするため、フォトマスクを用いてレジストマスク615を形成する。(図9(A))次いで、エッチングを行い、TFTの活性層となる半導体層614bを形成する。
次いで、レジストマスクを除去した後、一導電型(n型またはp型)の不純物元素を含有する非晶質半導体膜617を20〜80nmの厚さで形成する。一導電型(n型またはp型)を付与する不純物元素を含む非晶質半導体膜617は、プラズマCVD法やスパッタ法などの公知の方法で全面に形成する。なお、一導電型(n型またはp型)を付与する不純物元素を含む非晶質半導体膜に代えて、一導電型(n型またはp型)を付与する不純物元素を含むセミアモルファス半導体膜としてもよい。本実施例では、非晶質半導体膜617としてn型を付与する不純物元素(リン)を含む非晶質半導体膜を用い、n+層(オーミックコンタクト層)とも呼ぶ。本実施例では、CVD法により、SiH4ガスと水素ガスとPH3(0.2%希釈)ガスとを原料ガスとして非晶質半導体膜617を得る。
次いで、金属材料からなる第1の導電膜をスパッタ法や真空蒸着法で形成する。第1の導電膜の材料としては、非晶質半導体膜617とオーミックコンタクトのとれる金属材料であれば特に限定されず、Al、Cr、Ta、Tiから選ばれた元素、または前記元素を成分とする合金か、前記元素を組み合わせた合金膜等が挙げられる。本実施例ではスパッタ法を用い、第1の導電膜として、50〜150nmの厚さで形成したTi膜と、そのTi膜上に重ねてアルミニウム(Al)膜を300〜400nmの厚さで形成し、さらにその上にTi膜を100〜150nmの厚さで形成する。
次に、フォトリソグラフィー工程を行い、レジストマスク621を形成し、エッチングにより不要な部分を除去して配線(後の工程によりソース配線及びドレイン電極となる)618a、618bを形成する。(図9(B))
次いで、レジストマスクをそのまま用いて、一導電型を付与する不純物元素を含む非晶質半導体膜をエッチングしてソース領域またはドレイン領域619a、619bを形成する。本実施例ではn+層をソース領域またはドレイン領域と呼ぶ。次いで、レジストマスクを除去する。(図9(C))
次いで、層間絶縁膜622を形成する。層間絶縁膜622としては、透光性を有する無機材料(酸化珪素、窒化珪素、窒素を含む酸化珪素など)、感光性または非感光性の有機材料(ポリイミド、アクリル、ポリアミド、ポリイミドアミド、レジストまたはベンゾシクロブテン)、またはこれらの積層などを用いる。また、層間絶縁膜622として用いることのできる他の材料膜は、塗布法によって得られるアルキル基を含むSiOx膜からなる絶縁膜、例えばシリカガラス、アルキルシロキサンポリマー、アルキルシルセスキオキサンポリマー、水素化シルセスキオキサンポリマーなどである。シロキサン系ポリマーの一例としては、東レ製塗布絶縁膜材料であるPSB−K1、PSB−K31や触媒化成製塗布絶縁膜材料であるZRS−5PHが挙げられる。
なお、必要がなければ、層間絶縁膜622は特に設けなくともよい。また、必要があれば保護膜を形成してもよい。
次に層間絶縁膜622上に導電性材料膜(キャップ膜)650、例えば金属膜を成膜する。本実施例では、スパッタ法によりチタン膜(Ti膜)を100nm成膜した。導電性材料膜650として、その他にもタンタル(Ta)、タングステン(W)といった高融点金属、または窒化チタン(TiN)、窒化タンタル(TaN)など、前記高融点金属の窒化物等を用いてもよい。
次いで、フォトマスクを用いてレジストマスクを形成し、導電性材料膜650及び層間絶縁膜622の一部をドライエッチングにより除去して開孔(コンタクトホールを形成)する。このコンタクトホール形成においては、エッチングガスとして四フッ化炭素(CF4)、酸素(O2)、ヘリウム(He)を、それぞれ50sccm、50sccm、30sccmの流量で用いた。なお、コンタクトホールの底部は配線618a、618bに達している。なお、端子部においては、絶縁膜613の一部をも除去する。絶縁膜613の一部を除去する工程は、層間絶縁膜の形成前に行ってもよい。
次いで、レジストマスクを除去した後、全面に第2の導電膜を成膜する。次いでフォトマスクを用いて、第2の導電膜のパターニングを行い、画素電極623、端子電極644を形成する。(図9(D))本実施例では、反射型の液晶表示パネルを作製するので、画素電極623および端子電極644をスパッタ法によりAg(銀)、Au(金)、Cu(銅)、W(タングステン)、Al(アルミニウム)等の光反射性を有する金属材料を用いて形成すればよい。
また、透過型の液晶表示パネルを作製する場合は、画素電極623を形成する前に導電性材料膜650をエッチングにて除去する。その後インジウム錫酸化物(ITO)、酸化珪素を含むインジウム錫酸化物、酸化亜鉛(ZnO)、酸化スズ(SnO2)などの透明導電膜を用い、画素電極623および端子電極644を形成する。
なお、図10に画素部の一部を拡大した上面図を示す。また、図10は画素電極の形成途中を示しており、左側の画素においては画素電極が形成されているが、右側の画素においては画素電極を形成していない状態を示している。図10において、実線A−A’で切断した図が、図9(D)の画素部の断面と対応しており、図9(D)と対応する箇所には同じ符号を用いている。導電性材料膜650は画素電極623と重なっている。また、容量配線631が設けてあり、保持容量は、ゲート絶縁膜を誘電体とし、画素電極623と、該画素電極と重なる容量配線631とで形成されている。
以上の工程により、基板610上にボトムゲート型(逆スタガ型ともいう。)のTFTおよび画素電極が形成された液晶表示パネル用のTFT基板が完成する。本実施例では、ボトムゲート型TFTとして、チャネル保護型TFTを示したがこれに限らず、チャネルエッチ型TFTを適宜用いることができる。また、トップゲート型TFTを用いることができる。
本実施例では、一つのTFTにおいて、ソース領域およびドレイン領域の間に二つのチャネル形成領域を有した構造(ダブルゲート構造)となっている。本実施例の活性層はセミアモルファスシリコン膜であり、アモルファスシリコン膜に比べてTFTのオフ電流が増加する問題がある。そこで、本実施例では、この問題を解決するためにダブルゲート構造としている。なお、本実施例はダブルゲート構造に限定されることなく、オフ電流のばらつきをさらに低減するために、トリプルゲート構造等のマルチゲート構造としても構わない。また、開口率を向上させるためにシングルゲート構造としてもよい。
次いで、画素電極623を覆うように、配向膜624aを形成する。なお、配向膜624aは、液滴吐出法やスクリーン印刷法やオフセット印刷法を用いればよい。その後、配向膜624aの表面にラビング処理を行う。
そして、対向基板625には、着色層626a、遮光層(ブラックマトリクス)626b、及びオーバーコート層627からなるカラーフィルタを設け、さらに透明電極もしくは反射電極からなる対向電極628と、その上に配向膜624bを形成する。そして、閉パターンであるシール材を液滴吐出法により画素部と重なる領域を囲むように形成する。ここでは液晶を滴下するため、閉パターンのシール材を描画する例を示すが、開口部を有するシールパターンを設け、TFT基板を対向基板に貼りあわせた後に毛細管現象を用いて液晶を注入するディップ式(汲み上げ式)を用いてもよい。
次いで、気泡が入らないように減圧下で液晶629の滴下を行い、両方の基板を貼り合わせる。閉ループのシールパターン内に液晶629を1回若しくは複数回滴下する。液晶629の配向モードとしては、液晶分子の配列が光の入射から出射に向かって90°ツイスト配向したTNモードを用いる場合が多い。TNモードの液晶表示装置を作製する場合には、基板のラビング方向が直交するように貼り合わせる。
なお、一対の基板間隔は、球状のスペーサを散布したり、樹脂からなる柱状のスペーサを形成したり、シール材にフィラーを含ませることによって維持すればよい。上記柱状のスペーサは、アクリル、ポリイミド、ポリイミドアミド、エポキシの少なくとも1つを主成分とする有機樹脂材料、もしくは酸化珪素、窒化珪素、窒素を含む酸化珪素のいずれか一種の材料、或いはこれらの積層膜からなる無機材料であることを特徴としている。
次いで、基板の分断を行う。多面取りの場合、それぞれのパネルを分断する。また、1面取りの場合、予めカットされている対向基板を貼り合わせることによって、分断工程を省略することもできる。
そして、異方性導電体層645を介し、公知の技術を用いてFPC(Flexible Printed Circuit)646を端子基板644に貼りつける。以上の工程で液晶モジュールが完成する。(図9(E))また、必要があれば光学フィルムを貼り付ける。透過型の液晶表示装置とする場合、偏光板は、アクティブマトリクス基板と対向基板の両方に貼り付ける。
以上示したように、本実施例では、信頼性のあるトランジスタ特性を有するTFTを用いて液晶表示パネルを作製することができる。本実施例で作製される液晶表示パネルは各種電気機器の表示部として用いることができる。
なお、本実施例では、TFTをボトムゲート型TFTとしたが、この構造に限定されるものではなく、適宜トップゲート型TFTを用いることが可能である。また、シングルゲート構造のTFTに限定されず、複数のチャネル形成領域を有するマルチゲート型TFT、例えば2つのチャネル形成領域を有するダブルゲート型TFTとしてもよい。
また、本実施例は、必要であれば実施の形態、実施例1のいかなる記載とも自由に組み合わせることが可能である。
本実施例では、液晶滴下に液滴吐出法を用いる例を示す。本実施例では、大面積基板1110を用い、パネル4枚取りの作製例を図11(A)〜図11(D)、図12(A)〜図12(D)、図13(A)〜図13(B)、図14及び図15に示す。
図11(A)は、ディスペンサ(またはインクジェット)を用いる液晶層形成の途中の断面図を示しており、シール材1112で囲まれた画素部1111を覆うように液晶材料1114を液滴吐出装置1116のノズル1118から吐出、噴射、または滴下させている。液滴吐出装置1116は、図11(A)中の矢印方向に移動させる。なお、ここではノズル1118を移動させた例を示したが、ノズルを固定して基板を移動させることによって液晶層を形成してもよい。
また、図11(B)には斜視図を示している。シール材1112で囲まれた領域のみに選択的に液晶材料1114を吐出、噴射、または滴下させ、ノズル走査方向1113に合わせて滴下面1115が移動している様子を示している。
また、図11(A)の点線で囲まれた部分1119を拡大した断面図が図11(C)、図11(D)である。液晶材料の粘性が高い場合は、連続的に吐出され、図11(C)のように繋がったまま付着される。一方、液晶材料の粘性が低い場合には、間欠的に吐出され、図11(D)に示すように液滴が滴下される。
なお、図11(C)中、1120は逆スタガ型TFT、1121は画素電極、1122は導電性材料膜(キャップ膜)をそれぞれ指している。画素部1111は、マトリクス状に配置された画素電極と、該画素電極と接続されているスイッチング素子、ここでは逆スタガ型TFTと、保持容量とで構成されている。
なお本実施例では逆スタガ型TFTを用いたが、その他のボトムゲート型TFT、又はトップゲート型TFTを形成してもよい。
ここで、図12(A)〜図12(D)を用いて、パネル作製の流れを以下に説明する。
まず、絶縁表面に画素部1034が形成された第1基板1035を用意する。第1基板1035は、予め、配向膜の形成、ラビング処理、球状スペーサ散布、或いは柱状スペーサ形成、またはカラーフィルタの形成などを行っておく。次いで、図11(A)に示すように、不活性気体雰囲気または減圧下で第1基板1035上にディスペンサ装置またはインクジェット装置でシール材1032を所定の位置(画素部1034を囲むパターン)に形成する。半透明なシール材1032としてはフィラー(直径6μm〜24μm)を含み、且つ、粘度40〜400Pa・sのものを用いる。なお、後にシール材と接する液晶に溶解しないシール材料を選択することが好ましい。シール材としては、アクリル系光硬化樹脂やアクリル系熱硬化樹脂を用いればよい。また、簡単なシールパターンであるのでシール材1032は、印刷法で形成することもできる。
次いで、シール材1032に囲まれた領域に液晶1033をインクジェット法により滴下する(図12(B))。液晶1033としては、インクジェット法によって吐出可能な粘度を有する公知の液晶材料を用いればよい。また、液晶材料は温度を調節することによって粘度を設定することができるため、インクジェット法に適している。インクジェット法により無駄なく必要な量だけの液晶1033をシール材1032に囲まれた領域に保持することができる。
次いで、画素部1034が設けられた第1基板1035と、対向電極や配向膜が設けられた第2基板1031とを気泡が入らないように減圧下で貼りあわせる。(図12(C))ここでは、貼りあわせると同時に紫外線照射や熱処理を行って、シール材1032を硬化させる。なお、紫外線照射に加えて、熱処理を行ってもよい。
また、図13に貼り合わせ時または貼り合わせ後に紫外線照射や熱処理が可能な貼り合わせ装置の例を示す。
図13中、1041は第1基板支持台、1042は第2基板支持台、1044は窓、1048は下側定盤、1049は光源である。なお、図13において、図12と対応する部分は同一の符号を用いている。
下側定盤1048は加熱ヒータが内蔵されており、シール材を硬化させる。また、第2基板支持台には窓1044が設けられており、光源1049からの紫外光などを通過させるようになっている。ここでは図示していないが窓1044を通して基板の位置アライメントを行う。また、対向基板となる第2基板1031は予め、所望のサイズに切断しておき、第2基板支持台1042に真空チャックなどで固定しておく。図13(A)は貼り合わせ前の状態を示している。
貼り合わせ時には、第1基板支持台と第2基板支持台とを下降させた後、圧力をかけて第1基板1035と第2基板1031を貼り合わせ、そのまま紫外光を照射することによって硬化させる。貼り合わせ後の状態を図13(B)に示す。
次いで、スクライバー装置、ブレイカー装置、ロールカッターなどの切断装置を用いて第1基板1035を切断する。(図12(D))こうして、1枚の基板から4つのパネルを作製することができる。そして、公知の技術を用いてFPCを貼りつける。
なお、第1基板1035、第2基板1031としてはガラス基板、またはプラスチック基板を用いることができる。
以上の工程によって得られた液晶モジュールの上面図を図14(A)に示すとともに、他の液晶モジュールの上面図の例を図14(B)に示す。
図14(A)中、1201は、アクティブマトリクス基板、1206は対向基板、1204は画素部、1207はシール材、1205はFPCである。なお、液晶を液滴吐出法により吐出させ、減圧下で一対の基板1201、1206をシール材1207で貼り合わせている。
またセミアモルファス半導体、例えばセミアモルファスシリコン膜からなる活性層を有するTFTを用いた場合、駆動回路の一部を作製することもでき、図14(B)のような液晶モジュールを作製することができる。なお、セミアモルファスシリコン膜からなる活性層を有するTFTで形成できない駆動回路は、ICチップを実装する。
なおセミアモルファス半導体とは、非晶質半導体と結晶構造を有する半導体(単結晶、多結晶を含む)の中間的な構造の半導体を含む膜である。このセミアモルファス半導体は、自由エネルギー的に安定な第3の状態を有する半導体であって、短距離秩序を持ち格子歪みを有する結晶質なものであり、その粒径を0.5〜20nmとして非単結晶半導体中に分散させて存在せしめることが可能である。セミアモルファス半導体は、そのラマンスペクトルが520cm-1よりも低波数側にシフトしており、またX線回折ではSi結晶格子に由来するとされる(111)、(220)の回折ピークが観測される。また、未結合手(ダングリングボンド)の中和剤として水素またはハロゲンを少なくとも1原子%またはそれ以上含ませている。ここでは便宜上、このような半導体をセミアモルファス半導体(SAS)と呼ぶ。さらに、ヘリウム、アルゴン、クリプトン、ネオンなどの希ガス元素を含ませて格子歪みをさらに助長させることで安定性が増し良好なセミアモルファス半導体が得られる。
またSASは珪化物気体をグロー放電分解することにより得ることができる。代表的な珪化物気体としては、SiH4であり、その他にもSi26、SiH2Cl2、SiHCl3、SiCl4、SiF4などを用いることができる。また水素や、水素にヘリウム、アルゴン、クリプトン、ネオンから選ばれた一種または複数種の希ガス元素を加えたガスで、この珪化物気体を希釈して用いることで、SASの形成を容易なものとすることができる。希釈率は2倍〜1000倍の範囲で珪化物気体を希釈することが好ましい。またさらに、珪化物気体中に、CH4、C26などの炭化物気体、GeH4、GeF4などのゲルマニウム化気体、F2などを混入させて、エネルギーバンド幅を1.5〜2.4eV、若しくは0.9〜1.1eVに調節しても良い。
例えば、SiH4にH2を添加したガスを用いる場合、或いはSiH4にF2を添加したガスを用いる場合、形成したセミアモルファス半導体を用いてTFTを作製すると、該TFTのサブスレッショルド係数(S値)を0.35V/sec以下、代表的には0.25〜0.09V/secとし、移動度を10cm2/Vsecとすることができる。そして上記セミアモルファス半導体を用いたTFTで、例えば19段リングオシレータを形成した場合、電源電圧3〜5Vにおいて、その発振周波数は1MH以上、好ましくは100MHz以上の特性を得ることができる。また電源電圧3〜5Vにおいて、インバータ1段あたりの遅延時間は26ns、好ましくは0.26ns以下とすることができる。
図14(B)中、1211は、アクティブマトリクス基板、1216は対向基板、1212はソース信号線駆動回路、1213はゲート信号線駆動回路、1214は画素部、1217は第1シール材、1215はFPCである。なお、液晶を液滴吐出法により吐出させ、一対の基板1211、1216を第1シール材1217および第2シール材1218で貼り合わせている。駆動回路部1212及び1213上には液晶ないので、画素部1214のみに液晶を保持させており、第2シール材1218はパネル全体の補強のために設けられている。
また、得られた液晶モジュールにバックライト1304、導光板1305を設け、カバー1306で覆えば、図15にその断面図の一部を示したようなアクティブマトリクス型液晶表示装置(透過型)が完成する。なお、カバーと液晶モジュールは接着剤や有機樹脂を用いて固定する。また、図15に示すアクティブマトリクス型液晶表示装置は透過型であるので偏光板1303は、アクティブマトリクス基板と対向基板の両方に貼り付ける。
なお、図15中、1300は基板、1301は画素電極、1302は柱状スペーサ、1307はシール材、1320は着色層、遮光層が各画素に対応して配置されたカラーフィルタ、1321は対向電極、1322及び1323は配向膜、1324は液晶層、1319は保護膜、1325は導電性材料膜(キャップ膜)である。
また、本実施例は、必要であれば実施の形態、実施例1〜2のいかなる記載と自由に組み合わせることが可能である。
本実施例では、本発明を用いてEL(エレクトロルミネセンス:Electro−Luminescence)表示装置を作製する例について、図16を用いて説明する。
本実施例ではEL表示装置の例として、両面出射型表示装置及びその作製方法を示す。
まず、基板400上に下地絶縁膜410を形成する。基板側を一方の表示面として発光を取り出すため、基板400としては、光透過性を有するガラス基板や石英基板を用いればよい。また、処理温度に耐えうる耐熱性を有する光透過性のプラスチック基板を用いてもよい。ここでは基板400としてガラス基板を用いる。なお、ガラス基板の屈折率は1.55前後である。
下地絶縁膜410としては、酸化珪素膜、窒化珪素膜または窒素を含む酸化珪素膜などの絶縁膜から成る下地膜を形成する。ここでも下地絶縁膜は光透過性を有する膜とする。ここでは下地膜として2層構造を用いた例を示すが、前記絶縁膜の単層膜または2層以上積層させた構造を用いても良い。なお、特に下地絶縁膜を形成しなくてもよい。
次いで、下地絶縁膜410上に半導体層を形成する。半導体層は、非晶質構造を有する半導体膜を公知の手段(スパッタ法、LPCVD法、またはプラズマCVD法等)により成膜した後、公知の結晶化処理(レーザー結晶化法、熱結晶化法、またはニッケルなどの触媒を用いた熱結晶化法等)を行って得られた結晶質半導体膜を第1のフォトマスクを用いて所望の形状にパターニングして形成する。この半導体層の厚さは25〜80nm(好ましくは30〜70nm)の厚さで形成する。結晶質半導体膜の材料に限定はないが、好ましくはシリコンまたはシリコンゲルマニウム(SiGe)合金などで形成すると良い。
また、非晶質構造を有する半導体膜の結晶化処理として連続発振のレーザーを用いてもよく、非晶質半導体膜の結晶化に際し、大粒径に結晶を得るためには、連続発振が可能な固体レーザを用い、基本波の第2高調波〜第4高調波を適用するのが好ましい。代表的には、Nd:YVO4レーザー(基本波1064nm)の第2高調波(532nm)や第3高調波(355nm)を適用すればよい。連続発振のレーザーを用いる場合には、出力10Wの連続発振のYVO4レーザから射出されたレーザ光を非線形光学素子により高調波に変換する。また、共振器の中にYVO4結晶と非線形光学素子を入れて、高調波を射出する方法もある。そして、好ましくは光学系により照射面にて矩形状または楕円形状のレーザ光に成形して、被処理体に照射する。このときのパワー密度は0.01〜100MW/cm2程度(好ましくは0.1〜10MW/cm2)が必要である。そして、10〜2000cm/s程度の速度でレーザ光に対して相対的に半導体膜を移動させて照射すればよい。
次いで、レジストマスクを除去した後、半導体層を覆うゲート絶縁膜を形成する。ゲート絶縁膜はプラズマCVD法またはスパッタ法または熱酸化法を用い、厚さを1〜200nmとする。ゲート絶縁膜としては、酸化珪素膜、窒化珪素膜または窒素を含む酸化珪素膜などの絶縁膜から成る膜を形成する。ここでもゲート絶縁膜は光透過性を有する膜とする。膜厚の薄いゲート絶縁膜をプラズマCVD法を用いる場合、成膜レートを遅くして薄い膜厚を制御性よく得る必要がある。例えば、RFパワーを100W、10kHz、圧力40Pa、N2Oガス流量400sccm、SiH4ガス流量1sccm、とすれば酸化珪素膜の成膜速度を6nm/minとすることができる。
次いで、ゲート絶縁膜上に膜厚100〜600nmの導電膜を形成する。ここでは、スパッタ法を用い、TaN膜とW膜との積層からなる導電膜を形成する。なお、ここでは導電膜をTaN膜とW膜との積層としたが、特に限定されず、Ta、W、Ti、Mo、Alから選ばれた元素、または前記元素を主成分とする合金材料若しくは化合物材料の単層、またはこれらの積層で形成してもよい。また、リン等の不純物元素をドーピングした多結晶シリコン膜に代表される半導体膜を用いてもよい。
次いで、第2のフォトマスクを用いてレジストマスクを形成し、ドライエッチング法またはウェットエッチング法を用いてエッチングを行う。このエッチング工程によって、導電膜をエッチングして、TFT402R、402G、402Bのゲート電極となる。
次いで、レジストマスクを除去した後、第3のフォトマスクを用いてレジストマスクを新たに形成し、ここではnチャネル型TFTを形成するため、半導体にn型を付与する不純物元素(代表的にはリン(P)、またはヒ素(As))を低濃度にドープするための第1のドーピング工程を行う。レジストマスクは、pチャネル型TFTとなる領域と、導電層の近傍とを覆う。この第1のドーピング工程によって絶縁膜を介してスルードープを行い、低濃度不純物領域を形成する。一つの発光素子は、複数のTFTを用いて駆動させるが、pチャネル型TFTのみで駆動させる場合には、上記ドーピング工程は特に必要ない。
次いで、レジストマスクを除去した後、第4のフォトマスクを用いてレジストマスクを新たに形成し、半導体にp型を付与する不純物元素(代表的にはボロン(B))を高濃度にドープするための第2のドーピング工程を行う。この第2のドーピング工程によってゲート絶縁膜を介してスルードープを行い、p型の高濃度不純物領域を形成する。
次いで、第5のフォトマスクを用いてレジストマスクを新たに形成し、ここではnチャネル型TFTを形成するため、半導体にn型を付与する不純物元素(代表的にはリン(P)、またはヒ素(As))を高濃度にドープするための第3のドーピング工程を行う。レジストマスクは、pチャネル型TFTとなる領域と、導電層の近傍とを覆う。この第3のドーピング工程によってゲート絶縁膜を介してスルードープを行い、n型の高濃度不純物領域を形成する。
この後、レジストマスクを除去し、水素を含む絶縁膜411を成膜した後、半導体層に添加された不純物元素の活性化および水素化を行う。水素を含む絶縁膜411は、PCVD法により得られる酸素を含む窒化珪素膜(SiNO膜)を用いる。加えて、結晶化を助長する金属元素、代表的にはニッケルを用いて半導体膜を結晶化させている場合、活性化と同時にチャネル形成領域におけるニッケルの低減を行うゲッタリングをも行うことができる。なお、水素を含む絶縁膜411は、層間絶縁膜の1層目であり、酸化珪素を含んでいる透光性を有する絶縁膜である。
次いで、層間絶縁膜の2層目となる平坦化膜412を形成する。平坦化膜412としては、透光性を有する無機材料(酸化珪素、窒化珪素、窒素を含む酸化珪素など)、感光性または非感光性の有機材料(ポリイミド、アクリル、ポリアミド、ポリイミドアミド、レジストまたはベンゾシクロブテン)、またはこれらの積層などを用いる。また、平坦化膜412に用いる他の透光性を有する膜としては、塗布法によって得られるアルキル基を含むSiOx膜からなる絶縁膜、例えばシリカガラス、アルキルシロキサンポリマー、アルキルシルセスキオキサンポリマー、水素化シルセスキオキサンポリマー、水素化アルキルシルセスキオキサンポリマーなどを用いて形成された絶縁膜を用いることができる。シロキサン系ポリマーの一例としては、東レ製塗布絶縁膜材料であるPSB−K1、PSB−K31や触媒化成製塗布絶縁膜材料であるZRS−5PHが挙げられる。
次いで、透光性を有する3層目の層間絶縁膜413を形成する。3層目の層間絶縁膜413は、後の工程で透明電極403をパターニングする際、2層目の層間絶縁膜である平坦化膜412を保護するためのエッチングストッパー膜として設けるものである。ただし、透明電極403をパターニングする際、2層目の層間絶縁膜412がエッチングストッパー膜となるのであれば3層目の層間絶縁膜413は不要である。
次いで、層間絶縁膜411〜413上に導電性材料膜(キャップ膜)420を形成する。本実施例では、スパッタ法によりチタン膜を100nm成膜した。導電性材料膜420として、その他にもタンタル(Ta)、タングステン(W)といった高融点金属、または窒化チタン(TiN)、窒化タンタル(TaN)など、前記高融点金属の窒化物等を用いてもよい。
次いで、第6のマスクを用いて層間絶縁膜411〜413にコンタクトホールを形成する。このコンタクトホール形成はドライエッチング法にて行い、エッチングガスとして四フッ化炭素(CF4)、酸素(O2)、ヘリウム(He)をそれぞれ50sccm、50sccm、30sccmの流量で用いた。
次いで、第6のマスクを除去し、導電膜(TiN、Al、TiNの積層膜)を形成した後、第8のマスクを用いて導電膜のエッチング(BCl3とCl2との混合ガスでのドライエッチング)を行い、配線(TFTのソース配線及びドレイン配線や、電流供給配線など)を形成する。なお、TiNは、高耐熱性平坦化膜との密着性が良好な材料の一つである。加えて、TFTのソース領域またはドレイン領域と良好なオーミックコンタクトを取るためにTiNのN含有量は44%より少なくすることが好ましい。
次いで、第7のマスクを用いて透明電極403、即ち、有機発光素子の陽極を膜厚10nm〜800nmの範囲で形成する。透明電極403としては、インジウム錫酸化物(ITO)の他、例えば、Si元素を含むインジウム錫酸化物(ITSO)や酸化インジウムに2〜20%の酸化亜鉛(ZnO)を混合したIZO(Indium Zinc Oxide)の仕事関数の高い(仕事関数4.0eV以上)透明導電材料を用いることができる。
次いで、第8のマスクを用いて透明電極403の端部を覆う絶縁物(バンク、隔壁、障壁、土手などと呼ばれる)414を形成する。絶縁物414としては、塗布法により得られる感光性または非感光性の有機材料(ポリイミド、アクリル、ポリアミド、ポリイミドアミド、レジストまたはベンゾシクロブテン)、またはSOG膜(例えば、アルキル基を含むSiOx膜)を膜厚0.8μm〜1μmの範囲で用いる。
次いで、有機化合物を含む層404、480、405(405R、405G、405B)、481、406を、蒸着法または塗布法を用いて形成する。なお、発光素子の信頼性を向上させるため、有機化合物を含む層404の形成前に真空加熱を行って脱気を行うことが好ましい。例えば、有機化合物材料の蒸着を行う前に、基板に含まれるガスを除去するために減圧雰囲気や不活性雰囲気で200℃〜300℃の加熱処理を行うことが望ましい。なお、層間絶縁膜と隔壁とを高耐熱性を有するSiOx膜で形成した場合には、さらに高い加熱処理(410℃)を加えることもできる。
次に、蒸着マスクを用いて選択的に透明電極403上にモリブデン酸化物(MoOx)と、4,4’−ビス[N−(1−ナフチル)−N−フェニル−アミノ]−ビフェニル(α−NPD)と、ルブレンとを共蒸着して第1の有機化合物を含む層404(正孔注入層)を形成する。
なお、MoOxの他、銅フタロシアニン(CuPC)やバナジウム酸化物(VOx)、ルテニウム酸化物(RuOx)、タングステン酸化物(WOx)等の正孔注入性の高い材料を用いることができる。また、ポリ(エチレンジオキシチオフェン)水溶液(PEDOT)又はポリ(スチレンスルホン酸)水溶液(PSS)等の正孔注入性の高い高分子材料を塗布法によって成膜したものを第1の有機化合物を含む層404として用いてもよい。
次いで、蒸着マスクを用いて選択的にα−NPDを蒸着し、第1の有機化合物を含む層404の上に第2の有機化合物を含む層(正孔輸送層)480を形成する。なお、α−NPDの他、4,4’−ビス[N−(3−メチルフェニル)−N−フェニル−アミノ]−ビフェニル(略称:TPD)、4,4’,4’’−トリス(N,N−ジフェニル−アミノ)−トリフェニルアミン(略称:TDATA)、4,4’,4’’−トリス[N−(3−メチルフェニル)−N−フェニル−アミノ]−トリフェニルアミン(略称:MTDATA)等の芳香族アミン系化合物に代表される正孔輸送性の高い材料を用いることができる。
次いで、選択的に第3の有機化合物を含む層(発光層)405(405R、405G、405B)を形成する。フルカラー表示装置とするために発光色(R、G、B)ごとに蒸着マスクのアライメントを行ってそれぞれ選択的に蒸着する。
赤色の発光を示す発光層405Rとしては、Alq3:DCM、またはAlq3:ルブレン:BisDCJTMなどの材料を用いる。また、緑色の発光を示す発光層405Gとしては、Alq3:DMQD(N,N’−ジメチルキナクリドン)、またはAlq3:クマリン6などの材料を用いる。また、青色の発光を示す発光層405Bとしては、α−NPD、またはtBu−DNAなどの材料を用いる。
次いで、蒸着マスクを用いて選択的にAlq3(トリス(8−キノリノラト)アルミニウム)を蒸着し、発光層405R、405G、405B上に第4の有機化合物を含む層(電子輸送層)481を形成する。なお、Alq3の他、トリス(5−メチル−8−キノリノラト)アルミニウム(略称:Almq3)、ビス(10−ヒドロキシベンゾ[h]−キノリナト)ベリリウム(略称:BeBq2)、ビス(2−メチル−8−キノリノラト)−4−フェニルフェノラト−アルミニウム(略称:BAlq)等のキノリン骨格またはベンゾキノリン骨格を有する金属錯体等に代表される電子輸送性の高い材料を用いることができる。また、この他ビス[2−(2−ヒドロキシフェニル)−ベンゾオキサゾラト]亜鉛(略称:Zn(BOX)2)、ビス[2−(2−ヒドロキシフェニル)−ベンゾチアゾラト]亜鉛(略称:Zn(BTZ)2)などのオキサゾール系、チアゾール系配位子を有する金属錯体なども用いることができる。さらに、金属錯体以外にも、2−(4−ビフェニリル)−5−(4−tert−ブチルフェニル)−1,3,4−オキサジアゾール(略称:PBD)や、1,3−ビス[5−(p−tert−ブチルフェニル)−1,3,4−オキサジアゾール−2−イル]ベンゼン(略称:OXD−7)、3−(4−tert−ブチルフェニル)−4−フェニル−5−(4−ビフェニリル)−1,2,4−トリアゾール(略称:TAZ)、3−(4−tert−ブチルフェニル)−4−(4−エチルフェニル)−5−(4−ビフェニリル)−1,2,4−トリアゾール(略称:p−EtTAZ)、バソフェナントロリン(略称:BPhen)、バソキュプロイン(略称:BCP)なども電子輸送性が高いため、第4の有機化合物を含む層(電子輸送層)481として用いることができる。
次いで、4,4−ビス(5−メチルベンズオキサゾル−2−イル)スチルベン(略称:BzOs)とリチウム(Li)とを共蒸着し、電子輸送層481および絶縁物414を覆って全面に第5の有機化合物を含む層(電子注入層)406を形成する。ベンゾオキサゾール誘導体(BzOs)を用いることで、後の工程に行われる透明電極407形成時におけるスパッタ法に起因する損傷を抑制している。なお、BzOs:Li以外に、CaF2、フッ化リチウム(LiF)、フッ化セシウム(CsF)等のようなアルカリ金属又はアルカリ土類金属の化合物等の電子注入性の高い材料を用いることができる。また、この他、Alq3とマグネシウム(Mg)とを混合したものも用いることができる。
次に、第5の有機化合物を含む層406の上に透明電極407、即ち、有機発光素子の陰極を膜厚10nm〜800nmの範囲で形成する。透明電極407としては、インジウム錫酸化物(ITO)の他、例えば、Si元素を含むインジウム錫酸化物(ITSO)や酸化インジウムに2〜20%の酸化亜鉛(ZnO)を混合したIZO(Indium Zinc Oxide)を用いることができる。
以上のようにして、発光素子が作製される。発光素子を構成する陽極、有機化合物を含む層(第1の有機化合物を含む層〜第5の有機化合物を含む層)、および陰極の各材料は適宜選択し、各膜厚も調整する。陽極と陰極とで同じ材料を用い、且つ、同程度の膜厚、好ましくは100nm程度の薄い膜厚とすることが望ましい。
また、必要であれば、発光素子を覆って、水分の侵入を防ぐ透明保護層を形成する。透明保護層としては、スパッタ法またはCVD法により得られる窒化珪素膜、酸化珪素膜、酸素を含む窒化珪素膜(SiNO膜(組成比N>O)またはSiON膜(組成比N<O))、炭素を主成分とする薄膜(例えばDLC膜、CN膜)などを用いることができる。
次いで、基板間隔を確保するためのギャップ材を含有するシール材を用い、第2の基板408と基板400とを貼り合わせる。第2の基板408も、光透過性を有するガラス基板や石英基板を用いればよい。なお、一対の基板の間は、空隙(不活性気体)として乾燥剤を配置してもよいし、透明なシール材(紫外線硬化または熱硬化のエポキシ樹脂など)を一対の基板間に充填してもよい。
発光素子は、透明電極403、407が透光性材料で形成され、図16の白抜きの矢印で表すように、一つの発光素子から2方向、即ち両面側から採光することができる。
以上に示すパネル構成とすることで上面からの発光と、下面からの発光とでほぼ同一とすることができる。なお本実施例に示す両面出射方式を採用したパネルは、デュアルエミッションパネルとよばれる。
最後に光学フィルム(偏光板、または円偏光板)401、409を設けてコントラストを向上させる。
なお、本実施例では、TFTをトップゲート型TFTとしたが、この構造に限定されるものではなく、適宜ボトムゲート型(逆スタガ型)TFTや、順スタガ型TFTを用いることが可能である。また、シングルゲート構造のTFTに限定されず、複数のチャネル形成領域を有するマルチゲート型TFT、例えばダブルゲート型TFTとしてもよい。
なお本実施例では、両面出射型パネル(デュアルエミッションパネル)について説明したが、片面出射型パネルである上面出射型パネル(トップエミッションパネル)、もしくは下面出射型パネル(ボトムエミッションパネル)の構成を用いてももちろんよい。
上面出射型パネルを作製するには、有機発光素子の陽極を透明電極でなく、遮光性のある材料で形成すればよい。例えば、窒化チタン膜とアルミニウムを主成分とする膜と窒化チタン膜との3層構造とすると、配線としての抵抗も低く、且つ、良好なオーミックコンタクトがとれ、且つ、陽極として機能させることができる。またそれ以外にも、有機発光素子の陽極を窒化チタン膜、クロム膜、タングステン膜、Zn膜、Pt膜などの単層としてもよいし、3層以上の積層を用いてもよい。
また、上面出射型パネルの陰極は、透明または半透明であることが好ましく、透明電極407と同じ材料を用いて形成することができる。
また下面出射型パネルを作製するには、有機発光素子の陽極は透明電極403と同じ材料を用いて形成することができる。
一方下面出射型パネルの陰極としては、遮光性があり仕事関数の小さい材料(Al、Ag、Li、Ca、またはこれらの合金MgAg、MgIn、AlLi、CaF2、またはCaN)を用いればよい。
なお上面出射型パネル又は下面出射型パネルを作製する際、有機発光素子中の有機化合物を含む層は、それぞれの陽極や陰極の材料に合わせて適宜変えてもよい。
また発光素子から発せられる光には、一重項励起状態から基底状態に戻る際の発光(蛍光)と三重項励起状態から基底状態に戻る際の発光(リン光)とが含まれて、本実施例においてはその一方又は両方を用いることができる。
また、本実施例は、必要であれば実施の形態、実施例1〜2のいかなる記載とも自由に組み合わせることが可能である。
本実施例では、図30(A)〜図30(C)、図31(A)〜図31(B)、図32、図33を用いて、上面出射型(トップエミッション型)EL表示パネルについて説明する。
なお、図30(A)〜図30(C)、図31(A)〜図31(B)、図32、図33において実施例4と同じものは同じ符号で表す。また特に記載のないものは、実施例4と同様の工程により作製される。
まず実施例4と同様の工程で、水素を含む絶縁膜(層間絶縁膜の1層目、以下「第1層間絶縁膜」という)411までを形成する(図30(A)参照)。本実施例では、第1層間絶縁膜411としてプラズマCVD法で形成される酸素を含む窒化珪素膜(SiNO膜)を100nm成膜する。その後、窒素雰囲気中410℃で1時間加熱処理を行う。この加熱処理によって、半導体層に添加された不純物元素の活性化及び半導体層の水素化が行われる。また、結晶化を助長する金属元素、代表的にはニッケル(Ni)を用いて半導体膜を結晶化させている場合、活性化と同時にチャネル形成領域におけるニッケル(Ni)の低減を行うゲッタリングも同時に行うことができる。
次に、層間絶縁膜の2層目(以下「第2層間絶縁膜」という)412を形成する(図30(B)参照)。第2層間絶縁膜412としては、透光性を有する無機材料(酸化珪素、窒化珪素、窒素を含む酸化珪素など)、感光性または非感光性の有機材料(ポリイミド、アクリル、ポリアミド、ポリイミドアミド、レジストまたはベンゾシクロブテン)、またはこれらの積層などを用いる。また、第2層間絶縁膜412に用いる他の透光性を有する膜としては、塗布法によって得られるアルキル基を含むSiOx膜からなる絶縁膜、例えばシリカガラス、アルキルシロキサンポリマー、アルキルシルセスキオキサンポリマー、水素化シルセスキオキサンポリマー、水素化アルキルシルセスキオキサンポリマーなどを用いて形成された絶縁膜を用いることができる。シロキサン系ポリマーの一例としては、東レ製塗布絶縁膜材料であるPSB−K1、PSB−K31や触媒化成製塗布絶縁膜材料であるZRS−5PHが挙げられる。なお本実施例では、第2層間絶縁膜412として、プラズマCVD法により、窒素を含む酸化珪素膜を900nm成膜する。
次いで、第1層間絶縁膜411及び第2層間絶縁膜412にコンタクトホールを形成する。本実施例ではこのコンタクトホール形成はドライエッチング法にて行い、エッチングガスとしてCHF3を35sccmの流量で用いる。
次いで、第2層間絶縁膜412上に導電膜を形成する。本実施例では、Ti、TiN、Al−Si(シリコンを含むアルミニウム)、TiNをそれぞれ、60nm、40nm、700nm、200nm積層した積層膜を形成する。
次に、BCl3とCl2をそれぞれ60sccm、20sccmの流量で流した混合ガス、次いでBCl3とCF4をそれぞれ40sccm、40sccmの流量で流した混合ガスでドライエッチングエッチングを行い、配線(TFTのソース配線及びドレイン配線や、電流供給配線など)5421を形成する(図30(C)参照)。
第2層間絶縁膜412及び配線5421上に、第3層間絶縁膜5422を形成する。第3層間絶縁膜5422の材料としては、第2層間絶縁膜412と同様の材料を用いればよい。本実施例においては、耐熱性絶縁膜であり塗布法によって得られるアルキル基を含むSiOx膜からなる絶縁膜として、シロキサン系ポリマーを用いて形成された絶縁膜を用いる。
次に、第3層間絶縁膜5422上に導電性材料膜(キャップ膜)5420を成膜する(図31(A)参照)。本実施例では、スパッタ法により窒化チタン膜(TiN膜)を100nm成膜した。導電性材料膜5420として、その他にもチタン(Ti)、タンタル(Ta)、タングステン(W)といった高融点金属、または窒化タンタル(TaN)など、前記高融点金属の窒化物等を用いてもよい。
次に、第3層間絶縁膜5422にコンタクトホールを形成する。本実施例ではエッチングガスとして四フッ化炭素(CF4)、酸素(O2)をそれぞれ、45sccm、55sccmの流量で用いてエッチングを行う。
このコンタクトホール形成の際に、導電性材料膜5420はプラズマによって発生した荷電粒子を導電性材料膜5420に分散することにより、下層のTFTに荷電粒子が到達するのを防ぐことができる。
第3層間絶縁膜5422にコンタクトホール形成後、導電性材料膜5420上に、導電膜を成膜し、パターニングして下層電極5462を形成する(図31(B)参照)。下層電極5462としては、後の工程で形成される有機化合物を含む層5404、5480、5405(5405R、5405G、5405B)、5481、5406がショートしないような平坦性が要求される。例えば下層電極5462を、シリコンを含むアルミニウムを主成分とする膜と、ニッケル、コバルト、鉄のうち少なくとも1種の元素、及び炭素を含むアルミニウム合金膜との積層構造とすると、配線としての抵抗も低く、且つ、良好なオーミックコンタクトがとれ、且つ、下層電極として機能させることができる。
または、下層電極5462として、シリコンを含むアルミニウムを主成分とする膜と透明導電膜(例えばシリコン(Si)又は酸化珪素を含むITO(Indium Tin Oxide)膜)の積層膜や、ニッケル、コバルト、鉄のうち少なくとも1種の元素、及び炭素を含むアルミニウム合金膜と透明導電膜(例えば珪素(Si)又は酸化珪素を含むITO膜)の積層膜を用いてもよい。
このニッケル、コバルト、鉄のうち少なくとも1種の元素、及び炭素を含むアルミニウム合金膜は、シリコンと接触してもシリコンとアルミニウムの相互拡散が防止できる。またこのようなアルミニウム合金膜は、透明導電膜、例えばITO(Indium Tin Oxide)膜と接触しても酸化還元反応が起こらないため、両者を直接接触させることができる。さらにこのようなアルミ合金膜は、比抵抗が低く耐熱性にも優れているので、導電膜としては有用である。
本実施例においては、下層電極5462の材料として、シリコンを含むアルミニウムを主成分とする膜、窒化チタン膜、及びシリコン(Si)又は酸化珪素を含むITO膜をそれぞれ、30nm、10nm、10nmの厚さで積層した積層膜、もしくは、ニッケル、コバルト、鉄のうち少なくとも1種の元素、及び炭素を含むアルミニウム合金膜及びシリコン(Si)又は酸化珪素を含むITO膜をそれぞれ35nm、10nmの厚さで積層した積層膜を用いる。
この下層電極5462を形成するエッチングの際に、導電性材料膜5420もエッチングされる。この工程により導電性材料膜5420の残存領域5460は、その端部と下層電極5462の端部と一致することとなり、下層電極5462の一部として用いられることとなる。
導電性材料膜5420は、第3層間絶縁膜5422のコンタクトホール形成の際に、プラズマによって発生した荷電粒子を導電性材料膜5420に分散して下層のTFTに到達するのを防ぐことができる。同時に、導電性材料膜5420は下層電極5462の剥離を抑制する効果がある。これは、導電性材料膜5420と、第3層間絶縁膜5422との密着性がよいためである。
次いで、下層電極5462の端部を覆う絶縁物(バンク、隔壁、障壁、土手などと呼ばれる)5461を形成する。絶縁物5461としては、塗布法により得られる感光性または非感光性の有機材料(ポリイミド、アクリル、ポリアミド、ポリイミドアミド、レジストまたはベンゾシクロブテン)、またはSOG膜(例えば、アルキル基を含むSiOx膜)を膜厚0.8μm〜1μmの範囲で用いる。
次いで、有機化合物を含む層5404、5480、5405(5405R、5405G、5405B)、5481、5406を、蒸着法または塗布法を用いて形成する。なお、発光素子の信頼性を向上させるため、有機化合物を含む層5404の形成前に真空加熱を行って脱気を行うことが好ましい。例えば、有機化合物材料の蒸着を行う前に、基板に含まれるガスを除去するために減圧雰囲気や不活性雰囲気で200℃〜300℃の加熱処理を行うことが望ましい。なお、層間絶縁膜と隔壁とを高耐熱性を有するSiOx膜で形成した場合には、さらに高い加熱処理(410℃)を加えることもできる。
次に、蒸着マスクを用いて選択的に下層電極5462上にモリブデン酸化物(MoOx)と、4,4’−ビス[N−(1−ナフチル)−N−フェニル−アミノ]−ビフェニル(α−NPD)と、ルブレンとを共蒸着して第1の有機化合物を含む層5404(正孔注入層)を120nmの厚さで形成する。
なお、MoOxの他、銅フタロシアニン(CuPC)やバナジウム酸化物(VOx)、ルテニウム酸化物(RuOx)、タングステン酸化物(WOx)等の正孔注入性の高い材料を用いることができる。また、ポリ(エチレンジオキシチオフェン)水溶液(PEDOT)又はポリ(スチレンスルホン酸)水溶液(PSS)等の正孔注入性の高い高分子材料を塗布法によって成膜したものを第1の有機化合物を含む層5404として用いてもよい。
次いで、蒸着マスクを用いて選択的にα−NPDを10nmの厚さで蒸着し、第1の有機化合物を含む層5404の上に第2の有機化合物を含む層(正孔輸送層)5480を形成する。なお、α−NPDの他、4,4’−ビス[N−(3−メチルフェニル)−N−フェニル−アミノ]−ビフェニル(略称:TPD)、4,4’,4’’−トリス(N,N−ジフェニル−アミノ)−トリフェニルアミン(略称:TDATA)、4,4’,4’’−トリス[N−(3−メチルフェニル)−N−フェニル−アミノ]−トリフェニルアミン(略称:MTDATA)等の芳香族アミン系化合物に代表される正孔輸送性の高い材料を用いることができる。
次いで、選択的に第3の有機化合物を含む層(発光層)5405(5405R、5405G、5405B)(第3の層)を形成する。フルカラー表示装置とするために発光色(R、G、B)ごとに蒸着マスクのアライメントを行ってそれぞれ選択的に蒸着する。
赤色の発光を示す発光層5405Rとしては、Alq3:DCM、またはAlq3:ルブレン:BisDCJTMなどの材料を用いる。また、緑色の発光を示す発光層5405Gとしては、Alq3:DMQD(N,N’−ジメチルキナクリドン)、またはAlq3:クマリン6などの材料を用いる。また、青色の発光を示す発光層5405Bとしては、α−NPD、またはtBu−DNAなどの材料を用いる。
次いで、蒸着マスクを用いて選択的にAlq3(トリス(8−キノリノラト)アルミニウム)を20nmの厚さで蒸着し、発光層5405R、5405G、5405B上に第4の有機化合物を含む層(電子輸送層)5481を形成する。なお、Alq3の他、トリス(4−メチル−8−キノリノラト)アルミニウム(略称:Almq3)、ビス(10−ヒドロキシベンゾ[h]−キノリナト)ベリリウム(略称:BeBq2)、ビス(2−メチル−8−キノリノラト)−4−フェニルフェノラト−アルミニウム(略称:BAlq)等のキノリン骨格またはベンゾキノリン骨格を有する金属錯体等に代表される電子輸送性の高い材料を用いることができる。また、この他ビス[2−(2−ヒドロキシフェニル)−ベンゾオキサゾラト]亜鉛(略称:Zn(BOX)2)、ビス[2−(2−ヒドロキシフェニル)−ベンゾチアゾラト]亜鉛(略称:Zn(BTZ)2)などのオキサゾール系、チアゾール系配位子を有する金属錯体なども用いることができる。さらに、金属錯体以外にも、2−(4−ビフェニリル)−5−(4−tert−ブチルフェニル)−1,3,4−オキサジアゾール(略称:PBD)や、1,3−ビス[5−(p−tert−ブチルフェニル)−1,3,4−オキサジアゾール−2−イル]ベンゼン(略称:OXD−7)、3−(4−tert−ブチルフェニル)−4−フェニル−5−(4−ビフェニリル)−1,2,4−トリアゾール(略称:TAZ)、3−(4−tert−ブチルフェニル)−4−(4−エチルフェニル)−5−(4−ビフェニリル)−1,2,4−トリアゾール(略称:p−EtTAZ)、バソフェナントロリン(略称:BPhen)、バソキュプロイン(略称:BCP)なども電子輸送性が高いため、第4の有機化合物を含む層(電子輸送層)5481として用いることができる。
次いで、4,4−ビス(5−メチルベンズオキサゾル−2−イル)スチルベン(略称:BzOs)とリチウム(Li)とを20nmの厚さで共蒸着し、第4の有機化合物を含む層(電子輸送層)5481および絶縁物5461を覆って全面に第5の有機化合物を含む層(電子注入層)5406を形成する。ベンゾオキサゾール誘導体(BzOs)を用いることで、後の工程に行われる透明電極5407形成時におけるスパッタ法に起因する損傷を抑制している。なお、BzOs:Li以外に、CaF2、フッ化リチウム(LiF)、フッ化セシウム(CsF)等のようなアルカリ金属又はアルカリ土類金属の化合物等の電子注入性の高い材料を用いることができる。また、この他、Alq3とマグネシウム(Mg)とを混合したものも用いることができる。
次に、第5の有機化合物を含む層5406の上に透明導電材料で上層電極5407を膜厚10nm〜800nmの範囲で形成する。上層電極5407としては、インジウム錫酸化物(ITO)の他、例えば、Si元素を含むインジウム錫酸化物や酸化インジウムに2〜20%の酸化亜鉛(ZnO)を混合したIZO(Indium Zinc Oxide)を用いることができる。本実施例では、上層電極5407として、インジウム錫酸化物(ITO)を110nmの厚さで形成する。ただし、透光性が確保できれば、透明導電材料の代わりに金属膜を薄く形成してもよい。
以上のようにして、発光素子が作製される(図32参照)。発光素子を構成する陽極、有機化合物を含む層(第1の有機化合物を含む層〜第5の有機化合物を含む層)、および陰極の各材料は適宜選択し、各膜厚も調整する。陽極と陰極とで同じ材料を用い、且つ、同程度の膜厚、好ましくは100nm程度の薄い膜厚とすることが望ましい。
例えば、第1の有機化合物を含む層5404を銅フタロシアニン(CuPC)を20nmで形成し、第2の有機化合物を含む層(正孔輸送層)5480として40nmの厚さで形成したα−NPDを用いてもよい。さらに発光層5405形成した後、電子輸送層(第4の層)5481としてAlq3(トリス(8−キノリノラト)アルミニウム)を37.5nmの厚さで蒸着し、上層電極5407としてMgAg(Mg:Ag=10:1の割合で共蒸着した合金)を15nmの厚さで蒸着したものを用いてもよい。
また、必要であれば、発光素子を覆って、水分の侵入を防ぐ透明保護層を形成する。透明保護層としては、スパッタ法またはCVD法により得られる窒化珪素膜、酸化珪素膜、酸素を含む窒化珪素膜(SiNO膜(組成比N>O)またはSiON膜(組成比N<O))、炭素を主成分とする薄膜(例えばDLC膜、CN膜)などを用いることができる。
次いで、基板間隔を確保するためのギャップ材を含有するシール材を用い、第2の基板5408と基板400とを貼り合わせる。第2の基板5408も、光透過性を有するガラス基板や石英基板を用いればよい。なお、一対の基板の間は、空隙(不活性気体)として乾燥剤を配置してもよいし、透明なシール材(紫外線硬化または熱硬化のエポキシ樹脂など)を一対の基板間に充填してもよい。
最後に光学フィルム(偏光板、または円偏光板)5401、5409を設けてコントラストを向上させる(図33参照)。
発光素子は、上層電極5407が透光性材料で形成され、図33の白抜きの矢印で表すように、一つの発光素子について上方向から採光することができる。
また発光素子から発せられる光には、一重項励起状態から基底状態に戻る際の発光(蛍光)と三重項励起状態から基底状態に戻る際の発光(リン光)とが含まれて、本実施例においてはその一方又は両方を用いることができる。
また、本実施例は、必要であれば実施の形態、実施例1〜2及び4のいかなる記載とも自由に組み合わせることが可能である。
本実施例では、図34(A)〜図34(B)を用いて、反射型液晶表示装置を作製する例を説明する。
まず実施例5に基づいて、図31(B)に示される下層電極5462までの作製工程を行う。なお、 図34(A)〜34(B)において実施例5と同じものは同じ符号で表す。また特に記載のないものは、実施例5と同様の工程により作製される。
ただし、本実施例においては、画素を駆動する画素TFT6402(6402R、6402G、6402B)はnチャネル型TFTであり、島状半導体膜中には、チャネル形成領域、n型低濃度不純物領域、及び、ソース領域又はドレイン領域が形成される。
下層電極5462を形成したら、第3層間絶縁膜5422及び下層電極5462を覆うように、配向膜6624aを形成する。なお、配向膜6624aは、液滴吐出法やスクリーン印刷法やオフセット印刷法を用いればよい。その後、配向膜6624aの表面にラビング処理を行う。
そして、対向基板6625には、RGBに対応する着色層6626(6626R、6626G、6626B)、遮光層(ブラックマトリクス)6630、及びオーバーコート層6627からなるカラーフィルタを設け、さらに透明電極からなる対向電極6628と、その上に配向膜6624bを形成する。そして、閉パターンであるシール材を液滴吐出法により画素部と重なる領域を囲むように形成する。ここでは液晶を滴下するため、閉パターンのシール材を描画する例を示すが、開口部を有するシールパターンを設け、TFT基板を貼りあわせた後に毛細管現象を用いて液晶を注入するディップ式(汲み上げ式)を用いてもよい。
次いで、気泡が入らないように減圧下で液晶の滴下を行い、両方の基板を貼り合わせる。閉ループのシールパターン内に液晶を1回若しくは複数回滴下する。液晶の配向モードとしては、液晶分子の配列が光の入射から出射に向かって90°ツイスト配向したTNモードを用いる場合が多い。TNモードの液晶表示装置を作製する場合には、基板のラビング方向が直交するように貼り合わせる。このようにして配向膜6624a及び6624bとの間に液晶層6629が形成される(図34(B)参照)。
または、実施例3に記載された液滴吐出法により液晶層6629を形成してもよい。
なお、一対の基板間隔は、球状のスペーサを散布したり、樹脂からなる柱状のスペーサを形成したり、シール材にフィラーを含ませることによって維持すればよい。上記柱状のスペーサは、アクリル、ポリイミド、ポリイミドアミド、エポキシの少なくとも1つを主成分とする有機樹脂材料、もしくは酸化珪素、窒化珪素、窒素を含む酸化珪素のいずれか一種の材料、或いはこれらの積層膜からなる無機材料であることを特徴としている。
次いで、基板の分断を行う。多面取りの場合、それぞれのパネルを分断する。また、1面取りの場合、予めカットされている対向基板を貼り合わせることによって、分断工程を省略することもできる。
そして、異方性導電体層を介し、公知の技術を用いてFPC(Flexible Printed Circuit)を貼りつける。以上の工程で液晶モジュールが完成する。また、必要があれば光学フィルムを貼り付ける。
以上示したようにして、本実施例の反射型液晶表示装置を作製することができる。本実施例で作製される反射型液晶表示装置は各種電気機器の表示部として用いることができる。
なお、本実施例では、TFTをトップゲート型TFTとしたが、本発明はこの構造に限定されるものではなく、適宜ボトムゲート型逆スタガ型TFT(例えば逆スタガ型TFT)を用いることが可能である。また、シングルゲート構造のTFTに限定されず、複数のチャネル形成領域を有するマルチゲート型TFT、例えばダブルゲート型TFTとしてもよい。
また、本実施例は、必要であれば実施の形態、実施例1〜6のいかなる記載とも自由に組み合わせることが可能である。
本実施例では、本発明を用いてCPU(中央演算装置:Central Processing Unit)を作製した例を、図17(A)〜図17(C)、図18(A)〜図18(C)、図19(A)〜図19(C)、図20(A)〜図20(B)及び図21を用いて示す。
図17(A)に示すように、絶縁表面を有する基板2100上に下地膜2101を形成する。基板2100には、例えばバリウムホウケイ酸ガラスや、アルミノホウケイ酸ガラスなどのガラス基板、石英基板、ステンレス基板等を用いることができる。また、PET、PES、PENに代表されるプラスチックや、アクリル等の可撓性を有する合成樹脂からなる基板は、一般的に他の基板と比較して耐熱温度が低い傾向にあるが、作製工程における処理温度に耐え得るのであれば用いることが可能である。
下地膜2101は基板2100中に含まれるNaなどのアルカリ金属やアルカリ土類金属が、半導体膜中に拡散し、半導体素子の特性に悪影響を及ぼすのを防ぐために設ける。よってアルカリ金属やアルカリ土類金属の半導体膜への拡散を抑えることができる酸化珪素や、窒化珪素、酸素を含む窒化珪素などの絶縁膜を用いて形成する。本実施例では、プラズマCVD法を用いてSiH4、NH3、N2O及びH2を反応ガスとして形成される酸素を含む窒化珪素膜(SiNO)を10〜200nm(本実施例では50nm)、SiH4及びN2Oを反応ガスとして形成される窒素を含む酸化珪素膜(SiON)を50〜200nm(本実施例では100nm)の順に積層する。なお下地膜2101は単層構造を有してもよく、例えば酸素を含む窒化珪素膜を10〜400nm(好ましくは50〜300nm)の膜厚になるように形成することができる。
ガラス基板、ステンレス基板またはプラスチック基板のように、アルカリ金属やアルカリ土類金属が多少なりとも含まれている基板を用いる場合、不純物の拡散を防ぐという観点から下地膜を設けることは有効であるが、石英基板など不純物の拡散がさして問題とならない場合は、下地膜は必ずしも設ける必要はない。
下地膜2101上に非晶質半導体膜2102を形成する。非晶質半導体膜2102の膜厚は25〜100nm(好ましくは30〜60nm)とする。また非晶質半導体は珪素だけではなくシリコンゲルマニウムも用いることができ、シリコンゲルマニウムを用いる場合、ゲルマニウムの濃度は0.01〜4.5atomic%程度であることが好ましい。本実施例では66nmの珪素を主成分とする半導体膜(非晶質珪素膜、アモルファスシリコンとも表記する)を用いる。
次に、非晶質半導体膜2102に金属元素を添加する。ここで添加とは、少なくとも非晶質半導体膜の結晶化が促進されるように非晶質半導体膜2102の表面上に金属元素を形成することをいう。非晶質半導体膜を低温で結晶化できるため金属元素を形成することは好ましい。
例えば、非晶質半導体膜2102上にスピンコーティング法やディップ法といった塗布方法によりNi溶液(水溶液や酢酸溶液を含む)を塗布し、Niを含む膜2103(但し、極めて薄いため膜として観測できない場合もある)を形成する。このとき非晶質半導体膜2102の表面の濡れ性を改善し、非晶質半導体膜の表面全体に溶液を行き渡らせるため、酸素雰囲気中でのUV光の照射、熱酸化法、ヒドロキシラジカルを含むオゾン水又は過酸化水素による処理等により、酸化膜を1〜5nmに成膜することが望ましい。また、イオン注入法によりNiイオンを非晶質半導体膜中に注入したり、Niを含有する水蒸気雰囲気中で加熱したり、ターゲットをNi材料としてArプラズマでスパッタリングしてもよい。本実施例では、Ni酢酸塩10ppmを含有した水溶液をスピンコーティング法により塗布する。
その後、非晶質半導体膜2102を500〜550℃で2〜20時間かけて熱処理を行い、非晶質半導体膜を結晶化し結晶性半導体膜を形成する。このとき加熱温度を徐々に変化させると好ましい。最初の低温加熱工程により、非晶質半導体膜の水素等が出てくるため、結晶化の際の膜荒れを低減する、いわゆる水素だしを行うことができる。また磁場をかけて、その磁気エネルギーと合わせて結晶化させてもよいし、高出力マイクロ波を使用しても構わない。本実施例では、縦型炉を用いて500℃で1時間熱処理後、550℃、4時間で熱処理を行う。
図17(B)に示すように、結晶性半導体膜の表面に形成された酸化膜をフッ酸等でエッチング除去した後、結晶化が行われた非晶質半導体膜2102にレーザー光(レーザービーム)105を照射する。レーザーとして、Arレーザー、Krレーザー、エキシマレーザー、YAGレーザー、Y23レーザー、YVO4レーザー、YLFレーザー、YAlO3レーザー、ガラスレーザー、ルビーレーザー、アレキサンドライドレーザー、Ti:サファイヤレーザー、銅蒸気レーザーまたは金蒸気レーザーのうち一種または複数種を用いることができる。また連続発振型のレーザー(CWレーザー)やパルス発振型のレーザー(パルスレーザー)を用いることができる。またレーザーのビーム形状は、線状とすると好ましく、長軸の長さは200〜350μmとすればよい。またさらにレーザーは、半導体膜に対して入射角θ(0<θ<90度)を持たせてもよい。
本実施例では、大気中において、6.4WのCWレーザー2105を、半導体膜に対して25度で入射し、レーザービームの長軸を300μmとし、走査速度40cm/secで照射する。すると、幅(レーザーの照射方向に垂直な方向の長さ)が210μmの領域が、結晶成長が良好な領域のとなり、レーザービームの長軸を90μmずつ重ね合わせて照射するとよい。
このようなレーザー照射において、精度よく重ね合わせたり、照射開始位置や照射終了位置を制御するため、マーカーを形成することもできる。マーカーは非晶質半導体膜と同時に、基板へ形成すればよい。
その後、金属元素を低減、又は除去するためにゲッタリング工程を施す。本実施例では、非晶質半導体膜をゲッタリングシンクとして金属元素を捕獲する方法を説明する。まず、結晶性半導体膜上に酸素雰囲気中でのUV光の照射、熱酸化法、ヒドロキシラジカルを含むオゾン水又は過酸化水素による処理等により、酸化膜を形成する。次いでプラズマCVD法を用いて、原料ガスにSH4、Ar、圧力が0.3パスカル、RFパワーが3KW、基板温度が150℃として非晶質半導体膜を150nmの膜厚で形成する。
その後、窒素雰囲気で550℃、4時間の加熱処理を行い、金属元素を低減、又は除去する。そして、ゲッタリングシンクとなる非晶質半導体膜、及び酸化膜をフッ酸等により除去し、金属元素が低減、又は除去された結晶性半導体膜を得ることができる。
図17(C)に示すように、結晶性半導体膜を所定の形状にパターニングし、島状の半導体膜2106a〜2106eを得る。パターニングに際し、結晶性半導体膜にフォトレジストを塗布し、所定のマスク形状を露光し、焼成して、結晶性半導体膜上にマスクを形成する。このマスクを用いて、ドライエッチング法により結晶性半導体膜をパターニングする。ドライエッチング法のガスは、CF4と、O2とを用いることができる。
その後、必要に応じて結晶性半導体膜に不純物を添加する。例えば、ドーピング法によりボロン(B)を添加する。すると、薄膜トランジスタの電気特性であるしきい値をよりゼロに近づかせることができる。すなわち結晶性半導体膜をより真性状態とすることができる。
その後、結晶性半導体膜2106a〜2106eを覆うように絶縁膜、いわゆるゲート絶縁膜2108を形成する。なお、ゲート絶縁膜2108の形成前に、島状の半導体膜の表面をフッ酸等により洗浄する。ゲート絶縁膜2108はプラズマCVD法またはスパッタ法を用い、厚さを10〜150nm、好ましくは20〜40nmとしてシリコンを含む絶縁膜で形成する。本実施例では、プラズマCVD法により、原料ガスにSiH4、N2Oを用い、成膜室の温度を400℃として、20nmの厚さで窒素を含む酸化珪素膜を形成する。このとき、ゲート絶縁膜の膜厚が薄くなっているため、成膜レートを落としている。その結果、成膜初期の最初の膜質が良くない所を減らすことができる。勿論、ゲート絶縁膜は窒素を含む酸化珪素膜に限定されるものでなく、他のシリコンを含む絶縁膜を単層または積層構造として用いてもよい。
その後、結晶性半導体膜上にゲート絶縁膜2108を介してゲート電極2109となる導電膜2109a、2109bを形成する。勿論ゲート電極2109は、単層であっても積層であってもよい。導電膜2109a、2109bは、Ta、W、Ti、Mo、Alから選ばれた元素、または前記元素を主成分とする合金材料もしくは化合物材料で形成すればよい。本実施例では、ゲート絶縁膜2108を覆うように、第1の導電膜2109aとして膜厚10〜50nm、例えば30nmの窒化タンタル膜を形成し、第2の導電膜2109bとして膜厚200〜400nm、例えば370nmのタングステン膜を順次積層する。
その後図18(A)に示すように、第1の導電膜2109a、第2の導電膜2109bを、マスクを用いてエッチングする。まず、導電膜上にフォトレジストをスピンコーティング法等により塗布する。
そして、塗布されたフォトレジストに対し加熱処理を施す、いわゆるプリベークを施す。プリベークの加熱温度は50〜120℃とし、後に行われるポストベークより低い温度で行う。本実施例では、加熱温度90℃、加熱時間90secとしてプリベークを行う。
その後、フォトレジストへ現像液を滴下したり、スプレーノズルからスプレーすることにより、露光されたフォトレジストを現像し、加熱処理を行う。本実施例では、現像液にNMD−3を用い、現像時間60secとする。
その後本実施例では、現像されたフォトレジストを125℃、180secで加熱処理を行う、いわゆるポストベークを行う。その結果、レジストマスク中に残っている水分等を除去し、同時に熱に対する安定性を高めることができる。すると、端部にテーパー形状を有するレジストマスク2110が導電膜上に形成される。なおレジストマスクの端部はテーパー形状を有すればよく、レジストマスクの形状は扇形、又は台形となってもよい。
またマスク自体に露光解像度の限界以下のパターンを付けて、レジスト形状を制御することにより、端部にテーパー形状を有するレジストマスクを形成することもできる。レジストマスクが端部にテーパー形状を有することにより、次のエッチング工程により、レジストマスクの側面に付着してしまう反応生成物の形成を防止することができる。
図18(B)に示すように、レジストマスク2110を用いて、第2の導電膜2109bをエッチングする。本実施例では、ガスとしてCF4、Cl、O2を用いるドライエッチング法により、第2の導電膜2109bをエッチングする。このときレジストマスク2110のテーパーと同様に、第2の導電膜2109bの端部にはテーパー形状が形成される。また第1の導電膜2109aは、ゲート絶縁膜や半導体膜がエッチングされないよう、いわゆるエッチングストッパーとして機能する。
エッチングされた第2の導電膜2109bは、0.2μm以上1.0μm以下のゲート長113を有する。またこのとき、レジストマスク2110も数μm後退する場合がある。本実施例では、レジストマスク2110を0.4μm後退させ、ゲート長0.8μmの第2の導電膜を形成する。
図18(C)に示すように、レジストマスク2110を設けた状態で、第1の導電膜2109aをエッチングする。このとき、ゲート絶縁膜2108と、第1の導電膜2109aとの選択比の高い条件で第1の導電膜2109aをエッチングする。本実施例では、ガスとしてCl2を用い、第1の導電膜2109aをエッチングする。すると、薄膜状態にゲート絶縁膜2108を維持し、第1の導電膜2109aをエッチングすることができる。この工程により、レジストマスク2110、第2の導電膜2109bも多少エッチングされ、さらに細くなることがある。以上のようにゲート長が1.0μm以下と非常に小さいゲート電極2109が形成される。
その後、レジストマスク2110をO2アッシングやレジスト剥離液により除去し、不純物添加用のレジストマスク2115を形成する。図19(A)に示すように、pチャネル型TFTとなる領域に、レジストマスク2115を形成する。レジストマスクの作製方法は、上記記載を参考にすればよいため、詳細な説明を省略する。
次いで、nチャネル型TFTとなる領域に、ゲート電極2109をマスクとして自己整合的に不純物元素であるリン(P)を添加する。本実施例では、ホスフィン(PH3)を60〜80keVでドーピングする。すると、nチャネル型のTFTとなる領域に、不純物領域2116a〜2116cが形成される。このとき、半導体膜に対して深さ方向に均一になるようにリン(P)を添加する。しかし、添加時の不純物元素の回り込みにより、ゲート電極2109と重なるように不純物領域が形成されることもある。但し、このようなゲート電極2109と重なる不純物領域のチャネル長方向の長さは、0.1〜0.3μmとなるようにする。
図19(B)に示すように、nチャネル型TFTとなる領域にレジストマスク2117を形成する。その後、pチャネル型TFTとなる領域にゲート電極2109をマスクとして、自己整合的に不純物元素であるボロン(B)を添加する。本実施例では、B26を30〜45keVでドーピングする。すると、pチャネル型のTFTとなる領域に、不純物領域2118a〜2118bが形成される。その後、レジストマスク2117をO2アッシングやレジスト剥離液により除去する。
その後図19(C)に示すように、ゲート電極の側面を覆うように、絶縁膜、いわゆるサイドウォール2119a〜2119cを形成する。サイドウォールは、プラズマCVD法や減圧CVD(LPCVD)法を用いて、珪素を有する絶縁膜により形成することができる。本実施例では、減圧CVD(LPCVD)法により原料ガスにSiH4、N2Oを用い圧力266Pa、温度400℃で、窒化した酸化珪素膜、いわゆる窒素を含む酸化珪素膜(SiON)を形成する。またプラズマCVD法を用いてサイドウォールを形成する場合、原料ガスにSiH4、N2Oを用い圧力133Paで窒素を含む酸化珪素膜(SiON)を形成することができる。その後、窒素を含む酸化珪素膜(SiON)をエッチングすることにより、テーパー形状を有するサイドウォールを形成する。
減圧CVD法を用いてサイドウォールを形成する場合のエッチング条件は以下の通りである。第1のエッチング条件として、原料ガスにCHF3、Heを用いて、数sec、例えば3secかけてプラズマをたてる。このとき、成膜装置に配置された基板と対向する側の電極を475Wとし、基板が配置される電極を300Wとする。基板が配置される電極に印加する電圧により、エッチングガスのイオンを加速することができる。第2のエッチング条件として、原料ガスにCHF3、Heを用いて、数十sec、例えば60sec間電圧を印加する。エッチング対象となる膜の高さが所定値(本実施例では100nm)となるとき終了するように、エッチング時間を決定することができる。このとき、成膜装置に配置された基板と対向する側の電極を475Wとし、基板が配置される電極を300Wとする。第3のエッチング条件として、原料ガスにCHF3、Heを用いて、エッチング対象となる表面の膜が無くなったと思われる時間から数十sec、例えば31sec間電圧を印加する。このとき、成膜装置に配置された基板と対向する側の電極を50Wとし、基板が配置される電極を450Wとする。
またプラズマCVD法を用いてサイドウォールを形成する場合のエッチング条件は以下の通りである。第1のエッチング条件として、原料ガスにCHF3、Heを用いて、数sec、例えば3secかけてプラズマをたてる。このとき、成膜装置に配置された基板と対向する側の電極を475Wとし、基板が配置される電極を300Wとする。第2のエッチング条件として、原料ガスにCHF3、Heを用いて、数十sec、例えば50sec間電圧を印加する。エッチング対象となる膜の高さが残り100nmとなるとき終了するように、エッチング時間を決定することができる。このとき、成膜装置に配置された基板と対向する側の電極を900Wとし、基板が配置される電極を150Wとする。第3のエッチング条件として、原料ガスにCHF3、Heを用いて、エッチング対象となる表面の膜が無くなったと思われる時間から数十sec、例えば30sec間電圧を印加する。このとき、成膜装置に配置された基板と対向する側の電極を50Wとし、基板が配置される電極を300Wとする。
以上のように形成されるサイドウォールの端部はテーパー形状を有さなくともよく、矩形状を有すると好ましい。サイドウォールの端部を矩形状に形成すると、次に添加される不純物濃度がサイドウォール下で濃度勾配を有することを防ぐことができるからである。
このサイドウォール2119a〜2119cを用いて、nチャネル型TFTの不純物領域に、高濃度不純物領域を形成2120a〜2120cする。すなわち、ゲート電極2109、及びサイドウォール2119a〜2119cをマスクとして自己整合的に高濃度不純物領域2120a〜2120cを形成する。このときpチャネル型のTFT上にはレジストマスク2121を形成する。本実施例では、ホスフィン(PH3)を15〜25keVでドーピングし、高濃度不純物領域、いわゆるソース領域及びドレイン領域を形成する。その後、レジストマスク2121をO2アッシングやレジスト剥離液により除去する。。
その後不純物領域を活性化するため加熱処理を行う。本実施例では、窒素雰囲気中で550℃に加熱する。
図20(A)に示すように、ゲート絶縁膜2108、ゲート電極2109を覆うように第1の絶縁膜2122を形成する。第1の絶縁膜は窒素を有する絶縁膜であればよく、本実施例では、プラズマCVD法により100nmの窒化珪素膜を形成する。
その後、加熱処理を行い、水素化を施す。本実施例では、窒素雰囲気中410℃で1時間の加熱処理を行う。その結果、窒化珪素膜から放出される水素により、酸化珪素膜や珪素膜のダングリングボンドを終端することができる。
そして、第1の絶縁膜2122を覆うように第2の絶縁膜2123を形成する。第2の絶縁膜2123は、無機材料(酸化珪素、窒化珪素、窒素を含む酸化珪素など)、感光性または非感光性の有機材料(ポリイミド、アクリル、ポリアミド、ポリイミドアミド、レジストまたはベンゾシクロブテン)を用いることができる。また有機材料として、ポジ型感光性有機樹脂又はネガ型感光性有機樹脂を用いることができる。例えば、有機材料としてポジ型の感光性アクリルを用いた場合、フォトリソフラフィ工程による露光処理により感光性有機樹脂をエッチングすると上端部に曲率を有する開口部を形成することができる。
また第2の絶縁膜2123として、シロキサンを用いた絶縁膜、及びそれらの積層構造を用いることができる。
シロキサンは、シリコン(Si)と酸素(O)との結合で骨格構造で構成される。置換基として、少なくとも水素を含む有機基(例えばアルキル基、芳香族炭化水素)が用いられる。置換基として、フルオロ基を用いてもよい。または置換基として、少なくとも水素を含む有機基と、フルオロ基とを用いてもよい。
本実施例では、第2の絶縁膜2123として、原料ガスにSiH4、N2Oを用いるプラズマCVD法により形成される窒化された酸化珪素膜を600nmの膜厚に形成する。このとき、基板の温度を300〜450℃に加熱し、本実施例では400℃に加熱する。
次に第2の絶縁膜2123を覆って導電性材料膜(キャップ膜)2200を形成する。本実施例では、スパッタ法によりチタン膜を100nm成膜した。導電性材料膜2200として、その他にもタンタル(Ta)、タングステン(W)といった高融点金属、または窒化チタン(TiN)、窒化タンタル(TaN)など、前記高融点金属の窒化物等を用いてもよい。
次いで、第6のマスクを用いて層間絶縁膜にコンタクトホールを形成する。このコンタクトホール形成はドライエッチング法にて行い、エッチングガスとして四フッ化炭素(CF4)、酸素(O2)、ヘリウム(He)をそれぞれ50sccm、50sccm、30sccmの流量で用いた。
図20(B)に示すように、ゲート絶縁膜2108、第1の絶縁膜2122、第2の絶縁膜2123に、コンタクトホールを介して不純物領域と接続する配線2125a〜2125eを形成する。同時にゲート電極と接続する配線を形成する。このとき、コンタクトホールの直径を1.0μm程度とするため、コンタクトホールは垂直に形成するとよい。そのため、意図的にレジスト端部がテーパー形状とならないように形成する。またレジストとコンタクトホールを形成する絶縁膜の選択比が高ければ、レジスト端部がテーパー形状となっても構わない。本実施例では、第2の絶縁膜2123に窒化された酸化珪素膜を用いるため、端部が垂直となるように、つまり意図的にテーパー形状とならないように形成されたレジストマスクを用いて、ドライエッチング法によりコンタクトホールを形成する。このとき、実際のレジスト端部はテーパー形状となることがある。エッチングガスにCHF3、Heを用い、第1のエッチング時間として数sec、例えば3sec、第2のエッチング時間として100〜130sec、例えば117sec、第3のエッチング時間として200〜270sec、例えば256secとしてエッチングを行う。このとき、コンタクトホールのエッチング状況に応じて、エッチングガスの流量を決定することができる。
なお第2の絶縁膜2123に、有機材料やシロキサンを用いて形成した絶縁膜を用いる場合、コンタクトホールの側面を垂直とするため、レジストマスクよりも高硬度を有するマスク、例えば酸化珪素膜等の無機材料から形成するハードマスクを用いるとよい。
その後、レジストマスクをO2アッシングやレジスト剥離液により除去する。
そしてコンタクトホールに配線2125a〜2125eを形成する。配線は、アルミニウム(Al)、チタン(Ti)、モリブデン(Mo)、タングステン(W)もしくはシリコン(Si)の元素からなる膜又はこれらの元素を用いた合金膜を用いればよい。本実施例では、チタン膜(Ti)、窒化チタン膜(TiN)、チタン−アルミニウム合金膜(Al−Si)、チタン膜(Ti)をそれぞれ60nm、40nm、300nm、100nmに積層したのち、所望の形状にパターニング及びエッチングして配線、つまりソース電極、ドレイン電極を形成する。
またこの配線2125a〜2125eを、ニッケル、コバルト、鉄のうち少なくとも1種の元素、及び炭素を含むアルミニウム合金膜で形成してもよい。このようなアルミニウム合金膜は、シリコンと接触してもシリコンとアルミニウムの相互拡散が防止できる。またこのようなアルミニウム合金膜は、透明導電膜、例えばITO(Indium Tin Oxide)膜と接触しても酸化還元反応が起こらないため、両者を直接接触させることができる。さらにこのようなアルミ合金膜は、比抵抗が低く耐熱性にも優れているので、配線材料としては有用である。
以上のようにして、低濃度不純物領域を有するように形成するLDD構造からなり、ゲート長が1.0μm以下となるnチャネル型の薄膜トランジスタを形成することができる。また、低濃度不純物領域を有さないように形成するいわゆるシングルドレイン構造からなり、ゲート長が1.0μm以下となるpチャネル型の薄膜トランジスタが完成する。なおゲート長が1.0μm以下となるTFTをサブミクロンTFTとも表記できる。pチャネル型の薄膜トランジスタは、ホットキャリアによる劣化や短チャネル効果が生じにくいことから、シングルドレイン構造とすることができる。
なお本発明において、pチャネル型の薄膜トランジスタをLDD構造としてもよい。さらにnチャネル型の薄膜トランジスタ、及びpチャネル型の薄膜トランジスタにおいて、LDD構造に代えて、低濃度不純物領域がゲート電極と重なる、いわゆるGOLD構造を有してもよい。
そして、以上のように形成された薄膜トランジスタを有する半導体装置、本実施例においてはCPUを作製することができ、駆動電圧5Vで、動作周波数30MHzと高速動作が可能となった。
更に本実施例のCPUの構成についてブロック図を用いて説明する。
図21に示すCPUは、基板2600上に、演算回路(ALU:Arithmetic logic unit)2601、演算回路用の制御部(ALU Controller)2602、命令解析部(Instruction Decoder)2603、割り込み制御部(Interrupt Controller)2604、タイミング制御部(Timing Controller)2605、レジスタ(Register)2606、レジスタ制御部(Register Controller)2607、バスインターフェース(Bus I/F)2608、書き換え可能なROM2609、ROMインターフェース(ROM I/F)2620とを主に有している。またROM2609及びROM I/F620は、別チップに設けても良い。
勿論、図21に示すCPUは、その構成を簡略化して示した一例にすぎず、実際のCPUはその用途によって多種多様な構成を有している。
バスインターフェース2608を介してCPUに入力された命令は、命令解析部2603に入力され、デコードされた後、演算回路用の制御部2602、割り込み制御部2604、レジスタ制御部2607、タイミング制御部2605に入力される。
演算回路用の制御部2602、割り込み制御部2604、レジスタ制御部2607、タイミング制御部2605は、デコードされた命令に基づき、各種制御を行う。具体的に演算回路用の制御部2602は、演算回路2601の動作を制御するための信号を生成する。また、割り込み制御部2604は、CPUのプログラム実行中に、外部の入出力装置や、周辺回路からの割り込み要求を、その優先度やマスク状態から判断し、処理する。レジスタ制御部2607は、レジスタ2606のアドレスを生成し、CPUの状態に応じてレジスタ2606の読み出しや書き込みを行う。
またタイミング制御部2605は、演算回路2601、演算回路用の制御部2602、命令解析部2603、割り込み制御部2604、レジスタ制御部2607の動作のタイミングを制御する信号を生成する。例えばタイミング制御部2605は、基準クロック信号CLK1(2621)を元に、内部クロック信号CLK2(2622)を生成する内部クロック生成部を備えており、クロック信号CLK2を上記各種回路に供給する。
本発明は実施例1に示されるように、微細な構造を持つ半導体素子のばらつきを抑制することができる。本実施例に示すCPU等微細な構造が必要とされる半導体装置に対しては、素子全体の信頼性が上がり半導体装置そのものの信頼性も上がる。従って本発明は有益である。
また、本実施例は、必要であれば実施の形態、実施例1〜6のいかなる記載とも自由に組み合わせることが可能である。
本実施例では、本発明をIDチップの作製方法に応用した例について説明する。なお本実施例では、半導体素子として絶縁分離されたTFTを例示するが、集積回路に用いられる半導体素子はこれに限定されず、あらゆる回路素子を用いることができる。例えば、TFTの他に、記憶素子、ダイオード、光電変換素子、抵抗素子、コイル、容量素子、インダクタなどが代表的に挙げられる。
なお、ここでIDチップというのは、物体の識別に利用される集積回路のことであり、IDチップ自身に識別するための情報が記録されている。IDチップは、電波や電磁波により管理システムや読み取り器と、情報を送信又は受信、或いはその両方をすることが可能である。IDチップの持つ情報により、IDチップを取り付けられた物の産地、賞味期限、流通経路等が分かるようになり、また医療薬品分野におうようした場合、医薬品や患者にIDチップを付けることによって、安全を管理したりすることができる。
まず図22(A)に示すように、スパッタ法を用いて耐熱性を有する基板(第1の基板)500上に剥離層501を形成する。第1の基板500として、例えばバリウムホウケイ酸ガラスや、アルミノホウケイ酸ガラスなどのガラス基板、石英基板、セラミック基板等を用いることができる。また、ステンレス基板を含む金属基板または半導体基板の表面に絶縁膜を形成したものを用いても良い。プラスチック等の可撓性を有する合成樹脂からなる基板は、一般的に上記基板と比較して耐熱温度が低い傾向にあるが、作製工程における処理温度に耐え得るのであれば用いることが可能である。
剥離層501は、非晶質シリコン、多結晶シリコン、単結晶シリコン、微結晶シリコン(セミアモルファスシリコンを含む)等、シリコンを主成分とする層を用いることができる。剥離層501は、スパッタ法、減圧CVD法、プラズマCVD法等を用いて形成することができる。本実施例では、膜厚50nm程度の非晶質シリコンを減圧CVD法で形成し、剥離層501として用いる。なお剥離層501はシリコンに限定されず、エッチングにより選択的に除去できる材料で形成すれば良い。剥離層501の膜厚は、50〜60nmとするのが望ましい。セミアモルファスシリコンに関しては、30〜50nmとしてもよい。
次に、剥離層501上に、下地膜502を形成する。下地膜502は第1の基板500中に含まれるNaなどのアルカリ金属やアルカリ土類金属が、半導体膜中に拡散し、TFTなどの半導体素子の特性に悪影響を及ぼすのを防ぐために設ける。また下地膜502は、後の半導体素子を剥離する工程において、半導体素子を保護する役目も有している。下地膜502は単層であっても複数の絶縁膜を積層したものであっても良い。よってアルカリ金属やアルカリ土類金属の半導体膜への拡散を抑えることができる酸化珪素や、窒化珪素、酸素を含む窒化珪素などの絶縁膜を用いて形成する。
本実施例では、膜厚100nmのSiON膜、膜厚50nmのSiNO膜、膜厚100nmのSiON膜を順に積層して下地膜502を形成するが、各膜の材質、膜厚、積層数は、これに限定されるものではない。例えば、下層のSiON膜に代えて、膜厚0.5〜3μmのシロキサン系樹脂をスピンコート法、スリットコーター法、液滴吐出法などによって形成しても良い。また、中層のSiNO膜に代えて、窒化珪素膜(SiNx、Si34等)を用いてもよい。また、上層のSiON膜に代えて、SiO2膜を用いていても良い。また、それぞれの膜厚は、0.05〜3μmとするのが望ましく、その範囲から自由に選択することができる。
或いは、剥離層501に最も近い、下地膜502の下層をSiON膜またはSiO2膜で形成し、中層をシロキサン系樹脂で形成し、上層をSiO2膜で形成しても良い。
ここで、酸化珪素膜は、SiH4とO2の混合ガス、又はTEOS(テトラエトキシシラン)とO2等の混合ガスを用い、熱CVD、プラズマCVD、常圧CVD、バイアスECRCVD等の方法によって形成することができる。また、窒化珪素膜は、代表的には、SiH4とNH3の混合ガスを用い、プラズマCVDによって形成することができる。また、窒素を含む酸化珪素膜(SiOxNy:x>y)、酸素を含む窒化珪素膜(SiNxOy:x>y)は、代表的には、SiH4とN2Oの混合ガスを用い、プラズマCVD法によって形成することができる。
次に、下地膜502上に半導体膜503を形成する。半導体膜503は、下地膜502を形成した後、大気に曝さずに形成することが望ましい。半導体膜の膜厚は20〜200nm(望ましくは40〜170nm、好ましくは50〜150nm)とする。なお半導体膜503は、非晶質半導体であっても良いし、セミアモルファス半導体であっても良いし、多結晶半導体であっても良い。また半導体は珪素だけではなくシリコンゲルマニウムも用いることができる。シリコンゲルマニウムを用いる場合、ゲルマニウムの濃度は0.01〜4.5atomic%程度であることが好ましい。
非晶質半導体は、珪化物気体をグロー放電分解することにより得ることができる。代表的な珪化物気体としては、SiH4、Si26が挙げられる。この珪化物気体を、水素、水素とヘリウムで希釈して用いても良い。
そして図22(A)に示すように、半導体膜503を、レーザを用いて結晶化する。或いは、触媒元素を用いる結晶化法と、レーザを用いたレーザ結晶化法とを組み合わせも良い。
レーザ結晶化の前に、レーザに対する半導体膜の耐性を高めるために、500℃、1時間の熱アニールを該半導体膜に対して行なうのが望ましい。そして連続発振が可能な固体レーザを用い、基本波の第2高調波〜第4高調波のレーザ光を照射することで、大粒径の結晶を得ることができる。例えば、代表的には、Nd:YVO4レーザ(基本波1064nm)の第2高調波(532nm)や第3高調波(355nm)を用いるのが望ましい。具体的には、連続発振のYVO4レーザから射出されたレーザ光を非線形光学素子により高調波に変換し、出力10Wのレーザ光を得る。そして、好ましくは光学系により照射面にて矩形状または楕円形状のレーザ光に成形して、半導体膜に照射する。このときのエネルギー密度は0.01〜100MW/cm2程度(好ましくは0.1〜10MW/cm2)が必要である。そして、走査速度を10〜2000cm/sec程度とし、照射する。
なおレーザは、公知の連続発振の気体レーザもしくは固体レーザを用いることができる。気体レーザとして、Arレーザ、Krレーザなどがあり、固体レーザとして、YAGレーザ、YVO4レーザ、YLFレーザ、YAlO3レーザ、Y23レーザ、ガラスレーザ、ルビーレーザ、アレキサンドライドレーザ、Ti:サファイアレーザなどが挙げられる。
また、パルス発振のレーザ光の発振周波数を10MHz以上とし、通常用いられている数十Hz〜数百Hzの周波数帯よりも著しく高い周波数帯を用いてレーザ結晶化を行なっても良い。パルス発振でレーザ光を半導体膜に照射してから半導体膜が完全に固化するまでの時間は数十nsec〜数百nsecと言われている。よって上記周波数帯を用いることで、半導体膜がレーザ光によって溶融してから固化するまでに、次のパルスのレーザ光を照射できる。したがって、半導体膜中において固液界面を連続的に移動させることができるので、走査方向に向かって連続的に成長した結晶粒を有する半導体膜が形成される。具体的には、含まれる結晶粒の走査方向における幅が10〜30μm、走査方向に対して垂直な方向における幅が1〜5μm程度の結晶粒の集合を形成することができる。該走査方向に沿って長く延びた単結晶の結晶粒を形成することで、少なくともTFTのチャネル方向には結晶粒界のほとんど存在しない半導体膜の形成が可能となる。
また、希ガスや窒素などの不活性ガス雰囲気中でレーザ光を照射するようにしても良い。これにより、レーザ光の照射により半導体表面の荒れを抑えることができ、界面準位密度のばらつきによって生じる閾値のばらつきを抑えることができる。
上述した半導体膜へのレーザ光の照射により、結晶性がより高められた半導体膜が形成される。該半導体膜は、ビームスポットの中心付近とエッジ近傍とで、結晶性の異なる第1の領域504と、第2の領域505とに作り分けられる。第1の領域504は、走査方向における幅が10〜30μm、走査方向に対して垂直な方向における幅が1〜5μm程度の結晶粒を含んでいる。一方第2の領域505は、位置と大きさがランダムであって、なおかつ粒径が0.2μm〜数μm程度の比較的小さい微結晶のみが形成されやすい。
次に、図22(B)に示すように、結晶化された半導体膜の第1の領域504と、第2の領域505とをパターニングし、第1の領域504から島状の半導体膜506、507を、第2の領域505から島状の半導体膜508を形成する。そして、島状の半導体膜506〜508を覆うように、ゲート絶縁膜509を形成する。ゲート絶縁膜509は、プラズマCVD法又はスパッタリング法などを用い、窒化珪素、酸化珪素、窒素を含む酸化珪素又は酸素を含む窒化珪素を含む膜を、単層で、又は積層させて形成することができる。積層する場合には、例えば、基板側から酸化珪素膜、窒化珪素膜、酸化珪素膜の3層構造とするのが好ましい。
なお、ゲート絶縁膜509を形成した後、3〜100%の水素を含む雰囲気中で、300〜450℃で1〜12時間の熱処理を行ない、島状の半導体膜506〜508を水素化する工程を行なっても良い。また、水素化の他の手段として、プラズマ水素化(プラズマにより励起された水素を用いる)を行っても良い。この水素化の工程により、熱的に励起された水素によりダングリングボンドを終端することができる。また、後の工程において可撓性を有する第2の基板上に半導体素子を貼り合わせた後、第2の基板を曲げることにより半導体膜中に欠陥が形成されたとしても、水素化により半導体膜中の水素の濃度を、1×1019〜1×1022atoms/cm3好ましくは1×1019〜5×1020atoms/cm3とすることで、半導体膜に含まれている水素によって該欠陥を終端させることができる。また該欠陥を終端させるために、半導体膜中にハロゲンを含ませておいても良い。
次に図22(C)に示すように、ゲート電極510〜512を形成する。本実施例では、SiとWをスパッタ法で積層するように形成した後、レジスト513をマスクとしてエッチングを行なうことにより、ゲート電極510〜512を形成した。勿論、ゲート電極510〜512の材料、構造、作製方法は、これに限定されるものではなく、適宜選択することができる。例えば、n型を付与する不純物がドーピングされたSi(シリコン)とNiSi(ニッケルシリサイド)との積層構造や、TaN(窒化タンタル)とW(タングステン)の積層構造としてもよい。また、種々の導電材料を用いて単層で形成しても良い。
また、レジストマスクの代わりに、SiOx等のマスクを用いてもよい。この場合、パターニングしてSiOx、SiON等のマスク(ハードマスクと呼ばれる。)を形成する工程が加わるが、エッチング時におけるマスクの膜減りがレジストマスクよりも少ないため、所望の幅のゲート電極510〜512を形成することができる。また、レジスト513を用いずに、液滴吐出法を用いて選択的にゲート電極510〜512を形成しても良い。
導電材料としては、導電膜の機能に応じて種々の材料を選択することができる。また、ゲート電極とアンテナとを同時に形成する場合には、それらの機能を考慮して材料を選択すればよい。
なお、ゲート電極をエッチング形成する際のエッチングガスとしては、CF4、Cl2、O2の混合ガスやCl2ガスを用いたが、エッチングガスはこれに限定されるものではない。
次に図22(D)に示すように、pチャネル型TFTとなる島状の半導体膜507をレジスト515で覆い、ゲート電極510、512をマスクとして、島状の半導体膜506、508に、n型を付与する不純物元素(代表的にはP(リン)又はAs(砒素))を低濃度にドープする(第1のドーピング工程)。第1のドーピング工程の条件は、ドーズ量:1×1013〜6×1013/cm2、加速電圧:50〜70keVとしたが、ドーピング工程の条件はこれに限定されるものではない。この第1のドーピング工程によって、ゲート絶縁膜509を介してドーピングがなされ、島状の半導体膜506、508に、一対の低濃度不純物領域516、517が形成される。なお、第1のドーピング工程は、pチャネル型TFTとなる島状の半導体膜507をレジストで覆わずに行っても良い。
次に図22(E)に示すように、レジスト515をアッシング等により除去した後、nチャネル型TFTとなる島状の半導体膜506、508を覆うように、レジスト518を新たに形成し、ゲート電極511をマスクとして、島状の半導体膜507に、p型を付与する不純物元素(代表的にはB(ホウ素))を高濃度にドープする(第2のドーピング工程)。第2のドーピング工程の条件は、ドーズ量:1×1016〜3×1016/cm2、加速電圧:20〜40keVとして行なう。この第2のドーピング工程によって、ゲート絶縁膜509を介してドーピングがなされ、島状の半導体膜507に、一対のp型の高濃度不純物領域520が形成される。
次に図23(A)に示すように、レジスト518をアッシング等により除去した後、ゲート絶縁膜509及びゲート電極510〜512を覆うように、絶縁膜521を形成する。本実施例では、膜厚100nmのSiO2膜をプラズマCVD法によって形成した。その後、エッチバック法により、絶縁膜521、ゲート絶縁膜509を部分的にエッチングし、図23(B)に示すように、ゲート電極510〜511の側壁に接するように、サイドウォール522〜524を自己整合的(セルフアライン)に形成する。エッチングガスとしては、CHF3とHeの混合ガスを用いた。なお、サイドウォールを形成する工程は、これらに限定されるものではない。
なお、絶縁膜521を形成した時に、基板の裏面にも絶縁膜が形成された場合には、レジストを用い、裏面に形成された絶縁膜を選択的にエッチングし、除去するようにしても良い。この場合、用いられるレジストは、サイドウォールをエッチバック法で形成する際に、絶縁膜521、ゲート絶縁膜509と共にエッチングして、除去するようにしても良い。
次に図23(C)に示すように、pチャネル型TFTとなる島状の半導体膜507を覆うように、レジスト526を新たに形成し、ゲート電極510、512及びサイドウォール522、524をマスクとして、n型を付与する不純物元素(代表的にはリン(P)又はヒ素(As))を高濃度にドープする(第3のドーピング工程)。第3のドーピング工程の条件は、ドーズ量:1×1013〜5×1015/cm2、加速電圧:60〜100keVとして行なう。この第3のドーピング工程によって、ゲート絶縁膜509を介してドーピングがなされ、島状の半導体膜506、508に、一対のn型の高濃度不純物領域527、528が形成される。
なおサイドウォール522、524は、後に高濃度のn型を付与する不純物をドーピングし、サイドウォール522、524の下部に低濃度不純物領域又はノンドープのオフセット領域を形成する際のマスクとして機能するものである。よって、低濃度不純物領域又はオフセット領域の幅を制御するには、サイドウォールを形成する際の成膜条件及びエッチバック法の条件を適宜変更し、サイドウォールのサイズを調整すればよい。
次に、レジスト526をアッシング等により除去した後、不純物領域の熱活性化を行っても良い。例えば、50nmのSiON膜を成膜した後、550℃、4時間、窒素雰囲気下において、加熱処理を行なえばよい。また、水素を含むSiNx膜を、100nmの膜厚に形成した後、410℃、1時間、窒素雰囲気下において、加熱処理を行なうことにより、多結晶半導体膜の欠陥を改善することができる。これは、例えば、多結晶半導体膜中に存在するダングリングボンドを終端させるものであり、水素化処理工程などと呼ばれる。
上述した一連の工程により、nチャネル型TFT530、pチャネル型TFT531、nチャネル型TFT532が形成される。上記作製工程において、エッチバック法の条件を適宜変更し、サイドウォールのサイズを調整することで、チャネル長0.2μm〜2μmのTFTを形成することができる。なお、本実施例では、TFT530〜532をトップゲート構造としたが、ボトムゲート構造(逆スタガ構造)としてもよい。
さらに、この後、TFT530〜532を保護するためのパッシベーション膜を形成しても良い。パッシベーション膜は、アルカリ金属やアルカリ土類金属のTFT530〜532への侵入を防ぐことができる、窒化珪素、酸素を含む窒化珪素、窒化アルミニウム、酸化アルミニウム、酸化珪素などを用いるのが望ましい。具体的には、例えば膜厚600nm程度のSiON膜を、パッシベーション膜として用いることができる。この場合、水素化処理工程は、該SiON膜形成後に行っても良い。このように、TFT530〜532上には、SiON\SiNx\SiONの3層の絶縁膜が形成されることになるが、その構造や材料はこれらに限定されるものではない。上記構成を用いることで、TFT530〜532が下地膜502とパッシベーション膜とで覆われるため、Naなどのアルカリ金属やアルカリ土類金属が、半導体素子に用いられている半導体膜中に拡散し、半導体素子の特性に悪影響を及ぼすのをより防ぐことができる。
次に図24(A)に示すように、TFT530〜532を覆うように、第1の層間絶縁膜533を形成する。第1の層間絶縁膜533は、ポリイミド、アクリル、ポリアミド等の、耐熱性を有する有機樹脂を用いることができる。また上記有機樹脂の他に、低誘電率材料(low−k材料)、Si−O−Si結合を含む樹脂(以下、シロキサン系樹脂と呼ぶ)等を用いることができる。シロキサン系樹脂は、置換基に少なくとも水素を含む有機基(例えばアルキル基、または芳香族炭化水素)、フルオロ基、又は少なくとも水素を含む有機基とフルオロ基有していても良い。第1の層間絶縁膜533の形成には、その材料に応じて、スピンコート、ディップ、スプレー塗布、液滴吐出法(インクジェット法、スクリーン印刷法、オフセット印刷等法)、ドクターナイフ、ロールコーター、カーテンコーター、ナイフコーター等を採用することができる。また、無機材料を用いてもよく、その際には、酸化珪素、窒化珪素、酸素を含む窒化珪素、窒素を含む酸化珪素、PSG(リンガラス)、BPSG(リンボロンガラス)、アルミナ膜等を用いることができる。なお、これらの絶縁膜を積層させて、第1の層間絶縁膜533を形成しても良い。
さらに本実施例では、第1の層間絶縁膜533上に、第2の層間絶縁膜534を形成する。第2の層間絶縁膜534としては、DLC(ダイヤモンドライクカーボン)或いは窒化炭素(CN)等の炭素を有する膜、又は、酸化珪素膜、窒化珪素膜或いは酸素を含む窒化珪素膜等を用いることができる。形成方法としては、プラズマCVD法や、大気圧プラズマ法等を用いることができる。あるいは、ポリイミド、アクリル、ポリアミド、レジスト又はベンゾシクロブテン等の感光性又は非感光性の有機材料や、シロキサン系樹脂等を用いてもよい。
なお、第1の層間絶縁膜533又は第2の層間絶縁膜534と、後に形成される配線を構成する導電材料等との熱膨張率の差から生じる応力によって、第1の層間絶縁膜533又は第2の層間絶縁膜534の膜剥がれや割れが生じるのを防ぐために、第1の層間絶縁膜533又は第2の層間絶縁膜534中にフィラーを混入させておいても良い。
次に第2の層間絶縁膜534上に第1の導電性材料膜560を形成する。第1の導電性材料膜560としてはチタン(Ti)、タンタル(Ta)、タングステン(W)といった高融点金属、またはそれらの窒化物などを用いればよい。導電性材料膜560を形成することで、後のドライエッチングによるコンタクトホール形成の際に、チャージアップダメージを抑制することができる。
次に図24(A)に示すように、第1の層間絶縁膜533、第2の層間絶縁膜534、ゲート絶縁膜509及び導電性材料膜560にドライエッチングによりコンタクトホールを形成する。そしてコンタクトホールを介してTFT530〜532に接続する配線535〜539を形成する。コンタクトホール形成時のエッチングに用いられるガスは、四フッ化炭素(CF4)、酸素(O2)、ヘリウム(He)の混合ガスを用いたが、CHF3とHeの混合ガスを用いてもよい。さらにエッチングガスはこれらのガスに限定されるものでもない。本実施例では、配線535〜539を、Ti、TiN、Al−Si、Ti、TiNを積層した5層構造の積層膜とし、スパッタ法によって形成した後、パターニング形成した。
なお、Alにおいて、Siを混入させることにより、配線パターニング時のレジストベークにおけるヒロックの発生を防止することができる。また、Siの代わりに、0.5%程度のCuを混入させても良い。また、TiやTiNでAl−Si層をサンドイッチすることにより、耐ヒロック性がさらに向上する。なお、パターニング時には、SiON等からなる上記ハードマスクを用いるのが望ましい。なお、配線の材料や、形成方法はこれらに限定されるものではなく、前述したゲート電極に用いられる材料を採用しても良い。
なお、配線535、536はnチャネル型TFT530の高濃度不純物領域527に、配線536、537はpチャネル型TFT531の高濃度不純物領域520に、配線538、539はnチャネル型TFT532の高濃度不純物領域528に、それぞれ接続されている。さらに配線539は、nチャネル型TFT532のゲート電極512にも接続されている。nチャネル型TFT532は、乱数ROMのメモリ素子として用いることができる。
次に図24(B)に示すように、配線535〜539を覆うように、第2の層間絶縁膜534上に第3の層間絶縁膜541を形成する。第3の層間絶縁膜541は、配線535が一部露出する様な位置にコンタクトホールを有するように形成する。なお第3の層間絶縁膜541は、第1の層間絶縁膜533と同様の材料を用いて形成することが可能である。
次に第3の層間絶縁膜541上に第2の導電性材料膜570を成膜する。第2の導電性材料膜570は第1の導電性材料膜560と同じ材料を用いてもよい。第2の導電性材料膜570を形成後、第3の層間絶縁膜541にドライエッチングにより配線535に達するコンタクトホールを形成する。
次に、第2の導電性材料膜570上に第3の導電性材料膜を形成し、パターニングしてアンテナ542を形成する。アンテナ542は、Ag、Au、Cu、Pd、Cr、Mo、Ti、Ta、W、Al、Fe、Co、Zn、Sn、Niなどの金属、金属化合物を1つまたは複数有する導電性材料を用いることができる。このとき第2の導電性材料膜570もパターニングして、アンテナ542の一部としてもよい。また第2の導電性材料膜570をウェットエッチングにより除去し、第3の導電材料膜のみでアンテナ542を形成してもよい。
アンテナ542は、配線535と接続されている。なお図24(C)では、アンテナ542が配線535と直接接続されているが、本発明のIDチップはこの構成に限定されない。例えば別途形成した配線を用いて、アンテナ542と配線535とを電気的に接続するようにしても良い。
アンテナ542は印刷法、フォトリソグラフィ法、蒸着法または液滴吐出法などを用いて形成することができる。本実施例では、アンテナ542が単層の導電膜で形成されているが、複数の導電膜が積層されたアンテナ542を形成することも可能である。例えば、Niなどで形成した配線に、Cuを無電解めっきでコーティングして、アンテナ542を形成しても良い。
なお液滴吐出法とは、所定の組成物を含む液滴を細孔から吐出して所定のパターンを形成する方法を意味し、インクジェット法などがその範疇に含まれる。また印刷法にはスクリーン印刷法、オフセット印刷法などが含まれる。印刷法、液滴吐出法を用いることで、露光用のマスクを用いずとも、アンテナ542を形成することが可能になる。また、液滴吐出法、印刷法だと、フォトリソグラフィ法と異なり、エッチングにより除去されてしまうような材料の無駄がない。また高価な露光用のマスクを用いなくとも良いので、IDチップの作製に費やされるコストを抑えることができる。
液滴吐出法または各種印刷法を用いる場合、例えば、CuをAgでコートした導電粒子なども用いることが可能である。なお液滴吐出法を用いてアンテナ542を形成する場合、該アンテナ542の密着性が高まるような処理を、第3の層間絶縁膜541の表面に施すことが望ましい。
密着性を高めることができる方法として、具体的には、例えば触媒作用により導電膜または絶縁膜の密着性を高めることができる金属または金属化合物を第3の層間絶縁膜541の表面に付着させる方法、形成される導電膜または絶縁膜との密着性が高い有機系の絶縁膜、金属、金属化合物を第3の層間絶縁膜541の表面に付着させる方法、第3の層間絶縁膜541の表面に大気圧下または減圧下においてプラズマ処理を施し、表面改質を行なう方法などが挙げられる。また、上記導電膜または絶縁膜との密着性が高い金属として、チタン、チタン酸化物の他、3d遷移元素であるSc、Ti、V、Cr、Mn、Fe、Co、Ni、Cu、Znなどが挙げられる。また金属化合物として、上述した金属の酸化物、窒化物、酸窒化物などが挙げられる。上記有機系の絶縁膜として、例えばポリイミド、シロキサン系樹脂等が挙げられる。
第3の層間絶縁膜541に付着させる金属または金属化合物が導電性を有する場合、アンテナ542の正常な動作が妨げられないように、そのシート抵抗を制御する。具体的には、導電性を有する金属または金属化合物の平均の厚さを、例えば1〜10nmとなるように制御したり、該金属または金属化合物を酸化により部分的に、または全体的に絶縁化したりすれば良い。或いは、密着性を高めたい領域以外は、付着した金属または金属化合物をエッチングにより選択的に除去しても良い。また金属または金属化合物を、予め基板の全面に付着させるのではなく、液滴吐出法、印刷法、ゾル−ゲル法などを用いて特定の領域にのみ選択的に付着させても良い。なお金属または金属化合物は、第3の層間絶縁膜541の表面において完全に連続した膜状である必要はなく、ある程度分散した状態であっても良い。
そして図25(A)に示すように、アンテナ542を形成した後、アンテナ542を覆うように、第3の層間絶縁膜541上に保護層545を形成する。保護層545は、後に剥離層501をエッチングにより除去する際に、アンテナ542を保護することができる材料を用いる。例えば、水またはアルコール類に可溶なエポキシ系、アクリレート系、シリコン系の樹脂を全面に塗布することで保護層545を形成することができる。
本実施例では、スピンコート法で水溶性樹脂(東亜合成製:VL−WSHL10)を膜厚30μmとなるように塗布し、仮硬化させるために2分間の露光を行ったあと、UV光を裏面から2.5分、表面から10分、合計12.5分の露光を行って本硬化させて、保護層545を形成する。なお、複数の有機樹脂を積層する場合、有機樹脂同士では使用している溶媒によって塗布または焼成時に一部溶解したり、密着性が高くなりすぎたりする恐れがある。従って、第3の層間絶縁膜541と保護層545を共に同じ溶媒に可溶な有機樹脂を用いる場合、後の工程において保護層545の除去がスムーズに行なわれるように、第3の層間絶縁膜541を覆うように、無機絶縁膜(SiNX膜、SiNXY膜、AlNX膜、またはAlNXY膜)を形成しておくことが好ましい。
次に図25(B)に示すように、IDチップどうしを分離するために溝546を形成する。溝546は、剥離層501が露出する程度であれば良い。溝546の形成は、ダイシング、スクライビングなどを用いることができる。なお、第1の基板500上に形成されているIDチップを分離する必要がない場合、必ずしも溝546を形成する必要はない。
次に図25(C)に示すように、剥離層501をエッチングにより除去する。本実施例では、エッチングガスとしてハロゲン化フッ素を用い、該ガスを溝546から導入する。本実施例では、例えばClF3(三フッ化塩素)を用い、温度:350℃、流量:300sccm、気圧:800Pa、時間:3hの条件で行なう。また、ClF3ガスに窒素を混ぜたガスを用いても良い。ClF3等のフッ化ハロゲンを用いることで、剥離層501が選択的にエッチングされ、第1の基板500をTFT530〜532から剥離することができる。なおフッ化ハロゲンは、気体であっても液体であってもどちらでも良い。
次に図26(A)に示すように、剥離されたTFT530〜532及びアンテナ542を、接着剤550を用いて第2の基板551に貼り合わせる。接着剤550は、第2の基板551と下地膜502とを貼り合わせることができる材料を用いる。接着剤550は、例えば反応硬化型接着剤、熱硬化型接着剤、紫外線硬化型接着剤等の光硬化型接着剤、嫌気型接着剤などの各種硬化型接着剤を用いることができる。
第2の基板551として、フレキシブルな紙またはプラスチックなどの有機材料を用いることができる。または第2の基板551として、フレキシブル無機材料を用いていても良い。プラスチック基板は、極性基のついたポリノルボルネンからなるARTON(JSR製)を用いることができる。また、ポリエチレンテレフタレート(PET)に代表されるポリエステル、ポリエーテルスルホン(PES)、ポリエチレンナフタレート(PEN)、ポリカーボネート(PC)、ナイロン、ポリエーテルエーテルケトン(PEEK)、ポリスルホン(PSF)、ポリエーテルイミド(PEI)、ポリアリレート(PAR)、ポリブチレンテレフタレート(PBT)、ポリイミド、アクリロニトリルブタジエンスチレン樹脂、ポリ塩化ビニル、ポリプロピレン、ポリ酢酸ビニル、アクリル樹脂などからなるプラスチック基板が挙げられる。第2の基板551は集積回路において発生した熱を拡散させるために、2〜30W/mK程度の高い熱伝導率を有する方が望ましい。
次に図26(B)に示すように、保護層545を除去した後、アンテナ542を覆うように接着剤552を第3の層間絶縁膜541上に塗布し、カバー材553を貼り合わせる。カバー材553は第2の基板551と同様に、フレキシブルな紙またはプラスチックなどの有機材料を用いることができる。接着剤552の厚さは、例えば10〜200μmとすれば良い。
また接着剤552は、カバー材553と第3の層間絶縁膜541及びアンテナ542とを貼り合わせることができる材料を用いる。接着剤552は、例えば反応硬化型接着剤、熱硬化型接着剤、紫外線硬化型接着剤等の光硬化型接着剤、嫌気型接着剤などの各種硬化型接着剤を用いることができる。
上述した各工程を経て、IDチップが完成する。上記作製方法によって、トータルの膜厚0.3μm以上3μm以下、代表的には2μm程度の飛躍的に薄い集積回路を第2の基板551とカバー材553との間に形成することができる。なお集積回路の厚さは、半導体素子自体の厚さのみならず、接着剤550と接着剤552間に形成された各種絶縁膜及び層間絶縁膜の厚さを含めるものとする。またIDチップが有する集積回路の占める面積を、5mm平方(25mm2)以下、より望ましくは0.3mm平方(0.09mm2)〜4mm平方(16mm2)程度とすることができる。
なお図26(B)では、カバー材553を用いる例を示しているが、本発明はこの構成に限定されない。例えば図26(A)に示した工程までで終了としても良い。
なお本実施例では、耐熱性の高い第1の基板500と集積回路の間に剥離層を設け、エッチングにより該剥離層を除去することで基板と集積回路とを剥離する方法について示したが、本発明のIDチップの作製方法は、この構成に限定されない。例えば、耐熱性の高い基板と集積回路の間に金属酸化膜を設け、該金属酸化膜を結晶化により脆弱化して集積回路を剥離しても良い。或いは、耐熱性の高い基板と集積回路の間に、水素を含む非晶質半導体膜を用いた剥離層を設け、レーザ光の照射により該剥離層を除去することで基板と集積回路とを剥離しても良い。或いは、集積回路が形成された耐熱性の高い基板を機械的に削除または溶液やガスによるエッチングで除去することで集積回路を基板から切り離しても良い。
またIDチップの可撓性を確保するために、下地膜502に接する接着剤550に有機樹脂を用いる場合、下地膜502として窒化珪素膜または酸素を含む窒化珪素膜を用いることで、有機樹脂からNaなどのアルカリ金属やアルカリ土類金属が半導体膜中に拡散するのを防ぐことができる。
また対象物の表面が曲面を有しており、それにより該曲面貼り合わされたIDチップの第2の基板551が、錐面、柱面など母線の移動によって描かれる曲面を有するように曲がってしまう場合、該母線の方向とTFT530〜532のキャリアが移動する方向とを揃えておくことが望ましい。上記構成により、第2の基板551が曲がっても、それによってTFT530〜532の特性に影響が出るのを抑えることができる。また、島状の半導体膜が集積回路内において占める面積の割合を、1〜30%とすることで、第2の基板551が曲がっても、それによってTFT530〜532の特性に影響が出るのをより抑えることができる。
なお本実施例では、アンテナを集積回路と同じ基板上に形成している例について説明したが、本発明はこの構成に限定されない。別の基板上に形成したアンテナと集積回路とを、後に貼り合わせることで、電気的に接続するようにしても良い。
なお一般的にIDチップで用いられている電波の周波数は、13.56MHz、2.45GHzが多く、該周波数の電波を検波できるようにIDチップを形成することが、汎用性を高める上で非常に重要である。
また本実施例のIDチップでは、半導体基板を用いて形成されたIDチップよりも電波が遮蔽されにくく、電波の遮蔽により信号が減衰するのを防ぐことができるというメリットを有している。よって、半導体基板を用いずに済むので、IDチップのコストを大幅に低くすることができる。例えば、直径12インチのシリコン基板を用いた場合と、730×920mm2のガラス基板を用いた場合とを比較する。前者のシリコン基板の面積は約73000mm2であるが、後者のガラス基板の面積は約672000mm2であり、ガラス基板はシリコン基板の約9.2倍に相当する。後者のガラス基板の面積は約672000mm2では、基板の分断により消費される面積を無視すると、1mm四方のIDチップが約672000個形成できる計算になり、該個数はシリコン基板の約9.2倍の数に相当する。そしてIDチップの量産化を行なうための設備投資は、730×920mm2のガラス基板を用いた場合の方が直径12インチのシリコン基板を用いた場合よりも工程数が少なくて済むため、額を3分の1で済ませることができる。さらに本発明では、集積回路を剥離した後、ガラス基板を再び利用できる。よって、破損したガラス基板を補填したり、ガラス基板の表面を清浄化したりする費用を踏まえても、シリコン基板を用いる場合より大幅にコストを抑えることができる。またガラス基板を再利用せずに廃棄していったとしても、730×920mm2のガラス基板の値段は、直径12インチのシリコン基板の半分程度で済むので、IDチップのコストを大幅に低くすることができることがわかる。
従って、730×920mm2のガラス基板を用いた場合、直径12インチのシリコン基板を用いた場合よりも、IDチップの値段を約30分の1程度に抑えることができることがわかる。IDチップは、使い捨てを前提とした用途も期待されているので、コストを大幅に低くすることができる本発明のIDチップは上記用途に非常に有用である。
なお本実施例では、集積回路を剥離して、可撓性を有する基板に貼り合わせる例について説明したが、本発明はこの構成に限定されない。例えばガラス基板のように、集積回路の作製工程における熱処理に耐えうるような、耐熱温度を有している基板を用いる場合、必ずしも集積回路を剥離する必要はない。
また、本実施例は、必要であれば実施の形態、実施例1〜7のいかなる記載とも自由に組み合わせることが可能である。
本発明が適用される電気機器として、ビデオカメラ、デジタルカメラ等のカメラ、ゴーグル型ディスプレイ(ヘッドマウントディスプレイ)、ナビゲーションシステム、音響再生装置(カーオーディオコンポ等)、コンピュータ、ゲーム機器、携帯情報端末(モバイルコンピュータ、携帯電話、携帯型ゲーム機または電子書籍等)、記録媒体を備えた画像再生装置(具体的にはDigital Versatile Disc(DVD)等の記録媒体を再生し、その画像を表示しうるディスプレイを備えた装置)などが挙げられる。それらの電気機器の具体例を図27(A)〜図28(D)に示す。
図27(A)は発光表示装置でありテレビ受像器などがこれに当たる。筐体3001、表示部3003、スピーカー部3004等を含む。本発明は、表示部3003及び制御用回路部等に適用することができる。画素部にはコントランスを高めるため、偏光板、または円偏光板を備えるとよい。例えば、封止基板へ1/4λ板、1/2λ板、偏光板の順にフィルムを設けるとよい。さらに偏光板上に反射防止膜を設けてもよい。本発明を使用することにより、信頼性が向上し、表示の品質も向上する。また実施例8で作製したIDチップを搭載すると、作製場所や流通経路等を明確にすることができる。
図27(B)は液晶ディスプレイもしくはOLEDディスプレイであり、筐体3101、支持台3102、表示部3103などによって構成されている。本発明は表示部3103及び制御用回路部等に適用が可能である。本発明を使用することにより、信頼性が向上し、表示の品質も向上する。また実施例8で作製したIDチップを搭載すると、作製場所や流通経路等を明確にすることができる。
図27(C)は携帯電話であり、本体3201、筐体3202、表示部3203、音声入力部3204、音声出力部3205、操作キー3206、アンテナ3208等を含む。本発明は表示部3203及び制御用回路部等に適用することができる。本発明を使用することにより、信頼性が向上し、表示の品質も向上する。また実施例8で作製したIDチップを搭載すると、作製場所や流通経路等を明確にすることができる。
図27(D)はコンピュータであり、本体3301、筐体3302、表示部3303、キーボード3304、外部接続ポート3305、ポインティングマウス3306等を含む。本発明は、表示部3303及び制御用回路部等に適用することができる。本発明を使用することにより、信頼性が向上し、表示の品質も向上する。また実施例8で作製したIDチップを搭載すると、作製場所や流通経路等を明確にすることができる。
図28(A)は携帯可能なコンピュータであり、本体4001、表示部4002、スイッチ4003、操作キー4004、赤外線ポート4005等を含む。本発明は、表示部4002及び制御用回路部等に適用することができる。本発明を使用することにより、信頼性が向上し、表示の品質も向上する。また実施例8で作製したIDチップを搭載すると、作製場所や流通経路等を明確にすることができる。
図28(B)は携帯型のゲーム機であり、筐体4101、表示部4102、スピーカー部4103、操作キー4104、記録媒体挿入部4105等を含む。本発明は表示部4102及び制御用回路部等に適用することができる。本発明を使用することにより、信頼性が向上し、表示の品質も向上する。また実施例8で作製したIDチップを搭載すると、作製場所や流通経路等を明確にすることができる。
図28(C)は記録媒体を備えた携帯型の画像再生装置(具体的にはDVD再生装置)であり、本体4201、筐体4202、表示部A4203、表示部B4204、記録媒体(DVD等)読込部4205、操作キー4206、スピーカー部4207等を含む。表示部A4203は主として画像情報を表示し、表示部B4204は主として文字情報を表示する。本発明は表示部A4203、表示部B4204及び制御用回路部等に適用することができる。なお、記録媒体を備えた画像再生装置には家庭用ゲーム機器なども含まれる。本発明を使用することにより、信頼性が向上し、表示の品質も向上する。また実施例8で作製したIDチップを搭載すると、作製場所や流通経路等を明確にすることができる。
図28(D)は、ワイヤレスでディスプレイのみを持ち運び可能なTVである。筐体4302にはバッテリー及び信号受信器が内蔵されており、そのバッテリーで表示部4303やスピーカ部4307を駆動させる。バッテリーは充電器4300で繰り返し充電が可能となっている。また、充電器4300は映像信号を送受信することが可能で、その映像信号をディスプレイの信号受信器に送信することでができる。筐体4302は操作キー4306によって制御する。また、図28(D)に示す装置は、操作キー4306を操作することによって、筐体4302から充電器4300に信号を送ることも可能であるため映像音声双方向通信装置とも言える。また、操作キー4306を操作することによって、筐体4302から充電器4300に信号を送り、さらに充電器4300が送信できる信号を他の電気機器に受信させることによって、他の電気機器の通信制御も可能であり、汎用遠隔制御装置とも言える。本発明は表示部4303及び制御用回路部等に適用することができる。本発明を使用することにより、信頼性が向上し、表示の品質も向上する。また実施例8で作製したIDチップを搭載すると、作製場所や流通経路等を明確にすることができる。
これらの電気機器に使われる表示装置は、大きさや強度、または使用目的に応じて、ガラス基板だけでなく耐熱性のプラスチック基板を用いることも可能である。それによってよりいっそうの軽量化を図ることができる。
なお、本実施例に示した例はごく一例であり、本発明が適用される電気機器はこれらの用途に限定されるものではないことを付記する。
また本実施例は、実施の形態及び実施例1〜実施例8のいかなる記載とも自由に組み合せて実施することが可能である。
本発明により、絶縁膜にコンタクトホール形成の際のエッチングによるダメージを防止することができる。また絶縁膜と電極材料である導電膜との密着性を向上させることができる。それにより半導体装置の信頼性や品質を向上させることができる。
本発明の半導体装置の作製工程を示す断面図。 本発明の半導体装置の作製工程を示す断面図。 本発明の半導体装置の作製工程を示す断面図。 本発明のTFTのトランジスタ特性を示す図。 従来技術のTFTのトランジスタ特性を示す図。 本発明のTFTのトランジスタ特性を示す図。 従来技術のTFTのトランジスタ特性を示す図。 本発明のTFTのトランジスタ特性を示す図。 本発明の液晶表示装置の作製工程を示す断面図。 本発明の液晶表示装置の上面図。 本発明の液晶滴下方法を用いた液晶表示装置の作製工程を示す断面図及び斜視図。 本発明の液晶滴下方法を用いた液晶表示装置の作製工程を示す上面図。 本発明の液晶滴下方法を用いた液晶表示装置の作製工程を示す図。 本発明の液晶表示装置の上面図。 本発明の液晶表示装置の断面図。 本発明のEL表示装置の断面図。 本発明のCPU作製工程を示す断面図。 本発明のCPU作製工程を示す断面図。 本発明のCPU作製工程を示す断面図。 本発明のCPU作製工程を示す断面図。 本発明のCPUの上面図。 本発明のIDチップの作製工程を示す断面図。 本発明のIDチップの作製工程を示す断面図。 本発明のIDチップの作製工程を示す断面図。 本発明のIDチップの作製工程を示す断面図。 本発明のIDチップの作製工程を示す断面図。 本発明が適用される電気機器の例を示す図。 本発明が適用される電気機器の例を示す図。 従来ののTFTのトランジスタ特性を示す図。 本発明のEL表示装置の作製工程を示す断面図。 本発明の上方出射型EL表示装置の作製工程を示す断面図。 本発明の上方出射型EL表示装置の作製工程を示す断面図。 本発明の上方出射型EL表示装置の作製工程を示す断面図。 本発明の反射型液晶表示装置の作製工程を示す断面図。
符号の説明
101 基板
102 下地膜
103 半導体層
104 ゲート絶縁膜
105 ゲート電極
105a 窒化タンタル
105b タングステン
106 第1層間絶縁膜
107 電極又は配線
108 電極又は配線
109 第2層間絶縁膜
110 導電性材料膜
111 レジスト
112 配線
120 チャネル形成領域
121 低濃度不純物領域
122 高濃度不純物領域
130 導電性材料膜

Claims (4)

  1. 薄膜トランジスタ上に層間絶縁膜を形成し、
    前記層間絶縁膜上に導電膜を形成し、
    前記層間絶縁膜及び前記導電膜にドライエッチングによりコンタクトホールを形成し、
    前記導電膜上に導電粒子を含む液滴を吐出することによって、前記コンタクトホールを介して前記薄膜トランジスタに電気的に接続されるアンテナを形成し、
    前記導電膜を酸化させることによって部分的に絶縁化することを特徴とする半導体装置の作製方法。
  2. 請求項において、
    前記導電粒子は、CuをAgでコートした粒子であることを特徴とする半導体装置の作製方法。
  3. 請求項1又は請求項2において、
    前記層間絶縁膜は、ポリイミド、又はシロキサン系樹脂を用いて形成されることを特徴とする半導体装置の作製方法。
  4. 請求項1乃至請求項のいずれか一において、
    前記導電膜は、Ti、又はTiの窒化物を用いて形成されることを特徴とする半導体装置の作製方法。
JP2005124371A 2004-05-07 2005-04-22 半導体装置の作製方法 Expired - Fee Related JP5025095B2 (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2005124371A JP5025095B2 (ja) 2004-05-07 2005-04-22 半導体装置の作製方法

Applications Claiming Priority (5)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2004139148 2004-05-07
JP2004139148 2004-05-07
JP2004205413 2004-07-13
JP2004205413 2004-07-13
JP2005124371A JP5025095B2 (ja) 2004-05-07 2005-04-22 半導体装置の作製方法

Publications (3)

Publication Number Publication Date
JP2006054425A JP2006054425A (ja) 2006-02-23
JP2006054425A5 JP2006054425A5 (ja) 2008-05-08
JP5025095B2 true JP5025095B2 (ja) 2012-09-12

Family

ID=36031666

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2005124371A Expired - Fee Related JP5025095B2 (ja) 2004-05-07 2005-04-22 半導体装置の作製方法

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP5025095B2 (ja)

Families Citing this family (16)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
US8188315B2 (en) 2004-04-02 2012-05-29 Samsung Mobile Display Co., Ltd. Organic light emitting device and flat panel display device comprising the same
KR100846586B1 (ko) * 2006-05-29 2008-07-16 삼성에스디아이 주식회사 유기 발광 소자 및 이를 구비한 평판 표시 장치
TWI617869B (zh) 2006-05-16 2018-03-11 半導體能源研究所股份有限公司 液晶顯示裝置和半導體裝置
JP5371143B2 (ja) * 2006-10-12 2013-12-18 株式会社半導体エネルギー研究所 半導体装置の作製方法
KR101414125B1 (ko) * 2006-10-12 2014-07-01 가부시키가이샤 한도오따이 에네루기 켄큐쇼 반도체장치의 제조 방법 및 에칭장치
JP5428142B2 (ja) * 2007-09-11 2014-02-26 カシオ計算機株式会社 表示パネルの製造方法
JP2010056541A (ja) * 2008-07-31 2010-03-11 Semiconductor Energy Lab Co Ltd 半導体装置およびその作製方法
JP2011003522A (ja) 2008-10-16 2011-01-06 Semiconductor Energy Lab Co Ltd フレキシブル発光装置、電子機器及びフレキシブル発光装置の作製方法
KR101065413B1 (ko) * 2009-07-03 2011-09-16 삼성모바일디스플레이주식회사 유기전계발광표시장치 및 그의 제조방법
KR102369012B1 (ko) 2009-09-16 2022-02-28 가부시키가이샤 한도오따이 에네루기 켄큐쇼 발광 장치 및 이의 제조 방법
KR102009305B1 (ko) 2009-11-06 2019-08-09 가부시키가이샤 한도오따이 에네루기 켄큐쇼 반도체 장치 및 반도체 장치의 제작 방법
JP6045285B2 (ja) * 2011-10-24 2016-12-14 株式会社半導体エネルギー研究所 半導体装置の作製方法
JP6345544B2 (ja) * 2013-09-05 2018-06-20 株式会社半導体エネルギー研究所 半導体装置の作製方法
TWI665778B (zh) * 2014-02-05 2019-07-11 日商半導體能源研究所股份有限公司 半導體裝置、模組及電子裝置
JP2015188062A (ja) 2014-02-07 2015-10-29 株式会社半導体エネルギー研究所 半導体装置
JP2020161640A (ja) * 2019-03-26 2020-10-01 株式会社ジャパンディスプレイ 半導体装置及びその製造方法

Family Cites Families (5)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPH0855857A (ja) * 1994-08-15 1996-02-27 Yamaha Corp 絶縁膜加工法
JP2000349301A (ja) * 1999-04-01 2000-12-15 Semiconductor Energy Lab Co Ltd 半導体装置およびその作製方法
JP4776752B2 (ja) * 2000-04-19 2011-09-21 ルネサスエレクトロニクス株式会社 半導体装置
JP2003243327A (ja) * 2002-02-20 2003-08-29 Seiko Epson Corp 電子デバイス、配線形成方法および配線形成装置
JP2003282561A (ja) * 2002-03-26 2003-10-03 Seiko Epson Corp デバイスの製造方法及びデバイス製造装置

Also Published As

Publication number Publication date
JP2006054425A (ja) 2006-02-23

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JP5025095B2 (ja) 半導体装置の作製方法
US7521368B2 (en) Method for manufacturing semiconductor device
US10903367B2 (en) Semiconductor device
US7247529B2 (en) Method for manufacturing display device
JP5376709B2 (ja) 半導体装置及びその作製方法
US8058652B2 (en) Semiconductor device used as electro-optical device having channel formation region containing first element, and source or drain region containing second element
US7405132B2 (en) Method of making a thin film transistor device
KR20190109363A (ko) 반도체장치
JP4338934B2 (ja) 配線の作製方法
US7459406B2 (en) Laser processing unit, laser processing method, and method for manufacturing semiconductor device
CN100474502C (zh) 半导体器件的制造方法
US7358165B2 (en) Semiconductor device and method for manufacturing semiconductor device
US20080035933A1 (en) Thin film transistor array substrate, manufacturing method thereof and display device
JP4963163B2 (ja) レーザ処理装置及び半導体装置の作製方法
JP5201790B2 (ja) 半導体装置の作製方法
JP5030405B2 (ja) 半導体装置の作製方法
JP4628032B2 (ja) 半導体装置及びその作製方法
JP4583797B2 (ja) 半導体装置の作製方法
JP2006156972A (ja) 半導体装置及びその作製方法
JP2005064487A (ja) 半導体装置及びその作製方法
JP2001250777A (ja) 半導体装置の作製方法
JP4907063B2 (ja) 半導体装置の作製方法
US20050037550A1 (en) Thin film transistor using polysilicon and a method for manufacturing the same
JP4624023B2 (ja) 半導体装置、及びその作製方法
JP4677546B2 (ja) 半導体装置の作製方法

Legal Events

Date Code Title Description
A521 Request for written amendment filed

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20080319

A621 Written request for application examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621

Effective date: 20080319

A977 Report on retrieval

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007

Effective date: 20110630

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20110802

A521 Request for written amendment filed

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20110920

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20120214

A521 Request for written amendment filed

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20120222

TRDD Decision of grant or rejection written
A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

Effective date: 20120612

A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

A61 First payment of annual fees (during grant procedure)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61

Effective date: 20120619

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20150629

Year of fee payment: 3

R150 Certificate of patent or registration of utility model

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20150629

Year of fee payment: 3

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

LAPS Cancellation because of no payment of annual fees