JP4079655B2 - 半導体装置およびその作製方法 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は薄膜トランジスタ(以下、TFTという)で構成された回路を有する半導体装置およびその作製方法に関する。例えば、液晶表示装置(液晶モジュールを搭載)に代表される装置およびその様な装置を部品として搭載した電子機器に関する。
【0002】
なお、本明細書中において半導体装置とは、半導体特性を利用することで機能しうる装置全般を指し、電気光学装置、発光装置、半導体回路および電子機器は全て半導体装置である。
【0003】
【従来の技術】
近年、絶縁表面を有する基板上に形成された半導体薄膜(厚さ数〜数百nm程度)を用いて薄膜トランジスタ(TFT)を構成する技術が注目されている。薄膜トランジスタはICや電気光学装置のような電子デバイスに広く応用され、特に画像表示装置のスイッチング素子として開発が急がれている。
【0004】
従来より、画像表示装置として液晶表示装置が知られている。パッシブ型の液晶表示装置に比べ高精細な画像が得られることからアクティブマトリクス型の液晶表示装置が多く用いられるようになっている。アクティブマトリクス型の液晶表示装置においては、マトリクス状に配置された画素電極を駆動することによって、画面上に表示パターンが形成される。詳しくは選択された画素電極と該画素電極に対応する対向電極との間に電圧が印加されることによって、画素電極と対向電極との間に配置された液晶層の光学変調が行われ、この光学変調が表示パターンとして観察者に認識される。
【0005】
このようなアクティブマトリクス型の液晶表示装置の用途は広がっており、画面サイズの大面積化とともに高精細化や高開口率化や高信頼性の要求が高まっている。また、同時に生産性の向上や低コスト化の要求も高まっている。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】
従来、上記TFTのゲート配線材料としてアルミニウムを用いてTFTを作製した場合、熱処理によってヒロックやウィスカー等の突起物の形成や、アルミニウム原子のチャネル形成領域への拡散により、TFTの動作不良やTFT特性の低下を引き起こしていた。そこで、熱処理に耐え得る金属材料、代表的には高い融点を有している金属元素を用いた場合、画面サイズが大面積化すると配線抵抗が高くなる等の問題が発生し、消費電力の増大等を引き起こしていた。
【0007】
そこで、本発明は、大画面化しても低消費電力を実現した半導体装置の構造およびその作製方法を提供することを課題としている。
【0008】
【課題を解決するための手段】
本発明は、ゲート電極構造を、第1層として、チャネル形成領域への拡散を防ぐためにTaNまたはWを主成分とする材料膜を用い、第2層としてAl、Cu、Ag、またはAuを主成分とする低抵抗な材料膜を用い、第3層としてTiまたはTiNを主成分とする材料膜を用いた積層構造とすることによって、配線の低抵抗化を図るものである。
【0009】
本明細書で開示する発明の構成は、
絶縁表面上に形成された半導体層と、該半導体層上に形成された絶縁膜と、該絶縁膜上に形成されたゲート電極とを含むTFTを備えた半導体装置であって、
前記ゲート電極と同じ材料からなるソース配線を有する第1のnチャネル型TFTを備えた画素部と、
第2のnチャネル型TFTと第3のnチャネル型TFTからなる回路とを備えた駆動回路と、
前記ゲート電極と同じ材料からなる端子部と、を有することを特徴とする半導体装置である。
【0010】
上記構成において、前記ゲート電極は、TaNを主成分とする材料膜(第1層)と、Alを主成分とする材料膜(第2層)と、Tiを主成分とする材料膜(第3層)との積層構造を有していることを特徴としている。
【0011】
または、上記構成において、前記ゲート電極は、Wを主成分とする材料膜(第1層)と、Alを主成分とする材料膜(第2層)と、Tiを主成分とする材料膜(第3層)との積層構造を有していることを特徴としている。
【0012】
または、上記構成において、前記ゲート電極は、Wを主成分とする材料膜(第1層)と、Alを主成分とする材料膜(第2層)と、TiNを主成分とする材料膜(第3層)との積層構造を有していることを特徴としている。
【0013】
このようなゲート電極構造とすることで、ICP(Inductively Coupled Plasma:誘導結合型プラズマ)エッチング法を用いた場合、ゲート電極の端部をテーパー形状とすることができる。
【0014】
なお、本明細書においてテーパー角とは、水平面と材料層の側面とがなす角を指している。また、本明細書中では便宜上、テーパー角を有している側面をテーパー形状と呼び、テーパー形状を有している部分をテーパー部と呼ぶ。
【0015】
また、上記構成において、前記第2のnチャネル型TFT及び前記第3のnチャネル型TFTでEEMOS回路またはEDMOS回路が形成されたことを特徴としている。また、本発明の駆動回路は、全てnチャネル型TFTからなるNMOS回路で形成し、画素部のTFTもnチャネル型TFTで形成することによってプロセスの簡略化を図るものである。一般的な駆動回路はnチャネル型の半導体素子とpチャネル型の半導体素子とを相補的に組み合わせたCMOS回路を基本に設計されるが、本発明ではnチャネル型のTFTのみを組み合わせて駆動回路を形成する。
【0016】
また、上記構造を実現するための発明の構成は、
絶縁表面上に駆動回路と画素部と端子部を備えた半導体装置の作製方法であって、
絶縁表面上に半導体層を形成する工程と、
前記半導体層に第1絶縁膜を形成する工程と、
前記第1絶縁膜上にゲート電極と、画素部のソース配線と、端子部の電極を形成する工程と、
前記ゲート電極をマスクとして前記半導体層にn型を付与する不純物元素を添加してn型の不純物領域を形成する工程と、
前記ゲート電極をエッチングしてテーパ−部を形成する工程と、
前記画素部のソース配線及び前記端子部を覆う第2絶縁膜を形成する工程と、前記第2絶縁膜上にゲート配線、及び駆動回路のソース配線を形成する工程と、
を有する半導体装置の作製方法である。
【0017】
上記構成において、前記ゲート電極と、画素部のソース配線と、端子部の電極を形成する工程は、TaNを主成分とする材料膜を形成し、Alを主成分とする材料膜を形成し、Tiを主成分とする材料膜を形成して積層した後、マスクによりエッチングして形成することを特徴としている。また、上記構成において、前記ゲート電極と、画素部のソース配線と、端子部の電極を形成する工程は、Wを主成分とする材料膜を形成し、Alを主成分とする材料膜を形成し、Tiを主成分とする材料膜を形成して積層した後、マスクによりエッチングして形成することを特徴としている。
【0018】
また、本発明により、上記構成に示した画素部及び駆動回路を有する液晶表示装置、或いは上記構成に示した画素部及び駆動回路を有するOLEDを有する発光装置を作製することができる。
【0019】
また、本発明により、pチャネル型のTFTの製造工程が削減されるため、液晶表示装置、または発光装置の製造工程が簡略化され、トータルの製造コストを削減することができる。
【0020】
【発明の実施の形態】
本発明の実施形態について、以下に説明する。
【0021】
まず、基板上に下地絶縁膜を形成した後、第1のフォトリソグラフィ工程によって所望の形状の半導体層を形成する。
【0022】
次いで、半導体層を覆う絶縁膜(ゲート絶縁膜を含む)を形成する。絶縁膜上に第1の導電膜と第2の導電膜と第3の導電膜とを積層形成する。これらの積層膜を第2のフォトリソグラフィ工程により第1のエッチング処理を行い、第1の導電層及び第2の導電層からなるゲート電極と、画素部のソース配線と、端子部の電極とを形成する。なお、本発明においては、先にゲート電極を形成した後、層間絶縁膜上にゲート配線を形成する。
【0023】
次いで、第2のフォトリソグラフィ工程で形成したレジストマスクをそのままの状態としたまま、半導体にn型を付与する不純物元素(リン等)を添加して自己整合的にn型の不純物領域(高濃度)を形成する。
【0024】
次いで、第2のフォトリソグラフィ工程で形成したレジストマスクをそのままの状態としたまま、エッチング条件を変えて第2のエッチング処理を行い、テーパー部を有する第1の導電層(第1の幅)と第2の導電層(第2の幅)と第3の導電層(第3の幅)を形成する。なお、第1の幅は第2の幅より大きく、第2の幅は第3の幅より大きい。ここでの第1の導電層と第2の導電層と第3の導電層とからなる電極がnチャネル型TFTのゲート電極(第1のゲート電極)となる。
【0025】
絶縁膜と接する第1の導電層としては、チャネル形成領域への拡散を防ぐためにTaNまたはWを主成分とする材料膜を用いればよい。また、第2の導電層としては、Al、Cu、Ag、またはAuを主成分とする低抵抗な材料膜を用いればよい。また、第3の導電層としては、コンタクト抵抗の低いTiを主成分とする材料膜を用いればよい。
【0026】
なお、第1の導電層としては、比較的に電気抵抗値の低い材料であるWを用い、第2の導電層として、耐熱性の高い2wt%のSiを含むアルミニウム(Al−Si)を用い、第3の導電層としてTiを用いて、さらに第2の導電層の耐熱性を高めることが好ましい。ただし、第3の導電層としてTiを用いる場合、後の工程(熱活性化処理など)で350℃以上の熱処理を行うと、Ti/Al−Si界面で合金化してしまい、高抵抗となってしまうため、後の工程で350℃以上の熱処理を行う場合には、第3の導電層としてTiNを用いることが好ましい。また、後の工程でレーザー光を照射する場合(レーザー活性化処理など)、窒化物はレーザー光を吸収しやすく、照射面にダメージを与えてしまう恐れがあるため、第3の導電層としてTiNを用い、さらに第4の導電層としてTiを用いることによってレーザー光によるダメージを保護することができる。
【0027】
次いで、レジストマスクを除去した後、前記第1のゲート電極をマスクとし、前記絶縁膜を通過させて半導体層にn型を付与する不純物元素を添加する。
【0028】
この後、第3のフォトリソグラフィ法によりレジストマスクを形成し、画素部のTFTのオフ電流を低減するために選択的にn型を付与する不純物元素を添加する。
【0029】
次いで、層間絶縁膜の形成を行い、透明導電膜の形成を行う。次いで、透明導電膜を第4のフォトリソグラフィ法によりパターニングを行い、画素電極を形成する。次いで、第5のフォトリソグラフィ工程によりコンタクトホールを形成する。ここでは不純物領域に達するコンタクトホールと、ゲート電極に達するコンタクトホールと、ソース配線に達するコンタクトホールとを形成する。
【0030】
次いで、低抵抗な金属材料からなる導電膜を形成し、第6のフォトリソグラフィ工程によりゲート配線、ソース配線と不純物領域とを接続する電極、及び画素電極と不純物領域とを接続する電極を形成する。本発明において、ゲート配線は層間絶縁膜に設けられたコンタクトホールを通じて第1のゲート電極または第2のゲート電極と電気的に接続されている。また、ソース配線は、層間絶縁膜に設けられたコンタクトホールを通じて不純物領域(ソース領域)と電気的に接続されている。また、画素電極に接続する電極は、層間絶縁膜に設けられたコンタクトホールを通じて不純物領域(ドレイン領域)と電気的に接続されている。
【0031】
こうして、合計6回のフォトリソグラフィ工程、即ち、6枚のマスク数で画素TFT(nチャネル型TFT)を有する画素部と、図7(A)に示すようなEEMOS回路(nチャネル型TFT)を有する駆動回路とを備えた素子基板を形成することができる。なお、ここでは透過型の表示装置を作製する例を示したが画素電極に反射性の高い材料を用い、反射型の表示装置を作製することも可能である。反射型の表示装置を作製する場合は、ゲート配線と同時に形成することができるため、5枚のマスク数で素子基板を形成することができる。
【0032】
また、OLED(Organic Light Emitting Device)を有するアクティブマトリクス型の発光装置を作製することもできる。発光装置においても、駆動回路は全てnチャネル型TFTで形成し、画素部も複数のnチャネル型TFTで形成することになる。OLEDを用いた発光装置は、少なくとも、スイッチング素子として機能するTFTと、OLEDに電流を供給するTFTとが、各画素に設けられることになる。画素の回路構成、及び駆動方法によらず、OLEDと電気的に接続され、且つ、OLEDに電流を供給するTFTをnチャネル型TFTとする。
【0033】
OLEDは、電場を加えることで発生するルミネッセンス(Electroluminescence)が得られる有機化合物(有機発光材料)を含む層(以下、有機発光層と記す)と、陽極と、陰極とを有している。有機化合物におけるルミネッセンスには、一重項励起状態から基底状態に戻る際の発光(蛍光)と三重項励起状態から基底状態に戻る際の発光(リン光)とがあるが、本発明の発光装置は、上述した発光のうちの、いずれか一方の発光を用いていても良いし、または両方の発光を用いていても良い。
【0034】
なお、本明細書では、OLEDの陽極と陰極の間に形成された全ての層を有機発光層と定義する。有機発光層には具体的に、発光層、正孔注入層、電子注入層、正孔輸送層、電子輸送層等が含まれる。基本的にOLEDは、陽極/発光層/陰極が順に積層された構造を有しており、この構造に加えて、陽極/正孔注入層/発光層/陰極や、陽極/正孔注入層/発光層/電子輸送層/陰極等の順に積層した構造を有していることもある。
【0035】
また、エンハンスメント型とデプレッション型とを組み合わせて図7(B)に示すようなEDMOS回路を形成する場合、導電膜を形成する前に予めマスクを形成して、チャネル形成領域となる半導体に周期表の15族に属する元素(好ましくはリン)もしくは周期表の13族に属する元素(好ましくはボロン)を選択的に添加すればよい。この場合には、7枚のマスク数で素子基板を形成することができる。
【0036】
また、ここではnチャネル型TFTを用いて説明したが、n型不純物元素に代えてp型不純物元素を用いることによってpチャネル型TFTを形成することができることは言うまでもない。その場合、駆動回路は全てpチャネル型TFTで形成し、画素部もpチャネル型TFTで形成することになる。
【0037】
以上の構成でなる本発明について、以下に示す実施例でもってさらに詳細な説明を行うこととする。
【0038】
(実施例)
[実施例1]
本発明の実施例を図1〜図6を用いて説明する。ここでは、同一基板上に画素部と、画素部の周辺に設ける駆動回路のTFT(nチャネル型TFTのみ)を同時に作製する方法について詳細に説明する。
【0039】
図1(A)において、基板100はガラス基板、石英基板、セラミック基板などを用いることができる。また、シリコン基板、金属基板またはステンレス基板の表面に絶縁膜を形成したものを用いても良い。また、本実施例の処理温度に耐えうる耐熱性を有するプラスチック基板を用いてもよい。
【0040】
そして、図1(a)に示すように基板100上に酸化シリコン膜、窒化シリコン膜または酸化窒化シリコン膜(SiOxNy)等の絶縁膜から成る下地絶縁膜101を形成する。代表的な一例は下地絶縁膜101として2層構造から成り、SiH4、NH3、及びN2Oを反応ガスとして成膜される第1酸化窒化シリコン膜101aを50〜100nm、SiH4、及びN2Oを反応ガスとして成膜される第2酸化窒化シリコン膜101bを100〜150nmの厚さに積層形成する構造が採用される。また、下地絶縁膜101として膜厚10nm以下の窒化シリコン膜を用いてもよい。窒化シリコン膜を用いた場合、ブロッキング層としての効果に加え、後に行われるゲッタリング工程でゲッタリング効率を向上させる効果も有する。ゲッタリングの際、ニッケルは酸素濃度の高い領域に移動しやすい傾向があるため、半導体膜と接する下地絶縁膜を窒化シリコン膜とすることは極めて有効である。また、第1酸化窒化シリコン膜、第2酸化窒化シリコン膜、窒化シリコン膜とを順次積層した3層構造を用いてもよい。
【0041】
活性層とする半導体膜は、下地膜101上に形成した非晶質半導体膜を結晶化して得る。非晶質半導体膜は30〜60nmの厚さで形成し、その後、非晶質半導体膜の表面に、結晶化を促進する触媒作用のある金属元素(本実施例では、ニッケル)を重量換算で1〜100ppmのニッケルを含む酢酸ニッケル塩溶液をスピナーで塗布して触媒含有層を形成する。
【0042】
非晶質半導体膜と触媒元素含有層とを接触した状態を保持したまま結晶化のための加熱処理を行う。本実施例では、RTA法で加熱処理を行う。加熱用のランプ光源を1〜60秒、好ましくは30〜60秒点灯させ、それを1〜10回、好ましくは2〜6回繰り返す。ランプ光源の発光強度は任意なものとするが、半導体膜が瞬間的には600〜1000℃、好ましくは650〜750℃程度にまで加熱されるようにする。このような高温になったとしても、半導体膜が瞬間的に加熱されるのみであり、基板100はそれ自身が歪んで変形することはない。こうして、非晶質半導体膜を結晶化させ、結晶質半導体膜を得ることができる。
【0043】
さらに結晶化率(膜の全体積における結晶成分の割合)を高め、結晶粒内に残される欠陥を補修するためには結晶質半導体膜に対してレーザ光を照射する。レーザには波長400nm以下のエキシマレーザ光や、YAGレーザの第2高調波、第3高調波を用いることも可能である。いずれにしても、繰り返し周波数10〜1000Hz程度のパルスレーザー光を用い、当該レーザ光を光学系にて100〜400mJ/cm2に集光し、90〜95%のオーバーラップ率をもって結晶質半導体膜104に対するレーザ処理を行っても良い。
【0044】
なお、ここではパルスレーザーを用いた例を示したが、連続発振のレーザーを用いてもよく、非晶質半導体膜の結晶化に際し、大粒径に結晶を得るためには、連続発振が可能な固体レーザを用い、基本波の第2高調波〜第4高調波を適用するのが好ましい。代表的には、Nd:YVO4レーザー(基本波1064nm)の第2高調波(532nm)や第3高調波(355nm)を適用すればよい。連続発振のレーザーを用いる場合には、出力10Wの連続発振のYVO4レーザから射出されたレーザ光を非線形光学素子により高調波に変換する。また、共振器の中にYVO4結晶と非線形光学素子を入れて、高調波を射出する方法もある。そして、好ましくは光学系により照射面にて矩形状または楕円形状のレーザ光に成形して、被処理体に照射する。このときのエネルギー密度は0.01〜100MW/cm2程度(好ましくは0.1〜10MW/cm2)が必要である。そして、10〜2000cm/s程度の速度でレーザ光に対して相対的に半導体膜を移動させて照射すればよい。
【0045】
なお、ここではシリコンの結晶化を助長する金属元素としてニッケルを用いた熱結晶化を行った後にレーザー光を照射する技術を用いたが、ニッケルを添加することなく、パルス発振のエキシマレーザー、或いは連続発振のレーザー(YVO4レーザーの第2高調波)でアモルファスシリコン膜を結晶化させてもよい。
【0046】
次いで、結晶質半導体膜中に含まれる触媒元素を除去するために以下に示すゲッタリング処理を行う。結晶質半導体膜上にバリア層を形成する。バリア層としては、熱処理を行うと、触媒元素(ニッケル)をゲッタリングサイトに移動させることができ、さらにゲッタリングサイトの除去工程において用いるエッチング液がしみこまない多孔質膜を形成する。例えば、オゾン水で処理することにより形成されるケミカルオキサイド膜、酸化シリコン膜(SiOx)を用いればよい。本明細書中では、このような性質を有する膜を特に多孔質膜という。
【0047】
次いで、ゲッタリングサイトとして希ガス元素を含む半導体膜を形成する。本実施例では、プラズマCVD法やスパッタ法などで成膜した段階、あるいは成膜後にイオンドーピング法またはイオン注入法によって添加した段階で、希ガス元素を1×1019〜1×1022/cm3、好ましくは1×1020〜1×1021/cm3の濃度で含む半導体膜を形成する。
【0048】
その後、ランプ光源を用いたRTA法、炉を用いた熱処理などの加熱処理を行い、触媒元素をゲッタリングサイトに縦方向に移動させる。この加熱処理はアニールを兼ねている。加熱条件としては、加熱用のランプ光源を1〜60秒、好ましくは30〜60秒点灯させ、それを1〜10回、好ましくは2〜6回繰り返す。ランプ光源の発光強度は任意なものとするが、半導体膜が瞬間的には600〜1000℃、好ましくは700〜750℃程度にまで加熱されるようにする。
【0049】
ゲッタリング工程終了後、非晶質半導体からなるゲッタリングサイトを選択的にエッチングして除去する。エッチングの方法としては、ClF3によるプラズマを用いないドライエッチング、或いはヒドラジンや、テトラエチルアンモニウムハイドロオキサイド(化学式 (CH3)4NOH)を含む水溶液などアルカリ溶液によるウエットエッチングで行うことができる。この時バリア層106はエッチングストッパーとして機能する。また、バリア層106はその後フッ酸により除去すれば良い。結晶化を改善するために、結晶化工程後、レーザ光を照射してもよい。
【0050】
その後、得られた結晶質半導体膜を所望の形状にエッチング処理して島状に分離された半導体層102〜106を形成する。
【0051】
また、半導体層102〜106を形成した後、nチャネル型TFTのしきい値(Vth)を制御するためにp型を付与する不純物元素を添加してもよい。半導体に対してp型を付与する不純物元素には、ボロン(B)、アルミニウム(Al)、ガリウム(Ga)など周期律第13族元素が知られている。
【0052】
次いで、島状に分離された半導体層102〜106を覆うゲート絶縁膜107を形成する。ゲート絶縁膜107は、プラズマCVD法やスパッタ法で形成し、その厚さを40〜150nmとしてシリコンを含む絶縁膜で形成する。勿論、このゲート絶縁膜は、シリコンを含む絶縁膜を単層或いは積層構造として用いることができる。
【0053】
酸化シリコン膜を用いる場合には、プラズマCVD法でTEOS(Tetraethyl Ortho Silicate)とO2を混合し、反応圧力40Pa、基板温度300〜400℃とし、高周波(13.56MHz)電力密度0.5〜0.8W/cm2で放電させて形成することができる。このようにして作製される酸化シリコン膜は、形成後400〜500℃の熱アニールによりゲート絶縁膜として良好な特性を得ることができる。
【0054】
ゲート絶縁膜107上には膜厚20〜100nmの第1の導電膜としてタングステン(W)を主成分とする膜108aと、膜厚100〜500nmの第2の導電膜としてアルミニウム(Al)を主成分とする膜108bと、膜厚20〜100nmの第3の導電膜としてチタン(Ti)を主成分とする膜108cとを積層形成する。これらの導電膜からなる積層のトータル膜厚は、後の工程を考えると段差の面で600nm未満とすることが好ましい。ここでは、ゲート絶縁膜107上に膜厚50nmのタングステン膜、膜厚500nmのアルミニウムとチタンの合金(Al−Ti)膜、膜厚30nmのチタン膜を順次積層する。
【0055】
なお、上記材料に限定されず、後のエッチングによりゲート電極となる第1の導電膜、第2の導電膜、または第3の導電膜の導電性材料として、Ta、W、Ti、Mo、Al、Cuから選ばれた元素、または前記元素を主成分とする合金材料もしくは化合物材料を適宜用いることができる。また、第1の導電膜としてリン等の不純物元素をドーピングした多結晶シリコン膜に代表される半導体膜を用いてもよい。例えば、第1の導電膜をタングステン(W)膜で形成し、第2の導電膜をアルミニウムとシリコンの合金(Al−Si)膜、第3の導電膜を窒化チタン(TiN)膜とする組み合わせ、或いは第1の導電膜をタングステン(W)膜で形成し、第2の導電膜をCu膜、第3の導電膜をチタン(Ti)膜とする組み合わせ、或いは第1の導電膜をタンタル(TaN)膜で形成し、第2の導電膜をアルミニウム(Al−Ti)膜、第3の導電膜をチタン(Ti)膜とする組み合わせ、或いは、第1の導電膜を窒化タンタル(TaN)膜で形成し、第2の導電膜をアルミニウム(Al−Ti)膜、第3の導電膜を窒化チタン(TiN)膜とする組み合わせ、或いは第1の導電膜を窒化タンタル(TaN)膜で形成し、第2の導電膜をCu膜、第3の導電膜をチタン(Ti)とする組み合わせとしてもよい。
【0056】
次に、図1(B)に示すように光露光工程によりレジストからなるマスク110〜115を形成し、ゲート電極及び配線を形成するための第1のエッチング処理を行う。第1のエッチング処理では第1及び第2のエッチング条件で行う。エッチングにはICP(Inductively Coupled Plasma:誘導結合型プラズマ)エッチング法を用いると良い。ICPエッチング法を用い、エッチング条件(コイル型の電極に印加される電力量、基板側の電極に印加される電力量、基板側の電極温度等)を適宜調節することによって所望のテーパー形状に膜をエッチングすることができる。なお、エッチング用ガスとしては、Cl2、BCl3、SiCl4、CCl4などを代表とする塩素系ガスまたはCF4、SF6、NF3などを代表とするフッ素系ガス、またはO2を適宜用いることができる。
【0057】
用いるエッチング用ガスに限定はないが、ここではBCl3とCl2とO2とを用いることが適している。それぞれのガス流量比を65/10/5(sccm)とし、1.2Paの圧力でコイル型の電極に450WのRF(13.56MHz)電力を投入してプラズマを生成して117秒のエッチングを行う。基板側(試料ステージ)にも300WのRF(13.56MHz)電力を投入し、実質的に負の自己バイアス電圧を印加する。なお、基板側の電極面積サイズは、12.5cm×12.5cmであり、コイル型の電極面積サイズ(ここではコイルの設けられた石英円板)は、直径25cmの円板である。この第1のエッチング条件によりAl−Ti膜及びチタン膜をエッチングして第2の導電膜および第3の導電膜の端部をテーパー形状とする。なお、第1のエッチング条件でのAl−Ti膜とチタン膜のエッチングレートはほぼ同一である。
【0058】
この後、第2のエッチング条件に変え、エッチング用ガスにCF4とCl2とO2とを用い、それぞれのガス流量比を25/25/10(sccm)とし、1Paの圧力でコイル型の電極に500WのRF(13.56MHz)電力を投入してプラズマを生成して約30秒程度のエッチングを行う。基板側(試料ステージ)にも20WのRF(13.56MHz)電力を投入し、実質的に負の自己バイアス電圧を印加する。CF4とCl2を混合した第2のエッチング条件ではW膜、Al−Ti膜、及びチタン膜とも同程度にエッチングされる。なお、ゲート絶縁膜上に残渣を残すことなくエッチングするためには、10〜20%程度の割合でエッチング時間を増加させると良い。
【0059】
この第1のエッチング処理では、レジストからなるマスクの形状を適したものとすることにより、基板側に印加するバイアス電圧の効果により第1の導電層、第2の導電層、及び第3の導電層の端部がテーパー形状となる。このテーパー部の角度は15〜45°となる。こうして、第1のエッチング処理により第1の導電層と第2の導電層と第3の導電層から成る第1の形状の導電層117〜122(第1の導電層1117a〜1122aと第2の導電層117b〜122bと第3の導電層117c〜122c)を形成する。116はゲート絶縁膜であり、第1の形状の導電層117〜122で覆われない領域は20〜50nm程度エッチングされ薄くなった領域が形成される。
【0060】
ここで試料を用意してエッチング条件の実験を行った。試料としては、石英基板上に本実施例と同様に膜厚50nmのタングステン膜、膜厚500nmのアルミニウムとチタンの合金(Al−Ti)膜、膜厚30nmのチタン膜を順次積層したものを用い、上記第1のエッチング処理と同一の条件でエッチングを行った直後にSEMで観察した写真図が図13である。従って、図13に示した導電層の形状が第1の形状の導電層と見なすことができる。
【0061】
次に、レジストからなるマスク110〜115を除去せずに図1(C)に示すように第2のエッチング処理を行う。エッチング用ガスにBCl3とCl2を用い、それぞれのガス流量比を20/60(sccm)とし、1.2Paの圧力でコイル型の電極に600WのRF(13.56MHz)電力を投入してプラズマを生成してエッチングを行う。基板側(試料ステージ)には100WのRF(13.56MHz)電力を投入する。この第2のエッチング処理に行う第3のエッチング条件により第2の導電層および第3の導電層をエッチングする。こうして、上記第3のエッチング条件によりチタンを微量に含むアルミニウム膜及びチタン膜を異方性エッチングして第2の形状の導電層124〜129(第1の導電層124a〜129aと第2の導電層124b〜129bと第3の導電層124c〜129c)を形成する。123はゲート絶縁膜であり、第2の形状の導電層117〜122で覆われない領域は若干エッチングされ薄くなった領域が形成される。また、図1(B)および図1(C)では、第1の導電層のテーパー部の長さは同一として図示しているが、実際は、配線幅の依存性があるため、配線幅によって第1の導電層のテーパー部の長さが変化する。
【0062】
ここでも同様に試料を用意してエッチング条件の実験を行った。試料としては、石英基板上に本実施例と同様に膜厚50nmのタングステン膜、膜厚500nmのアルミニウムとチタンの合金(Al−Ti)膜、膜厚30nmのチタン膜を順次積層したものを用い、上記第1のエッチング処理と同一の条件でエッチングを行い、さらに第2のエッチング処理した直後にSEMで観察した写真図が図14である。従って、図14に示した導電層の形状が第2の形状の導電層と見なすことができる。
【0063】
また、本実施例では第1のエッチング処理(第1のエッチング条件、第2のエッチング条件)と、第2のエッチング処理(第3のエッチング条件)とを大気に触れることなく連続的に行った例を示したが、特に限定されず、エッチング後にチャンバーから取出し、反応ガスなどを排気した後、再度チャンバーに配置して異なる条件でエッチングを順次行ってもよい。
【0064】
そして、レジストからなるマスクを除去せずに第1のドーピング処理を行い、半導体層にn型を付与する不純物元素を添加する。なお、第1のドーピング処理の前にレジストからなるマスクを除去しても構わない。ドーピング処理はイオンドープ法、レーザードープ法、もしくはイオン注入法で行えば良い。イオンドープ法の条件はドーズ量を1.5×1014atoms/cm2とし、加速電圧を60〜100keVとして行う。n型を付与する不純物元素として15族に属する元素、典型的にはリン(P)または砒素(As)を用いる。この場合、第2形状の導電層124〜128がn型を付与する不純物元素に対するマスクとなり、自己整合的に第1の不純物領域123〜127が形成される。第1の不純物領域130〜134には1×1016〜1×1017/cm3の濃度範囲でn型を付与する不純物元素を添加する。
【0065】
次いで、図2(A)に示すようにレジストからなるマスク135、136を形成し第2のドーピング処理を行う。マスク135は駆動回路のnチャネル型TFTの一つを形成する半導体層のチャネル形成領域及びその周辺の領域を保護するマスクであり、マスク136は画素部のTFTを形成する半導体層のチャネル形成領域及びその周辺の領域を保護するマスクである。また、図2(A)では、便宜上、第1の導電層のテーパー部の長さは同一として図示しているが、実際は、配線幅によって第1の導電層のテーパー部の長さが変化している。従って、同一基板上に配線幅の異なる配線が複数設けられている場合、ドーピングされる領域の幅もそれぞれ異なる。
【0066】
第2のドーピング処理におけるイオンドープ法の条件はドーズ量を1.5×1015atoms/cm2とし、加速電圧を60〜100keVとしてリン(P)をドーピングする。ここでは、第2形状の導電層124〜128及びゲート絶縁膜123の膜厚の差を利用して各半導体層に不純物領域を行う。勿論、マスク135、136で覆われた領域にはリン(P)は添加されない。こうして、第2の不純物領域180〜182と第3の不純物領域137〜141が形成される。第3の不純物領域137〜141には1×1020〜1×1021/cm3の濃度範囲でn型を付与する不純物元素を添加されている。また、第2の不純物領域はゲート絶縁膜の膜厚差により第3の不純物領域よりも低濃度に形成され、1×1018〜1×1019/cm3の濃度範囲でn型を付与する不純物元素を添加されることになる。
【0067】
以上までの工程でそれぞれの半導体層にn型の導電型を有する不純物領域が形成される。第2の形状の導電層124〜127はゲート電極となる。また、第2の形状の導電層128は画素部において保持容量を形成する一方の電極となる。さらに、第2の形状の導電層129は画素部においてソース配線を形成する。
【0068】
次いで、ほぼ全面を覆う第1の層間絶縁膜151を形成する。この第1の層間絶縁膜151は、プラズマCVD法またはスパッタ法を用い、厚さを100〜200nmとしてシリコンと水素を含む絶縁膜で形成する。その好適な一例は、プラズマCVD法により形成される膜厚150nmの酸化窒化シリコン膜である。勿論、第1の層間絶縁膜151は酸化窒化シリコン膜に限定されるものでなく、他のシリコンを含む絶縁膜を単層または積層構造として用いても良い。
【0069】
その後、それぞれの半導体層に添加された不純物元素を活性化処理する工程を行う。この活性化はファーネスアニール炉またはクリーンオーブンを用いて加熱処理を行うことで実現する。加熱処理の温度は窒素雰囲気中で400〜700℃、代表的には410〜500℃で行う。なお、このような熱活性化を行う場合には、耐熱性を向上させるため導電層の3層目の材料であるチタンに代えて、窒化チタンを用いることが好ましい。なお、この他に、レーザーアニール法、またはラピッドサーマルアニール法(RTA法)を適用することもできる。
【0070】
上記活性化処理と同時に、結晶化の際に触媒として使用したニッケルが高濃度のリンを含む第3の不純物領域137〜141ゲッタリングされ、主にチャネル形成領域となる半導体層中のニッケル濃度が低減される。その結果、チャネル形成領域を有するTFTはオフ電流値が下がり、結晶性が良いことから高い電界効果移動度が得られ、良好な特性を達成することができる。
【0071】
次いで、図3に示すように、第1の層間絶縁膜151上に有機絶縁物材料から成る第2の層間絶縁膜152を形成する。次いで、ソース配線127に達するコンタクトホールと各不純物領域に達するコンタクトホールを形成する。
【0072】
その後、Al、Ti、Mo、Wなどを用いて配線及び画素電極を形成する。例えば、膜厚50〜250nmのTi膜と、膜厚300〜500nmの合金膜(AlとTiとの合金膜)との積層膜を用いる。こうして、ソースまたはドレイン配線153〜158、ゲート配線160、接続配線159、画素電極161、容量配線162が形成される。
【0073】
以上の様にして、nチャネル型TFT401、nチャネル型TFT402、nチャネル型TFT403を有する駆動回路406と、nチャネル型TFT404、保持容量405とを有する画素部407を同一基板上に形成することができる。本明細書中ではこのような基板を便宜上アクティブマトリクス基板と呼ぶ。尚、nチャネル型TFT401とnチャネル型TFT403は同一構造である。
【0074】
また、従来の方法において、ドーピングの条件によっては不純物元素がゲート電極の下方への廻り込んで、ゲート電極と重なり、且つ濃度勾配を有する不純物領域が0.1μm程度生じる場合もあったが、本実施例は、0.5μm以上、好ましくは1μm以上としており、従来のTFT構造とは異なる。
【0075】
nチャネル型TFT402にはチャネル形成領域165、ゲート電極を形成する第2の形状の導電層125と一部が重ならない第2不純物領域166とソース領域またはドレイン領域として機能する第3の不純物領域167を有している。
【0076】
nチャネル型TFT403にはチャネル形成領域168、ゲート電極を形成する第2の形状の導電層126と一部が重なる第2の不純物領域169とソース領域またはドレイン領域として機能する第3の不純物領域170を有している。
【0077】
これらのnチャネル型TFTによりシフトレジスタ回路、バッファ回路、レベルシフタ回路、ラッチ回路などを形成する。特に、駆動電圧が高いバッファ回路には、ホットキャリア効果による劣化を防ぐ目的から、nチャネル型TFT401または403の構造が適している。
【0078】
画素部407の画素TFT404にはチャネル形成領域171、ゲート電極を形成する第2の形状の導電層128の外側に形成される第1の不純物領域172とソース領域またはドレイン領域として機能する第3の不純物領域173を有している。また、保持容量405の一方の電極として機能する半導体層には第3の不純物領域176、第2の不純物領域177が形成されている。保持容量405は、絶縁膜(ゲート絶縁膜と同一膜)を誘電体として、容量配線162と、半導体層106とで形成されている。
【0079】
このような画素部407の上面図を図4に示す。図4ではほぼ一画素分の上面図を示し、付与する符号は図3と共通なものとしている。また、A−A'及びB−B'線の断面構造が図3に対応している。図4の画素構造において、ゲート配線とゲート電極とを異なる層上に形成することにより、ゲート配線と半導体層を重畳させることが可能となり、ゲート配線に遮光膜としての機能が付加されている。また、画素電極間の隙間が遮光されるように、画素電極の端部をソース配線と重なるように配置され、遮光膜(ブラックマトリクス)の形成を省略できる構造としている。その結果、従来に比べ開口率を向上させることが可能となっている。
【0080】
[実施例2]
本実施例では、実施例1で得られたアクティブマトリクス基板から、液晶モジュールを作製する工程を以下に説明する。
【0081】
図3のアクティブマトリクス基板上に配向膜を形成しラビング処理を行う。なお、本実施例では配向膜を形成する前に、アクリル樹脂膜等の有機樹脂膜をパターニングすることによって基板間隔を保持するための柱状のスペーサを所望の位置に形成した。また、柱状のスペーサに代えて、球状のスペーサを基板全面に散布してもよい。
【0082】
次いで、対向基板を用意する。この対向基板には、着色層、遮光層が各画素に対応して配置されたカラーフィルタが設けられている。また、駆動回路の部分にも遮光層を設けた。このカラーフィルタと遮光層とを覆う平坦化膜を設けた。次いで、平坦化膜上に透明導電膜からなる対向電極を画素部に形成し、対向基板の全面に配向膜を形成し、ラビング処理を施した。
【0083】
そして、画素部と駆動回路が形成されたアクティブマトリクス基板と対向基板とをシール材で貼り合わせる。シール材にはフィラーが混入されていて、このフィラーと柱状スペーサによって均一な間隔を持って2枚の基板が貼り合わせられる。その後、両基板の間に液晶材料を注入し、封止剤によって完全に封止する。液晶材料には公知の液晶材料を用いれば良い。このようにして液晶モジュールが完成する。そして、必要があれば、アクティブマトリクス基板または対向基板を所望の形状に分断する。さらに、公知の技術を用いて偏光板等を適宜設けた。そして、公知の技術を用いてFPCを貼りつけた。
【0084】
こうして得られた液晶モジュールの構成を図5の上面図を用いて説明する。
【0085】
図5で示す上面図は、画素部、駆動回路、FPC(フレキシブルプリント配線板:Flexible Printed Circuit)211を貼り付ける外部入力端子209、外部入力端子と各回路の入力部までを接続する配線210などが形成されたアクティブマトリクス基板と、カラーフィルタなどが設けられた対向基板200とがシール材207を介して貼り合わされている。
【0086】
ゲート配線側駆動回路201aと重なるように対向基板側に遮光層203aが設けられ、ソース配線側駆動回路201bと重なるように対向基板側に遮光層803bが形成されている。また、画素部205上の対向基板側に設けられたカラーフィルタ202は遮光層と、赤色(R)、緑色(G)、青色(B)の各色の着色層とが各画素に対応して設けられている。実際に表示する際には、赤色(R)の着色層、緑色(G)の着色層、青色(B)の着色層の3色でカラー表示を形成するが、これら各色の着色層の配列は任意なものとする。
【0087】
ここでは、カラー化を図るためにカラーフィルタ202を対向基板に設けているが特に限定されず、アクティブマトリクス基板を作製する際、アクティブマトリクス基板にカラーフィルタを形成してもよい。
【0088】
また、カラーフィルタにおいて隣り合う画素の間には遮光層が設けられており、表示領域以外の箇所を遮光している。また、ここでは、駆動回路を覆う領域にも遮光層203a、203bを設けているが、駆動回路を覆う領域は、後に液晶表示装置を電子機器の表示部として組み込む際、カバーで覆うため、特に遮光層を設けない構成としてもよい。また、アクティブマトリクス基板を作製する際、アクティブマトリクス基板に遮光層を形成してもよい。
【0089】
また、上記遮光層を設けずに、対向基板と対向電極の間に、カラーフィルタを構成する着色層を複数層重ねた積層で遮光するように適宜配置し、表示領域以外の箇所(各画素電極の間隙)や、駆動回路を遮光してもよい。
【0090】
また、外部入力端子にはベースフィルムと配線から成るFPC211が異方性導電性樹脂で貼り合わされている。さらに補強板で機械的強度を高めている。
【0091】
以上のようにして作製される液晶モジュールは各種電子機器の表示部として用いることができる。
【0092】
[実施例3]
実施例1では画素電極が反射性を有する金属材料で形成された反射型の表示装置の例を示したが、本実施例では画素電極を透光性を有する導電膜で形成した透過型の表示装置の例を図6に示す。画素電極を透明導電膜で形成すると、フォトマスクは1枚増えるものの、透過型の表示装置を形成することができる。
【0093】
実施例1に従って層間絶縁膜を形成した後、透光性を有する導電膜からなる画素電極を形成する。透光性を有する導電膜としては、ITO(酸化インジウム酸化スズ合金)、酸化インジウム酸化亜鉛合金(In2O3―ZnO)、酸化亜鉛(ZnO)等を用いればよい。
【0094】
その後、層間絶縁膜にコンタクトホールを形成する。次いで、画素電極と重なる接続電極を形成する。この接続電極は、コンタクトホールを通じてドレイン領域と接続されている。また、この接続電極と同時に他のTFTのソース電極またはドレイン電極も形成する。
【0095】
また、ここでは全ての駆動回路を基板上に形成した例を示したが、駆動回路の一部に数個のICを用いてもよい。
【0096】
以上のようにしてアクティブマトリクス基板が形成される。このアクティブマトリクス基板を用い、実施例2に従って液晶モジュールを作製し、バックライト310、導光板311を設け、カバー312で覆えば、図6に示すアクティブマトリクス型液晶表示装置が完成する。なお、カバー312と液晶モジュールは接着剤や有機樹脂を用いて貼り合わせる。また、基板と対向基板を貼り合わせる際、枠で囲んで有機樹脂を枠と基板との間に充填して接着してもよい。また、透過型であるので偏光板309は、アクティブマトリクス基板と対向基板の両方に貼り付ける。
【0097】
[実施例4]
実施例1に示すnチャネル型TFTは、チャネル形成領域となる半導体に周期表の15族に属する元素(好ましくはリン)もしくは周期表の13族に属する元素(好ましくはボロン)を添加することによりエンハンスメント型とデプレッション型とを作り分けることができる。
【0098】
また、nチャネル型TFTを組み合わせてNMOS回路を形成する場合、エンハンスメント型TFT同士で形成する場合(以下、EEMOS回路という)と、エンハンスメント型とデプレッション型とを組み合わせて形成する場合(以下、EDMOS回路という)がある。
【0099】
ここでEEMOS回路の例を図7(A)に、EDMOS回路の例を図7(B)に示す。図7(A)において、31、32はどちらもエンハンスメント型のnチャネル型TFT(以下、E型NTFTという)である。また、図7(B)において、33はE型NTFT、34はデプレッション型のnチャネル型TFT(以下、D型NTFTという)である。
【0100】
なお、図7(A)、(B)において、VDHは正の電圧が印加される電源線(正電源線)であり、VDLは負の電圧が印加される電源線(負電源線)である。負電源線は接地電位の電源線(接地電源線)としても良い。
【0101】
さらに、図7(A)に示したEEMOS回路もしくは図7(B)に示したEDMOS回路を用いてシフトレジスタを作製した例を図8に示す。図8において、40、41はフリップフロップ回路である。また、42、43はE型NTFTであり、E型NTFT42のゲートにはクロック信号(CL)が入力され、E型NTFT43のゲートには極性の反転したクロック信号(CLバー)が入力される。また、44で示される記号はインバータ回路であり、図8(B)に示すように、図7(A)に示したEEMOS回路もしくは図7(B)に示したEDMOS回路が用いられる。従って、表示装置の駆動回路を全てnチャネル型TFTで構成することも可能である。
【0102】
なお、本実施例は実施例1乃至3のいずれか一と自由に組み合わせることができる。
【0103】
[実施例5]
本実施例では、実施例1とは異なる画素構造(IPS方式)を図9に示し、断面構造を図10に示す。それぞれ、A−A’断面図、H−H’断面図を示した。
【0104】
本実施例は、IPS(In-Plane Switching)方式(横電界方式とも言う)のアクティブマトリクス型の液晶表示装置の一例を示す。IPS方式は画素電極と共通配線(以下、コモン配線と呼ぶ)との両方を一方の基板に形成し、横方向に電界を印加することに特徴があり、液晶分子の長軸が基板面にほぼ平行な方向に配向制御されている。このIPS方式とすることで視野角を広げることができる。
【0105】
図9において、1101は第1の半導体層、1102、1103は第2の半導体層、1104は第1の電極、1105は第2の電極、1106はソース配線、1107はゲート配線、1108、1109はコモン配線、1110は接続電極、1111は画素電極である。なお、画素電極とコモン配線は、基板面と平行な電界が生じるように配置されている。また、コモン配線はソース配線と重なるように配置されており画素部の開口率を向上させている。
【0106】
また、図10に示すように第1の電極1104、第2の電極1105、及びソース配線1106は、第1の半導体層及び第2の半導体層を覆う絶縁膜上に同時に形成されている。また、画素電極1111、接続電極1110、ゲート配線1107、及びコモン配線1109は、ソース配線を覆う層間絶縁膜上に同時に形成されている。
【0107】
また、第1の電極はゲート配線と電気的に接続されており、第1の半導体層と重なる第1の電極はゲート電極として機能する。
【0108】
また、本実施例では、長方形状の画素電極を示したが、画素電極及びコモン電極の形状をくの字の電極構造として、さらに視野角を広げてもよい。
【0109】
また、保持容量は、第2の半導体層と、第2の半導体層を覆う絶縁膜と、第2の電極とで形成される。この第2の電極は隣り合う画素のゲート配線と電気的に接続されている。また、第2の半導体層にはn型を付与する不純物元素が添加されている。
【0110】
なお、本実施例は、実施例1のマスクパターンを変更すれば実施例1と同じ工程で得られる画素構成である。
【0111】
実施例1を用いて図9及び図10に示す状態を得た後、実施例2に示した方法により液晶表示装置を得る。画素間の隙間は実施例2と同様に対向基板に設けたカラーフィルタを用いて遮光する。ただし、IPS方式とするため、配向処理などを変更する必要がある。
【0112】
[実施例6]
本実施例では、実施例1で得られる駆動回路のTFT(チャネル長:L/チャネル幅:W=10μm/8μm)において、ゲート電極と重なる不純物領域(Lov領域とも呼ぶ)のチャネル長方向における長さと信頼性との関係を示す。
【0113】
ここでは、Lov領域の長さがある長さである場合におけるTFTの移動度の最大値(μFE(max))が10%変動するまでの時間をそのTFTの寿命と仮定し、ドレイン電圧の逆数を片対数グラフにプロットして、得られる直線的な関係から寿命が10年となるドレイン電圧の値を10年保証電圧として導出する。
【0114】
本実施例では、Lov領域のチャネル長方向における長さ(Lov長とも呼ぶ)を0.5μm、0.78μ、1μm、1.5μm、1.7μmとした場合のそれぞれについて、TFTのオン電流値が10%変動するまでの時間をそのTFTの寿命と仮定し、ドレイン電圧の逆数を片対数グラフにプロットして、得られる直線的な関係から寿命が10年となるドレイン電圧の値を10年保証電圧として導出して得られた結果を図15に示す。
【0115】
なお、トランジェントストレス試験でTFTのオン電流値が10%変動するまでの時間が20時間となるドレイン電圧の値を20時間保証電圧として得られた結果も図15中に示した。
【0116】
図15に示すように、16V系の装置に用いられることを想定し、20%のマージンを考えた時、19.2V(16×1.2)以上となるnチャネル型TFTのLov領域の長さは、20時間保証電圧においては1μm以上であり、10年保証電圧となると1.5μm以上であることが望ましい。
【0117】
[実施例7]
本実施例では、有機発光素子(OLED:Organic Light Emitting Device)を備えた発光表示装置を作製する例を図16に示す。
【0118】
図16(A)は、OLEDを有するモジュール、いわゆるELモジュールの上面図、図16(B)は図16(A)をA−A’で切断した断面図である。絶縁表面を有する基板900(例えば、ガラス基板、結晶化ガラス基板、もしくはプラスチック基板等)に、画素部902、ソース側駆動回路901、及びゲート側駆動回路903を形成する。これらの画素部や駆動回路は、上記実施例1に従えば得ることができる。
【0119】
また、918はシール材、919は窒化酸化アルミニウムや窒化アルミニウムやDLC膜からなる保護膜であり、画素部および駆動回路部はシール材918で覆われ、そのシール材は保護膜919で覆われている。さらに、接着材を用いてカバー材920で封止されている。カバー材920としては、プラスチック、ガラス、金属、セラミックス等、いかなる組成の基材でもよい。また、カバー材920の形状および支持体の形状も特に限定されず、平面を有するもの、曲面を有するもの、可曲性を有するもの、フィルム状のものであってもよい。熱や外力などによる変形に耐えるためカバー材920は基板900と同じ材質のもの、例えばガラス基板を用いることが望ましく、本実施例では、サンドブラスト法などにより図16に示す凹部形状(深さ3〜10μm)に加工する。さらに加工して乾燥剤921が設置できる凹部(深さ50〜200μm)を形成することが望ましい。また、多面取りでELモジュールを製造する場合、基板とカバー材とを貼り合わせた後、CO2レーザー等を用いて端面が一致するように分断してもよい。
【0120】
また、ここでは図示しないが、用いる金属層(ここでは陰極など)の反射により背景が映り込むことを防ぐために、位相差板(λ/4板)や偏光板からなる円偏光板と呼ばれる円偏光手段を基板900上に設けてもよい。
【0121】
なお、908はソース側駆動回路901及びゲート側駆動回路903に入力される信号を伝送するための配線であり、外部入力端子となるFPC(フレキシブルプリントサーキット)909からビデオ信号やクロック信号を受け取る。また、本実施例の発光装置は、デジタル駆動であってもよく、アナログ駆動であってもよく、ビデオ信号はデジタル信号であってもよいし、アナログ信号であってもよい。なお、ここではFPCしか図示されていないが、このFPCにはプリント配線基盤(PWB)が取り付けられていても良い。本明細書における発光装置には、発光装置本体だけでなく、それにFPCもしくはPWBが取り付けられた状態をも含むものとする。また、これらの画素部や駆動回路と同一基板上に複雑な集積回路(メモリ、CPU、コントローラ、D/Aコンバータ等)を形成することも可能であるが、少ないマスク数での作製は困難である。従って、メモリ、CPU、コントローラ、D/Aコンバータ等を備えたICチップを、COG(chip on glass)方式やTAB(tape automated bonding)方式やワイヤボンディング方法で実装することが好ましい。
【0122】
次に、断面構造について図16(B)を用いて説明する。基板900上に絶縁膜910が設けられ、絶縁膜910の上方には画素部902、ゲート側駆動回路903が形成されており、画素部902は電流制御用TFT911とそのドレインに電気的に接続された画素電極912を含む複数の画素により形成される。実際には一つの画素内に複数のTFTが作り込まれるが、ここでは簡略化のため、電流制御用TFT911のみを図示した。また、ゲート側駆動回路903はnチャネル型TFT913、914とで形成される。
【0123】
これらのTFT(911、913、914を含む)は、上記実施例1のnチャネル型TFTに従って作製すればよい。
【0124】
また、OLEDを有する表示装置においては、OLEDに一定の電圧を印加して電流を供給するように回路設計を行った駆動方法や、OLEDに一定の電流が供給されるようにOLEDに印加する電圧を調節するように回路設計を行った駆動方法や、OLEDに一定の電流が供給されるように回路設計を行った駆動方法などがあるが、駆動方法によらず、OLEDと電気的に接続され、且つ、OLEDに電流を供給するTFT(本明細書中、このTFTを電流制御用TFTと呼び、図16においては、電流制御用TFT911に相当する)のオン電流(Ion)で画素の輝度が決定される。
【0125】
なお、本実施例では、スイッチングTFT802にnチャネル型TFTを用い、電流制御用TFT911にnチャネル型TFTを用いたが、本発明はこの構成に限定されず、一つの画素に設けるTFTを3個、4個、5個、6個もしくはそれ以上であってもよい。スイッチングTFTと電流制御用TFTをpチャネル型TFTで形成しても良い。ただし、OLEDの陰極を画素電極として用いる場合、電流制御用TFTはnチャネル型TFTであることが望ましく、OLEDの陽極を画素電極として用いる場合、電流制御用TFTはpチャネル型TFTであることが望ましい。
【0126】
また、TFTの活性層とOLEDとの間に設ける絶縁膜808は、平坦性の高く、透光性の高い絶縁膜を用いることが望ましい。具体的には塗布法での有機樹脂膜と、スパッタ法での窒化珪素膜とを積層すればよい。もしくは、絶縁膜の成膜後に平坦化処理を行うことが好ましい。平坦化処理としては、平坦性を向上させる公知の技術、例えば化学的機械研磨(Chemical-Mechanical Polishing:以下、CMPと記す)と呼ばれる研磨工程を用いればよい。CMPを用いる場合、絶縁膜に対するCMPの研磨剤(スラリー)には、例えば、塩化シリコンガスを熱分解して得られるフュームドシリカ粒子をKOH添加水溶液に分散したものを用いると良い。CMPにより絶縁膜を0.1〜0.5μm程度除去して、表面を平坦化する。OLEDは、有機化合物層の膜厚が不均一であると発光にバラツキが生じるため可能な限り均一な膜厚とすることが望ましい。
【0127】
なお、TFTの活性層とOLEDとの間に設ける絶縁膜807、808としては、アルカリ金属イオンやアルカリ土金属イオン等の不純物イオンの拡散をブロックするだけでなく、積極的にアルカリ金属イオンやアルカリ土金属イオン等の不純物イオンを吸着する材料が好ましく、更には後のプロセス温度に耐えうる材料が適している。これらの条件に合う材料は、一例としてフッ素を多く含んだ窒化シリコン膜が挙げられる。窒化シリコン膜の膜中に含まれるフッ素濃度は、1×1019/cm3以上、好ましくは窒化シリコン膜中でのフッ素の組成比を1〜5%とすればよい。窒化シリコン膜中のフッ素がアルカリ金属イオンやアルカリ土金属イオン等と結合し、膜中に吸着される。また、他の例としてアルカリ金属イオンやアルカリ土金属イオン等を吸着するアンチモン(Sb)化合物、スズ(Sn)化合物、またはインジウム(In)化合物からなる微粒子を含む有機樹脂膜、例えば、五酸化アンチモン微粒子(Sb2O5・nH2O)を含む有機樹脂膜も挙げられる。なお、この有機樹脂膜は、平均粒径10〜20nmの微粒子が含まれており、光透過性も非常に高い。この五酸化アンチモン微粒子で代表されるアンチモン化合物は、アルカリ金属イオン等の不純物イオンやアルカリ土金属イオンを吸着しやすい。
【0128】
また、TFTの活性層とOLEDとの間に設ける絶縁膜807、808の他の材料としては、AlNXOYで示される層を用いてもよい。スパッタ法を用い、例えば、窒化アルミニウム(AlN)ターゲットを用い、アルゴンガスと窒素ガスと酸素ガスを混合した雰囲気下にて成膜して得られるアルミニウムを含む窒化酸化物層(AlNXOYで示される層)は、窒素を2.5atm%〜47.5atm%含む膜であり、水分や酸素をブロッキングすることができる効果に加え、熱伝導性が高く放熱効果を有し、さらには透光性が非常に高いという特徴を有している。加えて、アルカリ金属やアルカリ土類金属などの不純物がTFTの活性層に入り込むのを防ぐことができる。
【0129】
電流制御用TFT911の一方の不純物領域806と電気的に接続している電極809に電気的に接続された画素電極912はOLEDの陽極として機能する。陽極は、仕事関数の大きい導電膜、代表的には酸化物導電膜が用いられる。酸化物導電膜としては、酸化インジウム、酸化スズ、酸化亜鉛もしくはそれらの化合物を用いれば良い。また、画素電極912の両端には無機絶縁物または有機絶縁物からなるバンク915が形成され、画素電極912上にはEL層916およびOLEDの陰極917が形成される。
【0130】
EL層916としては、発光層、電荷輸送層または電荷注入層を自由に組み合わせてEL層(発光及びそのためのキャリアの移動を行わせるための層)を形成すれば良い。例えば、低分子系有機EL材料や高分子系有機EL材料を用いればよい。また、EL層として一重項励起により発光(蛍光)する発光材料(シングレット化合物)からなる薄膜、または三重項励起により発光(リン光)する発光材料(トリプレット化合物)からなる薄膜を用いることができる。また、電荷輸送層や電荷注入層として炭化珪素等の無機材料を用いることも可能である。これらの有機EL材料や無機材料は公知の材料を用いることができる。
【0131】
陰極917は全画素に共通の配線としても機能し、接続配線908を経由してFPC909に電気的に接続されている。陰極917に用いる材料としては仕事関数の小さい金属(代表的には周期表の1族もしくは2族に属する金属元素)や、これらを含む合金を用いることが好ましいとされている。仕事関数が小さければ小さいほど発光効率が向上するため、中でも、陰極に用いる材料としては、アルカリ金属の一つであるLi(リチウム)を含む合金材料が望ましい。さらに、画素部902及びゲート側駆動回路903に含まれる素子は全て陰極917、シール材918、及び保護膜919で覆われている。
【0132】
なお、シール材918としては、できるだけ可視光に対して透明もしくは半透明な材料を用いるのが好ましい。また、シール材918はできるだけ水分や酸素を透過しない材料であることが望ましい。
【0133】
また、シール材918を用いてOLEDを完全に覆った後、すくなくとも図16に示すようにAlON膜、AlN膜、Al2O3膜、またはDLC膜から選ばれた単層または積層からなる保護膜919をシール材918の表面(露呈面)に設けることが好ましい。また、基板の裏面を含む全面に保護膜を設けてもよい。ここで、外部入力端子(FPC)が設けられる部分に保護膜が成膜されないように注意することが必要である。マスクを用いて保護膜が成膜されないようにしてもよいし、CVD装置で使用するマスキングテープ等のテープで外部入力端子部分を覆うことで保護膜が成膜されないようにしてもよい。
【0134】
以上のような構造でOLEDをシール材918及び保護膜で封入することにより、OLEDを外部から完全に遮断することができ、外部から水分や酸素等のEL層の酸化による劣化を促す物質が侵入することを防ぐことができる。加えて、保護膜として熱伝導性を有する膜(AlON膜、AlN膜など)を用いれば駆動させたときに生じる発熱を発散することができる。従って、信頼性の高い発光装置を得ることができる。
【0135】
また、画素電極を陰極とし、EL層と陽極を積層して図16とは逆方向に発光する構成としてもよい。図17にその一例を示す。なお、上面図は同一であるので省略する。
【0136】
図17に示した断面構造について以下に説明する。基板1000としては、ガラス基板や石英基板の他にも、半導体基板または金属基板も使用することができる。基板1000上に絶縁膜1010が設けられ、絶縁膜1010の上方には画素部1002、ゲート側駆動回路1003が形成されており、画素部1002は電流制御用TFT1011とそのドレインに電気的に接続された画素電極1012を含む複数の画素により形成される。また、ゲート側駆動回路1003はnチャネル型TFT1013とnチャネル型TFT1014とを組み合わせて形成される。
【0137】
画素電極1012はOLEDの陰極として機能する。また、画素電極1012の両端にはバンク1015が形成され、画素電極1012上にはEL層1016およびOLEDの陽極1017が形成される。
【0138】
陽極1017は全画素に共通の配線としても機能し、接続配線1008を経由してFPC1009に電気的に接続されている。さらに、画素部1002及びゲート側駆動回路1003に含まれる素子は全て陽極1017、シール材1018、及び保護膜1019で覆われている。また、カバー材1021と基板1000とを接着剤で貼り合わせた。また、カバー材には凹部を設け、乾燥剤1021を設置する。
【0139】
なお、シール材1018としては、できるだけ可視光に対して透明もしくは半透明な材料を用いるのが好ましい。また、シール材1018はできるだけ水分や酸素を透過しない材料であることが望ましい。
【0140】
また、図17では、画素電極を陰極とし、EL層と陽極を積層したため、発光方向は図17に示す矢印の方向となっている。
【0141】
また、ここでは図示しないが、用いる金属層(ここでは陰極となる画素電極など)の反射により背景が映り込むことを防ぐために、位相差板(λ/4板)や偏光板からなる円偏光板と呼ばれる円偏光手段をカバー材1020上に設けてもよい。
【0142】
また、本実施例は、実施例1、実施例4、実施例6のいずれとも自由に組み合わせることができる。
【0143】
実施例4に示したシフトレジスタを用いて駆動回路を構成することも可能であるが、シフトレジスタに代えてnチャネル型TFTのみを用いたデコーダを用い、ソース駆動回路およびゲート駆動回路を全てE型TFTで形成した場合について図18〜図20を用いて以下に説明する。
【0144】
図18はゲート側駆動回路の例である。図18において、400がゲート側駆動回路のデコーダ、401がゲート側駆動回路のバッファ部である。なお、バッファ部とは複数のバッファ(緩衝増幅器)が集積化された部分を指す。また、バッファとは後段の影響を前段に与えずに駆動を行う回路を指す。
【0145】
まずゲート側デコーダ400を説明する。まず402はデコーダ400の入力信号線(以下、選択線という)であり、ここではA1、A1バー(A1の極性が反転した信号)、A2、A2バー(A2の極性が反転した信号)、…An、Anバー(Anの極性が反転した信号)を示している。即ち、2n本の選択線が並んでいると考えれば良い。
【0146】
選択線の本数はゲート側駆動回路から出力されるゲート配線が何列あるかによってその数が決まる。例えばVGA表示の画素部をもつ場合はゲート配線が480本となるため、9bit分(n=9に相当する)で合計18本の選択線が必要となる。選択線402は図19のタイミングチャートに示す信号を伝送する。図19に示すように、A1の周波数を1とすると、A2の周波数は2-1倍、A3の周波数は2-2倍、Anの周波数は2-(n-1)倍となる。
【0147】
また、403aは第1段のNAND回路(NANDセルともいう)、403bは第2段のNAND回路、403cは第n段のNANDである。NAND回路はゲート配線の本数分が必要であり、ここではn個が必要となる。即ち、本実施例ではデコーダ400が複数のNAND回路からなる。
【0148】
また、NAND回路403a〜403cは、nチャネル型TFT404〜409が組み合わされてNAND回路を形成している。なお、実際には2n個のTFTがNAND回路403に用いられている。また、nチャネル型TFT404〜409の各々のゲートは選択線402(A1、A1バー、A2、A2バー…An、Anバー)のいずれかに接続されている。
【0149】
このとき、NAND回路403aにおいて、A1、A2…An(これらを正の選択線と呼ぶ)のいずれかに接続されたゲートを有するnチャネル型TFT404〜406は、互いに並列に接続されており、共通のソースとして負電源線(VDL)410に接続され、共通のドレインとして出力線411に接続されている。また、A1バー、A2バー…Anバー(これらを負の選択線と呼ぶ)のいずれかに接続されたゲートを有するnチャネル型TFT407〜409は、互いに直列に接続されており、回路端に位置するnチャネル型TFT409のソースが正電源線(VDH)412に接続され、もう一方の回路端に位置するnチャネル型TFT407のドレインが出力線411に接続されている。
【0150】
以上のように、本実施例においてNAND回路は直列に接続されたn個のnチャネル型TFTおよび並列に接続されたn個のnチャネル型TFTを含む。但し、n個のNAND回路403a〜403cにおいて、nチャネル型TFTと選択線との組み合わせはすべて異なる。即ち、出力線411は必ず1本しか選択されないようになっており、選択線402には出力線411が端から順番に選択されていくような信号が入力される。
【0151】
次に、バッファ部401はNAND回路403a〜403cの各々に対応して複数のバッファ413a〜413cにより形成されている。但しバッファ413a〜413cはいずれも同一構造で良い。
【0152】
また、バッファ413a〜413cはnチャネル型TFT414〜416を用いて形成される。デコーダからの出力線411はnチャネル型TFT414(第1のnチャネル型TFT)のゲートとして入力される。nチャネル型TFT414は正電源線(VDH)417をソースとし、画素部に続くゲート配線418をドレインとする。また、nチャネル型TFT415(第2のnチャネル型TFT)は正電源線(VDH)417をゲートとし、負電源線(VDL)419をソースとし、ゲート配線418をドレインとして常時オン状態となっている。
【0153】
即ち、本実施例において、バッファ413a〜413cは第1のnチャネル型TFT(nチャネル型TFT414)および第1のnチャネル型TFTに直列に接続され、且つ、第1のnチャネル型TFTのドレインをゲートとする第2のnチャネル型TFT(nチャネル型TFT415)を含む。
【0154】
また、nチャネル型TFT416(第3のnチャネル型TFT)はリセット信号線(Reset)をゲートとし、負電源線(VDL)419をソースとし、ゲート配線418をドレインとする。なお、負電源線(VDL)419は接地電源線(GND)としても構わない。
【0155】
このとき、nチャネル型TFT415のチャネル幅(W1とする)とnチャネル型TFT414のチャネル幅(W2とする)との間にはW1<W2の関係がある。なお、チャネル幅とはチャネル長に垂直な方向におけるチャネル形成領域の長さである。
【0156】
バッファ413aの動作は次の通りである。まず出力線411に負電圧が加えられているとき、nチャネル型TFT414はオフ状態(チャネルが形成されていない状態)となる。一方でnチャネル型TFT415は常にオン状態(チャネルが形成されている状態)であるため、ゲート配線418には負電源線419の電圧が加えられる。
【0157】
ところが、出力線411に正電圧が加えられた場合、nチャネル型TFT414がオン状態となる。このとき、nチャネル型TFT414のチャネル幅がnチャネル型TFT415のチャネル幅よりも大きいため、ゲート配線418の電位はnチャネル型TFT414側の出力に引っ張られ、結果的に正電源線417の電圧がゲート配線418に加えられる。
【0158】
従って、ゲート配線418は、出力線411に正電圧が加えられるときは正電圧(画素のスイッチング素子として用いるnチャネル型TFTがオン状態になるような電圧)を出力し、出力線411に負電圧が加えられているときは常に負電圧(画素のスイッチング素子として用いるnチャネル型TFTがオフ状態になるような電圧)を出力する。
【0159】
なお、nチャネル型TFT416は正電圧が加えられたゲート配線418を強制的に負電圧に引き下げるリセットスイッチとして用いられる。即ち、ゲート配線418の選択期間が終了したら。リセット信号を入力してゲート配線418に負電圧を加える。但しnチャネル型TFT416は省略することもできる。
【0160】
以上のような動作のゲート側駆動回路によりゲート配線が順番に選択されることになる。次に、ソース側駆動回路の構成を図20に示す。図20に示すソース側駆動回路はデコーダ421、ラッチ422およびバッファ部423を含む。なお、デコーダ421およびバッファ部423の構成はゲート側駆動回路と同様であるので、ここでの説明は省略する。
【0161】
図20に示すソース側駆動回路の場合、ラッチ422は第1段目のラッチ424および第2段目のラッチ425からなる。また、第1段目のラッチ424および第2段目のラッチ425は、各々m個のnチャネル型TFT426a〜426cで形成される複数の単位ユニット427を有する。デコーダ421からの出力線428は単位ユニット427を形成するm個のnチャネル型TFT426a〜426cのゲートに入力される。なお、mは任意の整数である。
【0162】
例えば、VGA表示の場合、ソース配線の本数は640本である。m=1の場合はNAND回路も640個必要となり、選択線は20本(10bit分に相当する)必要となる。しかし、m=8とすると必要なNAND回路は80個となり、必要な選択線は14本(7bit分に相当する)となる。即ち、ソース配線の本数をM本とすると、必要なNAND回路は(M/m)個となる。
【0163】
そして、nチャネル型TFT426a〜426cのソースは各々ビデオ信号線(V1、V2…Vk)429に接続される。即ち、出力線428に正電圧が加えられると一斉にnチャネル型TFT426a〜426cがオン状態となり、各々に対応するビデオ信号が取り込まれる。また、こうして取り込まれたビデオ信号は、nチャネル型TFT426a〜426cの各々に接続されたコンデンサ430a〜430cに保持される。
【0164】
また、第2段目のラッチ425も複数の単位ユニット427bを有し、単位ユニット427bはm個のnチャネル型TFT431a〜431cで形成される。nチャネル型TFT431a〜431cのゲートはすべてラッチ信号線432に接続され、ラッチ信号線432に負電圧が加えられると一斉にnチャネル型TFT431a〜431cがオン状態となる。
【0165】
その結果、コンデンサ430a〜430cに保持されていた信号が、nチャネル型TFT431a〜431cの各々に接続されたコンデンサ433a〜433cに保持されると同時にバッファ423へと出力される。そして、図19で説明したようにバッファを介してソース配線434に出力される。以上のような動作のソース側駆動回路によりソース配線が順番に選択されることになる。
【0166】
以上のように、nチャネル型TFTのみでゲート側駆動回路およびソース側駆動回路を形成することにより画素部および駆動回路をすべてnチャネル型TFTで形成することが可能となる。なお、本実施例はソース側駆動回路もしくはゲート側駆動回路のいずれか片方を外付けのICチップとする場合にも適用できる。
【0167】
また、本実施例は実施例1乃至6のいずれか一と自由に組みあわせることができる。
【0168】
[実施例8]
実施例1では、熱活性化を行った例を示したが、ここではレーザー光を用いて活性化させる場合に、導電層を3層構造ではなく4層構造とする例を示す。
【0169】
まず、実施例1に従って同様にゲート絶縁膜を形成する工程まで行う。次いで、第1の導電膜として、W膜をスパッタ法で形成する。成膜条件は、Wターゲットを用い、圧力を0.2Pa、スパッタ電力1kW、基板温度を200℃、Ar流量を20sccm、基板とターゲットの距離を60mmとして30〜50nmの成膜を行う。
【0170】
次いで、第2の導電膜として、Al−Si膜をスパッタ法で形成する。成膜条件は、Alターゲット(Si:2wt%含有)を用い、圧力を0.4Pa、スパッタ電力4kW、基板温度を室温、Ar流量を50sccm、基板とターゲットの距離を60mmとして300〜500nmの成膜を行う。
【0171】
次いで、第3の導電膜として、TiN膜をスパッタ法で形成する。成膜条件は、Tiターゲットを用い、圧力を0.2Pa、スパッタ電力12kW、基板温度を室温、N2流量を50sccm、基板とターゲットの距離を400mmとして20〜100nmの成膜を行う。
【0172】
次いで、第4の導電膜として、Ti膜をスパッタ法で形成する。成膜条件は、Tiターゲットを用い、圧力を0.1Pa、スパッタ電力12kW、基板温度を室温、Ar流量を20sccm、基板とターゲットの距離を400mmとして20〜100nmの成膜を行う。この第4の導電膜は、後に行われるレーザー光による活性化の際に、レーザー光を反射させてゲート電極を保護するために設けるものである。
【0173】
次いで、実施例1と同様にエッチングを行ってゲート電極となる導電層を形成すればよい。本実施例では第4の導電膜を形成しているが、第3の導電膜とほぼ同一のエッチングレートである。
【0174】
以降の工程は、実施例1に従えばよい。ただし、本実施例では、実施例1に示した熱活性化に代えて、パルス発振または連続発振のYAGレーザの第2高調波、第3高調波を用いた活性化を行う。
【0175】
レーザー光を照射して活性化を行う場合、最上層の材料がTiNであると、TiN膜がレーザーエネルギーを吸収してダメージを受けやすい。
【0176】
本発明人らは、以下に示す実験を行った。
【0177】
基板上に第1の導電膜として50nmのタングステン膜を形成し、その上に第2の導電膜として500nmのAl−Si膜を形成し、さらに第3の導電膜として50nmの窒化チタン膜をそれぞれ上記スパッタ条件で形成した後、YAGレーザー光を照射した。レーザー光の条件は、それぞれレーザーエネルギー密度を120.6mJ/cm2、95.8mJ/cm2とした。
【0178】
上記レーザー光を照射した後、顕微鏡で観察した写真図が図21(A)、図21(B)である。図21(A)がレーザーエネルギー密度120.6mJ/cm2のレーザー光を照射したものであり、図21(B)が95.8mJ/cm2である。いずれもレーザー光の照射が原因と思われる縞またはひび割れが観察された。この結果から、レーザー光によりTiN膜はダメージを受けやすいことが読み取れる。
【0179】
一方、第1の導電膜として50nmのタングステン膜を形成し、その上に第2の導電膜として500nmのAl−Si膜を形成し、さらに第3の導電膜として20nmの窒化チタン膜を形成し、さらに第4の導電膜として30nmのチタン膜を形成した後、YAGレーザー光を照射した。レーザー光の条件は、それぞれレーザーエネルギー密度を120.6mJ/cm2とした。上記レーザー光を照射した後、顕微鏡で観察した写真図が図21(C)である。レーザー光を照射しても特に変化は見られず、第4の導電膜によって保護されたことが読み取れる。
【0180】
本実施例に示す4層構造とすることによって、レーザー光による活性化を可能とすることができる。特に基板がプラスチック基板のような耐熱性が低い材料である場合、レーザー光による活性化を行うため、4層構造とすることは有用である。
【0181】
また、本実施例では4層構造とした例を示したが、3層構造とした場合でも、第3の導電膜を50nmのタングステン膜、または50nmのチタン膜としてもどちらも第3の導電膜の照射表面には変化が見られなかった。
【0182】
また、本実施例は実施例1乃至7のいずれか一と自由に組みあわせることができる。
【0183】
[実施例9]
本発明を実施して形成された駆動回路や画素部は様々なモジュール(アクティブマトリクス型液晶モジュール、アクティブマトリクス型ELモジュール、アクティブマトリクス型ECモジュール)を完成させることができる。即ち、本発明を実施することによって、それらを組み込んだ全ての電子機器が完成される。
【0184】
その様な電子機器としては、ビデオカメラ、デジタルカメラ、ヘッドマウントディスプレイ(ゴーグル型ディスプレイ)、カーナビゲーション、プロジェクタ、カーステレオ、パーソナルコンピュータ、携帯情報端末(モバイルコンピュータ、携帯電話または電子書籍等)などが挙げられる。それらの一例を図11、図12に示す。
【0185】
図11(A)はパーソナルコンピュータであり、本体2001、画像入力部2002、表示部2003、キーボード2004等を含む。
【0186】
図11(B)はモバイルコンピュータ(モービルコンピュータ)であり、本体2201、カメラ部2202、受像部2203、操作スイッチ2204、表示部2205等を含む。
【0187】
図11(C)はプログラムを記録した記録媒体(以下、記録媒体と呼ぶ)を用いるプレーヤーであり、本体2401、表示部2402、スピーカ部2403、記録媒体2404、操作スイッチ2405等を含む。なお、このプレーヤーは記録媒体としてDVD(Digtial Versatile Disc)、CD等を用い、音楽鑑賞や映画鑑賞やゲームやインターネットを行うことができる。
【0188】
図12(A)は携帯書籍(電子書籍)であり、本体3001、表示部3002、3003、記憶媒体3004、操作スイッチ3005、アンテナ3006等を含む。
【0189】
図12(B)はディスプレイであり、本体3101、支持台3102、表示部3103等を含む。本発明は対角が10〜50インチのディスプレイを完成させることができる。
【0190】
以上の様に、本発明の適用範囲は極めて広く、あらゆる分野の電子機器の作製方法に適用することが可能である。また、本実施例の電子機器は実施例1〜8のどのような組み合わせからなる構成を用いても実現することができる。
【0191】
【発明の効果】
本発明によりアクティブマトリクス型の液晶表示装置やアクティブマトリクス型のOLEDを有する発光装置に代表される半導体装置において、画素部の面積が大きくなり大画面化しても良好な表示を実現することができる。画素部のソース配線の抵抗を大幅に低下させたため、例えば、対角40インチや対角50インチの大画面にも本発明は対応しうる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 AM−LCDの作製工程を示す図。
【図2】 AM−LCDの作製工程を示す図。
【図3】 AM−LCDの作製工程を示す図。
【図4】 画素の上面図を示す図。
【図5】 液晶モジュールの外観を示す図。
【図6】 透過型の液晶表示装置の断面を示す図。
【図7】 NMOS回路の構成を示す図。
【図8】 シフトレジスタの構成を示す図。
【図9】 本発明の画素部上面図を示す図。
【図10】 本発明の画素部断面図を示す図。
【図11】 電子機器の一例を示す図。
【図12】 電子機器の一例を示す図。
【図13】 エッチング後の観察SEM写真図。
【図14】 エッチング後の観察SEM写真図。
【図15】 駆動回路のTFTにおける信頼性(20時間保証電圧、10年保証電圧)とLov長との関係を示す図である。
【図16】 ELモジュールの上面及び断面を示す図。
【図17】 ELモジュールの断面を示す図。
【図18】 ゲート側駆動回路の構成を示す図。
【図19】 デコーダ入力信号のタイミングチャートを示す図。
【図20】 ソース側駆動回路の構成を示す図。
【図21】 レーザー照射後の金属膜表面の観察写真を示す図。
Claims (10)
- 下地絶縁膜と、
前記下地絶縁膜上に形成され、少なくとも第1の不純物領域と第2の不純物領域を有する島状の半導体層と、
前記下地絶縁膜及び前記半導体層上を覆う第1の絶縁膜と、
前記第1の絶縁膜上に形成され、タングステンまたは窒化タンタルを主成分とする膜、アルミニウム、銅、銀及び金のいずれかを主成分とする膜、及び窒化チタンを主成分とする膜の積層構造を有するゲート電極及びソース配線と、
前記第1の絶縁膜、前記ゲート電極、及び前記ソース配線上に形成された第2の絶縁膜と、
前記第2の絶縁膜上に形成された、前記ソース配線と前記第1の不純物領域を接続する配線、及び前記第2の不純物領域に接続する画素電極と、を有し、
前記第1の不純物領域及び前記第2の不純物領域はn型を付与する不純物元素が添加されていることを特徴とする半導体装置。 - 下地絶縁膜と、
前記下地絶縁膜上に形成され、少なくとも第1の不純物領域と第2の不純物領域を有する島状の半導体層と、
前記下地絶縁膜及び前記半導体層上を覆う第1の絶縁膜と、
前記第1の絶縁膜上に形成され、タングステンまたは窒化タンタルを主成分とする膜、アルミニウム、銅、銀及び金のいずれかを主成分とする膜、及びチタンを主成分とする膜の積層構造を有するゲート電極及びソース配線と、
前記第1の絶縁膜、前記ゲート電極、及び前記ソース配線上に形成された第2の絶縁膜と、
前記第2の絶縁膜上に形成された、前記ソース配線と前記第1の不純物領域を接続する配線、及び前記第2の不純物領域に接続する画素電極と、を有し、
前記第1の不純物領域及び前記第2の不純物領域はn型を付与する不純物元素が添加されていることを特徴とする半導体装置。 - 下地絶縁膜と、
前記下地絶縁膜上に形成され、少なくとも第1の不純物領域と第2の不純物領域を有する島状の半導体層と、
前記下地絶縁膜及び前記半導体層上を覆う第1の絶縁膜と、
前記第1の絶縁膜上に形成され、タングステン膜、Siを含むアルミニウム膜、窒化チタン膜、及びチタン膜の積層構造を有するゲート電極及びソース配線と、
前記第1の絶縁膜、前記ゲート電極、及び前記ソース配線上に形成された第2の絶縁膜と、
前記第2の絶縁膜上に形成された、前記ソース配線と前記第1の不純物領域を接続する配線、及び前記第2の不純物領域に接続する画素電極と、を有し、
前記第1の不純物領域及び前記第2の不純物領域はn型を付与する不純物元素が添加されていることを特徴とする半導体装置。 - 請求項1乃至請求項3のいずれか一項に記載された半導体装置とは、
透過型または反射型の液晶モジュールであることを特徴とする半導体装置。 - 請求項1乃至請求項3のいずれか一項に記載された半導体装置とは、
OLEDを有する発光装置であることを特徴とする半導体装置。 - 請求項4において、
前記液晶モジュールは、ビデオカメラ、デジタルカメラ、カーナビゲーション、パーソナルコンピュータ、携帯型情報端末、または電子遊技機器に組み込まれていることを特徴とする半導体装置。 - 請求項5において、
前記発光装置は、ビデオカメラ、デジタルカメラ、カーナビゲーション、パーソナルコンピュータ、携帯型情報端末、または電子遊技機器に組み込まれていることを特徴とする半導体装置。 - 下地絶縁膜上に島状の半導体層を形成し、
前記下地絶縁膜及び前記半導体層上に第1の絶縁膜を形成し、
前記第1の絶縁膜上に、タングステンまたは窒化タンタルを主成分とする膜、アルミニウム、銅、銀及び金のいずれかを主成分とする膜、及び窒化チタンを主成分とする膜の積層構造を有するゲート電極及びソース配線を形成し、
前記ゲート電極をマスクとして前記半導体層にn型を付与する不純物元素を添加して少なくとも第1の不純物領域と第2の不純物領域を形成し、
前記第1の絶縁膜、前記ゲート電極及び前記ソース配線を覆う第2の絶縁膜を形成し、
前記第2の絶縁膜上に、前記ソース配線と前記第1の不純物領域を接続する配線、及び前記第2の不純物領域に接続する画素電極を形成することを特徴とする半導体装置の作製方法。 - 下地絶縁膜上に島状の半導体層を形成し、
前記下地絶縁膜及び前記半導体層上に第1の絶縁膜を形成し、
前記第1の絶縁膜上に、タングステンまたは窒化タンタルを主成分とする膜、アルミニウム、銅、銀及び金のいずれかを主成分とする膜、及びチタンを主成分とする膜の積層構造を有するゲート電極及びソース配線を形成し、
前記ゲート電極をマスクとして前記半導体層にn型を付与する不純物元素を添加して少なくとも第1の不純物領域と第2の不純物領域を形成し、
前記第1の絶縁膜、前記ゲート電極及び前記ソース配線を覆う第2の絶縁膜を形成し、
前記第2の絶縁膜上に、前記ソース配線と前記第1の不純物領域を接続する配線、及び前記第2の不純物領域に接続する画素電極を形成することを特徴とする半導体装置の作製方法。 - 下地絶縁膜上に島状の半導体層を形成し、
前記下地絶縁膜及び前記半導体層上に第1の絶縁膜を形成し、
前記第1の絶縁膜上に、タングステン膜、Siを含むアルミニウム膜、窒化チタン膜、及びチタン膜の積層構造を有するゲート電極及びソース配線を形成し、
前記ゲート電極をマスクとして前記半導体層にn型を付与する不純物元素を添加して少なくとも第1の不純物領域と第2の不純物領域を形成し、
前記第1の絶縁膜、前記ゲート電極及び前記ソース配線を覆う第2の絶縁膜を形成し、
前記第2の絶縁膜上に、前記ソース配線と前記第1の不純物領域を接続する配線、及び前記第2の不純物領域に接続する画素電極を形成することを特徴とする半導体装置の作製方法。
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