以下の実施の形態においては便宜上その必要があるときは、複数のセクションまたは実施の形態に分割して説明するが、特に明示した場合を除き、それらはお互いに無関係なものではなく、一方は他方の一部または全部の変形例、詳細、補足説明等の関係にある。また、以下の実施の形態において、要素の数等(個数、数値、量、範囲等を含む)に言及する場合、特に明示した場合および原理的に明らかに特定の数に限定される場合等を除き、その特定の数に限定されるものではなく、特定の数以上でも以下でも良い。さらに、以下の実施の形態において、その構成要素(要素ステップ等も含む)は、特に明示した場合および原理的に明らかに必須であると考えられる場合等を除き、必ずしも必須のものではないことは言うまでもない。同様に、以下の実施の形態において、構成要素等の形状、位置関係等に言及するときは、特に明示した場合および原理的に明らかにそうでないと考えられる場合等を除き、実質的にその形状等に近似または類似するもの等を含むものとする。このことは、上記数値および範囲についても同様である。
以下、本発明の実施の形態を図面に基づいて詳細に説明する。なお、実施の形態を説明するための全図において、同一の機能を有する部材には同一の符号を付し、その繰り返しの説明は省略する。また、以下の実施の形態では、特に必要なとき以外は同一または同様な部分の説明を原則として繰り返さない。
また、実施の形態で用いる図面においては、断面図であっても図面を見易くするためにハッチングを省略する場合もある。また、平面図であっても図面を見易くするためにハッチングを付す場合もある。
(実施の形態1)
本実施の形態の半導体装置を図面を参照して説明する。本実施の形態の半導体装置は、容量素子を有する半導体装置である。
図1〜図7は、本実施の形態の半導体装置の要部断面図であり、図8〜図18は、本実施の形態の半導体装置の要部平面図である。図1〜図6および図8〜図18には、半導体装置のキャパシタ形成領域の平面図または断面図が示され、図7には、半導体装置のMISFET形成領域の断面図が示されている。図1は図8および図9のA−A線の断面に対応し、図2は図8および図9のB−B線の断面に対応し、図3は図8および図9のC−C線の断面に対応し、図4は図8および図9のD−D線の断面に対応し、図5は図9のE−E線の断面に対応し、図6は図9のF−F線の断面に対応するが、図1〜図7の断面図では、絶縁膜36および配線M5よりも上層の構造は、図示を省略している。また、半導体装置において、図7のMISFET形成領域は、図8〜図18のキャパシタ形成領域とは異なる平面領域に配置されている。
また、図8〜図13には、半導体装置の同じ平面領域(ここではキャパシタ形成領域)の異なる層が示されている。すなわち、図8には、キャパシタ形成領域におけるp型半導体領域11b,11cおよび導体パターン8bの平面レイアウト(平面配置)が示され、図9には、第1層配線である配線M1のキャパシタ形成領域における平面レイアウトが示され、図10には、第2層配線である配線M2のキャパシタ形成領域における平面レイアウトが示されている。また、図11には、第3層配線である配線M3のキャパシタ形成領域における平面レイアウトが示されて、図12には、第4層配線である配線M4のキャパシタ形成領域における平面レイアウトが示され、図13には、第5層配線である配線M5のキャパシタ形成領域における平面レイアウトが示されている。また、図14は、キャパシタ形成領域におけるp型半導体領域11b,11cおよび導体パターン8bに配線M1の平面レイアウトを重ねたものに対応する。なお、図14において、p型半導体領域11cは、シールド用の金属パターンMG1の下方にある。図8〜図14は、いずれも平面図であるが、図面を見やすくするために、p型半導体領域11b,11c、導体パターン8bおよび配線M1,M2,M3,M4,M5にハッチングを付してある。
また、図15は、キャパシタ形成領域におけるp型半導体領域11b,11cおよび導体パターン8bとプラグ23a,23bの平面レイアウトが示されている。また、図16は、キャパシタ形成領域における配線M1(すなわち配線M1により形成された金属パターンMP1,MP2およびシールド用の金属パターンMG1)とプラグ26の平面レイアウトが示されている。また、図17は、キャパシタ形成領域における配線M2,M4(すなわち配線M2,M4により形成された金属パターンMP3,MP4およびシールド用の金属パターンMG2,MG4)とプラグ29,35の平面レイアウトが示されている。また、図18は、キャパシタ形成領域における配線M3,M5(すなわち配線M3,M5により形成された金属パターンMP1,MP2およびシールド用の金属パターンMG3,MG5)とプラグ32の平面レイアウトが示されている。なお、キャパシタ形成領域における配線M2(すなわち配線M2により形成された金属パターンMP3,MP4,MG2)と配線M4(すなわち配線M4により形成された金属パターンMP3,MP4,MG4)の平面レイアウトは同じで、プラグ29とプラグ35の平面レイアウトは同じであるので、同じ図17で示している。また、キャパシタ形成領域における配線M3(すなわち配線M3により形成された金属パターンMP1,MP2,MG3)と配線M5(すなわち配線M5により形成された金属パターンMP1,MP2,MG5)の平面レイアウトは同じであるので、同じ図18で示している。
本実施の形態の半導体装置は、MISFET形成領域にMISFET(電界効果トランジスタ)が形成され、MISFET形成領域とは異なる領域(平面領域)であるキャパシタ形成領域に容量素子C1が形成されている。本実施形態の半導体装置の具体的な構成を図1〜図18を参照して説明する。
図1〜図7に示されるように、本実施の形態の半導体装置を構成する半導体基板1は、例えば1〜10Ωcm程度の比抵抗を有するp型の単結晶シリコンなどからなる。本実施の形態の半導体装置を形成する半導体基板1は、容量素子C1が形成されたキャパシタ形成領域(第2領域)と、MISFET(電界効果トランジスタ)が形成されたMISFET形成領域(第1領域)とを有しており、図1〜図6には、このキャパシタ形成領域(第2領域)の断面図が示され、図7には、このMISFET形成領域(第1領域)の断面図が示されている。
図1〜図7に示されるように、半導体基板1の主面には、素子分離領域(絶縁体が埋め込まれた溝)2が形成されている。素子分離領域2は、半導体基板1に形成された溝(素子分離溝、素子分離用の溝、素子分離領域形成用の溝)に絶縁体(例えば酸化シリコン)を埋め込んだものである。すなわち、素子分離領域2は、半導体基板1に形成されかつ絶縁体(絶縁膜)が埋め込まれた溝からなる。素子分離領域2は、STI(Shallow Trench Isolation)法により形成することができる。
半導体基板1の主面において、素子分離領域2によって活性領域(素子分離領域2によって囲まれ、素子分離領域2が形成されていない領域)が規定される。すなわち、MISFET形成領域では、半導体基板1に、素子分離領域2によって規定された活性領域1aが形成され、キャパシタ形成領域では、半導体基板1に、素子分離領域2によって規定された活性領域1b,1cが形成されている。活性領域1a,1b,1cは、半導体基板1の基板領域であり、半導体基板1の主面において素子分離領域2が形成されていない領域に対応する。
MISFET形成領域の活性領域1aは、MISFETを形成するための活性領域である。一方、キャパシタ形成領域の活性領域1b,1cは、半導体素子を形成するための活性領域ではなく、素子分離領域2形成時の半導体基板1主面の平坦性向上(キャパシタ形成領域のディッシング防止)のために設けられたものであり、ダミーの活性領域(ダミー活性領域パターン、ダミーパターン)とみなすことができる。
キャパシタ形成領域の半導体基板1にp型ウエル領域(半導体領域、第1半導体領域)3が形成され、MISFET形成領域の半導体基板1にn型ウエル領域(半導体領域)4が形成されている。p型ウエル領域3の下には、n型ウエル領域(半導体領域)5が形成され、p型ウエル領域3の側面の周囲にはn型ウエル領域(半導体領域)6が形成されている。従って、p型ウエル領域3は、逆の導電型のn型ウエル領域5,6で囲まれた状態となっており、それによって、p型ウエル領域3は他の領域から電気的に分離される。p型ウエル領域3とn型ウエル領域5との接合面の深さ(すなわちp型ウエル領域3の下面の深さ)は、素子分離領域2の底部よりも深く、キャパシタ形成領域において、p型ウエル領域3は活性領域1b,1cを平面的に含むように形成され、素子分離領域2の下方にも延在している。
図7に示されるように、MISFET形成領域において、活性領域1aのn型ウエル領域4上にはpチャネル型のMISFET(Metal Insulator Semiconductor Field Effect Transistor:MIS型電界効果トランジスタ)Qpが形成されている。MISFET形成領域のMISFETQpは、活性領域1aのn型ウエル領域4の表面に形成されたゲート絶縁膜7と、ゲート絶縁膜7上に形成されたゲート電極8aとを有している。すなわち、ゲート電極8aは、MISFET形成領域の素子分離領域2で規定された活性領域1a上にゲート絶縁膜7を介して形成されている。
ゲート電極8aの側壁上には酸化シリコン、窒化シリコン膜あるいはそれらの積層膜などの絶縁体からなるサイドウォール(サイドウォールスペーサ、側壁スペーサ、側壁絶縁膜)10aが形成されている。
MISFET形成領域において、活性領域1aのn型ウエル領域4内には、MISFETQpのソース・ドレイン用の半導体領域(p型不純物拡散層)が形成されており、このソース・ドレイン用の半導体領域は、LDD(Lightly Doped Drain)構造を有し、p−型半導体領域9と、p−型半導体領域9よりも不純物濃度が高いp+型半導体領域11aとにより形成されている。p−型半導体領域9は、サイドウォール10aの下のn型ウエル領域4に形成され、p+型半導体領域11aは、ゲート電極8aおよびサイドウォール10aの外側のn型ウエル領域4に形成されており、p+型半導体領域11aは、p−型半導体領域9の分だけチャネル領域から離間する位置のn型ウエル領域4に形成されている。
ゲート電極8aおよびp+型半導体領域11aの表面(表層部分)には、サリサイドプロセスなどによりそれぞれ金属シリサイド層(例えばコバルトシリサイド(CoSi2)層)を形成することができるが、図面の簡略化のために、この金属シリサイド層は図示を省略している。この金属シリサイド層により、p+型半導体領域11aなどの拡散抵抗や、コンタクト抵抗を低抵抗化することができる。
一方、図1〜図6に示されるように、キャパシタ形成領域において、活性領域1b,1cのp型ウエル領域3の表層部分にp型半導体領域(p型不純物拡散層、p+型半導体領域)11b,11cが形成されている。また、キャパシタ形成領域において、導体パターン8bが素子分離領域2上に形成されている。p型半導体領域11b,11c(活性領域1b,1c)および導体パターン8bは、キャパシタ形成領域において、図8に示されるようなパターンを有している。
p型半導体領域11b,11cは、p型ウエル領域3よりも不純物濃度が高く、例えばp型ウエル領域3の表層部分、すなわち活性領域1b,1cのp型ウエル領域3に、p型の不純物(例えばホウ素(B))をイオン注入などで導入することで形成されている。
キャパシタ形成領域において、素子分離領域2が形成されていない領域、すなわち素子分離領域2で規定された活性領域1b,1cに、それぞれp型半導体領域11b,11cが形成されている。換言すれば、図8に示されるキャパシタ形成領域において、p型半導体領域11b,11cが形成された領域(平面領域)以外の領域には、素子分離領域2が形成されている。従って、図8に示されるキャパシタ形成領域において、p型半導体領域11bのパターン(平面形状)は、素子分離領域2で規定された(囲まれた)活性領域1bのパターン(平面形状)に対応(一致)し、p型半導体領域11cのパターン(平面形状)は、素子分離領域2で規定された(囲まれた)活性領域1cのパターン(平面形状)に対応(一致)する。
キャパシタ形成領域の導体パターン8bは、パターニングされた導電体膜(導体層)からなり、MISFET形成領域のゲート電極8aと同層の導体パターンである。このため、キャパシタ形成領域の導体パターン8bとMISFET形成領域のゲート電極8aとは、同じ材料(導電体材料)により構成され、同じ工程で形成される。例えば、ゲート電極8aおよび導体パターン8bは、半導体基板1の主面の全面上に多結晶シリコン膜(ドープトポリシリコン膜)などからなる導電体膜を形成し、フォトリソグラフィ法およびドライエッチング法を用いてこの導電体膜をパターニングすることで、形成することができる。従って、キャパシタ形成領域の導体パターン8bは、MISFETのゲート電極8aを形成する際に一緒(同時)に形成され、キャパシタ形成領域の導体パターン8bとMISFETのゲート電極8aとは同層の導電体膜からなるが、キャパシタ形成領域の導体パターン8bは、MISFETのゲート電極としては機能しない導体パターン、すなわちダミーのゲート電極パターン(ダミーパターン)である。導体パターン8bは、絶縁膜21の上面の平坦化時の絶縁膜21の平坦性向上(キャパシタ形成領域のディッシング防止)のために設けれられたものである。
また、MISFET形成領域のゲート電極8aと同様に、キャパシタ形成領域の導体パターン8bの側壁上にも、サイドウォール10aと同様のサイドウォール10bが形成されている。MISFET形成領域のゲート電極8aおよびp+型半導体領域11aと同様に、キャパシタ形成領域の導体パターン8bおよびp型半導体領域11b,11cの上部(表層部分)にもサリサイドプロセスなどにより金属シリサイド層を形成することができるが、図面の簡略化のために、この金属シリサイド層は図示を省略している。また、導体パターン8bおよびp型半導体領域11b,11cの上部の金属シリサイド層は、その形成を省略することもできる。
図1〜図7に示されるように、半導体基板1上に、ゲート電極8aおよび導体パターン8bを覆うように、絶縁膜(層間絶縁膜)21が形成されている。絶縁膜21は、窒化シリコン膜(下層側)とそれよりも厚い酸化シリコン膜(上層側)との積層膜、あるいは酸化シリコン膜の単体膜などにより形成されている。
絶縁膜21を成膜したときには、下地の段差(ゲート電極8aおよび導体パターン8bの段差など)に起因して絶縁膜21の上面に凹凸形状が形成されるが、絶縁膜21の成膜後、絶縁膜21の上面(表面)をCMP(Chemical Mechanical Polishing:化学的機械的研磨)法により研磨するなどして、絶縁膜21の上面(表面)は平坦化されている。このため、絶縁膜21よりも上の構造(後述の配線M1〜M5を含む多層配線構造)は、絶縁膜21の平坦な上面(表面)上に形成されている。
絶縁膜21には、コンタクトホール(開口部、孔、貫通孔)22が形成されており、コンタクトホール22内には、タングステン(W)膜を主体とする導電膜などからなるプラグ(導体部、接続用導体部)23が形成されて埋め込まれている。従って、プラグ23は、絶縁膜21に形成された開口部(ここではコンタクトホール22)に埋め込まれた導体部である。
MISFET形成領域において、コンタクトホール22およびそれを埋めるプラグ23は、p+型半導体領域11aの上部やゲート電極8aの上部などに形成されている。一方、キャパシタ形成領域において、コンタクトホール22およびそれを埋めるプラグ23は、p型半導体領域11c(活性領域1c)の上部と、導体パターン8bの上部とに形成されている。
図2〜図4および図15からも分かるように、コンタクトホール22のうちのコンタクトホール22a(第1開口部)は、キャパシタ形成領域においてp型半導体領域11cの上部に形成されて、その底部でp型半導体領域11c(またはその上部の金属シリサイド層)が露出されている。また、コンタクトホール22のうちのコンタクトホール22b(第2開口部)は、導体パターン8bの上部に形成されて、その底部で導体パターン8b(またはその上部の金属シリサイド層)が露出されている。従って、プラグ23のうち、コンタクトホール22a内に埋め込まれたプラグ23a(第1接続導体部)は、その底部がp型半導体領域11c(またはその上部の金属シリサイド層)に接して電気的に接続されている。また、プラグ23のうち、コンタクトホール22b内に埋め込まれたプラグ23b(第2接続導体部)は、その底部が導体パターン8b(またはその上部の金属シリサイド層)に接して電気的に接続されている。
図1〜図7に示されるように、絶縁膜21上には、配線M1〜M5を含む複数の配線層、すなわち多層配線構造が形成されている。
すなわち、プラグ23が埋め込まれた絶縁膜21上には、絶縁膜(層間絶縁膜)24が形成されており、この絶縁膜24には配線溝とこの配線溝に埋め込まれた配線M1が形成されている。配線M1は、ダマシン(Damascene)技術(ここではシングルダマシン技術)を用いて形成することができ、銅を主成分とする銅配線とすることができる。配線M1は、第1層配線(配線層)である。配線M1は、キャパシタ形成領域において、図9に示されるようなパターンを有している。
配線M1が埋め込まれた絶縁膜24上には、絶縁膜(層間絶縁膜)25が形成されている。絶縁膜25には、スルーホール(開口部、孔、貫通孔)が形成されており、このスルーホール内にプラグ(導体部、接続用導体部)26が形成されて埋め込まれている。プラグ26は、底面が配線M1と接して電気的に接続され、上面が後述の配線M2と接して電気的に接続されており、キャパシタ形成領域において例えば図16で示されるような平面位置に形成されている。
プラグ26が埋め込まれた絶縁膜25上には、絶縁膜(層間絶縁膜)27が形成されており、この絶縁膜27には配線溝とこの配線溝に埋め込まれた配線M2が形成されている。配線M2は、配線M1よりも1つ上層の第2層配線(配線層)である。配線M2は、キャパシタ形成領域において、図10に示されるようなパターンを有している。配線M2は、ダマシン技術(ここではシングルダマシン技術)を用いて形成することができ、銅を主成分とする銅配線とすることができる。デュアルダマシン(Dual-Damascene)技術を用いて配線M2を形成することもでき、この場合、配線M2とプラグ26が一体的に形成される。
絶縁膜25、スルーホール(絶縁膜25に形成されたプラグ26用のスルーホール)、プラグ26、絶縁膜27および配線M2と同様の絶縁膜28、スルーホール(絶縁膜28に形成されたプラグ29用のスルーホール)、プラグ29、絶縁膜30および配線M3が、配線M2が埋め込まれた絶縁膜27上に同様にして形成されている。プラグ29は、底面が配線M2と接して電気的に接続され、上面が配線M3と接して電気的に接続されており、キャパシタ形成領域において例えば図17で示されるような平面位置に形成されている。
更に、絶縁膜25、スルーホール(絶縁膜25に形成されたプラグ26用のスルーホール)、プラグ26、絶縁膜27および配線M2と同様の絶縁膜31、スルーホール(絶縁膜31に形成されたプラグ32用のスルーホール)、プラグ32、絶縁膜33および配線M4が、配線M3が埋め込まれた絶縁膜30上に同様にして形成されている。更に、絶縁膜25、スルーホール(絶縁膜25に形成されたプラグ26用のスルーホール)、プラグ26、絶縁膜27および配線M2と同様の絶縁膜34、スルーホール(絶縁膜34に形成されたプラグ35用のスルーホール)、プラグ35、絶縁膜36および配線M5が、配線M4が埋め込まれた絶縁膜33上に同様にして形成されている。プラグ32は、底面が配線M3と接して電気的に接続され、上面が配線M4と接して電気的に接続されており、キャパシタ形成領域において例えば図18で示されるような平面位置に形成されている。また、プラグ35は、底面が配線M4と接して電気的に接続され、上面が配線M5と接して電気的に接続されており、キャパシタ形成領域において例えば図17で示されるような平面位置に形成されている。
配線M3は、配線M2よりも1つ上層の第3層配線(配線層)であり、配線M4は、配線M3よりも1つ上層の第4層配線(配線層)であり、配線M5は、配線M4よりも1つ上層の第5層配線(配線層)である。配線M3、配線M4および配線M5は、キャパシタ形成領域において、それぞれ図11、図12および図13に示されるようなパターンを有している。配線M3,M4,M5は、ダマシン技術(ここではシングルダマシン技術)を用いて形成することができ、それぞれ絶縁膜30,33,36に形成された配線溝内に埋め込まれている。デュアルダマシン技術を用いて配線M3,M4,M5を形成することもでき、この場合、配線M3とプラグ29が一体的に形成され、配線M4とプラグ32が一体的に形成され、配線M5とプラグ35が一体的に形成される。配線M1〜M5で、シングルダマシンとデュアルダマシンを使い分けてもよい。配線M1〜M5は主として銅のような金属(金属材料、金属的な電導を示す材料)で形成されている。配線M1〜M5は、本実施の形態のようにダマシン法で形成した埋め込み配線であればより好ましいが、他の形態として、配線M1〜M5を、導体膜(金属膜)のパターニングにより形成した配線(例えばアルミニウム配線)とすることもできる。
配線M5が埋め込まれた絶縁膜36上に、必要に応じて更に上層の絶縁膜、配線層、ボンディングパッドおよび最上層の保護膜などが形成されるが、ここではその図示および説明は省略する。
次に、本実施の形態の半導体装置の製造工程について、図面を参照して説明する。図19〜図30は、本実施の形態の半導体装置の製造工程中の要部断面図である。図19〜図30のうち、図19、図21、図23、図25、図27および図29は上記図1に対応する領域が示され、図20、図22、図24、図26、図28および図30は上記図7に対応する領域が示されている。また、図19と図20とは同じ工程段階に対応し、図21と図22とは同じ工程段階に対応し、図23と図24とは同じ工程段階に対応し、図25と図26とは同じ工程段階に対応し、図27と図28とは同じ工程段階に対応し、図29と図30とは同じ工程段階に対応する。
まず、図19および図20に示されるように、例えば1〜10Ωcm程度の比抵抗を有するp型の単結晶シリコンなどからなる半導体基板(半導体ウエハ)1を準備する。
次に、半導体基板1に素子分離領域2を形成する。素子分離領域2は、例えば次のようにして形成することができる。まず、半導体基板1を熱酸化してその表面に例えば厚さ10nm程度の酸化シリコン膜(図示せず)を形成した後、その上層にCVD法などにより、例えば厚さ100nm程度の窒化シリコン膜(図示せず)を堆積する。それから、窒化シリコン膜上に形成したフォトレジストパターン(図示せず)をエッチングマスクとして上記窒化シリコン膜、上記酸化シリコン膜および半導体基板1を順次ドライエッチングすることにより、素子分離形成予定領域の半導体基板1に例えば深さ300nm程度の溝(素子分離溝)2aを形成する。溝2aは、素子分離領域2形成用の溝である。その後、ウェットエッチングにより上記窒化シリコン膜を除去する。このようにして半導体基板1に溝2aを形成した後、溝2aの内部(側壁および底部)を含む半導体基板1の主面上に例えば厚み10nm程度の絶縁膜(酸化シリコン膜または酸窒化シリコン膜からなる)を形成してから、それよりも厚い絶縁膜を、半導体基板1の主面上に溝2a内を埋めるようにCVD法などにより形成(堆積)する。この厚い絶縁膜は、HDP−CVD(High Density Plasma CVD:高密度プラズマCVD)法により成膜された酸化シリコン膜、またはO3−TEOS酸化膜などである。なお、O3−TEOS酸化膜とは、O3(オゾン)およびTEOS(Tetraethoxysilane:テトラエトキシシラン、Tetra Ethyl Ortho Silicateとも言う)を原料ガス(ソースガス)として用いて熱CVD法により形成した酸化シリコン膜である。上記厚い絶縁膜の形成(堆積)後、これをCMP法により研磨して、溝2aの外部の絶縁膜を除去し、溝2aの内部に絶縁膜を残すことにより、素子分離領域2を形成する。その後、半導体基板1を熱処理することにより、溝2aに埋め込んだ絶縁膜を焼き締めることもできる。
このようにして、絶縁体(絶縁膜)を埋め込んだ溝2a(換言すれば溝2a内に埋め込まれた絶縁膜)からなる素子分離領域2が形成される。本実施の形態では、素子分離領域2は、LOCOS(Local Oxidization of Silicon)法ではなく、好ましくはSTI(Shallow Trench Isolation)法により形成される。すなわち、本実施の形態の素子分離領域2は、好ましくは、半導体基板1に形成された溝2a内に絶縁体(絶縁膜)を埋め込んだものである。素子分離領域2を形成することにより、半導体基板1の主面には、素子分離領域2によって周囲を規定された(囲まれた)活性領域1a,1b,1cが形成される。このうち、活性領域1aはMISFET形成領域に形成され、活性領域1b,1cはキャパシタ形成領域に形成される。
次に、半導体基板1にp型ウエル領域3、n型ウエル領域4、n型ウエル領域5およびn型ウエル領域6を形成する。p型ウエル領域3は、半導体基板1の一部にp型不純物(例えばホウ素(B))をイオン注入することなどによって形成することができ、n型ウエル4、n型ウエル領域5およびn型ウエル領域6は、半導体基板1の一部にn型不純物(例えばリン(P)またはヒ素(As))をイオン注入することなどによって形成することができる。p型ウエル領域3は、キャパシタ形成領域に、活性領域1b,1cを含むように形成され、n型ウエル領域4は、MISFET形成領域に、活性領域1aを含むように形成される。
次に、例えばフッ酸(HF)水溶液を用いたウェットエッチングなどにより半導体基板1の表面を清浄化(洗浄)した後、半導体基板1の表面(すなわち素子分離領域2で規定された活性領域の表面)上にゲート絶縁膜用の絶縁膜7aを形成する。絶縁膜7a(ゲート絶縁膜7)は、例えば薄い酸化シリコン膜などからなり、例えば熱酸化法などによって形成することができる。この際、MISFET形成領域のn型ウエル4の表面だけでなく、キャパシタ形成領域のp型ウエル領域3の表面にも絶縁膜7aが形成されるが、p型ウエル領域3の絶縁膜7aは後で(例えば導体膜8のパターニング工程で)除去され得る。
次に、半導体基板1の主面全面上にゲート電極形成用の導体膜8を形成する。導体膜8は、例えば多結晶シリコン膜(ドープトポリシリコン膜)などからなる。それから、導体膜8をフォトリソグラフィ法およびドライエッチング法を用いてパターニングすることにより、ゲート電極8aおよび導体パターン8bを形成する。ゲート電極8aおよび導体パターン8bは、共にパターニングされた導体膜8からなり、ゲート電極8aはMISFET形成領域のn型ウエル4上に絶縁膜7aを介して形成され、導体パターン8bはキャパシタ形成領域の素子分離領域2上に形成される。ゲート電極8aの下に残存する絶縁膜7aがゲート絶縁膜7となる。このようにして、図21および図22の構造が得られる。キャパシタ形成領域に形成される導体パターン8bは、MISFETのゲート電極としては機能しないが、MISFET形成領域のゲート電極8aと同工程で形成された同層の導体パターンであるので、ダミーのゲート電極とみなすこともできる。
次に、図23および図24に示されるように、ホウ素(B)などのp型の不純物をイオン注入することなどにより、n型ウエル4のゲート電極8aの両側の領域にp−型半導体領域9を形成する。
次に、ゲート電極8aの側壁上に、サイドウォール10aを形成する。サイドウォール10aは、例えば、半導体基板1上に酸化シリコン膜または窒化シリコン膜あるいはそれらの積層膜を堆積し、この酸化シリコン膜または窒化シリコン膜あるいはそれらの積層膜をRIE(Reactive Ion Etching)法などにより異方性エッチングすることによって形成することができる。ゲート電極8aの側壁上にサイドウォール10aを形成する際には、導体パターン8bの側壁上にも、サイドウォール10aと同様のサイドウォール10bが形成される。
次に、ホウ素(B)などのp型の不純物をイオン注入することなどにより、n型ウエル4のゲート電極8aおよびサイドウォール10aの両側の領域にp+型半導体領域11aを形成する。p+型半導体領域11aを形成するイオン注入の際には、キャパシタ形成領域の活性領域(素子分離領域2で規定された活性領域)の表層部分にもp型不純物が導入(イオン注入)され、それによってキャパシタ形成領域にp型半導体領域11b,11cを形成することができる。このようにMISFET形成領域にp+型半導体領域11aを形成するのと同じ工程でキャパシタ形成領域にp型半導体領域11b,11cを形成すれば、工程数を低減できるのでより好ましいが、MISFET形成領域のp+型半導体領域11aとキャパシタ形成領域のp型半導体領域11b,11cとを別工程(別のイオン注入工程)で形成することもできる。イオン注入後、導入した不純物の活性化のためのアニール処理(熱処理)を行うこともできる。
次に、ゲート電極8a、p+型半導体領域11aの表面を露出させ、例えばコバルト(Co)膜のような金属膜を堆積して熱処理することによって、ゲート電極8aおよびp+型半導体領域11aの表面に、それぞれ金属シリサイド層(図示省略)を形成することもできる。その後、未反応の金属膜は除去する。MISFET形成領域に金属シリサイド層を形成する際には、キャパシタ形成領域の導体パターン8bおよびp型半導体領域11b,11cの上部にも金属シリサイド層が形成される。
MISFET形成領域のゲート電極8aまたはp+型半導体領域11a上に金属シリサイド層が必要で、キャパシタ形成領域の導体パターン8bおよびp型半導体領域11b,11c上に金属シリサイド層が不要である場合は、例えば、MISFET形成領域を露出しかつキャパシタ形成領域を覆うような絶縁膜(例えば酸化シリコン膜)パターンを半導体基板1上に形成してから、金属シリサイド層形成用の金属膜を形成すればよい。この絶縁膜パターンはシリサイド化阻止膜として機能する。その後、熱処理してから金属膜を除去すれば、MISFET形成領域のゲート電極8aやp+型半導体領域11a上に金属シリサイド層は形成されるが、キャパシタ形成領域の導体パターン8bおよびp型半導体領域11b,11c上には金属シリサイド層が形成されないようにすることができる。
次に、図25および図26に示されるように、半導体基板1上にゲート電極8aおよび導体パターン8bを覆うように絶縁膜(層間絶縁膜)21をCVD法などを用いて形成する。絶縁膜21は、例えば酸化シリコン膜の単体膜、あるいは窒化シリコン膜とその上の酸化シリコン膜との積層膜などからなる。絶縁膜21を成膜した段階では、下地の段差(ゲート電極8aおよび導体パターン8bの段差など)に起因して絶縁膜21の上面に凹凸形状が形成されている。絶縁膜21の成膜後、絶縁膜21の上面(表面)をCMP法により研磨するなどして、絶縁膜21の上面を平坦化する。これにより、MISFET形成領域、キャパシタ形成領域およびその他の領域で、絶縁膜21の上面の高さがほぼ一致する。
次に、フォトリソグラフィ法を用いて絶縁膜21上に形成したフォトレジストパターン(図示せず)をエッチングマスクとして、絶縁膜21をドライエッチングすることにより、絶縁膜21にコンタクトホール22を形成する。この際、絶縁膜21を、窒化シリコン膜(下層側)とそれより厚い酸化シリコン膜(上層側)の積層膜で構成しておき、下層側の窒化シリコン膜をエッチングストッパとして酸化シリコン膜をドライエッチングして酸化シリコン膜にコンタクトホール22を形成してから、コンタクトホール22の底部の窒化シリコン膜をドライエッチングして絶縁膜21にコンタクトホール22を開口すれば、オーバーエッチングを抑制することができる。
次に、コンタクトホール22内に、プラグ23を形成する。この際、例えば、コンタクトホール22の内部を含む絶縁膜21上に導電性バリア膜をスパッタリング法などによって形成した後、タングステン(W)膜などからなる主導体をCVD法などによって導電性バリア膜上にコンタクトホール22を埋めるように形成し、絶縁膜21上の不要な主導体膜および導電性バリア膜をCMP法またはエッチバック法などによって除去する。これにより、コンタクトホール22内に残存して埋め込まれた主導体膜および導電性バリア膜からなるプラグ23を形成することができる。
次に、図27および図28に示されるように、プラグ23が埋め込まれた絶縁膜21上に、絶縁膜24を形成する。それから、フォトリソグラフィ法を用いて絶縁膜24上に形成したフォトレジストパターン(図示せず)をエッチングマスクとして、絶縁膜24をドライエッチングすることにより、絶縁膜24に配線溝(開口部)を形成する。
次に、絶縁膜24に形成された配線溝内に配線M1を形成する。この際、例えば、配線溝の内部(底部および側壁上)を含む絶縁膜24上にバリア導体膜(例えば窒化チタン膜)を形成してから、CVD法またはスパッタリング法などによりバリア導体膜上に銅のシード層を形成し、さらに電解めっき法などを用いてシード層上に銅めっき膜を形成して銅めっき膜により配線溝の内部を埋め込む。それから、配線溝以外の領域の銅めっき膜、シード層およびバリア導体膜をCMP法により除去し、配線溝内に銅めっき膜、シード層およびバリア導体膜を残すことで、銅を主導電材料とする配線M1を形成する。
次に、図29および図30に示されるように、配線M1が埋め込まれた絶縁膜24上には絶縁膜(層間絶縁膜)25を形成し、絶縁膜25にスルーホールをフォトリソグラフィ法およびドライエッチング法を用いて形成し、このスルーホール内にプラグ26を形成する。プラグ26は、配線溝内に配線M1を埋め込むのとほぼ同様にして形成することができる。
次に、プラグ26が埋め込まれた絶縁膜25上に絶縁膜(層間絶縁膜)27を形成し、絶縁膜27にフォトリソグラフィ法およびドライエッチング法を用いて配線溝を形成し、絶縁膜27に形成された配線溝内に配線M2を形成する。配線M2は、配線M1とほぼ同様にして形成することができる。
次に、絶縁膜25、スルーホール(プラグ26用のスルーホール)、プラグ26、絶縁膜27、配線溝(配線M2用の配線溝)および配線M2と同様にして、絶縁膜28、スルーホール(プラグ29用のスルーホール)、プラグ29、絶縁膜30、配線溝(配線M3用の配線溝)および配線M3を形成する。更に同様にして、絶縁膜31、スルーホール(プラグ32用のスルーホール)、プラグ32、絶縁膜33、配線溝(配線M4用の配線溝)および配線M4を形成し、絶縁膜34、スルーホール(プラグ35用のスルーホール)、プラグ35、絶縁膜36、配線溝(配線M5用の配線溝)および配線M5を形成する。
配線M2〜M5をシングルダマシン技術を用いて形成する場合について説明したが、デュアルダマシン技術を用いて配線M2〜M5を形成することもでき、この場合、配線とプラグが一体的に形成される。
配線M5が埋め込まれた絶縁膜36上に、必要に応じて更に上層の絶縁膜、配線層、ボンディングパッドおよび最上層の保護膜などが形成されるが、ここではその図示および説明は省略する。
次に、半導体装置の構造、特にキャパシタ形成領域の構造について、より詳細に説明する。
図9〜図13からもわかるように、キャパシタ形成領域における配線M1と配線M3と配線M5の平面レイアウト(平面パターン形状)は互いに同じであり、かつ、キャパシタ形成領域における配線M2と配線4の平面レイアウト(平面パターン形状)は互いに同じである。すなわち、キャパシタ形成領域では、2種類のレイアウトの配線(配線M1,M3,M5と配線M2,M4)が交互に積み重なって第1層配線〜第5層配線が形成されている。但し、配線M1は、シールド用の金属パターンMG1が、導体パターン8bと接続するためのコンタクト部MGCを有している点が、配線M3,M5の平面レイアウトと異なっている。
図9、図11および図13(平面図)に示されるように、配線M1,M3,M5は、キャパシタ形成領域において、X方向に延在する複数の配線部(電極部、導体部)MD1,MD2と、Y方向に延在して配線部MD1の端部を連結する配線部(連結部、導体部)MC1と、Y方向に延在して配線部MD2の端部を連結する配線部(連結部、導体部)MC2とを備えている。Y方向に延在する配線部MC1と配線部MC2との間で、X方向に延在する配線部MD1と配線部MD2とがY方向に所定の間隔(好ましくは等間隔)で交互に並んでいる。なお、X方向とY方向とは、互いに交差する方向であり、好ましくは直交する方向である。また、X方向およびY方向は、半導体基板1の主面に平行な方向であり、絶縁膜21の上面にも平行である。また、配線部MD1,MD2の配線幅(Y方向の幅または寸法)は、互いに同じであることが好ましい。
各配線部MD1は、一方の端部側(図9、図11および図13では左側端部)が配線部MC1に接続され、かつ他方の端部側(図9、図11および図13では右側端部)は、配線部MC2から離間している。各配線部MD2は、一方の端部側(図9、図11および図13では左側端部)は配線部MC1から離間され、かつ他方の端部側(図9、図11および図13では右側端部)が、配線部MC2に接続されている。
従って、各配線M1,M3,M5において、複数の配線部MD1とそれらを連結する配線部MC1とは、一体的に形成されて櫛型形状の金属パターン(導体パターン、配線パターン、メタルパターン)MP1を形成しており、かつ、複数の配線部MD2とそれらを連結する配線部MC2とは、一体的に形成されて櫛型形状の金属パターン(導体パターン、配線パターン、メタルパターン)MP2を形成している。そして、各配線M1,M3,M5において、配線部MD1,MC1からなる金属パターンMP1(第1金属パターン)と、配線部MD2,MC2からなる金属パターンMP2(第2金属パターン)とは、間に絶縁膜(配線M1の場合は絶縁膜24、配線M3の場合は絶縁膜30、配線M5の場合は絶縁膜36に対応)を介在して平面方向(半導体基板1の主面に平行な方向)に対向している。
また、キャパシタ形成領域における配線M1と配線M3と配線M5の平面レイアウトは、後述する配線M1のシールド用の金属パターンMG1が、導体パターン8bと接続するためのコンタクト部MGCを有していること以外はほぼ同じである。このため、配線M1と配線M3と配線M5の配線部MD1同士、配線M1と配線M3と配線M5の配線部MD2同士、配線M1と配線M3と配線M5の配線部MC1同士、および配線M1と配線M3と配線M5の配線部MC2同士は、それぞれ平面的に重なる(好ましくは同じ)位置に(好ましくは同じ平面寸法で)配置されている。すなわち、配線M1からなる金属パターンMP1と配線M3からなる金属パターンMP1と配線M5からなる金属パターンMP1とは、形成された層は違うが、平面的に重なる(好ましくは同じ)位置に(好ましくは同じ平面寸法および平面形状で)配置されている。また、配線M1からなる金属パターンMP2と配線M3からなる金属パターンMP2と配線M5からなる金属パターンMP2とは、形成された層は違うが、平面的に重なる(好ましくは同じ)位置に(好ましくは同じ平面寸法および平面形状で)配置されている。なお、「平面的に重なる」とは、半導体基板1の主面に垂直な方向から半導体基板1の主面を見たときに重なることを意味する。
図10および図12に示されるように、配線M2,M4は、キャパシタ形成領域において、X方向に延在する複数の配線部(電極部、導体部)MD3,MD4と、Y方向に延在して配線部MD4の端部を連結する配線部(連結部、導体部)MC3と、Y方向に延在して配線部MD3の端部を連結する配線部(連結部、導体部)MC4とを備えている。Y方向に延在する配線部MC3と配線部MC4との間で、X方向に延在する配線部MD3と配線部MD4とがY方向に所定の間隔(好ましくは等間隔)で交互に並んでいる。配線部MD3,MD4の配線幅は、互いに同じであることが好ましい。また、配線部MD1〜MD4の配線幅(Y方向の幅または寸法)は、互いに同じであることがより好ましく、これにより、容量素子C1の容量値を、効率的に大きくすることができる。
各配線部MD3は、一方の端部側(図10および図12では左側端部)が配線部MC3から離間され、かつ他方の端部側(図10および図12では右側端部)は、配線部MC4に接続されている。各配線部MD4は、一方の端部側(図10および図12では左側端部)が配線部MC3に接続され、かつ他方の端部側(図10および図12では右側端部)は、配線部MC4から離間されている。
従って、各配線M2,M4において、複数の配線部MD3とそれらを連結する配線部MC4とは、一体的に形成されて櫛型形状の金属パターン(導体パターン、配線パターン、メタルパターン)MP4を形成しており、かつ、複数の配線部MD4とそれらを連結する配線部MC3とは、一体的に形成されて櫛型形状の金属パターン(導体パターン、配線パターン、メタルパターン)MP3を形成している。そして、各配線M2,M4において、配線部MD3,MC4からなる金属パターンMP4(第5金属パターン)と、配線部MD4,MC3からなる金属パターンMP3(第4金属パターン)とは、間に絶縁膜(配線M2の場合は絶縁膜27、配線M4の場合は絶縁膜33)を介在して平面方向(半導体基板1の主面に平行な方向)対向している。
また、キャパシタ形成領域における配線M2と配線M4の平面レイアウトはほぼ同じであるので、配線M2と配線M4の配線部MD3同士、配線M2と配線M4の配線部MD4同士、配線M2と配線M4の配線部MC3同士、および配線M2と配線M4の配線部MC4同士は、それぞれ平面的に重なる(好ましくは同じ)位置に(好ましくは同じ平面寸法で)配置されている。すなわち、配線M2からなる金属パターンMP3と配線M4からなる金属パターンMP3とは、形成された層は違うが、平面的に重なる(好ましくは同じ)位置に(好ましくは同じ平面寸法および平面形状で)配置されている。また、配線M2からなる金属パターンMP4と配線M4からなる金属パターンMP4とは、形成された層は違うが、平面的に重なる(好ましくは同じ)位置に(好ましくは同じ平面寸法および平面形状で)配置されている。
そして、配線M2,M4の金属パターンMP4の配線部MD3と、配線M1,M3,M5の金属パターンMP1の配線部MD1とは、平面的に重なる(好ましくは同じ)位置に(好ましくは同じ平面寸法で)形成され、かつ、配線M2,M4の金属パターンMP3の配線部MD4と、配線M1,M3,M5の金属パターンMP2の配線部MD2とは、平面的に重なる(好ましくは同じ)位置に(好ましくは同じ平面寸法で)形成されている。また、配線M2,M4の金属パターンMP3の配線部MC3と、配線M1,M3,M5の金属パターンMP1の配線部MC1とは、平面的に重なる(好ましくは同じ)位置に(好ましくは同じ平面寸法で)形成され、かつ、配線M2,M4の金属パターンMP4の配線部MC4と、配線M1,M3,M5の金属パターンMP2の配線部MC2とは、平面的に重なる(好ましくは同じ)位置に(好ましくは同じ平面寸法で)形成されている。
但し、配線M1,M3,M5の配線部MD1は配線部MC1に接続されかつ配線部MC2とは接続されていないのに対して、配線部MD1と平面的に同じ(重なる)位置に配置された配線M2,M4の配線部MD3は、配線部MC1と同じ平面位置の配線部MC3ではなく配線部MC4に接続され、かつ配線部MC3とは接続されていない。また、配線M1,M3,M5の配線部MD2は配線部MC2に接続されかつ配線部MC1とは接続されていないのに対して、配線部MD2と平面的に同じ(重なる)位置に配置された配線M2,M4の配線部MD4は、配線部MC2と同じ平面位置の配線部MC4ではなく配線部MC3に接続され、かつ配線部MC4とは接続されていない。
図6および図16〜図18からも分かるように、配線M1〜M5の配線部MC1,MC3に重なる位置に、プラグ26,29,32,35(およびそれらのプラグ26,29,32,35を埋め込むためのスルーホール)が配置されて、それらを介して配線M1〜M5の配線部MC1,MC3同士が電気的に接続されている。すなわち、配線M1の配線部MC1と、配線M2の配線部MC3とが、両者間のプラグ26を介して電気的に接続され、配線M2の配線部MC3と配線M3の配線部MC1とが、両者間のプラグ29を介して電気的に接続されている。そして、配線M3の配線部MC1と配線M4の配線部MC3とが、両者間のプラグ32を介して電気的に接続され、配線M4の配線部MC3と配線M5の配線部MC1とが、両者間のプラグ35を介して電気的に接続されている。
また、図5および図16〜図18からも分かるように、配線M1〜M5の配線部MC2,MC4に重なる位置に、プラグ26,29,32,35(およびそれらのプラグ26,29,32,35を埋め込むためのスルーホール)が配置されて、それらを介して配線M1〜M5の配線部MC2,MC4同士が電気的に接続されている。すなわち、配線M1の配線部MC2と、配線M2の配線部MC4とが、両者間のプラグ26を介して電気的に接続され、配線M2の配線部MC4と配線M3の配線部MC2とが、両者間のプラグ29を介して電気的に接続されている。そして、配線M3の配線部MC2と配線M4の配線部MC4とが、両者間のプラグ32を介して電気的に接続され、配線M4の配線部MC4と配線M5の配線部MC2とが、両者間のプラグ35を介して電気的に接続されている。
従って、配線M1の配線部MD1,MC1からなる金属パターンMP1と、配線M2の配線部MD4,MC3からなる金属パターンMP3と、配線M3の配線部MD1,MC1からなる金属パターンMP1と、配線M4の配線部MD4,MC3からなる金属パターンMP3と、配線M5の配線部MD1,MC1からなる金属パターンMP1とが電気的に接続されて、容量素子C1の第1電極(一方の電極)となる。また、配線M1の配線部MD2,MC2からなる金属パターンMP2と、配線M2の配線部MD3,MC4からなる金属パターンMP4と、配線M3の配線部MD2,MC2からなる金属パターンMP2と、配線M4の配線部MD3,MC4からなる金属パターンMP4と、配線M5の配線部MD2,MC2からなる金属パターンMP2とが電気的に接続されて、容量素子C1の第2電極(他方の電極)となる。そして、前記第1電極と前記第2電極の間の絶縁膜が、容量素子C1の容量絶縁膜(誘電体膜)となる。これら配線M1〜M5の金属パターンMP1〜MP4(前記第1電極および前記第2電極)と、金属パターンMP1〜MP4間の絶縁膜とにより、MIM(Metal Insulator Metal)型の容量素子(すなわち容量素子C1)が形成されており、本実施の形態および以下の実施の形態では、このMIM型の容量素子を容量素子C1と称するものとする。但し、配線M1〜M5の金属パターンMP1〜MP4およびそれらの間の絶縁膜全体で容量素子C1が形成されているので、図面ではC1の符号は省略している。従って、各配線M1〜M5の金属パターンMP1または金属パターンMP3は、それぞれ容量素子C1の第1電極の少なくとも一部を形成し、各配線M1〜M5の金属パターンMP2または金属パターンMP4は、それぞれ容量素子C1の第2電極の少なくとも一部を形成する。
容量素子C1の総容量は、以下の第1〜第13容量の総和である。すなわち、配線M1の金属パターンMP1と金属パターンMP2との間に形成された第1容量。配線M2の金属パターンMP3と金属パターンMP4との間に形成された第2容量。配線M3の金属パターンMP1と金属パターンMP2との間に形成された第3容量。配線M4の金属パターンMP3と金属パターンMP4との間に形成された第4容量。配線M5の金属パターンMP1と金属パターンMP2との間に形成された第5容量。配線M1の金属パターンMP1と配線M2の金属パターンMP4との間に形成された第6容量。配線M1の金属パターンMP2と配線M2の金属パターンMP3との間に形成された第7容量。配線M2の金属パターンMP3と配線M3の金属パターンMP2との間に形成された第8容量。配線M2の金属パターンMP4と配線M3の金属パターンMP1との間に形成された第9容量。配線M3の金属パターンMP1と配線M4の金属パターンMP4との間に形成された第10容量。配線M3の金属パターンMP2と配線M4の金属パターンMP3との間に形成された第11容量。配線M4の金属パターンMP3と配線M5の金属パターンMP2との間に形成された第12容量。配線M4の金属パターンMP4と配線M5の金属パターンMP1との間に形成された第13容量。容量素子C1の総容量を、上記第1〜第13容量の総和とすることができるので、容量素子C1を大容量化することができる。
容量素子C1の総容量を構成する上記第1〜第13容量のうち、第1〜第5容量は、同層の金属パターン間(ここでは金属パターンMP1,MP2間および金属パターンMP3,MP4間)の容量である。従って、容量素子C1は、同層の金属パターン間(ここでは金属パターンMP1,MP2間および金属パターンMP3,MP4間)の容量を利用した容量素子とみなすことができる。また、容量素子C1は、配線パターン(ここではM1〜M5の金属パターンMP1〜MP4)のフリンジ容量を利用した容量素子とみなすこともできる。
このように、容量素子C1は、同層に形成された金属パターンMP1(第1金属パターン)と金属パターンMP2(第2金属パターン)との間の容量を利用した容量素子であり、同層に形成された金属パターンMP3(第1金属パターン)と金属パターンMP4(第2金属パターン)との間の容量を利用した容量素子である。パターン形状については、上述したように、金属パターンMP1(第1金属パターン)は、X方向(第1方向)に延在する複数の配線部MD1(第1導体部)が、X方向に交差するY方向(第2方向)に延在する配線部MC1(第1連結部)で連結された櫛型のパターン形状を有している。また、金属パターンMP2(第2金属パターン)は、X方向(第1方向)に延在しかつ複数の配線部MD1(第1導体部)の間にそれぞれ配置された複数の配線部MD2(第2導体部)が、Y方向(第2方向)に延在する配線部MC2(第2連結部)で連結された櫛型のパターン形状を有している。また、金属パターンMP3(第4金属パターン)は、X方向(第1方向)に延在する複数の配線部MD4(第3導体部)が、Y方向(第2方向)に延在する配線部MC3(第3連結部)で連結された櫛型のパターン形状を有している。また、金属パターンMP4(第5金属パターン)は、X方向(第1方向)に延在しかつ複数の配線部MD4(第3導体部)の間にそれぞれ配置された複数の配線部MD3(第4導体部)が、Y方向(第2方向)に延在する配線部MC4(第4連結部)で連結された櫛型のパターン形状を有している。金属パターンMP1〜MP4をこのようなパターン形状とすることで、容量素子C1の面積(平面寸法)当たりの容量値を効率的に大きくすることができる。また、各配線M1〜M5の金属パターンMP1〜MP4の配線部MD1〜MD4の配線幅(Y方向の幅)は、各配線M1〜M5の最小配線幅と同じであることがより好ましく、これにより、容量素子C1の面積(平面寸法)当たりの容量値を更に効率的に大きくすることができる。
本実施の形態の半導体装置では、キャパシタ形成領域において、配線M1〜M5は、容量素子C1を形成する金属パターンMP1,MP2または金属パターンMP3,MP4以外に、金属パターンMP1,MP2または金属パターンMP3,MP4の周囲に設けられて固定電位に接続されるシールド用の金属パターン(導体パターン、配線パターン、メタルパターン)MG1〜MG5をそれぞれ備えている。
すなわち、図9に示されるように、キャパシタ形成領域において、配線M1からなる金属パターンMP1,MP2の周囲に、好ましくは金属パターンMP1,MP2を平面的に囲むように、配線M1からなるシールド用の金属パターンMG1(第3金属パターン)が設けられている。また、図10に示されるように、キャパシタ形成領域において、配線M2からなる金属パターンMP3,MP4の周囲に、好ましくは金属パターンMP3,MP4を平面的に囲むように、配線M2からなるシールド用の金属パターンMG2(第6金属パターン)が設けられている。また、図11に示されるように、キャパシタ形成領域において、配線M3からなる金属パターンMP1,MP2の周囲に、好ましくは金属パターンMP1,MP2を平面的に囲むように、配線M3からなるシールド用の金属パターンMG3が設けられている。また、図12に示されるように、キャパシタ形成領域において、配線M4からなる金属パターンMP3,MP4の周囲に、好ましくは金属パターンMP3,MP4を平面的に囲むように、配線M4からなるシールド用の金属パターンMG4が設けられている。また、図13に示されるように、キャパシタ形成領域において、配線M5からなる金属パターンMP1,MP2の周囲に、好ましくは金属パターンMP1,MP2を平面的に囲むように、配線M5からなるシールド用の金属パターンMG5が設けられている。配線M1からなる金属パターンMP1,MP2,MG1は互いに同層であり、配線M2からなる金属パターンMP3,MP4,MG2は互いに同層であり、配線M3からなる金属パターンMP1,MP2,MG3は互いに同層であり、配線M4からなる金属パターンMP3,MP4,MG4は互いに同層であり、配線M5からなる金属パターンMP1,MP2,MG5は互いに同層である。
金属パターンMG1,MG2,MG3,MG4,MG5同士は、平面的に重なる(好ましくは同じ)位置に配置されており、プラグ26,29,32,35を介して互いに電気的に接続されている。また、金属パターンMG1が導体パターン8bと接続するためのコンタクト部MGCを有していること以外は、金属パターンMG1,MG2,MG3,MG4,MG5は、好ましくは同じ平面寸法および平面形状を有している。
例えば、各金属パターンMG1〜MG5は、矩形状の外周および内周を有するリング状の平面形状を有することができ、平面的に見て各金属パターンMG1〜MG5の矩形状のリングの中に、各配線M1〜M5からなる金属パターンMP1,MP2または金属パターンMP3,MP4を配置することができる。これにより、配線M1〜M5からなる金属パターンMP1,MP2,MP3,MP4を電極とする容量素子C1を、シールド用の金属パターンMG1〜MG5で効率的にシールドすることができる。
金属パターンMG1〜MG5は、固定電位に接続される。金属パターンMG1〜MG5を接続する固定電位は、より好ましくは接地電位またはグランド電位であるが、電源電位とすることもできる。このため、シールド用の金属パターンMG1〜MG5の少なくともいずれかは、配線M1〜M5のいずれかまたは配線M5よりも上層の配線などを介して、固定電位(好ましくは接地電位またはグランド電位)に接続されている。金属パターンMG1〜MG5は上述のようにプラグ26,29,32,35を介して互いに電気的に接続されているので、金属パターンMG1〜MG5はいずれも固定電位に接続された状態となる。金属パターンMG1〜MG5は、容量素子C1をシールドするための金属パターンである。金属パターンMG1〜MG5を設けたことにより、配線M1〜M5からなる金属パターンMP1,MP2,MP3,MP4を電極とする容量素子C1を、電磁気的にシールドすることができる。これにより、容量素子C1にノイズが入力するのを防止でき、また、容量素子C1がノイズ源となるのを防止できる。従って、容量素子C1を利用した回路の特性を向上させることができる。
また、本実施の形態の半導体装置では、容量素子C1の下方の半導体基板1のキャパシタ形成領域に、導体パターン8bが形成されている。そして、図3、図4および図15からも分かるように、導体パターン8b(第1導体パターン)は、絶縁膜21(第1絶縁膜)に形成されたコンタクトホール22b(第2開口部)内に埋め込まれたプラグ23b(第2接続導体部)を介して、配線M1からなる金属パターンMG1(第3金属パターン)に電気的に接続されている。上述のように金属パターンMG1〜MG5は固定電位に接続されているので、配線M1の金属パターンMG1に電気的に接続されたキャパシタ形成領域の導体パターン8bも、固定電位に接続される。
また、キャパシタ形成領域において、導体パターン8bは複数配置されており、各導体パターン8bは、金属パターンMP1,MP2,MP3,MP4の配線部MD1,MD2,MD3,MD4と同様に、X方向に延在している。そして、キャパシタ形成領域において、X方向に延在する複数の導体パターン8bが、Y方向に所定の間隔(好ましくは等間隔)で並んでいる。
導体パターン8bは、配線M1から構成された互いに隣り合う配線部MD1(金属パターンMP1の配線部MD1)と配線部MD2(金属パターンMP2の配線部MD2)との間の平面位置に配置されることが好ましい。このように配置するのは、配線M1の金属パターンMP1,MP2の配線部MD1,MD2と導体パターン8bとの平面的な重なりを防止するためである。従って、導体パターン8bを、配線M1の金属パターンMP1の配線部MD1と配線M1の金属パターンMP2の配線部MD2との間の平面位置に配置し、かつ配線M1の金属パターンMP1,MP2の配線部MD1,MD2と導体パターン8bとが平面的に重ならないようにすることが、より好ましい。
但し、導体パターン8bは、配線M1の配線部MC1,MC2と平面的に交差して金属パターンMG1のコンタクト部MGCの下方に達するまで延在しており、これにより、導体パターン8bをプラグ23bを介して配線M1の金属パターンMG1のコンタクト部MGCに接続させることができる。このため、導体パターン8bは、金属パターンMP1,MP2の配線部MD1,MD2(および金属パターンMP2,MP4の配線部MD3,MD4)とは平面的に見て重ならないが、金属パターンMP1,MP2の配線部MC1,MC2(および金属パターンMP3,MP4の配線部MC3,MC4)とは、交差領域で重なることになるが、導体パターン8bの平面寸法全体からみれば、重なり領域の面積はかなり小さい。このため、導体パターン8bと容量素子C1の電極との間の寄生容量値を抑制できる。
また、本実施の形態の半導体装置では、容量素子C1の下方の半導体基板1のキャパシタ形成領域に、素子分離領域2で規定された活性領域1b,1c(p型半導体領域11b,11c)が形成されている。そして、図2および図15からも分かるように、活性領域1c(p型半導体領域11c)は、金属パターンMG1の下に配置されており、絶縁膜21(第1絶縁膜)に形成されたコンタクトホール22a(第1開口部)内に埋め込まれたプラグ23a(第1接続導体部)を介して、配線M1からなる金属パターンMG1(第3金属パターン)に電気的に接続されている。上述のように金属パターンMG1〜MG5は固定電位に接続されているので、配線M1の金属パターンMG1に電気的に接続されたキャパシタ形成領域の活性領域1c(p型半導体領域11c)も、固定電位に接続されている。
また、キャパシタ形成領域において、半導体基板1に、活性領域1b(p型半導体領域11b)と活性領域1c(p型半導体領域11c)とを電気的に接続するように、p型ウエル領域3(第1半導体領域)が形成されている。ここでは、p型ウエル領域3を活性領域1b,1c(p型半導体領域11b,11c)を平面的に含むように形成し、p型ウエル領域3の深さを素子分離領域2の底部よりも深くすることで、活性領域1b,1cだけでなく素子分離領域2の下方にも延在するp型ウエル領域3を介して、活性領域1bのp型半導体領域11bと活性領域1cのp型半導体領域11cとを連結して電気的に接続することができる。このため、活性領域1b(p型半導体領域11b)は、p型ウエル領域3を介して、活性領域1c(p型半導体領域11c)に電気的に接続されている。従って、活性領域1c(p型半導体領域11c)をプラグ23aを介して金属パターンMG1に電気的に接続することで、活性領域1c(p型半導体領域11c)だけでなく活性領域1b(p型半導体領域11b)も金属パターンMG1に電気的に接続され、それによって固定電位に接続される。
また、キャパシタ形成領域において、活性領域1b(p型半導体領域11b)は複数配置されており、各p型半導体領域11bは、導体パターン8bと同様に、X方向に延在している。そして、キャパシタ形成領域において、X方向に延在する複数のp型半導体領域11bが、Y方向に所定の間隔(好ましくは等間隔)で並んでいる。
活性領域1b(p型半導体領域11b)は、配線M1から構成された互いに隣り合う配線部MD1(金属パターンMP1の配線部MD1)と配線部MD2(金属パターンMP2の配線部MD2)との間の平面位置に配置されることが好ましい。このように配置するのは、配線M1の金属パターンMP1,MP2の配線部MD1,MD2と活性領域1b(p型半導体領域11b)との平面的な重なりを防止するためである。従って、活性領域1b(p型半導体領域11b)を、配線M1の金属パターンMP1の配線部MD1と配線M1の金属パターンMP2の配線部MD2との間の平面位置に配置し、かつ配線M1の金属パターンMP1,MP2の配線部MD1,MD2と活性領域1b(p型半導体領域11b)とが平面的に重ならないようにすることが、より好ましい。
また、活性領域1c(p型半導体領域11c)は、キャパシタ形成領域に複数配置された活性領域1b(p型半導体領域11b)を平面的に囲むように設けられている。これにより、活性領域1c(p型半導体領域11c)と活性領域1b(p型半導体領域11b)との間の抵抗を低減できる。
p型半導体領域11cは、配線M1の金属パターンMG1と平面的に重なる(好ましくは同じ)位置に配置されており、プラグ23aを介してp型半導体領域11c(活性領域1c)が配線M1の金属パターンMG1に電気的に接続されている。例えば、p型半導体領域11c(活性領域1c)は、矩形状の外周および内周を有するリング状の平面形状を有することができ、平面的に見てp型半導体領域11c(活性領域1c)の矩形状のリングの中に、X方向に延在して所定の間隔でY方向に複数並んだp型半導体領域11b(活性領域1b)を配置することができる。
また、p型半導体領域11b,11cの形成を省略し、キャパシタ形成領域の活性領域1b,1cをp型ウエル領域3のままとする(すなわちp型半導体領域11b,11cが形成されている領域もp型ウエル領域3とする)こともできるが、本実施の形態のように、キャパシタ形成領域の活性領域1b,1cにp型半導体領域11b,11cを形成すれば、より好ましい。p型半導体領域11b,11cを設けたことにより、プラグ23aと半導体基板領域(ここではp型半導体領域11c)とのコンタクト抵抗を低減できる。また、p型半導体領域11b,11cを設けたことにより、固定電位に接続されたp型半導体領域11b,11cの電位の安定性をより向上させることができ、配線M1の金属パターンMP1,MP2と半導体基板領域(ここではp型半導体領域11b)との間の寄生容量値の変動をより的確に防止できる。
容量素子C1を形成する金属パターンMP1〜MP4とシールド用の金属パターンMG1〜MG5は、半導体基板1上に形成された配線層(ここでは配線M1〜M5)または配線層のパターンにより形成されており、配線層(ここではM1〜M5)は主として銅またはアルミニウムのような金属(金属材料、金属的な電導を示す材料)で形成されている。このため、金属パターンMP1,MP2,MP3,MP4とシールド用の金属パターンMG1,MG2,MG3,MG4,MG5は、金属的な電導を示す導体パターンである。
なお、本実施の形態では、半導体基板1上に複数の配線層が形成され、このうちの配線M1〜M5に容量素子C1を形成する金属パターンMP1〜MP4およびシールド用の金属パターンMG1〜MG5が形成されている場合について説明した。しかしながら、容量素子C1を構成する金属パターン(金属パターンMP1〜MP4に対応するもの)およびその金属パターンの周囲を囲むシールド用の金属パターン(金属パターンMG1〜MG5に対応するもの)が形成される配線の層数はこれに限定されず、複数の配線層の1層以上に容量素子C1を構成する金属パターンおよび金属パターンの周囲を囲むシールド用の金属パターンを形成すればよい。容量素子C1を構成する金属パターンおよびシールド用の金属パターンを1層の配線層(例えば配線M1)のみに形成する場合は、その配線層に、金属パターンMP1,MP2を形成し、その金属パターンMP1,MP2の周囲を囲むようにシールド用の金属パターン(例えば金属パターンMG1)を形成すればよく、この場合、容量素子C1は、同層の金属パターンMP1,MP2間の容量のみを利用して形成された容量素子となる。容量素子C1を構成する金属パターンおよびシールド用の金属パターンを2層以上の配線層に形成する場合は、その2層以上の配線層に金属パターンMP1,MP2と金属パターンMP3,MP4とを交互に積み重ねて配置し、それらの周囲を囲むようにシールド用の金属パターンを設ければよい。
但し、半導体基板1上に形成された複数の配線層のうち、2層以上の配線層に、容量素子C1を構成する金属パターンMP1〜MP4およびそれらの周囲を囲むシールド用の金属パターンを形成すれば、容量素子C1をより効率的に大容量化できる。この場合、容量素子C1の総容量は、同層の金属パターン間(同層の金属パターンMP1,MP2間および同層の金属パターンMP3,MP4間)の容量(本実施の形態では上記第1〜第5容量に対応)に、更に、異なる層の金属パターン間(1層異なる金属パターンMP1,MP4間、および1層異なる金属パターンMP2,MP3間)の容量(本実施の形態では上記第6〜第13容量に対応)を加えたものとなる。従って、本実施の形態のように、半導体基板1上に形成された複数の配線層のうち2層以上に容量素子C1を形成する金属パターンMP1〜MP4およびそれらの周囲を囲むシールド用の金属パターンを形成した場合には、容量素子C1は、同層の金属パターン間の容量と、異なる層の金属パターン間の容量とを利用して形成された容量素子となる。
次に、本実施の形態の効果について、より詳細に説明する。
アナログ回路を始めとする半導体集積回路に用いられる容量素子は、電圧係数・温度係数が小さく対寄生容量比が小さいなど高精度であることや、絶対・相対バラツキが小さいことが望まれる。また、容量素子に形成に伴う製造工数の増加を抑制して半導体装置の製造コストを抑えることが望まれる。配線の線間や層間容量を利用する容量素子は、容量素子形成のための製造工程数の増加を抑制できることから、半導体装置の製造コストの低減が可能である。しかしながら、生産性(CMP平坦化技術)を考慮しつつ、対寄生容量比を小さくし安定した電気特性を得るためには、活性領域とゲート電極のダミーレイアウトパターンを工夫する必要がある。
絶縁膜21を成膜したとき、下地の段差(ゲート電極8aの段差など)に起因して絶縁膜21の上面に凹凸形状が形成されるので、絶縁膜21の成膜後、絶縁膜21の上面(表面)をCMP法により研磨するなどして、絶縁膜21の上面を平坦化している。これにより、その上面(表面)が平坦化された層間絶縁膜(ここでは絶縁膜21)を得ることができる。絶縁膜21の上面に凹凸形状が残ったままで絶縁膜21上に多層配線構造を形成した場合、多層配線構造が凹凸形状の影響を受けてしまい、配線層をうまく形成できなくなるが、絶縁膜21の平坦な上面上に多層配線構造を形成することで、配線層を的確に形成できるようになる。
また、本実施の形態では、MISFETを構成するゲート電極8aは、MISFET形成領域には形成されているが、キャパシタ形成領域には、MISFETは形成されていないので、ゲート電極8aは形成されていない。本実施の形態とは異なり、キャパシタ形成領域において、配線M1〜M5からなる金属パターンMP1〜MP4を電極とする容量素子C1の下方にMISFETなどの半導体素子を形成すると、容量素子C1とMISFETとの間の干渉が生じてしまい、容量素子C1やMISFETを使用した回路の特性が低下する可能性がある。それに対して、本実施の形態では、キャパシタ形成領域において、配線M1〜M5からなる金属パターンMP1〜MP4を電極とする容量素子C1の下方にMISFETなどの半導体素子を形成しないので、容量素子C1とMISFETなどとの間に干渉が生じるのを防止でき、容量素子C1やMISFETを使用した回路の特性を向上させることができる。
しかしながら、キャパシタ形成領域にMISFETを構成するゲート電極8aを形成しない場合には、本実施の形態とは異なり、キャパシタ形成領域に導体パターン8bを設けなければ、絶縁膜21を成膜した段階で、MISFET形成領域では絶縁膜21の上面にゲート電極8aの段差に対応した凸部が存在するのに対して、キャパシタ形成領域ではそのような凸部が生じない。この場合、絶縁膜21の成膜後に絶縁膜21を平坦化するためのCMP工程において、キャパシタ形成領域でディッシングなどが生じて絶縁膜21の平坦性が低下する可能性があり、これは、キャパシタ形成領域の絶縁膜21上に形成される容量素子C1(配線M1〜M5からなる金属パターンMP1〜MP4を電極とする容量素子C1)の精度を低下させる。
それに対して、本実施の形態では、キャパシタ形成領域において、MISFETを構成するゲート電極8aは形成されないが、その代わりにゲート電極8aと同層の導体パターン8bを設けている。このため、絶縁膜21を成膜した段階で、MISFET形成領域では絶縁膜21の上面に、ゲート電極8aの段差に対応した凸部が存在し、一方、キャパシタ形成領域では絶縁膜21の上面に、導体パターン8bの段差に対応した凸部が存在する。MISFET形成領域のゲート電極8aとキャパシタ形成領域の導体パターン8bとは、同工程で形成された同層のパターンであるため、絶縁膜21を成膜した段階で絶縁膜21の上面に生じる凸部は、MISFET形成領域とキャパシタ形成領域とで、ほぼ同じ高さになる。このため、絶縁膜21の成膜後に絶縁膜21を平坦化するためのCMP工程において、キャパシタ形成領域でディッシングなどが生じるのを防止でき、絶縁膜21の平坦性を向上させることができる。これにより、絶縁膜21およびそれよりも上層に形成する各層の平坦性を向上させ、半導体装置の生産性を向上させることができる。また、キャパシタ形成領域の絶縁膜21上に形成される容量素子C1(配線M1〜M5からなる金属パターンMP1〜MP4を電極とする容量素子C1)の精度を向上させることができる。従って、半導体装置の性能を向上させることができる。
しかしながら、本実施の形態とは異なり、キャパシタ形成領域に設けた導体パターン8bが、どこにも接続されない孤立パターン(いわゆるフローティングパターン)で浮遊(フローティング)電位である場合、導体パターン8bの電位が不安定になりやすい。これにより、キャパシタ形成領域の導体パターン8bが容量素子C1へのノイズ源になったり、あるいは、容量素子C1を構成する配線M1の金属パターンMP1,MP2と導体パターン8bとの間の寄生容量値が変動してしまい、これは、容量素子C1を用いた回路の電気的特性の安定性を低下させ、また、半導体装置の設計(回路設計)をし辛くする。
それに対して、本実施の形態では、キャパシタ形成領域において、配線M1〜M5からなる金属パターンMP1〜MP4を電極とする容量素子C1の下方に導体パターン8bを配置しているが、この導体パターン8bは、プラグ23bを介してシールド用の金属パターンMG1に電気的に接続され、それによって、固定電位に接続されている。キャパシタ形成領域の導体パターン8bを固定電位に接続したことで、導体パターン8bの電位が安定になり、導体パターン8bの電位が変動するのを防止できる。これにより、キャパシタ形成領域の導体パターン8bが容量素子C1へのノイズ源になるのを防止でき、また、容量素子C1を構成する配線M1の金属パターンMP1,MP2と導体パターン8bとの間の寄生容量値が変動するのを防止できる。従って、容量素子C1を有する半導体装置の性能を向上させることができる。また、容量素子C1を用いた回路の電気的特性の安定性を向上させることができる。また、半導体装置の設計(回路設計)がし易くなる。
また、本実施の形態とは異なり、導体パターン8bと配線M1の金属パターンMP1,MP2の配線部MD1,MD2とが平面的に重なって上下に対向して配置されていた場合、両者が干渉し、寄生容量値が増大してしまう。これは、容量素子C1を用いた回路の電気的特性を低下させる可能性がある。
それに対して、本実施の形態では、導体パターン8bは、容量素子C1の下方に配置されるが、配線M1の金属パターンMP1,MP2(特に配線部MD1,MD2)と平面的に重ならないように配置している。すなわち、平面的に見ると、キャパシタ形成領域において、導体パターン8bは、金属パターンMP1の配線部MD1と金属パターンMP2の配線部MD2との間に配置され、配線部MD1,MD2の延在方向と同様にX方向に延在し、導体パターン8bと配線M1の金属パターンMP1,MP2の配線部MD1,MD2とが平面的に重ならないようにしている。このため、導体パターン8bの上面と配線M1の金属パターンMP1,MP2の配線部MD1,MD2の上面とが上下(半導体基板1の主面に垂直な方向に対応)に対向した状態にはならず、両者の干渉を抑制または防止でき、両者間の寄生容量を抑制または防止できる。従って、容量素子C1を用いた回路の電気的特性を更に向上させることができ、容量素子C1を有する半導体装置の性能を更に向上させることができる。
また、素子分離領域2は、絶縁体が埋め込まれた溝2aからなる。半導体基板1に溝2aを形成してから、半導体基板1の主面上に溝2a内を埋めるように絶縁膜を形成し、溝2aの外部の絶縁膜をCMP法で除去し、溝2a内に絶縁膜を残すことで、素子分離領域2aを形成することができる。
本実施の形態とは異なり、キャパシタ形成領域全体に素子分離領域2を形成した場合、溝2aもキャパシタ形成領域全体に形成することになるので、キャパシタ形成領域の溝2aが大面積になってしまい、溝2a内に絶縁膜を埋め込むためのCMP工程において、キャパシタ形成領域でディッシングなどが生じる可能性がある。これは、素子分離領域2の上面を含む半導体基板1の主面の平坦性を低下させ、半導体基板1の上層の構造に影響を与え、配線M1〜M5からなる金属パターンMP1〜MP4を電極とする容量素子C1の精度を低下させる可能性がある。
それに対して、本実施の形態では、キャパシタ形成領域全体に素子分離領域2を形成するのではなく、キャパシタ形成領域にも素子分離領域2で規定される活性領域(すなわち素子分離領域2が形成されない領域)1b,1cを設けている。この活性領域1b,1cには、p型半導体領域11b,11cが形成されている。キャパシタ形成領域にも素子分離領域2で規定される活性領域1b,1cを設けたことにより、キャパシタ形成領域の溝2aが大面積パターンになるのを抑制または防止でき、それによって、溝2a内に絶縁膜を埋め込むためのCMP工程において、キャパシタ形成領域でディッシングなどが生じるのを防止できる。これにより、素子分離領域2の上面を含む半導体基板1の主面の平坦性を向上できるので、半導体基板1上に形成する各層の平坦性を向上させ、半導体装置の生産性を向上させることができる。また、半導体基板1の上層の構造を的確に形成できるようになるので、配線M1〜M5からなる金属パターンMP1〜MP4を電極とする容量素子C1の精度を向上させることができる。従って、半導体装置の性能を向上させることができる。
しかしながら、本実施の形態とは異なり、キャパシタ形成領域の活性領域1b,1cが浮遊(フローティング)電位である場合、この活性領域の電位が不安定になりやすい。これにより、キャパシタ形成領域の活性領域が容量素子C1へのノイズ源になったり、あるいは、容量素子C1を構成する配線M1の金属パターンMP1,MP2とキャパシタ形成領域の活性領域との間の寄生容量値が変動してしまい、これは、容量素子C1を用いた回路の電気的特性の安定性を低下させ、また、半導体装置の設計(回路設計)をし辛くする。
それに対して、本実施の形態では、キャパシタ形成領域において、配線M1〜M5からなる金属パターンMP1〜MP4を電極とする容量素子C1の下方に活性領域1b(p型半導体領域11b)を配置しているが、この活性領域1b(p型半導体領域11b)は、p型ウエル領域3、活性領域1c(p型半導体領域11c)およびプラグ23aを介して、シールド用の金属パターンMG1に電気的に接続されている。このため、容量素子C1の下方に配置された活性領域1b(p型半導体領域11b)は固定電位に接続されるので、活性領域1b(p型半導体領域11b)の電位が安定になり、活性領域1b(p型半導体領域11b)の電位が変動するのを防止できる。これにより、キャパシタ形成領域の活性領域1b,1c(特に活性領域1bすなわちp型半導体領域11b)が容量素子C1へのノイズ源になるのを防止でき、また、容量素子C1を構成する配線M1の金属パターンMP1,MP2とキャパシタ形成領域の活性領域1b,1c(特に活性領域1bすなわちp型半導体領域11b)との間の寄生容量値が変動するのを防止できる。従って、容量素子C1を有する半導体装置の性能を向上させることができる。また、容量素子C1を用いた回路の電気的特性の安定性を向上できる。また、半導体装置の設計(回路設計)がし易くなる。
また、本実施の形態とは異なり、キャパシタ形成領域の活性領域(p型半導体領域11b)と配線M1の金属パターンMP1,MP2の配線部MD1,MD2とが平面的に重なって上下に対向して配置されていた場合、両者が干渉し、寄生容量値が増大してしまう。これは、容量素子C1を用いた回路の電気的特性を低下させる可能性がある。
それに対して、本実施の形態では、活性領域1b(p型半導体領域11b)は、容量素子C1の下方に配置されるが、配線M1の金属パターンMP1,MP2(特に配線部MD1,MD2)と平面的に重ならないように配置している。すなわち、平面的に見ると、キャパシタ形成領域において、活性領域1b(p型半導体領域11b)は、金属パターンMP1の配線部MD1と金属パターンMP2の配線部MD2との間に配置され、配線部MD1,MD2の延在方向と同様にX方向に延在し、活性領域1b(p型半導体領域11b)と配線M1の金属パターンMP1,MP2の配線部MD1,MD2とが平面的に重ならないようにしている。更に、好ましくは活性領域1b(p型半導体領域11b)と配線M1の金属パターンMP1,MP2の配線部MC1,MC2とが平面的に重ならないようにしている。このため、キャパシタ形成領域の活性領域1b(p型半導体領域11b)の上面と配線M1の金属パターンMP1,MP2(特に配線部MD1,MD2)の上面とが上下(半導体基板1の主面に垂直な方向に対応)に対向した状態にはならず、両者の干渉を抑制または防止でき、両者間の寄生容量を抑制または防止できる。従って、容量素子C1を用いた回路の電気的特性を向上させることができ、容量素子C1を有する半導体装置の性能を更に向上させることができる。
また、本実施の形態では、キャパシタ形成領域において、導体パターン8bは、活性領域上ではなく、素子分離領域2上に配置させており、p型半導体領域11b,11cと導体パターン8bとが平面的に重ならないようにしている。導体パターン8bを素子分離領域2上に配置したことで、導体パターン8bが不要な素子(寄生素子)を形成するのを防止できる。
また、キャパシタ形成領域において、図15に示される活性領域1b(p型半導体領域11b)のX方向の長さ(寸法)L1は、図16に示される配線M1から構成された金属パターンMP1の配線部MC1と配線M1から構成された金属パターンMP2の配線部MC2との間の距離(間隔)L2以下である(L1≦L2)ことが、より好ましい。これにより、配線M1の金属パターンMP1,MP2の配線部MC1,MC2と活性領域1b(p型半導体領域11b)とが平面的に重ならないようにすることができ、配線M1の金属パターンMP1,MP2と活性領域1b(p型半導体領域11b)との間の寄生容量をより低減することができ、容量素子C1を用いた回路の電気的特性をより向上させることができる。
また、キャパシタ形成領域において、活性領域1b(p型半導体領域11b)のX方向の長さ(寸法)L1は、図16に示される配線M1から構成された金属パターンMP1の配線部MD1と配線M1から構成された金属パターンMP2の配線部MD2とがX方向に重複する長さ(寸法)L3以上である(L1≧L3)ことが、より好ましい。活性領域1b(p型半導体領域11b)のX方向の長さ(寸法)L1が短すぎると、キャパシタ形成領域にも素子分離領域2で規定される活性領域1b(p型半導体領域11b)を設けたことによるキャパシタ形成領域でのディッシング(素子分離領域2形成のためのCMP工程でのディッシング)の防止効果が低くなる可能性がある。活性領域1b(p型半導体領域11b)のX方向の長さL1を上記長さL3以上(L1≧L3)とすることで、キャパシタ形成領域でのディッシング(素子分離領域2形成のためのCMP工程でのディッシング)の防止効果を的確に高めることができる。
また、キャパシタ形成領域において、図15に示される活性領域1b(p型半導体領域11b)のY方向の幅(寸法)W1は、図16に示される配線M1から構成されかつ互いに隣り合う配線部MD1と配線部MD2との間の寸法(間隔)W2以下である(W1≦W2)ことが、より好ましい。これにより、活性領域1b(p型半導体領域11b)を、配線M1から構成された互いに隣り合う配線部MD1(金属パターンMP1の配線部MD1)と配線部MD2(金属パターンMP2の配線部MD2)との間に配置すれば、配線M1の金属パターンMP1,MP2の配線部MD1,MD2と活性領域1b(p型半導体領域11b)とが平面的に重ならなくなる。従って、配線M1の金属パターンMP1,MP2と活性領域1b(p型半導体領域11b)との間の寄生容量をより低減することができ、容量素子C1を用いた回路の電気的特性をより向上させることができる。
また、本実施の形態では、導体パターン8bおよび活性領域1b(p型半導体領域11b)が、配線M1〜M5の金属パターンMP1〜MP4の配線部MD1〜MD4と平面的に重ならないようにし、それによって、容量素子C1の電極と導体パターン8bおよび活性領域1b(p型半導体領域11b)との間の寄生容量を低減している。但し、容量素子C1の電極を構成する配線M1〜M5の金属パターンMP1〜MP4のうち、導体パターン8bおよび活性領域1bとの間の距離が最も短く寄生容量が最も増大しやすいのは、配線M1の金属パターンMP1,MP2である。このため、寄生容量低減のためには、容量素子C1の電極を構成する配線M1〜M5の金属パターンMP1〜MP4のうち、少なくとも配線M1の金属パターンMP1,MP2の配線部MD1,MD2と導体パターン8bおよび活性領域1b(p型半導体領域11b)とが平面的に重ならないようにするのが、有効である。従って、本実施の形態においては、導体パターン8bおよび活性領域1b(p型半導体領域11b)と配線M1の金属パターンMP1,MP2(特に配線部MD1,MD2)とが平面的に重ならないようにすることが好ましく、導体パターン8bおよび活性領域1b(p型半導体領域11b)と配線M1〜M5の金属パターンMP1〜MP4(特に配線部MD1〜MD4)とが平面的に重ならないようにすれば更に好ましい。これにより、容量素子C1の電極に付加される寄生容量を低減でき、半導体装置の性能をより向上させることができる。
また、絶縁膜21上に複数の配線層(多層配線構造)が形成されており、本実施の形態では、そのうち配線M1〜M5に容量素子C1の電極となる金属パターンMP1〜MP4を形成している。しかしながら、これに限定されるものではなく、絶縁膜21上に複数の配線層(多層配線構造)のうちの任意の配線層に、容量素子C1の電極となる金属パターン(金属パターンMP1〜MP4に相当するもの)およびそれを囲むシールド用の金属パターン(金属パターンMG1〜MG5に相当するもの)を形成することもできる。但し、導体パターン8bおよび活性領域1b(p型半導体領域11b)と容量素子C1の電極用の金属パターンとの間の寄生容量の影響は、両者の距離が短いほど大きくなる。このため、絶縁膜21上に複数の配線層(すなわち多層配線構造)を形成するが、その複数の配線層のうちの最下層の配線層(ここでは配線M1)を含む少なくとも1層の配線層に容量素子C1の電極を構成する金属パターン(金属パターンMP1〜MP4に相当するもの)およびシールド用の金属パターン(金属パターンMG1〜MG5に相当するもの)を形成する場合に、上記寄生容量の影響が最も大きくなる。本実施の形態は、このような寄生容量の影響を防止できる。従って、絶縁膜21上に複数の配線層(すなわち多層配線構造)を形成し、その複数の配線層のうち最下層の配線層(ここでは配線M1)を含む少なくとも1層の配線層に、容量素子C1の電極を構成する金属パターン(金属パターンMP1〜MP4に相当するもの)およびシールド用の金属パターン(金属パターンMG1〜MG5に相当するもの)を形成する場合に、本実施の形態を適用すれば、効果が大きい。
また、本実施の形態の半導体装置において、各半導体領域の導電型を逆にすることもできる。例えば、キャパシタ形成領域において、p型ウエル領域3、n型ウエル領域5およびn型ウエル領域6をそれぞれ逆の導電型のn型ウエル領域、p型ウエル領域およびp型ウエル領域とし、p型半導体領域11b,11cをそれぞれ逆の導電型のn型半導体領域とすることもできる。また、MISFET形成領域に形成するMISFETをnチャネル型のMISFETとすることもでき、また、MISFET形成領域にpチャネル型MISFETとnチャネル型MISFETの両方を形成する(すなわちCMISFET(Complementary Metal Insulator Semiconductor Field Effect Transistor)を形成する)こともできる。
(実施の形態2)
図31および図32は、本実施の形態の半導体装置の要部平面図であり、それぞれ上記実施の形態1の図15および図14に対応するものである。なお、図32は平面図であるが、上記実施の形態1の図14と同様に、図面を見やすくするために、導体パターン8b、p型半導体領域11b,11c(活性領域1b,1c)および配線M1にハッチングを付してある。
容量素子C1の下方に配置された各導体パターン8bは、金属パターンMG1に電気的に接続する必要がある。このため、キャパシタ形成領域において各導体パターン8bは、金属パターンMP1の配線部MC1または金属パターンMP2の配線部MC2の少なくとも一方と平面的に交差してX方向に延在させ、絶縁膜21に形成されたコンタクトホール22bに埋め込まれたプラグ23bを介して金属パターンMG1に電気的に接続させる必要がある。
上記実施の形態1では、キャパシタ形成領域において各導体パターン8bは、X方向に延在して金属パターンMP1の配線部MC1と平面的に交差しかつ金属パターンMP2の配線部MC2と平面的に交差している。これは、各導体パターン8bの両方の端部を、プラグ23bを介して配線M1の金属パターンMG1のコンタクト部MGCに接続させるために、各導体パターン8bを、金属パターンMP1の配線部MC1および金属パターンMP2の配線部MC2の両者を越えて金属パターンMG1のコンタクト部MGCの下方に達するまで延在させているからである。
それに対して、本実施の形態では、キャパシタ形成領域の各導体パターン8bは、X方向に延在して金属パターンMP1の配線部MC1と金属パターンMP2の配線部MC2との一方(図31、図32の場合は配線部MC2)と平面的に交差するが、他方(図31、図32の場合は配線部MC1)とは平面的に交差しないようにしている。そして、本実施の形態では、各導体パターン8bは、配線部MC1または配線部MC2を越えて金属パターンMG1のコンタクト部MGCの下方にまで延在した一方の端部(図31、図32の場合は図の右側の端部)を、プラグ23bを介して配線M1の金属パターンMG1のコンタクト部MGCに接続させるが、他方の端部(図31、図32の場合は図の左側の端部)はプラグを介して金属パターンMG1に接続していない。それ以外は、本実施の形態の半導体装置は、上記実施の形態1の半導体装置とほぼ同様の構成を有しているので、その説明を省略する。
本実施の形態では、キャパシタ形成領域の各導体パターン8bは、X方向に延在して金属パターンMP1の配線部MC1と金属パターンMP2の配線部MC2との一方(図31、図32の場合は配線部MC2)と平面的に交差するが、他方(図31、図32の場合は配線部MC1)とは平面的に交差しないようにしている。これにより、各導体パターン8bが金属パターンMP1の配線部MC1と金属パターンMP2の配線部MC2の両方に交差する場合に比べて、導体パターン8bと金属パターンMP1,MP2との交差面積(重なる領域の面積)を低減でき、キャパシタ形成領域の導体パターン8bと配線M1からなる金属パターンMP1,MP2との間の寄生容量を低減することができる。これにより、容量素子C1を構成する配線M1の金属パターンMP1,MP2と導体パターン8bとの間の寄生容量を低減でき、容量素子C1を用いた回路の電気的特性を更に向上させることができる。
また、図31および図32のように、キャパシタ形成領域の全ての導体パターン8bが、金属パターンMP2の配線部MC2と平面的に交差するが、金属パターンMP1の配線部MC1とは平面的に交差しないようにすれば、金属パターンMP2,MP4は導体パターン8bと一部重なるが、金属パターンMP1,MP3は導体パターン8bと全く重ならなくなる。容量素子C1の第1電極(一方の電極)は配線M1〜M5の金属パターンMP1,MP3から構成され、容量素子C1の第2電極(他方の電極)は配線M1〜M5の金属パターンMP2,MP4から構成される。図31および図32のように金属パターンMP1,MP3が導体パターン8bと全く重ならなければ、導体パターン8bと容量素子C1の第1電極との間に寄生容量が発生するのを極力防止できる。このため、本実施の形態は、容量素子C1の第2電極に付加される寄生成分(寄生容量)は問題にならないが、容量素子C1の第1電極に付加される寄生成分(寄生容量)をできるだけ低減したいような回路に適用する場合に、効果が大きい。
また、図31および図32の導体パターン8b、コンタクトホール22bおよびプラグ23bの平面レイアウトを左右反転させ、キャパシタ形成領域の全ての導体パターン8bが、金属パターンMP1の配線部MC1と平面的に交差するが、金属パターンMP2の配線部MC2とは平面的に交差しないようにすることもできる。この場合、金属パターンMP1,MP3は導体パターン8bと一部重なるが、金属パターンMP2,MP4は導体パターン8bと全く重ならなくなる。これにより、配線M1〜M5の金属パターンMP2,MP4から構成される容量素子C1の第2電極と導体パターン8bとの間に寄生容量が発生するのを極力防止できる。これは、容量素子C1の第1電極に付加される寄生成分(寄生容量)は問題にならないが、容量素子C1の第2電極に付加される寄生成分(寄生容量)をできるだけ低減したいような回路に適用する場合に、効果が大きい。
(実施の形態3)
図33および図34は、本実施の形態の半導体装置の要部平面図であり、それぞれ上記実施の形態2の図31および図32に対応するものである。なお、図34は平面図であるが、上記実施の形態1の図14や上記実施の形態2の図32と同様に、図面を見やすくするために、導体パターン8b、p型半導体領域11b,11c(活性領域1b,1c)および配線M1にハッチングを付してある。
本実施の形態も、上記実施の形態2と同様に、キャパシタ形成領域の各導体パターン8bは、X方向に延在して金属パターンMP1の配線部MC1と金属パターンMP2の配線部MC2との一方と平面的に交差するが、他方とは平面的に交差しないようにしている。そして、本実施の形態でも、上記実施の形態2と同様に、各導体パターン8bは、配線部MC1または配線部MC2を越えて金属パターンMG1のコンタクト部MGCの下方にまで延在した一方の端部を、プラグ23bを介して配線M1の金属パターンMG1のコンタクト部MGCに接続させるが、他方の端部はプラグを介して金属パターンMG1に接続していない。
しかしながら、上記実施の形態2では、キャパシタ形成領域の全ての導体パターン8bが、金属パターンMP2の配線部MC2と平面的に交差するが、金属パターンMP1の配線部MC1とは平面的に交差しないようにしていた。それに対して、本実施の形態では、金属パターンMP2の配線部MC2と平面的に交差する導体パターン8bと、金属パターンMP1の配線部MC1と平面的に交差する導体パターン8bとが、Y方向に交互に配列するようにしている。それ以外は、本実施の形態の半導体装置は、上記実施の形態2の半導体装置とほぼ同様の構成を有しているので、その説明を省略する。
本実施の形態では、図33および図34に示されるように、金属パターンMP2の配線部MC2と平面的に交差する導体パターン8bと、金属パターンMP1の配線部MC1と平面的に交差する導体パターン8bとが、Y方向に交互に配列するようにしている。そして、金属パターンMP2の配線部MC2と平面的に交差する導体パターン8bは、配線部MC2を越えて金属パターンMG1のコンタクト部MGCの下方にまで延在した端部(図33、図34の場合は図の右側の端部)を、プラグ23bを介して配線M1の金属パターンMG1のコンタクト部MGCに接続させている。また、金属パターンMP1の配線部MC1と平面的に交差する導体パターン8bは、配線部MC1を越えて金属パターンMG1のコンタクト部MGCの下方にまで延在した端部(図33、図34の場合は図の左側の端部)を、プラグ23bを介して配線M1の金属パターンMG1のコンタクト部MGCに接続させている。
これにより、各導体パターン8bが金属パターンMP1の配線部MC1と金属パターンMP2の配線部MC2の両方に交差する場合に比べて、導体パターン8bと金属パターンMP1,MP2との交差面積(重なる領域の面積)を低減でき、キャパシタ形成領域の導体パターン8bと配線M1からなる金属パターンMP1,MP2との間の寄生容量を低減することができる。これにより、容量素子C1を構成する配線M1の金属パターンMP1,MP2と導体パターン8bとの間の寄生容量を低減でき、容量素子C1を用いた回路の電気的特性を更に向上させることができる。
また、図33および図34のように、金属パターンMP2の配線部MC2と平面的に交差する導体パターン8bと、金属パターンMP1の配線部MC1と平面的に交差する導体パターン8bとが、Y方向に交互に配列するようにすれば、金属パターンMP1が導体パターン8bと交差する領域の面積(重なる領域の面積)と、金属パターンMP2が導体パターン8bと交差する領域の面積(重なる領域の面積)とが、ほぼ均等(同じ)になる。これにより、容量素子C1の第1電極(配線M1〜M5の金属パターンMP1,MP3から構成される容量素子C1の電極)に付加される寄生成分(寄生容量)と、容量素子C1の第2電極(配線M1〜M5の金属パターンMP2,MP4から構成される容量素子C1の電極)に付加される寄生成分(寄生容量)とを、ほぼ同じにすることができる。このため、本実施の形態は、容量素子C1の第1電極に付加される寄生成分(寄生容量)と第2電極に付加される寄生成分(寄生容量)との差をできるだけ小さくしたいような回路に適用する場合に、効果が大きい。
以上、本発明者によってなされた発明をその実施の形態に基づき具体的に説明したが、本発明は前記実施の形態に限定されるものではなく、その要旨を逸脱しない範囲で種々変更可能であることは言うまでもない。