JP5100514B2 - 半導体メモリ - Google Patents

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Description

本発明は、半導体メモリに係り、抵抗性記憶素子を用いた半導体メモリに関する。
近年、新たな原理により情報を記憶するメモリが数多く提案されている。そのうちの1つとして、スピン注入型磁気抵抗ランダムアクセスメモリが提案されている(例えば、非特許文献1及び2参照)。
磁気ランダムアクセスメモリ(MRAM:Magnetoresistive Random Access Memory)は、磁気トンネル接合(Magnetic Tunnel Junction:MTJ)素子を記憶素子に用いている。MTJ素子は、2つの磁性層(強磁性層)により絶縁層(トンネルバリア)を挟んだ構造を有し、2つの磁性層の相対的な磁化方向(スピンの向き)によって、抵抗値が変化する磁気トンネル効果を利用して、“1”又は“0”のデータを判別している。
通常、2つの磁性層の一方側には反強磁性層が配置される。一方の強磁性層の磁化方向は反強磁性層により固定され、他方側の強磁性層の磁化方向のみ可変となっている。このように磁化方向が固定された強磁性層は、固定層と呼ばれ、それに対して磁化方向が可変な強磁性層は、記録層と呼ばれる。MRAMでは、記録層の磁化方向を変えることにより、MTJ素子のデータを書きかえている。
MRAMのメモリセルアレイ内には、複数のメモリセルが設けられている。1つのメモリセルには、1組のビット線対をなす2つのビット線と1つのワード線とが接続されている。
1つのメモリセルは、例えば、1つのMTJ素子と、MTJ素子に対して選択スイッチ素子として機能するMIS(Metal-Insulator-Semiconductor)トランジスタとから構成された、いわゆる、1Tr+1MTJの構成を有する。
スピン注入型MRAMにおいて、MTJ素子のスピン注入磁化反転に必要な電流量(反転しきい値電流)は、MTJ素子を流れる電流密度で規定されている。それゆえ、MTJ素子のスケーリングに伴って、反転しきい値電流もスケーリングできる。即ち、MRAMの記憶容量の増大のため、メモリセルのセルサイズを比較的容易に縮小できる。
しかし、メモリセルの微細化が進むにつれ、メモリセルを構成するMISトランジスタのカットオフ耐性が十分確保されず、リーク電流(以下、カットオフ電流と呼ぶ)が発生する。
MRAMのメモリセルアレイは、複数のメモリセルが1組のビット線対に共有接続された構成を有している。そして、MRAMは、ワード線を選択することで、同じビット線対に接続された複数のメモリセルの中から1つのメモリセルを選択し、選択されたメモリセル(以下、選択セルと呼ぶ)に対して、読み出し又は書き込み動作を実行している。
MRAMの読み出し動作においては、ビット線対の一方のビット線の電位を高電位に設定し、他方のビット線の電位を低電位に設定する。これによって、読み出し電流が選択セル内のMTJ素子を流れ、そのMTJ素子の抵抗値に応じて、高電位に設定されたビット線の電位が変動する。この電位の変動量を検知することによって、データの判別がなされている。
上記のように、メモリセル内のMISトランジスタのカットオフ耐性が確保されず、非選択セルからカットオフ電流が発生した場合、このカットオフ電流によって、高電位に設定されたビット線の電位が変動し、MRAMの読み出しマージンが劣化してしまう。
A Novel Nonvolatile Memory with Spin Torque Transfer Magnetization Switching: Spin-RAM, IEDM2005 Technical Digest p.473-476 J. of Magn. Magn. Mater., 159, L1(1996)
本発明は、抵抗性記憶素子を用いた半導体メモリの読み出しマージンの劣化を抑制する技術を提案する。
本発明の例に関わる半導体メモリは、第1の主ビット線と、前記第1の主ビット線と1組のビット線対をなす第1の副ビット線と、前記第1の主ビット線の延在方向と交差する方向に延びる第1のワード線と、第1の端子と第2の端子とを有し、前記第1の端子が前記第1の主ビット線に接続される第1の抵抗性記憶素子と、第1の電流経路と、前記第1のワード線に接続される第1のゲート電極とを有し、前記第1の電流経路の一端が前記第1の抵抗性記憶素子の前記第2の端子に接続され、前記第1の電流経路の他端が前記第1の副ビット線に接続される第1の選択トランジスタと、前記第1の主ビット線と1組のビット線対をなす第2の副ビット線と、前記第1の主ビット線の延在方向と交差する方向に延びる第2のワード線と、第3の端子と第4の端子を有し、前記第3の端子が前記第1の主ビット線に接続される第2の抵抗性記憶素子と、第2の電流経路と、前記第2のワード線に接続される第2のゲート電極とを有し、前記第2の電流経路の一端が前記第2の抵抗性記憶素子の前記第4の端子に接続され、前記第2の電流経路の他端が前記第2の副ビット線に接続される第2の選択トランジスタと、を備える。
本発明の例に関わる半導体メモリは、第1の主ビット線と、前記第1の主ビット線と1組のビット線対をなす第1の副ビット線と、前記第1の主ビット線の延在方向と交差する方向に延びる第1のワード線と、第1の端子と第2の端子とを有し、前記第1の端子が前記第1の主ビット線に接続される第1の抵抗性記憶素子と、第1の電流経路と、前記第1のワード線に接続される第1のゲート電極とを有し、前記第1の電流経路の一端が前記第1の抵抗性記憶素子の第2の端子に接続され、前記第1の電流経路の他端が前記第1の副ビット線に接続される第1の選択トランジスタと、前記第1の主ビット線と1組のビット線対をなす第2の副ビット線と、前記第1の主ビット線の延在方向と交差する方向に延びる第2のワード線と、第3の端子と第4の端子とを有し、前記第3の端子が前記第2の副ビット線に接続される第2の抵抗性記憶素子と、第2の電流経路と、前記第2のワード線に接続される第2のゲート電極とを有し、前記第2の電流経路の一端が前記第2の抵抗性記憶素子の前記第4の端子に接続され、前記第2の電流経路の他端が前記第1の主ビット線に接続される第2の選択トランジスタと、を備える。
本発明によれば、抵抗性記憶素子を用いた半導体メモリの読み出しマージンの劣化を抑制できる。
以下、図面を参照しながら、本発明の例を実施するためのいくつかの形態について詳細に説明する。
A. 実施形態
以下、図1乃至図20を参照して、本発明の実施形態について、説明する。
[1] 第1の実施形態
図1乃至図7Bを用いて、本発明の第1の実施形態について、説明する。
(1) 基本構成
図1を用いて、本発明の第1の実施形態に係る半導体メモリの基本構成について、説明する。
図1に示すように、複数個(例えば、m個)の第1のメモリセルMC1は、メモリセル10の第1領域11内に設けられている。また、複数個(例えば、n個)の第2のメモリセルMC2は、メモリセルアレイ10の第2領域12内に設けられている。メモリセルMC1,MC2に対する制御線として、複数のワード線WL1,WL2及び複数のビット線BL1,bBL1,bBL2が、複数のメモリセルMC1,MC2にそれぞれ接続されている。但し、本発明の実施形態においては、各領域11,12内に複数のメモリセルが設けられ、ビット線対に接続された例を用いて説明するが、それに限定されず、少なくとも1つのメモリセルが各領域11,12内にそれぞれ設けられていれば良い。
1つの第1のメモリセルMC1は、データの記憶を担う1つの第1の抵抗性記憶素子MTJ1と、選択スイッチ素子として機能する1つの第1のMISトランジスタ(以下、選択トランジスタと呼ぶ)Tr1とから構成されている。第1のメモリセルと同様に、1つの第2のメモリセルMC2は、1つの第2の抵抗性記憶素子MTJ2と1つの第2の選択トランジスタTr2とから構成されている。
抵抗性記憶素子MTJ1,MTJ2は一端及び他端とを有する。選択トランジスタTr1,Tr2は1つの電流経路と1つのゲート電極とを有している。
1つのメモリセルを構成している抵抗性記憶素子と選択トランジスタとにおいて、抵抗性記憶素子MTJ1,MTJ2の一端(第2及び第4の端子)と選択トランジスタTr1,Tr2の電流経路の一端とが、接続されている。
第1のメモリセルMC1を構成している選択トランジスタTr1のゲート電極は、第1のワード線WL1に接続されている。また、第2のメモリセルMC2を構成している選択トランジスタTr2のゲート電極は、第2のワード線WL2に、接続されている。
ビット線BL1には、第1のメモリセルMC1を構成している第1の抵抗性記憶素子MTJ1の他端(第1の端子)が、接続されている。また、ビット線BL1には、第2のメモリセルMC2を構成している第2の抵抗性記憶素子MTJ2の他端(第3の端子)も接続されている。
第1のメモリセルMC1を構成している第1の選択トランジスタTr1の電流経路の他端は、ビット線bBL1に接続されている。
一方、第2のメモリセルMC2を構成している第2の選択トランジスタTr2の電流経路の他端は、ビット線bBL2に接続されている。
上記構成において、第1領域11内の第1のメモリセルMC1に対しては、ビット線BL1とビット線bBL1とが1組のビット線対をなし、第2領域12内の第2のメモリセルMC2に対しては、第1のメモリセルが用いているのと同じビット線BL1と第1のメモリセルが用いているのとは異なる副ビット線bBL2とが、1組のビット線対をなしている。
読み出し選択されたメモリセル(選択セル)が接続されたビット線対BL1,bBL1,bBL2において、読み出し動作時に、一方のビット線BL1は、例えば、高電位に設定され、そのビット線と対をなす他方のビット線bBL1,bBL2は、例えば、低電位に設定される。以下では、選択セルに高電位を供給するビット線を主ビット線と呼び、選択セルに低電位を供給するビット線を副ビット線と呼ぶ。
本発明の第1の実施形態に係るMRAMにおいて、第1及び第2のメモリセルMC1,MC2をそれぞれ構成している抵抗性記憶素子MTJ1,MTJ2の一端(第1、第3の端子)は同じ主ビット線(第1の主ビット線)BL1に共通接続され、第1のメモリセルを構成している選択トランジスタTr1の電流経路の一端は、副ビット線(第1の副ビット線)bBL1に接続され、第2のメモリセルを構成している選択トランジスタTr2の電流経路の一端は、副ビット線bBL1とは異なる他の副ビット線(第2の副ビット線)bBL2に接続されることを特徴としている。
半導体メモリの読み出し動作において、読み出し電流は、選択セル内の抵抗性素子及び選択トランジスタを経由して、高電位に設定された主ビット線から低電位に設定された副ビット線へと流れる。非選択セルの選択トランジスタに起因するカットオフ電流が発生した場合、カットオフ電流は、高電位の主ビット線から低電位の副ビット線へと流れる。
従来では、1本の主ビット線は1本の副ビット線とビット線対をなすため、ビット線BL1に(m+n)個のメモリセルが接続された場合、選択セルを除いた(m+n−1)個の非選択セル内からのカットオフ電流を懸念しなければならない。
一方、本実施形態の半導体メモリにおいては、(m+n)個のメモリセルが接続された1つの主ビット線BL1とビット線対をなすのは、m個のメモリセルが接続された第1の副ビット線bBL1と、n個のメモリセルが接続された第2の副ビット線bBL2である。
例えば、主ビット線BL1に接続された(m+n)個のメモリセルの中から、第1領域11内の1つのメモリセルのデータを読み出す場合において、主ビット線BL1が高電位に設定され、第1の副ビット線bBL1が低電位に設定される。これと同時に、本実施形態では、第2領域12内の複数(n個)のメモリセルが接続された第2の副ビット線bBL2が、主ビット線BL1と実質的に同じ電位に設定される。
このように、1つの主ビット線に対する2つの副ビット線bBL1,bBL2の電位が異なって設定された場合、第2領域12内の複数のメモリセルMC2に対しては、ビット線対BL1,bBL2間に電位差が生じない。そのため、複数の第2のメモリセルMC2の選択トランジスタTr2において、カットオフ電流は発生しない、もしくは、カットオフ電流の値が非常に小さくなる。
それゆえ、本実施形態に係る半導体メモリにおいて、主ビット線BL1に接続された(m+n)個のメモリセルに対し、カットオフ電流を懸念しなければならない非選択セルの個数は、ビット線対BL1,bBL1間に電位差が生じる第1領域11内のメモリセルMC1の個数、即ち、(m−1)個である。これと同様に、第2領域12内の選択セルのデータを読み出す場合において、カットオフ電流を懸念しなければならない非選択セルの個数は、ビット線対BL1,bBL2間に電位差が生じる第2領域12内の第2のメモリセルMC2の個数、即ち、(n−1)個である。
結果として、本実施形態によれば、従来に比べ、読み出し動作時に主ビット線BL1に電位変動をもたらすカットオフ電流の総量は、減少する。
以上のように、本実施形態の半導体メモリは、読み出し動作において、高電位に設定されるビット線に接続されたメモリセルの全個数に対して、低電位に設定されるビット線に接続されるメモリセルの個数が減少するので、読み出しマージンの劣化につながるカットオフ電流の影響を小さくできる。
したがって、本発明の第1の実施形態に係る半導体メモリによれば、半導体メモリの読み出しマージンの劣化を抑制できる。
(2) 全体構成
(2−1) 回路構成
以下、図2を用いて、本発明の第1の実施形態に係る半導体メモリの回路構成について説明する。図2は、本実施形態に係る半導体メモリのメモリセルアレイ10の等価回路を示している。尚、以下では、本発明の各実施形態に係る半導体メモリとして、MRAMを例に説明する。
図2に示すように、複数のメモリセルMC1,MC2が、メモリセルアレイ10内にアレイ状に配置されている。そして、複数の第1のメモリセルMC1は、メモリセルアレイ10内の第1領域11内に配置されている。複数の第2のメモリセルMC2は、メモリセルアレイ10内の第2領域12内に配置されている。第1領域11と第2領域12は、メモリセルアレイ10内で、ビット線の延在方向(例えば、x方向)に隣り合っている。
第1及び第2のメモリセルMC1,MC2は、データの記憶を担う抵抗性記憶素子としてのMTJ素子MTJ1,MTJ2と、選択スイッチ素子としての選択トランジスタ(MISトランジスタ)とから構成されている。尚、各メモリセルMC1,MC2内において、図1を用いて述べたメモリセルMC1,MC2と同様に、MTJ素子MTJ1,MTJ2の一端(第2、第4の端子)と選択トランジスタTr1,Tr2の電流経路の一端(ソース/ドレイン)とが、接続される。
複数のビット線BL0〜BL3,bBL0〜bBL3は、例えば、x方向に延在している。第1乃至第4の主ビット線BL1,BL2,BL3,BL0は、読み出し動作の際に、例えば、選択セルに対して、高電位を供給するためのビット線である。一方、第1乃至第4の副ビット線bBL1,bBL2,bBL3,bBL0は、読み出し動作の際に、例えば、選択セルに対して、低電位を供給するためのビット線である。そして、ビット線BL0〜BL3,bBL0〜bBL3は、主ビット線BL0〜BL3と副ビット線bBL0〜bBL3とがy方向に交互に隣り合うように、メモリセルアレイ10内に配置されている。
ワード線WL1,WL2は、ビット線BL0〜BL3,bBL0〜bBL3の延在方向と交差する方向(例えば、y方向)に延在している。複数の第1のワード線WL1は第1領域11内に設けられ、複数の第2のワード線WL2は第2領域12内に設けられている。
第1領域11内において、第1の主ビット線BL1と第1の副ビット線bBL1が1組のビット線対をなしている。このビット線対BL1,bBL1と第1領域11内の複数の第1のメモリセルMC1との接続関係は、以下のようになる。
ビット線対BL1,bBL1には、x方向に配列された複数の第1のメモリセルMC1が共有接続されている。そして、各メモリセルMC1内の第1のMTJ素子MTJ1の一端が第1の主ビット線BL1に接続され、各メモリセルMC1内の第2の選択トランジスタTr1の電流経路の一端が第1の副ビット線bBL1に接続されている。
また、第1領域11内において、ビット線対BL1,bBL1のy方向に隣接するビット線対BL2,bBL2において、メモリセルMC1のMTJ素子MTJ1の一端が主ビット線BL2に接続され、選択トランジスタTr1の電流経路の一端が副ビット線bBL2に接続されている。
これと同様に、ビット線対BL0,bBL0とビット線対BL3,bBL3に対しても、MTJ素子MTJ1の一端が主ビット線BL0,BL3にそれぞれ接続され、選択トランジスタTr1の電流経路の一端が副ビット線bBL0,bBL3にそれぞれ接続されている。
また、メモリセルアレイ10の第1領域11内において、1つのワード線WL1は、y方向に沿って配列されている複数のメモリセルMC1で共有され、ワード線WL1は各メモリセルMC1を構成している選択トランジスタTr1のゲートに接続される。
メモリセルアレイ10の第2領域12内に設けられる複数のメモリセルMC2は、第1領域11から第2領域12へと延在する各ビット線BL0〜BL3,bBL0〜bBL3に対して、次のように接続されている。
第1のメモリセルMC1を構成しているMTJ素子MTJ1が接続されたビット線BL1に対し、第2のメモリセルMC2を構成している第2のMTJ素子MTJ2の一端が接続されている。
また、第2のメモリセルMC2を構成している選択トランジスタTr2の電流経路の一端は、第2の副ビット線bBL2に接続されている。このように、第2の副ビット線bBL2は、第2領域12内では、第1の主ビット線BL1とビット線対をなしているが、上述のように、第1領域11内では、副ビット線bBL2は第2の主ビット線BL2とビット線対をなしている。
第1領域11内の複数のメモリセルMC1に対して主ビット線BL1とビット線対をなしている副ビット線bBL1は、第2領域12内の複数のメモリセルMC2に対しては、第4の主ビット線BL0と1組のビット線対を構成している。
このように、本発明の第1の実施形態に係るMRAMのメモリセルアレイ10は、同じ主ビット線BL0〜BL3に接続された第1及び第2領域11,12内の第1及び第2のメモリセルMC1,MC2において、MTJ素子MTJ1,MTJ2の一端(第1、第3の端子)は同じ主ビット線BL0〜BL3に共通接続され、選択トランジスタTr1,Tr2の電流経路の一端は、第1のメモリセルMC1と第2のメモリセルMC2とで、それぞれ異なった副ビット線bBL0〜bBL4に接続される。
これによって、同じ主ビット線BL0〜BL3に共通接続される第1及び第2領域11,12内の複数のメモリセルMC1,MC2に対して、第1領域11内の第1のメモリセルMC1と第2領域12内の第2のメモリセルMC2とで、異なった副ビット線bBL0〜bBL3による電位制御が可能となる。
それゆえ、同じ主ビット線に接続され、それぞれ異なる副ビット線に接続される複数のメモリセルにおいて、選択セルが接続されていない副ビット線を主ビット線と同じ電位とすることで、非選択セルからのカットオフ電流が発生するのを抑制できる。
したがって、本発明の第1の実施形態のMRAMによれば、読み出しマージンの劣化を抑制できる。
(2−2) 構造
図3乃至図5を用いて、本発明の第1の実施形態に係るMRAMの構造について、説明する。
図3は、本発明の第1の実施形態に係るMRAMのメモリセルアレイ10のレイアウトを図示している。図4は図3のA−A’線に沿う断面構造を図示し、図5は図3のB−B’線に沿う断面構造を図示している。尚、図5においては、部材の明確化のため、層間絶縁膜190の図示は省略している。
図3乃至図5に示すように、メモリセルアレイ10の半導体基板110表面領域内には、複数のアクティブ領域AAが設けられている。これらのアクティブ領域AAの周囲を取り囲むように、素子分離領域が半導体基板表面領域に設けられる。1つのアクティブ領域AAは、例えば、四角形状の島状構造を有し、アクティブ領域AAのそれぞれが、素子分離領域内に埋め込まれた素子分離絶縁膜150によって、電気的に分離されている。
複数のビット線BL0〜BL3,bBL0〜bBL3は、例えば、x方向に延在している。例えば、主ビット線BL1と副ビット線bBL1のように、1組のビット線対をなす2つのビット線BL1,bBL1は、例えば、それぞれ異なる配線層内に設けられている。本実施形態では、図4及び図5中の主ビット線BL1のように、層間絶縁膜190上に設けられたビット線のことを上部ビット線とも呼び、図4及び図5中の副ビット線bBL1のように、上部ビット線よりも下層に設けられたビット線のことを下部ビット線とも呼ぶ。尚、図3においては、上部ビット線BL0〜BL3は、破線で示されている。
第1乃至第4の上部ビット線(主ビット線)BL0〜BL3は、例えば、直線状の形状を有して、x方向に延在している。上部ビット線BL0〜BL3は、アクティブ領域AAと層間絶縁膜190を介して上下に重なるように、半導体基板110上方に設けられている。
第1乃至第4の下部ビット線(副ビット線)bBL0〜bBL3は、上部ビット線BL0〜BL3と同様に、x方向に延在している。但し、下部ビット線bBL0〜bBL3は、アクティブ領域AA内に設けられたMTJ素子MTJ1,MTJ2と上下に重ならないように、ジグザグ状の形状を有して、半導体基板100上方を引き回されている。ジグザグ形状の下部ビット線bBL0〜bBL3は、直線部分と斜線部分とからなり、直線部分は素子分離領域上に設けられ、斜線部分は、2つの直線部分を接続するように、x−y平面内において斜め方向に延びている。下部ビット線bBL0〜bBL3の斜線部分は、直線状の上部ビット線BL0〜BL3と上下に交差している。
複数のワード線WL1,WL2は、例えば、y方向にそれぞれ延在している。複数のワード線WL1,WL2は、y方向に沿って配列されている複数のアクティブ領域AAと交差するように、半導体基板110上に設けられている。図3乃至図5に示すメモリセルアレイ10の例では、アクティブ領域AAの各々に対して、2つのワード線WL1,WL2がそれぞれ交差している。
上述のように、第1領域11内及び第2領域12内に、第1のメモリセルMC1及び第2のメモリセルMC2がそれぞれ設けられる。メモリセルMC1,MC2は、アクティブ領域AA内に形成される。
第1のメモリセルMC1を構成している第1のMTJ素子MTJ1は、例えば、上部ビット線BL0〜BL3下の各アクティブ領域AA内に設けられている。図3乃至図5に示すメモリセルアレイ10の例では、MTJ素子MTJ1の上端が上部ビット線BL0〜BL3と直接接触することによって、MTJ素子MTJ1と上部ビット線(主ビット線)BL0〜BL3とが電気的に接続される。
MTJ素子MTJ1は、例えば、反強磁性層と、反強磁性層によって磁化方向が固定された固定層(強磁性層)と、磁化方向が可変な記録層(強磁性層)と、固定層と記録層との間に挟まれた非磁性層(例えば、絶縁層)とを、有している。
本実施形態では、第1領域11内の1つのアクティブ領域AAに対して、2つのMTJ素子MTJ1が設けられた構成となっている。そして、1つのアクティブ領域AA内に設けられた2つのMTJ素子MTJ1間を、2つのワード線WL1が通過するレイアウトとなっている。
第1のメモリセルMC1を構成している第1の選択トランジスタTr1は、ワード線WL1と第1領域11内のアクティブ領域AAとの交差箇所に設けられる。つまり、図3乃至図5に示すメモリセルアレイ10の例では、1つのアクティブ領域AA内に、2つの選択トランジスタTr1が設けられた構造となっている。
第1の選択トランジスタTr1は、半導体基板110(アクティブ領域AA)表面のゲート絶縁膜120と、ゲート絶縁膜120上のゲート電極130と、半導体基板110内に設けられたソース/ドレイン領域として機能する2つの拡散層141,142(以下、ソース/ドレイン拡散層と呼ぶ)とを有している。
第1の選択トランジスタTr1のゲート絶縁膜120は、2つのソース/ドレイン拡散層141,142間のチャネル領域上に設けられる。
第1の選択トランジスタTr1のゲート電極130は、y方向に延在し、ワード線WL1として機能する。即ち、選択トランジスタTr1のゲート電極130は、y方向に隣り合う複数の選択トランジスタTr1で共有される。
第1の選択トランジスタTr1の一方のソース/ドレイン拡散層141は、MTJ素子MTJ1下方の半導体基板110内に設けられる。ソース/ドレイン拡散層141上には、コンタクトC1が設けられている。コンタクトC1は、中間配線層M1及びビアV1を介して、MTJ素子MTJ1の下端と接続される。これによって、第1のメモリセルMC1内において、第1のMTJ素子MTJ1の一端と第1の選択トランジスタTr1の電流経路の一端とが、接続される。尚、ビアV1はMTJ素子MTJ1の下部電極としても機能する。
選択トランジスタTr1の他方のソース/ドレイン拡散層142は、2つのワード線WL1間の半導体基板110内に設けられる。ソース/ドレイン拡散層142は、1つのアクティブ領域AA内に設けられた2つの選択トランジスタTr1で共有されている。この共有されるソース/ドレイン拡散層142は共有ノードとなり、拡散層142上に設けられたコンタクトC2Aを介して、下部ビット線(副ビット線)bBL1の斜線部分に接続される。
第1領域11のy方向に隣接する第2領域12において、第2領域12内に設けられた第2のメモリセルMC2の構造は、第1領域11内の第1のメモリセルMC1の構造とほぼ同様である。具体的には以下の通りである。
第2の領域12内において、1つのアクティブ領域AAに対して、2つの第2のメモリセルMC2が設けられている。すなわち、1つのアクティブ領域AA内には、2つの第2のMTJ素子MTJ2と2つの第2の選択トランジスタTr2とが、設けられている。
第2のMTJ素子MTJ2は、上部ビット線BL0〜BL3下のアクティブ領域AA内に設けられる。第2のMTJ素子MTJ2は、上部ビット線BL0〜BL3に直接接触している。
第2の選択トランジスタTr2は、第2領域12内のアクティブ領域AAと第2のワード線WL2との交差箇所に設けられている。尚、第2領域12内においても、2つの第2のワード線WL2は、上部ビット線BL0〜BL3下に設けられた2つのMTJ素子MTJ2の間に挟み込まれたレイアウトとなっている。
第2の選択トランジスタTr2は、半導体基板100内の2つのソース/ドレイン拡散層141,142と、ゲート絶縁膜120上のゲート電極130とを有している。
第2の選択トランジスタTr2のゲート電極130は、y方向に延びる第2のワード線WL2として機能し、y方向に隣り合う複数の第2の選択トランジスタTr2で共有される。
第2の選択トランジスタTr2の一方のソース/ドレイン拡散層141は、第2のMTJ素子MTJ2下方の半導体基板110に設けられる。ソース/ドレイン拡散層141上には、コンタクトC1が設けられている。このコンタクトC1、中間配線層M1及びビアV1とを介して、選択トランジスタTr2の電流経路の一端と第2のMTJ素子MTJ2の一端とが接続される。第2の選択トランジスタTr2の他方のソース/ドレイン拡散層142は、2つのワード線WL2間の半導体基板110内に設けられる。ソース/ドレイン拡散層142は、同じアクティブ領域AA内に設けられた2つの選択トランジスタTr2で共有される。この共有されたソース/ドレイン拡散層142は、この拡散層142上に設けられたコンタクトC2Bを介して、下部ビット線(副ビット線)bBL2に接続される。
本実施形態のように、1つのアクティブ領域AA内に、2つのメモリセルMC1が設けられ、その2つのメモリセルMC1内にそれぞれ含まれる選択トランジスタTr1が、1つのソース/ドレイン拡散層142を共有する。これによって、セルサイズの縮小が図られている。本実施形態において、1つのメモリセルのセルサイズは6F(Fは最小加工寸法)である。
本発明の実施形態のMRAMにおいて、x方向に沿って同一直線上に配列された第1及び第2領域11,12内の複数のメモリセルMC1,MC2は、同じ上部ビット線(例えば、ビット線BL1)にMTJ素子MTJ1,MTJ2の一端が接続されている。上部ビット線BL0〜BL3は、読み出し動作時に選択セルに対して高電位を供給する主ビット線として機能する。
一方、x方向に沿って同一直線上に配列された第1及び第2領域11,12内の複数のメモリセルMC1,MC2は、それぞれ異なった下部ビット線(例えば、ビット線bBL1,bBL2)に、選択トランジスタTr1,Tr2のソース/ドレイン拡散層(共有ノード)が接続されている。本実施形態において、下部ビット線bBL0〜bBL3は、読み出し動作時に選択セルに対して低電位を供給する副ビット線として機能する。
第1領域11内において、第1の主ビット線となる上部ビット線BL1と第1の副ビット線となる下部ビット線bBL1がビット線対をなし、複数の第1のメモリセルMC1にそれぞれ接続される。
第2領域12内において、第1の主ビット線となる上部ビット線BL1に対して、下部ビット線bBL2が副ビット線となり、複数の第2のメモリセルMC2に接続される。
この下部ビット線bBL2は、第1領域11内においては、ビット線対BL1,bBL1のy方向に隣接するビット線対BL2,bBL2の副ビット線bBL2である。即ち、第1領域11内での下部ビット線(副ビット線)bBL2は、第2のビット線(主ビット線)BL2が接続されたメモリセルMC1に接続されている。
このように、1つの下部ビット線(副ビット線)は、第1及び第2領域11,12内でy方向に隣り合う2つの上部ビット線(主ビット線)に対し、第1領域11内では一方の上部ビット線とビット線対をなし、第2領域12内では一方の上部ビット線のy方向に隣接する他方の上部ビット線とビット線対をなすように、第1領域11と第2領域12の境界付近で、x−y平面内において斜め方向に引き出される。
尚、図3に示す例では、上部ビット線BL0〜BL3は直線状の形状を有し、下部ビットbBL0〜bBL4はジグザグ状の形状を有している。この場合、例えば、第2の下部ビット線bBL2の斜線部分は、第1領域11内においては、第2の上部ビット線BL2と上下に交差し、第2領域12内においては、第1の上部ビット線BL1と上下に交差している。
以上によって、本実施形態に係るMRAMにおいては、第1及び第2領域11,12内に設けられる第1及び第2のメモリセルMC1,MC2が同じ主ビット線BL0〜BL3に共通接続され、同じ主ビット線に接続された第1及び第2のメモリセルMC1,MC2がそれぞれ異なる副ビット線bBL0〜bBL4に接続されるメモリセルアレイ10を構成できる。
尚、MTJ素子MTJ1,MTJ2は、非磁性層を1層有するシングルジャンクション構造でもよいし、非磁性層を2層有するダブルジャンクション構造でもよい。シングルジャンクション構造のMTJ素子は、記録層がビット線側に配置され、固定層が半導体基板1側に配置されるボトムピンタイプでもよいし、固定層がビット線側に配置され、記録層が半導体基板1側に配置されるトップピンタイプでもよい。ダブルジャンクション構造のMTJ素子は、第1の固定層と、第2の固定層と、第1及び第2の固定層間に設けられた記憶層と、第1の固定層と記録層との間に設けられた第1の非磁性層と、第2の固定層と記録層との間に設けられた第2の非磁性層とを有する。
また、MTJ素子MTJ1〜MTJ10の平面形状は、図示される正方形状に限定されない。例えば、MTJ素子の平面形状は、長方形状、楕円状、円状、六角形状、菱型状、平行四辺形状、十字型状、ビーンズ型(凹型)状などでもよい。また、MTJ素子MTJ1〜MTJ10における固定層及び記録層の磁化方向は、膜面に対して垂直方向に向く垂直磁化型でもよいし、膜面に対して平行方向に向く平行磁化型でもよい。
尚、中間配線層M1と下部ビット線bBL0〜bBL3は、本実施形態に係るMRAMの製造工程において、例えば、同時に形成された配線層である。また、ビット線BL0〜BL3,bBL0〜bBL3は、例えば、アルミニウム(Al)や銅(Cu)等のメタル材からなる。ワード線WL1,WL2は、例えば、ポリシリコン膜やシリサイド膜、或いは、メタル材から構成される。
(3) 動作
図6乃至図9を用いて、本発明の第1の実施形態に係るMRAMの動作について、説明する。
(3−1) 動作原理
本実施形態に係るMRAMの書き込み/読み出し原理について、説明する。MRAMでは、トンネル磁気抵抗効果(Tunneling Magneto Resistive Effect)を利用して、データを判別している。トンネル磁気抵抗効果とは、MTJ素子の固定層及び記録層の磁化方向が平行となった場合と反平行となった場合とで、強磁性層に挟まれた非磁性層(トンネルバリア膜)のトンネル抵抗値が変化することである。固定層及び記録層の磁化方向が平行となった場合、MTJ素子の抵抗値は低くなり、磁化方向が反平行となった場合にはMTJ素子の抵抗値は高くなる。このMTJ素子の抵抗値の高低によって、“1”又は“0”データが判別される。
本実施形態のMRAMの書き込み方式には、例えば、スピン注入磁化反転技術が採用される。スピン注入による磁化反転は、固定層の磁気モーメントによってスピン偏極された電子(スピン偏極電子と呼ぶ)を記録層に注入し、そのスピン偏極電子と記録層内の電子との交換相互作用によるスピン角運動量の移動によって、記憶層を磁化反転させることで行われる。即ち、書き込み電流を固定層から記録層へ、又は、記録層から固定層へ流し、記録層の磁化方向と固定層の磁化方向を反平行状態(例えば、“0”データ)、又は、平行状態(例えば、“1”データ)にして、データが書き込まれる。
このように、MTJ素子の両端に電位差を印加して磁化反転しきい値電流以上の書き込み電流を流すことで記録層の磁化方向を反転させ、書き込み電流の流れる向きに応じて固定層及び記録層の磁化方向を平行又は反平行にし、MTJ素子の抵抗値を変化させることで“1”、“0”データの書き込みが行われる。
また、本実施形態のMRAMの読み出し動作の際には、選択セルに接続されている一方のビット線から他方のビット線に、読み出し電流が流される。そして、読み出し電流に基づいて、MTJ素子のトンネル抵抗値の値が判別されることによって、選択セルのデータが読み出される。
以下では、本発明の第1の実施形態に係るMRAMの読み出し動作について、説明する。
(3−2) 読み出し動作
図6A及び図6Bを用いて、本実施形態に係るMRAMの読み出し動作について、説明する。図6A及び図6Bは、本発明の第1の実施形態に係るMRAMの読み出し動作を説明するための模式図である。
本実施形態のMRAMにおいて、例えば、センスアンプS/Aが、1組のビット線対のうち高電位に設定される主ビット線(例えば、主ビット線BL1)に接続され、センスアンプS/Aが読み出し選択されたメモリセル(選択セル)からの信号を、MTJ素子に記憶されたデータとしてセンシングする。
具体的には、読み出し電流Irが選択セル内を経由して、選択セルが接続された主ビット線からその主ビット線と対をなす副ビット線へ流れる際に、選択セル内のMTJ素子のトンネル抵抗値に応じて、主ビット線の電位が変動する。センスアンプS/Aは、その変動量を検知し、その変動量に応じて選択セルに記憶されたデータを判別する。
まず、図6Aを用いて、第1領域11内の1つの第1のメモリセルが読み出し選択された場合について、説明する。図6Aに示す例では、第1の主ビット線BL1に接続された第1領域11内の第1のメモリセルMC1_Sが、読み出し選択されたメモリセルとする。
はじめに、第1領域11内の選択セルMC1_Sが接続されているワード線WL1_Sが、高電位に設定される。これによって、選択セルMC1_S内の選択トランジスタTr1_Sがオン状態となる。尚、選択セルMC1_Sが接続されているワード線WL1_Sに属する非選択セルMC1内の選択トランジスタもオン状態となる。また、非選択のワード線WL1,WL2は低電位に設定されるため、非選択ワード線WL1,WL2に接続された選択トランジスタTr1,Tr2は、オフ状態となる。
次に、選択セルMC1_Sが接続されたビット線対BL1,bBL1の電位が制御される。選択された第1の主ビット線(選択ビット線)BL1は高電位(例えば、0.4V)に設定される。上述のように、主ビット線BL1には、選択セルMC1_S内のMTJ素子MTJ1_Sの一端が接続されている。また、主ビット線BL1には、第1及び第2領域11,12には、第1及び第2のメモリセル(非選択セル)MC1,MC2内のMTJ1、MTJ2の一端が接続されている。
第1の副ビット線bBL1は低電位(例えば、0V)に設定される。この副ビット線bBL1は、第1領域11内では、主ビット線BL1と1組のビット線対をなし、第1領域11内のメモリセルMC1,MC1_Sを構成している選択トランジスタTr1,Tr1_Sの電流経路の一端が接続されている。
このビット線対BL1,bBL1間の電位差と選択セルMC1_S内の選択トランジスタTr1_Sがオン状態になっていることによって、読み出し電流Irが選択セルMC1_S内を流れる。
読み出し電流Irは、選択セルMC1_S内のMTJ素子MTJ1_S及びオン状態となった選択トランジスタTr1_Sの電流経路(チャネル)を流れる。
読み出し電流IrがMTJ素子MTJ1_Sを流れることによって、第1の主ビット線BL1の電位が変動する。この際、MTJ素子MTJ1_Sのトンネル抵抗値は“1”又は“0”データに応じてそれぞれ異なるため、主ビット線の電位の変動量は選択セルMC1_Sに記憶されたデータに対応して異なる。その変動量を、選択ビット線BL1に接続されたセンスアンプS/Aが検知して、選択セルMC1_Sに記憶されたデータが“1”であるか“0”であるかが判別される。
上述のように、第2領域12内において、第2のメモリセルMC2に対して主ビット線BL1とビット線対をなしているのは、第1の副ビット線bBL1とは異なる第2の副ビット線bBL2である。第2の副ビット線bBL2は、第2のメモリセルMC2を構成している選択トランジスタTr2に接続されている。
第1領域11内の選択セルMC1_Sに対する読み出し動作の際、この副ビット線bBL2は、主ビット線BL1とほぼ同電位(例えば、0.4V)に設定される。
このように、本実施形態のMRAMは、第1の主ビット線に接続された第1領域11内の選択セルMC1_Sに対する読み出し動作の際、第1の主ビット線BL1に接続された複数の第2のメモリセルMC2に対し、選択セルMC1_Sが接続されているのとは異なった副ビット線bBL2による電位制御が可能である。
これによって、主ビット線BL1と副ビット線bBL2との電位差が小さくなるため、このビット線対BL1,bBL2に接続される第2領域12内の複数のメモリセル(非選択セル)MC2において、第2の選択トランジスタTr2に起因するカットオフ電流は生じなくなる、もしくは、非常に小さくなる。
それゆえ、読み出し選択された主ビット線BL1に、第1及び第2領域11,12内の複数のメモリセルMC1,MC2が接続されていても、主ビット線BL1に対して電位変動をもたらすカットオフ電流(リーク電流)iは、第1領域11内の非選択セルMC1内の選択トランジスタのカットオフ耐性に起因する電流だけとなる。よって、読み出し動作時における選択ビット線(ここでは、主ビット線BL1)の電位を変動させ、センスアンプS/Aのセンシング(データの読み出し)に悪影響を及ぼすカットオフ電流の総量を、減少できる。
したがって、図6Aに示すように、第1領域11内の選択セルMC1_Sの読み出し動作において、カットオフ電流に起因する読み出しマージンの劣化を抑制できる。
尚、本実施形態においては、高電位に設定されるビット線BL1の電位は、0.4Vに設定されたが、この値に限定されず、読み出し電流による誤書き込みを防止できる値、例えば、0.08V以上、0.5V以下の範囲内の電位であればよい。
続いて、図6Bを用いて、第2領域12内の1つの第2のメモリセルが読み出し選択された場合について、説明する。図6Bに示す例では、第2領域12内のメモリセルMC2_Sが、読み出し選択されたメモリセルとする。第2領域12内の選択セルMC2_Sの読み出し動作においても、上述の第1領域11内のメモリセルMC1_Sに対する読み出し動作と実質的に同じである。
はじめに、図6Bに示すように、ワード線WL2_Sが高電位に設定され、メモリセルMC2_S内の選択トランジスタTr2_Sがオン状態となる。
次に、選択セルMC2_Sが接続されたビット線対BL1,bBL2の電位が制御される。主ビット線(選択ビット線)BL1の電位は、高電位(例えば、0.4V)に設定され、副ビット線bBL2は低電位(例えば、0V)に設定される。これによって、選択セルMC2_sに読み出し電流Irが流れる。
図6Bに示すように、第1領域11内の複数の第1のメモリセル(非選択セル)MC1は、第2領域12内の選択セルMC2_Sと同じ第1の主ビット線BL1に接続されている。しかし、本実施形態では、第1のメモリセルMC1は、選択セルMC2_Sが第2の副ビット線bBL2に接続されているのとは異なって、第1の副ビット線bBL1に接続されている。
この副ビット線bBL1は、第1の主ビット線BL1に接続された選択セルMC2_Sに対する読み出し動作の際、主ビット線BL1の電位とほぼ同じ電位(例えば、0.4V)に設定される。主ビット線BL1と副ビット線bBL1の電位がほぼ同じになるため、ビット線対BL1,bBL1に接続されたメモリセルMC1は、カットオフ電流が発生しない、もしくは、カットオフ電流の大きさが低減される。
そのため、図6Bに示すように、選択ビット線BL1に接続された複数のメモリセルMC1,MC2において、ビット線BL1の電位変動に影響を及ぼす選択トランジスタのカットオフ電流は、第2領域12内の非選択セルMC2からのカットオフ電流のみとなる。
よって、選択ビット線の電位を変動させるカットオフ電流の総量を減少できる。
それゆえ、図6Bに示す例においても、第2領域12内の選択セルMC2_Sの読み出し動作において、カットオフ電流に起因する読み出しマージンの劣化を抑制できる。
以上のように、本発明の第1の実施形に係るMRAMにおいて、そのメモリセルアレイ10を構成している複数の第1及び第2のメモリセルMC1,MC2が、読み出し選択セルに高電位を供給するビット線(主ビット線)BL1には共通に接続され、読み出し選択セルに低電位を供給するビット線(副ビット線)に対しては、第1のメモリセルMC1と第2のメモリセルMC2とでそれぞれ異なったビット線bBL1,bBL2に接続されていることを特徴とする。
このような構成を有することによって、主ビット線BL1とビット線対なす第1の副ビット線bBL1或いは第2の副ビット線bBL2の電位を、それぞれ異なって制御できる。
そして、選択セルが位置する領域11,12に応じて、第1の副ビット線bBL1又は第2の副ビット線bBL2のいずれか一方の電位を、主ビット線(選択ビット線)BL1の電位と同じにすることで、等電位の主ビット線−副ビット線間に接続された非選択セルからのカットオフ電流の発生を防止する。
また、上述のように、本実施形態のMRAMは、選択トランジスタTrのサイズがセルサイズの微細化のために小さくなり、短チャネル効果に起因するカットオフ電流(リーク電流)が顕著になっても、副ビット線の電位を制御することで、センスアンプ(選択ビット線)に対するノイズを低減する。換言すると、本実施形態のMRAMは、カットオフ電流を副ビット線の電位制御による電気的手法で抑制できるので、カットオフ電流の発生を防止するために選択トランジスタのサイズを大きくせずとも良い。その結果として、メモリセルのサイズを縮小でき、MRAMの記憶容量の増大にも貢献できる。
したがって、本発明の第1の実施形態に係るMRAMによれば、図6A及び図6Bに示すように、特に、非選択セルからのカットオフ電流に起因する読み出しマージンの劣化を抑制できる。
[2] 第2の実施形態
図7A及び図7Bを用いて、本発明の第2の実施形態に係るMRAMについて、説明する。本実施形態は、MRAMの読み出し動作に関する。以下では、第1の実施形態で述べた読み出し動作を、第1の読み出し動作と呼び、本実施形態で述べる読みだし動作を、第2の読み出し動作と呼ぶ。
本実施形態の第2の読み出し動作は、読み出し動作時の非選択ビット線の設定電位が、第1の読み出し動作時の非選択ビット線の設定電位と異なっている。尚、本実施形態に係るMRAMのメモリセルアレイ10の回路構成は、第1の実施形態に係るMRAMと同一であるため、説明は省略する。また、第2の読み出し動作において、第1の読み出し動作と共通する動作については、詳細な説明は省略する。
図7A及び図7Bは、本発明の第2の実施形態に係るMRAMの読み出し動作を説明するための模式図である。
まず、図7Aを用いて、第1領域11内のメモリセルMC1_Sが、読み出し選択された場合について、説明する。
図7Aに示す例において、選択セルMC1_Sが接続されたワード線WL1_Sが高電位に設定され、選択セルMC1_S内の選択トランジスタTr1_Sがオン状態となる。
次に、選択セルMC1_Sが接続されたビット線対BL1,bBL1において、主ビット線BL1の電位は高電位(例えば、0.4V)に設定され、副ビット線bBL1の電位は低電位(例えば、0V)に設定される。これによって、選択セルMC2_Sからデータが読み出される。
この際、選択セルMC1_Sと共通の主ビット線BL1に接続された複数の第2のメモリセル(非選択セル)MC2において、メモリセルMC2に接続された副ビット線bBL2の電位は、主ビット線BL1の電位とほぼ同じ電位(例えば、0.4V)に設定される。これによって、第2のメモリセルMC2からカットオフ電流が発生するのを抑制できる。
また、図7Aに示すように、本実施形態のMRAMの第2読み出し方式においては、選択セルMC1_Sが接続されていない複数の主ビット線(非選択ビット線)BL0,BL2,BL3及び副ビット線(非選択ビット線)bBL1,bBL2,bBL3にも、電位が供給される。それら非選択ビット線対に供給される電位は、例えば、選択ビット線(ここでは、第1の主ビット線BL1)の電位と、ほぼ同じ電位(例えば、0.4V)に設定される。
このように選択されたビット線対を除いたビット線に対し、電位を供給しておくことで、選択セルMC1_Sに対しての読み出し動作が終了した後、他のメモリセルMC1,MC2に対して読み出し動作を実行する際に、ビット線は既に充電状態にある。そのため、MRAMの読み出し動作は、ビット線BL0〜BL3,BL0〜BL3に接続された複数のメモリセルMC1,MC2に起因するRC遅延の影響を受けずに、次の読み出し動作又は書き込み動作を実行できる。それゆえ、第2の読み出し動作を用いることで、MRAMの動作の高速化を図ることができる。
続いて、図7Bを用いて、第2領域12内のメモリセルMC2_Sが、読み出し選択された場合について、説明する。この場合においても、図7Aに示す例と同様である。
即ち、選択セルMC2_Sが接続されたワード線WL2_Sの電位及びビット線対BL1,bBL2の電位がそれぞれ制御され、選択セルMC2_Sからデータが読み出される。この際、選択セルMC2_Sと同じ主ビット線BL1に接続された複数の第1のメモリセル(非選択セル)MC1において、メモリセルMC1に接続された副ビット線bBL1の電位は、主ビット線BL1の電位とほぼ同じ電位(例えば、0.4V)に設定される。これによって、第1のメモリセルMC1からカットオフ電流が発生するのを抑制できる。
また、図7Bに示す例においても、選択セルMC2_Sに対する読み出し動作の際に、非選択セルMC1,MC2が接続された主ビット線BL0,BL2,BL3及び副ビット線bBL1,bBL2,bBL3に、電位(例えば、0.4V)が供給される。そのため、複数の非選択ビット対は充電状態となる。よって、ビット線に接続されたメモリセルに起因するRC遅延の影響は受けず、次の読み出し動作又は書き込み動作に移行できる。
それゆえ、MRAMの動作の高速化を図ることができる。
以上のように、図7A及び図7Bに示す第2の読み出し動作によれば、選択セルに対して読み出し動作が実行されているときに、非選択セルが接続されたビット線に対しても電位が供給される。よって、非選択セルが接続されたビット線対は、充電状態になる。そのため、ビット線に接続されたMTJ素子や選択トランジスタに起因するRC遅延の影響を受けずに、続いて選択されるメモリセルに対して読み出し動作又はデータの読み出し後の書き込み動作を実行できる。それゆえ、本実施形態の第2の読み出し動作は、動作の遅延を生じることなく、連続したデータの読み出しを実行できる。
また、本実施形態においても、第1の実施形態と同様に、同じ主ビット線に共通接続された第1及び第2のメモリセルMC1,MC2は、第1のメモリセルMC1と第2のメモリセルMC2とで、それぞれ異なった第1及び第2の副ビット線bBL1,bBL2に接続される。よって、副ビット線bBL1,bBL2の電位制御により、読み出し動作時のカットオフ電流の発生を防止できる。
したがって、本発明の第2の実施形態に係るMRAMによれば、第2の読み出し動作を用いることで、読み出しマージンの劣化を抑制できるとともに、MRAMの読み出し動作を高速化できる。
[3] 第3の実施形態
図8乃至図13Bを用いて、本発明の第3の実施形態に係るMRAMについて説明する。尚、本実施形態において、第1及び第2の実施形態と同一部材に関しては、同一符号を付し、詳細な説明は省略する。
(1) 基本構成
図8を用いて、本発明の第3の実施形態に係るMRAMの基本構成について、説明する。本発明の第3の実施形態は、第1及び第2領域11,12内に設けられた第1及び第2のメモリセルMC1,MC2とビット線対との接続関係が、第1の実施形態と異なっている。尚、第1及び第2のメモリセルMC1,MC2をそれぞれ構成しているMTJ素子MTJ1,MTJ2と選択トランジスタTr1,Tr2との接続関係は、第1の実施形態と同様であるため、詳細な説明は省略する。
第1領域11内の複数の第1のメモリセルMC1において、第1のMTJ素子の一端は主ビット線BL1に接続される。第1の選択トランジスタTr1の電流経路の一端は、主ビット線BL1と1組のビット線対をなす副ビット線bBL1に接続される。
複数の第2領域12内に設けられる複数の第2のメモリセルMC2において、第2の選択トランジスタTr2の電流経路の一端が主ビット線BL1に接続され、第2のMTJ素子MTJ2の一端が第1の副ビット線bBL1に接続される。
このように、本実施形態においても、第1の実施形態と同様に、第1領域11内に設けられた複数の第1のメモリセルMC1と第2領域12内に設けられた複数の第2のメモリセルMC2は、それぞれ同じ主ビット線BL1に共通接続される。また、第1領域11内の第1のメモリセルMC1及び第2領域12内の第2のメモリセルMC2は、それぞれ異なった副ビット線bBL1,bBL2に接続される。
さらに、本実施形態が第1の実施形態と相違するのは、主ビット線BL1と第2の副ビット線bBL2に対する第2のメモリセルMCの接続関係において、第2の選択トランジスタTr2の電流経路の一端が主ビット線BL1に接続され、MTJ素子MTJ2の一端が副ビット線bBL2に接続されていることである。
即ち、本実施形態では、第2のメモリセルMC2を構成している素子MTJ2,Tr2のビット線対BL1,bBL2に対する接続関係が、第1のメモリセルMC1を構成している素子MTJ1,Tr1のビット線対BL1,bBL1に対する接続関係と反対の関係になっている。
以上のように、ビット線対に対するメモリセルMC1,MC2の構成素子の接続関係が、第1領域11と第2領域12とで反対となっていても、異なる副ビット線bBL1,bBL2が各領域11,12内のメモリセルMC1,MC2にそれぞれ接続されていれば、副ビット線bBL1,bBL2の電位を個別に制御できる。
つまり、選択セルを含まない領域のメモリセルが接続される副ビット線bBL1,bBL2の電位を、主ビット線BL1とほぼ同じ電位に設定することで、選択セルを含まない領域において、メモリセルが含む選択トランジスタに起因するカットオフ電流の発生を防止できる。
したがって、本発明の第3の実施形態に係るMRAMによっても、第1の実施形態と同様に、メモリセルのカットオフ電流に起因する読み出しマージンの劣化を抑制できる。
(2) 全体構成
以下、図9乃至図12を用いて、本発明の第3の実施形態に係るMRAMのメモリセルアレイ領域の構成について、説明する。
(2−1) 回路構成
図9を用いて、本発明の第3の実施形態に係るMRAMの回路構成について説明する。
図9は、本実施形態に係るMRAMのメモリセルアレイ領域の等価回路を示している。
本実施形態において、ビット線対BL1,bBL1をなす主ビット線BL1及び副ビット線bBL1に対して、第1領域11内の複数のメモリセルMC1は、第1の実施形態に示す例(図2参照)と同様の回路構成で、接続されている。
即ち、第1のメモリセルMC1を構成している第1のMTJ素子MTJの一端が、第1の主ビット線BL1が接続され、第1のメモリセルMC1を構成している第1の選択トランジスタTr1の電流経路の一端が、副ビット線bBL1に接続されている。
第1領域11内の第1のメモリセルMC1が接続された主ビット線対BL1には、第2の領域12内に設けられた複数の第2のメモリセルMC2も接続されている。主ビット線BL1に接続された第2のメモリセルMC2に対して、この主ビット線BL1とビット線対をなしているのは、第2のビット線bBL2である。
このように、本実施形態においても、同じ主ビットBL1に接続される複数の第1及び第2のメモリセルMC1,MC2は、第1領域11内の第1のメモリセルMC1と第2領域12内の第2のメモリセルMC2とで、それぞれ異なった副ビット線bBL1,bBL2に接続される。
第1の主ビット線BL1に接続された第2のメモリセルMC2において、第1の主ビット線BL1には、第2の選択トランジスタTr2の電流経路の一端が接続される。また、第1の主ビット線BL1に接続された第2のメモリセルMC2において、第1の主ビット線BL1とビット線対BL1,bBL2をなす第2の副ビット線bBL2には、第2のMTJ素子MTJ2の一端が接続される。
また、第1領域11内の複数のメモリセルMC1に対して、第2の副ビット線bBL2とビット線対をなしているビット線は、第2の主ビット線BL2である。
このビット線対BL2,bBL2に接続される第1のメモリセルMC1は、ビット線対BL1,bBL1に接続されるメモリセルMC1と同様の接続関係によって、1組のビット線対BL2,bBL2に接続される。即ち、第2の主ビット線BL2にMTJ素子MTJ1の一端が接続され、第2の副ビット線bBL2に選択トランジスタTr1の電流経路の一端が接続される。
このように、ビット線対BL1,bBL1とメモリセルMC1との接続関係と同様の回路構成によって、第1領域11内の複数の第1のメモリセルMC1は、第1のMTJ素子MTJ1の一端が主ビット線BL0,BL3に接続され、第1の選択トランジスタTr1の電流経路の一端が副ビット線bBL0,bBL3に接続されている。
また、第2のビット線BL2は、第2領域12内の複数のメモリセルMC2に対しては、第3の副ビット線bBL3とビット線対をなしている。
ビット線対BL2,bBL3に接続される第2のメモリセルMC2は、ビット線対BL1,bBL2に対するメモリセルMC2の接続関係と同様に、ビット線BL2,bBL3に接続される。即ち、メモリセルMC2を構成している選択トランジスタTr2の電流経路の一端が第2の主ビット線BL2に接続され、メモリセルMC2を構成しているMTJ素子MTJ1の一端が第3の副ビット線bBL3に接続される。
このように、ビット線対BL1,bBL2とメモリセルMC2との接続関係と同様の回路構成によって、第2領域12内の複数の第2のメモリセルMC2は、選択トランジスタTr1の電流経路の一端が主ビット線BL0,BL3に接続され、MTJ素子MTJ1の一端が副ビット線bBL0,bBL1に接続される。
以上のように、本発明の第3の実施形態に係るMRAMのメモリセルアレイ10においても、同じ主ビット線BL1に接続される第1及び第2領域11,12の複数のメモリセルMC1,MC2は、第1のメモリセルMC1と第2のメモリセルMC2とで、それぞれ異なった副ビット線bBL1、bBL2に接続される。
さらに、本実施形態では、同じ主ビット線BL1に接続される第1及び第2領域11,12内の複数のメモリセルMC1,MC2において、第2のメモリセルMC2を構成している素子とビット線対との接続関係が、第1のメモリセルを構成している素子とビット線対との接続関係とは反対になっている。
図9に示される回路構成を有する本実施形態に係るMRAMにおいても、第1の実施形態に係るMRAMと同様に、第1領域11内の第1のメモリセルMC1と第2領域12内の第2のメモリセルMC2は、同じ主ビット線BL1に共通接続されていても、それぞれ異なった副ビット線bBL1,bBL2に接続されているので、第1及び第2のメモリセルMC1,MC2とで、個別に副ビット線bBL1,bBL2の電位が制御できる。
それゆえ、選択セルを含まない領域のメモリセルに対し、主ビット線と副ビット線とのの設定電位を同じにでき、カットオフ電流の発生を防止できる。
以上のように、本発明の第3の実施形態のMRAMによれば、第1の実施形態のMRAMと同様に、読み出しマージンの劣化を抑制できる。
(2−2) 構造
図10乃至図12を用いて、本発明の第3の実施形態に係るMRAMの構造について説明する。図10は、本実施形態に係るMRAMのメモリセルアレイ10のレイアウトを示している。図11は、図10のC−C’線に沿う断面構造を示し、図12は、図10のD−D’線に沿う断面構造を示している。
図10乃至図12に示すように、本実施形態に係るMRAMのメモリセルアレイ10内には、第1領域11と第2領域12とが設けられている。第1領域11内のアクティブ領域AA内には、第1のメモリセルMC1が設けられている。また、第2領域12内のアクティブ領域AA内には、第2のメモリセルMC2が設けられている。尚、第1の実施形態と同様に、1つのアクティブ領域AA内には、2つのメモリセルが形成される。
本実施形態において、例えば、第1領域11と第2領域12との間に、ビット線切り替え領域15が設けられている。このビット線切り替え領域15内に形成された切り替え配線200やビアV2などによって、第1領域11内に設けられた配線層M1,M3と第2領域12内に設けられた配線層M1,M3との接続関係が切り替えられる。
図10乃至図12に示すように、例えば、第1の主ビット線BL1は、第1のメモリセルMC1が設けられる第1領域11内において、層間絶縁膜190上に設けられた第3の配線層M3からなる。一方、第2のメモリセルMC2が設けられている第2領域12において、主ビット線BL1は、第1の配線層M1からなる。また、例えば、副ビット線bBL1は、第1領域11内において、第1の配線層M1からなる。それに対して、第2領域12内において、副ビット線bBL1は、第3の配線層M3からなる。
このように、本実施形態のMRAMのメモリセルアレイ10では、ビット線とメモリセルとの接続関係を、第1領域11内と第2領域12内とで互いに反対にするために、同一の主ビット線BL0〜BL3又は副ビット線bBL0〜bBL3であっても、第1領域11内と第2領域12内とでそれぞれ異なった配線層M1,M3から形成される。
そのため、図11に示すように、ビット線切り替え領域15が、第1領域11と第2領域との間のメモリセルアレイ10内に設けられ、第1領域11内からビット線切替え領域15内に引き出された第3の配線層M3(主ビット線BL1)は、例えば、第2の配線層M2(切り替え配線200)と2つのビアV1,V2を介して、第2領域12内からビット線切り替え領域15内に引き出された第1の配線層M1に接続される。これによって、第1のメモリセルMC1と第2のメモリセルMC2とに共通に用いられる主ビット線BL1が形成される。
また、図12に示すように、第1領域11内からビット線切替え領域15内に引き出された第1の配線層M1(副ビット線bBL1)は、例えば、コンタクトC4を介して、ダミーアクティブ領域DAA(半導体基板110)内に設けられた拡散層145に接続される。第2領域12内からビット線切り替え領域15内に引き出された第3の配線層M3は、ビアV1,V2、コンタクトC5及び2つの配線層M1,M2を介して、拡散層145に接続される。この拡散層145が電流経路(切り替え配線)となって、第1領域11内の配線層M1と第2領域12内の配線層M3とが接続され、第1のメモリセルMC1と第2のメモリセルとに共通に用いられる第1の副ビット線bBL1が形成される。
本実施形態のように、1つのビット線が、第1の配線層M1と第3の配線層M3とからなる場合、例えば、第1の主ビット線BL1は、第1の領域11内では直線状の形状を有し、第2領域12内ではジグザグ状の形状を有した平面構造となる。又は、例えば、第1の副ビット線bBL1は、第1領域11内ではジグザグ状の形状を有し、第2領域12内では直線状の形状を有した平面構造となる。
尚、第2の配線層M2は、第1及び第3の配線層を接続するための切り替え配線200として機能すると共に、例えば、MTJ素子MTJ1,MTJ2の下部電極180としても機能する。
また、本実施形態において、メモリセルアレイ10(半導体基板110)内に設けられるアクティブ領域AAのレイアウトが、例えば、第1領域11内と第2領域12内とで、異なっている。
具体的には、x方向に配列される複数のアクティブ領域AAにおいて、第2領域12内のアクティブ領域AAは、第1領域11内のアクティブ領域AAと同一直線上に、配列されていない。第2領域12内のアクティブ領域AAは、第1領域11内のアクティブ領域AAに対して、y方向にずれたレイアウトとなっている。尚、アクティブ領域AAは、各領域11,12内では、x方向及びy方向に沿ってアレイ状にそれぞれ配列されている。
これによって、ビット線切り替え領域15内において、切り替え配線として機能する各配線層M1〜M3及び拡散層(ダミーアクティブ領域DAA)の形状を直線状とできる。このように、アクティブ領域AAのレイアウトを第1領域11と第2領域12とで異ならせることによって、第1の配線層M1と第3の配線層との接続を、複雑な形状の切り替え配線(第2の配線層M2)を用いずとも行える。
図10乃至図12に示すように、本実施形態に係るMRAMのメモリセルアレイ10内には、第1領域11と第2領域12との間に、ビット線切り替え領域15が設けられている。このビット線切り替え領域15内に形成される切り替え配線145,200によって、第1領域11内で主又は副ビット線となる配線層M1,M3と第2領域12内で主又は副ビット線となる配線層M3,M1との接続関係が、切り替えられる。
これによって、本実施形態の第1領域11内に設けられるメモリセルMC1と第2領域12内に設けられるメモリセルMC2とのビット線対に対する接続関係において、メモリセルMC1,MC2の各々は、同じ第1の主ビット線BL1に接続され、第1のメモリセルMC1は第1の副ビット線bBL1に接続され、第2のメモリセルMC2は第2の副ビット線bBL2に接続される。また、本実施形態のMRAMのメモリセルアレイ10では、ビット線切り替え領域15内に形成される切り替え配線145,200によって、第2のメモリセルMC2を構成している選択トランジスタの電流経路の一端が主ビット線BL1に接続され、第2のメモリセルMC2を構成しているMTJ素子の一端が副ビット線bBL2に接続される。
尚、第1領域11内に設けられた配線層M1〜M3と第2領域12内に設けられた配線層M1〜M3とを接続するための切り替え配線層の構造、又は、第1領域11内のアクティブ領域AA(MC1)と第2領域12内のアクティブ領域AA内のアクティブ領域AA(MC2)のレイアウトは、図10乃至図12に示す構造に限定されるものではなく、適宜変更可能である。
(3) 動作
以下、図13A及び図13Bを用いて、本発明の第3の実施形態に係るMRAMの読み出し動作について、説明する。本実施形態に係るMRAMも、第1の実施形態に係るMRAMと同様の原理に基づいて動作するため、詳細な説明は省略する。
また、図13A及び図13Bを用いて説明する読み出し動作では、上述の第1の読み出し動作を用いた場合について述べ、第1の実施形態と同じ動作については、詳細な説明を省略する。
図13Aは、第1領域11内に設けられた第1のメモリセルMC1_Sに対する読み出し動作を説明するための模式図である。
はじめに、第1の実施形態と同様に、選択されたワード線WL1_Sが高電位に設定されることで、選択セルMC1_Sを構成している選択トランジスタTr1_Sはオン状態となる。
その後、選択セルMC1_Sが接続されたビット線対BL1,bBL1のうち、第1の主ビット線(選択ビット線)BL1が高電位(例えば、0.4V)に設定され、第1の副ビット線bBL1が低電位(たとえば、0V)に設定される。そして、読み出し電流Irが、選択セルMC1_S内のMTJ素子MTJ1_Sから選択トランジスタTr1の電流経路へと流れる。これによって、MTJ素子MTJ1_Sのトンネル抵抗値に応じて、第1の主ビット線BL1の電位が変動する。そして、主ビット線BL1に接続されたセンスアンプS/Aがその変動量を検知し、選択セルMC1_Sに記憶されたデータが判別される。
選択セルMC1_Sと同じ主ビット線BL1に接続された第2領域12内の第2のメモリセルMC2において、第2のメモリセルMC2は、選択セルMC1_Sが接続された副ビット線bBL1とは異なった副ビット線bBL2に接続されている。選択セルMC1_Sに対するデータの読み出し時、この副ビット線bBL2は、例えば、選択セルMC1_Sが接続された主ビット線BL1と同じ電位(例えば、0.4V)に設定される。
この場合、選択された主ビット線BL1に接続された第2のメモリセル(非選択セル)MC2において、そのメモリセルMC2が接続された主ビット線BL1の電位と副ビット線bBL2の電位は実質的に同じとなるため、ビット線対BL1,bBL2間の電位差はなくなる。それゆえ、選択セルMC1_Sと同じ主ビット線BL1に接続された第2領域12内の非選択セルMC2において、非選択セルMC2を構成している選択トランジスタTr2に起因するカットオフ電流が発生しない。
したがって、選択セルMC1_Sが接続された主ビット線BL1の電位に対して、第2の領域12内の非選択セルMCのカットオフ電流がビット線BL1の電位を変動させることはない。即ち、選択ビット線BL1に対するセンシングに悪影響を及ぼすカットオフ電流の総量が減少される。
図13Bは、第2領域12内に設けられた第2のメモリセルMC2_Sに対する読み出し動作を説明するための模式図である。
第1領域11内のメモリセルMC1に対する読み出し動作と同様に、選択されたワード線WL2_Sが高電位に設定され、選択セルMC2_Sを構成している選択トランジスタTr2_Sはオン状態となる。
その後、選択セルMC2_Sが接続されたビット線対BL1,bBL2のうち、第1の主ビット線BL1が高電位(例えば、0.4V)に設定され、第2の副ビット線bBL2が低電位(たとえば、0V)に設定される。本実施形態では、第2領域12内のメモリセルMC2において、主ビット線BL1及び副ビット線bBL2に対するメモリセルMC2の構成素子MTJ2,Tr2の接続関係が、主ビット線BL1及び副ビット線bBL1に対する第1領域11内のメモリセルMC1の構成素子MTJ1,Tr1の接続関係とは逆になっている。
そのため、第2領域12内の選択セルMC2に対して、読み出し電流Irは、選択セルMC2_S内の選択トランジスタTr2の電流経路からMTJ素子MTJ2_Sへと流れる。これによって、MTJ素子MTJ2_Sのトンネル抵抗値に応じて、主ビット線BL1の電位が変動する。主ビット線BL1に接続されたセンスアンプS/Aが、その変動量を検知し、選択セルMC2_Sに記憶されたデータが判別される。
選択セルMC2_Sと同じ主ビット線BL1に接続された第1のメモリセルMC1において、第1のメモリセルMC1は、選択セルMC2_Sが接続された第1の副ビット線bBL2とは異なった第2の副ビット線bBL1に接続されている。選択セルMC2_Sに対するデータの読み出し時、この副ビット線bBL1は、例えば、選択セルMC2_Sが接続された主ビット線BL1と同じ電位(例えば、0.4V)に設定される。
この場合、選択された主ビット線BL1に接続された第1領域11内の非選択セルMC1において、非選択セルMC1が接続された主ビット線BL1の電位と副ビット線bBL1の電位は実質的に同じになるため、ビット線対BL1,bBL1間の電位差はなくなる。
それゆえ、選択セルMC2_Sと同じ主ビット線BL1に接続された第1領域11内の非選択セルMC1において、非選択セルMC1を構成している選択トランジスタTr1に起因するカットオフ電流が発生しない。即ち、選択ビット線に対するセンシングに悪影響を及ぼすカットオフ電流の総量が減少される。
したがって、選択セルMC2_Sが接続された主ビット線BL1の電位に対して、第1の領域11内の非選択セルのカットオフ電流が電位変動を引き起こすことはない。
以上のように、本発明の第3の実施形態に係るMRAMによれば、第1の実施形態のMRAMと同様に、特に、カットオフ電流に起因する読み出しマージンの劣化を抑制できる。
尚、第2の実施形態で述べた第2の読み出し動作を用いても、本実施形態に係るMRAMの読み出し動作を実行できる。本実施形態に係るMRAMに第2の読み出し動作を適用した場合には、第1の実施形態と同様に、読み出しマージンの劣化を抑制するとともに、MRAMの動作の高速化を図ることが可能となる。
[4] 第4の実施形態
第1乃至第3の実施形態で述べたように、1つのアクティブ領域AA内には、2つのメモリセルが設けられ、それら2つのメモリセル内の選択トランジスタはソース/ドレイン拡散層の1つを共有し、共有ノードをなしている。そして、2つのメモリセル内にそれぞれ含まれるMTJ素子の一端と選択トランジスタの共有ノードとが、1組のビット線対に接続されている。このような回路構成を有する2つのメモリセルは、セル群と呼ばれる。
本発明の第4の実施形態は、セル群の半導体基板上におけるレイアウトに関する。以下、図14乃至図18を用いて、本発明の第4の実施形態に係るMRAMについて、説明する。
(1) 構造
図14乃至図17を用いて、本発明の第4の実施形態に係るMRAMの構造について、説明する。
図14は、本実施形態に係るMRAMのメモリセルアレイ10のレイアウトを示している。図15は図14のP−P’線に沿う断面構造を図示し、図16は図14中のQ−Q’線に沿う断面構造を図示している。また、図17は、図14中のR−R’線に沿う断面構造を図示している。尚、図16及び図17において、部材の明確化のため、層間絶縁膜の図示は省略している。また、図16及び図17中において、手前方向及び奥行き方向に設けられた部材については、破線で示している。
図14乃至図17に示すように、メモリセルアレイ10の第1及び第2領域11,12内には、複数のアクティブ領域AAが設けられている。第1領域11内の1つのアクティブ領域AA内には、第1及び第2の実施形態と同様に、2つのメモリセル、即ち、1つのセル群G1A、G1Bが設けられている。第1領域11内と同様に、第2領域12内の1つのアクティブ領域AA内に対しても、1つのセル群G2A,G2Bが設けられている。本実施形態において、1つメモリセルのセルサイズは、8Fとなる。
尚、第1領域11内において、セル群G1A,G1Bをそれぞれ構成しているMTJ素子MTJ1A,MTJ1B及び選択トランジスタTr1A,Tr1Bの構造は、第1乃至第3の実施形態で述べたMTJ素子及び選択トランジスタの構造と同様である。また、第2領域12内のセル群G1A,G1B内にそれぞれ含まれているMTJ素子MTJ2A、MTJ2B及び選択トランジスタTr2A,Tr2Bの構造も、第1乃至第3の実施形態で述べたMTJ素子及び選択トランジスタと同様である。それゆえ、本実施形態では、MTJ素子MTJ1A〜MTJ2B及び選択トランジスタTr1A〜Tr2Bの構造の詳細な説明は省略する。
第1領域11内において、主ビット線BL0〜BL3及び副ビット線bBL0〜bBL3は直線状の形状を有し、x方向に延在している。主ビット線BL0〜BL3は、例えば、第3の配線層M3からなり、副ビット線bBL0〜bBL3は、例えば、第2の配線層M2からなる。第1及び第2領域11,12内において、ビット線のレイアウトは、主ビット線BL0〜BL3と副ビット線bBL0〜bBL3とがy方向に交互に並ぶようにそれぞれ配置されている。
主ビット線BL0〜BL3には、各セル群G1A,G1B,G2A,G2Bが含んでいるMTJ素子MTJ1A,MTJ1Bの一端が接続される。
副ビット線bBL0〜bBL3には、各セル群G1A,G1B,G2A,G2Bの共有ノードが、第1の配線層M1(以下、引き出し配線250と呼ぶ)及びビアV1を介して、接続される。共有ノードは、上述のように、各セル群G1A,G1B,G2A,G2Bが含んでいる2つの選択トランジスタが共有する1つのソース/ドレイン拡散層142からなる(例えば、図4参照)。
引き出し配線250は、ソース/ドレイン拡散層142上のコンタクトC2A,C2Bに接続される。引き出し配線M1は、1つのアクティブ領域AA上の2つのワード線間に配置され、1つの主ビット線と1つの副ビット線とにまたがって、ワード線の延在方向(y方向)に延在している。
第1領域11内の複数のセル群G1A,G1Bにおいて、引き出し配線250は、コンタクト2A(共有ノード)から同じ方向(例えば、図14中の紙面上側)に引き出される。また、第2領域12内の複数のセル群G2A,G2Bにおいても、引き出し配線250は、コンタクト2B(共有ノード)から同じ方向(例えば、図14中の紙面上側)に引き出される
x方向にそれぞれ隣り合う第1領域11内のセル群G1A,G1Bは、同じ主ビット線BL0〜BL4に接続される。また、x方向に隣り合うセル群G1A,G1Bは、引き出し配線250を介して、同じ副ビット線bBL0〜bBL4に接続される。
第1領域11内において、ワード線WL1A,WL1Bは、y方向に延在している。ワード線WL1Aには、y方向に隣り合うセル群G1Aが共有接続される。ワード線WL1Aは、例えば、セル群G1Aに含まれている選択トランジスタTr1Aのゲート電極からなる。ワード線WL1Bには、y方向に隣り合うセル群G1Bが共有接続される。ワード線WL1Bは、例えば、セル群G1Bに含まれている選択トランジスタTr1Bのゲート電極からなる。
y方向に隣り合うセル群G1A,G1Bは、それぞれ異なるビット線対に接続される。但し、各セル群G1A,G1Bの構成素子とビット線対との接続関係は同じになっている。第1領域11内において、斜め方向に隣り合うセル群G1A,G1Bは、それぞれ異なるビット線に接続されるが、各セル群の構成素子とビット線対との接続関係は同じとなっている。
斜め方向に隣り合うセル群G1A,G1Bは、ワード線を互いに共有しない。このため、セル群G1Bで用いられるワード線WL1Bは、x方向に隣接する2つのセル群G1Aの間を通過するだけで、セル群G1Aに接続されない。
また、セル群G1Bで用いられるビット線対(例えば、ビット線対BL2、bBL2)は、y方向に隣り合う2つのセル群G1A間を通過するだけで、セル群G1Aに接続されない。
このように、本実施形態に係るMRAMのメモリセルアレイ10において、第1領域11内に設けられるセル群G1A,G1Bは、x方向に隣り合うセル群、y方向に隣り合うセル群及び斜め方向に隣り合うセル群が、並進関係を成している。尚、並進関係とは、並進対称である関係を意味する。
第2領域12内に設けられたセル群G2A,G2Bも、第1領域内のセル群G1A,G1Bと同様に、x方向に隣り合うセル群、y方向に隣り合うセル群及び斜め方向に隣り合うセル群のいずれもが、並進関係を成している。即ち、各セル群G2A,G2Bが接続されるビット線対に対する接続関係が、隣り合うセル群間で同じとなっている。
第1及び第2領域11,12間には、ビット線切り替え領域15が設けられている。ビット線切り替え領域15内には、複数の切り替え配線200が形成される。
本実施形態においては、これらの切り替え配線200によって、第1領域11内の第3の配線層M3と第2領域12内の第3の配線層M3とが接続される。
図14に示すように、副ビット線bBL0〜bBL3となる、例えば、第2の配線層M2は、直線状の形状を有し、ビット線切り替え領域15上を経由して、第1領域11から第2領域12へ延在している。
一方、主ビット線BL1〜BL3となる、例えば、第3の配線層M3は、副ビット線bBL0〜bBL3と同じく直線状を有しているが、ビット線切り替え領域15内で分断され、第1領域11及び第2領域12内にそれぞれ個別に設けられている。
そして、切り替え配線200によって、第1領域11内の第3の配線層M3と第2領域12内の第3の配線層M3とが接続される。
例えば、第1領域11内において第1の主ビット線BL1となる配線層M3は、切り替え配線200を介して、第1領域11内において第2の主ビット線BL2とx方向に同一直線上に位置する第2領域12内の配線層M3に接続される。切り替え配線200は、第1の副ビット線bBL1(第2の配線層M2)下方を経由して、斜め方向に延在している。
このように、本実施形態では、切り替え配線200によって、第1領域11内の配線層M3と第2領域12内の配線層M3とが接続され、1つの主ビット線が形成される。
以上のように、x方向、y方向及び斜め方向に隣り合うセル群が並進関係をなすメモリセルアレイ10を有する本実施形態のMRAMにおいても、第1領域11内の第1のセル群G1A,G1B(メモリセル)と第2領域12内の第2のセル群G2A,G2Bは同じ主ビット線に共通に接続され、第1のセル群G1,G1Bと第2のセル群とでそれぞれ異なった副ビット線bBL1,bBL2に接続される。
したがって、本発明の第3の実施形態に係るMRAMにおいても、第1乃至第3の実施形態と同様に、カットオフ電流に起因する読み出しマージンの劣化を抑制できる。
尚、本実施形態においては、ビット線切り替え領域15内に切り替え配線200が設けられ、その切り替え配線200によって、第1及び第2領域11,12内にそれぞれ設けられた配線層M3を接続し、主ビット線を構成する例について述べた。
しかし、それに限定されず、切り替え配線200によって、第1及び第2領域11,12内にそれぞれ設けられた第2の配線層M2が接続されて、副ビット線bBL0〜bBL3が形成される場合においても、本実施形態と同様の効果が得られる。
(2) 回路構成及び動作
図18を用いて、本発明の第3の実施形態に係るMRAMのメモリセルアレイ10の回路構成及び動作について説明する。図18は、本実施形態に係るMRAMのメモリセルアレイ10の等価回路と、その動作を説明するための模式図である。
図18に示すように、主ビット線BL0〜BL3及び副ビット線bBL0〜bBL3はx方向に延在している。また、複数のワード線WL1A,WL1B,WL2A,WL2Bは、y方向に延在している。ワード線WL1A,WL1Bは、第1領域11内に設けられ、ワード線WL2A,WL2Bは、第2領域12内に設けられる。
第1及び第2領域11,12内には、複数の第1のセル群G1A,G1B,G2A,G2Bが、それぞれ設けられている。
第1領域11内のセル群G1Aには、ワード線WL1Aが用いられ、ワード線WL1Aはy方向に隣り合う複数のセル群G1Aに共有接続される。第1領域11内のセル群G1Bには、ワード線WL1Bが用いられ、ワード線WL1Bはy方向に隣り合う複数のセル群G1Bに共有接続される。尚、ワード線WL1Bは、x方向に隣り合う2つのセル群G1A間を通過するのみで、ワード線WL1Bはセル群G1Aに接続されない。
第1領域11内のセル群G1A,G1Bと同様に、第2領域12内のセル群G2Aには、ワード線WL2Aが用いられ、第2領域12内のセル群G2Bには、ワード線WL2Bが用いられる。
ワード線WL2A,WL2Bはy方向に隣り合う複数のセル群G2A,G2Bでそれぞれ共有接続される。尚、ワード線WL2Bは、x方向に隣り合う2つのセル群G2A間を通過するのみで、ワード線WL2Bはセル群G2Aに共有接続されない。
図18に示す例のメモリセルアレイ10では、各ビット線対に対するMTJ素子及び選択トランジスタの接続関係は、第1の実施形態(図2参照)とほぼ同様である。
例えば、同じ第1の主ビット線BL1に接続された第1及び第2領域11,12内のセル群G1A,G2Aにおいて、MTJ素子MTJ1A,MTJ2Bの一端は主ビット線BL1に接続される。
そして、第1領域11内のセル群G1Aにおいて、そのセル群G1A内の選択トランジスタTr1Aの電流経路の一端(共有ノード)は、第1の副ビット線bBL1に接続される。一方、第2領域12内のセル群G2Aにおいて、そのセル群G2A内の選択トランジスタTr2Aの電流経路の一端(共有ノード)は、第2の副ビット線bBL2に接続される。
本実施形態のように、x方向に隣り合うセル群、y方向に隣り合うセル群、斜め方向に隣り合うセル群のいずれもが並進関係を成しているMRAMにおいても、同じ主ビット線BL1に共通接続された複数のセル群(メモリセル)G1A,G1B,G2A,G2Bは、第1領域11内のセル群G1A,G1Bと第2領域12内のセル群G2A,G2Bとで、それぞれ異なった副ビット線bBL1,bBL2に接続される。
図18に示す本実施形態に係るMRAMのメモリセルアレイ10は、上述の第1又は第2の読み出し動作を用いて、読み出し動作を実行することができる。ここでは、第1の読み出し動作を用い、第1領域11内の選択セルMC1_Sに対して、データの読み出しを行う場合について説明する。
図18に示すように、セル群G1A内の選択セルMC1_Sに用いられるワード線WL1A_Sが高電位に設定され、選択セルMC1_S内の選択トランジスタTr1_Sがオン状態となる。
そして、選択セルMC1_Sに用いられるビット線対BL1,bBL1の電位が制御される。第1の主ビット線BL1は高電位(例えば、0.4V)、第1の副ビット線bBL1は低電位(例えば、0V)に設定される。
この際、選択セルMC1_Sと同じ主ビット線BL1に接続された第2領域12内の複数のセル群G2Bにおいて、それらのセル群2GBに用いられる第2の副ビット線bBL2の電位が、主ビット線BL1の電位とほぼ同じ電位(例えば、0.4V)に設定される。このため、第2領域12内のセル群G2Bが接続されるビット線対BL1,bBL2間の電位差が小さくなる。これによって、同じ主ビット線BL1に接続された第1及び第2領域11,12内の複数のセル群G1A,G2Aにおいて、第2領域12内のセル群G2A(メモリセル)からカットオフ電流が発生するのを防止できる。
したがって、第1領域11内の選択セルからデータを読み出す際に、カットオフ電流に起因して、選択セルが接続された主ビット線BL1の電位が変動するのを防止できる。
また、ビット線対BL1,bBL2に接続された第2領域12内の選択セルに対して読み出し動作を行う際には、次のようになる。
選択セルに用いられるワード線が高電位に設定され、選択セル内の選択トランジスタがオン状態とされる。
そして、第2領域12内の選択セルが接続される第1の主ビット線BL1が高電位(例えば、0.4V)に設定され、第2の副ビット線bBL2は低電位(例えば、0V)に設定される。一方、選択セルと同じ主ビット線BL1に共通接続された第1領域11内の複数のセル群G1Aにおいて、それらのセル群G1Aに接続された副ビット線bBL1の電位は、主ビット線BL1とほぼ同じ電位(例えば、0.4V)に設定される。
これによって、第1領域11内のセル群(非選択セル)G1Aが接続されるビット線対BL1,bBL1の電位差が小さくなり、第1領域11内のセル群G1Aからカットオフ電流が発生するのを防止できる。
したがって、第2領域12内の選択セルMC2_Sからデータを読み出す際に、カットオフ電流に起因して、選択ビット線BL1の電位が変動するのを防止できる。
以上のように、本実施形態のように、x方向、y方向及び斜め方向に隣接するセル群が並進関係をなすMRAMのメモリセルアレイ10において、同じ主ビット線に共通接続された第1領域11内のセル群G1A,G1B及び第2領域12内のセル群G2A,G2Bを、それぞれ異なる副ビット線bBL1,bBL2に接続することができる。
したがって、本発明の第4の実施形態によれば、第1乃至第3の実施形態と同様に、特に、カットオフ電流に起因する読み出しマージンの劣化を抑制できる。
尚、本実施形態のMRAMには、第2の読み出し動作も適用できる。この場合には、非選択セルが接続されたビット線対の電位が、高電位(例えば、0.4V)に設定される。これによって、読み出しマージンの劣化を抑制できると共に、読み出し動作の際にビット線の充放電に起因する動作の遅延が抑制され、本実施形態のMRAMの読み出し動作を高速化できる。
[5] 第5の実施形態
図19及び図20を用いて、本発明の第5の実施形態に係るMRAMについて、説明する。尚、第1乃至第4の実施形態と同一部材に関しては、同一符号を付し、詳細な説明は省略する。
第1乃至第4の実施形態においては、メモリセルアレイ10内に複数の領域11,12が設けられ、ビット線のレイアウトを工夫したり、切り替え配線を用いたりすることで、ビット線対とメモリセルとの接続関係を、各領域11,12内に設けられたメモリセルMC1,MC2で異ならせていた。
本発明の第5の実施形態においては、隣り合うメモリセルのレイアウトを工夫することで、読み出しマージンの劣化を抑制できると共に、メモリセルアレイ10内のレイアウトの簡略化及び製造工程の簡略化を図ることができる例について、述べる。
以下、図18及び図19を用いて、本発明の第4の実施形態に係るMRAMについて、説明する。
(1) 構造
図19を用いて、本発明の第5の実施形態に係るMRAMのメモリセルアレイ10の構造について説明する。
図19は、本実施形態に係るMRAMのメモリセルアレイ10のレイアウトを示している。尚、第1乃至第4の実施形態と同一部材に関しては、同一符号を付し、詳細な説明は省略する。ここで、メモリセル(セル群)のx方向に沿う断面構造は、第4の実施形態に示す図15と実質的に同様であるため、詳細な説明は省略する。また、引き出し配線250のy方向に沿う断面構造は、第4の実施形態に示す図16と実質的に同じであるため、詳細な説明は省略する。
図19に示すように、本発明の第5の実施形態のMRAMのメモリセルアレイ10は、第1乃至第4の実施形態のメモリセルアレイ10とは異なって、第1領域と第2領域とに分割されていない。本実施形態に係るMRAMのメモリセルアレイ10は、x方向に隣り合う第1及び第2のセル群G1,G2が鏡像関係となるように、複数のセル群G1,G2がメモリセルアレイ10内に配置される。ここで、鏡像関係とは、隣り合うセル群がy方向に反転した関係である。
図19に示す例では、1つの第1のセル群G1と、そのセル群G1と鏡像関係をなす第2のセル群G2が、例えば、x方向に沿って交互に配置されている。同じワード線WL1に共有接続されている複数のセル群G1は、例えば、並進関係をなして、y方向に配置されている。これと同様に、同じワード線WL2に共有接続されている複数のセル群G2は、例えば、並進関係をなして、y方向に沿って配置されている。セル群G1の斜め方向に隣接するセル群に用いられるワード線は、x方向に隣り合うセル群G1とセル群G2との間を通過するのみである。
尚、セル群G1,G2のレイアウトは、図19に示す例に限定されない。例えば、並進関係をなすセル群G1を複数個続けて、x方向に沿って配置し、それらと隣り合うように、セル群G1と鏡像関係をなすセル群G2を複数個続けて、x方向に沿って配置してもよい。
本実施形態では、主ビット線BL0〜BL3及び副ビット線bBL0〜bBL3は、直線状の形状を有し、メモリセルアレイ10上をx方向に延在している。
主ビット線BL0〜BL3と副ビット線bBL0〜bBL3とは、主ビット線と副ビット線が、y方向に沿って交互に配置されている。つまり、1つの主ビット線BL1が、2つの副ビット線bBL1,bBL2に挟み込まれたレイアウトとなっている。
主ビット線から副ビット線へ引き出される引き出し配線250の向きは、セル群G1とセル群G2とで互いに反対にされる。これによって、本実施形態においては、1つの主ビットに接続される複数のセル群(メモリセル)G1,G2が、それぞれ異なる副ビット線に接続される。
このように、x方向に隣り合い、鏡像関係をなすセル群G1,G2が、ビット線の延在方向に沿ってメモリセルアレイ10内に配置されることで、同じ主ビット線に共通接続される複数のセル群G1,G2を、それぞれ異なる副ビット線に接続できる。
それゆえ、切り替え配線を設けたり、ビット線やアクティブ領域のレイアウトを工夫したりしなくとも、同じ主ビット線に共通接続される複数のセル群(メモリセル)を、引き出し配線の引き出し方向をそれぞれ異ならせることによって、容易にセル群毎にそれぞれ異なった副ビット線に接続させることができる。したがって、本発明の第5の実施形態に係るMRAMによれば、メモリセルアレイ10内のレイアウトの簡略化及びMRAMの製造工程を簡略化できる。
また、本実施形態によれば、メモリセルアレイ10内の第1領域と第2領域との間に、切り替え配線を形成するためのビット線切り替え領域を設けずともよくなり、チップサイズを縮小できる。
したがって、本発明の第5の実施形態に係るMRAMによれば、第1乃至第4の実施形態のMRAMと同様に、カットオフ電流に起因する読み出しマージンの劣化を抑制できる。それとともに、本実施形態によれば、MRAMのレイアウト及び製造工程の簡略化を図ることができる。
(2) 回路構成及び動作
以下、図20を用いて、本発明の第5の実施形態に係るMRAMの読み出し動作について、説明する。図20は、本実施形態に係るMRAMのメモリセルアレイ10の等価回路と、その動作を説明するための模式図である。
ビット線対BL0〜BL3,bBL0〜bBL3に対する第1及び第2のセル群G1,G2の接続関係は、主ビット線BL0〜BL3ごとに、ほぼ同様である。以下では、主ビット線BL1に接続された複数のセル群G1,G2を例に説明する。
図20に示すように、同じ主ビット線BL1に共通接続された複数のセル群G1,G2は、例えば、第1のセル群G1と第2のセル群G2とがx方向に沿って交互に配置されている。第2のセル群G2は、図19において、第1のセル群G1に対して鏡像関係となすようにメモリセルアレイ10内に配置されたセル群である。
第1の主ビット線BL1に共通接続されたセル群G1,G2において、MTJ素子MTJ1,MTJ2の一端(第1、第3の端子)が主ビット線BL1に接続されている。そして、セル群G1に含まれる2つの選択トランジスタTr1の電流経路の一端(共有ノード)は第1の副ビット線bBL1に接続され、これに対し、セル群G2に含まれる2つの選択トランジスタTr2の電流経路の一端(共有ノード)は、セル群G1とは異なり、第2の副ビット線bBL2に接続される。
ここで、第1の主ビット線BL1に接続された1つの第1のセル群G1に含まれるメモリセル(選択セル)MC1_Sからデータを読み出す場合について、説明する。本実施形態では、上述の第1読み出し動作を用いた例について説明する。
はじめに、選択セルMC1_Sが接続されたワード線WL1_Sが、高電位に設定され、選択セルMC1_Sを構成している選択トランジスタTr1_Sがオン状態となる。
そして、選択セルMC1_Sが接続されたビット線対BL1,bBL1において、第1の主ビット線BL1の電位が高電位(例えば、0.4V)に設定され、第1の副ビット線bBL1の電位が低電位(例えば、0V)に設定される。これによって、選択セルMC_1_S内に読み出し電流Irが流れ、選択セルMC1_S内のMTJ素子MTJ1_Sのデータが読み出される。
この際、選択セルMC1_S(セル群G1)と第1の同じ主ビット線BL1に共通接続されたセル群G2において、第2の副ビット線bBL2の電位は、主ビット線BL1とほぼ同じ電位(例えば、0.4V)に設定される。これによって、セル群G2が接続されたビット線対BL1,bBL2間の電位は同じになり、セル群G2内の選択トランジスタに起因するカットオフ電流の発生は防止される。それゆえ、非選択のセル群G2からのカットオフ電流によって、主ビット線BL1の電位が変動することが低減される。
また、第2のセル群G2内のメモリセルに対してデータの読み出しを実行する場合には、副ビット線bBL1,bBL2に対する設定電位が、第1のセル群G1に対する読み出し動作と反対となる。即ち、主ビット線BL1の電位が高電位(例えば、0.4V)に設定され、セル群G2が接続された第2の副ビット線bBL2の電位が低電位(例えば、0V)に設定される。そして、セル群G1が接続された第1の副ビット線bBL1の電位が主ビット線とほぼ同じ電位(例えば、0.4V)に設定される。
これによって、非選択のセル群G1からのカットオフ電流により、選択セル(セル群G2)が接続された主ビット線BL1の電位が変動することが低減される。
以上のように、本発明の第4の実施形態によれば、カットオフ電流に起因する読み出しマージンの劣化を抑制できる。
尚、本実施形態のMRAMには、第2の読み出し動作も適用できる。この場合には、非選択セルが接続されたビット線対の電位が、高電位(例えば、0.4V)に設定される。これによって、読み出しマージンの劣化を抑制できると共に、読み出し動作の際にビット線の充放電に起因する動作の遅延が抑制され、本実施形態のMRAMの読み出し動作を高速化できる。
B. その他
本発明の例によれば、読み出しマージンの劣化を抑制できる。
尚、本発明の第1乃至第4の実施形態においては、抵抗性記憶素子としてMTJ素子を用いたMRAMを、本発明の例に係る半導体メモリとして説明した。しかし、本発明の例は、MRAMに限定されるものではなく、メモリセルが、少なくとも1つの記憶素子と、その記憶素子に対して、選択スイッチ素子として機能するMISトランジスタとから構成される半導体メモリに適用できる。例えば、結晶相の変化を利用する記憶素子を用いたPRAM(Phase change Random Access Memory)や、電圧の印加により抵抗値が大きく変化することを利用した記憶素子を用いたReRAM(Resistive Random Access Memory)にも適用可能である。本発明の例をPRAMやReRAMに適用した場合においても、本発明の各実施形態で述べた効果と同様の効果が得られる。
本発明の例は、上述の実施形態に限定されるものではなく、その要旨を逸脱しない範囲で、各構成要素を変形して具体化できる。また、上述の実施形態に開示されている複数の構成要素の適宜な組み合せにより種々の発明を構成できる。例えば、上述の実施形態に開示される全構成要素から幾つかの構成要素を削除してもよいし、異なる実施形態の構成要素を適宜組み合わせてもよい。
第1の実施形態に係るMRAMの基本構成を説明するための等価回路図。 第1の実施形態に係るMRAMのメモリセルアレイの等価回路図。 第1の実施形態に係るMRAMのメモリセルアレイのレイアウトを示す平面図。 図3のA−A’線に沿う断面図。 図3のB−B’線に沿う断面図。 第1の実施形態に係るMRAMの読み出し動作を説明するための図。 第1の実施形態に係るMRAMの読み出し動作を説明するための図。 第2の実施形態に係るMRAMの読み出し動作を説明するための図。 第2の実施形態に係るMRAMの読み出し動作を説明するための図。 第2の実施形態に係るMRAMの基本構成を説明するための等価回路図。 第3の実施形態に係るMRAMのメモリセルアレイの等価回路図。 第3の実施形態に係るMRAMのメモリセルアレイのレイアウトを示す平面図。 図10のC−C’線に沿う断面図。 図10のD−D’線に沿う断面図。 第3の実施形態に係るMRAMの読み出し動作を説明するための図。 第3の実施形態に係るMRAMの読み出し動作を説明するための図。 第4の実施形態に係るMRAMのメモリセルアレイのレイアウト。 図14のP−P’線に沿う断面図。 図14のQ−Q’線に沿う断面図。 図14のR−R’線に沿う断面図。 第4の実施形態に係るMRAMの等価回路及び読み出し動作を説明するための図。 第5の実施形態に係るMRAMのメモリセルアレイのレイアウトを示す平面図。 第5の実施形態に係るMRAMの回路構成及び読み出し動作を説明するための図。
符号の説明
10:メモリセルアレイ、11:第1領域、12:第2領域、15:ビット線切り替え領域、AA:アクティブ領域、MC1:第1のメモリセル、MC2:第2のメモリセル、MC1_S,MC2_S:選択セル、MTJ1,MTJ2:MTJ素子、Tr1,Tr2:選択トランジスタ、BL0〜BL3:主ビット線、bBL0〜bBL3:副ビット線、WL1,WL2,WL1A,WL1B:ワード線、S/A:センスアンプ、110:半導体基板、120:ゲート絶縁膜、130:ゲート電極(ワード線)、141,142:ソース/ドレイン拡散層、145:拡散層(切り替え配線)、M1〜M3:配線層、150:素子分離絶縁膜、190:層間絶縁膜、200:切り替え配線、250:引き出し配線、M1〜M3:配線層、V1,V2:ビア、C1〜C5:コンタクト。

Claims (5)

  1. 第1の主ビット線と、
    前記第1の主ビット線と1組のビット線対をなす第1の副ビット線と、
    前記第1の主ビット線の延在方向と交差する方向に延びる第1のワード線と、
    第1の端子と第2の端子とを有し、前記第1の端子が前記第1の主ビット線に接続される第1の抵抗性記憶素子と、
    第1の電流経路と、前記第1のワード線に接続される第1のゲート電極とを有し、前記第1の電流経路の一端が前記第1の抵抗性記憶素子の前記第2の端子に接続され、前記第1の電流経路の他端が前記第1の副ビット線に接続される第1の選択トランジスタと、
    前記第1の主ビット線と1組のビット線対をなす第2の副ビット線と、
    前記第1の主ビット線の延在方向と交差する方向に延びる第2のワード線と、
    第3の端子と第4の端子を有し、前記第3の端子が前記第1の主ビット線に接続される第2の抵抗性記憶素子と、
    第2の電流経路と、前記第2のワード線に接続される第2のゲート電極とを有し、前記第2の電流経路の一端が前記第2の抵抗性記憶素子の前記第4の端子に接続され、前記第2の電流経路の他端が前記第2の副ビット線に接続される第2の選択トランジスタと、
    を具備することを特徴する半導体メモリ。
  2. 第1の主ビット線と、
    前記第1の主ビット線と1組のビット線対をなす第1の副ビット線と、
    前記第1の主ビット線の延在方向と交差する方向に延びる第1のワード線と、
    第1の端子と第2の端子とを有し、前記第1の端子が前記第1の主ビット線に接続される第1の抵抗性記憶素子と、
    第1の電流経路と、前記第1のワード線に接続される第1のゲート電極とを有し、前記第1の電流経路の一端が前記第1の抵抗性記憶素子の第2の端子に接続され、前記第1の電流経路の他端が前記第1の副ビット線に接続される第1の選択トランジスタと、
    前記第1の主ビット線と1組のビット線対をなす第2の副ビット線と、
    前記第1の主ビット線の延在方向と交差する方向に延びる第2のワード線と、
    第3の端子と第4の端子とを有し、前記第3の端子が前記第2の副ビット線に接続される第2の抵抗性記憶素子と、
    第2の電流経路と、前記第2のワード線に接続される第2のゲート電極とを有し、前記第2の電流経路の一端が前記第2の抵抗性記憶素子の前記第4の端子に接続され、前記第2の電流経路の他端が前記第1の主ビット線に接続される第2の選択トランジスタと、
    を具備することを特徴する半導体メモリ。
  3. 前記第2の副ビット線と1組のビット線対をなす第2の主ビット線と、
    第5の端子と第6の端子とを有し、前記第2の主ビット線に前記第5の端子が接続される第3の抵抗性記憶素子と、
    第3の電流経路と、前記第1のワード線に接続される第3のゲート電極とを有し、前記第3の電流経路の一端が前記第3の抵抗性記憶素子の前記第6の端子に接続され、前記第3の電流経路の他端が前記第2の副ビット線に接続される第3の選択トランジスタと、
    をさらに具備することを特徴とする請求項1又は2に記載の半導体メモリ。
  4. 前記第1のメモリセルに読み出し動作を実行する際に、
    前記第1の主ビット線を高電位に設定し、
    前記第1の副ビット線を低電位に設定し、
    前記第2の副ビット線を前記第1の主ビット線と同じ電位に設定する、
    ことを特徴とする請求項1乃至3に記載の半導体メモリ。
  5. 前記第1のメモリセルに読み出し動作を実行する際に、
    前記第1の主ビット線を高電位に設定し、
    前記第1の副ビット線を低電位に設定し、
    前記第2の副ビット線を前記第1の主ビット線と同じ電位に設定し、
    前記第2の主ビット線を前記第1の主ビット線と同じ電位に設定する、
    ことを特徴とする請求項3に記載の半導体メモリ。
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