JP5093260B2 - Pbフリーはんだ合金 - Google Patents
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Description
Biは本発明の高温用鉛フリーはんだ合金の第1元素であり、主成分をなしている。BiはVa族元素(N、P、As、Sb、Bi)に属し、その結晶構造は、対称性の低い三方晶(菱面体晶)で非常に脆い金属であり、引張試験などを行うとその破面は脆性破面であることが容易に見て取れる。つまり純Biは延性的な性質に乏しい。
Znは本発明の高温用鉛フリーはんだ合金の第2元素であり、必須の添加元素である。BiにZnを添加することによって、脆さを克服することができる上、Bi中にZnが固溶して加工性が改善される。ZnをBiとの共晶点よりも多く添加する場合は、Znリッチな相が発現されることになって、より一層加工性が向上する。
Snは本発明の高温用鉛フリーはんだ合金の第3元素であり、必須の元素である。Snははんだ合金の濡れ性を確保するための重要な役割を担っている。また、Snのもう一つ重要な役割に、Ni拡散の抑制効果がある。すなわち、SnはZnよりもイオン半径が小さく、3元共晶を引き起こし易いため、Niとの反応性に富んでいる。加えて、SnはZnより還元性が弱く酸化しにくいため、Znの一部と置換すべくZnに比べて少量のSnを添加することによって、Ni拡散の抑制効果を確保しながら濡れ性を向上させることができる。
Pは、必要に応じて添加することによって、Bi/Zn/Sn合金の濡れ性および接合性をさらに向上させることができる。この効果は、Alが添加されている場合においても同様に発揮される。Pの添加により濡れ性向上の効果が大きくなる理由は、Pは還元性が強く、自ら酸化することによりはんだ合金表面の酸化を抑制することによる。とくに、本発明では酸化しやすいZnが、Biとの合金における共晶点である2.7mass%よりもZnリッチ側に添加されることがあるため、P添加による濡れ性向上の効果は大きい。
Alは、必要に応じて添加することによって、はんだ合金の濡れ性向上の効果と、加工性向上効果と、融点調整効果とを得ることができる。濡れ性が向上する理由は、AlはBiやZnよりの還元性が強いため、少量の添加であっても自らが酸化して濡れ性を改善するからである。
Niは、はんだの融点を上げたい場合、必要に応じて微量添加することによりその効果が発揮される。つまり、Bi−Niの2元系状態図から分かるように、Niは少量添加で合金の融点を上げることができる。ただし、NiはBiとNiBi3合金という脆い合金を生成してしまうため、添加量は微量に制限される。本発明者は、Niを0.5mass%以上添加すると、はんだ合金が脆くなることを確認している。
本発明の高温用鉛フリーはんだ合金は、Agを含有していないことを特徴としている。これにより、NiとBiの反応そしてBi系はんだ中へのNi拡散を抑えることができる。これは、Agは非常に濡れ性がよく、電子部品等のNi層ともよく反応するため、Agが0.4mass%以上含まれていると、単にBiとNiだけの反応より反応が進み易くなってNi−Biの反応を促進してしまい、Niの拡散も進行しやすくなるからである。
まず、原料としてそれぞれ純度99.9mass%以上のBi、Zn、Sn、AgおよびNiを準備した。大きな薄片やバルク状の原料については、溶解後の合金においてサンプリング場所による組成のバラツキがなく均一になるように留意しながら切断、粉砕等を行い、3mm以下の大きさに細かくした。次に、高周波溶解炉用グラファイトるつぼに、これら原料から所定量を秤量して入れた。溶融しにくい高融点金属については、あらかじめ固溶しやすい金属と溶融させて合金を作り、砕いて再溶解させた。
上記表1に示す試料1〜17のはんだ母合金を各々押出機にセットし、外径0.80mmのワイヤーを加工した。具体的には、あらかじめ押出機をはんだ組成に適した温度に加熱しておき、各はんだ母合金をセットした。押出機出口から押し出されるワイヤー状のはんだは、まだ熱く酸化が進行し易いため、押出機出口は密閉構造とし、その内部に不活性ガスを流した。これにより、可能な限り酸素濃度を下げて酸化が進まないようにした。油圧で圧力を上げていき、はんだ母合金をワイヤー形状に押し出していった。ワイヤーの押出速度はワイヤーが切れたり変形したりしないように予め調整しておいた速度とし、同時に自動巻取機を用いて同じ速度で巻き取るようにした。
この濡れ性評価は、上記ワイヤー加工性の評価の際に得たワイヤー状のはんだ合金を用いて行った。まず、濡れ性試験機(装置名:雰囲気制御式濡れ性試験機)を起動し、加熱するヒーター部分に2重のカバーをしてヒーター部の周囲4箇所から窒素を流した(窒素流量:各12L/分)。その後、ヒーター設定温度を340℃にして加熱した。
Cu基板に設けたNi膜がBiと反応して薄くなったりNiがBi中に拡散するなどしていないか確認するためにEMPAによるライン分析を行った。なお、この分析は、上記濡れ性評価で得たはんだ合金が接合されたCu基板を用いて行った。まず、はんだ合金が接合されたCu基板を樹脂に埋め込み、研磨機を用い粗い研磨紙から順に細かいものを用いて研磨し、最後にバフ研磨を行った。その後、EPMA(装置名:SHIMADZU EPMA−1600)を用いてライン分析を行い、Niの拡散状態等を調べた。
はんだ接合の信頼性を評価するためにヒートサイクル試験を行った。なお、この試験は、上記濡れ性評価と同様にして得たはんだ合金が接合されたCu基板を用いて行った。まず、はんだ合金が接合されたCu基板に対して、−50℃の冷却と125℃の加熱を1サイクルとして、これを所定のサイクル繰り返した。その後、はんだ合金が接合されたCu基板を樹脂に埋め込み、断面研磨を行い、SEM(装置名:HITACHI S−4800)により接合面の観察を行った。接合面にはがれやはんだにクラックが入っていた場合を「不良」、そのような「不良」がなく、初期状態と同様の接合面を保っていた場合を「良」とした。
試料1〜17のはんだ母合金を各々熱間圧延して外径0.80mmのワイヤーを作り、これを所定の長さに切断して引張強度用の試験サンプルとした。これを引張試験機(装置名:テンシロン万能試験機)にセットし、自動測定で引張強度を測定した。
原料に純度99.9mass%以上のAlを追加し、原料の混合比率を変えた以外は上記参考例と同様にして試料18〜29のはんだ母合金を作製した。これら試料18〜29のはんだ母合金に対して、参考例と同様にして組成分析を行った。その分析結果を下記の表3に示す。
原料に純度99.9mass%以上のAlおよびPを追加し、原料の混合比率を変えた以外は上記参考例と同様にして試料30〜45のはんだ母合金を作製した。これら試料30〜45のはんだ母合金に対して参考例と同様にして組成分析を行った。その分析結果を下記の表5に示す。
Claims (4)
- 第1元素であるBiが主成分であり、Niを含む接合面との接合に使用されるPbフリーはんだ合金であって、第2元素であるZnを0.4mass%以上13.5mass%以下含有し、第3元素であるSnを0.01mass%以上1.5mass%以下含有し、Agは含有しておらず、Alは0.02mass%以上2.5mass%以下含有し、Pは0.5mass%を超えて含有しておらず、残部がBi及び不可避的不純物からなることを特徴とするPbフリーはんだ合金。
- 0.001mass%以上のPをさらに含有していることを特徴とする請求項1に記載のPbフリーはんだ合金。
- 請求項1または請求項2に記載のPbフリーはんだ合金を用いて電子部品が接合されていることを特徴とする電子基板。
- 請求項3に記載の電子基板が搭載されていることを特徴とする装置。
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