JP5861526B2 - Pbを含まないGe−Al系はんだ合金 - Google Patents

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Description

本発明は、Pbを含まない、いわゆるPbフリーのはんだ合金に関し、特に高温用として好適なPbフリーGe−Al系はんだ合金に関する。
パワートランジスタ用素子のダイボンディングを始めとする各種電子部品の組立工程において、はんだ付けは高温はんだ付が行われており、300〜400℃程度の比較的高温の融点を有するはんだ合金(以下、「高温用はんだ合金」とも称する)が用いられている。このような高温用はんだ合金としては、Pb−5質量%Sn合金に代表されるPb系はんだ合金が従来から主に用いられている。
しかし、近年では環境汚染に対する配慮からPbの使用を制限する動きが強くなってきており、例えばRohs指令などでPbは規制対象物質になっている。こうした動きに対応して、電子部品などの組立の分野においても、Pbを含まない(無鉛)はんだ合金、即ちPbフリーはんだ合金の提供が求められている。
かかる要望に対して、中低温用(約140〜230℃)のはんだ合金では、Snを主成分とするPbフリーのはんだ合金が既に実用化されている。例えば、特許文献1には、Snを主成分とし、Agを1.0〜4.0質量%、Cuを2.0質量%以下、Niを0.5質量%以下、Pを0.2質量%以下含有するPbフリーのはんだ合金が記載されている。また、特許文献2には、Agを0.5〜3.5質量%、Cuを0.5〜2.0質量%含有し、残部がSnからなるPbフリーのはんだ合金が記載されている。
また、高温用のPbフリーはんだ合金としては、Au−Sn系はんだ合金やAu−Ge系はんだ合金がある。しかし、これらはAuを主成分とするため非常に高価であり、高い信頼性が求められる光デバイス関係の素子など非常に限られた用途以外には用いられておらず、一般的な電子部品等に用いられることはほとんどない。
一方、一般的な電子部品等に用いられる比較的安価な高温用のはんだ合金に関しても、Pbフリーを実現するため、Bi系はんだ合金やZn系はんだ合金などが研究開発されている。例えば、Bi系はんだ合金については、特許文献3に、Biを30〜80質量%含有し、溶融温度が350〜500℃であるBi/Ag系のろう材が開示されている。また、特許文献4には、Biを含む共晶合金に2元共晶合金を加え、更に添加元素を加えることによって、液相線温度の調整とばらつきの減少が可能なはんだ合金の生産方法が開示されている。
また、Zn系はんだ合金については、例えば特許文献5に、Znに融点を下げるべくAlが添加されたZn−Al合金を基本とし、これにGe又はMgを添加した高温用Zn系はんだ合金が記載されている。この特許文献5には、更にSn又はInを添加することによって、より一層融点を下げる効果があることも記載されている。
具体的には、特許文献5には、Alを1〜9質量%、Geを0.05〜1質量%含み、残部がZn及び不可避不純物からなるZn合金;Alを5〜9質量%、Mgを0.01〜0.5質量%含み、残部がZn及び不可避不純物からなるZn合金;Alを1〜9質量%、Geを0.05〜1質量%、Mgを0.01〜0.5質量%含み、残部がZn及び不可避不純物からなるZn合金;Alを1〜9質量%、Geを0.05〜1質量%、Sn及び/又はInを0.1〜25質量%含み、残部がZn及び不可避不純物からなるZn合金;Alを1〜9質量%、Mgを0.01〜0.5質量%、In及び/又はnを0.1〜25質量%含み、残部がZn及び不可避不純物からなるZn合金;Alを1〜9質量%、Geを0.05〜1質量%、Mgを0.01〜0.5質量%、Sn及び/又はInを0.1〜25質量%含み、残部がZn及び不可避不純物からなるZn合金が記載されている。
特開1999−077366号公報 特開平08−215880号公報 特開2002−160089号公報 特開2006−167790号公報 特許第3850135号公報
一般的な電子部品や基板の材料には熱可塑性樹脂や熱硬化性樹脂などが多用されているため、はんだ接合時の作業温度は400℃未満であることが望ましく、SiCなどの小型で高耐熱のデバイスが使用される場合でも470℃以下が望ましい。しかしながら、上記特許文献3のBi/Ag系ろう材は液相線温度が400〜700℃と高いため、接合時の作業温度も400〜700℃以上になると推測され、接合される電子部品や基板が耐えうる温度を超えていると考えられる。また、上記特許文献4の方法は、液相線の温度調整のみで4元系以上の多元系はんだ合金になるうえ、Biの脆弱な機械的特性については効果的な改善がされていない。
更に、上記特許文献5に開示されているZn系はんだ合金は、その組成の範囲内では合金の濡れ性が不十分である場合が多い。即ち、主成分であるZnは還元性が強いため自らは酸化されやすく、その結果、濡れ性が極めて悪くなることが問題となっている。また、AlはZnよりも更に還元性が強いため、例えば1質量%以上添加した場合でも濡れ性を大きく低下させてしまう。そして、これら酸化したZnやAlに対しては、GeやSnを添加しても還元することができず、濡れ性を向上させることはできない。
このように、Zn−Al系合金は融点については300〜400℃程度(Zn−Al共晶温度:381℃)と好ましい範囲にあるものの、濡れ性の観点からは好ましくない合金である。更に、Zn−Al系合金にMgなどが添加されると金属間化合物を生成して極めて硬くなり、良好な加工性が得られない場合が生じるという問題がある。例えば、Mgを5質量%以上含有したZn−Al系合金は、加工の困難なワイヤ状やシート状などに加工することが実質的にできなくなる。
以上述べたように、高温用のPbフリーはんだ合金、特にZnを主成分とするPbフリーはんだ合金については、加工性等の諸特性とのバランスを図りながら濡れ性を改善することが大きな課題となっているが、未だこの課題は解決されていない。このように、従来のPb−5質量%Sn合金、Au−Sn系合金、Au−Ge系合金などに代表される高温用はんだ合金を代替でき、Pbフリーであって且つ安価な高温用はんだ合金は、未だ実用化されていないのが実状である。
本発明は、かかる事情に鑑みてなされたものであり、電子部品の組立などで用いるのに好適な約420℃以下の固相線温度を有し、特に濡れ性に優れると共に、接合性、加工性、信頼性に優れ、Pbを含まず且つ安価なGe−Al系合金からなる高温用はんだ合金を提供することを目的とする。
上記目的を達成するため、本発明はPbフリーのGe−Al系はんだ合金を提供するものであって、第1のPbフリーGe−Al系はんだ合金は、Alの含有量が43.6質量%以上54.1質量%以下であり、Agの含有量が0.1質量%以上14.0質量%以下(5質量%以上を除く)であり、残部がGe及び不可避不純物であることを特徴とする。
また、本発明が提供する第2のPbフリーGe−Al系はんだ合金は、上記第1のPbフリーGe−Al系はんだ合金が更にPを0.5質量%以下含有することを特徴とする。
本発明によれば、特に濡れ性に優れ、接合性、加工性及び信頼性等にも優れると同時に、約420℃以下の固相線温度を有していて、300℃程度のリフロー温度に十分耐えることができ、パワートランジスタ用素子のダイボンディングなど各種電子部品の組立工程でのはんだ付に好適であり、Au系はんだに比較して格段に安価な、高温用のPbフリーGe−Al系はんだ合金を提供することができる。このGe−Al系はんだ合金は、高温用の中でも特に動作温度が高いSiC半導体などの接合用として好適に使用することができる。
本発明による第1のPbフリーGe−Al系はんだ合金は、Pbを含まず、必須成分としてAlを含有し、残部が製造上不可避的に含まれる元素(不可避不純物)及びGeからなる。主成分であるGeは、融点が938.3℃と電子部品等の接合温度に対して高すぎるうえ、脆いという欠点がある。このようなGeの欠点に対して、本発明ではAlを含有させることにより、融点をはんだとして使い易い温度付近まで下げると共に、Ge−Alの共晶合金化により柔らかい合金とすることによって、実用的な使い易いはんだ合金としている。
また、本発明による第2のPbフリーGe−Al系はんだ合金は、上記第1のPbフリーGe−Al系はんだ合金に対して、更にAgとPの片方若しくは両方を含有させたものであり、PやAgの添加によって濡れ性を格段に向上させることができる。
尚、PはGeよりも還元性が強く、接合時に気体の酸化燐として接合面やはんだ中から酸素を持ち去ってくれるため、濡れ性を向上させるには最も適した元素である。当然、PはCu基板やNiメッキCu基板の表面酸化膜も還元除去できるため、接合時にフォーミングガス(基板の酸化膜を還元するために水素を含有させたガス)を使用しなくても濡れ性を向上させることが可能である。また、Agは基板や電子部品の接合面に形成することからも分かるように、はんだ表面の酸化を抑制することによって濡れ性を向上させる効果が大きい。
更に、本発明による第3のPbフリーGe−Al系はんだ合金は、上記第1又は第2のPbフリーGe−Al系はんだ合金に対して、更にZn、Mg及びNiの少なくとも1種を含有させたものであり、優れた濡れ性と共に、融点、接合強度、加工性、信頼性等の諸特性を目的に合わせて適宜調整することが可能となる。
次に、上記した本発明による第1〜第3のPbフリーGe−Al系はんだ合金に添加される各元素について、以下に詳細に説明する。
<Ge、Al>
GeとAlは本発明の第1〜第3のPbフリーGe−Al系はんだ合金において、必須の成分をなす元素である。Geの融点は938.3℃及びAlの融点は660℃であり、共に電子部品等のはんだ材料としてはかなり高い融点を有することになるが、GeとAlを合金化することにより融点を大きく下げることができる。即ち、GeとAlは共晶合金を作り、共晶点の組成(Al=48.4質量%、Ge=51.6質量%)において液相線温度が共晶温度の420℃まで下がる。この共晶合金化によって融点を電子部品の接合温度まで下げることが可能となり、特に高温動作可能であることが特徴であるSiC素子などの高温用デバイスには最適な温度領域とすることができる。
また、共晶組成付近では結晶が微細化するため非常に柔らかい合金となり、はんだ材料として加工性等の点で更に好ましいものとなる。即ち、高温用のPbフリーはんだであるAu−Sn系はんだ合金などは単に高コストであるだけでなく、金属間化合物から構成されているため非常に硬くなってしまうが、Ge−Al系合金は共晶合金であり、金属間化合物を生成しないため、Au−Sn系はんだ合金と比べて非常に柔らかい合金となる。そして、Ge−Al系はんだ合金は濡れ性にも優れており、例えば、酸化し易いZnとAlからなるZn−Al系はんだ合金に比べるとAl含有量は多いもののGeを約半分含むため、濡れ広がりがよい。即ち、GeはZn、Alに比べれば非常に酸化し難いために、接合時のはんだ表面の酸化を抑制するのである。
上記のごとく本発明の第1〜第3のPbフリーGe−Al系はんだ合金は、Ge−Al共晶組成付近の組成を基本とすることによって、融点や加工性、応力緩和性などの諸特性に優れたはんだ材料となっている。ただし、Ge−Alの共晶組成から大きく外れると、液相温度が高くなり過ぎ、良好な接合を確保することが難しくなる。そのため、Alの含有量は43.6質量%以上54.1質量%以下とする。Alの含有量が上記範囲から外れると、液相温度が470℃を超えてしまい、接合時に固相が残って接合強度を著しく落としてしまうなど、良好な接合が難しくなるからである。
<Ag>
Agは、本発明の第1のPbフリーGe−Al系はんだ合金において更に向上させたい特性がある場合に、必要に応じて添加して第2〜第3のPbフリーGe−Al系はんだ合金とする元素であり、その添加による主な効果は濡れ性の向上にある。
Agは、電子部品等の最上面のメタライズ層に使用されることからも分かるように、濡れ性の向上効果が非常に大きい。つまり、電子部品等に酸化し難いAg層を形成させることによって酸化を防ぎ、濡れ性を向上させることができる。このような特性を有するAgを含有させることにより、はんだ表面の酸化を抑制したり、電子部品や基板とはんだの反応を促進したりする効果が得られる。
濡れ性の向上効果を有するAgには、もう一つ重要な役割がある。即ち、Ge−Al系はんだ合金の融点を下げることである。AgとGe又はAlとの2元系状態図を見れば分かるように、Agを少量含有することによって液相線温度が下がるので、所望の液相線温度に調整することができる。しかし、Agの含有量が多すぎると金属間化合物を生成し、その量によっては硬くなったり脆化したりする恐れがある。
従って、Agを含有させる場合の含有量は、0.1質量%以上14.0質量%以下とする。Agの含有量が0.1質量%未満では、含有量が少なすぎてAgによる濡れ性の向上効果を期待できない。一方、14.0質量%を超えると、金属間化合物の割合が多くなるため、はんだが硬くなったりAgが偏析したりして、良好な接合が困難となる。
<P>
Pは、上記したAlと同様に、本発明の第1のPbフリーGe−Al系はんだ合金において更に向上させたい特性がある場合に、必要に応じて添加して第2〜第3のPbフリーGe−Al系はんだ合金とする元素であり、その添加による主な効果は濡れ性の向上である。
Pが濡れ性を向上させるメカニズムは以下のとおりである。即ち、Pは還元性が強く、自ら酸化することによって、はんだ合金表面の酸化を抑制する。Alなどは酸化し易いため、十分な濡れ性が確保できなかった場合には、Pを含有させることによる濡れ性向上の役割は大きい。
また、Pの含有により、接合時にボイドの発生を低減させる効果も得られる。即ち、既に述べているようにPは自らが酸化しやすいため、接合時にはんだ合金の主成分であるGeやAlよりも優先的に酸化が進む。その結果、はんだ母相の酸化を防ぎ、電子部品等の接合面を還元して濡れ性を確保することができる。そして、この接合の際に、はんだや接合面表面の酸化物がなくなるため、酸化膜によって形成される隙間(ボイド)が発生し難くなり、接合性や信頼性等を向上させることができる。
尚、PはGeやAl等のはんだ合金や基板を還元して酸化物になると、気化して雰囲気ガスに流されるため、はんだや基板表面等に残ることがない。このためPの残渣が信頼性等に悪影響を及ぼす可能性はなく、この点からもPは優れた元素と言える。
Pを含有させる場合の含有量は0.5質量%以下とする。Pは非常に還元性が強いため、微量でも含有させれば濡れ性向上の効果が得られる。ただし、0.5質量%を超えて含有しても、濡れ性向上の効果はあまり変わらず、過剰な含有によってPやP酸化物の気体が多量に発生してボイド率を上げてしまったり、Pが脆弱な相を形成して偏析し、はんだ接合部を脆化して信頼性を低下させたりする恐れがある。特にワイヤなどの形状に加工する場合に、断線の原因になりやすいことが確認されている。
<Zn>
Znは、本発明の第1及び第2のPbフリーGe−Al系はんだ合金において更に向上させたい特性がある場合に、必要に応じて添加して第3のPbフリーGe−Al系はんだ合金とする元素であり、その添加による効果は融点の調整や応力緩和性の向上などである。
即ち、ZnはGeやAlとの2元系合金において共晶合金を生成するため、結晶化が微細化して応力緩和性が増し、同時に融点も低下する。このようなZnの特徴を活かして、はんだの諸特性を種々の要求特性に合わせる場合に必要に応じて含有させればよい。ただし、Znは蒸気圧が非常に高く、はんだ原料の溶解時に組成がずれたり、バラついたりしてしまう傾向が強いため、このような点も考慮して添加することが必要である。
Znを含有させる場合の含有量は0.1質量%以上30.0質量%以下とする。Znの含有量が0.1質量%未満では、含有量が少なすぎるため上記した効果を発揮し得ない。一方、30.0質量%超えると、接合時に結晶が粗粒化するなどして応力緩和性が低下したり、十分な接合強度が得られなかったりする。
<Mg>
Mgは、上記したZnと同様に、本発明の第1及び第2のPbフリーGe−Al系はんだ合金において更に向上させたい特性がある場合に、必要に応じて添加して第3のPbフリーGe−Al系はんだ合金とする元素であり、その添加による効果は融点の調整や濡れ性の向上などである。
即ち、Mgは、GeやAlとの2元系状態図から分かるように、少量の添加で融点を下げる効果がある。更に、MgはGeやAlよりも酸化し易いため、少量の含有量で濡れ性を向上させる効果も有する。ただし、Mgが多量に含有されると、はんだ表面に強固な酸化膜を形成してしまうため、その含有量には注意を要する。
Mgを含有させる場合、その含有量は0.01質量%以上2.0質量%以下とする。Mgの含有量が0.01質量%未満では、含有量が少なすぎてMgの効果を十分発揮させることができない。一方、2.0質量%を超えると、逆に濡れ性が低下したり液相線温度が高くなりすぎたり、更には金属間化合物が多く生成されて硬くなり過ぎてしまうなどの問題が生じるため好ましくない。
<Ni>
Niは、本発明の第1及び第2のPbフリーGe−Al系はんだ合金において更に加工性を向上させたい場合に、必要に応じて添加して第3のPbフリーGe−Al系はんだ合金とする元素である。即ち、Niを含有することにより伸び率が高くなり、柔らかいはんだ合金となる。Niは融点が1455℃と高いので、Niを含有させたはんだは半導体チップなどの接合時に、はんだ溶融後の冷却される過程でまずNiが析出し、それを核として微細な結晶が成長していくため組織が微細結晶構造となり、その結果クラックの進行が粒界で止められ易くなり、加工性に優れ且つ高信頼性の材料となる。
上記したメカニズムによりNiの加工性向上の効果が発揮されるため、Niの含有量をあまり多くすることは好ましくない。Ni含有量が多すぎると、Niの核の密度が多くなり、結晶粒が微細化せずに大きくなりすぎて、Ni添加効果が半減してしまうからである。従って、Niを含有させる場合の上限値は0.80質量%とする。また、下限値は0.01質量%であり、この値に満たないと核の析出が少なすぎて実質的に加工性向上の効果が得られない。
原料として、それぞれ純度99.9重量%以上のGe、Al、Ag、P、Zn、Mg及びNiを準備した。大きな薄片やバルク状の原料については、溶解後の合金においてサンプリング場所による組成のバラツキがなく、均一になるように留意しながら、切断及び粉砕などにより3mm以下の大きさに細かくした。次に、これらの原料からそれぞれ所定量を秤量して、高周波溶解炉用のグラファイト製坩堝に入れた。
上記各原料の入った坩堝を高周波溶解炉に入れ、酸化を抑制するために窒素ガスを原料1kg当たり0.7リットル/分以上の流量で流した。この状態で溶解炉の電源を入れ、原料を加熱溶融させた。金属が溶融しはじめたら混合棒でよく撹拌し、局所的な組成のばらつきが起きないように均一に混ぜた。十分溶融したことを確認した後、高周波電源を切り、速やかに坩堝を取り出し、坩堝内の溶湯をはんだ母合金の鋳型に流し込んだ。鋳型は、はんだ母合金の製造の際に一般的に使用している形状と同様のものを使用した。
このようにして、上記各原料の混合比率を変えることにより、試料1〜25の各PbフリーGe−Al系はんだ母合金を作製した。得られた試料1〜25の組成をICP発光分光分析器(SHIMAZU S−8100)を用いて組成分析した。得られた組成分析結果を下記表1に示す。
Figure 0005861526
次に、上記試料1〜25の各はんだ母合金について、下記のごとく圧延機でシート状に加工し、下記の方法により加工性を評価した。また、シート状に加工した各はんだ合金について、下記の方法により濡れ性(接合性)の評価及びヒートサイクル試験による信頼性の評価を行った。尚、はんだの濡れ性ないし接合性等の評価は、はんだ形状に依存しないためワイヤ、ボール、ペーストなどの形状で評価してもよいが、本実施例においてはシートの形状で評価した。
<加工性の評価>
上記表1に示す試料1〜25の各はんだ母合金(厚さ5mmの板状インゴット)を、圧延機を用いて厚さ0.08mmまで圧延した。その際、インゴットの送り速度を調整しながら圧延していき、その後スリッター加工により25mmの幅に裁断した。
このようにしてシート状に加工した後、得られたシート状のPbフリーGe−Al系はんだ合金を観察し、傷やクラックが全くなかった場合を「○」、シート長さ10m当たり割れやクラックが1〜3箇所ある場合を「△」、4箇所以上ある場合を「×」として、評価結果を下記表2に示した。
<濡れ性(接合性)の評価>
上記のごとくシート状に加工した試料1〜25の各PbフリーGe−Al系はんだ合金を、濡れ性試験機(装置名:雰囲気制御式濡れ性試験機)を用いて評価した。即ち、濡れ性試験機のヒーター部に2重のカバーをして、ヒーター部の周囲4箇所から窒素を12リットル/分の流量で流しながら、ヒーター設定温度を各試料の融点より約30℃高い温度に設定して加熱した。設定したヒーター温度が安定した後、Cu基板(板厚:約0.70mm)をヒーター部にセッティングして25秒間加熱した。
次に、各試料のはんだ合金をCu基板の上に載せ、25秒加熱した。加熱が完了した後、Cu基板をヒーター部から取り上げ、その横の窒素雰囲気が保たれている場所に一旦設置して冷却した。十分に冷却した後、大気中に取り出して接合部分を確認した。各試料のはんだ合金とCu基板との接合部分を目視で確認し、接合できなかった場合を「×」、接合できたが濡れ広がりが悪い場合(はんだが広がらなかった場合)を「△」、接合でき且つ濡れ広がりが良い場合(はんだが薄く濡れ広がった状態)を「○」と評価して、評価結果を下記表2に示した。
<ヒートサイクル試験>
はんだ接合の信頼性を評価するためにヒートサイクル試験を行った。尚、この試験は、上記した濡れ性の評価においてはんだ合金がCu基板に接合できた試料(濡れ性の評価が○又は△の試料)を各々2個ずつ用いて行った。即ち、各試料のはんだ合金が接合されたCu基板2個のうちの1個に対しては、−40℃の冷却と+200℃の加熱を1サイクルとするヒートサイクル試験を途中確認のため300サイクルまで繰り返し、残る1個に対しては同様のヒートサイクル試験を500サイクルまで繰り返した。
その後、300サイクル及び500サイクルのヒートサイクル試験を実施した各試料について、はんだ合金が接合されたCu基板を樹脂に埋め込み、断面研磨を行い、SEM(装置名:HITACHI S−4800)により接合面の観察を行った。この観察の結果、接合面に剥がれが生じるか又ははんだにクラックが入った場合を「×」、そのような不良がなく、初期状態と同様の接合面を保っていた場合を「○」として、得られた評価結果を下記の表2に示した。
Figure 0005861526
上記表2から分かるように、本発明の実施例である試料1〜17の各PbフリーGe−Al系はんだ合金は全ての評価項目において良好な特性を示している。即ち、シート状に加工しても傷やクラックの発生が無く、濡れ性及び信頼性も良好であった。
濡れ性において特に良好な結果は、Ge−Al系合金にPが添加された試料4〜6で得られた。この結果は、濡れ性を阻害する酸化膜の形成が抑制され、はんだ合金がCu基板に接触した瞬間に基板上に濡れ広がるためと考えられる。更に、ヒートサイクル試験においても、温度差が240℃という大変厳しい条件にも関わらず500サイクルまで割れなどが発生せず、良好な接合性と信頼性を示した。このような厳しい条件でも十分に機能する本発明のPbフリーGe−Al系はんだ合金は、SiCなどの高い動作温度の使用環境化でも十分に耐え得るものである。
一方、比較例である試料18〜25の各はんだ合金は、Al、Ag、Pの含有量が適切でないか、若しくはZn、Mg、Niの含有量が適切でなかったため、いずれか1つ以上の評価で好ましくない結果となった。具体的には、加工性の評価において全ての試料で傷やクラックが発生し、濡れ性についても試料20を除いて好ましくない結果となり、特にヒートサイクル試験では試料22を除いた全ての試料(接合できなかった試料18、19、23、25を除く)で300サイクルまでに不良が発生した。そして、試料22においても500サイクルまでに不良が発生した。

Claims (2)

  1. Pbを含まないGe−Al系のはんだ合金であって、Alの含有量が43.6質量%以上54.1質量%以下であり、Agの含有量が0.1質量%以上14.0質量%以下(5質量%以上を除く)であり、残部がGe及び不可避不純物であることを特徴とするPbフリーGe−Al系はんだ合金。
  2. 更にPを0.5質量%以下含有することを特徴とする、請求項1に記載のPbフリーGe−Al系はんだ合金。
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