JP5471985B2 - Znを主成分とするPbフリーはんだ合金 - Google Patents

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Description

本発明は、Znを主成分とし、且つPbを含まない、いわゆるPbフリーのはんだ合金に関するものであり、特に高温用として好適なZnを主成分とするPbフリーはんだ合金に関する。
パワートランジスタ用素子のダイボンディングを始めとして、各種電子部品の組立工程におけるはんだ付では高温はんだ付が行われ、300℃程度の比較的高温の融点を有するはんだ合金(以下、「高温用はんだ合金」とも称する)が使用されている。このような高温用はんだ合金としては、Pb−5質量%Sn合金に代表されるPb系はんだ合金が従来から主に用いられている。
しかし、近年では環境汚染に対する配慮からPbの使用を制限する動きが強くなってきており、例えばRohs指令などで規制対象物質になっている。こうした動きに対応して、電子部品などの組立の分野においても、Pbを含まない(無鉛)はんだ合金、即ちPbフリーはんだ合金の提供が求められている。
中低温用(約140℃〜230℃)のはんだ合金に関しては、Snを主成分とするPbフリーのはんだ合金が既に実用化されている。例えば特許文献1には、Snを主成分とし、Agを1.0〜4.0質量%、Cuを2.0質量%以下、Niを0.5質量%以下、Pを0.2質量%以下含有するPbフリーのはんだ合金が記載されている。また、特許文献2には、Agを0.5〜3.5質量%、Cuを0.5〜2.0質量%含有し、残部がSnからなるPbフリーのはんだ合金が記載されている。
一方、高温用のはんだ合金に関しても、Pbフリーを実現するため、さまざまな機関で開発が行われている。しかしながら、従来のPb−5質量%Sn合金に代表されるPb系はんだ合金を代替できる高温用はんだ合金はまだ提案されていない現状である。
例えば、Bi系はんだ合金では、特許文献3に、Biを30〜80質量%含み、溶融温度が350〜500℃であるBi/Ag系のろう材が開示されている。しかし、このBi/Ag系ろう材の液相線温度は400〜700℃と高いため、接合時の作業温度も400〜700℃以上になると推測される。一般的な電子部品や基板の材料として多用されている熱可塑性樹脂や熱硬化性樹脂などの作業温度は400℃未満、望ましくは370℃以下であることから、上記の作業温度は接合される電子部品や基板が耐えうる温度を超えている。
また、特許文献4には、Biを含む共昌合金に2元共昌合金を加え、更に添加元素を加えることによって、液相線温度の調整とばらつきの減少が可能な生産方法が開示されている。しかしながら、この方法では液相線の温度調整のみで4元系以上の多元系はんだになるうえ、Biの脆弱な機械的特性については有効な改善がされていない。
Zn系はんだ合金についても、同様に実用的な高温用のPbフリーはんだ合金は提供されていない。例えば、特許文献5には、ZnにAlを添加することにより融点を下げたZn−Al合金を基本とし、これにGe又はMgを添加した高温用Zn系はんだ合金が記載され、更にSn又はInの添加により融点を一層下げる効果があることが記載されている。しかし、Zn系はんだ合金は、Zn自身の還元性が強く自ら酸化してしまうため、濡れ性が非常に悪いことなどが大きな問題となっている。
具体的には、上記特許文献5には、Alを1〜9質量%、Geを0.05〜1質量%含み、残部がZn及び不可避不純物からなるZn合金;Alを5〜9質量%、Mgを0.01〜0.5質量%含み、残部がZn及び不可避不純物からなるZn合金;Alを1〜9質量%、Geを0.05〜1質量%、Mgを0.01〜0.5質量%含み、残部がZn及び不可避不純物からなるZn合金;Alを1〜9質量%、Geを0.05〜1質量%、Sn及び/又はInを0.1〜25質量%含み、残部がZn及び不可避不純物からなるZn合金;Alを1〜9質量%、Mgを0.01〜0.5質量%、In及び/又はnを0.1〜25質量%含み、残部がZn及び不可避不純物からなるZn合金;Alを1〜9質量%、Geを0.05〜1質量%、Mgを0.01〜0.5質量%、Sn及び/又はInを0.1〜25質量%含み、残部がZn及び不可避不純物からなるZn合金が記載されている。
しかし、上記特許文献5に記載されたZn系はんだ合金は、その組成の範囲内では合金の加工性が十分とは言えず、最も加工性が要求されるワイヤへの加工は困難な場合が多い。しかも、上記のごとくZnは酸化し易く濡れ性が悪いため、CuやNiなどに容易に接合できない。例えば、Cu基板やNiを最上層に有するCu基板などに接合した場合、接合ができても車載用などのように厳しい環境下で使用し続けることは困難である。GeやSnが添加されても酸化したZnは還元できず、濡れ性を向上させることはできない。
以上に述べたように、高温用のPbフリーはんだ合金、特にZnを主成分とするPbフリーはんだ合金については、濡れ性をはじめとして改善すべき課題が多いため、未だ実用化されていないのが実情である。
特開1999−077366号公報 特開平08−215880号公報 特開2002−160089号公報 特開2006−167790号公報 特許第3850135号公報
本発明は、上記した従来の事情に鑑み、電子部品の組立などで用いるのに好適な300℃〜400℃程度の融点を有し、濡れ性、接合性、加工性、信頼性に優れ、Pbを含まず且つZnを主成分とする高温用のPbフリーZn系はんだ合金を提供することを目的とする。
本発明が提供する第1のPbフリーZn系はんだ合金は、Al又はSnのいずれか1種と、Agとを含有するPbフリーのZn系はんだ合金であって、Alを含有する場合その含有量が1.0〜9.0質量%であり、Snを含有する場合その含有量が0.3〜10.0質量%であり、Agの含有量が0.1〜4.0質量%であって、残部がZn及び不可避不純物からなることを特徴とする。
また、本発明が提供する第2のPbフリーZn系はんだ合金は、Al又はSnのいずれか1種と、Agを含有すると共に、Bi及びPの少なくとも1種を含有するPbフリーのZn系はんだ合金であって、Alを含有する場合その含有量が1.0〜9.0質量%であり、Snを含有する場合その含有量が0.3〜10.0質量%であり、Agの含有量が0.1〜4.0質量%であり、Biを含有する場合その含有量が0.1〜6.0質量%、及びPを含有する場合その含有量が0.001〜0.5質量%であって、残部がZn及び不可避不純物からなることを特徴とする。
本発明によれば、濡れ性、接合性、加工性、信頼性等に優れると同時に、300℃〜400℃程度の融点を有していて、300℃程度のリフロー温度に十分耐えることができ、パワートランジスタ用素子のダイボンディングなど各種電子部品の組立工程でのはんだ付に好適な高温用のPbフリーはんだ合金を提供することができる。
本発明による第1のPbフリーZn系はんだ合金は、Pbを含まず、Al又はSnのいずれかを含むと共に、Agを含有し、残部がZn及び不可避不純物からなる。Znは硬くて脆いため加工性に劣り、融点が419℃と電子部品等の接合温度である300〜400℃に対し高すぎるという欠点がある。このようなZnの欠点に対して、本発明においては、Al又はSnのいずれか1種を添加することによって、Znと共晶合金を形成させて融点を約400℃以下に下げると同時に、結晶を微細化させて加工性を向上させる効果を得ることができる。
加えて、上述したようにZnには濡れ性や接合性の問題があるが、これを解決するために本発明のPbフリーZn系はんだ合金にはAgを添加している。電子部品や基板にはAgの最上層が形成されることが多いことから分るように、Agは酸化され難く、濡れ性向上に大きな効果を発揮する。即ち、Agを必須のはんだ成分とすることによって、酸化され易く、濡れ性に課題を有するZn系はんだの欠点を改善し、濡れ性及び接合性を向上させることができる。
本発明の第1のPbフリーZn系はんだ合金におけるAl又はSnの含有量は、Alを含有する場合、Alの含有量を1.0質量%以上9.0質量%以下とする。Alの含有量が1.0質量%未満では、他の元素を添加したとしても融点の低下が不十分となるため、接合性が低下してしまう。また、Alの含有量が9.0質量%を超えると、Zn−Al合金の液相温度が高くなりすぎ、電子部品等の実際の接合温度では十分に溶融せず、ボイド率が高くなりすぎたり接合部の合金化が不十分となったりするため、実用に耐えうる接合ができなくなる。
一方、Snを含有する場合には、Snの含有量を0.3質量%以上10.0質量%以下とする。Snの含有量が0.3質量%未満では、融点を下げる効果や加工性向上効果が不十分となる。逆にSnの含有量が10.0質量%を超えると、液相分が多くなり、リフロー時に電子部品を固定しきれず、位置ずれを起こしてしまうなどの問題が発生する。
尚、AlとSnを同時に含有することは好ましくない。その理由は、ZnにAlとSnが同時に添加された3元系合金では、Snが部分的(ミクロ的)な電池作用を助長し、合金が脆くなってしまうからである。もちろん、このような現象もSnの含有量あるいはAlの含有量が少なければ実質的に問題にならないが、本発明のPbフリーZn系はんだ合金の用途は信頼性が重要視される分野が多いことから、Al若しくはSnのいずれか1元素のみを含むという制約を課したものである。
また、Agの含有量は0.1質量%以上4.0質量%以下とする。Agの含有量が0.1質量%未満では、濡れ性や接合性の向上効果が得られない。逆に4.0質量%を超えると、融点が高くなりすぎるため好ましくない。つまり、Zn−Ag合金において、Znリッチ側でAg含有量を増やしていくと液相温度は単調に増加していく。従って、Agは融点から考えれば少ない方がよい。一方、濡れ性向上の面からすればAgは多い方がよい。しかし、融点を下げる効果は上記のごとくAl又はSnにより実現されるが、Agが4.0質量%を超えて多くなるとAl又はSnを添加しても融点が高くなりすぎ、良好な接合を得ることが困難となる。従ってAg含有量の上限は4.0質量%とする。
本発明による第2のPbフリーZn系はんだ合金は、Pbを含まず、Al又はSnのいずれか1種と、Agとを含有すると共に、Bi及びPの少なくとも1種を含有し、残部がZn及び不可避不純物からなる。この第2のPbフリーZn系はんだ合金は、上記第1のPbフリーZn系はんだ合金の濡れ性及び接合性をより一層向上させるために、更にBi及びPのいずれか片方若しくは両方を添加して構成したものである。
Bi及びPの添加による効果は似ているものの、そのメカニズムはBiとPとでは全く異なっている。まず、Biに関して説明する。Zn、Al又はSnは凝固時に収縮し、その凝固時収縮率はZn=+4.9〜+6.9%、Al=+6.4〜+6.8%、Sn=+2.6〜3.0%である(ただし、+は収縮及び−は膨張を表す)。一方、Biは凝固時に膨張する珍しい金属であり、その凝固時収縮率は−3.2〜−3.4%である。このため、Zn系はんだ合金の凝固収縮時に発生する応力をBiの膨張により吸収し、残留応力を大幅に軽減することができる。これによって、電子部品の割れや剥がれなどの問題を解決でき、接合性の向上を図ることができる。
更に、Bi−Zn系状態図から分るようにBiはZnの融点を下げるため、Biを添加したZn合金は一層使い易いはんだ合金となる。加えて、BiはZnよりも酸化し難いため、濡れ性の向上にも寄与し、これによって接合性を大きく向上させることができる。
一方、Pが濡れ性を向上させるメカニズムは以下のとおりである。Pは還元性が強く、自ら酸化することによりはんだ合金表面の酸化を抑制する。特に本発明では酸化しやすいZnが主成分であるため、Pの添加による濡れ性向上の効果は大きい。更にPの添加には、接合時にボイドの発生を低減させる効果がある。即ち、Pは自らが酸化しやすいため、接合時にはんだ合金の主成分であるZnやAl又はSnよりも優先的に酸化が進む。その結果、はんだ母相の酸化を防ぎ、濡れ性を確保することができる。これにより良好な接合が可能となり、ボイドの生成も起こり難くなる。
第2のPbフリーZn系はんだ合金において、Al又はSnの含有量とAgの含有量は上記第1のPbフリーZn系はんだ合金の場合と同じである。また、Biを含有する場合、Biの含有量は0.1質量%以上6.0質量%以下が好ましい。Biの含有量が0.1質量%未満では、添加による効果が得られない。凝固膨張の効果をより大きくするためには含有量を多くすればよいが、Biの偏析を避けるため6.0質量%以下とする。即ち、Zn及びAgとAl又はSnの合金では、Biを6.0質量%より多く添加すると、はんだ接合後にBiの偏析が生じ、この偏析が長期信頼性に悪影響を及ぼす可能性があるからである。
また、Pを含有する場合、Pの含有量は0.001質量%以上0.5質量%以下が好ましい。Pは非常に還元性が強いため、少なくとも0.001質量%添加すれば濡れ性向上の効果を発揮する。0.5質量%を超えて添加しても、濡れ性向上の効果は変わらず、過剰な添加によってPの酸化物がはんだ表面に生成されて逆に濡れ性を低下させたり、Pが脆弱な相を形成して偏析し、はんだ接合部を脆化して信頼性を低下させたりする恐れがある。特にワイヤなどを加工する場合に、断線の原因になりやすいことが確認されている。
原料として、それぞれ純度99.9重量%以上のZn、Al、Sn、Ag、Bi及びPを準備した。大きな薄片やバルク状の原料については、溶解後の合金においてサンプリング場所による組成のバラツキがなく、均一になるように留意しながら、切断及び粉砕などにより3mm以下の大きさに細かくした。次に、これら原料から所定量を秤量して、高周波溶解炉用のグラファイト製坩堝に入れた。
上記各原料の入った坩堝を高周波溶解炉に入れ、酸化を抑制するために窒素を原料1kg当たり0.7リットル/分以上の流量で流した。この状態で溶解炉の電源を入れ、原料を加熱溶融させた。金属が溶融しはじめたら混合棒でよく撹拌し、局所的な組成のばらつきが起きないように均一に混ぜた。十分溶融したことを確認した後、高周波電源を切り、速やかに坩堝を取り出し、坩堝内の溶湯をはんだ母合金の鋳型に流し込んだ。鋳型は、はんだ母合金の製造の際に一般的に使用している形状と同様のものを使用した。
このようにして、上記各原料の混合比率を変えることにより、試料1〜22のZn系はんだ母合金を作製した。得られた試料1〜22の各はんだ母合金について、その組成をICP発光分光分析器(SHIMAZU S−8100)を用いて分析し、得られた分析結果をはんだ組成として下記表1に示した。
Figure 0005471985
次に、上記試料1〜22の各はんだ母合金について、下記のごとく圧延機でシート状に加工し、Zn系はんだ合金の加工性を評価した。また、シート状に加工した各Zn系はんだ合金について、下記の方法により濡れ性(接合性)の評価及びヒートサイクル試験による信頼性の評価を行った。尚、はんだの濡れ性ないし接合性等の評価は、はんだ形状に依存しないためワイヤー、ボール、ペーストなどの形状で評価してもよいが、本実施例においてはシートの形状で評価した。得られた結果を下記表2に示した。
<加工性の評価>
表1に示す試料1〜22の各はんだ母合金(厚さ5mmの板状インゴット)を、圧延機を用いて厚さ0.10mmまで圧延した。その際、インゴットの送り速度を調整しながら圧延していき、その後スリッター加工により25mmの幅に裁断した。このようにしてシート状に加工した後、得られたシート状のZn系はんだ合金を観察し、傷やクラックが全くなかった場合を「○」、シート長さ10m当たり割れやクラックが1〜3箇所ある場合を「△」、4箇所以上ある場合を「×」とした。
<濡れ性(接合性)の評価>
上記のごとくシート状に加工した各Zn系はんだ合金を、濡れ性試験機(装置名:雰囲気制御式濡れ性試験機)を用いて評価した。即ち、濡れ性試験機のヒーター部に2重のカバーをして、ヒーター部の周囲4箇所から窒素を12リットル/分の流量で流しながら、ヒーター設定温度を各試料の融点より約10℃高い温度に加熱した。設定したヒーター温度が安定した後、Cu基板(板厚:約0.70mm)をヒーター部にセッティングして25秒間加熱した。
次に、各試料のはんだ合金をCu基板の上に載せ、25秒加熱した。加熱が完了した後、Cu基板をヒーター部から取り上げ、その横の窒素雰囲気が保たれている場所に一旦設置して冷却した。十分に冷却した後、大気中に取り出して接合部分を確認した。各試料のはんだ合金とCu基板の接合部分を目視で確認し、接合できなかった場合を「×」、接合できたが濡れ広がりが悪い場合(はんだが盛り上がった状態)を「△」、接合でき且つ濡れ広がりが良い場合(はんだが薄く濡れ広がった状態)を「○」と評価した。
<ヒートサイクル試験>
はんだ接合の信頼性を評価するためにヒートサイクル試験を行った。尚、この試験は、上記した濡れ性の評価においてZn系はんだ合金がCu基板に接合できた試料(濡れ性の評価が○及び△の試料)を各2個づつ用いて行った。即ち、各試料のZn系はんだ合金が接合されたCu基板2個に対して、−40℃の冷却と+150℃の加熱を1サイクルとするヒートサイクル試験を実施し、各試料のうち1個は途中確認のため300サイクルまで、他の1個は500サイクルまでヒートサイクル試験を繰り返した。
その後、300サイクル及び500サイクルのヒートサイクル試験を実施した各試料について、はんだ合金が接合されたCu基板を樹脂に埋め込み、断面研磨を行い、SEM(装置名:HITACHI S−4800)により接合面の観察を行った。接合面に剥がれが生じするか又ははんだにクラックが入った場合を×、そのような不良がなく、初期状態と同様の接合面を保っていた場合を○とした。
Figure 0005471985
上記の表1〜2から分るように、試料1〜14の各はんだ合金は、全ての評価項目において良好な特性を示している。即ち、シートに加工しても傷やクラックの発生が無く、濡れ性及び信頼性も良好であった。特に濡れ性における良好な結果は、Zn−Al又はZn−SnにAgが添加されたことにより、濡れ性を阻害する酸化膜の形成が抑制され、はんだ合金がCu基板に接触した瞬間に基板上に濡れ広がるためと考えられる。更に、ヒートサイクル試験においても500回まで割れなどが発生せず、良好な接合性と信頼性を示した。
一方、試料15〜18の各はんだ合金は、Al又はSnの含有量が適切でなかったため、加工性の評価において全ての試料で傷やクラックが発生し、濡れ性についても好ましい結果は得られず、特にヒートサイクル試験では300回までに全ての試料(接合できなかった試料16を除く)で不良が発生した。
また、試料19〜22の各はんだ合金は、いずれも加工性が悪く、試料20で△の評価でさる以外は全て×の評価であった。更に、接合の信頼性にも劣っていた。即ち、試料19はAlとSnを同時に含有し、試料20はAgの含有量、試料21はBiの含有量、及び試料22はPの含有量がそれぞれ多すぎるため、いずれも300回のヒートサイクル試験で不良が発生した。

Claims (2)

  1. Al又はSnのいずれか1種と、Agとを含有するPbフリーのZn系はんだ合金であって、Alを含有する場合その含有量が1.0〜9.0質量%であり、Snを含有する場合その含有量が0.3〜10.0質量%であり、Agの含有量が0.1〜4.0質量%(ただし、1.0〜4.0質量%を除く)であって、残部がZn及び不可避不純物からなることを特徴とするPbフリーZn系はんだ合金。
  2. Al又はSnのいずれか1種と、Agを含有すると共に、Bi及びPの少なくとも1種を含有するPbフリーのZn系はんだ合金であって、Alを含有する場合その含有量が1.0〜9.0質量%であり、Snを含有する場合その含有量が0.3〜10.0質量%であり、Agの含有量が0.1〜4.0質量%(ただし、1.0〜4.0質量%を除く)であり、Biを含有する場合その含有量が0.1〜6.0質量%、及びPを含有する場合その含有量が0.001〜0.5質量%であって、残部がZn及び不可避不純物からなることを特徴とするPbフリーZn系はんだ合金。
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