JP5464113B2 - Geを含有するPbフリーはんだ合金 - Google Patents
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Biは本発明のPbフリーはんだ合金の主成分である。BiはVa族元素に属し、その結晶構造は対称性の低い三方晶(菱面体晶)で非常に脆い金属であるため、引張試験などを行うと破面は脆性破面であることが容易に見て取れる。つまり、純Biは延性的な性質に乏しい。例えば、純Biで直径0.50mm、直径0.80mm、直径1.00mmの各ワイヤを試作したところ、いずれも非常に脆くて折れ易く、最長でも数10cmの長さしか作ることができなかった。更に、このようにして製造した純Biワイヤの引張試験を行ったところ、伸び率は全てのワイヤにおいて1%未満であった。
ZnはSnと共に本発明のPbフリーはんだ合金の添加元素の1つであり、ZnとSnのうち少なくとも1種を必ず添加する必要がある。ZnはBiとNiの反応を抑制し、Bi中へのNiの拡散を抑制する効果がある。この効果は、Niとの反応においてZnはBiよりも反応性が高く、Ni層の表面に薄いZn−Ni層を作り、これがバリアーとなってNiとBiの反応を抑えることによるものである。その結果、脆いBi−Ni合金が生成されず、更にはNiがBi中に拡散することもないため、強固な接合性を実現することができる。
SnはZnと共に本発明のPbフリーはんだ合金の添加元素の1つであり、ZnとSnのうち少なくとも1種を必ず添加する必要がある。SnはBiとNiの反応を抑制し、Bi中へのNiの拡散を抑制する効果を有すると共に、はんだ合金の濡れ性を向上させる役割を担っている。即ち、Snは酸化され難い元素であるため、Bi系はんだに添加された場合、濡れ性を向上させることができる。そして、SnはZnよりもイオン半径が小さく、3元共晶を引き起こし易いため、Niとの反応性に富んでいる。また、SnはZnより還元性が弱く酸化しにくいため、Znよりも少量でNi拡散の抑制効果を確保しながら濡れ性を向上させることができる。
Geは本発明のPbフリーはんだ合金の必須元素である。GeはBiの脆さの改善を主目的として添加され、加えて濡れ性を向上させる効果も持ち合わせている。即ち、GeはBiやSnとは殆ど合金を作らないが、はんだ溶融後に冷却されて固まる際に、まず溶融はんだ中のGeが析出し、これが核となってはんだの結晶微細化に寄与し、加工性を向上させる。一方でGeはZnと共晶合金を作り、特にZn−Geの共晶組成(Zn−6質量%Ge)付近において結晶を微細化し、加工性を向上させる効果を持つ。更に、GeはBiよりも酸化し易いため、自らが酸化することによってはんだ母材の酸化を防ぎ、濡れ性を向上させる効果を併せ持っている。
Pは必要に応じて添加することによって、本発明のPbフリーはんだ合金の濡れ性及び接合性を更に向上させる効果を有している。Pの添加により濡れ性向上の効果が大きくなる理由は、Pは還元性が強く、自ら酸化してはんだ合金表面の酸化を抑制することによる。特に本発明では、酸化しやすいZnがBiとの合金の共晶点である2.7質量%よりもZnリッチ側に添加されることがあるため、その場合のPの添加による濡れ性向上の効果は大きい。
Agは、上記したPと同様に、必要に応じて添加することによって、はんだ合金の濡れ性及び接合性を更に向上させることができる。Agは電子部品やCu基板の最上層に形成されることからも分かるように濡れ性向上の効果が大きく、本発明においてもAgの添加は濡れ性の向上を目的としている。即ち、Agは酸化し難く、はんだ表面の酸化を防ぐことによって濡れ性を向上させる。従って、濡れ性が不足する場合、Agの添加により濡れ性を向上させることができる。
上記表1に示す試料1〜22の各はんだ母合金を、予め各はんだ組成に適した温度に加熱した押出機を使用し、油圧で圧力を上げて外径0.80mmのワイヤに加工した。押出機出口から押し出されるワイヤ状のはんだは、まだ熱く酸化が進行し易いため、押出機出口は密閉構造とし、その内部に不活性ガスを流すことにより、可能な限り酸素濃度を下げて酸化が進まないようにした。ワイヤの押出速度は市販のはんだワイヤが切れたり変形したりしないように予め調整しておいた通常の速度(18m/分)とし、同時に自動巻取機を用いて同じ速度で巻き取るようにした。
濡れ性試験機(装置名:雰囲気制御式濡れ性試験機)を起動し、ヒーター部分に2重のカバーをしてヒーター部の周囲4箇所から窒素を流した(窒素流量:各12リットル/分)。その後、ヒーター設定温度を340℃にして加熱した。340℃に設定したヒーター温度が安定した後、表面にNiめっき層(膜厚:4.0μm)を備えたCu基板(板厚:約0.70mm)をヒーター部にセットして25秒間加熱した。
Cu基板に設けたNiめっき層がBiと反応して薄くなったり、NiがBi中に拡散したりしていないか確認するため、EMPAによるライン分析を行った。尚、EPMAライン分析は、上記濡れ性評価と同様にして得た試料1〜22のうち、はんだ合金が接合されたCu基板を用いて行った。
はんだ接合の信頼性を評価するために、ヒートサイクル試験を行った。尚、このヒートサイクル試験は、上記濡れ性評価と同様にして得た試料1〜22の各はんだ合金が接合されたCu基板を用いて行った。即ち、はんだ合金が接合された試料1〜16及び試料19〜22の各Cu基板に対して、−50℃の冷却と+125℃の加熱を1サイクルとし、このサイクルを300回と500回繰り返した。
Claims (3)
- Biを主成分とするPbフリーはんだ合金であって、Zn及びGeを含有し、Znの含有量が0.2〜13.5質量%、Geの含有量が0.001〜0.500質量%であって、残部がBi及び不可避不純物であることを特徴とするPbフリーはんだ合金。
- Biを主成分とするPbフリーはんだ合金であって、Zn及びGeと共にSnを含有し、Znの含有量が0.2〜13.5質量%、Geの含有量が0.001〜0.500質量%、Snの含有量が0.1〜10.0質量%であって、残部がBi及び不可避不純物であることを特徴とするPbフリーはんだ合金。
- Biを主成分とするPbフリーはんだ合金であって、Zn及びGeと共に、Ag及びPの少なくとも1種を含有し、Znの含有量が0.2〜13.5質量%、Geの含有量が0.001〜0.500質量%、Agを含有する場合その含有量が0.01〜3.0質量%、Pを含有する場合その含有量が0.001〜0.500質量%であって、残部がBi及び不可避不純物であることを特徴とするPbフリーはんだ合金。
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