JP5861465B2 - Mgを含有するPbフリーBi系はんだ合金 - Google Patents
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Description
<Bi>
Biは、本発明の第1及び第2のPbフリーBi系はんだ合金の主成分(第1元素)である。Biは5B族元素に属し、その結晶構造は対称性の低い三方晶(菱面体晶)で脆い金属であるため、引張試験などを行うと破面は脆性破面であることが容易に見て取れる。更に、Biは他の金属とほとんど固溶せず、合金化し難いため、基板類への濡れ性が悪い。
Alは、本発明の第1及び第2のPbフリーBi系はんだ合金の第2元素であり、必須の元素である。Alは還元性が強いため、Bi系はんだに少量含有させると、自らが酸化したりBi母相を還元したりして、NiとBiの過剰反応を抑制し、はんだの濡れ性を向上させる。更に、Alは非常に柔らかい金属であるため、加工性向上の効果も有する。しかし、Alは、強い還元性を有するが故に、含有量が多くなるとはんだ表面に強固な酸化膜を形成して濡れ性を極端に低下させたり、更にはBiへの固溶量が非常に少ないため偏析してしまったりして、信頼性を低下させる恐れがある。
Znは、上述したAlと共に本発明の第1及び第2のPbフリーBi系はんだ合金の第2元素であり、NiとBiの過剰反応を抑制するというAlと同様の重要な効果を有する。この効果は、Niとの反応においてZnはBiよりも反応性が高く、Ni層の表面に薄いZn−Ni層を作り、これがバリアーとなってNiとBiの反応を抑えることによるものである。その結果、脆いBi−Ni合金が生成されず、またNiがBi中に拡散することもないため、強固な接合性を実現することができるのである。
Mgは、本発明の第1及び第2のPbフリーBi系はんだ合金の第3元素であり、必須の元素である。Mgは濡れ性向上の効果を発揮すると共に、Biの脆さを改善する役割を果たす。即ち、はんだが溶融後に冷却されて固まる際に、まず溶融はんだ中のMgが析出し、これが核となってはんだの結晶微細化に寄与することにより、脆さが改善されて加工性が向上する。また、Mgの効果は加工性の向上だけに留まらず、本発明のはんだ組成においては、むしろ濡れ性向上の効果こそMgに最も期待する効果である。
Agは、後述するCuと共に本発明の第2のPbフリーBi系はんだ合金の第4元素であり、必要に応じてAg又はCuのいずれかを添加することによって、はんだ合金の濡れ性及び接合性を更に向上させることができる。
Cuは、上述したAgと共に本発明の第2のPbフリーBi系はんだ合金の第4元素であり、必要に応じてAg又はCuのいずれかを添加することによって、はんだ合金の濡れ性及び接合性を更に向上させることができる。
Pは、本発明の第1及び第2のPbフリーBi系はんだ合金における任意の添加元素であり、必要に応じて添加することによって、濡れ性及び接合性を更に向上させる効果を有している。Pの添加により濡れ性の向上が大きくなる理由は、Pは還元性が強く、自ら酸化してはんだ合金表面の酸化を抑制することによる。尚、はんだの濡れ性がMgを含有させることによって問題ないレベルにあれば、敢えてPを添加含有させる必要はない。
上記表1に示す試料1〜22の各はんだ母合金を、予め各はんだ組成に適した温度に加熱した押出機を使用し、油圧で圧力を上げて外径0.70mmのワイヤに加工した。押出機出口から押し出されるワイヤ状のはんだは未だ熱く酸化が進行し易いため、押出機出口は密閉構造とし、その内部に不活性ガスを流すことにより、可能な限り酸素濃度を下げて酸化が進まないようにした。ワイヤの押出速度は、市販のはんだワイヤが切れたり変形したりしないように予め調整した通常の速度(17m/分)とし、同時に自動巻取機を用いて同じ速度で巻き取るようにした。
濡れ性試験機(装置名:雰囲気制御式濡れ性試験機)を起動し、ヒーター部分に2重のカバーをしてヒーター部の周囲4箇所から窒素を流した(窒素流量:各12リットル/分)。その後、ヒーター設定温度を340℃にして加熱した。340℃に設定したヒーター温度が安定した後、表面にNiめっき層(膜厚:4.0μm)を備えたCu基板(板厚:約0.70mm)をヒーター部にセットして25秒間加熱した。
Cu基板に設けたNiめっき層がBiと反応して薄くなったり、NiがBi中に拡散したりしていないか確認するため、EMPAによるライン分析を行った。尚、EPMAライン分析は、上記濡れ性の評価と同様にして得た試料1〜22のうち、はんだ合金が接合されたCu基板を用いて行った。
はんだ接合の信頼性を評価するために、ヒートサイクル試験を行った。尚、このヒートサイクル試験は、上記濡れ性の評価と同様にして得たCu基板の内、試料17と19を除き、残りの試料の各はんだ合金が接合されたCu基板を用いて行った。即ち、はんだ合金が接合された試料1〜16及び試料18、20〜22の各Cu基板に対して、−50℃の冷却と+125℃の加熱を1サイクルとし、このサイクルを300回と500回繰り返した。
Claims (5)
- Biを主成分とするPbフリーはんだ合金であって、0.7質量%以上3.00質量%以下のAlと、0.01質量%以上1.500質量%以下のMgと、残部のBi及び不可避不純物とからなることを特徴とするPbフリーBi系はんだ合金。
- Biを主成分とするPbフリーはんだ合金であって、0.02質量%以上3.00質量%以下のAlと、0.01質量%以上1.500質量%以下のMgと、0.2質量%以上13.5質量%以下のZnと、残部のBi及び不可避不純物とからなることを特徴とするPbフリーBi系はんだ合金。
- 前記Pbフリーはんだ合金が更に0.500質量%以下のPを含有することを特徴とする、請求項1又は2に記載のPbフリーBi系はんだ合金。
- Biを主成分とするPbフリーはんだ合金であって、0.03質量%以上1.00質量%以下のAlと、0.01質量%以上0.500質量%以下のMgと、0.01質量%以上3.00質量%以下のAg及び0.01質量%以上1.8質量%以下のCuの少なくとも1種と、0.4質量%以上5.0質量%以下のZnと、残部のBi及び不可避不純物とからなることを特徴とするPbフリーBi系はんだ合金。
- 前記Pbフリーはんだ合金が更に0.500質量%以下のPを含有することを特徴とする、請求項4に記載のPbフリーBi系はんだ合金。
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