JP5077732B2 - 磁気メモリセル、磁気ランダムアクセスメモリ、半導体装置及び半導体装置の製造方法 - Google Patents

磁気メモリセル、磁気ランダムアクセスメモリ、半導体装置及び半導体装置の製造方法 Download PDF

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Description

本発明は、磁気メモリセル、磁気ランダムアクセスメモリ、半導体装置及び半導体装置の製造方法に関し、特に一つのメモリセルに多値データを記憶する磁気メモリセル、磁気ランダムアクセスメモリ、半導体装置及び半導体装置の製造方法に関する。
磁気ランダムアクセスメモリ(MRAM;Magnetic Random Access Memory、)が知られている(例えば、米国特許第6,191,989号公報)。MRAMは、高集積・高速動作の観点から有望な不揮発性メモリである。MRAMでは、TMR(Tunnel MagnetoResistance)効果などの「磁気抵抗効果」を示す磁気抵抗素子が利用される。その磁気抵抗素子は、例えばトンネルバリア層が2層の強磁性体層で挟まれた磁気トンネル接合(MTJ;Magnetic Tunnel Junction)素子を備えている。その2層の強磁性体層は、磁化の向き(orientation)が固定されたピン層(pinned layer)と、磁化の向きが反転可能なフリー層(free layer)とを有する。
ピン層とフリー層の磁化の向きが“反平行”である場合のMTJ素子の抵抗値(R+ΔR)は、磁気抵抗効果により、それらが“平行”である場合の抵抗値(R)よりも大きくなる。MRAMは、このMTJ素子を有する磁気抵抗素子をメモリセルとして用い、その抵抗値の変化を利用することによってデータを不揮発的に記憶する。メモリセルに対するデータの書き込みは、フリー層の磁化の向きを磁場により反転させることによって行われる。
MRAMでは、ワード線に流れる電流とビット線に流れる電流とで形成される合成磁場によりメモリセルへデータを書き込む。この書き込みに用いる電流は、小さ過ぎるとデータの書き込みが出来ない。また、逆に大き過ぎると、書き込み対象として選択されたメモリセルだけでなく、同一のワード線もしくは同一のビット線につながる他のメモリセルにもデータが書き込まれる可能性がある。従って、ワード線及びビット線に流れる書き込み用の電流の電流値は、高い正確性が要求されている。
書き込み用の電流のマージンをより大きくする技術として、特開2004−348934号公報(United States Published Application No.20040100835)にメモリセル及び磁気ランダムアクセスメモリの技術が開示されている。図1は、この従来のメモリセル101の構成を示す概略斜視図である。このメモリセル101は、第1トランジスタ106と、磁気抵抗素子(MTJ素子)107と、第2トランジスタ116とを具備する。第1トランジスタ106は、第1ワード線103aに接続された第1ゲートと、第1ビット線104に接続された第1端子と、導電体層129の一端に接続された第2端子とを含む。第2トランジスタ116は、第1ワード線103aに接続された第2ゲートと、第2ビット線105に接続された第5端子と、導電体層129の他端に接続された第6端子とを含む。磁気抵抗素子107は、記憶されるデータに応じて磁化方向が反転される自発磁化を有し、第2ワード線103bに接続された第3端子と、導電体層129に接続された第4端子とを含む。磁気抵抗素子107は、導電体層129上に形成され、自由層(フリー層)121、トンネルバリア層122及び固定層(ピン層)123を含む。
このメモリセルを用いる場合、磁気抵抗素子107へのデータの書き込みは、第1ワード線103aが選択されて第1トランジスタ106及び第2トランジスタ116がオンとなり、第1ビット線104、第1トランジスタ106、導電体層129、第2トランジスタ116、及び第2ビット線105を含む経路に書き込み電流が流れることで行われる。すなわち、磁気抵抗素子107近傍の導電体層129に流れる書き込み電流が誘起する磁界により行われる。このとき、第1ビット線104、及び第2ビット線105は、書き込み対象のメモリセル101を含む全てのメモリセル101の磁気抵抗素子107から十分に遠く離れているので、磁気抵抗素子107への磁界の影響は極めて少ない。したがって、書き込み電流が誘起する磁界は、第1トランジスタ106と第2トランジスタ116とにより選択されたメモリセル101の磁気抵抗素子107しか書き込みをしない。すなわち、メモリセルの選択性が向上し、書き込みディスターブが大幅に抑制され、書き込み用の電流のマージンを大きくすることが出来る。
ただし、このメモリセル101は、一つの磁気抵抗素子107に対して二つのトランジスタを用いている。そのため、一つのトランジスタしか用いないメモリセルに比較して、メモリセル101のセル面積が広くなる。これは、磁気ランダムアクセスメモリの高集積化には好ましくない。メモリセルの選択性を向上させ、書き込みディスターブを大幅に抑制しながら、磁気ランダムアクセスメモリをより高集積化できる技術が望まれている。
一方、上記MRAMのデータの書き込み方法であるアステロイド方式によれば、メモリセルのサイズにほぼ反比例して、フリー層の磁化を反転させるために必要な反転磁界が大きくなる。つまり、メモリセルが微細化されるにつれて、書き込み電流が増加する傾向にある。
微細化に伴う書き込み電流の増加を抑制することができる書き込み方式として、スピン注入(spin transfer)方式(例えば、特開2005−093488号公報、Yagami and Suzuki,Research Trends in Spin Transfer Magnetization Switching(スピン注入磁化反転の研究動向)、日本応用磁気学会誌、Vol.28,No.9,2004)が提案されている。スピン注入方式によれば、強磁性導体にスピン偏極電流(spin−polarized current)が注入され、その電流を担う伝導電子のスピンと導体の磁気モーメントとの間の直接相互作用によって磁化が反転する(以下、「スピン注入磁化反転;Spin Transfer Magnetization Switching」)。
図2は、スピン注入磁化反転を示す概略図である。図2において、磁気抵抗素子は、フリー層121、ピン層123、及びフリー層121とピン層123に挟まれた非磁性層であるトンネルバリア層122を備えている。ここで、磁化の向きが固定されたピン層123は、フリー層121よりも厚くなるように形成されており、スピン偏極電流を作る機構(スピンフィルター)としての役割を果たす。フリー層121とピン層123の磁化の向きが平行である状態は、データ“0”に対応付けられ、それらが反平行である状態は、データ“1”に対応付けられている。
このスピン注入磁化反転は、CPP(Current Perpendicular to Plane)方式により実現され、書き込み電流は膜面に垂直に注入される。具体的には、データ“0”からデータ“1”への遷移時、電流はピン層123からフリー層121へ流れる。この場合、スピンフィルターとしてのピン層123と同じスピン状態を有する電子が、電流の向きとは逆にフリー層121からピン層123に移動する。そして、スピントランスファー(スピン角運動量の授受)効果により、フリー層121の磁化が反転する。一方、データ“1”からデータ“0”への遷移時、電流はフリー層121からピン層123へ流れる。この場合、スピンフィルターとしてのピン層103と同じスピン状態を有する電子が、電流の向きとは逆にピン層123からフリー層121に移動する。スピントランスファー効果により、フリー層121の磁化が反転する。
このように、スピン注入磁化反転では、スピン電子の移動によりデータの書き込みが行われる。膜面に垂直に注入されるスピン偏極電流の方向により、フリー層121の磁化の向きを規定することが可能である。ここで、書き込み(磁化反転)の閾値は電流密度に依存することが知られている。従って、メモリセルサイズが縮小されるにつれ、磁化反転に必要な書き込み電流が減少する。メモリセルの微細化に伴って書き込み電流が減少するため、スピン注入磁化反転は、MRAMの大容量化の実現にとって重要である。
関連する技術として、米国特許第6,834,005号公報には、スピン注入を利用した磁気シフトレジスタが開示されている。この磁気シフトレジスタは、磁性体中の磁壁(domain wall)を利用して情報を記憶する。多数の領域(磁区)に分けられた磁性体において、磁壁を通過するように電流が注入され、その電流により磁壁が移動する。各領域の磁化の向きが、記録データとして扱われる。このような磁気シフトレジスタは、例えば、大量のシリアルデータの記録に利用される。なお、磁性体中の磁壁の移動は、Yamaguchi et al.,PRL,Vol.92,pp.077205−1,2004にも報告されている。
関連する技術として特開2002−334971号公報に磁性メモリ及びその動作方法が開示されている。この磁性メモリは、第1〜第nトンネル絶縁層と(nは2以上の自然数)、第1〜第(n+1)自発磁化をそれぞれ有する第1〜第(n+1)磁性体層とを備える。前記第1〜第nトンネル絶縁層のうちの第iトンネル絶縁層(iは、1以上n以下の任意の整数)は、前記第1〜第(n+1)磁性体層のうちの第i磁性体層と第(i+1)磁性体層の間に介設されている。前記第i磁性体層と前記第(i+1)磁性体層との間の第i接合抵抗は、前記第1〜第(n+1)自発磁化のうちの第i自発磁化と前記第(i+1)自発磁化が同一方向であるとき、Riである。前記第i接合抵抗は、前記第i自発磁化と前記第(i+1)自発磁化が反対方向であるとき、Ri+ΔRiである。前記ΔR1、ΔR2、…、ΔRnのうちの少なくとも2つが異なる。
関連する技術として特開2003−179213号公報に半導体記憶装置及びその製造方法が開示されている。この半導体記憶装置は、1セルに、磁化容易軸の方向を互いに異なる方向に向けて積層され、少なくとも2値の抵抗値をそれぞれ有する複数の磁気抵抗効果素子と、前記複数の磁気抵抗効果素子を挟み、互いに異なる方向に延在する第1及び第2の配線とを具備する。
特開2000−208831号公報に磁気抵抗素子及びこれを用いた磁気デバイスが開示されている。この磁気抵抗素子は、反強磁性層と接して形成される第1の磁性層と、少なくとも2層以上の磁性層とがそれぞれトンネル障壁層を介して積層されている。
米国特許第6,191,989号公報 特開2004−348934号公報 特開2005−093488号公報 米国特許第6,834,005号公報 特開2002−334971号公報 特開2003−179213号公報 特開2000−208831号公報 Yagami and Suzuki,Research Trends in Spin Transfer Magnetization Switching(スピン注入磁化反転の研究動向)、日本応用磁気学会誌、Vol.28,No.9,2004 Yamaguchi et al.,PRL,Vol.92,pp.077205−1,2004
本発明の目的は、MRAMにおけるメモリセルの選択性を向上させ、書き込みディスターブを大幅に抑制しながら、高集積化を促進可能な磁気メモリセル、磁気ランダムアクセスメモリ、及び半導体装置を提供することにある。
本発明の他の目的は、MRAMにおけるメモリセルのサイズの縮小に伴い書き込み電流を低減しながら、高集積化を促進可能な磁気メモリセル、磁気ランダムアクセスメモリ、及び半導体装置を提供することにある。
以下に、[発明を実施するための最良の形態]で使用される番号・符号を用いて、[課題を解決するための手段]を説明する。これらの番号・符号は、[特許請求の範囲]の記載と[発明を実施するための最良の形態]との対応関係を明らかにするために括弧付きで付加されたものである。ただし、それらの番号・符号を、[特許請求の範囲]に記載されている発明の技術的範囲の解釈に用いてはならない。
本発明の磁気メモリセルは、第1トランジスタ(TR1)と、第2トランジスタ(TR2)と、磁気抵抗素子群(2)とを具備する。第1トランジスタ(TR1)は、第1ゲート電極を第1ワード線(WL1)に、第1ソース・ドレイン電極を第1ビット線(BL1)に、それぞれ接続されている。第2トランジスタ(TR2)は、第2ゲート電極を第1ワード線(WL1)に、第3ソース・ドレイン電極を第2ビット線(BL2)に、それぞれ接続されている。磁気抵抗素子群(2)は、書き込み電流の通過する導電部が互いに直列又は並列に接続された複数の磁気抵抗素子(MTJ)を備え、導電部における一方の端子を第1トランジスタ(TR1)の第2ソース・ドレイン電極に、他方の端子を第2トランジスタ(TR2)の第4ソース・ドレイン電極にそれぞれ接続され、複数の磁気抵抗素子(MTJ)における一方の端子を導電部に、他方の端子を第2ワード線(WL2)にそれぞれ接続され、複数の磁気抵抗素子(MTJ)の磁化の向きの組み合わせで情報を記憶する。複数の磁気抵抗素子(MTJ)は、互いにその抵抗値が異なる。
本発明では、互いに大きさの異なる複数の磁気抵抗素子(MTJ)を組み合わせることで、複数の磁気抵抗の値を生成することが出来る。例えば、n個(n>1)の磁気抵抗素子の場合、2個の磁気抵抗の値を生成することが出来る。それにより、その複数の磁気抵抗の値(2個)と情報(nビット)とを対応付けることで、一つの磁気メモリセルで、複数ビット(nビット)のデータを記憶することが出来る。したがって、磁気メモリセル当たりの記憶情報の数が増えるので、この磁気メモリセルをMRAMに適用することで、より高集積化されたMRAMを実現することが出来る。
上記の磁気メモリセルにおいて、複数の磁気抵抗素子(MTJ)の各々は、導電部(10、62)を含み、強磁性体を有する磁気記録層(10、63+62)と、強磁性体を有するピン層(15、65)と、一方の面で磁気記録層(10、63+62)に他方の面でピン層(15、65)にそれぞれ接合された非磁性層(14、64)とを備える。複数の磁気抵抗素子(MTJ)は、二つの接合面のうちの小さい方の面積が互いに異なる。
上記の磁気メモリセルにおいて、複数の磁気抵抗素子(MTJ)の各々は、導電部(10、62)を含み、強磁性体を有する磁気記録層(10、63+62)と、強磁性体を有するピン層(15、65)と、一方の面で磁気記録層(10、63+62)に他方の面でピン層(15、65)にそれぞれ接合された非磁性層(14、64)とを備える。複数の磁気抵抗素子(MTJ)は、非磁性層(14、64)の膜厚が互いに異なる。
本発明のは、第1トランジスタ(TR1)と、第2トランジスタ(TR2)と、磁気抵抗素子群(2)とを具備する。第1トランジスタ(TR1)は、第1ゲート電極を第1ワード線(WL1)に、第1ソース・ドレイン電極を第1ビット線(BL1)に、それぞれ接続されている。第2トランジスタ(TR2)は、第2ゲート電極を第1ワード線(WL1)に、第3ソース・ドレイン電極を第2ビット線(BL2)に、第4ソース・ドレイン電極を第1トランジスタ(TR1)の第2ソース・ドレイン電極に接続されている。磁気抵抗素子群(2)は、書き込み電流の通過する導電部が互いに直列又は並列に接続された複数の磁気抵抗素子(MTJ)を備え、一方の端子を第2ソース・ドレイン電極に、他方の端子を第2ワード線(WL2)にそれぞれ接続され、複数の磁気抵抗素子(MTJ)の磁化の向きの組み合わせで情報を記憶する。複数の磁気抵抗素子(MTJ)の各々は、導電部(10、62)を含み、強磁性体を有する磁気記録層(10、63+62)と、強磁性体を有するピン層(15、65)と、一方の面で磁気記録層(10、63+62)に他方の面でピン層(15、65)にそれぞれ接合された非磁性層(14、64)とを備える。複数の磁気抵抗素子(MTJ)は、非磁性層(14、64)の磁気抵抗率が互いに異なる。
上記の磁気メモリセルにおいて、複数の磁気抵抗素子(MTJ)は、非磁性層(14、64)の抵抗率が互いに異なる。
上記の磁気メモリセルにおいて、磁気記録層(10)は、反転可能な磁化を有しピン層(15)とオーバーラップする磁化反転領域(13)と、磁化反転領域(13)の第1境界に接続され磁化の向きが第1方向に固定された第1磁化固定領域(11)と、磁化反転領域(13)の第2境界に接続され磁化の向きが第2方向に固定された第2磁化固定領域(12)とを有する。第1方向及び第2方向は共に、磁化反転領域(13)へ向かう方向、又は、磁化反転領域(13)から離れる方向である。磁化反転領域(13)の磁化は、第1境界(B1)及び第2境界(B2)のいずれかへ向く。磁気記録層(10)において、磁壁(DW)が第1境界(B1)及び第2境界(B1)のいずれかに形成される。
上記の磁気メモリセルにおいて、複数の磁気抵抗素子(MTJ)は、磁化反転領域(13)の長さ、幅及び膜厚の少なくとも一つが互いに異なる。
上記の磁気メモリセルにおいて、磁気抵抗素子群(2)の複数の磁気抵抗素子(MTJ)が2個の磁気抵抗素子(MTJ、MTJ2)であり、磁気抵抗素子群(2)へ情報を書き込むとき、2個の磁気抵抗素子(MTJ、MTJ2)を共に低抵抗状態に書き込む場合、まず、第1ワード線(WL1)が選択されて、第1トランジスタ(TR1)及び第2トランジスタ(TR2)がオンとなる。次に、第1ビット線(BL1)、第1トランジスタ(TR1)、2個の磁気抵抗素子(MTJ、MTJ2)、第2トランジスタ(TR2)及び第2ビット線(BL2)を含む経路に書き込み電流を流すことで行う。書き込み電流は、2個の磁気抵抗素子(MTJ、MTJ2)のいずれにおいても、磁化反転領域(13)とピン層(15)との磁化の向きが同じになるように磁壁(DW)を移動させる電流密度の電流である。
上記の磁気メモリセルにおいて、磁気抵抗素子群(2)の複数の磁気抵抗素子(MTJ)が2個の磁気抵抗素子(MTJ、MTJ2)であり、磁気抵抗素子群(2)へ情報を書き込むとき、2個の磁気抵抗素子(MTJ、MTJ2)を共に高抵抗状態に書き込む場合、まず、第1ワード線(WL1)が選択されて、第1トランジスタ(TR1)及び第2トランジスタ(TR2)がオンとなる。次に、第1ビット線(BL1)、第1トランジスタ(TR1)、2個の磁気抵抗素子(MTJ、MTJ2)、第2トランジスタ(TR2)及び第2ビット線(BL2)を含む経路に書き込み電流を流すことで行う。書き込み電流は、2個の磁気抵抗素子(MTJ、MTJ2)のいずれにおいても、磁化反転領域(13)とピン層(15)との磁化の向きが反対になるように磁壁(DW)を移動させる電流密度の電流である。
上記の磁気メモリセルにおいて、磁気抵抗素子群(2)の複数の磁気抵抗素子(MTJ)が2個の磁気抵抗素子(MTJ、MTJ2)であり、磁気抵抗素子群(2)へ情報を書き込むとき、2個の磁気抵抗素子(MTJ、MTJ2)のうち一方を低抵抗状態に、他方を高抵抗状態に書き込む場合、まず、第1ワード線(WL1)が選択されて、第1トランジスタ(TR1)及び第2トランジスタ(TR2)がオンとなる。次に、第1ビット線(BL1)、第1トランジスタ(TR1)、2個の磁気抵抗素子(MTJ、MTJ2)、第2トランジスタ(TR2)及び第2ビット線(BL2)を含む経路に、第1向きに第1書き込み電流を流し、その後、第1向きと反対の第2向きに第2書込み電流を流すことで行う。第1書き込み電流は、2個の磁気抵抗素子(MTJ、MTJ2)のいずれにおいても、磁化反転領域(13)とピン層(15)との磁化の向きが同じになるように磁壁(DW)を移動させる電流密度の電流である。第2書き込み電流は、2個の磁気抵抗素子(MTJ、MTJ2)のうち、磁気抵抗の大きい方のみについて、磁化反転領域(13)とピン層(15)との磁化の向きが反対になるように磁壁(DW)を移動させる電流密度の電流である。又は、第1書き込み電流は、2個の磁気抵抗素子(MTJ、MTJ2)のいずれにおいても、磁化反転領域(13)とピン層(15)との磁化の向きが反対になるように磁壁(DW)を移動させる電流密度の電流である。第2書き込み電流は、2個の磁気抵抗素子(MTJ、MTJ2)のうち、磁気抵抗の大きい方のみについて、磁化反転領域(13)とピン層(15)との磁化の向きが同じになるように磁壁(DW)を移動させる電流密度の電流である。
上記の磁気メモリセルにおいて、磁気記録層(63+62)は、反転可能な磁化を有しピン層(65)とオーバーラップするフリー層(63)と、フリー層(63)を挟んで非磁性層(64)と反対側に設けられた導電体層(62)とを有する。
上記の磁気メモリセルにおいて、複数の磁気抵抗素子(MTJ)は、導電体層(62)の長さ、幅及び膜厚の少なくとも一つが互いに異なる。
上記の磁気メモリセルにおいて、複数の磁気抵抗素子(MTJ)は、フリー層(63)の平面形状が互いに異なる。
上記の磁気メモリセルにおいて、磁気抵抗素子群(2)の複数の磁気抵抗素子(MTJ)が2個の磁気抵抗素子(MTJ、MTJ2)であり、磁気抵抗素子群(2)へ情報を書き込むとき、2個の磁気抵抗素子(MTJ、MTJ2)を共に低抵抗状態に書き込む場合、まず、第1ワード線(WL1)が選択されて、第1トランジスタ(TR1)及び第2トランジスタ(TR2)がオンとなる。次に、第1ビット線(BL1)、第1トランジスタ(TR1)、2個の磁気抵抗素子(MTJ、MTJ2)、第2トランジスタ(TR2)及び第2ビット線(BL2)を含む経路に書き込み電流を流すことで行う。書き込み電流は、2個の磁気抵抗素子(MTJ、MTJ2)のいずれにおいても、フリー層(63)とピン層(65)との磁化の向きが同じになるように導電体層(62)に磁場を発生させる電流である。
上記の磁気メモリセルにおいて、磁気抵抗素子群(2)の複数の磁気抵抗素子(MTJ)が2個の磁気抵抗素子(MTJ、MTJ2)であり、磁気抵抗素子群(2)へ情報を書き込むとき、2個の磁気抵抗素子(MTJ、MTJ2)を共に高抵抗状態に書き込む場合、第1ワード線(WL1)が選択されて、第1トランジスタ(TR1)及び第2トランジスタ(TR2)がオンとなる。第1ビット線(BL1)、第1トランジスタ(TR1)、2個の磁気抵抗素子(MTJ、MTJ2)、第2トランジスタ(TR2)及び第2ビット線(BL2)を含む経路に書き込み電流を流すことで行う。書き込み電流は、2個の磁気抵抗素子(MTJ、MTJ2)のいずれにおいても、フリー層(63)とピン層(15)との磁化の向きが反対になるように導電体層(62)に磁場を発生させる電流である。
上記の磁気メモリセルにおいて、磁気抵抗素子群(2)の複数の磁気抵抗素子(MTJ)が2個の磁気抵抗素子(MTJ、MTJ2)であり、磁気抵抗素子群(2)へ情報を書き込むとき、2個の磁気抵抗素子(MTJ、MTJ2)のうち一方を低抵抗状態に、他方を高抵抗状態に書き込む場合、まず、第1ワード線(WL1)が選択されて、第1トランジスタ(TR1)及び第2トランジスタ(TR2)がオンとなる。次に、第1ビット線(BL1)、第1トランジスタ(TR1)、2個の磁気抵抗素子(MTJ、MTJ2)、第2トランジスタ(TR2)及び第2ビット線(BL2)を含む経路に、第1向きに第1書き込み電流を流し、その後、第1向きと反対の第2向きに第2書込み電流を流すことで行う。第1書き込み電流は、2個の磁気抵抗素子(MTJ、MTJ2)のいずれにおいても、フリー層(63)とピン層(15)との磁化の向きが同じになるように導電体層(62)に磁場を発生させる電流である。第2書き込み電流は、2個の磁気抵抗素子(MTJ、MTJ2)のうち、磁気抵抗の大きい方のみについて、フリー層(63)とピン層(15)との磁化の向きが反対になるように導電体層(62)に磁場を発生させる電流である。又は、第1書き込み電流は、2個の磁気抵抗素子(MTJ、MTJ2)のいずれにおいても、フリー層(63)とピン層(15)との磁化の向きが反対になるように導電体層(62)に磁場を発生させる電流である。第2書き込み電流は、2個の磁気抵抗素子(MTJ、MTJ2)のうち、磁気抵抗の大きい方のみについて、フリー層(63)とピン層(15)との磁化の向きが同じになるように導電体層(62)に磁場を発生させる電流である。
上記の磁気メモリセルにおいて、磁気抵抗素子群(2)からの情報の読み出すとき、まず、第1ワード線(WL1)が選択されて、第2トランジスタ(TR2)がオンとなる。次に、第2ビット線(BL2)と第2トランジスタ(TR2)と磁気抵抗素子群(2)と第2ワード線(WL2)とを含む経路に流れる読み出し電流に基づいて、磁気抵抗素子群(2)の抵抗を測定することにより行う。
本発明の磁気ランダムアクセスメモリは、第1方向へ延在する第1ワード線(WL1)及び第2ワード線(WL2)の複数のワード線対と;第1方向に略垂直な第2方向へ延在する第1ビット線(BL1)及び第2ビット線(BL2)の複数のビット線対と;複数のワード線対と複数のビット線対との交点の各々に対応して設けられ、上記各項のいずれかに記載の複数の磁気メモリセル(1)と;第1ビット線及び第2ビット線に接続された書き込み電流供給回路(55、56)とを具備する。第1書き込み動作時、第1ワード線(WL1)が選択され、書き込み電流供給回路(55、56)が、第1書き込み電流を、第1ビット線(BL1)、第1トランジスタ(TR1)、磁気抵抗素子群(2)、及び第2トランジスタ(TR2)を経由して、第2ビット線(BL2)に流す。第2書き込み動作時、第1ワード線(WL1)が選択され、書き込み電流供給回路(55、56)が、第2書き込み電流を、第2ビット線(BL2)から、第2トランジスタ(TR2)、磁気抵抗素子群(2)及び第1トランジスタ(TR1)を経由して、第1ビット線(BL1)に流す。
本発明では、一つの磁気メモリセル(1)で、複数の磁気抵抗の値(2個:n>1)を設定可能な複数(n個)の磁気抵抗素子を用いて複数ビット(nビット)のデータを記憶することが出来る。それにより、磁気メモリセル(1)当たりの記憶情報の数が増えるので、この磁気メモリセルを用いたMRAMをより高度に集積化することが出来る。
本発明の半導体装置は、演算処理を行う演算処理部(91)と;磁気メモリセルが相対的に高密度でデータを記憶し、相対的に低速度で動作する上記の第1磁気ランダムアクセスメモリ(92)と、磁気メモリセルが相対的に低密度でデータを記憶し、相対的に高速度で動作する第2磁気ランダムアクセスメモリ(93)とを具備する。
本発明では、第1磁気ランダムアクセスメモリ(92)の磁気メモリセルは複数の磁気抵抗素子の磁化の向きの組み合わせで情報を記憶する磁気抵抗素子群を用いているので、相対的に高密度でデータを記憶し、相対的に低速度で動作する。一方、第2磁気ランダムアクセスメモリ(93)の磁気メモリセルは一つの磁気抵抗素子を用いているので、相対的に低密度でデータを記憶し、相対的に高速度で動作する。このように、演算処理部(91)のデータ処理に用いるワークメモリとして第2磁気ランダムアクセスメモリ(93)を用い、データ保持メモリとして第1磁気ランダムアクセスメモリ(92)を用いることで、演算処理部(91)の演算速度を維持しつつ、大容量の記憶を確実に記憶することが出来る。
上記の半導体装置において、第2磁気ランダムアクセスメモリ(93)は、複数の他の磁気メモリセルを備える。複数の他の磁気メモリセルの各々は、第3トランジスタと、第4トランジスタと、単数の磁気抵抗素子とを備える。第3トランジスタは、第3ゲート電極を第3ワード線に、第5ソース・ドレイン電極を第3ビット線に、それぞれ接続されている。 第4トランジスタは、第4ゲート電極を第3ワード線に、第7ソース・ドレイン電極を第4ビット線に、それぞれ接続されている。 単数の磁気抵抗素子は、書き込み電流の通過する第2導電部における一方の端子を第3トランジスタの第6ソース・ドレイン電極に、他方の端子を第4トランジスタの第8ソース・ドレイン電極にそれぞれ接続され、一端を第2導電部に他端を第4ワード線にそれぞれ接続されている。
本発明の半導体装置の製造方法は、(a)複数の半導体素子を形成する工程と、(b)第1領域に第1磁気ランダムアクセスメモリ(92)の複数の第1磁気メモリセルを、第2領域に第2磁気ランダムアクセスメモリ(93)の複数の第2磁気メモリセルを同時に形成する工程とを具備する。複数の第1磁気メモリセルの各々は、第1ゲート電極を第1ワード線(WL1)に、第1ソース・ドレイン電極を第1ビット線(BL1)に、それぞれ接続された第1トランジスタ(TR1)と;第2ゲート電極を第1ワード線(WL1)に、第3ソース・ドレイン電極を第2ビット線(BL2)に、それぞれに接続された第2トランジスタ(TR2)と;書き込み電流の通過する導電部が互いに直列又は並列に接続された複数の磁気抵抗素子(MTJ)を備え、導電部における一方の端子を第1トランジスタ(TR1)の第2ソース・ドレイン電極に、他方の端子を第2トランジスタ(TR2)の第4ソース・ドレイン電極にそれぞれ接続され、複数の磁気抵抗素子(MTJ)における一方の端子を導電部に、他方の端子を第2ワード線(WL2)にそれぞれ接続され、複数の磁気抵抗素子(MTJ)の磁化の向きの組み合わせで情報を記憶する磁気抵抗素子群(2)とを備える。複数の磁気抵抗素子(MTJ)は、互いにその抵抗値が異なる。複数の第2磁気メモリセルの各々は、第3ゲート電極を第3ワード線に、第5ソース・ドレイン電極を第3ビット線に、それぞれ接続された第3トランジスタと、第4ゲート電極を第3ワード線に、第7ソース・ドレイン電極を第4ビット線に、それぞれ接続された第4トランジスタと、書き込み電流の通過する第2導電部における一方の端子を前記第3トランジスタの第6ソース・ドレイン電極に、他方の端子を前記第4トランジスタの第8ソース・ドレイン電極にそれぞれ接続され、一端を前記第2導電部に他端を第4ワード線にそれぞれ接続された単数の磁気抵抗素子とを備える。
本発明では、第1磁気ランダムアクセスメモリ(92)と第2磁気ランダムアクセスメモリ(93)とは、基本的な構造は同じで、磁気メモリセル当たりの磁気抵抗素子数が異なるだけなので、同時に同じプロセスを用いて製造することが出来る。それにより、製造プロセスを増やすことなく、一つの半導体チップ上に2種類の磁気ランダムアクセスメモリを同時に製造することが可能となる。
本発明により、MRAMにおけるメモリセルの選択性を向上させ、書き込みディスターブを大幅に抑制しながら、高集積化を促進可能となる。また、MRAMにおけるメモリセルのサイズの縮小に伴い書き込み電流を低減しながら、高集積化を促進可能となる。
以下、添付図面を参照して、本発明の磁気メモリセル、磁気ランダムアクセスメモリ(MRAM)、及び半導体装置について説明する。
(第1の実施の形態)
本発明の磁気メモリセル及びMRAMの第1の実施の形態について説明する。
まず、本発明の磁気メモリセルの第1の実施の形態における磁気メモリセルに適用された、磁壁移動型の磁気メモリセルの原理について説明する。
図3は、磁壁移動型の磁気メモリセルおける磁気抵抗素子の構成の一例を示す概略斜視図である。磁気抵抗素子(MTJ素子)1aは、強磁性体層である磁気記録層10とピン層15、及び非磁性体層であるトンネルバリア層14を備えている。トンネルバリア層14は、磁気記録層10とピン層15に挟まれている。これら磁気記録層10、トンネルバリア層14、及びピン層15は、磁気トンネル接合(MTJ)を形成している。
トンネルバリア層14は、薄い絶縁層であり、MgOx膜に例示される。ピン層15は、CoFe/Ru/CoFe/PtMnの積層膜に例示され、その磁化の向き(orientation)は固定されている。磁気記録層10は、CoFe膜に例示され、フリー層に相当する役割を果たす。
この磁気記録層10は、3つの異なる領域である第1磁化固定領域11、第2磁化固定領域12、及び磁化反転領域(フリー層)13を有している。第1磁化固定領域11は、Y方向に延びるように形成されており、その磁化の向きは固定されている。同じく、第2磁化固定領域12は、Y方向に延びるように形成されており、その磁化の向きは固定されている。一方、磁化反転領域13は、X方向に延びるように形成されており、反転可能な磁化を有している。また、この磁化反転領域13は、ピン層15とオーバーラップするように形成されている。すなわち、磁気記録層10の磁化反転領域13の一部が、トンネルバリア層14を介してピン層15に接続されている。
これら第1磁化固定領域11、第2磁化固定領域12、及び磁化反転領域13は、同一平面(XY面)上に形成されている。図4は、XY面における磁気記録層10の形状を示す上面図である。第1磁化固定領域11と第2磁化固定領域12は、Y方向に沿って互いに略平行となるように形成されている。磁化反転領域13は、第1磁化固定領域11と第2磁化固定領域12との間をつなぐように、X方向に沿って形成されている。第1磁化固定領域11と磁化反転領域13は、第1境界B1において互いに接触しており、第2磁化固定領域12と磁化反転領域13は、第2境界B2において互いに接続している。磁化反転領域13において、第1境界B1と第2境界B2は、対向するように位置している。すなわち、第1、第2磁化固定領域11、12、及び磁化反転領域13は、“略U字状”又は“略凹形状”に形成されている。
この図は、矢印を用いて各領域の磁化の向きを示している。更に、点線及び点線矢印を用いてピン層15の投影及びその磁化の向きをも示している。ピン層15の磁化の向きは、−X方向に固定されているとする。この図において、第1磁化固定領域11の磁化の向きは、+Y方向に固定されている。その向きは、第1境界B1から離れる(Away)方向である。また、第2磁化固定領域12の磁化の向きも、+Y方向に固定されている。その向きは、第2境界B2から離れる(Away)方向である。つまり、第1磁化固定領域11と第2磁化固定領域12は共に、それらの磁化の向きが磁化反転領域13から離れるように固定されている。これは、第1磁化固定領域11の磁化の向きと第2磁化固定領域12の磁化の向きが、磁気記録層10の形状に沿って逆向きであることを意味する。なお、“磁化の固定”に関しては後述される。
一方、磁化反転領域13の磁化の向きは反転可能であり、+X方向あるいは−X方向である。つまり、磁化反転領域13の磁化は、ピン層15の磁化と平行あるいは反平行になることが許される。磁化反転領域13の磁化の向きが+X方向の場合、すなわち、その磁化が第2境界B2へ向いている場合、第1磁化固定領域11が1つの磁区(magnetic domain)を形成し、磁化反転領域13と第2磁化固定領域12とが別の磁区を形成する。つまり、第1境界B1に「磁壁(domain wall)」が形成される。一方、磁化反転領域13の磁化の向きが−X方向の場合、すなわち、その磁化が第1境界B1へ向いている場合、第1磁化固定領域11と磁化反転領域13とが1つの磁区を形成し、第2磁化固定領域12が別の磁区を形成する。つまり、第2境界B2に磁壁が形成される。
このように、磁化反転領域13の磁化は、第1境界B1あるいは第2境界B2へ向き、磁気記録層10において、磁壁が第1境界B1あるいは第2境界B2に形成される。これは、第1磁化固定領域11の磁化の向きと第2磁化固定領域12の磁化の向きが、磁気記録層10の形状に沿って逆向きであるからである。
以下、磁気メモリセル1(磁気抵抗素子1a)に対するデータの書き込み原理が説明される。本実施の形態によれば、スピン注入(spin transfer)方式でデータの書き込みが行われる(スピン注入データ書き込み:Spin Transfer Data Writing)。
図5は、図4に示される磁気抵抗素子1aの構造に対するデータの書き込み原理を示す概略図である。磁化反転領域13とピン層15の磁化の向きが平行である状態が、データ「0」に対応付けられている。データ「0」状態において、磁化反転領域13の磁化の向きは−X方向であり、磁壁DWは第2境界B2に存在する。一方、磁化反転領域13とピン層15の磁化の向きが反平行である状態が、データ「1」に対応付けられている。データ「1」状態において、磁化反転領域13の磁化の向きは+X方向であり、磁壁DWは第1境界B1に存在する。
書き込み電流IWは、MTJを貫通する方向ではなく、磁気記録層10内を平面的に流れる。具体的には、データ「1」の書き込み時(第1書き込み)、所定の電流密度以上の第1書き込み電流IW1が、第1磁化固定領域11から磁化反転領域13を通って第2磁化固定領域12に流れる。この場合、磁化反転領域13には、第1書き込み電流IW1とは逆向きに、第2磁化固定領域12から電子(スピン電子)が注入される。注入された電子のスピンは、磁化反転領域13の磁気モーメントに影響を及ぼす。その結果、磁化反転領域13の磁化の向きは、第2境界B2の方向へスイッチする。つまり、スピントランスファー効果により、磁化反転領域13の磁化が反転し、その磁化の向きが+X方向に変わる(スピン注入磁化反転:Spin Transfer Magnetization Switching)。
一方、データ「0」の書き込み時(第2書き込み)、所定の電流密度以上の第2書き込み電流IW2が、第2磁化固定領域12から磁化反転領域13を通って第1磁化固定領域11に流れる。この場合、磁化反転領域13には、第2書き込み電流IW2とは逆向きに、第1磁化固定領域11から電子が注入される。その結果、磁化反転領域13の磁化が反転し、その磁化の向きが−X方向に変わる。このように、本実施の形態によれば、磁気記録層10内を平面的に流れる書き込み電流IW1,IW2によって、磁化反転領域13の磁化の方向がスイッチする。第1磁化固定領域11及び第2磁化固定領域12は、異なるスピンを有する電子の供給源の役割を果たしている。
上記書き込み動作は、「磁壁の移動(Domain Wall Motion)」という観点から述べることもできる。データ「1」の書き込み時、電子は、第2磁化固定領域12から第1磁化固定領域11の方へ移動する。この時、磁壁DWは、電子の移動方向と一致して、第2境界B2から第1境界B1へ移動している。一方、データ「0」の書き込み時、電子は、第1磁化固定領域11から第2磁化固定領域12の方へ移動する。この時、磁壁DWは、電子の移動方向と一致して、第1境界B1から第2境界B2へ移動している。つまり、磁気記録層10中の磁壁DWは、電子の移動方向に応じて、第1境界B1と第2境界B2の間を“シーソー”のように行き来する。磁壁DWは磁化反転領域13内を移動しており、磁化反転領域13を「磁壁移動領域」と呼ぶことも可能である。本実施の形態に係る磁気メモリセル1は、磁壁DWの位置によってデータを記憶しているとも言える。
以上に説明されたように、書き込み電流IW1,IW2がMTJを貫通しないため、MTJにおけるトンネルバリア層14の劣化が抑制される。また、スピン注入方式でデータ書き込みが行われるため、書き込み電流は所定の電流密度以上となれば良いので、メモリセルサイズの縮小に伴い書き込み電流IW1,IW2が低減される。更に、メモリセルサイズが縮小されるにつれ磁壁DWの移動距離が小さくなるため、メモリセルの微細化に伴い書き込み速度が増加する。
尚、データの読み出しに関しては、次の通りである。データ読み出し時、読み出し電流は、ピン層15と磁化反転領域13との間を流れるように供給される。例えば、読み出し電流は、第1磁化固定領域11と第2磁化固定領域12のいずれかから、磁化反転領域13及びトンネルバリア層14を経由して、ピン層15へ流れる。あるいは、読み出し電流は、ピン層15から、トンネルバリア層14及び磁化反転領域13を経由して、第1磁化固定領域11と第2磁化固定領域12のいずれかへ流れる。その読み出し電流あるいは読み出し電位に基づいて、磁気抵抗素子の抵抗値が検出され、磁化反転領域13の磁化の向きがセンスされる。
なお、第1磁化固定領域11の磁化の向きと第2磁化固定領域12の磁化の向きは、図3や図4に示された方向に限られない。第1磁化固定領域11の磁化の向きと第2磁化固定領域12の磁化の向きは、磁気記録層10の形状に沿って逆向きであればよい。図6は、磁気抵抗素子1aの他の構造に対するデータの書き込み原理を示す概略図である。
第1磁化固定領域11の磁化の向きは、−Y方向に固定されている。その向きは、第1境界B1へ向かう(Toward)方向である。また、第2磁化固定領域12の磁化の向きも、−Y方向に固定されている。その向きは、第2境界B2へ向かう(Toward)方向である。つまり、第1磁化固定領域11の磁化と第2磁化固定領域12の磁化は、共に磁化反転領域13へ向かう方向に固定されており、磁気記録層10の形状に沿って逆方向を向いている。また、ピン層15の磁化の向きは、+X方向に固定されているとする。
データ「0」状態において、磁化反転領域13の磁化の向きは+X方向であり、磁壁DWは第2境界B2に存在する。一方、データ「1」状態において、磁化反転領域13の磁化の向きは−X方向であり、磁壁DWは第1境界B1に存在する。
データ「1」の書き込み時(第1書き込み)、所定の電流密度以上の第1書き込み電流IW1が、第1磁化固定領域11から磁化反転領域13を通って第2磁化固定領域12に流れる。この場合、磁化反転領域13には、第2磁化固定領域12から電子が注入される。その結果、磁化反転領域13の磁化が反転し、その磁化の向きが−X方向に変わる。電子の移動方向に一致して、磁壁DWは、第2境界B2から第1境界B1へ移動する。一方、データ「0」の書き込み時(第2書き込み)、所定の電流密度以上の第2書き込み電流IW2が、第2磁化固定領域12から磁化反転領域13を通って第1磁化固定領域11に流れる。この場合、磁化反転領域13には、第1磁化固定領域11から電子が注入される。その結果、磁化反転領域13の磁化が反転し、その磁化の向きが+X方向に変わる。電子の移動方向に一致して、磁壁DWは、第1境界B1から第2境界B2へ移動する。
図6に示された構造によっても、上述の図4の構造の場合と同じ効果が得られる。また、データの読み出しに関しても、上述の図4の構造の場合と同様である。
次に、第1磁化固定領域11及び第2磁化固定領域12の磁化を固定するための方法を説明する。磁化固定の方法としては、例えば、交換結合や静磁結合を用いる方法が考えられる。
図7は、交換結合により磁化を固定する方法を示す概略正面図である。第1磁化固定領域11と第2磁化固定領域12の磁化は、同じ+Y方向に固定されればよい。従って、第1磁性体17と第2磁性体18の膜構成は同じで構わない。例えば、第1磁性体17と第2磁性体18は、CoFe/PtMnの積層膜である。第1磁性体17及び第2磁性体18は、第1磁化固定領域11及び第2磁化固定領域12のそれぞれに+Y方向のバイアス磁界を印加する。具体的には、第1磁性体17及び第2磁性体18のそれぞれは、+Y方向の磁化を有する強磁性体層(CoFe層)を含んでおり、それら強磁性体層は、第1磁化固定領域11及び第2磁化固定領域12のそれぞれに密着するように形成されている。これら第1磁性体17及び第2磁性体18は、交換結合によって、第1磁化固定領域11及び第2磁化固定領域12の磁化の向きを+Y方向に固定している。図6の場合に関しても、同様の第1磁性体17及び第2磁性体18が適用され得る。
図8は、静磁結合により磁化を固定する方法を示す概略正面図である。第1磁化固定領域11と第2磁化固定領域12の磁化は、同じ+Y方向に固定されればよい。従って、第1磁性体17と第2磁性体18の膜構成は同じで構わない。例えば、第1磁性体17と第2磁性体18は、CoFe/PtMnの積層膜である。第1磁性体17及び第2磁性体18は、第1磁化固定領域11及び第2磁化固定領域12のそれぞれに+Y方向のバイアス磁界を印加する。具体的には、第1磁性体17及び第2磁性体18のそれぞれは、+Y方向と逆の−Y方向の磁化を有する強磁性体層(CoFe層)を含んでおり、それら強磁性体層は、第1磁化固定領域11及び第2磁化固定領域12のそれぞれから離れるように形成されている。これら第1磁性体17及び第2磁性体18は、静磁結合によって、第1磁化固定領域11及び第2磁化固定領域12の磁化の向きを+Y方向に固定している。図6の場合に関しても、同様の第1磁性体17及び第2磁性体18が適用され得る。
本実施の形態の磁気メモリセルは、上記のような磁壁移動型の磁気抵抗素子1aを用いている。そして、本実施の形態のMRAMでは、そのような磁壁移動型の磁気抵抗素子1aを用いた磁気メモリセルを用いている。以下、本実施の形態における磁気メモリセル及びMRAMについて説明する。
本発明のMRAMの第1の実施の形態の構成について説明する。
図9は、本発明のMRAMの第1の実施の形態の構成の一例を示すブロック図である。MRAM50は、メモリセルアレイ51、Xセレクタ52、Yセレクタ53、Y側電流終端回路54、Y側電流源回路55、Y側電流源回路56、読み出し電流負荷回路57、及びセンスアンプ58を具備する。
メモリセルアレイ51は、X方向へ延在する第1ワード線WL1及び第2ワード線WL2の複数のワード線対と、Y方向へ延在する第1ビット線BL1及び第2ビット線BL2の複数のビット線対と、複数のワード線対と複数のビット線対との交点の各々に対応して行列状に設けられた複数の磁気メモリセル1とを具備する。ただし、複数の磁気メモリセル1は、データの記録に用いられる磁気メモリセル1と共に、データ読み出しの際に参照されるリファレンスセル1rを含んでいる。リファレンスセル1rの基本構造は、磁気メモリセル1のものと同じである。複数のビット線対は、リファレンスセル用の第1ビット線BL1r及び第2ビット線BL2rの複数のビット線対を含んでいる。
磁気メモリセル1は、第1トランジスタTR1、第2トランジスタTR2、及び磁気抵抗素子群2を備える。第1トランジスタTR1は、そのゲート電極を第1ワード線WL1に、一方のソース・ドレイン電極を第1ビット線BLに、他方のソース・ドレイン電極を磁気抵抗素子群2に、それぞれ接続されている。第2トランジスタTR2は、そのゲート電極を第1ワード線WL1に、一方のソース・ドレイン電極を第2ビット線BL2に、他方のソース・ドレイン電極を磁気抵抗素子群2に、それぞれ接続されている。磁気抵抗素子群2は、一方の端子を第1トランジスタTR1及び第2トランジスタTR2のソース・ドレイン電極に、他方の端子を第2ワード線WL2にそれぞれ接続されている。
磁気抵抗素子群2は、その一部(書き込み電流の通過する導電部)が互いに直列又は並列に接続された複数の磁気抵抗素子(MTJ素子)を備え、複数の磁気抵抗素子の磁化の向きの組み合わせで情報を記憶する。複数の磁気抵抗素子(MTJ)は、互いにその大きさ(サイズ)が異なる。それ故、複数の磁気抵抗素子(MTJ)は、互いにその磁気抵抗値が異なる。磁気抵抗素子群2(磁気メモリセル1)の詳細は後述する。
Xセレクタ52は、書き込み動作時及び読み出し動作時に、複数の第1ワード線WL1から選択第1ワード線WL1sを選択する。それにより、選択第1ワード線WL1sにゲート電極を接続された第1トランジスタTR1及び第2トランジスタTR2はオンになる。また、読み出し動作時に、複数の第2ワード線WL2から選択第2ワード線WL2sを選択する。それにより、選択第2ワード線WL2sは、所定の電圧又は接地される。Yセレクタ53は、書き込み動作時及び読み出し動作時に、複数の第2ビット線BL2から選択第2ビット線BL2sを選択する。それにより、書き込み動作時に選択第2ビット線BL2sへY側電流源回路55から書き込み電流IW2を供給するか、又は書き込み電流IW1を終端する。また、読み出し動作時に複数の第2ビット線BL2へ読み出し電流負荷回路57から読み出し電流IRを供給する。
Y側電流終端回路54は、書き込み動作時に、複数の第1ビット線BL1から選択第1ビット線BL1sを選択する。それにより、書き込み動作時に選択第1ビット線BL1sへY側電流源回路56から書き込み電流IW1を供給するか、又は書き込み電流IW2を終端する。Y側電流源回路55は、書き込み動作時にYセレクタ53を介して選択第2ビット線BL2sへ書き込み電流IW2を供給する。Y側電流源回路56は、書き込み動作時にY側電流終端回路54を介して選択第1ビット線BL1sへ書き込み電流IW1を供給する。
読み出し電流負荷回路57は、読み出し動作時にYセレクタ53を介して選択第2ビット線BL2sへ読み出し電流IRを供給する。それと共に、読み出し動作時にリファレンスセル用の第2ビット線BL2rへ同じ読み出し電流IRを供給する。センスアンプ58は、読み出し動作時に、選択第2ビット線BL2sの電位とリファレンスセル用の第2ビット線BL2rとの電位を比較することで、選択第1ビット線BL1s、選択第2ビット線BL2s、及び選択第1ワード線WL1sとで選択される磁気メモリセル1(以下、選択セル1s)に格納されたデータ(情報)を読み出す。
これらXセレクタ52、Yセレクタ53、Y側電流終端回路54、Y側電流源回路55、及びY側電源回路56は、磁気メモリセル1に書き込み電流IW1,IW2を供給するための「書き込み電流供給回路」を構成している。
書き込み・読み出しの双方において、選択セル1sにつながる選択第1ワード線WL1sが選択され、その電位が“High”に設定される。これにより、選択セル1sの第1トランジスタTR1及び第2トランジスタTR2がONになる。
選択セル1sにデータ「1」を書き込む場合、選択第1ビット線BL1s及び選択第2ビット線BL2sの電位は、それぞれ“High”及び“Low”に設定される。その結果、第1書き込み電流IW1が、選択第1ビット線BL1sから、第1トランジスタTR1、磁気抵抗素子群2及び第2トランジスタTR2を経由して、選択第2ビット線BL2sに流れる。一方、データ「0」を書き込む場合、選択第1ビット線BL1s及び選択第2ビット線BL2sの電位は、それぞれ“Low”及び“High”に設定される。その結果、第2書き込み電流IW2が、選択第2ビット線BL2sから、第2トランジスタTR2、磁気抵抗素子群2及び第1トランジスタTR1を経由して、選択第1ビット線BL1sに流れる。
データを読み出す場合、例えば、選択第2ビット線BL1sの電位は“High”に設定され、選択第2ワード線WL2sが“Low”に設定され、第1ビット線BL2は“Open”に設定される。これにより、読み出し電流IRが、選択第2ビット線BL2sから、第2トランジスタTR2、磁気抵抗素子群2を経由して、選択第2ワード線WL2sに流れる。
次に、本発明の磁気メモリセルの第1の実施の形態における磁気メモリセルの構造及び書き込み及び読み出しの原理について説明する。
まず、磁気メモリセルの構造として、磁気抵抗素子(MTJ)の磁気記録層10を並列接続した構造について説明する。
図10は、本発明の磁気メモリセルの第1の実施の形態の構成の一例を示す概略図である。磁気メモリセル1は、磁気抵抗素子群2と第1トランジスタTR1と第2トランジスタTR2とを備える。磁気抵抗素子群2は、二つの磁気抵抗素子(MTJ素子)であるMTJ1とMTJ2とを含んでいる。MTJ1及びMTJ2の各々は、図3〜図8に示した磁壁移動型の磁気抵抗素子1aの構成を有する。そして、各MTJ素子の磁気記録層10は、第1トランジスタTR1と第2トランジスタTR2との間に並列に接続されている。各MTJ素子のピン層15は、第2ワード線WL2に接続されている。
書き込み電流IW1(電流密度dI)は、第1ビット線BL1及び第1トランジスタTR1を流れた後、その一部の電流i1がMTJ1の磁気記録層10の経路を電流密度di1で流れ、残りのi2がMTJ2の磁気記録層10を電流密度di2で流れる。その後、合流して、第2トランジスタTR2及び第2ビット線BL2(電流密度dI)を流れる。書き込み電流IW2の場合はこの逆になる。
次に書き込み原理について説明する。
図11(a)は、各MTJの磁気記録層に流れる電流の電流密度の大きさと磁気記録層の磁化反転の有無を示す表である。MTJ1及びMTJ2は、この表の示す特性を有するように設計される。すなわち、磁気抵抗素子群2に流れ込む電流の電流密度dIが、0≦dI<aの場合、MTJ1及びMTJ2のいずれについても磁気記録層の磁化反転は起こらない。a≦dI<bの場合、MTJ2だけ磁化反転が起きる。すなわち、MTJ2の方が磁化反転を起こしやすいように設定する。b≦dI<cの場合、MTJ1及びMTJ2のいずれについても磁化反転は起こる。c≦dIの場合、MTJ1及びMTJ2が誤動作する。
次に、図11(a)に示すような特性を有する磁気抵抗素子群2(MTJ1及びMTJ2)に対する書き込み方法について説明する。図11(b)は、磁気抵抗素子群2に対する書き込み方法を示す表である。「MTJ1磁化」及び「MTJ2磁化」は、それぞれMTJ1及びMTJ2のピン層15及び磁気記録層10の磁化反転領域13の磁化の向きを矢印で示している。「書き込み電流方向」は、磁気抵抗素子群2を流れる書き込み電流IWの向きを示している。「書き込み電流密度の絶対値」は、磁気抵抗素子群2に流れ込む書き込み電流の電流密度dIの絶対値を示している。
この表を参照して、MTJ1のピン層15及び磁化反転領域13の磁化を平行状態に、及びMTJ2のピン層15及び磁化反転領域13の磁化を平行状態にそれぞれ書き込む場合、書き込み電流IWの向きを、第1ビット線BL1から第2ビット線BL2へ向うようにする。そのとき、電流密度dIの絶対値はb<|dI|<cとする。これにより、図11(a)よりMTJ1及びMTJ2のいずれにも磁化反転が起きる。すなわち、MTJ1及びMTJ2のいずれも平行状態に書き込むことが出来る。
次に、MTJ1のピン層15及び磁化反転領域13の磁化を平行状態に、及びMTJ2のピン層15及び磁化反転領域13の磁化を反平行状態にそれぞれ書き込む場合、まず、書き込み電流IWの向きを、第1ビット線BL1から第2ビット線BL2へ向うようにする。そのとき、電流密度dIの絶対値はb<|dI|<cとする。これにより、まず、図11(a)よりMTJ1及びMTJ2のいずれにも磁化反転が起きる。すなわち、MTJ1及びMTJ2のいずれも平行状態になる。次に、書き込み電流IWの向きを、第2ビット線BL2から第1ビット線BL1へ向うようにする。そのとき、電流密度dIの絶対値はa<|dI|<bとする。これにより、図11(a)よりMTJ2だけに更に磁化反転が起きる。以上の結果、MTJ1を平行状態に、MTJ2を反平行状態に書き込むことが出来る。図11(c)は、この書き込み動作における電流密度dIの時間変化を示すグラフである。最初に電流密度をb<(+dI)<cとし、その後に電流密度を(−b)<(−dI)<(−a)としている。これにより、MTJ1を平行状態に、MTJ2を反平行状態に書き込むことが出来る。この場合、一つのデータの書き込みに2回書き込み電流を流さなければならないので、相対的に低速度となる。しかし、他の種類のメモリセルにおけるベリファイ動作をする場合と比較して書き込み時間は非常に短い。
次に、MTJ1のピン層15及び磁化反転領域13の磁化を反平行状態に、及びMTJ2のピン層15及び磁化反転領域13の磁化を平行状態にそれぞれ書き込む場合、まず、書き込み電流IWの向きを、第2ビット線BL2から第1ビット線BL1へ向うようにする。そのとき、電流密度dIの絶対値はb<|dI|<cとする。これにより、まず、図11(a)よりMTJ1及びMTJ2のいずれにも磁化反転が起きる。すなわち、MTJ1及びMTJ2のいずれも反平行状態になる。次に、書き込み電流IWの向きを、第1ビット線BL1から第2ビット線BL2へ向うようにする。そのとき、電流密度dIの絶対値はa<|dI|<bとする。これにより、図11(a)よりMTJ2だけに更に磁化反転が起きる。以上の結果、MTJ1を反平行状態に、MTJ2を平行状態に書き込むことが出来る。この場合も、一つのデータの書き込みに2回書き込み電流を流さなければならないので、相対的に低速度となる。しかし、他の種類のメモリセルにおけるベリファイ動作をする場合と比較して書き込み時間は非常に短い。
次に、MTJ1のピン層15及び磁化反転領域13の磁化を反平行状態に、及びMTJ2のピン層15及び磁化反転領域13の磁化を反平行状態にそれぞれ書き込む場合、書き込み電流IWの向きを、第2ビット線BL2から第1ビット線BL1へ向うようにする。そのとき、電流密度dIの絶対値はb<|dI|<cとする。これにより、図11(a)よりMTJ1及びMTJ2のいずれにも磁化反転が起きる。すなわち、MTJ1及びMTJ2のいずれも反平行状態に書き込むことが出来る。
次に、MTJ1よりもMTJ2が磁化反転を起こし易くする方法について説明する。MTJ2の磁化反転を起こし易くするためには、MTJ2を流れる電流i2の電流密度di2が、MTJ1を流れる電流i1の電流密度di1よりも大きくなるように、MTJ2を形成すればよい。
MTJ1及びMTJ2の磁気記録層10の抵抗値をそれぞれr1及びr2とし、MTJ1及びMTJ2の磁気記録層10の長さをそれぞれL1及びL2とし、MTJ1及びMTJ2の磁気記録層10の厚さをそれぞれT1及びT2とし、MTJ1及びMTJ2の磁気記録層10の幅をそれぞれW1及びW2とする。この場合、
r1:r2=L1/(T1×W1):L2/(T2×W2) (1)
この(1)式より、
i1:i2=1/r1:1/r2
=(T1×W1)/L1:(T2×W2)/L2 (2)
この(2)式より、
di1:di2=i1/(T1×W1):i2/(T2×W2)
=1/L1:1/L2 (3)
となる。
式(3)より、di1<di2のためには、1/L1<1/L2とすればよいことになる。すなわち、MTJ1の磁気記録層10の長さL1を、MTJ2の磁気記録層10の長さL2よりも長くすれば良い。安定的な書き込み動作を行うためには、L1≧2L2にすることがより好ましい。
この方法は、磁気記録層10の長さを変更するだけなので、MTJ1及びMTJ2を同時に同じプロセスで形成することが出来る。すなわち、MTJ1とMTJ2とについて互いに異なる磁気記録層10を形成するにもかかわらず、プロセスの数が増加しないので、低コストで実現可能である。
次に、磁気メモリセルの構造として、磁気抵抗素子(MTJ)の磁気記録層10を直列接続した構造について説明する。
図12は、本発明の磁気メモリセルの第1の実施の形態の構成の他の一例を示す概略図である。この磁気メモリセル1は、各MTJ素子(磁壁移動型の磁気メモリセルおける磁気抵抗素子)の磁気記録層10が第1トランジスタTR1と第2トランジスタTR2との間に直列に接続されている点で、図10の場合と異なる。他の構成は、図10の場合と同一であるのでその説明を省略する。
書き込み電流IW1(電流密度dI)は、第1ビット線BL1及び第1トランジスタTR1を流れた後、その全部の電流IW1がMTJ1の磁気記録層10を電流密度di1の経路を流れ、その後に全部の電流IW1がMTJ2の磁気記録層10を電流密度di2で流れる。その後、第2トランジスタTR2及び第2ビット線BL2(電流密度dI)を流れる。書き込み電流IW2の場合はこの逆になる。
図11(a)〜図11(c)については、図10の場合と同様であるのでその説明を省略する。
次に、MTJ1よりもMTJ2が磁化反転を起こし易くする方法について説明する。MTJ2の磁化反転を起こし易くするためには、MTJ2を流れる書き込み電流IWの電流密度di2が、MTJ1を流れる書き込み電流IWの電流密度di1よりも大きくなるように、MTJ2を形成すればよい。
MTJ1及びMTJ2の磁気記録層10の厚さをそれぞれT1及びT2とし、MTJ1及びMTJ2の磁気記録層10の幅をそれぞれW1及びW2とする。この場合、
di1:di2=IW/(T1×W1):IW/(T2×W2)
=1/(T1×W1):1/(T2×W2) (4)
となる。
式(4)より、di1<di2のためには、1/(T1×W1)<1/(T2×W2)とすればよいことになる。すなわち、MTJ1の磁気記録層10の幅W1を、MTJ2の磁気記録層10の幅W2よりも広くすれば良い。安定的な書き込み動作を行うためには、W1≧2W2にすることがより好ましい。
この方法は、磁気記録層10の幅をを変更するだけなので、MTJ1及びMTJ2を同時に同じプロセスで形成することが出来る。すなわち、MTJ1とMTJ2とについて互いに異なる磁気記録層10を形成するにもかかわらず、プロセスの数が増加しないので、低コストで実現可能である。
また、式(4)より、di1<di2のためには、MTJ1の磁気記録層10の厚さT1を、MTJ2の磁気記録層10の厚さT2よりも厚くしても良い。安定的な書き込み動作を行うためには、T1≧2T2にすることがより好ましい。
この方法は、磁気記録層10の厚さ変更するだけなので、MTJ1及びMTJ2を同じ面積で形成することが出来る。すなわち、磁気記録層10の面積(幅×長さ)を大きくする必要がないので、磁気メモリセル面積の増加を抑えることが出来る。それにより、MRAMの半導体チップの大きさの増加を抑制することが出来る。
次に、本発明の磁気メモリセルの第1の実施の形態における磁気メモリセルの読み出し原理について説明する。
次に読み出し原理について説明する。
図13(a)は、本発明の磁気メモリセルの第1の実施の形態の構成の一例を示す回路図である。磁気メモリセル1のデータの読み出し動作では、読み出し電流は、第2ビット線BL2、第2トランジスタTR2、磁気抵抗素子R1(その磁気抵抗値もR1とする)、磁気抵抗素子R2(その磁気抵抗値もR2とする)、及び第2ワード線WL2を含む経路に沿って流れる。ここで、磁気抵抗素子R1はMTJ1及びMTJ2のいずれか一方であり、磁気抵抗素子R2はその他方である。このとき、読み出し電流は、第2ビット線BL2、第2トランジスタTR2、磁気抵抗素子R1及び磁気抵抗素子R2、第2ワード線WL2を含む経路となる。ここで、磁気抵抗素子R1及び磁気抵抗素子R2は、磁気記録層10(フリー層)からトンネルバリア層14を経由してピン層15へ向かう読み出し電流の経路において、並列接続されているとみなすことが出来る。これは、図10(磁気記録層10が並列)及び図12(磁気記録層10が直列)のいずれの場合も同様である。したがって、磁気メモリセルの読み出し方法については、図10及び図12に示す磁気メモリセル1に共通であるので、一つの図13で説明する。この図において、MTJ1及びMTJ2に相当する磁気抵抗素子R1及び磁気抵抗素子R2は、可変抵抗で表現されている。これらの磁気記録層10は、第1トランジスタTR1と第2トランジスタTR2とに接続され、ピン層15は、第2ワード線WL2に接続されている。
後述するように、多値のデータを磁気抵抗素子R1及び磁気抵抗素子R2に記憶させるために、磁気抵抗値R1と磁気抵抗値R2とが異なるように、かつ、各磁気抵抗素子のMR比が大きくなるように制御する必要がある。ここで、磁気抵抗値R1及び磁気抵抗値R2については、トンネルバリア層14及びピン層15の面積、又はトンネルバリア層14の特性(例示:膜厚、大きさ、材料、抵抗率)で決定することができる。される。したがって、上述のように書き込み用の電流制御のために磁気記録層10の大きさを変化させていても、それとは独立して、トンネルバリア層14及びピン層15の面積やトンネルバリア層14の特性により、各磁気抵抗値を制御することが出来る。
図13(b)は、本発明の磁気メモリセルの磁気抵抗素子群2に対する抵抗値の種類を示す表である。「R1磁化」及び「R2磁化」は、それぞれ磁気抵抗素子R1及び磁気抵抗素子R2のピン層15及びフリー層(磁気記録領域13)の磁化の向きを矢印で示している。「R1」及び「R2」は、それぞれ磁気抵抗素子R1及び磁気抵抗素子R2の磁気抵抗値(フリー層(磁気記録領域13)とピン層15との間の抵抗値)を示している。ここで、磁気抵抗素子R1の磁気抵抗値と磁気抵抗素子R2の磁気抵抗値との組み合わせで複数の合成磁気抵抗値を作るために、磁気抵抗素子R1の磁気抵抗値と磁気抵抗素子R2の磁気抵抗値とは異なるように形成されている。「(R1×R2)/(R1+R2)」は、磁気抵抗素子R1と磁気抵抗素子R2とが並列接続していると見たときの合成抵抗値を示している。
この表を参照して、磁気抵抗素子R1のピン層15及びフリー層(磁気記録領域13)の磁化を平行状態にしたとき、磁気抵抗値はR1=60kΩである。磁気抵抗素子R2のピン層15及びフリー層(磁気記録領域13)の磁化を平行状態にしたとき、磁気抵抗値はR2=30kΩである。磁気抵抗素子R1のピン層15及びフリー層(磁気記録領域13)の磁化を反平行状態にしたとき、磁気抵抗値はR1=150kΩである。磁気抵抗素子R2のピン層15及びフリー層(磁気記録領域13)の磁化を反平行状態にしたとき、磁気抵抗値はR2=75kΩである。したがって、磁気抵抗素子R1を平行状態にし、磁気抵抗素子R2を平行状態にしたとき、合成抵抗値は(R1×R2)/(R1+R2)=20kΩである。磁気抵抗素子R1を反平行状態にし、磁気抵抗素子R2を平行状態にしたとき、合成抵抗値は(R1×R2)/(R1+R2)=25kΩである。磁気抵抗素子R1を平行状態にし、磁気抵抗素子R2を反平行状態にしたとき、合成抵抗値は(R1×R2)/(R1+R2)=33kΩである。磁気抵抗素子R1を反平行状態にし、磁気抵抗素子R2を反平行状態にしたとき、合成抵抗値は(R1×R2)/(R1+R2)=50kΩである。
このように、二つの抵抗状態を有する磁気抵抗素子R1と磁気抵抗素子R2とを組み合わせることで、四つの抵抗状態を設定することが出来る。それにより、磁気抵抗素子R1と磁気抵抗素子R2とを有する磁気抵抗素子群2で、四つのデータを格納することが可能となる。すなわち、磁気メモリセル1の多値化が可能となる。
図13(c)は、本発明のMRAMにおける合成抵抗値と磁気メモリセルの分布との関係を示すグラフである。横軸は図13(b)の合成抵抗値(R1×R2)/(R1+R2)を示し、縦軸はMRAMにおける当該合成抵抗値を有する磁気メモリの分布を示す。本発明では、各磁気抵抗素子のMR比が150%あるため、二つのMTJを並列にした磁気抵抗素子群2の合成抵抗値を20kΩ〜50kΩの30kΩという広い範囲に設定することができる。それにより、磁気抵抗素子群2の磁気抵抗値(二つの磁気抵抗素子の合成抵抗値)として十分に離れた四つの値を設定することが可能となる。なお、各磁気抵抗素子のMR比を150%とするためには、例えば、トンネルバリア層14としてMgO膜、ピン層15としてCoFeBを少なくとも含む膜、フリー層(磁化反転領域13)としてCoFeBを少なくとも含む膜を用いることで実現可能である。
この例では、二つの抵抗状態を有する磁気抵抗素子R1と磁気抵抗素子R2とを組み合わせることで、四つの抵抗状態を実現している。しかし、本発明はこの例に限定されるものではない。例えば、一つの磁気メモリセルにおいて、二つの抵抗状態を有するn個(n>2)の磁気抵抗素子を組み合わせる(磁気記録層を並列又は直列に接続する)ことで、2個の抵抗状態を実現できる。すなわち、一つの磁気メモリセルで、2個のデータを格納することができる。
次に、MTJ1とMTJ2の磁気記録層10を並列接続した磁気メモリセル(図10)の実施例について、以下に説明する。
図14は、本発明の磁気メモリセルの第1の実施の形態の実施例の構成を示す断面図である。この図のMTJ1及びMTJ2の磁気記録層10は、並列接続されている。
シリコン基板21には、素子分離層22を挟んで第1トランジスタTR1及び第2トランジスタTR2が形成されている。第1トランジスタTR1及び第2トランジスタTR2には、共通のゲート電極として第1ワード線WL1が設けられている。第1トランジスタTR1における一方の拡散層23上には、ビア25−1、メタル31−1、及びビア26−1がその表面から略垂直上方へ伸びるように接続されている。ビア26−1上には、メタル32−1が接続されている。メタル32−1上には、MTJ1の磁気記録層10に接続されるビア27−1、及びMTJ2の磁気記録層10に接続されるビア27−2が接続されるている。一方、第2トランジスタTR2における一方の拡散層23上には、ビア25−2、メタル31−2、及びビア26−2がその表面から略垂直上方へ伸びるように接続されている。ビア26−2上には、メタル32−2が接続されている。メタル32−2上には、MTJ1の磁気記録層10に接続されるビア27−3、及びMTJ2の磁気記録層10に接続されるビア27−4が接続されるている。MTJ1(磁気記録層10、トンネルバリア層14及びピン層15)上にはビア28−1が設けられている。MTJ2(磁気記録層10、トンネルバリア層14及びピン層15)上にはビア28−2が設けられている(ただし、本図では、破線により同一のMTJ2及びビア28−2を左右両面から見た状態を示している)。ビア28−1及びビア28−2上には、共通の第2ワード線WL2が設けられている。第2ワード線WL2の上方には、第1ビット線BL1及び第2ビット線BL2が設けられている。
第1トランジスタTR1における他方の拡散層23上には、ビア25a−1、メタル31a−1、ビア26a−1、メタル32a−1、ビア27a−1、ビア28a−1(破線で表示)、メタル33a−1及びビア29a−1(破線で表示)がその表面から略垂直上方へ伸びるように接続されている。ビア29a−1上には第1ビット線BL1が接続されている。ただし、メタル33a−1は第2ワード線WL2の陰にあり、ビア27a−1、メタル32a−1、ビア26a−1、メタル31a−1及びビア25a−1はそれぞれビア27−1、メタル32−1、ビア26−1、メタル31−1及びビア25−1の陰にあり、図示されない。同様に、第2トランジスタTR2における他方の拡散層23上には、ビア25a−2、メタル31a−2、ビア26a−2、メタル32a−2、ビア27a−2、ビア28a−2(破線で表示)、メタル33a−2及びビア29a−2(破線で表示)がその表面から略垂直上方へ伸びるように接続されている。ビア29a−2上には第2ビット線BL2が接続されている。ただし、メタル33a−2は第2ワード線WL2の陰にあり、ビア27a−3、メタル32a−2、ビア26a−2、メタル31a−2及びビア25a−2はそれぞれビア27−2、メタル32−2、ビア26−2、メタル31−2及びビア25−2の陰にあり、図示されない。
本図を参照して、書き込み電流IW1の経路(図中矢印で表示)について説明する。書き込み電流IW1は、まず、第1ビット線BL1から、ビア29a−1、メタル33a−1、ビア28a−1、ビア27a−1、メタル32a−1、ビア26a−1、メタル31a−1及びビア25a−1を経由して、第1トランジスタTR1の他方の拡散層23に供給される。その後、書き込み電流IW1は、一方の拡散層23、ビア25−1、メタル31−1及びビア26−1を経由してメタル32−1に達し、ビア27−1及びビア27−2に分岐する。ビア27−1に分岐した書き込み電流IW1は、MTJ1の磁気記録層10を通り、反対側に有るもう一つのビア27−3を経由してメタル32−2に達する。一方、ビア27−2に分岐した書き込み電流IW1は、MTJ2の磁気記録層10を通り、反対側に有るもう一つのビア27−4を経由してメタル32−2に達する。メタル32−2で合流した書き込み電流IW1は、ビア26−2、メタル31−2及びビア25−2を経由して第2トランジスタTR2の一方の拡散層23に供給される。その後、書き込み電流IW1は、他方の拡散層23、ビア25a−2、メタル31a−2、ビア26a−2、メタル32a−2、ビア27a−2、ビア28a−2、メタル33a−2及びビア29a−2を経由して、第2ビット線BL2に供給される。ただし、書き込み電流IW2の場合にはこの逆になる。
図15(a)及び図15(b)は、図14における(A)及び(B)の位置での上面図である。ここで、図14は、図15(a)及び図15(b)におけるCC’断面を示している。図15(a)を参照して、第1トランジスタTR1は、二つの拡散層23とその両者の間に設けられたゲート電極としての第1ワード線WL1を備える。同様に、第2トランジスタTR2は、二つの拡散層23とその両者の間に設けられたゲート電極としての第1ワード線WL1を備える。一つの磁気メモリセル1は、第1ワード線WL1が共通になるように、一組の第1トランジスタTR1及び第2トランジスタTR2を有している。第1トランジスタTR1における第1ビット線BL1に接続される拡散層23(ビア25a−1及びメタル31a−1が接続)は、隣り合う第1トランジスタTR1同士で共有されている。同様に、第2トランジスタTR2における第2ビット線BL2に接続される拡散層23(ビア25a−2及びメタル31a−2が接続)は、隣り合う第2トランジスタTR2同士で共有されている。
図15(b)を参照して、一つの磁気メモリセル1は、磁気記録層10の長さ(書き込み電流の経路:L1)が相対的に長いMTJ1と、磁気記録層10の長さ(L2)が相対的に短いMTJ2とを備える。すなわち、磁気メモリセル1は、二つの磁気抵抗素子1a(図3〜図8)の磁気記録層10を並列接続した図10の磁気メモリセル1の構造を有する。そして、図11において説明したように、電流密度をdi1<di2とするために、MTJ1の磁気記録層10の長さL1(ビア27−1からビア27−3まで)を、MTJ2の磁気記録層10の長さL2(ビア27−2からビア27−4まで)よりも長くしている。書き込み電流は、その一部が、ビア27−1から磁気記録層10(MTJ1)に供給され、略コの字型(略U字型、略凹型)の磁気記録層10(MTJ1)を通過し、ビア27−3から送出される。同様に、書き込み電流は、その残りが、ビア27−2から磁気記録層10(MTJ2)に供給され、略コの字型(略U字型、略凹型)の磁気記録層10(MTJ2)を通過し、ビア27−4から送出される。又は、その逆に流れる。なお、図中の矢印は、磁気記録層10の磁化の向きを示している。
図16(a)及び図16(b)は、図14における(C)及び(D)の位置での上面図である。図16(a)を参照して、MTJ1の磁気記録層10上に、トンネルバリア層14(図示されず)を介してピン層15(MTJ1)が設けられている。同様に、MTJ2の磁気記録層10上に、トンネルバリア層14(図示されず)を介してピン層15(MTJ2)が設けられている。MTJ1とMTJ2とは、図13(b)で説明したように、MTJ1の磁気抵抗値とMTJ2の磁気抵抗値とが異なるように形成される必要がある。そのため、ここでは、MTJ1とMTJ2とにおけるトンネルバリア層14及びピン層15の面積を相違させることで、両磁気抵抗値を相違させている。すなわち、MTJ1のトンネルバリア層14及びピン層15の面積を小さくして磁気抵抗値を大きくすることで、MTJ1は図13(a)及び図13(b)におけるR2となる。一方、MTJ2のトンネルバリア層14及びピン層15の面積を大きくして磁気抵抗値を小さくすることで、MTJ2は図13(a)及び図13(b)におけるR1となる。MTJ1及びMTJ2のピン層15は、それぞれビア28−1及びビア28−2を介して共通の第2ワード線WL2に接続されている。
図16(b)を参照して、第1ビット線BL1は、ビア29a−1を介して、その下のメタル33a−1、ビア28a−1、ビア27a−1、メタル32a−1(、ビア26a−1)、メタル31a−1、ビア25a−1、及び第1トランジスタTR1の拡散層23に接続されている。同様に、第2ビット線BL2は、ビア29a−2を介して、その下のメタル33a−2、ビア28a−2、ビア27a−2、メタル32a−2(、ビア26a−2)、メタル31a−2、ビア25a−2及び第2トランジスタTR2の拡散層23に接続されている。
このように、磁気メモリセルを図9〜図11、図13〜図16に示す構成にすることにより、二つのトランジスタで磁気抵抗素子を選択するので、MRAMにおけるメモリセルの選択性を向上させ、書き込みディスターブを大幅に抑制することが出来る。加えて、一つの磁気メモリセルで多値のデータを記憶することが出来るので、MRAMの高集積化を促進することが可能となる。更に、書き込み電流は電流密度で制御するため、MRAMにおけるメモリセルのサイズの縮小に伴い書き込み電流を低減することが可能となる。
図17及び図18は、本発明の磁気メモリセルの第1の実施の形態の他の実施例の構成を示す上面図である。これらの図のMTJ1及びMTJ2の磁気記録層10は、並列接続されている。ただし、MTJ1の磁気記録層10とMTJ2の磁気記録層10とが、接続している点で、図15及び図16と異なる。
図17(a)及び図17(b)は、図14における(A)及び(B)に対応する位置での上面図である。図17(a)については、図15(a)と同様であるのでその説明を省略する。
図17(b)を参照して、図15(b)と比較して、MTJ1及びMTJ2の磁気記録層10の並列接続を維持しつつ、MTJ1の磁気記録層10とMTJ2の磁気記録層10とが、そのままの向きで接続されている。これにより、図15及び図16の場合と比較して、磁気メモリセル1の面積を小さくすることが出来る。他の構成については、図15(b)と同様であるのでその説明を省略する。
図18(a)及び図18(b)は、図14における(C)及び(D)に対応する位置での上面図である。図18(a)を参照して、第2ワード線WL2は、MTJ1とMTJ2と略等距離の位置に設けられている。他の構成については、図16(a)と同様であるのでその説明を省略する。
図18(b)については、図16(b)と同様であるのでその説明を省略する。
このように、磁気メモリセルを図9〜図11、図13、図17〜図18に示す構成にすることにより、図14〜図16の場合と同様の効果を得ることができる。加えて、MTJ1及びMTJ2の磁気記録層10を接続することで、磁気メモリセル1の面積を更に小さくすることができ、MRAMの高集積化をより促進することが可能となる。
図19及び図20は、本発明の磁気メモリセルの第1の実施の形態の更に他の実施例の構成を示す上面図である。これらの図のMTJ1及びMTJ2の磁気記録層10は、並列接続されている。ただし、MTJ1の磁気記録層10とMTJ2の磁気記録層10とが、接続されている点で、図15及び図16と異なる。
図19(a)及び図19(b)は、図14における(A)及び(B)に対応する位置での上面図である。図19(a)については、図15(a)と同様であるのでその説明を省略する。
図19(b)を参照して、図15(b)と比較して、MTJ1及びMTJ2の磁気記録層10の並列接続を維持しつつ、MTJ1の磁気記録層10とMTJ2の磁気記録層10とが、向かい合わせに接続されている。これにより、図15及び図16の場合と比較して、磁気メモリセル1の面積を小さくすることが出来る。加えて、MTJ1とMTJ2の位置が逆になっている。更に、ビア27−1とビア27−2とを共通にして一つのビア27−1とし、ビア27−3とビア27−4とを共通にして一つのビア27−3としている。これにより、ビアの数を減少させて磁気メモリセル1の構造をより簡単にしてその歩留まりを向上させることが出来る。他の構成については、図15(b)と同様であるのでその説明を省略する。
図20(a)及び図20(b)は、図14における(C)及び(D)に対応する位置での上面図である。図20(a)を参照して、第2ワード線WL2は、MTJ1とMTJ2と略等距離の位置に設けられている。他の構成については、図16(a)と同様であるのでその説明を省略する。
図20(b)については、図16(b)と同様であるのでその説明を省略する。
このように、磁気メモリセルを図10、図11、図13、図19〜図20に示す構成にすることにより、図14〜図16の場合と同様の効果を得ることができる。加えて、MTJ1及びMTJ2の磁気記録層10を接続することで、磁気メモリセル1の面積を更に小さくすることができ、MRAMの高集積化をより促進することが可能となる。更に、ビアの数を減少させて磁気メモリセルの構造をより簡単にしてその歩留まりを向上させることが出来る。
次に、MTJ1とMTJ2の磁気記録層10を直列接続した磁気メモリセル(図12)の実施例について、以下に説明する。
図21は、本発明の磁気メモリセルの第1の実施の形態の別の実施例の構成を示す断面図である。この図のMTJ1及びMTJ2の磁気記録層10は、直列接続されている。
シリコン基板21には、素子分離層22を挟んで第1トランジスタTR1及び第2トランジスタTR2が形成されている。第1トランジスタTR1及び第2トランジスタTR2には、共通のゲート電極として第1ワード線WL1が設けられている。第1トランジスタTR1の一方の拡散層23上には、ビア25−1、メタル31−1、ビア26−1、メタル32−1及びビア27−1がその表面から略垂直上方へ伸びるように接続されている。ビア27−1上には、MTJ1の磁気記録層10が接続されている。MTJ1(磁気記録層10、トンネルバリア層14及びピン層15)上にはビア28−1が設けられている。一方、第2トランジスタTR2の一方の拡散層23上には、ビア25−2、メタル31−2、ビア26−2、メタル32−3及びビア27−4がその表面から上方へ伸びるように接続されている。ビア27−4上には、MTJ2の磁気記録層10が接続されている。MTJ2(磁気記録層10、トンネルバリア層14及びピン層15)上にはビア28−2が設けられている。ビア28−1及びビア28−2上には、共通の第2ワード線WL2が設けられている。MTJ1の磁気記録層10において、ピン層15に対してビア27−1と反対の位置にもう一つのビア27−3が下向きに設けられている。同様に、MTJ2の磁気記録層10において、ピン層15に対してビア27−4と反対の位置にもう一つのビア27−2が下向きに設けられている。ビア27−3及びビア27−3は、メタル32−2で接続されている。
第1トランジスタTR1における他方の拡散層23上には、ビア25a−1、メタル31a−1、ビア26a−1、メタル32a−1、ビア27a−1(破線で表示)、ビア28a−1(破線で表示)、メタル33a−1及びビア29a−1(破線で表示)がその表面から略垂直上方へ伸びるように接続されている。ビア29a−1上には第1ビット線BL1が接続されている。ただし、メタル33a−1は第2ワード線WL2の陰にあり、メタル32a−1、ビア26a−1、メタル31a−1及びビア25a−1はそれぞれメタル32−1、ビア26−1、メタル31−1及びビア25−1の陰にあり、図示されない。同様に、第2トランジスタTR2における他方の拡散層23上には、ビア25a−2、メタル31a−2、ビア26a−2(破線で表示)、メタル32a−2、ビア27a−2(破線で表示)、ビア28a−2(破線で表示)、メタル33a−2及びビア29a−2(破線で表示)がその表面から略垂直上方へ伸びるように接続されている。ビア29a−2上には第2ビット線BL2が接続されている。ただし、メタル33a−2は第2ワード線WL2の陰にあり、メタル32a−2、メタル31a−2及びビア25a−2はそれぞれメタル32−2、メタル31−2及びビア25−2の陰にあり、図示されない。
本図を参照して、書き込み電流IW1の経路(図中矢印で表示)について説明する。書き込み電流IW1は、まず、第1ビット線BL1から、ビア29a−1、メタル33a−1、ビア28a−1、ビア27a−1、メタル32a−1、ビア26a−1、メタル31a−1、及びビア25a−1を経由して、第1トランジスタTR1の他方の拡散層23に供給される。その後、書き込み電流IW1は、一方の拡散層23、ビア25−1、メタル31−1、ビア26−1、メタル32−1及びビア27−1を経由して、MTJ1の磁気記録層10に達する。その後、書き込み電流IW1は、MTJ1の磁気記録層10を通り、ビア27−3、メタル32−2及びビア27−2を経由して、MTJ2の磁気記録層10に達する。その後、書き込み電流IW1は、MTJ2の磁気記録層10を通り、ビア27−3、メタル32−3、ビア26−2、メタル31−2及びビア25−2を経由して第2トランジスタTR2の一方の拡散層23に供給される。その後、書き込み電流IW1は、他方の拡散層23、ビア25a−2、メタル31a−2、ビア26a−2、メタル32a−2、ビア27a−2、ビア28a−2、メタル33a−2及びビア29a−2を経由して、第2ビット線BL2に供給される。ただし、書き込み電流IW2の場合にはこの逆になる。
図22(a)及び図22(b)は、図21における(A)及び(B)の位置での上面図である。ここで、図21は、図22(a)におけるDD’断面を示している。
図22(a)を参照して、第1トランジスタTR1は、二つの拡散層23とその両者の間に設けられたゲート電極としての第1ワード線WL1を備える。同様に、第2トランジスタTR2は、二つの拡散層23とその両者の間に設けられたゲート電極としての第1ワード線WL1を備える。一つの磁気メモリセル1は、第1ワード線WL1が共通になるように、一組の第1トランジスタTR1及び第2トランジスタTR2を有している。第1トランジスタTR1における第1ビット線BL1に接続される拡散層23(ビア25a−1及びメタル31a−1が接続)は、隣り合う第1トランジスタTR1同士で共有されている。同様に、第2トランジスタTR2における第2ビット線BL2に接続される拡散層23(ビア25a−2及びメタル31a−2が接続)は、隣り合う第2トランジスタTR2同士で共有されている。
図22(b)を参照して、一つの磁気メモリセル1は、磁気記録層10の幅(書き込み電流の経路の幅:W1)が相対的に広いMTJ1と、磁気記録層10の幅(W2)が相対的に狭いMTJ2とを備える。すなわち、磁気メモリセル1は、二つの磁気抵抗素子1a(図3〜図8)の磁気記録層10を直列接続した図12の磁気メモリセル1の構造を有する。そして、図12において説明したように、電流密度をdi1<di2とするために、MTJ1の磁気記録層10の幅W1(磁化反転領域13)を、MTJ2の磁気記録層10の幅W2(磁化反転領域13)よりも広くしている。書き込み電流は、ビア27−1から磁気記録層10(MTJ1)に供給され、略コの字型(略U字型、略凹型)の磁気記録層10(MTJ1)を通過し、ビア27−3からメタル32−2へ送出される。その後、メタル32−3を経由してビア27−2から磁気記録層10(MTJ2)に供給され、略コの字型(略U字型、略凹型)の磁気記録層10(MTJ2)を通過し、ビア27−4から送出される。又は、その逆に流れる。なお、図中の矢印は、磁気記録層10の磁化の向きを示している。
図23(a)及び図23(b)は、図21における(C)及び(D)の位置での上面図である。図23(a)を参照して、MTJ1の磁気記録層10上に、トンネルバリア層14(図示されず)を介してピン層15(MTJ1)が設けられている。同様に、MTJ2の磁気記録層10上に、トンネルバリア層14(図示されず)を介してピン層15(MTJ2)が設けられている。MTJ1とMTJ2とは、図13(b)で説明したように、MTJ1の磁気抵抗値とMTJ2の磁気抵抗値とが異なるように形成される必要がある。そのため、ここでは、MTJ1とMTJ2とにおけるトンネルバリア層14及びピン層15の面積を相違させることで、両磁気抵抗値を相違させている。すなわち、MTJ1のトンネルバリア層14及びピン層15の面積を大きくして磁気抵抗値を小さくすることで、MTJ1は図13(a)及び図13(b)におけるR1となる。一方、MTJ2のトンネルバリア層14及びピン層15の面積を小さくして磁気抵抗値を大きくすることで、MTJ2は図13(a)及び図13(b)におけるR2となる。MTJ1及びMTJ2のピン層15は、それぞれビア28−1及びビア28−2を介して共通の第2ワード線WL2に接続されている。
図23(b)を参照して、第1ビット線BL1は、ビア29a−1を介して、その下のメタル33a−1、ビア28a−1、ビア27a−1、メタル32a−1(、ビア26a−1)、メタル31a−1、ビア25a−1及び第1トランジスタTR1の拡散層23に接続されている。同様に、第2ビット線BL2は、ビア29a−2を介して、その下のメタル33a−2、ビア28a−2、ビア27a−2、メタル32a−2(、ビア26a−2)、メタル31a−2、ビア25a−2及び第2トランジスタTR2の拡散層23に接続されている。
このように、磁気メモリセルを図9〜図10、図12、図13、図21〜図23に示す構成にすることにより、二つのトランジスタで磁気抵抗素子を選択するので、MRAMにおけるメモリセルの選択性を向上させ、書き込みディスターブを大幅に抑制することが出来る。加えて、一つの磁気メモリセルで多値のデータを記憶することが出来るので、MRAMの高集積化を促進することが可能となる。更に、書き込み電流は電流密度で制御するため、MRAMにおけるメモリセルのサイズの縮小に伴い書き込み電流を低減することが可能となる。
図24及び図25は、本発明の磁気メモリセルの第1の実施の形態の更に別の実施例の構成を示す上面図である。これらの図のMTJ1及びMTJ2の磁気記録層10は、直列接続されている。ただし、MTJ1の磁気記録層10とMTJ2の磁気記録層10とが、接続している点で、図22及び図23と異なる。
図24(a)及び図24(b)は、図21における(A)及び(B)に対応する位置での上面図である。図24(a)については、図22(a)と同様であるのでその説明を省略する。
図24(b)を参照して、図22(b)と比較して、MTJ1及びMTJ2の磁気記録層10の直列接続を維持しつつ、MTJ1の磁気記録層10とMTJ2の磁気記録層10とが接続され、第2磁化固定領域12を共通化している。これにより、図22及び図23の場合と比較して、メタル32−2やビア27−2、ビア27−3を削除することが出来る。それにより、磁気メモリセル1の構造をより簡単にしてその歩留まりを向上させることが出来る。他の構成については、図22(b)と同様であるのでその説明を省略する。
図25(a)及び図25(b)は、図21における(C)及び(D)に対応する位置での上面図である。図18(a)を参照して、第2ワード線WL2は、MTJ1とMTJ2と略等距離の位置に設けられている。他の構成については、図23(a)と同様であるのでその説明を省略する。
図25(b)については、図23(b)と同様であるのでその説明を省略する。磁気メモリセルを図9図12、図13、図21〜図23
このように、磁気メモリセルを図9〜図10、図12、図13、図24、図25に示す構成にすることにより、図21〜図23の場合と同様の効果を得ることができる。加えて、MTJ1及びMTJ2の磁気記録層10を接続することで、ビアやメタルの数を減少させて磁気メモリセルの構造をより簡単にしてその歩留まりを向上させることが出来る。
図26及び図27は、本発明の磁気メモリセルの第1の実施の形態の更なる実施例の構成を示す上面図である。これらの図のMTJ1及びMTJ2の磁気記録層10は、直列接続されている。ただし、MTJ1の磁気記録層10とMTJ2の磁気記録層10とが、向かい合わせに接続されている点で、図22及び図23と異なる。
図26(a)及び図26(b)は、図21における(A)及び(B)に対応する位置での上面図である。図26(a)については、図22(a)と同様であるのでその説明を省略する。
図26(b)を参照して、図22(b)と比較して、MTJ1及びMTJ2の磁気記録層10の直列接続を維持しつつ、MTJ1の磁気記録層10とMTJ2の磁気記録層10とが向かい合わせに接続され、第2磁化固定領域12を共通化している。これにより、図22及び図23の場合と比較して、メタル32−2やビア27−2、ビア27−3を削除することが出来る。それにより、磁気メモリセル1の構造をより簡単にしてその歩留まりを向上させることが出来る。他の構成については、図22(b)と同様であるのでその説明を省略する。
図27(a)及び図27(b)は、図21における(C)及び(D)に対応する位置での上面図である。図27(a)を参照して、第2ワード線WL2は、MTJ1とMTJ2と略等距離の位置に設けられている。他の構成については、図23(a)と同様であるのでその説明を省略する。
図27(b)については、図23(b)と同様であるのでその説明を省略する。
このように磁気メモリセルを図9〜図10、図12、図13、図26、図27に示す構成にすることにより、図21〜図23の場合と同様の効果を得ることができる。加えて、MTJ1及びMTJ2の磁気記録層10を接続することで、ビアやメタルの数を減少させて磁気メモリセルの構造をより簡単にしてその歩留まりを向上させることが出来る。
(第2の実施の形態)
第2の実施の形態では、磁壁移動型の磁気メモリセルではなく、図1に示す磁気抵抗素子107ような磁気抵抗素子を用いる点で、第1の実施の形態と異なる。
本発明のMRAMの第2の実施の形態の構成について説明する。図9は、本発明のMRAMの第2の実施の形態の構成の一例を示すブロック図である。この構成については、第1の実施の形態と同様であるのでその説明を省略する。
次に、本発明の磁気メモリセルの第2の実施の形態における磁気メモリセルの構造及び書き込み及び読み出しの原理について説明する。
まず、磁気メモリセルの構造として、磁気抵抗素子(MTJ)の下部に設けられる導電体層62(後述)を並列接続した構造について説明する。
図28は、本発明の磁気メモリセルの第2の実施の形態の構成の一例を示す概略図である。磁気メモリセル1は、磁気抵抗素子群2と第1トランジスタTR1と第2トランジスタTR2とを備える。磁気抵抗素子群2は、二つの磁気抵抗素子(MTJ素子)であるMTJ1とMTJ2とを含んでいる。MTJ1及びMTJ2の各々は、導電体層62上に、フリー層63、トンネルバリア層64及びピン層65がこの順に設けられている。各MTJ素子の導電体層62は、第1トランジスタTR1と第2トランジスタTR2との間に並列に接続されている。各MTJ素子のピン層65は、第2ワード線WL2に接続されている。
書き込み電流IW1は、第1ビット線BL1及び第1トランジスタTR1を流れた後、その一部の電流i1がMTJ1の導電体層62の経路を流れ、残りのi2がMTJ2の導電体層62の経路を流れる。その後、合流して、第2トランジスタTR2及び第2ビット線BL2を流れる。書き込み電流IW2の場合はこの逆になる。
次に書き込み原理について説明する。
図29(a)は、各MTJの導電体層に流れる電流の大きさとフリー層の磁化反転の有無を示す表である。MTJ1及びMTJ2は、この表の示す特性を有するように設計される。すなわち、磁気抵抗素子群2に流れる電流Iが、0≦I<aの場合、各MTJ近傍に発生する磁界Hは0≦H<Aとなり、MTJ1及びMTJ2のいずれについてもフリー層の磁化反転は起こらない。a≦I<bの場合、磁界HはA≦H<Bとなり、MTJ2だけ磁化反転が起きる。すなわち、MTJ2の方が磁化反転を起こしやすいように設定する。b≦I<cの場合、磁界HはB≦H<Cとなり、MTJ1及びMTJ2のいずれについても磁化反転は起こる。c≦Iの場合、磁界HはC≦Hとなり、MTJ1及びMTJ2が誤動作する。
次に、図29(a)に示すような特性を有する磁気抵抗素子群2(MTJ1及びMTJ2)に対する書き込み方法について説明する。図29(b)は、磁気抵抗素子群2に対する書き込み方法を示す表である。「MTJ1磁化」及び「MTJ2磁化」は、それぞれMTJ1及びMTJ2のピン層65及びフリー層63の磁化の向きを矢印で示している。「書き込み電流方向」は、磁気抵抗素子群2を流れる書き込み電流IWの向きを示している。「書き込み電流の絶対値」は、導電体層62に流れる書き込み電流の絶対値を示している。
この表を参照して、MTJ1のピン層15及びフリー層63の磁化を平行状態に、及びMTJ2のピン層15及びフリー層63の磁化を平行状態にそれぞれ書き込む場合、書き込み電流IWの向きを、第1ビット線BL1から第2ビット線BL2へ向うようにする。そのとき、電流の絶対値はb<|I|<cとする。これにより、図29(a)よりMTJ1及びMTJ2のいずれにも磁化反転が起きる。すなわち、MTJ1及びMTJ2のいずれも平行状態に書き込むことが出来る。
次に、MTJ1のピン層15及びフリー層63の磁化を平行状態に、及びMTJ2のピン層15及びフリー層63の磁化を反平行状態にそれぞれ書き込む場合、まず、書き込み電流IWの向きを、第1ビット線BL1から第2ビット線BL2へ向うようにする。そのとき、電流の絶対値はb<|I|<cとする。これにより、まず、図11(a)よりMTJ1及びMTJ2のいずれにも磁化反転が起きる。すなわち、MTJ1及びMTJ2のいずれも平行状態になる。次に、書き込み電流IWの向きを、第2ビット線BL2から第1ビット線BL1へ向うようにする。そのとき、電流の絶対値はa<|I|<bとする。これにより、図11(a)よりMTJ2だけに更に磁化反転が起きる。以上の結果、MTJ1を平行状態に、MTJ2を反平行状態に書き込むことが出来る。図11(c)は、この書き込み動作における電流の時間変化を示すグラフである。最初に電流をb<(+I)<cとし、その後に電流を(−b)<(−I)<(−a)としている。これにより、MTJ1を平行状態に、MTJ2を反平行状態に書き込むことが出来る。この場合、一つのデータの書き込みに2回書き込み電流を流さなければならないので、相対的に低速度となる。しかし、他の種類のメモリセルにおけるベリファイ動作をする場合と比較して書き込み時間は十分に短い。
次に、MTJ1のピン層15及びフリー層63の磁化を反平行状態に、及びMTJ2のピン層15及びフリー層63の磁化を平行状態にそれぞれ書き込む場合、まず、書き込み電流IWの向きを、第2ビット線BL2から第1ビット線BL1へ向うようにする。そのとき、電流の絶対値はb<|I|<cとする。これにより、まず、図11(a)よりMTJ1及びMTJ2のいずれにも磁化反転が起きる。すなわち、MTJ1及びMTJ2のいずれも反平行状態になる。次に、書き込み電流IWの向きを、第1ビット線BL1から第2ビット線BL2へ向うようにする。そのとき、電流の絶対値はa<|I|<bとする。これにより、図11(a)よりMTJ2だけに更に磁化反転が起きる。以上の結果、MTJ1を反平行状態に、MTJ2を平行状態に書き込むことが出来る。この場合も、一つのデータの書き込みに2回書き込み電流を流さなければならないので、相対的に低速度となる。しかし、他の種類のメモリセルにおけるベリファイ動作をする場合と比較して書き込み時間は十分に短い。
次に、MTJ1のピン層15及びフリー層63の磁化を反平行状態に、及びMTJ2のピン層15及びフリー層63の磁化を反平行状態にそれぞれ書き込む場合、書き込み電流IWの向きを、第2ビット線BL2から第1ビット線BL1へ向うようにする。そのとき、電流の絶対値はb<|I|<cとする。これにより、図11(a)よりMTJ1及びMTJ2のいずれにも磁化反転が起きる。すなわち、MTJ1及びMTJ2のいずれも反平行状態に書き込むことが出来る。
次に、MTJ1よりもMTJ2が磁化反転を起こし易くする方法について説明する。MTJ2の磁化反転を起こし易くするためには、MTJ2の近傍に発生する磁界Hを、MTJ1の近傍に発生する磁界Hよりも大きくなるようにすれば良い。すなわち、MTJ2の導電体層62に流れる電流i2が、MTJ1の導電体層62に流れる電流i1よりも大きくなるように、MTJ2の導電体層62を形成すればよい。
MTJ1及びMTJ2の導電体層62の抵抗値をそれぞれr1及びr2とし、MTJ1及びMTJ2の導電体層62の長さをそれぞれL1及びL2とし、MTJ1及びMTJ2の導電体層62の厚さをそれぞれT1及びT2とし、MTJ1及びMTJ2の導電体層62の幅をそれぞれW1及びW2とする。この場合、
r1:r2=L1/(T1×W1):L2/(T2×W2) (5)
この(5)式より、
i1:i2=1/r1:1/r2
=(T1×W1)/L1:(T2×W2)/L2 (6)
となる。
式(6)より、i1<i2のためには、1/L1<1/L2とすればよい。すなわち、MTJ1の導電体層62の長さL1を、MTJ2の導電体層62の長さL2よりも長くすれば良い。安定的な書き込み動作を行うためには、L1≧2L2にすることがより好ましい。
又は、(T1×W1)<(T2×W2)、したがって、W1<W2としてもよい。すなわち、MTJ1の導電体層62の幅W1を、MTJ2の導電体層62の幅W2よりも狭くすれば良い。安定的な書き込み動作を行うためには、2W1≦W2にすることがより好ましい。
これら二つの方法は、導電体層62の長さ又は幅を変更するだけなので、MTJ1及びMTJ2を同時に同じプロセスで形成することが出来る。すなわち、MTJ1とMTJ2とについて互いに異なる導電体層62を形成するにもかかわらず、プロセスの数が増加しないので、低コストで実現可能である。
又は、(T1×W1)<(T2×W2)、したがって、T1<T2としてもよい。すなわち、MTJ1の導電体層62の厚さT1を、MTJ2の導電体層62の厚さT2よりも薄くすれば良い。安定的な書き込み動作を行うためには、2T1≦T2にすることがより好ましい。
この方法は、導電体層62の厚さ変更するだけなので、MTJ1及びMTJ2を同じ面積で形成することが出来る。すなわち、導電体層62の面積(幅×長さ)を大きくする必要がないので、磁気メモリセル面積の増加を抑えることが出来る。それにより、MRAMの半導体チップの大きさの増加を抑制することが出来る。
次に、磁気メモリセルの構造として、磁気抵抗素子(MTJ)の導電体層62を直列接続した構造について説明する。
図30は、本発明の磁気メモリセルの第2の実施の形態の構成の他の一例を示す概略図である。この磁気メモリセル1は、各MTJ素子の導電体層62が第1トランジスタTR1と第2トランジスタTR2との間に直列に接続されている点で、図28の場合と異なる。他の構成は、図28の場合と同一であるのでその説明を省略する。
書き込み電流IW1は、第1ビット線BL1及び第1トランジスタTR1を流れた後、その全部の電流IW1がMTJ1の導電体層62の経路を流れ、その後に全部の電流IW1がMTJ2の導電体層62の経路を流れる。その後、第2トランジスタTR2及び第2ビット線BL2を流れる。書き込み電流IW2の場合はこの逆になる。
図29(a)〜図29(c)については、図28の場合と同様であるのでその説明を省略する。
次に、MTJ1よりもMTJ2が磁化反転を起こし易くする方法について説明する。MTJ2の磁化反転を起こし易くするためには、同一の書き込み電流に対する磁化反転のしやすさを変更すればよい。一般にフリー層を楕円形状と考えたとき、短軸Yに対する長軸Xの比(X/Y)であるアスペクト比が大きくなるほど、フリー層63の磁化反転に必要な書き込み電流値が大きくなることが知られている。したがって、MTJ2のアスペクト比をMTJ1のアスペクト比よりも小さくすれば、MTJ2のフリー層63を磁化反転する書き込み電流値を相対的に小さくできるので、MTJ2の磁化反転を磁化反転を起こし易くすることが出来る。すなわち、MTJ2のアスペクト比をMTJ1のアスペクト比よりも小さくするように、MTJ1とMTJ2のフリー層63の平面形状を設定すれば良い。
この方法は、フリー層63の形状を変更するだけなので、MTJ1及びMTJ2を同時に同じプロセスで形成することが出来る。すなわち、MTJ1とMTJ2とについて互いに異なるフリー層63を形成するにもかかわらず、プロセスの数が増加しないので、低コストで実現可能である。
次に読み出し原理について説明する。
次に、本発明の磁気メモリセルの第2の実施の形態における磁気メモリセルの読み出し原理については、磁気抵抗素子R1及び磁気抵抗素子R2が導電体層62上に設けられフリー層63、トンネルバリア層64及びピン層65を有していること、書き込み電流が導電体層62を流れること、導電体層62が第1トランジスタTR1と第2トランジスタTR2とに接続されていることのほかは、第1の実施の形態(図13(a)〜図13(c))と同様であるのでその説明を省略する。
次に、MTJ1とMTJ2の導電体層62を直列接続した磁気メモリセル(図30)の実施例について、以下に説明する。
図31は、本発明の磁気メモリセルの第2の実施の形態の実施例の構成を示す断面図である。この図のMTJ1及びMTJ2の導電体層62は、直列接続されている。
シリコン基板71には、素子分離層72を挟んで第1トランジスタTR1及び第2トランジスタTR2が形成されている。第1トランジスタTR1及び第2トランジスタTR2には、共通のゲート電極として第1ワード線WL1が設けられている。第1トランジスタTR1の一方の拡散層73上には、ビア75−1、メタル81−1、ビア76−1、メタル82−1及びビア77−1がその表面から上方へ伸びるように接続されている。ビア77−1上には、MTJ1の導電体層62が接続されている。MTJ1(フリー層63、非磁性層64及びピン層65)上にはビア78−1が設けられている。一方、第2トランジスタTR2の一方の拡散層73上には、ビア75−2、メタル81−2、ビア76−2、メタル82−2及びビア77−7がその表面から上方へ伸びるように接続されている。ビア77−2上には、MTJ2の導電体層62が接続されている。MTJ2(フリー層63、非磁性層64及びピン層65)上にはビア78−2が設けられている。ビア78−1及びビア78−2上には、共通の第2ワード線WL2が設けられている。MTJ1の導電体層62とMTJ2の導電体層62とは一体である。
第1トランジスタTR1における他方の拡散層73上には、ビア75a−1、メタル81a−1、ビア76a−1、メタル82a−1、ビア77a−1、メタル83a−1及びビア79a−1がその表面から略垂直上方へ伸びるように接続されている。ビア79a−1上には第1ビット線BL1が接続されている。同様に、第2トランジスタTR2における他方の拡散層73上には、ビア75a−2、メタル81a−2、ビア76a−2(破線で表示)、メタル82a−2、ビア77a−2、メタル83a−2及びビア79a−2がその表面から上方へ伸びるように接続されている。ビア79a−2上には第2ビット線BL2が接続されている。ただし、ビア76a−2、メタル82a−2、ビア77a−2、メタル83a−2及びビア79a−2は破線で示されている。
本図を参照して、書き込み電流IW1の経路(図中矢印で表示)について説明する。書き込み電流IW1は、まず、第1ビット線BL1から、ビア79a−1、メタル83a−1、ビア77a−1、メタル82a−1、ビア76a−1、メタル81a−1、及びビア75a−1を経由して、第1トランジスタTR1の他方の拡散層73に供給される。その後、書き込み電流IW1は、一方の拡散層73、ビア75−1、メタル81−1、ビア76−1、メタル82−1及びビア77−1を経由して、MTJ1の導電体層62に達する。その後、書き込み電流IW1は、MTJ1の導電体層62を通り、MTJ2の導電体層62(MTJ1の導電体層62と一体)に達する。その後、書き込み電流IW1は、MTJ2の導電体層62を通り、ビア77−2、メタル82−2、ビア76−2、メタル81−2及びビア75−2を経由して第2トランジスタTR2の一方の拡散層73に供給される。その後、書き込み電流IW1は、他方の拡散層73、ビア75a−2、メタル81a−2、ビア76a−2、メタル82a−2、ビア77a−2、メタル83a−2及びビア79a−2を経由して、第2ビット線BL2に供給される。ただし、書き込み電流IW2の場合にはこの逆になる。
図32は、図31の磁気メモリセルにおける別の切り口での断面図である。MTJ1及びMTJ2の導電体層62が直列接続され、MTJ1の導電体層62とMTJ2の導電体層62とが一体に形成されていることがわかる。
図33(a)及び図33(b)は、図31における(A)及び(B)の位置での上面図である。ここで、図31は図33(a)におけるDD’断面、図32は図33(b)におけるHH’断面をそれぞれ示している。
図33(a)を参照して、第1トランジスタTR1は、二つの拡散層73とその両者の間に設けられたゲート電極としての第1ワード線WL1を備える。同様に、第2トランジスタTR2は、二つの拡散層73とその両者の間に設けられたゲート電極としての第1ワード線WL1を備える。一つの磁気メモリセル1は、第1ワード線WL1が共通になるように、一組の第1トランジスタTR1及び第2トランジスタTR2を有している。第1トランジスタTR1における第1ビット線BL1に接続される拡散層73(ビア75a−1及びメタル81a−1が接続)は、隣り合う第1トランジスタTR1同士で共有されている。同様に、第2トランジスタTR2における第2ビット線BL2に接続される拡散層73(ビア75a−2及びメタル81a−2が接続)は、隣り合う第2トランジスタTR2同士で共有されている。
図33(b)を参照して、一つの磁気メモリセル1は、フリー層63(MTJ1)のアスペクト比(楕円の短軸長に対する長軸長の比)が相対的に大きいMTJ1と、フリー層63(MTJ2)のアスペクト比が相対的に小さいMTJ2とを備える。そして、磁気メモリセル1は、二つの磁気抵抗素子の導電体層62が一体となり、直列接続した図30の磁気メモリセル1の構造を有する。すなわち、図30において説明したように、MTJ2のフリー層63の磁化反転が、MTJ1のフリー層63よりも容易になるように、MTJ2のアスペクト比がMTJ1のそれよりも相対的に小さくなっている。書き込み電流は、ビア77−1からMTJ1下部の導電体層62に供給され、そのままMTJ2下部の導電体層62を通り、ビア77−2から送出される。又は、その逆に流れる。なお、MTJ1及びMTJ2は、その長軸(磁化容易軸)が書き込み電流の方向に対して約45度傾くように形成している。これにより、設計通りの磁化反転を確実に起こすことができる。
図34(a)及び図34(b)は、図31における(C)及び(D)の位置での上面図である。図34(a)を参照して、MTJ1のフリー層63上に、トンネルバリア層64(図示されず)を介してピン層65(MTJ1)が設けられている。同様に、MTJ2のフリー層63上に、トンネルバリア層64(図示されず)を介してピン層65(MTJ2)が設けられている。MTJ1とMTJ2とは、図13(b)で説明したように、MTJ1の磁気抵抗値とMTJ2の磁気抵抗値とが異なるように形成される必要がある。そのため、ここでは、MTJ1とMTJ2とにおけるフリー層63、トンネルバリア層64及びピン層15の面積を相違させることで、両磁気抵抗値を相違させている。すなわち、MTJ1のフリー層63、トンネルバリア層64及びピン層65の面積を大きくして磁気抵抗値を小さくすることで、MTJ1は図13(a)及び図13(b)におけるR1となる。一方、MTJ2のフリー層63、トンネルバリア層64及びピン層65の面積を小さくして磁気抵抗値を大きくすることで、MTJ2は図13(a)及び図13(b)におけるR2となる。MTJ1及びMTJ2のピン層65は、それぞれビア78−1及びビア78−2を介して共通の第2ワード線WL2に接続されている。
図34(b)を参照して、第1ビット線BL1は、ビア79a−1を介して、その下のメタル83a−1、ビア77a−1、メタル82a−1(、ビア76a−1)、メタル81a−1、ビア75a−1及び第1トランジスタTR1の拡散層73に接続されている。同様に、第2ビット線BL2は、ビア79a−2を介して、その下のメタル83a−2、ビア77a−2、メタル82a−2(、ビア76a−2)、メタル81a−2、ビア75a−2及び第2トランジスタTR2の拡散層73に接続されている。
このように、磁気メモリセルを図9、図13、図29、図30、図31〜図34に示す構成にすることにより、二つのトランジスタで磁気抵抗素子を選択するので、MRAMにおけるメモリセルの選択性を向上させ、書き込みディスターブを大幅に抑制することが出来る。加えて、一つの磁気メモリセルで多値のデータを記憶することが出来るので、MRAMの高集積化を促進することが可能となる。
次に、MTJ1とMTJ2の導電体層62を並列接続した磁気メモリセル(図28)の実施例について、以下に説明する。
図35及び図36は、本発明の磁気メモリセルの第2の実施の形態の別の実施例の構成を示す上面図である。これらの図のMTJ1及びMTJ2の導電体層62は、並列接続されている。
図35(a)及び図35(b)は、図31における(A)及び(B)に対応する位置での上面図である。図35(a)を参照して、第1トランジスタTR1は、二つの拡散層73とその両者の間に設けられたゲート電極としての第1ワード線WL1を備える。同様に、第2トランジスタTR2は、二つの拡散層73とその両者の間に設けられたゲート電極としての第1ワード線WL1を備える。一つの磁気メモリセル1は、第1ワード線WL1が共通になるように、一組の第1トランジスタTR1及び第2トランジスタTR2を有している。第1トランジスタTR1における第1ビット線BL1に接続される拡散層73(ビア75a−1及びメタル81a−1が接続)は、隣り合う第1トランジスタTR1同士で共有されている。同様に、第2トランジスタTR2における第2ビット線BL2に接続される拡散層73(ビア75a−2及びメタル81a−2が接続)は、隣り合う第2トランジスタTR2同士で共有されている。
図35(b)を参照して、一つの磁気メモリセル1は、導電体層62の長さ(書き込み電流の経路:L1)が相対的に長いMTJ1と、導電体層62の長さ(L2)が相対的に短いMTJ2とを備える。すなわち、磁気メモリセル1は、長さの異なる二つの導電体層62を並列接続した図28の磁気メモリセル1の構造を有する。そして、図29において説明したように、電流をi1<i2とするために、MTJ1の導電体層62の長さL1(ビア77−3からビア77−4まで)を、MTJ2の導電体層62の長さL2(ビア77−1からビア77−2まで)よりも長くしている。MTJ1及びMTJ2の導電体層62上にはそれぞれフリー層63(MTJ1)及びフリー層63(MTJ2)が設けられている。書き込み電流は、その一部が、ビア77−1から導電体層62(MTJ1)に供給され、略直線状の導電体層62(MTJ1)を通過し、ビア77−2から送出される。同様に、書き込み電流は、その残りが、ビア77−3から導電体層62(MTJ2)に供給され、略直線状の導電体層62(MTJ2)を通過し、ビア77−4から送出される。又は、その逆に流れる。なお、MTJ1及びMTJ2は、その長軸(磁化容易軸)が書き込み電流の方向に対して約45度傾くように形成している。これにより、設計通りの磁化反転を確実に起こすことができる。
図36(a)及び図36(b)は、図31における(C)及び(D)に対応する位置での上面図である。図36(a)を参照して、MTJ1のフリー層63上に、トンネルバリア層64(図示されず)を介してピン層65(MTJ1)が設けられている。同様に、MTJ2のフリー層63上に、トンネルバリア層64(図示されず)を介してピン層65(MTJ2)が設けられている。MTJ1とMTJ2とは、図13(b)で説明したように、MTJ1の磁気抵抗値とMTJ2の磁気抵抗値とが異なるように形成される必要がある。そのため、ここでは、MTJ1とMTJ2とにおけるトンネルバリア層64の膜厚、又はその材料を変更することにより、両磁気抵抗値を相違させている。すなわち、例えば、MTJ1のトンネルバリア層64の膜厚を厚くし磁気抵抗値を大きくすることで、MTJ1は図13(a)及び図13(b)におけるR1となる。一方、MTJ2のトンネルバリア層64の膜厚を薄くして磁気抵抗値を小さくすることで、MTJ2は図13(a)及び図13(b)におけるR2となる。MTJ1及びMTJ2のピン層65は、それぞれビア78−1及びビア78−2を介して共通の第2ワード線WL2に接続されている。
図36(b)を参照して、第1ビット線BL1は、ビア79a−1、メタル83a−1、ビア77a−1、メタル82a−1(、ビア76a−1)、メタル81a−1及びビア75a−1を介して、第1トランジスタTR1の拡散層73に接続されている。同様に、第2ビット線BL2は、ビア79a−2、メタル83a−2、ビア77a−2、メタル82a−2(、ビア76a−2)、メタル81a−2及びビア75a−2を介して、第2トランジスタTR2の拡散層73に接続されている。
このように、磁気メモリセルを図9、図13、図28、図29、図35、図36に示す構成にすることにより、二つのトランジスタで磁気抵抗素子を選択するので、MRAMにおけるメモリセルの選択性を向上させ、書き込みディスターブを大幅に抑制することが出来る。加えて、一つの磁気メモリセルで多値のデータを記憶することが出来るので、MRAMの高集積化を促進することが可能となる。
図37は、本発明の磁気メモリセルの第2の実施の形態の更に別の実施例の構成を示す断面図である。この図のMTJ1及びMTJ2の磁気記録層10は、並列接続されている。
シリコン基板71には、素子分離層72を挟んで第1トランジスタTR1及び第2トランジスタTR2が形成されている。第1トランジスタTR1及び第2トランジスタTR2には、共通のゲート電極として第1ワード線WL1が設けられている。第1トランジスタTR1における一方の拡散層73上には、ビア75−1、メタル81−1、ビア76−1及びメタル82−1がその表面から上方へ伸びるように接続されている。メタル82−1上には、MTJ1の導電体層62aに接続されるビア77−1、及びMTJ2の導電体層62bに接続されるビア77−3が接続されるている。一方、第2トランジスタTR2における一方の拡散層73上には、ビア75−2、メタル81−2、ビア76−2及びメタル82−2がその表面から上方へ伸びるように接続されている。メタル82−2上には、MTJ1の導電体層62aに接続されるビア77−2、及びMTJ2の導電体層62bに接続されるビア77−4が接続されるている。MTJ1(導電体層62a、トンネルバリア層64及びピン層65)上にはビア78−1が設けられている。MTJ2(導電体層62b、トンネルバリア層64及びピン層65)上にはビア78−2が設けられている。ビア28−1及びビア28−2上には、共通の第2ワード線WL2が設けられている。第2ワード線WL2の上方には、第1ビット線BL1及び第2ビット線BL2が設けられている。
ここで、一つの磁気メモリセル1は、導電体層62aの厚み(書き込み電流の経路:T1)が相対的に薄いMTJ1と、導電体層62bの厚み(T2)が相対的に厚いMTJ2とを備える。すなわち、磁気メモリセル1は、厚みの異なる二つの導電体層62を並列接続した図28の磁気メモリセル1の構造を有する。そして、図29において説明したように、電流をi1<i2とするために、MTJ1の導電体層62aの厚みT1を、MTJ2の導電体層62bの厚みT2よりも薄くしている。
第1トランジスタTR1における他方の拡散層73上には、ビア75a−1、メタル81a−1、ビア76a−1、メタル82a−1、ビア77a−1、メタル83a−1及びビア79a−1がその表面から上方へ伸びるように接続されている。ビア79a−1上には第1ビット線BL1が接続されている。同様に、第2トランジスタTR2における他方の拡散層73上には、ビア75a−2、メタル81a−2、ビア76a−2(破線で表示)、メタル82a−2、ビア77a−2(破線で表示)、メタル83a−2(破線で表示)及びビア79a−2(破線で表示)がその表面から上方へ伸びるように接続されている。ビア29a−2上には第2ビット線BL2が接続されている。ただし、メタル82a−2、メタル81a−2及びビア75a−2はそれぞれビタル82−2、メタル81−2及びビア75−2の陰にあり、図示されない。
本図を参照して、書き込み電流IW1の経路(図中矢印で表示)について説明する。書き込み電流IW1は、まず、第1ビット線BL1から、ビア79a−1、メタル83a−1、ビア77a−1、メタル82a−1、ビア76a−1、メタル81a−1及びビア75a−1を経由して、第1トランジスタTR1の他方の拡散層73に供給される。その後、書き込み電流IW1は、一方の拡散層73、ビア75−1、メタル81−1及びビア76−1を経由してメタル82−1に達し、ビア77−1及びビア77−3に分岐する。ビア77−1に分岐した書き込み電流IW1は、MTJ1の導電体層62aを通り、反対側に有るもう一つのビア77−2を経由してメタル82−2に達する。一方、ビア77−3に分岐した書き込み電流IW1は、MTJ2の導電体層62bを通り、反対側に有るもう一つのビア77−4を経由してメタル82−2に達する。メタル82−2で合流した書き込み電流IW1は、ビア76−2、メタル81−2及びビア75−2を経由して第2トランジスタTR2の一方の拡散層73に供給される。その後、書き込み電流IW1は、他方の拡散層73、ビア75a−2、メタル81a−2、ビア26a−2、メタル82a−2、ビア77a−2、メタル83a−2及びビア79a−2を経由して、第2ビット線BL2に供給される。ただし、書き込み電流IW2の場合にはこの逆になる。
図38(a)及び図38(b)は、図37における(A)及び(B)の位置での上面図である。ここで、図37は、図38(a)におけるJJ’断面を示している。図38(a)を参照して、第1トランジスタTR1は、二つの拡散層73とその両者の間に設けられたゲート電極としての第1ワード線WL1を備える。同様に、第2トランジスタTR2は、二つの拡散層73とその両者の間に設けられたゲート電極としての第1ワード線WL1を備える。一つの磁気メモリセル1は、第1ワード線WL1が共通になるように、一組の第1トランジスタTR1及び第2トランジスタTR2を有している。第1トランジスタTR1における第1ビット線BL1に接続される拡散層73(ビア75a−1及びメタル81a−1が接続)は、隣り合う第1トランジスタTR1同士で共有されている。同様に、第2トランジスタTR2における第2ビット線BL2に接続される拡散層73(ビア75a−2及びメタル81a−2が接続)は、隣り合う第2トランジスタTR2同士で共有されている。
図38(b)を参照して、一つの磁気メモリセル1は、厚みの異なる二つの導電体層62を並列接続した図28の磁気メモリセル1の構造を有する。MTJ1の導電体層62a上にはフリー層63(MTJ1)が、及びMTJ2の導電体層62b上にはフリー層63(MTJ2)が設けられている。書き込み電流は、その一部が、ビア77−1から導電体層62a(MTJ1)に供給され、ビア77−2から送出される。同様に、書き込み電流は、その残りが、ビア77−3から導電体層62b(MTJ2)に供給され、ビア77−4から送出される。又は、その逆に流れる。なお、MTJ1及びMTJ2は、その長軸(磁化容易軸)が書き込み電流の方向に対して約45度傾くように形成している。これにより、設計通りの磁化反転を確実に起こすことができる。
図39(a)及び図39(b)は、図37における(C)及び(D)の位置での上面図である。図39(a)を参照して、MTJ1のフリー層63上に、トンネルバリア層64(図示されず)を介してピン層65(MTJ1)が設けられている。同様に、MTJ2のフリー層63上にトンネルバリア層64(図示されず)を介してピン層65(MTJ2)が設けられている。MTJ1とMTJ2とは、図13(b)で説明したように、MTJ1の磁気抵抗値とMTJ2の磁気抵抗値とが異なるように形成される必要がある。すなわち、例えば、MTJ1のトンネルバリア層64の膜厚を厚くし磁気抵抗値を大きくすることで、MTJ1は図13(a)及び図13(b)におけるR1となる。一方、MTJ2のトンネルバリア層64の膜厚を薄くして磁気抵抗値を小さくすることで、MTJ2は図13(a)及び図13(b)におけるR2となる。MTJ1及びMTJ2のピン層65は、それぞれビア78−1及びビア78−2を介して共通の第2ワード線WL2に接続されている。
図39(b)を参照して、第1ビット線BL1は、ビア79a−1を介して、その下のメタル83a−1、ビア77a−1、メタル82a−1(、ビア76a−1)、メタル81a−1ビア75a−1及び第1トランジスタTR1の拡散層73に接続されている。同様に、第2ビット線BL2は、ビア79a−2を介して、その下のメタル83a−2、ビア77a−2、メタル82a−2(、ビア76a−2)、メタル81a−2、ビア75a−2及び第2トランジスタTR2の拡散層73に接続されている。
このように、磁気メモリセルを図9、図13、図28、図29、図37〜図39に示す構成にすることにより、二つのトランジスタで磁気抵抗素子を選択するので、MRAMにおけるメモリセルの選択性を向上させ、書き込みディスターブを大幅に抑制することが出来る。加えて、一つの磁気メモリセルで多値のデータを記憶することが出来るので、MRAMの高集積化を促進することが可能となる。
(半導体装置の実施の形態)
次に、本発明の半導体装置の実施の形態について説明する。図40は、本発明の半導体装置の実施の形態を示すブロック図である。半導体装置90は、演算処理機能と記憶機能とを兼ね備えた半導体チップであり、メモリ混載型のMPU(Micro Processing Unit)に例示される。半導体装置90は、演算処理部91、第1MRAM92及び第2MRAM93を具備する。
演算処理部91は、演算処理機能を有し、CPU(central processing unit)に例示される。第1MRAM92は、磁気メモリセルが相対的に高密度でデータを記憶し、相対的に低速度で動作するMRAMであり、データ保持用に用いる。第1MRAM92は、図9〜図38で説明された第1、第2の実施の形態のMRAM50に例示される。第2MRAM93は、磁気メモリセルが相対的に低密度でデータを記憶し、相対的に高速度で動作するMRAMであり、演算処理部91のデータ処理に用いられるワークメモリである。第2MRAM93は、図3〜図8で説明された磁気メモリセルを図9のMRAMに適用したものや、図1で説明されたMRAM(特開2004−348934号公報(USPA No.20040100835)に例示される。
本発明では、第1MRAM92の磁気メモリセルは多値データを記憶できるので、相対的に高密度でデータを記憶できる。ただし、一つのデータの書き込みに2回書き込み電流を流さなければならないので、相対的に低速度で動作する。一方、第2MRAM93の磁気メモリセルは一つのデータしか記憶できないので、相対的に低密度でデータを記憶する。しかし、一つのデータの書き込みに1回書き込み電流を流せばよいので、相対的に高速度で動作する。このように、二つのMRAMの特性を考慮して、両MRAMを使い分けることで、より高集積化され、かつ、高速動作可能な半導体装置90を実現することが出来る。
この半導体装置の製造方法は、(a)複数の半導体素子(例示:ロジック回路、入出力回路、各MRAMの第1、第2トランジスタ)を形成する工程と、(b)第1領域に第1MRAM92の複数の第1磁気メモリセルを、第2領域に第2MRAM93の複数の第2磁気メモリセルを同時に形成する工程とを具備する。
本発明では、第1MRAM92と第2MRAM93とは、基本的な構造は同じで、磁気メモリセル当たりの磁気抵抗素子数が異なるだけなので、同時に同じプロセスを用いて製造することが出来る。それにより、製造プロセスを増やすことなく、一つの半導体チップ上に2種類の磁気ランダムアクセスメモリを同時に製造することが可能となる。
図1は、従来のメモリセルの構成を示す概略斜視図である。 図2は、スピン注入磁化反転を示す概略図である。 図3は、磁壁移動型の磁気メモリセルおける磁気抵抗素子の構成の一例を示す概略斜視図である。 図4は、XY面における磁気記録層の形状を示す上面図である。 図5は、図4に示される磁気抵抗素子の構造に対するデータの書き込み原理を示す概略図である。 図6は、磁気抵抗素子の他の構造に対するデータの書き込み原理を示す概略図である。 図7は、交換結合により磁化を固定する方法を示す概略正面図である。 図8は、静磁結合により磁化を固定する方法を示す概略正面図である。 図9は、本発明のMRAMの第1の実施の形態の構成の一例を示すブロック図である。 図10は、本発明の磁気メモリセルの第1の実施の形態の構成の一例を示す概略図である。 図11は、本発明の磁気メモリセルの第1の実施の形態における書き込み方法を示す概略図である。 図12は、本発明の磁気メモリセルの第1の実施の形態の構成の他の一例を示す概略図である。 図13は、本発明の磁気メモリセルの第1の実施の形態における読み出し方法を示す概略図である。 図14は、本発明の磁気メモリセルの第1の実施の形態の実施例の構成を示す断面図である。 図15は、図14の実施例における(A)及び(B)の位置での構成を示す上面図である。 図16は、図14の実施例における(C)及び(D)の位置での構成を示す上面図である。 図17は、本発明の磁気メモリセルの第1の実施の形態の他の実施例の構成を示す上面図である。 図18は、本発明の磁気メモリセルの第1の実施の形態の他の実施例の構成を示す上面図である。 図19は、本発明の磁気メモリセルの第1の実施の形態の更に他の実施例の構成を示す上面図である。 図20は、本発明の磁気メモリセルの第1の実施の形態の更に他の実施例の構成を示す上面図である。 図21は、本発明の磁気メモリセルの第1の実施の形態の別の実施例の構成を示す断面図である。 図22は、図21の実施例における(A)及び(B)の位置での構成を示す上面図である。 図23は、図21の実施例における(C)及び(D)の位置での構成を示す上面図である。 図24は、本発明の磁気メモリセルの第1の実施の形態の更に別の実施例の構成を示す上面図である。 図25は、本発明の磁気メモリセルの第1の実施の形態の更に別の実施例の構成を示す上面図である。 図26は、本発明の磁気メモリセルの第1の実施の形態の更なる実施例の構成を示す上面図である。 図27は、本発明の磁気メモリセルの第1の実施の形態の更なる実施例の構成を示す上面図である。 図28は、本発明の磁気メモリセルの第2の実施の形態の構成の一例を示す概略図である。 図29は、本発明の磁気メモリセルの第2の実施の形態における書き込み方法を示す概略図である。 図30は、本発明の磁気メモリセルの第2の実施の形態の構成の他の一例を示す概略図である。 図31は、本発明の磁気メモリセルの第2の実施の形態の実施例の構成を示す断面図である。 図32は、図31の磁気メモリセルにおける別の切り口での断面図である。 図33は、図31の実施例における(A)及び(B)の位置での構成を示す上面図である。 図34は、図31の実施例における(C)及び(D)の位置での構成を示す上面図である。 図35は、本発明の磁気メモリセルの第2の実施の形態の別の実施例の構成を示す上面図である。 図36は、本発明の磁気メモリセルの第2の実施の形態の別の実施例の構成を示す上面図である。 図37は、本発明の磁気メモリセルの第2の実施の形態の更に別の実施例の構成を示す断面図である。 図38は、図37の実施例における(A)及び(B)の位置での構成を示す上面図である。 図39は、図37の実施例における(C)及び(D)の位置での構成を示す上面図である。 図40は、本発明の半導体装置の実施の形態を示すブロック図である。
符号の説明
1 磁気メモリセル
2 磁気抵抗素子群
1a 磁気抵抗素子
10 磁気記録層(フリー層)
11 第1磁化固定領域
12 第2磁化固定領域
13 磁化反転領域(フリー層)
62、62a、62b 導電体層
63 フリー層
14、64 トンネルバリア層
15、65 ピン層
17 第1磁性体
18 第2磁性体
21 シリコン基板
22 素子分離層
23 拡散層
25−1、26−1、27−1、28−1、25−2、26−2、27−2、28−2、27−3、27−4、25a−1、26a−1、27a−1、28a−1、29a−1、25a−2、26a−2、27a−2、28a−2、29a−2、75−1、76−1、77−1、78−1、75−2、76−2、77−2、78−2、77−3、77−4、75a−1、76a−1、77a−1、78a−1、79a−1、75a−2、76a−2、77a−2、78a−2、29a−2 ビア
31−1、32−1、31−2、32−2、31a−1、32a−1、33a−1、31a−2、32a−2、33a−3、81−1、82−1、81−2、82−2、81a−1、82a−1、83a−1、81a−2、82a−2、83a−3 メタル
50 MRAM
51 メモリセルアレイ
52 Xセレクタ
53 Yセレクタ
54 Y側電流終端回路
55 Y側電流源回路
56 Y側電源回路
57 読み出し電流負荷回路
58 センスアンプ
90 半導体装置
91 演算処理部
92 第1MRAM
93 第2MRAM
101 メモリセル
106 第1トランジスタ
107 磁気抵抗素子(MTJ素子)
116 第2トランジスタ
103a 第1ワード線
104 第1ビット線
129 導電体層
105 第2ビット線
121 自由層(フリー層)
122 トンネルバリア層
123 固定層(ピン層)
B1 第1境界
B2 第2境界
DW 磁壁
WL ワード線
BL1 第1ビット線
BL2 第2ビット線
TR1 第1トランジスタ
TR2 第2トランジスタ

Claims (21)

  1. 第1ゲート電極を第1ワード線に、第1ソース・ドレイン電極を第1ビット線に、それぞれ接続された第1トランジスタと、
    第2ゲート電極を前記第1ワード線に、第3ソース・ドレイン電極を第2ビット線に、それぞれ接続された第2トランジスタと、
    書き込み電流の通過する導電部が互いに直列又は並列に接続された複数の磁気抵抗素子を備え、前記導電部における一方の端子を前記第1トランジスタの第2ソース・ドレイン電極に、他方の端子を前記第2トランジスタの第4ソース・ドレイン電極にそれぞれ接続され、前記複数の磁気抵抗素子における一方の端子を前記導電部に、他方の端子を第2ワード線にそれぞれ接続され、前記複数の磁気抵抗素子の磁化の向きの組み合わせで情報を記憶する磁気抵抗素子群と
    を具備し、
    前記複数の磁気抵抗素子は、互いにその抵抗値が異なる
    磁気メモリセル。
  2. 請求項1に記載の磁気メモリセルにおいて、
    前記複数の磁気抵抗素子の各々は、
    前記導電部を含み、強磁性体を有する磁気記録層と、
    強磁性体有するピン層と、
    一方の面で前記磁気記録層に、他方の面で前記ピン層にそれぞれ接合された非磁性層と
    を備え、
    前記複数の磁気抵抗素子は、二つの接合面のうちの小さい方の面積が互いに異なる
    磁気メモリセル。
  3. 請求項1に記載の磁気メモリセルにおいて、
    前記複数の磁気抵抗素子の各々は、
    前記導電部を含み、強磁性体を有する磁気記録層と、
    強磁性体を有するピン層と、
    一方の面で前記磁気記録層に、他方の面で前記ピン層にそれぞれ接合された非磁性層と
    を備え、
    前記複数の磁気抵抗素子は、前記非磁性層の膜厚が互いに異なる
    磁気メモリセル。
  4. 第1ゲート電極を第1ワード線に、第1ソース・ドレイン電極を第1ビット線に、それぞれ接続された第1トランジスタと、
    第2ゲート電極を第1ワード線に、第3ソース・ドレイン電極を第2ビット線に、第4ソース・ドレイン電極を前記第1トランジスタの第2ソース・ドレイン電極に接続された第2トランジスタと、
    書き込み電流の通過する導電部が互いに直列又は並列に接続された複数の磁気抵抗素子を備え、一方の端子を前記第2ソース・ドレイン電極に、他方の端子を第2ワード線にそれぞれ接続され、前記複数の磁気抵抗素子の磁化の向きの組み合わせで情報を記憶する磁気抵抗素子群と
    を具備し、
    前記複数の磁気抵抗素子の各々は、
    前記導電部を含み、強磁性体を有する磁気記録層と、
    強磁性体を有するピン層と、
    一方の面で前記磁気記録層に、他方の面で前記ピン層にそれぞれ接合された非磁性層と
    を備え、
    前記複数の磁気抵抗素子は、前記非磁性層の磁気抵抗率が互いに異なる
    磁気メモリセル。
  5. 請求項4に記載の磁気メモリセルにおいて、
    前記複数の磁気抵抗素子は、前記非磁性層の抵抗率が互いに異なる
    磁気メモリセル。
  6. 請求項2乃至5のいずれか一項に記載の磁気メモリセルにおいて、
    前記磁気記録層は、
    反転可能な磁化を有し前記ピン層とオーバーラップする磁化反転領域と、
    前記磁化反転領域の第1境界に接続され、磁化の向きが第1方向に固定された第1磁化固定領域と、
    前記磁化反転領域の第2境界に接続され、磁化の向きが第2方向に固定された第2磁化固定領域と
    を有し、
    前記第1方向及び前記第2方向は共に、前記磁化反転領域へ向かう方向、又は、前記磁化反転領域から離れる方向であり、
    前記磁化反転領域の磁化は、前記第1境界及び前記第2境界のいずれかへ向き、
    前記磁気記録層において、磁壁が前記第1境界及び前記第2境界のいずれかに形成される
    磁気メモリセル。
  7. 請求項6に記載の磁気メモリセルにおいて、
    前記複数の磁気抵抗素子は、前記磁化反転領域の長さ、幅及び膜厚の少なくとも一つが互いに異なる
    磁気メモリセル。
  8. 請求項6又は7に記載の磁気メモリセルにおいて、
    前記磁気抵抗素子群の前記複数の磁気抵抗素子が2個の磁気抵抗素子であり、前記磁気抵抗素子群へ情報を書き込むとき、
    前記2個の磁気抵抗素子を共に低抵抗状態に書き込む場合、
    前記第1ワード線が選択されて、前記第1トランジスタ及び前記第2トランジスタがオンとなり、
    前記第1ビット線、前記第1トランジスタ、前記2個の磁気抵抗素子、前記第2トランジスタ及び前記第2ビット線を含む経路に書き込み電流を流すことで行い、
    前記書き込み電流は、前記2個の磁気抵抗素子のいずれにおいても、前記磁化反転領域と前記ピン層との磁化の向きが同じになるように前記第1境界及び前記第2境界のいずれか一方を移動させる電流密度の電流である
    磁気メモリセル。
  9. 請求項6又は7に記載の磁気メモリセルにおいて、
    前記磁気抵抗素子群の前記複数の磁気抵抗素子が2個の磁気抵抗素子であり、前記磁気抵抗素子群へ情報を書き込むとき、
    前記2個の磁気抵抗素子を共に高抵抗状態に書き込む場合、
    前記第1ワード線が選択されて、前記第1トランジスタ及び前記第2トランジスタがオンとなり、
    前記第1ビット線、前記第1トランジスタ、前記2個の磁気抵抗素子、前記第2トランジスタ及び前記第2ビット線を含む経路に書き込み電流を流すことで行い、
    前記書き込み電流は、前記2個の磁気抵抗素子のいずれにおいても、前記磁化反転領域と前記ピン層との磁化の向きが反対になるように前記磁壁を移動させる電流密度の電流である
    磁気メモリセル。
  10. 請求項6又は7に記載の磁気メモリセルにおいて、
    前記磁気抵抗素子群の前記複数の磁気抵抗素子が2個の磁気抵抗素子であり、前記磁気抵抗素子群へ情報を書き込むとき、
    前記2個の磁気抵抗素子のうち一方を低抵抗状態に、他方を高抵抗状態に書き込む場合、
    前記第1ワード線が選択されて、前記第1トランジスタ及び前記第2トランジスタがオンとなり、
    前記第1ビット線、前記第1トランジスタ、前記2個の磁気抵抗素子、前記第2トランジスタ及び前記第2ビット線を含む経路に、第1向きに第1書き込み電流を流し、その後、前記第1向きと反対の第2向きに第2書込み電流を流すことで行い、
    前記第1書き込み電流は、前記2個の磁気抵抗素子のいずれにおいても、前記磁化反転領域と前記ピン層との磁化の向きが同じになるように前記磁壁を移動させる電流密度の電流であり、前記第2書き込み電流は、前記2個の磁気抵抗素子のうち、磁気抵抗の大きい方のみについて、前記磁化反転領域と前記ピン層との磁化の向きが反対になるように前記磁壁を移動させる電流密度の電流であり、
    又は、
    前記第1書き込み電流は、前記2個の磁気抵抗素子のいずれにおいても、前記磁化反転領域と前記ピン層との磁化の向きが反対になるように前記磁壁を移動させる電流密度の電流であり、前記第2書き込み電流は、前記2個の磁気抵抗素子のうち、磁気抵抗の大きい方のみについて、前記磁化反転領域と前記ピン層との磁化の向きが同じになるように前記磁壁を移動させる電流密度の電流である
    磁気メモリセル。
  11. 請求項2乃至5のいずれか一項に記載の磁気メモリセルにおいて、
    前記磁気記録層は、
    反転可能な磁化を有し前記ピン層とオーバーラップするフリー層と、
    前記フリー層を挟んで前記非磁性層と反対側に設けられた導電体層と
    を有する
    磁気メモリセル。
  12. 請求項11に記載の磁気メモリセルにおいて、
    前記複数の磁気抵抗素子は、前記導電体層の長さ、幅及び膜厚の少なくとも一つが互いに異なる
    磁気メモリセル。
  13. 請求項11に記載の磁気メモリセルにおいて、
    前記複数の磁気抵抗素子は、前記フリー層の平面形状が互いに異なる
    磁気メモリセル。
  14. 請求項11乃至13のいずれか一項に記載の磁気メモリセルにおいて、
    前記磁気抵抗素子群の前記複数の磁気抵抗素子が2個の磁気抵抗素子であり、前記磁気抵抗素子群へ情報を書き込むとき、
    前記2個の磁気抵抗素子を共に低抵抗状態に書き込む場合、
    前記第1ワード線が選択されて、前記第1トランジスタ及び前記第2トランジスタがオンとなり、
    前記第1ビット線、前記第1トランジスタ、前記2個の磁気抵抗素子、前記第2トランジスタ及び前記第2ビット線を含む経路に書き込み電流を流すことで行い、
    前記書き込み電流は、前記2個の磁気抵抗素子のいずれにおいても、前記フリー層と前記ピン層との磁化の向きが同じになるように前記導電体層に磁場を発生させる電流である
    磁気メモリセル。
  15. 請求項11及び13のいずれか一項に記載の磁気メモリセルにおいて、
    前記磁気抵抗素子群の前記複数の磁気抵抗素子が2個の磁気抵抗素子であり、前記磁気抵抗素子群へ情報を書き込むとき、
    前記2個の磁気抵抗素子を共に高抵抗状態に書き込む場合、
    前記第1ワード線が選択されて、前記第1トランジスタ及び前記第2トランジスタがオンとなり、
    前記第1ビット線、前記第1トランジスタ、前記2個の磁気抵抗素子、前記第2トランジスタ及び前記第2ビット線を含む経路に書き込み電流を流すことで行い、
    前記書き込み電流は、前記2個の磁気抵抗素子のいずれにおいても、前記フリー層と前記ピン層との磁化の向きが反対になるように前記導電体層に磁場を発生させる電流である
    磁気メモリセル。
  16. 請求項11及び13のいずれか一項に記載の磁気メモリセルにおいて、
    前記磁気抵抗素子群の前記複数の磁気抵抗素子が2個の磁気抵抗素子であり、前記磁気抵抗素子群へ情報を書き込むとき、
    前記2個の磁気抵抗素子のうち一方を低抵抗状態に、他方を高抵抗状態に書き込む場合、
    前記第1ワード線が選択されて、前記第1トランジスタ及び前記第2トランジスタがオンとなり、
    前記第1ビット線、前記第1トランジスタ、前記2個の磁気抵抗素子、前記第2トランジスタ及び前記第2ビット線を含む経路に、第1向きに第1書き込み電流を流し、その後、前記第1向きと反対の第2向きに第2書込み電流を流すことで行い、
    前記第1書き込み電流は、前記2個の磁気抵抗素子のいずれにおいても、前記フリー層と前記ピン層との磁化の向きが同じになるように前記導電体層に磁場を発生させる電流であり、前記第2書き込み電流は、前記2個の磁気抵抗素子のうち、磁気抵抗の大きい方のみについて、前記フリー層と前記ピン層との磁化の向きが反対になるように前記導電体層に磁場を発生させる電流であり、
    又は、
    前記第1書き込み電流は、前記2個の磁気抵抗素子のいずれにおいても、前記フリー層と前記ピン層との磁化の向きが反対になるように前記導電体層に磁場を発生させる電流であり、前記第2書き込み電流は、前記2個の磁気抵抗素子のうち、磁気抵抗の大きい方のみについて、前記フリー層と前記ピン層との磁化の向きが同じになるように前記導電体層に磁場を発生させる電流である
    磁気メモリセル。
  17. 請求項1乃至16のいずれか一項に記載の磁気メモリセルにおいて、
    前記磁気抵抗素子群からの情報の読み出すとき、
    前記第1ワード線が選択されて、前記第2トランジスタがオンとなり、
    前記第2ビット線と前記第2トランジスタと前記磁気抵抗素子群と前記第2ワード線とを含む経路に流れる読み出し電流に基づいて、前記磁気抵抗素子群の抵抗を測定することにより行う
    磁気メモリセル。
  18. 第1方向へ延在する第1ワード線及び第2ワード線の複数のワード線対と、
    前記第1方向に略垂直な第2方向へ延在する第1ビット線及び第2ビット線の複数のビット線対と、
    前記複数のワード線対と前記複数のビット線対との交点の各々に対応して設けられ、請求項1乃至17のいずれか一項に記載の複数の磁気メモリセルと、
    前記第1ビット線及び前記第2ビット線に接続された書き込み電流供給回路と
    を具備し、
    前記第1書き込み動作時、前記第1ワード線が選択され、前記書き込み電流供給回路が、前記第1書き込み電流を、前記第1ビット線、前記第1トランジスタ、前記磁気抵抗素子群、及び前記第2トランジスタを経由して、前記第2ビット線に流し、
    前記第2書き込み動作時、前記第1ワード線が選択され、前記書き込み電流供給回路が、前記第2書き込み電流を、前記第2ビット線から、前記第2トランジスタ、前記磁気抵抗素子群及び前記第1トランジスタを経由して、前記第1ビット線に流す
    磁気ランダムアクセスメモリ。
  19. 演算処理を行う演算処理部と、
    磁気メモリセルが相対的に高密度でデータを記憶し、相対的に低速度で動作する請求項18に記載の第1磁気ランダムアクセスメモリと、
    磁気メモリセルが相対的に低密度でデータを記憶し、相対的に高速度で動作する第2磁気ランダムアクセスメモリと
    を具備する
    半導体装置。
  20. 請求項19の半導体装置において、
    前記第2磁気ランダムアクセスメモリは、複数の他の磁気メモリセルを備え、
    前記複数の他の磁気メモリセルの各々は、
    第3ゲート電極を第3ワード線に、第5ソース・ドレイン電極を第3ビット線に、それぞれ接続された第3トランジスタと、
    第4ゲート電極を第3ワード線に、第7ソース・ドレイン電極を第4ビット線に、それぞれ接続された第4トランジスタと、
    書き込み電流の通過する第2導電部における一方の端子を前記第3トランジスタの第6ソース・ドレイン電極に、他方の端子を前記第4トランジスタの第8ソース・ドレイン電極にそれぞれ接続され、一端を前記第2導電部に他端を第4ワード線にそれぞれ接続された単数の磁気抵抗素子と
    を備える
    半導体装置。
  21. (a)複数の半導体素子を形成する工程と、
    (b)第1領域に第1磁気ランダムアクセスメモリの複数の第1磁気メモリセルを、第2領域に第2磁気ランダムアクセスメモリの複数の第2磁気メモリセルを同時に形成する工程と
    を具備し、
    前記複数の第1磁気メモリセルの各々は、
    第1ゲート電極を第1ワード線に、第1ソース・ドレイン電極を第1ビット線に、それぞれ接続された第1トランジスタと、
    第2ゲート電極を前記第1ワード線に、第3ソース・ドレイン電極を第2ビット線に、それぞれ接続された第2トランジスタと、
    書き込み電流の通過する導電部が互いに直列又は並列に接続された複数の磁気抵抗素子を備え、前記導電部における一方の端子を前記第1トランジスタの第2ソース・ドレイン電極に、他方の端子を前記第2トランジスタの第4ソース・ドレイン電極にそれぞれ接続され、前記複数の磁気抵抗素子における一方の端子を前記導電部に、他方の端子を第2ワード線にそれぞれ接続され、前記複数の磁気抵抗素子の磁化の向きの組み合わせで情報を記憶する磁気抵抗素子群と
    を備え、
    前記複数の磁気抵抗素子は、互いにその抵抗値が異なり、
    前記複数の第2磁気メモリセルの各々は、
    第3ゲート電極を第3ワード線に、第5ソース・ドレイン電極を第3ビット線に、それぞれ接続された第3トランジスタと、
    第4ゲート電極を第3ワード線に、第7ソース・ドレイン電極を第4ビット線に、それぞれ接続された第4トランジスタと、
    書き込み電流の通過する第2導電部における一方の端子を前記第3トランジスタの第6ソース・ドレイン電極に、他方の端子を前記第4トランジスタの第8ソース・ドレイン電極にそれぞれ接続され、一端を前記第2導電部に他端を第4ワード線にそれぞれ接続された単数の磁気抵抗素子と
    を備える
    半導体装置の製造方法。
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