JP5146836B2 - 磁気ランダムアクセスメモリ及びその製造方法 - Google Patents

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Description

本出願は、2006年12月6日に出願された日本国特許出願2006−329810に基づいており、優先権の利益を主張する。当該特許出願の開示内容は全て、参照することによりここに組み込まれる。
本発明は、磁気ランダムアクセスメモリ(MRAM:Magnetic Random Access Memory)に関する。特に、本発明は、スピン注入方式のMRAM及びその製造方法に関する。
MRAMは、高集積・高速動作の観点から有望な不揮発性メモリである。MRAMにおいては、TMR(Tunnel MagnetoResistance)効果などの「磁気抵抗効果」を示す磁気抵抗素子が利用される。その磁気抵抗素子には、例えばトンネルバリヤ層が2層の強磁性層で挟まれた磁気トンネル接合(MTJ; Magnetic Tunnel Junction)が形成される。その2層の強磁性層は、磁化の向きが固定されたピン層(pinned layer)と、磁化の向きが反転可能なフリー層(free layer)である。
ピン層とフリー層の磁化の向きが“反平行”である場合のMTJの抵抗値(R+ΔR)は、磁気抵抗効果により、それらが“平行”である場合の抵抗値(R)よりも大きくなることが知られている。MRAMは、このMTJを有する磁気抵抗素子をメモリセルとして用い、その抵抗値の変化を利用することによってデータを不揮発的に記憶する。メモリセルに対するデータの書き込みは、フリー層の磁化の向きを反転させることによって行われる。
MRAMに対するデータの書き込み方法として、従来、「アステロイド方式」や「トグル方式」が知られている。これらの書き込み方式によれば、メモリセルサイズにほぼ反比例して、フリー層の磁化を反転させるために必要な反転磁界が大きくなる。つまり、メモリセルが微細化されるにつれて、書き込み電流が増加する傾向にある。
微細化に伴う書き込み電流の増加を抑制することができる書き込み方式として、「スピン注入(spin transfer)方式」が提案されている。例えば、特開2005−93488号公報、あるいは、Yagami and Suzuki, Research Trends in Spin Transfer Magnetization Switching,日本応用磁気学会誌,Vol. 28, No. 9, 2004、を参照されたい。スピン注入方式によれば、強磁性導体にスピン偏極電流(spin-polarized current)が注入され、その電流を担う伝導電子のスピンと導体の磁気モーメントとの間の直接相互作用によって磁化が反転する(以下、「スピン注入磁化反転:Spin Transfer Magnetization Switching」と参照される)。スピン注入磁化反転の概略を、図1を参照することによって説明する。
図1において、磁気抵抗素子は、フリー層101、ピン層103、及びフリー層101とピン層103に挟まれた非磁性層であるトンネルバリヤ層102を備えている。ここで、磁化の向きが固定されたピン層103は、フリー層101よりも厚くなるように形成されており、スピン偏極電流を作る機構(スピンフィルター)としての役割を果たす。フリー層101とピン層103の磁化の向きが平行である状態は、データ“0”に対応付けられ、それらが反平行である状態は、データ“1”に対応付けられている。
図1に示されるスピン注入磁化反転は、CPP(Current Perpendicular to Plane)方式により実現され、書き込み電流は膜面に垂直に注入される。具体的には、データ“0”からデータ“1”への遷移時、電流はピン層103からフリー層101へ流れる。この場合、スピンフィルターとしてのピン層103と同じスピン状態を有する電子が、フリー層101からピン層103に移動する。そして、スピントランスファー(スピン角運動量の授受)効果により、フリー層101の磁化が反転する。一方、データ“1”からデータ“0”への遷移時、電流はフリー層101からピン層103へ流れる。この場合、スピンフィルターとしてのピン層103と同じスピン状態を有する電子が、ピン層103からフリー層101に移動する。スピントランスファー効果により、フリー層101の磁化が反転する。
このように、スピン注入磁化反転では、スピン電子の移動によりデータの書き込みが行われる。膜面に垂直に注入されるスピン偏極電流の方向により、フリー層101の磁化の向きを規定することが可能である。この時の書き込み(磁化反転)の閾値は電流密度に依存することが知られている。従って、メモリセルサイズが縮小されるにつれ、磁化反転に必要な書き込み電流が減少する。メモリセルの微細化に伴って書き込み電流が減少するため、スピン注入磁化反転は、MRAMの大容量化の実現にとって重要である。
関連する技術として、スピン注入による磁性体中の磁壁の移動が、特開2006−73930号公報及び特開2005−191032号公報に記載されている。
特開2006−73930号公報に記載された磁気メモリ素子は、第1の磁性層と、中間層と、第2の磁性層とを有する。第1の磁性層の磁化の方向と第2の磁性層の磁化の方向との関係に基づいて、情報が記録される。ここで、少なくとも一方の磁性層内に、互いに反平行磁化となる磁区とそれらの磁区を隔てる磁壁が定常的に形成される。その磁壁を磁性層内で移動させることにより、隣り合う磁区の位置が制御され、情報の記録が行われる。
特開2005−191032号公報に記載された磁気記憶装置は、磁化が固定された磁化固定層と、磁化固定層上に積層されたトンネル絶縁層と、トンネル絶縁層に積層された磁化自由層とを備える。磁化自由層は、トンネル絶縁層及び磁化固定層と重なる接合部、接合部の両端に隣接するくびれ部、及びくびれ部に隣接形成された一対の磁化固定部を有する。一対の磁化固定部には、互いに反対向きの固定磁化が付与されている。更に、磁気記憶装置は、一対の磁化固定部に電気的に接続された一対の磁気情報書き込み用端子を備える。この一対の磁気情報書き込み用端子により、磁化自由層の接合部、一対のくびれ部及び一対の磁化固定部を貫通する電流が流れる。
更に、磁性体中の磁壁の移動は、特開2005−150303号公報や、Yamaguchi et al., PRL, Vol. 92, pp. 077205-1, 2004、などにも記載されている。
本発明の目的は、スピン注入による磁壁移動(Domain Wall Motion)を用いた新たなMRAMを提供することにある。
本発明の他の目的は、スピン注入による磁壁移動を用いたMRAMにおいて、その磁壁の移動度を向上させることができる技術を提供することにある。
本発明の更に他の目的は、スピン注入による磁壁移動を用いたMRAMに関して、書き込み特性と読み出し特性を共に向上させることができる技術を提供することにある。
本発明によれば、スピン注入による磁壁の移動を用いたMRAM(磁壁移動型MRAM)が提供される。本発明に係るMRAMは、磁化の向きが固定されたピン層と、第1非磁性層を介してピン層に接続された磁気記録層とを備えている。磁気記録層は、第1フリー層と、第2フリー層と、第1フリー層と第2フリー層との間に設けられた第2非磁性層とを有している。第2フリー層は、第1非磁性層に接触しており、また、反転可能な磁化を有している。つまり、ピン層と第1非磁性層と第2フリー層によって、MTJが構成されている。
第1フリー層は、磁化反転領域と、第1磁化固定領域と、第2磁化固定領域とを含んでいる。磁化反転領域は、反転可能な磁化を有し、また、第2フリー層とオーバーラップしている。第1磁化固定領域は、磁化反転領域の第1境界に接続されており、その磁化の向きは第1方向に固定されている。一方、第2磁化固定領域は、磁化反転領域の第2境界に接続されており、その磁化の向きは第2方向に固定されている。第1方向及び第2方向は共に、磁化反転領域へ向かう方向、又は、磁化反転領域から離れる方向である。磁化反転領域の磁化は、第1境界及び第2境界のいずれかへ向く。よって、第1フリー層において、磁壁が第1境界及び第2境界のいずれかに形成される。
本発明によれば、第2非磁性層は、少なくとも磁化反転領域を覆うように形成されている。そして、第1フリー層の磁化反転領域と第2フリー層は、第2非磁性層を介して磁気的に結合している。つまり、磁化反転領域の磁化の向きが変化した場合、その変化に応じて、第2フリー層の磁化の向きも変化する。その第2フリー層の磁化の向きとピン層の固定磁化の向きとの関係によって、データ“0”あるいは“1”が記録される。データの書き換え時には、第1フリー層の磁化反転領域の磁化の向きを変化させればよい。
磁化反転領域の磁化の向きの反転は、スピン注入方式により行われる。そのスピン注入は、第1フリー層内を平面的に流れる書き込み電流により実現可能である。それは、第1フリー層が上述のような構造を有しているからである。上述の第1フリー層において、第1磁化固定領域は、ある方向のスピン電子を磁化反転領域に供給する役割を果たしている。一方、第2磁化固定領域は、逆方向のスピン電子を磁化反転領域に供給する役割を果たしている。よって、第1フリー層内に書き込み電流をデータに応じた方向で流すことによって、磁化反転領域の磁化の向きを所望の向きに変えることができる。
具体的には、第1書き込み動作時、第1書き込み電流が、第1磁化固定領域から磁化反転領域を通って第2磁化固定領域に流される。これにより、第2磁化固定領域から磁化反転領域に向けてスピン注入が行われる。その結果、磁化反転領域において磁壁が第2境界から第1境界に移動する。一方、第2書き込み動作時、第2書き込み電流が、第2磁化固定領域から磁化反転領域を通って第1磁化固定領域に流される。これにより、第1磁化固定領域から磁化反転領域に向けてスピン注入が行われる。その結果、磁化反転領域において磁壁が第1境界から第2境界に移動する。このように、磁壁の移動によってデータ書き込みが実現される。
以上に説明されたように、本発明に係る書き込み方式によれば、書き込み電流は、MTJを貫通する方向ではなく、第1フリー層内を平面的に流れる。書き込み電流がMTJを貫通しないため、MTJにおける第1非磁性層の劣化が抑制される。
また、書き込み動作時、上述の通り、磁壁は第1フリー層の磁化反転領域中を移動する。本発明によれば、第2非磁性層は、その磁化反転領域を少なくとも覆うように形成されている。この第2非磁性層は、製造プロセス中の酸化やエッチングによるダメージから磁化反転領域を保護する役割を果たしている。もし、磁化反転領域を覆う第2非磁性層がなければ、エッチングの際の反応性ガス、イオン、ラジカルなどによって、磁化反転領域の表面はダメージを受けてしまう。そうなると、磁化反転領域中で磁壁がスムーズに移動しなくなる。しかしながら、本発明によれば、第2非磁性層によって、磁化反転領域はダメージから保護される。従って、磁化反転領域における磁壁移動がスムーズに行われる、すなわち、磁壁の移動度が向上する。結果として、磁壁移動型MRAMの信頼性及び歩留まりが向上する。
更に、本発明によれば、磁気記録層は、第1フリー層と第2フリー層を別々に有している。このうち第1フリー層は、磁壁が移動する層であり、書き込み特性(書き込み電流の大きさなど)に大きく寄与している。一方、第1非磁性層に接触する第2フリー層は、ピン層と共にMTJを構成する層であり、読み出し特性(MR比など)に大きく寄与している。従って、本発明に係る構造によれば、書き込み特性と読み出し特性をそれぞれ独立に制御することが可能である。
例えば、スピン注入方式の場合、磁性層の飽和磁化が小さくなるにつれて、磁化反転に必要な書き込み電流を低減することができる。一方で、磁性層の飽和磁化が減少すると、その磁性層の分極率が低下する。その場合、TMR効果が減少するため、MR比が低下してしまう。すなわち、MR比の向上と書き込み電流の低減との間には、一般的にトレードオフの関係が存在する。しかしながら、本発明によれば、第1フリー層と第2フリー層をそれぞれ独立に設計することが可能である。よって、第1フリー層の飽和磁化を比較的小さく設計し、第2フリー層の飽和磁化を比較的大きく設計することができる。それにより、MR比(読み出しマージン)の増加と書き込み電流の低減とを両立させることが可能となる。
このように、本発明によれば、第1フリー層と第2フリー層の特性を独立して自由にコントロールすることができる。これは、素子設計の自由度の向上を意味し、書き込み特性と読み出し特性を共に向上させることが可能となる。そして、このメリットは、CPPスピン注入方式では得られない。それは、CPPスピン注入方式の場合、書き込み特性も読み出し特性も、トンネルバリヤ層に隣接する強磁性層によって支配されるからである。また、平面的な書き込み電流によるスピン注入方式であっても、フリー層が1層だけの場合(第2フリー層が無い場合)、上記メリットは得られない。それは、磁壁が移動する第1フリー層が、同時にMTJの一端となり、書き込み特性と読み出し特性の両方に影響を与えてしまうからである。
本発明によれば、スピン注入による磁壁移動を用いた磁壁移動型MRAMが提供される。その磁壁移動型MRAMの製造プロセスにおいて、磁壁が移動する層(磁壁移動層)に対するダメージが防止される。従って、磁壁移動層における磁壁の移動がスムーズに行われる、すなわち、磁壁の移動度が向上する。結果として、磁壁移動型MRAMの信頼性及び歩留まりが向上する。更に、本発明に係る磁壁移動型MRAMによれば、読み出しマージンの増加と書き込み電流の低減とを両立させることが可能となる。すなわち、書き込み特性と読み出し特性を共に向上させることが可能となる。
図1は、スピン注入方式によるデータ書き込みを説明するための図である。 図2は、本発明の実施例に係る磁気メモリセルの構造の一例を示す全体図である。 図3は、本発明の実施例に係る磁壁移動層の一例を示す平面図である。 図4は、図3に示された磁壁移動層における磁壁移動を示す概念図である。 図5は、本発明の実施例に係る磁壁移動層の他の例と、その磁壁移動層における磁壁移動を示す概念図である。 図6は、本発明の実施例に係る磁壁移動層の更に他の例を示す平面図である。 図7は、図6に示された磁壁移動層における磁壁移動を示す概念図である。 図8は、本発明の実施例に係る磁壁移動層の更に他の例と、その磁壁移動層における磁壁移動を示す概念図である。 図9は、本発明の実施例に係る磁気メモリセルの構造の一例を示す側面図である。 図10は、本発明の実施例に係る磁気メモリセルの構造の他の例を示す側面図である。 図11は、本発明の実施例に係る磁気メモリセルの構造の更に他の例を側面図である。 図12は、本発明の実施例に係る磁気メモリセルの製造工程を示す断面図である。 図13は、本発明の実施例に係る磁気メモリセルの製造工程を示す断面図である。 図14は、本発明の実施例に係る磁気メモリセルの製造工程を示す断面図である。
添付図面を参照して、本発明の実施例に係るMRAM及びその製造方法を説明する。本実施例に係るMRAMは、スピン注入による磁壁移動を用いる「磁壁移動型のMRAM」である。また、本実施例に係るMRAMは、アレイ状に配置された複数の磁気メモリセルを有しており、各磁気メモリセルがMTJを有している。
1.磁気メモリセルの全体構造
図2は、本実施例に係る磁気メモリセル1(磁気抵抗素子)の構造の一例を示している。磁気メモリセル1は、磁気記録層40、トンネルバリヤ層50、及びピン層60を有している。トンネルバリヤ層50は、磁気記録層40とピン層60に挟まれている。
ピン層60は強磁性層であり、その磁化の向き(orientation)は固定されている。具体的には、ピン層60は、トンネルバリヤ層50に隣接した強磁性体膜を含んでおり、その強磁性体膜の磁化の向き(orientation)は実質的に一方向に固定されている。例えば、ピン層60は、強磁性体膜としてCoFe膜を含んでいる。例えば、ピン層60は、CoFe/Ru/CoFe/PtMnの積層膜である。
トンネルバリヤ層50は、非磁性層である。例えば、トンネルバリヤ層50は、薄い絶縁膜である。その絶縁膜として、Al膜、SiO膜、MgO膜、AlN膜が例示される。またその他に、トンネルバリヤ層50として、Cu,Zn,Au,Ag,Alなどの非磁性金属を用いることもできる。
磁気記録層40は、トンネルバリヤ層50を介してピン層60に接続されている。より詳細には、磁気記録層40は、第1フリー層10、中間層20、及び第2フリー層30を含んでいる。中間層20は、第1フリー層10と第2フリー層30との間に設けられている。このうち、第2フリー層30がトンネルバリヤ層50に接触している。
第1フリー層10及び第2フリー層30は、強磁性層であり、反転可能な磁化を有している。第1フリー層10及び第2フリー層30は、例えばNiFe、CoFe、NiFeCoなどの強磁性金属で形成されている。第1フリー層10及び第2フリー層30は、添加物としてB、C、O、Zrなどの非磁性元素を含んでいても良い。
一方、中間層20は、非磁性層であり、例えばRu、Cu、Ir、Rhなどの非磁性金属で形成されている。本実施例において、中間層20は、第1フリー層10上に、第1フリー層10の少なくとも一部を覆うように形成されている。この中間層20は、後述される製造プロセス中の酸化やエッチングによるダメージから第1フリー層10を保護する役割を果たしている。そのため、中間層20は、第1フリー層10の全体を覆うように形成されることが好ましい。言い換えれば、中間層20は、XY平面において、第1フリー層10と同じ形状を有していることが好適である。
第1フリー層10と第2フリー層30は、中間層20を介して磁気的に結合している。その磁気的結合としては、反強磁性結合(anti-ferromagnetic coupling)、強磁性結合(ferromagnetic coupling)、静磁結合(static coupling)が挙げられる。その磁気的結合の種類は、中間層20の厚さを調整することにより決定される。第1フリー層10と第2フリー層30が磁気的に結合しているため、第1フリー層10の磁化の向きが変化した場合、その変化に応じて、第2フリー層30の磁化の向きも変化する。
上述の通り、第2フリー層30はトンネルバリヤ層50に接触している。つまり、第2フリー層30とトンネルバリヤ層50とピン層60によって、MTJが構成されている。そのMTJの抵抗値を検出することによって、磁気メモリセル1に記録されたデータが読み出される。その意味で、第2フリー層30は「センス層」と参照される場合がある。センス層としての第2フリー層30は、磁気メモリセル1の読み出し特性(MR比など)に大きく寄与する。
一方、データの書き込みは、第2フリー層30の磁化の向きを反転させることにより行われる。第2フリー層30の磁化の向きを変えるためには、第1フリー層10の磁化を反転させればよい。次節で示されるように、本実施例に係る第1フリー層10は、磁壁を有しており、第1フリー層10における磁化反転は、その磁壁の移動により実現される。その意味で、第1フリー層10は「磁壁移動層」と参照される場合がある。第1フリー層10は、第2フリー層30の磁化を反転させる役割を果たしており、書き込み特性(書き込み電流の大きさなど)に大きく寄与する。以下、磁壁移動層としての第1フリー層10を詳細に説明する。
2.磁壁移動層
2−1.構造例1
図3は、本実施例に係る第1フリー層10の構造の一例を示す平面図である。図3に示されるように、第1フリー層10は、3つの異なる領域である第1磁化固定領域11、第2磁化固定領域12、及び磁化反転領域13を有している。それら第1磁化固定領域11、第2磁化固定領域12、及び磁化反転領域13は、同一平面(XY面)上に形成されている。第1磁化固定領域11及び第2磁化固定領域12は、Y方向に延びるように形成されている。一方、磁化反転領域13は、X方向に延びるように形成されており、第1磁化固定領域11と第2磁化固定領域12との間をつないでいる。第1磁化固定領域11と磁化反転領域13は、第1境界B1において互いに接続しており、第2磁化固定領域12と磁化反転領域13は、対向する第2境界B2において互いに接続している。言い換えれば、図3において、第1、第2磁化固定領域11、12、及び磁化反転領域13は、“U字型”、又は、“凹型”に形成されている。
図3には、各領域の磁化の向きも矢印によって示されている。第1磁化固定領域11及び第2磁化固定領域12の磁化の向きは固定されている。具体的には、第1磁化固定領域11の磁化の向きは、+Y方向に固定されている。その向きは、第1境界B1から離れる(Away)方向である。また、第2磁化固定領域12の磁化の向きも、+Y方向に固定されている。その向きは、第2境界B2から離れる(Away)方向である。つまり、第1磁化固定領域11と第2磁化固定領域12は共に、それらの磁化の向きが磁化反転領域13から離れるように形成されている。これは、第1磁化固定領域11の磁化の向きと第2磁化固定領域12の磁化の向きが、第1フリー層10の形状に沿って逆向きであることを意味する。
一方、磁化反転領域13の磁化の向きは反転可能であり、+X方向あるいは−X方向である。磁化反転領域13の磁化の向きが+X方向の場合、すなわち、その磁化が第2境界B2へ向いている場合、第1磁化固定領域11が1つの磁区(magnetic domain)を形成し、磁化反転領域13と第2磁化固定領域12が別の磁区を形成する。つまり、第1境界B1に「磁壁(domain wall)」が形成される。一方、磁化反転領域13の磁化の向きが−X方向の場合、すなわち、その磁化が第1境界B1へ向いている場合、第1磁化固定領域11と磁化反転領域13が1つの磁区を形成し、第2磁化固定領域12が別の磁区を形成する。つまり、第2境界B2に磁壁が形成される。
本実施例によれば、この磁化反転領域13が、上記第2フリー層30とオーバーラップしている。そして、磁化反転領域13と第2フリー層30は、中間層20を介して磁気的に結合している。つまり、磁化反転領域13の磁化の向きが変化した場合、その変化に応じて、第2フリー層30の磁化の向きも変化する。その第2フリー層30の磁化の向きとピン層60の固定磁化の向きとの関係によって、データ“0”あるいは“1”が記録される。よって、データの書き換え時には、磁化反転領域13の磁化の向きを変化させればよい。
磁化反転領域13の磁化の向きの反転、すなわち、データ書き込みは、スピン注入方式により行われる。以下、データ書き込みの原理を、図4を参照して説明する。図4において、状態(a)の場合、磁化反転領域13の磁化の向きは−X方向であり、磁壁DWは第2境界B2に存在する。一方、状態(b)の場合、磁化反転領域13の磁化の向きは+X方向であり、磁壁DWは第1境界B1に存在する。
状態(a)から状態(b)への遷移時、第1書き込み電流IW1が、第1磁化固定領域11から磁化反転領域13を通って第2磁化固定領域12に流れる。この場合、磁化反転領域13には、第2磁化固定領域12から電子(スピン電子)が注入される。注入された電子のスピンは、磁化反転領域13の磁気モーメントに影響を及ぼす。その結果、磁化反転領域13の磁化の向きは、第2境界B2の方向へスイッチする。つまり、スピントランスファー効果により、磁化反転領域13の磁化が反転し、その磁化の向きが+X方向に変わる(スピン注入磁化反転)。またこの時、磁壁DWは、電子の移動方向と一致して、磁化反転領域13中を第2境界B2から第1境界B1へ移動している。
一方、状態(b)から状態(a)への遷移時、第2書き込み電流IW2が、第2磁化固定領域12から磁化反転領域13を通って第1磁化固定領域11に流れる。この場合、磁化反転領域13には、第1磁化固定領域11から電子が注入される。その結果、磁化反転領域13の磁化が反転し、その磁化の向きが−X方向に変わる。またこの時、磁壁DWは、電子の移動方向と一致して、磁化反転領域13中を第1境界B1から第2境界B2へ移動している。
このように、スピン注入による磁化反転が実現される。第1磁化固定領域11は、ある方向のスピン電子を磁化反転領域13に供給する役割を果たしている。一方、第2磁化固定領域12は、逆方向のスピン電子を磁化反転領域13に供給する役割を果たしている。よって、第1フリー層10内に書き込み電流をデータに応じた方向で流すことによって、磁化反転領域13の磁化の向きを所望の向きに変えることができる。これは、「磁壁の移動(Domain Wall Motion)」という観点から述べることもできる。つまり、第1フリー層10中の磁壁DWは、電子の移動方向に応じて、第1境界B1と第2境界B2の間を“シーソーあるいはフローメータ”のように行き来する。磁壁DWは磁化反転領域13内を移動しており、磁化反転領域13を「磁壁移動領域」と呼ぶことも可能である。本実施例に係る磁気メモリセル1は、磁壁DWの位置によってデータを記憶しているとも言える。
ここで着目すべきは、スピン注入が、第1フリー層10内を平面的に流れる電流により実現されている点である。つまり、書き込み動作において、MTJを貫通するような書き込み電流を供給する必要がない。本実施例において、書き込み電流IW1、IW2は、MTJを貫通する方向ではなく、第1フリー層10内を平面的に流れる。書き込み電流IW1,IW2がMTJを貫通しないため、MTJにおけるトンネルバリヤ層50の劣化が抑制される。
2−2.構造例2
第1磁化固定領域11と第2磁化固定領域12の磁化の向きは、図3や図4で示された方向に限られない。第1磁化固定領域11の磁化の向きと第2磁化固定領域12の磁化の向きは、第1フリー層10の形状に沿って逆向きであればよい。図5は、第1フリー層10の他の例を示している。図5は図4に相当する図であり、重複する説明は適宜省略される。
図5において、第1磁化固定領域11の磁化の向きは、−Y方向に固定されている。その向きは、第1境界B1へ向かう(Toward)方向である。また、第2磁化固定領域12の磁化の向きも、−Y方向に固定されている。その向きは、第2境界B2へ向かう(Toward)方向である。つまり、第1磁化固定領域11の磁化と第2磁化固定領域12の磁化は、共に磁化反転領域13へ向かう方向に固定されており、第1フリー層10の形状に沿って逆方向を向いている。状態(a)において、磁化反転領域13の磁化の向きは+X方向であり、磁壁DWは第2境界B2に存在する。一方、状態(b)において、磁化反転領域13の磁化の向きは−X方向であり、磁壁DWは第1境界B1に存在する。
状態(a)から状態(b)への遷移時、第1書き込み電流IW1が、第1磁化固定領域11から磁化反転領域13を通って第2磁化固定領域12に流れる。この場合、磁化反転領域13には、第2磁化固定領域12から電子が注入される。その結果、磁化反転領域13の磁化が反転し、その磁化の向きが−X方向に変わる。電子の移動方向に一致して、磁壁DWは、第2境界B2から第1境界B1へ移動する。一方、状態(b)から状態(a)への遷移時、第2書き込み電流IW2が、第2磁化固定領域12から磁化反転領域13を通って第1磁化固定領域11に流れる。この場合、磁化反転領域13には、第1磁化固定領域11から電子が注入される。その結果、磁化反転領域13の磁化が反転し、その磁化の向きが+X方向に変わる。電子の移動方向に一致して、磁壁DWは、第1境界B1から第2境界B2へ移動する。
2−3.構造例3
第1フリー層10の平面形状は、上述の平面形状に限られない。図6は、第1フリー層10の構造の更に他の例を示す平面図である。図6において、第1、第2磁化固定領域11、12、及び磁化反転領域13は、X方向に沿って“直線状”に形成されている。第1磁化固定領域11の磁化の向きは、−X方向に固定されている。その向きは、第1境界B1から離れる(Away)方向である。また、第2磁化固定領域12の磁化の向きは、+X方向に固定されている。その向きは、第2境界B2から離れる(Away)方向である。つまり、第1磁化固定領域11の磁化と第2磁化固定領域12の磁化は、共に磁化反転領域13から離れる方向に固定されており、逆方向を向いている。磁化反転領域13の磁化の向きは反転可能であり、+X方向あるいは−X方向である。
図7は、磁化反転領域13における磁化反転を示している。状態(a)において、磁化反転領域13の磁化の向きは−X方向であり、磁壁DWは第2境界B2に存在する。一方、状態(b)の場合、磁化反転領域13の磁化の向きは+X方向であり、磁壁DWは第1境界B1に存在する。
状態(a)から状態(b)への遷移時、第1書き込み電流IW1が、第1磁化固定領域11から磁化反転領域13を通って第2磁化固定領域12に流れる。この場合、磁化反転領域13には、第2磁化固定領域12から電子が注入される。その結果、磁化反転領域13の磁化が反転し、その磁化の向きが+X方向に変わる。電子の移動方向に一致して、磁壁DWは、第2境界B2から第1境界B1へ移動する。一方、状態(b)から状態(a)への遷移時、第2書き込み電流IW2が、第2磁化固定領域12から磁化反転領域13を通って第1磁化固定領域11に流れる。この場合、磁化反転領域13には、第1磁化固定領域11から電子が注入される。その結果、磁化反転領域13の磁化が反転し、その磁化の向きが−X方向に変わる。電子の移動方向に一致して、磁壁DWは、第1境界B1から第2境界B2へ移動する。
2−4.構造例4
図8は、第1フリー層10の更に他の例を示している。図8は図7に相当する図であり、重複する説明は適宜省略される。
図8において、第1磁化固定領域11の磁化の向きは、+X方向に固定されている。その向きは、第1境界B1へ向かう(Toward)方向である。また、第2磁化固定領域12の磁化の向きは、−X方向に固定されている。その向きは、第2境界B2へ向かう(Toward)方向である。つまり、第1磁化固定領域11の磁化と第2磁化固定領域12の磁化は、共に磁化反転領域13へ向かう方向に固定されており、逆方向を向いている。状態(a)において、磁化反転領域13の磁化の向きは+X方向であり、磁壁DWは第2境界B2に存在する。一方、状態(b)において、磁化反転領域13の磁化の向きは−X方向であり、磁壁DWは第1境界B1に存在する。
状態(a)から状態(b)への遷移時、第1書き込み電流IW1が、第1磁化固定領域11から磁化反転領域13を通って第2磁化固定領域12に流れる。この場合、磁化反転領域13には、第2磁化固定領域12から電子が注入される。その結果、磁化反転領域13の磁化が反転し、その磁化の向きが−X方向に変わる。電子の移動方向に一致して、磁壁DWは、第2境界B2から第1境界B1へ移動する。一方、状態(b)から状態(a)への遷移時、第2書き込み電流IW2が、第2磁化固定領域12から磁化反転領域13を通って第1磁化固定領域11に流れる。この場合、磁化反転領域13には、第1磁化固定領域11から電子が注入される。その結果、磁化反転領域13の磁化が反転し、その磁化の向きが+X方向に変わる。電子の移動方向に一致して、磁壁DWは、第1境界B1から第2境界B2へ移動する。
2−5.磁化の固定
磁化固定領域11、12の磁化を固定する手法としては、様々考えられる。例えば、磁化固定領域11、12の近傍に、磁性体で作製されたピニング層(図示されない)が設けられる。そのピニング層と磁化固定領域11、12との静磁結合により、磁化が固定される。また、ピニング層は、磁化固定領域11、12に密着するように設けられてもよい。その場合、交換結合により磁化が固定される。
また、磁気異方性を利用することにより磁化が固定されてもよい。例えば、図3〜図5に示された構造の場合、第1磁化固定領域11及び第2磁化固定領域12の長手方向はY方向であり、磁化反転領域13の長手方向はX方向である。従って、磁化固定領域11、12は、等しい向きの磁気異方性(magnetic anisotropy)を有し、磁化反転領域13は、それら磁化固定領域11、12と異なる向きの磁気異方性を有する。よって、初期アニール工程において、+Y方向あるいは−Y方向の磁場が印加されるとよい。その結果、磁化固定領域11、12の磁化の向きは、磁気異方性によって+Y方向あるいは−Y方向に保持される。この場合、ピニング層を設ける必要がなく、好適である。すなわち、図3〜図5に示された“U字状”の形状は、磁化固定の観点から言えば、好ましい形状である。
3.磁気記録層
本実施例に係る磁気記録層40において、第1フリー層10の磁化反転領域13と第2フリー層30は、中間層20を介して磁気的に結合している。その磁気的結合としては、反強磁性結合、強磁性結合、静磁結合が挙げられる。その磁気的結合の種類は、中間層20の厚さを調整することにより決定される。
3−1.反強磁性結合
図9は、反強磁性結合の場合の磁気メモリセル1を概略的に示す側面図である。図9において、磁化反転領域13と第2フリー層30は、中間層20を介して反強磁性結合している。よって、第2フリー層30の磁化の向きは、磁化反転領域13の磁化の向きの逆になる。
図9において、ピン層60の磁化の向きは、−X方向に固定されている。データ「0」は、第2フリー層30の磁化の向きが−X方向の場合に対応付けられている。この時、磁化反転領域13の磁化の向きは+X方向である。一方、データ「1」は、第2フリー層30の磁化の向きが+X方向の場合に対応付けられている。この時、磁化反転領域13の磁化の向きは−X方向である。MTJの抵抗値は、データ「1」の場合の方がデータ「0」の場合よりも大きくなる。
データ書き込み時、第1フリー層10内で書き込み電流が平面的に流される。その結果、第2節で示されたように、磁化反転領域13の磁化の向きが反転する。それに応じて、第2フリー層30の磁化の向きも反転する。データ読み出し時、読み出し電流は、ピン層60と第2フリー層30との間を流れるように供給される。例えば、読み出し電流は、ピン層60から、トンネルバリヤ層50、第2フリー層30、中間層20、及び磁化反転領域13を経由して、第1磁化固定領域11と第2磁化固定領域12のいずれかへ流れる。その読み出し電流あるいは読み出し電位に基づいて、MTJの抵抗値が検出され、第2フリー層30(センス層)の磁化の向きがセンスされる。
3−2.強磁性結合
図10は、強磁性結合の場合の磁気メモリセル1を概略的に示す側面図である。図10において、磁化反転領域13と第2フリー層30は、中間層20を介して強磁性結合している。よって、第2フリー層30の磁化の向きは、磁化反転領域13の磁化の向きと同じになる。
図10において、ピン層60の磁化の向きは、−X方向に固定されている。データ「0」は、第2フリー層30の磁化の向きが−X方向の場合に対応付けられている。この時、磁化反転領域13の磁化の向きは−X方向である。一方、データ「1」は、第2フリー層30の磁化の向きが+X方向の場合に対応付けられている。この時、磁化反転領域13の磁化の向きは+X方向である。MTJの抵抗値は、データ「1」の場合の方がデータ「0」の場合よりも大きくなる。
データ書き込み時、第1フリー層10内で書き込み電流が平面的に流される。その結果、第2節で示されたように、磁化反転領域13の磁化の向きが反転する。それに応じて、第2フリー層30の磁化の向きも反転する。データ読み出しは、上述の方法と同様の方法で行われる。
3−3.静磁結合
図11は、静磁結合の場合の磁気メモリセル1を概略的に示す側面図である。図11において、磁化反転領域13と第2フリー層30は、反強磁性結合も強磁性結合もしていない。磁化反転領域13と第2フリー層30は、磁壁からの漏れ磁場によって、互いに磁気的に結合している。よって、第2フリー層30の磁化の向きは、磁化反転領域13の磁化の向きの逆になる。
図11において、ピン層60の磁化の向きは、−X方向に固定されている。データ「0」は、第2フリー層30の磁化の向きが−X方向の場合に対応付けられている。この時、磁化反転領域13の磁化の向きは+X方向である。一方、データ「1」は、第2フリー層30の磁化の向きが+X方向の場合に対応付けられている。この時、磁化反転領域13の磁化の向きは−X方向である。MTJの抵抗値は、データ「1」の場合の方がデータ「0」の場合よりも大きくなる。
データ書き込み時、第1フリー層10内で書き込み電流が平面的に流される。その結果、第2節で示されたように、磁化反転領域13の磁化の向きが反転する。それに応じて、第2フリー層30の磁化の向きも反転する。データ読み出しは、上述の方法と同様の方法で行われる。
4.製造方法
次に、本実施例に係る磁気メモリセル1の製造工程の一例を説明する。
まず、図12に示されるように、シード層5の上に、上記第1フリー層10としての第1強磁性層10が形成される。シード層5は、第1強磁性層10の形成時の結晶成長をコントロールするための層である。シード層5の材料としては、電気抵抗の高い材料が用いられる。第1強磁性層10としては、NiFe、CoFe、NiFeCoなどの強磁性金属層が例示される。第1強磁性層10は、添加物としてB、C、O、Zrなどの非磁性元素を含んでいても良い。
次に、第1強磁性層10の上に、中間層20が形成される。中間層20は、非磁性層であり、例えばRu、Cu、Ir、Rhなどの非磁性金属で形成されている。この中間層20の厚さは、第1フリー層10と第2フリー層30との間の所望の磁気的結合を実現するように設計される。尚、後述されるように、中間層20は、酸化やエッチングによるダメージから第1強磁性層10を保護する役割を果たす。
次に、中間層20上に、上記第2フリー層30としての第2強磁性層30が形成される。第2強磁性層30としては、NiFe、CoFe、NiFeCoなどの強磁性金属層が例示される。第2強磁性層30は、添加物としてB、C、O、Zrなどの非磁性元素を含んでいても良い。
次に、第2強磁性層30上に、非磁性層であるトンネルバリヤ層50が形成される。例えば、トンネルバリヤ層50は、薄い絶縁膜である。その絶縁膜として、Al膜、SiO膜、MgO膜、AlN膜が例示される。またその他に、トンネルバリヤ層50として、Cu,Zn,Au,Ag,Alなどの非磁性金属を用いることもできる。
次に、トンネルバリヤ層50上に、上記ピン層60としての第3強磁性層60が形成される。第3強磁性層60としては、CoFe膜が例示される。更に、第3強磁性層60上に、その第3強磁性層60の磁化の向きを固定するための反強磁性層70が形成される。更に、反強磁性層70上にキャップ層75が形成される。このようにして、図12に示される積層構造が得られる。
次に、図13に示されるように、フォトリソグラフィ技術により、所定のパターンを有するマスク80が上記積層構造上に形成される。続いて、そのマスク80を用いたエッチングが実行される。エッチングとしては、例えば、反応性ガスエッチング(RIE)あるいはイオンミリングが行われる。また、そのエッチングにおいて、中間層20が「エッチングストップ層」として用いられる。つまり、中間層20が露出するまで、キャップ層75、反強磁性層70、第3強磁性層60、トンネルバリヤ層50、及び第2フリー層30が順番にエッチングされる。
上述の通り、書き込み動作時、磁壁DWは、第1フリー層10の磁化反転領域13中を移動する。もし、エッチングの際の反応性ガス、イオン、ラジカルなどによって、磁化反転領域13の表面がダメージを受けたら、磁化反転領域13中で磁壁がスムーズに移動しなくなる。本実施例によれば、エッチングストップ層20(中間層20)によって、第1強磁性層10はダメージから保護される。従って、書き込み動作時、磁化反転領域13における磁壁移動はスムーズに行われる、すなわち、磁壁の移動度が向上する。
次に、中間層20及び第1強磁性層10のパターニングが行われる。その結果、本実施例に係る第1フリー層10の構造が得られる(図2〜図8参照)。中間層20は、第1フリー層10と同じ平面形状を有していてもよい。上記理由から、中間層20は、少なくとも第1フリー層10の磁化反転領域13を覆っていることが好適である。更に、第1フリー層10の第1磁化固定領域11及び第2磁化固定領域12の磁化の向きが固定される。磁化の固定は、既出の第2−5節で述べられた通りである。
次に、図14に示されるように、層間絶縁膜85が全面に形成され、CMP(Chemical Mechanical Polishing)が行われる。続いて、キャップ層75に到達するようにビアホールが形成され、そのビアホールに金属を埋め込むことによってビア90が形成される。更に、ビア90に接続される上部電極95が形成される。このようにして、本実施例に係る磁気メモリセル1が作製される。
5.効果
本実施例に係る磁壁移動型MRAMの書き込み方式による効果は、次の通りである。
まず、アステロイド方式と比較して、優れたメモリセルの選択性が確保される。アステロイド方式の場合、書き込み磁界の閾値のばらつきが、2次元メモリセルアレイにおけるメモリセルの選択性を低下させる。しかしながら、スピン注入方式によれば、書き込み電流が対象メモリセルだけに作用する。従って、ディスターバンスが大幅に低減される。すなわち、選択書き込み性が向上する。
また、アステロイド方式やトグル方式と比較して、書き込み電流のスケーリング性が向上する。アステロイド方式やトグル方式の場合、メモリセルサイズにほぼ反比例して、磁化反転領域の磁化を反転させるために必要な反転磁界が大きくなる。つまり、メモリセルが微細化されるにつれて、書き込み電流が増加する傾向にある。しかしながら、スピン注入方式によれば、磁化反転の閾値は電流密度に依存する。メモリセルサイズが縮小されるにつれて電流密度は増加するので、メモリセルの微細化に伴い書き込み電流を低減することが可能である。言い換えれば、メモリセルサイズが縮小されても、書き込み電流を大きくする必要がなくなる。その意味で、書き込み電流のスケーリング性が向上する。このことは、大容量のMRAMを実現にとって重要である。
また、アステロイド方式やトグル方式と比較して、電流磁界変換効率が増加する。アステロイド方式やトグル方式の場合、書き込み電流はジュール熱で消費される。電流磁界変換効率を向上させるためには、フラックスキーパーやヨーク構造といった書き込み専用配線を設ける必要があった。これは、製造プロセスの複雑化や配線インダクタンスの増加を招く。しかしながら、スピン注入方式によれば、書き込み電流が、スピントランスファーに直接寄与する。従って、電流磁界変換効率が増加する。これにより、製造プロセスの複雑化や配線インダクタンスの増加が防止される。
更に、CPP(Current Perpendicular to Plane)方式のスピン注入方式と比較して、MTJ(トンネルバリヤ層50)の劣化が抑制される。CPP方式の場合、書き込み電流は膜面に垂直に注入される。データ書き込み時の書き込み電流は、読み出し電流よりもはるかに大きく、その大電流がトンネルバリヤ層50を破壊する恐れがあった。しかしながら、本実施例に係る書き込み方式によれば、読み出し時の電流経路と書き込み時の電流経路が分離されている。具体的には、データ書き込み時、書き込み電流IW1,IW2は、MTJを貫通せず、第1フリー層10の面内を流れる。データ書き込み時、大電流をMTJ膜面に垂直に注入する必要がない。従って、MTJにおけるトンネルバリヤ層50の劣化が抑制される。
更に、メモリセルの微細化に伴い、書き込み速度が増加する。それは、本実施例において、データ書き込みが第1フリー層10内の磁壁移動によって実現されるからである。メモリセルサイズが縮小されることは、磁壁DWの移動距離が小さくなることを意味する。従って、メモリセルサイズの縮小に伴い、書き込み速度が増加する。
また、本実施例に係る磁壁移動型MRAMの磁気記録層40は、磁気的に結合した複数(2以上)のフリー層を含んでいる。そのような構造による効果は、次の通りである。
書き込み動作時、磁壁は第1フリー層10の磁化反転領域13中を移動する。本実施例によれば、中間層20は、その磁化反転領域13を少なくとも覆うように形成されている。この中間層20は、製造プロセス中の酸化やエッチングによるダメージから磁化反転領域13を保護する役割を果たしている。もし、磁化反転領域13を覆う中間層20がなければ、エッチングの際の反応性ガス、イオン、ラジカルなどによって、磁化反転領域13の表面はダメージを受けてしまう。そうなると、磁化反転領域13中で磁壁がスムーズに移動しなくなる。しかしながら、本実施例によれば、中間層20によって、磁化反転領域13はダメージから保護される。従って、磁化反転領域13における磁壁移動がスムーズに行われる、すなわち、磁壁の移動度が向上する。結果として、磁壁移動型MRAMの信頼性及び歩留まりが向上する。
更に、本実施例によれば、磁気記録層40は、第1フリー層10と第2フリー層30を別々に有している。このうち第1フリー層10は、磁壁が移動する磁壁移動層であり、書き込み特性(書き込み電流の大きさ)などに大きく寄与している。一方、トンネルバリヤ層50に接触する第2フリー層30は、ピン層60と共にMTJを構成するセンス層であり、読み出し特性(MR比など)に大きく寄与している。従って、本実施例に係る構造によれば、書き込み特性と読み出し特性をそれぞれ独立に制御することが可能である。
例えば、書き込み特性が主に第1フリー層10によって支配されるため、その第1フリー層10の材料として、書き込み特性を高めるような材料(NiFeなど)を用いることができる。一方、読み出し特性が主に第2フリー層30によって支配されるため、その第2フリー層30の材料として、読み出し特性を高めるような材料(CoFe、CoFeBなど)を用いることができる。
また、スピン注入方式の場合、磁性層の飽和磁化が小さくなるにつれて、磁化反転に必要な書き込み電流を低減することができる。一方で、磁性層の飽和磁化が減少すると、その磁性層の分極率が低下する。その場合、TMR効果が減少するため、MR比が低下してしまう。すなわち、MR比の向上と書き込み電流の低減との間には、一般的にトレードオフの関係が存在する。しかしながら、本実施例によれば、第1フリー層10と第2フリー層30をそれぞれ独立に設計することが可能である。よって、第1フリー層10の飽和磁化を比較的小さく設計し、第2フリー層30の飽和磁化を比較的大きく設計することができる。それにより、MR比(読み出しマージン)の増加と書き込み電流の低減とを両立させることが可能となる。
このように、本実施例によれば、第1フリー層10と第2フリー層30の特性を独立して自由にコントロールすることができる。これは、素子設計の自由度の向上を意味し、書き込み特性と読み出し特性を共に向上させることが可能となる。そして、このメリットは、CPPスピン注入方式では得られない。それは、CPPスピン注入方式の場合、書き込み特性も読み出し特性も、トンネルバリヤ層に隣接する強磁性層によって支配されるからである。また、平面的な書き込み電流によるスピン注入方式であっても、フリー層が1層だけの場合(第2フリー層30が無い場合)、上記メリットは得られない。それは、磁壁が移動する第1フリー層10が、同時にMTJの一端となり、書き込み特性と読み出し特性の両方に影響を与えてしまうからである。
本実施例によれば、上述の効果が同時に得られる。高集積・高速動作・低消費電力のMRAMを実現するために、本実施例に係る技術は極めて有用である。
以上、本発明の実施例が添付の図面を参照することにより説明された。但し、本発明は、既出の実施例に限定されず、要旨を逸脱しない範囲で当業者により適宜変更され得る。

Claims (10)

  1. 磁化の向きが固定されたピン層と、
    第1非磁性層を介して前記ピン層に接続された磁気記録層と
    を備え、
    前記磁気記録層は、
    第1フリー層と、
    前記第1非磁性層に接触し、反転可能な磁化を有する第2フリー層と、
    前記第1フリー層と前記第2フリー層との間に設けられた第2非磁性層と、
    を有し、
    前記第1フリー層は、
    反転可能な磁化を有し前記第2フリー層とオーバーラップする磁化反転領域と、
    前記磁化反転領域の第1境界に接続され、磁化の向きが第1方向に固定された第1磁化固定領域と、
    前記磁化反転領域の第2境界に接続され、磁化の向きが第2方向に固定された第2磁化固定領域と
    を含み、
    前記第1方向及び前記第2方向は共に、前記磁化反転領域へ向かう方向、又は、前記磁化反転領域から離れる方向であり、
    前記第2非磁性層は、少なくとも前記磁化反転領域を覆うように形成され、
    前記第1フリー層の前記磁化反転領域と前記第2フリー層は、前記第2非磁性層を介して磁気的に結合している
    磁気ランダムアクセスメモリ。
  2. 請求の範囲1に記載の磁気ランダムアクセスメモリであって、
    前記第2非磁性層は、前記第1フリー層の全体を覆うように形成された
    磁気ランダムアクセスメモリ。
  3. 請求の範囲1に記載の磁気ランダムアクセスメモリであって、
    前記第2非磁性層は、前記第1フリー層と同じ平面形状を有する
    磁気ランダムアクセスメモリ。
  4. 請求の範囲1乃至3のいずれかに記載の磁気ランダムアクセスメモリであって、
    前記磁化反転領域と前記第2フリー層は、前記第2非磁性層を介して、反強磁性結合している
    磁気ランダムアクセスメモリ。
  5. 請求の範囲1乃至3のいずれかに記載の磁気ランダムアクセスメモリであって、
    前記磁化反転領域と前記第2フリー層は、前記第2非磁性層を介して、強磁性結合している
    磁気ランダムアクセスメモリ。
  6. 請求の範囲1乃至3のいずれかに記載の磁気ランダムアクセスメモリであって、
    前記磁化反転領域と前記第2フリー層は、前記第2非磁性層を介して、静磁結合している
    磁気ランダムアクセスメモリ。
  7. 請求の範囲1乃至6のいずれかに記載の磁気ランダムアクセスメモリであって、
    前記磁化反転領域、前記第1磁化固定領域、及び前記第2磁化固定領域は、同一平面上に形成された
    磁気ランダムアクセスメモリ。
  8. 請求の範囲1乃至7のいずれかに記載の磁気ランダムアクセスメモリであって、
    前記磁化反転領域の磁化は、前記第1境界及び前記第2境界のいずれかへ向き、
    前記第1フリー層において、磁壁が前記第1境界及び前記第2境界のいずれかに形成され、
    データ書き込みは、前記磁壁の移動により行われる
    磁気ランダムアクセスメモリ。
  9. 請求の範囲1乃至7のいずれかに記載の磁気ランダムアクセスメモリであって、
    第1書き込み動作時、第1書き込み電流が、前記第1磁化固定領域から前記磁化反転領域を通って前記第2磁化固定領域に流され、前記磁化反転領域において磁壁が前記第2境界から前記第1境界に移動し、
    第2書き込み動作時、第2書き込み電流が、前記第2磁化固定領域から前記磁化反転領域を通って前記第1磁化固定領域に流され、前記磁化反転領域において磁壁が前記第1境界から前記第2境界に移動する
    磁気ランダムアクセスメモリ。
  10. (a)第1強磁性層上にエッチングストップ層を形成する工程と、
    (b)前記第1強磁性層と磁気的に結合する第2強磁性層を、前記エッチングストップ層上に形成する工程と、
    (c)前記第2強磁性層上に非磁性層を介して第3強磁性層を形成する工程と、
    (d)前記第3強磁性層の磁化の向きを固定する反強磁性層を、前記第3強磁性層上に形成する工程と、
    (e)所定のマスクを用いることにより、前記エッチングストップ層が露出するまで、前記反強磁性層、前記第3強磁性層、前記非磁性層、及び前記第2強磁性層をエッチングする工程と、
    (f)前記第1強磁性層のパターニングにより、フリー層を形成する工程と
    を有し、
    前記フリー層は、反転可能な磁化を有し前記エッチング後の前記第2強磁性層とオーバーラップする磁化反転領域を含み、
    前記(f)工程は、
    (f1)前記フリー層中に、前記磁化反転領域の第1境界に接続され磁化の向きが第1方向に固定された第1磁化固定領域を形成する工程と、
    (f2)前記フリー層中に、前記磁化反転領域の第2境界に接続され磁化の向きが第2方向に固定された第2磁化固定領域を形成する工程と
    を含み、
    前記第1方向及び前記第2方向は共に、前記磁化反転領域へ向かう方向、又は、前記磁化反転領域から離れる方向である
    磁気ランダムアクセスメモリの製造方法。
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