JP5076225B2 - 作業車両の制御装置および制御プログラム - Google Patents

作業車両の制御装置および制御プログラム Download PDF

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Description

本発明は、操作レバー等の操作装置の操作量に応じて、作業車両の左右の履帯または車輪の速度比等の制御量を制御する装置または制御装置に組み込まれる制御プログラムに関するものである。
ブルドーザ等の作業車両には、HST(ハイドロスタティックトランスミッション;静流体駆動式トランスミッション)が搭載されている。
図9は、油圧式の操作レバー装置、HSTを用いて左右履帯の速度比が制御されるシステムを示している。
すなわち、同図9に示すように、車体左右に設けられたスプロケット15、16には、左右の定容量型油圧モータ7、8の駆動軸が連結されている。なお左右スプロケット15、16はそれぞれ、車体左右に設けられた左右履帯に歯合している。左油圧モータ7の流入出ポート7a、7bはそれぞれ、油路61、油路62を介して左側の可変容量型油圧ポンプ3の吐出吸込ポート3a、3bに連通している。
同様に右油圧モータ8の流入出ポート8a、8bはそれぞれ、油路63、油路64を介して右側の可変容量型油圧ポンプ4の吐出吸込ポート4a、4bに連通している。
油圧式の操作レバー装置65からは操作ストロークに応じた油圧信号(パイロット圧)が左右の斜板駆動部105、106に出力され、左右の斜板駆動部105、106は、パイロット圧に応じて左右の油圧ポンプ3、4の斜板3c、4cの駆動して、左右油圧ポンプ3、4の傾転角、つまり容量(cc/reb)を変化させる。左右の油圧ポンプ3、4の容量の比率が変化されると、左右の履帯の速度比が変化される。すなわち、左右油圧モータ7、8の1回転当たりの流出油量は一定であるため、左右油圧モータ7、8に流入される油量の比率、つまり左右油圧ポンプ3、4の容量比が定まれば、左右油圧モータ7、8の回転数比、つまり左右履帯(左右スプロケット)の速度比が一義的に定まる。
図10は、電気式の操作レバー装置、HSTを用いて左右履帯の速度比が制御されるシステムを示している。
電気式の操作レバー装置66から操作ストロークに応じた電気信号が出力されてコントローラ120に入力され、コントローラ120から速度比に応じた制御電気信号が左右の斜板駆動部5、6に出力され、左右の斜板駆動部5、6によって左右油圧ポンプ3、4の斜板3c、4cが駆動される以外は、図9のシステムと同様である。
HSTに関する発明は、たとえば後掲する特許文献1に記載されている。
また、HSTと同様に、油圧ポンプの容量を調整することによって作業車両の左右履帯の速度比を制御するシステムとして、HSS(ハイドロスタティックステアリングシステム)が知られている。
HSSに関する発明は、たとえば後掲する特許文献2に記載されている。
特開平11−59212号公報 特開2002−293261号公報
ブルドーザなどの作業車両に図9、図10に示すシステムを搭載する場合には、以下のような課題がある。
a)作業車両に採用されている操作レバーは、疲労を低減するために、操作ストローク範囲(中立点からフルストロークまでの操作範囲)が短く設定されている。この短く限られたストローク範囲内で、操作ストロークに対する速度比の変化が緩やかな特性(以下、ファイコン特性)を得る必要がある。
b)作業車両では車体から操作レバーに伝わる振動が大きく、オペレータが操作レバーを保持して所望する操作ストロークに固定することが困難である。このように操作レバーの保持によって所望する操作ストロークに固定することが困難な場合でも所望する速度比から大きく変化するような挙動を示さないようにする必要がある。
c)所望する旋回半径を得ようとするとき、オペレータとしては、まず操作レバーを大きくフルストローク側に倒し、そのつぎに中立位置側に戻して、戻し側で微調整するという操作をとることが多い。このように操作レバーを倒してから戻す(あるいは戻してから倒す)ような操作を行った場合でも、オペレータの操作感覚通りに所望する旋回半径が得られるようにする必要がある。
図9で説明した油圧式操作レバー装置65を用いたシステムでは、操作レバー装置65から左右の斜板駆動部105、106までが油圧で作動するため、油圧の作動遅れに起因して、上記課題a)、b)、c)については実用上、問題視されてはいなかった。
しかし、図10に示す電気式の操作レバー装置66を用いたシステムでは、操作レバー装置66からコントローラ120を介して左右の斜板駆動部5、6までが電気的に作動するため、操作レバー66aの操作に対する左右油圧ポンプ3、4の斜板3c、4cの傾転位置の変化の応答が良く、上記課題a)、b)、c)が問題視されることとなった。これについて図6、図7、図8を用いて説明する。
図6は、操作レバー66aの操作ストロークと速度比との関係L8に示す。
同図6に示すように、操作ストロークが中立位置に近い領域L81では、操作ストロークに対する速度比の変化が比較的緩やかであり(ファイコン域)、フルストロークに違い領域L82では、操作ストロークに対する速度比の変化が比較的急となっている。これは、速度比(容量比)が小さい領域では、速度比の変化に対する旋回半径の変化が小さく、速度比(容量比)が大きい領域では、速度比の変化に対する旋回半径の変化が大きいという特性があるため、操作ストロークの変化に対する旋回半径の変化を、全域にわたってほぼ一定とするためである。
図6のファイコン域L81で操作している限りでは、上記課題a)、b)、c)については実用上、問題はない。しかし、ラインL82に沿って操作している場合には、上記課題a)、b)、c)は解決されない。
すなわち、図6に示す横軸の操作ストローク範囲は、上述したように非常に短い。このためオペレータが極く短いストローク範囲で操作レバー66aを操作しているつもりでも、オペレータが意図した以上に実際の旋回半径の変化が大きく、オペレータの操作感覚と実際の旋回半径との間にずれが生じるという問題がある。同様にオペレータが操作レバー66aを保持しているつもりでも、車体から操作レバー66aに伝わる振動によって、操作レバー66aの操作ストロークが変化し、所望する旋回半径から大きくずれてしまうことがある。また、操作レバーを大きくフルストローク側に倒し、そのつぎに中立位置側に戻して、戻し側で所望する旋回半径になるように微調整するという操作をとった場合には、図6に矢印D1で示すように速度比が大きく変化するため、オペレータの操作感覚通りの所望する旋回半径が得られないという問題がある。
そこで、これらの問題を解決するために、図7に示す操作レバーの操作ストロークと速度比との関係L9にしたがい速度比を制御する試みがなされている。
図7に示す関係によれば、ラインL94(ファイコン域)、L91上の点から操作ストロークが増加して速度比が減少する方向に操作レバー66aが操作されているときには、ラインL94(ファイコン域)、L91にしたがって、操作ストロークの変化に応じて速度比を減少させるようにし、ラインL92、L95(ファイコン域)上の点から操作ストロークが減少して速度比が増加する方向に操作レバー66aが操作されているときは、ラインL91、L94に対してヒステリシスをもたせたラインL92、L95(ファイコン域)にしたがって、操作ストロークの変化に応じて速度比を増加させるようにし、ラインL91上の点から操作ストロークが減少する方向に操作レバー66aが操作されたときあるいはラインL92上の点から操作ストロークが増加する方向に操作レバー66aが操作されたときは、速度比が変化しないラインL93にしたがって、速度比を維持するという制御が行われる。
図7のファイコン域L94、L95で操作している限りでは、上記課題a)、b)、c)については実用上、問題はない。しかし、ラインL91、L92に沿って操作しているときには、上記課題a)、b)、c)が依然として解決されない。
これは、速度比が変化しないラインL93の横幅(ストローク範囲)が、ファイコン域L94、L95の横幅(ストローク範囲)に比べて狭く、ラインL93を外れると、ラインL92またはL91に沿って急激に速度比が変化するためである。
確かに、若干の振動が操作レバー66aが伝わり操作ストロークが大きく振れなかった場合であれば、ラインL93上を移動し、旋回半径は大きく変化はしない。しかし、実際の振動は、矢印D2に示すようにラインL92、L91にまたがる挙動を示すことが多い。このためラインL93を外れると、ラインL92またはL91に沿って速度比が急激に変化するため、所望する旋回半径に固定することができない。
また、操作レバー66aを大きくフルストローク側に倒し、そのつぎに中立位置側に戻して、戻し側で所望する旋回半径になるように微調整するという操作をとった場合にも、矢印D2に示す挙動を示し、速度比が大きく変化してしまう。このためオペレータの操作感覚通りの所望する旋回半径が得られない。
いいかえればファイコン域L94、L95で操作している限りでは、ファイコン操作特性が得られるが、すべての操作ストローク範囲で広いファイコン操作特性は得られない。
この結果、図8に示すように車両の左右履帯10L、10Rの旋回軌跡が振動的になり易く、安定した旋回走行が困難となる。
本発明はこうした実状に鑑みてなされたものであり、操作ストローク範囲が短い操作装置を採用した場合であっても、車体振動等の影響による制御量(速度比)の変化が少なく所望の制御量(速度比)に固定でき、しかも操作ストロークを増減させて微調整を行う場合にもオペレータの感覚通りの制御量(速度比)が得られるようにして、上記a)、b)、c)の課題を解決することにある。
第1発明は、ブレーキ操作装置(70)の操作ストロークとブレーキ指令信号との関係を示すライン(L3)が設定され、この設定されたライン(L3)にしたがって作業車両(1)のブレーキ指令信号を制御する作業車両の制御装置において、
操作ストロークの増加に応じてブレーキ指令信号が変化される第1のライン(L31)と、
前記第1のライン(L31)に対してヒステリシスをもたせたラインであって、操作ストロークの減少に応じてブレーキ指令信号が変化される第2のライン(L32)と、
操作ストロークの変化に応じてブレーキ指令信号が変化されるラインであって、第1のライン(L31)および第2のライン(L32)よりも、操作ストロークの変化に対するブレーキ指令信号の変化が小さい第3のライン(L331、L332、L333、L334)と
が設定され、
第1のライン(L31)上の点から操作ストロークが増加する方向にブレーキ操作装置(70)が操作された場合には、第1のライン(L31)に従ってブレーキ指令信号を変化させ、
第2のライン(L32)上の点から操作ストロークが減少する方向にブレーキ操作装置(70)が操作された場合には、第2のライン(L32)に従ってブレーキ指令信号を変化させ、
第1のライン(L31)上の点から操作ストロークが減少する方向にブレーキ操作装置(70)が操作された場合あるいは第2のライン(L32)上の点から操作ストロークが増加する方向にブレーキ操作装置(70)が操作された場合には、第3のライン(L331、L332、L333、L334)に従ってブレーキ指令信号を変化させる制御を行う制御手段(220)
が設けられたこと
を特徴とする。
第2発明は、
ブレーキ操作装置(70)の操作ストロークとブレーキ指令信号との関係を示すライン(L3)が以下のように設定されていて、作業車両(1)の制御装置(220)に組み込まれたときに、以下のように動作する、作業車両の制御プログラム。
1)操作ストロークの増加に応じてブレーキ指令信号が変化される第1のライン(L31)と、
前記第1のライン(L31)に対してヒステリシスをもたせたラインであって、操作ストロークの減少に応じてブレーキ指令信号が変化される第2のライン(L32)と、
操作ストロークの変化に応じてブレーキ指令信号が変化されるラインであって、第1のライン(L31)および第2のライン(L32)よりも、操作ストロークの変化に対するブレーキ指令信号の変化が小さい第3のライン(L331、L332、L333、L334)と
が設定されている。
2)第1のライン(L31)上の点から操作ストロークが増加する方向にブレーキ操作装置(70)が操作された場合には、第1のライン(L31)に従ってブレーキ指令信号を演算する。
3)第2のライン(L32)上の点から操作ストロークが減少する方向にブレーキ操作装置(70)が操作された場合には、第2のライン(L32)に従ってブレーキ指令信号を演算する。
4)第1のライン(L31)上の点から操作ストロークが減少する方向にブレーキ操作装置(70)が操作された場合あるいは第2のライン(L32)上の点から操作ストロークが増加する方向にブレーキ操作装置(70)が操作された場合には、第3のライン(L331、L332、L333、L334)に従ってブレーキ指令信号を演算する。
第3発明は、
デセルまたはアクセル操作装置(73、74)の操作ストロークとエンジン目標回転数との関係を示すライン(L3)が設定され、この設定されたライン(L3)にしたがって作業車両(1)のエンジン目標回転数を制御する作業車両の制御装置において、
操作ストロークの増加に応じてエンジン目標回転数が変化される第1のライン(L31)と、
前記第1のライン(L31)に対してヒステリシスをもたせたラインであって、操作ストロークの減少に応じてエンジン目標回転数が変化される第2のライン(L32)と、
操作ストロークの変化に応じてエンジン目標回転数が変化されるラインであって、第1のライン(L31)および第2のライン(L32)よりも、操作ストロークの変化に対するエンジン目標回転数の変化が小さい第3のライン(L331、L332、L333、L334)と
が設定され、
第1のライン(L31)上の点から操作ストロークが増加する方向にデセルまたはアクセル操作装置(73、74)が操作された場合には、第1のライン(L31)に従ってエンジン目標回転数を変化させ、
第2のライン(L32)上の点から操作ストロークが減少する方向にデセルまたはアクセル操作装置(73、74)が操作された場合には、第2のライン(L32)に従ってエンジン目標回転数を変化させ、
第1のライン(L31)上の点から操作ストロークが減少する方向にデセルまたはアクセル操作装置(73、74)が操作された場合あるいは第2のライン(L32)上の点から操作ストロークが増加する方向にデセルまたはアクセル操作装置(73、74)が操作された場合には、第3のライン(L331、L332、L333、L334)に従ってエンジン目標回転数を変化させる制御を行う制御手段(220)
が設けられたこと
を特徴とする。
第4発明は、
デセルまたはアクセル操作装置(73、74)の操作ストロークとエンジン目標回転数との関係を示すライン(L3)が以下のように設定されていて、作業車両(1)の制御装置(220)に組み込まれたときに、以下のように動作する、作業車両の制御プログラム。
1)操作ストロークの増加に応じてエンジン目標回転数が変化される第1のライン(L31)と、
前記第1のライン(L31)に対してヒステリシスをもたせたラインであって、操作ストロークの減少に応じてエンジン目標回転数が変化される第2のライン(L32)と、
操作ストロークの変化に応じてエンジン目標回転数が変化されるラインであって、第1のライン(L31)および第2のライン(L32)よりも、操作ストロークの変化に対するエンジン目標回転数の変化が小さい第3のライン(L331、L332、L333、L334)と
が設定されている。
2)第1のライン(L31)上の点から操作ストロークが増加する方向にデセルまたはアクセル操作装置(73、74)が操作された場合には、第1のライン(L31)に従ってエンジン目標回転数を演算する。
3)第2のライン(L32)上の点から操作ストロークが減少する方向にデセルまたはアクセル操作装置(73、74)が操作された場合には、第2のライン(L32)に従ってエンジン目標回転数を演算する。
4)第1のライン(L31)上の点から操作ストロークが減少する方向にデセルまたはアクセル操作装置(73、74)が操作された場合あるいは第2のライン(L32)上の点から操作ストロークが増加する方向にデセルまたはアクセル操作装置(73、74)が操作された場合には、第3のライン(L331、L332、L333、L334)に従ってエンジン目標回転数を演算する。
第5発明は、
作業機用操作装置(75)の操作ストロークと作業機速度との関係を示すライン(L3)が設定され、この設定されたライン(L3)にしたがって作業車両(1)の作業機速度を制御する作業車両の制御装置において、
操作ストロークの増加に応じて作業機速度が変化される第1のライン(L31)と、
前記第1のライン(L31)に対してヒステリシスをもたせたラインであって、操作ストロークの減少に応じて作業機速度が変化される第2のライン(L32)と、
操作ストロークの変化に応じて作業機速度が変化されるラインであって、第1のライン(L31)および第2のライン(L32)よりも、操作ストロークの変化に対する作業機速度の変化が小さい第3のライン(L331、L332、L333、L334)と
が設定され、
第1のライン(L31)上の点から操作ストロークが増加する方向に作業機用操作装置(75)が操作された場合には、第1のライン(L31)に従って作業機速度を変化させ、
第2のライン(L32)上の点から操作ストロークが減少する方向に作業機用操作装置(75)が操作された場合には、第2のライン(L32)に従って作業機速度を変化させ、
第1のライン(L31)上の点から操作ストロークが減少する方向に作業機用操作装置(75)が操作された場合あるいは第2のライン(L32)上の点から操作ストロークが増加する方向に作業機用操作装置(75)が操作された場合には、第3のライン(L331、L332、L333、L334)に従って作業機速度を変化させる制御を行う制御手段(220)
が設けられたこと
を特徴とする。
第6発明は、
作業機用操作装置(75)の操作ストロークと作業機速度との関係を示すライン(L3)が以下のように設定されていて、作業車両(1)の制御装置(220)に組み込まれたときに、以下のように動作する、作業車両の制御プログラム。
1)操作ストロークの増加に応じて作業機速度が変化される第1のライン(L31)と、
前記第1のライン(L31)に対してヒステリシスをもたせたラインであって、操作ストロークの減少に応じて作業機速度が変化される第2のライン(L32)と、
操作ストロークの変化に応じて作業機速度が変化されるラインであって、第1のライン(L31)および第2のライン(L32)よりも、操作ストロークの変化に対する作業機速度の変化が小さい第3のライン(L331、L332、L333、L334)と
が設定されている。
2)第1のライン(L31)上の点から操作ストロークが増加する方向に作業機用操作装置(75)が操作された場合には、第1のライン(L31)に従って作業機速度を演算する。
3)第2のライン(L32)上の点から操作ストロークが減少する方向に作業機用操作装置(75)が操作された場合には、第2のライン(L32)に従って作業機速度を演算する。
4)第1のライン(L31)上の点から操作ストロークが減少する方向に作業機用操作装置(75)が操作された場合あるいは第2のライン(L32)上の点から操作ストロークが増加する方向に作業機用操作装置(75)が操作された場合には、第3のライン(L331、L332、L333、L334)に従って作業機速度を演算する。
図2のコントローラ20は、図3に示す関係L1にしたがい速度比を演算し、速度比を制御する。
コントローラ20には、下記の内容の設定がされ、演算が行われる走行制御プログラムがインストールされている。
1)操作ストロークの変化に応じて速度比が減少される第1のラインL11と、
第1のラインL11に対してヒステリシスをもたせたラインであって、操作ストロークの変化に応じて速度比が増加される第2のラインL12と、
操作ストロークの変化に応じて速度比が変化されるラインであって、第1のラインL11および第2のラインL12よりも、操作ストロークの変化に対する速度比の変化が小さい第3のラインL131、L132、L133、L134と
が設定されている。
2)第1のラインL11上の点から操作ストロークが増加して速度比が減少する方向に操作レバー装置21が操作された場合には、第1のラインL11に従って速度比を演算する。
3)第2のラインL12上の点から操作ストロークが減少して速度比が増加する方向に操作レバー装置21が操作された場合には、第2のラインL12に従って速度比を演算する。
4)第1のラインL11上の点から操作ストロークが減少して速度比が増加する方向に操作レバー装置21が操作された場合あるいは第2のラインL12上の点から操作ストロークが増加して速度比が減少する方向に操作レバー装置21が操作された場合には、第3のラインL131、L132、L133、L134に従って速度比を演算する。
また、第2のラインL12は、第1のラインL11よりも、操作ストロークの変化に対する速度比の変化が小さくなるように設定され、第3のラインL131、L132、L133、L134…は、速度比が大きいラインほど、操作ストローク範囲が大きくなるように設定されている。
本発明の効果を、図18を一例として説明する。
図18は、操作装置を、ブレーキペダル70とし、制御量を、ブレーキ指令信号(ポンプ容量)とした発明を例示する。
図18(a)は、図2と同様にHSTを用いて、左右履帯10L、10Rにブレーキをかけるシステムを示す。ブレーキペダル70が操作されると、ブレーキペダル70の操作ストロークを示す検出信号がコントローラ220に入力される。コントローラ220は、図18(b)に示す関係L3にしたがいブレーキ指令信号(ポンプ容量)を演算して、左右油圧ポンプ3、4の斜板駆動部5、6に出力する。
図18(b)は、ブレーキペダル70の操作ストロークとブレーキ指令信号(ポンプ容量)との関係L3を示す。ブレーキペダル70の操作ストロークが増加するに伴い、左右油圧ポンプ3、4の容量が減少して、左右油圧モータ7、8の回転数が低下して、左右履帯10L、10Rの回転が遅くなり、ブレーキ力が増加する。逆に、ブレーキペダル70の操作ストロークが減少するに伴い、左右油圧ポンプ3、4の容量が増加して、左右油圧モータ7、8の回転数が上昇して、左右履帯10L、10Rの回転が速くなり、ブレーキが解除される。
図18(b)では、第2のラインL32は、第1のラインL31と同じ傾きに設定されており、第3のラインL331、L332、L333、L334…は、第1のラインL31、第2のラインL32の傾きよりも小さく、同じ操作ストローク範囲に設定されている。図18(b)では、ファイコン域L331の操作ストローク範囲と同じ幅に第3のラインL331、L332、L333、L334…が設定されている。
このため操作ストロークの全範囲で広範囲なファイコン操作を行うことができる。
図1は、作業車両の斜視図である。 図2は、第1実施例のシステムの構成図である。 図3は、操作ストロークと速度比との関係を示す図である。 図4は、実施例の作業車両が旋回したときの軌跡を示す図である。 図5は、第2実施例のシステムの構成図である。 図6は、従来の操作ストロークと速度比との関係を示す図である。 図7は、従来の操作ストロークと速度比との関係を示す図である。 図8は、従来の作業車両が旋回したときの軌跡を示す図である。 図9は、油圧式操作レバー装置を用いたシステムの構成図である。 図10は、電気式操作レバー装置を用いたシステムの構成図である。 図11は、左右履帯の速度と旋回半径との関係を説明する図である。 図12は、ポンプ容量比と旋回半径との関係を説明する図である。 図13は、コントローラにインストールされ、実行される走行制御プログラムのフローチャートである。 図14は、速度比を演算する条件を示した表である。 図15は、図3に対応する図で、本実施例の旋回動作を説明するために用いた図である。 図16(a)、(b)は、図3とは別の操作ストロークと速度比との関係を例示した図である。 図17(a)〜(g)は、操作ストロークの時間変化ないしは内側車速の時間変化を示した図である。 図18(a)、(b)は、操作装置がブレーキペダルで、制御量がブレーキ指令信号(ポンプ容量)である場合の実施例を説明する図である。 図19(a)、(b)は、操作装置がブレーキペダルで、制御量がブレーキ指令信号(ブレーキ解除圧)である場合の実施例を説明する図である。 図20(a)、(b)、(c)は、操作装置がデセルペダルまたはアクセルペダルで、制御量がエンジン目標回転数である場合の実施例を説明する図である。 図21(a)、(b)は、操作装置が作業機用操作レバーで、制御量が作業機用制御弁の開口面積(作業機速度)である場合の実施例を説明する図である。
以下、図面を参照して本発明の実施の形態について説明する。
本実施形態では、作業車両として、図1に示すブルドーザを想定する。
図1に示すように、作業車両(ブルドーザ)1は、車体9の左右に一対の履帯10L、10Rが設けられている。左右履帯10L、10Rにはそれぞれ、左右のスプロケット15、16が歯合している。車体9の前方には、作業機(ブレード)18が昇降自在に設けられている。車体9の前方にあって内側にはエンジン2が搭載されている。車体9の後方にあって上部には、運転席19が設けられている。運転席19の側方にあってオペレータが操作できる場所に、走行用操作レバー21aが設けられている。
図2は、第1実施例のシステム(制御装置)の構成を示している。このシステムは作業車両1に搭載されている。図2は、電気式の操作レバー装置21、HSTを用いて左右履帯10L、10Rの速度比が制御されるシステムを示している。
すなわち、同図2に示すように、エンジン2の出力軸は、左右の可変容量型油圧ポンプ3、4の駆動軸に連結されている。左右油圧ポンプ3、4の斜板3c、4cの傾転位置(傾転角)はそれぞれ、左右の斜板駆動部5、6によって駆動される。
一方、左右スプロケット15、16は、左右の終減速機13、14を介してそれぞれ、左右の定容量型油圧モータ7、8の駆動軸に連結されている。なお左右油圧モータ7、8の駆動軸にはそれぞれ、左右油圧モータ7、8の回転を停止させる左右のブレーキ装置11、12が設けられている。
左油圧モータ7の流入出ポート7a、7bはそれぞれ、油路61、油路62を介して左側の可変容量型油圧ポンプ3の吐出吸込ポート3a、3bに連通している。
同様に右油圧モータ8の流入出ポート8a、8bはそれぞれ、油路63、油路64を介して右側の可変容量型油圧ポンプ4の吐出吸込ポート4a、4bに連通している。
電気式の操作レバー装置21は、走行用操作レバー21aと、走行用操作レバー21aの操作ストロークを検出する操作ストロークセンサ21bとからなる。なお操作ストロークセンサ21bは、たとえばポテンショメータを使用することができる。
走行用操作レバー21aは、オペレータからみて中立位置を中心に左右両方向に傾動自在に構成されている。中立位置は、作業車両1の「直進走行」に対応しており、左側の傾動方向は、作業車両1の「左旋回」に対応しており、右側の傾動方向は、作業車両1の「右旋回」に対応している。操作レバー21aが中立位置(操作ストロークは0%)に位置しているときには左右履帯10L、10Rの速度比(回転数比)は、1:1(100%)であり、操作レバー21aの操作ストロークが増加するに応じて、左右履帯10L、10Rの速度比が小さくなる。本実施形態では、フルストローク(操作ストロークは100%)では、左右履帯10L、10Rのうち一方(左側傾動時には左履帯10L、右側傾動時には右履帯10R)の速度が0、速度比は0となり、左信地旋回または右信地旋回が行われる。本明細書では、操作レバー21aを中立位置側からフルストローク側に操作する方向を「倒す方向」、操作レバー21aをフルストローク側から中立位置側に操作する方向を「戻す方向」と定義し、説明に使用する。なお、作業車両1は、超信地旋回を行うこともできるが、本発明とは関係がないため、その説明は省略する。
操作ストロークセンサ21bで検出された操作ストロークを示す検出電気信号は、コントローラ20に入力される。コントローラ20は、入力された操作ストロークに基づいて後述する演算処理を実行して、現在の操作ストロークに対応する速度比を演算して、この演算された速度比で左右履帯10L、10Rを回転させるための制御電気信号を生成して左右の斜板駆動部5、6に出力する。左右の斜板駆動部5、6はそれぞれ、入力された制御電気信号に応じて、左右油圧ポンプ3、4の斜板3c、4cを駆動する。これによって左右油圧ポンプ3、4の容量(cc/reb)の比率が変化される。左右の油圧ポンプ3、4の容量の比率が変化すると、それに応じて左右の履帯10L、10Rの速度比が変化し、それに応じて作業車両1の旋回半径が変化する。ここで、左右油圧ポンプ3、4の容量の比率と、左右履帯10L、10Rの速度比と、作業車両1の旋回半径との関係について説明する。
まず、左右油圧ポンプの容量比を、つぎのように定義する。
ポンプ容量比=旋回内側のポンプ容量/旋回外側のポンプ容量 …(1)
また、速度比を、つぎのように定義する。
速度比a=旋回内側の履帯速度/旋回外側の履帯速度 …(2)
本実施形態では、走行用操作レバー21aを倒した側の旋回内側の油圧ポンプの容量(左側に倒されたならば左油圧ポンプ3の容量)を直進時よりも下げ、倒されない側の旋回外側の油圧ポンプ(左側に倒されたならば右油圧ポンプ3の容量)を直進時の容量とすることで旋回を行うようにしている。
ポンプ容量比が100%であるならば作業車両1は直進走行し、ポンプ容量比が0%であるならば作業車両1は信地旋回する。
左右油圧モータ7、8の1回転当たりの流出油量は一定であるため、左右油圧モータ7、8に流入される油量の比率、つまり左右油圧ポンプ3、4の容量比が定まれば、左右油圧モータ7、8の回転数比、つまり左右履帯10L、10R(左右スプロケット15、16)の速度比aが一義的に定まる。
つぎに図11を用いて速度比aと旋回半径Rとの関係について説明する。
同図11に示すように、作業車両1がたとえば右旋回する場合を考え、つぎのようにおく。
VL:左履帯速度
VR:右履帯速度
VA:左右平均履帯速度
a:速度比
G:ゲージ幅
R:旋回半径
ここで、
VA=(VL+VR)/2 …(3)
であり、上記(2)式より、
a=VR/VL …(4)
となる。また、
VA:R=(VL−VR):G …(5)
なる関係が成立する。よって、(3)、(4)、(5)式より、
R=G(1+a)/2(1−a) …(6)
が得られる。このように旋回半径Rは、履帯速度によらず速度比aだけで決まることがわかる。つまりポンプ容量比が定まると旋回半径Rが一義的に定まる。
上記(6)式の関係を、ポンプ容量比と旋回半径Rとの関係としてグラフ化すると、図12に示すとおりとなる。
同図12に示すように、ポンプ容量比が大きい領域では、同じ容量比の変化に対する旋回半径Rの変化が大きく、ポンプ容量比が小さい領域では、同じ容量比の変化に対する旋回半径Rの変化が小さい。
つぎに、図2に示す第1実施例のシステムの代わりに図5に示す第2実施例のシステムを作業車両1に搭載してもよい。図5は、電気式の操作レバー装置21、HSSを用いて左右履帯10L、10Rの速度比が制御されるシステムを示している。図2と同一構成要素には同一の符号を付して適宜説明を省略する。
すなわち、図5に示すように、エンジン2の出力軸はPTO軸30に連結されている。PTO軸30は、トルクコンバータ31を介してトランスミッション32に連結されている。また、PTO軸30は、HSS用の可変容量型油圧ポンプ51の駆動軸に連結されている。なおPTO軸30は、作業機用の油圧ポンプ53の駆動軸に連結されている。
HSS用油圧ポンプ51の斜板51cの傾転位置(傾転角)は、斜板駆動部52によって駆動される。
HSS用油圧ポンプ51の吐出吸込ポート51a、51bはそれぞれ、油路67、68を介して方向流量制御弁54の入出力ポート54a、54bに連通している。方向流量制御弁54の入出力ポート54c、54dはそれぞれ、油路69、70を介してHSS用油圧モータ55の流入出ポート55a、55bに連通している。
方向流量制御弁54は、電磁ソレノイド24、25に加えられる制御電気信号に応じて弁位置が変化される。
斜板駆動部52は、方向流量制御弁54の前後差圧が一定となるように、HSS用油圧ポンプ51の斜板51cの傾転位置を駆動する。これにより方向流量制御弁54のストローク位置(開口面積)に応じて、HSS用油圧モータ55に供給される流量が一義的に定まる。
トランスミッション32の出力軸はベベルギア33に連結されている。ベベルギア33はベベルギア34に歯合している。ベベルギア34は、アクスルシャフト35に取り付けられている。アクスルシャフト35の左右にはそれぞれ、左右の遊星歯車機構40L、40Rが設けられている。
左遊星歯車機構40Lは、リングギア41L、サンギア42L、プラネタリウムギア43L、キャリア44Lとから構成されている。同様に、右遊星歯車機構40Rは、リングギア41R、サンギア42R、プラネタリウムギア43R、キャリア44Rとから構成されている。
アクスルシャフト35の左右にはそれぞれ、左右のリングギア41L、41Rが取り付けられている。左右のリングギア41L、41Rはそれぞれ、左右のプラネタリウムギア43L、43Rに歯合している。左右のプラネタリウムギア43L、43Rはそれぞれ、左右のサンギア42L、42Rに歯合している。左右のプラネタリウムギア43L、43Rはそれぞれ、左右のキャリア44L、44R、左右の終減速機46L、46Rを介して、左右のスプロケット15、16に連結されている。なお左右キャリア47L、47Rにはそれぞれ、左右キャリア47L、47Rの回転を停止させる左右のブレーキ装置48L、48Rが設けられている。
HSS用油圧モータ55の駆動軸には第1ギア36が取り付けられている。第1ギア36は第2ギア37に歯合している。第2ギア37は、左側サンギア42Lに歯合している。また第2ギア37は第3ギア38に歯合している。第3ギア38は、右側サンギア42Rに歯合している。
トランスミッション32には、トランスミッション32の出力軸の回転数を検出するトランスミッション出力軸回転数センサ26が設けられている。トランスミッション出力軸回転数センサ26で検出された回転数を示す検出電気信号は、コントローラ20に入力される。
コントローラ20は、操作ストロークセンサ21bより入力された操作ストロークと、トランスミッション出力軸回転数センサ26より入力されたトランスミッション出力軸回転数とに基づいて後述する演算処理を実行して、現在の操作ストロークに対応する速度比を演算して、この演算された速度比で左右履帯10L、10Rを回転させるための制御電気信号を生成して、方向流量制御弁54の電磁ソレノイド24、25に出力する。具体的には、演算された速度比にするために必要となるHSS用油圧モータ55の回転方向と回転数を、検出されたトランスミッション出力軸回転数に基づいて求め、求められた回転方向、回転数にするために必要な制御電気信号を生成して、方向流量制御弁54の電磁ソレノイド24、25に出力する。
HSS用油圧モータ55が停止しているときには、左右のサンギア42L、42Rの回転がロックされ、トランスミッション32の出力軸回転数に応じて左右のキャリア44L、44Rが同一回転数で同一方向に回転する。これにより左右履帯10L、10Rがそれぞれ等しい速度で前進または後進する(直進走行)。
これに対してHSS用油圧モータ55がある指令回転方向にある指令回転数で回転しているときには、左右のサンギア42L、42Rが互いに反対方向に指令された回転数に応じた速度で回転する。このため左右のキャリア44L、44RのうちHSS用油圧モータ55が回転方向に対応したキャリアは、トランスミッション32の出力軸回転数に対応して増速され、他方のキャリアは、減速される。左右キャリア44L、44Rの増速比および減速比、つまり回転数比は、HSS用油圧モータ55の回転数に応じて定まる。左右履帯10L、10Rの速度比は、トランスミッション32の出力軸回転数と、左右のキャリア44L、44Rの回転数比とに基づいて、定まる。
つぎに、第1実施例のシステム構成を想定してコントローラ20で行われる処理について説明する。なお、第2実施例のシステム構成の場合についても同様の処理が行われるため、その説明は省略する。
図3は、本実施例の操作レバーの操作ストロークと速度比との関係L1を示している。コントローラ20は、この図3に示す関係L1にしたがい速度比を演算し、速度比を制御する。
すなわち、コントローラ20には、下記の内容の設定がされ、演算が行われる走行制御プログラムがインストールされている。
1)操作ストロークの変化に応じて速度比が減少される第1のラインL11と、
第1のラインL11に対してヒステリシスをもたせたラインであって、操作ストロークの変化に応じて速度比が増加される第2のラインL12と、
操作ストロークの変化に応じて速度比が変化されるラインであって、第1のラインL11および第2のラインL12よりも、操作ストロークの変化に対する速度比の変化が小さい第3のラインL131、L132、L133、L134と
が設定されている。
2)第1のラインL11上の点から操作ストロークが増加して速度比が減少する方向に操作レバー装置21が操作された場合には、第1のラインL11に従って速度比を演算する。
3)第2のラインL12上の点から操作ストロークが減少して速度比が増加する方向に操作レバー装置21が操作された場合には、第2のラインL12に従って速度比を演算する。
4)第1のラインL11上の点から操作ストロークが減少して速度比が増加する方向に操作レバー装置21が操作された場合あるいは第2のラインL12上の点から操作ストロークが増加して速度比が減少する方向に操作レバー装置21が操作された場合には、第3のラインL131、L132、L133、L134…に従って速度比を演算する。
また、第2のラインL12は、第1のラインL11よりも、操作ストロークの変化に対する速度比の変化が小さくなるように設定され、第3のラインL131、L132、L133、L134…は、速度比が大きいラインほど、操作ストローク範囲が大きくなるように設定されている。
この走行制御プログラムがコントローラ20にインストールされると、コントローラ20は、現在の検出操作ストロークに基づいて、速度比を演算して、この演算された速度比が得られるように、制御電気信号を出力して、第1実施例であれば、左右油圧ポンプ3、4の容量を制御し、第2実施例であれば、HSS用油圧モータ55の回転方向および回転数を制御する。
図3に示す関係L1は、コントローラ20内の記憶装置に記憶される。この場合、図3に示す関係L1を、操作ストロークから速度比を演算できる演算式の形式で記憶しておいてもよく、操作ストロークと速度比の対応関係をデータテーブル形式で記憶しておいてもよい。

図3に示す関係L1は、つぎのようにして求められ、コントローラ20内の記憶装置に記憶される。
図3の横軸の操作ストロークをx軸、縦軸の速度比をy軸とすると、任意の操作ストローク(%)、速度比(%)の値は、2次元座標位置の点(x、y)で表される。
1)まず、車速比を0とする点B3(x3、0)を定める。B3点は、左右の油圧モータ7、8のうちの一方の油圧モータの回転を停止させる信地旋回が行われ、左右油圧モータ7、8を互いに反転方向に回転させる超信地旋回が開始される点として定められる。
2)つぎに、走行用操作レバー21aを中立位置、つまりB0点(0、100)から操作したときに速度比が100%(直進走行)のままとなる操作ストローク範囲のラインL10、つまり「遊び」の範囲を定める。この「遊び」の範囲は、中立のバラツキを吸収できる操作ストローク範囲に定められる。「遊び」の上限の操作ストロークであって、旋回が開始される(ステアリングが効き始めて欲しい)操作ストロークx1が、B1点(x1、100)として定められる。
3)つぎに、B1点(x1、100)とB2点(x2、y2)とを結ぶファイコン域のラインL131を設定する。ファイコン域ラインL131の傾きa(=Δy/Δx)、操作ストローク範囲B1〜B2(x1〜x2)は、旋回半径が大きいときにファイコン操作で可能で、第1のラインL1のストローク範囲(B2〜B3(x2〜x3))を十分とれる範囲に定める。また、ファイコン域ラインL131の傾きa(=Δy/Δx)、操作ストローク範囲B1〜B2(x1〜x2)は、前述した課題a)、b)、c)を考慮して、緩やかで、かつ、広い範囲に定める。ファイコン域ラインL131の傾きa(=Δy/Δx)は、0以外の値、つまり操作ストロークの変化に応じて速度比が変化するような所定の値に定められる。ファイコン域ラインL131上では、操作ストロークが増加する方向(速度比が減少する方向)に操作された場合のみならず操作ストロークが減少する方向(速度比が増加する方向)に操作された場合にも、このファイコン域ラインL131にしたがって操作ストロークの変化に応じて速度比が変化する。つまりファイコン域ラインL131は、第3のラインでもある。
4)つぎに、B2点(x2、y2)とB3点(x3、0)とを結ぶ第1のラインL11を設定する。第1のラインL11の傾きb(=Δy/Δx)は、ファイコン域ラインL131の傾きaよりも急な値に定める。
5)つぎに、B3点(x3、0)とB8点(x8、y8)とを結ぶように、信地旋回付近の第3のラインL134を設定する。信地旋回付近の第3のラインL134の傾きは、ファイコン操作を可能とするために、ファイコン域ラインL131と同じ緩やかな傾きaに定められる。信地旋回付近の第3のラインL134の操作ストローク範囲B3〜B8(x3〜x8)は、ファイコン域ラインL131の操作ストローク範囲B1〜B2(x1〜x2)よりも短い範囲に定められる。図12で述べたように、ポンプ容量比が大きい領域、つまりファイコン域ラインL131上では、同じ容量比の変化に対する旋回半径Rの変化が大きく、ポンプ容量比が小さい領域、つまり信地旋回付近の第3のラインL134上では、同じ容量比の変化に対する旋回半径Rの変化が小さい。このため信地旋回付近の第3のラインL134の操作ストローク範囲B3〜B8(x3〜x8)を大きくとると、走行用操作レバー21aを倒した状態から走行用操作レバー21aを戻すときに、第3のラインL134の操作ストローク範囲B3〜B8(x3〜x8)分だけ、第2のラインL12の操作ストローク範囲が狭まり、旋回半径の変化量が小さくなってしまう。走行用操作操作レバー21aを戻した状態から倒したときも同様である。このため走行用操作レバー21aを倒した状態から戻すときの第2のラインL12の操作ストローク範囲あるいは走行用操作レバー21aを戻した状態から倒したときの第1のラインL11の操作ストローク範囲を確保して、旋回半径の変化量を確保する必要がある。そこで、信地旋回付近の第3のラインL134のストローク範囲B3〜B8(x3〜x8)は、信地旋回付近でファイコン操作を確保できる最小限の操作ストローク範囲に定める。
6)B1点(x1、100)とB8点(x8、y8)とが定まったため、これらB8点(x8、y8)とB1点(x1、100)とを結ぶラインとして第2のラインL12が定められる。第2のラインL12の傾きcは、第1のラインL11の傾きbよりも緩やかで、ファイコン域ラインL131の傾きaよりも急な値に定められる。
7)第1のラインL11と第2のラインL12とが定まったため、ファイコン域ラインL131の傾きaと同じ傾きを有し、第1のラインL11上の任意の点(ただし端点B2、B3を除く)と第2のラインL12上の任意の点(ただし端点B1、B8を除く)とを結ぶラインとして、中間の第3のラインL132、L133…が定められる。中間の第3のラインのストローク範囲は、速度比が大きいラインほど、操作ストローク範囲が大きくなるように設定される。たとえばB6点(x6、y6)とB7点(x7、y7)とを結ぶラインL132は、B4点(x4、y4)とB5点(x5、y5)とを結ぶラインL133よりも速度比が大きい(ラインL132の速度比y6、y7はラインL133の速度比y4、y5よりも値が大きい)ラインであり、ラインL132の操作ストローク範囲B6〜B7(x6〜x7)の方が、ラインL133の操作ストローク範囲B4〜B5(x4〜x5)よりも大きい。
結局、ファイコン域ラインL131(第3のラインでもある)、信地旋回付近の第3のラインL134も含めて、第3のラインL131、L132、L133、L134…は、速度比が大きいラインほど、操作ストローク範囲が大きくなるように設定されることになる。このようにした理由は、図12を用いて前述したように、走行用操作レバー21aを倒した状態から戻すときの第2のラインL12の操作ストローク範囲あるいは走行用操作レバー21aを戻した状態から倒したときの第1のラインL11の操作ストローク範囲を確保して、旋回半径の変化量を確保するためである。
8)ファイコン域ラインL131、第1のラインL11、超信地旋回付近の第3のラインL134、第2のラインL12で囲まれる領域をAと定める。
以上のようにして、操作ストロークと速度比の関係L1が定められる。コントローラ20は、図3に示す関係L1に基づいて、図13、図14に示す処理内容で、逐次の速度比を書き換える演算を行う。コントローラ20は、走行用操作レバー21aの操作ストロークの検出値を、所定時間Δt毎に読み込み、処理を行う。以下において、つぎのようにおく。
xt:現在の操作ストローク
x(t+Δt):新しい操作ストローク
yt:現在の速度比(現在の制御電気信号)
y(t+Δt):新しい速度比(新しい制御電気信号)
図13に示すように、まず、現在の操作ストロークxt、現在の速度比ytを読み込み(ステップ101)、つぎに、新しい操作ストロークx(t+Δt)を読み込む(ステップ102)。
つぎに、図14に示す条件と、図3の関係L1を用いて、読み込まれた現在の操作ストロークxt、現在の速度比yt、新しい操作ストロークx(t+Δt)に基づいて、新しい速度比y(t+Δt)を演算する(ステップ103)。
つぎに、現在の操作ストロークxtを、ステップ102で読み込んだ新しい操作ストロークx(t+Δt)に書き換える(ステップ104;xt←x(t+Δt))。また、現在の速度比ytを、ステップ103で演算された新しい速度比y(t+Δt)に書き換える(ステップ105;yt←y(t+Δt))。
つぎにステップ101に戻り、以後同様の処理が繰り返し実行される。
図14は、上記ステップ103の処理内容を説明する表であり、新しい速度比y(t+Δt)を演算する条件を規定する。
すなわち、同図14に示すように、操作ストローク差x(t+Δt)−xtが0以上か0より小さいかを判断することによって、走行用操作レバー21aが倒す操作をされているか、戻す操作をされているかを判断し、その判断結果と、現在の座標位置(xt、yt)に基づいて、新しい速度比をy(t+Δt)を演算する。
以下、図14に、図15を併せ参照して説明する。
1)図15に矢印E1で示すように、現在の座標位置(xt、yt)がラインL10(ただしB1点を除く)上にあり、走行用操作レバー21aが倒されているときには、ラインL10上の新しい操作ストロークx(t+Δt)に対応するy軸座標位置を、新しい速度比y(t+Δt)として求める。また、図15に矢印E2で示すように、現在の座標位置(xt、yt)がラインL10(ただしB0点を除く)上にあり、走行用操作レバー21aが戻されているときには、ラインL10上の新しい操作ストロークx(t+Δt)に対応するy軸座標位置を、新しい速度比y(t+Δt)として求める。この場合、作業車両1は、直進走行する。
2)図15に矢印E3で示すように、現在の座標位置(xt、yt)がファイコン域ラインL131(ただしB2点を除く)上にあり、走行用操作レバー21aが倒されているときには、ファイコン域ラインL131上の新しい操作ストロークx(t+Δt)に対応するy軸座標位置を、新しい速度比y(t+Δt)として求める。また、図15に矢印E4で示すように、現在の座標位置(xt、yt)がファイコン域ラインL131(ただしB1点を除く)上にあり、走行用操作レバー21aが戻されているときには、ファイコン域ラインL131上の新しい操作ストロークx(t+Δt)に対応するy軸座標位置を、新しい速度比y(t+Δt)として求める。この場合、作業車両1は、ファイコン操作によって、大きな旋回半径で旋回する。
3)図15に矢印E5で示すように、現在の座標位置(xt、yt)が第1のラインL11(ただしB3点を除く)上にあり、走行用操作レバー21aが倒されているときには、第1のラインL11上の新しい操作ストロークx(t+Δt)に対応するy軸座標位置を、新しい速度比y(t+Δt)として求める。この場合、作業車両1は、ファイコン域に比べて小さい旋回半径で旋回する。
4)図15に矢印E6で示すように、現在の座標位置(xt、yt)が信地旋回付近の第3のラインL134(ただしB8点を除く)上にあり、B3点(フルストローク)から走行用操作レバー21aが戻されているときには、この第3のラインL134上の新しい操作ストロークx(t+Δt)に対応するy軸座標位置を、新しい速度比y(t+Δt)として求める。また、図15に矢印E7で示すように、現在の座標位置(xt、yt)が信地旋回付近の第3のラインL134(ただしB3点を除く)上にあり、B8点から走行用操作レバー21aが倒されているときには、この第3のラインL134上の新しい操作ストロークx(t+Δt)に対応するy軸座標位置を、新しい速度比y(t+Δt)として求める。矢印E8で示すように、信地旋回付近の第3のラインL134の途中で倒すか戻す操作が行われたときも(ただしB3点、B8点を除く)、第3のラインL134上の新しい操作ストロークx(t+Δt)に対応するy軸座標位置を、新しい速度比y(t+Δt)として求める。この場合、作業車両1は、ファイコン操作によって、信地旋回に近い極めて小さい旋回半径で旋回する。
5)図15に矢印E9で示すように、現在の座標位置(xt、yt)が第2のラインL12(ただしB1点を除く)上にあり、走行用操作レバー21aが戻されているときには、第2のラインL12上の新しい操作ストロークx(t+Δt)に対応するy軸座標位置を、新しい速度比y(t+Δt)として求める。この場合、作業車両1は、ファイコン域に比べて小さい旋回半径で旋回する。
6)図15に矢印E10で示すように、現在の座標位置(xt、yt)(たとえばB4点)が第1のラインL11(ただしB2点、B3点を除く)上にあり、走行用操作レバー21aが戻されたときには(走行用操作レバー21aを倒す操作から戻す操作に切り換えたときには)、現在の座標位置(xt、yt)(B4点)を通る中間の第3のライン(L133)上の新しい操作ストロークx(t+Δt)に対応するy軸座標位置を、新しい速度比y(t+Δt)として求める。走行用操作レバー21aが更に戻され、矢印E11で示すように、現在の座標位置(xt、yt)が第2のラインL12(ただしB1点、B8点を除く)上にある場合(たとえばB5点)には、上記5)にしたがい、第2のラインL12上の新しい操作ストロークx(t+Δt)に対応するy軸座標位置を、新しい速度比y(t+Δt)として求める。矢印E12で示すように、中間の第3のライン(L133)の途中で倒すか戻す操作が行われたときも(ただしB4点、B5点を除く)、中間の第3のライン(L133)上の新しい操作ストロークx(t+Δt)に対応するy軸座標位置を、新しい速度比y(t+Δt)として求める。この場合、作業車両1は、ファイコン操作によって、旋回半径の微調整が行われる。
第1のラインL11上の別の点(任意の別の点)で、操作用操作レバー21aが戻された場合も同様である。すなわち、図15に矢印E13で示すように、現在の座標位置(xt、yt)(B6点)が第1のラインL11(ただしB2点、B3点を除く)上にあり、走行用操作レバー21aが戻されたときには(走行用操作レバー21aを倒す操作から戻す操作に切り換えたときには)、現在の座標位置(xt、yt)(B6点)を通る中間の第3のライン(L132)上の新しい操作ストロークx(t+Δt)に対応するy軸座標位置を、新しい速度比y(t+Δt)として求める。走行用操作レバー21aが更に戻され、矢印E14で示すように、現在の座標位置(xt、yt)が第2のラインL12(ただしB1点、B8点を除く)上にある場合(B7点)には、上記5)にしたがい、第2のラインL12上の新しい操作ストロークx(t+Δt)に対応するy軸座標位置を、新しい速度比y(t+Δt)として求める。矢印E15で示すように、中間の第3のライン(L132)の途中で倒すか戻す操作が行われたときも(ただしB6点、B7点を除く)、中間の第3のライン(L132)上の新しい操作ストロークx(t+Δt)に対応するy軸座標位置を、新しい速度比y(t+Δt)として求める。この場合も、作業車両1は、ファイコン操作によって、旋回半径の微調整が行われる。
7)図15に矢印E16で示すように、現在の座標位置(xt、yt)(たとえばB5点)が第2のラインL12(ただしB1点、B8点を除く)上にあり、走行用操作レバー21aが倒されたときには(走行用操作レバー21aを戻す操作から倒す操作に切り換えたときには)、現在の座標位置(xt、yt)(B5点)を通る中間の第3のライン(L133)上の新しい操作ストロークx(t+Δt)に対応するy軸座標位置を、新しい速度比y(t+Δt)として求める。走行用操作レバー21aが更に倒され、矢印E17で示すように、現在の座標位置(xt、yt)が第1のラインL11(ただしB2点、B3点を除く)上にある場合(たとえばB4点)には、上記3)にしたがい、第1のラインL11上の新しい操作ストロークx(t+Δt)に対応するy軸座標位置を、新しい速度比y(t+Δt)として求める。この場合、作業車両1は、ファイコン操作によって、旋回半径の微調整が行われる。
第2のラインL12上の別の点(任意の別の点)で、操作用操作レバー21aが倒された場合も同様である。すなわち、図15に矢印E18で示すように、現在の座標位置(xt、yt)(B7点)が第2のラインL12(ただしB1点、B8点を除く)上にあり、走行用操作レバー21aが倒されたときには(走行用操作レバー21aを戻す操作から倒す操作に切り換えたときには)、現在の座標位置(xt、yt)(B7点)を通る中間の第3のライン(L132)上の新しい操作ストロークx(t+Δt)に対応するy軸座標位置を、新しい速度比y(t+Δt)として求める。走行用操作レバー21aが更に倒され、矢印E19で示すように、現在の座標位置(xt、yt)が第1のラインL11(ただしB2点、B3点を除く)上にある場合(B6点)には、上記3)にしたがい、第1のラインL11上の新しい操作ストロークx(t+Δt)に対応するy軸座標位置を、新しい速度比y(t+Δt)として求める。この場合も、作業車両1は、ファイコン操作によって、旋回半径の微調整が行われる。
以上のような本実施例の効果を、図7を比較例としてそれとの対比において説明する。
図7の比較例のラインL93は、本実施例の第3のラインに相当する。このラインL93は、速度比が変化しないラインであり、ラインL93上にある限り操作ストロークが変化しても速度比は同じ値に維持される。しかも、この速度比が変化しないラインL93の横幅(操作ストローク範囲)は、ファイコン域ラインL94、L95の横幅(操作ストローク範囲)に比べて極めて狭く、ラインL93を外れてしまうと、ラインL92またはL91に沿って急激に速度比が変化してしまう。
このため車体から受ける振動によって走行用操作レバーの操作ストロークが増減した場合には、僅かなストローク変化によって速度比が急激に変化してしまい、所望する旋回半径に固定することができない。
また、走行用操作レバーを大きくフルストローク側に倒し、そのつぎに中立位置側に戻して、戻し側で所望する旋回半径になるように微調整するという操作をとった場合にも、図7に矢印D2に示す挙動を示し、僅かなストローク変化によって速度比が大きく変化してしまう。このためオペレータの操作感覚通りの所望する旋回半径が得られない。なお、走行用操作レバーを戻す操作から倒す操作に切り換えた場合も同様である。
これに対して本実施例の第3のライン(たとえばL132)は、操作ストロークの変化に応じて速度比が変化するラインであり、ファイコン域ラインL131の傾きaと同じ緩やかな傾きに設定されている。しかも、この第3のラインL132の横幅(操作ストローク範囲)は、車体振動を吸収し旋回半径の微調整をするに十分な広さを有している。また、第3のラインL132は傾きを有しているため、第3のラインL132を外れてしまって第2のラインL12に移行しても急激に速度比が変化することはない。
このため車体から受ける振動によって走行用操作レバー21aの操作ストロークが増減した場合でも、ストローク変化による速度比の急激な変化がなく、緩やかに変化するため、所望する旋回半径に固定することができる。
また、走行用操作レバー21aを大きくフルストローク側に倒し、そのつぎに中立位置側に戻して、戻し側で所望する旋回半径になるように微調整するという操作をとった場合にも、図15に矢印E13、E14、E15に示す挙動を示すため、ストローク変化による速度比の大きな変化がなく緩やかな変化に抑えられる。このためオペレータの操作感覚通りの所望する旋回半径が得られる。
いいかえれば、本実施例によれば、ファイコン域ラインL131ばかりでなく、すべての操作ストローク範囲で広いファイコン操作特性が得られる。なお、走行用操作レバーを戻す操作から倒す操作に切り換えた場合も同様である。
この結果、図4に示すように作業車両1の左右履帯10L、10Rの旋回軌跡は振動することなく、安定した旋回走行が行われる。
このように本実施例によれば、操作ストローク範囲が短い操作レバー装置21を採用した場合であっても、車体振動等の影響による速度比(旋回半径)の変化が少なく所望の速度比(旋回半径)に固定でき、しかも操作ストロークを増減させて微調整を行う場合にもオペレータの感覚通りの速度比(旋回半径)が得られるようになり、上記a)、b)、c)の課題が解決される。
上述した実施例に対しては種々の変形が可能である。
上述した説明では、各第3のラインL131、L132、L133、L134…をファイコン域ラインL131と同じ傾きaに定めているが、各第3のラインL131、L132、L133、L134…の傾きを異ならせてもよい。
図3(図15)では、第2のラインL12は、第1のラインL11よりも、操作ストロークの変化に対する速度比の変化、つまり傾きΔy/Δxが小さくなるように設定されており(第2のラインL12の傾きcは、第1のラインL11の傾きbよりも小さい)、第3のラインL131、L132、L133、L134…は、速度比が大きいラインほど、操作ストローク範囲が大きくなるように設定されている。
しかし、図16(a)に示すような操作ストロークと速度比の関係L2にしたがって、速度比を演算してもよい。
図16(a)では、第2のラインL22は、第1のラインL21と同じ傾きに設定されており、第3のラインL232、L233…は、同じ操作ストローク範囲に設定されている。図16に矢印F1、F2、F3、F4で示すように、第1のラインL21上の点から操作ストロークが減少する方向(速度比が減少する方向から増加する方向)に走行用操作レバー21aが操作された場合あるいは第2のラインL22上の点から操作ストロークが増加する方向(速度比が増加する方向から減少する方向)に走行用操作レバー21aが操作されたときは、操作ストロークが変化するに応じて速度比が変化する第3のラインであって、第1のラインL21および第2のラインL22よりも、操作ストロークの変化に対する速度比の変化が小さい第3のラインL232、L233…にしたがって、速度比が演算される。
また、図16(b)に示すような操作ストロークと速度比の関係L10にしたがって、速度比を演算してもよい。
図16(b)では、第2のラインL102は、第1のラインL101と同じ傾きに設定されており、第3のラインL1031、L1032、L1033、L1034…は、第1のラインL101、第2のラインL102の傾きよりも小さく、同じ操作ストローク範囲に設定されている。図16(b)では、ファイコン域L1031の操作ストローク範囲と同じ幅に第3のラインL1031、L1032、L1033、L1034…が設定されている。このためファイコン操作できる操作ストローク範囲が、図16(a)に示す関係L2に比べて広い。これにより操作ストロークの全範囲で広範囲なファイコン操作を行うことができる。なお、図16(b)において矢印G1、G2、G3はそれぞれ第1のライン、第2のライン、第3のライン上での変化可能な方向を示している。
ところで、油圧式の操作レバー装置と比較して、電気式の操作レバー装置21を採用したシステムでは、操作レバー21aの操作ストロークを大きく変化させたときの旋回半径の変化の応答性が良い。この応答性の良さが、オペレータや車体9にショックを与えることがある。このことを図17(a)、(b)を用いて説明する。図17(a)は、走行用操作レバー21aの操作ストロークを中立位置から大きく変化させたときの時間変化を示し、図17(b)は、図17(a)に対応して変化する旋回内側の履帯速度(内側車速)であり、本実施例と対比のための比較例を示している。
走行用操作レバー21aを中立位置から大きく急激に操作ストロークを変化させると(図17(a))、それに応じて内側車速は、大きな時間遅れなく急激に変化する(図17(b))。これによってオペレータや車体9にショックを与えるとともに操作性が損なわれる。
そこで、操作ストロークが大きく変化した場合には、上述したごとく演算された(目標)速度比y(t+Δt)に対応する制御電気信号(たとえば油圧ポンプ3、4の斜板傾転位置信号)を生成、出力するのではなく、この目標速度比に時間遅れをもって徐々に達するための制御電気信号を生成、出力して、時間遅れをもって目標速度比に達するように制御してもよい。
図17(c)は、制御電気信号に1次遅れのモジュレーションを与えて、所定の時定数にしたがい徐々に目標速度比に達するように制御電気信号を生成、出力したときの内側車速の時間変化を示す。
このように本実施例によれば、走行用操作レバー21aを中立位置から大きく急激に操作ストロークを変化させると(図17(a))、それに応じて内側車速は、比較例(図17(b))よりもΔt1だけの時間遅れをもって緩やかに変化して目標車速に達する(図17(c))。このため作業車両1の旋回半径を大きく変えるようなときには、走行用操作レバー21aの急激な操作に対して旋回半径が滑らかに変化するようになり、オペレータや車体9にショックを与えることがない。また旋回操作時の操作性が向上する。
ただし、走行用操作レバー21aが小さく操作されたときも(図17(d))、同様にして、同じ時定数で速度比を変化させると、内側車速は、操作ストロークを大きく変化させたときと同じように大きな時間遅れをもって目標車速に達することになる(図17(e);比較例)。このためオペレータが操作レバーを小さく動かして素早く所望する旋回半径を微調整したいような状況でのコントロール性が損なわれる。
そこで、操作ストロークが小さく変化した場合には、制御電気信号に1次遅れのモジュレーションを与える制御をオフにして、上述したごとく演算された(目標)速度比y(t+Δt)に対応する制御電気信号(たとえば油圧ポンプ3、4の斜板傾転位置信号)を生成、出力すればよい(図17(f))。
このように本実施例によれば、走行用操作レバー21aを中立位置から小さく操作ストロークを変化させると(図17(d))、それに応じて内側車速は、比較例(図17(e))よりもΔt2だけ早く目標車速に達する(図17(f))。このためオペレータが操作レバーを小さく動かして素早く所望する旋回半径を微調整したいような状況でのコントロール性が向上する。
また、操作ストロークが小さく変化した場合に、制御電気信号に1次遅れのモジュレーションを与える制御をオフにするのではなく、操作ストロークが大きく変化した場合よりも時間遅れが小さくなるように、時定数を異ならせたモジュレーションを与える制御を行うようにしてもよい(図17(g))。
この場合でも行用操作レバー21aを中立位置から小さく操作ストロークを変化させると(図17(d))、それに応じて内側車速は、比較例(図17(e))よりも早く目標車速に達する(図17(g))ことなり、オペレータが操作レバーを小さく動かして素早く所望する旋回半径を微調整したいような状況でのコントロール性が向上する。
また、目標車速(目標速度比)の大きさに応じて、時定数を異ならせる実施も可能である。たとえば目標車速(目標速度比)が大きい場合には、時間遅れが長くなるように時定数を定め、目標車速(目標速度比)が小さい場合には、時間遅れが短くように時定数を定める。
図3(図15)に示す関係L1に、図17で説明した実施例を適用する場合について説明する。
図3(図15)において、走行用操作レバー21aの操作ストロークが大きく動かされるラインは、第1のラインL11、第2のラインL21である。逆に、図3(図15)において、走行用操作レバー21aの操作ストロークが小さく動かされるラインは、ファイコン域ラインL131を含む第3のラインL131、第2のラインL132、L133、L134である。
そこで、第1のラインL11、第2のラインL21上の座標位置として(目標)速度比y(t+Δt)が演算される場合には、図17(c)に示すように1次遅れのモジュレーションを与えた制御電気信号を生成、出力するようにし、ファイコン域ラインL131を含む第3のラインL131、第2のラインL132、L133、L134の座標位置として(目標)速度比y(t+Δt)が演算される場合には、図17(f)に示すように、1次遅れのモジュレーションを与える制御をオフにするか、図17(g)に示すように、時定数を異ならせて時間遅れを小さくした制御電気信号を生成、出力すればよい。この結果、たとえば、走行用操作レバー21aが大きく急激に倒されたときには、内側車速は、時間遅れをもって緩やかに変化して目標車速に達する(図17(c))ことになり、また、たとえば走行用操作レバー21aを倒す操作から操作ストロークを小さく戻す操作に切り換えたときには、内側車速は、迅速に目標車速に達する(図17(f)、(g))。これにより、大きく旋回半径を変える操作を行っているときにオペレータや車体に与えられるショックが低減され、操作性が向上するとともに、旋回半径を微調整しているときのコントロール性が向上する。
なお、図16に示す関係L2に、図17で説明した実施例を適用する場合も同様である。
以上の説明では、左右履帯10L、10Rを備えた作業車両1を想定して説明したが、本発明は、左右履帯10L、10Rの代わりに左右車輪を備えた車輪式の作業車両に対しても当然適用することができる。
また、操作レバー装置21を想定して説明したが、本発明は、操作レバー装置の代わりに、操作ペダルなどの任意の操作装置を使用した場合にも適用可能である。すなわち、本発明としては、所定範囲の操作ストローク範囲を有する操作装置であれば、適用可能である。
また、以上の説明では、速度比を制御量とする場合について説明したが、本発明は、速度比以外の制御量に対しても同様に適用することができる。
速度比以外の制御量を制御する場合の実施例について、以下図18〜図21を用いて説明する。
図18は、操作装置を、ブレーキペダル70とし、制御量を、ブレーキ指令信号(ポンプ容量)とした実施例を示している。
図18(a)は、図2と同様にHSTを用いて、左右履帯10L、10Rにブレーキをかけるシステムを示す。図2と同一構成要素には同一符号を付して重複した説明は省略する。
ブレーキペダル70が操作されると、ブレーキペダル70の操作ストロークを示す検出信号がコントローラ220に入力される。コントローラ220は、図18(b)に示す関係L3にしたがいブレーキ指令信号(ポンプ容量)を演算して、左右油圧ポンプ3、4の斜板駆動部5、6に出力する。
図18(b)は、ブレーキペダル70の操作ストロークとブレーキ指令信号(ポンプ容量)との関係L3を示す。ブレーキペダル70の操作ストロークが増加するに伴い、左右油圧ポンプ3、4の容量が減少して、左右油圧モータ7、8の回転数が低下して、左右履帯10L、10Rの回転が遅くなり、ブレーキ力が増加する。逆に、ブレーキペダル70の操作ストロークが減少するに伴い、左右油圧ポンプ3、4の容量が増加して、左右油圧モータ7、8の回転数が上昇して、左右履帯10L、10Rの回転が速くなり、ブレーキが解除される。
図18(b)では、図16(b)で説明したのと同様に、第2のラインL32は、第1のラインL31と同じ傾きに設定されており、第3のラインL331、L332、L333、L334…は、第1のラインL31、第2のラインL32の傾きよりも小さく、同じ操作ストローク範囲に設定されている。図18(b)では、ファイコン域L331の操作ストローク範囲と同じ幅に第3のラインL331、L332、L333、L334…が設定されている。このため操作ストロークの全範囲で広範囲なファイコン操作を行うことができる。
図19は、操作装置を、ブレーキペダル70とし、制御量を、ブレーキ指令信号(ブレーキ解除圧)とした実施例を示している。
図19(a)は、ブレーキ圧制御弁71によってブレーキ装置72に送られる圧油の圧力(ブレーキ解除圧)を制御して、左右履帯10L、10Rにブレーキをかけるシステムを示す。
ブレーキペダル70が操作されると、ブレーキペダル70の操作ストロークを示す検出信号がコントローラ320に入力される。コントローラ320は、図19(b)に示す関係L4にしたがいブレーキ指令信号(ブレーキ解除圧)を演算して、ブレーキ圧制御弁71の電磁ソレノイドに出力する。
図19(b)は、ブレーキペダル70の操作ストロークとブレーキ指令信号(ブレーキ解除圧)との関係L4を示す。ブレーキペダル70の操作ストロークが増加するに伴い、ブレーキ装置72のブレーキ解除圧が減少して、ブレーキ力が増加する。逆に、ブレーキペダル70の操作ストロークが減少するに伴い、ブレーキ装置72のブレーキ解除圧が増加して、ブレーキ力が減少する。
図19(b)では、図16(b)で説明したのと同様に、第2のラインL42は、第1のラインL41と同じ傾きに設定されており、第3のラインL431、L432、L433、L434…は、第1のラインL41、第2のラインL42の傾きよりも小さく、同じ操作ストローク範囲に設定されている。図19(b)では、ファイコン域L431の操作ストローク範囲と同じ幅に第3のラインL431、L432、L433、L434…が設定されている。このため操作ストロークの全範囲で、広範囲なファイコン操作を行うことができる。
図20は、操作装置を、デセルペダル73またはアクセルペダル74とし、制御量を、エンジン目標回転数とした実施例を示している。
図20(a)は、デセルルペダル73またはアクセルペダル74の操作によってエンジン2の目標回転数を制御するシステムを示す。
デセルペダル73が操作されると、デセルペダル73の操作ストロークを示す検出信号がコントローラ420に入力される。コントローラ420は、図20(b)に示す関係L5にしたがいエンジン目標回転数を演算して、エンジン2のガバナに出力する。
図20(b)は、デセルペダル73の操作ストロークとエンジン目標回転数との関係L5を示す。デセルペダル73の操作ストロークが増加するに伴い、エンジン目標回転数がハイアイドル回転数からローアイドル回転数に減少する。逆に、デセルペダル73の操作ストロークが減少するに伴い、エンジン目標回転数がローアイドル回転数からハイアイドル回転数に増加する。
図20(b)では、図16(b)で説明したのと同様に、第2のラインL52は、第1のラインL51と同じ傾きに設定されており、第3のラインL531、L532、L533、L534…は、第1のラインL51、第2のラインL52の傾きよりも小さく、同じ操作ストローク範囲に設定されている。図20(b)では、ファイコン域L531の操作ストローク範囲と同じ幅に第3のラインL531、L532、L533、L534…が設定されている。このため操作ストロークの全範囲で、広範囲なファイコン操作を行うことができる。
デセルペダル73の代わりにアクセルペダル74を用いた場合も同様である。
すなわち、アクセルペダル74が操作されると、アクセルペダル74の操作ストロークを示す検出信号がコントローラ420に入力される。コントローラ420は、図20(c)に示す関係L6にしたがいエンジン目標回転数を演算して、エンジン2のガバナに出力する。
図20(c)は、アクセルペダル74の操作ストロークとエンジン目標回転数との関係L6を示す。アクセルペダル74の操作ストロークが増加するに伴い、エンジン目標回転数が増加する。逆に、アクセルペダル74の操作ストロークが減少するに伴い、エンジン目標回転数が減少する。
図20(c)では、図16(b)で説明したのと同様に、第2のラインL62は、第1のラインL61と同じ傾きに設定されており、第3のラインL631、L632、L633、L634…は、第1のラインL61、第2のラインL62の傾きよりも小さく、同じ操作ストローク範囲に設定されている。図20(c)では、ファイコン域L631の操作ストローク範囲と同じ幅に第3のラインL631、L632、L633、L634…が設定されている。このため操作ストロークの全範囲で、広範囲なファイコン操作を行うことができる。
図21は、操作装置を、作業機用操作レバー75とし、制御量を、制御弁の開口面積(作業機速度)とした実施例を示している。
図21(a)は、作業機用制御弁76の開口面積を変化させて、これにより作業機用油圧シリンダ77に供給される圧油の流量を変化させ、これにより作業機用油圧シリンダ77の作動速度を変化させ、これにより作業機用油圧シリンダ77に連結された図示されていない作業機の作動速度を制御するシステムを示す。
作業機用操作レバー75が操作されると、作業機用操作レバー75の操作ストロークを示す検出信号がコントローラ520に入力される。コントローラ520は、図21(b)に示す関係L7にしたがい作業機用制御弁76の開口面積(作業機速度)を演算して、作業機用制御弁76の電磁ソレノイドに出力する。
図21(b)は、作業機用操作レバー75の操作ストロークと作業機用制御弁76の開口面積(作業機速度)との関係L7を示す。作業機用操作レバー75の操作ストロークが増加するに伴い、作業機用制御弁76の開口面積が増加して、作業機速度が増加する。逆に、作業機用操作レバー75の操作ストロークが減少するに伴い、作業機用制御弁76の開口面積が減少して、作業機速度が減少する。
図21(b)では、図16(b)で説明したのと同様に、第2のラインL72は、第1のラインL71と同じ傾きに設定されており、第3のラインL731、L732、L733、L734…は、第1のラインL71、第2のラインL72の傾きよりも小さく、同じ操作ストローク範囲に設定されている。図21(b)では、ファイコン域L731の操作ストローク範囲と同じ幅に第3のラインL731、L732、L733、L734…が設定されている。このため操作ストロークの全範囲で、広範囲なファイコン操作を行うことができる。
本発明は、ブルドーザ、油圧ショベル、ホイールローダ、フォークリフトなどの建設機械を含む作業車両のみならず、一般乗用、貨物自動車に含む車両一般に適用することができる。
70 ブレーキ操作装置、L3 ライン、1 作業車両、L31 第1のライン
、L32 第2のライン、L331、L332、L333、L334 第3のライン、220 制御手段

Claims (2)

  1. ブレーキ操作装置(70)の操作ストロークとブレーキ指令信号との関係を示すライン(L3)が設定され、この設定されたライン(L3)にしたがって作業車両(1)のブレーキ指令信号を制御する作業車両の制御装置において、
    操作ストロークの増加に応じてブレーキ指令信号が変化される第1のライン(L31)と、
    前記第1のライン(L31)に対してヒステリシスをもたせたラインであって、操作ストロークの減少に応じてブレーキ指令信号が変化される第2のライン(L32)と、
    操作ストロークの変化に応じてブレーキ指令信号が変化されるラインであって、第1のライン(L31)および第2のライン(L32)よりも、操作ストロークの変化に対するブレーキ指令信号の変化が小さい第3のライン(L331、L332、L333、L334)と
    が設定され、
    第1のライン(L31)上の点から操作ストロークが増加する方向にブレーキ操作装置(70)が操作された場合には、第1のライン(L31)に従ってブレーキ指令信号を変化させ、
    第2のライン(L32)上の点から操作ストロークが減少する方向にブレーキ操作装置(70)が操作された場合には、第2のライン(L32)に従ってブレーキ指令信号を変化させ、
    第1のライン(L31)上の点から操作ストロークが減少する方向にブレーキ操作装置(70)が操作された場合あるいは第2のライン(L32)上の点から操作ストロークが増加する方向にブレーキ操作装置(70)が操作された場合には、第3のライン(L331、L332、L333、L334)に従ってブレーキ指令信号を変化させる制御を行う制御手段(220)
    が設けられたこと
    を特徴とする作業車両の制御装置。
  2. ブレーキ操作装置(70)の操作ストロークとブレーキ指令信号との関係を示すライン(L3)が以下のように設定されていて、作業車両(1)の制御装置(220)に組み込まれたときに、以下のように動作する、作業車両の制御プログラム。
    1)操作ストロークの増加に応じてブレーキ指令信号が変化される第1のライン(L31)と、
    前記第1のライン(L31)に対してヒステリシスをもたせたラインであって、操作ストロークの減少に応じてブレーキ指令信号が変化される第2のライン(L32)と、
    操作ストロークの変化に応じてブレーキ指令信号が変化されるラインであって、第1のライン(L31)および第2のライン(L32)よりも、操作ストロークの変化に対するブレーキ指令信号の変化が小さい第3のライン(L331、L332、L333、L334)と
    が設定されている。
    2)第1のライン(L31)上の点から操作ストロークが増加する方向にブレーキ操作装置(70)が操作された場合には、第1のライン(L31)に従ってブレーキ指令信号を演算する。
    3)第2のライン(L32)上の点から操作ストロークが減少する方向にブレーキ操作装置(70)が操作された場合には、第2のライン(L32)に従ってブレーキ指令信号を演算する。
    4)第1のライン(L31)上の点から操作ストロークが減少する方向にブレーキ操作装置(70)が操作された場合あるいは第2のライン(L32)上の点から操作ストロークが増加する方向にブレーキ操作装置(70)が操作された場合には、第3のライン(L331、L332、L333、L334)に従ってブレーキ指令信号を演算する。
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