JP2002340182A - 作業車両の車速制御機構 - Google Patents

作業車両の車速制御機構

Info

Publication number
JP2002340182A
JP2002340182A JP2001143720A JP2001143720A JP2002340182A JP 2002340182 A JP2002340182 A JP 2002340182A JP 2001143720 A JP2001143720 A JP 2001143720A JP 2001143720 A JP2001143720 A JP 2001143720A JP 2002340182 A JP2002340182 A JP 2002340182A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
speed
continuously variable
variable transmission
vehicle
detecting
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Pending
Application number
JP2001143720A
Other languages
English (en)
Inventor
Masashi Ota
真史 太田
Akihiko Maezawa
明彦 前沢
Tetsuo Kubota
徹男 窪田
Hiroyuki Hagiwara
裕之 萩原
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
IHI Shibaura Machinery Corp
Original Assignee
IHI Shibaura Machinery Corp
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by IHI Shibaura Machinery Corp filed Critical IHI Shibaura Machinery Corp
Priority to JP2001143720A priority Critical patent/JP2002340182A/ja
Publication of JP2002340182A publication Critical patent/JP2002340182A/ja
Pending legal-status Critical Current

Links

Landscapes

  • Non-Deflectable Wheels, Steering Of Trailers, Or Other Steering (AREA)
  • Control Of Fluid Gearings (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【課題】 走行時に作業車両本体の姿勢が不安定となる
ことがある傾斜地等の場所において、安全に走行する作
業車両を提供する。 【解決手段】 傾斜センサ105a・106aより前後
及び左右方向の対地角度を検出し、作業車両の姿勢と速
度より危険度を演算して求め、この危険度より制御コン
トローラ110によって自動制御された無段変速機構2
3を用いて危険度に応じて走行速度を減速する。そし
て、危険度が著しく高い時には目標速度をゼロにして作
業車両の走行を停止させる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、走行時や作業時に
作業車両の姿勢が不安定となることがある傾斜地等の場
所において、農用作業車両が安全に走行できるようにす
るための車速制御装置に関する。
【0002】
【従来の技術】従来、農用作業車両としてトラクタが傾
斜地や不整地等で作業を行ったり、走行したりする場
合、機体の姿勢が不安定となり操縦者が慌てて操作を誤
り、機体が転倒する等のおそれがあった。また、トラク
タ等の作業車両において、作業時に圃場端で旋回する場
合、圃場が荒らされないように、4輪駆動状態から前輪
増速に切り換え、前輪の回転速度を速くしていた。この
場合、トラクタの旋回径は小さくなり、旋回遠心力が高
い状態でトラクタが走行することになるため、転倒の危
険性が高まることがあった。そこで、トラクタ本機の姿
勢が不安定なった場合は操縦者に警報等によって危険を
知らせるようにした技術が公知となっている。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】しかし、傾斜地等で作
業したり走行している場合に、作業車両の姿勢が不安定
になった時、恐慌のために操作できなかったり、また、
操縦者が危険性を認識しても、安全となるような適切な
操作が咄嗟にわからない場合あったり、また、安全に作
業ができる速度もわからなかった。また、操縦者が安全
に十分な注意を払わずに警報を無視して作業を行う場合
や、ランプの表示だけでは警報に気づかない場合もあっ
た。
【0004】
【課題を解決するための手段】本発明の解決しようとす
る課題は以上の如くであり、次にこの課題を解決するた
めの手段を説明する。
【0005】即ち、請求項1においては、可変容量型の
油圧ポンプと固定容量型の油圧モータを有する油圧式無
段変速装置により変速して走行を行う油圧駆動式の無段
変速機構を備えた作業車両において、走行速度を検知す
る手段と、前後方向及び左右方向の機体の傾斜角度を検
知する手段と、無段変速機構の速度変更手段とを制御手
段と接続し、機体の傾斜角度と走行速度より危険度を演
算し、該危険度が設定範囲を超えると、安全最高速度に
減速するようにしたものである。
【0006】請求項2においては、可変容量型の油圧ポ
ンプと固定容量型の油圧モータを有する油圧式無段変速
装置により変速して走行を行う油圧駆動式の無段変速機
構を備えた作業車両において、走行速度を検知する手段
と、前後方向及び左右方向の機体の傾斜角度を検知する
手段と、無段変速機構の速度変更手段と、前輪ステアリ
ング切れ角を検出する手段とを制御手段と接続し、機体
の傾斜角度とステアリング切れ角より危険度を演算し、
該危険度が設定範囲を超えると、安全最高速度に減速す
るようにしたものである。
【0007】請求項3においては、可変容量型の油圧ポ
ンプと固定容量型の油圧モータを有する油圧式無段変速
装置により変速して走行を行う油圧駆動式の無段変速機
構を備え、作業機を昇降可能に装備した作業車両におい
て、走行速度を検知する手段と、前後方向及び左右方向
の機体の傾斜角度を検知する手段と、無段変速機構の速
度変更手段と、作業機の昇降リフト角を検出する手段と
を制御手段と接続し、走行速度と機体の傾斜角度と作業
機の高さから危険度を演算し、該危険度が設定範囲を超
えると、安全最高速度に減速するようにしたものであ
る。
【0008】請求項4においては、可変容量型の油圧ポ
ンプと固定容量型の油圧モータを有する油圧式無段変速
装置により変速して走行を行う油圧駆動式の無段変速機
構を備えた作業車両において、走行速度を検知する手段
と、前後方向及び左右方向の機体の傾斜角度、及び、角
速度を検知する手段と、無段変速機構の速度変更手段と
を制御手段と接続し、走行速度と機体の傾斜角度と機体
の姿勢変化とから危険度を演算し、該危険度が設定範囲
を超えると、安全最高速度に減速するようにしたもので
ある。
【0009】請求項5においては、可変容量型の油圧ポ
ンプと固定容量型の油圧モータを有する油圧式無段変速
装置により変速して走行を行う油圧駆動式の無段変速機
構を備えた作業車両において、走行速度を検知する手段
と、前後方向及び左右方向の機体の傾斜角度、及び、作
業車両にかかる上下方向の衝撃を検知する手段と、無段
変速機構の速度変更手段とを制御手段と接続し、走行速
度と機体の傾斜角度と機体の姿勢変化とから危険度を演
算し、該危険度が設定範囲を超えると、安全最高速度に
減速するようにしたものである。
【0010】請求項6においては、前記危険度が設定値
以上の時、無段変速機構を作動させて走行を停止するよ
う制御したものである。
【0011】
【発明の実施の形態】次に、発明の実施の形態を説明す
る。図1は本発明の車速制御機構を装備したトラクタの
左側面図、図2は同じく平面図、図3はミッションケー
スの側断面図、図4は駆動伝達機構を示すスケルトン図
である。図5は主変速レバー取付部の側面図、図6は副
変速レバー取付部の側面図、図7はミッションケースの
変速部側面図、図8は同じく一部拡大図、図9は油圧回
路図、図10は昇降装置の側面図、図11はシリンダケ
ースの平面図、図12はピットマンアームの側面図、図
13は同じく一部拡大断面図、図14は同じく平面図、
図15は制御ブロック図、図16はフローチャート図、
図17はフローチャート図である。
【0012】まず、本発明に係る車速制御機構を具備し
た作業車両の一実施例であるトラクタの概略構成につい
て説明する。
【0013】図1及び図2に示す如く、前記作業車両は
本機前部にエンジン2を配設し、該エンジン2をボンネ
ット3で覆っている。該ボンネット3の後部に位置する
ダッシュボード4上には、操向手段となるステアリング
ハンドル5を配置し、ダッシュボード4側部にアクセル
レバー18と前後進切換操作具となる前後進切換レバー
8を突出した状態に配置している。そして、該ダッシュ
ボード4下方であってステップ39上には、本機前進方
向右側にブレーキペダル17及びアクセルペダル28
を、同じく左側にクラッチペダル42を配設している。
【0014】前記ハンドル5の後方に座席シート6を配
設し、該座席シート6近傍に副変速操作具となる副変速
レバー10、PTO変速レバー11、作業機昇降レバー
12を配置し、そして、前記座席シート6の左右両側方
に位置するフェンダー21上に主変速操作具となる主変
速レバー7を配置している。該主変速レバー7と副変速
レバー10が走行速度設定手段となる。前記座席シート
6及びハンドル5を中心として本機を操向をするための
レバー等が集中している部分を本機の操縦部9としてい
る。なお、前記各レバーの配置位置は限定するものでは
なく、操縦部9の近傍であればよい。
【0015】また、本機前部両側に前輪13・13を支
架し、同じく後部両側に後輪14・14を支架してい
る。そして、前記座席シート6下部にミッションケース
15を配置し、該ミッションケース15の後方に本機に
各種作業機を装着するための三点リンク式の作業機装着
装置16を配設している。
【0016】本実施例においては、作業車両に作業機を
装着するための作業機装着装置16はトップリンク14
2と二本のロワリンク141L・141Rからなる三点
リンク式としている。作業車両の本機後方下部に下リン
ク点141Lb・141Rbを中心として回動自在にロ
ワリンク141L・141Rを延出し、該ロワリンク1
41L・141Rの後端で作業機を下ヒッチ点141L
a・141Raを中心として回動自在に支承できるよう
にしている。また、作業車両は作業機を昇降するための
油圧昇降装置を搭載しており、該油圧昇降装置のリフト
アーム149が作業車両後部へ突出し、該リフトアーム
149の後端ではリフトロッド143を枢結し、該リフ
トロッド143はロワリンク141L・141Rに枢結
されている。トップリンク142の前端はミッションケ
ース15後部に回動自在に枢結されて、上リンク点14
2aを形成しており、該トップリンク142の後端は作
業機のアッパーアームに上ヒッチ点142bを中心に回
動自在に枢結される。
【0017】このような構成の作業機装着装置16にお
いて、油圧昇降装置であるリフトアーム149を回動さ
せると、リフトロッド143を介してロワリンク141
L・141Rが下リンク点141Lb・141Laを軸
中心として回動し、トップリンク142及びロワリンク
141L・141Rで形成されたリンク機構により、作
業機が昇降する。
【0018】図10に示す如く、作業機の昇降リフト角
度を検知する手段として、リフト角センサ148が油圧
昇降装置に設けられていて、本実施例ではリフトアーム
149の回動基部に配置され、作業機のリフト角度を検
出できるようにしている。該リフト角センサ148はポ
テンショメータやロータリエンコーダ等の角度センサよ
りなり、制御手段となる作業機制御コントローラ109
と接続され、後述する前後及び左右方向の傾斜センサ1
05a・106aの値による信号からは危険度が低いと
判断された場合でも、該作業機のリフト角度から重心の
高さを予測して、傾斜センサ105a・106aの値か
ら予測される危険度を補正し、危険度に応じて最高車速
を制限し、車速が最高車速を越えた速度の場合、制限さ
れた車速まで減速するように制御されている。
【0019】そして、図11に示す如く、油圧昇降装置
であるリフトアーム149の前方に配置されるシリンダ
ケース150上に本機の前後方向の対地角度を検出する
傾斜センサ105aと、本機姿勢の前後方向の変化速度
を検出する手段として角速度を検知する角速度センサ1
05bとを一体的に構成したセンサ105が配設されて
いる。さらに、該センサ105の前方に本機の左右方向
の対地角度を検出する傾斜センサ106aと、本機姿勢
の左右方向の変化速度を検出する手段として角速度を検
知する角速度センサ106bとを一体的に構成したセン
サ106が配設され、該傾斜センサ105a・106a
によって本機の前後及び左右の対地角度を検出できるよ
うにし、また角速度センサ105b・106bによって
本機姿勢の前後及び左右の角速度を検出できるようにし
ている。なお、角速度センサ105b・106bの代わ
りに走行地の凹凸により不整度を検知する手段として、
単数又は複数箇所に上下に配置された加速度センサ又は
衝撃センサ等を用いても良く、また角速度センサ105
b・106b、加速度センサ、衝撃センサ等の設置場所
についても機体の姿勢変化を検知し得る箇所であれば、
どのような場所でも良い。そして、傾斜センサ105a
・106aと角速度センサ105b・106bとを一体
化したセンサ105・106は制御手段となる作業機制
御コントローラ109と接続されている。但し、傾斜セ
ンサ105a・106aの値を作業機制御コントローラ
109に入力して角速度と角加速度を演算するように構
成することもできる。
【0020】これによって、該傾斜センサ105a・1
06aの値から本機姿勢を検知し、危険角度と比較して
最高速度を制限するように制御している。つまり、予め
危険角度に対する最高走行速度との関係をマップ等で表
したデータをメモリに読み込んでおき、前後及び左右方
向の傾斜センサ105a・106aの値とメモリの値と
を比較して、最高速度に近くなるほど危険度が高くな
り、逆に、最高速度より離れるほど安全度が増すように
危険度または安全度を設定して、更に、前記リフト角セ
ンサ148で検知した作業機の角度からも危険度を演算
して、これらを総合してた危険度に応じて車速を制御し
ようとするものである。そして、車速が最高車速を越え
た場合には、一旦停止するように制御されている。ま
た、前記傾斜センサ105a・106aの値による信号
からは危険度が低いと判断された場合でも、角速度から
走行地の不整状態の程度を予測し、傾斜センサ105a
・106aの値から予測される危険度を補正できるよう
にして、危険度に応じて車速を制限するように制御され
ている。
【0021】また、図12乃至図14に示すごとく、前
記ステアリングハンドル5に連結されたハンドル軸5a
の他端はユニバーサルジョイントを介してステアリング
ギヤボックス90に入力され、該ステアリングギヤボッ
クス90から突出されて出力軸となる回動軸91に左右
揺動操作されるピットマンアーム92が固設され、該ピ
ットマンアーム92の他端に連結ロッド等を介してナッ
クルアームと連結されて前輪13を操向回動できくよう
にしている。そして、前記ピットマンアーム92には切
れ角センサ93が設けられ、該切れ角センサ93によっ
て前輪13(またはステアリングハンドル5)の切れ角
を検出できるようにしている。
【0022】具体的には、ピットマンアーム92からア
ーム94を突出し、該アーム94から突出したピン95
を切れ角センサ93のセンサアーム93aに形成した溝
に挿入して、回動軸91の回動を切れ角センサ93に伝
達し、ピットマンアーム92の回動位置を検知する構成
としている。該切れ角センサ93は走行制御コントロー
ラ110と接続されている。そして、前記傾斜センサ1
05a・106aの値による信号からは危険度が低いと
判断された場合でも、前輪の切れ角と走行速度から機体
旋回遠心力を予測し、傾斜センサ105a・106aの
値から予測される危険度を補正できるようにして、危険
度に応じて車速を制限するように制御されている。
【0023】次に、作業車両の動力伝動機構について、
図3及び図4を用いて説明する。前記エンジン2の出力
側の後部に、ダンパー20又はクラッチを介してミッシ
ョンケース15内に配置したHST(油圧式無段変速装
置)23の油圧ポンプ51の入力軸33に動力が伝達さ
れる。該入力軸33は油圧ポンプ51を貫通して後方に
延出し、伝動軸47を経てPTO駆動軸48と連結し、
油圧ポンプ51を駆動すると共に、PTO変速機構26
を介してPTO軸27に動力を伝達している。また、前
記エンジン2の出力軸近傍には回転数センサ113を配
置して、エンジン2の回転数を検知するようにしてい
る。該回転数センサ113はコントローラ110と接続
されている。
【0024】前記HST23は可変容量型の油圧ポンプ
51と固定容量型の油圧モータ52から構成され、油圧
ポンプ51を構成する可動斜板53は、後述する速度変
更手段としてのアクチュエータとなる油圧シリンダ67
の作動により傾倒され、該油圧シリンダ67は主変速レ
バー(HSTレバー)7等の操作で駆動されるようにし
ている。
【0025】本実施例では主変速レバー7を、図5に示
す如く、前記操縦部9のフェンダー21上に配置してお
り、フェンダー21上にレバーガイド54を設けて、ク
ランク状に構成したガイド溝に主変速レバー7を挿入し
て、該主変速レバー7の回動基部近傍に主変速レバー7
の回動位置を検知する手段となる角度センサからなるレ
バーセンサ111を配置している。具体的には、主変速
レバー7の回動軸55をミッションケース15上のシリ
ンダケース150から突出して、該回動軸55からアー
ム57を突出し、該アーム57から突出したピンをレバ
ーセンサ111のセンサアーム111aに形成した溝に
挿入して、回動軸55の回動をレバーセンサ111に伝
達し、主変速レバー7の回動位置を検知する構成として
いる。該レバーセンサ111はコントローラ110と接
続されている。
【0026】前記HST23の後側、即ち、動力伝達経
路の下流側に副変速装置24を配設している。HST2
3の油圧モータ52の出力軸25から副変速装置24に
動力を伝達し、該副変速装置24は摺動歯車31を摺動
することによって三段の変速を可能としている。前記摺
動歯車31は、図6に示す副変速装置軸69と連結した
図示せぬシフタで摺動し、該副変速操作軸69はミッシ
ョンケース15より側方に突出して、副変速アーム58
を固設している。該副変速アーム58の先端には副変速
レバーリンク59の一端を回動自在に連結して、該副変
速レバーリンク59の他端を副変速レバー10の端部に
連結している。こうして、副変速レバー10は副変速ア
ーム58及び副変速レバーリンク59等からなるリンク
機構を介して副変速装置24の摺動歯車31と連結連動
している。
【0027】前記副変速レバー10は主変速レバー7と
反対側のシリンダケース150側面に配置されて、該シ
リンダケース150の側面より突出した支点軸60に副
変速レバー10の下部が枢支されている。そして、副変
速レバー10の基部、即ち、支点軸60近傍に副変速位
置センサ116を配置して、該副変速位置センサ116
のセンサアーム116aを副変速レバー10より突出し
たピンに当接するよう配置して、副変速レバー10の回
動位置を検知する構成としている。但し、該副変速位置
センサ116は支点軸60上に配置することもできる。
また、副変速レバー10や前記主変速レバー7はダッシ
ュボード4等に配置することもできて、その位置を限定
するものではない。
【0028】そして、前記副変速装置24の出力軸をド
ライブ軸30として、前記副変速装置24で変速された
あとの動力が、該ドライブ軸30の後端に設けたドライ
ブピニオン32を介して後輪デフ装置34に動力が伝達
され、該後輪デフ装置34より左右のデフヨーク軸35
L・35R、最終減速機構36・36を介して後輪14
・14が駆動される構成としている。この後輪14の回
転数を車軸回転数センサ112で検知し実際の走行速度
を検知する手段としている。そして、前記傾斜センサ1
05a・106aの値による信号からは危険度が低いと
判断された場合でも、走行速度によって傾斜センサ10
5a・106aの値から予測される危険度を補正できる
ようにして、危険度に応じて車速を制限するように制御
されている。尚、走行速度は本実施例ではデフヨーク軸
35Lの回転を検知する構成としているが、最終減速機
構36の歯車の回転数や後輪14を固定した車軸の回転
数やドライブ軸30の回転数を検知する構成とすること
もできる。
【0029】また、前記ドライブ軸30上に前輪駆動歯
車40を固設して、該前輪駆動歯車40より二連のカウ
ンタ歯車41を介して前輪変速装置29に伝達してい
る。該前輪変速装置29は咬合式の四輪駆動クラッチ3
7と前輪増速クラッチ38からなり、両クラッチがOF
Fの場合には後輪のみの二輪駆動となり、路上走行等に
作動される。四輪駆動クラッチ37がONとなると、前
輪13・13と後輪14・14が同速で駆動され、作業
時等に作動される。前輪増速クラッチ38は作業時にお
いてハンドル5を設定角度以上に回転させるとONとな
り、前輪13・13の駆動速度を後輪14・14よりも
増速して、約二倍の速度で駆動するようにしている。
【0030】前記前輪変速装置29によって変速された
あとの動力は、出力軸より伝動軸19を介してフロント
アクスルケース内のフロントデフ装置43に伝達され、
該フロントデフ装置43より両側のデフヨーク軸44L
・44R、最終減速機構45を介して前輪13・13を
駆動するようにしている。
【0031】前記HST23の油圧式ポンプ51の可動
斜板53には、図7に示す如く、トラニオン軸(変速
軸)61が連結されて、該トラニオン軸61はHST収
納ケース62より突出して、その先端にシフトアーム6
3を固定している。該シフトアーム63の一端(63
a)は角度センサ64のセンサアーム64aに形成され
た係合溝64abに、シフトアーム63に固設されたピ
ン63abが係合して、シフトアーム63と角度センサ
64のセンサアーム64aとを係合している。該角度セ
ンサ64はトラニオン軸61上方のHST収納ケース6
2上に固定されて、シフトアーム63(トラニオン軸6
1)の回動角を検知している。つまり、角度センサ64
はHST23の変速位置を検知し、後述するコントロー
ラ110に接続されている。なお、角度センサ64はポ
テンショメータやロータリスイッチやロータリエンコー
ダ等で構成し、限定するものではなく、また、角度セン
サ64はトラニオン軸61上又はその周囲に配置するこ
ともあり、取付位置も限定するものではない。
【0032】前記シフトアーム63の他端(63b)を
下方に延出して、連結リンク65の一端(65b)に枢
支されている。該連結リンク65の他端(65a)は後
方へ延出して、連結アーム66の一端(66a)に枢支
され、該連結アーム66の他端(66b)がアクチュエ
ータとなる油圧シリンダ67のピストンロッド67a先
端に枢支されている。該連結アーム66はその中途部が
ミッションケース15側面に固定した支点ブラケット6
8に立設したピン66cに枢支されている。従って、油
圧シリンダ67のピストンロッド67aが伸縮すると、
連結アーム66がピン66cを中心として回動し、連結
アーム66の回動に連動して連結リンク65が前後に摺
動し、シフトアーム63をトラニオン軸61を中心とし
て回動させる。このとき、トラニオン軸61はシフトア
ーム63の回動に伴って回動する。即ち、油圧シリンダ
67のピストンロッド67aの伸縮によってトラニオン
軸61を回動し、HST23の油圧式ポンプ51の可動
斜板53を制御する仕組みとしている。
【0033】こうして可動斜板53はリンク機構を介し
てアクチュエータとなる油圧シリンダ67と連結連動し
ており、該油圧シリンダ67を前記走行制御コントロー
ラ110の制御信号により後述する制御バルブ86を切
り換えて伸縮させると、連結アーム66、連結リンク6
5、シフトアーム63を介してトラニオン軸61を回動
して、可動斜板53を傾倒させることができ、図8に示
す如く、その傾倒角(現トラニオン軸角度T)を角度セ
ンサ64で検知して、走行制御コントローラ110にフ
ィードバックするようにしている。
【0034】次に、図9を用いて油圧回路を説明する。
【0035】エンジン2の駆動により、第一ポンプ71
と第二ポンプ72とチャージポンプ73と油圧ポンプ5
1が駆動され、ミッションケース15内の作動油をフィ
ルタを介して吸い込み、該第二ポンプ72からの圧油が
前記作業機昇降用のシリンダケース150内の作業機昇
降シリンダ131や作業機水平制御用の作業機傾斜シリ
ンダ132(図15)へ送油されて駆動できるようにし
ている。前記第一ポンプ71の吐出側には分流弁74が
接続され、該分流弁74はプライオリティバルブとなっ
ており、優先側の分流油路にHST23と制御用の油圧
シリンダ67に接続され、他方はパワーステアリング用
制御バルブ75、及び、パワステシリンダ76に接続さ
れている。
【0036】前記分流弁74の優先側出力油路には油圧
シリンダ67の制御圧を設定するリリーフバルブ77と
制御バルブ86に接続されている。該制御バルブ86は
油圧シリンダ67の伸長を制御する電磁バルブ78と縮
小を制御する電磁バルブ79と、チャージポンプ73へ
流れる量を制御する電磁バルブ80から構成されてい
る。但し、電磁バルブ78・79・80は一つの電磁バ
ルブで構成することも可能である。該電磁バルブ80は
PWM制御によりデューティ比を調整して開閉制御し、
流量を制御することにより、油圧シリンダ67への油圧
を制御するようにしている。
【0037】前記電磁バルブ78又は電磁バルブ79は
後述する操作により切り換えられて、油圧シリンダ67
が伸長又は収縮して、可動斜板53の傾倒角を変更して
油圧ポンプ51の吐出量及び吐出方向を変更し、油圧モ
ータ52の出力軸25を前進回転又は後進回転させ、本
機を前進又は後進させることができる。前記HST23
は油圧ポンプ51と油圧モータ52の間を油路81・8
2により接続して閉回路を構成し、該油路81・82の
油圧は圧力センサ114・115によって検知され、該
圧力センサ114・115はコントローラ110と接続
されている。前記閉回路には前記チャージポンプ73か
らの圧油がフィルタ83、絞り84、チェックバルブ8
5を介して補給可能に接続している。
【0038】次に、図15より制御構成を説明する。走
行制御コントローラ110には、主変速レバー7の回動
位置(変速位置)を検知する主変速レバーセンサ11
1、副変速レバー10の回動位置(変速位置)を検知す
る副変速位置センサ116、前記トラニオン軸61の回
動角を検知する角度センサ64、前後進切換レバー8の
回動位置を検知する方向切換スイッチ102、車軸の回
転数を検知する車軸回転数センサ112、エンジン2の
回転数を検知するエンジン回転数センサ113、HST
23の油路81・82の圧力を検知する圧力センサ11
4・115、ブレーキ非連結スイッチ120、ステアリ
ングの切れ角を検知するステアリング切れ角センサ9
3、ステアリング切角スイッチ121が接続されてい
る。
【0039】作業機制御コントローラ109には、ステ
アリング切角スイッチ122、作業機上下レバーの回動
位置(変速位置)を検知する作業機上下レバーセンサ1
23、作業機昇降スイッチ124、作業機の昇降リフト
角度を検知するリフト角センサ148、作業機角度セン
サ124、本機の左右方向の対地角度を検出する本機左
右角度センサ106、本機の前後方向の対地角度を検出
する本機前後角度センサ105、本機姿勢の前後及び左
右方向の変化速度を検出する角速度センサ105・10
6、作業機の上昇位置を設定する上昇位置設定ダイアル
126、作業機の傾きを設定する作業機傾き設定ダイア
ル140、作業機による耕深を設定する耕深設定ダイア
ル140、作業切替スイッチ127、制御入/切スイッ
チ128、制御内容選択スイッチ129が接続されてい
る。そして、作業機制御コントローラ109と走行制御
コントローラ110とが制御信号を入出力できるように
して、走行制御コントローラ110からトラニオン軸駆
動アクチュエータへ制御信号を出力し、油圧シリンダ6
7を伸縮駆動してHST23のトラニオン軸61(可動
斜板53)の角度を変更して、出力軸の回転数を増減で
きるようにし、作業機制御コントローラ109から作業
機昇降シリンダ131、作業機傾斜シリンダ132へ制
御信号を出力して、作業機の昇降及び角度を制御できる
ようにしている。
【0040】このような構成において、本発明に係る車
速制御機構による制御を、図16に示すフローチャート
を参照して説明する。
【0041】作業車両は、通常時にはアクセルレバーに
よるエンジン回転数と、ミッションの変速操作を行う副
変速レバー10と、HST23のトラニオン軸61の角
度を決定する主変速レバー7によって走行速度を決定
し、トラニオン軸角度を変更して走行速度を制御してい
る。
【0042】まず、走行制御コントローラ110が車軸
回転数センサ112から実際の走行速度Shを計算し
(147)、現在の主変速レバー7の回動位置と、副変
速レバー10の回動位置と、トラニオン軸61の回動位
置が夫々センサ111・116・64によって読み込ま
れ、次に、方向切換スイッチ102の信号がコントロー
ラ110に入力されて、前後進切換レバー8がどの位置
にあるかを判断したうえで、コントローラ110がトラ
ニオン軸角度Tの基本設定値Tbを計算する(15
1)。該基本設定値Tbは主変速レバーセンサ111と
副変速位置センサ116からの情報によって設定された
トラニオン軸角度Tの基本値であり、車速制御を行わな
い場合は、 この値がそのままトラニオン軸角度Tの制御
目標値となる。
【0043】次に、本機姿勢危険度Qcを計算する(1
57)。即ち、図17に示す如く、作業車両のシリンダ
ケース150上に備えた傾斜センサ105a・106a
からの信号により基本傾斜危険度Qdを計算する(15
2)。これは前述のようにマップまたは危険度演算式か
ら得られ、傾斜角が大きいほど危険度が大きく、水平な
ほど小さくなる。次に、車軸回転数センサ112からの
値により実際の走行速度Shを計算して、この車速と前
記傾斜センサ105a・106aとに対応する車速によ
る危険度補正値Qc1を計算する(153)。つまり、
走行速度が速いほど危険度が大きく、走行速度が遅いほ
ど小さいことになる。更に、切れ角センサ93からの値
と、傾斜センサ105a・106aと、実際の走行速度
Shとからステアリング角による危険度補正値Qc2を
計算する(154)。つまり、ステアリング角が大きい
ほど急旋回することになるので危険度が大きく、直進ほ
ど小さいことになる。
【0044】そして、角速度センサ105b・106b
からの値によりにより走行地不整度による危険度補正値
Qc3を計算する(155)。つまり、角速度が大きい
ということは、機体が傾く速度が大きいことなので、地
面の傾斜の変化が大きい、または、凹凸が大きい所を走
行していることであり、不整地を走行していることにな
る。よって、角速度が大きい、つまり、凹凸が大きいほ
ど危険度が大きく、平坦なほど小さいことになる。な
お、角速度センサ105b・106bの代わりに加速度
センサ又は衝撃センサ等からの値により走行地不整度に
よる危険度補正値Qc3を計算することもできる。そし
て、リフト角センサ148の値から本機重心高さによる
危険度補正値Qc4を計算する(156)。つまり、作
業機を上昇させるほど作業機の重心が上昇するので、本
機の重心も上がり危険度も大きく、作業機を下降させた
ほど小さくなるのである。
【0045】そして、このようにして得られた基本傾斜
危険度Qdと危険度補正値Qc1・Qc2・Qc3・Q
c4を加算して総合の本機姿勢危険度Qcを計算する
(157)。なお、総合の本機姿勢危険度Qcは、基本
傾斜危険度Qdと危険度補正値Qc1、または、基本傾
斜危険度Qdと危険度補正値Qc1とQc2、または、
基本傾斜危険度Qdと危険度補正値Qc1とQc3、ま
たは、基本傾斜危険度Qdと危険度補正値Qc1とQc
4、または、基本傾斜危険度Qdと危険度補正値Qc1
とQc2とQc3、または、基本傾斜危険度Qdと危険
度補正値Qc1とQc2とQc4、または、基本傾斜危
険度Qdと危険度補正値Qc1とQc3とQc4等の組
み合わせが可能であり、限定するものではない。
【0046】そして、このようにして得られた本機姿勢
危険度Qcが規定値内かどうかを判断する(158)
(図16)。本機姿勢危険度Qcが、予め設定された規
定値を超える場合は、本機姿勢危険度Qcが制御範囲内
かどうかを判断する(159)。本機姿勢危険度Qc
が、予め設定された制御範囲を超える場合は、目標トラ
ニオン角度Ttgを中立停止時トラニオン角度Ttnに
設定し(Ttg=Ttn)(160)、油圧シリンダ6
7を作動してトラニオン軸61を中立位置となるように
回動する。予め設定された制御範囲とは、本発明に係る
車速制御機構によって車速を減速させて略作業ができる
走行範囲、または、路上走行範囲であって、該車速制御
機構は本機姿勢が不安定なときに無段変速機構を用いて
走行速度を減速し、転倒を防止するためのものである。
よって、自動制御によって防止できないほど著しく危険
度Qcが高く転倒する恐れがあるときは、目標トラニオ
ン角度Ttgを中立停止位置とする。即ち、著しく危険
度が高い時には目標速度をゼロにして作業車両の走行を
停止させる。停止した後、ステアリングハンドル5を直
進に戻し、作業機を下降して、主変速レバー7を微速走
行に動作させることによって作業車両を走行できるよう
にして緊急的に危険を回避するのである。
【0047】一方、本機姿勢危険度Qcが制御範囲内に
あるときは、走行制御コントローラ110から危険度Q
cと実際の走行速度から安全最高速度Ssを計算し(1
61)、安全速度のトラニオン角度Tsを計算する(1
62)。該安全速度のトラニオン角度Tsは副変速レバ
ー10の位置を検出している副変速位置センサ115か
ら伝えられる情報から設定されるトラニオン軸角度であ
り、危険度Qcが大きいほど安全最高速度Ssは減少す
る。該安全速度のトラニオン軸角度Tsが通常設定速度
の基本トラニオン軸角度値Tbより小さい場合には(T
s≦Tb)、目標トラニオン角度Ttgを安全速度のト
ラニオン角度Tsに設定する(Ttg=Ts)(16
4)。
【0048】また、安全速度のトラニオン軸角度Tsが
通常設定速度の基本トラニオン軸角度値Tbより大きい
場合(Ts>Tb)、或いは、本機姿勢危険度Qcが規
定値内にある場合、目標トラニオン角度Ttgを通常設
定速度の基本トラニオン軸角度値Tbに設定する(Tt
g=Tb)(165)。つまり、主変速レバー7の位置
と副変速レバー10の位置から得られる目標速度が、安
全に走行できる最高速度よりも速い場合には安全最高速
度Ssで走行できるようにし、目標速度が安全速度より
も遅い場合には主変速レバー7と副変速レバー10で設
定した速度で走行できるようにするために、安全速度の
トラニオン軸角度Tsを副変速の変速位置に当てはめて
いるのである。そして、目標トラニオン角度Ttgの設
定された数値に応じて、走行制御コントローラ110か
ら油圧シリンダ67へ伝達する信号を変化させて、HS
T23を制御する。
【0049】上述の如く車速制御機構を構成したので、
運転者は特別な操作をすることなく自動的に車速が変更
されて傾斜地の危険性の程度を正確に認識していなくて
も、安全な適正走行速度で走行することができる。ま
た、突然に作業車両の姿勢が変化した場合に運転者が操
作することなく安全速度で走行するようになる。また、
静的な作業車両の姿勢のみでなく、作業状態を総合して
危険を検知するために確実に安全を確保することができ
る。
【0050】
【発明の効果】本発明は、以上のように構成したので、
以下に示すような効果を奏する。
【0051】即ち、請求項1に示す如く、可変容量型の
油圧ポンプと固定容量型の油圧モータを有する油圧式無
段変速装置により変速して走行を行う油圧駆動式の無段
変速機構を備えた作業車両において、走行速度を検知す
る手段と、前後方向及び左右方向の機体の傾斜角度を検
知する手段と、無段変速機構の速度変更手段とを制御手
段と接続し、機体の傾斜角度と走行速度より危険度を演
算し、該危険度が設定範囲を超えると、安全最高速度に
減速するようにしたので、傾斜地等の転倒のおそれがあ
る場所での作業や走行時に、危険性の程度を正確に認識
していなくても、運転者は特別な操作をすることなく自
動的に車速が安全な適正走行速度に変更されるのであ
る。
【0052】請求項2に示す如く、可変容量型の油圧ポ
ンプと固定容量型の油圧モータを有する油圧式無段変速
装置により変速して走行を行う油圧駆動式の無段変速機
構を備えた作業車両において、走行速度を検知する手段
と、前後方向及び左右方向の機体の傾斜角度を検知する
手段と、無段変速機構の速度変更手段と、前輪ステアリ
ング切れ角を検出する手段とを制御手段と接続し、機体
の傾斜角度とステアリング切れ角より危険度を演算し、
該危険度が設定範囲を超えると、安全最高速度に減速す
るようにしたので、傾斜地等の作業や走行等にステアリ
ングハンドルを回動して機体の傾斜が大きくなり転倒す
るような事態となったときに、自動的に安全な速度に減
速されて、運転者は特別な操作をすることなく、確実に
安全を確保することができる。
【0053】請求項3に示す如く、可変容量型の油圧ポ
ンプと固定容量型の油圧モータを有する油圧式無段変速
装置により変速して走行を行う油圧駆動式の無段変速機
構を備え、作業機を昇降可能に装備した作業車両におい
て、走行速度を検知する手段と、前後方向及び左右方向
の機体の傾斜角度を検知する手段と、無段変速機構の速
度変更手段と、作業機の昇降リフト角を検出する手段と
を制御手段と接続し、走行速度と機体の傾斜角度と作業
機の高さから危険度を演算し、該危険度が設定範囲を超
えると、安全最高速度に減速するようにしたので、傾斜
地等の転倒のおそれがある場所での作業や走行時に、危
険性の程度を正確に認識していなくても、運転者は特別
な操作をすることなく自動的に車速が安全な適正走行速
度に変更されるのである。
【0054】請求項4に示す如く、可変容量型の油圧ポ
ンプと固定容量型の油圧モータを有する油圧式無段変速
装置により変速して走行を行う油圧駆動式の無段変速機
構を備えた作業車両において、走行速度を検知する手段
と、前後方向及び左右方向の機体の傾斜角度、及び、角
速度を検知する手段と、無段変速機構の速度変更手段と
を制御手段と接続し、走行速度と機体の傾斜角度と機体
の姿勢変化とから危険度を演算し、該危険度が設定範囲
を超えると、安全最高速度に減速するようにしたので、
凹凸の多い圃場の作業時等、傾斜の変化が大きい所での
作業や走行時に、静的な作業車両の姿勢のみでなく、機
体の傾斜変化を検知して減速して確実に安全を確保する
ことができる。
【0055】請求項5に示す如く、可変容量型の油圧ポ
ンプと固定容量型の油圧モータを有する油圧式無段変速
装置により変速して走行を行う油圧駆動式の無段変速機
構を備えた作業車両において、走行速度を検知する手段
と、前後方向及び左右方向の機体の傾斜角度、及び、作
業車両にかかる上下方向の衝撃を検知する手段と、無段
変速機構の速度変更手段とを制御手段と接続し、走行速
度と機体の傾斜角度と機体の姿勢変化とから危険度を演
算し、該危険度が設定範囲を超えると、安全最高速度に
減速するようにしたので、凹凸の多い圃場の作業時等、
傾斜の変化が大きい所での作業や走行時に、危険性の程
度を正確に認識していなくても、運転者は特別な操作を
することなく自動的に車速が安全な適正走行速度に変更
されるのである。
【0056】請求項6に示す如く、前記危険度が設定値
以上の時、無段変速機構を作動させて走行を停止するよ
う制御したので、緊急的に危険を回避する安全機構を備
えることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の車速制御機構を装備したトラクタの左
側面図。
【図2】同じく平面図。
【図3】ミッションケースの側断面図。
【図4】駆動伝達機構を示すスケルトン図。
【図5】主変速レバー取付部の側面図。
【図6】副変速レバー取付部の側面図。
【図7】ミッションケースの変速部側面図。
【図8】同じく一部拡大図。
【図9】油圧回路図。
【図10】昇降装置の側面図。
【図11】シリンダケースの平面図。
【図12】ピットマンアームの側面図。
【図13】同じく一部拡大断面図。
【図14】同じく平面図。
【図15】制御ブロック図。
【図16】フローチャート図。
【図17】フローチャート図。
【符号の説明】
2 エンジン 16 作業機装着装置 23 HST 51 油圧ポンプ 52 油圧モータ 53 可動斜板 67 油圧シリンダ 61 トラニオン軸 93 切れ角センサ 109 作業機制御コントロ−ラ 110 走行制御コントローラ 111 主変速レバーセンサ 112 車軸回転数センサ 116 副変速位置センサ 105a 傾斜センサ 105b 角速度センサ 106a 傾斜センサ 106b 角速度センサ 148 リフト角センサ
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 窪田 徹男 長野県松本市石芝1丁目1番1号 石川島 芝浦機械株式会社松本工場内 (72)発明者 萩原 裕之 長野県松本市石芝1丁目1番1号 石川島 芝浦機械株式会社松本工場内 Fターム(参考) 3D052 AA11 AA13 BB08 BB20 DD03 EE03 FF01 GG03 HH01 HH02 HH03 JJ08 JJ17 JJ21 JJ22 JJ25 JJ26 JJ31 JJ37 3J053 AA01 AB02 AB32 AB44 DA06 DA22 DA26 DA27 EA01

Claims (6)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 可変容量型の油圧ポンプと固定容量型の
    油圧モータを有する油圧式無段変速装置により変速して
    走行を行う油圧駆動式の無段変速機構を備えた作業車両
    において、走行速度を検知する手段と、前後方向及び左
    右方向の機体の傾斜角度を検知する手段と、無段変速機
    構の速度変更手段とを制御手段と接続し、機体の傾斜角
    度と走行速度より危険度を演算し、該危険度が設定範囲
    を超えると、安全最高速度に減速するようにしたことを
    特徴とする作業車両の車速制御機構。
  2. 【請求項2】 可変容量型の油圧ポンプと固定容量型の
    油圧モータを有する油圧式無段変速装置により変速して
    走行を行う油圧駆動式の無段変速機構を備えた作業車両
    において、走行速度を検知する手段と、前後方向及び左
    右方向の機体の傾斜角度を検知する手段と、無段変速機
    構の速度変更手段と、前輪ステアリング切れ角を検出す
    る手段とを制御手段と接続し、機体の傾斜角度とステア
    リング切れ角より危険度を演算し、該危険度が設定範囲
    を超えると、安全最高速度に減速するようにしたことを
    特徴とする作業車両の車速制御機構。
  3. 【請求項3】 可変容量型の油圧ポンプと固定容量型の
    油圧モータを有する油圧式無段変速装置により変速して
    走行を行う油圧駆動式の無段変速機構を備え、作業機を
    昇降可能に装備した作業車両において、走行速度を検知
    する手段と、前後方向及び左右方向の機体の傾斜角度を
    検知する手段と、無段変速機構の速度変更手段と、作業
    機の昇降リフト角を検出する手段とを制御手段と接続
    し、走行速度と機体の傾斜角度と作業機の高さから危険
    度を演算し、該危険度が設定範囲を超えると、安全最高
    速度に減速するようにしたことを特徴とする作業車両の
    車速制御機構。
  4. 【請求項4】 可変容量型の油圧ポンプと固定容量型の
    油圧モータを有する油圧式無段変速装置により変速して
    走行を行う油圧駆動式の無段変速機構を備えた作業車両
    において、走行速度を検知する手段と、前後方向及び左
    右方向の機体の傾斜角度、及び、角速度を検知する手段
    と、無段変速機構の速度変更手段とを制御手段と接続
    し、走行速度と機体の傾斜角度と機体の姿勢変化とから
    危険度を演算し、該危険度が設定範囲を超えると、安全
    最高速度に減速するようにしたことを特徴とする作業車
    両の車速制御機構。
  5. 【請求項5】 可変容量型の油圧ポンプと固定容量型の
    油圧モータを有する油圧式無段変速装置により変速して
    走行を行う油圧駆動式の無段変速機構を備えた作業車両
    において、走行速度を検知する手段と、前後方向及び左
    右方向の機体の傾斜角度、及び、作業車両にかかる上下
    方向の衝撃を検知する手段と、無段変速機構の速度変更
    手段とを制御手段と接続し、走行速度と機体の傾斜角度
    と機体の姿勢変化とから危険度を演算し、該危険度が設
    定範囲を超えると、安全最高速度に減速するようにした
    ことを特徴とする作業車両の車速制御機構。
  6. 【請求項6】 前記危険度が設定値以上の時、無段変速
    機構を作動させて走行を停止するよう制御したことを特
    徴とする請求項1・2・3・4・5いずれかに記載の作
    業車両の車速制御機構。
JP2001143720A 2001-05-14 2001-05-14 作業車両の車速制御機構 Pending JP2002340182A (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2001143720A JP2002340182A (ja) 2001-05-14 2001-05-14 作業車両の車速制御機構

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2001143720A JP2002340182A (ja) 2001-05-14 2001-05-14 作業車両の車速制御機構

Publications (1)

Publication Number Publication Date
JP2002340182A true JP2002340182A (ja) 2002-11-27

Family

ID=18989813

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2001143720A Pending JP2002340182A (ja) 2001-05-14 2001-05-14 作業車両の車速制御機構

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP2002340182A (ja)

Cited By (17)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2006096176A (ja) * 2004-09-29 2006-04-13 Iseki & Co Ltd 乗用型作業機
JP2007092324A (ja) * 2005-09-27 2007-04-12 Honda Motor Co Ltd 除雪機
JP2008168870A (ja) * 2007-01-15 2008-07-24 Kanzaki Kokyukoki Mfg Co Ltd 乗用型芝刈車両
WO2008111655A1 (ja) * 2007-03-09 2008-09-18 Kayaba Industry Co., Ltd. 作業用車両の変速制御装置及び変速比制御方法
JP2009068680A (ja) * 2007-09-18 2009-04-02 Chuo Spring Co Ltd 油圧変速機制御装置
JP2009275783A (ja) * 2008-05-13 2009-11-26 Kobelco Cranes Co Ltd 油圧式走行車両の制御装置
JP2010022376A (ja) * 2009-10-30 2010-02-04 Iseki & Co Ltd 乗用型田植機
WO2012153596A1 (ja) * 2011-05-09 2012-11-15 Ntn株式会社 小型車両
JP2013031464A (ja) * 2012-11-19 2013-02-14 Iseki & Co Ltd 乗用型作業機
JP2013196051A (ja) * 2012-03-15 2013-09-30 Komatsu Ltd 鉱山機械の運行管理システム及び鉱山機械の運行管理方法
US8544570B2 (en) 2007-01-15 2013-10-01 Kanzaki Kokyukoki Mfg. Co., Ltd. Riding lawn mower
JP2016121713A (ja) * 2014-12-24 2016-07-07 井関農機株式会社 作業車両
JP2018145705A (ja) * 2017-03-07 2018-09-20 株式会社小松製作所 作業車両
JP2018198582A (ja) * 2017-05-29 2018-12-20 株式会社クボタ 自動走行作業車
JP2021116905A (ja) * 2020-01-29 2021-08-10 三菱マヒンドラ農機株式会社 作業車両
EP3689698B1 (de) 2011-02-25 2023-06-07 STILL GmbH Schlepper
US11945705B2 (en) 2018-09-13 2024-04-02 Crown Equipment Corporation System and method for controlling a maximum vehicle speed for an industrial vehicle based on a calculated load

Citations (6)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPH03128899A (ja) * 1989-10-13 1991-05-31 Komatsu Ltd 産業用車両の変速制御方法
JPH04258570A (ja) * 1991-02-14 1992-09-14 Kubota Corp 作業車
JPH0546679U (ja) * 1991-12-02 1993-06-22 ヤンマー農機株式会社 作業車
JPH07125647A (ja) * 1993-11-05 1995-05-16 Iseki & Co Ltd コンバイン等の旋回装置
JPH07315243A (ja) * 1994-05-20 1995-12-05 Seirei Ind Co Ltd 移動農機の操向安全装置
JPH1175423A (ja) * 1997-08-29 1999-03-23 Iseki & Co Ltd 作業機の走行装置

Patent Citations (6)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPH03128899A (ja) * 1989-10-13 1991-05-31 Komatsu Ltd 産業用車両の変速制御方法
JPH04258570A (ja) * 1991-02-14 1992-09-14 Kubota Corp 作業車
JPH0546679U (ja) * 1991-12-02 1993-06-22 ヤンマー農機株式会社 作業車
JPH07125647A (ja) * 1993-11-05 1995-05-16 Iseki & Co Ltd コンバイン等の旋回装置
JPH07315243A (ja) * 1994-05-20 1995-12-05 Seirei Ind Co Ltd 移動農機の操向安全装置
JPH1175423A (ja) * 1997-08-29 1999-03-23 Iseki & Co Ltd 作業機の走行装置

Cited By (23)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2006096176A (ja) * 2004-09-29 2006-04-13 Iseki & Co Ltd 乗用型作業機
JP2007092324A (ja) * 2005-09-27 2007-04-12 Honda Motor Co Ltd 除雪機
JP4489675B2 (ja) * 2005-09-27 2010-06-23 本田技研工業株式会社 除雪機
JP2008168870A (ja) * 2007-01-15 2008-07-24 Kanzaki Kokyukoki Mfg Co Ltd 乗用型芝刈車両
US9420740B2 (en) 2007-01-15 2016-08-23 Kanzaki Kokyukoki Mfg. Co., Ltd. Riding lawn mower
US8657041B2 (en) 2007-01-15 2014-02-25 Kanzaki Kokyukoki Mfg. Co., Ltd. Control system for a lawnmower vehicle having a plurality of electric motors
US8544570B2 (en) 2007-01-15 2013-10-01 Kanzaki Kokyukoki Mfg. Co., Ltd. Riding lawn mower
WO2008111655A1 (ja) * 2007-03-09 2008-09-18 Kayaba Industry Co., Ltd. 作業用車両の変速制御装置及び変速比制御方法
US9199644B2 (en) 2007-03-09 2015-12-01 Kayaba Industry Co., Ltd. Speed ratio control device and method for working vehicle
JP2009068680A (ja) * 2007-09-18 2009-04-02 Chuo Spring Co Ltd 油圧変速機制御装置
JP4691134B2 (ja) * 2008-05-13 2011-06-01 コベルコクレーン株式会社 Hst式油圧走行車両の制御装置
JP2009275783A (ja) * 2008-05-13 2009-11-26 Kobelco Cranes Co Ltd 油圧式走行車両の制御装置
JP2010022376A (ja) * 2009-10-30 2010-02-04 Iseki & Co Ltd 乗用型田植機
EP3689698B1 (de) 2011-02-25 2023-06-07 STILL GmbH Schlepper
WO2012153596A1 (ja) * 2011-05-09 2012-11-15 Ntn株式会社 小型車両
JP2013196051A (ja) * 2012-03-15 2013-09-30 Komatsu Ltd 鉱山機械の運行管理システム及び鉱山機械の運行管理方法
JP2013031464A (ja) * 2012-11-19 2013-02-14 Iseki & Co Ltd 乗用型作業機
JP2016121713A (ja) * 2014-12-24 2016-07-07 井関農機株式会社 作業車両
JP2018145705A (ja) * 2017-03-07 2018-09-20 株式会社小松製作所 作業車両
JP2018198582A (ja) * 2017-05-29 2018-12-20 株式会社クボタ 自動走行作業車
US11945705B2 (en) 2018-09-13 2024-04-02 Crown Equipment Corporation System and method for controlling a maximum vehicle speed for an industrial vehicle based on a calculated load
JP2021116905A (ja) * 2020-01-29 2021-08-10 三菱マヒンドラ農機株式会社 作業車両
JP7453006B2 (ja) 2020-01-29 2024-03-19 三菱マヒンドラ農機株式会社 作業車両

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JP2002340182A (ja) 作業車両の車速制御機構
JP4859379B2 (ja) 作業機械のhst走行システム
JP2007224943A (ja) 走行車両
JP4655468B2 (ja) 農業用トラクタ
JP4605667B2 (ja) 作業車の制御装置
JP2005130798A5 (ja)
JP2002331956A (ja) 作業車両の自動変速機構
JP2005343187A (ja) 多目的作業車
JP2010029192A (ja) 農業用トラクタ
JP4442333B2 (ja) 走行車両
JP5297280B2 (ja) 作業機の傾斜角度検出構造
JP2008211971A (ja) トラクタの耕深制御装置
JP6821127B2 (ja) 作業車両
JP5107583B2 (ja) 作業車両の走行装置
WO2020012931A1 (ja) 作業車両
JP2021004586A (ja) 作業車
JP4245280B2 (ja) 油圧駆動車両の変速装置
JPH1056813A (ja) 作業車両の昇降装置
JP4107589B2 (ja) 作業機のローリング制御装置
JP7370956B2 (ja) 作業車両
JP3918223B2 (ja) トラクタの操向制御装置
JP7130598B2 (ja) 作業車両
JP4656173B2 (ja) 農業用トラクタ
JP2007232072A (ja) 農作業機
JPH10203391A (ja) 作業車両の旋回制御装置

Legal Events

Date Code Title Description
A621 Written request for application examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621

Effective date: 20060427

A977 Report on retrieval

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007

Effective date: 20090204

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20090512

A521 Written amendment

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20090618

A02 Decision of refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A02

Effective date: 20091110