JPH0732240Y2 - 油圧駆動車両の走行速度制御装置 - Google Patents

油圧駆動車両の走行速度制御装置

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JPH0732240Y2
JPH0732240Y2 JP4066289U JP4066289U JPH0732240Y2 JP H0732240 Y2 JPH0732240 Y2 JP H0732240Y2 JP 4066289 U JP4066289 U JP 4066289U JP 4066289 U JP4066289 U JP 4066289U JP H0732240 Y2 JPH0732240 Y2 JP H0732240Y2
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Description

【考案の詳細な説明】 〔産業上の利用分野〕 本考案は、例えばホイール式油圧ショベル等の油圧駆動
車両を走行駆動するのに好適に用いられる油圧駆動車両
の走行速度制御装置に関する。
〔従来の技術〕
一般に、ホイール式油圧ショベル等の油圧駆動車両で
は、例えばクローラ式油圧ショベルと異なり、一般道路
での走行が認められているから、クローラ式油圧ショベ
ル等に比較して速い速度で路上走行することが要求され
るものの、現行の国内法規では最高速度が35km/h未満に
制限されている。このため、ホイール式油圧ショベル等
の油圧駆動車両では35km/h未満の速度で走行できるよう
にすることが絶対条件となっている。
そこで、第6図および第7図にこの種の従来技術による
油圧駆動車両用油圧回路等を示す。
図において、1はディーゼルエンジン等によって構成さ
れる原動機、2は該原動機1の出力軸1Aによって回転駆
動される可変容量型の油圧ポンプを示し、該油圧ポンプ
2は容量可変機構2Aを有し、後述の油圧モータ4に向け
て吐出させる圧油の吐出容量Qを可変に設定できるよう
になっている。3は油圧ポンプ2の容量可変機構2Aを傾
転させるレギュレータを示し、該レギュレータ3は電磁
アクチュエータまたは油圧アクチュエータ等によって構
成され、その出力ロッド3Aを伸縮させることにより、容
量可変機構2Aの傾転角を変化させるようになっている。
ここで、該レギュレータ3は油圧ポンプ2の吐出圧Pに
応じて容量可変機構2Aの傾転角を変えることにより、油
圧ポンプ2の1回転当りの押除け容積qを変化させ、エ
ンジン回転数Nとした場合に、 Q=q×N …(1) として示される油圧ポンプ2の吐出容量Qを第7図に示
す特性線A,B,Cの如く、吐出圧Pに応じてトルク制御す
るようになっており、これによって、原動機1の出力
(馬力)を有効に利用できるようにしている。なお、第
7図に示す特性線A,B,Cはエンジン回転数Nを、A>B
>Cの関係で変化させた場合を示している。また、前記
押除け容量qは容量可変機構2Aの傾転角と対応し、傾転
角に比例して増減するものである。
4は一対の主管路5A,5Bを介して油圧ポンプ2、タンク
6と接続された走行用の油圧モータを示し、該油圧モー
タ4は油圧ポンプ2からの圧油を給排することにより正
方向または逆方向に回転する。7は該油圧モータ4によ
り駆動され、油圧駆動車両を路上走行させる走行装置を
示し、該走行装置7は、油圧モータ4の出力軸4Aに連結
され、該出力軸4Aの回転を減速して前,後のプロペラシ
ャフト7A,7Bに伝達するトランスミッション7Cと、プロ
ペラシャフト7A,7Bの回転を前,後の各車輪7D,7Eに伝
え、油圧駆動車両を路上走行させるフロントアクスル7
F,リアアクスル7Gとから大略構成されている。
8は油圧モータ4と油圧ポンプ2、タンク6との間に位
置して、主管路5A,5Bの途中に設けられた制御弁を示
し、該制御弁8は油圧パイロット部8A,8Bを有する8ポ
ート3位置の油圧パイロット式方向切換弁によって構成
され、後述のパイロット圧により中立位置(イ)から
左,右の切換位置(ロ),(ハ)に切換えられる。そし
て、該制御弁8は中立位置(イ)から切換位置(ロ),
(ハ)に切換えられるときのストローク量に応じて油圧
モータ4に給排する圧油の流量を制御し、切換位置
(ロ)側と切換位置(ハ)側とで油圧モータ4の回転方
向を正方向または逆方向に切換制御するようになってい
る。
9は前記油圧ポンプ2と共に原動機1によって駆動され
るパイロット圧供給用の油圧ポンプ、10は制御弁8を中
立位置(イ)から切換位置(ロ),(ハ)側に走行ペダ
ル10Aの操作量に応じて切換操作する走行用の操作手段
としての減圧弁型パイロット弁を示し、該パイロット弁
10は高圧側が油圧ポンプ9に、低圧側がタンク6にそれ
ぞれ接続され、その出力側はパイロット管路11と接続さ
れている。そして、該パイロット弁10は運転室(図示せ
ず)内に設けられる走行ペダル10Aに連動し、該走行ペ
ダル10Aの操作量(踏込み量)に応じたパイロット圧を
油圧ポンプ9からパイロット管路11内に供給するように
なっている。
12はパイロット管路11をパイロット管路部11A,11Bに切
換接続する前後進切換弁を示し、該切換弁12は4ポート
3位置の方向切換弁によって構成され、運転室内に設け
られる切換用のレバー12Aにより中立位置(N)から前
進位置(F)または後進位置(R)に切換操作される。
ここで、パイロット管路部11A,11Bは制御弁8の油圧パ
イロット部8A,8Bと接続され、切換弁12が前進位置
(F)に切換えられたときにはパイロット弁10からのパ
イロット圧を油圧パイロット部8Aに作用させ、後進位置
(R)に切換えられたときにはパイロット圧を油圧パイ
ロット部8Bに作用させるようになっている。
13は油圧モータ4と制御弁8との間に位置して主管路5
A,5Bの途中に設けられたカウンタバランス弁を示し、該
カウンタバランス弁13は圧力制御弁14と、一対のチェッ
ク弁15A,15B等とから大略構成され、圧力制御弁14は制
御弁8に連動して、中立位置(イ)から左,右の切換位
置(ロ),(ハ)に切換えられるようになっている。
16は原動機1に付設され、該原動機1の回転数を制御す
るガバナを示し、該ガバナ16はガバナレバー16Aを有
し、該ガバナレバー16Aの回動角に応じて原動機1の回
転数(エンジン回転数N)を増減させるようになってい
る。さらに17はガバナレバー16Aを回動させる電動モー
タを示し、該電動モータ17はステッピングモータ等によ
って構成され、例えば燃料レバー等の制御レバー(図示
せず)から出力される信号に基づいて駆動レバー17Aを
回動させる。そして、該電動モータ17は制御レバーの操
作量に応じた角度だけガバナレバー16Aを回動させ、原
動機1の回転数を変化させるようになっている。
従来技術による油圧駆動車両用油圧回路は上述の如く構
成されるもので、次に、その作動について述べる。
まず、切換弁12を中立位置(N)から前進位置(F)に
切換えて、パイロット弁10の走行ペダル10Aを踏込み操
作すると、パイロット弁10からパイロット管路11のパイ
ロット管路部11Aを介して制御弁8の油圧パイロット部8
Aにその操作量に応じたパイロット圧が供給され、制御
弁8は走行ペダル10Aの操作量に対応するストローク量
だけ中立位置(イ)から切換位置(ロ)に切換えられ、
油圧ポンプ2から油圧モータ4に給排される圧油の流量
をそのストローク量に応じて制御する。そして油圧モー
タ4はこのときの圧油の流量に応じた速度で回転し、走
行装置7の各車輪7D,7Eを前進方向に回転駆動して車両
を走行させる。
また、切換弁12を後進位置(R)に切換えたときには、
パイロット弁10からのパイロット圧がパイロット管路11
のパイロット管路部11Bを介して制御弁8の油圧パイロ
ット部8Bに供給されるから、制御弁8は切換位置(ハ)
に切換えられ、この場合は油圧モータ4が逆方向に回転
し、車両を後進させる。そして、走行ペダル10Aの踏込
み操作を解除すればパイロット弁10からのパイロット圧
がタンク圧状態となるから、制御弁8は中立位置(イ)
に復帰し、油圧モータ4および車両は停止する。
一方、油圧ポンプ2の吐出容量Qは容量可変機構2Aの傾
転角に対応した一回転当りの押除け容積qとエンジン回
転数Nとの積として前記(1)式の如く算出され、この
吐出容量Qと吐出圧Pとの関係はレギュレータ3により
吐出圧Pに応じて容量可変機構2Aの傾転角を変えること
によって、第7図に示す特性線A,B,Cの如くトルク制御
されるようになっている。そして、特性線Aの場合に原
動機1の回転数、即ち、エンジン回転数Nが最大になる
とすると、例えば平地走行時等で油圧モータ4に作用す
る負荷が小さく、吐出圧Pが小さくなったときに、吐出
容量Qは最大流量Qmaxとなり、走行ペダル10Aの操作に
よって制御弁8をフルストロークさせた状態で最大流量
Qmaxの圧油を油圧モータ4に給排したときに、車両は最
高速度に達する。
〔考案が解決しようとする課題〕
ところで、上述した従来技術では、車両の最高速度が現
行の国内法規により35km/h未満に制限されており、原動
機1の最高回転数(エンジン最高回転数Nmax)および油
圧ポンプ2の最大吐出容量(最大流量Qmax)等には各車
両毎にバラツキがあるから、このバラツキの上限値で最
大流量Qmaxの圧油を油圧モータ4に給排したときに、車
両の最高速度が35km/hの法定速度を満たすように、原動
機1の最高回転数や容量可変機構2Aの最大傾転角等を制
限する設計仕様としている。
このため従来技術では、製造された油圧駆動車両のほと
んどが、負荷の小さい平地走行時でも法定速度よりも低
い最高速度で走行するようになる上に、負荷の大きい登
坂時等には法定速度よりもはるかに低い速度で走行する
ようになり、油圧駆動車両としての性能を向上できない
という欠点がある。また、最高速度で走行させるときに
は原動機1の回転数を常に最高回転数に設定する必要が
あり、燃費が悪くなるという欠点がある。
即ち、従来技術では第7図に示す特性線Aで原動機1の
回転数を最大として、低負荷時に油圧ポンプ2からの吐
出容量が最大流量Qmaxとなって、車両が50km/h程度の速
度で走行すると仮定すると、容量可変機構2Aの最大傾転
角を法定速度35km/hに対応する最高流量QAまで小さく制
限する必要があるから、特性線B,Cの場合には容量可変
機構2Aを最大傾転角まで傾転させたとしても、油圧ポン
プ2の吐出容量Qが最高流量QB,QC以下に制限されてし
まい、本来特性線Bのエンジン回転数で吐出できるはず
の最高流量QA(35km/h)が特性線Aのエンジン回転数ま
で上げない限り吐出できなくなり、燃費の面から考えて
も非常に効率が悪くなる上に、特性線Bのエンジン回転
数では法定速度に近い走行速度を出せなくなるという欠
点がある。
本考案は上述した従来技術の欠点に鑑みなされたもの
で、本考案は負荷が小さいときでも、大きいときでも法
定速度に近い速度で走行させることができ、性能を向上
できる上に、負荷の小さいときには原動機の回転数を下
げることによって燃費等を大幅に向上できるようにした
油圧駆動車両の走行速度制御装置を提供するものであ
る。
〔課題を解決するための手段〕
上述した課題を解決するために本考案が採用する構成の
特徴は、原動機の回転数を設定すべく回転数設定信号を
出力する回転数設定手段と、レギュレータにより傾転さ
れる容量可変機構の傾転角に対応した油圧ポンプの1回
転当りの押除け容積を検出する押除け容積検出手段と、
該押除け容積検出手段からの検出信号と前記回転数設定
手段からの設定信号とに基づき、車両の走行速度が所定
速度内となるように前記原動機の回転数を制御するコン
トローラとからなる。
この場合、前記コントローラを、前記押除け容積検出手
段からの検出信号と前記回転数設定手段からの設定信号
とに基づき前記油圧ポンプの吐出容量を演算する吐出容
量演算手段と、該吐出容量演算手段による演算値が所定
値よりも小さいか否かを判定する判定手段と、該判定手
段で所定値よりも小さいと判定したときに、前記回転数
設定手段からの回転数設定信号に基づいて前記原動機の
回転数を制御し、所定値よりも大きいと判定したときに
は前記吐出容量演算手段の演算値が所定値よりも小さく
なるように、前記原動機の回転数を制御する回転数制御
手段とを有する構成とするのがよい。
〔作用〕
上記構成により、車両の走行速度が所定速度内となると
きには、回転数設定手段からの設定信号で直接的に原動
機の回転数を制御し、例えば法定速度に近い走行速度で
車両を走行させることができ、所定速度である法定速度
を越えるようなときには、前記回転数設定手段からの設
定信号を小さくするように補正して原動機の回転数を制
御でき、負荷の大,小に係わりなく油圧駆動車両を法定
速度に近い速度で走行させることが可能となる。
〔実施例〕
以下、本考案の実施例を第1図ないし第5図に基づいて
説明する。なお、実施例では前述した第6図,第7図に
示す従来技術と同一の構成要素に同一の符合を付し、そ
の説明を省略するものとする。
図中、21は原動機1の回転数を設定する回転数設定手段
としての制御レバー装置を示し、該制御レバー装置21は
運転室(図示せず)内に設けられる燃料レバー等によっ
て構成され、運転者により手動操作されるレバー21Aの
傾転操作量に対応した回転数設定信号NLを後述のコント
ローラ24に出力するようになっている。22は電動モータ
17の駆動レバー17Aに連結され、該駆動レバー17Aの回動
角をガバナレバー16Aの回転角として検出する回動角セ
ンサを示し、該回動角センサ22は原動機1の回転数がガ
バナレバー16Aの回動角に応じて制御されるから、該ガ
バナレバー16Aの回動角を検出することにより原動機1
の回転数(エンジン回転数N)を検出し、その検出信号
をコントローラ24に出力することによって、例えば制御
レバー装置21等で設定されたエンジン回転数Nをフィー
ドバック制御させるようになっている。
23はレギュレータ3等に設けられる押除け容積検出手段
としての傾転角センサを示し、該傾転角センサ23はレギ
ュレータ3の出力ロッド3Aが伸縮するときのストローク
量を検出することにより、このストローク量を容量可変
機構2Aの傾転角(押除け容積q)として検出するように
なっている。即ち、油圧ポンプ2の1回転当りの押除け
容積qは容量可変機構2Aの傾転角に対応して変化するか
ら、該傾転角センサ23はこの傾転角を押除け容積qとし
てコントローラ24に出力するようになっている。
さらに、24はマイクロコンピュータ等によって構成され
るコントローラを示し、該コントローラ24の入力側は制
御レバー装置21、回転角センサ22および傾転角センサ23
等と接続され、その出力側はステッピングモータ等の電
動モータ17と接続されている。また、該コントローラ24
の記憶回路内には第4図に示すプログラム等が格納さ
れ、原動機1の回転数を制御することによって、油圧ポ
ンプ2の容量制御処理等を行うようになっている。そし
て、該コントローラ24は電動モータ17に後述の制御信号
を出力して該電動モータ17の駆動レバー17Aによりガバ
ナ16のガバナレバー16Aを回動させ、原動機1の回転数
を後述の目標回転数Nθとすべく制御するようになって
いる。
また該コントローラ24の記憶エリア24A内には、第2図
に示す目標回転数Nθ(ガバナレバー16Aの回動角に対
応する)を回転数設定信号NLに基づいて設定する回転数
マップと、制限すべき最高速度に対応した吐出容量とし
ての制限流量QS(第4図、第5図参照)と、ヒステリシ
スをもたせるための所定の微小流量QOと、後述の第3図
に示す補正マップとがそれぞれ格納されている。ここ
で、第3図に示す補正マップは油圧ポンプ2から吐出さ
れる圧油の吐出容量Qを前記制限流量QSで減算すること
により、 QX=Q−QS …(2) として演算される差流量QXと、この差流量QXを零(QX
0)とするのに必要な補正回転数Nαとの関係を第3図
に示す特性線としてマップ化して作成したものである。
また、制限流量QSは微小流量QOを加算した加算流量(QS
+QO)が法定速度35km/hに対応した流量(吐出容量)と
なるように設定され、油圧ポンプ2からの吐出容量Q
が、 Q=QS+QO …(3) となった場合に、走行ペダル10Aをフル操作している条
件で、車両の走行速度は法定速度35km/hに達するものと
して設定されている。
本実施例による油圧駆動車両の走行速度制御装置は上述
の如き構成を有するもので、油圧駆動車両の基本的作動
ついては従来技術によるものと格別差異はない。
そこで、コントローラ24による原動機1の回転数制御処
理および容量制御処理について第4図を参照して説明す
る。
まず、処理動作をスタートさせると、ステップ1で制御
レバー装置21からの回転数設定信号NLを読込み、ステッ
プ2でこの設定信号NLに基づき第2図に示す回転数マッ
プから目標回転数Nθを読出す。ここで、該目標回転数
Nθは電動モータ17に出力すべきガバナレバー16Aの目
標回転角信号として実際には処理され、エンジン回転数
Nはガバナレバー16Aの回動角(目標回転数Nθ)に対
応して増減するから、前記(1)式は、 Q=q×Nθ …(4) なる関係を満たしている。そして、ステップ3では傾転
角センサ23から容量可変機構2Aの傾転角に基づく油圧ポ
ンプ2の押除け容積qを読込み、ステップ4で前記
(4)式により油圧ポンプ2の吐出容量Qを演算する。
次に、ステップ5で記憶エリア24A内から制限流量QS
読出してステップ6に移り、前記(2)式から差流量QX
を演算する。そして、ステップ7に移って記憶エリア24
A内から微小流量QOを読出し、ステップ8で差流量QX
微小流量QOよりも小さいか否か、即ち前記ステップ4で
演算した演算値としての吐出容量Qが、 Q<QS+QO …(5) となり、制限流量QSにヒステリシスをもたせるための微
小流量QOを加算した所定値としての加算流量(QS+QO
よりも小さいか否かを判定する。
そして、ステップ8で「YES」と判定したときには、吐
出容量Qが加算流量(QS+QO)よりも小さく、前記
(3)式に関連して前述した如く車両は法定速度35km/h
よりも低い速度で走行することになるから、ステップ9
に移って制御レバー装置21からの回転数設定信号NLに基
づく目標回転数Nθに対応した制御信号を電動モータ17
に出力し、ステップ10でリターンさせる。
これによって、原動機1の回転数は目標回転数Nθとな
るように、電動モータ17によりガバナレバー16Aが回動
され、エンジン回転数Nは制御レバー装置21によって設
定される。
また、ステップ8で「NO」と判定したときには、前記
(5)式とは逆に吐出容量Qが加算流量(QS+QO)以上
となり、車両が法定速度以上の速度で走行可能となるか
ら、ステップ11に移って第3図に示す補正マップから差
流量QXに基づく補正回転数Nαを選定し、ステップ12で
この補正回転数Nαを前記ステップ2による目標回転数
Nθから減算して、この減算回転数(Nθ−Nα)を補
正後の目標回転数Nθとして置換え、この補正後の目標
回転数Nθまで原動機1の回転数を減速すべく、ステッ
プ13で補正後の目標回転数Nθに対応した制御信号を電
動モータ17に出力し、ステップ14でリターンさせる。
これにより、電動モータ17はエンジン回転数Nが補正後
の目標回転数Nθとなるまでガバナ16のガバナレバー16
Aを駆動レバー17Aを介して回動し、エンジン回転数Nを
減速することにより、前記差流量QXを零として、油圧ポ
ンプ2の吐出容量Qを制限流量QS(Q=QS)に設定し、
車両を加算流量(QS+QO)に対応する法定速度よりも微
小流量QO分だけ低い速度で走行させるように、エンジン
回転数Nを制御する。
かくして、本実施例によれば、コントローラ24から電動
モータ17に制御信号を出力して、油圧ポンプ2の吐出容
量Qが法定速度35km/hに対応する加算流量(QS+QO)よ
りも低い流量となるように原動機1の回転数を目標回転
数Nθ(補正後を含む)に制御する構成としたから、原
動機1の最高回転数や油圧ポンプ2の最大吐出容量(最
大流量Qmax)等に各車両毎のバラツキがある場合でも、
車両の最高速度を法定速度に可及的に近い速度に設定で
き、各車両毎の最高速度のバラツキ等をなくすことがで
きる。
そして、第5図に示す特性線A,B等を有する油圧ポンプ
2を用い、特性線Aのエンジン回転数Nで最大流量Qmax
のときに法定速度を越え、特性線Bのエンジン回転数N
で最高流量QS(制限流量)のときに法定速度を満たす場
合を例に挙げると、吐出圧Pが圧力POとなって負荷が小
さいときには、エンジン回転数Nを特性線Aから特性線
Bまで下げることによって法定速度を満たすことがで
き、エンジン回転数Nを最大とすることなく法定速度に
近い速度で走行させることができ、燃費性能を向上させ
ることができる。
また、登坂走行時等に吐出圧Pが圧力P1まで高くなった
ときには、エンジン回転数Nを特性線Bから特性線Aに
上げることによって、油圧ポンプ2の吐出容量Qを流量
Q1から制限流量QSまで増大させることができ、登坂走行
時等でも法定速度に近い速度で走行させることが可能と
なり、当該油圧駆動車両の性能を効果的に向上できる
等、種々の効果を奏する。
なお、前記実施例では、第4図に示すステップ4が本考
案の構成要件である吐出容量演算手段の具体例を示し、
ステップ5〜8が判定手段の具体例であり、ステップ9,
13が回転数制御手段の具体例である。
また、前記実施例では、電動モータ17の駆動レバー17A
に連結され、ガバナレバー16Aの回動角を検出する回動
角センサ22によって原動機1の回転数(エンジン回転数
N)を検出するものとして述べたが、これに替えて、原
動機1の出力軸1A等の回転数を検出するクランク角セン
サ(図示せず)によって原動機1の回転数を直接的に検
出し、このクランク角センサからの検出信号をコントロ
ーラ24に入力するようにしてもよい。
〔考案の効果〕
以上詳述した通り、本考案によれば、押除け容積検出手
段からの検出信号と回転数設定手段からの設定信号とに
基づき、車両の走行速度が所定速度内となるように原動
機の回転数を制御する構成としたから、前記回転数設定
手段からの設定信号を、押除け容積検出手段からの検出
信号に基づき補正して原動機の回転数を制御することに
より、車両の走行速度が、例えば法定速度である所定速
度を越えるのを防止でき、走行装置を負荷の大,小に係
りわなく法定速度に近い速度で走行させることができ、
性能を大幅に向上できる上に、負荷の小さいときには原
動機の回転数を下げて、法定速度に近い速度で走行させ
ることができ、燃費を向上できる等、種々の効果を奏す
る。
【図面の簡単な説明】
第1図ないし第5図は本考案の実施例を示し、第1図は
油圧駆動車両の走行速度制御装置を示す回路構成図、第
2図は回転数マップを示す特性線図、第3図は補正マッ
プを示す特性線図、第4図は容量制御処理を示す流れ
図、第5図はトルク制御を示す特性線図、第6図および
第7図は従来技術を示し、第6図は油圧回路図、第7図
はトルク制御を示す特性線図である。 1……原動機、2……油圧ポンプ、2A……容量可変機
構、3……レギュレータ、4……油圧モータ、7……走
行装置、8……制御弁、10A……走行ペダル、16……ガ
バナ、16A……ガバナレバー、17……電動モータ、17A…
…駆動レバー、21……制御レバー装置、22……回動角セ
ンサ、23……傾転角センサ(押除け容積検出手段)、24
……コントローラ。

Claims (2)

    【実用新案登録請求の範囲】
  1. 【請求項1】原動機と、該原動機によって駆動され、容
    量可変機構を有した可変容量型の油圧ポンプと、該油圧
    ポンプの容量可変機構を傾転させることにより該油圧ポ
    ンプの吐出容量を変化させるレギュレータと、前記油圧
    ポンプから吐出される圧油により回転駆動される走行用
    の油圧モータと、該油圧モータにより駆動され、車両を
    走行させる走行装置とからなる油圧駆動車両において、
    前記原動機の回転数を設定すべく回転数設定信号を出力
    する回転数設定手段と、前記レギュレータにより傾転さ
    れる容量可変機構の傾転角に対応した前記油圧ポンプの
    1回転当りの押除け容積を検出する押除け容積検出手段
    と、該押除け容積検出手段からの検出信号と前記回転数
    設定手段からの設定信号とに基づき、前記車両の走行速
    度が所定速度内となるように前記原動機の回転数を制御
    するコントローラとから構成したことを特徴とする油圧
    駆動車両の走行速度制御装置。
  2. 【請求項2】前記コントローラは、前記押除け容積検出
    手段からの検出信号と前記回転数設定手段からの設定信
    号とに基づき前記油圧ポンプの吐出容量を演算する吐出
    容量演算手段と、該吐出容量演算手段による演算値が所
    定値よりも小さいか否かを判定する判定手段と、該判定
    手段で所定値よりも小さいと判定したときに、前記回転
    数設定手段からの回転数設定信号に基づいて前記原動機
    の回転数を制御し、所定値よりも大きいと判定したとき
    には前記吐出容量演算手段の演算値が所定値よりも小さ
    くなるように、前記原動機の回転数を制御する回転数制
    御手段とを有する構成としてなる実用新案登録請求の範
    囲(1)項記載の油圧駆動車両の走行速度制御装置。
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