JP5051950B2 - 光透過特性に優れた光透過用成型品 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
光透過特性に優れたスチレン系樹脂製光透過用成型品、特に照明器具や光透過性工業用部品として有用な光透過用成型品に関する。
【0002】
【従来の技術】
照明器具(カバー、フェード、等)や光透過性工業部品(キー、ボタン、カバー、電子楽器の鍵盤、筐体、等)のような光源を覆う機能を有する光透過性成型品に対しては、光透過性は要求されるが光源の輪郭・位置が明確にわかる事がないようにしたいという市場からの要求がある。つまり、光透過性に優れ、それでいて光源像は顕われない光拡散性を有し、且つ高い光沢度を有するという光透過用成型品が要求されている。
【0003】
従来のスチレン系樹脂を材料とした光透過用成型品は、光透過性は満足するものの、光源の輪郭・位置が明確にわかるため、光透過用成型品としての商品性に劣り、そのままでは使用できない状況にあった。
この問題に対し従来は、光拡散剤をスチレン系樹脂に配合する等の方法で対応してきた。光拡散剤としては硫酸バリウム等の無機系光拡散剤や有機系光拡散剤が用いられていた。しかし、かかる光拡散剤の配合は添加の均一性管理が難しく、大量に配合する必要があるため経済性に問題があり、またスチレン系樹脂の耐熱性及び耐候性を低下させるのみならず、所謂暗所黄変問題にも悪い影響を与えるため、光拡散剤の配合に代わる手法が渇望されていた。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
本発明は、光透過性に優れ、かつ光源の輪郭・位置が明確にわかることがないようにしたいという要求を満足するゴム補強スチレン系樹脂からなる光透過用成型品材料を提供することを課題とするものである。
【0005】
【課題を解決するための手段】
本発明者は上記課題を達成する手段について鋭意検討の結果、光透過用成型品材料として、特定の粒径分布の分散粒子を含有し、かつ特定のゲル含有率であるゴム補強スチレン系樹脂を用いることにより上記課題解決に有効であることを見出し、本発明を完成するに到った。
即ち本発明は、ポリブタジエンゴムをスチレンに溶解し攪拌しつつ重合して得られる、ビニル芳香族重合体よりなるマトリクス中にゴム状重合体が粒子状に分散してなるゴム補強スチレン系樹脂であって、
(1)ゴム状重合体からなる分散粒子の粒径が、コールターマルチサイザー分析による粒径が0.2〜3.0μmである分散粒子の累積体積比率が全分散粒子の総累積体積の99%以上であり、
(2)トルエンによるゲル含有率が18〜29.5%である
ゴム補強スチレン系樹脂を成型してなることを特徴とする光透過用成型品、である。
【0006】
【発明の実施の形態】
本発明について、以下具体的に説明する。
本発明のゴム補強スチレン系樹脂は、合成ゴムなどのゴム状体が添加されたハイインパクトポリスチレンであり、詳しくは、ビニル芳香族重合体よりなるマトリクス中に、ゴム状重合体が粒子状に分散してなる重合体を言い、一般的にはゴム状重合体をビニル芳香族単量体(および不活性溶媒を加えた液)に溶解し、撹拌しつつ塊状重合、塊状懸濁重合、または溶液重合を行い、ゴム状重合体を析出し、粒子化することにより得ることができる。
【0007】
上記のビニル芳香族重合体を形成するビニル芳香族単量体としては、スチレン、o−メチルスチレン、p−メチルスチレン、m−メチルスチレン、2,4−ジメチルスチレン、エチルスチレン、α−メチルスチレン等のアルキル置換スチレン等が挙げられ、代表的な物はスチレンである。これらの内の2種以上を併用してもよい。また、上記ビニル芳香族単量体に加えて他の共重合可能な単量体として、メチルメタクリレート、エチルメタクリレート、ブチルメタクリレート、メチルアクリレート、エチルアクリレート、ブチルアクリレート、2−エチルヘキシルアクリレート、シクロヘキシルアクリレート等のアクリル酸(メタクリル酸)エステル系単量体、アクリロニトリル、メタアクリロニトリル等のシアン化ビニル単量体のうちの一つあるいは複数のものを併用して用いてもよい。
【0008】
本発明のゴム状重合体としては、ポリブタジエン、スチレン・ブタジエン共重合体、ポリイソプレン、ブタジエン・イソプレン共重合体、天然ゴム、エチレン・プロピレン共重合体等が挙げられ、これらの内、ポリブタジエン、スチレン・ブタジエン共重合体が好ましい。
また、ゴム状重合体の含有量はゴム補強スチレン系樹脂を基準として、2〜30重量%、好ましくは5〜15重量%である。ゴム状重合体の含有量が2重量%未満であると衝撃強度が不足し、30重量%を越えると光透過性が不足して望ましくない。
【0009】
本発明においてゴム状重合体は、粒子状に分散している。ゴム補強スチレン系樹脂をジメチルホルムアミドへ溶解させた時、当該ジメチルホルムアミド溶液中に分散するゴム状重合体からなる分散粒子の粒径が、コールターマルチサイザー分析による粒径が0.2〜3.0μmである分散粒子の累積体積比率が全分散粒子の総累積体積の90%以上であることが必要である。粒径は好ましくは0.4〜2.5μmであり、さらに好ましくは0.8〜2.0μmである。粒径が0.2μm未満である分散粒子が総累積体積の90%以上存在すると、光線を遮るゴム粒子が不足して光拡散性が低下して望ましくない。一方、粒径が3.0μmを越える分散粒子が90%以上存在した場合には、光透過性が低下し、光沢度も低下して望ましくない。
【0010】
また、粒径が0.2〜3.0μmである分散粒子の累積体積比率が全分散粒子の総累積体積の90%未満であると、光拡散性が低下するか、もしくは光透過性および光沢度が低下して望ましくない。粒径は、ゴム補強スチレン系樹脂を重合する際に、攪拌翼を有した混合機等により加えられるシェアを強化することにより小さく制御することが可能である。
本発明のゴム補強スチレン系樹脂は、トルエンによるゲル含有率が15〜30%であることが必要である。トルエンによるゲル含有率が15%未満の場合には、光線を遮るゴム粒子が不足して光拡散性が低下し、ゲル含有率が30%を越える場合には、光透過性が低下して望ましくない。
【0011】
上記のように特定の粒径分布の分散粒子を含有し、かつ特定範囲のゲル含有率であるゴム補強スチレン系樹脂が優れた光透過特性を示す理由については以下のように考えている。即ち、2mm程度の肉厚の透明樹脂の場合には、特定のシャープな粒径分布を持つ分散粒子がマトリクス中に均一に分散していると、分散粒子の隙間を縫って内部で適度に乱反射しつつ成形品の裏から表に散乱光が通過してくる。ところが、この時に分散粒子の粒径が小さかったり、量が少なかったりした場合には、光が直接裏から表に抜けて光源がはっきりと見えてしまう。また、分散粒子が多かったり、粒径が大きかった場合には、逆に光が全く通過できなかったり、表面に凹凸を発生させて光沢度を低下させることになるものと推定される。
本発明のゴム補強スチレン系樹脂には、目的に応じて各種添加剤を配合することができる。耐候性向上等の為にベンゾトリアゾール系紫外線吸収剤、ヒンダードアミン系光安定剤を配合することができる。
【0012】
本発明で用いることができるベンゾトリアゾール系化合物は紫外線吸収剤であり、具体例としては、2−(2H−ベンゾトリアゾール−2−イル)−P−クレゾール、2−(2' −ヒドロキシ−5' −メチルフェニル)ベンゾトリアゾール、2−(2' −ヒドロキシ−3' −t−ブチル−5' −メチルフェニル)−5−クロロベンゾトリアゾール、1,2,3−ベンゾトリアゾール、1−〔N、N−ビス(2−エチルヘキシル)アミノメチル〕ベンゾトリアゾールなどが挙げられる。本発明で配合されるベンゾトリアゾール系紫外線吸収剤の量は、ゴム補強スチレン系樹脂100重量部に対して0.01〜5重量部、好ましくは0.1〜1重量部である。0.01重量部未満では、耐候性に対する効果が不十分であり、5重量部を超えると衝撃強度が低下するので好ましくない。
【0013】
本発明で用いることができるヒンダードアミン系化合物は光安定剤であり、具体例としては、ビス(2,2,6,6−テトラメチル−4−ピペリジル)セバケート、ビス(1,2,2,6,6−ペンタメチル−4−ピペルジル)セバケート、1−[2−〔3−(3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオニルオキシ〕エチル]−4−〔3−(3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオニルオキシ〕−2,2,6,6−テトラメチルピペリジン、8−ベンジル−7,7,9,9−テトラメチル−3−オクチル−1,3,8−トリアザスピロ[4,5]ウンデカン−2,4−ジオン、4−ベンゾイルオキシ−2,2,6,6−テトラメチルピペリジンなどが挙げられる。本発明で配合されるヒンダードアミン系化合物の量は、ゴム補強スチレン系樹脂100重量部に対して、0.01〜5重量部、好ましくは0.1〜1重量部である。0.01重量部未満では、耐候性に対する効果が不十分であり、5重量部を超えると衝撃強度が低下するので好ましくない。
【0014】
また、本発明のゴム補強スチレン系樹脂には、所謂暗所黄変性を改善する為に硫黄系キレート化合物を配合することができる。本発明における紫外線暴露後の暗所における黄変とは、樹脂に紫外線が照射された後に、暗所に長期間保管されることによって生ずる黄変現象である。更に、その特徴として暗所中の雰囲気が高温、多湿の場合には、黄変現象が著しく促進されることが従来から知られている。したがって、熱や暴露による黄変とは全く異なった過程で生ずる現象である。本発明では、その黄変現象を暗所黄変と呼ぶことにする。
【0015】
本発明で用いることができる硫黄系キレート化合物としては、硫黄系連鎖移動剤であり、下記一般式(1)で示されるチオールが好ましい。
R1 −SH (1)
(式中、R1 は炭素数6〜25のアルキル基、フェニル基、アリル基、またはエステルを示す。)
硫黄系キレート化合物の具体例としては、β−メルカプトプロピオン酸−2−エチルヘキシル、ノルマルドデシルメルカプタン、ノルマルオクチルメルカプタン、2−メルカプトベンズイミダゾール、2−メルカプト−6メチル−ベンズイミダゾ−ル、2−メルカプトベンゾチアゾールなどが挙げられる。
【0016】
硫黄系キレート化合物の添加量は、ゴム補強スチレン系樹脂100重量部に対して、0.01〜5重量部、好ましくは0.1〜1重量部である。0.01重量部未満では、暗所黄変改善に対する効果が不十分であり、5重量部を超えると衝撃強度が低下するので好ましくない。
酸化防止、耐熱性向上等の為にフェノール系化合物を配合することができる。
本発明で用いる事ができるフェノール系化合物は、下記一般式(2)及び(3)で示されるフェノール系酸化防止剤であり、式中の置換基R2 は炭素数8〜40のフェニル基またはアリル基が好ましい。
R2 −OH (2)
HO−R2 −R2 −OH (3)
【0017】
フェノール系酸化防止剤の具体例としては、2,6−ジ−t−ブチル−p−クレゾール、ステアリル−β−(3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオネート、テトラキス〔メチレン−3(3' ,5' −ジ−t−ブチル−4' −ヒドロキシフェニル)プロピオネート〕メタン、n−オクタデシル−3−(3' ,5' −ジ−t−ブチル−4' −ヒドロキシフェニル)−プロピオネート、2,2' −メチレン−ビス−(4−メチル−6−t−ブチルフェノール)、2−t−ブチル−6−(3' −t−ブチル−5' −メチル−2' −ヒドロキシベンジル)−4−メチルフェニルアクリレート、4,4' −ブチリデン−ビス−(3−メチル−6−ブチルフェノール)等が挙げられる。本発明で配合されるフェノール系酸化防止剤の量は、ゴム補強スチレン系樹脂100重量部に対し、0.01〜5重量部、好ましくは0.1〜1重量部である。0.01重量部未満では、熱安定性に対する効果が不十分であり、5重量部を超えると衝撃強度が低下するので好ましくない。
【0018】
本発明において、紫外線吸収剤としてのベンゾトリアゾール系化合物、光安定剤としてのヒンダードアミン系化合物、硫黄系キレート化合物、フェノール系化合物のゴム補強スチレン系樹脂への配合は、通常の方法、例えば他の添加物と同時に押出機で溶融混合する方法などが用いられる。
上記のように適切な添加剤処方を用いることにより、優れた光透過特性を有し、且つ優れた耐候性、暗所黄変性を有するゴム補強スチレン系樹脂による光透過用成型品を得ることができる。
また本発明のゴム補強スチレン系樹脂には、必要に応じて重金属不活性化剤、帯電防止剤、滑剤、酸化チタン、金属石鹸類、充填剤、加工助剤、顔料等の添加剤を併用することもできる。
【0019】
本発明において、ゴム状重合体の分散粒子径は次のようにして測定した。
(1)サンプル調整
乾燥したチオシアン酸アンモニウム2.1gを秤量し、これをジメチルホルムアミド190gに溶解した。得られた溶液をメンブランフィルターでろ過し、ゴミ検査をすませたものを電解液とした。ゴム補強スチレン系樹脂0.3gを秤量し、これを電解液30gに加え、攪拌して溶解させた。得られた溶液を粒子径測定用溶液として次の測定に供した。
【0020】
(2)粒子径測定
コールターマルチサイザー(SOFTWARE LEVEL 1.8、日科機社製)を用い、測定用溶液を30μmのアパーチャーチューブを通過させた後、粒径測定を実施した。
測定条件は次の通りである。
サンプル濃度:1%、
PIDS濃度:29%、
光学モデル:dmf.omd 、
LS130 :リキッドモジュール、
ソフトウェア:1.53
この測定によって測定分散粒径の範囲(最小粒径〜最大粒径)、規定粒径範囲中の分散粒子の割合が求められる。
【0021】
本発明において、ゴム補強スチレン系樹脂のトルエンによるゲル含有率は、次のようにして測定した。
(1)ゴム補強スチレン系樹脂約1g(W1)、トルエン20mlを沈殿管(50ml)に加えシェーカーにて60分間振とうする。樹脂が完全に溶解していることを確認した。
(2)遠心分離機を用いて遠心分離を行った。沈殿管を取出しデカンテーションを行った。
(3)溶媒を除去(真空乾燥機を用い、160℃、45分処理、次いで160℃、真空度10mmHg以下、15分処理)した後、重量(W2)を測定した。
(4)ゲル含有率の計算は次の様に行った。
ゲル含有率(%)=(W2/W1)×100
【0022】
本発明において、光透過特性の評価は次の様にして行った。
(1)光線透過率:ゴム補強スチレン系樹脂からなる2mm厚の平板下1cmの位置に赤色発光ダイオードを設置し、平板上から目視で見た時に赤い光を感知できるか否かで判断した。
○:赤い光が見える
×:赤い光が見えない
(2)光沢度:ゴム補強スチレン系樹脂により20cm角、2mm厚の平板を成形し、下に黒板を敷いて机上に水平に置く。鉛直から45度の角度かつ平板の中心から50cm離れた位置に蛍光灯を置き、正反対の45度の角度から平板を見たときに、その映像で判断した。
○:蛍光灯の輪郭がはっきりと見える
×:蛍光灯の輪郭がぼやけて見える
【0023】
(3)光拡散性:ゴム補強スチレン系樹脂からなる2mm厚の平板下1cmに赤色発光ダイオードを設置し、平板上から目視で見た時に透かして見えるLEDの像で判断した。
◎:LEDの輪郭が全く確認できない
○:LEDの輪郭が確認できず、ぼやけて見える
×:LEDの輪郭が確認できる
(4)耐暗所黄変性:ゴム補強スチレン系樹脂からなる2mm厚の平板に、サンシャインウェザオメーター(BP温度63℃・雨無し)で48時間照射後、80℃のオーブン中に300時間放置(暗所)した後の試験サンプルの色変化を評価した。
○:色変化は僅かである
×:色変化が目立つ
【0024】
【実施例】
以下、実施例などにより本発明を更に詳しく説明するが、本発明はこれにより限定されるものではない。
【実施例1】
第一の流れとして2リットル/時間の供給速度にて次に示す混合物Iを2.4リットルの第一重合機に連続的に添加する。
第一重合機は温度97℃であった。
【0025】
第二の流れとして1リットル/時間の供給速度にて次の混合物IIを6.2リットルの第二重合機に連続的に添加する。
第二重合機は温度130〜140℃であった。
【0026】
これらの第一の流れと第二の流れは、0.5リットルの容量を持ち、攪拌翼先端と混合機壁との隙間が2.5mm、軸方向に6段の攪拌棒が装着し、機壁には伝熱管が攪拌棒の間に出ている混合攪拌機内に導入され、100rpmの回転で混合される。
更に6.2リットルの第三重合機に送り込まれ、温度112〜120℃で重合され、ペレット中のゴム状物質の平均粒径を小さくする様に攪拌された。出口の固体物質濃度は53重量%であった。更にこの混合物は6.2リットルの第四重合機に送り込まれ、温度140〜155℃で重合された。
得られた重合物を2ベント付き押出機に供給し、230℃、−735mmHgの減圧下にて揮発成分を除去し、ダイスから溶融ストランドを引き出して水冷後、カッターにて細かく切断、シリンダー状ペレットを連続的に製造した。
【実施例2】
実施例1で製造されたペレットに対し、硫黄系キレート化合物;(b):β−メルカプトプロピオン酸2−エチルヘキシル0.2重量部添加し、単軸押出機で均一に溶融混練した後、再度ペレット状に加工した。
【0027】
【実施例3】
第一の流れとして2リットル/時間の供給速度にて次に示す混合物Iを2.4リットルの第一重合機に連続的に添加する。
第一重合機は温度97℃であった。
【0028】
第二の流れとして1リットル/時間の供給速度にて次の混合物IIを6.2リットルの第二重合機に連続的に添加する。
第二重合機は温度130〜140℃であった。
【0029】
これらの第一の流れと第二の流れは、0.5リットルの容量を持ち、攪拌翼先端と混合機壁との隙間が5.0mm、軸方向に15段の攪拌棒が装着し、機壁には伝熱管が攪拌棒の間に出ている混合攪拌機内に導入され、200rpmの回転で混合される。
更に6.2リットルの第三重合機に送り込まれ、温度112〜120℃で重合され、ペレット中のゴム状物質の平均粒径を小さくする様に攪拌された。更にこの混合物は6.2リットルの第四重合機に送り込まれ、温度140〜155℃で重合された。
得られた重合物を2ベント付き押出機に供給し、230℃、−735mmHgの減圧下にて揮発成分を除去し、ダイスから溶融ストランドを引き出して水冷後、カッターにて細かく切断、シリンダー状ペレットを連続的に製造した。
【0030】
【実施例4】
第一の流れとして2リットル/時間の供給速度にて次に示す混合物Iを2.4リットルの第一重合機に連続的に添加する。
第一重合機は温度97℃であった。
第二重合機以降、ペレット加工までの製造工程は、実施例3と同様である。
【0031】
【実施例5】
第一の流れとして2リットル/時間の供給速度にて次に示す混合物Iを2.4リットルの第一重合機に連続的に添加する。
第一重合機は温度97℃であった。
第二重合機以降、ペレット加工までの製造工程は、実施例3と同様である。
【0032】
【比較例1】
第一の流れとして2リットル/時間の供給速度にて次に示す混合物Iを2.4リットルの第一重合機に連続的に添加する。
第一重合機は温度97℃であった。
【0033】
第二の流れとして1リットル/時間の供給速度にて次の混合物IIを6.2リットルの第二重合機に連続的に添加する。
第二重合機は温度130〜140℃であった。
これらの第一の流れと第二の流れは、配管で合流された後、そのまま更に6.2リットルの第三重合機に送り込まれ、温度112〜120℃で重合され、ペレット中のゴム状物質の平均粒径を小さくする様に攪拌された。更にこの混合物は6.2リットルの第四重合機に送り込まれ、温度140〜155℃で重合された。
得られた重合物を2ベント付き押出機に供給し、230℃、−735mmHgの減 圧下にて揮発成分を除去し、ダイスから溶融ストランドを引き出して水冷後、カッターにて細かく切断、シリンダー状ペレットを連続的に製造した。
【0034】
【比較例2】
第一の流れとして2リットル/時間の供給速度にて次に示す混合物Iを2.4リットルの第一重合機に連続的に添加する。
第一重合機は温度97℃であった。
【0035】
第二の流れとして1リットル/時間の供給速度にて次の混合物IIを6.2リットルの第二重合機に連続的に添加する。
第二重合機は温度130〜140℃であった。
【0036】
これらの第一の流れと第二の流れは、0.5リットルの容量を持ち、攪拌翼先端と混合機壁との隙間が25.0mm、軸方向に15段の攪拌棒が装着し、機壁には伝熱管が攪拌棒の間に出ている混合攪拌機内に導入され、100rpmの回転で混合される。
更に6.2リットルの第三重合機に送り込まれ、温度112〜120℃で重合され、ペレット中のゴム状物質の平均粒径を小さくする様に攪拌された。更にこの混合物は6.2リットルの第四重合機に送り込まれ、温度140〜155℃で重合された。
得られた重合物を2ベント付き押出機に供給し、230℃、−735mmHgの減圧下にて揮発成分を除去し、ダイスから溶融ストランドを引き出して水冷後、カッターにて細かく切断、シリンダー状ペレットを連続的に製造した。
このペレットに対して、更に光拡散剤;(a):タカラマイカM−1(アグロケミテック)0.2重量部を添加し、単軸押出機で均一に溶融混練した後、再度ペレット化した。(比較例3)
比較例2の最後のペレット化工程に於いて、光拡散剤の他に硫黄系キレート化合物;(b):β−メルカプトプロピオン酸2−エチルヘキシル0.2重量部も併せて添加しペレット化した。
【0037】
【比較例4】
第一の流れとして2リットル/時間の供給速度にて次に示す混合物Iを2.4リットルの第一重合機に連続的に添加する。
第一重合機は温度97℃であった。
第二重合機以降、ペレット加工までの製造工程は、実施例3と同様である。
【0038】
【比較例5】
第一の流れとして2リットル/時間の供給速度にて次に示す混合物Iを2.4リットルの第一重合機に連続的に添加する。
第一重合機は温度97℃であった。
第二重合機以降、ペレット加工までの製造工程は、実施例3と同様である。
得られたスチレン系樹脂を、射出成形機(IS55EPN、東芝機械(株)製)にて(シリンダー温度200℃、金型温度60℃)評価成形品を作成した。
光線透過率、光沢度、光拡散性を測定した。その結果を表1に示す。
【0039】
【表1】
硫黄系キレート化合物を含有する実施例2と比較例3のうち、実施例2は耐暗所黄変性が良好であったが、比較例3は不良であった。これは、比較例3の場合、光拡散剤として用いたマイカが硫黄系キレート化合物を吸着してしまうため、有効に機能しないものと考えている。
【0040】
【発明の効果】
本発明の光透過用成型品は、光透過性に優れ、それでいて光源像は顕われない光拡散性を有し、且つ高い光沢度を有するものであり、照明器具(カバー、フェード、等)や光透過性工業部品(キー、ボタン、カバー、電子楽器の鍵盤、筐体、等)のような光源を覆う機能を有する光透過性成型品として有用なものである。
Claims (2)
- ポリブタジエンゴムをスチレンに溶解し攪拌しつつ重合して得られる、ビニル芳香族重合体よりなるマトリクス中にゴム状重合体が粒子状に分散してなるゴム補強スチレン系樹脂であって、
(1)ゴム状重合体からなる分散粒子の粒径が、コールターマルチサイザー分析による粒径が0.2〜3.0μmである分散粒子の累積体積比率が全分散粒子の総累積体積の99%以上であり、
(2)トルエンによるゲル含有率が18〜29.5%である
ゴム補強スチレン系樹脂を成型してなることを特徴とする光透過用成型品。 - ゴム補強スチレン系樹脂に、ベンゾトリアゾール系化合物、ヒンダードアミン系化合物及び硫黄系キレート化合物のいずれかの少なくとも1種が配合されていることを特徴とする請求項1記載の光透過用成型品。
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