JP2906962B2 - 高透明性ゴム変性スチレン系樹脂組成物及び透明容器 - Google Patents
高透明性ゴム変性スチレン系樹脂組成物及び透明容器Info
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- JP2906962B2 JP2906962B2 JP32453693A JP32453693A JP2906962B2 JP 2906962 B2 JP2906962 B2 JP 2906962B2 JP 32453693 A JP32453693 A JP 32453693A JP 32453693 A JP32453693 A JP 32453693A JP 2906962 B2 JP2906962 B2 JP 2906962B2
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Description
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、高透明性ゴム変性スチ
レン系樹脂組成物及び透明容器に関するものである。更
に詳しくは、本発明は、剛性及び耐衝撃性を高水準に維
持し、かつ透明性(コンタクトクリア性)に優れ、よっ
て特に食品などの包装容器とするのに最適な高透明性ス
チレン系樹脂組成物及び該樹脂組成物を用いた透明容器
に関するものである。
レン系樹脂組成物及び透明容器に関するものである。更
に詳しくは、本発明は、剛性及び耐衝撃性を高水準に維
持し、かつ透明性(コンタクトクリア性)に優れ、よっ
て特に食品などの包装容器とするのに最適な高透明性ス
チレン系樹脂組成物及び該樹脂組成物を用いた透明容器
に関するものである。
【0002】
【従来の技術】スチレン系樹脂とゴム状弾性体から成る
ゴム変性スチレン系樹脂組成物は、いわゆる耐衝撃性ポ
リスチレン(High Impact Polysty
rene:HIPS)として知られている。かかる耐衝
撃性ポリスチレンは、通常のポリスチレンのもつ剛性を
維持しつつ耐衝撃強度をも高めた樹脂として有用なもの
である。
ゴム変性スチレン系樹脂組成物は、いわゆる耐衝撃性ポ
リスチレン(High Impact Polysty
rene:HIPS)として知られている。かかる耐衝
撃性ポリスチレンは、通常のポリスチレンのもつ剛性を
維持しつつ耐衝撃強度をも高めた樹脂として有用なもの
である。
【0003】ところで、各種飲料をはじめとする食品用
容器には、容器として十分な剛性と耐衝撃性を備えると
いう要求以外に、その内容物がよく見えるという、いわ
ゆるコンタクトクリア性に優れることが求められる。こ
れは、店頭商品としてのディスプレイ効果上の観点以外
に、安全衛生上の観点からも重要な要求項目である。
容器には、容器として十分な剛性と耐衝撃性を備えると
いう要求以外に、その内容物がよく見えるという、いわ
ゆるコンタクトクリア性に優れることが求められる。こ
れは、店頭商品としてのディスプレイ効果上の観点以外
に、安全衛生上の観点からも重要な要求項目である。
【0004】従来、ゴム変性スチレン系樹脂組成物にお
いて、そのゴム成分粒子を0.2μm程度の粒径を有す
るいわゆるカプセルタイプ(単一オクルージョン構造又
はコア−シェル構造とも呼ばれる。)とすることによ
り、コンタクトクリア性を高める方法が知られている。
しかしながらこの方法においては、耐衝撃性を高水準に
維持するためには多量のゴム成分粒子を含有させなけれ
ばならず、この場合コンタクトクリア性が低下してくる
という問題を有していた。また、マトリクスとしてスチ
レンとビニルモノマーとの共重合体を用いることによ
り、コンタクトクリア性を高める方法も公知である。し
かしながら、この方法では、比較的高価な該共重合体を
使用する関係上、得られるゴム変性スチレン系樹脂組成
物のコストが上昇し、産業的観点からは好ましい方法と
はいえなかった。また、特公昭47−1374号にはス
チレン−ブタジエンランダム共重合体(スチレン含量1
5〜30重量%)をゴム成分として用いると樹脂の透明
性が高くなることが示唆されているが、剛性及び耐衝撃
性を高水準に維持し、かつ透明性に優れ、よって、特に
食品などの包装容器とするのに最適な高透明性樹脂を得
る方法は開示されていなかった。
いて、そのゴム成分粒子を0.2μm程度の粒径を有す
るいわゆるカプセルタイプ(単一オクルージョン構造又
はコア−シェル構造とも呼ばれる。)とすることによ
り、コンタクトクリア性を高める方法が知られている。
しかしながらこの方法においては、耐衝撃性を高水準に
維持するためには多量のゴム成分粒子を含有させなけれ
ばならず、この場合コンタクトクリア性が低下してくる
という問題を有していた。また、マトリクスとしてスチ
レンとビニルモノマーとの共重合体を用いることによ
り、コンタクトクリア性を高める方法も公知である。し
かしながら、この方法では、比較的高価な該共重合体を
使用する関係上、得られるゴム変性スチレン系樹脂組成
物のコストが上昇し、産業的観点からは好ましい方法と
はいえなかった。また、特公昭47−1374号にはス
チレン−ブタジエンランダム共重合体(スチレン含量1
5〜30重量%)をゴム成分として用いると樹脂の透明
性が高くなることが示唆されているが、剛性及び耐衝撃
性を高水準に維持し、かつ透明性に優れ、よって、特に
食品などの包装容器とするのに最適な高透明性樹脂を得
る方法は開示されていなかった。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】上記の現状に鑑み、本
発明が解決しようとする課題は、剛性及び耐衝撃性を高
水準に維持し、かつ透明性(コンタクトクリア性)に優
れ、よって特に食品などの包装容器とするのに最適な高
透明性ゴム変性スチレン系樹脂組成物及び該樹脂組成物
を用いた透明容器を提供する点に存する。
発明が解決しようとする課題は、剛性及び耐衝撃性を高
水準に維持し、かつ透明性(コンタクトクリア性)に優
れ、よって特に食品などの包装容器とするのに最適な高
透明性ゴム変性スチレン系樹脂組成物及び該樹脂組成物
を用いた透明容器を提供する点に存する。
【0006】
【課題を解決するための手段】すなわち、本発明のう
ち、一の発明は、スチレン含量が15〜40重量%であ
るスチレン−ブタジエンランダム共重合体の存在下、ス
チレン系単量体を重合して得られるゴム変性スチレン系
樹脂組成物であって、下記(a)〜(d)の特徴を有す
る高透明性ゴム変性スチレン系樹脂組成物に係るもので
ある。 (a)樹脂組成物中の軟質成分粒子の中位粒径が2.0
〜10μmであること。 (b)樹脂組成物中の軟質成分粒子の粒度分布におい
て、D75/D25の値が2.0以下であること(ただし、
D25とは粒径の重量分布において粒径の小さな方からの
累積重量が25%となるときの粒径であり、D75とは該
累積重量が75%となるときの粒径である。) (c)樹脂組成物中の軟質成分粒子の膨潤度が8〜20
であること。 (d)樹脂組成物中の軟質成分粒子の重量割合が10〜
20重量%であること。
ち、一の発明は、スチレン含量が15〜40重量%であ
るスチレン−ブタジエンランダム共重合体の存在下、ス
チレン系単量体を重合して得られるゴム変性スチレン系
樹脂組成物であって、下記(a)〜(d)の特徴を有す
る高透明性ゴム変性スチレン系樹脂組成物に係るもので
ある。 (a)樹脂組成物中の軟質成分粒子の中位粒径が2.0
〜10μmであること。 (b)樹脂組成物中の軟質成分粒子の粒度分布におい
て、D75/D25の値が2.0以下であること(ただし、
D25とは粒径の重量分布において粒径の小さな方からの
累積重量が25%となるときの粒径であり、D75とは該
累積重量が75%となるときの粒径である。) (c)樹脂組成物中の軟質成分粒子の膨潤度が8〜20
であること。 (d)樹脂組成物中の軟質成分粒子の重量割合が10〜
20重量%であること。
【0007】また、本発明のうち、他の発明は、上記の
高透明性ゴム変性スチレン系樹脂組成物を用いた透明容
器に係るものである。
高透明性ゴム変性スチレン系樹脂組成物を用いた透明容
器に係るものである。
【0008】以下、詳細に説明する。本発明で用いられ
るスチレン−ブタジエンランダム共重合体は、スチレン
含量が15〜40重量%であることが必要である。この
ことにより、マトリクスであるスチレン系樹脂組成物と
軟質成分粒子との屈折率の差が小さくなり、高透明性を
得ることができる。一方、スチレン含量が過少である
と、マトリクスのスチレン系樹脂との屈折率の差が大き
く、十分なコンタクトクリア性が得らない。また、スチ
レン含量が過多であると、耐衝撃強度を高水準に維持す
るためには多量のゴム成分粒子を含有させなければなら
ず、コンタクトクリア性が低下する。本発明で用いられ
るスチレン系単量体としては、スチレンが一般的ではあ
るが、α−メチルスチレン、o−メチルスチレン、m−
メチルスチレン、p−メチルスチレンなどのアルキル置
換スチレン類も使用できる。
るスチレン−ブタジエンランダム共重合体は、スチレン
含量が15〜40重量%であることが必要である。この
ことにより、マトリクスであるスチレン系樹脂組成物と
軟質成分粒子との屈折率の差が小さくなり、高透明性を
得ることができる。一方、スチレン含量が過少である
と、マトリクスのスチレン系樹脂との屈折率の差が大き
く、十分なコンタクトクリア性が得らない。また、スチ
レン含量が過多であると、耐衝撃強度を高水準に維持す
るためには多量のゴム成分粒子を含有させなければなら
ず、コンタクトクリア性が低下する。本発明で用いられ
るスチレン系単量体としては、スチレンが一般的ではあ
るが、α−メチルスチレン、o−メチルスチレン、m−
メチルスチレン、p−メチルスチレンなどのアルキル置
換スチレン類も使用できる。
【0009】本発明の高透明性ゴム変性スチレン系樹脂
組成物は、上記のスチレン−ブタジエンランダム共重合
体の存在下、上記のスチレン系単量体を重合して得られ
るものであり、スチレン系樹脂からなるマトリクス中に
軟質成分粒子が分散したものである。ここで、軟質成分
粒子の構造としては、特に制限はなく、いわゆるカプセ
ルタイプのもの、サラミタイプのものをはじめ、各種の
ものであってもよい。
組成物は、上記のスチレン−ブタジエンランダム共重合
体の存在下、上記のスチレン系単量体を重合して得られ
るものであり、スチレン系樹脂からなるマトリクス中に
軟質成分粒子が分散したものである。ここで、軟質成分
粒子の構造としては、特に制限はなく、いわゆるカプセ
ルタイプのもの、サラミタイプのものをはじめ、各種の
ものであってもよい。
【0010】本発明の高透明性ゴム変性スチレン系樹脂
組成物の製造方法は、塊状重合法又は塊状・懸濁二段重
合法が用いられる。そして、重合反応時の撹拌速度、温
度などを調整することにより、本発明の条件を充足する
高透明性ゴム変性スチレン系樹脂組成物とすることがで
きる。更に、二種以上のゴム変性スチレン系樹脂組成物
又はスチレン系樹脂組成物を混合することにより、本発
明の条件を充足する高透明性ゴム変性スチレン系樹脂組
成物とすることもできる。
組成物の製造方法は、塊状重合法又は塊状・懸濁二段重
合法が用いられる。そして、重合反応時の撹拌速度、温
度などを調整することにより、本発明の条件を充足する
高透明性ゴム変性スチレン系樹脂組成物とすることがで
きる。更に、二種以上のゴム変性スチレン系樹脂組成物
又はスチレン系樹脂組成物を混合することにより、本発
明の条件を充足する高透明性ゴム変性スチレン系樹脂組
成物とすることもできる。
【0011】本発明の高透明性ゴム変性スチレン系樹脂
組成物は、マトリクスであるスチレン系樹脂とその中に
粒子分散している軟質成分により構成される。該軟質成
分の中位粒径は、2.0〜10μmであることが必要で
ある。中位粒径が過小であると透明性及び耐衝撃強度に
劣り、一方該径が過大であると表面外観特性に劣る。な
お、該中位粒径は次の方法により求められる。すなわ
ち、樹脂組成物をチオシアン酸アンモニウム(4重量
%)のジメチルフォルム溶液に溶解させ、得られた試料
について、粒径分布測定装置(たとえば、日科機社製
コールターマルチサイザー)により求めた重量基準の粒
径分布曲線における中位粒径をもって本発明の中位粒径
とする。
組成物は、マトリクスであるスチレン系樹脂とその中に
粒子分散している軟質成分により構成される。該軟質成
分の中位粒径は、2.0〜10μmであることが必要で
ある。中位粒径が過小であると透明性及び耐衝撃強度に
劣り、一方該径が過大であると表面外観特性に劣る。な
お、該中位粒径は次の方法により求められる。すなわ
ち、樹脂組成物をチオシアン酸アンモニウム(4重量
%)のジメチルフォルム溶液に溶解させ、得られた試料
について、粒径分布測定装置(たとえば、日科機社製
コールターマルチサイザー)により求めた重量基準の粒
径分布曲線における中位粒径をもって本発明の中位粒径
とする。
【0012】樹脂組成物中の軟質成分粒子の粒度分布に
おいて、D75/D25の値は2.0以下であることが必要
である。ここでD25とは粒径の重量分布において粒径の
小さな方からの累積重量が25重量%となるときの粒径
であり、D75とは該累積重量が75重量%となるときの
粒径である。D75/D25の値が過大であると透明性に劣
る。なお、D75及びD25の値は、上記の粒径分布から求
められる。
おいて、D75/D25の値は2.0以下であることが必要
である。ここでD25とは粒径の重量分布において粒径の
小さな方からの累積重量が25重量%となるときの粒径
であり、D75とは該累積重量が75重量%となるときの
粒径である。D75/D25の値が過大であると透明性に劣
る。なお、D75及びD25の値は、上記の粒径分布から求
められる。
【0013】本発明の高透明性ゴム変性スチレン系樹脂
組成物中の軟質成分粒子の膨潤度は8〜20であること
が必要である。膨潤度が過小であると耐衝撃性に劣り、
一方膨潤度が過大であると透明性、剛性又は弾性率が低
くなり、実用上好ましくない。なお、膨潤度は次の方法
により求められる。すなわち、樹脂組成物約1.0gを
50mlのトルエンに室温で溶かし、一昼夜放置する。
得られたトルエン溶液を遠心分離機(10000rpm
×30分間)にかけ、不溶分を分離する。上澄み液を捨
て、不溶分を秤量し、その重量をaとする。次に、該不
溶分を真空乾燥機にて乾燥(70℃×3時間)し、乾燥
後の重量をbとする。膨潤度は(a−b)/bにより求
められる。
組成物中の軟質成分粒子の膨潤度は8〜20であること
が必要である。膨潤度が過小であると耐衝撃性に劣り、
一方膨潤度が過大であると透明性、剛性又は弾性率が低
くなり、実用上好ましくない。なお、膨潤度は次の方法
により求められる。すなわち、樹脂組成物約1.0gを
50mlのトルエンに室温で溶かし、一昼夜放置する。
得られたトルエン溶液を遠心分離機(10000rpm
×30分間)にかけ、不溶分を分離する。上澄み液を捨
て、不溶分を秤量し、その重量をaとする。次に、該不
溶分を真空乾燥機にて乾燥(70℃×3時間)し、乾燥
後の重量をbとする。膨潤度は(a−b)/bにより求
められる。
【0014】本発明の高透明性ゴム変性スチレン系樹脂
組成物の軟質成分粒子の重量割合は10〜20重量%で
あることが必要である。軟質成分粒子の重量割合が過小
であると耐衝撃性に劣り、一方軟質成分粒子の重量割合
が過大であると透明性、剛性又は弾性率が低くなり、実
用上好ましくない。なお、軟質成分粒子の重量割合は次
の方法により求められる。すなわち、樹脂組成物0.5
gを、室温のメチルエチルケトン/メタノール混合溶媒
(体積比=10/1)50mlに溶解させ、その時の不
溶分の乾燥重量をaとすると、(a/0.5)×100
により求められる。
組成物の軟質成分粒子の重量割合は10〜20重量%で
あることが必要である。軟質成分粒子の重量割合が過小
であると耐衝撃性に劣り、一方軟質成分粒子の重量割合
が過大であると透明性、剛性又は弾性率が低くなり、実
用上好ましくない。なお、軟質成分粒子の重量割合は次
の方法により求められる。すなわち、樹脂組成物0.5
gを、室温のメチルエチルケトン/メタノール混合溶媒
(体積比=10/1)50mlに溶解させ、その時の不
溶分の乾燥重量をaとすると、(a/0.5)×100
により求められる。
【0015】本発明の高透明性ゴム変性スチレン系樹脂
組成物は、必要に応じて、衝撃強度改良効果を付与する
シリコンオイルや、ミネラルオイル等の可塑剤、潤滑
剤、帯電防止剤等、酸化防止剤、紫外線吸収剤、熱安定
剤、顔料、染料などを添加してもよい。
組成物は、必要に応じて、衝撃強度改良効果を付与する
シリコンオイルや、ミネラルオイル等の可塑剤、潤滑
剤、帯電防止剤等、酸化防止剤、紫外線吸収剤、熱安定
剤、顔料、染料などを添加してもよい。
【0016】本発明の高透明性ゴム変性スチレン系樹脂
組成物は、一般に使用されている成形機を用いて成形す
ることができる。たとえば、射出成形、押し出し成形、
ブロー成形機のほか、特に最適なものとしてインジェク
ションブロー成形があげられる。
組成物は、一般に使用されている成形機を用いて成形す
ることができる。たとえば、射出成形、押し出し成形、
ブロー成形機のほか、特に最適なものとしてインジェク
ションブロー成形があげられる。
【0017】かくして得られる、本発明の高透明性ゴム
変性スチレン系樹脂組成物は、剛性及び耐衝撃性を高水
準に維持し、かつ透明性(コンタクトクリア性)に優れ
るものであり、その優れた特徴を生かした広範な分野、
たとえば乳酸菌飲料その他の各種飲料及び食品用容器、
化粧用容器、医薬品用容器などに好適に使用される。
変性スチレン系樹脂組成物は、剛性及び耐衝撃性を高水
準に維持し、かつ透明性(コンタクトクリア性)に優れ
るものであり、その優れた特徴を生かした広範な分野、
たとえば乳酸菌飲料その他の各種飲料及び食品用容器、
化粧用容器、医薬品用容器などに好適に使用される。
【0018】
【実施例】以下に実施例を示すが、本発明はこれらの実
施例に限定されるものではない。なお、実施例に示され
たデータは次の方法に基づいて測定されたものである。 (1)アイゾット衝撃強度(耐衝撃性):JIS K7
110に準拠して測定した。なお、3.0mm(厚
さ)、ノッチつき、測定温度23℃とした。 (2)曲げ弾性率(剛性):JIS K7203に準拠
して測定した。なお、測定温度23℃とした。 (3)透明性(全光線透過率、平行光線透過率):0.
7mmの厚さの射出成形シートを用い、JIS K67
14に準拠して測定した。
施例に限定されるものではない。なお、実施例に示され
たデータは次の方法に基づいて測定されたものである。 (1)アイゾット衝撃強度(耐衝撃性):JIS K7
110に準拠して測定した。なお、3.0mm(厚
さ)、ノッチつき、測定温度23℃とした。 (2)曲げ弾性率(剛性):JIS K7203に準拠
して測定した。なお、測定温度23℃とした。 (3)透明性(全光線透過率、平行光線透過率):0.
7mmの厚さの射出成形シートを用い、JIS K67
14に準拠して測定した。
【0019】実施例1 内容積20リッターの完全混合タイプの撹拌機付オート
クレーブで、スチレン100重量部に、スチレン−ブタ
ジエンランダム共重合体(旭化成製 アサプレン660
A)6.0重量部を溶解し、塊状重合開始時にn−ドデ
シルメルカプタン0.014重量部を加え、220rp
mで撹拌しながら120℃で2時間30分、塊状重合
し、スチレンの重合率を20重量%とした。この重合液
に水100重量部、第三燐酸カルシウム1.2重量部、
ドデシルスルホン酸ナトリウム20重量ppm、ベンゾ
イルパーオキサイド0.3重量部、t−ブチルパーオキ
シベンゾエート0.075重量部を加えて、90℃で3
時間、140℃で1時間、220rpmで撹拌しながら
懸濁重合した。得られた懸濁重合液に塩酸を加え、濾
別、水洗、乾燥し、押出機によりペレット化することに
より高透明性ゴム変性スチレン系樹脂組成物を得た。樹
脂組成物中の軟質成分粒子はゴム状重合体からなる連続
相に複数のスチレン系樹脂の小粒子が分散して存在す
る、いわゆるサラミ構造であった。測定結果及び評価結
果を表1に示した。
クレーブで、スチレン100重量部に、スチレン−ブタ
ジエンランダム共重合体(旭化成製 アサプレン660
A)6.0重量部を溶解し、塊状重合開始時にn−ドデ
シルメルカプタン0.014重量部を加え、220rp
mで撹拌しながら120℃で2時間30分、塊状重合
し、スチレンの重合率を20重量%とした。この重合液
に水100重量部、第三燐酸カルシウム1.2重量部、
ドデシルスルホン酸ナトリウム20重量ppm、ベンゾ
イルパーオキサイド0.3重量部、t−ブチルパーオキ
シベンゾエート0.075重量部を加えて、90℃で3
時間、140℃で1時間、220rpmで撹拌しながら
懸濁重合した。得られた懸濁重合液に塩酸を加え、濾
別、水洗、乾燥し、押出機によりペレット化することに
より高透明性ゴム変性スチレン系樹脂組成物を得た。樹
脂組成物中の軟質成分粒子はゴム状重合体からなる連続
相に複数のスチレン系樹脂の小粒子が分散して存在す
る、いわゆるサラミ構造であった。測定結果及び評価結
果を表1に示した。
【0020】実施例2 攪拌型の重合槽で、スチレン−ブタジエンランダム共重
合体(旭化成製 タフデン2100AS)を5.3重量
%、スチレン89.2重量%、エチルベンゼン4.5重
量%、ミネラルオイル1.0重量%、t−ドデシルメル
カプタン250重量ppmからなる混合液を温度135
℃、攪拌速度30rpmの条件にて、転化率25重量%
まで重合させた。続いて、得られた重合混合物を満液型
重合槽を用いて転化率70重量%まで重合させ、その後
250℃の脱気槽で揮発分を除去し、ペレット状のゴム
変性スチレン系樹脂組成物を得た。樹脂組成物中の軟質
成分粒子はゴム状重合体からなる連続相に複数のスチレ
ン系樹脂の小粒子が分散して存在する、いわゆるサラミ
構造であった。測定結果及び評価結果を表1に示した。
合体(旭化成製 タフデン2100AS)を5.3重量
%、スチレン89.2重量%、エチルベンゼン4.5重
量%、ミネラルオイル1.0重量%、t−ドデシルメル
カプタン250重量ppmからなる混合液を温度135
℃、攪拌速度30rpmの条件にて、転化率25重量%
まで重合させた。続いて、得られた重合混合物を満液型
重合槽を用いて転化率70重量%まで重合させ、その後
250℃の脱気槽で揮発分を除去し、ペレット状のゴム
変性スチレン系樹脂組成物を得た。樹脂組成物中の軟質
成分粒子はゴム状重合体からなる連続相に複数のスチレ
ン系樹脂の小粒子が分散して存在する、いわゆるサラミ
構造であった。測定結果及び評価結果を表1に示した。
【0021】比較例1 攪拌型の重合槽で、ポリブタジエン(旭化成製 ジエン
70)を3.6重量%、スチレン90.9重量%、エチ
ルベンゼン4.5重量%、ミネラルオイル1.0重量
%、t−ドデシルメルカプタン140重量ppmからな
る混合液を温度125℃、攪拌速度100rpmの条件
にて、転化率20重量%まで重合させた。続いて、得ら
れた重合混合物を満液型重合槽を用いて転化率70重量
%まで重合させ、その後250℃の脱気槽で揮発分を除
去し、ペレット状のゴム変性スチレン系樹脂組成物を得
た。樹脂組成物中の軟質成分粒子はゴム状重合体からな
る連続相に複数のスチレン系樹脂の小粒子が分散して存
在する、いわゆるサラミ構造であった。測定結果及び評
価結果を表1に示した。
70)を3.6重量%、スチレン90.9重量%、エチ
ルベンゼン4.5重量%、ミネラルオイル1.0重量
%、t−ドデシルメルカプタン140重量ppmからな
る混合液を温度125℃、攪拌速度100rpmの条件
にて、転化率20重量%まで重合させた。続いて、得ら
れた重合混合物を満液型重合槽を用いて転化率70重量
%まで重合させ、その後250℃の脱気槽で揮発分を除
去し、ペレット状のゴム変性スチレン系樹脂組成物を得
た。樹脂組成物中の軟質成分粒子はゴム状重合体からな
る連続相に複数のスチレン系樹脂の小粒子が分散して存
在する、いわゆるサラミ構造であった。測定結果及び評
価結果を表1に示した。
【0022】比較例2 t−ドデシルメルカプタンを140重量ppmとし、攪
拌速度60rpmとしたこと以外は実施例2と同様の方
法で重合し、ペレット状のゴム変性スチレン系樹脂組成
物を得た。樹脂組成物中の軟質成分粒子はゴム状重合体
からなる連続相に複数のスチレン系樹脂の小粒子が分散
して存在する、いわゆるサラミ構造であった。測定結果
及び評価結果を表1に示した。
拌速度60rpmとしたこと以外は実施例2と同様の方
法で重合し、ペレット状のゴム変性スチレン系樹脂組成
物を得た。樹脂組成物中の軟質成分粒子はゴム状重合体
からなる連続相に複数のスチレン系樹脂の小粒子が分散
して存在する、いわゆるサラミ構造であった。測定結果
及び評価結果を表1に示した。
【0023】比較例3 攪拌型の重合槽で、スチレン−ブタジエンランダム共重
合体(旭化成製 アサプレン660A)を4.0重量
%、スチレン90.5重量%、エチルベンゼン4.5重
量%、ミネラルオイル1.0重量%、t−ドデシルメル
カプタン150重量ppmからなる混合液を温度135
℃、攪拌速度60rpmの条件にて、転化率25重量%
まで重合させた。続いて、得られた重合混合物を満液型
重合槽を用いて転化率70重量%まで重合させ、その後
250℃の脱気槽で揮発分を除去し、ペレット状のゴム
変性スチレン系樹脂組成物を得た。樹脂組成物中の軟質
成分粒子はゴム状重合体からなる連続相に複数のスチレ
ン系樹脂の小粒子が分散して存在する、いわゆるサラミ
構造であった。測定結果及び評価結果を表1に示した。
合体(旭化成製 アサプレン660A)を4.0重量
%、スチレン90.5重量%、エチルベンゼン4.5重
量%、ミネラルオイル1.0重量%、t−ドデシルメル
カプタン150重量ppmからなる混合液を温度135
℃、攪拌速度60rpmの条件にて、転化率25重量%
まで重合させた。続いて、得られた重合混合物を満液型
重合槽を用いて転化率70重量%まで重合させ、その後
250℃の脱気槽で揮発分を除去し、ペレット状のゴム
変性スチレン系樹脂組成物を得た。樹脂組成物中の軟質
成分粒子はゴム状重合体からなる連続相に複数のスチレ
ン系樹脂の小粒子が分散して存在する、いわゆるサラミ
構造であった。測定結果及び評価結果を表1に示した。
【0024】これらの結果から、次のことがわかる。本
発明による実施例は、すべての評価項目において満足す
べき結果を示している。一方、ゴムとしてポリブタジエ
ンを用いた比較例1は透明性に劣る。中位粒径の小さい
比較例2は透明性に劣る。D 75/D25が大きい比較例3
は透明性に劣り、またゲル当たり反射率が高いので透明
性とアイゾット衝撃強度のバランスが低い。
発明による実施例は、すべての評価項目において満足す
べき結果を示している。一方、ゴムとしてポリブタジエ
ンを用いた比較例1は透明性に劣る。中位粒径の小さい
比較例2は透明性に劣る。D 75/D25が大きい比較例3
は透明性に劣り、またゲル当たり反射率が高いので透明
性とアイゾット衝撃強度のバランスが低い。
【0025】
【表1】 −−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−− 実 施 例 比 較 例 1 2 1 2 3 重合時に用いた共重合体 種類 *1 SBR SBR PBd SBR SBR スチレン量 wt% 25 25 0 25 25 樹脂組成物中の軟質成分粒子特性 中位粒径 μm 5.1 3.1 3.2 1.7 3.7 D75/D25 1.8 1.7 1.8 1.5 2.6 膨潤度 15.8 17.9 15.1 12.5 15.8 軟質成分粒子含量 wt% 16.5 15.7 13.0 15.9 10.6 評価 全光線透過率 % 81.8 72.5 66.6 67.7 69.6 平行光線透過率 % 22.5 7.6 4.7 7.6 18.0 ゲル当たり反射率 *2 1.1 1.8 2.6 2.0 2.9 アイゾット衝撃強度 kg・cm/cm 5.5 7.4 7.7 5.5 2.9 曲げ弾性率 kg/cm2 21000 21800 21400 23700 26500 −−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−
【0026】*1 SBR:スチレン−ブタジエンラン
ダム共重合体 PBd:ブタジエン重合体(ポリブタジエン) *2 (100−全光線透過率)/軟質成分粒子含量
ダム共重合体 PBd:ブタジエン重合体(ポリブタジエン) *2 (100−全光線透過率)/軟質成分粒子含量
【0027】
【発明の効果】以上説明したとおり、本発明により、剛
性及び耐衝撃性を高水準に維持し、かつ透明性(コンタ
クトクリア性)に優れ、よって特に食品などの包装容器
とするのに最適な高透明性ゴム変性スチレン系樹脂組成
物及び該樹脂組成物を用いた透明容器を提供することが
できた。
性及び耐衝撃性を高水準に維持し、かつ透明性(コンタ
クトクリア性)に優れ、よって特に食品などの包装容器
とするのに最適な高透明性ゴム変性スチレン系樹脂組成
物及び該樹脂組成物を用いた透明容器を提供することが
できた。
フロントページの続き (72)発明者 石井 隆博 千葉県市原市姉崎海岸5の1 住友化学 工業株式会社内 (56)参考文献 特開 昭57−30714(JP,A) 特開 昭58−109517(JP,A) (58)調査した分野(Int.Cl.6,DB名) C08F 279/02 C08L 51/04
Claims (2)
- 【請求項1】 スチレン含量が15〜40重量%である
スチレン−ブタジエンランダム共重合体の存在下、スチ
レン系単量体を重合して得られるゴム変性スチレン系樹
脂組成物であって、下記(a)〜(d)の特徴を有する
高透明性ゴム変性スチレン系樹脂組成物。 (a)樹脂組成物中の軟質成分粒子の中位粒径が2.0
〜10μmであること。 (b)樹脂組成物中の軟質成分粒子の粒度分布におい
て、D75/D25の値が2.0以下であること(ただし、
D25とは粒径の重量分布において粒径の小さな方からの
累積重量が25%となるときの粒径であり、D75とは該
累積重量が75%となるときの粒径である。) (c)樹脂組成物中の軟質成分粒子の膨潤度が8〜20
であること。 (d)樹脂組成物中の軟質成分粒子の重量割合が10〜
20重量%であること。 - 【請求項2】 請求項1記載の高透明性ゴム変性スチレ
ン系樹脂組成物を用いた透明容器。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP32453693A JP2906962B2 (ja) | 1993-12-22 | 1993-12-22 | 高透明性ゴム変性スチレン系樹脂組成物及び透明容器 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP32453693A JP2906962B2 (ja) | 1993-12-22 | 1993-12-22 | 高透明性ゴム変性スチレン系樹脂組成物及び透明容器 |
Publications (2)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH07179532A JPH07179532A (ja) | 1995-07-18 |
JP2906962B2 true JP2906962B2 (ja) | 1999-06-21 |
Family
ID=18166903
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP32453693A Expired - Fee Related JP2906962B2 (ja) | 1993-12-22 | 1993-12-22 | 高透明性ゴム変性スチレン系樹脂組成物及び透明容器 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP2906962B2 (ja) |
Cited By (2)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
US7208547B2 (en) | 2004-10-14 | 2007-04-24 | Dow Global Technologies Inc. | Rubber modified monovinylidene aromatic polymers and thermoformed articles |
US7642316B2 (en) | 2004-10-14 | 2010-01-05 | Dow Global Technologies, Inc. | Rubber modified monovinylidene aromatic polymers and fabricated articles prepared therefrom |
Families Citing this family (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP5051950B2 (ja) * | 2001-06-19 | 2012-10-17 | Psジャパン株式会社 | 光透過特性に優れた光透過用成型品 |
-
1993
- 1993-12-22 JP JP32453693A patent/JP2906962B2/ja not_active Expired - Fee Related
Cited By (2)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
US7208547B2 (en) | 2004-10-14 | 2007-04-24 | Dow Global Technologies Inc. | Rubber modified monovinylidene aromatic polymers and thermoformed articles |
US7642316B2 (en) | 2004-10-14 | 2010-01-05 | Dow Global Technologies, Inc. | Rubber modified monovinylidene aromatic polymers and fabricated articles prepared therefrom |
Also Published As
Publication number | Publication date |
---|---|
JPH07179532A (ja) | 1995-07-18 |
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