JP5026070B2 - ポリマー粒子 - Google Patents

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Description

本発明は、糖鎖のアルデヒド基と特異的に反応する官能基を担持してなる支持体に関し、例えば生体組織など莢雑物を含む試料から糖鎖および糖鎖含有物質を分離・精製・濃縮するために用いるポリマー粒子に関する。また、例えば、本発明は糖鎖あるいは糖鎖誘導体を固相基板上に固定化したデバイスである糖鎖チップとその使用方法に関する。
糖鎖とは、グルコース,ガラクトース,マンノース,フコース,キシロース,N−アセチルグルコサミン,N−アセチルガラクトサミン,シアル酸などの単糖およびこれらの誘導体がグリコシド結合によって鎖状に結合した分子の総称である。
糖鎖は、非常に多様性に富んでおり、天然に存在する生物が有する様々な機能に関与する物質である。糖鎖は生体内でタンパク質や脂質などに結合した複合糖質として存在することが多く、生体内の重要な構成成分の一つである。生体内の糖鎖は細胞間情報伝達,タンパク質の機能や相互作用の調整などに深く関わっていることが明らかになりつつある。
例えば、糖鎖を有する生体高分子としては、細胞の安定化に寄与する植物細胞の細胞壁のプロテオグリカン、細胞の分化、増殖、接着、移動等に影響を与える糖脂質、及び細胞間相互作用や細胞認識に関与している糖タンパク質等が挙げられるが、これらの高分子の糖鎖が、互いに機能を代行、補助、増幅、調節、あるいは阻害しあいながら高度で精密な生体反応を制御する機構が次第に明らかにされつつある。さらに、このような糖鎖と細胞の分化増殖、細胞接着、免疫、及び細胞の癌化との関係が明確にされれば、この糖鎖工学と、医学、細胞工学、あるいは臓器工学とを密接に関連させて新たな展開を図ることが期待できる。
その一例として、細胞表面の糖鎖や、糖鎖−レセプター間の相互作用異常による疾病の発生、あるいはエイズなどのウイルス感染における糖鎖の役割等に関する研究が活発化してきている。また、細胞−細胞間相互作用、細胞−マトリックス間相互作用における糖鎖の関与に関する研究も、生体反応を理解する上で重要になってきている(たとえば、非特許文献1)。
これらの解析のため、糖鎖構造解析の技術が開発されており、これらの技術は、複合糖質からの糖鎖切り出し、糖鎖の分離精製,糖鎖の標識化などの工程を組み合わせたものであるが、これらの工程はきわめて煩雑である。特に、莢雑物を含む試料から糖鎖のみを回収する分離精製工程は非常に困難で、高度の熟練を要する。
糖鎖の分離精製には、たとえば、イオン交換樹脂,逆相クロマトグラフィ,活性炭,ゲル濾過クロマトグラフィなどの手法が用いられるが、これらの分離手段は糖を特異的に認識する方法ではないので、莢雑物(ペプチド,タンパク質など)の混入が避けられず、また糖鎖の構造によって回収率に差異が生じることが多い。さらに、クロマトグラフィで糖鎖を高精度に分離する場合には、糖鎖にピリジルアミノ化などの蛍光標識を施す必要があり、煩雑な操作が必要となる。蛍光標識した糖鎖を分析するには、標識後の反応液中より未反応の2−アミノピリジン等の夾雑物を除き、該標識化糖鎖を精製することが必要である。
一般には、該標識化糖鎖と夾雑物の分子量の差を利用してゲルろ過を行い、夾雑物を除去する。しかしながら、この方法は器具を多く用いる点と、操作に多くの時間を要する点から、多数の試料を短時間に処理するのは困難である。また、簡易な方法として共沸により夾雑物を留去する方法も試みられているが、十分に夾雑物を除去するのは難しい。糖鎖構造と各種疾患の関係を調べるためには、統計的処理が可能な多数の検体の糖鎖構造を調べる必要がある。この場合、従来法のように煩雑な手法を用いると膨大なコストと時間が必要になる。そこで、簡単な作業で糖鎖を分離精製する手段が求められていた。
また、様々な生体反応で作用する糖鎖について解析を進める上で、バイオチップが強力な手段となり得る。
ここで、バイオチップとは、核酸、タンパク質、糖鎖等の生体関連物質、あるいは細胞等を基板上に固定化し、固定化された物質等(プローブと称する)と、生体関連物質あるいはそれ以外の化合物(ターゲットと称する)とを接触させ、生じた特異的な相互作用を検出する生化学的な手法の中で、特に相互作用を大量かつ同時並行的に行うことによりハイスループットな検出/解析を可能としたものをいう。具体的には、既に遺伝子機能解析分野で広く利用されるようになってきた基板上に核酸を高密度に固定化し、ハイブリダイゼーションにより相補的な配列の存在を検出するDNAチップ(DNAマイクロアレイ)や、今後利用の期待されるタンパク質を固定化し相互作用する蛋白質を検出するタンパク質チップ(プロテインチップ)などが挙げられる。糖鎖を固定化した糖鎖チップは、糖鎖と糖鎖レセプター,糖鎖と細胞,糖鎖とウイルスなどの相互作用の研究に大いに寄与すると予想されている(たとえば,非特許文献2,3)。さらには,糖鎖チップを感染性疾患や糖鎖異常関連疾患の診断用デバイスとして利用することも期待されている。しかしながら、糖鎖を基板上に効率よく、かつ簡便な操作で固定化する手段はこれまでに無く、解決方法が求められていた。
コールドスプリングハーバー糖鎖生物学,丸善,2003年 Nature(2003, 421, 219-220) Current Opinion inStructural Biology (2003, 13, 637-645)
そこで、本発明は生体反応への糖鎖の関与に関する研究に有用な支持体を提供することを目的にしている。
そこで、一つの側面から、本発明は生体組織など莢雑物を含む試料から糖鎖および糖鎖含有物質のみを、簡単な操作で分離精製するための、ポリマー粒子を提供することを目的としている。
また、別の側面から、本発明は基板上に糖鎖を固定化したデバイスである糖鎖チップを、簡便かつ効率的な方法で作製する手段を提供することを目的とする。
本発明によれば、
(A1)オキシルアミノ基を有するモノマーを重合したポリマーから構成され、
前記オキシルアミノ基を有するモノマーが下記一般式(1)で表されるモノマーを含み、
糖鎖を捕捉する担体に用いるポリマー粒子、

が提供される。
(式中、R1はH又はCH3、R2は任意の分子鎖でヘテロ原子を含んでもよい。)
具体的には、
(A2)ポリマーが、前記オキシルアミノ基を有するモノマーと、糖鎖のアルデヒド基と反応しないモノマーとの共重合体である(A1)記載のポリマー粒子、
(A3)糖鎖のアルデヒド基と反応しないモノマーが架橋剤として多官能性モノマーを含むものである、(A2)記載のポリマー粒子、
(A4)ポリマーが、懸濁重合法により得られる、(A1)〜(A3)いずれか記載のポリマー粒子、
(A5)ポリマーが、乳化重合法により得られる、(A1)〜(A3)いずれか記載のポリマー粒子、
(A6)粒子形状が球状である、(A1)〜(A5)いずれか記載のポリマー粒子、
(A7)粒子の平均粒径が0.05〜200μmである、(A6)記載のポリマー粒子、
(A8)(A1)〜(A7)いずれか記載のポリマー粒子を用いて糖鎖を捕捉する工程と、糖鎖を分離する工程とを含む、糖鎖の精製方法、
である。
また、本発明によれば、
(B1)オキシルアミノ基を担持してなる支持体を含み、前記支持体が基板の少なくとも一部を構成し、
前記基板表面へ下記一般式(3)で表されるモノマー単位を含むポリマーをコーティングすることにより、当該基板にオキシルアミノ基が導入され、
当該支持体のオキシルアミノ基の少なくとも一部が糖鎖と結合することで、当該基板上で糖鎖が固定化されている糖鎖チップ、
が提供される。
具体的には、
(B2)前記一般式(3)で表されるモノマー単位を含むポリマーの基板表面へのコーティングが、ラングミュア−ブロジェット法による基板表面での分子膜形成である、(B1)記載の糖鎖チップである。
(式中、R 2 は任意の分子鎖でヘテロ原子を含んでもよい。)
また、本発明によれば、
(B3)オキシルアミノ基を担持してなる支持体を含み、
前記支持体が基板の少なくとも一部を構成し、当該支持体のオキシルアミノ基の少なくとも一部が糖鎖と結合することで、当該基板上で糖鎖が固定化されており、
前記基板上への前記オキシルアミノ基の導入が、基板表面をアミノ基含有アルコキシシランでコーティングすることによりあらかじめ当該基板上に導入されたアミノ基と、下記(2)で表される物質との反応による、糖鎖チップ、
が提供される。
(式中,P1は任意の保護基を示す。)
具体的には、
B4)基板がプラスチック製である(B1)〜(B3)いずれか記載の糖鎖チップ、
B5オキシルアミノ基と結合する糖鎖のアルデヒド基が、糖鎖の還元末端に由来するものである(B1)〜(B4)いずれか記載の糖鎖チップ、
B6オキシルアミノ基と結合する糖鎖のアルデヒド基が、糖鎖を過ヨウ素酸酸化、またはガラクトースオキシダーゼ処理に代表される酵素処理によって導入されたものである(B1)〜(B5)いずれか記載の糖鎖チップ、
B7)(B1)〜(B6)いずれか記載の糖鎖チップ上に試料溶液を展開し、該試料溶液に含まれる物質と基板上に固定化された糖鎖との相互作用を定量化することを含む、糖鎖チップの使用方法、
B8)試料溶液に含まれる物質が、血液血清細胞破砕物タンパク質核酸酵素レクチンペプチドペプチド核酸抗体糖鎖糖タンパク質糖脂質およびそれらの誘導体から選ばれるすくなくとも一つであるB7)記載の糖鎖チップの使用方法、
B9)相互作用の定量化が蛍光によるシグナルの検出によるものである(B7)又は(B8)記載の糖鎖チップの使用方法、
B10)(B1)〜(B9)いずれか記載の糖鎖チップ上に細胞を播種し、糖鎖と細胞との相互作用を利用して該細胞の分化増殖接着変異から選ばれる少なくとも一つの挙動を制御することを含む、糖鎖チップの使用方法、
である。
本発明によれば、生体反応への糖鎖の関与に関する研究に有用な支持体を提供することができる。
本発明に係る支持体を、ポリマー粒子に適用する場合、蛍光標識化やクロマトグラフによる精製など煩雑な工程を経ることなく、簡単な操作で糖鎖および糖鎖含有物質を分離精製することが可能となる。本発明のポリマー粒子は、カラムなどに充填して用いることもでき、糖鎖精製の自動化・連続操作化が容易に実現される。
また、本発明に係る支持体を糖鎖チップに適用する場合、基板上に糖鎖を共有結合で固定化することが可能となり、信頼性が高く実用的な糖鎖チップが実現される。本発明の方法によって作製された糖鎖チップは、たとえば糖鎖−レセプター間,糖鎖−細胞間,糖鎖−ウイルス間の相互作用の研究、さらには感染性疾患や糖鎖異常関連疾患の研究用あるいは診断用デバイスとしての利用が可能である。
上述した目的、およびその他の目的、特徴および利点は、以下に述べる好適な実施の形態、およびそれに付随する以下の図面によってさらに明らかになる。
実験例A4の糖鎖サンプルのMALDI-TOF-MSによる分析結果である。 実験例A5の糖鎖サンプルのMALDI-TOF-MSによる分析結果である。 実験例A6の糖鎖サンプルのMALDI-TOF-MSによる分析結果である。 実施例B2の糖鎖チップのマイクロアレイスキャナーによる測定結果である。 実験例B3の糖鎖チップのマイクロアレイスキャナーによる測定結果である。 実験例B4の糖鎖チップのマイクロアレイスキャナーによる測定結果である。
以下、本発明の実施形態について説明する。
(支持体)
本発明の実施形態の支持体は、糖鎖のアルデヒド基と特異的に反応する官能基を担持してなるものである。
(糖鎖と特異的に反応する官能基)
糖鎖は生体内物質のなかで唯一、アルデヒド基をもつ物質である。すなわち、糖鎖は水溶液などの状態で環状のヘミアセタール型と、非環状型のアルデヒド型とが平衡で存在する。タンパク質や核酸,脂質など糖鎖以外の生体内物質にはアルデヒド基が含まれていない。このことから、アルデヒド基と特異的に反応して安定な結合を形成する官能基を利用すれば、糖鎖のみを選択的に捕捉または固定化することが可能である。
アルデヒド基と特異的に反応する官能基としては、たとえばオキシルアミノ基,ヒドラジド基,アミノ基,セミチオカルバジド基ならびにそれらの誘導体が挙げられ、中でもオキシルアミノ基が好ましい。オキシルアミノ基とアルデヒド基との反応によって生じるオキシム結合は、酸処理などによって容易に切断されるため、糖鎖を捕捉したのち、糖鎖を担体から簡単に切り離すことができる一方で、中性付近のpHで安定であることが知られている。
一般的に、生理活性物質の捕捉・担持にはアミノ基が多用されているが、アミノ基とアルデヒド基の反応によって生じる結合(シッフ塩基)は結合力が弱いため、還元剤などを用いた二次処理が必要であることから、捕捉または固定化した糖鎖の様々な処理を行うことを考慮すると、オキシルアミノ基はアミノ基よりも好適に用いることができる。
(ポリマー粒子への適用)
前記支持体を粒子状に構成して、ポリマー粒子として使用することができる。このポリマー粒子は、糖鎖を捕捉する担体として好適に用いることができる。
(ポリマー粒子の性状)
糖鎖を捕捉するための担体(以下,捕捉担体と略)に用いるポリマー粒子は、少なくとも表面の一部に糖鎖のアルデヒド基と特異的に反応する官能基を有した固体あるいはゲル粒子であることが好ましい。このように、ポリマー粒子を固体粒子あるいはゲル粒子とすることで、ポリマー粒子に糖鎖を捕捉させたのち、遠心分離やろ過などの手段によって、この糖鎖を捕捉したポリマー粒子を容易に回収することができる。また、ポリマー粒子をカラムに充填して用いてもよく、このような用途は、特に連続操作化を実現するという観点から重要となる。
ポリマー粒子の形状は特に限定しないが,球状またはそれに類する形状が好ましい。ポリマー粒子が球状の場合,平均粒径は好ましくは0.05〜1000μmであり、より好ましくは0.05〜200μmであり、さらに好ましくは0.1〜200μmであり、最も好ましくは0.1〜100μmである。この平均粒径が小さすぎると、ポリマー粒子をカラムに充填して用いる際、通液性が悪くなるために大きな圧力を加える必要がある上に、ポリマー粒子を遠心分離やろ過で回収することも困難となる。一方で、平均粒径が大きすぎると、ポリマー粒子と試料溶液の接触面積が少なくなり、糖鎖捕捉の効率が低下する。したがって、ポリマー粒子の平均粒径を上記範囲とすることで、これらのバランスに優れた糖鎖捕捉担体を提供することができるようになる。
ポリマー粒子は、遠心分離やろ過などの手段で回収する時にのみ固体あるいはゲルの性状を示すものであってもよい。具体的には、たとえば温度、pHなどの環境変化によって溶解性が変化するポリマーを用いることにより、溶媒に溶解した状態の該ポリマーに糖鎖のアルデヒド基と特異的に反応する官能基を介して糖鎖を捕捉させたのち、溶解性を変化させて該ポリマーを沈殿させ、回収するといった手法をとることが可能である。環境によって溶解性が変化するポリマーとしては、たとえばポリ(N−イソプロピルアクリルアミド)を挙げることができる。ポリ(N−イソプロピルアクリルアミド)分子の少なくとも一部に糖鎖のアルデヒド基と特異的に反応する官能基を導入することで、環境により糖鎖捕捉担体の溶解性を変化させながら、糖鎖捕捉を行うことが可能となる。
(ポリマー粒子の作製)
前述のような本実施形態の支持体の用途において好適に用いられるポリマー粒子は、量産が可能である。
ポリマー粒子は、例えば糖鎖のアルデヒド基と特異的に反応する官能基を有するモノマー又は該モノマーの誘導体を重合することによって作製することができる。モノマーは分子内にビニル基を含むビニル系モノマーであることが好ましく、たとえばメタクリル酸誘導体,アクリル酸誘導体,スチレン誘導体,プロピレン誘導体,アクリルアミド誘導体などを好ましく用いることができ、メタクリル酸誘導体がより好ましい。さらに、このモノマー分子内では、糖鎖のアルデヒド基と特異的に反応する官能基、好ましくはオキシルアミノ基が側鎖として含まれることが好ましい。また、オキシルアミノ基はt−ブトキシカルボニル(BOC)基や9−フルオレニルメチルオキシカルボニル(Fmoc)基などの保護基で保護されていてもよい。さらに、モノマー分子内では、オキシルアミノ基とビニル基との間にスペーサー分子鎖が存在しても良い。特に、酸素原子などのヘテロ原子を含むスペーサー分子鎖が存在すると、オキシルアミノ基の周囲が親水性環境となり、このようなモノマーを重合して得られるポリマー粒子はオキシルアミノ基周辺において糖鎖との親和性が向上するため特に好ましい。
このような化合物としては、例えば下記式(1)のものが挙げられる。
(式中、R1はH又はCH3、R2は任意の分子鎖でヘテロ原子を含んでもよい。)
また、ポリマーは糖鎖のアルデヒド基と特異的に反応する官能基、例えばオキシルアミノ基を有するモノマーの単独重合体であってもよく、このモノマーと糖鎖のアルデヒド基と反応しない他種のモノマー、たとえばアクリル酸,メタクリル酸,アクリルアミド,スチレン、および糖鎖のアルデヒド基と反応する官能基を有さないこれらの誘導体などとの共重合体であってもよい。また、粒子状のポリマーを得るという観点から、懸濁重合、乳化重合などの不均一系重合法により、ポリマーを得ることが好ましい。
このとき、多官能性モノマーを架橋剤として共重合させることにより、粒子の剛性を調整することが可能である。架橋剤としてはジビニル化合物、たとえばエチレングリコールジメタクリレート、ジビニルベンゼン、メチレンビスアクリルアミドなどを適宜用いることができる。共重合させる架橋剤の分子内の鎖長を変化させることによって、ポリマー粒子の物性を制御することも可能である。
また、架橋剤以外のモノマーを共重合させることも可能である。このとき、各モノマー仕込み量を調整して、共重合組成比を変化させることにより、ポリマー中のオキシルアミノ基の密度をコントロールすることが可能である。このオキシルアミノ基密度のコントロールは、糖鎖捕捉効率の最適化を実現するという観点から重要である。
糖鎖のアルデヒド基と特異的に反応する官能基を有するモノマーの重合を行う以外の方法で、前記ポリマー粒子を得る方法としては、糖鎖のアルデヒド基と特異的に反応する官能基を有しないポリマーに含まれる側鎖の別の官能基などを介して、糖鎖のアルデヒド基と特異的に反応する官能基をグラフトすることにより導入する方法も可能である。
(糖鎖の精製方法)
こうして得られるポリマー粒子を用いて、糖鎖を捕捉する工程、及び糖鎖を分離する工程を行って、糖鎖を精製することができる。以下、この糖鎖の精製方法として、血清,組織片,細胞などの生体試料からグリコペプチダーゼなどの酵素的方法,あるいはヒドラジン分解などの化学的方法を用いて切り出しておいた糖鎖を含有する生体試料を、ポリマー粒子と接触させることによって糖鎖のみを選択的に回収する方法について説明する。
(糖鎖捕捉)
糖鎖を捕捉する工程では、ポリマー粒子に含まれる糖鎖のアルデヒド基と特異的に反応する官能基と、糖鎖のアルデヒド基とを結合させて、生体試料の中の糖鎖のみをポリマー粒子に担持させる。
具体的には、ポリマー粒子と生体試料中の糖鎖とを所定のpHの緩衝液中で接触させる。この糖鎖捕捉反応系を提供する緩衝液のpHは、好ましくは2〜9、より好ましくは2〜7であり、さらに好ましくは2〜6である。pH調整のためには、各種緩衝液を用いることができる。糖鎖捕捉反応系の温度は、好ましくは4〜90℃、より好ましくは4〜70℃、さらに好ましくは10〜70℃であり、最も好ましくは15〜60℃である。反応時間は適宜設定することができる。なお、ポリマー粒子と糖鎖とを緩衝液中で接触させる代わりに、ポリマー粒子をカラムに充填して生体試料の溶液を通過させて、糖鎖のみをポリマー粒子に担持させてもよい。
(糖鎖回収)
糖鎖捕捉の際に、ポリマー粒子の表面には糖鎖以外の莢雑物が非特異的に吸着しているため、糖鎖回収の前にこれらを洗浄除去する工程を設けることが好ましい。このときの洗浄液としては、水,緩衝液,界面活性剤を含む水溶液または緩衝液,有機溶剤などを適宜組み合わせて用いることができる。特に好ましい形態は,界面活性剤を含む水溶液または緩衝液で十分に洗浄したのち、有機溶剤で洗浄し、最後に水で洗浄する方法である。これらの洗浄により、非特異的吸着物は実質的に全てポリマー粒子から除去される。なお、カラムを用いて糖鎖を捕捉させた場合には、このカラムにこれら溶液を通過させることで洗浄することができる。
糖鎖をポリマー粒子に捕捉させて必要に応じて洗浄した後、ポリマー粒子と糖鎖の結合を切断することで、糖鎖を切り出して回収することができる。例えば、糖鎖のアルデヒド基と特異的に反応する官能基としてオキシルアミノ基を有するポリマー粒子の場合、糖鎖との結合はオキシム結合であるため、この結合は酸処理などによって切断することができる。このような観点から、糖鎖をポリマー粒子から切り出すために,0.1〜10体積%のトリフルオロ酢酸水溶液を好適に用いることができる。また、酸処理以外の方法で糖鎖を切り出すことも可能である。なお、カラムを用いて糖鎖を捕捉させた場合には、このカラムに所定の溶出条件に沿った緩衝液を通過させることで、糖鎖を溶出することが可能である。
このような方法によって回収された糖鎖は、タンパク質,ペプチド,核酸などの莢雑物を含まないよう精製された純粋な糖鎖であり、そのまま質量分析,核磁気共鳴分析,免疫的分析法などの分析手段によって評価することが可能である。
以上にように、本発明のポリマー粒子を用いることで、1)試料溶液とポリマー粒子とを分散、反応させて、反応物がポリマー粒子の糖鎖のアルデヒド基を特異的に反応する官能基にて担持され、2)必要に応じてポリマー粒子表面に非特異的に結合した莢雑物を洗浄除去、3)糖鎖−ポリマー粒子の結合を切断、回収という操作で糖鎖の精製が可能となり、従来法と比べて簡便な糖鎖精製を実現することが可能となる。さらに、本発明のポリマー粒子は量産化が容易であり、産業上の利用性を考慮した場合にも有利である。
(糖鎖チップへの適用)
前記支持体を基板の一部分として構成して、この基板を用いて糖鎖チップとして使用することができる。この糖鎖チップでは、支持体に該当する部分に含まれる糖鎖のアルデヒド基と特異的に反応する官能基の少なくとも一部が糖鎖と結合することで、基板上で糖鎖が固定化されている。
(糖鎖チップの形態)
本実施形態において糖鎖チップとは、糖鎖,糖鎖誘導体,糖鎖含有物質など(以下,特記しない限り「糖鎖」と表記する)を固相基板上に共有結合的に固定化したデバイスをいう。
固相基板は平板状であってもよく、それ以外の形状、たとえば前述した粒子の形状,溝加工の施してある平板状,多孔質状,中空糸状などであってもよい。また、マイクロタイタープレートのように仕切りを設けた平板状であってもよい。
糖鎖は通常、基板を構成する支持体上の一部に固定化されていてもよいが、全部に固定化されていてもよい。固定化される糖鎖は1種類であってもよく、多種類であってもよい。好ましい形態の一つとして、多種類の糖鎖を平板状の基板表面に整列的に固定化した形態(いわゆるマイクロアレイ)が挙げられる。他の好ましい形態の一つとして、1種類あるいはそれ以上の糖鎖を、基板の全面に固定化することが挙げられる。たとえば、マイクロタイタープレートの各ウェルの内壁の全面に糖鎖を固定化する等の形態である。
(糖鎖チップ用基板の作製)
糖鎖チップ用基板は,量産性および表面処理の多様性の観点から、プラスチック製であることが好ましい。測定手段に蛍光を用いる場合には,プラスチックは低蛍光性のものが好ましく、たとえば飽和環状ポリオレフィンなどを好適に用いることができる。
糖鎖チップ用基板の表面には、上述のように糖鎖と特異的に反応して結合し得る官能基を導入する必要がある。このような官能基の導入方法としては、大別して2つの手段が挙げられる。すなわち、(1)基板表面へ糖鎖と特異的に反応する官能基を有する物質をコーティングして、基板の表面に当該官能基を有する支持体を形成する方法と、(2)基板上にあらかじめ導入された別種の官能基を介した官能基を導入する方法である。以下、それぞれの手段について詳述する。
(1)基板表面への上記官能基を有する物質のコーティング
上記官能基を有する物質としてはポリマーが好ましい。該ポリマーは、前述のポリマー粒子のように、糖鎖のアルデヒド基と特異的に反応する官能基を有するモノマーを重合することによって作製することができる。モノマーは、分子内にビニル基を含むビニル系モノマーであることが好ましく,たとえばメタクリル酸誘導体,アクリル酸誘導体,スチレン誘導体,プロピレン誘導体,アクリルアミド誘導体などを好ましく用いることができ、メタクリル酸誘導体がより好ましい。さらに、このモノマー分子内では、糖鎖のアルデヒド基と特異的に反応する官能基、好ましくはオキシルアミノ基が側鎖として含まれることが好ましい。また、オキシルアミノ基はt−ブトキシカルボニル(BOC)基や9−フルオレニルメチルオキシカルボニル(Fmoc)基などの保護基で保護されていてもよい。さらに、モノマー分子内では、オキシルアミノ基とビニル基との間にスペーサー分子鎖が存在しても良い。特に、酸素原子などのヘテロ原子を含むスペーサー分子鎖が存在すると、オキシルアミノ基の周囲が親水性環境となり、このようなモノマーを重合して得られるポリマーはオキシルアミノ基周辺において糖鎖との親和性が向上するため特に好ましい。このような化合物としては、上記式(1)で示されるものが挙げられる。
このポリマーは、糖鎖のアルデヒド基と特異的に反応する官能基、例えばオキシルアミノ基を有するモノマーの単独重合体であってもよく、このモノマーと糖鎖のアルデヒド基と反応しない他種のモノマー、たとえばアクリル酸,メタクリル酸,アクリルアミド,スチレン、および糖鎖のアルデヒド基と反応する官能基を有さないこれらの誘導体などとの共重合体であってもよい。また、このような方法以外には、前述したようなグラフト反応によりポリマーに導入する方法も可能である。
また、コーティングの好ましい形態として、ディップコート法,キャスト法,スピンコート法など一般的な方法を適宜利用することができる。コーティングに用いるポリマー溶液の濃度は、好ましくは0.01〜10重量パーセント、より好ましくは0.01〜5重量パーセントであり、さらに好ましくは0.01〜2重量パーセントである。また、他の方法として、ラングミュア−ブロジェット法を利用して基板表面に単分子膜を形成する方法も利用できる。なお、糖鎖のアルデヒド基と反応する官能基として例えばオキシルアミノ基を用いる場合であって、このオキシルアミノ基が所定の保護基で保護されている場合、コーティング工程の後に適宜、脱保護処理を施してからコーティングに供するようにする。
このようにして、糖鎖のアルデヒドと特異的に反応する官能基を有する支持体を、基板表面に形成することにより、糖鎖と特異的に反応する官能基を基板上に導入することができる。
(2)基板上にあらかじめ導入された別種の官能基を介した官能基導入
基板表面に第1の官能基を導入しておき、これを介して糖鎖と結合し得る第2の官能基を導入する方法である。第1の官能基としては、アミノ基,カルボキシル基,水酸基などが挙げられる。第1の官能基の導入方法としては、プラズマ照射,第1の官能基含有アルコキシシランによるコーティング、第1の官能基含有モノマーの表面グラフト重合などを適宜用いることができる。
次に、第1の官能基の導入後、この第1の官能基と反応し得る官能基および第2の官能基の両方を有する物質との反応により、第1の官能基を介して第2の官能基を導入する。具体例として、第1の官能基としてアミノ基、および第2の官能基としてオキシルアミノ基を導入する場合について説明する。オキシルアミノ基およびカルボキシル基の両方を有する化合物(分子)を基板表面の第1の官能基に作用させることにより、アミノ基とカルボキシル基との縮合反応が生じ、この化合物は基板表面に固定化されて、結果としてオキシルアミノ基が基板上に導入される。
ここで、オキシルアミノ基およびカルボキシル基の両方を有する分子としては、たとえば下記式(2)で示されるようなアミノオキシ酢酸などを用いることができる。この際、オキシルアミノ基は保護基で保護されていてもよい。
(式中,P1は任意の保護基を示す。)
なお、基板上に導入された第1の官能基としてのアミノ基と、式(2)の化合物のカルボキシル基とは、カルボジイミド化合物に代表される縮合剤の存在下で反応させることで、結合させることができる。また、オキシルアミノ基が保護基で保護されている場合には、オキシルアミノ基導入工程、すなわち式(2)の化合物と基板上のアミノ基との反応の後に適宜、脱保護処理を施して外すことができる。
(糖鎖の固定化)
基板上への糖鎖の固定化は、糖鎖を溶解させて含む溶液を基板表面と接触させることにより実現される。好ましい形態の一つは、糖鎖を含む溶液を基板表面に整列的に点着(スポット)する方法である。スポットには点着用のピンを用いたスポッティング方式(たとえば,日立ソフトウェアエンジニアリング(株)製「SPBIO」シリーズ)、インクジェット方式(たとえば、Perkin-Elmer社製「Piezorray」)などを適宜利用することができる。糖鎖を溶解するための液体は、水,緩衝液,あるいはその他の溶媒であってもよく、糖鎖以外の添加物を含んでいてもよい。添加物としてはたとえば、界面活性剤、高分子化合物、各種の塩などを挙げることができる。界面活性剤の添加は、糖鎖溶液と基板表面との濡れ性をコントロールする際に有用な方法である。糖鎖溶液のpHは、糖鎖のアルデヒド基と基板表面の官能基との反応に最適な範囲の値に調整することが好ましい。いずれの方法においても、固定化する糖鎖は1種類あるいは複数種類であってもよい。
他の好ましい形態の一つとして、糖鎖を含む溶液に基板を浸漬、あるいは糖鎖を含む溶液を基板表面に展開する方法が挙げられる。この方法は、基板全面に糖鎖を固定化する場合に特に有用である。基板がマイクロタイタープレートのウェルの様に仕切りが設けられた形状である場合には、糖鎖溶液を各ウェルに分注する方法も有用である。いずれの方法においても、固定化する糖鎖は1種類あるいは複数種類であってもよい。
糖鎖を基板上に固定化したのち、固定化されなかった糖鎖を洗浄除去してもよい。洗浄のための溶液、および洗浄方法などの条件は適宜設定することができるが、たとえば界面活性剤を含む緩衝液または純水、有機溶媒などを用いることが好ましい。
また、糖鎖の固定化にかかる糖鎖と基板との結合は、糖鎖のアルデヒド基と基板上に形成された糖鎖と特異的に反応する官能基、たとえばオキシルアミノ基との反応によるものである。
ここで、糖鎖のアルデヒド基は、糖鎖の還元末端に由来するものであってもよく、他の手段により導入されたものであってもよい。また、アルデヒド基は、ガラクトースオキシダーゼ処理による酸化などの酵素処理によって糖鎖に導入されてもよい。この方法は、非還元末端にガラクトースまたはN−アセチルガラクトサミンをもつ糖鎖に適用できる方法であり、ガラクトースの6位のヒドロキシメチルをアルデヒドに変換する方法である。また、アルデヒド基は、糖鎖を過ヨウ素酸酸化することにより、末端をアルデヒドに変換することによっても導入してもよい。
(糖鎖チップの使用形態)
本実施形態の糖鎖チップの好ましい使用方法の一つとして、糖鎖チップ上に試料溶液を展開し、該試料溶液に含まれる物質とチップ上の糖鎖との相互作用を定量化する方法が挙げられる。この方法は、従来のDNAチップやプロテインチップと同様の使用形態である。
試料溶液としては、血液,血清,組織の破砕物あるいは抽出物,細胞の破砕物あるいは抽出物,タンパク質,核酸,酵素,レクチン,ペプチド,ペプチド核酸,抗体,糖鎖,糖タンパク質,糖脂質,およびそれらの誘導体などを含む溶液が挙げられる。
また、試料溶液をチップ上に展開し所定時間反応させたのち、未反応の試料を洗浄除去することが好ましい。試料溶液中にチップ上の糖鎖と相互作用する物質が含まれている場合、この物質は洗浄操作後もチップ上に固定化された糖鎖と反応して結合した部分(スポット部)に残留する。この残留量を測定することで、糖鎖と試料物質との相互作用の強さを定量化することが可能となる。この相互作用の定量化の手段として、たとえば蛍光物質による標識化,放射性同位体による標識化,各種発色剤による発色,分光学的測定手段,原子間力顕微鏡を用いた物理的測定手段などを用いることができる。測定の容易性、および操作の簡便性の観点から、蛍光物質による標識化を利用して、蛍光によるシグナルの検出を行うことにより、相互作用の定量化を行うことが好ましい。
また、本実施形態の糖鎖チップの他の好ましい使用方法の一つとして、糖鎖チップ上に細胞を播種し、チップ上の細胞の挙動を調べる方法が挙げられる。細胞の接着性,増殖性,分化能、変異性などは糖鎖に影響を受けるとされており、したがって糖鎖と細胞との相互作用を利用することにより、この細胞の分化,増殖,接着,及び変異から選ばれる少なくとも一つの挙動を制御することができるようになる。すなわち、糖鎖チップのこのような使用は、細胞の糖鎖認識能の研究、細胞特異的な培養、幹細胞の分化誘導制御などに有用な手段となる。
(実験例A1)
(オキシルアミン含有モノマーの合成)
5gの無水メタクリル酸(和光純薬工業(株)製)と25gの2,2'−(エチレンジオキシ)ビス(エチルアミン)を200mlのクロロホルム中で16時間反応させた。反応の進行は薄層クロマトグラフィ(TLC)で確認した。反応終了後、シリカゲルクロマトグラフィによる通常の方法で精製を行ったのち、溶媒を留去した。
生成物を再びクロロホルムに溶解し、10gの水溶性カルボジイミド(和光純薬工業(株)製)、および5gのBOC−アミノオキシ酢酸(Novabiochem社製)を投入し、室温で16時間反応させた。反応の進行はTLCで確認した。反応終了後、純水で3回抽出したのち、シリカゲルクロマトグラフィにより精製した。核磁気共鳴分析(NMR)およびマトリックス支援レーザーイオン化−飛行時間型質量分析器(MALDI-TOF-MS,
Bruker社製 'UltraFlex')で生成物の確認を行った。合成したモノマーの構造式を下記式に示す。
(実験例A2)
(ポリマー粒子の合成)
実験例A1にて合成したモノマー1gをクロロホルム1mlに溶解し、還流冷却管を取り付けた反応容器内に投入した。反応容器内に30mlの純水および0.05gのポリビニルアルコール(和光純薬工業(株)製,重合度約1500)を投入し、反応容器を65℃の恒温槽内に設置した。反応容器内の溶液を攪拌しながら、30分間窒素パージを行った。0.05gの2,2'−アゾビス(イソブチロニトリル)を微量のクロロホルムに溶解したものを反応容器内に注入し、重合反応を開始した。16時間反応後、反応容器を冷水に浸漬し、重合反応を停止した。反応容器内に生成した沈殿を遠心分離で回収し、沈殿をメタノールおよび純水で各5回洗浄した。
洗浄後の沈殿を容器に入れ、トリフルオロ酢酸をメタノールで3倍に希釈した溶液を沈殿量に対して大過剰加えた。反応容器を40℃の恒温槽内に入れ、振とうしながら3時間反応させ、オキシルアミノ基に結合している保護基(BOC基)を除去した。反応終了後、沈殿を遠心分離で回収し、メタノールおよび純水で各5回洗浄し、ポリマー粒子を作製した。得られたポリマー粒子の平均粒径は約10μmであった。
(実験例A3)
(モデル糖鎖を用いた糖鎖捕捉率測定)
N−アセチルラクトサミン(Sigma社製)1mgを100μlの純水に溶解した。この溶液に、実験例A2にて作製したポリマー粒子10mg分散させた。塩酸緩衝液で溶液のpHを2に調整し、振とうしながら40℃で16時間反応させた。反応後、遠心分離でポリマー粒子を沈殿させ、上清を取り除いた。回収したポリマー粒子を、0.1%ドデシル硫酸ナトリウム水溶液、50%メタノール、純水でそれぞれ5回ずつ洗浄した。洗浄後、ポリマー粒子を10%トリフルオロ酢酸中に分散させ、室温で3時間振とうすることで糖鎖を遊離させた。遠心分離によりポリマー粒子を沈殿させ、上清を回収した。回収した上清を凍結乾燥し、糖鎖サンプルとした。
回収した糖鎖サンプルの量を、定法に従ってオルシノール/硫酸法で定量し、糖鎖捕捉率を求めた。結果を表1に示す。比較対象となる後述の実験例7と比べて糖鎖捕捉率が有意に高くなっており、本発明によるポリマー粒子により、糖鎖が効率よく回収できることが示された。
(実験例A4)
(糖タンパク質からの糖鎖精製)
マウス由来の免疫グロブリンG(IgG)50mgをプロテアーゼ処理したのち、定法に従って、N−グリコペプチダーゼFを用いてN結合型糖鎖を切り出した。この溶液に10mgの実験例A2にて作製したポリマー粒子を分散させ、pHを2に調整したのち、振とうしながら40℃で16時間反応させた。反応後、遠心分離でポリマー粒子を沈殿させ、上清を取り除いた。回収したポリマー粒子を、0.1%ドデシル硫酸ナトリウム水溶液、50%メタノール、純水でそれぞれ5回ずつ洗浄した。洗浄後、ポリマー粒子を10%トリフルオロ酢酸中に分散させ、室温で3時間振とうすることで糖鎖を遊離させた。遠心分離によりポリマー粒子を沈殿させ、上清を回収した。回収した上清を凍結乾燥し、糖鎖サンプルとした。
得られた糖鎖サンプルをMALDI-TOF-MSにより分析した。マトリックスには2,5-ジヒドロキシ安息香酸を用いた。測定結果を図1に示す。糖鎖に由来する分子量ピークが明確に現れており,本発明のポリマー粒子を用いて,糖タンパク質の糖鎖が精製・回収できることが示された。
(実験例A5)
鶏卵由来の卵白アルブミン50mgを用いて、実験例A4と同様の方法で糖鎖サンプルを精製し、MALDI-TOF-MSにより分析した。測定結果を図2に示す。糖鎖に由来する分子量ピークが明確に現れており、本発明のポリマー粒子を用いて、糖タンパク質の糖鎖が精製・回収できることが示された。
(実験例A6)
マウスの皮膚から真皮組織を採取し、アセトンで脱脂後、細片化した。実験例A4と同様の方法で糖鎖サンプルを精製し、MALDI-TOF-MSにより分析した。測定結果を図3に示す。糖鎖に由来する分子量ピークが明確に現れており、本発明のポリマー粒子を用いて、生体試料から糖鎖が精製・回収できることが示された。
(実験例A7)
(ポリマー粒子の合成)
メタクリル酸メチルモノマー1gをクロロホルム1mlと混合し、還流冷却管を取り付けた反応容器内に投入した。反応容器内に30mlの純水、0.05gのポリビニルアルコール(和光純薬工業(株)製、重合度約1500)を投入し、反応容器を65℃の恒温槽内に設置した。反応容器内の溶液を攪拌しながら、30分間窒素パージを行った。0.05gの2,2'−アゾビス(イソブチロニトリル)を微量のクロロホルムに溶解したものを反応容器内に注入し、重合反応を開始した。16時間反応後、反応容器を冷水に浸漬し、重合反応を停止した。反応容器内に生成した沈殿を遠心分離で回収し、沈殿をメタノールおよび純水で各5回洗浄して、ポリマー粒子を作製した。
(糖鎖精製)
N−アセチルラクトサミン(Sigma社製)1mgを100μlの純水に溶解した。この溶液に上記の方法で作製したポリマー粒子を10mg分散させた。塩酸緩衝液で溶液のpHを2に調整し、振とうしながら40℃で16時間反応させた。反応後、遠心分離でポリマー粒子を沈殿させ、上清を取り除いた。回収したポリマー粒子を、0.1%ドデシル硫酸ナトリウム水溶液、50%メタノール、純水でそれぞれ5回ずつ洗浄した。洗浄後、ポリマー粒子を10%トリフルオロ酢酸中に分散させ、室温で3時間振とうした。遠心分離によりポリマー粒子を沈殿させ、上清を回収した。回収した上清を凍結乾燥し、実験例A3の結果に対する比較サンプルとした。
回収したサンプル中に含まれる糖鎖の量を、定法に従ってオルシノール/硫酸法で定量した。結果を表1に示す。糖鎖はほとんど回収されておらず、糖鎖のアルデヒド基と特異的に反応する官能基を含まないポリマー粒子では、糖鎖を精製できないことが示された。
(実験例B1)
(ポリマー溶液の作製)
実験例A1にて合成したモノマー1gおよびメタクリル酸メチル(和光純薬工業(株)製)3gを、還流冷却管を取り付けた反応容器内に投入した。反応容器内に30mlのクロロホルムを投入し、反応容器を65℃の恒温槽内に設置した。反応容器内の溶液を攪拌しながら、30分間窒素パージを行った。0.05gの2,2'−アゾビス(イソブチロニトリル)(和光純薬工業(株)製)を反応容器内に投入し、重合反応を開始した。16時間反応後、反応容器を冷水に浸漬して重合反応を停止し、ポリマー溶液を得た。
(実験例B2)
(基板の作製)
飽和環状ポリオレフィン樹脂を射出成形法で成形し、厚さ1mmの平板状の基板を作製した。酸素雰囲気下のプラズマ処理によって基板表面を親水化処理した。
(基板表面へのオキシルアミノ基導入)
上記の基板を、実験例B1で得られたポリマー溶液に浸漬し、30分間静置した。浸漬後、基板を静かに引き上げ、25℃で1時間乾燥した。引き続き、10%の酢酸を含む1M塩酸に基板を3時間浸漬することにより、BOC基を脱離させた。基板を純水で洗浄し、風乾した。
(糖鎖の固定化)
マンノトリオース(Dextra Laboratories社製)を10mg/ml、1mg/ml、及び0.1mg/mlの各濃度で酢酸緩衝液(pH4,100mM)に溶解した。この溶液1μlを、上記で作製した基板表面にスポットした。スポット後の基板を保湿したチャンバー内に入れ、室温で1時間静置した。トリス−塩酸緩衝液(pH7.4,10mM)に3重量%のウシ血清アルブミン(和光純薬工業(株)製)を溶解した。この溶液に静置後の基板を室温で1時間浸漬することにより、基板表面をブロッキングした。ブロッキング後、基板を純水で洗浄し風乾した。
(レクチンの反応)
ローダミン標識化コンカナバリンA(フナコシ(株)製)をリン酸緩衝液(PBS,pH7.4,100mM)で20μg/mlの濃度で溶解した。この溶液20μlを、ブロッキング後の基板上に滴下し、カバーガラスをかぶせ、室温で1時間静置した。静置後、基板からカバーガラスを外し、基板を洗浄液(0.05重量%のTWEEN−20をPBSに溶解したもの)で3回洗浄した。基板をさらに純水で洗浄し、風乾した。
(測定)
上記工程を経た基板の表面を、マイクロアレイ用スキャナー'ScanArray LITE' (Packard Biochip Technologies社製)を用いて測定した。測定条件は、レーザー強度90%、PMT感度60%、励起/検出波長はローダミンチャンネルとした。基板表面の蛍光強度を画像化したものを図4に示す。図中、上段の3スポットはスポット時のマンノトリオース濃度10mg/ml、中段の3スポットは1mg/ml、下段の3スポットは0.1mg/mlをそれぞれ示す。
マンノトリオースをスポットした部位のみ蛍光強度が高くなっており、この部分にローダミン標識化コンカナバリンAが結合していることがわかる。コンカナバリンAはマンノースを認識して結合することが知られている。よって、マンノトリオースが基板上に固定化されていることが示された。
(実験例B3)
(基板の作製)
飽和環状ポリオレフィン樹脂を射出成形法で成形し、厚さ1mmの平板状の基板を作製した。酸素雰囲気下のプラズマ処理によって基板表面を親水化処理した。
(基板表面へのオキシルアミノ基導入)
工程1:3−アミノプロピルトリメトキシシランを2重量%の濃度で純水に溶解した。この溶液に上記の基板を浸漬した。浸漬は25℃で1時間行った。浸漬後、基板を純水で洗浄し、乾燥した。これを45℃に保った真空乾燥機を用いて真空乾燥した。
工程2:BOC−アミノオキシ酢酸を2重量%の濃度でメタノールに溶解した。さらにBOC−アミノオキシ酢酸に対して1.5等量の水溶性カルボジイミド(和光純薬工業(株)製)を投入した。この溶液に、工程1の基板を浸漬した。浸漬は25℃で12時間行った。浸漬後、基板をメタノールで洗浄し、乾燥した。引き続き、10%の酢酸を含む1M塩酸に基板を3時間浸漬することにより、BOC基を脱離させた。基板を純水で洗浄し、風乾した。
(糖鎖の固定化)
実験例B2と同様の方法で基板上にマンノトリオースを固定化させる処理をした。
(レクチンの反応)
実験例B2と同様の方法でローダミン標識化コンカナバリンAを反応させた。
(測定)
実験例B2と同様の方法で基板表面の蛍光強度を測定した。基板表面の蛍光強度を画像化したものを図5に示す。図中、上段の3スポットはスポット時のマンノトリオース濃度10mg/ml、中段の3スポットは1mg/ml、下段の3スポットは0.1mg/mlをそれぞれ示す。
実験例B2の場合と同様に、マンノトリオースをスポットした部位のみ蛍光強度が高くなっており、この部分にローダミン標識化コンカナバリンAが結合していることがわかる。コンカナバリンAはマンノースを認識して結合することが知られている。よって、マンノトリオースが基板上に固定化されていることが示された。
(実験例B4)
(基板の作製)
飽和環状ポリオレフィン樹脂を射出成形法で成形し、厚さ1mmの平板状の基板を作製した。酸素雰囲気下のプラズマ処理によって基板表面を親水化処理した。実験例B2で行ったようなオキシルアミノ基導入処理は行わなかった。
(糖鎖の固定化)
実験例B2と同様の方法で基板上にマンノトリオースを固定化させる処理をした。
(レクチンの反応)
実験例B2と同様の方法でローダミン標識化コンカナバリンAを反応させた。
(測定)
実験例B2と同様の方法で基板表面の蛍光強度を測定した。基板表面の蛍光強度を画像化したものを図6に示す。
実験例B4では、蛍光強度が高くなっている部分は存在せず、実験例B2,B3での結果とは異なり、コンカナバリンAが特異的に結合した部位は無いことがわかる。すなわち、マンノトリオースは基板上に固定化されなかったことが示された。
以上、実験例B2〜B4より、オキシルアミノ基の存在が糖鎖の固定化に重要であることが示された。

Claims (19)

  1. オキシルアミノ基を有するモノマーを重合したポリマーから構成され、
    前記オキシルアミノ基を有するモノマーが下記一般式(1)で表されるモノマーを含み、
    糖鎖を捕捉する担体に用いるポリマー粒子。
    (式中、R 1 はH又はCH 3 、R 2 は任意の分子鎖でヘテロ原子を含んでもよい。)
  2. 記ポリマーが、前記オキシルアミノ基を有するモノマーと、糖鎖のアルデヒド基と反応しないモノマーとの共重合体である、請求項1に記載のポリマー粒子。
  3. 記糖鎖のアルデヒド基と反応しないモノマーが架橋剤として多官能性モノマーを含む、請求項2に記載のポリマー粒子。
  4. 記ポリマーが、懸濁重合法により得られる、請求項1乃至3のいずれか一項に記載のポリマー粒子。
  5. 記ポリマーが、乳化重合法により得られる、請求項1乃至3のいずれか一項に記載のポリマー粒子。
  6. 子形状が球状である、請求項1乃至5のいずれか一項に記載のポリマー粒子。
  7. 子の平均粒径が0.05〜200μmである、請求項6に記載のポリマー粒子。
  8. 請求項1乃至7のいずれか一項に記載のポリマー粒子を用いて糖鎖を捕捉する工程と、
    糖鎖を分離する工程と、
    含む、糖鎖の精製方法。
  9. オキシルアミノ基を担持してなる支持体を含み、前記支持体が基板の少なくとも一部を構成し、
    前記基板表面へ下記一般式(3)で表されるモノマー単位を含むポリマーをコーティングすることにより、当該基板にオキシルアミノ基が導入され、
    当該支持体のオキシルアミノ基の少なくとも一部が糖鎖と結合することで、当該基板上で糖鎖が固定化されている糖鎖チップ。
    (式中、R 2 は任意の分子鎖でヘテロ原子を含んでもよい。)
  10. 前記一般式(3)で表されるモノマー単位を含むポリマーの基板表面へのコーティングが、ラングミュア−ブロジェット法による基板表面での分子膜形成である、請求項9に記載の糖鎖チップ。
  11. オキシルアミノ基を担持してなる支持体を含み、
    前記支持体が基板の少なくとも一部を構成し、オキシルアミノ基の少なくとも一部が糖鎖と結合することで、当該基板上で糖鎖が固定化されており、
    前記基板上への前記オキシルアミノ基の導入が、前記基板表面をアミノ基含有アルコキシシランでコーティングすることによりあらかじめ当該基板上に導入されたアミノ基と、下記(2)で表される物質との反応による、糖鎖チップ。
    (式中、P 1 は任意の保護基を示す。)
  12. 記基板がプラスチック製である、請求項9乃至11のいずれか一項に記載の糖鎖チップ。
  13. オキシルアミノ基と結合する糖鎖のアルデヒド基が、還元末端に由来する、請求項9乃至12のいずれか一項に記載の糖鎖チップ。
  14. オキシルアミノ基と結合する糖鎖のアルデヒド基が、当該糖鎖を過ヨウ素酸酸化、または所定の酵素処理によって導入された、請求項9乃至12のいずれか一項に記載の糖鎖チップ。
  15. 記酵素処理は、ガラクトースオキシダーゼ処理である、請求項14に記載の糖鎖チップ。
  16. 請求項9乃至15のいずれか一に記載の糖鎖チップ上に試料溶液を展開し、該試料溶液に含まれる物質と、前記基板上に固定化された糖鎖との相互作用を定量化することを含む、糖鎖チップの使用方法。
  17. 前記試料溶液に含まれる物質が、血液血清組織破砕物および抽出物細胞破砕物および抽出物タンパク質核酸酵素レクチンペプチドペプチド核酸抗体糖鎖糖タンパク質糖脂質およびそれらの誘導体から選ばれる少なくとも一つである、請求項16に記載の糖鎖チップの使用方法。
  18. 前記相互作用の定量化が、蛍光によるシグナルの検出による、請求項16又は17に記載の糖鎖チップの使用方法。
  19. 請求項9乃至15のいずれか一つに記載の糖鎖チップ上に細胞を播種し、糖鎖と細胞との相互作用を利用して該細胞の分化増殖接着及び変異から選ばれる少なくとも一つの挙動を制御することを含む、糖鎖チップの使用方法。
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