JP5637049B2 - 糖鎖測定方法および糖鎖固定化基材 - Google Patents

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本発明は、基材上に糖鎖を固定化した基材であって、固定化された該糖鎖を糖鎖標識法により定量する糖鎖測定方法とそれを用いて固定化量を定量した糖鎖固定化基材に関する。
生化学分野において、近年、核酸、タンパク質に続く第三の鎖として糖鎖分子が注目されている。特に細胞の分化や癌化、免疫反応や受精などのかかわりが研究され、新たな医薬や医療材料を創製しようとする試みが続けられている。
また、糖鎖は多くの毒素、ウィルス及びバクテリアなどの病原性外来因子受容体であり、また、癌のマーカーとしても注目されており、こちらの分野においても、同様に新たな医薬や医療材料を創製しようとする試みが続けられている。
しかしながら、糖鎖は、研究の重要性を認識されながら、その複雑な構造や多様性から、第一、第二の鎖である核酸、タンパク質に比較して研究の進行が著しく遅れている。
この研究を推進する目的で、糖鎖を精製する方法が種々開発されている。
一方、糖鎖は、それ単独で機能を発揮するというより、細胞レセプターに対するリガンドとして機能する場合も多く確認され、それゆえに糖鎖に対するレセプターの解析に供するために、種々の糖鎖を固定化するための基材が開発されている。(例えば特許文献1、2、3)。しかしながら、固定化された糖鎖を定量する方法について言及している文献はほとんどない。糖鎖固定化基材の性能評価や品質管理を行う上では固定化された糖鎖をいかに定量するかが鍵となる。固定化された糖鎖を直接標識する場合、固相反応となるため反応効率が低く、糖の種類や固定化量によっては検出できない場合もありうる。
特開2007−527539号公報 特開2008−231013号公報 特開2008−530538号公報
本発明は、基材に固定化されなかった糖鎖を定量することで、基材上に固定化された糖鎖を破壊することなく定量する方法と、それに基づいた糖鎖固定化基材を提供することを目的とする。
このような目的は、下記(1)〜(13)記載の本発明により達成される。
(1)基材上に糖鎖を固定化した基材であって、固定化した該糖鎖を糖鎖標識法により定量することを特徴とする糖鎖測定方法。
(2)前記糖鎖固定化基材において、基材に固定化されなかった糖鎖を定量することで、固定化された糖鎖を定量する(1)記載の糖鎖測定方法。
(3)(1)記載の糖鎖標識法が、アミノ基を有する化合物によってなされる(1)記載の糖鎖測定方法。
(4)前記アミノ基を有する化合物による糖鎖標識法が化学発色法、蛍光標識法またはUV標識法である(3)記載の糖鎖測定方法。
(5)前記化学発色法がヒドラジン誘導体を用いた方法である(4)記載の糖鎖測定方法。
(6)前記ヒドラジン誘導体が4−Amino−3−hydrazino−5−mercapto−1,2,4−triazolである(5)記載の糖鎖測定方法。
(7)前記化合物が、糖鎖水酸基を酸化させて生じたアルデヒド基とテトラジン誘導体を形成することで発色する(3)ないし(6)いずれか記載の糖鎖測定方法。
(8)(4)記載の蛍光標識法またはUV標識法が、
2−Aminobenzamide, 2−Aminobenzoic acid, 2−Aminopyridine, 8−Aminopyrene−1,3,6−trisulfonate, 8−Aminonaphthalene−1,3,6−trisulfonate, 7−amino−1,3−naphtalenedisulfonic acid, 2−Amino9(10H)−acridone, 5−Aminofluorescein, Dansylethylenediamine, 7−Amino−4−methylcoumarine, 3−Aminobenzoic acid, 7−Amino−1−naphthol, 3−(Acetylamino)−6−aminoacridine, 2−Amino−6−cyanoethylpyridine, Ethyl p−aminobenzoate, p−Aminobenzonitrile, 7−aminonaphthalene−1,3−disulfonic acid, 5−Dimethylaminonaphthalene−1−sulfonyl hydrazine(Dansylhydrazine), 2−hydrazinopyridine, 9−fluorenylmethyl carbazate(Fmoc hydrazine), benzylhydrazine, 4,4−difluoro−5,7−dimethyl−4−bora−3a,4a−diaza−s−indacene−3−propionoc acid,hydrazide, 2−(6,8−difluoro−7−hydroxy−4−methylcoumarin)acetohydrazide, 7−diethylaminocoumarin−3−carboxylic acid,hydrazide(DCCH), phenylhydrazine, 1−Naphthaleneacethydrazide, 2−hydrazinobenzoic acid, biotin hydrazide, phenylacetic hydrazide, O−benzylhydroxylamine, O−phenylhydroxylamine, O−(2,3,4,5,6−pentafluorobenzyl)hydroxylamine, O−(4−nitrobenzyl)hydroxylamine, 2−aminooxypyridine, 2−aminooxymethylpyridine, 4−[(aminooxyacetyl)amino]benzoic acid methyl ester, 4−[(aminooxyacetyl)amino]benzoic acid ethyl ester, 4−[(aminooxyacetyl)amino]benzoic acid n−butyl ester, N−aminooxyacetyl−tryptophyl(arginine methyl ester)から選ばれる少なくとも一種類の化合物を用いて標識する(1)ないし(4)いずれか1項に記載の糖鎖測定方法。
(9)前記化合物が、2−Aminobenzamide,2−Aminobenzoic acid,2−Aminopyridine,N−aminooxyacetyl−tryptophyl(arginine methyl ester)から選ばれる少なくとも一種類の化合物である(1)なしい(8)いずれか1項に記載の糖鎖測定方法。
(10)(1)ないし(9)いずれか1項に記載の糖鎖測定方法により、糖鎖の固定化量が定量されたことを特徴とする糖鎖固定化基材。
(11)(10)記載の基材が、プレート、チップ、チューブ、メンブランシートまたはビーズである糖鎖固定化基材。
(12)(10)または(11)記載の基材が、プラスチック、ガラス、またはシリコンである糖鎖固定化基材。
(13)前記プラスチックが、環状ポリオレフィン、スチレン、ABS、フッ素樹脂、またはPETである(10)ないし(12)いずれか1項に記載の糖鎖固定化基材。
本発明によれば、基材に固定化されなかった糖鎖を定量することで、基材上に固定化された糖鎖を破壊することなく定量でき、それに基づいた糖鎖固定化基材の提供が可能となる。
は、本発明に基づく糖鎖固定化量の測定結果を示す。
本発明は、糖鎖測定に用いる基材である、プレート、チップ、チューブ、メンブランシートまたはビーズ上に捕捉、または固定化された糖鎖を糖鎖標識法により定量する方法であって、糖鎖の種類に関係なく糖鎖構造を有している糖鎖の定量を可能とするものである。
本発明の糖鎖固定化工程の詳細は後述するが簡単に記述すると、糖鎖溶液を基材上で加熱して乾固することにより、基材上に糖鎖を固定化する。この際、基材上には固定化された糖鎖と固定化されていないが基材上に残存している糖鎖が存在する。この固定化されていない糖鎖を水で洗浄することにより回収する。それらの糖鎖を標識してモル数を定量し、固定化に用いた糖鎖溶液に含まれる糖鎖のモル数から差し引くことで、基材上に固定化された糖鎖を破壊することなく定量することが可能となる。
こうした糖鎖の標識法としては、化学発色法、蛍光標識法、UV標識法、ヨウ素デンプン反応、セリワノフ反応などがあり、どの方法を用いても構わないが、簡便かつ定量的に検出可能な化学発色法、蛍光標識法またはUV標識法を用いることが好適である。
この中でも、蛍光標識法は特に高感度な検出が可能である。
前記化学発色法、蛍光標識法またはUV標識法を用いるために糖鎖を標識する方法としては、例えば下記の2つが挙げられる。
・ 糖鎖還元末端のアルデヒド基に、標識化合物を結合させる。
・ 過ヨウ素酸ナトリウムにより糖鎖の隣接する二つの水酸基の間を酸化開裂させ、生成するアルデヒド基に標識化合物を結合させる。
(1)は(2)のように糖鎖を酸化開裂する必要が無いため簡便であるが、一分子あたり反応点が一つしか無い上に糖鎖還元末端のアルデヒド基はヘミアセタールとの平衡状態であるため、特にグリコサミノグリカンのような大きな分子の場合は反応速度が著しく低下する可能性がある。そこで(2)の方法によって反応性の高いアルデヒド基を糖鎖分子内に多数導入することにより、糖の種類によらず標識が可能となる。
前記標識化合物としては、発色試薬、蛍光標識試薬またはUV標識試薬などの低分子化合物を用いることが可能であり、アルデヒド基とシッフ塩基を形成できるアミノ基を有する化合物を用いる方法が一般的である。標識した糖鎖の定量には、マイクロプレートリーダー、高速液体クロマトグラフィーなどが使用できる。
前記のアミノ基は、ヒドラジン基またはオキシアミン基を含むものとする。
本発明では前記ヒドラジン誘導体として、4−Amino−3−hydrazino−5−mercapto−1,2,4−triazol(以下、化合物Aと称す)を用いた。この化合物を用いる利点としては、酸化で生じたアルデヒド基に対して一段階の反応で化学発色可能であるため測定ばらつきの低減が期待できること、操作が簡便であること、反応時間が短いこと、毒劇物を用いないことなどが挙げられる。
化合物Aを用いて糖鎖をラベルする方法としては、まず過ヨウ素酸ナトリウムによって糖鎖を酸化開裂させる。この際の過ヨウ素酸ナトリウムの終濃度は1mg/mL以上であることが好ましい。次に生じたアルデヒド基に対して化合物Aを反応させるが、この際の化合物Aの終濃度は、好ましくは5mg/mL以上、より好ましくは20mg/mL以上である。また、反応温度は好ましくは25℃以上80℃以下、より好ましくは35℃以上60℃以下であり、反応時間は30分以上であることが好ましい。
蛍光標識試薬もしくはUV標識試薬としては、下記のアミノ基を有する化合物からなる群から選ぶことが好ましい。
例として、2−Aminobenzamide, 2−Aminobenzoic acid, 2−Aminopyridine, 8−Aminopyrene−1,3,6−trisulfonate, 8−Aminonaphthalene−1,3,6−trisulfonate, 7−amino−1,3−naphtalenedisulfonic acid, 2−Amino9(10H)−acridone, 5−Aminofluorescein, Dansylethylenediamine, 7−Amino−4−methylcoumarine, 3−Aminobenzoic acid, 7−Amino−1−naphthol, 3−(Acetylamino)−6−aminoacridine, 2−Amino−6−cyanoethylpyridine, Ethyl p−aminobenzoate, p−Aminobenzonitrile, 7−aminonaphthalene−1,3−disulfonic acid, 5−Dimethylaminonaphthalene−1−sulfonyl hydrazine(Dansylhydrazine), 2−hydrazinopyridine, 9−fluorenylmethyl carbazate(Fmoc hydrazine), benzylhydrazine, 4,4−difluoro−5,7−dimethyl−4−bora−3a,4a−diaza−s−indacene−3−propionoc acid,hydrazide, 2−(6,8−difluoro−7−hydroxy−4−methylcoumarin)acetohydrazide, 7−diethylaminocoumarin−3−carboxylic acid,hydrazide(DCCH), phenylhydrazine, 1−Naphthaleneacethydrazide, 2−hydrazinobenzoic acid, biotin hydrazide, phenylacetic hydrazide, O−benzylhydroxylamine, O−phenylhydroxylamine, O−(2,3,4,5,6−pentafluorobenzyl)hydroxylamine, O−(4−nitrobenzyl)hydroxylamine, 2−aminooxypyridine, 2−aminooxymethylpyridine, 4−[(aminooxyacetyl)amino]benzoic acid methyl ester, 4−[(aminooxyacetyl)amino]benzoic acid ethyl ester, 4−[(aminooxyacetyl)amino]benzoic acid n−butyl ester, N−aminooxyacetyl−tryptophyl(arginine methyl ester)が、試薬としての入手または反応の簡便性から効果的である。また、これらの化合物で標識する際には過ヨウ素酸ナトリウムによる糖鎖水酸基の酸化を行わず、糖鎖の還元末端のみ標識する方法が一般的であるが、過ヨウ素酸ナトリウムによる酸化を行った後に標識することもできる。
芳香族アミノ化合物として2−aminobenzamide、2−aminobenzoic acidを用いる場合、0.35mol/L以上の濃度であることが望ましい。ただし、濃度が3mol/L以上になると、反応に使用されなかった芳香族アミノ化合物を除去するのが困難になるため、最も好ましい濃度は0.35mol/L以上3mol/L以下である。
2−aminobenzamideによる標識の場合、糖鎖が入った反応容器に0.35M 2−aminobenzamide、1M 水素化シアノホウ素ナトリウムの濃度になるように30%酢酸/ジメチルスルホキシド(DMSO)に溶解させた溶液を加え、30〜70℃で1〜10時間反応する事で達成される。
2−Aminopyridineによる標識の場合、糖鎖が入った反応容器に47M 2−Aminopyridineの酢酸溶液を加え、80〜90℃で1時間以上反応したのちに、26M ジメチルアミンボランの濃度になるように62%酢酸水溶液に溶解させた溶液を加え、80℃で35分間以上反応する事で達成される。
N−aminooxyacetyl−tryptophyl(arginine methyl ester)による標識の場合、糖鎖が入った反応容器に20mM N−aminooxyacetyl−tryptophyl(arginine methyl ester)水溶液を加え、80℃で1時間以上反応する事で達成される。
本発明において、糖を捕捉、または固定化する基材は、特に限定しないが、例えば、プレート、チップ、チューブ、メンブランシートまたはビーズ形状のものが好ましい。本発明が対象とするプレートは一般にマルチウェルプレートと呼ばれ、細胞培養、組織培養、細菌培養、蛋白質やDNA、RNA固定による免疫分析等の分野で汎用されている。このマルチウェルプレートはプレート当たりのウェルの数が決まっており、6、12、24、48、96、384ウェルが主流である。こうしたプレートは1枚のプレートで多数の検体を同時に扱えるため多量の検体を扱う必要のある創薬スクリーニング、HTS等で多量に使用される。
前記基材に捕捉、固定化される糖の捕捉、固定化の形態は特に限定するものではないが、以下の捕捉、固定化方法が好ましい。
まず、基材表面に糖の捕捉、固定化用の官能基を有する基材が挙げられる。具体的には、基材表面に、一級アミノ基を有する高分子化合物をコーティングし、糖側の末端を還元、アルデヒド基を生成させて一級アミノ基と共有結合させる方法がある。
一級アミノ基を有する高分子化合物としては、ポリアリルアミン、ポリエチレンイミンの一級アミンを主鎖中に有する高分子化合物や、側鎖にアミノ基を有するポリリジン、ポリオルニチンのポリアミンを使用することができる。好適には、側鎖に一級アミノ基を有するモノマー、側鎖に親水性基を有するモノマー、基材と固相化するための疎水基を有するモノマーを共重合させた高分子化合物を好適に用いることができる。この高分子化合物は、糖捕捉のための一級アミノ基と夾雑物の非特異的吸着防止のための親水性基を有しており、確実に糖のみを固定化することが可能である。
前記高分子化合物は、具体的には、下記一般式〔1〕で表される高分子化合物を好適に用いることができる。
Figure 0005637049

式〔1〕の高分子化合物は、構成単位に示されように、(メタ)アクリル残基とホスホリルコリン基が炭素数1〜10のアルキレンオキシ基Xの連鎖を介して結合した構造であることが最も好ましい。中でもXはエチレンオキシ基であることが最も最も好ましい。式中のアルキレンオキシ基の繰り返し数は1〜20の整数であり、繰り返し数2以上20以下の場合は、繰り返されるアルキレンオキシ基の炭素数は同一であっても、異なっていてもよい。lは本来自然数であるが、各構成成分の組成割合として表記される場合がある。
ホスホリルコリン基を有するモノマーの組成割合は(l,m,nの和に対するlの比率)は、高分子の全モノマーに対して、5〜98mol%が好ましくより好ましくは10〜80mol%、最も好ましくは、10〜80%である。組成比が下限値を下回ると親水性が弱くなり非特異吸着が多くなる。一方、上限値を上回ると水溶性が高まり、アッセイ中に高分子化合物が溶出してしまう可能性がある。
本発明の高分子化合物に含まれる疎水性基を有するモノマーの組成割合は(l,m,nの和に対するmの比率)は、高分子の全モノマーに対して、10〜90mol%が好ましくより好ましくは10〜80mol%、最も好ましくは、20〜80%である。上限値を上回ると非特異吸着が増加する恐れが出てくる。
具体的には、2−メタクリロイルオキシエチルホスホリルコリン−ブチルメタクリレート−N−[2−[2−[2−(t−ブトキシカルボニル(以下、BOCと称す)アミノオキシ−アセチルアミノ)エトキシ]エトキシ]エチル]−メタクリルアミド共重合体を用いることが好ましいがこの高分子化合物に限定するものではない。
本発明において、基材上に固定化される糖は、特に限定するものではないが、血液、体液や組織抽出物などの生体由来物質でもあっても、化学合成により生成された糖鎖化合物であってもよい。
また、含まれる糖の形状は、糖、単糖、2糖以上の糖類、糖アミノ酸、糖ペプチド、糖タンパク質、糖脂質、グリコサアミノグリカン、グリコシルハスファチジルイノシトール、ペプチドグリカン、リポ多糖、又はそれらの誘導体、そしてこれらを含む生体由来物質から選ばれる。
以下、本発明を実施例に基づいて詳細に説明するが、本発明はこれに限定されるものではない。
<実施例> プレート上に固定化された糖鎖の定量
(糖鎖捕捉基材の作製)
糖鎖捕捉高分子材料を表面に形成させる基材として、96ウェルプレートを使用した。該96ウェルプレートは住友ベークライトにおいて環状ポリオレフィン樹脂で成形したものを使用した。
糖鎖捕捉高分子化合物として2−メタクリロイルオキシエチルホスホリルコリン−ブチルメタクリレート−N−[2−[2−[2−(t−ブトキシカルボニル(以下、Bocと称す)アミノオキシ−アセチルアミノ)エトキシ]エトキシ]エチル]−メタクリルアミド共重合体を用い、該高分子化合物の1.0重量%エタノール溶液150μLを96ウェルプレートの各ウェルに分注して30分静置した後に溶液を抜き取り乾燥させて基材表面に塗布した。
乾燥後、2M塩酸100μLを分注し、37℃で2時間処理してBoc基を脱保護し糖鎖捕捉高分子化合物を表面に持つ96ウェルプレートを作製した。
(糖鎖の固定化)
ラクトース(Sigma、61339−25G)、GM3(Elycityl、GLY090)およびマルトヘプタオース(東京化成、M1025)を、2%酢酸含有アセトニトリル:水=3:1の溶液で100μM、20μM、4μMにそれぞれ調製し、96ウェルプレートに100μL分注して80℃で1時間反応させた。反応後、純水150μLを分注して1分間振とうし、ウェル内の溶液を回収した。これにより、固定化されなかった糖鎖を含む溶液(B)を得た。
(固定化された糖鎖の定量)
前記で得た糖鎖溶液(B)、および検量線作成用に別途調製した糖鎖溶液(C)を、96ウェルプレートに50μL分注した。過ヨウ素酸ナトリウム(和光純薬、197−02402)を純水で20mg/mLに調製し、該96ウェルプレートに50μL分注して室温で30分静置した。次に化合物A(4−Amino−3−hydrazino−5−mercapto−1,2,4−triazol)(和光純薬、011−08331)を1Mの水酸化ナトリウム水溶液で40mg/mLに調製し、該96ウェルプレートに150μL分注して37℃で1時間静置した。
固定化された糖鎖を定量する為、マイクロプレートリーダー(TECAN社製Infinit200)で測定波長550nmの吸光度を測定した。検量線を用いて固定化されなかった糖鎖のモル数を求め、固定化に用いた糖鎖溶液に含まれる糖鎖のモル数から差し引くことで、固定化された糖鎖を定量した。
図1において、固定化に用いた糖鎖はラクトース、GM3およびマルトヘプタオースの3種類であり、糖鎖の種類によらず分注糖鎖量(固定化に用いた糖鎖量)の約半分が固定化されていることが判明した。
本発明を用いることにより、基材に固定化されなかった糖鎖を定量することで、固定化された糖鎖を定量する糖鎖測定方法により、固定された糖鎖量が明確な糖鎖固定化基材を得ることが可能となった。これにより、糖鎖固定基材上の糖鎖を破壊検査することなく、全数検査することが可能となり、品質安定した糖鎖固定基材を提供すること可能となった。

Claims (8)

  1. 基材上に固定化した糖鎖の測定方法であって、
    基材上に糖鎖を固定化した際、
    固定化されていないが基材上に残存している糖鎖を水により洗浄することにより回収し、回収した糖鎖を標識してモル数を定量し、
    固定化に用いた糖鎖溶液に含まれる糖鎖のモル数から差し引くことで基材上に固定化した糖鎖を定量する、
    糖鎖測定方法。
  2. 前記記載の糖鎖標識法が、アミノ基を有する化合物によってなされる請求項1に記載の糖鎖測定方法。
  3. 前記アミノ基を有する化合物による糖鎖標識法が化学発色法、蛍光標識法またはUV標識法である請求項2に記載の糖鎖測定方法。
  4. 前記化学発色法がヒドラジン誘導体を用いた方法である請求項3に記載の糖鎖測定方法。
  5. 前記ヒドラジン誘導体が4−Amino−3−hydrazino−5−mercapto−1,2,4−triazolである請求項4に記載の糖鎖測定方法。
  6. 前記化合物が、糖鎖水酸基を酸化させて生じたアルデヒド基とテトラジン誘導体を形成することで発色する請求項2ないし5に記載の糖鎖測定方法。
  7. 前記記載の蛍光標識法またはUV標識法が、
    2−Aminobenzamide, 2−Aminobenzoic acid, 2−Aminopyridine, 8−Aminopyrene−1,3,6−trisulfonate, 8−Aminonaphthalene−1,3,6−trisulfonate, 7−amino−1,3−naphtalenedisulfonic acid, 2−Amino9(10H)−acridone, 5−Amino
    fluorescein, Dansylethylenediamine, 7−Amino−4−methylcoumarine, 3−Aminobenzoic acid, 7−Amino−1−naphthol, 3−(Acetylamino)−6−aminoacridine, 2−Amino−6−cyanoethylpyridine, Ethyl p−aminobenzoate, p−Aminobenzonitrile, 7−aminonaphthalene−1,3−disulfonic acid, 5−Dimethylaminonaphthalene−1−sulfonyl hydrazine(Dansylhydrazine), 2−hydrazinopyridine, 9−fluorenylmethyl carbazate(Fmoc hydrazine), benzylhydrazine,
    4,4−difluoro−5,7−dimethyl−4−bora−3a,4adiaza−
    s−indacene−3−propionoc acid,hydraz
    ide, 2−(6,8−difluoro−7−hydroxy−4−methylcoumarin)acetohydrazide, 7−diethylaminocoumarin−3−carboxylic acid,hydrazide(DCCH), phenylhydrazine, 1−Naphthaleneacethydrazide, 2−hydrazinobenzoic acid, biotin hydrazide, phenylacetic hydrazide, O−benzylhydroxylamine, O−phenylhydroxylamine, O−(2,3,4,5,6−pentafluorobenzyl)hydroxylamine, O−(4−nitrobenzyl)hydroxylamine, 2−aminooxypyridine, 2−aminooxymethylpyridine, 4−[(aminooxyacetyl)amino]benzoic acid methyl ester, 4−[(aminooxyacetyl)amino]benzoic acid ethyl ester, 4−[(aminooxyacetyl)amino]benzoic acid n−butyl ester, N−aminooxyacetyl−tryptophyl(arginine methyl ester)から選ばれる少なくとも一種類の化合物を用いて標識する請求項3に記載の糖鎖測定方法。
  8. 前記化合物が、2−Aminobenzamide,2−Aminobenzoic acid,2−Aminopyridine,N−aminooxyacetyl−tryptophyl(arginine methyl ester)から選ばれる少なくとも一種類の化合物である請求項7に記載の糖鎖測定方法。
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