JP6214999B2 - 電気化学的検出のための糖鎖試料の調製方法 - Google Patents

電気化学的検出のための糖鎖試料の調製方法 Download PDF

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本発明は、糖鎖試料中に含まれる糖鎖を効率よく電気化学的に検出するための、糖鎖試料の調製方法に関するものである。
糖鎖、糖タンパク、糖ペプチド、ペプチド、オリゴペプチド、タンパク質、核酸、脂質などといった生体高分子は、医学、細胞工学、臓器工学などのバイオテクノロジー分野において重要な役割を担っており、これら物質による生体反応の制御機構を明らかにすることはバイオテクノロジー分野の発展に繋がることになる。
糖鎖は、グルコース、ガラクトース、マンノース、フコース、キシロース、N−アセチルグルコサミン、N−アセチルガラクトサミン、シアル酸などの単糖およびこれらの誘導体がグリコシド結合によって鎖状に結合した分子の総称である。生体高分子の中でも、糖鎖は、非常に多様性に富んでおり、天然に存在する生物が有する様々な機能、例えば、細胞間情報伝達や、タンパク質の機能や相互作用の調整などに深く関わっていることが明らかになりつつある。
糖鎖は生体内でタンパク質や脂質などに結合した複合糖質として存在することが多い。糖鎖を有する生体高分子としては、例えば、細胞の安定化に寄与する植物細胞の細胞壁のプロテオグリカン、細胞の分化、増殖、接着、移動等に影響を与える糖脂質、及び細胞間相互作用や細胞認識に関与している糖タンパク質等が挙げられる。これらの生体高分子に含まれる糖鎖が、この生体高分子と互いに機能を代行、補助、増幅、調節、あるいは阻害しあいながら高度で精密な生体反応を制御する機構が次第に明らかにされつつある。このような糖鎖と細胞の分化増殖、細胞接着、免疫、及び細胞の癌化との関係が明確にされれば、この糖鎖工学と、医学、細胞工学、あるいは臓器工学とを密接に関連させて新たな展開を図ることが期待できる。
糖タンパク質医薬品では、その糖鎖が生物活性発現等に重要な役割を担っている場合が多い。したがって、糖タンパク質医薬品の品質管理のパラメーターとして、糖鎖の評価はきわめて重要である。特に抗体医薬品については、その糖鎖構造が抗体依存性細胞傷害活性(ADCC活性)を左右するとの報告がされており、糖鎖構造解析の重要性が高まっている。
このため、近年、糖鎖構造を迅速、簡便、かつ精度高く解析する方法が求められるようになり、高速液体クロマトグラフィ(HPLC)、核磁気共鳴法、キャピラリー電気泳動法(CE法)、質量分析法、レクチンアレイ法などの多種多様の方法により糖鎖解析が行われている。
これら種々の手法を用いて糖鎖を解析するためには、あらかじめ生体試料中に含まれるタンパク質、ペプチド、脂質、核酸などと糖鎖を分離・精製することが必要である。これら糖鎖の精製や標識化は時間と工数がかかり、一度に多種多量の試料を調製するのは困難を要する。
この問題を解決する技術として、例えば、特定の糖鎖捕捉物質を用いて実現される糖鎖試料の調製方法が報告されている(特許文献1)。しかしながら、当該方法で調製した糖鎖試料を電気化学的手法で検出した例はない。
国際公開第2008/018170号
本発明は、このような状況に鑑みてなされたものであり、その目的は、糖鎖捕捉物質を用いて実現される糖鎖試料の調製方法であって、電気化学的検出に適した糖鎖試料を調製しうる方法を提供することにある。
本発明者らは、上記課題を解決すべく鋭意検討を行った結果、糖鎖捕捉物質を用いて実現される糖鎖試料の調製工程の中の、糖鎖を捕捉した担体の洗浄工程において、タンパク質可溶化剤としてグアニジンを用いた場合には、調製した糖鎖を液体クロマトグラフィーによる分離後に電気化学的手法で検出した際に糖鎖のピークの近傍にグアニジンのピークが生じてしまい、効率的に糖鎖を検出できないことを見出した。その一方、タンパク質可溶化剤としてドデシル硫酸ナトリウム(SDS)やTween20を用いた場合には、調製した糖鎖を液体クロマトグラフィーによる分離後に電気化学的手法で検出した際に、これらタンパク質可溶化剤のピークが検出されず、効率的に糖鎖を検出し得ることを見出した。この結果から、ドデシル硫酸ナトリウム(SDS)やTween20がその酸化還元電位において糖鎖よりも高い値を示し、それゆえに糖鎖の電気化学的検出において阻害要因とならないことが判明した。
従って、本発明は、液体クロマトグラフィーによる分離およびそれに続く電気化学的検出のための、糖鎖捕捉物質を用いて実現される糖鎖試料の調製方法であって、糖鎖を捕捉した担体の洗浄工程において、糖鎖より酸化還元電位が高いタンパク質可溶化剤を用いる方法、並びに、当該方法により調製された糖鎖試料を用いて糖鎖を分析する方法に関し、より詳しくは、以下を提供するものである。
[1] 液体クロマトグラフィーによる分離およびそれに続く電気化学的検出のための糖鎖試料の調製方法であって、
(a)糖鎖を含む試料を、糖鎖を捕捉するための担体に接触させ、当該糖鎖を当該担体に捕捉する工程、
(b)糖鎖を捕捉した担体を洗浄する工程、
(c)糖鎖を捕捉した担体から糖鎖を遊離させる工程、
を含み、
(b)の工程において、酸化還元電位が糖鎖より高いタンパク質可溶化剤を用いることを特徴とする試料調製方法。
[2] 糖鎖を捕捉するための担体が糖鎖のアルデヒド基と特異的に反応する官能基を有する担体である、[1]に記載の方法。
[3] 前記担体における官能基がヒドラジド基又はアミノオキシ基である、[2]に記載の方法。
[4] 前記担体が下記の(式1)で表される架橋型ポリマー構造を有する高分子物質により被覆されているものである、[3]に記載の方法。
(R1,R2は−O−,−S−,−NH−,−CO−,−CONH−で中断されてもよい炭素数1〜20の炭化水素鎖,R3,R4,R5はH,CH3,または炭素数2〜5の炭化水素鎖を示す。m,nはモノマーユニット数を示す。)
[5] 前記担体が下記の(式2)で表される架橋型ポリマー構造を有する高分子物質により被覆されているものである、[4]に記載の方法。
(m,nはモノマーユニット数を示す。)
[6] タンパク質可溶化剤が界面活性剤である、[1]から[5]のいずれかに記載の方法。
[7] タンパク質可溶化剤がドデシル硫酸ナトリウム(SDS)またはTween20である、[6]に記載の方法。
[8] 液体クロマトグラフィーが陰イオン交換クロマトグラフィーである、[1]から[7]のいずれかに記載の方法。
[9] 電気化学的検出がパルスアンペロメトリック検出である、[1]から[8]のいずれかに記載の方法。
[10] 糖鎖の分析方法であって、
(a)[1]から[7]のいずれかに記載の方法により調製された糖鎖試料を液体クロマトグラフィーにより分離する工程、および
(b)分離した糖鎖を電気化学的に検出する工程、
を含む糖鎖の分析方法。
[11] 液体クロマトグラフィーが陰イオン交換クロマトグラフィーである、[10]に記載の方法。
[12] 電気化学的検出がパルスアンペロメトリック検出である、[10]に記載の方法。
[13] 糖鎖を含む研究用試薬、医薬品、動物薬、または食品の特性を解析する方法であって、糖鎖を含む研究用試薬、医薬品、動物薬、または食品を糖鎖試料として[10]から[12]に記載の分析方法を実施することにより糖鎖プロファイルを取得し、当該糖鎖プロファイルを指標に、当該糖鎖を含む研究用試薬、医薬品、動物薬、または食品の特性を評価することを特徴とする方法。
[14] 糖鎖を含む研究用試薬、医薬品、動物薬、または食品の品質を管理する方法であって、糖鎖を含む研究用試薬、医薬品、動物薬、または食品を糖鎖試料として[10]から[12]に記載の分析方法を経時的に実施することにより糖鎖プロファイルをモニターし、当該糖鎖プロファイルの変化を指標に、当該糖鎖を含む研究用試薬、医薬品、動物薬、または食品の品質を評価することを特徴とする方法。
本発明により、夾雑物を含む試料から糖鎖のみを効率的に精製することが可能となるとともに、こうして精製した糖鎖を、標識化することなく、液体クロマトグラフィーによる分離後、電気化学的手法によって効率的に検出することが可能となった。
BlotGlycoにより精製し、ドデシル硫酸ナトリウム(SDS)で洗浄した糖鎖試料を用いた場合の液体クロマトグラムチャートである。 BlotGlycoにより精製し、Tween20で洗浄した糖鎖試料を用いた場合の液体クロマトグラムチャートである。 BlotGlycoにより精製し、グアニジンで洗浄した糖鎖試料を用いた場合の液体クロマトグラムチャートである。 BlotGlycoにより精製を行わない糖鎖試料を用いた場合の液体クロマトグラムチャートである。
本発明は、液体クロマトグラフィーによる分離およびそれに続く電気化学的検出のための糖鎖試料の調製方法であって、(a)糖鎖を含む試料を、糖鎖を捕捉するための担体に接触させ、当該糖鎖を当該担体に捕捉する工程、(b)糖鎖を捕捉した担体を洗浄する工程、(c)糖鎖を捕捉した担体から糖鎖を遊離させる工程、を含み、(b)の工程において、酸化還元電位が糖鎖より高いタンパク質可溶化剤を用いることを特徴とする試料調製方法を提供する。
本発明における、糖鎖を含む試料を、糖鎖を捕捉するための担体に接触させ、当該糖鎖を当該担体に捕捉する工程(工程(a))に用いる、糖鎖を捕捉するための担体としては、ポリマー粒子を用いることが好ましい。ポリマー粒子が固体粒子あるいはゲル粒子であれば、ポリマー粒子に糖鎖を捕捉させたのち、遠心分離やろ過などの手段によって容易に回収することができる。また、ポリマー粒子をカラムに充填して用いることも可能である。カラムに充填して用いる方法は、特に連続操作化の観点から重要となる。反応容器としてフィルタープレート(例えば、Millipore社製のMultiScreen Solvinert Filter Plate)を用いることにより、複数のサンプルを同時に処理することが可能となり、例えばゲルろ過に代表されるカラム操作による従来の精製手段と比較して、糖鎖精製のスループットが大幅に向上される。また、当該粒子として磁性体ビーズを用いれば、磁力を使って容器壁面等にビーズを集積できるため、ビーズの洗浄を容易に行うことができる。
ポリマー粒子の形状は特に限定しないが、球状またはそれに類する形状が好ましい。ポリマー粒子が球状の場合、平均粒径は好ましくは0.05〜1000μmであり、より好ましくは0.05〜200μmであり、さらに好ましくは0.1〜200μmであり、最も好ましくは0.1〜100μmである。平均粒径が下限値未満では、ポリマー粒子をカラムに充填して用いる際、通液性が悪くなるために大きな圧力を加える必要がある。また、ポリマー粒子を遠心分離やろ過で回収することも困難となる。平均粒径が上限値を超えると、ポリマー粒子と試料溶液の接触面積が少なくなり、糖鎖捕捉の効率が低下する。
ポリマー粒子は、少なくとも表面の一部に糖鎖のアルデヒド基と反応する官能基を有していることが好ましい。糖鎖のアルデヒド基と反応する官能基としては、ヒドラジド基又はオキシルアミノ基が好ましい。
糖鎖を捕捉するための担体としては、下記(式1)又は(式2)で表される構造を有する架橋型ポリマーを担体として用いることが特に好ましい。
(R1,R2は−O−,−S−,−NH−,−CO−,−CONH−で中断されてもよい炭素数1〜20の炭化水素鎖,R3,R4,R5はH,CH3,または炭素数2〜5の炭化水素鎖を示す。m,nはモノマーユニット数を示す。)
架橋型ポリマーとして、例えば、下記の構造を有する架橋型ポリマーを挙げることができる。
(m,nはモノマーユニット数を示す。)
本発明においては、ヒドラジド基含有ポリマー粒子である「BlotGlyco(R)」(住友ベークライト株式会社製、#BS−45603)を好適に用いることができる。
糖鎖を捕捉するポリマー粒子によって糖鎖を捕捉する際の反応系のpHは、好ましくは2〜9、より好ましくは2〜7であり、さらに好ましくは2〜6である。pH調整のためには、各種緩衝液を用いることができる。糖鎖捕捉時の温度は、好ましくは4〜90℃、より好ましくは4〜70℃、さらに好ましくは30〜80℃であり、最も好ましくは40〜80℃である。反応時間は適宜設定することができる。ポリマー粒子をカラムに充填して試料溶液を通過させてもよい。
本発明における、糖鎖を捕捉した担体を洗浄する工程(工程(b))は、担体に捕捉された物質のうち糖鎖以外の物質(非特異的に吸着した物質)を除去する工程である。
糖鎖以外の物質を除去する方法としては、従来、疎水結合を解離する能力のあるカオトロピック試薬であるグアニジン水溶液で洗浄する方法や、純水や水溶性緩衝液で洗浄する方法が用いられてきた。しかしながら、本実施例に示すように、グアニジン水溶液で洗浄を行った場合には、調製した糖鎖を液体クロマトグラフィーによる分離後に電気化学的手法で検出した際に、糖鎖のピークの近傍に微量に残存するグアニジンのピークが発生することにより、糖鎖を効率的に検出することができないことが判明した。一方、ドデシル硫酸ナトリウム(SDS)やTween20を用いた場合には、調製した糖鎖を液体クロマトグラフィーによる分離後に電気化学的手法で検出した際に、これらタンパク質可溶化剤のピークが検出されず、効率的に糖鎖を検出し得ることを見出した。この結果から、糖鎖を捕捉した担体の洗浄工程において、タンパク質可溶化剤としてとしてドデシル硫酸ナトリウム(SDS)やTween20などの酸化還元電位が糖鎖よりも高い物質を用いることにより、調製した糖鎖を、液体クロマトグラフィーによる分離後、電気化学的手法によって効率的に検出しうることを見出した。
従って、本発明における「酸化還元電位が糖鎖より高いタンパク質可溶化剤」としては、硫酸直鎖アルキルエステルナトリウム塩であるドデシル硫酸ナトリウム(SDS)やポリオキシエチレンを有する分子であるTween20を好適に用いることができる。
さらに、本発明においては、上記ドデシル硫酸ナトリウム(SDS)以外の硫酸直鎖アルキルエステル塩、例えば、アルキル硫酸塩、アルキル硫酸エステル塩、ラウリル硫酸ナトリウムを用いることも可能である。また、上記Tween20以外のポリオキシエチレンを有する分子、例えば、ポリオキシエチレンソルビタンモノラウリレートを用いることも可能である。
可溶化剤に硫酸直鎖アルキルエステル塩やポリオキシエチレンを有する分子を用いる場合、水溶液にして使用する。溶液としては、純水、緩衝液を好適に使用することができる。ここで使用する緩衝液としては、例えばリン酸緩衝液、トリス緩衝液等を使用することができる。水溶液における上記分子の濃度としては、好ましくは0.05〜5重量%、より好ましくは0.1〜1重量%である。洗浄工程における洗浄条件としては、温度が4〜40℃、洗浄時間が10秒〜30分である。
洗浄方法としては、担体がポリマー粒子の場合は、洗浄液に浸漬し、洗浄液の交換を繰り返すことで洗浄することができる。
具体的には、遠沈管やチューブにポリマー粒子を入れ、洗浄液を加え、振とうの後、遠心操作によりポリマー粒子を沈殿させて、上清を除去する操作を繰り返すことにより洗浄する。例えば、遠心チューブ内にポリマー粒子を入れ、洗浄液を加え、ポリマー粒子を自然沈降、または、遠心分離により強制的に沈降させた後、上清を除去する操作を繰り返すことで洗浄することができる。前記洗浄操作は3〜6回行うことが好ましい。磁性ビーズを用いる場合には、遠心操作は不要であり、簡便である。
また、チューブ状の容器であって、底面部に、液体透過可能で該ビーズが不透過な孔径を有するフィルターを装着するフィルターチューブを用いることも可能である。該フィルターチューブにポリマー粒子を入れて使用することで、洗浄に要した洗浄液を、フィルターを介して除去することが可能となり、前記の遠心操作後の上清除去の工程が必要なくなり、作業性の向上を図ることができる。
また、6〜384穴のマルチウェルプレートの底部が前記フィルターを装着したものが各種市販されており、これらのプレートを用いることでハイスループット化することが可能である。特に96穴マルチウェルプレートは、溶液分注機器、吸引除去システム、およびプレートの搬送システム等が開発されており、ハイスループット化に最適である。
連続式にて糖鎖捕捉反応を行った場合には、洗浄処理は、カラムに洗浄溶液を通して糖鎖捕捉反応から連続的に処理してもよい。また、マルチプレートを用いた場合には、ろ過操作あるいは遠心操作により糖鎖を捕捉した担体以外の物質を除去してもよい。
本発明における糖鎖を捕捉した担体から糖鎖を遊離させる工程(工程(c))では、糖鎖を糖鎖捕捉物質から切り出す反応を行う。この工程では、酸と有機溶媒の混合溶媒あるいは酸と水と有機溶媒の混合溶媒にて、糖鎖捕捉物質に酸処理を行うのが好ましい。酸と水と有機溶媒の混合溶媒の場合、水の含有率は、好ましくは0.1%〜90%、より好ましくは0.1%〜80%、さらに好ましくは0.1%〜50%である。水の代わりに水性緩衝液を含有しても良い。緩衝液の濃度は、好ましくは0.1mM〜1M、より好ましくは0.1mM〜500mM、さらに好ましくは1mM〜100mMである。反応溶液のpHは好ましくは2〜9、より好ましくは2〜7であり、さらに好ましくは2〜6である。使用する酸は、例えば、酢酸、ギ酸、トリフルオロ酢酸、塩酸、クエン酸、リン酸、硫酸が好ましく、より好ましくは酢酸、ギ酸、トリフルオロ酢酸、リン酸、さらに好ましくは酢酸、トリフルオロ酢酸である。反応温度は、好ましくは4〜90℃、より好ましくは25〜90℃、さらに好ましくは40〜90℃である。反応時間は、10分間〜24時間、好ましくは10分間〜8時間、より好ましくは10分間〜3時間である。反応は、糖鎖を遊離させる反応を効率よく行う観点から、開放系で行って溶媒を完全に蒸発させることが好ましい。
弱酸性から中性付近で、糖鎖遊離反応を行うことができるため、従来の強酸性処理、例えば、10%トリフルオロ酢酸処理による切出しのような強酸の存在下での切出し反応に比べて、シアル酸残基の脱離など糖鎖の加水分解などを引き起こすことを抑制することができるようになる。
回収した糖鎖溶液は、液体クロマトグラフィーによる分離に供し、その後、電気化学的手法により、糖鎖を検出することができる。
液体クロマトグラフィーとしては、糖鎖を分離しうる限り特に制限はないが、糖鎖は強アルカリ条件下においてアルコール性水酸基の一部あるいは全部が解離して陰イオンとなることから、本発明においては陰イオン交換クロマトグラフィーを好適に用いることができる。液体クロマトグラフィーにおいて、グラジエント法(例えば、水酸化ナトリウム濃度を一定に保ち、酢酸ナトリウムの濃度を変化させながら糖鎖を溶出させる方法)を組み合わせれば、多様な糖含有成分の一斉分離も可能となる。陰イオン交換クロマトグラフィーに用いるカラムとしては、種々の市販品、例えば、CarboPac PA1カラム(4×250mm)(日本ダイオネクス社製)を用いることができる。
電気化学的検出法としては、液体クロマトグラフィーにより分離した糖鎖を検出しうる限り特に制限はないが、電極に付着した糖鎖の反応生成物を除去して良好な電極表面を維持できることから、本発明においてはパルスアンペロメトリック検出法を好適に用いることができる。電気化学的検出法において用いる作用電極としては金電極が好適であり、参照電極としては銀/塩化銀電極が好適である。電気化学検出器としては、種々の市販品、例えば、ED40 Electrochemical Detector(日本ダイオネクス社製)を用いることができる。
こうして得られたクロマトグラムの糖鎖ピークを基に、糖鎖試料の糖鎖プロファイル(糖鎖の組成や量に関する情報)を得ることができる。
本発明は、例えば、糖鎖を含む研究用試薬、医薬品、動物薬、または食品の特性の解析に応用することができる。従って、本発明は、糖鎖を含む研究用試薬、医薬品、動物薬、または食品の特性を解析する方法であって、糖鎖を含む研究用試薬、医薬品、動物薬、または食品を糖鎖試料として上記本発明の分析方法を実施して糖鎖プロファイルを取得し、当該糖鎖プロファイルを指標に、当該糖鎖を含む研究用試薬、医薬品、動物薬、または食品の特性を評価することを特徴とする方法を提供する。
抗体医薬品に関しては、有効成分たる抗体に結合している糖鎖の構造によって薬効が変化することが知られている。例えば、フコースを持たない糖鎖が結合している抗体は、フコースを持つ糖鎖が結合している抗体に比べて、抗体依存性細胞傷害活性(ADCC活性)が飛躍的に強くなることが判明している(協和発酵キリン株式会社のポテリジェント技術)。従って、フコースの有無を指標に、このような抗体医薬品の薬効を評価することが可能である。
また、代表的な糖タンパク質医薬品であるヒトエリスロポチンに関しては、詳細な構造活性相関に関する研究が行われており、シアル酸糖鎖の結合量が増大するほどin vivoにおける生物比活性が増大すること(Eur. J. Biochem. (1990) 194, 457−462)、血中半減期が延長すること(Biochemistry (2002) 41, 14524−14531)などが明らかになっている。そして、これらの知見が新たな長時間作用型エリスロポエチン誘導体製剤“Darbepoetin α”の創出に繋がることになった(Experimental Hematology (2004) 32, 1146−1155)。従って、シアル酸糖鎖の結合量を指標に、このような糖タンパク質医薬品の薬効を評価することが可能である。
本発明は、また、糖鎖を含む研究用試薬、医薬品、動物薬、または食品の品質を管理に応用することができる。従って、本発明は、糖鎖を含む研究用試薬、医薬品、動物薬、または食品の品質を管理する方法であって、糖鎖を含む研究用試薬、医薬品、動物薬、または食品を糖鎖試料として上記本発明の分析方法を経時的に実施して糖鎖プロファイルをモニターし、当該糖鎖プロファイルの変化を指標に、当該糖鎖を含む研究用試薬、医薬品、動物薬、または食品の品質を評価することを特長とする方法を提供する。この方法においては、糖鎖プロファイルのモニターの結果、糖鎖プロファイルに変化がなければ、当該研究用試薬、医薬品、動物薬、または食品の品質は維持されていると評価でき、一方、糖鎖プロファイルに変化があれば、当該研究用試薬、医薬品、動物薬、または食品の品質は変化していると評価できる。
以下、実施例及び比較例に基づいて本発明をより具体的に説明するが、本発明は以下の実施例に限定されるものではない。
[実験例1] 糖鎖試料の調製
(A)糖タンパク質糖鎖の調製
糖タンパク質としてヒト型IgGモノクローナル抗体製剤を試料に用いた。ヒト型IgGモノクローナル抗体製剤(アダリムマブ)に対し、N-Glycosidase F(Roche社製)により常法に従って糖鎖を遊離させた(Anthony L. et al., Biochemistry. 1985, 24, 4665−4671)。
[実験例2] 糖鎖試料の精製
(A)ポリマービーズ上への糖鎖の捕捉
糖鎖捕捉のための不溶性支持体としてヒドラジン基含有ポリマービーズ「BlotGlyco(R)(住友ベークライト株式会社製、#BS−45603))を用いた。実験例1の(A)の遊離糖鎖水溶液20μLをポリマービーズにのせ、さらに180μLの2%酢酸/アセトニトリル溶液を加えた。80℃で1時間加熱することにより糖鎖のアルデヒド基とポリマービーズ上のヒドラジド基を反応させた。
(B)不溶性支持体の洗浄
(1)界面活性剤でのポリマービーズの洗浄
ポリマービーズに糖鎖を結合させた後、ビーズを0.5%ドデシル硫酸ナトリウム(SDS)もしくは0.5%Tween20、水、および1%トリエチルアミン/メタノール溶液で順次洗浄し夾雑物を除去した。その後、ビーズに10%無水酢酸/メタノール溶液を加え、室温下で30分間反応させた。無水酢酸にてビーズ上の未反応のヒドラジド基をブロッキングした後、後述するビーズからの糖鎖再遊離の実験に供した。
(2)グアニジンでのポリマービーズの洗浄
0.5%ドデシル硫酸ナトリウム(SDS)水溶液の代わりに、200μLの2Mグアニジン水溶液を用いて実験例2(B)の(1)の方法でポリマービーズを洗浄し、後述するビーズからの糖鎖再遊離の実験に供した。
(C)ポリマービーズからの糖鎖再遊離
(1)界面活性剤にて洗浄したポリマービーズからの糖鎖の回収
糖鎖を結合させたヒドラジン基含有ポリマービーズに、20μLの水および180μL
の2%酢酸/アセトニトリル溶液を加え、70℃で1.5時間加熱しポリマービーズから糖鎖を再遊離させた。50μLの純水にて繰り返し3回ビーズをリンスして糖鎖を回収し、それをパルス式電気化学検出器ED40 Electrochemical Detector(日本ダイオネクス社製)で測定した。
(2)塩酸グアニジンにて洗浄したポリマービーズからの糖鎖再遊離
実験例2(C)の(1)の方法で回収した糖鎖をパルス式電気化学検出器で測定した。
[実験例3] 分析条件
表1に示す液体クロマトクロマトグラフィの送液条件に従い、CarboPac PA1カラム(4×250mm)(日本ダイオネクス社製)を用いて糖鎖を分離し、表2に示すパルス式電気化学検出器の電圧設定に従って遊離糖鎖を検出した。パルス式電気化学検出器については、参照電極として銀/塩化銀電極を用い、0.2から0.4秒間に流れる電流を積分し検出値とした。
[比較例1] 洗浄剤の比較
実験例2(B)の(1)の方法(SDS処理またはTween20処理)で洗浄し、実験例2(C)の(1)の方法で回収した糖鎖試料の液体クロマトグラムチャートを図1および2に示す。実験例2(B)の(2)の方法(グアニジン処理)で洗浄し、実験例2(C)の(2)の方法で回収した糖鎖のチャートを図3に示す。
グアニジン処理した場合には、得られた液体クロマトグラムチャートにおける糖鎖ピークの近傍に、グアニジンのピークが検出されたが(図3)、SDS処理またはTween20処理では、これらのピークは検出されなかった(図1、2)。
なお、液体クロマトグラムチャートより得られた糖鎖ピークの相対面積値を表3に示す。糖鎖ピークの相対面積値には大きな差異は認められなかった。
[比較例2] 回収率の比較
実験例1(A)の方法に従って糖鎖を遊離し、実験例2の精製に供さず、実験例3に示した分析条件にて直接測定した。得られた糖鎖試料の液体クロマトグラムチャートを図4に示す。液体クロマトグラムチャートより得られた糖鎖ピークの相対面積値を表4に示す。
BlotGlycoの精製の有無により、糖鎖ピークの相対面積値には大きな差異は認められなかった。
なお、BlotGlycoの精製を行った場合、溶出時間5分以内で認められた夾雑物由来と考えられるピークが減少していた。
上記の通り、本発明によれば、液体クロマトグラフィーによる分離およびそれに続く電気化学的検出のための糖鎖試料を効率的に調製することが可能となった。本発明は、糖鎖に関する試験研究の分野において広く利用可能である。さらに、研究用試薬、医薬品、動物薬、または食品の特性分析や品質管理などの分野にも応用可能である。

Claims (12)

  1. 液体クロマトグラフィーによる分離およびそれに続く電気化学的検出のための糖鎖試料の調製方法であって、
    (a)糖鎖を含む試料を、糖鎖を捕捉するための担体に接触させ、当該糖鎖を当該担体に捕捉する工程、
    (b)糖鎖を捕捉した担体を洗浄する工程、
    (c)糖鎖を捕捉した担体から糖鎖を遊離させる工程、
    を含み、
    (b)の工程において、酸化還元電位が糖鎖より高いタンパク質可溶化剤としてドデシル硫酸ナトリウム(SDS)またはTween20を用いることを特徴とする試料調製方法。
  2. 糖鎖を捕捉するための担体が糖鎖のアルデヒド基と特異的に反応する官能基を有する担体である、請求項1に記載の方法。
  3. 前記担体における官能基がヒドラジド基又はアミノオキシ基である、請求項2に記載の方法。
  4. 前記担体が下記の(式1)で表される架橋型ポリマー構造を有する高分子物質により被覆されているものである、請求項3に記載の方法。
    (R1,R2は−O−,−S−,−NH−,−CO−,−CONH−で中断されてもよい炭素数1〜20の炭化水素鎖,R3,R4,R5はH,CH3,または炭素数2〜5の炭化水素鎖を示す。m,nはモノマーユニット数を示す。)
  5. 前記担体が下記の(式2)で表される架橋型ポリマー構造を有する高分子物質により被覆されているものである、請求項4に記載の方法。
    (m,nはモノマーユニット数を示す。)
  6. 液体クロマトグラフィーが陰イオン交換クロマトグラフィーである、請求項1からのいずれかに記載の方法。
  7. 電気化学的検出がパルスアンペロメトリック検出である、請求項1からのいずれかに記載の方法。
  8. 糖鎖の分析方法であって、
    (a)請求項1からのいずれかに記載の方法により調製された糖鎖試料を液体クロマトグラフィーにより分離する工程、および
    (b)分離した糖鎖を電気化学的に検出する工程、
    を含む糖鎖の分析方法。
  9. 液体クロマトグラフィーが陰イオン交換クロマトグラフィーである、請求項に記載の方法。
  10. 電気化学的検出がパルスアンペロメトリック検出である、請求項に記載の方法。
  11. 糖鎖を含む研究用試薬、医薬品、動物薬、または食品の特性を解析する方法であって、糖鎖を含む研究用試薬、医薬品、動物薬、または食品を糖鎖試料として請求項から1に記載の分析方法を実施することにより糖鎖プロファイルを取得し、当該糖鎖プロファイルを指標に、当該糖鎖を含む研究用試薬、医薬品、動物薬、または食品の特性を評価することを特徴とする方法。
  12. 糖鎖を含む研究用試薬、医薬品、動物薬、または食品の品質を管理する方法であって、糖鎖を含む研究用試薬、医薬品、動物薬、または食品を糖鎖試料として請求項から1に記載の分析方法を経時的に実施することにより糖鎖プロファイルをモニターし、当該糖鎖プロファイルの変化を指標に、当該糖鎖を含む研究用試薬、医薬品、動物薬、または食品の品質を評価することを特徴とする方法。
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