JP5866880B2 - 生理活性物質固定化用粒子、生理活性物質固定粒子及び糖親和性物質捕捉粒子 - Google Patents

生理活性物質固定化用粒子、生理活性物質固定粒子及び糖親和性物質捕捉粒子 Download PDF

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Description

本発明は、生理活性物質を固定するための粒子、及び該粒子上に生理活性物質を固定した生理活性物質固定粒子に関する。
また本発明は、該生理活性物質固定化用粒子に捕捉基としての糖類を固定化した糖親和性物質捕捉粒子に関する。
一般的に生理活性物質固定化のための粒子(マイクロビーズ)は、カラムや容器に充填して、生理活性物質の反応、分離、精製等にしばしば用いられるとともに、近年では、マイクロチップの流路の一部に充填して、反応のための表面積を確保して、診断ツールに用いるなどして使用されている。
このような目的の場合、粒子表面に確実に生理活性物質を固定化することが必須であり、そのため、以前は樹脂に対する物理化学吸着による生理活性物質の固定が主流であったが、現在では、粒子表面に官能基を導入し、生理活性物質を化学結合により固定化する方法がよく採用されている。
これにより、生理活性物質の剥離を防ぐとともに、分子量や構造によらず確実に生理活性物質を固定化することが可能となった。
特許文献1には、磁性体を内包する樹脂製マイクロビーズを乳化重合により作製し、ビーズ表面の官能基にエチレングリコールジグリシジルエーテルを反応させ、モノクローナル抗体を結合させる方法が記載されている。しかしながら、この方法では、マイクロビーズを重合により作製する工程が必要で、それは煩雑であるとともに、必要な粒径、粒度分布を制御することが困難である。
一方、特許文献2には、入手容易な汎用樹脂製マイクロビーズを基材として、その表面を加水分解し、表面に精製したカルボン酸に親水性のスペーサー分子を結合させ、さらにスペーサー分子の官能基に生理活性物質を結合し、親水性により非特異吸着を抑制する方法が述べられている。
この方法により得られるマイクロビーズは、加水分解によりカルボン酸を生じる樹脂を基材として用いる必要がある。また、当該マイクロビーズを、そのスペーサー分子に固定した生理活性物質に親和性の高い物質を捕捉するために使用する場面において、生体由来の夾雑物を多く含む検体を接触させると非特異吸着を抑制しきれない可能性が高い。
ところで、糖鎖及び糖鎖親和性の生体物質は、生理活性物質の重要な一群として知られている。
糖鎖とは、グルコース、ガラクトース、マンノース、フコース、キシロース、N−アセチルグルコサミン、N−アセチルガラクトサミン、シアル酸などの単糖及びそれらの誘導体がグリコシド結合によって鎖状に結合した分子の総称である。
糖鎖は、生体内の重要な構成成分の一つであり、生体内でタンパク質や脂質などに結合した複合糖質として存在することが多く、非常に多様性に富んでいる。
糖鎖は、天然に存在する生物が有する様々な機能に関与する物質であり、生体内において細胞間情報伝達、タンパク質の機能や相互作用の調整などに深く関わっていることが明らかになりつつある。
例えば、糖鎖を有する生体高分子としては、細胞の安定化に寄与する植物細胞の細胞壁のプロテオグリカン、細胞の分化、増殖、接着、移動等に影響を与える糖脂質、及び細胞間相互作用や細胞認識に関与している糖タンパク質等が挙げられるが、これらの高分子の糖鎖が、互いに機能を代行、補助、増幅、調節、あるいは阻害しあいながら高度で精密な生体反応を制御する機構が次第に明らかにされつつある。さらに、このような糖鎖と細胞の分化増殖、細胞接着、免疫、及び細胞の癌化との関係が明確にされれば、この糖鎖工学と、医学、細胞工学、あるいは臓器工学とを密接に関連させて新たな展開を図ることが期待できる。
その一例として、細胞表面の糖鎖や、糖鎖−レセプター間の相互作用異常による疾病の発生、あるいはエイズなどのウイルス感染における糖鎖の役割等に関する研究が活発化してきている。また、細胞−細胞間相互作用、細胞−マトリックス間相互作用における糖鎖の関与に関する研究も、生体反応を理解する上で重要になってきている(たとえば、非特許文献1)。
糖鎖が関与する生体反応を解明するために、糖鎖解析技術が開発されてきた。例えば、特許文献3には、糖鎖のアルデヒド基と特異的に反応する官能基を担持してなる支持体、及び、当該支持体から構成され、糖鎖を捕捉する担体に用いられる重合体粒子が記載されている。特許文献3に記載された支持体及び重合体粒子は、糖鎖解析用バイオチップとして好適に利用されるものであり、これによって糖鎖の捕捉、分離、精製を簡単な工程で行うことができる。
上記糖鎖解析用バイオチップは糖鎖の探索、構造解析といった糖鎖側からのアプローチを容易にしたが、糖鎖が関与する生体反応を解明するためには、糖親和性物質の探索、構造解析といったリガンド側からのアプローチも重要である。
糖親和性物質の探索、構造解析を行うため、或いは、糖親和性物質の生産、供給を行うためには、糖親和性物質の捕捉、分離、精製を簡易な方法で行う必要がある。特に、大規模な実験や工業的なプロセスへ適用することを考慮すると、大量の試料から糖親和性物質を効率よく捕捉、分離、精製できることが望まれる。
特開2005−241547号公報 特開2009−031130号公報 国際公開公報WO 2005/097844 コールドスプリングハーバー糖鎖生物学,丸善,2003年
本発明は上記実情に鑑み成し遂げられたものであり、生理活性物質を固定化することができる粒子(生理活性物質固定化用粒子)、特に好ましくは、生理活性物質を固定化することができ且つ非特異吸着が抑制された粒子を簡便に作製し、提供することを目的とする。
また、本発明の他の目的は、上記した生理活性物質固定化用粒子の上に生理活性物質を固定した粒子を提供することにある。
さらに本発明の他の目的は、上記した生理活性物質固定化用粒子の上に捕捉基としての糖類を固定した糖親和性物質捕捉粒子を提供することにある。
本発明の生理活性物質固定化用粒子は、生理活性物質を固定化する粒子であって、カルボキシル基を有するモノマーとして2−メタクリロイルオキシエチルサクシネート、及び、親水性基を有するモノマーとしてメトシキポリエチレングリコール(メタ)アクリレート及び2−メタクリロイルオキシエチルホスホリルコリンよりなる群から選ばれるモノマーを、架橋ポリメタクリル酸メチルからなる粒子の表面にメタクリル基を有するコア粒子の表面で共重合させることによって得られたものであり、架橋ポリメタクリル酸メチルからなるコア粒子表面に、カルボキシル基を側鎖末端に有する繰り返し単位及び親水性基を側鎖に有する繰り返し単位を有する共重合ポリマーが固定されており、当該共重合ポリマーの少なくとも一部がコア粒子表面に化学結合していることを特徴とする。
また、本発明の生理活性物質固定粒子は、上記本発明の生理活性物質固定化用粒子の上に、前記カルボキシル基から誘導される結合を介して生理活性物質が固定化されていることを特徴とする。
生理活性物質固定化用粒子の上に固定される生理活性物質としては、小分子リガンド、抗体、抗原、糖類、DNA、RNA、アビジン又はアミノ化ビオチンが好適に利用される。
生理活性物質固定化用粒子の上に生理活性物質として糖類を固定した場合には、糖親和性物質捕捉粒子として用いることができる。
本発明の生理活性物質固定化用粒子は、コア粒子表面にカボキシル基を側鎖に有するポリマーを固定したものであるから、簡便な方法で作製することができる。
また、本発明の生理活性物質固定粒子は、上記本発明の生理活性物質固定化用粒子のカルボキシル基に糖類等の生理活性物質を導入したものであり、カルボキシル基を元々は有しないコア粒子の表面に、カルボキシル基の反応性を利用して様々な生理活性物質を固定化したものを提供することができる。
また、本発明の生理活性物質固定化用粒子、粒子状の捕捉材であるから、例えば当該捕捉材粒子をカラム充填したり或いは試料溶液中に分散させる等の簡便な方法で、大量の試料を短時間で処理することができる。
図1は、実施例2において実施した各サンプル液の電気泳動の結果を示す写真である。
本発明において生理活性物質固定化用粒子とは、生理活性物質をその表面に固定化するための処理を施した粒子のことを意味する。
また、生理活性物質固定粒子とは、生理活性物質固定化用粒子に生理活性物質を固定化した粒子のことを意味する。生理活性物質固定粒子には、生理活性物質固定化用粒子のカルボキシル基によって生理活性物質を固定し、当該生理活性物質を捕捉サイトとして機能させ、当該生理活性物質に対して親和性を有する他の生理活性物質を捕捉(「固定」と言い換えることができる)するための捕捉材としての粒子と、生理活性物質固定化用粒子それ自体を捕捉材として用い、カルボキシル基を捕捉サイトとして機能させ、カルボキシル基に対して親和性を有する生理活性物質を捕捉した結果物としての粒子とが包含される。どちらの場合であっても、粒子上に捕捉された生理活性物質は、試料から粒子ごと回収した後、粒子から分離、精製し又は粒子上に固定したまま利用することができる。
また、糖親和性物質捕捉粒子とは、粒子上に糖類を含む捕捉基を有し、糖類を捕捉サイトとして利用し、糖親和性物質を捕捉するための粒子である。
なお、本発明において生理活性物質とは、免疫学的反応、内分泌的作用、薬理学的作用等の典型的な生理活性を有する物質に限定されず、広義の意味において生体に対し何らかの影響を与える物質のことを意味し、生体に由来する物質に限定されることも無く、人工的に合成された物質であってもよい。
また本発明において糖類とは、糖鎖、糖鎖誘導体、当該糖鎖又は糖鎖誘導体を含有する物質、単糖、単糖誘導体、当該単糖又は単糖誘導体を含有する物質のなかから選ばれる物質を意味する。
<生理活性物質固定化用粒子>
本発明の生理活性物質固定化用粒子は、コア粒子表面に生理活性物質を固定化するための官能基としてカルボキシル基を有することを特徴とした粒子である。
ここで官能基をカルボキシル基に限定している理由は、生理活性物質を固定化する種々の方法が確立しており、簡便に固定化ができること、さらに、カルボキシル基が反応性を持ちながら比較的安定で、保存時の失活に注意を払わなくてもよいことにある。
コア粒子は、生理活性物質固定化用粒子の基材となる粒子であり、その材質は特に限定されるものではなく、有機材料、無機材料を問わず用いることができる。
有機材料としては、例えば、ポリメタクリル酸メチル(PMMA)等のアクリル系モノマーを主体とするアクリル系架橋重合体;ポリアクリルアミドゲル(商品名:Bio−Gel P、バイオラッド社)、ポリスチレン、エチレン−無水マレイン酸共重合物等のアクリル系樹脂以外のエチレン性二重結合含有モノマーを主体とする架橋重合体等のプラスチック樹脂が挙げられる。その他にもアフィニティクロマトグラフィーの担体として用いられる多孔性のアガロース粒子(商品名:Sepharose)やデキストラン粒子(商品名:Sephadex)等が挙げられる。
ここで、アクリル系モノマーを主体とするアクリル系樹脂とは、アクリル系モノマーの共重合割合が好ましくは50モル%以上、さらに好ましくは70モル%以上である重合体を意味する。
また、無機材料としては、ガラス;シリカ(酸化ケイ素);金、銀、白金、パラジウム、イリジウム、ロジウム、オスミウム、鉄、銅、コバルト等の金属;これら金属の合金や無機酸化物等が挙げられる。
コア粒子としては、架橋プラスチック樹脂、ガラス、シリカが高い強度を有するので好ましい。これらのなかでも、捕捉した物質の分離精製プロセス段階において耐アルカリ性、耐酸性に強い点で、架橋プラスチック樹脂が好ましい。
架橋プラスチック樹脂のなかでも、架橋ポリメタクリル酸メチル(架橋PMMA)の粒子を使用することが特に好ましい。その理由としては、粒子の強度、耐アルカリ性に優れていることに加えて、(1)水に溶解せず、且つ、比重が1.2程度であり分散媒の比重調整により分散状態を維持させやすいため、水に分散させた状態から遠心分離で回収しやすいこと、(2)粒子の表面に捕捉基と親水基を付与するための重合反応を行う際にPMMA粒子の場合には粒子の溶解を考慮せず任意の溶媒を選択できること、(3)粒子上に捕捉した生理活性物質を粒子から分離するために化学結合を切断する時に、耐酸性及び耐アルカリ性に優れているので粒子が溶解しない、(4)コストも安いこと等が理由として挙げられる。
コア粒子の粒経は、医療用途や小規模実験のような少量の試料を取り扱うレベルから、工業プロセスのような大量の試料を取り扱うレベルまで、実施規模に適宜調節されるが、大量の試料を取り扱う場合には通常、平均粒子径1〜100μmのコア粒子が好適に使用され、さらに好適には1〜50μmであり、最も好適には1〜20μmの粒子を用いる。なお、当該コア粒子の平均粒子径とは、数平均粒子径である。
コア粒子の表面にカルボキシル基を付与する方法としては、コア粒子の表面に、カルボキシル基を側鎖に有するポリマーを固定する方法が好ましい。コア粒子表面にカルボキシル基を側鎖に有するポリマーを固定してなる粒子は、カルボキシル基を元々は有しないコア粒子を用いて簡便な方法で作製することができるから、コア粒子を幅広い材質から選択することができ、方法も簡便であるため、生産性及びコスト面で優れている。
カルボキシル基を側鎖に有するポリマーを固定するには、カルボキシル基を側鎖に有するポリマーを含有する溶液中に、コア粒子を分散させて表面に付着させる方法や、コア粒子表面において側鎖にカルボキシル基を有するモノマーを重合させる方法がある。
このうち、コア粒子表面において側鎖にカルボキシル基を有するモノマーを重合させる方法は、粒子表面でカルボキシル基を側鎖に有するポリマーをその場重合するから、特に簡便なプロセスであり、好ましい。
なお、本発明において「モノマー」とは、ポリマー鎖中において繰り返し単位となる比較的低分子の重合性化合物を意味し、厳密な意味でのモノマーだけに限られず、数分子のモノマーが結合したオリゴマー(それ自体が繰り返し単位を含む)であって重合反応性を有し、重合させたときにオリゴマー分子が繰り返し単位となるものも包含される。
また、上記重合反応の際に、側鎖にカルボキシル基を有するモノマーと側鎖に親水基を有するモノマーを粒子表面に共存させて共重合させることにより、粒子表面にカルボキシル基を有し生理活性物質を固定化することができ、且つそれ以外の物質、例えばタンパク質等の非特異吸着を抑制することができる粒子を得ることが可能となる。
なお、上記重合反応において、さらに他のモノマーを共重合させてもよい。
先ず、側鎖にカルボキシル基を有するモノマーについて述べる。このモノマーは、側鎖に官能基としてカルボキシル基を有するモノマーであれば特に限定するものではないが、通常は(メタ)アクリル系モノマー等のエチレン性不飽和結合を有するモノマーを用いる。
主鎖にカルボキシル基が直結している場合(例えばアクリル酸を用いた場合)は、重合後、カルボキシル基に反応させる生理活性物質が高分子量の物質である場合には、その立体障害によりカルボキシル基との反応が進まず、固定化量が理論量に達しないことが考えられる。この問題を解決するためには、カルボキシル基がスペーサーを介して、モノマーの重合性基から離れた位置に存在することが好ましい。
従って、側鎖の末端にカルボキシル基が位置することがモノマー形態として望ましい。スペーサーとなる側鎖の長さは、炭素原子1個以上に相当する長さであることが好ましい。
スペーサーは親水性のものが好ましい。中でも、アルキレングリコール残基又はポリアルキレングリコール残基を含むものが好ましく、特に、エチレングリコール残基を含むものが好ましい。エチレングリコール残基の繰り返し数は1以上50以下が好ましく、さらに好ましくは1以上30以下であり、最も好ましくは1以上10以下である。なお、繰り返し数が1の場合はポリアルキレングリコール残基とは言わず、アルキレングリコール残基またはオキシアルキル基と表記される。
具体的には、スペーサーを介して側鎖末端にカルボキシル基を有するモノマーとしては、以下の式1で表される、2−メタクリロイルオキシエチルサクシネートを用いることが、重合反応性、入手のし易さ、重合後の官能基の反応性の点で最も好ましい。
次に、側鎖に親水基を有するモノマーについて述べる。これは、粒子表面に親水基を導入することを目的としており、当該親水基の存在により、粒子表面における目的物質以外の非特異吸着を抑制することが可能となる。
このモノマーは、側鎖に親水基を有するモノマーであれば特に限定するものではないが、通常は(メタ)アクリル系モノマー等のエチレン性不飽和結合を有するモノマーを用いる。
側鎖に用いる親水基は、特に限定するものでないが、ポリアルキレングリコール基や、ホスホリルコリン基を好適に用いることができ、特に、ポリエチレングリコール基、ホスホリルコリン基を用いることが好ましい。
側鎖にポリエチレングリコール基を有するモノマーとしては、以下の式2で表されるメトシキポリエチレングリコール(メタ)アクリレートを用いることが、重合反応性、入手のし易さ、重合後の非特異吸着特性の点で最も好ましい。式2中の、ポリエチレングリコール残基のn数は、1以上50以下の整数であり、好ましくは1以上30以下、最も好ましくは5以上10以下である。
(式2中、nは1以上、50以下の整数)
側鎖の親水基にホスホリルコリン基を有するモノマーとしては、以下の式3で表される2−メタクリロイルオキシエチルホスホリルコリンを用いることが好適である。
コア粒子表面で、側鎖にカルボキシル基を有するモノマーを重合、又は、側鎖にカルボキシル基を有するモノマーと側鎖に親水基を有するモノマーとを共重合する方法としては、特に限定されるものではないが、コア粒子を、側鎖にカルボキシル基を有するモノマー、重合開始剤、及び必要に応じて他のモノマーを含む溶液中に側鎖にカルボキシル基を有するモノマー、重合開始剤、及び必要に応じて他のモノマーを含む溶液中に分散させ、撹拌しながら重合を行う方法が簡便で、かつ生成したポリマーによってビーズ表面をムラなく被覆できるので好ましい。
特に、コア粒子表面に重合性官能基を有する場合には、上記重合反応により生成したポリマーが粒子表面に極めて強固に固定される。
コア粒子表面に重合性官能基を付与する方法としては、コアとなるビーズに応じて適切に選択できる。
例えば、コア粒子が架橋PMMAなど有機高分子化合物からなる場合、メタクリル基が導入されたビーズが市販されており、これを用いてもよい。架橋PMMAを主体とするコア粒子を用いる場合には、当該粒子表面を酸・アルカリで加水分解することで、表面にカルボキシル基を生成させ、この生成させたカルボキシル基に対し、重合性官能基を併せ持つシランカップリング剤をさらに反応させる方法が、簡便で好ましい。
シランカップリング剤の例としては、3−メタクリロキシプロピルジメチルメトキシシラン、3−メタクリロキシプロピルジメチルエトキシシラン、3−メタクリロキシプロピルメチルジメトキシシラン、3−メタクリロキシプロピルメチルジエトキシシラン、3−メタクリロキシプロピルトリメトキシシラン、3−メタクリロキシプロピルトリエトキシシラン、3−メタクリロキシプロピルジエチルメトキシシラン、3−メタクリロキシプロピルジエチルエトキシシラン、3−メタクリロキシプロピルエチルジメトキシシラン、3−メタクリロキシプロピルエチルジエトキシシランなどが挙げられる。
一方、コア粒子がガラスやシリカからなる場合は、当該粒子表面に存在する水酸基等の官能基と、重合性官能基を持つカップリング剤、好ましくはシランカップリング剤を反応させることによって、重合性官能基を導入することができる。
側鎖にカルボキシル基を有するモノマーと側鎖に親水基を有するモノマーとを共存させて共重合する場合、側鎖にカルボキシル基を有するモノマーと側鎖に親水基を有するモノマーの混合は、重量比(側鎖にカルボキシル基を有するモノマー:側鎖に親水基を有するモノマー)で100:0〜1:99まで可能であるが、カルボキシル基を用いた生理活性物質の固定化量の確保するためには、100:0〜5:95が好ましく、加えて非特異吸着の阻止効果を良好にするために、60:40〜10:90であることが最も好ましい。
重合反応に用いる溶媒は、モノマーおよび重合開始剤が溶解し、かつ粒子が溶解しないものであればよく、例えば、メタノール、エタノール、2−ブタノン(メチルエチルケトン)、t−ブチルアルコール、ベンゼン、トルエン、テトラヒドロフラン、ジオキサン、ジクロロメタン、クロロホルム、ジメチルホルムアミド等を好適にも用いることができる。これらの溶媒は、単独または2種以上の組み合わせで用いられる。重合反応は、窒素またはアルゴンガス雰囲気下で行ってもよく、溶液の撹拌手段は、特に限定するものではないが、モーターに撹拌羽を連結した物を反応溶媒中に入れ、撹拌羽を回転させて撹拌する方法が、撹拌条件を一定にするのに好適である。また、小スケールで合成を行う場合は、撹拌子による撹拌も可能である。
コア粒子表面で合成されたポリマーは、コア粒子表面に強固且つ安定的に固定化されているため、洗浄によって除去されることはない。特に、コア粒子の表面に重合性官能基を有する場合には、モノマーの一部が粒子表面にグラフト状に付加重合するので、粒子表面で生成したポリマーが、このように粒子表面に化学結合したグラフト状ポリマーと絡み合って、より強固に固定されると考えられる。
したがって、たとえモノマーが残った状態で重合を終了させても、粒子表面に十分ポリマーが生成していれば、未反応モノマーを除去すればよく、重合開始後4時間以上経過していれば、任意の時間で重合を終了することができる。
重合終了後は、粒子をフィルターでろ過、もしくは遠心分離で粒子を回収した後、反応に用いた溶媒で、3〜6回洗浄することで、表面にカルボキシル基を有する粒子を得ることができる。
カルボキシル基は、比較的安定であるため、そのまま、乾燥させて保存することが可能だが、好ましくは、低温で保存することが望ましい。ただし、乾燥すると粒子の凝集が起こり易くなるので、再分散が難しい粒子の場合は、水などに分散させて低温で保存することも可能である。
前記のように作製した生理活性物質固定化用粒子は、コア粒子表面に付与されたカルボキシル基の反応性を利用して様々な生理活性物質を固定化することができる。得られた生理活性物質固定化粒子は、コア粒子表面にカルボキシル基から誘導される結合を介して生理活性物質が固定されており、当該固定した生理活性物質に親和性を有する別の生理活性物質を捕捉するための捕捉材として用いることができる。捕捉サイトとするために固定される生理活性物質としては、例えば、小分子リガンド、抗体、抗原、糖類、DNA、RNA、アビジン、アミノ化ビオチン等が挙げられる。小分子リガンドとは、特定のタンパク質やレクチンと特異的に結合する比較的低分子の化合物である。
なお、コア粒子表面にカルボキシル基を有する生理活性物質固定化用粒子も、カルボキシル基に親和性を有する生理活性物質を捕捉するための捕捉材として、そのまま用いることができる。
コア粒子表面のカルボキシル基を用いて生理活性物質を固定化するためには、カルボキシル基を活性化させた後、生理活性物質に含まれるアミノ基と反応させることが、最も簡便で、かつ確実な方法である。
カルボキシル基を活性化する方法は、特に限定するものではないが、カルボジイミド化合物を用いて活性エステル化する方法が好ましい。
カルボジイミド化合物としては、例えば1−エチル−3−(3−ジメチルアミノプロピル)カルボジイミド塩酸塩、ジシクロヘキシルカルボジイミド、ジイソプロピルカルボジイミドを使用することができる。特に、水溶性カルボジイミド(WSC)と略される1−エチル−3−(3−ジメチルアミノプロピル)カルボジイミド塩酸塩は、水溶液中でカルボキシル基を活性化することが可能であり、基本的に水溶性である生理活性物質の固定化には最適である。
具体的は、得られた生理活性物質固定化用粒子を5mg/mL〜飽和濃度、好ましくは100〜200mg/mLのWSC水溶液(pH5〜6.5)に分散させ、37℃で1〜3時間反応させる。3時間以上の反応は、生じた活性基が水により加水分解されるので、反応条件としては不適当である。
次に、前述の活性化した粒子を水溶液で1〜数回、水溶液を変えて洗浄し、生理活性物質を溶解、分散した溶液中に加え、0〜37℃で、1〜24時間反応させて、生理活性物質を固定化する。
抗体やアミノ化糖のようにアミノ基を元々有する生理活性物質は、そのまま粒子上のカルボキシル基と反応させて固定できるが、アミノ基を元々は有しない生理活性物質を固定したい場合には、粒子上のカルボキシル基と反応できるアミノ基などの官能基、及び、生理活性物質が有する官能基と反応できる官能基を併せ持つ化合物を、リンカーとして用いる。
例えば、アミノ基を有しない糖を固定して糖親和性物質捕捉材を得たい場合には、ヒドラジンを用いることができる。ヒドラジンを用いる場合、先ずカルボキシル基を有する粒子をヒドラジド化した後で糖類を反応させても良いし、先ず糖類をヒドラジド化した後でカルボキシル基を有する粒子を反応させても良い。
前者の手順においては、先ず、ヒドラジンが有する2つのアミノ基のうち一方が粒子上のカルボキシル基と反応して、粒子表面にアミノ基が導入される。次に、粒子表面のアミノ基と糖類が有するアルデヒド基が反応して、糖類の残基が粒子上に導入される。
後者の手順においては、先ず、ヒドラジンが有する2つのアミノ基のうち一方が糖類のアルデヒド基と反応して、アミノ化体である糖ヒドラゾンとなる。次に、糖ヒドラゾンのアミノ基と粒子上のカルボキシル基が反応して、糖類の残基が粒子上に導入される。
従って、上記ヒドラジンを用いる方法で得られた糖親和性物質捕捉粒子は、糖類が固定化されている部分の末端が下記結合1の構造を有している。
結合1:−C(=O)−NR−N=(糖類)
(上記構造において、Rは水素原子又はNに結合可能な水素原子以外の基である。また、これらの構造に含まれるNは4級アンモニウム化していても良い。)
具体的な反応条件の一例を挙げれば、ヒドラジド化した粒子と糖類とを2%酢酸を含むアセトニトリル中で加熱する方法がある。2%酢酸を含むアセトニトリルの代わりに、脱水反応を促進する他の適切な溶媒を用いても良い。反応液中の糖の濃度は、通常0.01mmol/L〜100mmol/Lとし、好ましくは0.1mmol/L〜50mmol/L、最も好ましくは0.1mmol/L〜10mmol/Lとする。
このような反応混合液は、乾固するまで加熱しても良い。乾固するまで加熱することによって、粒子の単位表面積当りの糖固定量を大きくすることができる。
前記のようにして得られた生理活性物質固定粒子は、そのまま、すぐに捕捉材として使用してもよいし、冷蔵、または冷凍保存して用いてどちらでもよい。冷凍保存の場合は、好ましくは凍結乾燥することで、生理活性物質を安定に保存することが可能である。ただし、乾燥により生理活性物質が劣化する場合や乾燥すると再分散が難しい粒子の場合は、PBS、トリス塩酸バッファ、HEPESバッファなど各種緩衝液に分散させて低温で保存することも可能である。
本発明の生理活性物質固定化用粒子または生理活性物質固定粒子は、捕捉材粒子として用いられる。当該捕捉材粒子を、ターゲットとする生理活性物質を含む試料溶液と接触させた後、粒子上に捕捉されたターゲットの生理活性物質を、粒子ごと回収する。
試料溶液としては、血液,血清,組織の破砕物あるいは抽出物,細胞の破砕物あるいは抽出物,タンパク質,核酸,酵素,レクチン,ペプチド,ペプチド核酸,抗体,糖鎖,糖タンパク質,糖脂質,およびそれらの誘導体などを含む溶液が挙げられる。
本発明の生理活性物質固定化用粒子または生理活性物質固定粒子は、粒子状の捕捉材であるから、例えば当該捕捉材粒子をカラムに充填して試料溶液を連続通過させる或いは試料溶液中に分散させる等の簡便な方法で、大量の試料を短時間で処理することができる。
粒子上に捕捉された生理活性物質は、捕捉サイトと捕捉された生理活性物質の間の結合又はその近傍を適宜の方法で切断することによって分離することができる。
例えば、捕捉材粒子上に糖ヒドラゾン結合によって固定された糖類に、糖親和性物質が固定されている場合には、当該捕捉材粒子の分散液中に、固定化した糖と同じ糖を過剰量添加することで、糖親和性物質が脱離する。添加する糖の濃度は1mM以上が望ましい。
また、当該捕捉材粒子の分散液を酸性条件又はアルカリ性条件にすることで、糖親和性物質を脱離させることが可能である。捕捉材粒子の分散液を酸性条件にする調節液としては、例えばグリシン−塩酸緩衝液(pH2〜4)があり、捕捉材粒子の分散液をアルカリ性条件にする調節液としては、例えばエタノールアミン‐塩酸緩衝液(pH7.5〜11)がある。
なお、上記反応においては、捕捉材粒子を強い酸性又は強いアルカリ性の条件にすることで、粒子と生理活性物質の間の化学結合を切断するが、コア粒子として架橋プラスチック樹脂、特に架橋PMMAを用いる場合には耐酸性及び耐アルカリ性に優れているので粒子が溶解することなく、生理活性物質を分離することができる。
以下、本発明を実施例及び比較例に基づいて詳細に説明するが、本発明はこれに限定されるものではない。
<実施例1>
(粒子の作製)
コア粒子として、東洋インキ製造株式会社製アクリル微粒子「リオスフィア」(品番RSP−3009、平均粒径2.6μm、メチルエチルケトン中に20wt%の濃度で分散)を用いた。このリオスフィアは、架橋PMMA粒子であって、重合性官能基としてメタクリル基が導入された市販ビーズである。
このコア粒子10gに、新中村化学工業株式会社製2−メタクリロイルオキシエチルサクシネート0.55g、新中村化学工業株式会社メトキシポリエチレングリコール#400メタクリレート(式(2)におけるエチレングリコール繰り返し単位の数(n)=9(カタログ値))4.5g、和光純薬工業製アゾビスイソブチルニトリル0.04gを加え、窒素雰囲気下で撹拌しながら60℃24時間重合を行った。得られた重合溶液を遠心分離して粒子を回収し、2−ブタノンに分散させ、再度遠心分離で粒子を回収した。この2−ブタノンへの分散と遠心分離による回収を計5回実施したのち、分散媒を水に置換することで、生理活性物質固定化用粒子を得た。
(活性エステル化)
得られた生理活性物質固定化用粒子100mgを、200mg/mLのWSC(株式会社同仁化学研究所製)のPBS(pH5.8)溶液5mLに分散し、37℃にて2時間転倒混和した。その後、遠心分離で粒子を回収し、PBS(pH5.8)で3回洗浄することで、活性エステル化した。
(1次抗体固定化)
得られた活性エステル化粒子20mgに対し、50μg/mLに調製したCRP抗体(Abnova製)のりん酸水素二カリウム溶液1mLを加え、室温にて1晩転倒混和した。0.05%Tween20含有PBSで3回洗浄した。
(CRPとの反応)
CRP抗体を固定化した粒子5mgに3μg/mLに調製したCRPのPBS溶液1mLを加え、室温にて1時間転倒混和した。遠心分離で粒子を回収後0.05%Tween20含有PBSで3回洗浄した。
(2次抗体との反応)
CRPを反応させた粒子に、1μg/mLに調製したHRP標識化CRP抗体(Abnova製)溶液を1mL加え、室温にて1時間転倒混和した。遠心分離で粒子を回収後0.05%Tween20含有PBSで3回洗浄した。
(CRP捕捉量の定量)
HRP標識化CRP抗体を反応させた粒子を、住友ベークライト株式会社製ペルオキシダーゼ発色キットを用いて発色させ、450nmの吸光度を測定することによりCRPの捕捉量を見積もった。
<比較例1>
WSCによる活性化を行ったのち、2−アミノエタノールで不活性化を行った粒子に対し、実施例と同様のCRP捕捉量測定を行った。
<実施例1及び比較例1の結果>
表1に示したとおり、実施例1におけるCRP捕捉量は、明らかに比較例1におけるCRP捕捉量よりも大きかった。
<実施例2>
(ラクトース固定化粒子の作製)
実施例1と同様に生理活性物質固定化用粒子を作製し、粒子表面のカルボキシル基を活性化させたのち、ヒドラジン一水和物(和光純薬工業製)1mLを加え、室温にて2時間転倒混和した。その後メタノールで3回洗浄し、さらに純水で3回洗浄した。次いで、1M HCl(和光純薬工業製)を1mL加え、ボルテックスミキサーでよく撹拌し、純水で3回洗浄した。
得られたビーズ2mgに対し、10mMラクトース水溶液20μLと2%酢酸を含むアセトニトリル180μLを加え、80℃にて1時間加熱し、乾固させた。これによりビーズ表面に糖(ラクトース)を固定した。
その後、400μLの純水で3回、400μLのメタノールで各3回ずつ洗浄した。次いで、10%無水酢酸を含むメタノールを100μL加え、室温にて30分静置し、その後400μLのメタノールで3回洗浄した。
(レクチン捕捉)
得られたビーズ(糖親和性物質捕捉粒子)を、所定量のVECTOR LABORATORIES製BIOTINYLATED RICINUS COMMUNIS AGGLUTININI(RCA120)溶液(溶媒:Tris−HClバッファ)中に分散させ室温にて1時間静置し、ビーズにレクチンを捕捉させた。その後0.05%Triton−X100含有Tris−HClバッファで3回洗浄した。
(SDS−PAGE)
レクチンを捕捉させたビーズに飽和ラクトース溶液(溶媒:Tris−HClバッファ)を加え、室温にて1時間静置し、ビーズと溶液を分離し、分離液をサンプル液として用いた。得られた各サンプル液の1/5量をSDS−PAGEで電気泳動し、銀染色した。
(サンプル液のバリエーション)
上記一連の基本手順に従って少しずつ条件を変えて、実施例または比較例に該当するサンプル液(1)〜サンプル液(7)を得た。各サンプル液を得るための実験条件を表2に示した。
<実施例2の結果>
実施例2における電気泳動の結果を図1に示す。
RCA120溶液を直接電気泳動した結果(サンプル液(7)、図1における丸囲み番号7)と対比したところ、ラクトースを固定した粒子から分離したサンプル液(サンプル液(5)及び(6)、図1における丸囲み番号5及び6)でRCA120が検出されていることから、糖でレクチンを捕捉していることが示されている。
また、ラクトースを固定していない粒子から分離したサンプル液(サンプル液(2)及び(3)、図1における丸囲み番号2及び3)は、RCA120がほとんど検出されなかったことから、本粒子への非特異吸着が極めて少ないことが示されている。
なお、RCA120の処方時濃度が0(ゼロ)であったサンプル液(サンプル液(1)及び(4)、図1における丸囲み番号1及び4)は、当然ながらRCA120が全く検出されなかった。
本発明の表面にカルボキシル基を有する粒子を、簡便に得ることができ、物質の分離精製、マイクロチップの充填剤をして使用することができる。

Claims (6)

  1. 生理活性物質を固定化する粒子であって、
    カルボキシル基を有するモノマーとして2−メタクリロイルオキシエチルサクシネート、及び、親水性基を有するモノマーとしてメトシキポリエチレングリコール(メタ)アクリレート及び2−メタクリロイルオキシエチルホスホリルコリンよりなる群から選ばれるモノマーを、架橋ポリメタクリル酸メチルからなる粒子の表面にメタクリル基を有するコア粒子の表面で共重合させることによって得られたものであり、架橋ポリメタクリル酸メチルからなるコア粒子表面に、カルボキシル基を側鎖末端に有する繰り返し単位及び親水性基を側鎖に有する繰り返し単位を有する共重合ポリマーが固定されており、当該共重合ポリマーの少なくとも一部がコア粒子表面に化学結合していることを特徴とする生理活性物質固定化用粒子。
  2. 前記生理活性物質が、小分子リガンド、抗体、抗原、糖類、DNA、RNA、アビジン又はアミノ化ビオチンである請求項1に記載の生理活性物質固定化用粒子。
  3. 請求項1又は2に記載の生理活性物質固定化用粒子の上に、前記カルボキシル基から誘導される結合を介して生理活性物質が固定化されていることを特徴とする生理活性物質固定粒子。
  4. 前記生理活性物質が、小分子リガンド、抗体、抗原、糖類、DNA、RNA、アビジン又はアミノ化ビオチンである請求項3に記載の生理活性物質固定粒子。
  5. 前記生理活性物質が糖類であり、糖親和性物質捕捉粒子として用いられる請求項4に記載の生理活性物質固定粒子。
  6. 前記糖類が固定化されている部分の末端が下記結合1の構造を有しており、糖親和性物質捕捉粒子として用いられる請求項5に記載の生理活性物質固定粒子。
    結合1:−C(=O)−NR−N=(糖類)
    (上記構造において、Rは水素原子又はNに結合可能な水素原子以外の基である。また、これらの構造に含まれるNは4級アンモニウム化していても良い。)
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